JP2023149348A - 電源端子オープン検出回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりも省面積で低消費電流な電源端子オープン検出回路を提供する。【解決手段】電源端子オープン検出回路は、NMOSトランジスタ11_1及び寄生ダイオード12_1が形成される半導体領域とは異なる半導体領域に含まれる寄生素子を介して接続される第1端、第2端、ゲート及びバックゲートを含むn-1個のNMOSトランジスタ311_1と、NMOSトランジスタ311_1の第1端とバックゲートと接続される第1端と、第2電源端子9と接続される第2端とを含むNMOSトランジスタ311_0とを有する寄生ダイオードオン検出回路31_1を備え、寄生ダイオードオン検出回路31_1は、アノードが経路に接続されるとともに、カソードが第1電源端子8と接続されており、寄生ダイオード12_1がオンしている場合に寄生素子によって変化するNMOSトランジスタ311_1の第2端と接続される出力端31oを含む。【選択図】図4
Description
本発明は、電源端子オープン検出回路に関する。
複数の電池セルを直列に接続した組電池を組み込んだバッテリ装置では、組電池に含まれる電池セルを監視することにより安全性と性能を維持している。具体的には、電池セルの電池電圧を監視し、電池電圧が規定の範囲内に収まるように制御される。所望の安全性と性能を維持するためには、電池セルの電池電圧が正常に監視されていることが重要となる。例えば、各電池セルと電圧測定装置との間の配線が断線した場合、電圧測定装置では電池セルの電池電圧が測定できず、所望の保護機能が得られない。
このような断線を検出する技術の一例としては、断線の前後で変化する2点間の電圧の変化をコンパレータにより検出することによって、断線を検出する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
N型半導体の基板にP型半導体のウェルが形成された充放電制御回路を含む半導体集積回路(IC)と組電池とを接続したバッテリ装置を例に説明する。例示のバッテリ装置において、組電池内の最も正極側に位置する電池セル(以下、「第1電池セル」とする)の正極とICのVDD端子との接続が外れると、P型半導体のウェルとN型半導体の基板との間で寄生素子がオンする。当該寄生素子がオンすることによって、VDD端子と第1電池セルの負極が接続される中間端子の電圧関係が逆転する。したがって、VDD端子と中間端子との間の電圧の変化をコンパレータにより検出すれば、VDD端子と第1電池セルの正極とが外れている状態を検出することができる。
しかしながら、上述したVDD端子と中間端子との間の電圧の変化をコンパレータにより検出する技術を適用する場合、コンパレータを備えない回路と比べると面積及び消費電流が相対的に大きい。すなわち、上述したVDD端子と中間端子との間の電圧の変化をコンパレータにより検出する技術では、面積及び消費電流の観点から改善の余地がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、省面積化及び低消費電流化をさらに進めた電源端子オープン検出回路を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る電源端子オープン検出回路は、複数であるn個の電池セルを直列接続した組電池を含む二次電池の正極と、P型領域とN型領域とを含む半導体領域に、n-1個の第1トランジスタ及びn-1個の寄生ダイオードが形成された半導体集積回路と非接続であるか否かを検出する回路であって、前記第1トランジスタ及び前記寄生ダイオードが形成される前記半導体領域とは異なる半導体領域に形成され、当該半導体領域に含まれる寄生素子を介して前記第1トランジスタ及び前記寄生ダイオードと接続される第1端と、第2端と、ゲートと、バックゲートとを含むn-1個の第2トランジスタと、前記第2トランジスタのソース及びバックゲートと接続される第1端と、第2電源端子と接続される第2端とを含む抵抗体とを有するn-1個の寄生ダイオードオン検出回路を備え、前記寄生ダイオードは、各アノードが前記二次電池の連続する2個の電池セルの接続点と接続されるn-1個のセル接続端子とそれぞれ接続されるn-1個の経路に接続されるとともに、各カソードが第1電源端子と接続されており、前記寄生ダイオードオン検出回路は、前記寄生ダイオードがオンしている場合に前記寄生素子によって変化する前記第2トランジスタの第2端と接続される出力端を含むことを特徴とする。
本発明によれば、電源端子オープン検出回路を、従来の電源端子オープン検出回路よりも、面積が小さくかつ消費電流を低く抑えることができる。
以下、本発明の実施形態に係る電源端子オープン検出回路について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る電源端子オープン検出回路を備える半導体装置の一例であるバッテリ装置1の回路構成を示すブロック図である。
バッテリ装置1は、半導体プロセスによって半導体基板50(後述する図4参照)に形成された半導体集積回路、具体的には二次電池2の充放電を制御する充放電制御回路10を含むICチップを備えている。
バッテリ装置1は、半導体プロセスによって半導体基板50(後述する図4参照)に形成された半導体集積回路、具体的には二次電池2の充放電を制御する充放電制御回路10を含むICチップを備えている。
バッテリ装置1は、いわゆる多セル構成の組電池を含む二次電池2と、外部正極端子P+及び外部負極端子P-と、放電制御FET(Field Effect Transistor)3と、充電制御FET4と、二次電池2の充放電を制御するための充放電制御回路10と、を備えている。なお、説明を簡便化する観点から、以下の説明において、外部正極端子P+及び外部負極端子P-を、まとめて「外部端子」と称することがある。
二次電池2は、直列に接続されるセルの個数を「n」とすると、n個の電池セル(以下、単に「セル」とする)2_1~2_nを直列接続した組電池を含む、いわゆる多セル電池である。多セル電池の場合、nは2以上の整数、すなわち複数である。二次電池2内のn個のセル2_1,…,2_nは、二次電池2の正極2aから二次電池2の負極2bに向かって、この順番に直列に接続されている。
充放電制御装置20は、外部正極端子P+及び外部負極端子P-と、放電制御FET3と、充電制御FET4と、充放電制御回路10と、を備えている。すなわち、充放電制御装置20は、半導体装置の一例であり、バッテリ装置1から二次電池2を省略した装置である。
外部正極端子P+及び外部負極端子P-は、例えば、充電器及び負荷等の外部機器(図示省略)に接続するための端子である。バッテリ装置1内において、外部正極端子P+と外部負極端子P-とを接続する経路(以下、「外部端子間経路」とする)には、例えば、外部正極端子P+側から順に、二次電池2、過電流検出用抵抗5、放電制御FET3及び充電制御FET4が接続されている。
バッテリ装置1及び充放電制御装置20は、例えば、外部負極端子P-側、すなわちローサイドに、放電制御FET3及び充電制御FET4を備えている。放電制御FET3及び充電制御FET4は、何れもNMOSトランジスタであり、互いのドレインが接続されている。
放電制御FET3は、放電制御信号出力端子DOに接続されるゲートと、充電制御FET4のドレインと接続される一端としてのドレインと、過電流検出用抵抗5の一端と接続される他端としてのソースと、を含んでいる。
充電制御FET4は、充電制御信号出力端子COに接続されるゲートと、外部負極端子P-に接続される一端としてのソースと、放電制御FET3のドレインと接続される他端としてのドレインと、を含んでいる。
充放電制御回路10は、正極電源入力端子VDD、負極電源入力端子VSS、セル接続端子VC1,・・・,VC(n-1)、充電制御信号出力端子CO、放電制御信号出力端子DO、外部負電圧入力端子VM並びに過電流検出端子VINIを備えている。
正極電源入力端子VDDは、正極2aと抵抗R1を介して接続されており、二次電池2の正極2aからの電圧が供給されている。負極電源入力端子VSSは、負極2bに接続されており、負極2bからの電圧が供給されている。
セル接続端子VC1は、抵抗R2を介して、第1セル2_1及び第2セル2_2の接点、すなわち第1セル2_1の負極端子及び第2セル2_2の正極端子と接続されている。以下、セル接続端子VC1と同様にして、セル接続端子VC2,・・・,VC(n-1)は、それぞれ、抵抗R3,・・・,Rnを介して、第2セル2_2の負極端子及び第3セル2_3の正極端子,・・・,第n-1セル2_(n-1)の負極端子及び第nセル2_nの正極端子と接続されている。
ここで、抵抗R1,・・・,Rnの第1セル2_1から第nセル2_nと接続される端(図1における左側の端)を第1端と称し、正極電源入力端子VDD、セル接続端子VC1,・・・,VC(n-1)及び負極電源入力端子VSSと接続される端、すなわち、第1端と逆方向の端を第2端(図1における右側の端)と称する。
抵抗R1の第2端と正極電源入力端子VDDとの接点と、負極2bと負極電源入力端子VSSとの接点との間には、電圧変動抑制のための容量C1が接続されている。以下、容量C1と同様にして、容量C2,・・・,Cnが、それぞれ、抵抗R2,・・・,Rnの第2端とセル接続端子VC1,・・・,VC(n-1)との接点と、負極2bと負極電源入力端子VSSとの接点との間に接続されている。
充電制御信号出力端子COは、充放電制御回路10内で生成された二次電池2の充電の停止及び許可を制御する充電制御信号を、充放電制御回路10の外部へ出力する端子である。充電制御信号出力端子COは、充電制御FET4のゲートに接続されている。
放電制御信号出力端子DOは、充放電制御回路10内で生成された二次電池2の放電を停止及び許可を制御する放電制御信号を、充放電制御回路10の外部へ出力する端子である。放電制御信号出力端子DOは、放電制御FET3のゲートに接続されている。
外部負電圧入力端子VMは、抵抗6を介して外部負極端子P-及び充電制御FET4のソースと接続されている。
過電流検出端子VINIは、過電流検出用抵抗5の一端及び放電制御FET3のソースと接続されている。
図2は、本実施形態に係る電源端子オープン検出回路の一例である電源端子オープン検出回路30を備える充放電制御回路10の構成例を示す概略図である。なお、図2に例示される充放電制御回路10では、電源端子オープン検出回路30と直接関係しない構成要素が省略されている。
充放電制御回路10は、電源端子オープン検出回路30と、制御回路15とを備えている。電源端子オープン検出回路30は、充放電制御回路10を含むICチップの正極電源入力端子VDDとセル2_1の正極、すなわち二次電池2の正極2aとが電気的に非接続であること(以下、「VDDオープン」とする)を検出する機能を有する回路である。
電源端子オープン検出回路30は、寄生ダイオードオン検出回路群31と、論理和回路36とを有している。寄生ダイオードオン検出回路群31は、セル接続端子VC1,・・・,VC(n-1)の端子数と同数個である(n-1)個の寄生ダイオードオン検出回路31_1,・・・,31_(n-1)を含んでいる。論理和回路36は、セル接続端子VC1,・・・,VC(n-1)の端子数と同数個である(n-1)個の入力端と、1個の出力端とを含んでいる。
また、充放電制御回路10は、オフトランジスタであるNMOSトランジスタ11_1,・・・,11_(n-1)及び寄生ダイオード12_1,・・・,12_(n-1)をさらに備えている。NMOSトランジスタ11_1及び寄生ダイオード12_1は、何れも、連続する2個のセル2_1,2_2の接続点と接続されるセル接続端子VC1と寄生ダイオードオン検出回路31_1とを接続する経路13_1に接続されている。NMOSトランジスタ11_1は、ソース、ゲート及びバックゲートが、経路13_1に接続されている。寄生ダイオード12_1は、経路13_1に接続されたアノードと、第1電源端子8と接続されるカソードとを含んでいる。
NMOSトランジスタ11_2,・・・,11_(n-1)及び寄生ダイオード12_2,・・・,12_(n-1)についても、NMOSトランジスタ11_1及び寄生ダイオード12_1と同様にして、セル接続端子VC2,・・・,VC(n-1)と寄生ダイオードオン検出回路31_2・・・,31_(n-1)とを接続する経路13_2,・・・,13_(n-1)に接続されている。NMOSトランジスタ11_2,・・・,11_(n-1)は、それぞれ、経路13_2,・・・,13_(n-1)に接続されるソース、ゲート及びバックゲートを含んでいる。寄生ダイオード12_2,・・・,12_(n-1)は、それぞれ、経路13_2,・・・,13_(n-1)に接続されたアノードと、第1電源端子8と接続されるカソードとを含んでいる。
制御回路15は、図示が省略されている電圧検出回路や電圧監視回路等の電源端子オープン検出回路30以外の回路も含めた他の回路から入力される信号に応じて、充電制御信号出力端子CO及び放電制御信号出力端子DOの少なくとも一方に、トランジスタのオンとオフとを切り替える制御信号を出力可能に構成されている。
図3は、本実施形態に係る電源端子オープン検出回路の第一例である電源端子オープン検出回路30における寄生ダイオードオン検出回路31_1~31_(n-1)の代表例として寄生ダイオードオン検出回路31_1の構成例を示した概略図である。なお、寄生ダイオードオン検出回路31_2~31_(n-1)の構成は、寄生ダイオードオン検出回路31_1と実質的に同じ構成である。
寄生ダイオードオン検出回路31_1は、NMOSトランジスタ311_0,311_1と、寄生PNPバイポーラトランジスタ321、寄生NPNバイポーラトランジスタ322及び寄生抵抗331を有している。抵抗体としてのNMOSトランジスタ311_0は、第2トランジスタとしてのNMOSトランジスタ311_1のソース及びバックゲートと第2電源端子9とを接続するオン抵抗として機能する。第2電源端子9は、例えば、接地電圧等、第1電源電圧とは異なる第2電源電圧を供給可能な端子である。
第1トランジスタとしてのNMOSトランジスタ11_1は、経路13_1に接続されたゲート、ソース及びバックゲートを含んでいる。NMOSトランジスタ11_1のゲート、ソース及びバックゲートは、さらに寄生PNPバイポーラトランジスタ321のエミッタと接続されている。寄生PNPバイポーラトランジスタ321のベースは第1電源端子8に接続されている。寄生PNPバイポーラトランジスタ321のコレクタは、寄生NPNバイポーラトランジスタ322のベースと寄生抵抗331の第1端とに接続されている。
寄生NPNバイポーラトランジスタ322のコレクタは第1電源端子8に接続されている。寄生NPNバイポーラトランジスタ322のエミッタは、NMOSトランジスタ311_0のドレイン、NMOSトランジスタ311_1の第1端としてのソース及び寄生抵抗331の第2端と接続されている。
NMOSトランジスタ311_0のゲートは、NMOSトランジスタ311_1のゲート及び第1電源端子8に接続されている。NMOSトランジスタ311_1の第2端としてのドレインは、論理和回路36の入力端に接続されている。NMOSトランジスタ311_1のドレインと論理和回路36の入力端との接続点は、寄生ダイオードオン検出回路31_1の出力端31oを形成している。
図4は、図3に示される寄生ダイオードオン検出回路31_1のデバイス断面図である。
第1導電型であるN型の半導体基板50の内部には、例えば3個の第2導電型であるP型の領域であるPウェル51,52,53と、1個のN型領域54とを含む半導体領域が形成されている。ここで、N型領域54は、周囲を覆う領域のイオン濃度に対して、そのイオン濃度が相対的に高いN型の領域である。当該領域を図4において「N+」と表記する。寄生ダイオードオン検出回路31_1を構成する、NMOSトランジスタ311_0,311_1、寄生PNPバイポーラトランジスタ321、寄生NPNバイポーラトランジスタ322及び寄生抵抗331と、NMOSトランジスタ11_1は、半導体基板50に形成されている。
各Pウェル51,52,53の内部には、Pウェル51,52,53のイオン濃度に対して、そのイオン濃度が相対的に高い2個のN型領域N+D,N+Sと、1個のP型領域P+とが形成されている。また、各Pウェル51,52,53の半導体基板50の表面には、ゲート絶縁膜(酸化膜)55を介してゲートGが形成されている。ここで、N型領域N+D,N+Sの末尾の文字「D」及び「S」は、それぞれ、「ドレイン」及び「ソース」に対応している。
Pウェル51において、2個のN型領域N+D,N+Sと、ゲートGと、P型領域P+と、Pウェル51とによって、NMOSトランジスタ11_1が形成されている。P型領域P+は、NMOSトランジスタ11_1のバックゲートとなる。P型領域P+とN型領域N+Dとの間には、寄生ダイオード12_1が形成されている。また、N型領域N+Dは第1電源端子8に接続されている。N型領域N+S、ゲートG及びP型領域P+は互いに接続され、さらにセル接続端子VC1と接続されている。
Pウェル52において、2個のN型領域N+D,N+Sと、ゲートGと、P型領域P+と、Pウェル52とによって、NMOSトランジスタ311_1が形成されている。P型領域P+は、NMOSトランジスタ311_1のバックゲートとなる。P型領域P+とN型領域N+Dとの間には、寄生ダイオード12_1が形成されている。ゲートGは第1電源端子8に接続されている。第1電源端子8は、第1電源電圧を供給可能な端子である。P型領域P+及びN型領域N+Sは互いに接続されている。
Pウェル52のP型領域P+と、N型領域54と、Pウェル51のP型領域P+とは、寄生PNPバイポーラトランジスタ321と寄生抵抗331を形成している。Pウェル52のP型領域P+、N型領域54及びPウェル51のP型領域P+は、それぞれ、寄生PNPバイポーラトランジスタ321におけるコレクタ、ベース及びエミッタを形成している。また、Pウェル51のP型領域P+とN型領域54との接続点とPウェル52のP型領域P+との間に寄生抵抗331が形成されている。
N型領域54、Pウェル52のP型領域P+及びPウェル52のN型領域N+Sは、寄生NPNバイポーラトランジスタ322を形成している。N型領域54、Pウェル52のP型領域P+及びPウェル52のN型領域N+Sは、それぞれ、寄生NPNバイポーラトランジスタ322のコレクタ、ベース及びエミッタを形成している。
Pウェル53において、2個のN型領域N+D,N+Sと、ゲートGと、P型領域P+と、Pウェル53とによって、NMOSトランジスタ311_0が形成されている。2個のN型領域N+D,N+Sの間にはオン抵抗53rが形成されている。抵抗体の第1端としてのN型領域N+Dは、Pウェル52のP型領域P+及びN型領域N+Sに接続されている。抵抗体の第2端としてのP型領域P+とN型領域N+Sとは、第2電源端子9に接続されている。このように、寄生ダイオードオン検出回路31_1を構成する素子のうち、寄生PNPバイポーラトランジスタ321、寄生NPNバイポーラトランジスタ322及び寄生抵抗331は、半導体基板50に形成される寄生素子で構成可能である。
次に、充放電制御回路10の電源端子オープン検出回路30の動作について説明する。
各セル接続端子VC1,・・・,VC(n-1)には、2次電池2からの電圧が印加される。VDDオープンでない通常状態では、寄生ダイオード12_1,・・・,12(n-1)はオフしている。したがって、Pウェル51、Pウェル52及びPウェル53の間、すなわち寄生抵抗331に電流は流れず、寄生抵抗331の両端に電圧差は生じない。
各セル接続端子VC1,・・・,VC(n-1)には、2次電池2からの電圧が印加される。VDDオープンでない通常状態では、寄生ダイオード12_1,・・・,12(n-1)はオフしている。したがって、Pウェル51、Pウェル52及びPウェル53の間、すなわち寄生抵抗331に電流は流れず、寄生抵抗331の両端に電圧差は生じない。
一方、VDDオープンの状態では、寄生ダイオード12_1,・・・,12(n-1)がオンして順方向に通電する。寄生ダイオード12_1,・・・,12(n-1)がオンすると、寄生PNPバイポーラトランジスタ321及び寄生NPNバイポーラトランジスタ322がオンする。したがって、Pウェル51、Pウェル52及びPウェル53の間、すなわち寄生抵抗331に電流が流れる。寄生抵抗331に電流が流れて寄生抵抗331の両端に電圧差が生じると、NMOSトランジスタ311_1,・・・,311(n-1)のドレインの電圧が上昇する。
寄生ダイオードオン検出回路31_1は、NMOSトランジスタ311_1のドレインの電圧の上昇を検出することによって、VDDオープンを検出する。寄生ダイオードオン検出回路31_2,・・・,311(n-1)は、寄生ダイオードオン検出回路31_1と同様に、NMOSトランジスタ311_2,・・・,311(n-1)のドレインの電圧の上昇を検出することによって、VDDオープンを検出する。寄生ダイオードオン検出回路31_1,・・・,311(n-1)は、VDDオープンを検出しているか否かに対応した異なる信号レベルを含む信号を出力端31oから出力する。VDDオープンが検出されている場合にはハイレベルの信号が、VDDオープンが検出されていない(否)の場合にはローレベルの信号が出力端31oから出力される。
各寄生ダイオードオン検出回路31_1,・・・,311(n-1)から出力される信号は、論理和回路36の入力端に供給される。論理和回路36は、入力端に供給される信号の何れかがハイレベルの信号であれば、ハイレベルの信号が論理和回路36から制御回路15へ出力される。一方、寄生ダイオードオン検出回路31_1,・・・,311(n-1)から供給される全ての信号がローレベルの信号であれば、ローレベルの信号が論理和回路36から制御回路15へ出力される。制御回路15は、論理和回路36から出力された信号を、電源端子オープン検出回路30の出力信号として受信する。制御回路15は、電源端子オープン検出回路30から受信した信号の信号レベルに応じて制御信号を生成し、供給先となる充電制御信号出力端子CO及び放電制御信号出力端子DOの少なくとも一方に供給する。
以上、本実施形態によれば、ICチップを形成する半導体基板50(図4)に形成される寄生素子を活用して、VDDオープンを検出可能な電源端子オープン検出回路30を、1個のセル当たり2個の素子(図3に示される寄生ダイオードオン検出回路31_1では、NMOSトランジスタ311_0,311_1)で形成することができる。したがって、コンパレータを備える従来回路よりも回路構成が簡易な電源端子オープン検出回路30等を形成することができる。
本実施形態によれば、通常状態において消費電流を0(ゼロ)にできるので、従来回路よりも消費電流を抑えた電源端子オープン検出回路30等を形成することができる。また、本実施形態によれば、各セル接続端子VC1,・・・,VC(n-1)に接続されるNMOSトランジスタ11-1,・・・,11(n-1)を利用してVDDオープンを検出している。したがって、内部領域にある要素回路への影響を及ぼすこと無く、VDDオープンを検出可能な電源端子オープン検出回路30等を形成することができる。
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階では、上述した実施例以外にも様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、追加、置き換え又は変更することができる。例えば、上述した実施形態において、電源端子オープン検出回路30は、電源端子オープン検出回路30Aでもよい。
図5は、本実施形態に係る電源端子オープン検出回路の第二例である電源端子オープン検出回路30Aにおける寄生ダイオードオン検出回路31Aの部分構成を示した概略図である。なお、図5において、図の明瞭性及び簡潔性を確保する観点から、半導体基板50内に形成される寄生素子及びNMOSトランジスタ11_1~11_(n-1)の図示を省略した寄生ダイオードオン検出回路31Aを示している。
電源端子オープン検出回路30Aは、nが3以上の整数の場合に有益な電源端子オープン検出回路30の変形例である。電源端子オープン検出回路30Aは、電源端子オープン検出回路30に対して、寄生ダイオードオン検出回路群31及び論理和回路36の代わりに、寄生ダイオードオン検出回路31Aを備える点で相違している。
寄生ダイオードオン検出回路31Aは、例えば、寄生ダイオードオン検出回路31_1に対して、NMOSトランジスタ311_1と並列に接続されるn-2個のNMOSトランジスタ311_2~311_(n-1)を有して構成されている。なお、n=2の場合は図3に例示の構成と同じとなる。
電源端子オープン検出回路30Aは、電源端子オープン検出回路30に対して、論理和回路36を省略して構成されるので、回路構成をさらに簡易化することができる。すなわち、電源端子オープン検出回路30よりもさらに省面積な電源端子オープン検出回路30Aを構成することができる。
なお、電源端子オープン検出回路30,30Aが備える抵抗体は、NMOSトランジスタ311_0に限定されない。NMOSトランジスタ311_0の代わりに、NMOSトランジスタ311_1のソース及びバックゲートと第2電源端子9とを接続する抵抗素子、又はNMOSトランジスタ311_1のソース及びバックゲートから第2電源端子9へ電流をシンクする電流源が適用されてもよい。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 バッテリ装置(半導体装置)
2 二次電池
2_1~2_n セル(電池セル)
11_1~11_(n-1) NMOSトランジスタ(第1トランジスタ)
12_1~12_(n-1) 寄生ダイオード
13_1~13_(n-1) 経路
20 充放電制御装置(半導体装置)
30,30A 電源端子オープン検出回路
31 寄生ダイオードオン検出回路群
31_1~31_(n-1) 寄生ダイオードオン検出回路
36 論理和回路
311_0 NMOSトランジスタ(第3トランジスタ)
311_1~311_(n-1) NMOSトランジスタ(第2トランジスタ)
53r オン抵抗
CO 充電制御信号出力端子
DO 放電制御信号出力端子
2 二次電池
2_1~2_n セル(電池セル)
11_1~11_(n-1) NMOSトランジスタ(第1トランジスタ)
12_1~12_(n-1) 寄生ダイオード
13_1~13_(n-1) 経路
20 充放電制御装置(半導体装置)
30,30A 電源端子オープン検出回路
31 寄生ダイオードオン検出回路群
31_1~31_(n-1) 寄生ダイオードオン検出回路
36 論理和回路
311_0 NMOSトランジスタ(第3トランジスタ)
311_1~311_(n-1) NMOSトランジスタ(第2トランジスタ)
53r オン抵抗
CO 充電制御信号出力端子
DO 放電制御信号出力端子
Claims (5)
- 複数であるn個の電池セルを直列接続した組電池を含む二次電池の正極と、P型領域とN型領域とを含む半導体領域に、n-1個の第1トランジスタ及びn-1個の寄生ダイオードが形成された半導体集積回路と非接続であるか否かを検出する回路であって、
前記第1トランジスタ及び前記寄生ダイオードが形成される前記半導体領域とは異なる半導体領域に形成され、当該半導体領域に含まれる寄生素子を介して前記第1トランジスタ及び前記寄生ダイオードと接続される第1端と、第2端と、ゲートと、バックゲートとを含むn-1個の第2トランジスタと、前記第2トランジスタのソース及びバックゲートと接続される第1端と、第2電源端子と接続される第2端とを含む抵抗体とを有するn-1個の寄生ダイオードオン検出回路を備え、
前記寄生ダイオードは、各アノードが前記二次電池の連続する2個の電池セルの接続点と接続されるn-1個のセル接続端子とそれぞれ接続されるn-1個の経路に接続されるとともに、各カソードが第1電源端子と接続されており、
前記寄生ダイオードオン検出回路は、前記寄生ダイオードがオンしている場合に前記寄生素子によって変化する前記第2トランジスタの第2端と接続される出力端を含む
ことを特徴とする電源端子オープン検出回路。 - n-1個の前記寄生ダイオードオン検出回路の前記出力端の各々が接続されるn-1個の入力端と、n-1個の前記入力端に入力される信号の論理和を演算した結果を出力する出力端とを含む論理和回路を備える請求項1に記載の電源端子オープン検出回路。
- n-1個の前記寄生ダイオードオン検出回路がそれぞれ有するn-1個の前記第2トランジスタは、互いに並列に接続されている請求項1に記載の電源端子オープン検出回路。
- 前記抵抗体は、前記半導体領域に形成される第3トランジスタのオン抵抗である請求項1から3の何れか一項に記載の電源端子オープン検出回路。
- 前記抵抗体は、抵抗素子及び電流源の何れか一方である請求項1から3の何れか一項に記載の電源端子オープン検出回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022057874A JP2023149348A (ja) | 2022-03-31 | 2022-03-31 | 電源端子オープン検出回路 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022057874A JP2023149348A (ja) | 2022-03-31 | 2022-03-31 | 電源端子オープン検出回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023149348A true JP2023149348A (ja) | 2023-10-13 |
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ID=88288049
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JP2022057874A Pending JP2023149348A (ja) | 2022-03-31 | 2022-03-31 | 電源端子オープン検出回路 |
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Country | Link |
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2022
- 2022-03-31 JP JP2022057874A patent/JP2023149348A/ja active Pending
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