JP2023146099A - 薬液合成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の反応容器を用いた場合でも配管の洗浄が行いやすく、いずれの反応容器を用いた場合でも薬液の送液時間の違いを抑え、反応プロセスの管理を容易にすることができる薬液合成装置を提供する。【解決手段】薬液を計量する計量部と、計量された薬液を反応させる複数の反応容器と、を備え、計量部から反応容器に配管を通じて大気に触れることなく送液される薬液合成装置であって、計量部と少なくとも2つの反応容器との間には、反応容器を選択可能な流路切替器が設けられており、切替バルブと、反応容器とを接続する専用配管は、それぞれ等しい長さに設定されている構成とする。【選択図】図1
Description
本発明は、大気に触れることなく送液される薬液の合成装置に関するものであり、薬液を反応させる反応容器が複数用いられる薬液合成装置に関する。
タンパク質、ペプチド、ポリマー、核酸等を化学合成する薬液合成装置では、複数の薬液(試薬)を反応容器部に供給し化学合成が行われる。例えば、核酸を合成する場合には、反応容器部内に担体(多孔質のビーズ。)を多数設け、この反応容器部に薬液を順次供給しながら、脱トリチル化、カップリング、酸化、キャッピング等の処理を繰り返し行って担体に塩基を次々に結合させる。
このような薬液合成装置は、例えば図4に示すように、薬液を収容する収容容器100と、収容容器100から供給された薬液を計量する計量機構101と、計量後の薬液を化学合成させる反応容器102と、を備えている。この計量機構101には、チャンバ部105内に収容容器100から送液された薬液を一時的に収容する計量容器103と、計量容器103に供給された薬液の重量を計測する重量センサ(例えばロードセル)104が設けられており、計量後の薬液はチャンバ部105内が加圧されることにより、配管107を通じて大気に触れることなく反応容器102に送液される。これにより、反応容器102には、計量された薬液が順次供給されることにより、担体に塩基を次々に結合させることができる。
また、図4に示す薬液合成装置では、反応容器102が複数(図4では3つ)設けられている。具体的には、配管107から分岐されており、開閉バルブ109a~109c、開閉バルブ110a~110cが操作されることにより、反応容器102a~102cが選択的に使用される。すなわち、開閉バルブ109aが開状態、開閉バルブ110aが閉状態で、反応容器102aが使用され、反応容器102aにおける反応が完了し、反応容器102bが選択されると、開閉バルブ109aが閉状態、開閉バルブ109b、開閉バルブ110aが開状態、開閉バルブ110bが閉状態に設定されることで、使用する反応容器102として、反応容器102aから反応容器102bに切り替えられる。これにより、反応容器102の交換作業中にも他の反応容器102に切り替えて合成反応を継続させることができるため、効率よく合成反応を進めることができる(例えば、下記特許文献1参照)。
しかし、上記薬液合成装置では、配管の洗浄が十分に行えない場合があるという問題があった。すなわち、反応容器102が複数設置されると、それぞれの反応容器102a~102cに接続される配管107の長さが異なり、また、使用される開閉バルブ109が多くなる。薬液合成装置では、薬液の純度が重要であることから、先に使用した薬液と混合するのを避けるため、配管107に洗浄液を送液することで洗浄される。
ところが、配管107の長さが長くなると、先に送液した薬液が配管107内に残りやすい。また、主流の配管107から経由した反応容器102に入る直前の支流の配管107aには、特に洗浄液が流れにくく、先に使用した薬液が残りやすく、次に反応させる薬液と混ざることにより使用する薬液の純度が低下してしまうという問題があった。
また、使用する洗浄液は、配管107の長さが長くなるにしたがって使用量が多くなる。図4の例のように、反応容器102の数が増えるにつれて配管107の長さが長くなるが、反応容器102aのみを使用する場合でも、常に、反応容器102a~102cを使用する場合と同様の洗浄液を使用する必要があるため、洗浄液の使用量が増大してしまうという問題があった。
また、反応容器102aを使用する場合と、反応容器102cを使用する場合では、配管107の長さが異なるため、薬液を送液する送液時間が異なってしまう。そのため、反応プロセスに要する時間も使用する反応容器102毎に異なってしまうという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、複数の反応容器を用いた場合でも配管の洗浄が行いやすく、いずれの反応容器を用いた場合でも薬液の送液時間の違いを抑え、反応プロセスの管理を容易にすることができる薬液合成装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明の薬液合成装置は、薬液を計量する計量部と、計量された薬液を反応させる複数の反応容器と、を備え、前記計量部から前記反応容器に配管を通じて大気に触れることなく送液される薬液合成装置であって、前記計量部と少なくとも2つの前記反応容器との間には、前記反応容器を選択可能な流路切替器が設けられており、前記流路切替器と、前記反応容器とを接続する専用配管は、それぞれ等しい長さに設定されていることを特徴としている。
上記薬液合成装置によれば、反応容器を選択可能な流路切替器から少なくとも2つの反応容器に専用配管で接続されているため、専用配管に接続された反応容器に対して、洗浄液の使用量は、従来のように複数の反応容器が直鎖状に接続されている場合に比べて、専用配管が接続される反応容器の数によらず、一定にすることができる。また、専用配管の長さが一定であることに加え、バルブの数を減らすことができるため、専用配管及び流路切替器内に洗浄液が残るのを抑えることができる。また、専用配管の長さが共通であることから、いずれの反応容器を使用する場合でも、送液時間に差が出にくく、反応プロセスに要する時間が選択される反応容器によって影響を受けるのを抑えることができる。したがって、複数の反応容器を用いた場合でも薬液が専用配管の洗浄が行いやすくなり、いずれの反応容器を用いた場合でも薬液の送液時間の違いを抑え、反応プロセスの管理を容易にすることができる。
上記薬液合成装置によれば、反応容器を選択可能な流路切替器から少なくとも2つの反応容器に専用配管で接続されているため、専用配管に接続された反応容器に対して、洗浄液の使用量は、従来のように複数の反応容器が直鎖状に接続されている場合に比べて、専用配管が接続される反応容器の数によらず、一定にすることができる。また、専用配管の長さが一定であることに加え、バルブの数を減らすことができるため、専用配管及び流路切替器内に洗浄液が残るのを抑えることができる。また、専用配管の長さが共通であることから、いずれの反応容器を使用する場合でも、送液時間に差が出にくく、反応プロセスに要する時間が選択される反応容器によって影響を受けるのを抑えることができる。したがって、複数の反応容器を用いた場合でも薬液が専用配管の洗浄が行いやすくなり、いずれの反応容器を用いた場合でも薬液の送液時間の違いを抑え、反応プロセスの管理を容易にすることができる。
また、具体的な態様としては、前記専用配管は、前記流路切替器とすべての反応容器それぞれに接続されて設けられている構成とすることが好ましい。
また、前記流路切替器には、排液タンクが接続されている構成にしてもよい。
この構成によれば、計量部と流路切替器を接続される配管、及び、流路切替器に対して、専用配管を使用することなく独立して洗浄することができる。
また、具体的な態様として、前記流路切替器は、開閉機能を有することが好ましく、例えば、流路を弁で切り替えるバルブなどが好ましい。
本発明の薬液合成装置によれば、複数の反応容器を用いた場合でも配管の洗浄が行いやすく、いずれの反応容器を用いた場合でも薬液の送液時間の違いを抑え、反応プロセスの管理を容易にすることができる。
本発明の薬液合成装置に係る実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態における計量機構を備える薬液合成装置を示す配管経路図である。なお、本実施形態では、薬液(試薬)が用いられる例を説明するが、本発明は薬液に限定されるものではなく、薬液以外の液体を化学合成、混合等行う場合にも適用することができる。
図1に示すように、薬液合成装置は、薬液が貯留される収容容器1と、薬液を計量する計量機構2と、計量機構2で計量された薬液を収容し化学合成させる反応容器3と、反応容器3から排出された薬液を貯留する排液タンク4とを備えており、それぞれ配管5で接続されている。そして、反応に必要な所定の薬液が計量機構2に送液されることにより計量機構2で正確に計量され、計量された薬液を反応容器3に順次供給することにより、脱トリチル化、カップリング、酸化、キャッピング等の処理を繰り返し行ってビーズ(担体ともいう)に塩基を次々に結合させる。これにより、薬液を無駄にすることなく、所望の塩基を形成することができる。
収容容器1は、化学合成で用いる試薬を貯留するためのものである。収容容器1は、複数設けられており、図1の例では、2つの収容容器1のみが記載されているが、実際には多数の収容容器1が設けられている。そして、それぞれの収容容器1は、送液配管5aにより計量機構2と連結されている。
また、収容容器1には、図示しない加圧手段(工場のガス源、ガスボンベ等)が接続されており、この加圧手段により収容容器1の圧力が調節されることにより薬液が送液されるようになっている。すなわち、加圧手段により収容容器1にガスが供給されると、収容容器1が加圧され送液配管5aを通じて薬液が計量機構2に送液される。そして、送液配管5aにはバルブVaが設けられており、バルブVaの開閉状態を切り替えることにより、複数の収容容器1から選択された薬液のみを反応容器3に送液できるようになっている。なお、加圧手段のガスは、収容容器1の薬液と反応しないガス(例えば、不活性ガス、アルゴンガス等)が用いられている。
また、収容容器1の下流側には、計量機構2が設けられている。計量機構2は、供給された薬液を計量するものである。計量機構2は、薬液を計量するための計量容器21が備えられており、計量容器21と送液配管5aとが非接触で接続されている。この計量容器21には、計量後の薬液を送液するための送液配管5bが接続されており、この送液配管5bが反応容器3と接続される専用配管5sと回転バルブVr(本発明の流路切替器である)で接続されている。すなわち、計量機構2において計量された薬液は、送液配管5b及び専用配管5sを通じて反応容器3に送液されるようになっている。
また、計量機構2は、密封構造を有するチャンバ部22と、チャンバ部22内に配置される計量容器21と、計量容器21を支持する支持ユニット23と、重量センサ24とを有しており、計量容器21に供給された薬液がチャンバ部22に取り付けられた重量センサ24で計測されるように形成されている。
チャンバ部22は、チャンバ部22内が所定環境に維持されるように形成されている。チャンバ部22は、円筒形状を有しており、上部位置の天壁部22a(図2参照)、側面位置の側壁部22b、底面位置の底壁部22cがそれぞれ連結されて形成されている。これにより、チャンバ部22が密閉状態に形成されて外部と遮断されており(外部環境と縁切りされており)、チャンバ部22内に不活性ガスが充填されることにより、所定の一定環境に維持されている。これにより、供給された薬液が大気(外気)と接触して薬液の品質が低下するのを抑え、薬液合成の精度が低下するのを防止できるようになっている。
なお、本実施形態では、チャンバ部22が所定の圧力に維持できるように構成されているが、使用する液体(薬液)の種類によっては、計量容器21を囲うものであればよく、密封度の低いチャンバ部22であってもよい。
また、計量容器21は、チャンバ部22内に支持ユニット23で支持されており、チャンバ部22内のほぼ中央位置に計量容器21が配置されている。すなわち、計量容器21は、チャンバ部22とは非接触で収容されており、支持ユニット23により支持されている。本実施形態の計量容器21は、先端部分21cが先細り形状で円筒形状に形成されており、先端部分21cと反対側に位置する開口部21bは、チャンバ部22内の上方に開口した状態に形成されている。そして、それぞれ先端部分21cが下方に向く姿勢で支持ユニット23により支持されており、開口部21bには、収容容器1に接続される送液配管5aが接続されている。
この計量容器21の開口部21bには、複数の送液配管5aが接続されている。具体的には、各収容容器1に接続される送液配管5aがチャンバ部22の側壁部22b(図2参照)の配管挿通部22dに接続され、チャンバ部22内に挿通された送液配管5aは、配管支持部25により集約された状態で支持されている。図2の例では、配管支持部25により、すべての送液配管5aが束ねられた状態で配管支持部25に固定されて保持されている。そして、それぞれの送液配管5aの先端部分5tは、計量容器21の開口部21bに部分的に収容されている。すなわち、送液配管5aの先端部分5tは、互いに所定距離を保つ状態で束ねて保持されており、開口部21bに非接触で収容された状態で保持されている。これにより、送液配管5aの先端部分5tそれぞれは、他の送液配管5aと接触することなく計量容器21に非接触で保持されており、送液配管5aの先端部分5tから吐出された薬液が他の送液配管5aの先端部分5tに付着している残液の巻き込みを防止できるようになっている。
また、図1に示すように、計量機構2は、供給された薬液を精度よく計量できるように形成されており、本実施形態では、重量センサ24で計測できるように形成されている。この重量センサ24は、本実施形態ではロードセルで構成されており、チャンバ部22の外部に配置され支持ユニット23と接続されている。すなわち、送液配管5aから計量容器21に薬液が供給されると、その薬液の重量が支持ユニット23を通じて重量センサ24により計測され、供給された薬液の重量を計測することができるようになっている。
ここで、上述したように、送液配管5aの先端部分5tは、計量容器21には非接触で保持されている。また、計量容器21の先端部分21cには、送液配管5bが接続されており、下流側の反応容器3と接続されている。この送液配管5bは、余長mが設けられており、この余長mを設けることにより、縁切りを行い、計量容器21の可動を可能にしている。これにより、計量容器21に供給された薬液の重量のみが重量センサ24であるロードセルに作用し、薬液の重量を精度よく計測できるようになっている。
また、反応容器3は、供給された薬液等を接触させて化学合成させる反応場を提供するものである。反応容器3は、一方向に延びる円筒管が使用されており、反応容器3内には担体Sが収容されている。また、この反応容器3の両端部には、配管5が接続可能なポート30a、30bを有しており、ポート30aに専用配管5s、ポート30bに排液配管5cが接続されている。そして、専用配管5sから反応容器3に薬液が導入されると、薬液が径方向に広がりつつ反応容器3内に貯留されることにより、薬液と担体Sとが化学合成され、担体Sに塩基が結合される。
また、反応容器3の下流側(流出側)には、反応容器3で反応完了後に排液された薬液等を貯留する排液タンク4が設けられている。排液タンク4は、反応容器3に比べて容量が大きく形成されており、反応容器3から排液配管5cを通じて反応済みの薬液が排出され、複数回薬液が排出された場合でも貯留できる容量に形成されている。このようにして、本発明の薬液合成装置は、収容容器1から排液タンク4まで大気に触れることなく、薬液が送液されるように構成されている。
また、反応容器3は、図3に示すように、担体S(ビーズ)を収容する反応容器本体31と、反応容器本体31の軸方向両端部に設けられる蓋部32とを有している。この蓋部32には、ポート30a及びポート30bが設けられており、ポート30aから薬液が供給され、ポート30bから薬液が排出されるようになっている。また、反応容器本体31の出入口には、フィルタ24が設けられており、反応容器本体31からポート30a、ポート30bに通じる流路を塞ぐように設けられている。これにより、ポート30a又はポート30bを通じて送液される薬液内に仮に不純物が含まれていた場合には、この不純物を除去できるようになっている。また、反応容器3から反応後の薬液が排出される場合には、ポート30bから排出されるが、フィルタ24により担体Sの排出が防止され、反応容器3内の担体Sが外部に漏れるのを防止できるようになっている。
また、フィルタ24は、円形の平板形状に形成されており、その外縁部が反応容器本体31の側壁31aと連続する壁面に当接するように設けられている。すなわち、反応容器本体31は、蓋部32と接続される部分が突出して形成されており、フィルタ24は、その突出した部分の壁面に接するように配置されている。これにより、ポート30aから供給された薬液は、反応容器本体31の側壁31aを伝って反応容器本体31内に供給される。すなわち、ポート30aから薬液が供給されると、図3の矢印で示すように、フィルタ24内に浸透することによりフィルタ24全面に薬液が移動する。そして、さらに薬液が供給されることにより、フィルタ24内に薬液が保持できなくなり、フィルタ24の外縁部が反応容器本体31の側壁31aと連続していることにより、フィルタ24内に保持できない薬液が側壁32aとの表面張力により引っ張られ、側壁32aを伝うようにして流れる。すなわち、このフィルタ24は、薬液を反応容器3の側壁32aに導く部材として機能しており、仮に担体Sが側壁32aに張り付いた場合に、薬液が供給されるだけで担体Sを落下させ、反応容器本体31の底面部に担体Sを集合させることができる。これにより、側壁32aに張り付いたままの担体Sが薬液との接触が不十分となり十分に合成反応できないという問題を回避することができるようになっている。
また、反応容器3には、ポート30aとは別に、排出部9としての排出部ポート91を備えている。この排出部9は、反応容器3内の流体、すなわち、ガス、薬液(揮発成分等)を排出させるためのものである。この排出部ポート91は、排液タンク4に接続されており、排出された流体が排液タンク4に排出される。すなわち、排出部ポート91の開閉を制御することにより、ポート30aから薬液が反応容器本体31内にスムーズに供給されるようになっている。
また、本実施形態では、反応容器3が複数設けられており、図1に示す例では、反応容器3a~反応容器3cとして、3つ設けられている。なお、本実施形態では、反応容器3a~反応容器3cは、特に区別する必要がない場合は、単に反応容器3と称す。
反応容器3a~反応容器3cは、上述した通りの同じ構成を有している。これら反応容器3a~反応容器3cは、計量容器21に接続される送液配管5bから回転バルブVrを経由して専用配管5sと接続されている。すなわち、回転バルブVrからそれぞれ独立した専用の専用配管5sが接続されており、それぞれの専用配管5sと反応容器3a~3cとが接続されている。そして、反応容器3a~反応容器3cには排液配管5cがそれぞれ独立して接続されており排液タンク4に接続されている。これにより、反応後の薬液が排液配管5cを通じて排出されるようになっている。
回転バルブVrは、回転バルブが使用されており、流路を選択的に切り替えることができる。本実施形態では、回転バルブVrは、ロータリー式の切替バルブであり、1つの回転バルブVrにより、反応容器3a~反応容器3cを選択的に切り替えることができる。これにより、計量容器21で計量された薬液を回転バルブVrが切り替えられることにより、反応容器3a~反応容器3cに対して選択的に送液できるようになっている。例えば、反応容器3aの合成反応を完了させた後、他の反応容器3b又は反応容器3cに切り替えて使用する場合、あるいは、計量容器21で計量対象となっている薬液を反応容器3aと、反応容器3bに選択的に送液する場合など、回転バルブVrで適宜、対象の反応容器3a~反応容器3cを選択的に切り替えることで対応することができる。
また、それぞれの専用配管5sは、同じ長さに設定されている。これにより、それぞれの反応容器3a~反応容器3cが計量容器21からの配管距離が共通になるため、いずれの反応容器3a~反応容器3cを選択した場合でも、計量後の薬液の送液時間が共通になるため、ある薬液について反応容器3a~反応容器3cを選択的に切り替えて送液する場合に、送液時間を考慮する必要がなく、単に回転バルブVrを切り替えるだけで容易に送液することができる。また、配管5を洗浄する場合でも、反応容器3a~反応容器3cのいずれの配管経路を選択しても、配管距離が共通であるため、使用する洗浄液の量も共通にすることができる。これにより、送液時間、使用する洗浄液量の点で反応プロセスの管理を容易にすることができる。
また、回転バルブVrには、排液タンク4と接続される洗浄配管5rが接続されており、回転バルブVrを切り替えることにより計量容器21から直接、排液タンク4に排液を送液できるようになっている。これにより、反応容器3を経由させず、回転バルブVr及び、送液配管5bのみを洗浄させることができる。これにより、送液配管5bのみ、回転バルブVrのみを洗浄したい場合に、専用配管5sを経由させなくてよいため、従来のように複数の反応容器3が直鎖状に接続されている場合に比べて、洗浄液量を抑えることができ、配管経路も簡素化されるため、配管5内に洗浄液が残る問題を抑えることができる。
このように、上記実施形態における薬液合成装置によれば、反応容器3を選択可能な回転バルブVrからそれぞれの反応容器3に専用配管5sで接続されている。したがって、いずれの反応容器3であっても専用配管5sの長さが共通であるため、従来のように複数の反応容器3が直鎖状に接続されている場合に比べて、洗浄液の使用量は、接続される反応容器3の数によらず、一定にすることができる。また、専用配管5sの長さが一定であることに加え、バルブの数を減らすことができるため、専用配管5s及び回転バルブVr内に洗浄液が残るのを抑えることができる。また、回転バルブVrと反応容器3を接続する専用配管5sの長さが共通であることから、いずれの反応容器3を使用する場合でも、送液時間に差が出にくく、反応プロセスに要する時間が選択される反応容器3によって影響を受けるのを抑えることができる。したがって、複数の反応容器3を用いた場合でも薬液が専用配管5sの洗浄が行いやすくなり、いずれの反応容器3を用いた場合でも薬液の送液時間の違いを抑え、反応プロセスの管理を容易にすることができる。
また、上記実施形態では、すべての反応容器3が回転バルブVrに接続される例について説明したが、複数の反応容器3のうち、少なくとも2つの反応容器3が回転バルブVrに接続され、専用配管5sの配管長が共通に構成されているものであってもよい。このような構成であっても、回転バルブVrに接続される反応容器3について、送液時間、使用する洗浄液量が共通になるため、反応プロセスの管理を容易にすることができる。
また、上記実施形態では、回転バルブVrとしてロータリー式の切替バルブである例について説明したが、開閉弁を操作して流路を切り替える切替バルブを用いるものであってもよい。
また、上記実施形態では、流路切替器が開閉弁を有するバルブである場合について説明したが、ノズル等の流路が移動して反応容器3を選択的に切り替える流路切替器を用いるものであってもよい。
1 収容容器
2 計量機構
3 反応容器
5 配管
5a 送液配管
5c 排液配管
5r 洗浄配管
5s 専用配管
21 計量容器
22 チャンバ部
Vr 回転バルブ(流路切替器)
2 計量機構
3 反応容器
5 配管
5a 送液配管
5c 排液配管
5r 洗浄配管
5s 専用配管
21 計量容器
22 チャンバ部
Vr 回転バルブ(流路切替器)
Claims (4)
- 薬液を計量する計量部と、
計量された薬液を反応させる複数の反応容器と、
を備え、前記計量部から前記反応容器に配管を通じて大気に触れることなく送液される薬液合成装置であって、
前記計量部と少なくとも2つの前記反応容器との間には、前記反応容器を選択可能な流路切替器が設けられており、前記流路切替器と、前記反応容器とを接続する専用配管は、それぞれ等しい長さに設定されていることを特徴とする薬液合成装置。 - 前記専用配管は、前記流路切替器とすべての反応容器それぞれに接続されて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の薬液合成装置。
- 前記流路切替器には、排液タンクが接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬液合成装置。
- 前記流路切替器は、開閉機能を有することを特徴とすることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の薬液合成装置。
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