JP2023147211A - 金属酸化物粒子を用いた被膜の屈折率調整方法 - Google Patents

金属酸化物粒子を用いた被膜の屈折率調整方法 Download PDF

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佳代 稲見
Kayo Inami
拓 加藤
Hiroshi Kato
翔太 井上
Shota Inoue
勲 安達
Isao Adachi
祐樹 高山
Yuki Takayama
秀幸 遠藤
Hideyuki Endo
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Abstract

【課題】 動的光散乱法による測定粒子径(D1)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)の比が特定の比率の金属酸化物粒子(A)とマトリックス形成樹脂(B)と溶媒(C)とを有する組成物を用いる事により、被膜の屈折率を調整する方法と、これら被膜を有する反射防止膜や塗料の製造方法を提供。【解決課題】 動的光散乱法による測定粒子径(D1)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)の比(D1)/(D2)が2以上である金属酸化物粒子(A)と、マトリックス形成樹脂(B)と、溶媒(C)とを、質量比で(A):(B)=100:0~0:100の範囲で含む組成物をガス雰囲気中で該ガスと該粒子が接触する条件下で混合した後に、基材上に被覆してエネルギー照射により被膜を形成する事を特徴とする被膜の屈折率調整方法。上記比(D1)/(D2)が5~100である。【選択図】 図1

Description

金属酸化物粒子とマトリックス樹脂と溶媒とを含む組成物による被膜の屈折率調整方法であり、それら調整方法を用いた材料の製造方法に関する。
金属酸化物とは金属と酸素から成る化合物の総称である。一般的に電気を通さない絶縁物であるが、導電性、屈折率、高硬度、紫外線遮蔽性、赤外線遮蔽性、耐擦傷性、表面活性の高さなど金属酸化物の持つ物理的・化学的性質は特異的で多彩である。
例えば、金属酸化物の屈折率の特徴を活かした組成物特許には以下がある。
特許文献1では高屈折率と平坦化性が高い硬化物を得ることができる、金属酸化物と高沸点溶媒を併用した組成物を報告している。
特許文献2では、波長589.3nm(Na-D線)における屈折率が1.8以上である金属酸化物を主体とするマトリックス中に特定の粒径の有機ポリマー粒子を金属酸化物中に分散させてコンポジット化することによって嵩比重が低くなり、沈降しにくい水性顔料を形成することを報告している。
また金属酸化物の光散乱性を利用し、物性をコントロールした特許には以下がある。
特許文献3では、極微量の光反射性微粒子および酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化チタン等に代表される光拡散性微粒子の少なくともいずれか一方をバインダ中に分散させて透明光散乱層を形成することにより、光を散乱反射させることで表示された画像の視認性を向上することのできる視認性向上フィルムを報告している。
同様に特許文献4では金属酸化物の光散乱性を利用した視認性向上フィルムが提案されている。粒子の平均粒子径と、体積基準の累積分布から得られる90%粒子径を制御することで、映り込み防止とギラつき防止を両立できることを報告している。また金属酸化物から成る反射防止層を多層被覆させることにより、可視領域の反射を低減する光学物品についても報告されている(特許文献5)。
このように金属酸化物を利用した組成物、物性の制御や用途物に関する特許は多数報告されている。
特許文献6では、波長550nmでの屈折率が1.9以上の高屈折率層と屈折率が1.6以下の低屈折率層とを積層した構成、もしくは膜マトリックス中に中空粒子又は空孔を混在させた波長550nmでの屈折率が1.2~1.4の層を含む構成の反射防止層について報告されている。ここでは中空粒子又は空孔を混在させて調整した屈折率について言及されているが、屈折率の調整方法に関して具体的な例示はなかった。またこれまでにも金属酸化物を使用して屈折率を調整する方法について言及されることは皆無であった。
鎖状シリカ粒子とアルコキシシランの加水分解液を含む塗布液を用いて、高屈層と低屈層の積層構造体を基板上に形成する物品が開示されている(特許文献7)。
特開2019-203932 特許第5897303号 特開2021-157176 特開2020-12296 特表2019-515352 特開2021-101569 国際公開WO2014/042129号パンフレット
本発明は特例形状の金属酸化物粒子とマトリックス形成樹脂と溶媒を含む組成物を基板上に成膜して被膜を形成する事で、金属酸化物粒子とマトリックス形成樹脂を特定比率で含む被膜が成膜過程でガスを取り込む事で得られた被膜の屈折率を調整する方法と、その方法で得られた材料の製造方法を提供しようとするものである。
即ち、動的光散乱法による測定粒子径(D1)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)の比が特定の比率の金属酸化物粒子(A)とマトリックス形成樹脂(B)と溶媒(C)とを有する組成物を用いる事により、被膜の屈折率を調整する方法と、これら被膜を有する反射防止膜や塗料の製造方法を提供する事が可能である。
本発明は第1観点として、動的光散乱法による測定粒子径(D1)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)の比(D1)/(D2)が2以上である金属酸化物粒子(A)と、マトリックス形成樹脂(B)と、溶媒(C)とを、質量比で(A):(B)=100:0~0:100の範囲で含む組成物をガス雰囲気中で該ガスと該粒子が接触する条件下で混合した後に、基材上に被覆してエネルギー照射により被膜を形成する事を特徴とする被膜の屈折率調整方法、
第2観点として、溶媒(C)が水又は有機溶媒である第1観点に記載の被膜の屈折率調整方法、
第3観点として、金属酸化物粒子(A)の動的光散乱法による測定粒子径(D1)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)の比(D1)/(D2)が5~100である第1観点に記載の被膜の屈折率調整方法、
第4観点として、マトリックス形成樹脂(B)が溶媒(C)に溶解可能な重量平均分子量500~5000000の有機ポリマー、ポリオルガノシロキサン、又はセルロースである第1観点に記載の被膜の屈折率調整方法、
第5観点として、金属酸化物粒子(A)が式(1)乃至式(3)からなるシランカップリング剤の加水分解物、及び(メタ)アクリル系ポリマー:
(式(1)中、Rはそれぞれアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、又は(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、ウレイド基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi-C結合によりケイ素原子と結合しているものであって、Rはそれぞれアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、aは1~3の整数を示し、
式(2)及び式(3)中、R及びRはそれぞれ炭素原子数1~3のアルキル基、又は炭素原子数6~30のアリール基で且つSi-C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R及びRはそれぞれアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、Yはアルキレン基、NH基、又は酸素原子を示し、bは1~3の整数であり、cは0又は1の整数であり、dは1~3の整数である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の被覆物である第1観点に記載の被膜の屈折率調整方法、
第6観点として、エネルギー照射が加熱又は紫外線照射である第1観点に記載の被膜の屈折率調整方法、
第7観点として、上記組成物が上記金属酸化物(A):上記マトリックス形成樹脂(B)を0.1~99.9:99.9~0.1の質量割合と、溶媒(C)とを含む水又は有機の溶媒分散液である第1観点に記載の被膜の屈折率調整方法、
第8観点として、上記金属酸化物がシリカ粒子、フッ化物粒子、又はそれらの複合粒子である第1観点に記載の被膜の屈折率調整方法、
第9観点として、上記ガスが10%~100%の湿度を有する空気である第1観点に記載の被膜の屈折率調整方法、
第10観点として、被膜が被膜中の金属酸化物(A)とマトリックス成分(B)を含む混合物の推定屈折率より低い屈折率領域と高い屈折率領域とを備えた被膜である第1観点に記載の被膜の屈折率調整方法、
第11観点として、推定屈折率より低い屈折率領域を有する被膜が、被膜中に上記金属酸化物粒子(A)と、マトリックス形成樹脂(B)が質量比として(A):(B)=75~25:99~1の割合で含有するものである第10観点に記載の屈折率調整方法、
第12観点として、推定屈折率より低い屈折率領域を形成するための組成物が、上記樹脂を溶解する溶媒(C1)とその溶媒より低い沸点を有する溶媒(C2)の混合物からなる溶媒(C)を用いるものである第10観点に記載の屈折率調整方法、
第13観点として、推定屈折率より高い屈折率領域を有する被膜が、被膜中に上記金属酸化物粒子(A)と、マトリックス形成樹脂(B)が質量比として(A):(B)=20~80:75~25の割合で含有するものである第10観点に記載の屈折率調整方法、
第14観点として、推定屈折率より高い屈折率領域を形成するための組成物が、上記樹脂を溶解する溶媒(C1)とその溶媒より高い沸点を有する溶媒(C2)の混合物からなる溶媒(C)を用いるものである第10観点に記載の屈折率調整方法、
第15観点として、第1観点乃至第14観点の何れか一つに記載の屈折率調整方法によって得られた被膜を基材上に有する積層体の製造方法、
第16観点として、被膜が、反射防止膜、可視光域での透明性被膜、又は無機質顔料若しくは有機質染料を含む色素含有被膜である第15観点に記載の積層体の製造方法、
第17観点として、上記無機質顔料又は有機質染料が、請求項4に記載の式(1)乃至式(3)からなるシランカップリング剤の加水分解物、及びアクリル系ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物による被覆物である第16観点に記載の積層体の製造方法である。
本発明は動的光散乱法による測定粒子径(D1)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)の比(D1)/(D2)が2以上である金属酸化物粒子(A)と、マトリックス形成樹脂(B)と、溶媒(C)とを含む組成物がガス雰囲気中で、該ガスと該粒子が接触する条件下で混合して基板上に成膜することを特徴とする被膜の屈折率調整方法である。上記 金属酸化物粒子(A)は動的光散乱法による測定粒子径と窒素ガス吸着法による測定粒子径との比が特定形状を有するものである。
溶媒(C)は水又は有機溶媒を用いる事ができる。
この金属酸化物粒子(A)はマトリックス形成樹脂(B)と溶媒(C)とを含む組成物中で、上記(A):(B)が割合として100:0~0:100の範囲で任意に比率を変更した組成物を基板上に被覆して外部エネルギーの照射によって形成された被膜の屈折率を変化させ、その上記(A):(B)の割合に応じて屈折率を調整する事が可能である。
これは金属酸化物粒子(A)とマトリックス形成樹脂(B)と溶媒(C)とを含む組成物を基板上にガス雰囲気中で被覆する時に、該ガスと該粒子が接触する条件下で混合した後に基板上に被覆する事により、特定形状の粒子がガスを粒子間に巻き込み組成物中に微細な気泡が混入すると考えられる。
そのような組成物を基板に塗布して硬化する事により得られた塗膜には多くの微細な気泡が存在する事となる。これら気泡は金属酸化物粒子(A)の粒子径又はそれ以下の粒子径に相当する直径の気泡が存在するものと考えられ、それら気泡を含んだ被膜は屈折率が変化するものである。
気泡の含有割合は上記(A):(B)の割合において、(A)成分の含有割合に応じて増加し、気泡の増加に応じて被膜の屈折率は低下する傾向にある。
実施例1~実施例14の組成物の被膜中の金属酸化物粒子(A)とマトリックス形成樹脂(B)の比率に応じた屈折率の変化を示した図である。 実施例15~実施例28の組成物の被膜中の金属酸化物粒子(A)とマトリックス形成樹脂(B)の比率に応じた屈折率の変化を示した図である。 比較例1~比較例14の組成物の被膜中の金属酸化物粒子(A)とマトリックス形成樹脂(B)の比率に応じた屈折率の変化を示した図である。 実施例33~実施例44の組成物の被膜中の金属酸化物粒子(A)とマトリックス形成樹脂(B)の比率に応じた屈折率の変化を示した図である。
本発明は動的光散乱法による測定粒子径(D1)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)の比(D1)/(D2)が2以上である金属酸化物粒子(A)と、マトリックス形成樹脂(B)と、溶媒(C)とを、(A):(B)=100:0~0:100の範囲で含む組成物をガス雰囲気中で該ガスと該粒子が接触する条件下で混合した後に、基材上に被覆してエネルギー照射により被膜を形成する事を特徴とする被膜の屈折率調整方法である。
上記溶媒(C)は水又は有機溶媒を用いる事ができる。
本発明に用いられる金属酸化物粒子(A)は、シリカ粒子、フッ化物粒子、又はそれらの複合粒子であり、例えばシリカ粒子、フッ化マグネシウム粒子、フッ化カルシウム粒子等が挙げられる。更に、上記フッ化物の表面に被覆したシリカ粒子や、シリカの表面にフッ化物層を形成したシリカ-フッ化物系粒子が挙げられる。特にナノサイズのシリカ粒子が好ましい。
これらシリカ粒子は(D1)/(D2)が2以上であり、例えば2~100、5~100、5~50の範囲が好ましい。この様なシリカ粒子は、シリカ粒子の形状において長径と短径が長径>短径を有する異形シリカ粒子、シリカ粒子が鎖状に連結した鎖状シリカ粒子が挙げられる。
動的光散乱法による測定粒子径(D1)は40~500nm、窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)は5~40nmの範囲に有する事が好ましい。
本発明に用いる金属酸化物粒子(A)は、それら金属酸化物粒子(A)が媒体に分散する金属酸化物粒子(A)の分散体(ゾル)として用いることが好ましく、媒体としては水又は有機溶媒であるが、有機溶媒としては例えばアルコール、グリコール、エーテル、エステル、ケトン、含窒素溶媒、又は芳香族系溶媒である。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、トルエン、キシレン、ジメチルエタン等の有機溶媒を例示する事ができる。
上記シリカゾルは媒体中でシリカ濃度として1~50質量%の範囲で用いる事ができる。
本発明では金属酸化物粒子(A)が式(1)乃至式(3)からなるシランカップリング剤の加水分解物、及びアクリル系ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の被覆物である事が好ましい。
式(1)中、Rはそれぞれアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、又は(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、ウレイド基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi-C結合によりケイ素原子と結合しているものであって、Rはそれぞれアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、aは1~3の整数を示し、
式(2)及び式(3)中、R及びRはそれぞれ炭素原子数1~3のアルキル基、又は炭素原子数6~30のアリール基で且つSi-C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R及びRはそれぞれアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、Yはアルキレン基、NH基、又は酸素原子を示し、bは1~3の整数であり、cは0又は1の整数であり、dは1~3の整数である。
上記アルキル基は炭素原子数1~18のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、シクロプロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、シクロブチル基、1-メチル-シクロプロピル基、2-メチル-シクロプロピル基、n-ペンチル基、1-メチル-n-ブチル基、2-メチル-n-ブチル基、3-メチル-n-ブチル基、1,1-ジメチル-n-プロピル基、1,2-ジメチル-n-プロピル基、2,2-ジメチル-n-プロピル基、1-エチル-n-プロピル基、シクロペンチル基、1-メチル-シクロブチル基、2-メチル-シクロブチル基、3-メチル-シクロブチル基、1,2-ジメチル-シクロプロピル基、2,3-ジメチル-シクロプロピル基、1-エチル-シクロプロピル基、2-エチル-シクロプロピル基、n-ヘキシル基、1-メチル-n-ペンチル基、2-メチル-n-ペンチル基、3-メチル-n-ペンチル基、4-メチル-n-ペンチル基、1,1-ジメチル-n-ブチル基、1,2-ジメチル-n-ブチル基、1,3-ジメチル-n-ブチル基、2,2-ジメチル-n-ブチル基、2,3-ジメチル-n-ブチル基、3,3-ジメチル-n-ブチル基、1-エチル-n-ブチル基、2-エチル-n-ブチル基、1,1,2-トリメチル-n-プロピル基、1,2,2-トリメチル-n-プロピル基、1-エチル-1-メチル-n-プロピル基、1-エチル-2-メチル-n-プロピル基、シクロヘキシル基、1-メチル-シクロペンチル基、2-メチル-シクロペンチル基、3-メチル-シクロペンチル基、1-エチル-シクロブチル基、2-エチル-シクロブチル基、3-エチル-シクロブチル基、1,2-ジメチル-シクロブチル基、1,3-ジメチル-シクロブチル基、2,2-ジメチル-シクロブチル基、2,3-ジメチル-シクロブチル基、2,4-ジメチル-シクロブチル基、3,3-ジメチル-シクロブチル基、1-n-プロピル-シクロプロピル基、2-n-プロピル-シクロプロピル基、1-i-プロピル-シクロプロピル基、2-i-プロピル-シクロプロピル基、1,2,2-トリメチル-シクロプロピル基、1,2,3-トリメチル-シクロプロピル基、2,2,3-トリメチル-シクロプロピル基、1-エチル-2-メチル-シクロプロピル基、2-エチル-1-メチル-シクロプロピル基、2-エチル-2-メチル-シクロプロピル基及び2-エチル-3-メチル-シクロプロピル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等があげられるが、これらに限定されない。
また、アルキレン基は上述のアルキル基から誘導されるアルキレン基を上げる事ができる。
上記アリール基は炭素原子数6~30のアリール基であり例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセン基、ピレン基等が挙げられる。
アルケニル基としては炭素数2~10のアルケニル基であり、エテニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-メチル-1-エテニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、2-メチル-1-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、1-エチルエテニル基、1-メチル-1-プロペニル基、1-メチル-2-プロペニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-n-プロピルエテニル基、1-メチル-1-ブテニル基、1-メチル-2-ブテニル基、1-メチル-3-ブテニル基、2-エチル-2-プロペニル基、2-メチル-1-ブテニル基、2-メチル-2-ブテニル基、2-メチル-3-ブテニル基、3-メチル-1-ブテニル基、3-メチル-2-ブテニル基、3-メチル-3-ブテニル基、1,1-ジメチル-2-プロペニル基、1-i-プロピルエテニル基、1,2-ジメチル-1-プロペニル基、1,2-ジメチル-2-プロペニル基、1-シクロペンテニル基、2-シクロペンテニル基、3-シクロペンテニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、4-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、1-メチル-1-ペンテニル基、1-メチル-2-ペンテニル基、1-メチル-3-ペンテニル基、1-メチル-4-ペンテニル基、1-n-ブチルエテニル基、2-メチル-1-ペンテニル基、2-メチル-2-ペンテニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。
上記アルコキシ基は炭素原子数1~10のアルコキシ基が挙げられ、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、i-ブトキシ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペンチロキシ基、1-メチル-n-ブトキシ基、2-メチル-n-ブトキシ基、3-メチル-n-ブトキシ基、1,1-ジメチル-n-プロポキシ基、1,2-ジメチル-n-プロポキシ基、2,2-ジメチル-n-プロポキシ基、1-エチル-n-プロポキシ基、n-ヘキシロキシ基等が挙げられるが、これらに限定されない。
上記アシルオキシ基は炭素原子数2~10のアシルオキシ基は、例えばメチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n-プロピルカルボニルオキシ基、i-プロピルカルボニルオキシ基、n-ブチルカルボニルオキシ基、i-ブチルカルボニルオキシ基、s-ブチルカルボニルオキシ基、t-ブチルカルボニルオキシ基、n-ペンチルカルボニルオキシ基、1-メチル-n-ブチルカルボニルオキシ基、2-メチル-n-ブチルカルボニルオキシ基、3-メチル-n-ブチルカルボニルオキシ基、1,1-ジメチル-n-プロピルカルボニルオキシ基、1,2-ジメチル-n-プロピルカルボニルオキシ基、2,2-ジメチル-n-プロピルカルボニルオキシ基、1-エチル-n-プロピルカルボニルオキシ基、n-ヘキシルカルボニルオキシ基、1-メチル-n-ペンチルカルボニルオキシ基、2-メチル-n-ペンチルカルボニルオキシ基等が挙げられるが、これらに限定されない。
上記ハロゲン基としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
上記(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基とメタクリロイル基の双方をあらわす。(メタ)アクリロイル基を有する有機基は例えば、3-メタクリロキシプロピル基、3-アクリロキシプロピル基等が挙げられる。
メルカプト基を有する有機基は例えば、3-メルカプトプロピル基が挙げられる。
アミノ基を有する有機基は例えば、2-アミノエチル基、3-アミノプロピル基、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピル基、N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)アミノプロピル基、N-フェニル-3-アミノプロピル基、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピル基等が挙げられる。
ウレイド基を有する有機基は例えば、3-ウレイドプロピル基が挙げられる。
シアノ基を有する有機基は例えば、3-シアノプロピル基が挙げられる。
上記式(2)及び式(3)はトリメチルシリル基をシリカ粒子の表面に形成できる化合物が好ましい。
それら化合物としては以下に例示することができる。
上記式中、R12はアルコキシ基であり、例えばメトキシ基、エトキシ基が挙げられる。
好ましい官能基としてトリメチルシリル基、モノメチルシリル基、ジメチルシリル基、メタクリロキシプロピルシリル基、フェニル基等であり、それに対応するシラン化合物としてヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、(メタ)アクリル系ポリマーは(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルの単独又は共重合物であり、エステルのRCOORにおいてRは炭素原子数1~10のアルキル基であり、Rは水素原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20の脂肪族環状アルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~29の酸素原子を有していても良いアリールアルキル基、グリシジル基、炭素原子数3~10の(メタ)アクリル基、炭素原子数2~10のヒドロキシアルキル基等が挙げられる。
本発明に用いるマトリックス形成樹脂(B)は溶媒(C)に溶解可能であって、特に有機溶媒に溶解可能な重量平均分子量が500~5000000の有機ポリマー又はポリオルガノシロキサンである事が好ましい。ポリオルガノシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジメチルシロキサン-ジフェニルシロキサン共重合体等のポリオルガノシロキサン、側鎖アルキル基の一部が水素原子に置換されたポリオルガノハイドロジェンシロキサン等を用いることができる。なかでもポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリフェニルシロキサン、ポリジメチルシロキサン-ジフェニルシロキサン共重合体が好ましい。これらは1分子中に3個の加水分解性基を有するポリシルセスキオキサン構造を有する事が好ましい。
本発明に用いられるマトリックス樹脂(B)は溶媒(C)に溶解可能であって、特に有機溶媒に溶解可能な重量平均分子量が500~5000000の有機ポリマーとして熱可塑性樹脂や、熱又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、脂肪族樹脂及び芳香族樹脂が挙げられる。これら樹脂としてはポリエチレン、ポリビニルピロリドン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド、ポリエーテルイミド等が挙げられる。
本発明に用いられるマトリックス樹脂(B)は溶媒(C)に溶解可能であって、特に水溶媒に溶解可能な重量平均分子量が500~5000000のセルロース、特に水溶性セルロースを用いる事ができる。
マトリックス形成樹脂(B)は熱又は光硬化性樹脂を用いる事ができる。
そしてアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、又は酸発生剤系硬化剤(熱酸発生剤、又は光酸発生剤)等の硬化剤を含み硬化物とする事ができる。本組成物は樹脂と硬化剤を含む組成物を基材に塗布又は充填して加熱、光照射、又はその組み合わせにより硬化物を形成する事ができる。硬化性樹脂はエポキシ基又は(メタ)アクリロイル基等の官能基を有する樹脂が挙げられる。
熱硬化性組成物の場合は、エポキシ基又は(メタ)アクリロイル基等の官能基に対して熱硬化剤を0.5~1.5当量、好ましくは0.8~1.2当量の割合で含有することができる。硬化性樹脂に対する熱硬化剤の当量は、官能基に対する熱硬化剤の当量比で示される。
熱硬化剤はフェノール樹脂、アミン系硬化剤、ポリアミド樹脂、イミダゾール類、ポリメルカプタン、酸無水物、熱酸発生剤等が挙げられる。特に酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤が好ましい。
これら熱硬化剤は固体であっても溶剤に溶解することによって使用することはできるが、溶剤の蒸発により硬化物の密度低下や細孔の生成により強度低下、耐水性の低下を生ずるために、硬化剤自体が常温、常圧下で液状のものが好ましい。
フェノール樹脂としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等が挙げられる。
アミン系硬化剤としては、例えばピペリジン、N,N-ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N-アミノエチルピペラジン、ジ(1-メチル-2-アミノシクロヘキシル)メタン、メンセンジアミン、イソフオロンジアミン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,3-ジアミノメチルシクロヘキサン、キシレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ジエチルトルエンジアミン等が挙げられる。これらの中で液状であるジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N-アミノエチルピペラジン、ジ(1-メチル-2-アミノシクロヘキシル)メタン、メンセンジアミン、イソフオロンジアミン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ジエチルトルエンジアミン等は好ましく用いることができる。
ポリアミド樹脂としては、ダイマー酸とポリアミンの縮合により生成するもので、分子中に一級アミンと二級アミンを有するポリアミドアミンである。
イミダゾール類としては、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテート、エポキシイミダゾールアダクト等が挙げられる。
ポリメルカプタンは、例えばポリプロピレングリコール鎖の末端にメルカプタン基が存在するものや、ポリエチレングリコール鎖の末端にメルカプタン基が存在するものであり、液状のものが好ましい。
酸無水物系硬化剤としては一分子中に複数のカルボキシル基を有する化合物の無水物が好ましい。これらの酸無水物系硬化剤としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、クロレンド酸無水物等が挙げられる。
熱酸発生剤としてはスルホニウム塩、ホスホニウム塩が挙げられるが、スルホニウム塩が好ましく用いられる。例えば以下の化合物を例示することができる。
Rは炭素数1~12のアルキル基、炭素数6~20アリール基が挙げられ、特に炭素数1~12のアルキル基が好ましい。
これらの中でも常温、常圧で液状であるメチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチル-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(メチルナジック酸無水物、無水メチルハイミック酸)、水素化メチルナジック酸無水物、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸とヘキサヒドロ無水フタル酸の混合物が好ましい。これら液状の酸無水物は粘度が25℃での測定で10mPa・s~1000mPa・s程度である。
また、上記硬化物を得る際、適宜、硬化助剤が併用されても良い。硬化助剤としてはトリフェニルホスフィンやトリブチルホスフィンなどの有機リン化合物、エチルトリフェニルホスフォニウムブロマイド、メチルトリフェニルホスホニウムリン酸ジエチル等の第4級ホスフォニウム塩、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデカン-7-エン、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデカン-7-エンとオクチル酸の塩、オクチル酸亜鉛、テトラブチルアンモニウムブロミド等の第4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの硬化助剤は、硬化剤1質量部に対して、0.001~0.1質量部の割合で含有することができる。
組成物は、樹脂と硬化剤と所望により硬化助剤を混合し熱硬化性ワニスが得られる。これら混合は反応容器中で撹拌羽根やニーダーを用いて行うことができる。
混合は加熱混合方法により行われ、60℃~100℃の温度で0.5~1時間行われる。
得られた硬化性樹脂ワニス(熱硬化性組成物)は熱硬化性コーティング組成物であり、例えば液状封止材として用いるための適切な粘度を有する。液状の熱硬化性ワニスは、任意の粘度に調製が可能であり、スピンコート法、キャスティング法、ポッティング法、ディスペンサー法、スリットコート法、印刷法等により塗布ができる。乾燥し、硬化することによりエポキシ樹脂硬化体が得られる。
熱硬化性組成物(熱硬化性コーティング組成物)は基材に塗布し、80~200℃の温度で加熱することにより硬化物が得られる。
光硬化性組成物の場合は、樹脂中のエポキシ基又は(メタ)アクリロイル基等の官能基に対して光硬化剤(光酸発生剤)を0.5~20質量%、好ましくは0.8~10質量%の割合で含有することができる。
光酸発生剤は、光照射により直接又は間接的に酸を発生するものであれば特に限定されない。
光酸発生剤の具体例としては、トリアジン系化合物、アセトフェノン誘導体化合物、ジスルホン系化合物、ジアゾメタン系化合物、スルホン酸誘導体化合物、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩等のオニウム塩、メタロセン錯体、鉄アレーン錯体などを用いることができる。
上記光酸発生剤として用いるオニウム塩は、ヨードニウム塩として例えばジフェニルヨードニウムクロライド、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムメシレート、ジフェニルヨードニウムトシレート、ジフェニルヨードニウムブロミド、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムメシレート、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムトシレート、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムクロリド、ビス(p-クロロフェニル)ヨードニウムクロライド、ビス(p-クロロフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、更にビス(4-t-ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェートなどのビス(アルキルフェニル)ヨードニウム塩、アルコキシカルボニルアルコキシ-トリアルキルアリールヨードニウム塩(例えば、4-[(1-エトキシカルボニル-エトキシ)フェニル]-(2,4,6-トリメチルフェニル)-ヨードニウムヘキサフルオロホスフェートなど)、ビス(アルコキシアリール)ヨードニウム塩(例えば、(4-メトキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのビス(アルコキシフェニル)ヨードニウム塩)が挙げられる。
スルホニウム塩としてトリフェニルスルホニウムクロリド、トリフェニルスルホニウムブロミド、トリ(p-メトキシフェニル)スルホニウムテトラフルオロボレート、トリ(p-メトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリ(p-エトキシフェニル)スルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等のトリフェニルスルホニウム塩や、(4-フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4-フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス[4-(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド-ビス-ヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4-(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド-ビス-ヘキサフルオロホスフェート、(4-メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート)等のスルホニウム塩が挙げられる。
ホスホニウム塩としてトリフェニルホスホニウムクロリド、トリフェニルホスホニウムブロミド、トリ(p-メトキシフェニル)ホスホニウムテトラフルオロボレート、トリ(p-メトキシフェニル)ホスホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリ(p-エトキシフェニル)ホスホニウムテトラフルオロボレート、4-クロロベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンジルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のホスホニウム塩が挙げられる。
トリフェニルセレニウムヘキサフルオロホスフェートなどのセレニウム塩、(η5又はη6-イソプロピルベンゼン)(η5-シクロペンタジエニル)鉄(II)ヘキサフルオロホスフェートなどのメタロセン錯体が挙げられる。
また、光酸発生剤としては以下の化合物も用いることができる。
光酸発生剤としてはスルホニウム塩化合物、ヨードニウム塩化合物が好ましい。それらのアニオン種としてはCF3SO3 、CSO3 、C17SO3 、カンファースルホン酸アニオン、トシル酸アニオン、BF4 、PF6 、AsF6 及びSbF6 などが挙げられる。特に強酸性を示す六フッ化リン及び六フッ化アンチモン等のアニオン種が好ましい。
本発明の組成物及びワニスは必要に応じて慣用の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、顔料、着色剤、増粘剤、増感剤、消泡剤、レベリング剤、塗布性改良剤、潤滑剤、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、耐光安定剤など)、可塑剤、溶解促進剤、充填剤、帯電防止剤などが挙げられる。これらの添加剤は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
上記硬化剤は下記添加物(D)として所定の割合で配合する事ができる。
上記金属酸化物粒子(A)とマトリックス形成樹脂(B)と溶媒(C)を含む組成物はガス雰囲気中で該ガスと該粒子が接触する条件下で混合する事が好ましい。ガスと粒子が接触する条件下での混合とは、組成物中に含まれる粒子がガスに触れる事であり、容器にガスと上記組成物を容器容積中で、1:9~9:1、又は2:8~8:2、又は3:7~7:3、又は4:6~6:4の割合に入れ、20℃前後の温度で0.1~1時間、攪拌又はシェーキングする事でマトリックス形成樹脂(B)が溶媒(C)に溶解すると共に、金属酸化物粒子(A)はガス中からガスを組成物中に気泡として取り込む事ができる。
上記ガスとしては空気及び不活性ガスが挙げられるが、空気が好ましい。湿度として10%~100%の空気を用いる事で金属酸化物粒子(A)がマトリックス形成樹脂(B)を介して溶媒(C)への分散性が向上するので好ましい。
本件発明の溶媒(C)に用いられる有機溶媒は例えばアルコール、グリコール、エーテル、エステル、ケトン、含窒素溶媒、又は芳香族系溶媒である。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、トルエン、キシレン、ジメチルエタン等の有機溶媒を例示する事ができる。これら溶媒(C)は水又は有機溶媒が金属酸化物粒子(A)の分散媒であってもよく、又はマトリックス形成樹脂(B)の溶剤であってもよく、更に両者であっても良い。
溶媒(C)が金属酸化物粒子(A)の分散媒である場合は金属酸化物粒子(A)の当該ゾル中での濃度が1~50質量%であり、マトリックス形成樹脂(B)の溶剤である場合はマトリックス形成樹脂溶剤組成物でのマトリックス形成樹脂濃度が1~80質量%である。
上記組成物が上記金属酸化物(A):上記マトリックス形成樹脂(B)を0.1~99.9:99.9~0.1の割合と、溶媒(C)とを含む水又は有機溶媒分散液であることがこのましく、上記金属酸化物(A)と上記マトリックス形成樹脂(B)とを含む固形分が0.1~50質量%、又は0.1~30質量%、又は0.1~20質量%とする事ができる。
本発明では被膜中の金属酸化物(A)とマトリックス成分(B)を含む混合物(組成物)の推定屈折率より低い屈折率領域と高い屈折率領域とを備えた被膜である。
推定屈折率は得られる膜中の各成分のモル分率にその成分の屈折率をかけて、それらを積算する事で混合物(本件では金属酸化物粒子(A)とマトリックス形成樹脂(B)からなる被膜)の推定屈折率を求める事ができる。
上記(A):(B)=100:0~0:100の範囲で含む組成物は、(A)がシリカ粒子である場合に、(A)が(B)に対して増加するに従い推定屈折率は直線的に上昇する。これは上記(A)と(B)が物質固有の屈折率をその割合で含有する事による計算上の屈折率変化である。
本発明においては屈折率が1.20~1.70の範囲で推定屈折率直線上から外れて、推定屈折率直線より低い領域と、推定屈折率直線より高い領域が存在する。これは上記(A)が多く存在する領域では粒子によるガス(空気)の組成物中への取り込み量が高く、これらの組成物を基板上に被膜として形成した時に、ガス(空気)による屈折率の影響で被膜の屈折率は推定屈折率よりも低下したものと考えられる。この領域は上記金属酸化物(A)と上記マトリックス形成樹脂(B)が質量比として、(A):(B)=75~25:99~1、又は0.1~28:99.9~72の範囲である。
また、上記(A)の含有量が減少してゆく領域では粒子によるガス(空気)の組成物中への取り込み量が小さく、これらの組成物を基板上に被膜として形成した時に、マトリックス形成樹脂(B)による影響が高く実測される屈折率は推定屈折率よりも高いと考えられる。この領域は上記金属酸化物(A)と上記マトリックス形成樹脂(B)が質量比として、(A):(B)=20~80:75~25、又は72~0.1:28~99.9の範囲である。
推定屈折率より高い屈折率領域を形成するための組成物が、上記樹脂を溶解する溶媒(C1)とその溶媒より高い沸点を有する溶媒(C2)の混合物からなる溶媒(C)を用いることができる。
屈折率調整方法によって得られた被膜を基材上に形成して積層体を製造する事ができる。
上記被膜は、反射防止膜、可視光域での透明性被膜、又は無機質顔料若しくは有機質染料を含む色素含有被膜とする事ができる。
上記無機質顔料又は有機質染料が、上記記載の式(1)乃至式(3)からなるシランカップリング剤の加水分解物、及びアクリル系ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物による被覆物とする事ができる。
本発明の基板上に被覆した時のエネルギー照射とは、外部から基板上の被膜や、基板自体にエネルギーを与える事である。エネルギー照射とは基材に塗布して加熱、光照射、又はその組み合わせにより硬化物を形成する事である。
組成物の基板上への塗布方法は、例えば、インクジェット法、フローコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、スクリーン印刷法、キャスト法、バーコーティング法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法、グラビアコーティング法、ディッピング法、スリットコート法などを挙げることができるが、特にスピンコーティング法が好ましい。
塗膜の厚みは、硬化物の用途によって応じて、0.01μm~10mm程度の範囲から選択でき、光学薄膜に用いる場合は0.1~100μm(特に0.3~50μm)程度とすることができる。
本発明では任意成分として添加物(D)を含有する事ができる。添加物(D)は上記(A)と(B)の総量に対して0~20質量%、又は0~10質量%、又は0~5質量%の範囲で添加する事ができる。
添加剤(D)は例えば、顔料、染料、界面活性剤、硬化剤、等が挙げられる。
顔料としては、屈折率の大幅な上昇を低減する事が可能であれば種々の顔料を添加する事ができる。屈折率の上昇は顔料成分や配合量により調整する事ができる。天然顔料や合成顔料、無機顔料や有機顔料が挙げられる。無機顔料としては例えば以下に例示する事ができる。
白色顔料として二酸化チタン、亜鉛華、硫酸亜鉛、リトポン、鉛白、アンチモン白、等が挙げられる。
体質顔料として沈降性硫酸バリウム、バライト紛、炭酸カルシウム、アルミナホワイト、ホワイトカーボン、クレー、等が挙げられる。
黒色顔料としてはカーボンブラック、鉄黒、クロム黒、クロム酸銅、等が挙げられる。
赤色顔料としてはベンガラ、モリブデンレッド、カドミウムレッド、鉛丹、等が挙げられる。
橙色顔料としてはモリブデンオレンジ、カドミウムオレンジ、黄鉛、等が挙げられる。
茶色顔料としてはアンバー、等が挙げられる。
黄色顔料としては黄鉛、カドミニウムイエロー、チタンイエロー、クロムチタン黄、黄色酸化鉄、等が挙げられる。
緑色顔料としては酸化クロム、コバルトグリーン、ビリジアン、ピーコック、等が挙げられる。
青色顔料としては群青、紺青、コバルトブルー、セルリアン、マンガン青、等が挙げられる。
紫色顔料としてはマルス紫、コバルトバイオレット、マンガンバイオレット、等が挙げられる。
これら顔料の平均粒子径は、0.03~30ミクロンメートルである。
これら顔料は水又は有機溶媒への分散性を上げるためにシランカップリング剤処理や、有機ポリマーで被覆する事ができる。
顔料への被覆は上記式(1)乃至式(3)からなるシランカップリング剤の加水分解物、及びアクリル系ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物による被覆物を被覆する事ができる。
本発明では染料を用いる事ができる。染料は天然染料、油溶染料、塩基性染料、酸性染料、直接染料橙が挙げられる。
界面活性剤としては例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツクコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトツプEF301、EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製、商品名)、メガファックF171、F173、R-30、R-30N(大日本インキ(株)製、商品名)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製、商品名)、アサヒガードAG710、サーフロンSー382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製、商品名)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。
本発明では上記の屈折率調整方法によって得られた被膜を基材上に反射防止膜として有する反射防止膜が得られる。
また、上記の屈折率調整方法によって得られた被膜を基材上に可視光域での透明性被膜として有する透明性塗料が得られる。
また、上記の屈折率調整方法によって得られた被膜を基材上に無機質顔料又は有機質染料を含む色素含有被膜として有する着色塗料が得られる。
(屈折率測定)
エリプソメーターを用いて行った。装置はジェー・エー・ウーラム・ジャパン製 多入射角分光エリプソメーターVASEを用いた。
(動的光散乱法による平均粒子径測定)
動的光散乱法測定装置:Malvern Instruments Ltd製ゼータ-サイザーで測定した。
〔平均一次粒子径(窒素ガス吸着法による粒子径)の測定〕
シリカゾルの300℃乾燥粉末の比表面積を比表面積測定装置モノソーブ(登録商標)MS-16(ユアサアイオニクス(株)製)を用いて測定した。
(樹脂溶液の調整)
(樹脂溶液1):ポリ(フェニルシルセスキオキサン)(Gelest製、CAS番号;70131-69-0、PSQと略す)溶液の調整
200mlのナス型フラスコにPSQ20.0gを秤量し、次いで、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGMEと略す)80.0gを加え、室温で完全に均一になるまで撹拌し、固形分20.0質量%のPSQ溶液を得た。
(樹脂溶液2):ポリスチレン溶液(Sigma―Aldrich製、CAS番号:9003-53-6、PSと略す)の調整
200mlのナス型フラスコにPS10.0gを秤量し、次いで、N-メチルピロリドン(NMPと略す)90.0gを加え、室温で完全に均一になるまで撹拌し、固形分10.0質量%のPS溶液を得た。
(樹脂溶液3):ポリビニルピロリドン商品名K15(東京化成工業製、CAS番号:9003-39-8、PVPと略す)溶液の調整
200mlのナス型フラスコにPVP20.0gを秤量し、次いで、イソプロパノール(IPAと略す)80.0gを加え、室温で完全に均一になるまで撹拌し、固形分20.0質量%のPVP溶液を得た。
(樹脂溶液4):セルロース溶液1の調整
200mlのナス型フラスコに商品名90SH50(信越化学株式会社製、CAS番号:9004-65-3)3.0gを秤量し、次いで、水97.0gを加え、室温で完全に均一になるまで撹拌し、固形分3.0質量%のセルロース溶液を得た。
(樹脂溶液5):セルロース溶液2の調整
200mlのナス型フラスコに商品名1390(ダイセルミライズ株式会社製)1.0gを秤量し、次いで、水99.0gを加え、室温で完全に均一になるまで撹拌し、固形分1.0質量%のセルロース溶液を得た。
(膜形成用組成物および被膜の作製)
(膜形成用の組成物1の作成)
20mLサンプル管に樹脂溶液1で得られたPSQ溶液2.52gを秤量し、次いでPGMEを5.48g加え、室温(20℃)湿度60%で完全に均一になるまで撹拌し5.0質量%のワニスを得た。金属酸化物粒子(A)と、マトリックス形成樹脂(B)が(A):(B)=0:100であった。
得られたワニスはシリコン基板上にスピンコーターを用いて、膜厚が300nmとなるようにスピンコートし、室温で乾燥を行い301nmの被膜を得た。同様に得られたワニスはシリコン基板上にスピンコーターを用いて、膜厚が300nmとなるようにスピンコートし、ホットプレートを用いて、120℃1分間で乾燥を行い、298nmの被膜を得た。
(膜形成用の組成物2~14の作成)
20mLナス型フラスコに樹脂溶液1で得られたPSQ溶液と、プロピレングリコールモノメチルエーテルを分散媒とする細長い形状のシリカゾル(日産化学株式会社製、動的光散乱法による測定粒子径(D1)65nm、窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)12nm、(D1)/(D2)=5.4、SiO濃度15質量%)を秤量し、次いでPGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)を加え、室温(20℃)湿度60%で完全に均一になるまで撹拌し5.0質量%の組成物(ワニス)を得た。上記攪拌はナス型フラスコにガスと上記組成物を容器容積中で約9:1~8:2の容積比で空気と組成物中のシリカ粒子が接触する条件で行われた。
得られたワニスはシリコン基板上にスピンコーターを用いて、膜厚が300nmとなるようにスピンコートし、室温で乾燥を行い、被膜を得た。同様に得られたワニスはシリコン基板上にスピンコーターを用いて、膜厚が300nmとなるようにスピンコートし、ホットプレートを用いて、120℃1分間で乾燥を行い、被膜を得た。用いた試料の重量と膜厚の測定結果は以下表に示す。
〔表1〕
表1
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
組成物 シリカ:PSQの質量比 室温乾燥後の 120℃乾燥後の
膜厚(nm) 膜厚(nm)
組成物1 100:0 301 298
組成物2 91:9 300 295
組成物3 83:17 306 299
組成物4 77:23 291 302
組成物5 71:29 328 286
組成物6 67:33 277 297
組成物7 62:38 283 304
組成物8 59:41 310 308
組成物9 56:44 284 322
組成物10 53:47 302 319
組成物11 50:50 309 320
組成物12 20:80 292 298
組成物13 10:90 299 303
組成物14 0:100 310 314
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(膜形成用の組成物15~28の作製)
20mLナス型フラスコに樹脂溶液2で得られたPS溶液と、プロピレングリコールモノメチルエーテルを分散媒とする細長い形状のシリカゾル(日産化学株式会社製、動的光散乱法による測定粒子径(D1)65nm、窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)12nm、(D1)/(D2)=5.4、SiO濃度15質量%)を秤量し、次いでPGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)とNMP(N-メチルピロリドン)を加え、室温で完全に均一になるまで撹拌し5.0質量%の組成物(ワニス)を得た。上記攪拌はナス型フラスコにガスと上記組成物を容器容積中で約9:1~8:2の容積比で空気と組成物中のシリカ粒子が接触する条件で行われた。
得られたワニスはシリコン基板上にスピンコーターを用いて、膜厚が300nmとなるようにスピンコートし、ホットプレートを用いて、210℃1分間で乾燥を行い、被膜を得た。用いた試料の重量と膜厚の測定結果は以下表に示す。
〔表2〕
表2
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
組成物 シリカ:PSの質量比 210℃乾燥後の
膜厚(nm)
組成物15 100:0 273
組成物16 91:9 364
組成物17 83:17 345
組成物18 77:23 328
組成物19 71:29 323
組成物20 67:33 321
組成物21 62:38 278
組成物22 59:41 305
組成物23 56:44 301
組成物24 53:47 302
組成物25 50:50 299
組成物26 20:80 ――
組成物27 10:90 ――
組成物28 0:100 ――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(膜形成用の組成物29~42の作製)
20mLナス型フラスコに樹脂溶液3で得られたPVP溶液と樹脂溶液4で得られたセルロース溶液を秤量し、次いでIPAと純水を加え、室温で完全に均一になるまで撹拌し1.5質量%のワニスを得た。
得られたワニスはシリコン基板上にスピンコーターを用いて、膜厚が300nmとなるようにスピンコートし、室温で乾燥を行い、被膜を得た。同様に得られたワニスはシリコン基板上にスピンコーターを用いて、膜厚が300nmとなるようにスピンコートし、ホットプレートを用いて、100℃1分間で乾燥を行い、被膜を得た。用いた試料の重量と膜厚の測定結果は以下表3に示す。
〔表3〕
表3
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
組成物 セルロース:PVPの質量比 室温乾燥後の 100℃乾燥後の
膜厚(nm) 膜厚(nm)
組成物29 100:0 277 263
組成物30 91:9 256 253
組成物31 83:17 249 247
組成物32 77:23 295 292
組成物33 71:29 280 278
組成物34 67:33 256 251
組成物35 62:38 257 257
組成物36 59:41 323 323
組成物37 56:44 318 312
組成物38 53:47 297 289
組成物39 50:50 290 284
組成物40 20:80 246 238
組成物41 10:90 397 292
組成物42 0:100 294 265
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(膜形成用の組成物43の作製)
20mLナス型フラスコに樹脂溶液2で得られたPSQ溶液1.00gと、プロピレングリコールモノメチルエーテルを分散媒とする細長い形状のシリカゾル(日産化学株式会社製、動的光散乱法による測定粒子径(D1)65nm、窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)12nm、(D1)/(D2)=5.4、SiO濃度15質量%)を1.26g秤量し、次いでPGME5.74gを加え、室温(20℃)湿度60%で完全に均一になるまで撹拌し5.0質量%の組成物(ワニス)を得た。上記攪拌はナス型フラスコにガスと上記組成物を容器容積中で約9:1~8:2の容積比で空気と組成物中のシリカ粒子が接触する条件で行われた。
得られたワニスはシリコン基板上にスピンコーターを用いて、膜厚が300nmとなるようにスピンコートし、室温で乾燥を行い、被膜を得た。同様に得られたワニスはシリコン基板上にスピンコーターを用いて、膜厚が300nmとなるようにスピンコートし、ホットプレートを用いて、120℃1分間で乾燥を行い、被膜を得た。膜厚の測定結果は以下表に示す。
(膜形成用の組成物44の作製)
20mLナス型フラスコに樹脂溶液2で得られたPSQ溶液1.00gと、プロピレングリコールモノメチルエーテルを分散媒とする細長い形状のシリカゾル(日産化学株式会社製、動的光散乱法による測定粒子径(D1)65nm、窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)12nm、(D1)/(D2)=5.4、SiO濃度15質量%)を1.26g秤量し、次いでPGME1.94gとアセトン3.80gを加え、室温(20℃)湿度60%で完全に均一になるまで撹拌し5.0質量%の組成物(ワニス)を得た。上記攪拌はナス型フラスコにガスと上記組成物を容器容積中で約9:1~8:2の容積比で空気と組成物中のシリカ粒子が接触する条件で行われた。
得られたワニスはシリコン基板上にスピンコーターを用いて、膜厚が300nmとなるようにスピンコートし、室温で乾燥を行い、被膜を得た。同様に得られたワニスはシリコン基板上にスピンコーターを用いて、膜厚が300nmとなるようにスピンコートし、ホットプレートを用いて、120℃1分間で乾燥を行い、被膜を得た。膜厚の測定結果は以下表に示す。
(膜形成用の組成物45の作製)
20mLナス型フラスコに樹脂溶液2で得られたPSQ溶液1.00gと、プロピレングリコールモノメチルエーテルを分散媒とする細長い形状のシリカゾル(日産化学株式会社製、動的光散乱法による測定粒子径(D1)65nm、窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)12nm、(D1)/(D2)=5.4、SiO濃度15質量%)を1.26g秤量し、次いでPGME1.94gとTHF3.80gを加え、室温(20℃)湿度60%で完全に均一になるまで撹拌し5.0質量%のワニスを得た。上記攪拌はナス型フラスコにガスと上記組成物を容器容積中で約9:1~8:2の容積比で空気と組成物中のシリカ粒子が接触する条件で行われた。
得られたワニスはシリコン基板上にスピンコーターを用いて、膜厚が300nmとなるようにスピンコートし、室温で乾燥を行い、被膜を得た。同様に得られたワニスはシリコン基板上にスピンコーターを用いて、膜厚が300nmとなるようにスピンコートし、ホットプレートを用いて、120℃1分間で乾燥を行い、被膜を得た。膜厚の測定結果は以下表に示す。
(膜形成用の組成物46の作製)
20mLナス型フラスコに樹脂溶液2で得られたPSQ溶液1.00gと、プロピレングリコールモノメチルエーテルを分散媒とする細長い形状のシリカゾル(日産化学株式会社製、動的光散乱法による測定粒子径(D1)65nm、窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)12nm、(D1)/(D2)=5.4、SiO濃度15質量%)を1.26g秤量し、次いでPGME1.94gとNMP3.80gを加え、室温(20℃)湿度60%で完全に均一になるまで撹拌し5.0質量%のワニスを得た。上記攪拌はナス型フラスコにガスと上記組成物を容器容積中で約9:1~8:2の容積比で空気と組成物中のシリカ粒子が接触する条件で行われた。
得られたワニスはシリコン基板上にスピンコーターを用いて、膜厚が300nmとなるようにスピンコートし、室温で乾燥を行い、被膜を得た。同様に得られたワニスはシリコン基板上にスピンコーターを用いて、膜厚が300nmとなるようにスピンコートし、ホットプレートを用いて、120℃1分間で乾燥を行い、被膜を得た。膜厚の測定結果は以下表に示す。
〔表4〕
表4
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
組成物 シリカ:PSQの質量比 室温乾燥後の 120℃乾燥後の
膜厚(nm) 膜厚(nm)
組成物43 100:100 291 310
組成物44 100:100 309 300
組成物45 100:100 329 323
組成物46 100:100 257 258
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(膜形成用の組成物47の作製)
20mLナス型フラスコに樹脂溶液5で得られたセルロース溶液2と、プロピレングリコールモノメチルエーテルを分散媒とする細長い形状のシリカゾル(日産化学株式会社製、動的光散乱法による測定粒子径(D1)65nm、窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)12nm、(D1)/(D2)=5.4、SiO濃度15質量%)を秤量し、次いで水を加え、室温(20℃)湿度60%で完全に均一になるまで撹拌し1.5質量%の組成物(ワニス)を得た。上記攪拌はナス型フラスコにガスと上記組成物を容器容積中で約9:1~8:2の容積比で空気と組成物中のシリカ粒子が接触する条件で行われた。
得られたワニスはシリコン及びガラス基板上にスピンコーターを用いて、膜厚が100nmとなるようにスピンコートし、60℃1分間で乾燥を行い、被膜を得た。
〔表5〕
表5
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
組成物 シリカ:セルロースの質量比 60℃乾燥後の
膜厚(nm)
組成物47 100:0 118
組成物48 99:1 82
組成物49 91:9 142
組成物50 83:17 143
組成物51 77:23 86
組成物52 71:29 126
組成物53 62:38 117
組成物54 56:44 197
組成物55 50:50 117
組成物56 20:80 152
組成物57 10:90 152
組成物58 0:100 89
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(被膜の屈折率測定)
(実施例1~14)
エリプソメーターにより膜形成用組成物1~14の膜厚及び550nmの屈折率を測定した。次いで、混合物の推定屈折率を参考に理論値を求めた。理論値と実験値の比較を示した。それら結果を表6と図1に示した。
推定屈折率は得られる膜中の各成分のモル分率にその成分の屈折率をかけて、それらを積算する事で混合物(本件では金属酸化物粒子(A)とマトリックス形成樹脂(B)からなる被膜)の推定屈折率を求めた。
〔表6〕
表6
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
屈折率(20℃乾燥) 屈折率(120℃乾燥) 理論値
実施例1 組成物1 1.224 1.225 1.224
実施例2 組成物2 1.225 1.263 1.255
実施例3 組成物3 1.264 1.285 1.280
実施例4 組成物4 1.288 1.318 1.302
実施例5 組成物5 1.331 1.355 1.320
実施例6 組成物6 1.376 1.392 1.336
実施例7 組成物7 1.423 1.442 1.350
実施例8 組成物8 1.484 1.484 1.362
実施例9 組成物9 1.534 1.509 1.373
実施例10 組成物10 1.540 1.531 1.383
実施例11 組成物11 1.529 1.536 1.392
実施例12 組成物12 1.566 1.568 1.493
実施例13 組成物13 1.575 1.576 1.526
実施例14 組成物14 1.583 1.582 1.560
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(実施例15~28)
エリプソメーターにより膜形成用組成物15~28の膜厚及び550nmの屈折率を測定した。次いで、混合物の推定屈折率を参考に理論値を求めた。理論値と実験値の比較を示した。それら結果を表7と図2に示した。(――)は未測定を示す。
〔表7〕
表7
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
屈折率(210℃乾燥) 理論値
実施例15 組成物15 1.21 1.21
実施例16 組成物16 1.23 1.25
実施例17 組成物17 1.27 1.28
実施例18 組成物18 1.31 1.30
実施例19 組成物19 1.35 1.33
実施例20 組成物20 1.39 1.35
実施例21 組成物21 1.43 1.36
実施例22 組成物22 1.47 1.38
実施例23 組成物23 1.50 1.39
実施例24 組成物24 1.52 1.40
実施例25 組成物25 1.54 1.41
実施例26 組成物26 ―― 1.54
実施例27 組成物27 ―― 1.58
実施例28 組成物28 1.63 1.62
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(比較例1~14)
エリプソメーターにより膜形成用組成物29~42の膜厚及び550nmの屈折率を測定した。次いで、混合物の推定屈折率を参考に理論値を求めた。理論値と実験値の比較を示した。それら結果を表8と図3に示した。(――)は未測定を示す。
〔表8〕
表8
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
屈折率(20℃乾燥) 屈折率(100℃乾燥) 理論値
比較例1 組成物29 1.498 1.529 1.529
比較例2 組成物30 1.503 1.510 1.540
比較例3 組成物31 1.506 1.521 1.549
比較例4 組成物32 1.507 1.535 1.556
比較例5 組成物33 1.508 1.532 1.563
比較例6 組成物34 1.504 1.518 1.569
比較例7 組成物35 1.512 1.545 1.574
比較例8 組成物36 1.517 1.534 1.578
比較例9 組成物37 1.521 1.546 1.582
比較例10 組成物38 1.519 1.530 1.585
比較例11 組成物39 1.515 1.530 1.588
比較例12 組成物40 1.505 1.521 1.624
比較例13 組成物41 1.643 1.641 1.636
比較例14 組成物42 1.741 1.648 1.648
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(実施例29~32)
エリプソメーターにより膜形成用の組成物43~46の膜厚及び550nmの屈折率を測定した。その結果を表9に示す。
〔表9〕
表9
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
屈折率(20℃乾燥) 屈折率(50℃乾燥)
実施例29 組成物43 1.224 1.225
実施例30 組成物44 1.225 1.263
実施例31 組成物45 1.264 1.285
実施例32 組成物46 1.288 1.318
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(実施例33~44)
エリプソメーターによりシリコン基板上の膜形成用組成物47~58の膜厚及び550nmの屈折率を測定した。次いで、混合物の推定屈折率を参考に理論値を求めた。理論値と実験値の比較を示した。それら結果を表10と図4に示した。
〔表10〕
表10
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
屈折率(60℃乾燥) 理論値
実施例33 組成物47 1.21 1.21
実施例34 組成物48 1.21 1.22
実施例35 組成物49 1.23 1.24
実施例36 組成物50 1.23 1.26
実施例37 組成物51 1.26 1.28
実施例38 組成物52 1.30 1.30
実施例39 組成物53 1.36 1.33
実施例40 組成物54 1.40 1.35
実施例41 組成物55 1.40 1.37
実施例42 組成物56 1.49 1.46
実施例43 組成物57 1.50 1.49
実施例44 組成物58 1.52 1.52
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
本発明の金属酸化物粒子(A)とマトリックス形成樹脂(B)とを含む被膜は、表5、表6、及び表9、及び表10、図1、図2、図3、乃至図4の結果から、金属酸化物を75%以上含有する場合、空孔の影響を受け膜の屈折率が理論値より小さくなることがわかった。金属酸化物を20~75%未満含有する場合、空孔が樹脂で満たされるようになり膜の屈折率が理論値より大きくなる領域となる。一方で金属酸化物を20%以下含有する場合、空孔は樹脂で満たされた状態となり樹脂の屈折率に依存する領域となる。
表9の結果から、樹脂を溶解させた溶媒とその溶媒より沸点の低い溶媒を混合した組成物の膜の屈折率は、樹脂を溶解させた溶媒を単独で使用した組成物の膜の屈折率より低くなる。樹脂を溶解させた溶媒とその溶媒より沸点の高い溶媒を混合した組成物の膜の屈折率は、樹脂を溶解させた溶媒を単独で使用した組成物の膜の屈折率より高くなる。使用する溶媒を種々選択することで屈折率を調整することができる。
以上から本発明において金属酸化物の含有比率の変更と金属酸化物含有組成物に使用する溶媒の選択により屈折率を調整することができる。これにより近年多様化する顧客の要求屈折率にあわせて選択する材料を予測することができる。
本発明では動的光散乱法による測定粒子径(D1)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)の比が特定の比率の金属酸化物粒子(A)とマトリックス形成樹脂(B)と溶媒(C)とを有する組成物を用いる事により、被膜の屈折率を調整する方法と、これら被膜を有する反射防止膜や塗料の製造方法を提供する事が可能である。

Claims (17)

  1. 動的光散乱法による測定粒子径(D1)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)の比(D1)/(D2)が2以上である金属酸化物粒子(A)と、マトリックス形成樹脂(B)と、溶媒(C)とを、質量比で(A):(B)=100:0~0:100の範囲で含む組成物をガス雰囲気中で該ガスと該粒子が接触する条件下で混合した後に、基材上に被覆してエネルギー照射により被膜を形成する事を特徴とする被膜の屈折率調整方法。
  2. 溶媒(C)が水又は有機溶媒である請求項1に記載の被膜の屈折率調整方法。
  3. 金属酸化物粒子(A)の動的光散乱法による測定粒子径(D1)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)の比(D1)/(D2)が5~100である請求項1に記載の被膜の屈折率調整方法。
  4. マトリックス形成樹脂(B)が溶媒(C)に溶解可能な重量平均分子量500~5000000の有機ポリマー、ポリオルガノシロキサン、又はセルロースである請求項1に記載の被膜の屈折率調整方法。
  5. 金属酸化物粒子(A)が式(1)乃至式(3)からなるシランカップリング剤の加水分解物、及び(メタ)アクリル系ポリマー:

    (式(1)中、Rはそれぞれアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、又は(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、ウレイド基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi-C結合によりケイ素原子と結合しているものであって、Rはそれぞれアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、aは1~3の整数を示し、
    式(2)及び式(3)中、R及びRはそれぞれ炭素原子数1~3のアルキル基、又は炭素原子数6~30のアリール基で且つSi-C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R及びRはそれぞれアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、Yはアルキレン基、NH基、又は酸素原子を示し、bは1~3の整数であり、cは0又は1の整数であり、dは1~3の整数である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の被覆物である請求項1に記載の被膜の屈折率調整方法。
  6. エネルギー照射が加熱又は紫外線照射である請求項1に記載の被膜の屈折率調整方法。
  7. 上記組成物が上記金属酸化物(A):上記マトリックス形成樹脂(B)を0.1~99.9:99.9~0.1の質量割合と、溶媒(C)とを含む水又は有機の溶媒分散液である請求項1に記載の被膜の屈折率調整方法。
  8. 上記金属酸化物がシリカ粒子、フッ化物粒子、又はそれらの複合粒子である請求項1に記載の被膜の屈折率調整方法。
  9. 上記ガスが10%~100%の湿度を有する空気である請求項1に記載の被膜の屈折率調整方法。
  10. 被膜が被膜中の金属酸化物(A)とマトリックス成分(B)を含む混合物の推定屈折率より低い屈折率領域と高い屈折率領域とを備えた被膜である請求項1に記載の被膜の屈折率調整方法。
  11. 推定屈折率より低い屈折率領域を有する被膜が、被膜中に上記金属酸化物粒子(A)と、マトリックス形成樹脂(B)が質量比として(A):(B)=75~25:99~1の割合で含有するものである請求項10に記載の屈折率調整方法。
  12. 推定屈折率より低い屈折率領域を形成するための組成物が、上記樹脂を溶解する溶媒(C1)とその溶媒より低い沸点を有する溶媒(C2)の混合物からなる溶媒(C)を用いるものである請求項10に記載の屈折率調整方法。
  13. 推定屈折率より高い屈折率領域を有する被膜が、被膜中に上記金属酸化物粒子(A)と、マトリックス形成樹脂(B)が質量比として(A):(B)=20~80:75~25の割合で含有するものである請求項10に記載の屈折率調整方法。
  14. 推定屈折率より高い屈折率領域を形成するための組成物が、上記樹脂を溶解する溶媒(C1)とその溶媒より高い沸点を有する溶媒(C2)の混合物からなる溶媒(C)を用いるものである請求項10に記載の屈折率調整方法。
  15. 請求項1乃至請求項14の何れか1項に記載の屈折率調整方法によって得られた被膜を基材上に有する積層体の製造方法。
  16. 被膜が、反射防止膜、可視光域での透明性被膜、又は無機質顔料若しくは有機質染料を含む色素含有被膜である請求項15に記載の積層体の製造方法。
  17. 上記無機質顔料又は有機質染料が、請求項4に記載の式(1)乃至式(3)からなるシランカップリング剤の加水分解物、及びアクリル系ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物による被覆物である請求項16に記載の積層体の製造方法。
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