JP2023147277A - 接続装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】導電性が失われることを抑制しつつ、回転軸と導電体とを電気的に接続する。【解決手段】接続装置1は、回転軸2と筐体4とを電気的に接続する。接続装置1は、凹部10aを有し、回転軸2の端部に取り付けられるとともに導電性を有する第1導電部10と、一方の端部が凹部10a内に差し込まれて凹部10aの底部に当接するとともに、他方の端部が筐体4に取り付けられ、第1導電部10と筐体4とを電気的に接続する第2導電部20と、第2導電部20の外周面21bと第1導電部10の凹部10aの内周面11bとの間に設けられ、第1導電部10の凹部10aの開口部から凹部10aの底部への潤滑油の侵入を規制するシール30とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、軸受によって回転可能に支持された回転軸と、導電体と、を電気的に接続する接続装置に関する。
電動モータによって駆動される回転軸は帯電することがある。この回転軸に帯電した電荷が回転軸を支持する軸受に電流となって流れることにより、軸受に電食が生じることがある。軸受に電流が流れることを防止するため、例えば、特許文献1には、回転軸の端部に除電部材を当接させ、回転軸に帯電した電荷を除電部材を介してアース線に流すことが記載されている。
一般に、回転軸周りでは、軸受の耐久性の向上等のために潤滑油が使用されている。このような潤滑油が導電体と被接触物との間に介在すると、導電性が失われてしまう。このため、上記特許文献1では、回転軸に凸部を設けることにより、回転軸を伝って回転軸の端部と除電部材と間に潤滑油が侵入することを防止している。
例えば、上記特許文献1に記載された構成では、回転軸の回転による潤滑油の跳ね掛け等により、回転軸の端部と除電部材と間に潤滑油が侵入してしまうことがあり、導電性が失われてしまうことがある。これにより、軸受に電流が流れ、軸受に生じる電食を防止することができないことがある。
そこで、本発明は、導電性が失われることを抑制しつつ、回転軸と導電体とを電気的に接続することが可能な接続装置を提供することを目的とする。
本発明に係る接続装置は、[1]「軸受によって回転可能に支持された回転軸と、導電体と、を電気的に接続する接続装置であって、凹部を有し、前記凹部の開口部が外側を向くように前記回転軸の端部に取り付けられるとともに導電性を有する第1導電部と、一方の端部が前記凹部内に差し込まれて前記凹部の底部に当接するとともに、他方の端部が前記導電体に取り付けられ、前記第1導電部と前記導電体とを電気的に接続する第2導電部と、第2導電部における前記一方の端部の外周面と前記第1導電部の前記凹部の内周面との間に設けられ、前記第1導電部の前記凹部の開口部から前記凹部の底部への潤滑油の侵入を規制する規制構造と、を備える、接続装置。」である。
この接続装置では、第1導電部の内側に第2導電部が差し込まれて互いに接続される。つまり、接続装置では、第1導電部における凹部の内部において第1導電部と第2導電部とが電気的に接続されるため、接続部分に跳ね掛け等によって潤滑油が掛かることを抑制できる。さらに、この構成とすることにより、接続装置では、第2導電部の外周面と第1導電部の内周面との間に規制構造を設けることができ、第1導電部と第2導電部との接続部分への潤滑油の侵入をさらに抑制できる。このように、接続装置は、導電性が失われることを抑制しつつ、回転軸と導電体とを電気的に接続することができる。
上記の接続装置は、[2]「前記規制構造は、弾性変形可能な環状のシールによって構成され、前記シールは、外周縁が前記第1導電部の前記凹部の内周面に取り付けられるとともに、内周縁が前記第2導電部における前記一方の端部の外周面に摺動可能に当接する、または、内周縁が前記第2導電部における前記一方の端部の外周面に取り付けられるとともに、外周縁が前記第1導電部の前記凹部の内周面に摺動可能に当接する、上記[1]に記載の接続装置。」であってもよい。この場合、接続装置は、導電体に取り付けられた第2導部に対して、回転軸に取り付けられた第1導電体が相対回転する場合であっても、シールを用いて第1導電部と第2導電部との接続部分への潤滑油の侵入を抑制できる。
上記の接続装置は、[3]「前記規制構造は、環状のシールドによって構成され、前記シールドは、外周縁が前記第1導電部の前記凹部の内周面に取り付けられるとともに、内周縁が前記第2導電部における前記一方の端部の外周面と所定距離離間している、または、内周縁が前記第2導電部における前記一方の端部の外周面に取り付けられるとともに、外周縁が前記第1導電部の前記凹部の内周面と所定距離離間している、上記[1]に記載の接続装置。」であってもよい。この接続装置では、導電体に取り付けられた第2導部に対して、回転軸に取り付けられた第1導電体が相対回転する場合であっても、シールドを用いて第1導電部と第2導電部との接続部分への潤滑油の侵入を抑制できる。また、この接続装置では、シールドの外周縁が第1導電部の凹部の内周面と離間している、またはシールドの内周縁が第2導電部の外周面と離間している。このため、接続装置では、シールドを用いる場合であっても、第2導部に対して第1導電体が相対回転する場合の回転抵抗を抑制できる。
上記の接続装置は、[4]「前記規制構造は、前記第1導電部の前記凹部の内周面に周方向に沿って設けられた第1溝、及び前記第2導電部における前記一方の端部の外周面に周方向に沿って設けられた第2溝のうち少なくともいずれかによって形成される、上記[1]に記載の接続装置。」であってもよい。この場合、接続装置では、第1導電部の凹部の開口部から第1導電部の内周面と第2導電部の外周面との間に進入した潤滑油を、第1溝及び第2溝の少なくともいずれかに侵入させることができる。これにより、接続装置では、導電体に取り付けられた第2導部に対して、回転軸に取り付けられた第1導電体が相対回転する場合であっても、第1導電体と第2導電体との接続部分への潤滑油の侵入を抑制できる。また、接続装置では、規制構造を形成する第1溝及び第2溝の少なくともいずれかを有しているものの、第1導電部の内周面と第2導電部の外周面とは当接していない。このため、接続装置では、規制構造を形成する第1溝及び第2溝を有する場合であっても、第2導部に対して第1導電体が相対回転する場合の回転抵抗を抑制できる。
上記の接続装置は、[5]「前記第1導電部は、前記凹部の底面に設けられた凸部を有し、前記凸部が前記第2導電部の前記一方の端部に当接する、上記[1]~[4]のいずれかに記載の接続装置。」であってもよい。この場合、接続装置では、第1導電部の凸部と第2導電部とを点接触させることができ、接続部分において両者の周速の差をゼロにすることができる。これにより、接続装置は、仮に、第1導電部の凸部と第2導電部との接続部分付近まで潤滑油が侵入したとしても、第1導電部の凸部と第2導電部との間への潤滑油の侵入を抑制できる。
上記の接続装置は、[6]「前記第1導電部は、前記凹部を有し、前記回転軸に取り付けられるとともに導電性を有する本体部と、前記本体部の前記凹部の底部に取り付けられて前記凸部を構成し、導電性を有する鋼球と、を備える、上記[5]に記載の接続装置。」であってもよい。この場合、接続装置では、鋼球を用いることによって、第1導電部と第2導電部とを容易に点接触させることができる。
上記の接続装置は、[7]「前記本体部の前記凹部の底面には、前記鋼球を内側に収容する凹状の収容部が設けられ、前記収容部は、前記回転軸の回転軸線方向に沿って延在し、前記鋼球を囲む筒状の包囲部と、前記包囲部において前記収容部の前記凹状の底部側の端部から内側に向って延び、前記鋼球に当接する内側延在部と、を備える、上記[6]に記載の接続装置。」であってもよい。この接続装置では、内側延在部によって包囲部からの鋼球の脱落が防止される。また、包囲部において内側延在部が設けられていない側の端部では、第2導電部の一方の端部が鋼球に当接している。つまり、第1導電部は、包囲部の両端の開口部のうち一方の開口部に内側延在部を備えるだけで、鋼球を保持することができる。このように、この接続装置では、鋼球を保持する第1導電部の構成の簡素化を図ることができる。
上記の接続装置は、[8]「前記本体部の前記凹部の底面には、前記鋼球が配置される孔が設けられ、前記第1導電部は、前記本体部において前記孔の縁部に設けられるとともに、前記鋼球を加締めによって保持する導電性を有する保持部を更に備える、上記[6]に記載の接続装置。」であってもよい。この場合、第1導電部は、保持部による加締めによって鋼球を容易に保持できる。このため、この接続装置では、例えば、接続装置の組立時に第1導電部から鋼球が脱落することを防止でき、組立性を向上させることができる。
上記の接続装置は、[9]「前記回転軸は中空軸であり、前記第1導電部の外周面には、前記回転軸の端部の内周面に嵌め込まれて固定される嵌込部が設けられている、上記[1]~[8]のいずれかに記載の接続装置。」であってもよい。この場合、接続装置では、回転軸の回転軸線方向の大きさが大きくなることを抑制しつつ、回転軸と導電体とを電気的に接続することができる。
本発明によれば、導電性が失われることを抑制しつつ、回転軸と導電体とを電気的に接続することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において、同一又は相当する要素同士には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、接続装置1は、軸受3によって回転可能に支持された回転軸2と、筐体(導電体)4とを電気的に接続する。回転軸2は、電動モータの軸であってもよく、電動モータの軸にギヤを介して連結された軸であってもよい。本実施形態において、回転軸2の端部2a側の部分は、中空軸(中空構造)となっている。なお、回転軸2は、端部2a側の部分だけでなく、回転軸2全体が中空軸となっていてもよい。軸受3は、回転軸線Lを中心に回転可能に回転軸2を支持する。軸受3は、回転軸2を回転可能に支持することができれば、種類は特に限定されない。
筐体4は、回転軸2及び軸受3等を収容する。筐体4は導電性を有している。本実施形態において、接続装置1は、回転軸2と筐体4とを電気的に接続することにより、回転軸2から軸受3を介して筐体4へ至る導電経路よりも抵抗値の低い導電経路を形成する。
図1及び図2に示されるように、接続装置1は、第1導電部10、第2導電部20、及びシール(規制構造)30を備えている。第1導電部10は、導電性を有している。また、第1導電部10は、凹部10aを有する形状を呈している。第1導電部10は、凹部10aの開口部が外側を向くように回転軸2の端部2aに取り付けられる。
より詳細には、第1導電部10は、ボールホルダ(本体部)11、及び鋼球(凸部)12を備えている。ボールホルダ11及び鋼球12は、それぞれ導電性を有している。ボールホルダ11は、凹部10aを有する形状を呈している。ボールホルダ11は、一例として、鋼板をプレス加工することによって形成されている。
鋼球12は、例えば、軸受に用いられる玉であってもよい。鋼球12は、ボールホルダ11の凹部10aの底部に取り付けられる。ここでは、鋼球12は、一例として、ボールホルダ11の凹部10aの底部に設けられた孔に嵌め込まれ、加締めにより固定されている。このように、鋼球12は、ボールホルダ11の凹部10aの底面に設けられた凸部を構成する。鋼球12は、鋼球12の中心が回転軸2の回転中心である回転軸線L上に位置するようにボールホルダ11に取り付けられている。
本実施形態において、ボールホルダ11の外周面には、回転軸2の端部2aに設けられた中空構造の内周面2bに嵌め込まれて固定される嵌込部11aが設けられている。ボールホルダ11は、凹部10aの開口部が外側を向くように回転軸2の端部2aの内周面2bに嵌め込まれている。ボールホルダ11の嵌込部11aと回転軸2の内周面2bとは、互いに係合している。このため、ボールホルダ11は、回転軸2と一体的に回転する。鋼球12は、ボールホルダ11の凹部10a内において、第2導電部20の一方の端部(ブラシ22の端面22a)に当接する。
第2導電部20の一方の端部は、第1導電部10の凹部10a内に差し込まれ、凹部10aの底部に設けられた鋼球12に当接させられる。また、第2導電部20の他方の端部は、筐体4に取り付けられ、第1導電部10と筐体4とを電気的に接続する。より詳細には、第2導電部20は、ブラシホルダ21、ブラシ22、バネ23、及び導電端子24を備えている。
ブラシホルダ21の一方の端部は、第1導電部10の凹部10a内に差し込まれる。ブラシホルダ21の他方の端部は、筐体4に保持される。本実施形態において、筐体4は、回転軸2の回転中心となる回転軸線L上に、孔4aを有している。ブラシホルダ21は、他方の端部が孔4aに差し込まれることによって、筐体4に保持される。なお、ブラシホルダ21の外周面21bにはOリング25が取り付けられている。Oリング25は、筐体4の孔4aの内周面とブラシホルダ21の外周面21bとの間を塞いでいる。ブラシホルダ21は、一例として、樹脂によって形成されている。ブラシホルダ21は、回転軸線Lに沿って延在するホルダ孔21aを有している。
ブラシ22は、ブラシホルダ21のホルダ孔21aに差し込まれる。ブラシ22は、バネ23が設けられていない状態において、ホルダ孔21a内において回転軸線Lに沿ってスライドすることができる。ブラシ22は導電性を有している。ブラシ22としては、一例として、カーボンブラシを用いることができる。ブラシ22において第1導電部10の凹部10aの底部側(鋼球12側)の端部は、ブラシホルダ21のホルダ孔21aから所定長さ突出している。
ブラシ22において第1導電部10の凹部10aの底部側(鋼球12側)の端面22aは、鋼球12に当接する。端面22aの形状は、平坦状であってもよく、凹状(一例として、円弧状に窪む形状)であってもよく、凸状(一例として、円弧状に突出する形状)であってもよい。本実施形態において、端面22aは、鋼球12と点接触できればよい。
なお、上述したように、鋼球12は、鋼球12の中心が回転軸線L上に位置するように設けられている。このため、ブラシ22の端面22aと鋼球12とは、回転軸線L上において点接触する。これにより、回転軸2と共に第1導電部10が回転しても、ブラシ22の端面22aと鋼球12との接触点は、位置がズレない。つまり、端面22aと鋼球12との接続部分において、両者の周速の差はゼロとなる。
導電端子24は、ブラシホルダ21の他方の端部(凹部10aに差し込まれる側に対して反対側の端部)に取り付けられている。導電端子24は、筐体4の外側に設けられている。導電端子24は、導電性を有している。導電端子24の一方の端部は、ブラシホルダ21の他方の端部に埋め込まれて固定されている。導電端子24の一方の端部は、回転軸線L方向においてブラシ22と対向している。導電端子24の他方の端部は、ブラシホルダ21から外側に突出している。導電端子24の他方の端部は、ボルト26によって筐体4の外面に固定される。
バネ23は、ブラシホルダ21のホルダ孔21a内において、ブラシ22と導電端子24との間に配置されている。バネ23は、導電性を有している。バネ23は、圧縮バネである。バネ23は、ブラシ22が鋼球12に近づく方向にブラシ22を付勢する。これにより、ブラシ22は、接続装置1が取り付けられた状態において、鋼球12と点接触する。つまり、ブラシ22と鋼球12とは、電気的に接続される。
シール30は、弾性変形可能であり、環状を呈する略板状の部材である。シール30は、第2導電部20における一方の端部の外周面21bと、第1導電部10の凹部10aの内周面11bとの間に設けられている。シール30は、第1導電部10の凹部10aの開口部から凹部10aの底部への潤滑油の侵入を規制する規制構造として機能する。つまり、シール30は、ボールホルダ11の外側から、ボールホルダ11の内周面11bとブラシホルダ21の外周面21bとの間を通って、ブラシ22と鋼球12との当接部分に潤滑油が到達することを規制する。
より詳細には、シール30の外周縁30aは、ボールホルダ11の凹部10aの内周面11bに取り付けられる。また、シール30の内周縁30bは、ブラシホルダ21における一方の端部(鋼球12側の端部)の外周面21bに摺動可能に当接する。つまり、本実施形態において、シール30は、ボールホルダ11に取り付けられ、ボールホルダ11と一体的に回転する。
なお、シール30は、ブラシホルダ21に取り付けられてもよい。つまり、シール30の内周縁30bは、ブラシホルダ21における一方の端部の外周面21bに取り付けられる。シール30の外周縁30aは、ボールホルダ11の凹部10aの内周面11bに摺動可能に当接してもよい。
次に、接続装置1を用いた場合における回転軸2と筐体4との導電経路について説明する。本実施形態では、ボールホルダ11、鋼球12、ブラシ22、バネ23、及び導電端子24が導電性を有している。このため、回転軸2は、ボールホルダ11、鋼球12、ブラシ22、バネ23、及び導電端子24を介して筐体4に電気的に接続される。つまり、ボールホルダ11、鋼球12、ブラシ22、バネ23、及び導電端子24は、回転軸2と筐体4とを電気的に接続する導電経路となる。これにより、回転軸2が回転状態であったとしても、回転軸2と筐体4とが電気的に接続される。
以上のように、この接続装置1では、第1導電部10の内側に第2導電部20が差し込まれて互いに接続される。つまり、接続装置1では、第1導電部10における凹部10aの内部において第1導電部10と第2導電部20とが電気的に接続されるため、接続部分に跳ね掛け等によって潤滑油が掛かることを抑制できる。さらに、この構成とすることにより、接続装置1では、第2導電部20の外周面21bと第1導電部10の内周面11bとの間に規制構造としてのシール30を設けることができ、鋼球12とブラシ22との接続部分への潤滑油の侵入をさらに抑制できる。このように、接続装置1は、導電性が失われることを抑制しつつ、回転軸2と筐体4とを電気的に接続することができる。これにより、接続装置1は、軸受3に電流が流れることを抑制でき、軸受3の電食を防止できる。
また、接続装置1は、第2導電部20の外周面21bと第1導電部10の内周面11bとの間から鋼球12側へ潤滑油が侵入することを規制する規制構造として、環状のシール30を用いている。シール30の外周縁30aはボールホルダ11の内周面11bに取り付けられ、シール30の内周縁30bはブラシホルダ21の外周面21bに摺動可能に当接している。この場合、接続装置1は、第2導電部20に対して第1導電部10が相対回転する場合であっても、シール30を用いて鋼球12とブラシ22との接続部分への潤滑油の侵入を抑制できる。
第1導電部10は、ボールホルダ11の凹部10aの底部に設けられた鋼球12を有している。この場合、接続装置1では、鋼球12を用いることによって、第1導電部10と第2導電部20とを容易に点接触させることができる。そして、接続装置1は、第1導電部10の鋼球12と第2導電部20のブラシ22の端面22aと点接触させることができるため、接続部分において両者の周速の差をゼロにすることができる。これにより、接続装置1は、仮に、鋼球12とブラシ22の端面22aとの接続部分付近まで潤滑油が侵入したとしても、鋼球12とブラシ22の端面22aとの間への潤滑油の侵入を抑制できる。
回転軸2の端部2aは、中空軸となっている。ボールホルダ11の外周面には、回転軸2の端部2aの内周面2bに嵌め込まれて固定される嵌込部11aが設けられている。この場合、接続装置1では、回転軸2の回転軸線L方向の大きさが大きくなることを抑制しつつ、回転軸2と筐体4とを接続装置1によって電気的に接続することができる。
(第1変形例)
次に、接続装置の第1変形例について説明する。以下では、実施形態に係る接続装置1との相違点を中心に説明し、同様の構成要素については同一符号を付して詳細な説明を省略する。図3及び図4に示されるように第1変形例に係る接続装置1Aは、実施形態におけるシール30に代えて、シールド40を備えている。
次に、接続装置の第1変形例について説明する。以下では、実施形態に係る接続装置1との相違点を中心に説明し、同様の構成要素については同一符号を付して詳細な説明を省略する。図3及び図4に示されるように第1変形例に係る接続装置1Aは、実施形態におけるシール30に代えて、シールド40を備えている。
シールド40は、環状を呈する略板状の部材である。例えば、シールド40は、鋼板をプレス加工することによって形成されてもよい。シールド40は、第2導電部20における一方の端部の外周面21bと、第1導電部10の凹部10aの内周面11bとの間に設けられている。シールド40は、第1導電部10の凹部10aの開口部から凹部10aの底部への潤滑油の侵入を規制する規制構造として機能する。
より詳細には、シールド40の外周縁40aは、ボールホルダ11の凹部10aの内周面11bに取り付けられる。また、シールド40の内周縁40bは、ブラシホルダ21における一方の端部(鋼球12側の端部)の外周面21bと所定距離離間している。ここでの所定距離とは、シールド40の内周縁40bとブラシホルダ21の外周面21bとの隙間を通って潤滑油が鋼球12側に侵入することを規制(抑制)できる僅かな隙間とすることができる。つまり、本実施形態において、シールド40は、ボールホルダ11に取り付けられ、ボールホルダ11と一体的に回転する。
なお、シールド40は、ブラシホルダ21に取り付けられてもよい。つまり、シールド40の内周縁40bは、ブラシホルダ21における一方の端部の外周面21bに取り付けられる。シールド40の外周縁40aは、ボールホルダ11の凹部10aの内周面11bと所定距離離間していてもよい。
この接続装置1Aでは、第2導電部20に対して第1導電部10が相対回転する場合であっても、シールド40を用いることによって、鋼球12とブラシ22との接続部分への潤滑油の侵入を抑制できる。また、接続装置1Aでは、シールド40の内周縁40bが第2導電部20(ブラシホルダ21)の外周面21bと離間している。このため、接続装置1Aでは、シールド40を用いる場合であっても、第2導電部20に対して第1導電部10が相対回転する場合の回転抵抗を抑制できる。
(第2変形例)
次に、接続装置の第2変形例について説明する。図5及び図6に示されるように第2変形例に係る接続装置1Bは、第1導電部10B、第2導電部20B、及び第1導電部10Bに設けられた規制構造50を備えている。
次に、接続装置の第2変形例について説明する。図5及び図6に示されるように第2変形例に係る接続装置1Bは、第1導電部10B、第2導電部20B、及び第1導電部10Bに設けられた規制構造50を備えている。
規制構造50は、第2導電部20Bにおける一方の端部の外周面27bと第1導電部10Bの凹部10aの内周面13bとの間に設けられ、第1導電部10Bの凹部10aの開口部から凹部10aの底部への潤滑油の侵入を規制する。規制構造50の詳細については後述する。
第2導電部20Bは、上記実施形態におけるブラシホルダ21に代えて、形状の異なるブラシホルダ27を備えている。ブラシホルダ27の一方の端部は、第1導電部10Bの凹部10a内に差し込まれる。ブラシホルダ27の他方の端部は、筐体4に保持される。ブラシホルダ27は、回転軸線Lに沿って延在するホルダ孔27aを有している。ホルダ孔27a内に、ブラシ22が配置される。本変形例において、ブラシホルダ27のうち、少なくとも、第1導電部10の凹部10a内に差し込まれる部分の外径(太さ)は一定となっている。
第1導電部10Bは、上記実施形態における第1導電部10のボールホルダ11に代えて、形状の異なるボールホルダ(本体部)13を備えている。ボールホルダ13は、導電性を有している。ボールホルダ13は、凹部10aを有する形状を呈している。ボールホルダ13には鋼球12が取り付けられている。ボールホルダ13の外周面には、回転軸2の端部2aに設けられた中空構造の内周面2bに嵌め込まれて固定される嵌込部13aが設けられている。ボールホルダ13は、凹部10aの開口部が外側を向くように回転軸2の端部2aの内周面2bに嵌め込まれる。
ボールホルダ13の内周面13bには、周方向に沿って延在する溝(第1溝)13cが複数設けられている。なお、ボールホルダ13の内周面13bとブラシホルダ27の外周面27bとの隙間が小さくなるように、ボールホルダ13及び/又はブラシホルダ27の大きさが設定されている。ここでの隙間が小さいとは、ボールホルダ13の内周面13bとブラシホルダ27の外周面27bとの隙間を通って潤滑油が鋼球12側に侵入することを抑制できる僅かな隙間とすることができる。
このように、溝13cが設けられていることにより、凹部10aの外側からボールホルダ13とブラシホルダ27との間を通って鋼球12へ至るまでの間にラビリンス構造が形成される。つまり、溝13cによって、第1導電部10Bの凹部10aの開口部から凹部10aの底部への潤滑油の侵入を規制する規制構造50が形成される。
なお、ボールホルダ13の内周面13bに溝13cを設けたが、ブラシホルダ27の外周面27bに周方向に沿って延在する複数の溝(第2溝)が設けられていてもよい。また、ボールホルダ13の内周面13b及びブラシホルダ27の外周面27bの両方にそれぞれ溝が設けられていてもよい。
この接続装置1Bでは、第1導電部10Bの凹部10aの開口部からボールホルダ13の内周面13bとブラシホルダ27の外周面27bとの間に進入した潤滑油を、溝13cに侵入させることができる。これにより、接続装置1Bでは、第2導電部20Bに対して第1導電部10Bが相対回転する場合であっても、鋼球12とブラシ22との接続部分への潤滑油の侵入を抑制できる。
この接続装置1Bでは、規制構造50を形成する溝13cを有しているものの、ボールホルダ13の内周面13bとブラシホルダ27の外周面27bとは当接していない。このため、接続装置1Bでは、規制構造50を形成する溝13cを用いる場合であっても、第2導電部20Bに対して第1導電部10Bが相対回転する場合の回転抵抗を抑制できる。また、ボールホルダ13の内周面13bに溝13cを設けることによって規制構造50を形成することができるため、規制構造50のための部材を新たに設ける必要が無く、部品点数の増加を抑制できる。
なお、一例として、溝13cの溝幅(回転軸線L方向の幅)は、ボールホルダ13の内周面13bとブラシホルダ27の外周面27bとの隙間よりも大きくてもよい。この場合、ボールホルダ13の内周面13bとブラシホルダ27の外周面27bとの隙間に入り込んだ潤滑油を溝13cに侵入し易くすることができる。これにより、接続装置1Bは、鋼球12とブラシ22との接続部分への潤滑油の侵入をより一層抑制できる。
以上、本発明の実施形態及び各種の変形例について説明したが、本発明は、上記実施形態及び各種の変形例に限定されるものではない。例えば、第1導電部10に鋼球12を設けたが、ブラシ22の先端部に鋼球が取り付けられ、この鋼球が第1導電部10の凹部の底面に当接していてもよい。変形例に係る第1導電部10Bも同様に、ブラシ22の先端部に鋼球が取り付けられていてもよい。
接続装置1等は、回転軸2と筐体4とを電気的に接続したが、筐体4以外の導電体と回転軸2とを電気的に接続してもよい。また、ブラシホルダ21及び27は、導電性を有していてもよい。この場合、ブラシホルダ21及び27は、回転軸2と筐体4との導電経路の一部として機能してもよい。
実施形態における接続装置1では、ボールホルダ11の嵌込部11aが回転軸2の内周面2bに嵌め込まれることにより、ボールホルダ11が回転軸2に固定されていた。この固定方法に限定されず、例えば、ボールホルダ11の凹部10aの開口縁から外側に向けて張り出すフランジ部11f(図1参照)が、回転軸2の端部2aにボルト等によって固定されてもよい。この場合、ボールホルダ11の外周面(上述の嵌込部11aの部分)が回転軸2の内周面2bに当接していなくてもよい。変形例に係るボールホルダ11及び13も、この固定方法と同様の方法が採用されてもよい。
また、上記実施形態において、鋼球12はボールホルダ11に加締めによって固定されていた。この鋼球12を加締めによって固定する具体的方法の一例について説明する。なお、ここで説明する加締め方法は一例であり、これ以外の方法が採用されてもよい。図7に示されるように、鋼球12が加締めによって固定される前の状態において、第1導電部10は、ボールホルダ11、鋼球12、及び導電性を有する変形部14aを備えている。
ボールホルダ11における凹部10aの底面には、鋼球12が配置される孔11cが設けられている。孔11cは、内側に鋼球12を嵌め込み可能な大きさとなっている。変形部14aは、ボールホルダ11の孔11cの縁部に設けられる。変形部14aは、この例では、ボールホルダ11が取り付けられる回転軸2の回転軸線L方向に沿って延在する筒状(例えば円筒状)を呈している。また、変形部14aは、孔11cの縁部からボールホルダ11の外側に向って延在している。筒状の変形部14aの内側には、鋼球12が配置可能となっている。
この例では、土台B1とプレス型B2とを用いて、変形部14a及びボールホルダ11における孔11cの周囲の部位を変形させ、加締めにより鋼球12をボールホルダ11に固定する。ここでは、土台B1には、変形部14aの先端部が当接させられる傾斜面B1aが形成されている。傾斜面B1aは、変形部14aの先端部の径を小さくする方向に傾斜している。プレス型B2は、ボールホルダ11の凹部10aの内側に配置される。プレス型B2は、ボールホルダ11の孔11cの周囲を囲む筒状を呈している。プレス型B2の先端部には、傾斜面B2aが形成されている。傾斜面B2aは、ボールホルダ11における孔11cの周囲の部位(ボールホルダ11の底面の部材)を孔11c側に寄せ集める方向に傾斜している。
この状態でプレス型B2を土台B1側に押し付けることにより、傾斜面B1aによって変形部14aが変形し、さらに傾斜面B2aによってボールホルダ11の内側において孔11cの周囲の部位が変形する。これにより、図8に示されるように、鋼球12を保持する保持部14が形成される。なお、ここでは、一例として、保持部14がボールホルダ11の内側及び外側の両方に延在する場合が示されている。
なお、傾斜面B1aは、鋼球12の形状に沿って変形部14aを変形させることができるように、湾曲した面となっていてもよい。同様に、傾斜面B2aは、湾曲した面となっていてもよい。傾斜面B1a及び傾斜面B2aの形状は、加締めによって鋼球12を固定できるように、適切な形状が採用され得る。
このように、第1導電部10は、ボールホルダ11の孔11cの縁部に設けられるとともに、加締めによって鋼球12を保持する保持部14を備えている。この場合、第1導電部10は、保持部14による加締めによって鋼球12を容易に保持できる。このため、この第1導電部10を備える接続装置1では、例えば、接続装置1の組立時に第1導電部10から鋼球12が脱落することを防止でき、組立性を向上させることができる。変形例に係るボールホルダ11及び13も、この加締め方法が採用されてもよい。
また、上記実施形態及び各変形例では、鋼球12を第1導電部10に加締めによって取り付けたが、加締め以外の方法によって鋼球12が第1導電部10に固定されてもよい。具体的には、例えば、図9に示される第1導電部10Cは、ボールホルダ11、鋼球12、及び収容部15を備えている。ボールホルダ11、鋼球12、及び収容部15は、それぞれ導電性を有している。
収容部15は、凹状を呈し、ボールホルダ11における凹部10aの底面に設けられている。収容部15は、鋼球12を内側に収容することができる。つまり、収容部15は、ボールホルダ11の底部から外側に突出している。
収容部15は、包囲部15a、及び内側延在部15bを備えている。包囲部15aは、回転軸2の回転軸線L方向に沿って延在し、鋼球12を囲む筒状(例えば円筒状)を呈している。内側延在部15bは、包囲部15aにおいて凹状の収容部15の底部側の端部から内側に向って延びている。つまり、内側延在部15bは、凹状の収容部15の底部を構成する。内側延在部15bは、包囲部15a内に収容された鋼球12に当接する。
この第1導電部10Cを備える接続装置では、内側延在部15bによって包囲部15aからの鋼球12の脱落が防止される。また、包囲部15aにおいて内側延在部15bが設けられていない側の端部では、第2導電部20のブラシ22(第2導電部の一方の端部)が鋼球12に当接している。つまり、第1導電部10Cは、包囲部15aの両端の開口部のうち一方の開口部に内側延在部15bを備えるだけで、鋼球12を保持することができる。このように、この接続装置では、鋼球12を保持する第1導電部10Cの構成の簡素化を図ることができる。
1,1A,1B…接続装置、2…回転軸、3…軸受、4…筐体(導電体)、10,10B,10C…第1導電部、10a…凹部、11,13…ボールホルダ(本体部)、11a,13a…嵌込部、11b,13b…内周面、11c…孔、12…鋼球(凸部)、13c…溝(第1溝、規制構造)、14…保持部、15…収容部、15a…包囲部、15b…内側延在部、20,20B…第2導電部、21b,27b…外周面、30…シール(規制構造)、30a…外周縁、30b…内周縁、40…シールド(規制構造)、40a…外周縁、40b…内周縁、50…規制構造。
Claims (9)
- 軸受によって回転可能に支持された回転軸と、導電体と、を電気的に接続する接続装置であって、
凹部を有し、前記凹部の開口部が外側を向くように前記回転軸の端部に取り付けられるとともに導電性を有する第1導電部と、
一方の端部が前記凹部内に差し込まれて前記凹部の底部に当接するとともに、他方の端部が前記導電体に取り付けられ、前記第1導電部と前記導電体とを電気的に接続する第2導電部と、
第2導電部における前記一方の端部の外周面と前記第1導電部の前記凹部の内周面との間に設けられ、前記第1導電部の前記凹部の開口部から前記凹部の底部への潤滑油の侵入を規制する規制構造と、
を備える、接続装置。 - 前記規制構造は、弾性変形可能な環状のシールによって構成され、
前記シールは、
外周縁が前記第1導電部の前記凹部の内周面に取り付けられるとともに、内周縁が前記第2導電部における前記一方の端部の外周面に摺動可能に当接する、
または、内周縁が前記第2導電部における前記一方の端部の外周面に取り付けられるとともに、外周縁が前記第1導電部の前記凹部の内周面に摺動可能に当接する、請求項1に記載の接続装置。 - 前記規制構造は、環状のシールドによって構成され、
前記シールドは、
外周縁が前記第1導電部の前記凹部の内周面に取り付けられるとともに、内周縁が前記第2導電部における前記一方の端部の外周面と所定距離離間している、
または、内周縁が前記第2導電部における前記一方の端部の外周面に取り付けられるとともに、外周縁が前記第1導電部の前記凹部の内周面と所定距離離間している、請求項1に記載の接続装置。 - 前記規制構造は、前記第1導電部の前記凹部の内周面に周方向に沿って設けられた第1溝、及び前記第2導電部における前記一方の端部の外周面に周方向に沿って設けられた第2溝のうち少なくともいずれかによって形成される、請求項1に記載の接続装置。
- 前記第1導電部は、前記凹部の底面に設けられた凸部を有し、
前記凸部が前記第2導電部の前記一方の端部に当接する、請求項1に記載の接続装置。 - 前記第1導電部は、
前記凹部を有し、前記回転軸に取り付けられるとともに導電性を有する本体部と、
前記本体部の前記凹部の底部に取り付けられて前記凸部を構成し、導電性を有する鋼球と、
を備える、請求項5に記載の接続装置。 - 前記本体部の前記凹部の底面には、前記鋼球を内側に収容する凹状の収容部が設けられ、
前記収容部は、
前記回転軸の回転軸線方向に沿って延在し、前記鋼球を囲む筒状の包囲部と、
前記包囲部において前記収容部の前記凹状の底部側の端部から内側に向って延び、前記鋼球に当接する内側延在部と、
を備える、請求項6に記載の接続装置。 - 前記本体部の前記凹部の底面には、前記鋼球が配置される孔が設けられ、
前記第1導電部は、前記本体部において前記孔の縁部に設けられるとともに、前記鋼球を加締めによって保持する導電性を有する保持部を更に備える、請求項6に記載の接続装置。 - 前記回転軸は中空軸であり、
前記第1導電部の外周面には、前記回転軸の端部の内周面に嵌め込まれて固定される嵌込部が設けられている、請求項1~8のいずれか一項に記載の接続装置。
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2023
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