JP2023147188A - プリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い品質を有するプリント配線板の提供。【解決手段】プリント配線板は、第1導体層と、前記第1導体層上に形成されていて、前記第1導体層を露出するビア導体用の開口と第1面と前記第1面と反対側の第2面とを有する樹脂絶縁層と、前記樹脂絶縁層の前記第1面上に形成されている第2導体層と、前記開口内に形成されていて、前記第1導体層と前記第2導体層とを接続するビア導体、とを有する。前記ビア導体は前記開口内を覆うシード層と前記シード層上の電解めっき層で形成されている。前記シード層は、導体が柱状に成長することで形成される柱部を有している。【選択図】図2A
Description
本明細書によって開示される技術は、プリント配線板に関する。
特許文献1は、第1導体層と、第1導体層上に形成されている絶縁層と、絶縁層上に形成されている第2導体層とを有するプリント配線板を開示している。絶縁層は第1導体層を露出するビア導体用の貫通孔を有する。貫通孔内に第1導体層と第2導体層を接続するビア導体が形成されている。ビア導体は無電解めっき層および電解めっき層で形成されている。絶縁層は樹脂と無機粒子を含む。
[特許文献1の課題]
特許文献1の図17に示されるように、特許文献1は貫通孔の壁面(内周面)上に中間層を有する。中間層は、無機粒子間に形成されている隙間により、複雑な凹凸面を有する。中間層に含まれる無機粒子は絶縁層に含まれる無機粒子と同じである。特許文献1の図22に示されるように、特許文献1は、貫通孔内に無電解めっき膜を形成する。無電解めっき膜は中間層に形成されている凹凸の形状に沿って形成されている。もしくは、中間層に形成されている隙間が無電解めっき膜で充填される。しかしながら、特許文献1の技術では、ビア導体の貫通孔の内壁面と接する部分の粗度が大きいと考えられる。高周波信号が伝送される時、伝送損失が大きいと考えられる。
特許文献1の図17に示されるように、特許文献1は貫通孔の壁面(内周面)上に中間層を有する。中間層は、無機粒子間に形成されている隙間により、複雑な凹凸面を有する。中間層に含まれる無機粒子は絶縁層に含まれる無機粒子と同じである。特許文献1の図22に示されるように、特許文献1は、貫通孔内に無電解めっき膜を形成する。無電解めっき膜は中間層に形成されている凹凸の形状に沿って形成されている。もしくは、中間層に形成されている隙間が無電解めっき膜で充填される。しかしながら、特許文献1の技術では、ビア導体の貫通孔の内壁面と接する部分の粗度が大きいと考えられる。高周波信号が伝送される時、伝送損失が大きいと考えられる。
本発明の第1の観点のプリント配線板は、第1導体層と、前記第1導体層上に形成されていて、前記第1導体層を露出するビア導体用の開口と第1面と前記第1面と反対側の第2面とを有する樹脂絶縁層と、前記樹脂絶縁層の前記第1面上に形成されている第2導体層と、前記開口内に形成されていて、前記第1導体層と前記第2導体層とを接続するビア導体と、を有する。前記ビア導体は前記開口内を覆うシード層と前記シード層上の電解めっき層で形成されている。前記シード層は、導体が柱状に成長することで形成される柱部を有している。
本発明の第2の観点のプリント配線板は、第1導体層と、前記第1導体層上に形成されていて、前記第1導体層を露出するビア導体用の開口と第1面と前記第1面と反対側の第2面とを有する樹脂絶縁層と、前記樹脂絶縁層の前記第1面上に形成されている第2導体層と、前記開口内に形成されていて、前記第1導体層と前記第2導体層とを接続するビア導体、とを有する。前記第2導体層と前記ビア導体は、シード層と前記シード層上に形成される電解めっき層によって形成されており、前記開口の内壁面を覆う前記シード層は、ほぼ平滑な第1部分とほぼ平滑な第2部分を有しており、前記第1部分と前記第2部分は電気的に繋がっており、前記第1部分の一部が前記第2部分上に形成されている。
本発明の実施形態のプリント配線板では、開口内を覆うシード層は、導体が柱状に成長することで形成される柱部を有している。シード層は、開口の内壁面上に平滑に形成される。シード層が開口の内壁面の隙間に充填される従来の構成に比べて、ビア導体の開口の内壁面と接する部分の粗度が小さい。高周波信号が伝送される時、伝送損失が小さい。伝送損失の小さいプリント配線板が提供される。
本発明の実施形態のプリント配線板では、開口を覆うシード層の第1部分の一部が第2部分上に形成されている。第1部分と第2部分が部分的に重なっている。そのため、シード層の強度が高い。シード層が断線しがたい。シード層は、ほぼ平滑な第1部分とほぼ平滑な第2部分で形成される。そのため、高周波信号が伝送される時、伝送損失が小さい。高品質のプリント配線板が提供される。
[実施形態]
図1は実施形態のプリント配線板2を示す断面図である。図2Aは実施形態のプリント配線板2の一部を示す拡大断面図である。図1に示されるように、プリント配線板2は、絶縁層4と第1導体層10と樹脂絶縁層20と第2導体層30とビア導体40とを有する。
図1は実施形態のプリント配線板2を示す断面図である。図2Aは実施形態のプリント配線板2の一部を示す拡大断面図である。図1に示されるように、プリント配線板2は、絶縁層4と第1導体層10と樹脂絶縁層20と第2導体層30とビア導体40とを有する。
絶縁層4は樹脂を用いて形成される。絶縁層4はシリカ等の無機粒子を含んでもよい。絶縁層4は、ガラスクロス等の補強材を含んでもよい。絶縁層4は、第3面6(図中の上面)と第3面6と反対側の第4面8(図中の下面)を有する。
第1導体層10は絶縁層4の第3面6上に形成されている。第1導体層10は信号配線12とパッド14を含む。図に示されていないが、第1導体層10は信号配線12とパッド14以外の導体回路も含んでいる。第1導体層10は主に銅によって形成される。第1導体層10は、絶縁層4上のシード層10aとシード層10a上の電解めっき層10bで形成されている。シード層10aは第3面6上の第1層11aと第1層11a上の第2層11bで形成されている。第1層11aは銅合金で形成されている。銅合金中の銅の含有量(wt%)が90%以上である。第2層11bは銅で形成されている。電解めっき層10bは銅で形成されている。第1層11aは絶縁層4に接している。
樹脂絶縁層20は絶縁層4の第3面6と第1導体層10上に形成されている。樹脂絶縁層20は第1面22(図中の上面)と第1面22と反対側の第2面24(図中の下面)を有する。樹脂絶縁層20の第2面24は第1導体層10と対向する。樹脂絶縁層20はパッド14を露出する開口26を有している。樹脂絶縁層20は樹脂80と樹脂80内に分散されている多数の無機粒子90で形成されている。樹脂80はエポキシ系樹脂である。樹脂の例は熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂である。無機粒子90は、例えば、シリカやアルミナである。
図1と図2Aに示されるように、無機粒子90は、開口26の内壁面27を形成する第1無機粒子91と、樹脂80内に埋まっている第2無機粒子92を含む。第2無機粒子92の形は球である。第1無機粒子91の形状は球を平面で切断することで得られる。第1無機粒子91の形状は第2無機粒子92を平面で切断することで得られる。第1無機粒子91の形状と第2無機粒子92の形状は異なる。
図1に示されるように、樹脂絶縁層20の第1面22はほとんど樹脂80で形成されている。第1面22から無機粒子90(第2無機粒子92)は少量露出する。樹脂絶縁層20の第1面22には凹凸が形成されていない。第1面22は荒らされていない。第1面22は平滑に形成されている。第1面22の算術平均粗さ(Ra)は、0.02μm以上0.06μm以下である。
他の例では樹脂絶縁層20の第1面22は樹脂80のみで形成されていてもよい。その場合、第1面22から無機粒子90(第2無機粒子92)は露出しない。第1面22は第2無機粒子92の表面を含まない。樹脂絶縁層20の第1面22には凹凸が形成されていない。第1面22は荒らされていない。第1面22は平滑に形成されている。
図3は、開口26の内壁面27とシード層30aの一例を示す断面写真である。図2A、図3に示されるように、開口26の内壁面27は樹脂80と第1無機粒子91で形成されている。第1無機粒子91は平坦部91aを有する。平坦部91aは内壁面27を形成する。内壁面27は樹脂80と平坦部91aで形成されている。平坦部91aと内壁面27を形成する樹脂80の面80aは、ほぼ共通な面を形成する。内壁面27を形成する樹脂80上に凹凸が形成されない。内壁面27を形成する樹脂80の面80aは平滑である。平坦部91aの露出面91b(内壁面27を形成する面)上に凹凸が形成されない。平坦部91aの露出面91bは平滑である。内壁面27は平滑に形成される。図3に示されるように、内壁面27は、樹脂80の面80aと第1無機粒子91の平坦部91aの境界部付近で階段部28を有する。階段部28は開口方向に向かって凸量を有し、その凸量は0.5μm以下である。
図3に示されるように、樹脂80の面80aと第1無機粒子91の平坦部91aの境界部には段差28aが形成されている。段差28aの量は3.0μm以下であることが好ましい。1.5μm以下がより好ましい。0.5μm以下がさらに好ましい。
第1無機粒子91の平坦部91aは第1無機粒子91の周りに形成されている樹脂80の面(内壁面27を形成する面)80aを延長することで得られる面とほぼ一致する。図1と図2A中に実質的な直線で描かれている平坦部91aは平面を意味している。図1と図2Aに示される断面において平坦部91aは平面である。平坦部91aは完全な平面でなくてもよい。平坦部91aは実質的な平面であってほぼ平滑な面である。
図2Bは図2A中の内壁面27の一部を示す拡大断面図である。図2Bに示されるように、内壁面27を形成する2つの第1無機粒子91の平坦部91aを結ぶ基準面200に対し、その間に位置する樹脂80の面80aは凹んでいても出っ張っていてもよい(破線部参照)。
図2Aに示されるように、開口26の内壁面27は、樹脂絶縁層20の第1面22からパッド14の上面に向けて傾斜している。内壁面27とパッド14の上面との間の角度(傾斜角度)θは70°以上90°以下である。
図1と図2Aに示される断面では、開口26の形状は略逆台形に示されている。しかしながら、実際の開口26の形状は略逆円錐台形状である。そのため実際の開口26の内壁面(側壁)27は略曲面である。すなわち、平坦部91aと樹脂80で形成される共通な面は略曲面で形成される内壁面(側壁)27を含む。
図1に示されるように、第2導体層30は樹脂絶縁層20の第1面22上に形成されている。第2導体層30は第1信号配線32と第2信号配線34とランド36を含む。図に示されていないが、第2導体層30は第1信号配線32と第2信号配線34とランド36以外の導体回路も含んでいる。第1信号配線32と第2信号配線34はペア配線を形成している。第2導体層30は主に銅によって形成される。第2導体層30は、第1面22上のシード層30aとシード層30a上の電解めっき層30bで形成されている。シード層30aは第1面22上の第1層31aと第1層31a上の第2層31bで形成されている。第1層31aは銅合金で形成されている。銅合金中の銅の含有量(wt%)が90%以上である。電解めっき層30bは銅で形成されている。第1層31aは第1面22に接している。
ビア導体40は開口26内に形成されている。ビア導体40は第1導体層10と第2導体層30を接続する。図1ではビア導体40はパッド14とランド36を接続する。ビア導体40はシード層30aとシード層30a上の電解めっき層30bで形成されている。ビア導体40を形成するシード層30aと第2導体層30を形成するシード層30aは共通である。ビア導体40を形成するシード層30aは、開口26内(即ち開口26の内壁面27と開口26から露出するパッド14の上面)を覆う第1層31aと第1層31a上の第2層31bで形成されている。第1層31aはパッド14の上面と内壁面27に接している。
図2A、図3に示されるように、ビア導体40を形成するシード層30aは、導体が柱状に成長することで形成される複数の柱部130を有している。柱部130は、開口26から露出するパッド14の上面に対して垂直に延びている。シード層30aは、柱部130が開口26の内壁面27に連なって存在することで形成されている。シード層30aは、内壁面27の表面形状に沿って形成されている。柱部130は、第1層31aの柱部131aと第2層31bの柱部131bとを含む。柱部131aは第1層31aの形成時に導体が柱状に成長することで形成される。柱部131bは第2層31bの形成時に、柱部131a上にさらに導体が柱状に成長することで形成される。柱部131aと柱部131bもパッド14の上面に対して垂直に延びている。図2A、図3に示されるように、内壁面27を覆うシード層30aの断面形状は階段状である。樹脂絶縁層20の第1面22上と開口26から露出するパッド14の上面を覆うシード層30aは面形状で形成される。
図2Cは図2Aの内壁面27上のシード層30aの一部を模式的に示す拡大断面図である。内壁面27上のシード層30aは内壁面27に接している。図2Aと図2Cと図3に示されるように、ビア導体40を形成するシード層30aは、ほぼ平滑な第1部分110とほぼ平滑な第2部分120を有している。第1部分110と第2部分120は電気的に繋がっている。第1部分110と第2部分120は連続している。図3に示されるように、第1部分110の一部が第2部分120上に形成されている。第1部分110の先端112が第2部分120の後端122上に形成されている。第1部分110と第2部分120は同時に形成されている。内壁面27を覆うシード層30aの断面は略階段状の形状を有する。
図2Cに示されるように、シード層30aの第1層31aは第1部分110aと第2部分120aを有している。第1部分110aと第2部分120aは電気的に繋がっている。第1部分110aと第2部分120aは連続している。第1部分110aの先端112aが第2部分120aの後端122a上に形成されている。内壁面27を覆う第1層31aの断面は略階段状の形状を有する。内壁面27上の第1層31aは内壁面27に接している。
シード層30aの第2層31bは第1部分110bと第2部分120bを有している。第1部分110bと第2部分120bは電気的に繋がっている。第1部分110bと第2部分120bは連続している。第1部分110bの先端112bが第2部分120bの後端122b上に形成されている。内壁面27上に形成されている第2層31bの断面は略階段状の形状を有する。
実施形態では、第1部分110の一部が第2部分120上に積層される。第1部分110の一部が第2部分120上に重なっている。第1部分110の先端112が第2部分120の後端122上に積層される。第1部分110の先端112が第2部分120の後端122上に重なっている。
実施形態の内壁面27はほぼ平滑な面で形成されている。もし、第1層31aが内壁面27の形状に追従すると、内壁面27上の第1層31aはほぼ平滑な面を有する。内壁面27上のシード層30aはほぼ平滑な面を有する。この場合、ビア導体40を形成する電解めっき層30bが平滑な面上に形成される。例えば、プリント配線板2が大きな衝撃を受けると、内壁面27上の第1層31aと第1層31a上の第2層31b間で剥がれが発生する。あるいは、内壁面27上のシード層30aとビア導体40を形成する電解めっき層30b間で剥がれが発生する。
[実施形態のプリント配線板2の製造方法]
図4A~図4Iは実施形態のプリント配線板2の製造方法を示す。図4A~図4C、図4E~図4F、図4H~図4Iは断面図である。図4D、図4Gは拡大断面図である。図4Aは絶縁層4と絶縁層4の第3面6上に形成されている第1導体層10を示す。第1導体層10はセミアディティブ法によって形成される。第1層11aと第2層11bはスパッタで形成される。電解めっき層10bは電解めっきで形成される。
図4A~図4Iは実施形態のプリント配線板2の製造方法を示す。図4A~図4C、図4E~図4F、図4H~図4Iは断面図である。図4D、図4Gは拡大断面図である。図4Aは絶縁層4と絶縁層4の第3面6上に形成されている第1導体層10を示す。第1導体層10はセミアディティブ法によって形成される。第1層11aと第2層11bはスパッタで形成される。電解めっき層10bは電解めっきで形成される。
図4Bに示されるように、絶縁層4と第1導体層10上に樹脂絶縁層20と保護膜50が形成される。樹脂絶縁層20の第2面24が絶縁層4の第3面6と対向している。樹脂絶縁層20の第1面22上に保護膜50が形成されている。樹脂絶縁層20は樹脂80と無機粒子90(第2無機粒子92)を有する。無機粒子90はほとんど樹脂80内に埋まっている。
保護膜50は樹脂絶縁層20の第1面22を完全に覆っている。保護膜50の例は、ポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルムである。保護膜50と樹脂絶縁層20との間に離型剤が形成されている。
図4Cに示されるように、保護膜50の上からレーザ光Lが照射される。レーザ光Lは保護膜50と樹脂絶縁層20を同時に貫通する。第1導体層10のパッド14に至るビア導体用の開口26が形成される。レーザ光Lは例えばUVレーザ光、CO2レーザ光である。開口26によりパッド14が露出される。開口26が形成される時、第1面22は保護膜50で覆われている。そのため、開口26が形成される時、樹脂が飛散しても、第1面22に樹脂が付着することが抑制される。
図4Dは、レーザ光照射後の開口26の内壁面27bを示す。内壁面27bは樹脂80と樹脂80から突出している無機粒子90で形成されている。内壁面の形状を制御するため、レーザ光照射後の内壁面27bは処理される。樹脂80から突出している無機粒子90を選択的に除去することが好ましい。これにより、無機粒子90から第1無機粒子91が形成される。例えば、レーザ光照射後の内壁面27bを薬品で処理することで、樹脂80から突出している無機粒子90が選択的に除去される。あるいは、レーザ光照射後の内壁面27bをプラズマで処理することで、樹脂80から突出している無機粒子90が選択的に除去される。選択的に除去することは、無機粒子90のエッチング速度が樹脂80のエッチング速度より大きいことを含む。例えば、両者のエッチング速度差は10倍以上である。あるいは、両者のエッチング速度差は50倍以上である。あるいは、両者のエッチング速度差は100倍以上である。レーザ光照射後の内壁面27bを処理することで、平坦部91a(図2A参照)を有する第1無機粒子91が得られる。レーザ光照射後の内壁面27bを処理するための条件を制御することで、内壁面27bの形状を制御することができる。条件の例は、温度、濃度、時間、ガスの種類や圧力である。無機粒子90のエッチング速度と樹脂のエッチング速度が制御される。
樹脂絶縁層20にレーザ光Lを照射することで、樹脂80に埋まっている第2無機粒子92の一部がレーザ光照射後の内壁面27bを形成する。レーザ光照射後の内壁面27bを形成する第2無機粒子92は、樹脂80から突出している突出部分Pと樹脂80に埋まっている部分Eで形成される。レーザ光照射後の内壁面27bが処理される。例えば、四フッ化メタンを含むガスのプラズマで内壁面27bが処理される。突出部分Pが選択的に除去され、実施形態の内壁面27(図1、図2A)が形成される。第2無機粒子92から第1無機粒子91が形成される。突出部分Pを選択的に除去することで、平坦部91aを有する第1無機粒子91が形成される。平坦部91aは平面である。球の形を持つ第2無機粒子92が平面で切断されると、第1無機粒子91の形状が得られる。内壁面27は平坦部91aと樹脂80の面80aで形成され、平坦部91aの露出面91bと樹脂80の面80aはほぼ同一平面上に位置する。図3に示されるように、内壁面27は、樹脂80の面80aと第1無機粒子91の平坦部91aの境界部付近で階段部28を有する。階段部28は開口方向に向かって凸量を有し、その凸量は0.5μm以下である。例えば、スパッタで内壁面27b上にシード層30aが形成されると、突出部分Pはスパッタ膜の成長を阻害する。例えば、内壁面27b上に連続しているシード層30aが形成されない。あるいは、シード層30aの厚みを大きくしなければならない。微細な導体回路を形成することができない。実施形態では、突出部分Pが除去される。スパッタで形成されるシード層30aの厚みを薄くできる。スパッタで形成されるシード層30aの厚みが薄くても、連続しているシード層30aが得られる。
開口26を形成することは、突出部分Pを有する無機粒子(第2無機粒子92)90を形成することを含む。突出部分Pは開口26の内壁面27を形成する樹脂80から突出している。第1無機粒子91は無機粒子(第2無機粒子92)90の突出部分Pを除去することで形成される。開口26の内壁面27は第1無機粒子91の露出面91bを含む。第1無機粒子91の露出面91bは突出部分Pを除去することで形成される。
球の形を持つ第2無機粒子92を平面で切断することで第1無機粒子91の形状を得ることは、無機粒子90の突出部分Pを除去することを含む。実際の開口26の内壁面27は略曲面である。突出部分Pを除去することで平坦部91aが形成されるので、平坦部91aの露出面91bは曲面を含む。すなわち、平坦部91aと樹脂80で共通な面を形成することは実質的な曲面で形成される内壁面27を形成することを含む。
内壁面27上に凹凸が形成されない。内壁面27は平滑に形成される。図3に示されるように、内壁面27を形成する樹脂80の面80aと第1無機粒子91の平坦部91aの境界部には段差28aが形成されている。段差28aの量は3.0μm以下であることが好ましい。1.5μm以下がより好ましい。0.5μm以下がさらに好ましい。レーザ光照射後の内壁面27bを処理するための条件を制御することで、凹凸の大きさや段差の大きさが制御される。
開口26内が洗浄される。開口26内を洗浄することにより開口26形成時に発生する樹脂残渣が除去される。開口26内の洗浄はプラズマによって行われる。即ち洗浄はドライプロセスで行われる。洗浄はデスミア処理を含む。樹脂絶縁層20の第1面22は保護膜50で覆われているためプラズマの影響を受けない。樹脂絶縁層20の第1面22には凹凸が形成されない。第1面22は荒らされない。
レーザ光照射後の内壁面27bを処理することが開口26内を洗浄することを含む場合、開口26内を洗浄することを削除することができる。
図4Eに示されるように、開口26内を洗浄することの後に、樹脂絶縁層20から保護膜50が除去される。レーザ光照射後の内壁面27bを処理することが開口26内を洗浄することを含む場合、レーザ光照射後の内壁面27bを処理することの後に、樹脂絶縁層20から保護膜50が除去される。レーザ光照射後の内壁面27bが処理される時、保護膜50は樹脂絶縁層20の第1面22を覆っている。保護膜50除去後、樹脂絶縁層20の第1面22を荒らすことは行われない。
図4Fに示されるように、樹脂絶縁層20の第1面22上にシード層30aが形成される。シード層30aはスパッタによって形成される。シード層30aの形成はドライプロセスで行われる。シード層30aは開口26から露出するパッド14の上面と開口26の内壁面27にも形成される。まず第1層31aが第1面22上にスパッタで形成される。同時に、開口26から露出する内壁面27とパッド14上に第1層31aがスパッタで形成される。図4Gに示されるように、内壁面27上に形成される第1層31aは、導体が柱状に成長することで形成される複数の柱部131aを有している。柱部131aはパッド14の上面に対して垂直に延びている。第1層31aは、柱部131aが内壁面27に連なって存在することで形成されている。図3に示されるように、内壁面27は、樹脂80の面80aと第1無機粒子91の平坦部91aの境界部付近で階段部28を有する。階段部28は開口方向に向かって凸量を有し、その凸量は0.5μm以下である。この階段部28にシード層30aを形成する金属粒子が第1面22に垂直方向に積層する。複数の柱部131aが形成される。さらに柱部131bが柱部131aの表面と段差面に積層する。スパッタリングの条件の例が次に示される。ターゲットと樹脂絶縁層20の第1面22間の距離が50mm以上250mm以下である。電圧が15eV以上50eV以下である。ガス濃度が0.1Pa以上1.0Pa以下である。
内壁面27を覆う第1層31a上に形成される第2層31bは、導体が柱状に成長することで形成される複数の柱部131bを有している。柱部131bは、柱部131a上にさらに導体が成長することで形成される。柱部131bはパッド14の上面に対して垂直に延びている。第2層31bは、柱部131bが第1層31aに連なって存在することで形成されている。第2層31bは銅で形成される。以上のように第1層31aと第2層31bが形成されることでシード層30aが形成される。図4Gに示されるように、シード層30aは、柱部130が内壁面27に連なって存在することで形成されている。また、内壁面27を覆うシード層30aの断面形状は階段状である。ビア導体の開口の内壁面と接する部分の粗度が小さい。高周波信号が伝送される時、伝送損失が小さい。
図4Gに示されるように、内壁面27上に形成される第1層31aは、第1部分110aと第2部分120aを有する。第1部分110aと第2部分120aは同時に形成されている。第1部分110aと第2部分120aは電気的に繋がっている。第1部分110aの先端112aが第2部分120aの後端122a上に形成されている。内壁面27を覆う第1層31aの断面は略階段状の形状を有する。スパッタリングの条件の例が次に示される。ターゲットと樹脂絶縁層20の第1面22間の距離が50mm以上250mm以下である。電圧が15eV以上50eV以下である。ガス濃度が0.1Pa以上1.0Pa以下である。
内壁面27を覆う第1層31a上に形成される第2層31bは、第1部分110bと第2部分120bを有する。第1部分110bと第2部分120bは同時に形成されている。第1部分110bと第2部分120bは電気的に繋がっている。第1部分110bの先端112bが第2部分120bの後端122b上に形成されている。内壁面27上に形成されている第2層31bの断面は略階段状の形状を有する。スパッタリングの各条件は上記とほぼ同様である。実施形態の内壁面27は樹脂80の面80aと第1無機粒子91の露出面91bで形成されている。両者はほぼ共通な面を形成する。樹脂の面80aと露出面91bは異なる材料で形成される。そして、第1層31aはスパッタリングで形成される。樹脂80の面80a上に形成される第1層31aの成長と露出面91b上に形成される第1層31aの成長が異なると考えられる。樹脂80の面80a上に形成されるシード層30aの成長と露出面91b上に形成されるシード層30aの成長が異なると考えられる。そのため、実施形態では、第1部分110と第2部分120が形成されると考えられる。第1部分110aの先端112aが第2部分120aの後端122a上に形成されると考えられる。第1層31aの断面は略階段状の形状を有すると考えられる。第2層31bは第1層31aに追従すると考えられる。従って、第2層31bは第1部分110bと第2部分120bを有すると考えられる。第2層31bの第1部分110bの先端112bが第2層31bの第2部分120bの後端122b上に形成されると考えられる。第2層31bの断面は略階段状の形状を有すると考えられる。同様に、シード層30aは第1部分110と第2部分120を有すると考えられる。シード層30aの第1部分110の先端112がシード層30aの第2部分120の後端122上に形成されると考えられる。シード層30aの断面は略階段状の形状を有すると考えられる。
内壁面27上の第1層31aはほぼ平滑な内壁面27上に形成される。そのため、実施形態は第1層31aの第1部分110aの表面と第1層31aの第2部分120aの表面をほぼ平滑に形成することができる。同様に、第2層31bの第1部分110bの表面と第2層31bの第2部分120bの表面をほぼ平滑に形成することができる。シード層30aの第1部分110の表面とシード層30aの第2部分120の表面をほぼ平滑に形成することができる。表面が平滑であると、伝送損失を小さくすることができる。
内壁面27が図3に示される段差28aを有すると、スパッタリングを用いて第1部分110aと第2部分120aを有する第1層31aを容易に形成することができる。第1部分110と第2部分120を有するシード層30aを容易に形成することができる。第1部分110aの先端112aを第2部分120aの後端122a上に形成することができる。第1部分110の先端112を第2部分120の後端122上に形成することができる。実質的に階段状の形状を有する第1層31aを容易に形成することができる。実質的に階段状の形状を有するシード層30aを容易に形成することができる。
図4Hに示されるように、シード層30a上にめっきレジスト60が形成される。めっきレジスト60は、第1信号配線32と第2信号配線34とランド36(図1)を形成するための開口を有する。
図4Iに示されるように、めっきレジスト60から露出するシード層30a上に電解めっき層30bが形成される。電解めっき層30bは銅で形成される。電解めっき層30bは開口26を充填する。第1面22上のシード層30aと電解めっき層30bによって、第1信号配線32と第2信号配線34とランド36が形成される。第2導体層30が形成される。開口26内のシード層30aと電解めっき層30bによって、ビア導体40が形成される。ビア導体40は、パッド14とランド36を接続する。第1信号配線32と第2信号配線34はペア配線を形成する。
その後、めっきレジスト60が除去される。電解めっき層30bから露出するシード層30aが除去される。第2導体層30とビア導体40は同時に形成される。実施形態のプリント配線板2(図1)が得られる。
実施形態のプリント配線板2(図1、図2A)では、開口26の内壁面27を覆うシード層30aは、導体が柱状に成長することで形成される柱部130を有している。シード層30aは、開口26の内壁面27上に平滑に形成される。シード層30aが開口26の内壁面27の隙間に充填される従来の構成に比べて、ビア導体40の開口26の内壁面27と接する部分の粗度が小さい。高周波信号が伝送される時、伝送損失が小さい。伝送損失の小さいプリント配線板2が提供される。高い品質を有するプリント配線板2が提供される。
実施形態のプリント配線板2(図1~図3)では、開口26の内壁面27を覆うシード層30aの第1部分110の一部が第2部分120上に形成されている。第1部分110と第2部分120が部分的に重なっている。そのため、シード層30aの強度を高くすることができる。シード層30aが断線しがたい。シード層30aは、ほぼ平滑な第1部分110とほぼ平滑な第2部分120で形成される。そのため、高周波信号が伝送される時、伝送損失が小さい。高品質のプリント配線板2が提供される。
実施形態のプリント配線板2では樹脂絶縁層20の第1面22はほとんど樹脂80で形成されている。第1面22から無機粒子90は少量露出する。第1面22には凹凸が形成されない。樹脂絶縁層20の第1面22近傍部分の比誘電率の標準偏差が大きくなることが抑制される。第1面22の比誘電率は場所によって大きく変わらない。第1信号配線32と第2信号配線34が第1面22に接していても、第1信号配線32と第2信号配線34間の電気信号の伝搬速度の差を小さくすることができる。そのため、実施形態のプリント配線板2ではノイズが抑制される。実施形態のプリント配線板2にロジックICが実装されても、第1信号配線32で伝達されるデータと第2信号配線で伝達されるデータがロジックICにほぼ遅延なく到達する。ロジックICの誤動作を抑制することができる。第1信号配線32の長さと第2信号配線34の長さが5mm以上であっても、両者の伝搬速度の差を小さくすることができる。第1信号配線32の長さと第2信号配線34の長さが10mm以上、20mm以下であっても、ロジックICの誤動作を抑制することができる。高い品質を有するプリント配線板2が提供される。図に示されないが、プリント配線板2の各辺の長さは50mm以上である。各辺の長さは100mm以上であることが好ましい。各辺の長さは250mm以下である。
[実施形態の別例]
実施形態の別例では、シード層10aの第1層11aは、アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、カルシウム、マグネシウム、鉄、モリブデン、銀、のうちのいずれか1つの金属で形成されている。
実施形態の別例では、シード層10aの第1層11aは、アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、カルシウム、マグネシウム、鉄、モリブデン、銀、のうちのいずれか1つの金属で形成されている。
本明細書内では、平面は内壁面27の形状と平坦部91aの形状、第1無機粒子91の形状に対し用いられている。これらに対し用いられている平面の意味は図1と図2Aに示されている。すなわち、図1と図2Aでは、内壁面27はほぼまっすぐに描かれている。図1と図2A中の内壁面27の形状はほぼ直線である。本明細書中の平面は、断面中に示されている実質的な直線を含む。図1と図2Aの第1無機粒子91の断面に示されるように、断面では、平面で切断することは直線で切断することを含む。本明細書内の平面は完全な平面を意味せず実質的な平面を含む。実質的な平面は小さな凹凸を含んでもよい。
2 :プリント配線板
4 :絶縁層
10 :第1導体層
20 :樹脂絶縁層
26 :開口
27 :内壁面
28 :階段部
28a :段差
30 :第2導体層
30a :シード層
30b :電解めっき層
40 :ビア導体
80 :樹脂
90 :無機粒子
91 :第1無機粒子
91a :平坦部
91b :露出面
92 :第2無機粒子
110、110a、110b:第1部分
112、112a、112b:先端
120、120a、120b:第2部分
122、122a、122b:後端
130 :柱部
131a:柱部
131b:柱部
4 :絶縁層
10 :第1導体層
20 :樹脂絶縁層
26 :開口
27 :内壁面
28 :階段部
28a :段差
30 :第2導体層
30a :シード層
30b :電解めっき層
40 :ビア導体
80 :樹脂
90 :無機粒子
91 :第1無機粒子
91a :平坦部
91b :露出面
92 :第2無機粒子
110、110a、110b:第1部分
112、112a、112b:先端
120、120a、120b:第2部分
122、122a、122b:後端
130 :柱部
131a:柱部
131b:柱部
Claims (20)
- 第1導体層と、
前記第1導体層上に形成されていて、前記第1導体層を露出するビア導体用の開口と第1面と前記第1面と反対側の第2面とを有する樹脂絶縁層と、
前記樹脂絶縁層の前記第1面上に形成されている第2導体層と、
前記開口内に形成されていて、前記第1導体層と前記第2導体層とを接続するビア導体と、を有するプリント配線板であって、
前記ビア導体は前記開口内を覆うシード層と前記シード層上の電解めっき層で形成されており、
前記シード層は、導体が柱状に成長することで形成される柱部を有している。 - 請求項1のプリント配線板であって、前記柱部は前記開口から露出する前記第1導体層の上面に対して垂直に延びている。
- 請求項1のプリント配線板であって、前記シード層は、前記柱部が前記開口の内壁面に連なって存在することで形成されている。
- 請求項1のプリント配線板であって、前記開口の内壁面を覆う前記シード層の断面形状が階段状である。
- 請求項1のプリント配線板であって、前記開口の内壁面は、前記第1面から前記第1導体層に向けて傾斜している。
- 請求項1のプリント配線板であって、前記開口の内壁面の前記第1導体層の上面に対する角度は70°以上90°以下である。
- 請求項1のプリント配線板であって、前記樹脂絶縁層は樹脂と無機粒子とを含み、前記開口の内壁面は、前記樹脂と前記無機粒子の平坦部の境界部付近で前記開口方向に向かって凸量が0.5μm以下の階段部を有する。
- 請求項1のプリント配線板であって、前記シード層は第1層と前記第1層上の第2層を有しており、前記第1層と前記第2層は銅合金と銅の組み合わせからなる。
- 請求項8のプリント配線板であって、前記銅合金中の銅の含有量が90%以上である。
- 第1導体層と、
前記第1導体層上に形成されていて、前記第1導体層を露出するビア導体用の開口と第1面と前記第1面と反対側の第2面とを有する樹脂絶縁層と、
前記樹脂絶縁層の前記第1面上に形成されている第2導体層と、
前記開口内に形成されていて、前記第1導体層と前記第2導体層とを接続するビア導体、とを有するプリント配線板であって、
前記第2導体層と前記ビア導体は、シード層と前記シード層上に形成される電解めっき層によって形成されており、前記開口の内壁面を覆う前記シード層は、ほぼ平滑な第1部分とほぼ平滑な第2部分を有しており、前記第1部分と前記第2部分は電気的に繋がっており、前記第1部分の一部が前記第2部分上に形成されている。 - 請求項10のプリント配線板であって、前記第1部分の先端が前記第2部分の後端上に形成されている。
- 請求項10のプリント配線板であって、前記第1部分と前記第2部分は同時に形成されている。
- 請求項10のプリント配線板であって、前記内壁面上に形成されている前記シード層の断面は略階段状の形状を有する。
- 請求項10のプリント配線板であって、前記シード層は前記内壁面を覆う第1層と前記第1層上の第2層で形成され、前記第1層が前記第1部分と前記第2部分を有する。
- 請求項14のプリント配線板であって、前記第1部分の先端が前記第2部分の後端上に形成されている。
- 請求項14のプリント配線板であって、前記第1層の断面は略階段状の形状を有する。
- 請求項10のプリント配線板であって、前記樹脂絶縁層は樹脂と第1無機粒子と第2無機粒子を含み、前記第1無機粒子は平坦部を有し、前記内壁面は前記樹脂と前記平坦部で形成されている。
- 請求項17のプリント配線板であって、前記内壁面を形成する前記樹脂と前記平坦部との間に段差が形成されている。
- 請求項17のプリント配線板であって、前記開口を形成することは、前記開口の前記内壁面を形成する前記樹脂から突出する突出部分を有する無機粒子を形成することを含み、前記第1無機粒子は前記無機粒子の前記突出部分を除去することで形成される。
- 請求項17のプリント配線板であって、前記開口を形成することは、前記第2無機粒子から突出部分を有する無機粒子を形成することを含み、前記開口の前記内壁面は前記突出部分を除去することで形成される前記第1無機粒子の露出面を含む。
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