JP2023145906A - Abs制御装置及びエアブレーキシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】車輪速センサから車輪速の値が取得できない場合においても、適切にABS制御を実施すること。【解決手段】電磁弁制御部900は、車両の変速機からデファレンシャルギヤに動力を伝達する推進軸の回転数を取得する取得部901と、推進軸の回転数に基づき車両の車輪速を推定する推定部902と、推定部902によって推定された車輪速に基づき、車両のブレーキスリップ率を算出する算出部903と、算出部903によって算出されたブレーキスリップ率に基づき、車両のABS制御を行う制御部904と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明の一態様は、車両のABS制御装置及びエアブレーキシステムに関する。
ABS(Anti-lockBreake System)制御装置として、車輪速センサから取得した車輪速に基づきブレーキスリップ率を算出し、ブレーキスリップ率に基づきABS制御を行うABS制御装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特表2004-535988号公報
ここで、例えば電子制御ブレーキシステム自体の失陥時や、車輪速センサの故障、又はハーネスの断線等が発生した場合には、車輪速センサから車輪速の値を取得することができなくなり、ブレーキスリップ率の算出ができず、適切にABS制御を実施することができないおそれがある。
本発明の一態様は上記実情に鑑みてなされたものであり、車輪速センサから車輪速の値が取得できない場合においても、適切にABS制御を実施することができるABS制御装置及びエアブレーキシステムを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るABS制御装置は、車両の変速機からデファレンシャルギヤに動力を伝達する推進軸の回転数を取得する取得部と、推進軸の回転数に基づき車両の車輪速を推定する推定部と、推定部によって推定された車輪速に基づき、車両のブレーキスリップ率を算出する算出部と、算出部によって算出されたブレーキスリップ率に基づき、車両のABS制御を行う制御部と、を備える。
本発明の一態様に係るABS制御装置では、推進軸の回転数から車輪速が推定され、推定された車輪速に基づきブレーキスリップ率が算出されて、ABS制御が実施される。推進軸の回転数と車輪速とは相関関係があるところ、このような構成によれば、例えば電子制御ブレーキシステムEBS(Electronic Brake System)自体の失陥等によって車輪速センサから車輪速を取得することができない場合であっても、推進軸の回転数に基づき車輪速が推定され、当該推定された値に基づいてABS制御を行うことができる。以上のように、本発明の一態様に係るABS制御装置によれば、車輪速センサから車輪速の値が取得できない場合においても、適切にABS制御を実施することができる。
取得部は、車両の重量を示す情報を更に取得し、制御部は、車両の重量が所定値以下である場合に限り、車両のABS制御を行ってもよい。車両の重量が大きいほど、ABS機能の作動(ブレーキの解除)によって制動距離が大きくなること、また輪重が大きいために車輪のスリップが起こりにくいためABS制御の必要性が低いことが考えられる。このため、ABS制御の実施を、車両の重量が所定値以下である場合に限定することによって、必要以上に制動距離が大きくなりすぎることを回避することができる。
取得部は、車輪速センサによって検知される車輪速をリアルタイムに取得することができない場合において、取得可能な車輪速の最終更新値を更に取得すると共に、車両に備え付けられた慣性計測装置から車両の実減速度を更に取得し、制御部は、車輪速の最終更新値を初期値として、実減速度を時間積分することにより現在の車速を推定し、推定された車速が所定値以上である場合に限り、車両のABS制御を行ってもよい。このような構成によれば、車輪速センサからリアルタイムの車輪速を取得することができない場合においても、現在の車速を適切に推定することができる。そして、推定された車速が小さすぎる場合にABS制御を実施しないことによって、車両を早期且つ確実に停止させることができる。
算出部は、推定された車輪速:Vpと、推定された車速:Vと、に基づき、以下の式からブレーキスリップ率:λを算出し、λ=(V-Vp)/V、制御部は、ブレーキスリップ率が所定値を上回った場合に、車両の車輪がロックしていると判定してもよい。このような構成によれば、推定された車輪速からブレーキスリップ率を適切に算出し、算出したブレーキスリップ率が大きい場合に車輪がロックしていると判定することができ、ABS制御における車輪ロック状態を適切に判定することができる。これにより、車輪の状態に応じた適切なABS制御が可能になる。
制御部は、推定された車輪速を時間微分した推定車輪加速度を導出し、該推定車輪加速度が正の値になった場合に、車両の車輪のロックが解除されたと判定してもよい。このように、推定車輪加速度が正の値になった場合、すなわち車輪速が増加傾向となった場合に車輪のロックが解除されたと判定されることにより、車輪ロック解除状態を適切に判定することができる。これにより、車輪の状態に応じた適切なABS制御が可能になる。
本発明の一態様に係るエアブレーキシステムは、バックアップ系統を有するエアブレーキシステムであって、バックアップ系統における、ブレーキバルブとアクスルモジュレータとを接続する第1エア流路に設けられたダブルチェックバルブと、ダブルチェックバルブとエアタンクとを接続する第2エア流路と、第2エア流路に設けられた電磁弁と、ABS制御装置と、を備え、ABS制御装置は、車両の変速機からデファレンシャルギヤに動力を伝達する推進軸の回転数を取得する取得部と、推進軸の回転数に基づき車両の車輪速を推定する推定部と、推定部によって推定された車輪速に基づき、車両のブレーキスリップ率を算出する算出部と、算出部によって算出されたブレーキスリップ率に基づき、車両のABS制御を行う制御部と、を有し、制御部は、電磁弁を作動させることにより、車両のABS制御を行う。
本発明の一態様に係るエアブレーキシステムでは、ダブルチェックバルブに対して第1エア流路及び第2エア流路が接続されているので、第1エア流路及び第2エア流路を流れるエアの内、圧力が高いエアが、アクスルモジュレータ側に流れることとなる。そして、第2エア流路に電磁弁が設けられているので、該電磁弁が作動させられることにより、エアタンクから流れ出たエアが第2流路を流れて、ダブルチェックバルブを経て、アクスルモジュレータ側に流れる。このように、電磁弁の作動によって、エアタンクからのエアがアクスルモジュレータに供給され、バックアップ系統におけるブレーキ制御が実現される。このような電磁弁の作動については、制御部によって実施されるので、ドライバが存在しない無人自動運転車両についても実施可能である。以上のように、本発明の一態様に係るエアブレーキシステムによれば、無人自動運転車両においても冗長化されたブレーキシステムを提供することができる。そして、制御部によって、推進軸の回転数から車輪速が推定され、推定された車輪速に基づきブレーキスリップ率が算出されて、ABS制御が実施される。推進軸の回転数と車輪速とは相関関係があるところ、このような構成によれば、例えば電子制御ブレーキシステム自体の失陥等によって車輪速センサから車輪速を取得することができない場合であっても、推進軸の回転数に基づき車輪速が推定され、当該推定された値に基づいてABS制御を行うことができる。以上のように、本発明の一態様に係るブレーキシステムによれば、車輪速センサから車輪速の値が取得できない場合においても、適切にABS制御を実施することができる。
本発明の一態様によれば、車輪速センサから車輪速の値が取得できない場合においても、適切にABS制御を実施することができる。
本実施形態に係る自動運転車両の構成例を示すブロック図である。 図1に示される自動運転車両に含まれるエアブレーキシステムの概略構成図である。 電磁弁制御部の機能ブロック図である。 電磁弁制御部において実行されるABS条件の成立判定手順を示すフローチャートである。 電磁弁制御部において実行される車輪ロック判定及びABS作動手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、自動運転車両1の構成例を示すブロック図である。本実施形態では、車両が、ドライバ無しで走行する無人自動運転車両であるとして説明する。また、自動運転車両1では、後述するエアブレーキシステムによって、無人自動運転車両においても冗長化されたブレーキシステムが提供される(詳細は後述)。また、自動運転車両1では、後述する電磁弁制御部(ABS制御装置)によってABS制御が実施される。自動運転車両1は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信器20と、地図データベース30と、周辺状況センサ40と、車両状態センサ50と、通信装置60と、走行装置70と、制御装置10と、を備えている。
GPS受信器20は、複数のGPS衛星から送信される信号を受信し、受信信号に基づいて車両の位置及び方位を算出する。GPS受信器20は、算出した情報を制御装置10に送信する。
地図データベース30は、道路における各レーンの境界位置を示す情報等を予め記憶しているデータベースである。地図データベース30は、例えば所定の記憶装置に格納されている。
周辺状況センサ40は、車両の周囲の状況を検出する。周辺状況センサ40としては、例えば、ライダー、レーダー、カメラ等が用いられる。ライダーは、光を利用して車両の周囲の物標を検出する。レーダーは、電波を利用して車両の周囲の物標を検出する。カメラは、車両の周囲の状況を撮像する。周辺状況センサ40は、検出した情報を制御装置10に送信する。
車両状態センサ50は、車両の走行状態を検出する。車両状態センサ50としては、例えば、車速センサ、舵角センサ、ヨーレートセンサ、加速度センサ、ステアリングのトルクセンサ、モータの出力トルクセンサ、車輪速センサ、推進軸の回転数を検出するセンサ(例えば、クラッチに設けられるセンサ)などが例示される。推進軸とは、車両の変速機からデファレンシャルギヤに動力を伝達する推進軸である。車速センサは、車両の速度を検出する。舵角センサは、車両の操舵角を検出する。ヨーレートセンサは、車両のヨーレートを検出する。加速度センサは、車両に作用する加速度を検出する。車両状態センサ50は、検出した情報を制御装置10に送信する。
車両状態センサ50は、シャシに備え付けられたIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)801を含んでいる。IMU801は、車両の走行中において、車両前後加速度(負の値である場合には減速度)を継続的に検出する。
通信装置60は、例えばV2X通信(車車間通信および路車間通信)を行う。具体的には、通信装置60は、他の車両との間でV2V通信(車車間通信)を行う。また、通信装置60は、周囲のインフラとの間でV2I通信(路車間通信)を行う。V2X通信を通して、通信装置60は、車両の周囲の環境に関する情報を取得することができる。通信装置60は、取得した情報を制御装置10に送信する。なお、通信装置60は、例えばV2X通信によって、外部より走行経路指示や道路の路面状態を示す情報を受信してもよい。
走行装置70は、操舵装置、駆動装置、制動装置、トランスミッション等を含んでいる。操舵装置は、車輪を転舵する。駆動装置は、駆動力を発生させる動力源である。駆動装置としては、エンジンや電動機が例示される。制動装置は、制動力を発生させる。また、走行装置70には、操舵装置、駆動装置、制動装置、トランスミッション等の操作を電気指令によって行えるように、プロセッサ、記憶装置、及び入出力インタフェースを備えるマイクロコンピュータを含めても良い。これらのマイクロコンピュータは、ECU(Electronic Control Unit)とも呼ばれる。制動装置については、より具体的には、EBSのECUを含めても良い。
制御装置10は、車両の自動運転を制御する自動運転制御を行う。制御装置10は、プロセッサ、記憶装置、及び入出力インタフェースを備えるマイクロコンピュータである。制御装置10は、ECU(Electronic Control Unit)とも呼ばれる。制御装置10は、入出力インタフェースを通して各種情報を受け取る。そして、制御装置10は、受け取った情報に基づいて自動運転制御を行う。
制御装置10は、自動運転制御に係る機能ブロックとして、取得部101と、自動運転制御部102と、を備えている。これらの機能ブロックは、制御装置10のプロセッサが記憶装置に格納された制御プログラムを実行することにより実現される。制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されていてもよい。
取得部101は、自動運転制御に必要な情報を取得する。取得部101による情報取得処理は、所定あるいは任意のサイクルで繰り返し実行される。取得部101は、GPS受信器20から車両の位置及び方位を取得する。取得部101は、地図データベース30から道路のレーンに関する情報等を取得する。取得部101は、周辺状況センサ40によって検出された車両の周囲の情報を取得する。取得部101は、車両状態センサ50によって検出された車両の状態を示す情報を取得する。取得部101は、通信装置60から走行経路指示や道路の路面状態等の情報を取得する。
自動運転制御部102は、取得部101によって取得された情報に基づき、全体経路(車両が走行する全体の経路)を生成する。自動運転制御部102は、走行経路指示に加えて、車両の位置及び方位、道路のレーン等の情報、車両の周囲の情報、並びに、車両の状態を示す情報等を考慮して、全体経路を生成してもよい。自動運転制御部102は、生成した全体経路に基づき、実際に車両が走行する目標経路をリアルタイムに生成する。目標経路生成は、車両が走行している間、所定あるいは任意のサイクルで繰り返し実行される。自動運転制御部102は、生成した目標経路に基づき、車両の経路追従制御を行う。自動運転制御部102は、従来から周知の追従制御技術を用いて、目標経路に追従して車両が走行するように、走行装置70に含まれる各装置を制御する。
図2は、図1に示される自動運転車両1に含まれるエアブレーキシステム200の概略構成図である。エアブレーキシステム200は走行装置70に含まれていてもよい。自動運転車両1は、エアブレーキシステム200を操作するため、少なくともエアブレーキシステム200の電磁弁を制御する機能(電磁弁制御機能)を有している。電磁弁制御とは、電磁弁へ供給する電源出力、あるいは電磁弁への電気信号を制御して、電磁弁操作によって、減圧弁で圧力調整したエアをアクスルモジュレータに供給し、所定の制動力の制動を実現する制御である。このような電磁弁制御は、ドライバによるブレーキペダル操作によるエア供給に相当する(置き換わる)制御であり、無人自動運転車両においてもバックアップエア供給を可能にする制御である。電磁弁制御は、例えば電子制御ブレーキの失陥等、電気指令によるブレーキ制御が実施できない場合にも実施される。
図2に示されるように、エアブレーキシステム200は、ブレーキシグナルトランスミッター210と、マルチプロテクションバルブ220と、エアタンク230,250と、フロントアクスルモジュレータ240と、ブレーキチャンバ241,242と、リアアクスルモジュレータ260と、ブレーキチャンバ261,262と、トレーラコントロールバルブ265と、を備えている。
フロントアクスルモジュレータ240は、ECU、電磁弁、圧力センサ等を内蔵しており、EBSのECUからの電気信号に基づきフロント側のブレーキチャンバ241,242へのエア圧を制御する。フロントアクスルモジュレータ240は、EBS故障時においては、ブレーキシグナルトランスミッター210のブレーキバルブ212からのエア圧を信号圧としたリレーバルブの働きにより、エアタンク230からのエアをブレーキチャンバ241,242へ送る。エアタンク230からのエアは、エア流路307を流れてフロントアクスルモジュレータ240に流入し、さらに、エア流路310を流れてブレーキチャンバ241に流入すると共に、エア流路311を流れてブレーキチャンバ242に流入する。ブレーキチャンバ241は、エア圧に応じて右前輪RFのブレーキを作動させる。ブレーキチャンバ242は、エア圧に応じて左前輪LFのブレーキを作動させる。なお、本実施形態では、EBS故障時において、電磁弁制御に応じたエアがフロントアクスルモジュレータ240に流入しブレーキが作動する(詳細は後述)。
リアアクスルモジュレータ260は、ECU、電磁弁、圧力センサ等を内蔵しており、EBSのECUからの電気信号に基づきリア側のブレーキチャンバ261,262へのエア圧を制御する。リアアクスルモジュレータ260は、EBS故障時においては、ブレーキシグナルトランスミッター210のブレーキバルブ212からのエア圧を信号圧としたリレーバルブの働きにより、エアタンク250からのエアをブレーキチャンバ261,262へ送る。エアタンク250からのエアは、エア流路308を流れてリアアクスルモジュレータ260に流入し、さらに、エア流路313を流れてブレーキチャンバ261に流入すると共に、エア流路314を流れてブレーキチャンバ262に流入する。ブレーキチャンバ261は、エア圧に応じて右後輪RRのブレーキを作動させる。ブレーキチャンバ262は、エア圧に応じて左後輪LRのブレーキを作動させる。なお、本実施形態では、EBS故障時において、電磁弁制御に応じたエアがリアアクスルモジュレータ260に流入しブレーキが作動する(詳細は後述)。
トレーラコントロールバルブ265は、ブレーキシグナルトランスミッター210のブレーキバルブ212からのエア圧を信号圧としたリレーバルブの働きにより、トレーラ系統のエアタンク(不図示)からのエアをトレーラに送り、トレーラの各輪のブレーキを作動させる。
ブレーキシグナルトランスミッター210は、ブレーキペダルスイッチ211及びストロークセンサ(不図示)を内蔵しており、ブレーキペダル踏み込み量をペダルストローク信号としてEBSのECUに送信し、ブレーキの効きを制御する。ブレーキシグナルトランスミッター210は、EBS故障時においては、ブレーキバルブ212として機能し、信号圧としてのエア圧をフロントアクスルモジュレータ240及びリアアクスルモジュレータ260に出力する。ブレーキバルブ212からのエアは、エア流路301及びエア流路309を介してフロントアクスルモジュレータ240に流入すると共に、エア流路302及びエア流路312を介してリアアクスルモジュレータ260に流入する。
マルチプロテクションバルブ220は、車両エアシステム回路の1系統又はそれ以上の回路が破損(欠損)した場合に、他の正常な回路に最低限必要な空気圧を供給する。これにより、最低限のブレーキ力が保証され、応急処置を行う修理工場までに車両の自走が可能になる。マルチプロテクションバルブ220は、エア流路を介して、エアタンク230,250,270のそれぞれに接続されている。
ここからは、主に電磁弁制御に係る構成について説明する。電磁弁制御は、EBSが故障している場合に実施され、上述したブレーキペダル操作によるエア供給に置き換わる制御である。電磁弁制御は、ブレーキペダル操作によるエア供給とは異なり、ドライバが存在しない無人自動運転車両においてもバックアップエア供給を実現する。
図2に示されるように、エアブレーキシステム200は、電磁弁制御に係る構成として、エアタンク270と、シングルプロテクションバルブ280と、ダブルチェックバルブ500と、フロント電磁弁510と、ダブルチェックバルブ600と、リア電磁弁610と、減圧弁700と、電磁弁制御部900(ABS制御装置)と、を備えている。
ダブルチェックバルブ500は、バックアップ系統における、ブレーキバルブ212とフロントアクスルモジュレータ240とを接続するエア流路301(第1エア流路)に設けられている。ダブルチェックバルブ500には、エア流路301及びエア流路303が接続されており、エア流路301及びエア流路303を流れるエアの内、圧力が高いエアが、エア流路309に流入してフロントアクスルモジュレータ240に流れる。エア流路303は、一端がダブルチェックバルブ500に接続されると共に、他端が分岐点305に接続されている。そして、分岐点305からエアタンク270までエア流路306が延びている。すなわち、エア流路303及びエア流路306は、分岐点305を介して互いに連続しており、ダブルチェックバルブ500とエアタンク270とを接続する第2エア流路を構成している。エア流路306には、エアの逆流を防止するシングルプロテクションバルブ280が設けられている。
フロント電磁弁510は、第2エア流路を構成するエア流路303に設けられている。すなわち、フロント電磁弁510は、エア回路としてブレーキバルブ212と並列に配置されている。電磁弁とブレーキバルブが並列に配置されていることで、車両が人間の運転者によって操作される場合であっても、運転者によるブレーキバルブの操作が有効であるため、自動運転、手動運転のどちらであっても、車両として同一の安全性を確保できる。フロント電磁弁510は、EBS故障時における非常ブレーキをエア回路の開閉で制御する常時閉電磁弁である。フロント電磁弁510は、電磁弁制御部900の制御に基づき作動し、エア流路303を流れるエア(すなわち、エアタンク270からのエア)をダブルチェックバルブ500方向(すなわちフロントアクスルモジュレータ240方向)に流す。
ダブルチェックバルブ600は、バックアップ系統における、ブレーキバルブ212とリアアクスルモジュレータ260とを接続するエア流路302(第1エア流路)に設けられている。ダブルチェックバルブ600には、エア流路302及びエア流路304が接続されており、エア流路302及びエア流路304を流れるエアの内、圧力が高いエアが、エア流路312に流入してリアアクスルモジュレータ260に流れる。エア流路304は、一端がダブルチェックバルブ600に接続されると共に、他端が分岐点305に接続されている。そして、分岐点305からエアタンク270までエア流路306が延びている。すなわち、エア流路304及びエア流路306は、分岐点305を介して互いに連続しており、ダブルチェックバルブ600とエアタンク270とを接続する第2エア流路を構成している。
リア電磁弁610は、第2エア流路を構成するエア流路304に設けられている。リア電磁弁610は、エア回路としてブレーキバルブ212と並列に配置されている。電磁弁とブレーキバルブが並列に配置されていることで、車両が人間の運転者によって操作される場合であっても、運転者によるブレーキバルブの操作が有効であるため、自動運転、手動運転のどちらであっても、車両として同一の安全性を確保できる。リア電磁弁610は、EBS故障時における非常ブレーキをエア回路の開閉で制御する常時閉電磁弁である。リア電磁弁610は、電磁弁制御部900の制御に基づき作動し、エア流路304を流れるエア(すなわち、エアタンク270からのエア)をダブルチェックバルブ600方向(すなわちフロントアクスルモジュレータ240方向)に流す。
減圧弁700は、第2エア流路におけるフロント電磁弁510及びリア電磁弁610よりも上流側(エアタンク270側)、具体的にはエア流路306に設けられた圧力調整弁である。減圧弁700は、エアタンク270内のエア圧を所定圧力まで減圧する。減圧弁700は、例えば非常ブレーキとして所定の制動力を実現すべく、一定の調圧域を有していてもよい。また、減圧弁700は、ABS制御機能を実現するために、時間応答性がよいことが求められる。
電磁弁制御部900は、プロセッサ、記憶装置、及び入出力インタフェースを備えるマイクロコンピュータである。なお、本実施形態では電磁弁制御部900がエアブレーキシステム200に含められているが、電磁弁制御部900はエアブレーキシステム200か、制御装置10か、の少なくとも一方に含まれていてもよい。電磁弁制御部900は、EBS故障時においてフロント電磁弁510及びリア電磁弁610の少なくともいずれか一方を作動させるように構成されている。電磁弁制御部900は、フロント電磁弁510及びリア電磁弁610の少なくともいずれか一方を作動させることにより、バックアップエア供給によるブレーキ制御を実現すると共に、ABS機能を実現する。以下では、図3~図5を参照して、電磁弁制御部900のABS機能の詳細について説明する。
図3は、ABS機能に係る電磁弁制御部900の機能ブロック図である。ここでは、電磁弁制御部900の各機能の内、ABS機能に係る部分を説明する。図3に示されるように、電磁弁制御部900は、取得部901と、推定部902と、算出部903と、制御部904と、を備えている。なお、本実施形態において電磁弁制御部900の制御が実施される状況は、例えば上述したようにEBS故障時である。
取得部901は、ABS制御に係る各種の情報を取得する。取得部901は、推進軸の回転数センサ803から、推進軸の回転数を取得する。推進軸の回転数センサ803から取得される推進軸の回転数は、例えば、クラッチに設けられた推進軸の回転数を検出するセンサにおいて検出されたものである。取得部901は、例えば所定の時間間隔で、或いは任意のタイミングで、推進軸の回転数センサ803から推進軸の回転数を取得する。
取得部901は、EBS802のECUから、車重の推定結果(車両の重量を示す情報)を取得する。ここでの車重の推定結果は、EBS802において、例えば制動力情報及び車両の加速度に基づき推定されるものである。なお、いまEBS802が故障しているシーンを想定しているので、ここでの車重の推定結果とは、EBS802の故障前における最終更新値(EBS802が故障する前に最後に正しく推定した車重の値)である。
取得部901は、EBS802のECUから、取得可能な車輪速の最終更新値を取得する。上述したように、いま、EBS802が故障しているシーンを想定しているので、EBS802から、車輪速センサによって検知される車輪速をリアルタイムに取得することができない。ここでの車輪速の最終更新値とは、EBS802の故障前における車輪速の最終更新値(EBS802が故障する前に最後に正しく車輪速センサから取得した車輪速の値)である。
取得部901は、IMU801から、車両前後加速度(負の値である場合には車両の実減速度)を取得する。取得部901は、例えば所定の時間間隔で、或いは任意のタイミングで、IMU801から車両の実減速度を取得する。
推定部902は、取得部901によって取得された推進軸の回転数に基づき、車両の車輪速を推定する。車輪速の推定には最終減速比や駆動輪のタイヤ径などの車両情報を活用しても良い。
算出部903は、推定部902によって推定された車輪速に基づき、車両のブレーキスリップ率を算出する。より詳細には、算出部903は、推定部902によって推定された車輪速と、制御部904によって推定された車両の現在の車速(詳細は後述)とに基づき、ブレーキスリップ率を算出する。推定された車輪速をVp、推定された車速をV、ブレーキスリップ率をλとすると、ブレーキスリップ率λは以下の(1)式により算出される。
λ=(V-Vp)/V・・・(1)
制御部904は、算出部903によって算出されたブレーキスリップ率に基づき、車両のABS制御を行う。ここで、制御部904は、大きく、ABS制御を行う状態であるか否かを判定する処理(ABS条件成立判定処理)、及び、ABS条件が成立していると判定された場合に実施されるABS制御に係る処理(ABS処理)、の2つの処理を実施する。
ABS条件成立判定処理では、制御部904は、取得部901によって推進軸の回転数が取得されているか否かを判定する。制御部904は、推進軸の回転数が取得されていない場合に、ABS制御を行う状態でないとして、ABS条件不成立と判定する。
また、制御部904は、取得部901によって取得された車重の推定結果が所定値以下であるか否かを判定する。制御部904は、車重の推定結果が所定値以下でない場合に、ABS制御を行う状態でないとして、ABS条件不成立と判定する。
また、制御部904は、取得部901によって取得された車輪速の最終更新値を初期値として、取得部901によって取得された車両の実減速度を時間積分することにより、現在の車速を推定する。そして、制御部904は、推定された現在の車速が所定値以上であるか否かを判定する。制御部904は、推定された現在の車速が所定値以上でない場合に、ABS条件不成立と判定する。
制御部904は、推進軸の回転数が取得されており、車重の推定結果が所定値以下であり、且つ、推定された現在の車速が所定値以上である場合に、ABS条件成立と判定する。そして、制御部904は、ABS条件が成立した場合に限り、以下で説明するABS処理を実施する。
ABS処理では、制御部904は、算出部903によって算出されたブレーキスリップ率λに基づき、車両のABS制御を行う。具体的には、制御部904は、ブレーキスリップ率λが所定値を上回った場合に、車両の車輪(例えば駆動輪である後輪)がロックしていると判定する。制御部904は、車輪がロックしていると判定した場合においては、例えばリア電磁弁610を作動させることにより、後輪に関してABSを作動させる。制御部904は、ブレーキを弱めること及び強めることが適宜繰り返されて、適切にABS制御が実施されるように、リア電磁弁610を作動させる。
制御部904は、上述したように車輪がロックしていると判定した後において、推定された車輪速を時間微分した推定車輪加速度を導出し、該推定車輪加速度が正の値になった場合に、車両の車輪(例えば駆動輪である後輪)のロックが解除されたと判定してもよい。推定車輪加速度が正の値になった状態とは、車輪速が増加傾向となった状態であり、少なくとも車輪がロックされていないと推定される状態である。この場合には、制御部904は、ABS制御を停止する。このように、車輪がロックしているか否かが判定されて、判定結果に応じてABS制御を切り替えることにより、車輪の状況に応じて適切にABS制御を行うことができる。
次に、図4を参照して、ABS条件成立判定処理の手順について説明する。図4は、電磁弁制御部900において実行されるABS条件の成立判定手順を示すフローチャートである。
図4に示されるように、電磁弁制御部900では、最初に推進軸の回転数の取得が試みられ(ステップS1)、推進軸の回転数が取得可能であったか否かが判定される(ステップS2)。ステップS2において推進軸の回転数が取得できなかったと判定された場合には、ABS条件不成立と判定される(ステップS10)。
一方で、ステップS2において推進軸の回転数が取得可能であったと判定された場合、車重の推定結果(最終更新値)が取得され(ステップS3)、車重の推定結果が所定値以下であるか否かが判定される(ステップS4)。ステップS4において車重の推定結果が所定値以下でないと判定された場合には、ABS条件不成立と判定される(ステップS10)。
一方で、ステップS4において車重の推定結果が所定値以下であると判定された場合、車輪速の最終更新値が取得され(ステップS5)、さらに、車両の実減速度が取得される(ステップS6)。そして、車輪速の最終更新値を初期値として、車両の実減速度を時間積分することにより、現在の車速が推定される(ステップS7)。
そして、推定された現在の車速が所定値以上であるか否かが判定される(ステップS8)。ステップS8において現在の車速が所定値以上でないと判定された場合には、ABS条件不成立と判定される(ステップS10)。
一方で、ステップS8において現在の車速が所定値以上であると判定された場合、ABS条件成立と判定される(ステップS9)。ABS条件が成立した場合、ABS処理が実施される。
次に、図5を参照して、ABS処理の手順について説明する。図5は、電磁弁制御部900において実行される車輪ロック判定及びABS作動手順を示すフローチャートである。なお、この車輪ロック判定及びABS作動手順のフローは、図4のステップS9 ABS条件が成立している間において繰り返し実施されても良い。
図5に示されるように、電磁弁制御部900では、推定された車輪速と車速とからブレーキスリップ率λが算出される(ステップS11)。具体的には、上述した(1)式によりブレーキスリップ率λが算出される。
つづいて、ブレーキスリップ率λが所定値を上回るか否かが判定される(ステップS12)。ステップS12において上回らないと判定された場合には、所定の時間経過後に、再度ステップS11の処理が実施される。
一方で、ステップS12において、ブレーキスリップ率λが所定値を上回ると判定された場合には、車両の車輪(例えば駆動輪である後輪)がロックしていると判定され、ABSが作動させられる(ステップS13)。電磁弁制御部900は、ブレーキを弱めること及び強めることが適宜繰り返されて、適切にABS制御が実施されるように、リア電磁弁610を作動させる。
つづいて、推定された車輪速を時間微分した推定車輪加速度が導出され、該推定車輪加速度が正の値になっているか否かが判定される(ステップS14)。ステップS14において正の値になっていないと判定された場合には、繰り返しステップS13の処理が実施される。
一方で、ステップS14において推定車輪加速度が正の値になっていると判定された場合には、車両の車輪(例えば駆動輪である後輪)のロックが解除されたと判定され、ABS制御が停止される(ステップS15)。
最後に、本実施形態に係る電磁弁制御部900(ABS制御装置)の作用効果について説明する。
本実施形態に係る電磁弁制御部900は、車両の変速機からデファレンシャルギヤに動力を伝達する推進軸の回転数を取得する取得部901と、推進軸の回転数に基づき車両の車輪速を推定する推定部902と、推定部902によって推定された車輪速に基づき、車両のブレーキスリップ率を算出する算出部903と、算出部903によって算出されたブレーキスリップ率に基づき、車両のABS制御を行う制御部904と、を備える。
本実施形態に係る電磁弁制御部900では、推進軸の回転数から車輪速が推定され、推定された車輪速に基づきブレーキスリップ率が算出されて、ABS制御が実施される。推進軸の回転数と車輪速とは相関関係があるところ、このような構成によれば、例えば電子制御ブレーキシステム自体の失陥等によって車輪速センサからリアルタイムに車輪速を取得することができない場合であっても、推進軸の回転数に基づき車輪速が推定され、当該推定された値に基づいてABS制御を行うことができる。以上のように、本実施形態に係る電磁弁制御部900によれば、車輪速センサから車輪速の値が取得できない場合においても、適切にABS制御を実施することができる。
取得部901は、車両の重量を示す情報を更に取得し、制御部904は、車両の重量が所定値以下である場合に限り、車両のABS制御を行ってもよい。車両の重量が大きいほど、ABS機能の作動(ブレーキの解除)によって制動距離が大きくなること、また輪重が大きいために車輪のスリップが起こりにくいためABS制御の必要性が低いことが考えられる。このため、ABS制御の実施を、車両の重量が所定値以下である場合に限定することによって、必要以上に制動距離が大きくなりすぎることを回避することができる。
取得部901は、車輪速センサによって検知される車輪速をリアルタイムに取得することができない場合において、取得可能な車輪速の最終更新値を更に取得すると共に、車両に備え付けられたIMU801から車両の実減速度を更に取得し、制御部904は、車輪速の最終更新値を初期値として、実減速度を時間積分することにより現在の車速を推定し、推定された車速が所定値以上である場合に限り、車両のABS制御を行ってもよい。このような構成によれば、車輪速センサからリアルタイムの車輪速を取得することができない場合においても、現在の車速を適切に推定することができる。そして、推定された車速が小さすぎる場合にABS制御を実施しないことによって、車両を早期且つ確実に停止させることができる。
算出部903は、推定された車輪速:Vpと、推定された車速:Vと、に基づき、上述した(1)式に基づきブレーキスリップ率:λを算出し、制御部904は、ブレーキスリップ率が所定値を上回った場合に、車両の車輪がロックしていると判定してもよい。このような構成によれば、推定された車輪速からブレーキスリップ率を適切に算出し、算出したブレーキスリップ率が大きい場合に車輪がロックしていると判定することができ、ABS制御における車輪ロック状態を適切に判定することができる。これにより、車輪の状態に応じた適切なABS制御が可能になる。
制御部904は、推定された車輪速を時間微分した推定車輪加速度を導出し、該推定車輪加速度が正の値になった場合に、車両の車輪のロックが解除されたと判定してもよい。このように、推定車輪加速度が正の値になった場合、すなわち車輪速が増加傾向となった場合に車輪のロックが解除されたと判定されることにより、車輪ロック解除状態を適切に判定することができる。これにより、車輪の状態に応じた適切なABS制御が可能になる。
200…エアブレーキシステム、900…電磁弁制御部、901…取得部、902…推定部、903…算出部、904…制御部。

Claims (6)

  1. 車両の変速機からデファレンシャルギヤに動力を伝達する推進軸の回転数を取得する取得部と、
    前記推進軸の回転数に基づき前記車両の車輪速を推定する推定部と、
    前記推定部によって推定された前記車輪速に基づき、前記車両のブレーキスリップ率を算出する算出部と、
    前記算出部によって算出された前記ブレーキスリップ率に基づき、前記車両のABS制御を行う制御部と、を備えるABS制御装置。
  2. 前記取得部は、前記車両の重量を示す情報を更に取得し、
    前記制御部は、前記車両の重量が所定値以下である場合に限り、前記車両のABS制御を行う、請求項1記載のABS制御装置。
  3. 前記取得部は、車輪速センサによって検知される車輪速をリアルタイムに取得することができない場合において、取得可能な車輪速の最終更新値を更に取得すると共に、前記車両に備え付けられた慣性計測装置から前記車両の実減速度を更に取得し、
    前記制御部は、前記車輪速の最終更新値を初期値として、前記実減速度を時間積分することにより現在の車速を推定し、推定された前記車速が所定値以上である場合に限り、前記車両のABS制御を行う、請求項1又は2記載のABS制御装置。
  4. 前記算出部は、前記推定された車輪速:Vpと、前記推定された車速:Vと、に基づき、以下の式から前記ブレーキスリップ率:λを算出し、
    λ=(V-Vp)/V
    前記制御部は、前記ブレーキスリップ率が所定値を上回った場合に、前記車両の車輪がロックしていると判定する、請求項3記載のABS制御装置。
  5. 前記制御部は、前記推定された車輪速を時間微分した推定車輪加速度を導出し、該推定車輪加速度が正の値になった場合に、前記車両の車輪のロックが解除されたと判定する、請求項4記載のABS制御装置。
  6. バックアップ系統を有するエアブレーキシステムであって、
    前記バックアップ系統における、ブレーキバルブとアクスルモジュレータとを接続する第1エア流路に設けられたダブルチェックバルブと、
    前記ダブルチェックバルブとエアタンクとを接続する第2エア流路と、
    前記第2エア流路に設けられた電磁弁と、
    ABS制御装置と、を備え、
    前記ABS制御装置は、
    車両の変速機からデファレンシャルギヤに動力を伝達する推進軸の回転数を取得する取得部と、
    前記推進軸の回転数に基づき前記車両の車輪速を推定する推定部と、
    前記推定部によって推定された前記車輪速に基づき、前記車両のブレーキスリップ率を算出する算出部と、
    前記算出部によって算出された前記ブレーキスリップ率に基づき、前記車両のABS制御を行う制御部と、を有し、
    前記制御部は、
    前記電磁弁を作動させることにより、前記車両のABS制御を行う、エアブレーキシステム。
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