以下、本発明の遊技機の実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。また、後述の任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる又は並列に実行できる。
1.遊技機の構造
本形態のパチンコ遊技機PY1について説明する。最初に、パチンコ遊技機PY1の構造について図1~図5を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」は、パチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」は、パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向とする。
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、外枠22と、その外枠22に対して開閉可能な前扉23とを備えている。さらに、前扉23は、後述する遊技盤ユニットYUが取り付けられる遊技盤取付枠2Aと、遊技盤取付枠2Aにヒンジ2Bを介して回転自在に支持される前枠23mと、を備える。前枠23mは遊技盤取付枠2Aに対して開閉が可能である。前枠23mには、透明板23tが取り付けられている。前枠23mが閉じられているとき、遊技盤取付枠2Aに取り付けられた遊技盤1と透明板23tとは対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技場(遊技店)に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6(遊技領域)を視認することができる。透明板23tは、透明なガラス板や透明な合成樹脂板等を用いることができる。パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力(後述する発射装置72が発射ソレノイドに駆動させる量)の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠23mの前面の下部中央には、前方に向けて大きく突出した下部装飾体36が設けられている。下部装飾体36の上面には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための上皿34が形成されている。また、下部装飾体36の正面の下部中央には、上皿34に収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための下皿35が設けられている。
下部装飾体36の上面の上皿34より前方側には、操作可能な第1入力装置(以下「通常ボタン」)40が設けられている。通常ボタン40は、例えば押下面を有するボタン,把持部を有するレバー等で構成される。また、前枠23mの表面の右縁部から前方に突出して形成されている右部装飾体32において、操作可能な第2入力装置(以下「特殊ボタン」)41が設けられている。特殊ボタン41は、例えば押下面を有するボタン,把持部を有するレバー等で構成される。
また、前枠23mの表面の上部から前方に突出して形成されている上部装飾体31の底面に、音を出力可能なスピーカ52が設けられている。スピーカ52(音出力手段)は、左側に配置された左スピーカ52Lと、右側に配置された右スピーカ52Rと、からなる。また、前枠23mの右縁部と、下部装飾体36における正面の下皿35の左側および右側とに、発光可能な枠ランプ53が設けられている。さらに、前枠23mの左縁部および右縁部の上側には、遊技興趣を高めることを目的とする演出装置としての可動式の枠可動装置58が取り付けられている。枠可動装置58は、左側に配置された左枠可動装置58Lと、右側に配置された右枠可動装置58Rと、で構成される。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤ユニットYUについて、主に図2~図5を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面側に取り付けられた演出用ユニット1Uと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。開口部1Aに沿って、遊技球が流下可能な遊技領域6を区画するための略リング状の内側壁部1Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部1Bの外側にも、遊技領域6を区画するための略リング状の外側壁部1Cが前方に突出して形成されている。
遊技盤1の前面には、内側壁部1B、外側壁部1Cなどで囲まれた遊技領域6が形成されている。すなわち、遊技盤1の前面が、内側壁部1Bおよび外側壁部1Cによって、遊技領域6とそれ以外の領域とに仕切られている。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技くぎ(図示なし)が突設されている。遊技くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、後述する第1始動口11(入球口)、第2始動口12(入球口)、一般入賞口10、ゲート13、第1大入賞口14、および、第2大入賞口15(特別入賞口)などに適度に誘導する経路を構成している。なお、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口11、第2大入賞口15、および一般入賞口10が、「入賞口」に相当する。
遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1始動口11が形成された第1始動入賞装置11Dと、第2始動口12への入球を可能または不可能にさせる第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dと、が設けられている。
第1始動入賞装置11Dは不動である。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口11への入賞は、第1特別図柄(以下、「特図1」という)の抽選(後述の特図1関係乱数の取得と判定:以下、「特図1抽選」という)および特図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口11へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
電チュー12Dは、作動可能な電チュー開閉部材12kを備えている。電チュー開閉部材12kは、通常は(通常状態では)、第2始動口12への遊技球の入球が不可能もしくは極めて困難な閉鎖位置にある。そして、特別状態になると、第2始動口12への遊技球の入球が可能な開放位置に移動する。このように、電チュー開閉部材12kが開放位置に移動することを第2始動口12または電チュー12Dの「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。一方、電チュー開閉部材12kが閉鎖位置にあることを第2始動口12または電チュー12Dの「閉状態」ともいう。また、第2始動口12または電チュー12Dが「開状態」になることを「電チュー12Dが開放する」ともいい、電チュー12Dが「閉状態」になることを「電チュー12Dが閉鎖する」ともいう。
遊技球の第2始動口12への入賞は、第2特別図柄(以下、「特図2」という)の抽選(後述の特図2関係乱数の取得と判定:以下、「特図2抽選」という)および特図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口12へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な一般入賞口10が設けられている。遊技球が一般入賞口10へ入賞すると、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。遊技球のゲート13の通過は、普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定:以下、「普図抽選」という)および普図の可変表示の契機となっている。補助遊技が実行されることによって電チュー12Dを開放する。すなわち、補助遊技は、電チュー12Dの開放を伴う遊技である。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1大入賞口14が形成された第1大入賞装置14D(以下、「通常AT14D」ともいう)が設けられている。
第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とに作動可能な通常AT開閉部材14kを備える。通常AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14が開閉する。通常AT開閉部材14kは、通常では第1大入賞口14を塞ぐ閉状態になっており、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することは不可能もしくは極めて困難である。通常AT開閉部材14kが開状態に作動すると、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することが可能になる。このように、通常AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導ステージ12gが設けられている。なお、誘導ステージ12gの上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能である。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第2大入賞口15が形成された第2大入賞装置15D(以下、「VAT15D」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置15D(特別入賞手段)は、作動可能なVAT開閉部材15kを備えている。VAT開閉部材15kは、通常では第2大入賞口15を塞いでおり、遊技球が第2大入賞口15に入球することは不可能もしくは極めて困難である。VAT開閉部材15kは開状態をとることができる。VAT開閉部材15kが開状態であると遊技球の第2大入賞口15への入球が容易となる。一方、VAT開閉部材15kが第2大入賞口15を塞いでいる状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材15kの作動によって第2大入賞口15が開閉する。遊技球が第2大入賞口15へ入賞すると、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
ここで、図3を用いて、第2大入賞装置15Dについて詳細に説明する。第2大入賞装置15Dの内部には、第2大入賞口15に入球した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ15a(特別入賞口検知手段)が設けられている。
第2大入賞口センサ15aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域16(特定領域)と非特定領域17(非特定領域)とが設けられている。第2大入賞口センサ15aを通過した遊技球は、振分装置16Dによって、特定領域16か非特定領域17かに振り分けられる。振分装置16Dは、略矩形状の平板からなる振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sとを備えている。振分部材16kは、振分ソレノイド16sの駆動により、左右にスライド可能に構成されている。
振分ソレノイド16sが通電されていないとき、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:図3(A)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の左端よりやや右側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆う状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過した後、特定領域16を通過することは不可能もしくは極めて困難であり、非特定領域17を通過する。この第2大入賞口15から非特定領域17まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
一方、振分ソレノイド16sが通電されているとき、振分部材16kは遊技球の特定領域16の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:図3(B)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の右端よりやや左側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆わず、特定領域16の直上が開放している状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過したあと特定領域16を通過容易である。この第2大入賞口15から特定領域16まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
なお、基本的に、振分部材16kは第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が、振分部材16kの通常の状態であるといえる。そして、所定のラウンド遊技(例えば10R)においてのみ、振分ソレノイド16sが通電され、第2状態に変化することができる。
特定領域16と非特定領域17には、各領域16、17を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ16a(特定領域検知手段)、非特定領域センサ17a(非特定領域検知手段)が設けられている。
なお、第1大入賞装置14Dおよび第2大入賞装置15Dは、遊技に支障をきたさない範囲で、一方だけを設けるようにすることが可能である。
また、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、遊技盤1には、発光可能な盤ランプ54が設けられている。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域(第2遊技領域)と、に分けることができる。遊技球が左遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技くぎなどによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、第1大入賞口14と、第2大入賞口15と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13の通過や、第2始動口12、第1大入賞口14、または、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
なお、何れの入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15)にも入球しなかった遊技球は、アウト口19へ誘導されて排出される。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
また、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の下方の左隣(遊技領域6以外の部分)には表示器類8が配置されている。図4に示すように、表示器類8には、特図1を可変表示する特図1表示器81a、特図2を可変表示する特図2表示器81b、及び、普図を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数(U1:特図1表示器81aによる特図1の可変表示が保留されている数)を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数(U2:特図2表示器81bによる特図2の可変表示が保留されている数)を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機に特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機に特図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特図1および特図2を総称して特図といい、特図1抽選および特図2抽選を総称して特図抽選という。また、特図1表示器81aおよび特図2表示器81bを総称して特図表示器81という。さらに、特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bを総称して特図保留表示器83という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、大入賞口(第1大入賞口14及び第2大入賞口15)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。
特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成され、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器81は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器81「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の可変表示がなされる。特図の可変表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、特図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、特図抽選などを行うための各種乱数(数値情報や判定情報の一例)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口11への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図1関係乱数」といい、第2始動口12への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図2関係乱数」という。ここで、特図1関係乱数は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関係乱数は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1保留の数(特図1保留数)および特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2保留の数(特図2保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、特図1保留と特図2保留を総称して「特図保留」といい、特図1保留数と特図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技(特別遊技)の実行中に入賞があった場合、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
そして、特図保留数は、特図保留表示器83に表示される。特図1保留表示器83aと特図2保留表示器83bのそれぞれは、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示することが可能である。
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される普図(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普図)は、普図抽選によって複数種類の普図の中から選択された一つの普図である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図(所定の停止態様の普図すなわち当たり図柄)である場合には、第2始動口12(電チュー12D)を開放させる補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示する。普図抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器82は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普図抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の可変表示が行われる。普図の可変表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行うための普通図柄乱数(数値情報や判定情報の一例)が取得されることがある。この乱数は、普図の可変表示または補助遊技が実行されていないことを条件に、後述の普図保留記憶部106に記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数(普図保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、遊技球がゲート13を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。
次に、図5を用いて、遊技盤1の背面に取り付けられた演出用ユニット1Uについて説明する。演出用ユニット1Uは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。演出用ユニット1Uには、画像表示装置50、第1盤可動装置(以下「盤上可動装置」)55、第2盤可動装置(以下「盤下可動装置」)56が搭載されている。
画像表示装置50は、例えば20インチの3D液晶ディスプレイ,ドット表示器,7セグメント表示装置等で構成され、図柄等を表示可能な表示画面50a(表示部)を具備する。
盤上可動装置55は、表示画面50aよりも前方に配置され、表示画面50aに沿って移動可能であり、装飾が施された盤上可動体55kを具備する。盤下可動装置56は、表示画面50aよりも前方に配置され、表示画面50aに沿って移動可能であり、装飾が施された盤下可動体56kを具備する。
図5(A)は、盤上可動体55kおよび盤下可動体56kが作動していない通常の待機状態(初期位置)で保持されている様子を概略化して表している。盤上可動装置55の駆動源が駆動すると、盤上可動体55kは下向きに移動(下降)し、盤下可動装置56の駆動源が駆動すると、盤下可動体56kは上向きに移動(上昇)する。このとき、画像表示装置50は下降した盤上可動体55kまたは上昇した盤下可動体56kに覆われ、画像表示装置50は視認困難となる。
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
2.遊技機の電気的構成
次に、図6~図9に基づいて、パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6~図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(以下「主制御基板」ともいう)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出)、客待ち演出、通常ボタン40や特殊ボタン41の操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板、以下「サブ制御基板」ともいう)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、遊技盤1の画像表示装置50よりさらに背面側に備えている(図8参照)。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。また、演出制御基板120を、後述する画像制御基板140、ランプ制御回路151、および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出を制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、押下操作可能なRAMクリアスイッチ191が設けられている。RAMクリアスイッチ191(特定操作手段)は、電源投入時に、後述する遊技制御用マイコン101(遊技制御手段)の遊技用RAM104に記憶されている遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)を、遊技用CPU102にクリア(以下「RAMクリア」と呼ぶ)させるためのものである。図8に示すように、RAMクリアスイッチ191は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された電源基板190上に設けられている。そのため、前扉23を開閉可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ191を操作することはできない。即ち、RAMクリアスイッチ191は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。RAMクリアスイッチ191が押下操作されると、RAMクリアスイッチ191がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。なお本形態では、RAMクリアスイッチ191が電源基板190上に設けられているが、RAMクリアスイッチ191の配置箇所は適宜変更可能であり、例えば主制御基板100上や専用の基板上に設けられていても良い。
また電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、主制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また電源基板190には、電源スイッチ193が接続されている。電源スイッチ193のON操作またはOFF操作により、電源の投入と遮断とが切り換えられる。なお、主制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を主制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
図6に示すように、主制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、および遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
遊技用RAM104には、前述した特図保留記憶部105や普図保留記憶部106などが設けられている。また遊技用RAM104には、非消去記憶部107が設けられていて、非消去記憶部107には、総賞球数記憶部107a、総発射球数記憶部107b、差玉数記憶部107cが設けられている。非消去記憶部107では、RAMクリアが実行されても、遊技用CPU102が記憶内容を消去しないようになっている。非消去記憶部107(総賞球数記憶部107a、総発射球数記憶部107b、差玉数記憶部107c)については、後に詳述する。
また主制御基板100には、7セグ表示器300と、設定キーシリンダ180と、特別リセットスイッチ181(特別操作手段)と、が設けられている(図8参照)。7セグ表示器300は、図9に示すように、所謂4連7セグであり、合計で32個の点灯(発光)する部分を備えている。具体的に、7セグ表示器300は、左から右に向かって順番に、第1表示領域310と第2表示領域320と第3表示領域330と第4表示領域340とを備えている。そして4つの表示領域310、320、330、340は、それぞれ「0」~「9」までの数字を表すことができるように、8個の点灯部分(LED素子)LB1~LB8、LB9~LB16、LB17~LB24、LB25~LB32を有している。7セグ表示器300の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
設定キーシリンダ180は、大当たり判定確率に対応する設定値を設定する際に、操作手段として機能するものである。この設定キーシリンダ180の内部は、設定キー(図示省略)が挿入された状態で、初期位置と回転位置との間で回転操作される。よって、本パチンコ遊技機PY1では、設定キーシリンダ180を回転位置へ回転操作しておき、RAMクリアスイッチ191を押下操作しながら、電源を投入することで、設定値を設定可能な設定モードに移行することができる。そして、この設定モードにおいて、設定値を「1」に設定することができる。しかしながら、本パチンコ遊技機PY1では、設定値が1種類である「1」しか設けられていない。従って、設定値を「1」から変更できないようになっている。なお、設定モードに設定されてるときに、設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置へ回転操作すると、設定モードが終了して、RAMクリアが実行される。
また主制御基板100には、押下操作可能な特別リセットスイッチ181が設けられている。図8に示すように、特別リセットスイッチ181は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された主制御基板100上に設けられている。そのため、前扉23を開閉可能な遊技場の従業員等でなければ、特別リセットスイッチ181を操作することはできない。即ち、特別リセットスイッチ181は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。特別リセットスイッチ181の機能については、後に詳述する。また主制御基板には、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118が実装されている。
主制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類MSや各種アクチュエータ類MAが接続されている。そのため、主制御基板100には、各種センサ類MSが出力した信号が入力する。また、主制御基板100は、各種アクチュエータ類MAに信号を出力する。
主制御基板100に接続されている各種センサ類MSには、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する第1始動口センサ11a、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する第2始動口センサ12a、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する一般入賞口センサ10a、ゲート13を通過した遊技球を検知するゲートセンサ13a、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知する第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知する第2大入賞口センサ15a、特定領域16を通過(特定領域16に進入)した遊技球を検知する特定領域センサ16a、および、非特定領域17を通過(非特定領域17に進入)した遊技球を検知する非特定領域センサ17aが含まれている。
また各種センサ類MSには、遊技領域6を流下する全ての遊技球(総発射球数)を検知する排出口センサが含まれている。ここで、遊技領域6の外部へ流下した遊技球は、遊技盤取付枠2の下部に設けられている排出経路(図示省略)を通って、本パチンコ遊技機PY1の外部に排出される。そのため、排出口センサは、排出経路内に設けられている。また各種センサ類MSには、不正な磁気を検知する磁気センサが含まれている。磁気センサは、遊技者が磁石等を用いて遊技球を不正に各種入賞口10、11、12、14、15へ入賞させる際に生じる磁気を検知するものである。上記した各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。
また各種センサ類MSには、前扉23の外枠22に対する開放を検知する前扉開放センサと、前枠23mの遊技盤取付枠2Aに対する開放を検知する前枠センサと、が含まれている。前扉開放センサは、前扉23の開放を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。前枠センサは、前枠23mの開放を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。なお、主制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
また、主制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類MAには、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する電チューソレノイド12s、第1大入賞装置14Dの通常AT開閉部材14kを駆動する第1大入賞口ソレノイド14s、第2大入賞装置15DのVAT開閉部材15kを駆動する第2大入賞口ソレノイド15s、および、振分装置16Dの振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sが含まれている。なお、主制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに主制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また主制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73や貸球払出装置74を用いて、賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。具体的には、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球の数は、その計数のための賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
また、発射装置72には、遊技者などの人のハンドル72k(図1参照)への接触を検知可能なタッチスイッチが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、検知信号を払出制御基板170に出力する。また、発射装置72には、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームつまみ72bが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また払出制御基板170は、外部端子板160に接続されている。つまり、外部端子板160は、払出制御基板170を介して、主制御基板100に接続されている。外部端子板160は、主制御基板100から送信される外端信号を、パチンコ遊技機PY1の外部に設けられている外部ユニットGU(データカウンタ、ホールコンピュータなど)に送信するものである。外端信号に含まれる情報には、例えば、大当たりに当選したかを示す情報、遊技状態の情報、エラーや不正(異常)を示す情報が含まれる。なお、外部端子板160は、外端信号をパラレル通信によって外部ユニットGUに送信しているが、外端信号を非同期シリアル通信(共通の非同期シリアル通信ポート)で送信するようにしても良い。また、主制御基板100を払出制御基板170を介して外部端子板160に接続したが、主制御基板100を払出制御基板170以外の基板(例えば中継基板)を介して外部端子板160に接続したり、主制御基板100と外部端子板160とを直接接続するようにしても良い。
また主制御基板100は、遊技の進行に応じて、演出制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。演出制御基板120は、主制御基板100から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板100と演出制御基板120との接続は、主制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121(演出制御手段)には、主制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、および演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
また演出用RAM124には、総賞球数の情報を記憶する演出用総賞球記憶部124aと、総発射球数の情報を記憶する演出用総発射球数記憶部124bと、差玉数の情報を記憶する演出用差玉数記憶部124cとが設けられている。
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、および、サブ側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また、演出制御基板120には、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138、およびRTC(Real Time Clock)139が実装されている。RTC139は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC139は、パチンコ遊技機PY1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板190が備えるバックアップ電源回路192から供給される電力によって動作する。このため、RTC139は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC139に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、演出制御基板120と画像制御基板140との接続は、演出制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140から演出制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示画面50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、演出制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類、駆動源となる各種アクチュエータ類SA、各種ランプ類SLが接続されている。演出制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、演出制御基板120は、各種アクチュエータ類SAに信号を出力する。また、演出制御基板120は、主制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路151を介して各種ランプ類SLの点灯制御を行う。
演出制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、通常ボタン検出スイッチ40aおよび特殊ボタン検出スイッチ41aが含まれている。通常ボタン検出スイッチ40aは、通常ボタン40が押下操作されたことを検出する。特殊ボタン検出スイッチ41aは、特殊ボタン41が押下操作されたことを検出する。各検出スイッチ40a,41aは、検出内容に応じた信号を演出制御基板120に出力する。なお、演出制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
演出制御基板120に接続された各種アクチュエータ類SAには、盤上可動装置55,盤下可動装置56,枠可動装置58等を駆動するモータ(例えば、盤上駆動モータ55m、盤下駆動モータ56m、枠駆動モータ58m)が含まれ、モータを駆動して、各可動装置に所定の動作を行わせることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各可動装置の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、各可動装置の動作を制御する。なお、演出制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
演出制御基板120に接続された各種ランプ類SLには、枠ランプ53,盤ランプ54等が含まれ、各ランプを発光させる。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、ランプ制御回路151を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、各ランプの点灯制御、および、各可動装置の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、演出制御基板120に接続されるランプの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、図10~図15を用いて説明する。
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行う。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図変動始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、図10(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、図11(A)に示すような1または複数の当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、遊技状態には非時短状態と時短状態とが含まれ、当たり判定テーブルとして、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、を区別することが可能である。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。そして、当たり判定の結果に基づいて、普図の可変表示を行うための普図変動パターン判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。また、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3-1-2.普図変動
普図変動パターン判定は、図11(B)に示すような1または複数の普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、普図変動パターン判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)と、を区別することが可能である。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態においてと時短状態においてとで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。また、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。
補助遊技は、補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)、すなわち、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態に対応付けられている。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態に基づいて、図11(C)に示すような1または複数の補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。また、これらの各要素における開放回数や開放時間については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態における補助遊技では、第1の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な時間(例えば0.08秒))だけ電チュー12Dを開放する。なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。また、時短状態における補助遊技では、第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが容易な時間(例えば3.00秒))だけ電チュー12Dを開放する。なお、以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を行う。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を行う。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
なお、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、図10(B)に示すように、特別図柄乱数(大当たり乱数)、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。なお、乱数を判定情報と言うこともある。
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、図12(A)に示すような1または複数の大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。遊技状態には、通常確率状態と高確率状態とが含まれ、大当たり判定テーブルは、通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルとして、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と、高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)と、を区別することが可能である。
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図12(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。また、大当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3-2-2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図12(B)に示すような1または複数の大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別毎に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素を対応付けることが可能である。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別に関連付けることが可能である。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルとして、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)と、を区別することが可能である。
大当たり図柄には複数種類の種別があり、各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。また、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
例えば、図12(B)に示すように、特図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Xが50%、大当たり図柄Yが50%にし、特図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Zが100%にすることが可能である。このように、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる特図1抽選と、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる特図2抽選とで、大当たり図柄種別の振分率を異ならせることが可能である。
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図12(C)に示すような1または複数のリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。
リーチ判定テーブルは、遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、リーチ判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と、時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)と、を区別することが可能である。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ成立乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。図12(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ成立乱数値の数を異ならせることが可能である。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われる「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
3-2-4.特図変動
特図変動パターン判定は、図13~図14に示すような1または複数の特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定であり、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも行われる。特図変動パターンとは、特図変動時間や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることが可能である。特図変動パターンとして、それぞれ識別情報が異なる複数種類の特図変動パターンを用いることが可能であり、その数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別に関連付けることが可能である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルとして、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図13)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図14)と、を区別することが可能である。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態にも関連付けることが可能である。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)と、を区別することが可能である。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、を区別することが可能である。
また、遊技状態に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果またはリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用(大当たり図柄種別ごと)、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用などがある。同様に、時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用(大当たり図柄種別ごと)、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用などがある。
さらに、各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、を区別することが可能である。また、各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、を区別することが可能である。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の可変表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特図抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンには、図13~図14の表の右から2番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローに関連付けることが可能である。
なお、図13~図14の表の一番右の欄に示すように、特図変動パターンについて、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けて名称を付すことがある。例えば、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」という。一方、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPハズレ変動」、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lハズレ変動」、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるNリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nハズレ変動」、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンのことを「通常ハズレ変動」という。
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、取得した特図関係乱数に基づいて、図15に示すような1または複数の先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行う。先読み判定には、例えば、特別図柄乱数が大当たり判定で大当たりと判定されるか否かの判定、大当たり図柄種別乱数が大当たり図柄種別判定で何れの大当たり図柄の種別に決定されるかの判定、特図変動パターン乱数が特図変動パターン判定で何れの特図変動パターンに決定されるかの判定、などがある。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別に関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルとして、第1始動口11に入賞した場合の先読み判定テーブル(第1先読み判定テーブル)と、第2始動口12に入賞した場合の先読み判定テーブル(第2先読み判定テーブル)と、を区別することが可能である。
また、先読み判定テーブルは、遊技状態にも関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(非時短用先読み判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(時短用先読み判定テーブル)と、を区別することが可能である。
つまり、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、を区別することが可能である。なお、先読み判定にどのような判定を含ませるかは適宜に変更可能である。
3-3.大当たり遊技
次に、大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14または第2大入賞口15)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。また、OPやEDを設けないようすることが可能である。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口(第1大入賞口14または第2大入賞口15)の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。パチンコ遊技機PY1は、特図の停止表示後、図16に示すような1または複数の大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技毎に大当たり遊技構成要素が格納されている。大当たり遊技として、1種類又は複数種類の大当たり遊技を制御することが可能である。
例えば、図16に示すように、1Rから9Rまでは、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、が行われる。そして、10R(最終ラウンド)では、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、が行われる。また、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサに検知されると、大入賞口14,15の最大開放時間が経過する前であっても、ラウンド遊技を終了させる。
また、各要素における回数や時間については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり遊技を、第1大入賞口14および第2大入賞口15の両方を用いて行うことも一方だけを用いて行うことも可能である。
ここで、特定領域16について詳細に説明する。特定領域16は、振分部材16kによって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材16kの作動態様は、特定領域16の開閉態様ということができる。以下において、振分部材16kの作動態様のことを「特定領域16の開閉態様」ともいう。このように、振分部材16kが一定の作動態様(特定領域16が一定の開閉態様)で制御されるが、振分部材16kの一定の作動態様(特定領域16の一定の開閉態様)と、大当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様との組み合わせで、大当たり遊技において遊技球を特定領域16に進入させることの困難性(容易性)が設定されることになる。なお、以下において、特定領域16が開状態にあることを「V開放」ともいう。
第2大入賞口の開放が開始してから15秒間、振分ソレノイド16sが通電され、振分部材16kが第2状態(図3(B))に制御される。よって、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことが容易である。一方、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことはほぼ不可能(困難)である。このように、大当たり遊技には、当該大当たり遊技中に、遊技球の特定領域16の通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技と、遊技球の特定領域16の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技と、を実行することが可能である。このように、Vロング開放パターンでVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技を「Vロング大当たり」という。一方、Vショート開放パターンでVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技を「Vショート大当たり」という。
本形態の遊技制御用マイコン101は、図16の大当たり遊技制御テーブルに示す各種の大当たり遊技(大当たり遊技X、大当たり遊技Y、大当たり遊技Z)を実行可能である。
図16に示すように、本形態の遊技制御用マイコン101は、特図1判定処理(第1始動口11への入賞に基づく特図判定処理)における大当たり図柄種別判定では、「大当たり図柄X」又は「大当たり図柄Y」の何れかを決定可能である。より詳細には、遊技制御用マイコン101は、「大当たり図柄X」を50%の割合で決定し、「大当たり図柄Y」を50%の割合で決定する。また、遊技制御用マイコン101は、特図2判定処理(第2始動口12への入賞に基づく特図判定処理)における大当たり図柄種別判定では、「大当たり図柄Z」を決定可能である。より詳細には、遊技制御用マイコン101は、「大当たり図柄Z」を100%の割合で決定する。
そして、第1実施形態の遊技制御用マイコン101は、決定した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技を実行する。具体的には、「大当たり図柄X」が決定された場合に実行される「大当たり遊技X」では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから4Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14を開放し、5Rから9Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14を開放し、10Rでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15を開放する。この大当たり遊技の5Rから9Rまでは、第1大入賞口14の開放時間が極めて短く、現実的には第1大入賞口14への入賞が見込めないラウンドとなっている。つまり、この大当たり遊技におけるラウンド遊技の総数は10回であるものの、実質的なラウンド遊技の回数は5回である。
また、「大当たり図柄Y」が決定された場合に実行される「大当たり遊技Y」では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから4Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14を開放し、5Rから9Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14を開放し、10Rでは1回のラウンド遊技当たり最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15を開放する。この大当たり遊技の5Rから9Rまでは、第1大入賞口14の開放時間が極めて短く、現実的には第1大入賞口14への入賞が見込めないラウンドとなっている。つまり、この大当たり遊技におけるラウンド遊技の総数は10回であるものの、実質的なラウンド遊技の回数は4回である。
また、「大当たり図柄Z」が決定された場合に実行される「大当たり遊技Z」では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから9Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14を開放し、10Rでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15を開放する。つまり、この大当たり遊技は、ラウンド遊技の総数も実質的なラウンド遊技の回数も10回である。
従って、実質的なラウンド遊技の回数が10回である「大当たり遊技Z」は、実質的なラウンド遊技の回数が5回である「大当たり遊技X」や実質的なラウンド遊技の回数が4回である「大当たり遊技Y」よりも遊技者に有利な大当たり遊技であると言える。
3-4.遊技状態
次に、遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、図17に示すように、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」、「高確率高ベース遊技状態」および「大当たり遊技状態」の何れかの遊技状態にすることが可能である。なお、「低確率低ベース遊技状態」を「低確低ベース状態」と、「低確率高ベース遊技状態」を「低確高ベース状態」と、「高確率低ベース遊技状態」を「高確低ベース状態」と、「高確率高ベース遊技状態」を「高確高ベース状態」と、それぞれ略称することができる。遊技状態を構成する状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る状態と、電チュー12Dの開放の容易性に係る状態とがある。前者としては、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者としては非時短状態と時短状態とがある。なお、「低確率低ベース遊技状態」を低確非時短状態と、「低確率高ベース遊技状態」を低確時短状態と、「高確率低ベース遊技状態」を高確非時短状態と、「高確率高ベース遊技状態」を高確時短状態と、それぞれ略称することもできる。
通常確率状態は、「低確率低ベース遊技状態」または「低確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である状態である。高確率状態は、「高確率低ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である状態である。従って、高確率状態は通常確率状態よりも遊技者に有利な状態であると言える。パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。そして、大当たりに当選することによって通常確率状態から高確率状態に切り替えることが可能になる。例えば、大当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過することによって高確率状態に切り替えることが可能である。また、大当たり図柄の種別によって高確率状態に切り替えることも可能である。高確率状態は、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、高確率状態から通常確率状態に切り替えることが可能である。
非時短状態は、「低確率低ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」または「大当たり遊技状態」において設定される。時短状態は、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態である。例えば、時短状態においては、非時短状態における電チュー12Dの開放時間(例えば0.08秒)よりも長い開放時間(例えば3.00秒)となる。また、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルを用いて、特図変動パターン判定が行われるようにすることも可能である(図13~図14参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易くすることが可能である。例えば、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30秒)よりも短い普図変動時間(5秒)が決定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多い。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易くすることが可能である。例えば、時短状態では、非時短状態で当たりと判定される確率(例えば6600/65536)よりも高い確率(例えば59936/65536)で当たりと判定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおいて当たり判定で当たりと判定される回数が多い。
このように時短状態では、非時短状態に比して、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。従って、時短状態は非時短状態よりも遊技者に有利な状態であると言える。
パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。そして、例えば、大当たりに当選することによって時短状態が設定可能になる。時短状態は、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、時短状態から非時短状態に変更することが可能である。
なお、時短状態では、非時短状態に比して、当たりに当選し易く、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い。普図に係る遊技について3つの点で、遊技者に有利に設定されている。しかし、この遊技者に有利に設定されている点はこれらの中の一部であってもよい。
なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態が設定される「低確率低ベース遊技状態」である。この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。なお、「大当たり遊技状態」では、当たり判定は行われるが大当たり判定は行われないため、大当たり遊技の開始に伴って、非時短状態が設定される。また、遊技状態については、前述した遊技状態の全てを用いることも一部だけを用いることも可能である。
続いて、図16に戻って、大当たり遊技後の遊技状態について説明する。本形態のパチンコ遊技機PY1において、遊技制御用マイコン101は、前述した「大当たり遊技X」、「大当たり遊技Y」および「大当たり遊技Z」の何れの大当たり遊技が実行される大当たり遊技状態の後であっても、時短状態を設定する。また、遊技制御用マイコン101は、「大当たり遊技X」および「大当たり遊技Z」の何れかの大当たり遊技が実行される大当たり遊技状態の後には高確率状態を設定する一方、「大当たり遊技Y」の大当たり遊技が実行される大当たり遊技状態の後には高確率状態を設定しない(通常確率状態が設定される)。従って、「大当たり遊技X」および「大当たり遊技Z」の何れかの大当たり遊技が実行される大当たり遊技状態の後には、高確率状態且つ時短状態が設定される「高確率高ベース遊技状態」になり、「大当たり遊技Y」の大当たり遊技が実行される大当たり遊技状態の後には、通常確率状態且つ時短状態が設定される「低確率高ベース遊技状態」になる。高確率状態且つ時短状態に設定されるときには、確変回数が100回と時短回数が100回に設定される。ここで、確変回数とは、高確率状態における特図の可変表示の上限実行回数(規定回数)のことである。また、時短回数とは、時短状態における特図の可変表示の上限実行回数(規定回数)のことである。すなわち、高確率高ベース遊技状態は、高確率高ベース遊技状態での特図の可変表示の回数が100回まで継続可能である。また、低確率状態且つ時短状態に設定されるときには、時短回数のみが100回に設定される。すなわち、低確率高ベース遊技状態では、低確率高ベース遊技状態での特図の可変表示の回数が100回まで継続可能である。つまり、その後に高確率状態が設定される「大当たり遊技X」または「大当たり遊技Z」は、その後に高確率状態が設定されない「大当たり遊技Y」よりも遊技者に有利な大当たり遊技であると言え、「大当たり遊技X」または「大当たり遊技Z」が実行される大当たり遊技状態は、「大当たり遊技Y」が実行される大当たり遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、図18~図24を用いて説明する。
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われていないときに設定可能であり、特図変動演出が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、図18(A-1)に示すように、表示画面50aにおいてパチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに通常ボタン40が操作されると、図18(A-2)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカ52から出力される音の音量設定、表示画面50aの輝度設定(「光量設定」)、実行される演出の頻度設定(「演出設定」)などがある。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」または「高確率低ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能であり、非時短状態であることを示す演出モードである。通常演出モードには、例えば、図18(B-1)に示すように、表示画面50aにおいて昼間の山の景色を表す背景画像(昼間通常用背景画像G102)が表示される第1通常演出モードと、図18(B-2)に示すように、表示画面50aにおいて夕方の山の景色を表す背景画像(夕方通常用背景画像G103)が表示される第2通常演出モードと、図18(B-3)に示すように、表示画面50aにおいて夜間の山の景色を表す背景画像(夜間通常用背景画像G104)が表示される第3通常演出モードと、があり、大当たりに当選することなく1回または複数回の特図変動演出が行われることを1つの条件として切り替えられる。さらに、第1~第3通常演出モードのそれぞれには、特図変動演出において、リーチが成立する前の通常前段演出モードと、リーチが成立した後の通常後段演出モードと、がある。通常前段演出モードでは、表示画面50aにおいて、昼間通常用背景画像G102、夕方通常用背景画像G103および夜間通常用背景画像G104の何れかが表示されるが、通常後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。また、「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定される特殊演出モードを設けても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、高確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。確変演出モードでは、例えば、図18(B-4)に示すように、表示画面50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G105)が表示される。さらに、確変演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の確変前段演出モードと、リーチが成立した後の確変後段演出モードと、がある。確変前段演出モードでは、表示画面50aにおいて、確変用背景画像G105が表示されるが、確変後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、通常確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードでは、例えば、図18(B-5)に示すように、表示画面50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G106)が表示される。さらに、時短演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の時短前段演出モードと、リーチが成立した後の時短後段演出モードと、がある。時短前段演出モードでは、表示画面50aにおいて、時短用背景画像G106が表示されるが、時短後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中には、図18(C-1)に示すように、表示画面50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G107や「右打ち」を促す右打ち画像G108が表示される大当たりオープニング演出が行われる。大当たり遊技におけるラウンド中には、図18(C-2)に示すように、表示画面50aにおいて、ラウンド数を示すラウンド画像G109や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G110が表示されるラウンド演出が行われる。大当たり遊技におけるエンディング中には、図18(C-3)に示すように、表示画面50aにおいて、エンディング画像G111や、大当たり遊技状態で払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G112が表示される大当たりエンディング演出が行われる。
なお、演出モードの種類については、適宜に変更または追加することが可能である。
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出(単に「変動演出」とも言う)について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。特図変動演出では、表示画面50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄は、例えば1~9の数字図柄で構成され、演出図柄の変動表示では、特図の可変表示の開始に伴って演出図柄が変動し、特図の可変表示の終了に伴って演出図柄が停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
なお、特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外に、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、通常ボタン40、特殊ボタン41などの様々な演出装置を用いた他の演出を行うことが可能である。この場合、演出図柄の停止表示後も、他の演出を継続して行うことが可能である。
4-2-1.演出図柄表示領域
画像表示装置50の表示画面50aには、図19(A)に示すように、表示画面50aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3を設けることが可能である。左演出図柄領域50b1は、特図変動演出における演出図柄の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。なお、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3が、「複数の演出図柄」に相当する。
また、図19(A)に示すように、表示画面50aの上端部の左端(左上隅)の一区画に、小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cは、特図の可変表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。小図柄KZ1,KZ2,KZ3は、例えば、1~9の数字図柄で構成される。
なお、図19(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
4-2-2.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
特図の可変表示が開始されると、例えば、図19(A)に示すように、表示画面50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3(以下、「演出図柄EZ1、EZ2、EZ3」又は「演出図柄EZ」とも呼ぶ)が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、図19(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。なお、図19中の「↓」は、図柄の変動表示中であることを示している。そして、この特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」の場合には、図19(C-1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが異なる停止態様で仮停止してから、図19(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。ハズレを示唆する停止態様には、「1・1・2」や「2・4・6」など、左右の図柄が同一ではない停止態様が複数種類ある。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」などのリーチ有りの特図変動パターンの場合には、図19(C-2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ停止態様(所謂リーチ目)で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、特図変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
Nリーチでは、図20(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、図20(B)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していく。そして、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、図20(C-1)に示すように、リーチハズレを示唆する停止態様(所謂リーチハズレ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もリーチハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。リーチハズレを示唆する停止態様には、「7・6・7」や「5・3・5」など、左右の図柄が同一且つ中の図柄が左右の図柄と異なる停止態様が複数種類ある。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「N大当たり変動」の場合には、図20(C-2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。大当たりを示唆する停止態様には、「7・7・7」や「2・2・2」など、左右中の図柄が同一の停止態様が複数種類ある。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄EZ2が徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
4-2-4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、図21(A)に示すように、表示画面50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示画面50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、図21(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」の場合には、図21(C-1)に示すように、表示画面50aに、大当たりを示唆する演出(例えば、主人公キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」の場合には、図19(C-2)に示すように、ハズレを示唆する演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチハズレを示唆する停止態様で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
ここで、各リーチに対する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止される可能性(大当たり期待度、当選期待度)について詳細に説明する。各リーチに対する大当たり期待度は、大当たり判定の結果に基づく実行確率によって定められる。例えば、Nリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には10%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とした場合、SPリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には4%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とすれば、SPリーチの大当たり期待度を、Nリーチの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。また、SPリーチとしてSPリーチAとSPリーチBとを実行可能にし、SPリーチAの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には20%とした場合、SPリーチBの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には30%とすれば、SPリーチBの大当たり期待度を、SPリーチAの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。このように、大当たり判定の結果に応じた実行確率を適宜に設定することで、大当たり期待度を設定することが可能である。
4-3.保留アイコン表示領域
画像表示装置50の表示画面50aには、図22(A)に示すように、4つの表示領域からなる保留アイコン表示領域50dを設けることが可能である。保留アイコン表示領域50dは、第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4で構成され、特図1保留数または特図2保留数に応じて、各表示領域50d1,50d2,50d3,50d4に、保留アイコンHAを表示することが可能である。例えば、特図1保留数が「1」の場合には、第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が「2」の場合には、第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示される。
また、保留アイコン表示領域50dの近傍に、図22(A)に示すように、1つの表示領域からなる当該アイコン表示領域50eを設けることが可能である。当該アイコン表示領域50eは、特図変動演出が開始されることに応じて、保留アイコンHAと同じまたは異なる当該アイコンTAを表示することが可能である。
なお、保留アイコン表示領域50dを構成する表示領域の数については、適宜に変更することが可能である。また、保留アイコン表示領域50dを、特図1保留数および特図2保留数の両方を表示する表示領域とすることも一方だけを表示する表示領域とすることも可能である。
4-3-1.保留演出
パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞することに応じて、保留演出を行うことが可能である。保留演出は、特図1保留または特図2保留の数を遊技者に報知することが可能である。
保留演出では、特図1保留数が「0」のときに遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図変動演出が開始され、例えば、図22(B)に示すように、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAが表示される。そして、特図変動演出中に更に2個の遊技球が第1始動口11に入賞すると、図20(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が「2」であることが遊技者に報知される。その後、特図変動演出が終了し、新たな特図変動演出が開始されると、図20(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示され、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されていた保留アイコンHAが、第1表示領域50d1に移動して表示され、特図1保留数が「1」であることが遊技者に報知される。
4-4.予告演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出中の任意のタイミングで予告演出を行うことが可能である。予告演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、ボタン40,41等を用いた演出であり、大当たり判定の結果や特図変動パターン判定の結果を示唆することが可能である。
4-4-1.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、可動装置55,56,58を用いた可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、可動装置55,56,58を作動させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
可動体演出では、例えば、NリーチからSPリーチに発展する際に、図23(A)に示すように、盤上可動装置55および盤下可動装置56が作動し、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、遊技者から見て、表示画面50a上に重なるように移動して、SPリーチに発展することが示唆される。このとき、表示画面50aの盤上可動体55kおよび盤下可動体56kと重なっていないスペースにはエフェクト画像が表示される。その後、図23(B)に示すように、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、通常の待機状態(初期位置)に戻ってSPリーチに発展する。なお、可動体演出については、SPリーチへの発展示唆に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
4-4-2.操作演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、通常ボタン40や特殊ボタン41を用いた操作演出を行うことが可能である。操作演出は、遊技者が通常ボタン40や特殊ボタン41を操作する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
操作演出では、例えば、SPリーチにおいて、特殊ボタン41の押下操作が有効な期間(ボタン操作有効期間)が発生し、このボタン操作有効期間の発生に伴って、図24(A)に示すように、特殊ボタン41の操作を促す演出(ボタン操作促進演出)が行われる。ボタン操作促進演出において、表示画面50aに、ボタン操作促進画像G3が表示される。ボタン操作促進画像G3は、特殊ボタン41を模した画像(特殊ボタン画像G31)と、特殊ボタン41の操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像G32)と、ボタン操作有効期間の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像G33)と、を含む。なお、操作有効期間残り時間画像G33は、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。その後、ボタン操作有効期間において特殊ボタン41が押下操作されることに応じて、または、ボタン操作有効期間において特殊ボタン41が操作されることなくボタン操作有効期間が経過した後、図24(B)に示すように、盤上可動装置55が作動し、遊技者から見て、盤上可動体55kが表示画面50a上に重なるように移動して、大当たり期待度が示唆される。なお、操作演出については、盤上可動装置55の作動に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
4-4-3.先読み演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、特図抽選が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する特図抽選の抽選結果を事前に示唆するための演出として機能する。
先読み演出では、例えば、特図1保留に対する先読み判定の結果が「大当たり」の場合、図22(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dに通常は「〇」で表示される保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。また、先読み判定の結果が「ハズレ」の場合に、所謂ガセ演出として、保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、保留アイコンHAの表示態様の変化に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。例えば、特図変動演出における演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止態様を変化させることも可能である。
5.7セグ表示器での表示
次に、7セグ表示器300(図9参照)での表示について説明する。7セグ表示器300では、通常遊技状態で遊技者が獲得した通常総賞球数と通常遊技状態で遊技者が発射した通常発射球数との割合である通常ベースが百分率(%)の値として表示される。なお7セグ表示器300では、通常ベース以外のベース(時短状態で遊技者が獲得した時短総賞球数と時短状態で遊技者が発射した時短発射球数との割合である時短ベース、大当たり遊技状態で遊技者が獲得した大当たり総賞球数と大当たり遊技状態で遊技者が発射した大当たり発射球数との割合である大当たりベース)が表示されることはない。
ここで、遊技制御用マイコン101は、通常発射球数と、通常総賞球数と、総発射球数と、を常にカウントするようになっている。総発射球数とは、全ての遊技状態(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態など)において、遊技者が発射した発射球数のことである。総発射球数は、遊技制御用マイコン101が排出口センサの検知をカウントすることで算出される。通常発射球数は、遊技制御用マイコン101が通常遊技状態に限って排出口センサの検知をカウントすることで算出される。通常総賞球数は、遊技制御用マイコン101が通常遊技状態で払い出す賞球数をカウントすることで算出される。
7セグ表示器300での表示のためにカウントされた通常発射球数の情報と通常総賞球数の情報と総発射球数の情報とは、遊技用RAM104の非消去記憶部107(図6参照)の特定記憶領域(図示省略)に記憶されている。従って、RAMクリアが実行されても、通常発射球数の情報と通常総賞球数の情報と総発射球数の情報は維持される(消去されない)。こうして、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアが実行されても、電源遮断時の通常発射球数と電源遮断時の通常総賞球数とを用いて、通常ベースを演算することができる。そして、遊技制御用マイコン101は、遊技状態に拘わらず(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態などにおいて)、通常ベースの値を、7セグ表示器300の右2桁(第3表示領域330と第4表示領域340(図9参照)で表示する。
ここで、通常ベースは、総発射球数が60000発毎に区切って演算される。つまり、工場出荷後に電源が初めて投入されてから総発射球数が60000発になるまでに演算された通常ベースは、最初の通常ベースとなる。その後、総発射球数が60001発を超えると、最初の通常ベースだった値は、1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が60001発から120000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。その後、総発射球数が120001発を超えると、1回前の通常ベースだった値は2回前の通常ベースとして記憶され、現在の通常ベースだった値が1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が120001発から180000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。
その後、総発射球数が180001発を超えると、2回前の通常ベースだった値が3回前の通常ベースとして記憶され、1回前の通常ベースだった値が2回前の通常ベースとして記憶され、現在の通常ベースだった値が1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が180001発から240000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。その後、総発射球数が240001発を超えると、3回前の通常ベースだった値は消去され、2回前の通常ベースだった値が3回前の通常ベースとして記憶され、1回前の通常ベースだった値が2回前の通常ベースとして記憶され、現在の通常ベースだった値が1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が240001発から300000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。以後同様に、総発射球数が60000発毎に通常ベースが演算されて、3回前の通常ベースの値までが記憶される。
こうして、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の非消去記憶部107にて、現在の通常ベース、1回前の通常ベース、2回前の通常ベース、3回前の通常ベースを最大で記憶させておくことができる。この場合、遊技制御用マイコン101は、7セグ表示器300において、現在の通常ベース⇒1回前の通常ベース⇒2回前の通常ベース、⇒3回前の通常ベース⇒現在の通常ベースを5秒間毎に切替えて表示するようになっている。
具体的に、7セグ表示器300では、左2桁(第1表示領域310と第2表示領域320(図9参照))で「bL」が示されるときに、右2桁(第3表示領域330と第4表示領域340)で現在の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「bL」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、現在の通常ベースであることを把握することができる。
そして、現在の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、左2桁で「b1」が示されると共に、右2桁で1回前の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「b1」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、1回前の通常ベースであることを把握することができる。
そして、1回前の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、左2桁で「b2」が示されると共に、右2桁で2回前の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「b2」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、2回前の通常ベースであることを把握することができる。
そして、2回前の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、左2桁で「b3」が示されると共に、右2桁で3回前の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「b3」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、3回前の通常ベースであることを把握することができる。
そして、3回前の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、上述したように、左2桁で「bL」が示されると共に、右2桁で現在の通常ベースが表示されて、以後同様に繰返される。
また7セグ表示器300では、工場出荷後に電源が初めて投入されてから総発射球数が300球以下であると、右2桁に「--」が表示される。つまり、総発射球数が300球以下では、通常ベースの値が表示されず、総発射球数が300球を超えてから、通常ベースの値が表示される。こうして、総発射球数が300球以下である場合には、通常ベースの分母の値(通常発射球数)が小さ過ぎることで、信頼性の低い通常ベースの値を表示することを回避している。なお、総発射球数が300球以下であっても、7セグ表示器300の左2桁では、「bL」⇒「b1」⇒「b2」⇒「b3」の表示が5秒間毎に繰り返される。
また7セグ表示器300では、工場出荷後に電源が初めて投入されてから通常発射球数が6000球以下であると、左2桁で示される「bL」、「b1」、「b2」、「b3」が点滅態様になる。その後、工場出荷後に電源が初めて投入されてから通常発射球数が6000球を超えると、左2桁で示される「bL」、「b1」、「b2」、「b3」が点灯態様になる。こうして、7セグ表示器300で通常ベースを確認する人に対して、左2桁で点滅態様を見せた場合には、右2桁で示されている通常ベースの値が未だ十分に収束していない値であることを把握させることが可能である。言い換えると、通常ベースを確認する人に対して、左2桁で点灯態様を見せた場合には、右2桁で示されている通常ベースの値がある程度収束している値であることを把握させることが可能である。
また7セグ表示器300では、電源投入後に設定モードに移行すると、第4表示領域340にて、設定値(「1」)が表示される。その後、設定キーシリンダ180が回転位置から待機位置へ回転操作されると、設定モードが終了して、第4表示領域340にて、設定値(「1」)が表示されなくなる。こうして、設定モードに設定されている間に限り、7セグ表示器300の第4表示領域340で、設定値が示される。
また7セグ表示器300では、電源が投入されてから通常ベースの表示が開始されるまでの間に、初期表示が行われる。なお上述したように、電源投入後に設定モードに移行する場合には、設定モードが終了した後に、初期表示が実行される。7セグ表示器300での初期表示は、第1表示領域310から第4表示領域340までに含まれている全ての点灯部分LB1~LB32(図9参照)が点灯する。つまり、7セグ表示器300において「8.8.8.8.」が示される。こうして、電源投入直後に、7セグ表示器300で初期表示が実行されることで、7セグ表示器300が正常に動作することが示される。
6.過賞球防止機能
次に、過賞球防止機能について説明する。本パチンコ遊技機PY1では、遊技者に過剰な賞球を付与しないように、遊技制御用マイコン101が、過賞球防止機能を作動できるようになっている。具体的に、過賞球防止機能は、後述するように、基本的には差玉数が80000(基準数)以上であることを条件に、遊技を実行不能にする機能である。ここで、差玉数(特定計測数)とは、総賞球数と総発射球数との差のことである。総賞球数は、全ての遊技状態(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態など)において遊技者が獲得する(遊技者に払い出される)賞球数のことである。なお総賞球数は、遊技制御用マイコン101が遊技者に払い出す予定の賞球数の合計を意味しているが、遊技者に実際に払い出された賞球数の合計を意味していても良い。総発射球数は、上述したように、全ての遊技状態において、遊技者が発射した発射球数のことである。
遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総賞球数をカウントしていて、カウントされた総賞球数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている総賞球数記憶部107a(図6参照)に記憶される。また遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総発射球数をカウントしていて、カウントされた総発射球数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている総発射球数記憶部107b(図6参照)に記憶される。そして遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総賞球数から総発射球数を減算して、差玉数を演算していて、演算された差玉数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている差玉数記憶部107c(図6参照)に記憶される。
よって、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアが実行されても、非消去記憶部107に記憶されている総賞球数の情報と総発射球数の情報と差玉数の情報とを消去しない。こうして、遊技制御用マイコン101は、電源遮断時の総賞球数と電源遮断時の総発射球数とを用いて、日付を跨いで差玉数を演算することができる。なお遊技制御用マイコン101は、総発射球数の値が総賞球数の値よりも大きい場合には、差玉数をマイナスの値として扱うようになっている。
本形態では、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、遊技に関する遊技制御処理(後述するステップS102~S108の処理、図35参照)を停止させるだけでなく、遊技球を発射させるための発射制御処理(後述するステップ109の処理、図35参照)も停止させる。従って、遊技者は、ハンドル72kを回転操作しても、遊技球が発射されないことで、遊技ができない状況にすぐに気づくことができる。なお、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101は、遊技制御処理を停止することで、各種センサ類MSから検知内容に応じた信号を受信しなくなり、表示器類8及び7セグ表示器300の表示制御を実行しなくなり、各種アクチュエータ類MAを作動させなくなり、払出制御基板170を介して外部端子板160に外端信号を出力しなくなる。
過賞球防止機能が作動した後、遊技が実行不能な状況は、電源が遮断されるまで継続する。本形態では、過賞球防止機能は、RAMクリアが実行されること条件に解除される。つまり、過賞球防止機能が作動した後、遊技場の従業員は電源スイッチ193のOFF操作により電源を遮断する。そして、遊技場の従業員は、電源スイッチ193のON操作により電源を投入するときに、RAMクリアスイッチ191を押下操作する。これにより、RAMクリアが実行されることで、遊技制御用マイコン101は、遊技に関する遊技制御処理及び発射制御処理を実行することができる。こうして、本形態では、過賞球防止機能が作動した後、電源のOFF及びON(再投入)だけでは遊技を再開することができず、RAMクリアが実行されることで遊技を再開することができる。
次に、過賞球防止機能が作動するタイミングについて、図25に基づいて説明する。過賞球防止機能は、基本的には、差玉数が80000以上であることを条件(所定条件)に作動する。すなわち、本形態では、基本的には差玉数が80000に達したタイミングで、過賞球防止機能が作動することになる。しかしながら、本形態では、差玉数が80000以上であっても、大当たり遊技の実行中である場合には、その大当たり遊技の実行が終了したことを条件(所定条件)に、過賞球防止機能が作動する場合もある。すなわち、大当たり遊技の実行中に差玉数が80000に達したタイミングで過賞球防止機能が作動せず、その大当たり遊技の実行が終了したタイミングで過賞球防止機能が作動することになる。
先ず、図25(A)を用いて、差玉数が80000に達したタイミングで過賞球防止機能が作動される場合について説明する。例えば図25(A)(a)に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が70000に達したこととする。勿論このときには、過賞球防止機能が作動しない。次に、図25(A)(b)に示すように、高確高ベース状態の途中である場合に差玉数が80000に達したこととする。このとき、過賞球防止機能が作動する。こうして本形態では、図25(A)(c)に示すように、高確高ベース状態の途中で、遊技が停止することになり、高確高ベース状態の途中で遊技を終了させることが可能である。
一方で、図25(B)を用いて、差玉数が80000に達して、大当たり遊技の終了後に過賞球防止機能が作動される場合について説明する。例えば図25(B)(a)に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が70000に達したこととする。勿論このときには、過賞球防止機能が作動しない。次に、図25(B)(b)に示すように、大当たり遊技状態の途中である場合に差玉数が80000に達したこととする。このとき、過賞球防止機能が作動しない。その後、図25(B)(c)に示すように、大当たり遊技状態が終了したタイミングになると、過賞球防止機能が作動する。こうして本形態では、大当たり遊技状態の途中で、遊技が停止することがなく、遊技者にとって大当たり遊技状態が終了した区切りの良いタイミングで、遊技を終了させることが可能である。
本形態では、差玉数の情報は、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cに記憶されていて、電源のOFF及びONによって、差玉数がリセット(クリア)されることはない。そして上述したように、電源投入時にRAMクリアが実行されても、差玉数がリセットされることはない。これは、以下の理由に基づく。
パチンコ遊技機PY1では、営業時間内であっても、バグや故障、重度の不正等によって、電源のOFF及びON(再投入)、又はRAMクリアを実行する状況がある。このような状況の場合、仮に、電源の再投入、又はRAMクリアの実行によって、差玉数がリセットされてしまうと、過賞球防止機能を設けた意味が損なわれてしまう。つまり、バグや故障、重度の不正が生じた方が、その後に遊技を再開する遊技者にとって、過賞球防止機能が作動し難くなるという不当な利益を与えるおそれがある。そこで本形態では、遊技者に上記した不当な利益を与えないようにするため、電源の再投入、又はRAMクリアの実行によって、差玉数がリセットされないようにしている。
次に、差玉数がリセットされる条件について、図26に基づいて説明する。本形態では、差玉数がリセットされるリセット条件は、2つある。第1のリセット条件は、図26(A)に示すように、特別リセットスイッチ181が押下操作されることである。つまり、遊技制御用マイコン101は、特別リセットスイッチ181が押下操作されたことに基づく信号を受信すると、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報をクリアする。なお、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がリセット(クリア)されるときには、併せて、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報及び総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報もリセットされるが、以下では、単に「差玉数がリセット(クリア)される」と呼ぶことにする。なお、図26(A)では、客待ち状態において、特別リセットスイッチ181が押下操作されると差玉数がリセットされる場合が示されているが、どの遊技状態(例えば通常遊技状態)であっても、特別リセットスイッチ181が押下操作されると差玉数がリセットされる。
第2のリセット条件は、図26(A)に示すように、客待ち状態が1時間(所定時間)継続することである。つまり、客待ち状態に移行してから遊技がそのまま1時間行われないと、遊技制御用マイコン101が、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報をクリアする。なお客待ち状態は、遊技が実行されずに特別図柄が停止表示されたままの遊技状態のことである。
上記2つのリセット条件が設けられているのは、以下の理由に基づく。例えば、図26(A)(B)に示すように、或る遊技者の遊技によって、大当たり遊技状態にて差玉数が70000に達したこととする。その後、或る遊技者は、大当たり遊技状態から高確高ベース状態を経て通常遊技状態に移行すると、遊技を終了したこととする。この場合、次に遊技を開始する遊技者にとっては、差玉数が残り僅か(10000以内)増加すると、過賞球防止機能が作動し得る状況であり、非常に不利になっている。
そこで本形態では、図26(A)に示すように、特別リセットスイッチ181が押下操作されることで、差玉数がリセットされる。これにより、遊技場の従業員は、或る遊技者の遊技を終了した後、任意のタイミングで、特別リセットスイッチ181を押下操作して、差玉数をリセットすることができる。また図26(B)に示すように、客待ち状態が1時間継続すれば、遊技者が遊技を終了させた状況と判断して、差玉数が自動的にリセットされる。これにより、遊技場の従業員にリセットのための操作負担をかけることなく、差玉数をリセットすることができる。こうして、上記2つのリセット条件を設けることで、次に遊技を開始する遊技者が、遊技を開始してすぐに過賞球防止機能が作動してしまい、非常に不利になるのを防ぐことが可能である。
次に、過賞球防止機能が作動するときの演出態様について、図27(A)に基づいて説明する。過賞球防止機能が作動すると、図27(A)に示すように、表示画面50aには、赤色の赤背景画像REが表示されると共に、「エラーX 過賞球異常 RAMクリアしてください」を示すエラー解除方法画像ERXが表示される。また、スピーカ52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53は全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54は全て消灯する。こうして、図27(A)に示す演出態様により、遊技者には、遊技が実行できない状況をすぐに認識させることが可能である。なお、図27(A)に示す演出態様は、電源が遮断されるまで継続される。そして、図27(A)に示す演出態様は、RAMクリアが実行されると解除されるが、電源の再投入だけでは、そのまま継続される。
ここで、本パチンコ遊技機PY1において、不正な磁気が検知されたときについて説明する。磁気センサにより不正な磁気が検知されると、磁気センサは、磁気検知に応じた信号を主制御基板100に出力する。これにより、遊技制御用マイコン101は、過賞球防止機能を作動させるときと同様に、遊技に関する遊技制御処理及び発射制御処理を停止させる。こうして、磁気検知によって遊技が実行不能な状況は、電源が遮断されるまで継続する。但し、この場合には、過賞球防止機能が作動した場合と異なり、電源のOFF及びON(電源の再投入)によって、遊技制御用マイコン101は、遊技に関する遊技制御処理及び発射制御処理を実行することができる。
続いて、不正な磁気が検知されたときの演出態様について、図27(B)に基づいて説明する。磁気センサにより不正な磁気が検知されると、図27(B)に示すように、表示画面50aには、赤色の赤背景画像REが表示されると共に、「エラー1 磁気検出異常 電源を再投入してください」を示すエラー解除方法画像ER1が表示される。また、スピーカ52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53は全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54は全て消灯する。こうして、過賞球防止機能が作動するときの演出態様(図27(A)参照)と、不正な磁気が検知されたときの演出態様(図27(B)参照)とを比較すると、解除方法画像以外は、同じである。よって、遊技場の従業員又は遊技者に対して、不正な磁気が検知されたときと、過賞球防止機能が作動したときとで、共に遊技が実行不能な状況であるということを認識させ易くすることが可能である。
次に、差玉数が70000に達した場合の演出態様について、図28(A)に基づいて説明する。前提条件として、図25(A)(a)、または図25(B)(a)に示すタイミングで、差玉数が70000に達したこととする。先ず、図28(A)に示すように、表示画面50aでは、ラウンド画像G109や賞球数画像G110が表示されている。そして、差玉数が70000に達すると、表示画面50aの縁部では、紫色の紫縁画像EFaが表示され、表示画面50aの下部では、「残り10000発で過賞球異常」を示す過賞球予告画像KYが表示される。これら紫縁画像EFa及び過賞球予告画像KYの表示により、遊技者に過賞球防止機能の作動が近づいている状況を把握させることが可能である。紫縁画像EFaの表示は、大当たり遊技状態が終了した後も継続されるが、過賞球予告画像KYの表示は、大当たり遊技状態が終了することによって終了するようになっている。なお、過賞球予告画像KYは、大当たり遊技状態が終了した後も、表示し続けるようにしても良い。
続いて、差玉数が80000に達した場合の演出態様について、図28(B)に基づいて説明する。前提条件として、図25(B)(b)に示すタイミングで、差玉数が80000に達したこととする。図28(B)に示すように、表示画面50aでは、ラウンド画像G109や賞球数画像G110が表示されている。そして、差玉数が80000に達すると、表示画面50aの縁部では、赤色の赤縁画像EFbが表示され、表示画面50aの下部では、「大当たり遊技終了で遊技中止」を示す遊技停止予告画像KHが表示される。これら赤縁画像EFb及び遊技停止予告画像KHの表示により、遊技者に遊技停止が近づいていると共に、いつ遊技が停止されるのかを把握させることが可能である。赤縁画像EFbの表示と遊技停止予告画像KHの表示は、大当たり遊技状態が終了することによって終了するようになっている。
ここで、図25(A)(a)、または図25(B)(a)に示すタイミングで差玉数が70000に達した後、高確高ベース状態での演出態様は、図29に示す通りである。即ち、図29に示すように、表示画面50aでは、確変用背景画像G105が表示されていて、演出図柄EZが変動表示している。そして、表示画面50aの縁部では、紫縁画像EFaが表示されている。この紫縁画像EFaにより、遊技者には、差玉数が70000に達していることを把握させつつ、遊技させることが可能である。
次に、図26(A)に示すように、特別リセットスイッチ181が押下操作されることで、差玉数がリセットされた場合の演出態様について説明する。この場合には、遊技場の従業員が、前扉23を外枠22に対して開放していて、特別リセットスイッチ181を押下操作した状況になる。そのため、前扉開放センサが前扉23の開放を検知していて、表示画面50aでは、図30(A)に示すように、「エラー2 前扉を閉めて下さい」を示すエラー解除方法画像ER2が表示される。そして、このときには、表示画面50aの下部にて、「差玉数をリセットしました」を示す差玉数リセット報知画像CLSが表示される。これにより、遊技場の従業員に、差玉数がリセットされたことを把握させることが可能である。
続いて、図26(B)に示すように、客待ち状態が1時間継続した場合の演出態様について説明する。この場合には、表示画面50aでは、図30(B)に示すように、客待ちデモ動画G100が表示されている。そして、このときには、表示画面50aの下部にて、図30(B)に示すように、「差玉数をリセットしました」を示す差玉数リセット報知画像CLSが表示される。これにより、遊技場の従業員に、差玉数がリセットされたことを把握させることが可能である。
7.本形態の特徴的な演出について
本形態では、差玉数が80000以上になると過賞球異常防止機能が作動されるため、遊技者に過剰な賞球を与えることを防止することが可能となっている。しかしながら、過賞球異常防止機能の作動時に特図保留があっても遊技が実行不能に制御されるため、その特図保留は無価値となり、遊技者にとって不利益となってしまう可能性がある。
そこで、本形態のパチンコ遊技機PY1では、先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となると判定された場合には、過賞球防止機能が作動されて遊技が不能に制御される可能性を事前に示唆する過賞球事前示唆演出(事前示唆演出)が実行される。その後、過賞球事前示唆演出の実行に起因した特図関係乱数が特図保留記憶部105からクリアされて、特図判定処理での大当たりとなるか否かの判定の結果に基づく特図変動演出では、実行予定の大当たり遊技の終了後に過賞球防止機能が作動されることを示唆する過賞球予告演出(制御示唆演出)が実行される。これにより、過賞球異常防止機能が作動されると遊技が実行不能に制御される可能性が高い場合(先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となると判定された場合)には、過賞球事前示唆演出や過賞球予告演出によって事前に過賞球異常防止機能が作動される可能性があることを把握させることが可能となる。そのため、過賞球異常防止機能が作動される可能性が高い場合には、第1始動口11、または第2始動口12に遊技球を入球させて、特図保留数を無駄に増加させてしまうといった遊技者にとっての不利益を軽減させることが可能となる。
図31を用いて、過賞球事前示唆演出と過賞球予告演出とについて説明する。なお、図31では、例えば、現在の差玉数が79250とする。また、図31では、特図1保留記憶部105aの第1領域から第2領域に特図1関係乱数が記憶されている。すなわち、特図1保留数は『2』である。さらに、図31では、特図1保留記憶部105aの第2領域に記憶されている特図1関係乱数に基づく先読み判定の結果が「大当たり」であって、大当たり図柄種別が「大当たり図柄X」であることとする。なお、図31では、表示画面50aでの小図柄KZ1,KZ2,KZ3の表示は省略している。また、図31(A)では、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4と、当該アイコン表示領域50eとを表示しているが、図31(B)から図31(F)では一部の表示領域を省略している。
図31(A)に示すように、通常演出モードが設定されている場合に、表示画面50aにて昼間通常用背景画像G102が表示されて、表示画面50aの縁部では紫縁画像EFaが表示されている。図31(A)に示すように、特図変動演出の実行中であることから、表示画面50aでは演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動表示されている。
図31(A)に示すように、当該アイコン表示領域50eには当該アイコンTAが表示されている。また、図31(A)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2には、保留アイコンHAが表示されている。第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示されているため、特図1保留数は「2」である。
その後、特図変動演出の実行が終了すると、図31(B)に示す演出例へと進む。図31(B)に示すように、表示画面50aにて演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が確定的に停止表示されている。なお、表示画面50aに確定的に停止表示されている中演出図柄EZ2と右演出図柄EZ3とは、数字を示す部分(数字部分)のみからなる通常態様の演出図柄である。過賞球事前示唆演出が実行されると、図31(B)に示すように、表示画面50aに確定的に停止表示されている左演出図柄EZ1が特殊図柄態様の演出図柄EZTとなる。なお、本形態の過賞球事前示唆演出における演出図柄EZの特殊図柄態様(特殊な図柄態様)は、数字を示す部分(数字部分)と天使のキャラクタを示す部分とが組み合わされた図柄態様となっている。表示画面50aにて、左演出図柄EZ1の図柄態様が特殊図柄態様であることで、現在の差玉数が70000以上であること、および先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上であって、過賞球防止機能が作動されて遊技が不能に制御される可能性があることを遊技者に把握させることが可能となる。
また、図31(B)に示すように、特図変動演出の実行が終了すると、表示画面50aに設けられている当該アイコン表示領域50eに表示されていた当該アイコンTAが消えることになる。
なお、確定停止表示(確定的な停止表示)や最終停止表示(最終的な停止表示)と言った場合には、演出図柄が完全に停止している状態を言う。これに対して、仮停止表示とは、演出図柄の変動速度は「0」であるが、演出図柄が表示されている位置で揺れたり拡大や縮小を繰り返したりといった変化をしており、完全に停止していない状態を言う。単に「停止表示」という場合は、仮停止表示を指すこともあるし、確定停止表示を指すこともある。
続いて、図31(C)に示すように、最も古く記憶されていた第1特図保留が1個消化され、特図1抽選が行われて、特図変動演出の実行が開始される。図31(C)に示すように、特図変動演出の実行が開始されると、表示画面50aに設けられている第1表示領域50d1に表示されていた白丸の保留アイコンHA(図31(B)参照)が右方に1個シフトして、表示画面50aに設けられている当該アイコン表示領域50eに白丸の当該アイコンTAが表示されることになる(図31(C)参照)。また、表示画面50aに設けられている第2表示領域50d2に表示されていた白星の保留アイコンHA(図31(B)参照)が右方に1個シフトして、表示画面50aに設けられている第1表示領域50d1に白星の保留アイコンHAが表示される(図31(C)参照)。すなわち、特図1保留数は『1』である。なお、特図変動演出の実行が開始されると、図31(C)に示すように、表示画面50aにて演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始される。
その後、特図変動演出の実行が終了すると、図31(D)に示す演出例へと進む。図31(D)に示すように、表示画面50aにて演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が確定的に停止表示されている。なお、表示画面50aに確定的に停止表示されている左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とは、数字を示す部分(数字部分)のみからなる通常態様の演出図柄である。過賞球事前示唆演出が実行されると、図31(D)に示すように、表示画面50aにて、中演出図柄EZ2の図柄態様が特殊図柄態様であることで、先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技で獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上であって、過賞球防止機能が作動されて遊技が不能に制御される可能性があることを遊技者に把握させることが可能となる。また、図31(B)に示す演出例では左演出図柄EZ1が特殊図柄態様で確定的に停止表示され、その後図31(D)に示す演出例では中演出図柄EZ2が特殊図柄態様で確定的に停止表示されることで、遊技者に過賞球防止機能の作動がだんだんと近づいていることを遊技者に把握させることが可能となっている。
続いて、図31(E)に示すように、過賞球事前示唆演出の実行に起因した特図1関係乱数が特図1保留記憶部105aからクリアされて、特図判定処理での大当たりとなるか否かの判定の結果に基づく特図変動演出の実行が開始される。図31(E)に示すように、特図変動演出の実行が開始されると、表示画面50aにて演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始される。図31(E)に示すように、特図変動演出の実行が開始されると、表示画面50aに設けられている第1表示領域50d1に表示されていた白星の保留アイコンHA(図31(D)参照)が右方に1個シフトして、表示画面50aに設けられている当該アイコン表示領域50eに白星の当該アイコンTAが表示されることになる(図31(E)参照)。
その後、特図変動演出の実行が終了する場合には、実行予定の大当たり遊技の終了後に過賞球防止機能が作動されることを示唆する過賞球予告演出が実行され、表示画面50aにて特殊図柄態様の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が仮停止表示されて、図31(F)に示す演出例へと進む。図31(F)に示すように、特殊図柄態様の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が確定的に停止表示される。図31(F)に示すように、過賞球予告演出における演出図柄EZの図柄態様は、賞球事前示唆演出における演出図柄EZの図柄態様と同じ図柄態様(特殊図柄態様)となっている。表示画面50aに確定的に停止表示されている演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の図柄態様が全て特殊図柄態様であることで、現在の差玉数が70000以上である場合に、当該大当たり判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数が現在の差玉数に加算された値が80000以上となると判定されたことを遊技者に把握させることが可能となっている。また、表示画面50aに確定的に停止表示されている演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の図柄態様が全て特殊図柄態様であることで、大当たり遊技が終了したタイミングで過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が不能に制御されることを遊技者に把握させることが可能となる。
次に、図32を用いて、大当たり遊技状態の途中で80000以上となった場合に表示画面50aに表示される演出画像について、図32を用いて説明する。前提条件として、図32(A)に示すタイミングで、差玉数が例えば、79700に達していたとする。
図32(A)に示すように、表示画面50aでは、「ラウンド8」を示すラウンド画像G109や「1200pt」を示す賞球数画像G110が表示されている。そして、差玉数が70000以上である場合には、表示画面50aの縁部では、紫色の紫縁画像EFaが表示され、表示画面50aの下部では、「残り300発で過賞球異常」を示す過賞球予告画像KYが表示されている。これら紫縁画像EFa及び過賞球予告画像KYの表示により、遊技者に過賞球防止機能の作動が近づいている状況を把握させることが可能である。
その後、図32(B)に示すように、表示画面50aでは、「ラウンド10」を示すラウンド画像G109や「1400pt」を示す賞球数画像G110が表示されている。そして、差玉数が70000以上である場合には、表示画面50aの縁部では、紫色の紫縁画像EFaが表示され、表示画面50aの下部では、「残り100発で過賞球異常」を示す過賞球予告画像KYが表示されている。これら紫縁画像EFa及び過賞球予告画像KYの表示により、遊技者に過賞球防止機能の作動が近づいている状況を把握させることが可能である。
その後、大当たり遊技の途中で差玉数が80000に達した場合には、図32(C)に示すように、表示画面50aの縁部では、赤色の赤縁画像EFbが表示され、表示画面50aの下部では、「大当たり遊技終了で遊技停止」を示す遊技停止予告画像KHが表示される。これら赤縁画像EFb及び遊技停止予告画像KHの表示により、遊技者に大当たり遊技の終了したタイミングで過賞球防止機能が作動されて、遊技が停止される状況を把握させることが可能である。また、図32(C)に示すように、表示画面50aでは、「ラウンド10」を示すラウンド画像G109や「1500pt」を示す賞球数画像G110が表示されている。
その後、大当たり遊技におけるエンディング中には、図32(D)に示すように、表示画面50aにおいて、エンディング画像G111や、大当たり遊技状態で払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G112が表示される大当たりエンディング演出が行われる。図32(C)に示すように、表示画面50aの縁部では、赤色の赤縁画像EFbが表示され、表示画面50aの下部では、「大当たり遊技終了で遊技停止」を示す遊技停止予告画像KHが表示される。これら赤縁画像EFb及び遊技停止予告画像KHの表示により、遊技者に大当たり遊技の終了したタイミングで過賞球防止機能が作動されて、遊技が停止される状況を把握させることが可能である。大当たり遊技の実行が終了した場合には、図33(A)に示す演出例へと進む。
本形態では、差玉数が80000以上になると過賞球異常防止機能が作動されるため、遊技者に過剰な賞球を与えることを防止することが可能となっている。しかしながら、過賞球異常防止機能が作動されると遊技が実行不能に制御されると、賞球をより獲得できないため、遊技者が不満に感じる可能性がある。
そこで、本形態のパチンコ遊技機PY1では、過賞球防止機能が作動されると、表示画面50aにて、過賞球異常防止機能が作動されるまでの遊技結果(例えば、総発射数、総入賞数、総獲得出玉)が示唆されるため、過賞球防止機能が作動されるまでの達成感を遊技者に与えることが可能となるだけでなく、遊技結果の情報をもとに次回以降もパチンコ遊技機PY1で遊技を行うか否かの判断も可能となる。これにより、次回以降のパチンコ遊技機PY1での遊技にも良い影響を与えることが可能となる。
次に、過賞球異常防止機能が作動されることで、表示画面50aに表示される演出画像によって、遊技者に差玉数が0から80000以上になるまでの遊技結果を報知することについて、図33を用いて説明する。なお、本形態では過賞球防止機能が作動されると、表示画面50aにて、過賞球異常防止機能が作動されて遊技が停止したことを報知する遊技停止報知画像YTが所定期間(例えば、2秒間)表示され、続いて遊技者に差玉数が0から80000以上になるまでの遊技結果を報知する遊技結果画像YZ(特定表示)が所定期間(例えば、10秒間)表示され、続いて図27(A)に示す演出例へと進むことになる。
過賞球異常防止機能が作動されると、図33(A)に示すように、先ず表示画面50aに「過賞球異常のため遊技停止」の文字画像からなる遊技停止報知画像YTが表示される。表示画面50aに遊技停止報知画像YTが表示されることで、遊技者に過賞球異常防止機能が作動されたことを把握させることが可能となっている。
表示画面50aに図33(A)に示す遊技停止報知画像YTが表示されて、所定期間(例えば、2秒間)が経過すると、図33(B)に示す演出例へと進む。図33(B)に示すように、表示画面50aに遊技結果画像YZが表示される。図33(B)に示すように、遊技結果画像YZには、差玉数到達画像KNと、総発射数画像SH(特定表示)と、総入賞数画像SN(特定表示)と、総獲得数画像SK(特定表示)とが含まれている。
ここで、差玉数到達画像KNは遊技者に差玉数が80000に到達された情報を示唆する演出画像である。表示画面50aに「おめでとう80000pt獲得」を示す差玉数到達画像KNが表示されることで、遊技者に差玉数が80000に到達されたことを把握させることが可能となっている。また、差玉数到達画像KNは遊技者に差玉数が80000に到達された情報を示す演出画像であっても良い。
また、総発射数画像SHは、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、遊技者がハンドル72kを操作して、発射装置72から発射されて遊技領域6に到達された遊技球の合計数の情報を示唆する演出画像である。表示画面50aに「総発射数:13600発」を示す総発射数画像SHが表示されることで、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、遊技者がハンドル72kを操作して、発射装置72から発射されて遊技領域6に到達された遊技球の合計数が13600発であることを遊技者に把握させることが可能となる。総発射数画像SHは、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、遊技者がハンドル72kを操作して、発射装置72から発射されて遊技領域6に到達された遊技球の合計数の情報を示す演出画像であっても良い。
また、総入賞数画像SNは、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、遊技領域6に配置されている入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、第2大入賞口15)に入賞された遊技球の合計数の情報を示唆する演出画像である。表示画面50aに「総入賞数:4000個」を示す総入賞数画像SNが表示されることで、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、遊技領域6に配置されている入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、第2大入賞口15)に入賞された遊技球の合計数が4000個であることを遊技者に把握させることが可能となっている。また、総入賞数画像SNは、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、遊技領域6に配置されている入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、第2大入賞口15)に入賞された遊技球の合計数の情報を示す演出画像であっても良い。
また、総獲得数画像SKは、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、第2大入賞口15)に入賞させて、遊技者が獲得した賞球の合計数の情報を示唆する演出画像である。表示画面50aに「総獲得数:93600個」を示す総獲得数画像SKが表示されることで、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、遊技者が獲得した賞球の合計数が93600個であることを遊技者に把握させることが可能となっている。また、表示画面50aに表示された「総発射数:13600発」を示す総発射数画像SHと、「総獲得数:93600個」を示す総獲得数画像SKとを遊技者に確認させることで、93600から13600を減算することで、差玉が80000に到達されたことを把握させることも可能となっている。また、総獲得数画像SKは、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、第2大入賞口15)に入賞させて、遊技者が獲得した賞球の合計数の情報を示す演出画像であっても良い。
表示画面50aに図33(B)に示す遊技結果画像YZが表示されて、所定期間(例えば、10秒間)が経過すると、図27(A)に示す演出例へと進むことになる。
8.遊技制御用マイコンの動作
[主制御メイン処理]次に図34~図51に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。主制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、遊技用ROM103から図34に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず電源投入時処理を行う(ステップS001)。
電源投入時処理(S001)では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定、復電時における遊技用RAM104の作業領域の設定、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等、初期設定を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお電源投入時処理(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
また電源投入時処理(S001)では、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ191への押下操作に基づく信号を入力すると、RAMクリアを実行する。RAMクリアが実行されると、遊技用RAM104に記憶されている遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)が消去される。但し、RAMクリアが実行されても、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報は、クリアされない。
この電源投入時処理(S001)において、後述する遊技停止フラグは、ONである状態でRAMクリアが実行されると、OFFに切替わる。一方、遊技停止フラグは、ONである状態でRAMクリアが実行されなければ、ONのままとなる。つまり、電源の再投入だけでは、遊技停止フラグの状態は変わらない。こうして、過賞球防止機能の作動によって、遊技停止フラグがONになった後、RAMクリアが実行されるか否かによって、遊技が再開されるか否かが決まる。
電源投入時処理(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図35に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず遊技停止フラグがONであるか否かを判定する(S101)。遊技停止フラグは、過賞球防止機能が作動することよりONされるものである。遊技停止フラグがONであれば(S101でYES)、ステップS102~S113の処理がパスされる。これにより、遊技が実行不能になる。一方、遊技停止フラグがOFFであれば(S101でNO)、続いて、後述する入力処理を実行する(S102)。
次に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S103)。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図34の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。続いて、センサ検出処理を実行する(S104)。
センサ検出処理(S104)では、一般入賞口センサ処理、ゲートセンサ処理、第2始動口センサ処理、第1始動口センサ処理、第1大入賞口センサ処理、第2大入賞口センサ処理、特定領域センサ処理、非特定領域センサ処理、排出口センサ処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
一般入賞口センサ処理では、一般入賞口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じて、一般入賞口センサ用コマンドを生成する。
ゲートセンサ処理では、ゲートセンサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、普通図柄乱数カウンタのカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部106に記憶する。なお、普図保留記憶部106に普通図柄乱数が所定数(例えば4個)記憶されている場合には、新たに取得された普通図柄乱数は記憶されない。また、当該処理の結果に応じて、ゲートセンサ用コマンドを生成する。
第2始動口センサ処理では、第2始動口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図2関係乱数を取得し、取得した特図2関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図2保留記憶部105bに記憶する。特図2保留記憶部105bは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数)の複数の記憶領域があり、取得された特図2関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図2関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得された特図2関係乱数は記憶されない。また、取得した特図2関係乱数と第2先読み判定テーブル(図15参照)とを用いて第2先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)を表す特図2保留数コマンドおよび第2先読み判定の結果を表す第2始動入賞コマンドを含む第2始動口センサ用コマンドを生成する。
第1始動口センサ処理では、第1始動口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図1関係乱数を取得し、取得した特図1関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図1保留記憶部105aに記憶する。特図1保留記憶部105aは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数)の複数の記憶領域があり、取得された特図1関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図1関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得した特図1関係乱数は記憶されない。また、取得した特図1関係乱数と第1先読み判定テーブル(図15参照)とを用いて第1先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)を表す特図1保留数コマンドおよび第1先読み判定の結果を表す第1始動入賞コマンドを含む第1始動口センサ用コマンドを生成する。第1先読み判定と第2先読み判定と遊技制御用マイコン101とが、「事前判定手段」に相当する。
第1大入賞口センサ処理では、第1大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第1大入賞口センサ用コマンドを生成する。
第2大入賞口センサ処理では、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第2大入賞口センサ用コマンドを生成する。
特定領域センサ処理では、特定領域センサ16aによって遊技球が検出されたか否か判定する。また、当該処理の結果に応じて、特定領域センサ用コマンドを生成する。
非特定領域センサ処理では、非特定領域センサ17aによって遊技球が検出されたか否か判定する。また、当該処理の結果に応じて、非特定領域センサ用コマンドを生成する。
排出口センサ処理では、排出口センサによって遊技球が検出されたか否か判定する。
遊技制御用マイコン101は、図35に示すセンサ検出処理(S104)の次に、普通動作処理を実行する(S105)。普通動作処理(S105)では、普通図柄待機処理、普通図柄変動処理、普通図柄確定処理、補助遊技制御処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄待機処理は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理では、普図保留記憶部106に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。また、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定する。そして、当たり判定および普図変動パターンの結果に関する情報を含む普図変動開始コマンドを生成する。それから、決定した普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間に基づいて、普図の可変表示を普図表示器82に開始させる。
普通図柄変動処理は、普図の可変表示中に行われる処理である。普通図柄変動処理では、実行中の普図の可変表示が開始してから普図変動時間が経過することに応じて、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行う。そして、普図の可変表示の終了を示す普図変動停止コマンドを生成する。
普通図柄確定処理は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過することに応じて、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄が停止表示していれば、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させ、補助遊技の開始を示す補助遊技開始コマンドを生成する。
補助遊技制御処理は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。また、当該処理の結果に応じて、補助遊技制御用コマンドを生成する。
遊技制御用マイコン101は、図35に示す普通動作処理(S105)の次に、後述する差玉数計測処理(S106)、後述する特別動作処理(S107)を実行する。続いて、振分装置16Dを制御するための振分装置制御処理を実行する(S108)。なお、差玉数計測処理(S106)と、遊技制御用マイコン101とが、「計測手段」に相当する。
次に、遊技制御用マイコン101は、遊技球の発射を制御するための発射制御処理を実行する(S109)。つまり、発射制御処理(S109)が実行されることで、遊技者はハンドル72kへの回転操作により、遊技球を発射させることができる。一方、発射制御処理(S109)が実行されなければ、遊技者はハンドル72kを回転操作しても、遊技球を発射させることができない。
続いて、遊技制御用マイコン101は、7セグ表示器300の表示を制御するための7セグ表示制御処理を実行する(S110)。次に、磁気検知によるエラー(不正)や前扉23又は前枠23mの開放によるエラーなどを判断するためのエラー処理を実行する(S111)。エラー処理(S111)では、磁気センサによって不正な磁気が検出されたか否か判定する。そして、当該処理の結果に応じて、磁気センサ用コマンドを生成する。またエラー処理(S111)では、前扉センサ又は前枠センサによって、前扉23又は前枠23mが開放しているか否かを判定する。そして、当該処理の結果に応じて、枠開放用コマンドを生成する。
次に、遊技制御用マイコン101は、後述する出力処理を実行する(S112)。続いて、その他の処理を実行する(S113)。その他の処理(S113)として、例えば、特図保留数に基づいて特図保留表示器83をその数を示す表示態様に制御したり、タイマの更新などを行う。
そして、遊技制御用マイコン101は、電源が断たれる際の電源断監視処理を実行して(S114)、本処理を終える。電断監視処理(S114)では、遊技制御用マイコン101は、監視電圧の低下により電源が遮断されると判断すると、遊技情報、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報、遊技停止フラグの情報等が、遊技用RAM104の所定の記憶領域に格納する。その後、遊技用RAM104へのアクセスの禁止設定を行う。
[入力処理]図36に示すように、入力処理(S102)ではまず、特別リセットスイッチ181がONか否か、即ち、特別リセットスイッチ181への押下操作に基づく信号を受信したか否かを判断する(S201)。ONでなければ(S201でNO)、ステップS204に進む。一方、ONであれば(S201でYES)、非消去クリア処理を実行する(S202)。非消去クリア処理(S202)では、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされる。なお、非消去クリア処理(S202)が実行されても、非消去記憶部107の特定記憶領域(図示省略)に記憶されている総発射球数の情報はクリアされない。この総発射球数の情報は、上述したように、7セグ表示器300での表示のためや表示画面50aにて総発射数画像SHを表示するために用いられるためである。
ステップS202に続いて、非消去クリアコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S203)、ステップS204に進む。こうして、非消去クリアコマンドが、演出制御基板120に送信されると、図30(A)に示すように、表示画面50aの下部にて、差玉数リセット報知画像CLSが表示される。ステップS204では、その他の処理を実行して、本処理を終える。その他の処理(S204)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。また、その他の処理(S204)では、遊技制御用マイコン101は、入賞口センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、一般入賞口センサ10a)からの検知信号に応じて、入賞口の種類に応じた賞球数を払い出すための賞球コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。この賞球コマンドは後述する出力処理(S106)により払出制御基板170に送信され、賞球払出装置73によって、入賞口の種類に応じた所定の賞球数が払い出されることになる。
[差玉数計測処理]図37に示すように、差玉数計測処理(S106)ではまず、第1始動口センサ11aによる検知、第2始動口センサ12aによる検知、第1大入賞口センサ14aによる検知、第2大入賞口センサ15aによる検知、一般入賞口センサ10aによる検知に基づいて、遊技者に払い出す総賞球数をカウントする総賞球数カウント処理を実行する(S301)。カウントされた総賞球数の情報は、総賞球数記憶部107a(図6参照)に記憶される。なお、カウントされた総賞球数の情報を含む総賞球数コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。この総賞球数コマンドは後述する出力処理(S106)によりに演出制御基板120に送信される。次に、排出口センサによる検知に基づいて、総発射球数をカウントする総発射球数カウント処理を実行する(S302)。カウントされた総発射球数の情報は、総発射球数記憶部107b(図6参照)に記憶される。なお、カウントされた総発射球数の情報を含む総発射球数コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。この総発射球数コマンドは後述する出力処理(S106)によりに演出制御基板120に送信される。そして、総賞球数に対して総発射球数を減算して、差玉数を演算する差玉数演算処理を実行する(S303)。演算された差玉数の情報は、差玉数記憶部107c(図6参照)に記憶される。なお、カウントされた差玉数の情報を含む差玉数コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。この差玉数コマンドは後述する出力処理(S106)によりに演出制御基板120に送信される。
続いて、ステップS304では、過賞球予告フラグがOFFか否かを判断する。過賞球予告フラグは、差玉数が70000以上であることを示すものである。ONであれば(S304でNO)、ステップS308に進む。一方、OFFであれば(S304でYES)、差玉数が70000以上であるか否かを判定する(S305)。70000未満であれば(S305でNO)、ステップS308に進む。これに対して、70000以上であれば(S305でYES)、過賞球予告フラグをONにして(S306)、過賞球予告コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。これにより、過賞球予告コマンドが演出制御基板120に送信されると、図28(A)に示すように、表示画面50aにて、紫縁画像EFa及び過賞球予告画像KYが表示される。
続いて、ステップS308では、過賞球フラグがOFFか否かを判断する。過賞球フラグは、差玉数が80000以上であることを示すものである。ONであれば(S308でNO)、本処理を終える。一方、OFFであれば(S308でYES)、差玉数が80000以上であるか否かを判定する(S309)。80000未満であれば(S309でNO)、本処理を終える。これに対して、80000以上であれば(S309でYES)、過賞球フラグをONにして(S310)、過賞球報知コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S311)、ステップS312に進む。これにより、過賞球報知コマンドが演出制御基板120に送信されると、図28(B)に示すように、表示画面50aにて、赤縁画像EFb及び遊技停止予告画像KHが表示される。
続いて、ステップS312において、遊技制御用マイコン101は、大当たりフラグがONか否かを判断する。大当たりフラグがOFFであれば(S312でNO)、ステップS313にて、遊技制御用マイコン101は、過賞球フラグがONか否かを判断する。過賞球フラグがONである場合には(S313でYES)、遊技停止フラグをONにし(S314)、遊技停止報知コマンドをセットして(S315)、本処理を終了する。また、大当たりフラグがONである場合(S312でYES)、または過賞球フラグがOFFである場合(S313でNO)には、そのまま本処理を終了する。これにより、遊技停止報知コマンドが演出制御基板120に送信されると、図33に示すように、表示画面50aにて、遊技停止報知画像YT(図33(A)参照)、遊技結果画像YZ(差玉数到達画像KN、総入賞数画像SN、総発射数画像SH、総獲得数画像SK(図33(B)参照)が表示される。また、図27(A)に示すように、表示画面50aにて、赤背景画像RE及びエラー解除方法画像ERXが表示される。また、スピーカ52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53が全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54が全て消灯する。
[特別動作処理]図38に示すように特別動作処理(S107)では、特図表示器81及び大入賞装置(第1大入賞装置14D、第2大入賞装置15D)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。なお、特別電動役物処理(S1307)と遊技制御用マイコン101が、「特別遊技実行手段」に相当する。
[特別図柄待機処理]図39に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口12の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口11の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1416)。客待ちフラグは、客待ち状態であることを示すものである。ONであれば(S1416でYES)、後述する客待ち計測処理を実行して(S1419)、本処理を終える。一方、OFFであれば(S1416でNO)、客待ちコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットするとともに(S1417)、客待ちフラグをONにして(S1418)、本処理を終える。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、特図2保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部105bにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1405)。続いて遊技制御用マイコン101は、特図2変動開始処理(S1406)を実行して、ステップS1413に進む。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、特図1保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン101は、特図1変動開始処理(S1412)を実行して、ステップS1413に進む。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
ステップS1413に進むと客待ちフラグがONか否かを判定し、ONであれば客待ちフラグをOFFにする(S1414)。そして、客待ちカウンタの値を「0」にクリア(リセット)する客待ちカウンタクリア処理を実行して(S1415)、本処理を終える。客待ちカウンタは、遊技用RAM104に設けられていて、客待ち状態が継続している時間を計測するためのものである。なお、客待ちカウンタの値は、RAMクリアの実行の有無に拘わらず、電源の再投入によってクリアされる。
[客待ち計測処理]図40に示すように、客待ち計測処理(S1419)ではまず、客待ちカウンタの値を増加させる客待ちカウンタ増加処理を実行する(S1420)。これにより、遊技制御用マイコン101は、客待ちカウンタの値に基づいて、客待ち状態が継続している時間を把握することができる。続いて、客待ち状態が1時間以上継続しているか否かを判定する。継続していないと判定すれば(S1421でNO)、本処理を終える。一方、継続していると判定すれば(S1421でYES)、上述したステップS202の処理(図33参照)と同様、非消去クリア処理を実行する(S1422)。これにより、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされる。
続いて、非消去クリアコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S1423)、本処理を終える。こうして、非消去クリアコマンドが、演出制御基板120に送信されると、図30(B)に示すように、表示画面50aの下部にて、差玉数リセット報知画像CLSが表示される。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図41に基づいてまとめて説明する。図41に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、特別図柄乱数(大当たり乱数)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、遊技用RAM104の特図2保留記憶部105bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている特別図柄乱数を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、遊技用RAM104の特図1保留記憶部105aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている特別図柄乱数を読み出す。なお、特図2大当たり判定処理(S1402)と、特図1大当たり判定処理(S1408)と、遊技制御用マイコン101とが、「判定手段」に相当する。
次に、大当たり判定テーブル(図12(A))をセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図12(A))のうち通常確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「1000」~「1219」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図12(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「1000」~「2499」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、大当たり図柄種別乱数を読み出して、図12(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1506)。大当たり種別を判定した後(S1506)、大当たりフラグをONにするとともに(S1507)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データを、遊技用RAM104に設けた大当たり種別バッファにセットして(S1508)処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1508)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1409)とは、処理の流れが同じであるため図42及び図43に基づいてまとめて説明する。図42に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。
時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、非時短状態中大当たり通常テーブル(図13又は図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1603)。
ステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ、リーチ乱数がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1604)。なお、図12(C)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「0」~「29」であり、時短状態であれば「0」~「9」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数がリーチ成立乱数値である場合(S1604でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図13又は図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1605)。
一方、リーチ乱数がリーチ成立乱数値でない場合(S1604でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図13又は図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1606)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されるようになっている(図13又は図14参照)。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図43に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図13又は図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1602~S1606と同様の流れで処理(S1607~S1611)を行う。
すなわち大当たりであれば、図13又は図14の時短状態中且つ大当たりに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1608)。またリーチ有りハズレであれば、図13又は図14の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1610)。またリーチ無しハズレであれば、図13又は図14の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1611)。
上記のようにして特図変動パターンの選択を行った後は、図42に示すように、選択した特図変動パターンをセットして(S1612)、本処理を終える。ステップS1612でセットした特図変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S1302)におけるステップS1406又はS1412でセットされる変動開始コマンドに含められて、出力処理(S112)により演出制御基板120に送られる。
[特別図柄変動中処理]図44に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特図変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された特図変動パターンに応じて決まる特図変動時間、図13又は図14参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、特図変動時間が経過していれば(S1801でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1802)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1803)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1804)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図45に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1403又はS1409で選択された特図変動パターンに応じて決まる停止時間)が経過したか否かを判定する(S1901)。経過していなければ(S1901でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過していれば(S1901でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1902)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1903)。大当たりフラグがONであれば(S1903でYES)、当選した大当たりの種別に応じた開放パターン(詳しくは図16参照)をセットする(S1904)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1904に続いて、遊技状態リセット処理を行う(S1905)。遊技状態リセット処理(S1905)では、確変フラグがONであれば確変フラグをOFFにして、時短フラグがONであればOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態且つ非時短状態に制御される。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1906)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1907)。そして特別動作ステータスを「4」にセットして(S1908)、本処理を終える。
また、ステップS1903において大当たりフラグがONでなければ(S1903でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1909)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図46に示すように、遊技状態管理処理(S1902)ではまず、確変フラグがONか否か判定する(S2001)。ONであれば(S2001でYES)、高確率状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする確変カウンタの値を1だけ減少させて(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S2003)。「0」であれば(S2003でYES)、確変フラグをOFFにして(S2004)、ステップS2005に進む。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、直ちにステップS2005に進む。
ステップS2005では、時短フラグがONか否か判定する。ONであれば(S2005でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1だけ減少させて(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2007)。「0」であれば(S2007でYES)、時短フラグをOFFにして(S2008)、ステップS2009に進む。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップS2009に進む。
ステップS2009では、現在の遊技状態の情報(確変フラグ及び時短フラグがON又はOFFの何れであるかの情報)、確変カウンタの値及び時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[特別電動役物処理(大当たり遊技)]特別電動役物処理は、大当たり遊技の実行のための処理である。図47に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2701)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置14D、第2大入賞装置15D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2701でNO)、大入賞口(第1大入賞口、第2大入賞口15)の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置14D又は第2大入賞装置15Dの開放中か否か)を判定する(S2702)。開放中でなければ(S2702でNO)、大入賞口を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口14の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2703)。
ステップS2703の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2703の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たり(図16参照)に基づく大当たり遊技か否かを判定する(S2704)。Vロング大当たりでなければ(S2704でNO)、ステップS2707に進むが、Vロング大当たりであれば(S2704でYES)、特定領域16への通過が可能な10R目を開始するタイミングであるか否かを判定する(S2705)。10R目を開始するタイミングでなければ(S2705でNO)、そのままステップS2707に進む。これに対して、10R目を開始するタイミングであれば(S2705でYES)、V有効期間設定処理を行う(S2706)。
V有効期間設定処理(S2706)では、Vロング大当たりの10R目における第2大入賞口15の開放中及び第2大入賞口15の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ16aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONするということである。また、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ16aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。
ステップS2707では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図16参照)に従って大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)を開放させる。なお、振分部材16kは、第1ラウンドのラウンド遊技の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターンでは、第10ラウンドにおいて、第2大入賞口15に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域16を通過できるようにAT開閉部材14kが開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターンでは、第10ラウンドにおいて、遊技球が第2大入賞口15に入賞しても特定領域16を通過することができないように、振分部材16kの動作に対するAT開閉部材14kの開放タイミングが設定されている。
続いてステップS2708では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行って、本処理を終える。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2708)では、ステップS2703での大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放が1回のラウンド遊技での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることはない。そのため、このステップS2708では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理(S1307)のステップS2702において、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放中であれば、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2709)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり10個)に達したこと(第1大入賞口14が開放中であれば第1大入賞口センサ14aによって10回検知されたこと、第2大入賞口15が開放中であれば第2大入賞口センサ15aによって10回検知されたこと)、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図16参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2709でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の閉鎖条件が成立している場合(S2709でYES)には、大入賞口を閉鎖(閉塞)する(S2710)。そして1回のラウンド遊技(ラウンドインターバル)が終了したかを判定する(S2711)。終了していなければ(S2711でNO)、処理を終える。一方、ラウンド遊技が終了する場合には(S2711でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2712)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2713)。「0」でなければ(S2713でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2713でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2714)、大当たりのエンディングを開始する(S2715)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2716)、処理を終える。
またステップS2701において大当たり終了フラグがONであれば(S2701でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たり遊技のエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2717)、エンディング時間が経過していなければ(S2717でNO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2717でYES)、大当たり終了フラグをOFFする(S2718)。そして、後述する遊技状態設定処理を行う(S2719)。続いて、大当たりフラグをOFFにする(S2720)。続いて、後述する遊技停止設定処理(S2721)を行い、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2722)、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図48に示すように、遊技状態設定処理(S2719)ではまず、VフラグがONであるか(V有効期間中にV入賞したか)を判定する(S2801)。ONであれば(S2801でYES)、確変フラグをONにすると共に(S2802)、時短フラグをONにする(S2803)。これにより、大当たり遊技後に高確高ベース状態に制御されることになる。続いて、確変カウンタに「160」をセットすると共に(S2804)、時短カウンタに「160」をセットして(S2805)、ステップS2808に進む。これにより、ST回数が160回であり且つ時短回数が160回である高確高ベース状態に制御されることになる。
一方、ステップS2801において、VフラグがONでないと判定すれば(S2801でNO)、時短フラグをONにする(S2806)。即ち、このときには確変フラグをONにしない。これにより、大当たり遊技後に低確高ベース状態に制御されることになる。続いて、時短カウンタに「100」をセットして(S2807)、ステップS2808に進む。即ち、これにより、時短回数が100回である低確高ベース状態に制御されることになる。
ステップS2808では、遊技制御用マイコン101は、今設定した遊技状態の情報(確変フラグのON又はOFF、時短フラグのON又はOFF、確変カウンタの値、時短カウンタの値の情報)を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。こうして遊技状態設定処理(S2719)を終える。
[遊技停止設定処理]図49に示すように、遊技停止設定処理(S2721)ではまず、遊技制御用マイコン101は、過賞球フラグがONか否かを判断する(S2901)。過賞球フラグがONであれば(S2901でYES)、遊技停止フラグをONにし(S2902)、遊技停止報知コマンドをセットして(S2903)、本処理を終了する。また、過賞球フラグがOFFである場合(S2901でNO)、そのまま本処理を終了する。これにより、遊技停止報知コマンドが演出制御基板120に送信されると、図33に示すように、表示画面50aにて、遊技停止報知画像YT(図33(A)参照)、遊技結果画像YZ(差玉数到達画像KN、総入賞数画像SN、総発射数画像SH、総獲得数画像SK、図33(B)参照)が表示される。また、図27(A)に示すように、表示画面50aにて、赤背景画像RE及びエラー解除方法画像ERXが表示される。また、スピーカ52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53が全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54が全て消灯する。
[出力処理]図50に示すように、出力処理(S112)では、後述する外端信号出力処理を実行する(S3001)。続いて、その他の出力処理(S3002)として、上述した各処理において遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170に出力して、本処理を終える。
[外端信号出力処理]図51に示すように、外端信号出力処理(S3001)では、過賞球予告フラグがONであるか否かを判定する(S3101)。つまり、差玉数が70000に達した状況か否かを判定する。過賞球予告フラグがONでなければ(S3101でNO)、ステップS3103に進む。一方、過賞球予告フラグがONであれば(S3101でYES)、過賞球予告用外端信号出力処理を実行して(S3102)、ステップS3102に進む。過賞球予告用外端信号出力処理(S3102)では、差玉数が70000に達したことを示す外端信号(以下「過賞球予告用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、過賞球予告用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGU(データカウンタ、ホールコンピュータなど)に送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、本パチンコ遊技機PY1において差玉数が残り僅か(10000以内)増加すると、過賞球防止機能が作動し得る状況を把握させることが可能である。
ステップS3103では、過賞球フラグがONであるか否かを判定する。つまり、差玉数が80000に達した状況か否かを判定する。過賞球フラグがONでなければ(S3103でNO)、ステップS3105に進む。一方、過賞球フラグがONであれば(S3103でYES)、過賞球用外端信号出力処理を実行して(S3104)、ステップS3105に進む。過賞球用外端信号出力処理(S3104)では、差玉数が80000に達したことを示す外端信号(以下「過賞球用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、過賞球予告用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGUに送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、本パチンコ遊技機PY1において差玉数が80000に達していて、高確高ベース状態又は低確低ベース状態が終了すると遊技が実行不能になる状況を把握させることが可能である。
ステップS3105では、遊技停止フラグがONであるか否かを判定する。つまり、遊技が実行不能になった状況か否かを判定する。遊技停止フラグがONでなければ(S3107でNO)、ステップS3107に進む。一方、遊技停止フラグがONであれば(S3105でYES)、遊技停止用外端信号出力処理を実行して(S3106)、ステップS3107に進む。遊技停止用外端信号出力処理(S3106)では、過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能になったことを示す外端信号(以下「遊技停止用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、遊技停止用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGUに送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、本パチンコ遊技機PY1において過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能になった状況を把握させることが可能である。
ステップS3107では、ステップS203に示す非消去クリア処理、又はステップS1422に示す非消去クリア処理が実行されたか否かを判定する。即ち、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされたか否かを判定する。非消去クリア処理が実行されていなければ(S3107でNO)、ステップS3109に進む。一方、非消去クリア処理が実行されていれば(S3107でYES)、リセット用外端信号出力処理を実行して(S3108)、ステップS3109に進む。リセット用外端信号出力処理(S3108)では、差玉数がリセットされたことを示す外端信号(以下「リセット用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、リセット用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGUに送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、本パチンコ遊技機PY1において差玉数がリセットされた状況を把握させることが可能である。なお主制御基板100には、専用の信号線が接続されていて、この専用の信号線を介して、過賞球予告用外端信号、過賞球用外端信号、遊技停止用外端信号、リセット用外端信号が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。
9.演出制御用マイコンの動作
次に、図52~図57に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
[サブ制御メイン処理]演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、電源投入時に、演出用ROM123から図52に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。なお、演出制御用マイコン121の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
図52に示すように、サブ制御メイン処理では、サブ側電源断フラグ(電断時にONされるフラグ)がONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S4001)。そしてこの判定結果がNOであれば、つまり、サブ側電源断フラグがONでない場合、又はサブ側電源断フラグがONであっても演出用RAM124の内容が正常でない場合には、演出用RAM124の初期化をして(S4002)、ステップS4003に進む。
一方、ステップS4001の判定結果がYESであれば、つまり、電断によりサブ側電源断フラグがONとなったが演出用RAM124の内容が正常に保たれている場合には、続いて、RAMクリア通知コマンドを受信しているか否かを判定する(S4013)。RAMクリア通知コマンドを受信していれば(S4013でYES)、遊技制御基板100の遊技用RAM104はクリアされている。そのため、演出制御基板120の演出用RAM124をクリアして(S4002)、ステップS4003に進む。これに対して、RAMクリア通知コマンドを受信していなければ(S4013でNO)、演出用RAM124をクリアすることなく、ステップS4003に進む。
ステップS4003では、その他の初期設定を行う。その他の初期設定では例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。また、サブ側電源断フラグがONであればOFFにする。
次に、割り込みを禁止し(S4004)、乱数更新処理を実行する(S4005)。乱数更新処理(S4005)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示画面50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御回路151を介して枠ランプ53や盤ランプ54を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、可動装置55,56,58を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(変動演出、保留演出、可動体演出、操作演出、先読み演出、その他の予告演出、特別遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は主制御基板100の出力処理(S112)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011,S4012)に優先して実行される。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、図53に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
入力処理(S4101)では、通常ボタン検出スイッチ40aや特殊ボタン検出スイッチ41aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理(S4102)では、入力処理(S4101)や後述する演出データ作成処理(S4204)等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データ(ランプデータ)を参照する。そして、発光データに基づいて、ランプ制御回路151を制御する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動体制御処理(S4103)では、入力処理(S4101)や後述する演出データ作成処理(S4204)等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで可動装置55,56,58を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを参照する。そして、駆動データに基づいて、ランプ制御回路151を制御する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、可動装置55,56,58を所定の動作態様で動作させる。ウォッチドッグタイマ処理(S4104)では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、図54に示すように、後述する受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
受信コマンド解析処理(S4201)では、受信割り込み処理(S4010)によって演出用RAM124の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。演出タイマ更新処理(S4202)では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理(S4202)では、通常ボタン40や特殊ボタン41といった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングを計測する。音声制御処理(S4203)では、入力処理(S4101)や受信コマンド解析処理(S4201)の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161の制御とが行われる。演出用データ作成処理(S4204)では、受信コマンド解析処理(S4201)の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
ここで、演出制御用マイコン121が遊技制御用マイコン101からコマンドを受信した場合の処理の一例を説明する。演出制御用マイコン121が受信するコマンドは、変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)とする。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S4201)において、変動開始コマンドを受信していると判定した場合、変動開始コマンド受信時処理として、そのコマンドが示す特図変動パターンに基づいて、変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択し、そのサブ変動パターンの情報をセットするとともに、そのサブ変動パターンの情報を含む変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。例えば、変動開始コマンドが示す特図変動パターンがSP変動(SPリーチに関連付けられた変動パターン)である場合、SPリーチを行うサブ変動パターンを選択し、そのサブ変動パターンに対応する変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。その後、各処理(コマンド送信処理(S4004)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、音声制御処理(S4203)など)が実行されることで、選択したサブ変動パターンに対応する変動演出が実現される。なお、このような演出の実現に関する処理の流れは、特別遊技に伴う演出や客待ち演出、先読み演出、所謂当該変動に伴う予告演出、演出モードの制御などの他の演出についても基本的には同じである。
[受信コマンド解析処理]本実施形態の受信コマンド解析処理(S4201)では、図55に示すように、演出制御用マイコン121は、先ず主制御基板100から始動口センサ用コマンドを受信したか否か判定し(S4301)、受信していれば後述する始動入賞時処理(S4302)を行う。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100から変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド、又は特図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4303)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4304)。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100から特図変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4305)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S4306)。変動演出終了処理(S4306)において、演出制御用マイコン121は、特図変動演出を終了させる(演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の変動表示を停止し、停止表示を行う)。
演出制御用マイコン121は、変動演出終了処理(S4306)では、特図変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、特図変動演出を適宜に終了(演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の変動表示を停止)させるための特図変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。画像制御基板140は、特図変動演出終了コマンドを受信すると、実行中の特図変動演出を終了(変動中の演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を停止)する。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4307)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S4308)。オープニング演出選択処理(S4308)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100からラウンド遊技コマンドを受信したか否か判定し(S4309)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S4310)。ラウンド演出選択処理(S4310)では、ラウンド遊技コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4311)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S4312)。エンディング演出選択処理(S4312)では、演出制御用マイコン121は、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行する大当たりエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択した大当たりエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するための大当たりエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100から遊技停止報知コマンドを受信したか否か判定し(S4313)、受信していれば遊技停止報知表示処理を行う(S4314)。遊技停止報知表示処理(S4314)では、演出制御用マイコン121は、遊技停止報知コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、遊技停止報知表示開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、画像制御基板140に送信された遊技停止報知表示開始コマンドに基づいて、表示画面50aにて、遊技停止報知画像YT(図59(A)参照)が所定期間(例えば、2秒間)表示され、続いて遊技停止報知画像YT(図33(A)参照)、遊技結果画像YZ(差玉数到達画像KN、総発射数画像SH、総獲得数画像SK、図33(A)参照)が所定期間(例えば、10秒間)され、続いて赤背景画像RE及びエラー解除方法画像ERXが表示される(図27(A)参照)。また、スピーカ52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53が全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54が全て消灯する。
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S4315)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、普通図柄の変動表示に伴う演出を行うための処理等)を行う。そして、受信コマンド解析処理(S4201)を終える。
[始動入賞時処理]先ず、本形態の始動入賞時処理(S4302)ではまず、図56に示すように、演出制御用マイコン121は、始動口センサ用コマンド(第1始動口センサ用コマンド、第2始動口センサ用コマンド)を解析する(S4401)。第1始動口センサ用コマンドには、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)を表す情報、第1先読み判定の結果の情報、および第1先読み判定の結果が大当たりである場合には大当たり図柄の種別の情報などが含まれる。また、第2始動口センサ用コマンドには、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)を表す情報、第2先読み判定の結果の情報、および第1先読み判定の結果が大当たりである場合には大当たり図柄の種別の情報などが含まれる。
ステップS4401の後、演出制御用マイコン121は、ステップS4401で解析した結果が示す先読み判定の結果が大当たりであるか否かを判定する(S4402)。先読み判定の結果が大当たりである場合には(S4402でYES)、ステップ4403に進む。一方で、先読み判定の結果がハズレである場合には(S4402でNO)、ステップS4406に進む。
ステップS4401で解析した結果が示す先読み判定の結果が大当たりである場合には(S4402でYES)、演出制御用マイコン121は、ステップS4401で解析した結果が示す実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数の情報、および演出用差玉数記憶部124cに記憶されている現在の差玉数の情報に基づいて、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となるか否かを判定する(S4403)。
ステップS4403(特定判定手段)において、演出制御用マイコン121は、現在の差玉数に実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を加算した値が80000以上となる場合には(S4403でYES)、特殊図柄態様の演出図柄を選択し(S4404)、遊技停止事前示唆開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットし(S4405)、ステップS4406に進む。これにより、画像制御基板140に送信された遊技停止事前示唆開始コマンドが示す先読み演出内容に応じて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、または右演出図柄EZ3のうち、いずれかの演出図柄EZが特殊図柄態様で表示されることになる。そのため、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、または右演出図柄EZ3のうち、いずれかの演出図柄EZが特殊図柄態様で表示させることで、過賞球防止機能が作動されて遊技が停止されてしまう可能性を遊技者に示唆することが可能である(図31(B)、図31(D)参照)。
また、演出制御用マイコン121は、ステップS4401で解析した結果が示す先読み判定の結果がハズレである場合には(S4402でNO)、または実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上とならない場合には(S4403でNO)、そのままステップS4406に進む。
続いて、ステップS4406において、演出制御用マイコン121は、他の先読み演出を実行するか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、他の先読み演出を実行すると判定した場合には(S4406でYES)、先読み開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4407)。また、他の先読み演出を実行しないと判定した場合には(S4406でNO)、そのまま本処理を終了する。なお、他の先読み演出には、保留アイコンHAの表示態様を変化させる保留アイコン変化演出や、連続する複数回の特別図柄の変動表示にわたって行われる連続予告演出等がある。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた先読み演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4406)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示画面50aにて画像による先読み演出を行う。また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による先読み演出が行われている間、画像制御基板140に送信された先読み演出開始コマンドが示す先読み演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させ(音声による先読み演出を実行し)、また、ランプ制御回路151を介して枠ランプ53を発光させ(発光による先読み演出を実行し)、盤上可動体55k、盤下可動体56kを作動させる(動作による先読み演出を実行する)ことが可能である。
[変動演出開始処理]図57に示すように、本形態の変動演出開始処理(S4304)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドを解析する(S4501)。変動開始コマンドには、変動パターン(図11、図12、図16)の情報や、大当たりの判定等に基づく特図停止図柄データの情報、大当たり判定の結果が大当たりである場合には、実行予定の大当たり遊技にて獲得予定の賞球数の情報などが含まれている。
続いて、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドの解析結果から、大当たり判定の結果が大当たりであるか否かを判定する(S4502)。ステップS4502にて大当たり判定の結果が大当たりである場合には(S4502でYES)、ステップS4503に進む。一方で、大当たり判定の結果がハズレである場合には、そのままステップS4505に進む。
続いて、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドの解析結果から実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を、び演出用差玉数記憶部124cに記憶されている現在の差玉数に加算した値が80000以上であるか否かを判定する(S4503)。ステップS4503にて、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上である場合には(S4503でYES)、特図変動演出にて最終的に停止表示する演出図柄EZとして、特殊図柄態様(数字を示す部分(数字部分)と天使のキャラクタを示す部分とが組み合わされた図柄態様)の演出図柄EZを選択する(S4504)。これにより、遊技者に過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が実行不能に制御されることを示唆することが可能となる(図31(F)参照)。
一方で、演出制御用マイコン121は、大当たり判定の結果がハズレである場合、または変動開始コマンドの解析結果から実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000未満である場合(S4503でNO)には、特図変動演出において最終的に停止表示する演出図柄EZの選択を行う(S4505)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせ(例えば「7・7・7」等)が決定される。なお、演出制御用マイコン121は、変動演出開始処理(S4304)において、特図変動演出において最終的に停止表示する小図柄KZの選択も行っている。具体的には、演出制御用マイコン121は、小図柄決定用乱数を取得するとともに、変動開始コマンドの解析結果に基づいて、一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した小図柄決定用乱数を判定することにより、小図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される小図柄KZ1,KZ2,KZ3の組み合わせ(例えば「7・7・7」等)が決定される。
続いて、サブ変動パターン選択処理(S4506)では、演出制御用マイコン121は、設定している演出モードと変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出内容が対応付けられたサブ変動パターンを判定するサブ変動パターン判定を行うためのサブ変動パターン判定テーブルを選択する。サブ変動パターン判定テーブルは、演出モードおよび特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、特図変動パターンに対応付けられたサブ変動パターン判定テーブルを1つ選択する。各サブ変動パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、1又は複数のサブ変動パターンにサブ変動パターン決定用乱数の値(サブ変動パターン決定値)が振り分けられている。続いて、演出制御用マイコン121は、サブ変動パターン決定用乱数カウンタが示す値をサブ変動パターン決定用乱数として取得し、取得したサブ変動パターン決定用乱数に基づいてサブ変動パターン判定を行う。なお、サブ変動パターン決定用乱数は、「0」から「99」までの範囲で値をとる。
演出制御用マイコン121は、サブ変動パターン判定において、選択したサブ変動パターンテーブルに、取得したサブ変動パターン決定用乱数を照合し、サブ変動パターンを決定して、決定したサブ変動パターンを表すデータを演出用RAM124にセットする。なお特図変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、操作演出の有無、操作演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる特図変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
続いて、演出制御用マイコン121は、予告演出の選択を行う(S4506)。具体的には、予告演出決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
S4506に続いて、演出制御用マイコン121は、選択した演出図柄とサブ変動パターンと予告演出とに基づいて、変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S4507)、本処理を終える。S4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板140に送信されると、表示画面50aにて特別図柄の変動表示に同期した特図変動演出が開始される。
また、特図変動演出開始コマンドには、画像表示装置50で行われる画像による特図変動演出の他に、スピーカ52から出力される音声による特図変動演出、枠ランプ53で行われる発光による特図変動演出の演出内容、および、盤上可動体55k、盤下可動体56kで行われる動作による特図変動演出の演出内容が含まれている。
また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による特図変動演出が行われている間、画像制御基板140に送信された特図変動演出開始コマンドが示す特図変動演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させ(音声による特図変動演出を実行し)、また、ランプ制御回路151を介して枠ランプ53を発光させ(発光による特図変動演出を実行し)、盤上可動体55k、盤下可動体56kを作動させる(動作による特図変動演出を実行する)。
10.本形態の作用効果
差玉数が80000(基準数)に到達されたタイミング、または大当たり遊技の途中で差玉数が基準数以上となった場合には、大当たり遊技の実行が終了したタイミングで過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が停止されるため、遊技者に過剰な賞球を付与しないことが可能となっている。しかしながら、過剰賞球異常防止機能が作動されて遊技が停止されてしまう可能性があることを事前に遊技者が把握できないのは遊技者にとって酷である。そこで、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、先読み判定の結果に基づいて、過賞球異常防止機能が作動される可能性があることを示唆する過賞球事前示唆演出によって、過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が停止されることを事前に把握させることが可能となっている。これにより、遊技者に過剰賞球異常防止機能が作動されて遊技が停止されてしまう可能性があることを事前に把握できないため遊技者が酷な状態となってしまうことを防止することが可能となる。
また、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、先読み判定の結果に基づいて、始動口入賞時処理(S4302)でのステップS4403にて先読み判定の結果から実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となると判定されない場合には、過賞球事前示唆演出が実行されない。一方で、先読み判定の結果に基づいて、始動口入賞時処理(S4302)でのステップS4403にて先読み判定の結果から実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となると判定された場合には、過賞球事前示唆演出が実行される。これにより、始動入賞時処理(S4302)でのステップS4403による判定結果に応じて、過賞球事前示唆演出を適切に実行されることが可能となる。
また、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、過賞球事前示唆演出が実行されると、表示画面50aに確定的に停止表示されている演出図柄EZの図柄態様が特殊図柄態様となる。これにより、表示画面50aに確定的に停止表示されている演出図柄EZの特殊図柄態様に注目させることで、過賞球異常防止機能が作動されて遊技が停止される可能性があることを事前に把握させ易くすることが可能となる。そのため、遊技者が注目し易い表示画面50aに確定的に停止表示されている演出図柄EZの図柄態様によって、過剰賞球異常防止機能が作動されて遊技が停止されてしまう可能性があることを事前に遊技者が把握できないため遊技者が酷となる状態をより防止することが可能となる。
また、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、過賞球事前示唆演出が実行された後に、その過賞球事前示唆演出の実行に起因した特図1関係乱数が特図1保留記憶部105aからクリアされて、特図判定処理での大当たりとなるか否かの判定の結果に基づく特図変動演出の実行が開始されて、実行予定の大当たり遊技の終了後に過賞球防止機能が作動されることを示唆する過賞球予告演出が実行される。その過賞球予告演出では、過賞球事前示唆演出で用いられた特殊図柄態様で左演出図柄EZ1と中演出図柄EZ2と右演出図柄EZ3とが確定的に停止表示される。これにより、表示画面50aに確定的に停止表示されている左演出図柄EZ1と中演出図柄EZ2と右演出図柄EZ3の特殊図柄態様であることにインパクトを与えて、実行される大当たり遊技が終了したタイミングで過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が停止されることを把握されることが可能となる。そのため、大当たり遊技の終了後に過剰賞球異常防止機能が作動されて遊技が停止されてしまうことを事前に把握することができない状態となることをさらに防止することが可能となる。
また、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が停止されると、表示画面50aに過賞球異常防止機能が作動されるまでのパチンコ遊技機PY1の遊技結果を報知する遊技結果画像YZが表示される。これにより、過剰な賞球を遊技者に付与しないパチンコ遊技機を遊技者に提供するだけでなく、表示画面50aに表示される遊技結果画像YZによって、過賞球異常防止機能が作動されるまでのパチンコ遊技機PY1の遊技結果を確認させることが可能となる。そのため、過賞球異常防止機能が作動されるまでのパチンコ遊技機PY1の遊技結果を把握した遊技者に、例えば、次回もパチンコ遊技機PY1で遊技を行ってもらうように促すことが可能となる。
また、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が停止されて、表示画面50aに表示された「総発射数:13600発」を示す総発射数画像SHを遊技者に確認させることが可能となる。これにより、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、ハンドル72kの操作によって、発射装置72から発射された遊技球がどのくらい遊技領域6に到達されたのかを遊技者に確認させることが可能となる。これにより、表示画面50aに表示された総発射数画像SHを確認した遊技者に、遊技者自身がそのパチンコ遊技機PY1でどの程度遊技を行ったかを把握させて、次回もパチンコ遊技機PY1で遊技を行ってもらうように促すことが可能となる。
また、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、表示画面50aに表示された「総獲得数:93600個」の文字画像からなる総獲得数画像SKによって、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、遊技者が獲得した賞球の合計数を確認させることが可能となる。これにより、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、第1大入賞口14や第2大入賞口15などに遊技球を入賞させて獲得した賞球の合計数を確認した遊技者に、次回もパチンコ遊技機PY1で遊技を行ってもらうように促すことが可能となる。
また、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、表示画面50aに表示された「総入賞数:1000個」の文字画像からなる総入賞数画像SNによって、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、遊技領域6に配置されている第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15に入賞させた遊技球の合計数を確認させることが可能となる。これにより、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15に入賞させ易かったか否かを遊技者に把握させて、次回もパチンコ遊技機PY1で遊技を行ってもらうように促すことが可能となる。
11.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
<第1変形例>
上記形態では、過賞球異常防止機能が作動されて、表示画面50aに表示される遊技結果画像YZには、必ず差玉数到達画像KNと総発射数画像SHと総入賞数画像SNと総獲得数画像SKとが含まれていた。表示画面50aに遊技結果画像YZが表示されると、差玉数到達画像KNと総発射数画像SHと総入賞数画像SNと総獲得数画像SKとが表示されるため、過賞球異常防止機能が作動されるまでの発射装置72から発射された遊技球が遊技領域6に到達された合計数の情報と、過賞球異常防止機能が作動されるまでに遊技領域6に配置されている入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、第2大入賞口15)に入賞された遊技球の合計数の情報と、過賞球異常防止機能が作動されるまでに入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、第2大入賞口15)に入賞させて、遊技者が獲得した賞球の合計数の情報と、差玉数が80000に到達した情報といった4つの情報を遊技者に取得させることができた。しかしながら、上記形態では、以下の問題点がある。
過賞球異常防止機能が作動され、表示画面50aに表示される遊技結果画像YZに、総発射数画像SHと総入賞数画像SNと総獲得数画像SKとが含まれていると、上記した3つ情報のうち、遊技店の従業員が遊技者に対して取得させたくない情報までも遊技者に取得されてしまうおそれがある。
そこで第1変形例のパチンコ遊技機PY1では、上記した問題点を解消すべく、遊技店の従業員が、総発射数画像SHの表示の有無と、総入賞数画像SNの表示の有無と、総獲得数画像SKの表示の有無とを設定できるように構成されている。具体的には、RAMクリアが開始された後の30秒以内に、通常ボタン40を5回押下操作すると、後述する初期機能設定画像FS(図58(A)参照)が表示される。そして、遊技店の従業員は、初期機能設定画像FSの表示から、後述する遊技結果画像表示設定画像SX(図58(C)参照)の表示に切り替えることで、遊技結果画像YZに含まれる総発射数画像SHの表示の有無と、総入賞数画像SNの表示の有無と、総獲得数画像SKの表示の有無とを設定することができる。
次に、図58に基づいて、総発射数画像SHの表示の有無と、総入賞数画像SNの表示の有無と、総獲得数画像SKの表示の有無との設定について説明する。
図58(A)に示すように、電源投入後にRAMクリアが開始されると、表示画面50aには、「しばらくお待ちください ボタンを5回プッシュすると初期機能設定画像を表示します」を示すRAMクリア報知画像RCが表示される。表示画面50aにRAMクリア報知画像RCが表示されることで、遊技店の従業員にRAMクリアが実行されたことを把握させることが可能となっている。RAMクリア報知画像RCは、RAMクリアが開始されてから30秒間だけ表示される。そのため、遊技店の従業員は、RAMクリア報知画像RCの表示中に、通常ボタン40を5回押下操作すると、図58(B)に示すように、初期機能設定画像FSを表示させることが可能である。
こうして、第1変形例では、RAMクリアが実行されたことを条件に、初期機能設定画像FSを表示させることができて、遊技結果画像YZに含まれる総発射数画像SHの表示の有無と、総入賞数画像SNの表示の有無と、総獲得数画像SKの表示の有無とを設定することができる。すなわち、RAMクリアが実行されなければ、遊技結果画像YZに含まれる総発射数画像SHの表示の有無と、総入賞数画像SNの表示の有無と、総獲得数画像SKの表示の有無とを変更できないようになっている。
図58(B)に示すように、初期機能設定画像FSでは、「遊技結果画像表示設定」において「設定画面へ切替」を示す項目と、「初期化」を示す項目とがあり、「その他の演出設定」において「設定画面へ切替」を示す項目がある。そのため、遊技店の従業員は、セレクトボタンを用いてカーソル各種項目に合わせて、通常ボタン40を押下操作すると、図58(C)に示す遊技結果画像表示設定画像SX、またはその他の演出設定画像(図示省略)を表示させることが可能である。なお、初期機能設定画像SFの表示中に、「初期化」の項目にカーソルを合わせて、通常ボタン40を押下操作すると、遊技結果画像YZに含まれる総発射数画像SHの表示の有無と、総入賞数画像SNの表示の有無と、総獲得数画像SKの表示の有無との設定を初期化することが可能となっている。また、初期機能設定画像SFの表示中に、「戻る」の項目にカーソルを合わせて、通常ボタン40を押下操作すると、初期機能設定画像FSの表示が終了する。その後、RAMクリアの実行が終了していれば、表示画面50aには客待ち演出が実行される。
58(C)に示すように、遊技結果画像表示設定画像SXでは、「総発射数の表示の設定をON/OFFを設定します」において、「ON」を示す項目と、「OFF」を示す項目とがある。そのため、「ON」を示す項目にカーソルを合わせると、遊技結果画像YZが表示された場合に、総発射数画像SHが表示されるように設定される。一方で、「OFF」を示す項目にカーソルを合わせると、遊技結果画像YZが表示された場合に総発射数画像SHが表示されないように設定される。
また、58(C)に示すように、遊技結果画像表示設定画像SXでは、「総入賞数の表示の設定をON/OFFを設定します」において、「ON」を示す項目と、「OFF」を示す項目とがある。そのため、「ON」を示す項目にカーソルを合わせると、遊技結果画像YZが表示された場合に総入賞数画像SNが表示されるように設定される。一方で、「OFF」を示す項目にカーソルを合わせると、遊技結果画像YZが表示された場合に総入賞数画像SNが表示されないように設定される。
さらに、58(C)に示すように、遊技結果画像表示設定画像SXでは、「総獲得数の表示の設定をON/OFFを設定します」において、「ON」を示す項目と、「OFF」を示す項目とがある。そのため、「ON」を示す項目にカーソルを合わせると、遊技結果画像YZが表示された場合に総獲得数画像SKが表示されるように設定される。一方で、「OFF」を示す項目にカーソルを合わせると、遊技結果画像YZが表示された場合に総獲得数画像SKが表示されないように設定される。
また、58(C)に示すように、遊技結果画像表示設定画像SXの表示中に、「戻る」の項目にカーソルを合わせて、通常ボタン40を押下操作すると、設定した内容が決定されて、遊技結果画像表示設定画像SXの表示が終了となり、初期機能設定画像FSの表示に戻ることになる
<第1変形例の作用効果>
第1変形例のパチンコ遊技機PY1によれば、RAMクリアが実行されたことを条件に、遊技結果画像YZに含まれる総発射数画像SHの表示の有無と、総入賞数画像SNの表示の有無と、総獲得数画像SKの表示の有無とを設定することができた。これにより、過賞球異常防止機能が作動されて遊技が不能に制御された場合に、表示画面50aに表示される遊技結果画像YZに、総発射数画像SHが含まれるか否かと、総入賞数画像SNが含まれるか否かと、総獲得数画像SKが含まれるか否かとを遊技店の従業員の裁量によって、設定することができる。そのため、過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が停止された場合に表示される遊技結果画像YZによって、遊技店の従業員が遊技者に対して取得させたくない情報を遊技者に取得させなくように調整することが可能となる。
<第2変形例>
上記形態では、過賞球異常防止機能が作動された場合に、パチンコ遊技機PY1での遊技結果の情報を示唆する表示画像として、遊技結果画像YZ(総発射数画像SH、総入賞数画像SN、総獲得数画像SK、差玉数到達画像KN)が表示された。しかしながら、これに限定される必要はなく、一例にすぎない。例えば、第2変形例では、過賞球異常防止機能が作動された場合には、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、初当たり(通常遊技状態にて大当たり)となって以降、再び通常遊技状態に戻るまでに大当たり遊技にて獲得した遊技球の合計数を初当たり毎に示唆する獲得賞球数画像HD(図59(B)参照)が表示され、その後に、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、1回目から10回目までに初当たり毎に大当たり遊技で獲得した遊技球の合計数を示唆する合計獲得賞球数画像HS(図59(C)参照)が表示されることになる。また、獲得賞球数画像HDは、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、初当たり(通常遊技状態にて大当たり)となって以降、再び通常遊技状態に戻るまでに大当たり遊技にて獲得した遊技球の合計数を初当たり毎に示す表示画像であっても良い。また、合計獲得賞球数画像HSは、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、1回目から10回目までに初当たり毎に大当たり遊技で獲得した遊技球の合計数を示す表示画像であっても良い。
次に、図59に基づいて、第2変形例のパチンコ遊技機PY1にて、過賞球異常防止機能が作動された場合に、表示画面50aに表示されるパチンコ遊技機PY1での遊技結果の情報を示唆する表示画像について説明する。なお、第2変形例では過賞球防止機能が作動されると、表示画面50aにて、過賞球異常防止機能が作動されて遊技が停止したことを報知する遊技停止報知画像YT(図59(A)参照)が所定期間(例えば、2秒間)表示され、続いて獲得賞球数画像HD(図59(B)参照)が所定期間(例えば、10秒間)表示され、続いて合計総獲得賞球数HS(図59(C)参照)が所定期間(例えば、10秒間)され、続いて図27(A)に示す演出例へと進むことになる。
第2変形例では、過賞球異常防止機能が作動されると、図59(A)に示すように、先ず表示画面50aに遊技停止報知画像YTが表示される。表示画面50aに遊技停止報知画像YTが表示されることで、遊技者に過賞球異常防止機能が作動されたことを把握させることが可能となっている。
表示画面50aに図59(A)に示す遊技停止報知画像YTが表示されて、所定期間(例えば、2秒間)が経過すると、図59(A)に示す遊技停止報知画像YTの表示から図59(B)に示す獲得賞球数画像HDの表示に切り替わる。図59(B)に示す獲得賞球数画像HDでは、「1,14850個 2,3450個 3,14850個 4,9450個 5,16350個 6,4350個 7,4350個 8,8850個 9,16350個 10,750個」と示されている。獲得賞球数画像HDでは、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、10回の初当たり毎における初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでに大当たり遊技で獲得した遊技球の数がそれぞれ示されている。
具体的には、獲得賞球数画像HDに示す「1,14850個」から、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、1回目の初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでに大当たり遊技で獲得した遊技球の数は、14850個であること遊技者に把握させることが可能となっている。また、獲得賞球数画像HDに示す「2,3450個」から、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、2回目の初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでに大当たり遊技で獲得した遊技球の数は、3450個であること遊技者に把握させることが可能となっている。また、獲得賞球数画像HDに示す「3,14850個」から、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、3回目の初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでに大当たり遊技で獲得した遊技球の数は、14850個であること遊技者に把握させることが可能となっている。また、獲得賞球数画像HDに示す「4,9450個」から、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、4回目の初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでに大当たり遊技で獲得した遊技球の数は、9450個であること遊技者に把握させることが可能となっている。また、獲得賞球数画像HDに示す「5,16350個」から、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、5回目の初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでに大当たり遊技で獲得した遊技球の数は、16350個であること遊技者に把握させることが可能となっている。また、獲得賞球数画像HDに示す「6,4350個」から、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、6回目の初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでに大当たり遊技で獲得した遊技球の数は、4350個であること遊技者に把握させることが可能となっている。また、獲得賞球数画像HDに示す「7,4350個」から、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、7回目の初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでに大当たり遊技で獲得した遊技球の数は、4350個であること遊技者に把握させることが可能となっている。また、獲得賞球数画像HDに示す「8,8850個」から、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、8回目の初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでに大当たり遊技で獲得した遊技球の数は、4350個であること遊技者に把握させることが可能となっている。また、獲得賞球数画像HDに示す「9,16350個」から、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、9回目の初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでに大当たり遊技で獲得した遊技球の数は、16350個であること遊技者に把握させることが可能となっている。さらに、獲得賞球数画像HDに示す「10,750個」から、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、10回目の初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでに大当たり遊技で獲得した遊技球の数は、750個であること遊技者に把握させることが可能となっている。
表示画面50aに図59(B)に示す獲得賞球数画像HDが表示されて、所定期間(例えば、10秒間)が経過すると、図59(B)に示す獲得賞球数画像HDの表示が終了して、図59(C)に示す合計獲得賞球数画像HSが表示される。図59(C)に示す合計獲得賞球数画像HSでは、「93600個」と示されている。合計獲得賞球数画像HSでは、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、1回目から10回目までの初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでに大当たり遊技で獲得した遊技球の合計数が示唆されている。図59(C)に示す合計獲得賞球数画像HSが「93600個」と示されることで、1回目から10回目までの初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでに大当たり遊技で獲得した遊技球の合計数が93600個であることを遊技者に把握させることが可能となっている。
表示画面50aに図59(C)に示す合計獲得賞球数画像HSが表示されて所定期間(例えば、10秒間)が経過すると、図27(A)に示す演出例へと進むことになる。
<第2変形例の作用効果>
第2変形例のパチンコ遊技機PY1では、過賞球異常防止機能の作動によって、遊技が停止されるため、過剰な賞球を付与しないパチンコ遊技機PY1を遊技者に提供することが可能となっている。しかしながら、過賞球異常防止機能の作動によって、遊技が停止されることで、遊技者に不満を感じさせる可能性がある。そこで、過賞球異常防止機能が作動された場合には、表示画面50aに表示される獲得賞球数画像HDによって、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、初当たり毎にどのくらい大当たり遊技で遊技球を獲得してきたかを遊技者に確認させることが可能となる。さらに、表示画面50aに表示される合計獲得賞球数画像HSによって、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、1回目から10回目までの初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでに大当たり遊技で獲得した遊技球の合計数も確認させることが可能となる。これにより、表示画面50aに獲得賞球数画像HDと合計獲得賞球数画像HSが表示されることによって、少しでも遊技者に達成感を与えることが可能となる。そのため、遊技者に次回以降も第2変形例のパチンコ遊技機PY1での遊技にも良い影響を与えることが可能となる。
<第3変形例>
上記第2変形例では、過賞球異常防止機能が作動された場合には、獲得賞球数画像HD(図59(B)参照)が表示され、その後に合計獲得賞球数画像HS(図59(C)参照)が表示された。しかしながら、これに限定される必要はない。第3変形例では、過賞球異常防止機能が作動された場合には、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでの差玉数を初当たり毎に示唆する差玉数画像SD(図60(B)参照)が表示され、その後に、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、1回目から10回目までに初当たり毎の差玉数の合計を示唆する合計差玉数画像SS(図60(C)参照)が表示されることになる。差玉数画像SDは、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでの差玉数を初当たり毎に示す表示画像であっても良い。また、合計差玉数画像SSは、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、1回目から10回目までに初当たり毎の差玉数の合計を示す表示画像であっても良い。
次に、図60に基づいて、第3変形例のパチンコ遊技機PY1にて、過賞球異常防止機能が作動された場合に、表示画面50aに表示される表示画像について説明する。なお、第3変形例では過賞球防止機能が作動されると、表示画面50aにて、過賞球異常防止機能が作動されて遊技が停止したことを報知する遊技停止報知画像YT(図60(A)参照)が所定期間(例えば、2秒間)表示され、続いて差玉数画像SD(図60(B)参照)が所定期間(例えば、10秒間)表示され、続いて合計差玉数画像SS(図60(C)参照)が所定期間(例えば、10秒間)され、続いて図27(A)に示す演出例へと進むことになる。
第3変形例では、過賞球異常防止機能が作動されると、図60(A)に示すように、先ず表示画面50aに遊技停止報知画像YTが表示される。表示画面50aに遊技停止報知画像YTが表示されることで、遊技者に過賞球異常防止機能が作動されたことを把握させることが可能となっている。
表示画面50aに図60(A)に示す遊技停止報知画像YTが表示されて、所定期間(例えば、2秒間)が経過すると、図60(A)に示す遊技停止報知画像YTの表示から図60(B)に示す差玉数画像SDの表示に切り替わる。図60(B)に示す差玉数画像SDでは、「1,12000個 2,2800個 3,14000個 4,8500個 5,15000個 6,3000個 7,3000個 8,7000個 9,14000個 10,700個」と示されている。差玉数画像SDでは、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、10回の初当たり毎における初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでの差玉数がそれぞれ示されている。
具体的には、差玉数画像SDに示す「1,12000個」から、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、1回目の初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでの差玉数は、12000個であること遊技者に把握させることが可能となっている。また、差玉数画像SDに示す「2,2800個」から、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、2回目の初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでの差玉数は、2800個であること遊技者に把握させることが可能となっている。また、差玉数画像SDに示す「3,14000個」から、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、3回目の初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでの差玉数は、14000個であること遊技者に把握させることが可能となっている。また、差玉数画像SDに示す「4,8500個」から、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、4回目の初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでの差玉数は、8500個であること遊技者に把握させることが可能となっている。また、差玉数画像SDに示す「5,15000個」から、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、5回目の初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでの差玉数は、15000個であること遊技者に把握させることが可能となっている。また、差玉数画像SDに示す「6,3000個」から、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、6回目の初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでの差玉数は、3000個であること遊技者に把握させることが可能となっている。また、差玉数画像SDに示す「7,3000個」から、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、7回目の初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでの差玉数は、3000個であること遊技者に把握させることが可能となっている。また、差玉数画像SDに示す「8,7000個」から、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、8回目の初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでの差玉数は、7000個であること遊技者に把握させることが可能となっている。また、差玉数画像SDに示す「9,14000個」から、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、9回目の初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでに大当たり遊技で獲得した遊技球の合計数は、14000個であること遊技者に把握させることが可能となっている。さらに、差玉数画像SDに示す「10,700個」から、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、10回目の初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでの差玉数は、750個であること遊技者に把握させることが可能となっている。
表示画面50aに図60(B)に示す差玉数画像SDが表示されて、所定期間(例えば、10秒間)が経過すると、図60(B)に示す差玉数画像SDの表示が終了して、図60(C)に示す合計差玉数画像SSが表示されることになる。図60(C)に示す合計差玉数画像SSでは、「初当たり毎の差玉の合計 80000個」と示されている。合計差玉数画像SSでは、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、1回目から10回目までの初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでの差玉数の合計が示唆されている。図60(C)に示す合計差玉数画像SSが「初大当たり毎の差玉の合計80000個」と示されることで、1回目から10回目までの初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでの差玉数の合計が80000個であることを遊技者に把握させることが可能となっている。
表示画面50aに図60(B)に示す合計差玉数画像SSが表示されて所定期間(例えば、10秒間)が経過すると、図27(A)に示す演出例へと進むことになる。
<第3変形例の作用効果>
第3変形例のパチンコ遊技機PY1では、過賞球異常防止機能の作動によって、遊技が停止されるため、過剰な賞球を付与しないパチンコ遊技機PY1を遊技者に提供することが可能となっている。しかしながら、過賞球異常防止機能の作動によって、遊技が停止されることで、遊技者に不満を感じさせる可能性がある。そこで、過賞球異常防止機能が作動された場合には、表示画面50aに表示される差玉数画像SDによって、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、初当たり毎の差玉数を遊技者に確認させることが可能となる。さらに、表示画面50aに表示される合計差玉数画像SSによって、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、1回目から10回目までの初当たりとなって以降、再び通常遊技状態に戻るまでの差玉数の合計も確認させることが可能となる。表示画面50aに差玉数画像SDと合計差玉数画像SSが表示されることによって、少しでも遊技者に達成感を与えることが可能となる。そのため、遊技者に次回以降も第3変形例のパチンコ遊技機PY1での遊技にも良い影響を与えることが可能となる。
<第4変形例>
上記形態では、過賞球異常防止機能が作動されると、表示画面50aにて遊技結果画像YZ(総発射数画像SH、総入賞数画像SN、総獲得数画像SK、差玉数到達画像KN)が表示された。しかしながら、これに限定される必要はない。第4変形例のパチンコ遊技機PY1では、表示画面50aに遊技停止報知画像YTが表示されて、所定時間(例えば、2秒間)が経過した後に、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、実行された大当たり遊技(大当たり遊技X、大当たり遊技Y、大当たり遊技Z)の種類に応じた獲得球数アイコン画像が表示される獲得球アイコン動画HG(図61(B)参照)が表示画面50aに表示され、その後合計獲得球数画像HH(図61(C)参照)が表示される。なお、獲得球数アイコン画像には、大当たり遊技Xにて獲得可能な賞球数である750個を示す第1獲得球数アイコン画像と、大当たり遊技Yにて獲得可能な賞球数である600個を示す第2獲得球数アイコン画像と、大当たり遊技Zにて獲得可能な賞球数である1500個を示す第3獲得球数アイコン画像と、大当たり遊技Zの2回分の賞球数を示す第4獲得球数アイコン画像とがある。
次に、図61に基づいて、第4変形例のパチンコ遊技機PY1にて、過賞球異常防止機能が作動された場合に、表示画面50aに表示される動画と表示画像について説明する。なお、第3変形例では過賞球防止機能が作動されると、表示画面50aにて、過賞球異常防止機能が作動されて遊技が停止したことを報知する遊技停止報知画像YT(図61(A)参照)が所定期間(例えば、2秒間)表示され、続いて獲得球アイコン動画HG(図61(B)参照)が所定期間(例えば、10秒間)表示され、続いて合計獲得球数画像HH(図61(C)参照)が所定期間(例えば、10秒間)され、続いて図27(A)に示す演出例へと進むことになる。
第4変形例では、過賞球異常防止機能が作動されると、図61(A)に示すように、先ず表示画面50aに遊技停止報知画像YTが表示される。表示画面50aに遊技停止報知画像YTが表示されることで、遊技者に過賞球異常防止機能が作動されたことを把握させることが可能となっている。
表示画面50aに図61(A)に示す遊技停止報知画像YTが表示されて、所定期間(例えば、2秒間)が経過すると、図61(A)に示す遊技停止報知画像YTの表示から図61(B)に示す獲得球アイコン動画HGの表示に切り替わる。図61(B)に示す獲得球アイコン動画HGでは、過賞球異常防止機能が作動されるまでの大当たり遊技Xの実行回数分の第1獲得球数アイコン画像(「750」、図61(B)参照)が表示画面50aの上方から下方へと移動されていく。また、図61(B)に示す獲得球アイコン動画HGでは、過賞球異常防止機能が作動されるまでの大当たり遊技Yの実行回数分の第2獲得球数アイコン画像(「600」、図61(B)参照)が表示画面50aの上方から下方へと移動されていく。さらに、図61(B)に示す獲得球アイコン動画HGでは、過賞球異常防止機能が作動されるまでの大当たり遊技Zの実行回数分に応じた第3獲得球数アイコン画像(「1500」、図61(B)参照)が表示画面50aの上方から下方へと移動されていく。表示画面50aにて獲得球アイコン動画HGの表示中に、表示画面50aの上方から下方へと獲得球数アイコン画像が移動されていき、表示画面50a上で獲得球数アイコン画像が積み重なっていくことになる。なお、第3獲得球数アイコン画像(「1500」、図61(B)参照)が2つ組み合わせることで、大当たり遊技Zの2回分の賞球数を示す第4獲得球数アイコン画像へと変化する。
表示画面50aに図61(B)に示す獲得球アイコン動画HGが表示されて、所定期間(例えば、10秒間)が経過すると、図61(B)に示す獲得球アイコン動画HGの表示から図61(C)に示す合計獲得球数画像HHの表示に切り替わる。図61(C)に示す合計獲得球数画像HHでは、「おめでとう」を示す文字画像と、10個の第1獲得球数アイコン画像と、11個の第2獲得球数アイコン画像と、3個の第3獲得球数アイコン画像と、25個の第4獲得球数アイコン画像とが表示されている。表示画面50aに10個の第1獲得球数アイコン画像と、11個の第2獲得球数アイコン画像と、3個の第3獲得球数アイコン画像と、25個の第4獲得球数アイコン画像とが積み重なった状態を示すことで、全ての獲得球数アイコン画像が示す数字を合計した数字が、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、実行された大当たり遊技(大当たり遊技X、大当たり遊技Y、大当たり遊技Z)にて獲得された賞球の合計数であることを遊技者に把握させることが可能となっている。また合計獲得球数画像HHは、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、実行された大当たり遊技(大当たり遊技X、大当たり遊技Y、大当たり遊技Z)にて獲得された賞球の合計数であることを示唆する表示画像であっても良い。
表示画面50aに図61(C)に示す合計獲得球数画像HHが表示されて所定期間(例えば、10秒間)が経過すると、図27(A)に示す演出例へと進むことになる。
<第4変形例の作用効果>
第4変形例のパチンコ遊技機PY1では、過賞球異常防止機能の作動によって、遊技が停止されるため、過剰な賞球を付与しないパチンコ遊技機PY1を遊技者に提供することが可能となっている。しかしながら、過賞球異常防止機能の作動によって、遊技が停止されることで、遊技者に不満を感じさせる可能性がある。そこで、過賞球異常防止機能が作動された場合には、表示画面50aの上方から下方へと獲得球数アイコン画像が移動されていき、獲得球数アイコン画像が積み重なった状態を示す合計獲得球数画像HHが表示される。これにより、表示画面50aに表示される獲得球数アイコン画像によって、視覚的に遊技者を楽しませて、過賞球異常防止機能が作動されて遊技が停止されてしまうことによる不満を緩和させることが可能となっている。
上記第4変形例では、表示画面50a上に積もって表示された獲得球数アイコン画像によって、獲得球数を遊技者に把握させた。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、表示画面50a上に積もって表示されている獲得球数アイコン画像の数が、過賞球異常防止機能が作動されるまでに獲得した賞球の合計数を遊技者に把握させても良い。また、表示画面50aに積もって表示されている獲得球数アイコン画像の数は、遊技者が実際に獲得した獲得球数アイコン画像の数よりも多くても良い。この場合、例えば、遊技者が獲得した獲得球数アイコン画像の割合に合わせて、表示画面50aに積もって表示させる獲得球数アイコン画像の数が演出制御用マイコン121によって、決定される構成であっても良い。また、表過賞球異常防止機能が作動されるまでに獲得した賞球の合計数を表示画面50aに表示される場合、表過賞球異常防止機能が作動されるまでのラッシュ状態(連荘期間)ごとに獲得された賞球の合計数が表示画面50aに表示されても良い。また、例えば、ベースが「1」を超えるように設定されているパチンコ遊技機PY1では、一般入賞口10への遊技球の入賞によって獲得された賞球数を表示画面50aに表示されても良い。その他、例えば、過賞球異常防止機能が作動されるまでに獲得した賞球の合計数分の遊技球を模した遊技球画像が表示画面50aに表示されても良い。
<第5変形例>
上記形態のパチンコ遊技機PY1では、過賞球異常防止機能の作動によって、遊技が停止されるため、過剰な賞球を付与しないパチンコ遊技機PY1を遊技者に提供することが可能となっている。しかしながら、上記形態のパチンコ遊技機PY1では、先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となると判定されたか否かにかかわらず、先読み判定の結果に基づいて、先読み演出が実行可能な構成であった。しかしながら、上記形態では、以下の問題点がある。
過賞球異常防止機能が作動される可能性がある場合に、先読み演出が実行され、その後に過賞球異常防止機能が作動されてしまうと、先読み演出の内容が反映されずに、遊技者に不都合が生じる可能性がある。具体的には、特図抽選が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出として、例えば、保留アイコン表示領域50dに虹色の保留アイコン(所謂、プレミア演出)が実行されている場合に、仮にその虹色の保留アイコンの実行に起因した特図関係乱数(特図1関係乱数、特図2関係乱数)が特図保留記憶部105(特図1保留記憶部105a、特図2保留記憶部105b)からクリアされて、特図抽選の結果が大当たりとなって、大当たり遊技が実行される前に、過賞球異常防止機能が作動されて遊技が不能に制御されてしまうと、過賞球異常防止機能が作動されていなければその大当たり遊技で遊技球が獲得できたはずの賞球が得られないというおそれがある。
そこで、第5変形例のパチンコ遊技機PY1では、遊技制御用マイコン101によって、先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数の情報に加算した値が80000以上となると判定された場合には、センサ検出処理(S104)における第1先読み判定処理(S3117)と第2先読み判定処理(S3108)の実行が禁止される。これにより、始動口用センサコマンド(第1始動口用センサコマンド、第2始動口用センサコマンド)をサブ制御基板120が受信したとしても、演出制御用マイコン121によって先読み演出が実行されない。
先ず、第5変形例のパチンコ遊技機PY1にて実行可能なアイコン予告変化演出(示唆演出)について説明する。アイコン予告変化演出は、アイコン(保留アイコンHAまたは当該アイコンTA)の表示態様を変化させることで、当選期待度を示唆する予告演出である。なお、アイコン予告変化演出は、先読み判定の結果に基づく先読み演出として実行される場合もあれば、特図抽選の結果に基づく予告演出として実行される場合もある。ここで、アイコン(保留アイコンHAまたは当該アイコンTA)の表示態様について説明する。アイコン(保留アイコンHAまたは当該アイコンTA)の表示態様には、デフォルト(基本)の表示態様として、白色の丸形状がある。本形態では、図62に示すように、アイコン(保留アイコンHAまたは当該アイコンTA)が白色の丸形状になっている場合には、当選期待度が1%未満であることを示唆していて、実質的に当選期待度を示唆してない。
また、アイコン(保留アイコンHAまたは当該アイコンTA)の表示態様として、デフォルトの表示態様以外に、白色の丸形状の中に「青」の文字画像が示された表示態様と、白色の丸形状の中に「緑」の文字画像が示された表示態様と、白色の丸形状の中に「赤」の文字画像が示された表示態様と、白色の丸形状の中に「虹」の文字画像が示された表示態様とがある。第5変形例では、図62に示すように、アイコン(保留アイコンHAまたは当該アイコンTA)が白色の丸形状の中に「青」の文字画像が示された表示態様である場合には、当選期待度が3%であることを示唆している。また、図62に示すように、アイコン(保留アイコンHAまたは当該アイコンTA)が白色の丸形状と「緑」の文字画像が示された表示態様である場合には、当選期待度が10%であることを示唆している。図62に示すように、アイコン(保留アイコンHAまたは当該アイコンTA)が白色の丸形状と「赤」の文字画像が示された表示態様である場合には、当選期待度が30%であることを示唆している。図62に示すように、アイコン(保留アイコンHAまたは当該アイコンTA)が白色の丸形状と「虹」の文字画像が示された表示態様である場合には、当選期待度が100%であることを示唆している。
第5変形例のパチンコ遊技機PY1において、アイコン(保留アイコンHAまたは当該アイコンTA)の表示態様では、白色の丸形状の表示態様⇒白色の丸形状の中に「青」の文字画像が示されている表示態様⇒白色の丸形状の中に「緑」の文字画像が示されている表示態様⇒白色の丸形状の中に「赤」の文字画像が示されている表示態様⇒白色の丸形状の中に「虹」の文字画像が示されている表示態様の順番に、当選期待度が高いことを示唆している。なお、アイコン(保留アイコンHAまたは当該アイコンTA)が白色の丸形状の中に「虹」の文字画像が示された表示態様である場合には、特図抽選の結果がハズレと報知されることはなく、大当たりへの当選が確定されていることになる。
次に、図63に基づいて、遊技制御用マイコン101によって、先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000未満であると判定された場合において、実行される先読み演出であるアイコン予告変化演出について説明する。また、図63(A)では、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4と、当該アイコン表示領域50eとを表示しているが、図63(B)から図63(D)では一部の表示領域を省略している。
図63(A)に示すように、表示画面50aにて演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が確定的に停止表示されているとともに(「5・6・7」)、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も確定的に停止表示されている(「5・6・7」)。なお、図63(A)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と、第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示されている。これにより、特図2保留数が『2』であることが遊技者に報知される。また、図63(A)に示すように、表示画面50aにて確変用背景画像G105が表示されて、表示画面50aの縁部では紫縁画像EFaが表示されている。
その後、特図2保留記憶部105bに最も古く記憶されていた特図2関係乱数を第1領域側に一つシフトされるとともに、第1領域の特図2関係乱数を特図2保留記憶部105bからクリアされる。そして、特図2抽選が行われて、その特図2抽選の結果に基づく特図変動演出の実行が開始される。特図変動演出の実行が開始されると、表示画面50aにて演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されるとともに、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示も開始される。
その後、演出例から図63(B)に示す演出例へと進む前に、第2始動口12に遊技球が入球されて、表示画面50aの保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に保留アイコンHAが表示される。これにより、特図2保留数が『2』であることが遊技者に報知される。
図63(B)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示される。また、図63(B)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されていた保留アイコンHAが、第1表示領域50d1に移動して表示される。また、第2始動口12に新たな遊技球が入球されて、特図2保留記憶部105bに新たに記憶されたことで、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に新たな保留アイコンHAが表示されている。これにより、特図2保留数が『2』であることが遊技者に報知される。
その後、図63(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されている保留アイコンHAと、第1表示領域50d1に表示されている保留アイコンHAとに対して、先読み演出であるアイコン予告変化演出が実行される。アイコン予告変化演出が実行されると、図63(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2と第1表示領域50d1とに表示されている保留アイコンHAの表示態様が、白色の丸形状の中に「変化」の文字画像が示される表示態様に変化される。アイコン予告変化演出にて、保留アイコンHAの表示態様が白色の丸形状の中に「変化」の文字画像が示される表示態様に変化されることで、遊技者に先読み演出であるアイコン予告変化演出が実行されたことを把握させることが可能となる。
その後、図63(D)へと進む。図63(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されている保留アイコンHAの表示態様が白色の丸形状の中に「赤」の文字画像が示されている表示態様に変化される。また、図63(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されている保留アイコンHAの表示態様が、白色の丸形状の中に「虹」の文字画像が示されている表示態様に変化される。第1表示領域50d1に表示されている保留アイコンHAの表示態様が白色の丸形状の中に「赤」の文字画像であることで、大当たり期待度が30%であることを把握させて、ある程度大当たりとなることに期待させることが可能となっている。また、第2表示領域50d2に表示されている保留アイコンHAの表示態様が白色の丸形状の中に「虹」の文字画像であることで、大当たりへの当選が確定されていることを把握させることが可能となっている。
次に、図64に基づいて、遊技制御用マイコン101によって、先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となると判定された場合に、先読み判定の実行が禁止されて、先読み演出であるアイコン予告変化演出が実行されない場合について説明する。なお、図64(A)に示す保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されている保留アイコンHAに対する先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値を現在の差玉数に加算された値が80000以上になると判定されていることとする。また、図64(A)では、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4と、当該アイコン表示領域50eとを表示しているが、図64(B)から図64(D)では一部の表示領域を省略する。
図64(A)に示すように、表示画面50aにて演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が確定的に停止表示されているとともに(「5・6・7」)、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も確定的に停止表示されている(「5・6・7」)。なお、図64(A)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と、第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示されている。これにより、特図2保留数が『2』であることが遊技者に報知される。また、図63(A)に示すように、表示画面50aにて確変用背景画像G105が表示されて、表示画面50aの縁部では紫縁画像EFaが表示されている。
その後、特図2保留記憶部105bに最も古く記憶されていた特図2関係乱数を第1領域側に一つシフトされるとともに、第1領域の特図2関係乱数を特図2保留記憶部105bからクリアされる。そして、特図2抽選が行われて、その特図2抽選の結果に基づく特図変動演出の実行が開始される。特図変動演出の実行が開始されると、表示画面50aにて演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されるとともに、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示も開始される。
その後、図64(B)に示す演出例へと進む前に、第2始動口12に遊技球が入球されて、表示画面50aの保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に保留アイコンHAが表示される。これにより、特図2保留数が『2』であることが遊技者に報知される。
特図変動演出の実行が開始されると、図64(B)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示される。また、図64(B)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されていた保留アイコンHAが、第1表示領域50d1に移動して表示され、保留アイコン表示領域50dの第3表示領域50d3に表示されていた保留アイコンHAが、第2表示領域50d2に移動して表示される。これにより、特図2保留数が『2』であることが遊技者に報知される。なお、図64(B)に示す保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されている保留アイコンHAに対する先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値を現在の差玉数に加算された値が80000以上になると判定されているため、遊技制御用マイコン101によって、図64(B)に示す保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されている保留アイコンHAに対する先読み判定が禁止されていることとする。
その後、図64(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されている保留アイコンHAに対してのみ先読み演出であるアイコン予告変化演出が実行される。アイコン予告変化演出が実行されると、図64(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1とに表示されている保留アイコンHAの表示態様が、白色の丸形状の中に「変化」の文字画像が示される表示態様に変化される。なお、遊技制御用マイコン101によって、図64(C)に示す保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2表示されている保留アイコンHAに対する先読み判定が禁止されているため、アイコン予告変化演出が実行されることはない。
その後、図64(D)へと進む。図64(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されている保留アイコンHAの表示態様が白色の丸形状の中に「赤」の文字画像が示されている表示態様に変化される。一方、図64(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されている保留アイコンHAの表示態様は白色の丸形状のままである。
[センサ検出処理]図65に示すように、第5変形例のセンサ検出処理(S104)ではまず、ゲート13に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S3101)。ゲート13を遊技球が通過していれば(S3101でYES)、後述のゲート通過処理(S3102)を行う。一方、遊技球がゲート13を通過していなければ(S3101でNO)、ゲート通過処理(S3102)をパスしてステップS3103に進む。
ゲート通過処理(S3102)ではまず、普通図柄の変動待機中か否かを判定する。普通図柄の変動待機中とは、普通図柄の変動表示の実行中でも補助遊技の実行中でもない状態である。普通図柄の変動待機中でなければ、直ちに本処理を終えるが、普通図柄の変動待機中であれば、普通図柄乱数取得処理を行う。普通図柄乱数取得処理では、普通図柄乱数(図10(A)参照)を取得し、その取得乱数値を遊技用RAM104の普図保留記憶部106の所定の記憶領域に格納する。
ステップS3103では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S3103)。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合(S3103でNO)にはステップS3104に進むが、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S3103でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否か判定する(S3104)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合(S3104でYES)には、処理を終えるが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S3104でNO)、特図2保留球数に「1」を加算する(S3105)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S3106)を行う。特図2関係乱数取得処理(S3106)では、大当たり乱数、図柄種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数を取得し(つまり図10(B)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を特図2保留記憶部105b(図6)のうち現在の特図2保留球数に応じた特図2保留記憶部105bの記憶領域に格納する。
続いて、遊技制御用マイコン101は、先読み禁止フラグがONであるか否かを判定する(S3107)。ここで先読み禁止フラグがONである状態では、遊技制御用マイコン101によって、先読み判定処理(第1先読み判定処理(S3117)、第2先読み判定処理(S3108))が行われない。一方で、先読み禁止フラグがOFFである状態では、遊技制御用マイコン101によって、先読み判定処理(第1先読み判定処理(S3117)、第2先読み判定処理(S3108))が行われる。
遊技制御用マイコン101が、ステップS3107にて先読み禁止フラグがOFFであると判定した場合には(S3107でNO)、第2先読み判定処理(S3108)を行う。第2先読み判定処理(S3108)では、ステップS3106で格納した乱数値群に基づき、図15に示す先読み判定テーブルを用いて、第2先読み判定処理(S3108)の結果に応じて、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)を表す特図2保留数コマンドおよび第2先読み判定の結果を表す第2始動入賞コマンドを含む第2始動口センサ用コマンドを生成し、ステップS3110に進む。
また、遊技制御用マイコン101は、ステップS3107にて先読み禁止フラグがONであると判定した場合には(S3107でYES)、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)を表す特図2保留数コマンドを含む第2始動口センサ用コマンドを生成し(S3109)、ステップS3112に進む。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS3110にて現在の差玉数に、第2先読み判定処理(S3108)の結果が「大当たり」であって、大当たり図柄Zの種別に対応した大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(1500個)を加算した値が80000以上になるか否かを判定する(S3110)。遊技制御用マイコン101は、ステップS3110にて現在の差玉数に、第2先読み判定処理(S3108)の結果から「大当たり」であって、大当たり図柄Zの種別に対応した大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(1500個)を加算した値が80000以上になると判定した場合には(S3110でYES)、先読み禁止フラグをONにし(S3111)、ステップS3112に進む。また、遊技制御用マイコン101は、ステップS3110にて現在の差玉数に、第2先読み判定処理(S3108)の結果から「大当たり」であって、大当たり図柄Zの種別に対応した大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(1500個)を加算した値が80000未満であると判定した場合には(S3110でNO)、そのままステップS3112に進む。
続いて遊技制御用マイコン101は、ステップS3108、またはS3109にて生成した第2始動口センサ用コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし(S3112)、図66に示すステップS3113に進む。
続いてセンサ検出処理(S104)において、遊技制御用マイコン101は、図66に示すように、ステップS3113にて、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S3113)。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合(S3113でNO)には本処理を終了する。また、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S3113でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否か判定する(S3114)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S3114でYES)には、本処理を終えるが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S3114でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S3115)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S3116)を行う。特図1関係乱数取得処理(S3116)では、大当たり乱数、図柄種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数を取得し(つまり図10(B)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を特図1保留記憶部105a(図6)のうち現在の特図1保留球数に応じた特図1保留記憶部105aの記憶領域に格納する。
続いて、遊技制御用マイコン101は、先読み禁止フラグがONであるか否かを判定する(S3117)。ここで先読み禁止フラグがONである状態では、遊技制御用マイコン101によって、先読み判定処理(第1先読み判定処理(S3118)、第2先読み判定処理(S3108))が行われない。一方で、先読み禁止フラグがOFFである状態では、遊技制御用マイコン101によって、先読み判定処理(第1先読み判定処理(S3118)、第2先読み判定処理(S3108))が行われる。
遊技制御用マイコン101が、ステップS3117にて先読み禁止フラグがOFFであると判定した場合には(S3117でNO)、第1先読み判定処理(S3118)を行う。第1先読み判定処理(S3118)では、ステップS3116で格納した乱数値群に基づき、図15に示す先読み判定テーブルを用いて、第1先読み判定処理(S3118)の結果に応じて、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)を表す特図1保留数コマンドおよび第1先読み判定の結果を表す第1始動入賞コマンドを含む第1始動口センサ用コマンドを生成し、ステップS3120に進む。
また、遊技制御用マイコン101は、ステップS3117にて先読み禁止フラグがONであると判定した場合には(S3117でYES)、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)を表す特図1保留数コマンドを含む第1始動口センサ用コマンドを生成し(S3119)、ステップS3122に進む。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS3120にて現在の差玉数に、第1先読み判定処理(S3118)の結果が「大当たり」であって、大当たり図柄の種別(大当たり図柄Xまたは大当たり図柄Y)に対応した大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(750個、または600個)を加算した値が80000以上になるか否かを判定する(S3120)。遊技制御用マイコン101は、ステップS3120にて現在の差玉数に、第1先読み判定処理(S3118)の結果が「大当たり」であって、大当たり図柄の種別(大当たり図柄Xまたは大当たり図柄Y)に対応した大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(750個、または600個)を加算した値が80000以上になると判定した場合には(S3120でYES)、先読み禁止フラグをONにし(S3121)、ステップS3122に進む。また、遊技制御用マイコン101は、ステップS3120にて現在の差玉数に、第1先読み判定処理(S3118)の結果が「大当たり」であって、大当たり図柄の種別(大当たり図柄Xまたは大当たり図柄Y)に対応した大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(750個、または600個)を加算した値が80000未満であると判定した場合には(S3120でNO)、そのままS3122に進む。なお、ステップS3110と、ステップS3120と、遊技制御用マイコン101とが、「所定判定手段」に相当する。
続いて遊技制御用マイコン101は、ステップS3118、またはS3119にて生成した第1始動口センサ用コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし(S3122)、本処理を終了する。
<第5変形例の作用効果>
第5変形例のパチンコ遊技機PY1によれば、過賞球異常防止機能が作動されると、遊技が停止されることになるため、遊技者に過剰な賞球を付与させないことが可能である。また、第5変形例のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技制御用マイコン101によって、現在の差玉数に、先読み判定処理(S3108、S3118)の結果が「大当たり」であって、大当たり図柄の種別に対応した大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000未満であると判定された場合には、先読み演出が実行される。一方で、遊技制御用マイコン101によって、現在の差玉数に、先読み判定処理(S3108、S3118)の結果が「大当たり」であって、大当たり図柄の種別に対応した大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000以上であると判定された場合には、先読み演出が実行されない。これにより、差玉数が80000以上に到達されるか否かの判定結果に基づいて、遊技者に適切に先読み演出であるアイコン予告変化演出を提供することが可能となる。そのため、過賞球異常防止機能が作動される可能性がある場合には、先読み演出が実行されないため、仮に過賞球異常防止機能が作動されて、先読み演出の内容が反映されずに、遊技者にとって不都合が生じてしまうことを回避することが可能となる。
また、第5変形例のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技制御用マイコン101によって、現在の差玉数に、先読み判定処理(S3108、S3118)の結果が「大当たり」であって、大当たり図柄の種別に対応した大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000未満であると判定された場合には、先読み判定処理(第1先読み判定処理(S3118)、第2先読み判定処理(S3108))が行われる場合がある。一方で、第5変形例のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技制御用マイコン101によって、現在の差玉数に、先読み判定処理(S3108、S3118)の結果が「大当たり」であって、大当たり図柄の種別に対応した大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000以上であると判定された場合には、先読み判定処理(第1先読み判定処理(S3118)、第2先読み判定処理(S3108))が行われない。これにより、現在の差玉数に、先読み判定処理(S3108、S3118)の結果が「大当たり」であって、大当たり図柄の種別に対応した大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000以上であるか否かの判定の結果に応じて、先読み判定処理(第1先読み判定処理(S3118)、第2先読み判定処理(S3108))が行われるか否かが判断されることで、遊技者に適切に先読み演出であるアイコン予告変化演出を提供することが可能となる。
<第6変形例>
上記の第5変形例のパチンコ遊技機PY1では、遊技制御用マイコン101によって、現在の差玉数に、先読み判定処理(S3108、S3118)の結果が「大当たり」であって、大当たり図柄の種別に対応した大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000以上になるか否かを判定され(S3110、S3120)、肯定の判定がされた(S3110でYES、S3120でYES)ことに起因して、先読み禁止フラグがONとなり、第1先読み判定処理(S3118)と第2先読み判定処理(S3108)とが実行されないため、先読み演出が実行されない構成となっていた。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、第6変形例では、遊技制御用マイコン101によって、現在の差玉数に、大当たり図柄種別乱数の判定の結果(S1506)に対応する大当たり遊技での獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000以上になるか否かを判定され、肯定の判定がされたことに起因して、先読み禁止フラグがONとなり、第1先読み判定処理(S3118)と第2先読み判定処理(S3108)とが実行されず、先読み演出が実行されない構成であっても良い。
次に、図67に基づいて、遊技制御用マイコン101によって、現在の差玉数に、大当たり図柄種別乱数の判定の結果(S1506)に対応する大当たり遊技での獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000未満であると判定されている場合に、実行される先読み演出であるアイコン予告変化演出について説明する。また、図67(A)では、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4と、当該アイコン表示領域50eとを表示しているが、図67(B)から図67(E)では一部の表示領域を省略する。
図67(A)に示すように、表示画面50aにて演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が確定的に停止表示されているとともに(「5・6・7」)、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も確定的に停止表示されている(「5・6・7」)。なお、図67(A)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示されている。これにより、特図2保留数が『1』であることが遊技者に報知される。また、図67(A)に示すように、表示画面50aにて確変用背景画像G105が表示されて、表示画面50aの縁部では紫縁画像EFaが表示されている。
その後、特図2保留記憶部105bに最も古く記憶されていた特図2関係乱数を第1領域側に一つシフトされるとともに、第1領域の特図2関係乱数を特図2保留記憶部105bからクリアされる。そして、特図2抽選が行われて、その特図2抽選の結果に基づく特図変動演出の実行が開始される。特図変動演出の実行が開始されると、表示画面50aにて演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されるとともに、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示も開始される。
特図変動演出の実行が開始されると、図67(B)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示される。
その後、図67(B)に示す演出例から図67(C)に示す演出例へと進む前に、第2始動口12に遊技球が入球されて、表示画面50aの保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示される。これにより、特図2保留数が『1』であることが遊技者に報知される。
その後、図67(C)に示すように、第1表示領域50d1に表示されている保留アイコンHAとに対して、先読み演出であるアイコン予告変化演出が実行される。アイコン予告変化演出が実行されると、図67(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されている保留アイコンHAの表示態様が、白色の丸形状の中に「変化」の文字画像が示される表示態様に変化される。アイコン予告変化演出にて、保留アイコンHAの表示態様が白色の丸形状の中に「変化」の文字画像が示される表示態様に変化されることで、遊技者に先読み演出であるアイコン予告変化演出が実行されたことを把握させることが可能となる。
その後、図67(D)へと進む。図67(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されている保留アイコンHAの表示態様が白色の丸形状の中に「虹」の文字画像が示されている表示態様に変化される。また、第1表示領域50d1に表示されている保留アイコンHAの表示態様が白色の丸形状の中に「虹」の文字画像であることで、大当たりへの当選が確定されていることを把握させることが可能となっている。
特図変動演出の実行が終了すると、表示画面50aにて演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で確定的に停止表示されるとともに(「5・5・5」)、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示す態様で確定的に停止表示される(「5・5・5」)。
次に、図68に基づいて、遊技制御用マイコン101によって、遊技制御用マイコン101によって、現在の差玉数に、大当たり図柄種別乱数の判定の結果(S1506)に対応する大当たり遊技で獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000以上であると判定され、先読み演出が実行されない場合について説明する。また、図68(A)では、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4と、当該アイコン表示領域50eとを表示しているが、図68(B)から図68(E)では一部の表示領域を省略する。
図68(A)に示すように、表示画面50aにて演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が確定的に停止表示されているとともに(「5・6・7」)、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も確定的に停止表示されている(「5・6・7」)。なお、図68(A)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と、第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示されている。これにより、特図2保留数が『2』であることが遊技者に報知される。また、図68(A)に示すように、表示画面50aにて確変用背景画像G105が表示されて、表示画面50aの縁部では紫縁画像EFaが表示されている。
その後、特図2保留記憶部105bに最も古く記憶されていた特図2関係乱数を第1領域側に一つシフトされるとともに、第1領域の特図2関係乱数を特図2保留記憶部105bからクリアされる。そして、特図2抽選が行われて、その特図2抽選の結果に基づく特図変動演出の実行が開始される。なお、遊技制御用マイコン101によって、現在の差玉数に、大当たり図柄種別乱数の判定の結果(S1506)から、実行される大当たり遊技での獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000以上であると判定されて、先読み禁止フラグがONとなる。
特図変動演出の実行が開始されると、表示画面50aにて演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されるとともに、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示も開始される。
特図変動演出の実行が開始されると、図68(B)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示される。
その後、図68(B)に示す演出例から図68(C)に示す演出例へと進む前に、第2始動口12に遊技球が入球されて、表示画面50aの保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示される。これにより、特図2保留数が『1』であることが遊技者に報知される。
遊技制御用マイコン101によって、現在の差玉数に、大当たり図柄種別乱数の判定の結果(S1506)に対応する大当たり遊技で獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000以上であると判定されているため、第1先読み判定処理(S3118)と第2先読み判定処理(S3108)とが実行されず、先読み演出が実行されない。これにより、図68(C)に示すように、第1表示領域50d1に表示されている保留アイコンHAに対して、先読み演出であるアイコン予告変化演出が実行されることはない。これにより、図68(C)に示すように、表示画面50aの保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されている保留アイコンHAの表示態様は、デフォルト(基本)の表示態様(白色の丸形状)のままである。
その後、図68(D)へと進む。図68(D)に示すように、表示画面50aの保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されている保留アイコンHAの表示態様は、デフォルト(基本)の表示態様(白色の丸形状)のままである。
特図変動演出の実行が終了すると、表示画面50aにて演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で確定的に停止表示されるとともに(「5・5・5」)、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示す態様で確定的に停止表示される(「5・5・5」)。
次に、第6変形例の特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)について、図69を用いて説明する。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]第6変形例の特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図69に基づいてまとめて説明する。図69に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、特別図柄乱数(大当たり乱数)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、遊技用RAM104の特図2保留記憶部105bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている特別図柄乱数を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、遊技用RAM104の特図1保留記憶部105aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている特別図柄乱数を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図12(A))をセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図12(A))のうち通常確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「1000」~「1219」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図12(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「1000」~「2499」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、大当たり図柄種別乱数を読み出して、図12(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1506)。大当たり種別を判定した後(S1506)、大当たりフラグをONにするとともに(S1507)、現在の差玉数に、大当たり図柄種別乱数の判定の結果(S1506)から、実行される大当たり遊技での獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000以上になるか否かを判定する(S1509)。なお、ステップS1509と、遊技制御用マイコン101とが、「所定判定手段」に相当する。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1509にて現在の差玉数に、大当たり図柄種別乱数の判定の結果(S1506)に対応する大当たり遊技で獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000以上であると判定した場合には(S1509でYES)、先読み禁止フラグをONにし(S1510)、ステップS1508に進む。また、遊技制御用マイコン101は、ステップS1509にて現在の差玉数に、大当たり図柄種別乱数の判定の結果(S1506)から、実行される大当たり遊技での獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000未満であると判定した場合には(S1509でNO)、そのままステップS1508に進む。
ステップS1508にて、遊技制御用マイコン101は、大当たり種別に応じた特図停止図柄データを、遊技用RAM104に設けた大当たり種別バッファにセットして(S1508)処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1508)処理を終える。
<第6変形例の作用効果>
第6変形例のパチンコ遊技機PY1によれば、過賞球異常防止機能が作動されると、遊技が停止されることになるため、遊技者に過剰な賞球を付与させないことが可能である。また、遊技制御用マイコン101によって、現在の差玉数に、大当たり図柄種別乱数の判定の結果(S1506)に対応する大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000以上になるか否かを判定され(S1509)、肯定の判定がされた(S1509でYES)ことに起因して、先読み禁止フラグがONとなり、第1先読み判定処理(S3118)と第2先読み判定処理(S3108)とが実行されない。これにより、始動口用センサコマンド(第1始動口用センサコマンド、第2始動口用センサコマンド)を演出制御用マイコン121が受信したとしても、先読み演出が実行されない。これにより、過賞球異常防止機能が作動される可能性がある場合には、先読み演出が実行されないため、仮に過賞球異常防止機能が作動されて、先読み演出の内容が反映されずに、遊技者にとって不都合が生じてしまうことを回避することが可能となる。
<第7変形例>
上記の第5変形例と上記の第6変形例とのパチンコ遊技機PY1では、遊技制御用マイコン101によって、現在の差玉数に大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000以上になるか否かが判定された。しかしながら、これに限定される必要はない。第7変形例では、遊技制御用マイコン101によって、現在の差玉数に大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000以上になるか否かが判定されない。第7変形例では、始動入賞時処理(S4302)にて演出制御用マイコン121によって、現在の差玉数に、現在の差玉数に大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000以上になるか否かが判定される構成となっている。第7変形例の始動入賞時処理(S4302)について、図70を用いて説明する。
[始動入賞時処理]先ず、第7変形例の始動入賞時処理(S4302)ではまず、図70に示すように、演出制御用マイコン121は、始動口センサ用コマンド(第1始動口センサ用コマンド、第2始動口センサ用コマンド)を解析する(S4401)。
ステップS4401の後、演出制御用マイコン121は、ステップS4401で解析した結果に基づく実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を演出用差玉数記憶部124cに記憶されている現在の差玉数に加算した値が80000以上になるか否かを判定する(S4408)。なお、ステップS4408と、演出制御用マイコン121とが、「所定判定手段」に相当する。
ステップS4408にて、演出制御用マイコン121は、現在の差玉数と実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000未満であると判定した場合には(S4408でNO)、先読み演出を実行するか否かを判定する(S4409)。また、ステップS4408にて、演出制御用マイコン121は、現在の差玉数と実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000以上であると判定した場合には(S4408でYES)、そのまま本処理を終了する。
ステップS4409にて、演出制御用マイコン121は、先読み演出を実行するか否かを判定した(S4409でYES)、先読み開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4407)。また、ステップS4409にて、先読み演出を実行しないと判定した場合には(S4409でNO)、そのまま本処理を終了する。
<第7変形例の作用効果>
第7変形例のパチンコ遊技機PY1によれば、過賞球異常防止機能が作動されると、遊技が停止されることになるため、遊技者に過剰な賞球を付与させないことが可能である。また、始動入賞時処理(S4302)にて、演出制御用マイコン121は、演出用差玉数記憶部124cに記載されている現在の差玉数に、始動項センサ用コマンドの解析結果に基づく実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000以上になるか否かを判定した(S4409)。演出制御用マイコン121、ステップS4409での判定結果が80000以上である場合には先読み演出を実行せず、80000未満である場合には先読み演出を実行することになる。これにより、第7変形例では、遊技制御用マイコン101が現在の差玉数に実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000以上になるか否かの判定処理を行うことがない構成であるため、遊技制御用マイコン101の制御負担となることを回避して、演出制御用マイコン121によるステップS4409での判定の結果に応じて、先読み演出の実行可否を決めることが可能となる。そのため、過賞球異常防止機能が作動される可能性がある場合には、先読み演出が実行されないため、仮に過賞球異常防止機能が作動されて、先読み演出の内容が反映されずに、遊技者にとって不都合が生じてしまうことを回避することが可能となる。
上記第5変形例から上記第7変形例のパチンコ遊技機PY1では、現在の差玉数に実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数(750個、600個、または1500個のいずれか)を加算した値が80000以上になるか否かが判定される構成となっているため、先読み演出が実行されないことで、大当たり遊技での最大の獲得出玉が得られないことを遊技者に把握させてしまう可能性がある。そこで、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数が750個、600個、または1500個のうち、いずれであっても、現在の差玉数に最大獲得可能な賞球数(1500個)を加算した値が80000以上になるか否かが判定される構成としても良い。これにより、先読み演出が実行されないことで、大当たり遊技での最大の獲得出玉が得られないことを遊技者に把握させてしまうことを防止することが可能となる。
<第8変形例>
上記形態では、特図抽選で大当たりに当選すると大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行されるパチンコ遊技機(1種遊技機)として構成した。これに対して、第8変形例では、所謂1種2種混合機として構成されている。すなわち、特図抽選で小当りに当選すると、第2大入賞口15が最大で1.8秒開放する小当り遊技が実行される。この場合、小当たり遊技の実行により第2大入賞口15に入球した遊技球が、第2大入賞口15の特定領域16を通過すると、大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される。こうして、第8変形例では、特図抽選で大当たりに当選すると大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行されて、遊技球が第2大入賞口15内の特定領域16を通過すると大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される遊技機(1種2種混合機)として構成されている。
ここで、大当たり遊技は、条件装置の作動によって役物連続作動装置が作動することにより実行される。条件装置とは、役物連続作動装置の作動を行わせるために条件となる装置である。条件装置は、特別図柄で大当たり図柄が確定表示された場合、または役物連続作動装置が作動していない状態(第8変形例では、特別図柄で小当たり図柄が確定表示されて、実行された小当たり遊技)で、遊技球が大入賞口(第8変形例では、第2大入賞口15)内の特定領域(第8変形例では、特定領域16)を通過した場合に作動することになる。また、役物連続作動装置とは、大入賞口を連続して作動する大当たり遊技状態に移行させるための装置である。
上記形態では、特図抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口15が開放される小当たり遊技が実行されることはなかった。また、上記形態のパチンコ遊技機PY1では、第2大入賞口15に設けられた第2大入賞口センサ15aによって、遊技球が検出されると、遊技制御用マイコン101によって、第2大入賞口15への遊技球の入球数がカウントされ、総賞球数が加算されるとともに、第2大入賞口15に応じた賞球が付与された。しかしながら、1種2種混合機に過賞球異常防止機能を搭載した場合には、下記の問題点が生じる可能性がある。
仮に、小当たり遊技の途中、すなわち条件装置が未作動の状態で、差玉数が80000に達した場合に、小当たり遊技の実行が終了したタイミングで過賞球異常防止機能の作動は可能な構成とした場合、小当たり遊技の途中で差玉数が80000に達してから、第2大入賞口15に入球した遊技球が特定領域16を通過しても、小当たり遊技の実行が終了したタイミングで過賞球異常防止機能が作動されてしまい、特定領域16に遊技球が通過したが条件装置が作動されないため役物連続作動装置が作動されず、1回分の2種大当たり遊技を遊技者が得ることができない状態が生じるおそれがある。
そこで、第8変形例のパチンコ遊技機PY1では、第2大入賞口15に設けられた第2大入賞口センサ15aによって、第2大入賞口15への遊技球の入球数がカウントされるが、総賞球数と差玉数は加算されず、賞球払出装置73から第2大入賞口15に対応した賞球が払い出されない構成となっている。また、第2大入賞口15内の特定領域センサ16a、または非特定領域センサ17aのうち、いずれのセンサによって遊技球を検出された場合には、遊技制御用マイコン101によって総賞球数と差玉数は加算されるとともに、賞球払出装置73から第2大入賞口15に対応した賞球が払い出される構成となっている。
上記した構成からなる第8変形例のパチンコ遊技機PY1によれば、小当たり遊技の途中で差玉数が例えば、79985に達した状態で、第2大入賞口15に入球した遊技球が第2大入賞口センサ15aによって検出されても、総賞球数と差玉数は増加されず、賞球払出装置73から第2大入賞口15に対応した賞球(例えば、15個)が払い出されない。その後、第2大入賞口センサ15aによって検出された遊技球が特定領域センサ16aによって検出されて、総賞球が80000に達して、第2大入賞口15に対応した賞球(例えば、15個)が払い出されても、特定領域センサ16aによって検出されたことで条件装置が作動され、大当たり遊技状態に移行されるため、その大当たり遊技状態が終了するまで過賞球異常防止機能が作動されない。これにより、上記の問題点を解消することができる。
次に図71に基づいて、第8変形例の振分部材16kの一定動作と、第8変形例の小当たり遊技における第2大入賞口15(VAT開閉部材15k)の開放パターンとの関係について説明する。第8変形例では、小当たり遊技における第2大入賞口15の開放パターンとして、図71(b)に示す開放パターンがある。なお、図71(a)は、小当たり遊技の開始のタイミングをわかりやすくするために、特別図柄の変動表示および停止表示のタイミングを示したものである。
図71(b)に示す開放パターンは、特図2抽選にて小当たりに当選した場合に選択される開放パターンである。つまり、後述する「小当たり図柄a」(図72参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域16への通過が可能な通過用開放パターンである。
より詳細には、この通過用開放パターンは、8msにわたって第2大入賞口15を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口15を開放し、その後、6000msにわたって第2大入賞口15を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、8msにわたって第2大入賞口15が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口15が開放される小当たり開放遊技と、6000msにわたって第2大入賞口15が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
このような開放パターンで第2大入賞口15が開放された場合、1600msにわたる第2大入賞口15の開放期間中および第2大入賞口15の閉鎖後の3000msの期間中は、振分部材16kのV開放にあたり、振分部材16kが通過許容状態をとっている(図71(b)及び(c)参照)。従って、どのような入賞タイミングで第2大入賞口15へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域16を通過することが可能である。なお本形態では、右打ちにて遊技球を連続的に発射し続けていれば、1.6秒にわたる開放期間中に必ず第2大入賞口15へ遊技球が入賞するように、第2大入賞装置15D等の各装置が配されている。また、第2大入賞口15を通過した遊技球が振分部材16kの配置位置に至るまでの所要時間は3000msよりも短い。つまり本形態では、小当たりは実質的には大当たりとして機能する。なお本明細書では、特図2抽選に基づく小当たりを、特2V通過小当たりと称することがある。
また本形態では、小当たり遊技中は、第2大入賞装置15D内に入球した遊技球の数を第2大入賞口センサ15aによる検知に基づいてカウントしているとともに、第2大入賞装置15D外へ排出された遊技球の数を特定領域センサ16a又は非特定領域センサ17aによる検知に基づいてカウントしている。つまり本形態では、特定領域センサ16a及び非特定領域センサ17aは、第2大入賞装置15D外へ排出された遊技球の数をカウントする排出口センサとしても機能している。そして、振分部材16kの一定動作の終了時点で、両カウント値が一致していないときにはエラー報知を行うようにしている。なお第2大入賞口15の閉鎖後、両カウント値が一致したときに振分部材16kの作動を停止するようにしてもよい。このようにすれば、第2大入賞口15の閉鎖後に特別図柄の変動表示をスムーズに開始することが可能となる。
次に、第8変形例における大当たりの種類、小当たりの種類について、図72に基づいて詳細に説明する。第8変形例では、特図抽選(特図1抽選や特図2抽選)の結果には、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。大当たり図柄には、「大当たり図柄A」、「大当たり図柄B」がある。また、「小当たり」のときには、特図表示器81に「小当たり図柄」が停止表示される。小当たり図柄には、「小当たり図柄a」がある。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。
特図抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる「小当たり遊技」が実行される。そして、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口15内の特定領域16に遊技球が進入すると、当選している小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。特図抽選の結果が大当たり当選であることに基づいて実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技と称し、特定領域16への通過に基づいて実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技と称する。
また小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口15を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
特図抽選の結果、大当たりに当選すると(つまり1種大当たりに当選すると)、第1大入賞口14を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される。第8変形例では、第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり図柄(特図1表示器81aに停止表示される大当たり図柄)の種別には1種類あり、第2特別図柄(特図2)の抽選で当選可能な大当たり図柄(特図2表示器81bに停止表示される大当たり図柄)の種別には1種類ある。具体的には特図1抽選では、「大当たり図柄A」に当選する可能性があり、特図2抽選では、「大当たり図柄B」に当選する可能性がある。
図8に示すように、「大当たり図柄A」は、4R(ラウンド)大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口14の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。「大当たり図柄A」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、時短回数が1回の低確率高ベース遊技状態に設定される。
また、「大当たり図柄B」は、10R大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口14の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。「大当たり図柄B」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、時短回数が6回の低確率高ベース遊技状態に設定される。
また特図抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口15を1回開放させる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技によって開放された第2大入賞口15へ遊技球が入賞し、その遊技球が第2大入賞口15内の特定領域16を通過した場合には、大当たり当選となり、続けて第1大入賞口14を開放させる大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される。この大当たり遊技(特定領域16への通過を契機とする大当たり遊技)が実行された場合には、小当たり遊技としての第2大入賞口15の開放が1R目に相当することになる。なお、小当たり遊技において特定領域16への遊技球の通過がなければ、大当たり遊技は実行されない。本明細書では、大当たり遊技や小当たり遊技を特別遊技と称することもある。なお、特別遊技においては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよい。
本形態では図72に示すように、特図2抽選で当選可能な小当たり図柄(特図2表示器81bに停止表示される小当たり図柄)の種別は1種類である。具体的には特図2抽選では、「小当たり図柄a」に当選する可能性がある。また、特図2抽選で当選可能な小当たり図柄(特図2表示器81bに停止表示される小当たり図柄)の種別は2種類以上あっても良い。この場合、例えば、特図2抽選では、「小当たり図柄c」に当選する場合があっても良い。特図2抽選では、「小当たり図柄c」に当選した場合には、小当たり遊技にて第2大入賞口15に入球した遊技球が特定領域16に通過が非常に困難であるため、大当たり当選とならずに、続けて第1大入賞口14を開放させる大当たり遊技(2種大当たり遊技)の実行が非常に困難であっても良い。
「小当たり図柄a」は、正しく遊技する限り、特定領域16への通過(V通過ともいう)が必ず可能な小当たりである。つまり本形態では、特図2抽選に基づく小当たり当選は、実質的には大当たり当選と同じ意味をもつ。
各種別の小当たり図柄に基づく小当たり遊技では、第2大入賞口15の1.6秒開放が1回行われる。また、各小当たり遊技におけるオープニングの時間は、0.008秒である。また、特定領域16への遊技球の通過に基づいて実行される大当たり遊技(2種大当たり遊技)では、「小当たり図柄a」に基づく2種大当たり遊技でも、2R目から10R目まで1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口14を開放させる。つまり実質的に9Rの2種大当たり遊技が実行される。この2種大当たり遊技の実行後の遊技状態は、時短回数6回の低確率高ベース遊技状態に制御される。
なお、第8変形例では、第1始動口11への入賞に基づく特図1抽選と、第2始動口12への入賞に基づく特図2抽選とでは、大当たりの当選確率は同じであるが、小当たりの当選確率が異なっている。特図1抽選では小当たりの当選確率は零であり、特図2抽選では小当たりの当選確率は約1/7である。つまり、特図2抽選の方が、特図1抽選よりも小当たりに当選し易いと言える。なお、特図1抽選においても、小当たりに当選可能に構成してもよい。この場合、特図1抽選における小当たり当選確率は、特図2抽選における小当たり当選確率よりも低く設定することが望ましい。
次に、第8変形例のパチンコ遊技機PY1における遊技の進行の流れについて、図73に基づいて説明する。図73に示すように、まず、低確率低ベース遊技状態においては左打ちにて遊技を進行し、特図1抽選に基づく大当たり当選を狙う。
特図1抽選にて大当たりに当選した場合、大当たり図柄の種別が「大当たり図柄A」であれば、4Rの大当たり遊技の後、時短回数が1回の低確率高ベース遊技状態に移行する(図72参照)。
低確率高ベース遊技状態では右打ちにて遊技を進行し、特図2抽選に基づく大当たり当選(主には、小当たり当選からの特定領域16の通過に基づく大当たり)を狙う。時短回数が1回に設定された低確率高ベース遊技状態には、時短回数「1」と、特図2保留の上限記憶数「4」の合計数分(すなわち5回)、特図2抽選を受けることが可能となる。すなわち、低確率高ベース遊技状態になり、第2始動口12への入賞を発生させて1回目の特図2抽選および特図2の変動表示が開始された後、この特図2の変動表示中に特図2保留を4個貯めておくことで、低確率高ベース遊技状態が終了して低確率低ベース遊技状態に戻ってからも、特図2保留に基づく特図2抽選を最大で4回受けることができる。
特図2抽選において、小当たり当選を経て2種大当たりに当選した場合、小当たり図柄の種別が「小当たり図柄a」であれば、実質9Rの大当たり遊技の後、時短回数が6回の低確率高ベース遊技状態に移行する(図72参照)。特図2抽選において小当たりに当選した場合、100%の割合で小当たり図柄aとなる。また、特図2抽選において、直撃大当たりに当選した場合(「大当たり図柄B」に当選した場合)には、10Rの大当たり遊技の後、時短回数が6回の低確率高ベース遊技状態に移行する。
また、時短回数が6回に設定された場合には、時短回数「6」と、特図2保留の上限記憶数「4」の合計数分(すなわち10回)、特図2抽選を受けることが可能となる。第8変形例では、特図2抽選における小当たり当選確率は約1/7である。よって、時短回数が1回の低確率高ベース遊技状態に移行した場合よりも、時短回数が6回の低確率高ベース遊技状態に移行した場合の方が、次の大当たり遊技を実行させ易い(いわゆる連荘がし易い)と言える。なお上述したように、第8変形例のパチンコ遊技機PY1は、特図2抽選に基づいて小当たりに当選した場合には、正しく遊技している限り必ず大当たり遊技が実行されるよう構成されている。よって、特図2抽選における実質的な大当たり当選確率は、約1/7であると言える。
特図2抽選において小当たり又は直撃大当たりに当選し続ける限り、特図2抽選を主とした遊技者に有利な状態(大当たりに当選し易い状態)は継続する。低確率高ベース遊技状態が終了して低確率低ベース遊技状態に戻り、そのときに残っていた特図2保留(特図2の残保留)も全てハズレであった場合には、再び特図1抽選を主とした遊技に戻ることとなる。
次に、第8変形例の過賞球防止機能が作動するタイミングについて、図74に基づいて説明する。過賞球防止機能は、基本的には、差玉数が80000以上であることを条件(所定条件)に作動する。すなわち、第8変形例も、基本的には差玉数が80000に達したタイミングで、過賞球防止機能が作動することになる。
しかしながら、第8変形例では、差玉数が80000以上であっても、1種大当たり遊技の実行中である場合、すなわち役物連続作動装置を作動している場合には、1種大当たり遊技の実行が終了したことを条件(所定条件)に、過賞球防止機能が作動することになる。すなわち、1種大当たり遊技の実行中に差玉数が80000に達したタイミングで過賞球防止機能が作動せず、1種大当たり遊技の実行が終了したタイミングで過賞球防止機能が作動することになる。また、第8変形例では、差玉数が80000以上であっても、小当たり遊技の実行中である場合には、その小当たり遊技の実行が終了したことを条件(所定条件)に、過賞球防止機能が作動することになる。すなわち、小当たり遊技の実行中に差玉数が80000に達したタイミングで過賞球防止機能が作動せず、小当たり遊技の実行が終了したタイミングで過賞球防止機能が作動することになる。さらに、第8変形例では、差玉数が80000以上であっても、小当たり遊技の実行中である場合に、第2大入賞口15内の特定領域16に通過されると(特定領域センサ16aにより検出されると)、条件装置の作動により役物連続作動装置が作動されて、第1大入賞口14を連続して作動する2種大当たり遊技状態に移行されることになる。そのため、2種大当たり遊技の実行が終了したことを条件(所定条件)に、過賞球防止機能が作動することになる。すなわち、差玉数が80000に達している場合でも2種大当たり遊技の実行中に過賞球防止機能が作動せず、2種大当たり遊技の実行が終了したタイミングで過賞球防止機能が作動することになる。
例えば図74(A)に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が70000に達したこととする。勿論このときには、過賞球防止機能が作動しない。次に、図74(A)に示すように、低確高ベース状態の途中である場合に差玉数が80000に達したこととする。このとき、過賞球防止機能が作動する。こうして本形態では、低確高ベース状態の途中で、遊技が停止することになり、低確高ベース状態の途中で遊技を終了させることが可能である。
一方で、例えば図74(B)に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が70000に達したこととする。勿論このときには、過賞球防止機能が作動しない。次に、図74(B)に示すように、1種大当たり遊技状態の途中である場合に差玉数が80000に達したこととする。このとき、過賞球防止機能が作動しない。その後、図74(B)に示すように、1種大当たり遊技状態が終了したタイミングになると、過賞球防止機能が作動する。こうして本形態では、1種大当たり遊技状態の途中で、遊技が停止することがなく、遊技者にとって1種大当たり遊技状態が終了した区切りの良いタイミングで、遊技を終了させることが可能である。
また、例えば、図74(C)に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が70000に達したこととする。勿論このときには、過賞球異常防止機能が作動しない。次に、図74(C)に示すように、小当たり遊技の途中である場合に差玉数が80000に達したこととする。このとき、過賞球防止機能が作動しない。その後、図74(C)に示すように、小当たり遊技が終了したタイミングになると、過賞球防止機能が作動する。こうして本形態では、小当たり遊技の途中で、遊技が停止することがなく、遊技者にとって小当たり遊技が終了した区切りの良いタイミングで、遊技を終了させることが可能である。
さらに、例えば、図74(D)に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が70000に達したこととする。勿論このときには、過賞球防止機能が作動しない。次に、図74(D)に示すように、小当たり遊技の途中で特定領域センサ16aによって検出されたことで、差玉数が80000に達しても、特定領域センサ16aによって検出されたことで条件装置が作動され、2種大当たり遊技状態に移行されるため、過賞球防止機能が作動しない。その後、図74(D)に示すように、2種大当たり遊技状態が終了したタイミングになると、過賞球防止機能が作動する。こうして本形態では、小当たり遊技および2種大当たり遊技状態の途中で、遊技が停止することがなく、遊技者にとって2種大当たり遊技状態が終了した区切りの良いタイミングで、遊技を終了させることが可能である。
[入力処理]図75に示すように、第8変形例の入力処理(S102)ではまず、特別リセットスイッチ181がONか否か、即ち、特別リセットスイッチ181への押下操作に基づく信号を受信したか否かを判断する(S201)。ONでなければ(S201でNO)、ステップS204に進む。一方、ONであれば(S201でYES)、非消去クリア処理を実行する(S202)。非消去クリア処理(S202)では、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされる。
ステップS202に続いて、非消去クリアコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S203)、ステップS205に進む。こうして、非消去クリアコマンドが、演出制御基板120に送信されると、図30(A)に示すように、表示画面50aの下部にて、差玉数リセット報知画像CLSが表示される。
ステップS205にて、遊技制御用マイコン101は、特定領域センサ16a、または非特定領域センサ17aからの検知信号を受信したか否かを判定する。ステップS205にて、遊技制御用マイコン101は、特定領域センサ16a、または非特定領域センサ17aからの検知信号を受信したと判定した場合には(S205でYES)、第2大入賞口15への入賞に応じた所定の賞球数を払い出すための第2大入賞口賞球コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし(S206)、ステップS204に進む。この第2大入賞口賞球コマンドは、出力処理(S106)により払出制御基板170に送信される。払出制御基板170が第2大入賞口賞球コマンドを受信すると、賞球払出装置73によって、入賞口の種類に応じた所定の賞球数が払い出されることになる。また、ステップS205にて、遊技制御用マイコン101は、特定領域センサ16a、または非特定領域センサ17aからの検知信号を受信していないと判定した場合には(S205でNO)、そのままステップS204に進む。
ステップS204では、遊技制御用マイコン101は、その他の処理を実行して、本処理を終える。その他の処理(S204)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。また、その他の処理(S204)では、遊技制御用マイコン101は、入賞口センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、一般入賞口センサ10a)からの検知信号に応じて、入賞口の種類に応じた賞球数を払い出すための賞球コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。この賞球コマンドは後述する出力処理(S106)により払出制御基板170に送信され、賞球払出装置73によって、入賞口の種類に応じた所定の賞球数が払い出されることになる。
[差玉数計測処理]第8変形例の差玉数計測処理(S106)ではまず、遊技制御用マイコン101は、第1始動口センサ11aによる検知、第2始動口センサ12aによる検知、特定領域センサ16aによる検知、非特定領域センサ17aによる検知に基づいて、遊技者に払い出す総賞球数をカウントする総賞球数カウント処理を実行する(S301)。カウントされた総賞球数の情報は、総賞球数記憶部107a(図6参照)に記憶される。なお、カウントされた総賞球数の情報を含む総賞球数コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。次に、排出口センサによる検知に基づいて、総発射球数をカウントする総発射球数カウント処理を実行する(S302)。カウントされた総発射球数の情報は、総発射球数記憶部107b(図6参照)に記憶される。なお、カウントされた総発射球数の情報を含む総賞球数コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、総賞球数に対して総発射球数を減算して、差玉数を演算する差玉数演算処理を実行する(S303)。演算された差玉数の情報は、差玉数記憶部107c(図6参照)に記憶される。なお、カウントされた差玉数の情報を含む差玉数コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
<第8変形例の作用効果>
第8変形例のパチンコ遊技機PY1によれば、例えば、差玉数が79985である場合に、小当たり遊技にて第2大入賞口15に入球された遊技球は第2大入賞口センサ15aによって検出されても所定個数(例えば、15個)の賞球は付与されないため、差玉数が80000に到達されない。そして、差玉数が79985である場合に、小当たり遊技にて特定領域センサ16aによって、遊技球が検出されて所定個数(例えば、15個)の賞球は付与されて、差玉数が80000に到達されても、2種大当たり遊技の実行が終了するまでは、過賞球異常防止機能が作動されない。これにより、例えば、差玉数が79985という、過賞球異常防止機能が作動される可能性がある場合で、特定領域16に遊技球が通過されても、2種大当たり遊技が実行されないといったことを回避することが可能となる。
また、第8変形例のパチンコ遊技機PY1によれば、例えば、差玉数が79985という、過賞球異常防止機能が作動される可能性がある場合に、小当たり遊技にて非特定領域センサ17aによって遊技球が検出されて、差玉数が80000に到達されても、小当たり遊技の実行が終了するまでは、過賞球異常防止機能が作動されない。これにより、例えば、差玉数が79985という、過賞球異常防止機能が作動される可能性がある場合であっても、小当たり遊技が途中で終了してしまうといったことを回避することが可能となる。
また、第8変形例のパチンコ遊技機PY1によれば、小当たり遊技の実行中に非特定領域センサ17aによって検知されて、差玉数が80000に達した場合には、小当たり遊技の実行が終了するまでは、過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が不能には制御されない。また、小当たり遊技の実行中に特定領域センサ16aによって検知されて、差玉数が80000に達した場合には、2種大当たり遊技が実行されるため、その2種大当たり遊技の実行が終了するまでは、過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が不能には制御されない。これにより、小当たり遊技の実行中に差玉数が80000以上である場合でも、過賞球異常防止機能が作動されて遊技が不能に制御されずに、2種大当たり遊技を遊技者に提供することが可能となる。
<第9変形例>
上記形態では、第1特別図柄、または第2特別図柄のうち、一方の特図の変動表示中には他方の特図の変動表示を実行できないようにして、一方の特図の変動表示を他方の特図の変動表示に優先して実行する構成となっていた。第9変形例では、第1特別図柄の変動表示中であっても第2特別図柄の変動表示を実行でき、且つ、第2特別図柄の変動表示中であっても第1特別図柄の変動表示を実行できるように構成する。つまり、第9変形例のパチンコ遊技機PY1は、所謂同時変動を行うパチンコ遊技機として構成されている。また、第9変形例のパチンコ遊技機PY1は、高確非時短状態(特定遊技状態)にて小当たり当選に基づく第2大入賞口15の開放により、第2大入賞口15へ入賞し易い有利な遊技状態となるため、以下では「小当たりラッシュ状態」とも称する。
図76を用いて、第9変形例の遊技盤ユニットYUについて説明する。図76に示すように、第9変更例の遊技領域6における画像表示装置50の下方で、左右方向の中央には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。
また、第9変更例の遊技領域6における第1始動口11の右上方には、第2大入賞口15を備えた第2大入賞装置15Dが設けられている。この第2大入賞口15は、小当たり遊技の実行中に開放して、大当たり遊技の実行中に開放することはない。つまり、小当たり遊技における専用のアタッカーになっている。
また、第9変更例の遊技領域6における第2大入賞装置15Dの右上方には、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口12を備える電チュー12Dが設けられている。
また、第9変更例の遊技領域6における電チュー12Dの左上方には、第1大入賞口14を備えた第1大入賞装置14Dが設けられている。この第1大入賞口14は、大当たり遊技の実行中に開放して、小当たり遊技の実行中に開放することはない。つまり、大当たり遊技における専用のアタッカーになっている。
また、第9変更例の遊技領域6における第1大入賞装置14Dの右上方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。特に本形態では、電チュー12Dの左下方に、一般入賞口10が配されている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10と、アウト口19が配されている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲート13は配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、第1大入賞口14(第1大入賞装置14D)と、第2始動口12(電チュー12D)と、一般入賞口10と、第2大入賞口15(第2大入賞装置15D)と、アウト口19とが配されている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打込むことで、ゲート13への通過や、第1大入賞口14、第2始動口12、一般入賞口10、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
ここで、図77に基づいて、第9変更例の電チュー開閉部材12kが開状態であるときの遊技球の流れと、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときの遊技球の流れについて説明する。なお本形態では、右打ちによって右遊技領域6Rに向けて打込まれた遊技球は、図76に示すように、ほぼゲート13を通過して、電チュー開閉部材12kの上方に到達するようになっている。
図77(A)に示すように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが後方に退避しているため、第2始動口12にそのまま入球する。つまり、電チュー12Dよりも左方に配されている一般入賞口10や第2大入賞口15の方に向かうことがない。よって、低確時短状態では、右打ちされた遊技球は、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放しているとことで、ほとんど第2始動口12に入球して、一般入賞口10に入球することがほとんどない。更に、後述する小当たり遊技の実行によって、仮に第2大入賞口15が開放されていても、第2大入賞口15に入球することがほとんどない。
ここで低確時短状態の場合、右打ちされた遊技球は、図77(A)に示すように、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放しているとことで、ほとんど第2始動口12に入球してしまい、小当たり遊技によって開放している第2大入賞口15に入賞することがほとんどない。つまり、特図2抽選が頻繁に実行されて、小当たり遊技によって第2大入賞口15が比較的頻繁に開放しても、第2大入賞口15への入賞をほぼ得ることができない。
一方、図77(B)に示すように、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが前方に進出しているため、電チュー開閉部材12kに当接した後に左方へ流下する。これにより、左方に流下した遊技球は、一般入賞口10の方に向かうと共に、第2大入賞口15の方に向かう。よって、後述する高確非時短状態では、右打ちされた遊技球は、電チュー開閉部材12kが閉鎖しているときに、一般入賞口10に入球することが可能である。更に、後述する小当たり遊技の実行によって、開放した第2大入賞口15に入球することが可能である。
これに対して、高確非時短状態の場合、右打ちされた遊技球は、上述したように、ある程度電チュー12Dに入球し得る。そのため、特図2抽選が実行されて、小当たり遊技の実行によって第2大入賞口15が開放し得る。この場合、右打ちされた遊技球のうち、電チュー12Dに入球しなかった遊技球は、図77(B)に示すように、小当たり遊技の実行によって開放した第2大入賞口15に入賞させることができる。こうして高確非時短状態では、電チュー12Dにある程度頻繁に入球させることができると共に、第2大入賞口15にもある程度入賞させることできる。更に本形態では、電チュー12Dに入球しなかった遊技球は、図77(B)に示すように、一般入賞口10にもある程度入球し得るように設定されている。
よって、高確非時短状態は、低確時短状態よりも、多くの賞球を獲得することができる有利な遊技状態である。つまり、低確時短状態では、ベース(発射球数に対する賞球数の割合)が「1」を超えないように設定されているのに対して、高確非時短状態では、ベースが「1」を超えるように設定されている。
図76に示す遊技盤ユニットYUの説明に戻る。図76に示すように、第9変更例の遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。
第9変更例の特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特図抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり図柄(特定の停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり図柄(特定の停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄に応じた開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる小当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。
第9変更例のパチンコ遊技機PY1では、第1特別図柄の変動表示中であっても第2特別図柄の変動表示を実行可能であり、第2特別図柄の変動表示中であっても第1特別図柄の変動表示を実行可能なパチンコ遊技機PY1(所謂「同時変動可能なパチンコ遊技機」)である。
次に、図78を用いて、第9変更例の大当たり遊技制御テーブルと小当り遊技制御テーブルについて説明する。図78に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり(特図1表示器81aに停止表示される大当たり図柄)の種別には、2種類ある。具体的に、特図1抽選で大当たりとなる場合には大当たり図柄として「大当たり図柄C」又は「大当たり図柄D」の何れかを決定可能である。より詳細には、第9変更例の遊技制御用マイコン101は、「大当たり図柄C」を35%の割合で決定し、「大当たり図柄D」を65%の割合で決定する。
図78に示すように、第2特別図柄(特図2)の抽選で当選可能な大当たり(特図2表示器81bに停止表示される大当たり図柄)の種別には、2種類ある。第9変更例の遊技制御用マイコン101は、特図2判定処理(第2始動口12への入賞に基づく特図判定処理)における大当たり図柄種別判定では、「大当たり図柄E」、又は「大当たり図柄F」の何れかを決定可能である。より詳細には、第9変更例の遊技制御用マイコン101は、「大当たり図柄E」を35%の割合で決定し、「大当たり図柄F」を65%の割合で決定する。
そして、大当たり(大当たり図柄)の種別に応じて、大当たり遊技後の遊技状態が時短状態又は非時短状態に制御される。よって、大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態に制御される場合であっても時短状態に制御されることがあり、高確率状態に制御される場合であっても非時短状態に制御されることがある。なお、時短状態に制御されたときに時短回数が100回に設定されることがある。
ところで第9変形例では、非時短状態であっても、右打ちされた遊技球は、ある程度電チュー12Dに入球し得るように設定されている。即ち、第9変形例では非時短状態であっても、時短状態と同様に、普通図柄の抽選でほぼ当たりと判定され得る。こうして、非入球容易状態を伴う非時短状態であっても、右打ちされた遊技球が、電チュー12Dにある程度入球可能に設定されている。この理由については、後述する。
図78に示すように、特図1抽選で大当たりに当選し、第1特別図柄で「大当たり図柄C」が停止表示する場合には、大当たり遊技後の遊技状態は、低確時短状態に制御される。この場合の時短状態では、時短回数が100に設定される。
また図78に示すように、特図1抽選で大当たりに当選し、第1特別図柄で「大当たり図柄D」が停止表示する場合には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確非時短状態に制御される。この場合の時短状態では、確変回数が10000回に設定される。この場合には、高確率状態は、実質的に次の大当たりへの当選(大当たり遊技の開始)まで継続するようになっていて、確変回数が10000回に設定される。
第9変更例のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技後に高確率状態に制御されると、その高確率状態は、所定回数(第9変形例では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確率状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。なお、高確率状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
また図78に示すように、特図2抽選で大当たりに当選し、第2特別図柄で「大当たり図柄E」が停止表示する場合には、大当たり遊技後の遊技状態は、低確時短状態に制御される。この場合の時短状態では、時短回数が100回に設定される。
また図78に示すように、特図2抽選で大当たりに当選し、第2特別図柄で「大当たり図柄F」が停止表示する場合には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確非時短状態に制御される。この場合の時短状態では、確変回数が10000回に設定される。この場合には、高確率状態は、実質的に次の大当たりへの当選(大当たり遊技の開始)まで継続するようになっていて、確変回数が10000回に設定される。なお、第1特別図柄で「大当たり図柄D」が停止表示して、大当たり遊技が終了すること、第2特別図柄で「大当たり図柄F」が停止表示して、大当たり遊技が終了することが、「特定条件」に相当する。
図78に示すように、特図1抽選で当選する大当たりでは、「大当たり図柄C」、又は「大当たり図柄D」の何れであっても、ラウンド遊技が4回行われる。そして、1Rから4Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14を開放する。
また図78に示すように、特図2抽選で当選する大当たりでは、「大当たり図柄E」、又は「大当たり図柄F」の何れであっても、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14を開放する。なお大当たり遊技の1ラウンド中、又は小当たり遊技中に、複数回大入賞口を開放させることがあってもよい。
また第9変更例では、上述したように、特図2抽選に限って、小当たりに当選し得る。小当たりに当選した場合の開放パターンは、図78に示す通りである。即ち、先ず0.004秒だけオープニングが実行される。次に、第2大入賞口15が1.6秒だけ1回開放する。最後に、0.3秒だけエンディングが実行される。特図2抽選で小当たりに当選した場合には、特図2表示器81bに小当たり図柄bが停止表示される。
第9変形例のパチンコ遊技機PY1では、遊技制御用マイコン101によって、特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とが同時に行うことが可能となっている。また、第9変形例のパチンコ遊技機PY1では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能になっている。次に図79を用いて、特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とが同時に行う点と、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能になっている点とについて説明する。
先ず、図79(A)に示すように、例えば、特図1大当たり判定処理(S1408)での判定結果がハズレである場合に、第1特別図柄の変動表示が開始される。第1特別図柄の変動表示中に、特図2大当たり判定処理(S1402)での判定結果が小当たりである場合に、第2特別図柄の変動表示が開始される場合がある。第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示中に、第2特別図柄の変動表示が先に終了した場合には、第2特別図柄で小当たり図柄が停止表示されると、第1特別図柄の変動表示を強制的にハズレ図柄で停止表示させる。第2特別図柄の変動表示を小当たり図柄で停止表示させた場合には、特図2抽選に基づく小当たり遊技が実行される。
また、図79(B)に示すように、例えば、特図2大当たり判定処理(S1402)での判定結果が大当たり、または小当たりである場合に、第2特別図柄の変動表示が開始される。第2特別図柄の変動表示中に、特図1大当たり判定処理(S1408)が行われると、特図1大当たり判定処理(S1408)では大当たりと判定されることはなく、ハズレと判定される。これにより、特図1大当たり判定処理(S1408)での判定結果がハズレである場合に、第1特別図柄の変動表示が開始される。第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示中に、第2特別図柄の変動表示が先に終了した場合には、第2特別図柄で大当たり図柄、または小当たり図柄が停止表示されると、第1特別図柄の変動表示を強制的にハズレ図柄で停止表示させる。第2特別図柄で大当たり図柄が停止表示させた場合には、特図2抽選に基づく大当たり遊技が実行され、または第2特別図柄で小当たり図柄が停止表示させた場合には、特図2抽選に基づく小当たり遊技が実行される。
また、図79(C)に示すように、例えば、特図1大当たり判定処理(S1408)での判定結果が大当たりである場合に、第1特別図柄の変動表示が開始される。第1特別図柄の変動表示中に、特図2大当たり判定処理(S1402)が行われると、特図2大当たり判定処理(S1402)では大当たり、または小当たりと判定されることはなく、ハズレと判定される。これにより、特図2大当たり判定処理(S1402)での判定結果がハズレである場合に、第2特別図柄の変動表示が開始される。第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示中に、第1特別図柄の変動表示が先に終了した場合には、第1特別図柄で大当たり図柄が停止表示されると、第2特別図柄の変動表示を強制的にハズレ図柄で停止表示させる。第1特別図柄で大当たり図柄が停止表示させた場合には、特図1抽選に基づく大当たり遊技が実行される。
次に、第9変更例のパチンコ遊技機PY1の遊技の流れについて、図80に基づいて説明する。図80に示すように第9変更例では、低確非時短状態(通常遊技状態)と、低確時短状態と、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)との間を移行しながら遊技を行うことになる。そして、低確非時短状態⇒低確時短状態⇒高確非時短状態の順に、遊技者にとって有利になる(特典が多く付与され易い)ように設定している。なお図80では、高確非時短状態に移行する場合を白抜きの矢印で示していて、低確時短状態に移行する場合をドット付きの矢印で示していて、低確非時短状態に移行する場合を黒の矢印で示している。
低確非時短状態では、第1始動口11や一般入賞口10へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。そして、特図1抽選で大当たりを狙うことになる。図80に示すように、低確非時短状態にて特図1抽選で大当たりに当選すると、35%の確率で大当たり図柄Cになる。この場合、大当たり遊技後の低確時短状態では、時短回数が100回に設定される。
また、低確非時短状態にて特図1抽選で大当たりに当選した場合、65%の確率で大当たり図柄Dになる。この場合、大当たり遊技後の高確非時短状態では、確変回数が10000回に設定されるが、時短回数は設定されていない。
ここで低確時短状態では、右打ちにより電チュー12Dへの入球を狙うことになる。そして、特図2抽選で大当たりを狙うことになる。高ベース状態によって、電チュー12Dが頻繁に開放されているからである。但し、右打ちされた遊技球は、図77(A)に示すように、ほぼ電チュー12Dに入球するため、一般入賞口10や第2大入賞口15に入賞することはほぼない。従って、持ち球が大きく減ることはないものの、持ち球を増やす(ベースが1を超える)ことは不可能である。
図80に示すように、低確時短状態にて特図2抽選で大当たりに当選すると、35%の確率で大当たり図柄Eになる。この場合、大当たり遊技後の低確時短状態では、時短回数が100回に設定される。低確時短状態にて特別図柄の変動表示が100回終了すると、低確非時短状態に移行する。低確時短状態にて特図2抽選で大当たりに当選した場合、65%の確率で大当たり図柄Fになる。この場合、大当たり遊技後の高確非時短状態では、確変回数が10000回に設定されるが、時短回数は設定されていない。
これに対して、高確非時短状態でも、右打ちにより電チュー12Dへの入球を狙うことになる。但し本形態では、非時短状態(低ベース状態)でも、電チュー12Dにある程度入球して、電チュー12Dに入球しなかった遊技球は、図77(B)に示すように、一般入賞口10や第2大入賞口15に入賞することができる。従って、高確非時短状態が続く限り(次回の大当たりを引き当てない限り)、遊技者は、一般入賞口10や第2大入賞口15への入賞によって、持ち球を徐々に増やす(ベースが1を超える)ことが可能である。
図80に示すように、高確非時短状態にて特図2抽選で大当たりに当選すると、35%の確率で大当たり図柄Eになる。この場合、大当たり遊技後の低確時短状態では、時短回数が100回に設定される。低確時短状態にて特別図柄の変動表示が100回終了すると、低確非時短状態に移行する。高確非時短状態にて特図2抽選で大当たりに当選した場合、65%の確率で大当たり図柄Fになる。この場合、大当たり遊技後の高確非時短状態では、確変回数が10000回に設定されるが、時短回数は設定されていない。
低確時短状態では、右打ちにより第2流路R2(図76参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお第9変形例のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、通常遊技状態では、左打ちにより第1流路R1(図76参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。第9変形例では、通常遊技状態で第2特別図柄の変動表示が実行されると、600000ms(図示省略)という極めて長い間、変動表示が継続されてしまい、特図2抽選結果をしばらく得ることができないためである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、スムーズに遊技を進めることができる。
第9変形例では、特図2抽選において、約5分の1の確率で小当たりに当選するように設定されているため、通常遊技状態を除いて、小当たりに比較的に頻繁に当選することが可能である。そのため、特図2抽選が続く限り、小当たり遊技が比較的頻繁に実行されて、第2大入賞口15が比較的頻繁に開放し得るようになっている。
ここで第9変形例では、高確非時短状態で、右打ちされた遊技球がある程度電チュー12Dに入球し得るように設定したため、通常遊技状態(低確非時短状態)でも、右打ちされた遊技球が電チュー12Dに入球できることになる。従って、通常遊技状態において右打ちされないように対策を施す必要がある。
そこで第9変形例のパチンコ遊技機PY1では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能になっていて、低確非時短状態における第2特別図柄の変動時間を、例えば、「600000ms(10分)」という極めて長い時間に設定している。即ち、低確非時短状態において、第2特別図柄の変動時間が極めて長くなるように、低確非時短状態での専用の特図変動パターンテーブルを備えている。従って、通常遊技状態(低確非時短状態)で遊技者が右打ちを行って、電チュー12Dに入球すると、第1特別図柄の変動表示中であっても、第2特別図柄が10分間、変動表示を続けることになる。よって遊技者は、特図2抽選結果を10分という極めて長い間得ることができない。以上により、通常遊技状態で遊技者が右打ちをしても、遊技者に不当な利益を与えないように右打ち対策を施している。
次に、第9変形例の過賞球防止機能が作動するタイミングについて、図81に基づいて説明する。過賞球防止機能は、基本的には、差玉数が80000以上であることを条件(所定条件)に作動する。すなわち、第9変形例も、基本的には差玉数が80000に達したタイミングで、過賞球防止機能が作動することになる。
しかしながら、第9変形例では、差玉数が80000以上であっても、大当たり遊技の実行中である場合、すなわち役物連続作動装置を作動している場合には、大当たり遊技の実行が終了したことを条件(所定条件)に、過賞球防止機能が作動することになる。すなわち、大当たり遊技の実行中に差玉数が80000に達したタイミングで過賞球防止機能が作動せず、大当たり遊技の実行が終了したタイミングで過賞球防止機能が作動することになる。また、第9変形例では、差玉数が80000以上であっても、小当たり遊技の実行中である場合には、その小当たり遊技の実行が終了したことを条件(所定条件)に、過賞球防止機能が作動することになる。すなわち、小当たり遊技の実行中に差玉数が80000に達したタイミングで過賞球防止機能が作動せず、小当たり遊技の実行が終了したタイミングで過賞球防止機能が作動することになる。
例えば図81(A)に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が70000に達したこととする。勿論このときには、過賞球防止機能が作動しない。次に、図81(A)に示すように、高確非時短状態の途中である場合に差玉数が80000に達したこととする。このとき、過賞球防止機能が作動する。こうして本形態では、高確非時短状態の途中で、遊技が停止することになり、高確非時短状態の途中で遊技を終了させることが可能である。
一方で、例えば図81(B)に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が70000に達したこととする。勿論このときには、過賞球防止機能が作動しない。次に、図81(B)に示すように、大当たり遊技状態の途中である場合に差玉数が80000に達したこととする。このとき、過賞球防止機能が作動しない。その後、図81(B)に示すように、大当たり遊技状態が終了したタイミングになると、過賞球防止機能が作動する。こうして本形態では、大当たり遊技状態の途中で、遊技が停止することがなく、遊技者にとって大当たり遊技状態が終了した区切りの良いタイミングで、遊技を終了させることが可能である。
また、例えば、図81(C)に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が70000に達したこととする。勿論このときには、過賞球異常防止機能が作動しない。次に、図81(C)に示すように、小当たり遊技の途中である場合に差玉数が80000に達したこととする。このとき、過賞球防止機能が作動しない。その後、図81(C)に示すように、小当たり遊技が終了したタイミングになると、過賞球防止機能が作動する。こうして本形態では、小当たり遊技の途中で、遊技が停止することがなく、遊技者にとって小当たり遊技が終了した区切りの良いタイミングで、遊技を終了させることが可能である。
次に第9変形例の演出例について、図82に基づいて説明する。この演出例では、図82(A)に示すように、確変演出モードに設定されていて、表示画面50aに確変用背景画像G105が表示されている。また、表示画面50aの左下方には、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)中に第2大入賞口15への遊技球の入賞によって獲得した賞球数を示す賞球数告知画像G201が表示される。なお、表示画面50aに賞球数告知画像G201が表示される演出が、賞球数告知演出(賞球数演出)である。図82(B)に示す賞球数告知画像G201には、「0000pt」と示されていることから、小当たりラッシュ状態中に獲得した賞球数は0個であることを遊技者に把握させることが可能となっている。ここで、特図2抽選で小当たりに当選したこととする。この場合には、図82(B)に示すように、小当たりに当選したことを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3(「2・4・6」)が停止表示される。
その後、小当たり遊技が開始されて、第2大入賞口15に遊技球を3個入球させることができれば、図82(C)に示すように、表示画面50aの下方に表示された賞球数告知画像G201には、「0045pt」と示される。表示画面50aに賞球数告知画像G201にて「0045pt」が示されることで、遊技者に小当たりラッシュ状態中に獲得した賞球数が45個であることを遊技者に把握させることが可能となっている。
小当たり遊技の実行が終了すると、続いて特図2抽選が行われて、その抽選結果に基づく特図変動演出の実行が開始され、図82(D)に示すように、表示画面50aでの演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されるとともに、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示も開始される。
第9変形例のパチンコ遊技機PY1では、差玉数が規定数(例えば、70000)に達して、且つ高確非時短状態である場合には、表示画面50aにて過賞球異常示唆演出(制御示唆演出)が実行される。ここで、過賞球異常示唆演出は、差玉数が80000以上に達して過賞球異常防止機能が作動される可能性があることを遊技者に示唆する演出として機能する。なお、過賞球異常示唆演出では、表示画面50aに賽銭箱を模した差玉数示唆画像SBが表示される。ここで差玉数示唆画像SBには、差玉数が70000~72000であることを示す第1差玉数示唆画像SB1と、差玉数が72001(所定数)~74000であることを示す第2差玉数示唆画像SB2と、差玉数が74001~76000であることを示す第3差玉数示唆画像SB3と、差玉数が76001~78000であることを示す第4差玉数示唆画像SB4と、差玉数が78001~80000であることを示す第5差玉数示唆画像SB5とがある。なお、第1差玉数示唆画像SB1⇒第2差玉数示唆画像SB2⇒第3差玉数示唆画像SB3⇒第4差玉数示唆画像SB4⇒第5差玉数示唆画像SB5の順に賽銭箱が膨らんでいくことで、段階的に過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が実行不能に制御される可能性が高まっていることを示唆していることになる。また、第9変形例では、第1差玉数示唆画像SB1⇒第2差玉数示唆画像SB2⇒第3差玉数示唆画像SB3⇒第4差玉数示唆画像SB4⇒第5差玉数示唆画像SB5の順に賽銭箱が萎んでいっても良い。これにより、差玉数が80000に段階的に使づいていることを遊技者に把握させ易くすることが可能となる。なお、第1差玉数示唆画像SB1が表示される過賞球異常示唆演出の演出態様が、「第1演出態様」に相当し、第2差玉数示唆画像SB2が表示される過賞球異常示唆演出の演出態様が、「第2演出態様」に相当する。
また、第9変形例のパチンコ遊技機PY1にて過賞球異常防止機能が作動される場合には、表示画面50aでの過賞球異常示唆演出の実行が終了して、表示画面50aにて過賞球異常防止機能が作動されることを示す作動告知演出(制御報知演出)が実行される。作動告知演出では、表示画面50aに膨らみすぎたことで破壊された賽銭箱を模した作動告知画像HBが表示される。なお、作動告知演出では、表示画面50aに膨らみすぎたことで破壊された賽銭箱を模した作動告知画像HBが表示されるが、これに限定される必要はない。例えば、表示画面50aに押し潰されたように平らとなった賽銭箱を模した作動告知画像HBが表示される
図83を用いて、過賞球異常示唆演出について説明する。差玉数が70000に達して、且つ高確非時短状態である場合に、特図変動演出が実行されている場合には、図83(A)に示す演出例が行われる。なお、図83に示す演出例では、特図2抽選結果が小当たりであることに基づく特図変動演出が実行されるものとする。
図83(A)に示すように、特図変動演出の実行中であることから、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が行われているとともに、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示も行われている。
差玉数が70000に達して、且つ高確非時短状態である場合には、図83(A)に示すように、過賞球異常示唆演出が実行され、表示画面50aの右下方に第1差玉数示唆画像SB1が表示される。表示画面50aの右下方に第1差玉数示唆画像SB1が表示されていることで、80000までの差玉数が残り10000~8001であることを把握させることが可能となっている。また、表示画面50aの左下方には、「1940pt」と示す賞球数告知画像G201が表示されている。表示画面50aに「1940pt」と示す賞球数告知画像G201が表示されることで、小当たりラッシュ状態中に獲得した賞球数が1940個であることを把握させることが可能となっている。
その後、特図変動演出の実行が終了して、小当たりに当選したことを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3(「2・4・6」)が確定的に停止表示されるとともに、小図柄KZ1,KZ2,KZ3(「2・4・6」)が確定的に停止表示される。
第9変形例では、過賞球異常示唆演出の実行中に、小当たり遊技にて第2大入賞口15に遊技球が入球されると、入球賞球獲得演出(加算報知演出)が実行される。ここで入球賞球獲得演出とは、表示画面50aに賞球加算画像NS(「+15」)が表示されるとともに、その賞球加算画像NSが差玉数示唆画像SBに吸収されているかのように見せる演出となっている。入球賞球獲得演出が実行されることで、差玉数が70000以上であって、小当たり遊技にて第2大入賞口15に遊技球が入球されて、差玉数が加算されたことを遊技者に把握させることが可能となっている。
小当たり遊技が実行され、その小当たり遊技の実行中に第2大入賞口15に遊技球が4個入球されると、図83(B)に示す演出例が行われる。図83(B)に示すように、入球賞球獲得演出が実行されると、表示画面50aに表示されている4つの賞球加算画像NSが第1差玉数示唆画像SB1に吸収されているかのように見せている。表示画面50aにて4つの賞球加算画像NSが第1差玉数示唆画像SB1に吸収されているかのように見せることで、差玉数が70000以上であって、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口15への4個の遊技球の入球に基づいて60個の賞球が得られ、差玉数が60個増加されたことを遊技者に把握させることが可能となっている。また、入球賞球獲得演出は、表示画面50aに表示される賞球加算画像NS(「+15」)が、差玉数示唆画像SBから放出されているかのように見せる演出であっても良い。
その後、次の特図変動演出の実行が開始されると、図83(C)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3(「2・4・6」)の変動表示が開始されるとともに、小図柄KZ1,KZ2,KZ3(「2・4・6」)の変動表示が開始される。また、図83(C)に示すように、表示画面50aの左下方に「2000pt」と示す賞球数告知画像G201が表示されている。表示画面50aに「2000pt」と示す賞球数告知画像G201が表示されることで、小当たりラッシュ状態中に2000個の賞球が獲得されたことを遊技者に把握させることが可能となっている。また、図83(C)に示すように、表示画面50aの右下方に第2差玉数示唆画像SB2が表示されている。表示画面50aにて図83(B)に示した第1差玉数示唆画像SB1の表示が、図83(C)に示す第2差玉数示唆画像SB2の表示に変化されることで、遊技者に差玉数が72001~74000であることを遊技者に把握させることが可能となっている。
図84を用いて、過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が停止される場合に実行される作動告知演出について説明する。高確非時短状態での小当たり遊技の途中で差玉数が80000に達して、小当たり遊技の実行が終了した場合には、図84(A)に示す演出例へと進む。
図84(A)に示すように、小当たりに当選したことを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3(「2・4・6」)が確定的に停止表示されているとともに、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も確定的に停止表示されている。また、図84(A)に示すように、表示画面50aの左下方には、「10000pt」と示す賞球数告知画像G201が表示されている。表示画面50aに「10000pt」と示す賞球数告知画像G201が表示されることで、遊技者に小当たりラッシュ状態にて10000個の賞球が獲得できたことを把握させることが可能となっている。また、図84(A)に示すように、表示画面50aの右下方には、第5差玉数示唆画像SB5が表示されている。表示画面50aに第5差玉数示唆画像SB5が表示されていることで、遊技者に差玉数が78001~80000であることを遊技者に把握させることが可能となっている。
その後、過賞球異常防止機能が作動されると、図84(B)に示す演出例へと進む。作動告知演出が実行されると、図84(B)に示すように表示画面50aには、作動告知画像HBが表示される。表示画面50aに作動告知画像HBが表示されることで、遊技者に過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が停止されることを遊技者に把握させることが可能となっている。
その後、作動告知演出の実行が終了して、表示画面50aでの作動告知画像HBの表示が終了となる。そして、図84(C)に示すように、表示画面50aにて遊技停止報知画像YTが表示される。表示画面50aに遊技停止報知画像YTが表示されることで、遊技者に過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が停止されたことを把握させることが可能となっている。
次に、第9変形例の演出制御用マイコン121による制御について、図85から図88を用いて説明する。なお、上記第6変形例のパチンコ遊技機PY1と同様の処理についての詳細な説明は省略する。
[受信コマンド解析処理]第9変形例の受信コマンド解析処理(S4201)では、図85に示すように、演出制御用マイコン121は、先ず主制御基板100から始動口センサ用コマンドを受信したか否か判定し(S4301)、受信していれば始動入賞時処理(S4302)を行う。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100から変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド、又は特図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4303)、受信していれば変動演出開始処理を行う(S4304)。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100から特図変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4305)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S4306)。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4307)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S4308)。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100からラウンド遊技コマンドを受信したか否か判定し(S4309)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S4310)。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4311)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S4312)。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100から遊技停止報知コマンドを受信したか否か判定し(S4313)、受信していれば遊技停止報知表示処理を行う(S4314)。遊技停止報知表示処理(S4314)では、演出制御用マイコン121は、遊技停止報知コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、遊技停止報知表示開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。ステップS4314でセットされた遊技停止報知コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板140に送信されると、作動告知演出が実行されて、表示画面50aにて作動告知画像HBが表示される。作動告知画像HBが表示されてから所定時間(例えば、5秒間)が経過すると、遊技停止報知画像YTが表示され、その後、図27(A)に示す演出例が行われることになる。表示画面50aに作動告知画像HBを表示することで、遊技者に過賞球異常防止機能が作動されて遊技が実行不能に制御されることを報知することが可能となる。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100から総賞球数コマンドを受信したか否か判定し(S4316)、受信していれば後述する賞球数告知演出処理を行い(S4317)、続いて後述する入球賞球獲得演出処理(S4318)を行う。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100から差玉数コマンドを受信したか否か判定し(S4319)、受信していれば後述する過賞球異常示唆演出処理を行い(S4320)を行う。
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S4315)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、普通図柄の変動表示に伴う演出を行うための処理等)を行う。そして、受信コマンド解析処理(S4201)を終える。
[賞球数告知演出処理]第9変形例の賞球数告知演出処理(S4317)では、図86に示すように、演出制御用マイコン121は、先ず主制御基板100から受信した総賞球数コマンドを解析する(S4601)。
続いて、演出制御用マイコン121は、設定中の演出モードが確変演出モードであるか否かを判定する(S4602)。確変演出モードを設定中であると判定した場合には(S4602でYES)、賞球数告知画像G201を表示画面50aに表示中であるか否かを判定する(S4603)。また、確変演出モード以外の演出モードを設定中で判定した場合には(S4602でNO)、そのまま本処理を終了する。
演出制御用マイコン121は、賞球数告知画像G201を表示画面50aに表示中ではないと判定した場合には(S4603でNO)、賞球数告知画像開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4604)。ステップS4604でセットされた賞球数告知画像コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板140に送信されると、表示画面50aにて「0000pt」を示す賞球数告知画像G201が表示される(図82(A)参照)。表示画面50aにて「0000pt」を示す賞球数告知画像G201を表示させることで、遊技者に高確非時短状態にて第2大入賞口15への遊技球の入球によって獲得した賞球数を示すことが可能となっている(図82(A)参照)。
演出制御用マイコン121は、賞球数告知画像G201を表示画面50aに表示中であると判定した場合には(S4603でYES)、ステップS4601で解析した結果に基づいて、第2大入賞口15への入賞に基づく賞球数が加算されたか否かを判定する(S4605)。演出制御用マイコン121は、第2大入賞口15への入賞に基づく賞球数が加算されたと判定した場合には(S4605でYES)、賞球数告知画像更新コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4606)。ステップS4606でセットされた賞球数告知更新画像コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板140に送信されると、表示画面50aにて賞球数告知画像G201が示す賞球数が加算される(図82(C)、図83(C)参照)。表示画面50aにて賞球数告知画像G201が示す賞球数を加算することで、遊技者に高確非時短状態にて第2大入賞口15への遊技球の入球によって獲得した賞球数が加算したことを示すことが可能となっている(図82(C)、図83(C)参照)。また、演出制御用マイコン121は、第2大入賞口15への入賞に基づく賞球数が加算されていないと判定した場合には(S4605でNO)、そのまま本処理を終了する。
[入球賞球獲得演出処理]第9変形例の入球賞球獲得演出処理(S4318)では、図87に示すように、演出制御用マイコン121は、先ず設定中の演出モードが確変演出モードであるか否かを判定する(S4701)。演出制御用マイコン121は、確変演出モードを設定中であると判定した場合には(S4701でYES)、過賞球異常示唆演出を実行中であるか否かを判定する(S4702)。また、演出制御用マイコン121は、確変演出モード以外の演出モードを設定中であると判定した場合には(S4701でNO)、そのまま本処理を終了する。
演出制御用マイコン121は、過賞球異常示唆演出を実行中であると判定した場合には(S4702でYES)、入球賞球獲得演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4703)。ステップS4703でセットされた入球賞球獲得演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板140に送信されると、表示画面50aにて賞球加算画像NS(「+15」)が差玉数示唆画像SB(第1差玉数示唆画像SB1、第2差玉数示唆画像SB2、第3差玉数示唆画像SB3、第4差玉数示唆画像SB4、第5差玉数示唆画像SB5)に吸収されているような入球賞球獲得演出が実行される(図83(B)参照)。表示画面50aに賞球加算画像NSを表示することで、遊技者に差玉数が加算されたことを示すことが可能となっている。
[過賞球異常示唆演出処理]第9変形例の過賞球異常示唆演出処理(S4321)では、図88に示すように、演出制御用マイコン121は、先ず主制御基板100から受信した差玉数コマンドを解析する(S4801)。
続いて、演出制御用マイコン121は、設定中の演出モードが確変演出モードであるか否かを判定する(S4802)。演出制御用マイコン121は、確変演出モードを設定中であると判定した場合には(S4802でYES)、ステップS4801にて差玉数コマンドを解析した結果に基づいて、差玉数が70000以上であるか否かを判定する(S4803)。また、演出制御用マイコン121は、設定中の演出モードが確変演出モード以外の演出モードであると判定した場合(S4802でNO)、または差玉数が70000未満であると判定した場合(S4803でNO)には、そのまま本処理を終了する。
演出制御用マイコン121は、ステップS4803にて差玉数が70000以上であると判定した場合には(S4803でYES)、表示画面50aに差玉数示唆画像SBを表示中であるか否かを判定する(S4804)。演出制御用マイコン121は、差玉数示唆画像SBを表示中であると判定した場合には(S4804でYES)、表示中の差玉数示唆画像SBを他の差玉数示唆画像SBに変更するか否か、すなわち差玉数が所定数(72001、74001、76001、または78001のうち、いずれかの差玉数)に到達したか否かを判定する(S4805)。また、演出制御用マイコン121は、差玉数示唆画像SBを表示していないと判定した場合には(S4804でNO)、ステップS4807に進む。
演出制御用マイコン121は、ステップS4805にて差玉数示唆画像SBを他の差玉数示唆画像SBに変更する場合、すなわち差玉数が所定数(72001、74001、76001、または78001のうち、いずれかの差玉数)に到達したと判定した場合(S4805でYES)、差玉数示唆画像変更コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4806)。ステップS4806でセットされた差玉数示唆画像変更コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板140に送信されると、表示画面50aにて表示している差玉数示唆画像SBが他の差玉数示唆画像SBに変更される。具体的には、表示画面50aにて第1差玉数示唆画像SB1が表示されている場合には、第2差玉数示唆画像SB2に変更される。表示画面50aに第2差玉数示唆画像SB2を表示させることで、表示画面50aに第1差玉数示唆画像SB1を表示させた場合よりも過賞球異常防止機能が作動される可能性が高いことを遊技者に示唆することが可能となっている。また、表示画面50aにて第2差玉数示唆画像SB2が表示されている場合には、第3差玉数示唆画像SB3に変更される。表示画面50aに第3差玉数示唆画像SB3を表示させることで、表示画面50aに第2差玉数示唆画像SB2を表示させた場合よりも過賞球異常防止機能が作動される可能性が高いことを遊技者に示唆することが可能となっている。表示画面50aにて第3差玉数示唆画像SB3が表示されている場合には、第4差玉数示唆画像SB4に変更される。表示画面50aに第4差玉数示唆画像SB4を表示させることで、表示画面50aに第3差玉数示唆画像SB3を表示させた場合よりも過賞球異常防止機能が作動される可能性が高いことを遊技者に示唆することが可能となっている。表示画面50aにて第4差玉数示唆画像SB4が表示されている場合には、第5差玉数示唆画像SB25変更される。表示画面50aに第5差玉数示唆画像SB5を表示させることで、表示画面50aに第4差玉数示唆画像SB4を表示させた場合よりも過賞球異常防止機能が作動される可能性が高いことを遊技者に示唆することが可能となっている。また、ステップS4805にて差玉数示唆画像SBを他の差玉数示唆画像SBに変更しない場合、すなわち差玉数が所定数(72001、74001、76001、または78001のうち、いずれかの差玉数)に到達していないと判定した場合(S4805でNO)には、そのまま本処理を終了する。
また、演出制御用マイコン121は、ステップS4804で差玉数示唆画像SBを表示画面50aに表示していないと判定した場合には(S4804でNO)、差玉数示唆画像開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4807)。ステップS4807でセットされた差玉数示唆画像開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板140に送信されると、表示画面50aにて第1差玉数示唆画像SB1が表示される(図83(A)参照)。表示画面50aに第1差玉数示唆画像SB1を表示させることで、過賞球異常防止機能が作動される可能性があることを遊技者に示唆することが可能となっている。
<第9変形例の作用効果>
過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が停止されるため、遊技者に過剰な賞球を与えないパチンコ遊技機を提供することが可能である。しかしながら、差玉数が80000以上となって、過賞球異常防止機能が作動され、遊技が停止されるまで、遊技が停止されることに関する情報が遊技者に何ら与えられない状態は遊技者にとって酷である。そこで、第9変形例のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技が実行不能に制御される可能性を示唆する過賞球異常示唆演出と、差玉数が加算されたことを示す入球賞球獲得演出とを遊技者に確認させることが可能となっている。これにより、差玉数が80000以上となって、過賞球異常防止機能が作動され、遊技が停止されるまで、遊技が停止されることに関する情報が遊技者に何ら与えられない状態を回避し、遊技が停止される可能性があることを把握させることが可能となっている。
また、第9変形例のパチンコ遊技機PY1によれば、72001に到達されると、表示画面50aに表示されている第1差玉数示唆画像SB1が、差玉数が72001~74000であることを示唆する第2差玉数示唆画像SB2に変更される。これにより、表示画面50aに表示される差玉数示唆画像SBに注目している遊技者に差玉数示唆画像SBの変更によって、過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が停止される可能性が高まっていることを把握させることが可能となっている。そのため、表示画面50aに表示されている差玉数示唆画像SBを確認して、徐々に過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が実行不能に制御される可能性が高まっていることを把握させることが可能となる。
また、第9変形例のパチンコ遊技機PY1によれば、表示画面50aに作動告知画像HBが表示される作動告知演出が実行されることで、過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が停止されることを遊技者に把握させることが可能となっている。これにより、表示画面50aに表示された作動告知画像HBによって、遊技者に遊技を中止させるように促すことが可能となる。
また、第9変形例のパチンコ遊技機PY1によれば、表示画面50aにて表示された賞球数告知画像G201によって小当たりラッシュ状態中に第2大入賞口15に入賞させて獲得した賞球数を把握させるとともに、差玉数示唆画像SBによって差玉数を遊技者に把握させることが可能となる。これにより、表示画面50aに表示された賞球数告知画像G201と差玉数示唆画像SBとによって、過賞球異常防止機能が作動されて遊技が停止されるまでをある程度予測させて、遊技を行わせることが可能となる。
また、第9変形例のパチンコ遊技機PY1によれば、高確非時短状態(小当たりラッシュ)において、表示画面50aに表示される賞球数告知画像G201によって、小当たりラッシュ中に第2大入賞口15に入賞させて獲得した賞球数を遊技者に把握させ、表示画面50aに表示される差玉数示唆画像SBによって現在の差玉数をある程度把握させることが可能である。これにより、過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が停止されるまで、小当たりラッシュ中での小当たり遊技にて第2大入賞口15に遊技球を入賞させて、どの程度賞球数を獲得できるかを予測させながら、遊技を行わせることが可能となる。
<他の変形例>
上記形態では、いわゆるV確機(特定領域16(V領域)への遊技球の通過に基づいて高確率状態に制御される遊技機)として構成したが、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成してもよい。また上記形態では、いわゆるST機(特別図柄の変動回数に応じて高確率状態が終了する遊技機)として構成したが、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が継続する遊技機(いわゆる確変ループタイプ機)や、転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。また、特図抽選で小当たりに当選すると、大入賞口が最大で1.8秒開放する小当たり遊技が実行される遊技機として構成してもよい。この場合、小当たり遊技の実行により大入賞口に入球した遊技球が、大入賞口内の特定領域を通過すると、大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される遊技機として構成してもよい。そして、特図抽選で大当たりに当選すると大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行されて、遊技球が大入賞口内の特定領域を通過すると大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される1種2種大当たり遊技として構成してもよい。
上記形態では、差玉数が80000に達したタイミングで過賞球異常防止機能が作動する場合、または大当たり遊技状態の途中で差玉数が80000以上となった場合には、大当たり遊技状態の実行が終了したタイミングで過賞球異常防止機能が作動した。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、図89に示すように、差玉数が80000以上であって、高確高ベース状態(有利遊技状態)から通常遊技状態に移行するとき(図89参照)、又は低確高ベース状態(有利遊技状態)から通常遊技状態に移行するときに、過賞球防止機能が作動しても良い。例えば図89(A)に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が70000に達したこととする。勿論このときには、過賞球防止機能が作動しない。次に、図89(B)に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が80000に達したこととする。このとき、過賞球防止機能が作動しない。続いて、この大当たり遊技状態から高確高ベース状態に移行するタイミングでも、過賞球防止機能が作動しない。その後、図89(C)に示すように、高確高ベース状態から通常遊技状態に移行するタイミングになると、過賞球防止機能が作動する。こうして本形態では、大当たり遊技状態の途中や、高確高ベース状態の途中で、遊技が停止することがなく、遊技者にとって有利遊技状態が終了した区切りの良いタイミングで、遊技を終了させることが可能である。
また例えば、図89に示したタイミングで過賞球異常防止機能が作動する場合のパチンコ遊技機PY1における差玉数が70000に達した場合の演出態様について、図89(A)に基づいて説明する。前提条件として、図89(A)に示すタイミングで、差玉数が70000に達したこととする。先ず、図90(A)に示すように、表示画面50aでは、ラウンド画像G109や賞球数画像G110が表示されている。そして、差玉数が70000に達すると、表示画面50aの縁部では、紫色の紫縁画像EFaが表示され、表示画面50aの下部では、「残り10000発で過賞球異常」を示す過賞球予告画像KYが表示される。これら紫縁画像EFa及び過賞球予告画像KYの表示により、遊技者に過賞球防止機能の作動が近づいている状況を把握させることが可能である。紫縁画像EFaの表示は、大当たり遊技状態が終了した後も継続されるが、過賞球予告画像KYの表示は、大当たり遊技状態が終了することによって終了するようになっている。なお、過賞球予告画像KYは、大当たり遊技状態が終了した後も、表示し続けるようにしても良い。
続いて、図89に示したタイミングで過賞球異常防止機能が作動する場合のパチンコ遊技機PY1における差玉数が80000に達した場合の演出態様について、図90(B)に基づいて説明する。前提条件として、図89(B)に示すタイミングで、差玉数が80000に達したこととする。図89(B)に示すように、表示画面50aでは、ラウンド画像G109や賞球数画像G110が表示されている。そして、差玉数が80000に達すると、表示画面50aの縁部では、赤色の赤縁画像EFbが表示され、表示画面50aの下部では、「ラッシュ終了で遊技中止」を示すラッシュ遊技停止予告画像KHRが表示される。これら赤縁画像EFb及びラッシュ遊技停止予告画像KHRの表示により、遊技者に遊技停止が近づいていると共に、いつ遊技が停止されるのかを把握させることが可能である。赤縁画像EFbの表示は、大当たり遊技状態が終了した後も継続されるが、遊技停止予告画像KHの表示は、大当たり遊技状態が終了することによって終了するようになっている。なお、ラッシュ遊技停止予告画像KHRは、大当たり遊技状態が終了した後も、表示し続けるようにしても良い。
ここで、図89に示したタイミングで過賞球異常防止機能が作動する場合のパチンコ遊技機PY1において、図89(A)に示すタイミングで差玉数が70000に達した後、高確高ベース状態での演出態様は、図91(A)に示す通りである。即ち、図91(A)に示すように、表示画面50aでは、確変用背景画像G105が表示されていて、演出図柄EZが変動表示している。そして、表示画面50aの縁部では、紫縁画像EFaが表示されている。この紫縁画像EFaにより、遊技者には、差玉数が70000に達していることを把握させつつ、遊技させることが可能である。
また、図89に示したタイミングで過賞球異常防止機能が作動する場合のパチンコ遊技機PY1において、図89(B)に示すタイミングで差玉数が80000に達した後、高確高ベース状態での演出態様は、図91(B)に示す通りである。即ち、図91(B)に示すように、表示画面50aでは、確変用背景画像G105が表示されていて、演出図柄EZが変動表示している。そして、表示画面50aの縁部では、赤縁画像EFbが表示されている。この赤縁画像EFbにより、遊技者には、差玉数が80000に達していることを把握させつつ、遊技させることが可能である。
また、図89に示したタイミングで過賞球異常防止機能が作動する場合のパチンコ遊技機PY1では、差玉数が80000以上であって、高確高ベース状態(有利遊技状態)から通常遊技状態に移行するとき(図25参照)、又は低確高ベース状態(有利遊技状態)から通常遊技状態に移行するときに、過賞球防止機能が作動するようにした。しかしながら、有利遊技状態から通常遊技状態に移行するときでなくても良く、単に有利遊技状態が終了するときに、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。例えば、高確高ベース状態(有利遊技状態)から低確高ベース状態に移行するときや、高確高ベース状態から高確低ベース状態に移行するときに、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。
また例えば、図92に示すように、高確高ベース状態から通常遊技状態に移行するときに、特図2保留数が最大である4個(所定数)あったこととする。そして、特図2抽選は、特図1抽選よりも優先して実行されて、且つ特図1抽選よりも遊技者にとって有利に設定されていることとする。この場合、高確高ベース状態から通常遊技状態に移行すると、特図2抽選が4回分実行されることになり、遊技者にとっては未だ有利な状態が続いているということができる。従ってこの場合には、通常遊技状態に移行したときに残っている特図2保留(特図2残保留)が全て消化されるまでは、有利遊技状態であるとみなすこととする。そして、特図2残保留が全て消化されるときに(特図2残保留に基づく第2特別図柄の変動表示及び停止表示が全て終了するときに)、過賞球防止機能が作動する(遊技を実行不能にする)ようにしても良い(図92参照)。なお、特図1抽選が、特図2抽選よりも優先して実行されるようにしたり、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞した順番に、特図1抽選又は特図2抽選が実行されるようにしても良い。
特に、1種2種混合機であって、特図2抽選で小当たりに当選した場合には、実質的に必ず2種大当たり遊技が実行される(遊技球が特定領域を通過できる)ように構成されている場合には、図92に示すように、通常遊技状態にて特図2残保留が全て消化されたときに過賞球防止機能が作動することが好適である。高ベース状態(時短状態)から通常遊技状態に移行しても、特図2残保留が全て消化されるまでは、2種大当たり遊技が非常に実行され易いためである。即ち、仮に高ベース状態が終了するタイミングで、過賞球防止機能の作動により遊技が実行不能になると、2種大当たり遊技を獲得できるチャンスが失われて、遊技者にとって酷になるからである。なお特図2保留の上限数は、4個に限られるものではなく、例えば1個であっても良く、適宜変更可能である。
上記他の変更例では、過賞球防止機能が作動するタイミングは、高確高ベース状態が終了するとき、又は低確高ベース状態が終了するときであった。しかしながら、高確高ベース状態が終了するときにだけ、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。この場合には、所謂「ラッシュ状態(連荘期間)」が終了したときにだけ、遊技を中止させることが可能である。また例えば、差玉数が80000以上であって、客待ち状態に移行したタイミングや、客待ち状態が或る一定時間継続したタイミングで、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。また例えば、差玉数が80000以上になったタイミングで、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。
上記形態では、特別リセットスイッチ181(特別操作手段)が押下操作されるという第1のリセット条件(図26(A)参照)、又は客待ち状態が1時間(所定時間)継続するという第2のリセット条件(図26(B)参照)が成立すると、差玉数がリセット(消去)されるようにした。しかしながら、リセット条件は、上記したものに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、上述したように、大当たり遊技状態が終了したタイミングや、差玉数が80000以上になったタイミングで、過賞球防止機能が作動する場合において、図93(A)に示すように、高確高ベース状態(有利遊技状態)から通常遊技状態に移行すると、差玉数がリセットされるようにしても良い。この場合には、所謂「ラッシュ状態(連荘期間)」が終了すると差玉数がリセットされるため、1回でのラッシュ状態中に差玉数が80000(基準数)に達した場合に限り、過賞球防止機能を作動させることが可能である。なお、高確高ベース状態や低確高ベース状態以外に、大当たり遊技状態や高確低ベース状態などの有利遊技状態から通常遊技状態に移行すると、差玉数がリセットされるようにしても良い。また、RAMクリアスイッチ191が押下操作されたり、設定キーシリンダ180が回転操作されることで、差玉数がリセットされるようにしても良い。
また例えば、図93(B)に示すように、通常遊技状態が特定時間(例えば1時間)継続すると、差玉数がリセットされるようにしても良い。この場合には、通常遊技状態にて特定時間(例えば1時間)が継続すると、遊技者にとって有利な状況がしばらく続いていないことになる。従って、この場合には、差玉数をリセットすることで、しばらく差玉数が80000以上にならないようにすることが可能である。なお上記した特定時間は1時間に限られるものではなく、適宜変更可能である。また例えば、通常遊技状態にて特別図柄の変動回数が特定回数に達すると、差玉数をリセットするようにしても良い。また例えば、電源のOFF及びON(電源の再投入)によって、差玉数がリセットされるようにしても良い。また、例えば、電源のOFF及びON(電源の再投入)と差玉数をリセットするための専用の操作手段の操作によって、差玉数がリセットされるようにしても良い。
また例えば、遊技制御用マイコン101が、予め定められた基準時間(例えば午前9時)であると判断すると、差玉数をリセットするようにしても良い。この場合には、遊技場の従業員に何ら操作を強いることなく、差玉数を自動的に消去させることが可能である。なお上記した基準時間は午前9時に限られるものではなく、適宜変更可能である。
上記形態では、差玉数をリセットするための特別リセットスイッチ181(特別操作手段)が、主制御基板100上に配置されていた(図8参照)。しかしながら、特別操作手段が操作されたことに基づく信号が遊技制御用マイコン101に入力されるのであれば、差玉数をリセットするための特別操作手段の配置箇所は、適宜変更可能である。従って、特別操作手段は、例えば、払出制御基板170上に配置されていたり、専用の基板に配置されていても良い。
上記形態では、計測された差玉数が表示手段で表示されることがなかった。しかしながら、計測された差玉数が表示手段で表示されるようにしても良い。例えば、遊技制御用マイコン101は、表示器類8(図4参照)や7セグ表示器300(図9参照)にて、計測した差玉数を表示するようにしても良い。この場合、例えば、差玉数が0~50000(第1範囲)である場合には、表示器類8又は7セグ表示器300にて第1態様を表示して、差玉数が50001~70000(第2範囲)である場合には、表示器類8又は7セグ表示器300にて第2態様を表示して、差玉数が70001~80000(第3範囲)である場合には、表示器類8又は7セグ表示器300にて第3態様を表示するようにしても良い。また例えば、遊技制御用マイコン101は、差玉数の情報(又は総賞球数の情報、総発射球数の情報)を演出制御基板120に送信して、演出制御用マイコン121が、画像表示装置50等の表示手段にて、差玉数を表示するようにしても良い。また例えば、遊技制御用マイコン101は、払い出した賞球数(又は払い出す予定の賞球数)の情報と排出口センサの検知の情報とを、演出制御基板120に送信する。そして、演出制御用マイコン121が、これらの情報に基づいて、差玉数を演算することで、画像表示装置50等の表示手段にて、差玉数を表示するようにしても良い。
また遊技制御用マイコン101は、図94に示す変形例のように、7セグ表示器300にて差玉数を表示しても良い。即ち、この変形例では、差玉数の情報は、4つの区間(所定区間)に区分けされていて、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cの4つの記憶領域にそれぞれ記憶されている。1番目の記憶領域には、今回電源が投入されてから現時点までの差玉数が記憶されている。2番目の記憶領域には、前回(1回前)に電源が投入されてから前回に電源が遮断されるまでの差玉数が記憶されている。3番目の記憶領域には、前々回(2回前)に電源が投入されてから前々回に電源が遮断されるまでの差玉数が記憶されている。4(N)番目の記憶領域には、前々前回(3回前)に電源が投入されてから前々前回に電源が遮断されるまでの差玉数が記憶されている。こうして、電源がOFF及びONされる度に、計測された差玉数がシフトされて記憶されて、4番目の記憶領域に記憶されていた差玉数は消去される。なお、1番目から4番目の記憶領域に記憶されている差玉数の情報は、RAMクリアが実行されても消去されない。
そして、この変形例では、1番目の記憶領域に記憶されている差玉数、2番目の記憶領域に記憶されている差玉数、3番目の記憶領域に記憶されている差玉数、4番目の記憶領域に記憶されている差玉数が、7セグ表示器300の右2桁(第3表示領域330及び第4表示領域340)にて、千球単位で順番に切替わって表示される。具体的に、7セグ表示器300では、図94(A)に示すように、例えば「bL36」が5秒間表示される。これにより、現在の通常ベースが36%であることが示される。次に、図94(B)に示すように、例えば「b134」が5秒間表示される。これにより、1回前の通常ベースが36%であることが示される。次に、図94(C)に示すように、例えば「b238」が5秒間表示される。これにより、2回前の通常ベースが38%であることが示される。次に、図53(D)に示すように、例えば「b235」が5秒間表示される。これにより、3回前の通常ベースが38%であることが示される。
続いて、7セグ表示器300では、図94(E)に示すように、例えば「cL20」が5秒間表示される。これにより、今回電源が投入されてから現時点までの差玉数が20000であることが示される。次に、図94(F)に示すように、例えば「c100」が5秒間表示される。これにより、前回(1回前)に電源が投入されてから前回に電源が遮断されるまでの差玉数が「0」であることが示される。なお総発射球数が総賞球数よりも多いことで、差玉数が「0」よりも小さい場合には、「0」が表示される。次に、図94(G)に示すように、例えば「c265」が5秒間表示される。これにより、前々回(2回前)に電源が投入されてから前々回に電源が遮断されるまでの差玉数が65000であることが示される。次に、図94(H)に示すように、例えば「c348」が5秒間表示される。これにより、前々前回(3回前)に電源が投入されてから前々前回に電源が遮断されるまでの差玉数が48000であることが示される。その後、図94(A)~(H)が5秒間毎に繰返して表示される。
上述した変形例では、電源がOFF及びON(再投入)される度に、計測された差玉数がシフトされて記憶されて、4(N)番目の記憶領域に記憶されていた差玉数が消去されるようにした。しかしながら、RAMクリアが実行される度に、計測された差玉数がシフトされて記憶されて、4(N)番目の記憶領域に記憶されていた差玉数が消去されるようにしても良い。又は、遊技制御用マイコンが予め定められた規定時間(例えば午前9時)であると判断すると、計測された差玉数がシフトされて記憶されて、4(N)番目の記憶領域に記憶されていた差玉数が消去されるようにしても良い。なお、上記したNは、2以上の自然数であれば、適宜変更可能である。
上述した変形例では、図94に示すように、7セグ表示器300において、5秒間毎に、差玉数の表示が自動的に切替わった。しかしながら、RAMクリアスイッチ191への押下操作や、設定キーシリンダ180への回転操作など、所定の操作手段の操作によって、差玉数の表示が切替わるようにしても良い。また、所定の操作手段の操作によって、通常ベースの表示と、差玉数の表示とを切替えるようにしても良い。
上記形態では、差玉数が70000(所定数)に達すると、図28(A)に示す演出態様によって、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示した。しかしながら、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示す演出態様は、図28(A)に示す演出態様に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、スピーカ52からの特殊音声(例えば「差玉数が70000です」)や、盤ランプ54や枠ランプ53等の発光手段の特殊発光態様によって、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示すようにしても良い。また差玉数が多くになるにつれて、多段階に変化する演出態様によって、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示すようにしても良い。
上記形態では、差玉数が80000(基準数)に達すると、図28(B)に示す演出態様によって、遊技が停止し得る状況を示した。しかしながら、遊技が停止し得る状況を示す演出態様は、図28(B)に示す演出態様に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、スピーカ52からの特殊音声(例えば「差玉数が80000です」)や、盤ランプ54や枠ランプ53等の発光手段の特殊発光態様によって、遊技が停止し得る状況を示すようにしても良い。
上記形態では、過賞球防止機能が作動すると、図27(A)に示す演出態様によって、遊技が実行不能な状況を示した。しかしながら、遊技技が実行不能な状況を示す演出態様は、図27(A)に示す演出態様に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、表示画面50aに「遊技が実行できません」を示す画像を表示したり、スピーカ52からの特殊音声(例えば「遊技が実行できません」)を出力するようにしても良い。
上記形態では、RAMクリアが実行されても、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報が消去されないようにした。しかしながら、差玉数の情報を、遊技用RAM104の所定の記憶領域(消去記憶部)に記憶させるようにして、RAMクリアが実行されると、差玉数の情報がクリアされるようにしても良い。即ち、差玉数がリセットされる条件には、RAMクリアが実行されることが含まれているようにしたり、差玉数がリセットされるリセット条件を、RAMクリアが実行されることだけにしても良い。
上記形態では、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、遊技に関する遊技制御処理(ステップS102~S108の処理、図32参照)を停止させるだけでなく、遊技球を発射させるための発射制御処理(ステップ109の処理、図32参照)も停止させた。しかしながら、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、遊技制御処理を停止させる一方、発射制御処理を停止しないようにしても良い。但し、この場合には、過賞球防止機能が作動しても、遊技者は、ハンドル72kへの回転操作によって、遊技球が遊技領域6を流下する。そのため、遊技が実行不能である状況をすぐに把握し難いという問題点がある。よって、遊技制御処理及び発射制御処理の両方を停止させた方が、遊技者に、遊技が実行不能である状況をすぐに把握させることが可能である。また例えば、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、発射制御処理を停止させる一方、遊技制御処理を停止させないようにしても良い。但し、この場合には、過賞球防止機能が作動したタイミングで、未だ遊技球が遊技領域6を流下していることがあり、遊技球が各種入賞口に入球して、遊技者に賞球が付与され得るという問題点がある。よって、遊技制御処理及び発射制御処理の両方を停止させた方が、過賞球防止機能が作動した後、遊技者には確実に賞球を付与しないことが可能である。
上記形態では、遊技制御用マイコン101は、排出口センサの検知に基づいて、総発射球数をカウントした。しかしながら、各種入賞口への入賞を検知するセンサ(第1始動口センサ、第2始動口センサ、一般入賞口センサ、第1大入賞口センサ、第2大入賞口センサ15a)の検知に基づいて、総発射球数をカウントするようにしても良い。又は、内側壁部1Bの上端部に戻り玉防止部が設けられていて、この戻り玉防止部に遊技球を検知可能なセンサが設けられている場合に、このセンサの検知に基づいて、総発射球数をカウントするようにしても良い。
上記形態では、差玉数が70000に達すると、図28(A)に示すように、過賞球予告画像KYが表示された。しかしながら、差玉数に拘わらず、客待ち演出、大当たり遊技中の演出(例えばエンディング演出)、変動演出に伴う予告演出などにおいて、差玉数が80000以上になることを条件に遊技が実行不能になることを説明する演出を実行しても良い。このような演出によって、過賞球防止機能があるパチンコ遊技機PY1であることを、遊技者や遊技場の従業員に事前に知らせることができるからである。
上記形態では、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報を、遊技用RAM104の非消去記憶部107に記憶させることで、RAMクリアが実行されても、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報が消去されないようにした。しかしながら、遊技用RAM104とは別に設けた不揮発性の記憶手段(例えばFRAM(登録商標))に、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報を記憶させることで、RAMクリアが実行されても、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報が消去されないようにしても良い。
上記形態では、電源が投入されてから随時、差玉数がカウントされるようにした。しかしながら、差玉数のカウントの始期を、所謂初当たり(通常遊技状態における大当たりへの当選)からとしてもよい。この場合には、電源が投入されてから初当たりに至るまでの差玉数のマイナス分(つまり総発射球数)がカウントされないことになる。従って、過賞球防止機能が作動する契機となる差玉数を、初当たり以降の持ち球数と同じにすることが可能である。
上記形態では、遊技制御用マイコン101は、総賞球数と総発射球とを別個でカウントして、総賞球数から総発射球数を減算することで、差玉数を演算した。しかしながら、差玉数をカウントするための差玉カウンタだけを用いて、差玉数を計測(カウント)するようにしても良い。つまり、賞球がある度に、差玉カウンタに対して、賞球の値を加算する。また、遊技球が発射される度に(排出口センサの検知がある度)に、差玉カウンタの値を減算する。こうして、総賞球数と総発射球とを別個でカウントしないで、差玉数を計測するようにしても良い。この場合において、差玉カウンタの値が、マイナスにならないようにして、常に「0」以上になるようにしても良い。そうすれば、上述したように、過賞球防止機能が作動する契機となる差玉数を、実質的に初当たり以降の持ち球数と同じにすることが可能である。
上記形態では、差玉数(特定計測数)が80000(基準数)以上であることを条件に、過賞球防止機能が作動するようにした。しかしながら、過賞球防止機能が作動するための基準となる差玉数(基準数)は、80000に限られるものではなく、50000、100000、120000であっても良く、適宜変更可能である。
上記形態では、過賞球防止機能が作動するための契機となる特定計測数は、総賞球数と総発射球数との差である差玉数であった。しかしながら、特定計測数は、過剰な賞球を付与しないという観点により、遊技者に付与される賞球数に基づくものであれば、適宜変更可能である。例えば、特定計測数は、大当たり遊技状態など或る遊技状態や、連荘期間など或る期間に限った差玉数であっても良い。また例えば、特定計測数は、全ての遊技状態での総賞球数、大当たり遊技状態など或る遊技状態に限った総賞球数、連荘期間など或る期間に限った総賞球数であっても良い。また例えば、特定計測数は、全ての遊技状態でのベース、大当たり遊技状態など或る遊技状態に限ったベース、連荘期間など或る期間に限ったベースであっても良い。
上記形態では、パチンコ遊技機PY1が、内部に収容している遊技球が遊技領域6を流下した後に、当該パチンコ遊技機PY1の外部に排出される非封入式パチンコとして構成されていた。しかしながら、パチンコ遊技機が、内部に収容している遊技球が遊技領域を流下した後に、循環して再び遊技領域に進入可能な封入式パチンコとして構成されていても良い。この場合には、払出制御基板170に相当する枠制御基板に、7セグ表示器が配置されている。よって、この7セグ表示器に、差玉数(特定計測数)を表示し得るようにしても良い。また前扉の下部に、持ち球数を表示する6桁の7セグ表示器が配置されている。よって、この6桁の7セグ表示器に、差玉数(特定計測数)を表示し得るようにしても良い。なお、本形態の「計測」とは、カウント又は計数と同じ意味である。
上記形態では、過賞球防止機能は、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報のクリアが行われた(すなわち、非消去クリア処理)後の総賞球数と総発射球数との差である差玉数が予め定められた基準数以上となることに基づいて作動することとして説明した。しかし、過賞球防止機能は、最大差玉数(最大持ち球、MY等ということもある)として計測される値が予め定められた基準数となることに応じて作動させてもよい。つまり、特定計測数は、最大差玉数であってもよい。ここで、図95により、最大差玉数について説明する。図95(A)~(C)にはそれぞれ、差玉数の推移の例と、各差玉数の推移に応じて算出される最大差玉数の例とを示している。
図95(A)は、最初の最低差玉数が記録された後、最低差玉数が更新されることなく差玉数が推移する例である。最低差玉数は、計測された差玉数の最低値である。具体的に、図95(A)では、前回の非消去クリア処理が行われた後、差玉数が減少傾向にて推移し、時刻tA1にて最低差玉数「-10000」が記録されている。その後、差玉数は増加および減少するものの、時刻tA1における最低差玉数よりも減少することなく、推移している。そして、時刻tA1のよりも後の時刻tA2には、差玉数のピーク「70000」が記録されている。差玉数のピークは、最低差玉数が計測された後における差玉数の最高値である。そして、図95(A)の例おける最大差玉数MYAは、時刻tA1における最低差玉数「-10000」と時刻tA2における差玉数のピーク「70000」との差である「80000」である。
なお、図95(A)の例において、最低差玉数は、時刻tA1までは、差玉数が減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。しかし、その後、時刻tA1における最低差玉数を下回ることがないため、時刻tA1よりも後には、最低差玉数は更新されていない。
図95(B)は、最低差玉数の更新が複数回なされつつ差玉数が推移する例である。この例では、前回の非消去クリア処理が行われた後、時刻tB1に最初の最低差玉数「-10000」が記録されている。また、時刻tB4には、時刻tB1における差玉数「-10000」よりも少ない最低差玉数「-20000」が記録されている。さらに、時刻tB7には、時刻tB4における差玉数よりも少ない最低差玉数「-30000」が記録されている。そして、図95(B)の時刻tB1から時刻tB4までの間においては、時刻tB2に差玉数のピーク「20000」が記録されている。また、時刻tB4から時刻tB7までの間においては、時刻tB5に差玉数のピーク「0」が記録されている。さらに、時刻tB7よりも後の時刻tB8には、差玉数のピーク「50000」が記録されている。そして、図95(B)の例における最大差玉数MYBは、時刻tB7における最低差玉数「-30000」と時刻tB8における差玉数のピーク「50000」との差である「80000」である。
なお、図95(B)の例においても、最低差玉数は、時刻tB1までは、差玉数が減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。また、最低差玉数は、時刻tB3から時刻tB4までの間には、差玉数がそれ以前の最低差玉数である時刻tB1における差玉数よりも少なく、かつ、減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。さらに、最低差玉数は、時刻tB6から時刻tB7までの間にも、差玉数がそれ以前の最低差玉数である時刻tB4における差玉数よりも少なく、かつ、減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。
図95(C)は、差玉数がマイナスで推移する例である。この例では、前回の非消去クリア処理が行われた後、時刻tC1に最初の最低差玉数「-30000」が記録されている。また、時刻tC4には、時刻tC1の最低差玉数「-30000」よりも少ない最低差玉数「-50000」が記録されている。そして、図95(C)の時刻tC1から時刻tC4までの間においては、時刻tC2に差玉数のピーク「-10000」が記録されている。また、時刻tC4よりも後の時刻tC5には、差玉数のピーク「-10000」が記録されている。そして、図95(C)の例における最大差玉数MYCは、時刻tC4における最低差玉数「-50000」と時刻tC5における差玉数のピーク「-10000」との差である「40000」である。
なお、図95(C)の例においても、最低差玉数は、時刻tC1までは、差玉数が減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。また、最低差玉数は、時刻tC3から時刻tC4までの間には、差玉数がそれ以前の最低差玉数である時刻tC1における差玉数よりも少なく、かつ、減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。
上記の通り、最大差玉数は、計測された差玉数の最低値である最低差玉数と、最低差玉数が計測された後における差玉数のピーク(最高値)との差により算出される。そして、過賞球防止機能は、最低差玉数と、最低差玉数が記録された後に計測される差玉数との差が予め定められた基準数となることに応じて作動させることができる。換言すれば、過賞球防止機能は、最低差玉数からの差玉数の増加数が予め定められた基準数となることに応じて作動させることができる。また、過賞球防止機能は、最大差玉数が予め定められた基準数となることに応じて作動させることができる。
具体的には、例えば、過賞球防止機能は、最低差玉数を所定の記憶領域に記憶させつつ、記憶されている最低差玉数と現在(最新)の差玉数との差を算出するとともに、その算出値が予め定められた基準数となることに応じて作動させることが考えられる。最低差玉数の情報、および、最低差玉数と現在の差玉数との差の算出値の情報は、遊技用RAM104の所定の記憶領域(非消去記憶部107)に記憶させておけばよい。そして、これらの値は、所定の非消去クリア処理にて、差玉数のクリアがなされる際にクリア(すなわち初期値に設定)することとすればよい。
また、過賞球防止機能を、最低差玉数と、最低差玉数が記録された後に計測される差玉数との差が予め定められた基準数となることに応じて作動させる場合、すなわち、最低差玉数からの差玉数の増加数を特定計測数とする場合には、特定計測数をカウントするためのカウンタを設けることとしてもよい。そのようなカウンタは、例えば、賞球数に基づく加算については値に関係なく常に行い、発射球数に基づく減算については「0」よりも多い場合に行うものとすることができる。差玉数が「0」以下の場合には、発射球数に基づく減算を行わない。このようなカウンタの値は、「0」以上の整数で推移する。このカウンタを以下、差玉自然数カウンタということがある。差玉自然数カウンタの情報についても、遊技用RAM104の所定の記憶領域(非消去記憶部107)に記憶させておけばよい。そして、差玉自然数カウンタの値は、所定の非消去クリア処理に相当する処理(上記の実施形態にて差玉数をクリアするとした処理)にてクリア(すなわち初期値に設定)することとすればよい。
差玉自然数カウンタの値の推移の例について図96により説明する。図96(A)~(C)にはそれぞれ、差玉自然数カウンタの値の推移を示している。図96(A)~(C)に示す差玉自然数カウンタの値の推移はそれぞれ、図95(A)~(C)の差玉数の推移に対応したものである。
図96(A)~(C)に示すように、差玉自然数カウンタの値は、最低差玉数が更新されている間には「0」となる。そして、差玉自然数カウンタは、最低差玉数からの差玉数の増加数を自然数によりカウント可能である。よって、差玉自然数カウンタを用いることにより、過賞球防止機能を適切に機能させることが可能である。さらに、常に「0」以上で推移する差玉自然数カウンタでは、過賞球防止機能の作動に最低限必要な値をわかりやすい態様で算出可能である。また、「0」未満の値を用いる場合、遊技制御用マイコン101による演算に係る情報量が多くなってしまうことがある。このような場合、常に「0」以上で推移する差玉自然数カウンタを用いることで、遊技制御用マイコン101の負荷を低減可能である。
上記形態における大当たり遊技状態以外の遊技状態で差玉数が80000に到達すること、大当たり遊技状態の途中で80000に到達した場合にはその大当たり遊技状態が終了することが、「特定計測数が予め定められた基準数以上になることを含む所定条件」に相当した。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、上記形態における大当たり遊技状態以外の遊技状態で差玉数が80000に到達することが、「特定計測数が予め定められた基準数以上になることを含む所定条件」に相当しても良い。また、例えば、小当たり遊技および大当たり遊技状態以外で差玉数が80000に到達すること、大当たり遊技状態の途中で80000に到達した場合にはその大当たり遊技状態が終了すること、小当り遊技の途中で80000に到達した場合にはその小当たり遊技が終了することが、「特定計測数が予め定められた基準数以上になることを含む所定条件」に相当しても良い。また、例えば、小当たり遊技および大当たり遊技状態(1種大当たり遊技状態、2種大当たり遊技状態)以外で差玉数が80000に到達すること、1種大当たり遊技状態の途中で80000に到達した場合にはその1種大当たり遊技状態が終了すること、小当り遊技の途中で80000に到達した場合にはその小当たり遊技が終了すること、2種大当たり遊技状態の途中で80000に到達した場合にはその2種大当たり遊技状態が終了すること、小当り遊技の途中で80000に到達した場合に2種大当たり遊技状態が実行された場合には、その2種大当たり遊技状態が終了することが、「特定計測数が予め定められた基準数以上になることを含む所定条件」に相当しても良い。
上記形態では、表示画面50aにて1つの演出図柄EZが特殊図柄態様で確定的に停止表示される過賞球事前示唆演出(図31(C)、図31(D)参照)が、「事前示唆演出」に相当した。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となると判定された場合には、過賞球防止機能が作動されることを事前に示唆する演出であれば、表示画面50aに特定の演出画像(例えば、特定のエフェクト画像、特定の保留アイコンHA)が表示されたり、スピーカ52から特定の音声が出力されたり、枠ランプ53や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させる演出が、「事前示唆演出」に相当しても良い。
上記形態の過賞球事前示唆演出では、表示画面50aにて確定的に停止表示される特殊図柄態様の演出図柄EZの数は1つであった(図31(C)、図31(D)参照)。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、過賞球事前示唆演出の実行に起因した特図関係乱数が特図保留記憶部105からクリアされて、特図判定処理での大当たりとなるか否かの判定が行われる機会が近づくにつれて、過賞球事前示唆演出での表示画面50aにて確定的に停止表示される特殊図柄態様の演出図柄EZの数が増加してもよい。これにより、徐々に過賞球異常防止機能の作動が近づいていることを遊技者に把握させ易くすることが可能となる。
上記形態の大当たり遊技が、「特別遊技」に相当した。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、小当たり遊技が、「特別遊技」に相当しても良い。また、大当たり遊技、および小当たり遊技が、「特別遊技」に相当しても良い。
上記形態の始動入賞時処理(S4302)におけるステップS4403が、「特定判定手段」に相当した。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、センサ検出処理(S104)にて、遊技制御用マイコン101が、先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となるか否かを判定する処理が、「特定判定手段」に相当しても良い。
上記形態の始動入賞時処理(S4302)におけるステップS4403にて先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上であると判定された場合には、過賞球事前示唆演出が実行された。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、始動入賞時処理(S4302)におけるステップS4403にて先読み判定の結果が「ハズレ」の場合にも、ガセ演出として過賞球事前示唆演出が実行可能であっても良い。また、例えば、始動入賞時処理(S4302)におけるステップS4403にて先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上であると判定された場合であっても、過賞球事前示唆演出が実行されない場合があっても良い。
上記形態の始動入賞時処理(S4302)におけるステップS4403にて先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000未満であると判定された場合には、過賞球事前示唆演出が実行されなかった。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、始動入賞時処理(S4302)におけるステップS4403にて先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000未満であると判定された場合には、過賞球事前示唆演出の実行抽選(例えば、1/5の確率で当選)が行われて、その抽選結果が当選であると、過賞球事前示唆演出が実行されても良い。
上記形態の始動入賞時処理(S4302)におけるステップS4403にて先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となると判定された場合には、必ず過賞球事前示唆演出が実行された。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、始動入賞時処理(S4302)におけるステップS4403にて先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となると判定された場合には、過賞球事前示唆演出の実行抽選(例えば、1/5の確率で当選)が行われて、その抽選結果が当選であると、過賞球事前示唆演出が実行されても良い。
上記形態における数字を示す部分(数字部分)と天使のキャラクタを示す部分とが組み合わされた特殊図柄態様が、「特殊な図柄態様」に相当した。しかしながら、これに限定される必要はない。先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となると判定された場合には、過賞球防止機能が作動されることを事前に示唆する図柄態様であれば、他の図柄態様であっても良い。具体的には、例えば、先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となると判定された場合には、特殊な図柄態様(例えば、星)の演出図柄EZが停止表示されても良い。
上記形態では、過賞球事前示唆演出の実行に起因した特図関係乱数が特図保留記憶部105からクリアされて、特図判定処理での大当たりとなるか否かの判定の結果に基づく特図変動演出では、実行予定の大当たり遊技の終了後に過賞球防止機能が作動されることを示唆する過賞球予告演出が実行された(図31(F)参照)。その過賞球予告演出が、「制御示唆演出」に相当した。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、大当り判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となると判定された場合に、過賞球防止機能が作動されることを示唆する演出であれば、表示画面50aに特定の演出画像(例えば、特定のエフェクト画像、特定の当該アイコンTA)が表示されたり、スピーカ52から特定の音声が出力されたり、枠ランプ53や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させる演出が、「制御示唆演出」に相当しても良い。
上記形態の過賞球予告演出では、特殊図柄態様の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が仮停止表示され、その後確定的に停止表示された。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、通常の図柄態様の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が仮停止表示された後に、過賞球予告演出が実行されて特殊図柄態様の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が確定的に停止表示されても良い。また、例えば、過賞球予告演出では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3とも異なる専用図柄が停止表示されても良い。
上記形態では、表示画面50aに表示される総発射数画像SHと、総獲得数画像SKと、総入賞数画像SNとを含む遊技結果画像YZが、「特定表示」に相当した。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、遊技結果画像YZに含まれる4つの表示画像(総入賞数画像SN、総発射数画像SH、総獲得数画像SK、差玉数到達画像KN)のうち、少なくとも1つの表示画像が、「特定表示」に相当しても良い。また、例えば、獲得賞球数画像HD、合計総獲得賞球数HSが、「特定表示」に相当しても良い。また、例えば、差玉数画像SD、合計差玉数画像SSが、「特定表示」に相当しても良い。その他、例えば、獲得球アイコン動画HG、合計獲得球数画像HHが、「特定表示」に相当しても良い。
上記形態では、表示画面50aに遊技結果画像YZが表示されるタイミングは、過賞球異常防止機能が作動された後であった。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、表示画面50aに遊技結果画像YZが表示されるタイミングは、過賞球異常防止機能が作動される直前であっても良い。具体的には、例えば、差玉数が所定数(例えば、79999)であっても良い。また、例えば、当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)の途中で差玉数が80000以上であって、かつ当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)の実行が終了する直前(例えば、10R大当たり遊技であれば、10回目のラウンド遊技が終了したタイミング、大当たり遊技におけるエンディング中)であっても良い。その他、例えば、表示画面50aに遊技結果画像YZが表示されるタイミングは、ラッシュ状態(連荘期間)の終了直前であっても良い。本願発明の「前記遊技制御手段によって遊技が実行不能に制御される場合」とは、過賞球異常防止機能が作動される直前と、過賞球異常防止機能が作動された場合とを含むものとなっていても良い。
上記形態の遊技結果画像YZには、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、遊技領域6に配置されている第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15に入賞された遊技球の合計数の情報を示唆する総入賞数画像SNと、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、遊技者がハンドル72kを操作して、発射装置72から発射されて遊技領域6に到達された遊技球の合計数の情報を示唆する総発射数画像SHと、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、遊技者が獲得した賞球の合計数の情報を示唆する総獲得数画像SKとが含まれていた。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、遊技結果画像YZには、総入賞数画像SN、総発射数画像SH、または総獲得数画像SKのうち、いずれかの表示画像のみしか含まれないようにしても良い。また、例えば、遊技結果画像YZには、総入賞数画像SN、総発射数画像SH、または総獲得数画像SKのうち、2種類の表示画像が含まれるようにしても良い。
上記形態の遊技結果画像YZには、遊技者に差玉数が80000に到達された情報を示唆する差玉数到達画像KNは含まれていた。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、遊技結果画像YZには、遊技者に差玉数が80000に到達された情報を示唆する差玉数到達画像KNは含まれていなくても良い。
上記形態では、過賞球異常防止機能が作動されると、表示画面50aに遊技結果画像YZが表示された。しかしながら、これに限定される必要はない。また、例えば、大当たり確率が異なる複数の設定値のうちから、いずれかの設定値を設定可能なパチンコ遊技機PY1である場合には、過賞球異常防止機能が作動されると、設定されている設定値の情報を示唆する表示画像が表示されても良い。また、例えば、過賞球異常防止機能が作動されると、過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が実行不能に制御されるまでの第1大入賞口14、第2大入賞口15、第1始動口11、第2始動口12などいった各入賞口への入賞数の情報を示唆する表示画像が表示されても良い。また、例えば、また、例えば、過賞球異常防止機能が作動されると、過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が実行不能に制御されるまでの大当たり遊技の実行回数の合計の情報を示唆する表示画像が表示されても良い。また、例えば、過賞球異常防止機能が作動されると、過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が実行不能に制御されるまでの初当たり回数の合計の情報を示唆する表示画像が表示されても良い。
上記第1変形例では、総発射数画像SHを表示するか否かの設定と、総獲得数画像SKを表示するか否かの設定と、総入賞数画像SNを表示するか否かの設定とが可能となっていた。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、総発射数画像SHを表示するか否かの設定、総獲得数画像SKを表示するか否かの設定、または総入賞数画像SNを表示するか否かの設定のうち、いずれかの設定ができない構成であっても良い。
上記形態の遊技結果画像YZには、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、遊技者がハンドル72kを操作して、発射装置72から発射されて遊技領域6に到達された遊技球の合計数の情報を示唆する総発射数画像SHが含まれていた。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、総発射数画像SHは、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、遊技者がハンドル72kを操作して、発射装置72から発射されて遊技領域6に到達された遊技球と、発射装置72から発射されて遊技領域6に到達されなかった遊技球との合計数の情報を示唆する表示画像であっても良い。
上記形態の第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口14、第2大入賞口15、および一般入賞口10が、「入賞口」に相当した。しかしながら、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口14、第2大入賞口15、および一般入賞口10が、「入賞口」に相当する必要はない。例えば、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口14、第2大入賞口15、または一般入賞口10のうち、いずれかの入賞口が、「入賞口」に相当しても良い。また、例えば、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口14、第2大入賞口15、または一般入賞口10のうち、2種類以上の入賞口が、「入賞口」に相当しても良い。
上記形態の総獲得数画像SKは、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、遊技者が獲得した賞球の合計数(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、または第2大入賞口15のうち、それぞれの入賞口に入賞されて付与された賞球の合計数)の情報を示唆する表示画像であった。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、総獲得数画像SKは、第1大入賞口14、または第2大入賞口15のうち、それぞれの大入賞口に入賞されて付与された賞球の合計数の情報を示唆する表示画像であって、第1始動口11と、第2始動口12と、一般入賞口10とに入賞されて付与された賞球数の情報は含まれない表示画像であっても良い。
上記形態の総入賞数画像SNは、過賞球異常防止機能が作動されるまでに、遊技領域6に配置されている第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15に入賞された遊技球の合計数の情報を示唆する表示画像であった。しかしながら、総入賞数画像SNは、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口14、第2大入賞口15、および一般入賞口10に入賞された遊技球の合計数の情報を示唆する表示画像である必要はない。例えば、総入賞数画像SNは、第1始動口11、第2始動口12、および一般入賞口10に入賞された遊技球の合計数の情報は含まれず、第1大入賞口14、および第2大入賞口15に入賞された遊技球の合計数の情報を示唆する表示画像であっても良い。
上記第5変形例のセンサ検出処理(S104)におけるステップS3110とステップS3112とが、「所定判定手段」に相当した。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、上記第6変形例の特図大当たり判定処理(特図2大当たり判定処理(S1402)、特図大当たり判定処理(S1408))のステップS1509が、「所定判定手段」に相当しても良い。また、例えば、上記第7変形例の始動入賞時処理(S4302)のステップS4408が、「所定判定手段」に相当しても良い。
上記第5変形例、上記第6変形例、および上記第7変形例での先読み演出であるアイコン予告変化演出が、「示唆演出」に相当した。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、表示画面50aに特定のエフェクト画像が表示されたり、スピーカ52から特定の音声が出力されたり、枠ランプ53や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させたり、カットイン予告、ステップアップ予告、エフェクト画像を用いた予告等が表示される先読み演出が、「示唆演出」に相当しても良い。
上記第5変形例、および上記第7変形例では、先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となると判定された場合には先読み演出が実行されない構成であった。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となると判定された場合には、先読み演出を実行するか否かの抽選(例えば、1/5の確率で当選)が行われて、その抽選結果が当選である場合には先読み演出が実行されるが、ハズレである場合には先読み演出が実行されない構成であっても良い。
上記第6変形例では、大当たり判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となると判定された場合には先読み演出が実行されない構成であった。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、大当たり判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となると判定された場合には、先読み演出を実行するか否かの抽選(例えば、1/5の確率で当選)が行われて、その抽選結果が当選である場合には先読み演出が実行されるが、ハズレである場合には先読み演出が実行されない構成であっても良い。
上記第5変形例、および上記第7変形例では、先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となると判定された場合には、先読み判定が行われない構成であった。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、先読み判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となると判定された場合には、先読み判定を行うか否かの抽選(例えば、1/5の確率で当選)が行われて、その抽選結果が当選である場合には先読み判定が行われるが、ハズレである場合には先読み判定が行われない構成であっても良い。
上記第6変形例では、大当たり判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となると判定された場合には、先読み判定が行われない構成であった。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、大当たり判定の結果が「大当たり」であって、実行予定の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数を現在の差玉数に加算した値が80000以上となると判定された場合には、先読み判定を行うか否かの抽選(例えば、1/5の確率で当選)が行われて、その抽選結果が当選である場合には先読み判定が行われるが、ハズレである場合には先読み判定が行われない構成であっても良い。
上記第8変形例では、現在の差玉数に関係なく、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検知されても賞球が払い出されずに、特定領域センサ16aによって遊技球が検知されると賞球が払い出された。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、現在の差玉数が所定数(例えば、70000)未満である場合には、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検知されると賞球が払い出されるが、特定領域センサ16aによって遊技球が検知されても賞球が払い出されない構成であっても良い。この場合、現在の差玉数が所定数(例えば、70000)以上である場合には、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検知されても賞球が払い出されずに、特定領域センサ16aによって遊技球が検知されると賞球が払い出される構成としても良い。
上記第8変形例では、現在の差玉数に関係なく、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検知されても賞球が払い出されずに、非特定領域センサ17aによって遊技球が検知されると賞球が払い出された。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、現在の差玉数が所定数(例えば、70000)未満である場合には、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検知されると賞球が払い出されるが、非特定領域センサ17aによって遊技球が検知されても賞球が払い出されない構成であっても良い。この場合、現在の差玉数が所定数(例えば、70000)以上である場合には、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検知されても賞球が払い出されずに、非特定領域センサ17aによって遊技球が検知されると賞球が払い出される構成としても良い。
上記第8変形例では、小当たり遊技、または大当たり遊技の途中でない場合に差玉数が80000以上になると、過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が不能に制御される場合と、小当たり遊技の途中で差玉数が80000以上になると、小当たり遊技の実行が終了したタイミングで過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が不能に制御される場合と、大当たり遊技(1種大当たり遊技、2種大当たり遊技)の途中で差玉数が80000以上になると、大当たり遊技(1種大当たり遊技、2種大当たり遊技)の実行が終了したタイミングで過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が不能に制御される場合とがあった。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、小当たり遊技、または大当たり遊技の途中でない場合に差玉数が80000以上になると、過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が不能に制御される場合と、小当たり遊技の途中で差玉数が80000以上になると、小当たり遊技の実行が終了したタイミングで過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が不能に制御される場合と、大当たり遊技(1種大当たり遊技、2種大当たり遊技)の途中で差玉数が80000以上になると、大当たり遊技(1種大当たり遊技、2種大当たり遊技)の実行が終了したタイミングで過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が不能に制御される場合と、時短状態中である場合に差玉数が80000以上になると、非時短状態に移行されたタイミングで過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が不能に制御される場合とがあっても良い。
上記第8変形例では、第2大入賞口15を入球した遊技球が非特定領域17を通過する状況となることは稀だが、非特定領域17を通過した遊技球が排出口から排出される構成となっていた。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、どのような入賞タイミングで第2大入賞口15へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域16を通過することが可能とすることで、小当たりは実質的には大当たりとして機能する構成である場合、非特定領域17に遊技球が通過することがほぼないため、非特定領域17を通過した遊技球が排出される排出口を設けない構成であっても良い。この場合、遊技制御用マイコン101は、第2大入賞口センサ15aによる検知に基づいて差玉数計測処理(S106)を行う前に、V有効期間設定処理(S2706)を先に行う構成であることが好適である。これにより、どのような入賞タイミングで第2大入賞口15へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域16を通過することが可能とすることで、小当たりは実質的には大当たりとして機能する構成のパチンコ遊技機であっても、第2大入賞口15に入球した遊技球が特定領域16を通過したのに、過賞球異常防止機能が作動されて遊技が実行不能に制御されてしまい、2種大当たり遊技が実行されないとったことを防止することが可能となる。
上記第9変形例において、表示画面50aにて差玉数示唆画像SB(第1差玉数示唆画像SB1、第2差玉数示唆画像SB2、第3差玉数示唆画像SB3、第4差玉数示唆画像SB4、第5差玉数示唆画像SB5)が表示される過賞球異常示唆演出が、「制御示唆演出」に相当した。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が不能に制御される可能性を示唆する演出であれば、例えば、表示画面50aに特定のエフェクト画像が表示されたり、スピーカ52から特定の音声が出力されたり、枠ランプ53や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させたり、カットイン予告、ステップアップ予告、エフェクト画像を用いた予告等が表示される演出が、「制御示唆演出」に相当しても良い。
上記第9変形例において、表示画面50aに表示される賞球加算画像NS(「+15」)が、差玉数示唆画像SBに吸収されているかのように見せる演出が、「加算報知演出」に相当した。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、差玉数が加算されたことを示す演出であれば、例えば、表示画面50aに特定のエフェクト画像が表示されたり、スピーカ52から特定の音声が出力されたり、枠ランプ53や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させたり、カットイン予告、ステップアップ予告、エフェクト画像を用いた予告等が表示される演出が、「加算報知演出」に相当しても良い。
上記第9変形例において、第1差玉数示唆画像SB1が表示される過賞球異常示唆演出の演出態様が「第1演出態様」に相当し、第2差玉数示唆画像SB2が表示される過賞球異常示唆演出の演出態様が「第2演出態様」に相当した。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、第1差玉数示唆画像SB1が表示される過賞球異常示唆演出の演出態様、第2差玉数示唆画像SB2が表示される過賞球異常示唆演出の演出態様、第3差玉数示唆画像SB3が表示される過賞球異常示唆演出の演出態様、または第4差玉数示唆画像SB4が表示される過賞球異常示唆演出の演出態様のうち、いずれの差玉数示唆画像SBが表示される過賞球異常示唆演出の演出態様が、「第1演出態様」に相当し、その過賞球異常示唆演出の演出態様よりも過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が不能に制御される可能性が高いことを示唆する過賞球異常示唆演出の演出態様が、「第2演出態様」に相当しても良い。
上記第9変形例において、過賞球異常示唆演出の演出態様の種類は、第1差玉数示唆画像SB1が表示される過賞球異常示唆演出の演出態様と、第2差玉数示唆画像SB2が表示される過賞球異常示唆演出の演出態様と、第3差玉数示唆画像SB3が表示される過賞球異常示唆演出の演出態様と、第4差玉数示唆画像SB4が表示される過賞球異常示唆演出の演出態様と、第5差玉数示唆画像SB5が表示される過賞球異常示唆演出の演出態様の5種類であった。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、過賞球異常示唆演出の演出態様の種類は、4種類以下であっても良いし、6種類以上であっても良い。
上記第9変形例では、差玉数が規定数(例えば、70000)に達すると、過賞球異常示唆演出が実行され、表示画面50aに差玉数示唆画像SBが表示された。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、規定数は70000未満であっても良いし、70001以上であっても良い。
上記第9変形例では、差玉数が70000から2001ずつ増加するごとに、表示画面50aに表示されている差玉数示唆画像SBが他の差玉数示唆画像SBに変化されていった。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、差玉数が70000から2001よりも少ない値ずつ増加するごとに、表示画面50aに表示されている差玉数示唆画像SBが他の差玉数示唆画像SBに変化されても良い。また、例えば、例えば、差玉数が70000から2001よりも多い値ずつ増加するごとに、表示画面50aに表示されている差玉数示唆画像SBが他の差玉数示唆画像SBに変化されても良い。
上記第9変形例において、表示画面50aに表示されている第1差玉数示唆画像SB1から第2差玉数示唆画像SB2への変化は、差玉数が72001に達することであった。なお、上記第9変形例の差玉数72001が、「所定数」に相当した。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、差玉数72001、差玉数74001、差玉数76001、または差玉数78001のうち、いずれかの値が、「所定数」に相当しても良い。
上記第9変形例において、差玉数が70000から2001ずつ増加するごとに、表示画面50aに表示されている差玉数示唆画像SBが他の差玉数示唆画像SBに必ず変化された。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、差玉数が70000から2001ずつ増加するごとに、表示画面50aに表示されている差玉数示唆画像SBから他の差玉数示唆画像SBに変化するか否かの変化抽選が行われ、その抽選結果に応じて、表示画面50aに表示されている差玉数示唆画像SBから他の差玉数示唆画像SBに変化する場合と、表示画面50aに表示されている差玉数示唆画像SBから他の差玉数示唆画像SBに変化しない場合とがあっても良い。
上記第9変形例において、表示画面50aに作動告知画像HBが表示される作動告知演出が、「制御報知演出」に相当した。しかしながら、これに限定される必要はない。過賞球異常防止機能が作動されて、遊技が不能に制御されることを示す演出であれば、例えば、表示画面50aに特定のエフェクト画像が表示されたり、スピーカ52から特定の音声が出力されたり、枠ランプ53や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させたり、カットイン予告、ステップアップ予告、エフェクト画像を用いた予告等が表示される演出が、「制御報知演出」に相当しても良い。
上記第9変形例において、賞球数告知画像G201が表示される賞球数告知演出が、「賞球数演出」に相当した。しかしながら、これに限定される必要はない。高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)中に第2大入賞口15への入賞によって獲得した賞球数を示す演出であれば、例えば、表示画面50aに特定のエフェクト画像が表示される演出、スピーカ52から特定の音声が出力される演出などが、「賞球数演出」に相当しても良い。
上記第9変形例において、賞球数告知画像G201は、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)中に第2大入賞口15への入賞によって獲得した賞球数を示す演出画像であった。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、賞球数告知画像G201は、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)中に、第2始動口12への入賞によって獲得した賞球数と、一般入賞口10への入賞によって獲得した賞球数、および第2大入賞口15への入賞によって獲得した賞球数との合計数を示す演出画像であっても良い。
上記第9変形例において、賞球数告知画像G201は、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)中に第2大入賞口15への入賞によって獲得した賞球数を示す演出画像であった。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、大当たり遊技状態中も、表示画面50aでの賞球数告知画像G201の表示を可能とし、この場合、賞球数告知画像G201は、大当たり遊技状態にて第1大入賞口14、または第2大入賞口15への入賞によって獲得した遊技球と、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)中に第2大入賞口15への入賞によって獲得した賞球数との合計数を示す演出画像であっても良い。
上記第9変形例において、特図1抽選で大当たりに当選し、第1特別図柄で「大当たり図柄D」が停止表示されて、実行された大当たり遊技の終了後、または特図2抽選で大当たりに当選し、第2特別図柄で「大当たり図柄F」が停止表示されて、実行された大当たり遊技の終了後には、高確非時短状態に制御された。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、特別図柄で大当たり図柄が停止表示されて、実行された大当たり遊技の終了後に高確時短状態に制御され、その高確時短状態での特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、100回)を超えると、高確非時短状態に制御されても良い。また、例えば、例えば、特別図柄で大当たり図柄が停止表示されて、実行された大当たり遊技の終了後に高確時短状態に制御され、その高確時短状態で特別図柄が小当たり図柄で停止表示された回数が特定回数(例えば、10回)を超えると、高確非時短状態に制御されても良い。
上記第9変形例の高確非時短状態が、「特定遊技状態」に相当した。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、低確時短状態が、「特定遊技状態」に相当しても良い。また、例えば、高確時短状態が、「特定遊技状態」に相当しても良い。
12.上記の実施形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域6)に配られている入球口(第1始動口11、第2始動口12)と、
前記遊技領域に配られている特別入賞口(第2大入賞口15)と、前記特別入賞口への入賞を検知する特別入賞口検知手段(第2大入賞口センサ15a)と、前記特別入賞口検知手段の下流に配された特定領域(特定領域16)への遊技球の通過を検知する特定領域検知手段(特定領域センサ16a)と、を有する特別入賞手段(第2大入賞装置15D)と、
前記入球口への入球に基づいて、当否判定を行う遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、を備え、
前記遊技制御手段は、
前記当否判定の結果が小当たりであった場合には、前記特別入賞口を開放させる小当たり遊技を実行可能とし、
前記特別入賞口に入賞した遊技球が前記特定領域を通過した場合には、遊技者にとって有利な大当たり遊技(2種大当たり遊技)を実行可能とし、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能とし、
前記特定計測数が予め定められた基準数(例えば、80000)以上になることを含む所定条件(大当たり遊技状態及び小当たり遊技以外の遊技状態で差玉数が80000に到達すること、大当たり遊技(1種大当たり遊技、2種大当たり遊技)状態の途中で80000に到達した場合にはその大当たり遊技状態が終了すること、小当たり遊技の途中で80000に到達した場合にはその小当たり遊技が終了すること)が成立した場合に、遊技を実行不能に制御し、
前記特別入賞口検知手段によって検知されても賞球が付与されることがない一方、前記特定領域検知手段によって検知されると、賞球が付与されることが可能な構成であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技者に過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能であるとともに、小当たり遊技にて特別入賞口検知手段によって検知されても賞球が付与されないため、特定領域検知手段によって検知される前に特定計測数が基準数以上になることを防止することが可能となる。これにより、遊技が実行不能に制御されて、特定領域への遊技球の通過に基づく大当たり遊技が実行されないといった遊技者とっての不利益を回避することが可能となる。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記特別入賞手段は、
前記特別入賞口検知手段の下流に配された非特定領域(非特定領域17)への遊技球の通過を検知する非特定領域検知手段(非特定領域センサ17a)を有し、
前記非特定領域検知手段によって遊技球の通過が検知されると、賞球が付与されることが可能な構成であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数以上であっても、小当たり遊技にて特別入賞口検知手段によって検知されても賞球が付与されないが、非特定領域検知手段によって検知されて賞球が付与されるため、特別入賞口に入賞して賞球が付与されないことを回避することが可能となる。
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機において、
前記特定計測数が前記基準数以上であって、かつ前記小当たり遊技の実行が終了された場合に、前記遊技制御手段によって遊技が実行不能に制御されることがあり、
前記特定計測数が前記基準数以上であって、かつ前記大当たり遊技の実行が終了された場合に、前記遊技制御手段によって遊技が実行不能に制御されることがあることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定領域検知手段によって遊技球が検知されて賞球が付与される場合に、特定計測数が基準数以上となっても、特定領域への通過に基づく大当たり遊技の実行が終了となるまでは、遊技が実行不能に制御されない。一方で、非特定領域検知手段によって遊技球が検知されて賞球が付与される場合に、特定計測数が基準数以上となっても、小当たり遊技の実行が終了となるまでは遊技が実行不能に制御されない。これにより、特定計測数が基準数以上である場合であっても、適切に大当たり遊技、小当たり遊技を遊技者に提供することが可能となる。
<手段B>
手段B1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
所定の表示を実行する演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備えた遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能とし、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることを含む所定条件(大当たり遊技状態以外の遊技状態で差玉数が80000に到達すること、大当たり遊技状態の途中で80000に到達した場合にはその大当たり遊技状態が終了すること)が成立した場合に、遊技を実行不能に制御し、
前記演出制御手段は、
前記遊技制御手段によって遊技が実行不能に制御される場合には、前記遊技機での遊技結果に関する情報を示唆する特定表示(遊技結果画像YZ(総入賞数画像SN、総発射数画像SH、総獲得数画像SK、図33(B)参照))を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準値以上になることを含む所定条件が成立して遊技機での遊技が実行不能に制御される場合には、その遊技機での遊技結果に関する情報を示唆する特定表示が実行される。これにより、過剰な賞球を付与しない遊技機を遊技者に提供することが可能となるだけでなく、特定表示によって、その遊技機での遊技結果を遊技者に確認させることが可能となる。そのため、遊技機での遊技結果に関する情報を踏まえて、今後もその遊技機で遊技を行ってもらうためのきっかけを与えることが可能となる。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
遊技球を遊技領域(遊技領域6)に向けて発射可能な発射装置(発射装置72)を備え、
前記特定表示は、
前記遊技制御手段によって遊技が実行不能に制御されるまでに、前記遊技領域に到達された遊技球の合計数に関する情報を示唆する表示(総発射数画像SH、図33(B)参照)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定表示によって、所定期間にて所定条件が成立して遊技機での遊技が実行不能に制御されるまでに、遊技領域に到達された遊技球の合計数を確認させることが可能となる。これにより、遊技機での遊技が実行不能に制御されるまでに遊技領域に到達された遊技球の合計数を踏まえて、今後もその遊技機で遊技を行ってもらうためのきっかけを与えることが可能となる。
手段B3に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記遊技機は、遊技盤(遊技盤1)に設けられた入賞口(第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口14、第2大入賞口15、一般入賞口10)に遊技球を入賞させることにより、所定数の賞球を付与可能に構成され、
前記特定表示は、
前記遊技制御手段によって遊技が実行不能に制御されるまでに、遊技者が獲得した賞球の合計数に関する情報を示唆する表示(総獲得数画像SK、図33(B)参照)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定表示によって、遊技機での遊技が実行不能に制御されるまでに、遊技者が獲得した賞球の合計数に関する情報を確認させることが可能となる。これにより、遊技機での遊技が実行不能に制御されるまでに、遊技者が獲得した賞球の合計数に関する情報を踏まえて、今後もその遊技機で遊技を行ってもらうためのきっかけを与えることが可能となる。
手段B4に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記遊技機は、遊技盤(遊技盤1)に設けられた入賞口(第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口14、第2大入賞口15、一般入賞口10)に遊技球を入賞させることにより、所定数の賞球を付与可能に構成され、
前記特定表示は、
前記遊技制御手段によって遊技が実行不能に制御されるまでに、前記入賞口に遊技球が入賞された合計回数に関する情報を示唆する表示(総入賞数画像SN、図33(B)参照)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定表示によって、遊技機での遊技が実行不能に制御されるまでに、入賞口に遊技球が入賞された合計回数に関する情報を確認させることが可能となる。これにより、遊技機での遊技が実行不能に制御されるまでに、入賞口に遊技球が入賞された合計回数からどの程度の賞球が得られたかを把握させて、今後もその遊技機で遊技を行ってもらうためのきっかけを与えることが可能となる。
<手段C>
手段C1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備えた遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能とし、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることを含む所定条件(大当たり遊技状態以外の遊技状態で差玉数が80000に到達すること、大当たり遊技状態の途中で80000に到達した場合にはその大当たり遊技状態が終了すること)が成立した場合に、遊技を実行不能に制御し、
前記演出制御手段は、
前記遊技制御手段によって遊技が実行不能に制御される可能性を示唆する制御示唆演出(過賞球異常示唆演出)を実行可能とし、
前記特定計測数が加算された場合には、前記特定計測数が加算されたことを示す加算報知演出(入球賞球獲得演出)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
例えば、賞球数に基づく特定計測数が予め定められた基準数以上になることを含む特定条件が成立されて遊技が実行不能に制御されるまで、遊技が実行不能に制御されることに対する情報が遊技者に何ら与えられない状態となってしまうのは酷である。そこで、この構成の遊技機によれば、遊技者に遊技が実行不能に制御される可能性を示唆する制御示唆演出と、特定計測数が加算されたことを示す加算報知演出を遊技者に確認させることが可能となる。これにより、過剰な賞球を付与しない遊技機を遊技者に提供することが可能となるだけでなく、遊技が実行不能に制御されるまで遊技が実行不能に制御されることに対する情報が何ら与えられない状態となることを防ぐことが可能となる。
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記制御示唆演出の演出態様には、第1演出態様(第1差玉数示唆画像SB1が表示される過賞球異常示唆演出の演出態様)と、前記第1演出態様よりも前記遊技制御手段によって遊技が実行不能に制御される可能性が高いことを示唆する第2演出態様(第2差玉数示唆画像SB2が表示される過賞球異常示唆演出の演出態様)とがあり、
前記演出制御手段は、
前記特定計測数が所定数(例えば、72001)に達すると、前記制御示唆演出の演出態様を前記第1演出態様から前記第2演出態様に変化可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が所定数に到達されると、遊技が実行不能に制御される可能性を示唆する制御示唆演出の第1演出態様が、第1演出態様よりも遊技が実行不能に制御される可能性が高いことを示唆する第2演出態様に変化される。これにより、制御示唆演出に注目している遊技者に、制御示唆演出の演出態様の変化によって、遊技が実行不能に制御される状況が近づいていることを把握させることが可能となる。
手段C3に係る発明は、
手段C1又は手段C2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記遊技制御手段によって遊技が実行不能に制御される場合には、前記遊技制御手段によって遊技が実行不能に制御されることを報知する制御報知演出(作動告知演出)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技が実行不能に制御されることを報知する制御報知演出が実行されることで、遊技者に遊技が実行不能に制御されることを適切に把握させて、遊技者に遊技を中止させるように促すことが可能となる。
手段C4に係る発明は、
手段C1から手段C3のいずれかに記載の遊技機において、
前記所定の演出を表示可能な表示部(画像表示装置50の表示画面50a)を備え、
前記演出制御手段は、
前記表示部において、遊技者が獲得した賞球数を示す賞球数演出(賞球数告知画像G201を表示する演出)と、前記制御示唆演出とを実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、表示部において、賞球数演出によって遊技者が獲得した賞球数を把握させつつ、制御示唆演出によって遊技が実行不能に制御される可能性を把握させることが可能となる。これにより、賞球数演出と制御示唆演出とによって、所定条件が成立して遊技を実行不能に制御されるまでをある程度予測させて、遊技を行わせることが可能となる。
手段C5に係る発明は、
手段C4に記載の遊技機において、
遊技球の入賞に基づいて、特定数の賞球が付与される特別入賞口(第2大入賞口15)を備え、
前記遊技制御手段は、
入球口への入球に基づいて所定の判定処理(ステップS1402、ステップS1408)を実行可能とし、
前記判定処理により小当たりと判定すると、前記特別入賞口を開放させる小当たり遊技を実行可能であり、
特定条件(大当たり図柄D、または大当たり図柄Fに基づく大当たり遊技が終了すること)が成立することで、前記小当たり遊技にて前記特別入賞口へと入賞し易い特定遊技状態(高確非時短状態)に制御可能とし、
前記演出制御手段は、
前記特定遊技状態において、前記賞球数演出と前記制御示唆演出とを実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、小当たり遊技にて特別入賞口へと遊技球を入賞させ易い特定遊技状態において、賞球数演出によって遊技者が獲得した賞球数を把握させつつ、制御示唆演出によって遊技が実行不能に制御される可能性を把握させることが可能となる。これにより、特定遊技状態にて実行される賞球数演出と制御示唆演出とによって、所定条件が成立して遊技を実行不能に制御されるまで、小当たり遊技にて特別入賞口に遊技球を入賞させてどの程度賞球数を獲得可能であるかを予測させて、遊技を行わせることが可能となる。
<手段D>
手段D1に係る発明は、
入球口(第1始動口11、第2始動口12)への入球に基づいて、当たりとなるか否かの当たり判定を行う判定手段(遊技制御用マイコン101、ステップS1402、ステップS1408)と、
前記当たり判定が行われる前に、当たりとなるか否かの事前判定を行う事前判定手段(遊技制御用マイコン101、第1先読み判定、第2先読み判定)と、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能とする計測手段(遊技制御用マイコン101、ステップS106)と、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)に到達した場合に、遊技を実行不能に制御可能とする遊技制御手段(遊技制御用マイコン101、ステップS313からステップS315、ステップS2721)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記事前判定の結果に基づいて、前記遊技制御手段によって遊技が実行不能に制御される可能性を示唆する事前示唆演出(過賞球事前示唆演出)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
賞球数に基づく特定計測数が予め定められた基準数に到達された場合に、遊技が実行不能に制御されるため、遊技が実行不能に制御されることを遊技者が事前に把握できないと、遊技者にとって不利益が生じる可能性がある。この構成の遊技機によれば、遊技者に過剰な賞球を付与しないパチンコ遊技機を提供可能であるとともに、事前判定の結果に基づく遊技が実行不要に制御される可能性を示唆する事前示唆演出によって、遊技が実行不能に制御される可能性を事前に把握させることが可能となる。これにより、遊技が実行不能に制御されることを事前に把握できないことで、遊技者にとって不利益が生じることを回避させることが可能となる。
手段D2に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機において、
前記当たり判定の結果が当たりであった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行可能とする特別遊技実行手段(遊技制御用マイコン101、S1307)と、
前記事前判定の結果に基づいて、前記特定計測数に前記特別遊技にて付与予定の賞球数を加算した値が前記基準数に到達するか否かを判定する特定判定手段(ステップS4403、図56参照)と、を備え、
前記演出制御手段は
前記特定判定手段によって前記特定計測数に前記特別遊技にて付与予定の賞球数を加算した値が前記基準数に到達すると判定された場合には、前記事前示唆演出を実行しない一方、前記特定判定手段によって前記特定計測数に前記特別遊技にて付与予定の賞球数を加算した値が前記基準数に到達しないと判定された場合には、前記事前示唆演出を実行可能とすることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定判定手段によって、特定計測数に特別遊技にて付与予定の賞球数を加算した値が基準数に到達しないと判定された場合には、事前示唆演出が実行されない。一方で、特定判定手段によって、特定計測数に特別遊技にて付与予定の賞球数を加算した値が基準数に到達すると判定された場合には、事前示唆演出が実行される。これにより、特定判定手段による特定判定の結果に応じて、事前示唆演出を適切に実行することが可能となる。
手段D3に係る発明は、
手段D1または手段D2に記載の遊技機において、
前記所定の演出を表示可能な表示部(画像表示装置50の表示画面50a)を備え、
前記演出制御手段は、
前記表示部にて、複数の演出図柄(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3)を変動表示を経て停止表示させることを可能とし、
前記事前示唆演出では、前記複数の演出図柄のうち、一の演出図柄を特殊な図柄態様(特殊図柄態様の演出図柄EZT、図31(B)、図31(D)参照)で停止表示させることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、事前示唆演出が実行されると、表示部にて停止表示される特殊な図柄態様の一の演出図柄に注目させることが可能となる。これにより、表示部を見ている遊技者に遊技が実行不能に制御される可能性があることを事前に把握させ易くなり、遊技者にとって不利益が生じる可能性をより回避させ易くすることが可能となる。
手段D4に係る発明は、
手段D3に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記事前示唆演出を実行した後に、前記当たり判定の結果が当たりであることに基づいて、前記遊技制御手段によって遊技が実行不能に制御されることを示唆する制御示唆演出(過賞球予告演出)を実行可能とし、
前記制御示唆演出では、前記複数の演出図柄を前記特殊な図柄態様で停止表示させることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、事前示唆演出が実行された後に、制御示唆演出にて事前示唆演出で用いられた特殊な図柄態様で複数の演出図柄が停止表示されることで、遊技者に強い印象を与えて、遊技が実行不能に制御されることを把握させ易くすることが可能となる。これにより、遊技者にとって不利益が生じる可能性をさらに回避させることが可能となる。
<手段E>
手段E1に係る発明は、
入球口(第1始動口11、第2始動口12)への入球に基づいて、当たりとなるか否かの当たり判定を行う判定手段(遊技制御用マイコン101、ステップS1402、ステップS1408)と、
前記当たり判定の結果が当たりであった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行可能とする特別遊技実行手段(遊技制御用マイコン101、S1307)と、
前記当たり判定を行う前に、当たりとなるか否かの事前判定を行う事前判定手段(遊技制御用マイコン101、第1先読み判定、第2先読み判定)と、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能とする計測手段(遊技制御用マイコン101、ステップS106)と、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)に到達した場合に、遊技を実行不能に制御可能とする遊技制御手段(遊技制御用マイコン101、ステップS313からステップS315、ステップS2721)と、
前記特定計測数に前記特別遊技にて付与予定の賞球数を加算した値が前記基準数に到達するか否かを判定する所定判定手段(遊技制御用マイコン101、演出制御用マイコン121、ステップS3110、ステップS3120、ステップS1509、ステップS4408)と、
所定の演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記事前判定の結果に基づいて、前記特別遊技が実行される可能性を示唆する示唆演出(アイコン予告変化演出)を実行可能とし、
前記所定判定手段によって前記特別遊技にて付与予定の賞球数を加算した値が前記基準数に到達しないと判定された場合には、前記示唆演出を実行可能とする一方、前記所定判定手段によって前記特別遊技にて付与予定の賞球数を加算した値が前記基準数に到達すると判定された場合には、前記示唆演出を実行しないことを可能とすることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が特別遊技にて付与予定の賞球数が加算された値が基準数に到達しないと判定された場合には、特別遊技が実行される可能性を示唆する示唆演出が実行される。一方で、特定計測数が基準数に到達されて、特定計測数が特別遊技にて付与予定の賞球数が加算された値が基準数に到達する判定された場合には、示唆演出が実行されない。これにより、遊技者に過剰な賞球を付与しないだけでなく、所定判定手段による判定の結果に応じて、適切に示唆演出を遊技者に提供することが可能となる。
手段E2に係る発明は、
手段E1に記載の遊技機において、
前記事前判定手段は、
前記所定判定手段によって前記特別遊技にて付与予定の賞球数を加算した値が前記基準数に到達しないと判定された場合には、前記事前判定を行う一方、前記所定判定手段によって前記特別遊技にて付与予定の賞球数を加算した値が前記基準数に到達すると判定された場合には、前記事前判定を行わないことが可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が特別遊技にて付与予定の賞球数が加算された値が基準数に到達しないと判定された場合には、事前判定手段による事前判定が行われる。一方で、特定計測数が特別遊技にて付与予定の賞球数が加算された値が基準数に到達すると判定された場合には、事前判定手段による事前判定が行われない。これにより、所定判定手段の判定結果に応じて事前判定が行われるか否かが調整されるため、特定計測数が基準数に到達されて遊技を実行不能に制御され得る状態でも、示唆演出を適切に遊技者に提供することが可能となる。