JP2023147147A - 仮設工事用サポート及び仮設工事用サポートの製造方法 - Google Patents

仮設工事用サポート及び仮設工事用サポートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ねじ管の上部の構成を工夫することで、重量増加を抑えつつ強度が高い仮設工事用サポート及び仮設工事用サポートの補強方法を提供する。【解決手段】下管部11、下ベース板13、及び下管係止部12を備える下柱10と、下管係止部に回動可能に係止される調整ナット20と、第1ピン穴、雄ねじ部31、及びピン受筒部34を備え、調整ナットに螺合されるとともにその下部が下管部に挿入されるねじ管30と、ねじ管が前記下柱に対して回動することを防止する回り止め部と、上管部51、上ベース板52、及び第2ピン穴を備え、その下部がねじ管に挿入される上柱50と、第1ピン穴及び第2ピン穴を連続して貫通してねじ管と上柱とを固定するサポートピン60a,60bと、を備え、ねじ管30の肉厚が上管部51との隙間を狭くする方向に厚く構成され、上管部の外面とねじ管の内面との隙間が3mm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、建物の建築や解体のとき等に、天井や仮設の梁等の被支持材を支持するための仮設工事用サポート及び仮設工事用サポートの製造方法に関する。
従来、ピン穴及びサポートピンの変形を防止することを目的として、例えば実開平6-10532号公報(特許文献1)に、差し込み管の内面にその軸方向にわたって厚肉部を設けたパイプサポートが開示されている。また、実開平5-62660号公報(特許文献2)に、連結管の基部に半径方向外方に隆起した肉厚部を設け、この肉厚部にピンを当接させるコンクリート型枠支保杆が開示されている。
実開平6-10532号公報 実開平5-62660号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術では、差し込み管の全長にわたって厚肉部が設けられており、パイプサポートの重量が大きく増加してしまうおそれがあった。また、特許文献2に開示されている技術では、その長さを調整するにあたり、連結管をピンに当接させた状態で回転させる必要がある。このため、支保杆にかかる荷重が大きくなればなるほど連結管とピンとの摩擦が大きくなり、連結管を回転させることが困難になる。また、支保杆に荷重をかけたとき、肉厚部のうちピンに当接される箇所が僅かながら打痕のように凹状に塑性変形することがある。すると、この凹状の箇所にピンが嵌まり、連結管の回転がさらに困難になる恐れがあった。また、特許文献1には、ねじ管の肉厚についての記載はなく、特許文献2は、ねじ管が外管の外側にあるため構成が相違する。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、ねじ管の構成を工夫することで、重量増加を抑えつつ高荷重に耐えられる仮設工事用サポート及び仮設工事用サポートの補強方法を提供することを目的とする。
下管部、前記下管部の下端に設けられる下ベース板、及び前記下管部の上端に設けられる下管係止部を備える下柱と、
前記下管係止部に回動可能に係止される調整ナットと、
外周面に設けられる雄ねじ部、前記雄ねじ部の上方に設けられるピン受筒部、及び前記ピン受筒部のうち軸と直交する方向に一方の外周から他方の外周へ貫通する第1ピン穴を備え、前記雄ねじ部が前記調整ナットに螺合されるとともにその下部が前記下管部に挿入されるねじ管と、
前記ねじ管が前記下柱に対して回動することを防止する回り止め部と、
上管部、前記上管部の上端に設けられる上ベース板、前記上管部の軸方向に所定の距離を置いて複数設けられるとともに軸と直交する方向に一方の外周から他方の外周へ貫通する第2ピン穴を備え、その下部が前記ねじ管に挿入される上柱と、
前記第1ピン穴及び前記第2ピン穴を連続して貫通して前記ねじ管と前記上柱とを固定するサポートピンと、を備え、
前記ねじ管の肉厚が内径方向に向かって前記上管部との隙間を狭くするように厚く構成され、
前記上管部の外面と前記ねじ管の内面との隙間が3mm以下であることを特徴とする。
本発明の仮設工事用サポートの好ましい例は、
前記ねじ管のうち、前記ピン受筒部が前記上管部の肉厚より2mm以上3mm以下の範囲で厚くされている。
本発明の仮設工事用サポートの好ましい例は、
前記ねじ管のうち、前記ピン受筒部の肉厚が8mm以上9mm以下である。
これらの本発明の仮設工事用サポートによれば、ねじ管の肉厚を厚く構成しており、上管部とねじ管との隙間を狭くしている。また、最も応力がかかりやすい場所の一つである第1ピン穴及びその周辺の肉厚も厚くしている。これにより、ねじ管及びサポートピンの変形が抑制され、仮設工事用サポートの強度を向上させることができる。また、仮設工事用サポート全体からすると少しの補強で済むことから、重量の増加を抑制できる。
本発明の仮設工事用サポートの製造方法は、
下管部、前記下管部の下端に設けられる下ベース板、及び前記下管部の上端に設けられる下管係止部を備える下柱と、
前記下管係止部に回動可能に係止される調整ナットと、
外周面に設けられる雄ねじ部、前記雄ねじ部の上方に設けられるピン受筒部、及び前記ピン受筒部のうち軸と直交する方向に一方の外周から他方の外周へ貫通する第1ピン穴を備え、前記雄ねじ部が前記調整ナットに螺合されるとともにその下部が前記下管部に挿入されるねじ管と、
前記ねじ管が前記下柱に対して回動することを防止する回り止め部と、
上管部、前記上管部の上端に設けられる上ベース板、前記上管部の軸方向に所定の距離を置いて複数設けられるとともに軸と直交する方向に一方の外周から他方の外周へ貫通する第2ピン穴を備え、その下部が前記ねじ管に挿入される上柱と、
前記第1ピン穴及び前記第2ピン穴を連続して貫通して前記ねじ管と前記上柱とを固定するサポートピンと、を備える仮設工事用サポートを、
前記ねじ管の肉厚を内径方向に向かって前記上管部との隙間が狭くなるように厚く形成し、
前記上管部の外面と前記ねじ管の内面との隙間を3mm以下にすることを特徴とする。
本発明の仮設工事用サポートの製造方法によれば、上記の仮設工事用サポートの発明と同様の作用効果を奏することができる。
上述したように本発明の仮設工事用サポート及び仮設工事用サポートの製造方法によれば、ねじ管の構成を工夫することで、重量増加を抑えつつ高荷重に耐えることができる。
本発明の一実施形態に係る仮設工事用サポートの正面図と側面図である。 仮設工事用サポートの正面組立図である。 仮設工事用サポートの側面組立図である。 ねじ管の平面図、正面図、及び側面図である。 従来のねじ管の平面図、正面図、及び側面図である。 サポートピンの正面図、及び側面図である。 上管部の外面と前記ねじ管の内面との隙間を説明する図である。 荷重試験結果等を示す表である。 上管部とねじ管と下管部の寸法、及び上管部の外面とねじ管の内面との隙間を説明する図である。
以下、本発明に係る仮設工事用サポート1及び仮設工事用サポートの製造方法の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
先ずは、仮設工事用サポート1の実施形態を説明する。本実施形態の仮設工事用サポート1は、図1ないし図3に示すように、下柱10と、調整ナット20と、ねじ管30と、回り止め部40と、上柱50と、サポートピン60a,60bと、を備える。
下柱10は、仮設工事用サポート1の下側を構成する筒状のものであり、下管部11、下管係止部12、及び下ベース板13を備える。下管部11は、円筒形の部材からなり、その中は中空となっている。下管係止部12は、下管部11の上端に設けられるもので、下管部11の径より大きな鍔状又はフランジ状をなしている。なお、下管係止部12が設けられる位置は、調整ナット20が係止できる位置であればよく、ここでの上端とは上端近傍を含めることを意図する。また、下管部11の寸法であるが、外径が114.3mmで肉厚が3.5mm、又は外径が114mmで肉厚が4mmである。これは、一般に10分の1ミリ単位表示(又は10分の1ミリ単位の規格、以下同様)の製品と、1ミリ単位表示(又は1ミリ単位の規格、以下同様)の製品があるためである。このため、実質的に両者は同じと考えられる。
下ベース板13は、下管部11の下端に設けられるもので、平面視で略矩形をなすとともに、その広い面の中央に下抜き穴(図示せず)を備える。なお、下ベース板の形状は上記のものに限られず、下ベース板の角を面取りしたもの、平面視で矩形以外の多角形や円形等様々な形状を採用することができる(上ベース板52においても同様)。
調整ナット20は、下柱10の上端に設けられる下管係止部12に、回動可能に係止されるものであり、雌ねじ管21、ナット係止部23、及びハンドル25を備える。雌ねじ管21は、その内周面に雌ねじ部22(図2参照)が設けられている円筒形の部材である。ナット係止部23は、雌ねじ管21の外周に設けられ、正面視及び背面視で横向きの凹部24を備えるものである。そして、この凹部24が上記の下管係止部12に係止されることで、調整ナット20が回動可能とされる。ハンドル25は、ナット係止部23によって上下方向に回動可能に軸支されるものである(図1(A)矢印a参照。)。そして、このハンドル25を持ち上げて水平方向に回すことで調整ナット20が回動される。
ねじ管30は、その外周面に雄ねじ部31を備える略円筒形の部材であり、雄ねじ部31の上方にピン受筒部34、及び第1ピン穴33a,33bを備える。雄ねじ部31はねじ管30の外周面に設けられるもので、この雄ねじ部31が調整ナット20の雌ねじ部22に螺合され、さらにねじ管30の下部が下柱10の下管部11に挿入される。そして、調整ナット20が回動されることで、ねじ管30が上下方向に移動する。なお、ピン受筒部34によって、ねじ管30の上部が調整ナット20より下に行かないようになっている。また、ピン受筒部34には、ねじ管30の軸と直交する方向に一方の外周から他方の外周へ貫通する第1ピン穴33a,33bが設けられる。この第1ピン穴33a,33bは2組備えられており、それぞれ直交する方向かつ上下にずらして配置される。これにより、上側の第1ピン穴33aはピン受筒部34の上端に配置され、側面視で半円形状をなしている。このねじ管30の寸法は後述する。
回り止め部40は、ねじ管30が下柱10に対して回動することを防止するものである。本実施形態では、この回り止め部40として、下管部11に設けられてその外周を貫通するボルト用穴41、前記ボルト用穴41と同軸かつ下管部11の外周に溶接等の方法で接合された固定用ナット42、前記固定用ナット42に螺合される固定用ボルト43、及びねじ管30の外周に軸方向に添って設けられる長穴44を備える。ここで、ねじ管30の下部を下柱10に挿入して、ボルト用穴41と長穴44とを合わせた状態で、固定用ボルト43を固定用ナット42に螺合させると、固定用ボルト43の軸部分がねじ管30の長穴44に差込まれる。これにより、ねじ管30は上下方向には移動可能になるが、下管に対して回動することがなくなる。なお、回り止め部として図示はしないが上記の他に、下管部11の内周面から突出したキーを設け、前記キーに対応するキー溝をねじ管30に設ける等、公知の構成を採用することができる。
上柱50は、仮設工事用サポート1の上側を構成する筒状のものであり、上管部51、上ベース板52、及び第2ピン穴55a,55bを備える。上管部51は、略円筒形の部材からなってその中は中空となっており、上管部51の下部がねじ管30及び下管部11に挿入される。なお、上管部51は、その長さや仮設工事用サポート1を使用するときの引き出し長さによっては、殆どの部分がねじ管30及び下管部11に挿入されることがある。ここで、上管部51の寸法は、外径が82.6mmで肉厚が6.0mm、又は外径が83mmで肉厚が6mmである。これは、一般に10分の1ミリ単位表示の製品と、1ミリ単位表示の製品があるためであり、実質的に両者は同じと考えられる(後述するねじ管においても同様。)。
上ベース板52は、上管部51の上端に設けられるもので、下ベース板13同様に、実質的に平面視で矩形をなすとともに、その広い面の中央に上抜き穴(図示せず)を備える。
第2ピン穴55a,55bは、上管部51の軸方向に所定の距離を置いて複数設けられるとともに、上管部51の軸と直交する方向に一方の外周から他方の外周へ貫通する穴である。この第2ピン穴55a,55bは2組備えられており、それぞれ直交する方向かつ上下にずらして配置される。また、第2ピン穴55a,55bは、ねじ管30に設けられる第1ピン穴33a,33bに対応するように設けられ、下柱10を所定の長さほどねじ管30及び下柱10から引き出したとき、第2ピン穴55a,55bと第1ピン穴33a,33bとが重なるように構成される。
サポートピン60a,60bは、ねじ管30に設けられた第1ピン穴33a,33bと、上管部51に設けられた第2ピン穴55a,55bとを重ねた状態で連続して貫通して、ねじ管30と上柱50とを固定するものである。このサポートピン60a,60bは、図6(A)(B)にも示すように、先端側のピン側面に一対の抜け防止突起部61を備える。この抜け防止突起部61は、ピン側面から突出した部分が半円球をなしている。そして、サポートピン60a,60bを第1ピン穴33a,33b及び第2ピン穴55a,55bに差込んでいる通常時は、サポートピン60a,60b内部の図示しないバネ等により、ピン側面から抜け防止突起部61が突出して第1ピン穴33a,33b及び第2ピン穴55a,55bからの抜けを防止する。
一方、サポートピン60a,60bの抜き差し時には、外力によってピン側面と同じ位置まで抜け防止突起部61が引っ込んで、サポートピン60a,60bの第1ピン穴33a,33b及び第2ピン穴55a,55bからの抜き差しを可能とする。この外力には、抜け防止突起部61が第1ピン穴33a,33b及び第2ピン穴55a,55bの内周面に当接することによって押し込まれることも含める。本実施形態では、このサポートピン60a,60b及び抜け防止突起部61に、ボールロックピンと呼ばれるピンを採用している。また、サポートピン60a,60bの根元側には、三角環又は丸環等の環状部材63を留めるためのサポートピン穴62が設けられる。この環状部材63は、サポートピン60a,60bをこの位置より深く第1ピン穴33a,33b及び第2ピン穴55a,55bに差し込めないようにするストッパーとしての役割も有する。
また、サポートピン60a,60bは2組備えられており、2本のサポートピン60a,60bが交差して差込まれるように第1ピン穴33a,33b及び第2ピン穴55a,55bが配置される。
次に、本実施形態の仮設工事用サポート1特有の構成を説明する。図4(A)~(C)に示すように、本実施形態の仮設工事用サポート1は、ねじ管30の肉厚t1,t2が、上管部51の肉厚6mm以上に厚く構成されることが好ましい。具体的には、ねじ管30の材料である管材に、10分の1ミリ単位表示の製品では外径101.6mm肉厚8.0mm、1ミリ単位表示の製品では外径102mm肉厚8mmのものを用いる。そして、ピン受筒部34は第1ピン穴33a,33bのみの加工であり、ねじの加工は不要のため、ここの肉厚t1はそのままの8mmである。また、雄ねじ部31の肉厚t2は、雄ねじ部31を切削加工することから必然的に薄くなり、本実施形態ではピン受筒部34に比べて少し薄い6mmである。これは上管部51の肉厚6mmと実質的に同じである。これらにより、第1ピン穴33a,33bがサポートピン60a,60bと接触する幅w1が広くなるとともに、雄ねじ部31においても肉厚t2が厚くなって強度が向上する。なお、管材の肉厚を厚くするときは、一般に内径方向に向かって厚くされる。このため、ねじ管30の外径は変わらず内径のみ変わる。これにより、図7に示す、ねじ管30の内側と上管部51の外側との間の隙間sが狭くなる。また、ねじ管30の外径が変わらないため、一般的に使用される仮設工事用サポートの下柱10、調整ナット20をそのまま使用することができる。
次に、図5(A)~(C)に示す従来のねじ管530を説明する。従来品では、ねじ管530の材料である管材に、本実施形態と比較して肉厚の薄いものを使用している。このため、ピン受筒部534の肉厚t5が薄く、第1ピン穴533a,533bがサポートピン60a,60bと接触する幅w3が狭い。また、雄ねじ部531の肉厚t6が上管部51の肉厚より薄くなっている。具体的には、10分の1ミリ単位表示の製品では、ねじ管530(ピン受筒部534)の外径が101.6mmでピン受筒部534の肉厚t5が7.0mmであり、雄ねじ部531の肉厚t6が切削加工によって薄くなり5.0mmである(出願人の実測による)。また、上記の10分の1ミリ単位表示の製品と実質的に同じである1ミリ単位表示の製品では、ねじ管530(ピン受筒部534)の外径が102mmでピン受筒部534の肉厚t5が7mmであり、雄ねじ部531の肉厚t6が切削加工によって薄くなり5mmである。これにより、荷重がかかったときにサポートピン60a,60bと雄ねじ部531が変形しやすくなるばかりでなく、ねじ管530の内側と上管部51の外側との間の隙間s(図7参照)が広くなり、ねじ管530又は上管部51が折れやすくなる。
上述したねじ管30,ねじ管530の肉厚を、図8(A)を参照してまとめる。図8(A)に示すように、本実施形態のねじ管30は、上管部51の肉厚6mmに対してピン受筒部34の肉厚t1が2mm厚い8mm、雄ねじ部31の肉厚t2が同等の6mmである。従来品のねじ管530は、上管部51の肉厚に対してピン受筒部534の肉厚t5が1mm厚い7mm、雄ねじ部531の肉厚t6は1mm薄い5mmである。
次に、図8(B)を参照して、仮設工事用サポートの強度試験の結果を説明する。この表に示すCH32B(本実施形態)ではねじ管30を用い、CH32(従来品)ではねじ管530を用いている。また、下柱10、調整ナット20、及び上柱50は同等品を使用している。結果として、仮設工事用サポートが座屈変形する最大荷重において、従来品が294キロニュートンに対し、本実施形態に係る仮設工事用サポート1が432キロニュートンとなり大幅な向上がみられた。また、最大荷重の半分である通常使用可能な許容荷重は、従来品が147キロニュートンに対し、本実施形態に係る仮設工事用サポート1が216キロニュートンである。
この大幅な強度向上がみられた要因としては、サポートピン60a,60bが曲がりにくくなったことは勿論であるが、ねじ管30の肉厚t1,t2が厚くなったことにより、ねじ管30自体の強度が向上したこと、及びねじ管30と上管部51との隙間s(図7参照)が狭くなったことがあると推測される。これは、下管部11、ねじ管30、及び上管部51に互いに隙間があることから、強度試験のときにねじ管30付近が関節のようになってくの字状に変形する。このくの字状に曲がる度合が大きければ大きいほど、仮設工事用サポートの強度が弱くなることは明らかである。そして、最終的にねじ管30近傍が変形するとともに仮設工事用サポートが座屈する。本実施形態の仮設工事用サポート1では、ねじ管の肉厚t1,t2を厚くすることにより、くの字状に曲がる度合が抑制され、さらにねじ管30自体も曲がりにくくなって強度が向上したと考えられる。
次に、図9(A)を参照して、ねじ管30(ピン受筒部34)の肉厚t1と、ねじ管30の内面と上管部51との隙間s(図7参照)の関係を説明する。図9(A)は、10分の1ミリ単位表示の従来品、1ミリ単位表示の従来品、及び本実施形態に係る仮設工事用サポート1(1ミリ単位表示)について、上管部51、ねじ管30(ピン受筒部34)、下管部11の各寸法を表わすものである。図9(A)に示すねじ管の内径は、「ねじ管の外径-ねじ管の肉厚×2」で容易に求めることができる。そして、ねじ管30の内面と上管部51との隙間sを計算すると、以下のとおりとなる。
・計算式
ねじ管の内径-上管部の外径=隙間s
・10分の1ミリ単位表示の従来品
87.6mm-82.6mm=5mm
・1ミリ単位表示の従来品
88mm-83mm=5mm
・本実施形態に係る仮設工事用サポート1
86mm-83mm=3mm
このように、従来品の隙間sが5mmなのに対し、本実施形態に係る仮設工事用サポート1の隙間sは3mmとなり、この分、仮設工事用サポート1がくの字状に曲がることが抑制され強度が向上する。
次に、図9(B)を参照して、ねじ管30(ピン受筒部34)の肉厚の最適範囲を説明する。上述したように、ねじ管30(ピン受筒部34)の肉厚が8mmのとき、ねじ管30の内面と上管部51の外面との隙間sは3mmである。また、原理的にはこの隙間sが0mmになる9.5mmまでねじ管30(ピン受筒部34)の肉厚を厚くすることができる。しかし、ねじ管30の内面と上管部51の外面との隙間sに瓦礫や粉塵等の異物が入る可能性があること、ねじ管30の内面と上管部51の外面に傷等が入り凹凸ができる可能性があること、及びねじ管30等の製造時の公差等により、隙間sを0mmにすることは現実的ではない。このため、隙間sを3mm以下1mm以上とすることが好ましい。この場合、ねじ管30(ピン受筒部34)の肉厚t1は8mm以上9mm以下となり、雄ねじ部31の肉厚t2は切削加工により減少するため6mm以上7mm以下となる。また、上管部51の肉厚6mmと比較すると、ねじ管30(ピン受筒部34)の肉厚が2mm以上3mm以下の範囲で厚くされ、雄ねじ部31の肉厚が0mm以上1mm以下の範囲で厚くされていることになる。
さらに、上記の隙間sを3mm以下2mm以上に限定することで、隙間sに瓦礫や粉塵等の異物が入り込んでもねじ管30と上管部51の動きが妨げられることが少なくなる。この場合、ねじ管30(ピン受筒部34)の肉厚t1は8mm以上8.5mm以下となり、雄ねじ部31の肉厚t2は6mm以上6.5mm以下となる。また、上管部51の肉厚6mmと比較すると、ねじ管30(ピン受筒部34)の肉厚が2mm以上2.5mm以下の範囲で厚くされ、雄ねじ部31の肉厚が0mm以上0.5mm以下の範囲で厚くされていることになる。
一方、上記の隙間sを2mm未満1mm以上に限定することで、隙間sが狭くなるとともにねじ管30の肉厚も厚くなり、仮設工事用サポート1の更なる強度向上が見込める。この場合、ねじ管30(ピン受筒部34)の肉厚t1は8.5mmを超えて9mm以下となり、雄ねじ部31の肉厚t2は6.5mmを超えて7mm以下となる。また、上管部51の肉厚6mmと比較すると、ねじ管30(ピン受筒部34)の肉厚が2.5mmを超えて3mm以下の範囲で厚くされ、雄ねじ部31の肉厚が0.5mmを超えて1mm以下の範囲で厚くされることになる。
なお、上述したように、これらの隙間sはねじ管30の肉厚(内径)と上管部51の外径に依存する。このため、管材の製造時の公差等によって十分の一ミリ単位での変動はあると考えられる。
次に、図4に示すねじ管30を用いた、仮設工事用サポートの製造方法を説明する。本実施形態の仮設工事用サポートの製造方法は、ねじ管30の肉厚を内径方向に向かって上管部51との隙間sが狭くなるように厚く形成し、上管部51の外面とねじ管30の内面との隙間sを3mm以下にすることでなされる。好ましくは、従来製品と同等の寸法の下柱10、調整ナット20、上柱50等を用い、ねじ管30を上述した寸法で製造することでなされる。また、既存の仮設工事用サポートのねじ管のみを本実施形態のねじ管30と交換することで、既存の仮設工事用サポートの補強をすることもできる。
以上、説明したように、本実施形態の仮設工事用サポート及び仮設工事用サポートの製造方法によれば、ねじ管の肉厚を厚くすることで、仮設工事用サポートの大幅な強度向上を図ることができる。これにより、重量の増加を抑制することができ、製造コストの削減も図ることができる。例えば、上記の特許文献1等では、管の内側方向に厚肉部を設けている。係る場合、製造に押出成形等を用いるしかなく、金型等が必要になるとともに製造設備も大規模になりがちである。一方、本実施形態の仮設工事用サポートでは、ねじ管の材料となる管材の肉厚を厚くするだけで済む。このため、特別な製造方法が不要であり、通常の鋼管を切削加工することによって製造できる。
また、従来品の仮設工事用サポートから、ねじ管のみを肉厚の厚いものに差し替えるだけで、仮設工事用サポートの強度を向上させることができる。これにより、仮設工事用サポートの製造方法の実施において、既存の下柱や上柱の設計変更が不要となる。
さらに、仮設工事用サポートの強度が向上することによって、面積あたりの設置本数を減らすことができる。これにより、施工現場における作業効率の向上と作業コスト削減を図ることができる。
なお、上述した仮設工事用サポート及び仮設工事用サポートの補強方法は、本発明の例示であり発明の趣旨を逸脱しない範囲において、その構成を適宜変更することができる。
1・・仮設工事用サポート、
10・・下柱、11・・下管部、12・・下管係止部、13・・下ベース板、
20・・調整ナット、21・・雌ねじ管、22・・雌ねじ部、23・・ナット係止部、24・・凹部、25・・ハンドル、
30,530・・ねじ管、31,531・・雄ねじ部、33a,33b,533a,533b・・第1ピン穴、34,534・・ピン受筒部、
40・・回り止め部、41・・ボルト用穴、42・・固定用ナット、43・・固定用ボルト、44・・長穴、
50・・上柱、51・・上管部、52・・上ベース板、55a,55b・・第2ピン穴、
60a,60b・・サポートピン、61・・抜け防止突起部、62・・サポートピン穴、63・・環状部材

Claims (4)

  1. 下管部、前記下管部の下端に設けられる下ベース板、及び前記下管部の上端に設けられる下管係止部を備える下柱と、
    前記下管係止部に回動可能に係止される調整ナットと、
    外周面に設けられる雄ねじ部、前記雄ねじ部の上方に設けられるピン受筒部、及び前記ピン受筒部のうち軸と直交する方向に一方の外周から他方の外周へ貫通する第1ピン穴を備え、前記雄ねじ部が前記調整ナットに螺合されるとともにその下部が前記下管部に挿入されるねじ管と、
    前記ねじ管が前記下柱に対して回動することを防止する回り止め部と、
    上管部、前記上管部の上端に設けられる上ベース板、前記上管部の軸方向に所定の距離を置いて複数設けられるとともに軸と直交する方向に一方の外周から他方の外周へ貫通する第2ピン穴を備え、その下部が前記ねじ管に挿入される上柱と、
    前記第1ピン穴及び前記第2ピン穴を連続して貫通して前記ねじ管と前記上柱とを固定するサポートピンと、を備え、
    前記ねじ管の肉厚が内径方向に向かって前記上管部との隙間を狭くするように厚く構成され、
    前記上管部の外面と前記ねじ管の内面との隙間が3mm以下であることを特徴とする仮設工事用サポート。
  2. 前記ねじ管のうち、前記ピン受筒部の肉厚が前記上管部の肉厚に対して2mm以上3mm以下の範囲で厚くされている請求項1に記載の仮設工事用サポート。
  3. 前記ねじ管のうち、前記ピン受筒部の肉厚が8mm以上9mm以下である請求項1に記載の仮設工事用サポート。
  4. 仮設工事用サポートの製造方法であって、
    下管部、前記下管部の下端に設けられる下ベース板、及び前記下管部の上端に設けられる下管係止部を備える下柱と、
    前記下管係止部に回動可能に係止される調整ナットと、
    外周面に設けられる雄ねじ部、前記雄ねじ部の上方に設けられるピン受筒部、及び前記ピン受筒部のうち軸と直交する方向に一方の外周から他方の外周へ貫通する第1ピン穴を備え、前記雄ねじ部が前記調整ナットに螺合されるとともにその下部が前記下管部に挿入されるねじ管と、
    前記ねじ管が前記下柱に対して回動することを防止する回り止め部と、
    上管部、前記上管部の上端に設けられる上ベース板、前記上管部の軸方向に所定の距離を置いて複数設けられるとともに軸と直交する方向に一方の外周から他方の外周へ貫通する第2ピン穴を備え、その下部が前記ねじ管に挿入される上柱と、
    前記第1ピン穴及び前記第2ピン穴を連続して貫通して前記ねじ管と前記上柱とを固定するサポートピンと、を備える仮設工事用サポートを、
    前記ねじ管の肉厚を内径方向に向かって前記上管部との隙間が狭くなるように厚く形成し、
    前記上管部の外面と前記ねじ管の内面との隙間を3mm以下にすることを特徴とする仮設工事用サポートの製造方法。
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