JP2023146018A - 板ばね - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数を削減することを可能にする板ばねを提供する。【解決手段】荷重が入力される主ばね部3と、主ばね部3に直列的に結合される副ばね部5と、副ばね部5が有する対向部15及び17と、対向部15及び17間のクリアランスCとを備え、主ばね部3が荷重の入力に応じ副ばね部5へ荷重が伝達されて副ばね部5が変形し、対向部15及び17がクリアランスCを無くして接触する。【選択図】 図1
Description
本発明は、車両のリーフスプリング等に供され、ばね定数が変化する板ばねに関する。
従来のばね定数が変化する板ばねとしては、特許文献1に記載されたリーフスプリングサスペンションがある。このリーフスプリングサスペンションは、揺動可能なシャックルによりリーフスプリングを支持する。リーフスプリングは、荷重がかるとシャックルの揺動に応じて有効長さが短くなり、ばね定数を変化させる。
しかし、かかる従来のリーフスプリングサスペンションでは、シャックルを介して板ばねを車体側に支持させる必要があり、構造が煩雑になるという問題がある。
解決しようとする問題点は、ばね定数を変化させるために構造が煩雑になる点である。
本発明は、荷重が入力される主ばね部と、前記主ばね部に直列的に結合される副ばね部と、前記副ばね部が有する対向部と、前記対向部間のクリアランスと、を備え、前記主ばね部が荷重の入力に応じ前記副ばね部へ荷重が伝達されて前記副ばね部が変形し、前記対向部が前記クリアランスを無くして接触する。
本発明は、クリアランスが無くなるまでは副ばね部と主ばね部を直列に繋いだ際のばね定数による変形をし、クリアランスが無くなると主に主ばね部のばね定数による変形をするため、簡単な構造でばね定数を変化させることが可能となる。
本発明は、簡単な構造でばね定数を変化可能とするという目的を、主ばね部及び副ばね部を結合した板ばねにより実現した。
すなわち、板ばね1は、主ばね部3と、副ばね部5と、対向部15及び17と、クリアランスCとを備える。主ばね部3は、荷重が入力される部分である。副ばね部5は、主ばね部3に直列的に結合された部分である。対向部15及び17は、副ばね部5が有し、クリアランスCは、対向部15及び17間に備えられている。この板ばね1は、主ばね部3への荷重の入力に応じ、副ばね部5へ荷重が伝達されて副ばね部5が変形し、対向部15及び17がクリアランスCを無くして接触する。
主ばね部3は、副ばね部5よりもばね定数が低い設定としてもよい。
副ばね部5は、取付けの相手側に回転自在に支持させる支持部7を備えてもよい。
板ばね1は、副ばね部5を主ばね部3に結合する湾曲結合部11を備えてもよい。
副ばね部5は、対向部15及び17に連続して湾曲したフック部9を備えてもよい。
主ばね部3は、一定の曲率で湾曲し、フック部9は、主ばね部3の湾曲よりも大きな曲率で湾曲してもよい。
フック部9は、主ばね部3の湾曲内側に向かった凸形状を有してもよい。
[板ばねの構成]
図1は、本発明の実施例に係る板ばねの概略側面図である。図2は、図1の副ばね部を拡大して示す概略側面図である。
図1は、本発明の実施例に係る板ばねの概略側面図である。図2は、図1の副ばね部を拡大して示す概略側面図である。
板ばね1は、例えば車両用のリーフスプリングとして構成され、炭素鋼、ステンレス鋼等の金属やFRP(Fiber Reinforced Plastics)等の樹脂で形成されている。なお、板ばね1の材質は、板ばね1の使用目的に応じて適宜変更可能である。
この板ばね1は、主ばね部3と副ばね部5とを含み、両端にそれぞれ支持部7を有している。
主ばね部3は、一定の板厚及び板幅で長尺に形成され、側面から見て弧状に湾曲している。ただし、板厚及び板幅は、部分的に増減させてもよい。また、主ばね部3は、一枚の板からなるが、複数枚の板を重ね合わせたもの、または部分的に複数枚の板としたものであってもよい。
主ばね部3の湾曲は、単一の曲率中心を持つ一定の曲率であるが、複数の曲率中心を有してもよい。また、主ばね部3は、曲率を有さない直線状であってもよい。或いは、主ばね部3は、弧状と直線状との組み合わせ、複数の短い直線状の組み合わせによって全体として弧状を呈し、又は山型、谷型、若しくは波型等としてもよい。
この主ばね部3は、相対的に低いばね定数を有し、荷重の入力が行われる部分となる。
副ばね部5は、主ばね部3に直列的に結合され、相対的に高いばね定数を有する部分である。本実施例の副ばね部5は、主ばね部3の両端に結合されており、それぞれ主ばね部3と板ばね1の端部の支持部7との間に直列的に結合されている。これら副ばね部5は、対称形状となっているが、非対称にすることも可能である。
副ばね部5の主ばね部3及び支持部7に対する結合は、一体又は一体的であり、本実施例において一体成形で実現されている。直列的とは、主ばね部3及び副ばね部5のばね作用としての結合状態を意味し、二つのばねを直列に接続した状態に対応する。
なお、副ばね部5の数や位置は任意に設定できる。例えば、副ばね部5は、主ばね部3の一端にのみ、主ばね部3の中間部にのみ、主ばね部3の一端又は両端と中間部に設けること等が可能である。複数の副ばね部5を設ける場合は、何れか一つ又はいくつか或いは全ての副ばね部5の形状を異ならせてもよい。
本実施例の副ばね部5は、主ばね部3と同一の板厚、板幅で形成され、フック部9並びに第1湾曲結合部11及び第2湾曲結合部13を備えている。なお、副ばね部5は、主ばね部3に対して板厚及び板幅の何れか一方又は双方を異ならせてもよい。
フック部9は、側面視の形状において直線部9a、第1湾曲部9b、第2湾曲部9cを一体に有している。なお、フック部9は、単純なU字状やV字状等で実現することもできる。
フック部9の直線部9aは、一端が第1湾曲結合部11の一端に結合されている。なお、第1湾曲結合部11は、角部に代えてもよい。直線部9aの他端には、第1湾曲部9bの一端が結合されている。これにより、直線部9aは、第1湾曲部9bの一端の接線方向に連続する。
この直線部9aの設定により、主ばね部3から第1湾曲結合部11を介して直線部9aへ荷重が伝達されたとき、直線部9aにより第1湾曲部9bへ曲げ荷重を確実に伝達させることができる。
第1湾曲部9bは、主ばね部3の湾曲よりも大きな曲率で湾曲している。第1湾曲部9bの他端は、第2湾曲部9cの一端に結合されている。第1及び第2湾曲部9b及びc間は、変曲点をもって連続し、湾曲方向が反転している。第2湾曲部9cの他端は、第2湾曲結合部13の一端に結合されている。なお、第2湾曲結合部13は、角部に代えてもよい。
第2湾曲部9cと第2湾曲結合部13とは、同一の曲率で連続して形成されている。第2湾曲部9c及び第2湾曲結合部13の曲率は、第1湾曲結合部11の曲率よりも小さい。ただし、第2湾曲部9c及び第2湾曲結合部13の曲率は、第1湾曲結合部11の曲率と同一に又は第1湾曲結合部11の曲率よりも大きくしてもよい。また、第2湾曲部9c及び第2湾曲結合部13の曲率を異ならせることもできる。
第1湾曲結合部11の他端は、主ばね部3の端部に結合されている。第2湾曲結合部13の他端は、支持部7に結合されている。
支持部7は、板ばね1とは別体の筒状部材で形成され、第2湾曲結合部13の他端が結合されている。ただし、第2湾曲結合部13の他端を筒状に巻いて支持部7を構成してもよい。
支持部7は、取付けの相手側に回転自在に支持される部分である。この支持部7が取付けにより、板ばね1の端部は、相手側に回転自在に支持され、主ばね部3の板厚方向及び主ばね部3の長手方向に移動しない取付構成となる。なお、支持部7は、回転不能に支持される構成としてもよい。
フック部9は、主ばね部3の湾曲内側に向かった凸形状を有する。ただし、フック部9は、副ばね部5を変形させることができればよく、主ばね部3の湾曲外側に向かった凸形状であってもよい。
なお、凸形状の指向方向は、板ばね1の要求特性により種々変更することができる。例えば、両端のフック部9の第1湾曲部9bの対称線が重なるように指向し、或は第1湾曲部9bを上下方向へ指向させることもできる。上下とは、重力方向を意味するが、板ばね1の取り付け状態によっては重力方向以外を意味してもよい。
フック部9は、主ばね部3から副ばね部5に荷重が伝達されたとき開かなければよく、概ね角度θが90°程度まで設定できる。角度θは、上下方向に対する後述する第1及び第2対向部15及び17を通る仮想線とのなす角度とする。
かかる副ばね部5は、第1対向部15及び第2対向部17を有している。
第1対向部15は、第1湾曲結合部11とフック部9の直線部9aとの間で構成される。第2対向部17は、第2湾曲結合部13と第2湾曲部9cとの間で構成される。
第1及び第2対向部15及び17の相互間には、クリアランスCが形成されている。第1及び第2対向部15及び17は、このクリアランスCにおいて対向及び接触をする。クリアランスCは、大小設定することができ、板ばね1のばね定数の変化特性を決定することができる。
例えば、両端のクリアランスCの大きさを変更することにより、一方のクリアランスCで先に第1及び第2対向部15及び17を接触させ、その後に他方のクリアランスCで第1及び第2対向部15及び17を接触させるといった特性とすることも可能である。
[板ばねの作用]
図3は、主ばね部3への荷重の入力状態を示す概略側面図である。図4(A)は、対向部の当接前における板ばねの一部を省略した概略側面図、図4(B)は、同副ばね部を拡大して示す概略側面図である。図5(A)は、対向部が当接した時点の板ばねの一部を省略した概略側面図、図5(B)は、同副ばね部を拡大して示す概略側面図である。図6(A)は、対向部が当接した後の変形を示す板ばねの一部を省略した概略側面図、図6(B)は、同副ばね部を拡大して示す概略側面図である。
図3は、主ばね部3への荷重の入力状態を示す概略側面図である。図4(A)は、対向部の当接前における板ばねの一部を省略した概略側面図、図4(B)は、同副ばね部を拡大して示す概略側面図である。図5(A)は、対向部が当接した時点の板ばねの一部を省略した概略側面図、図5(B)は、同副ばね部を拡大して示す概略側面図である。図6(A)は、対向部が当接した後の変形を示す板ばねの一部を省略した概略側面図、図6(B)は、同副ばね部を拡大して示す概略側面図である。
図3のように、板ばね1は、主ばね部3が荷重Fを受けると二点鎖線の状態から実線のように変形する。このとき、板ばね1の端部は、支持部7で車体等に回転可能に支持され、荷重が受け止められている。
板ばね1に対する荷重と板ばね1の変形との関係は、図4(A)~図6(B)のようになる。
図4(A)及び(B)のように、主ばね部3に荷重が働かないとき、副ばね部5のクリアランスCは維持される。
主ばね部3の中央に板厚方向で下向きの荷重Fが入力されると、主ばね部3が下方へ変位するように板ばね1が変形する。ここでの変形としては、板ばね1が、副ばね部5と主ばね部3を直列に繋いだ際のばね定数による変形をする。
すなわち、主ばね部3が受けた荷重Fは、第1湾曲結合部11、フック部9、第2湾曲結合部13を順に介して支持部7で受けられて、主ばね部3及び副ばね部5が変形する。
この変形では、副ばね部5の第1対向部15が第2対向部17に向かってクリアランスC内で変位する。
こうして、荷重Fの入力初期において、主ばね部3及び副ばね部5の双方が変形し、ばね性を発揮する。これは、二つのばねを直列につないだ場合に近くなる。このため、クリアランスCが無くなるまで、板ばね1は、主ばね部3と副ばね部5を直列に繋いた場合と近いばね特性となる。
図5(A)及び(B)のように、荷重Fによって板ばね1の変形が進むと、第1及び第2対向部15及び17間のクリアランスCが無くなり、第1及び第2対向部15及び17が相互に接触する。
図6(A)及び(B)のように、第1及び第2対向部15及び17が接触してから板ばね1の変形がさらに進むと、副ばね部5は、ばね変形し難く或いはばね変形できなくなり、副ばね部5のばね定数が上昇する。この結果、板ばね1は、主ばね3が主として変形し、ばね性を発揮する。つまり、板ばね1は、主ばね部3に依存したばね定数のばね特性となる。
図7は、荷重と変位との関係を示すグラフである。図7において、縦軸は荷重の大きさ(N)を示し、横軸は負荷に応じた主ばね部3の変位(mm)を示す。なお、図7中、変形例1は、副ばね部5のばね定数を実施例と比較して大きくした板ばね1、変形例2は、副ばね部5のばね定数を主ばね部3のばね定数よりも低くした板ばね1である。図8は、変形例2に係る板ばねの一部を省略した概略側面図である。
変形例1の板ばね1は、端部において取付けの相手側に回転及び移動不能に固定し、その他を実施例1の板ばね1と同一にしたものである。変形例2の板ばね1は、図8のように、副ばね部5の曲率を実施例1よりも小さくし且つ副ばね部5が主ばね部3よりも薄肉に構成されている。なお、主ばね部3と副ばね部5のばね定数の設定は形状等によって任意に行うことが可能である。
図7のように、実施例の板ばね1の荷重-変位特性は、第1及び第2対向部15及び17が接触するときCを境にばね定数が変化し、接触前Bは、接触後Aよりもばね定数が低い特性となっている。変形例1や変形例2においても、実施例と同様の特性が得られている。
従って、板ばね1は、荷重に応じた第1及び第2対向部15及び17の接触によって、クリアランスCが無くなるまでは主ばね部3と副ばね部5を直列に繋いだ場合と近いばね定数による変形をし、クリアランスCが無くなると主に主ばね部3のばね定数による変形をするため、簡単な構造でばね定数を変化させることを可能とする。また、板ばね1は、簡単な構造であるため、部品点数が増加せず、組み付け、部品管理を容易にすることができる。
また、板ばね1は、副ばね部5のフック部9等の設定により特性を簡単に変更することができる。例えば、クリアランスCの大きさやフック部9の突出長さにより板ばね1のばね定数が変化するタイミングを容易に設定できる。また、両端のクリアランスCの大きさを変更すれば、多段の特性を得ることもできる。
板ばね1は、取付けの相手側に回転自在に支持させる支持部7を端部に備え、支持部7の位置を動かさなくても自然な変形が可能であり、支持部7にブッシュ等が必要ない。
板ばね1は、副ばね部5を主ばね部3へ結合する第1湾曲結合部11を備えたため、第1湾曲結合部11により主ばね部3からフック部9の直線部9aに荷重を確実に伝達し、直線部9aから第1のフック湾曲部9bへ荷重が伝達されて第1及び第2対向部15及び17を円滑且つ確実に接触させることができる。
また、主ばね部3は、一定の曲率で湾曲し、フック部9は、主ばね部3の湾曲よりも大きな曲率で湾曲したため、主ばね部3から副ばね部5へ荷重が伝達されたとき副ばね部5に応力集中をさせ易く、クリアランスCを容易に無くすことができる。
フック部9は、主ばね部3の湾曲内側に向かった凸形状を有するため、副ばね部5を含む板ばね1の形状をコンパクトにし易く、取付けの相手側に容易に配置することができる。
また、変形例1や変形例2においても実施例と同様の特性が得られることから、主ばね部3や副ばね部5のばね定数を変更した場合や板ばね1の端部の固定方法を変更した場合も、実施例と同様の効果がある。主ばね部3や副ばね部5のばね定数を変更する場合、主ばね部3と副ばね部5とを同一のばね定数としてもよい。
1 板ばね
3 主ばね部
5 副ばね部
7 支持部
9 フック部
a 直線部
b 第1湾曲部
c 第2湾曲部
11 第1湾曲部
13 第2湾曲部
15 第1対向部
17 第2対向部
C クリアランス
3 主ばね部
5 副ばね部
7 支持部
9 フック部
a 直線部
b 第1湾曲部
c 第2湾曲部
11 第1湾曲部
13 第2湾曲部
15 第1対向部
17 第2対向部
C クリアランス
Claims (7)
- 荷重が入力される主ばね部と、
前記主ばね部に直列的に結合される副ばね部と、
前記副ばね部が有する対向部と、
前記対向部間のクリアランスと、を備え、
前記主ばね部が荷重の入力に応じ、前記副ばね部へ荷重が伝達されて前記副ばね部が変形し、前記対向部が前記クリアランスを無くして接触する、
板ばね。 - 請求項1の板ばねであって、
前記主ばね部は、前記副ばね部よりもばね定数が低い、
板ばね。 - 請求項1又は2の板ばねであって、
取付けの相手側に回転自在に支持させる支持部を端部に備えた、
板ばね。 - 請求項1~3の何れか一項の板ばねであって、
前記副ばね部を前記主ばね部に結合する湾曲結合部を備えた、
板ばね。 - 請求項1~4の何れか一項の板ばねであって、
前記副ばね部は、前記対向部に連続して湾曲したフック部を備えた、
板ばね。 - 請求項5の板ばねであって、
前記主ばね部は、一定の曲率で湾曲し、
前記フック部は、前記主ばね部の湾曲よりも大きな曲率で湾曲した、
板ばね。 - 請求項5又は6の板ばねであって、
前記フック部は、前記主ばね部の湾曲内側に向かった凸形状を有する、
板ばね。
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JP2022052983A JP2023146018A (ja) | 2022-03-29 | 2022-03-29 | 板ばね |
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- 2022-03-29 JP JP2022052983A patent/JP2023146018A/ja active Pending
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