JP2023148209A - 防爆形ガスセンサ - Google Patents

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正弥 今野
Masaya Imano
徹 吉泉
Toru Yoshiizumi
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【課題】ガス応答性能の向上を図る。【解決手段】素子ユニット3Bは、2つの収容部33a,33bが並設された均熱用台座33が固定され、センサ本体に取り付けられるセンサホルダ31と、2つの収容部33a,33bの一方に収容される水素センサ素子5と、対象エリアの可燃性ガスを水素センサ素子5に導入するガス導入穴36bが形成されるとともに、ガス導入穴36bに焼結フィルタ36cが一体形成された第1のガス導入部材36Aと、2つの収容部33a,33bの他方に収容される環境センサ11と、第1のガス導入部材36Aと並設され、対象エリアの可燃性ガスを環境センサ11に導入するガス導入穴36bが形成されるとともに、ガス導入穴36bに焼結フィルタ36cが一体形成された第2のガス導入部材36Bと、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、対象エリアにおいて、例えば水素などの爆発性を有する可燃性ガスを検出対象ガスとして検知する防爆形ガスセンサに関するものである。
従来、水素などの爆発性を有する可燃性ガスを検知する防爆形ガスセンサの一例として、例えば下記特許文献1に開示される特定ガス濃度センサが知られている。この特定ガス濃度センサは、熱伝導型のセンサであり、気流があるとその気流によるヒータからの熱を奪うため、正確な特定ガス濃度を計測することができない。また、特定ガスが水素のような可燃性ガスの場合、ヒータ加熱により発火し、その濃度によっては爆発の危険性がある。そこで、特許文献1に開示される特定ガス濃度センサでは、メッシュ構造を有するキャップでセンサ素子やヒータ部分を覆う構成を採用している。これにより、気流の遮断効果と防爆型の達成を実現している。
ところで、この種の熱伝導型の防爆形ガスセンサでは、後述する環境変化の影響をキャンセルするため、機器内に水素センサ素子とは独立した環境センサを備えている。
特許第5888747号公報
しかしながら、上述した特許文献1の特定ガス濃度センサを含む従来の熱伝導型の防爆形ガスセンサは、水素センサ素子と環境センサが同じ空間に配置され、空間体積も大きいため、十分なガス応答性能を得ることができなかった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、ガス応答性能の向上を図ることができる防爆形ガスセンサを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載された防爆形ガスセンサは、センサ本体内の火災が外部に漏れないように素子ユニットが前記センサ本体に取り付けられ、対象エリアの検出対象ガスを検出する防爆形ガスセンサにおいて、
前記素子ユニットは、
2つの収容部が並設された均熱用台座が固定され、前記センサ本体に取り付けられるセンサホルダと、
前記2つの収容部の一方に収容されるセンサ素子と、
前記対象エリアの検出対象ガスを前記センサ素子に導入するガス導入穴が形成されるとともに、前記ガス導入穴に焼結フィルタが一体形成された第1のガス導入部材と、
前記2つの収容部の他方に収容される環境センサと、
前記第1のガス導入部材と並設され、前記対象エリアの検出対象ガスを前記環境センサに導入するガス導入穴が形成されるとともに、前記ガス導入穴に焼結フィルタが一体形成された第2のガス導入部材と、を備えたことを特徴とする。
本発明の請求項2に記載された防爆形ガスセンサは、請求項1の防爆形ガスセンサにおいて、
前記センサ素子と前記第1のガス導入部材との間には多孔質フィルタが設けられることを特徴とする。
本発明によれば、センサ素子と環境センサを別空間による収容部に収容した独立構造とし、センサ素子と環境センサそれぞれに対応して焼結金属からなるガス導入部材を配置した構成なので、センサ素子からの熱により環境センサの測定値に影響を受けることがなく、ガス応答性能の向上を図ることができる。
本発明に係る防爆形ガスセンサの改良後の素子ユニットの側断面図である。 本発明に係る防爆形ガスセンサの全体構成を示す斜視図である。 素子ユニットに設けられる水素センサ素子の外観図である。 本発明に係る防爆形ガスセンサの改良前の素子ユニットの側断面図である。 図4の改良前の素子ユニットと図1の改良後の素子ユニットによるガス応答率の比較図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明は、防爆構造の容器に導入される対象エリアの検出対象ガスを検出する防爆形ガスセンサに関するものである。以下、本実施の形態では、検出対象ガスとして水素ガスを検知する防爆形水素センサ(以下、水素センサと略称する)を例にとって説明する。
図2に示すように、本実施の形態の水素センサ1は、検知したガス濃度や警告ランプなどの各種表示内容を表示する表示部2aが設けられたセンサ本体2と、センサ本体2内の火災が外部に漏れないようにセンサ本体2に取り付けられ、対象エリアに存在する水素ガスを検知する素子ユニット3と、素子ユニット3が検知した検知信号を出力するセンサケーブルや電源用ケーブルなどの各種ケーブルをセンサ本体2から外部に導出するためのケーブル導出部4を備えて概略構成される。
素子ユニット3は、図3に示すような素子本体5aがメタルキャンの容器からなる水素センサ素子5を備えている。
水素センサ素子5と環境センサ11は素子ユニット3の内部に格納され、この空間内でガスを検知する。なお、図示はしないが、外部空気(大気)と素子ユニット3との空間の間には、通気抵抗のある焼結金属と防塵/防水用の多孔質フィルタ(水素センサ素子5の上部のみに存在)が設けられる。
ここで、水素センサ素子5を含む素子ユニット3として、本件出願人による従来の構造では、素子ユニット3と大気との間に全面焼結金属を採用していた。しかし、本発明に係る水素センサは耐圧防爆認証取得を目的としており、上記全面焼結金属では防爆性能が得られない。このため、図4に示す構造に素子ユニット3Aに変更した。
図4の素子ユニット3Aは、前述した水素センサ素子5と環境センサ11に加え、センサホルダ21、アナログ基板22、均熱用台座23、多孔質フィルタ24、素子カバー25、ガス導入部材26、センサカバー27を備えて概略構成される。
センサホルダ21は、例えばステンレス鋼からなり、段付き貫通穴21aが形成され、センサ本体2に取り付けられる。
アナログ基板22は、センサホルダ21の段付き貫通穴21aに設けられ、センサ本体2の不図示の回路基板と電気的に配線接続される。
均熱用台座23は、例えばステンレス鋼からなり、温度を一定に保って加熱され、センサホルダ21の段付き貫通穴21a内のアナログ基板22の下部に設けられる。
水素センサ素子5は、均熱用台座23に取り付け、アナログ基板22に配線接続されており、対象エリアから導入される水素ガスを検出する。
多孔質フィルタ24は、防塵/防水用のフィルタとして、水素センサ素子5の直下に設けられる。
環境センサ11は、均熱用台座23に水素センサ素子5と並設して取り付け、アナログ基板22に配線接続されており、素子ユニット3A近傍の環境(例えば温度と湿度)を測定する。
素子カバー25は、例えばステンレス鋼からなり、水素センサ素子5と環境センサ11を覆うようにセンサホルダ21の先端部に取り付けられる。
ガス導入部材26は、素子カバー25の中央で図4の紙面奥行き方向に並設され、対象エリアからの水素ガスを導入するためのガス導入穴26aが形成されており、ガス導入穴26aの下端部分にはステンレス鋼からなる焼結フィルタ26bが一体形成される。
焼結フィルタ26bは、センサ本体2内の火災が外部に漏れないように火を遮断し、異物をブロックして対象エリアから導入される水素ガスを水素センサ素子5側に通過させる。
センサカバー27は、例えばアルミニウム合金鋳物からなり、対象エリアからの水素ガスを導入するための複数の開口穴27aが形成されており、素子カバー25およびガス導入部材26を覆うようにセンサ本体2に着脱可能に取り付けられる。
しかしながら、上述した図4の素子ユニット3Aでは、水素センサ素子5と環境センサ11が素子カバー25内の同一空間内に配置され、大気と素子ユニット3A内のガス導入部材26の面積を絞ったこと、素子カバー25内における水素センサ素子5と多孔質フィルタ24の空間体積が大きいことからガス導入部材26から水素センサ素子5に水素ガスが導入されるまでに時間を要してガス応答性能が低下した。
このため、本実施の形態では、図1に示す素子ユニット3Bを採用することでガス応答性能の改善を図った。図1の素子ユニット3Bでは、水素センサ素子5と環境センサ11の空間を独立させ、焼結金属の空間の直上に水素センサ素子5が配置される構造となっている。
さらに素子ユニット3Bの構造について図1を参照しながら詳細に説明する。図1の素子ユニット3Bは、前述した水素センサ素子5と環境センサ11に加え、センサホルダ31、アナログ基板32、均熱用台座33、均熱カバー34、多孔質フィルタ35、ガス導入部材36、センサカバー37を備えて概略構成される。
センサホルダ31は、例えばステンレス鋼からなり、段付き貫通穴31aが形成され、センサ本体2に取り付けられる。
アナログ基板32は、センサホルダ31の段付き貫通穴31aに設けられ、センサ本体2の不図示の回路基板と電気的に配線接続される。
均熱用台座33は、例えばステンレス鋼からなり、温度を一定に保ち、収容部33a,33bが並設されており、センサホルダ31の段付き貫通穴31a内のアナログ基板32の下部に設けられる。
均熱カバー34は、例えばステンレス鋼からなり、均熱用台座33の収容部33a,33bの形状に合わせたカップ状に形成され、均熱用台座33の収容部33a,33bの一方(例えば33a)に取り付けられる第1の均熱カバー34Aと、均熱用台座33の収容部33a,33bの他方(例えば33b)に取り付けられる第2の均熱カバー34Bからなる。
水素センサ素子5は、均熱用台座33の収容部33a,33bの一方に取り付けられる第1の均熱カバー34Aの上部に位置して均熱用台座33の収容部33aに収容され、アナログ基板32に配線接続されており、対象エリアから導入される水素ガスを検出する。
多孔質フィルタ35は、防塵/防水用のフィルタとして、水素センサ素子5の直下(水素センサ素子5と後述する第1のガス導入部材36Aとの間)に設けられる。
環境センサ11は、水素センサ素子5と並設して均熱用台座33の収容部33a,33bの他方に取り付けられる第2の均熱カバー34Bに収容され、アナログ基板32に配線接続されており、素子ユニット3B近傍の環境を測定する。具体的には、温度、湿度などの環境を測定するセンサが挙げられる。
ガス導入部材36は、焼結金属からなり、図1の紙面左右方向に並設される第1のガス導入部材36Aと第2のガス導入部材36Bから構成される。
第1のガス導入部材36Aは、水素センサ素子5の下部に設けられる。第1のガス導入部材36Aは、下部の外周部分にフランジ36aが形成され、対象エリアからの水素ガスを導入するためのガス導入穴36bが形成されており、ガス導入穴36bの下端部分にはステンレス鋼からなる焼結フィルタ36cが一体形成される。
第2のガス導入部材36Bは、環境センサ11の下部に第1のガス導入部材36Aと並設される。第2のガス導入部材36Bは、第1のガス導入部材36Aと同様に、下部の外周部分にフランジ36aが形成され、環境センサ11を水素センサ素子5と同等の雰囲気に晒すため、第1のガス導入部材36Aと同様のガス導入穴36bが形成されており、ガス導入穴36bの下端部分にはステンレス鋼からなる焼結フィルタ36cが一体形成される。
第1のガス導入部材36Aの焼結フィルタ36cは、センサ本体2内の火災が外部に漏れないように火を遮断し、異物をブロックして対象エリアから導入される水素ガスを水素センサ素子5側に通過させる。また、第2のガス導入部材36Bの焼結フィルタ36cは、センサ本体2内の火災が外部に漏れないように火を遮断し、異物をブロックして対象エリアから導入される水素ガスを環境センサ11側に通過させる。
ガス導入部材36(36A,36B)は、センサカバー37の中央部に取り付けられる六角穴付き止めねじ38の締結により六角穴付き止めネジ38の先端をフランジ36aに当接させることで位置決め固定される。
センサカバー37は、例えばアルミニウム合金鋳物からなり、対象エリアからの水素ガスを導入するための複数の開口穴37aが形成されており、ガス導入部材36およびセンサホルダ31の先端部を覆うようにセンサ本体2に着脱可能に取り付けられる。
ところで、環境センサ11は、正確な補正のために、水素センサ素子5と同一空間にあることが望ましい。
ここで、図4の改良前の素子ユニット3Aと図1の改良後の素子ユニット3Bのガス応答性を評価するため、温度を安定させた状態で素子ユニット3A,3Bの外側に評価用チャンバーを取り付けてガス応答性試験を行った。
このガス応答性試験では、評価用チャンバーの継手IN側(もう片方はOUT側)にベースガスを流し、安定した出力をベース出力とする。また、1%水素ガスを流し、安定した出力を水素感度(変化量)として応答率を算出した。なお、水素ガスを導入するときは評価用チャンバーの直前までガスを流してから継手に挿入し、ガス置換時間による誤差を排除した。
図5は上述したガス応答性試験による改良前後の素子ユニット3A,3Bのガス応答率の比較結果を示す。
図5からも明らかなように、改良前の素子ユニット3Aでは、50%応答が約24秒であるのに対し、改良後の素子ユニット3Bでは、50%応答が約12秒となり、JIS T 8206で規定される50%応答20秒以内を満足する結果が得られた。
このように、上述した実施の形態によれば、水素センサ素子と環境センサを別空間による収容部に収容した独立構造とし、水素センサ素子と環境センサそれぞれに対応して焼結金属からなるガス導入部材を配置した素子ユニットを採用したので、水素センサ素子からの熱により環境センサの測定値に影響を受けることがなく、ガス応答性能の向上を図ることができる。
ところで、上述した実施の形態では、水素センサに採用した場合の構成を例にとって説明したが、これに限定されるものではない。水素ガス以外に例えば可燃性ガスなどのガスを検知する防爆形センサに採用することもできる。
以上、本発明に係る防爆形ガスセンサの最良の形態について説明したが、この形態による記述及び図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例及び運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。
1 水素センサ(防爆形水素センサ)
2 センサ本体
2a 表示部
3,3A,3B 素子ユニット
4 ケーブル導出部
5 水素センサ素子
11 環境センサ
21 センサホルダ
21a 段付き貫通穴
22 アナログ基板
23 均熱用台座
24 多孔質フィルタ
25 素子カバー
26 ガス導入部材
26a ガス導入穴
26b 焼結フィルタ
27 センサカバー
27a 開口穴
31 センサホルダ
31a 段付き貫通穴
32 アナログ基板
33 均熱用台座
33a,33b 収容部
34(34A,34B) 均熱カバー
35 多孔質フィルタ
36(36A,36B) ガス導入部材
36a フランジ
36b ガス導入穴
36c 焼結フィルタ
37 センサカバー
37a 開口穴
38 六角穴付き止めねじ

Claims (2)

  1. センサ本体内の火災が外部に漏れないように素子ユニットが前記センサ本体に取り付けられ、対象エリアの検出対象ガスを検出する防爆形ガスセンサにおいて、
    前記素子ユニットは、
    2つの収容部が並設された均熱用台座が固定され、前記センサ本体に取り付けられるセンサホルダと、
    前記2つの収容部の一方に収容されるセンサ素子と、
    前記対象エリアの検出対象ガスを前記センサ素子に導入するガス導入穴が形成されるとともに、前記ガス導入穴に焼結フィルタが一体形成された第1のガス導入部材と、
    前記2つの収容部の他方に収容される環境センサと、
    前記第1のガス導入部材と並設され、前記対象エリアの検出対象ガスを前記環境センサに導入するガス導入穴が形成されるとともに、前記ガス導入穴に焼結フィルタが一体形成された第2のガス導入部材と、を備えたことを特徴とする防爆形ガスセンサ。
  2. 前記センサ素子と前記第1のガス導入部材との間には多孔質フィルタが設けられることを特徴とする請求項1に記載の防爆形ガスセンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN117470899A (zh) * 2023-10-26 2024-01-30 北京东分科技发展有限公司 一种新型热导原理传感器测量气体浓度的装置及方法

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