JP2023145186A - ケースおよび分電盤 - Google Patents
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Abstract
【課題】間柱の間隔とベースに設けられたネジ穴の位置とが合わない場合でも、他の部材を用いずにベースを間柱に固定することができるケース等を提供する。【解決手段】ケースは、主幹ブレーカ40および分岐ブレーカ50が取り付けられるベース10と、ベース10を覆うカバー60と、ベース10を造営材(間柱600)に固定するための固定部材(ネジ400)を取り付けるための取付構造(ネジ穴15)を有し、ベース10に回転可能に取り付けられる取付部材20とを備える。【選択図】図3
Description
本発明は、ケースおよび分電盤に関する。
特許文献1には、本体カバー(カバー)を基台(ベース)に着脱可能な分電盤が開示されている。
ところで、分電盤のベースはネジなどで、壁が取り付けられる間柱に固定される。間柱の間隔とベースに設けられたネジ穴の位置とが合わない場合、あて木を設けるか、ボードアンカーを用いることが行われているが、手間である。そのため、間柱の間隔とベースに設けられたネジ穴の位置とが合わない場合でも、あて木、ボードアンカーなどの他の部材を用いずにベースを間柱に固定できることが望まれるが、特許文献1にはそのような技術は開示されていない。
そこで、本発明は、間柱の間隔とベースに設けられたネジ穴の位置とが合わない場合でも、他の部材を用いずにベースを間柱に固定することができるケースおよび分電盤を提供する。
本発明の一態様に係るケースは、主幹ブレーカおよび分岐ブレーカが取り付けられるベースと、前記ベースを覆うカバーと、前記ベースを造営材に固定するための固定部材を取り付けるための取付構造を有し、前記ベースに回転可能に取り付けられる取付部材とを備える。
本発明の一態様に係る分電盤は、上記のケースと、前記ケースに収容される主幹ブレーカおよび分岐ブレーカとを備える。
本発明の一態様によれば、間柱の間隔とベースに設けられたネジ穴の位置とが合わない場合でも、他の部材を用いずにベースを間柱に固定することができるケースおよび分電盤を実現することができる。
(本発明に至った経緯)
本発明の説明に先立ち、本発明に至った経緯について図1を参照しながら説明する。図1は、従来例に係る分電盤を固定する様子を模式的に示す図である。なお、図1では、分電盤のうちベース300、ネジ穴310、および、ネジ400のみを図示している。
本発明の説明に先立ち、本発明に至った経緯について図1を参照しながら説明する。図1は、従来例に係る分電盤を固定する様子を模式的に示す図である。なお、図1では、分電盤のうちベース300、ネジ穴310、および、ネジ400のみを図示している。
分電盤は、石膏ボードなどにより構成される壁500が取り付けられる間柱600にネジ400を用いて固定される。この場合、ベース300に設けられるネジ穴310の位置が間柱600の位置と異なっている場合、ネジ400を間柱600に打ち込めないことが起こり得る。図1の例では、Y軸プラス側のネジ400は間柱600に打ち込めている(図1に示す「OK」)が、Y軸マイナス側のネジ400は、間柱600に打ち込めていない(図1に示す「NG」)。この状態では、分電盤が間柱600に安定して固定されていないので、「発明が解決しようとする課題」で説明したように、あて木、ボードアンカーなどの他の部材を用いてベース300を間柱600に固定する必要があるが、手間である。
そこで、本願発明者は、間柱の間隔とベースに設けられたネジ穴の位置とが合わない場合でも、他の部材を用いずにベースを間柱に固定することができるケースなどについて鋭意検討を行い、以下に説明するケースなどを創案した。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態等は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態等で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態等は一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺等は必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
また、本明細書および図面において、X軸、Y軸およびZ軸は、三次元直交座標系の三軸を示している。実施の形態等では、X軸方向を分電盤の厚み方向(構成要素の積層方向)としている。また、本明細書において、「正面視」とは、X軸方向(分電盤の厚み方向)に沿って分電盤を見ることを意味し、「平面視」とは、Z軸方向に沿って分電盤を見ることを意味する。また、Y軸方向は、分電盤が造営材に取り付けられたときに左右方向(例えば、水平方向)となる方向であり、Z軸方向は、分電盤が造営材に取り付けられたときに上下方向(例えば、鉛直方向)となる方向であり、X軸方向は、分電盤が造営材に取り付けられたときに前後方向となる方向であるとして説明するが、これに限定されない。
また、本明細書において、平行、同じ等の要素間の関係性を示す用語、および、矩形、C字状等の要素の形状を示す用語、並びに、数値、および、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度(例えば、10%程度)の差異をも含むことを意味する表現である。
(実施の形態)
[1.分電盤の構成]
本実施の形態に係る分電盤の構成について、図2~図5を参照しながら説明する。図2は、本実施の形態に係る分電盤1の外観を示す斜視図である。図3は、本実施の形態に係る分電盤1の構成を示す分解斜視図である。
[1.分電盤の構成]
本実施の形態に係る分電盤の構成について、図2~図5を参照しながら説明する。図2は、本実施の形態に係る分電盤1の外観を示す斜視図である。図3は、本実施の形態に係る分電盤1の構成を示す分解斜視図である。
分電盤1は、電力事業者等の設備である電力系統からの電力(系統電力)の供給を受け、当該電力を複数の分岐回路それぞれに分岐させる。分電盤1は、例えば、住宅、病院、工場、ビル等の電力を使用する施設の内部に設置される。
図2および図3に示すように、分電盤1は、ベース10と、取付部材20と、端子バー30と、保持部材31と、主幹ブレーカ40と、分岐ブレーカ50と、カバー60と、扉70とを備える。ベース10と取付部材20とカバー60とにより、分電盤1のケース(分電盤用ボックス)が構成される。端子バー30、保持部材31、主幹ブレーカ40および分岐ブレーカ50は、ケース内に収納される。本実施の形態では、ケースは、端子バー30、保持部材31、主幹ブレーカ40および分岐ブレーカ50を内部に収納可能な箱状である。
ベース10は、端子バー30と、保持部材31と、主幹ブレーカ40と、分岐ブレーカ50とが固定される板状の部材である。ベース10の正面視形状は、例えば矩形状である。
ベース10は、造営材に取り付けられる。ベース10は、例えば、造営材に直接取り付けられる。ベース10は、例えば、壁(例えば、石膏ボード)に接触して取り付けられてもよい。ベース10は、壁部11と、取り付け部12を有する。
壁部11は、導電性を有する端子バー30による感電防止、端子バー30への埃などの堆積によるトラッキング防止などのために端子バー30の上方に配置される板状の部材である。壁部11は、ベース10からカバー60に向かう方向(X軸プラス方向)に突出して設けられる。壁部11は、例えば、ベース10に立設して設けられる。壁部11は、ベース10に端子バー30、主幹ブレーカ40および分岐ブレーカ50を固定したときに、端子バー30を上方(Z軸プラス側)から覆う。壁部11は、取り付け部12より上方に配置されており、本実施の形態では、ベース10におけるY軸プラス側およびZ軸プラス側の位置に配置される。
壁部11は、例えば、ベース10と一体形成されていている。これにより、分電盤1における部品点数を削減することができ、かつ、壁部11がベース10と別体であるときの取り付け作業を省くことができるので、分電盤1のコストを削減することができる。なお、壁部11は、ベース10と別体の部材であってもよい。つまり、壁部11は、ベース10に着脱可能に取り付けられていてもよい。
取り付け部12は、端子バー30を保持する保持部材31を着脱可能に取り付けるための部分である。取り付け部12は、例えば、保持部材31が取り付けられる(例えば、引っ掛けられる)開口、保持部材31と係合する突起などにより構成される。また、取り付け部12は、例えば、クランク形状のレールであってもよい。取り付け部12は、例えば、ディンレールであってもよい。
なお、着脱可能とは、例えば、ネジ等の締結部材を用いずに、取り付け部12に端子バー30を保持する保持部材31を取り付けおよび取り外し可能であることを意味する。なお、取り付け部12は、端子バー30、保持部材31、主幹ブレーカ40および分岐ブレーカ50を一体化した内器ユニットを着脱可能な構成を有していてもよい。
ベース10は、例えば、電気絶縁性(絶縁性)を有する材料により形成される。例えば、ベース10は、樹脂により一体形成されている。ベース10は、例えば、成型品(例えば、樹脂成型品)である。ベース10を形成する樹脂は、例えば、カバー60を形成する樹脂と同じであってもよい。樹脂は、例えば、ポリエチレン樹脂が例示されるがこれに限定されず、他の樹脂が用いられてもよい。なお、ベース10の少なくとも一部は、金属により形成されていてもよい。
また、ベース10には、主幹ブレーカ40に接続される電力線が挿通される開口、および、分岐ブレーカ50に接続される電力線が挿通される開口が形成されている。
取付部材20は、ベース10を造営材に固定するためのネジ400(固定部材の一例)を取り付けるためのネジ穴21(図4を参照)を有し、ベース10に回転可能に取り付けられる。取付部材20は、例えば、ベース10の四隅に取り付けられるが、少なくとも二隅(例えば、Y軸方向またはZ軸方向の沿って並ぶ二隅)に取り付けられていればよい。取付部材20は、例えば、電気絶縁性(絶縁性)を有する材料により形成される。例えば、取付部材20は、樹脂により形成されている。取付部材20は、例えば、成型品(例えば、樹脂成型品)である。取付部材20の詳細は後述する。
端子バー30は、主幹ブレーカ40と分岐ブレーカ50とを接続するための板状の導電性部材である。分電盤1は、商用電源と接続されており、商用電源が主幹ブレーカ40および端子バー30を介して各分岐ブレーカ50に向けて電力を供給する構成を有する。
端子バー30は、銅などの導電性材料により形成されている。また、端子バー30は、絶縁性の部材で覆われておらず、導電性を有する部分が露出している。そのため、上記の壁部11が設けられる。端子バー30は、母線バー、導電バーとも称される。端子バー30は、導電部の一例である。
保持部材31は、端子バー30を保持する長尺状の部材である。保持部材31は、端子バー30を保持した状態でベース10の取り付け部12に固定される。保持部材31は、例えば、絶縁性の材料により形成される。保持部材31は、樹脂により形成されてもよい。
主幹ブレーカ40は、所定の電流(例えば、電力会社との契約で定められる電力に基づく電流)を超える電流が電力系統から流れた場合に、電力系統からの電力の供給を停止するブレーカである。
分岐ブレーカ50は、分電盤1に接続される各電力線(分岐回路)に設けられるブレーカである。分岐ブレーカ50は、複数設けられる。分岐ブレーカ50は、当該分岐ブレーカ50に接続された電力線に過電流が流れた場合に、当該電力線への電力の供給を停止する。
なお、分電盤1は、主幹ブレーカ40および分岐ブレーカ50の少なくとも一方を備えていればよい。この場合、主幹ブレーカ40および分岐ブレーカ50の当該少なくとも一方がベース10に取り付けられる。
カバー60は、ベース10を覆う部材である。カバー60は、前面板と、前面板の周囲を囲むよう形成された天板と、一対の側面板と、底板とを有する。
扉70は、カバー60の前面板に対して回転可能に取り付けられ、カバー60の前面板に形成された開口を開閉する。扉70は、開口を覆い、Y軸方向を回転軸とし回転可能にカバー60に取り付けられる。また、当該開口には、主幹ブレーカ40および分岐ブレーカ50の操作部(例えば、ハンドル等)が位置する。つまり、扉70は、主幹ブレーカ40および分岐ブレーカ50の操作部を覆う。扉70が開閉することにより、主幹ブレーカ40および分岐ブレーカ50の操作部を露出させる開状態と、当該操作部を露出させない閉状態とが切り替わる。また、扉70は、主幹ブレーカ40および分岐ブレーカ50の状態を示す表示部を覆っていてもよい。扉70は、例えば、正面視形状が矩形状であるがこれに限定されない。
本実施の形態では、扉70は、下開きの扉である。言い換えると、扉70は、下開き可能にカバー60に取り付けられる。扉70は、例えば、Y軸方向に延在するピンなどの棒状の部材によりカバー60に取り付けられてもよい。
カバー60および扉70は、絶縁性を有する。カバー60および扉70は、同じ材料で形成されていてもよい。カバー60および扉70は、例えば、樹脂で形成されている。例えば、扉70は、成型品(例えば、樹脂成型品)であってもよい。樹脂は、例えば、ポリエチレン樹脂が例示されるがこれに限定されず、他の樹脂が用いられてもよい。
ここで、取付部材20の構成について、図4を参照しながら説明する。図4は、本実施の形態に係るベース10に取付部材20を取り付ける様子を示す図である。図4の(a)は、取付部材20をX軸方向から見たときの図であり、図4の(b)は、取付部材20をベース10に取り付ける様子をZ軸方向から見たときの模式図である。
図4の(a)および(b)に示すように、取付部材20は、X軸方向から見ると円環状であり、中央部にX軸方向に貫通するネジ穴21が形成されている。また、取付部材20は、少なくともベース10と嵌合する部分である嵌合部22が半球形状である。つまり、取付部材20は、Y軸方向から見てもZ軸方向から見てもベース10と当接する部分が湾曲している。取付部材20は、少なくとも嵌合部22が半球形状であればよい。ネジ穴21は、取付構造の一例である。
ベース10には、凹み13、および、貫通孔15が形成されている。凹み13は、取付部材20の嵌合部22の半球形状に応じた形状の凹みであり、取付部材20が嵌め込まれる。ベース10は、取付部材20がベース10に嵌め込まれた場合、嵌合部22と当接する(保持部14が保持する)ことで取付部材20を回転可能に保持する。ベース10は、ベース10に対して任意方向に回転可能に取付部材20を保持する。任意方向に回転可能とは、例えば、取付部材20がX軸方向を回転軸として回転可能であり、かつ、Y軸方向を回転軸として回転可能であり、かつ、Z軸方向を回転軸として回転可能であることを意味する。また、任意方向に回転可能とは、例えば、X軸方向から見た場合にY軸またはZ軸と交差する軸を回転軸として回転可能であることであってもよい。これにより、X軸と交差する方向に、つまり斜め方向にネジを自在に打ち込むことができる。
保持部14は、嵌合部22に応じた湾曲形状を有し、取付部材20を回転可能に保持する。
貫通孔15は、凹み13の一部が貫通して形成され、ネジ400が挿通される穴である。貫通孔15の直径は、X軸方向から見たときにネジ穴21の直径以上である。取付部材20はベース10に取り付けられた状態で任意方向に回転するので、ネジ穴21の位置(例えば、ベース10に対するネジ穴21の向き)は変化し得る。そこで、ネジ穴21の位置が変化してもネジ400を挿通可能なように、貫通孔15は取付部材20を支持可能な範囲で広く形成されるとよい。
上記のように構成される分電盤1の取り付けについて、図5を参照しながら説明する。図5は、本実施の形態に係る分電盤1を造営材に固定する様子を模式的に示す図である。
図5に示すように、ネジ穴21の位置が間柱600と合わない場合に、間柱600の方向に向けて斜めにネジ400を打ち込むこと、あて木などを用いることなくネジ400を間柱600(造営材の一例)に固定することができる。図5の例では、Y軸プラス側のネジ400は真っ直ぐに打ち込まれ、Y軸マイナス側のネジ400は右斜め下方向に打ち込まれている。Y軸プラス側のネジ400とY軸プラス側のネジ400とを、平面視において互いに異なる方向に打ち込むことができる。これにより、他の部材を追加することなく分電盤1を造営材に取り付けることができる。これは、分電盤1の取り付け施工に関わる時間を短縮すること、つまり省施工につながる。
[2.効果など]
以上のように、本実施の形態に係るケースは、主幹ブレーカ40および分岐ブレーカ50が取り付けられるベース10と、ベース10を覆うカバー60と、ベース10を間柱600(造営材の一例)に固定するためのネジ400(固定部材の一例)を取り付けるためのネジ穴21(取付構造の一例)を有し、ベース10に回転可能に取り付けられる取付部材20とを備える。
以上のように、本実施の形態に係るケースは、主幹ブレーカ40および分岐ブレーカ50が取り付けられるベース10と、ベース10を覆うカバー60と、ベース10を間柱600(造営材の一例)に固定するためのネジ400(固定部材の一例)を取り付けるためのネジ穴21(取付構造の一例)を有し、ベース10に回転可能に取り付けられる取付部材20とを備える。
これにより、取付部材20が回転することでネジ穴21の向きを変更することができる。つまり、ベース10に対して直交する方向に加えて斜め方向にもネジ400を打ち込むことができる。よって、間柱600の間隔とベース10に設けられたネジ穴21の位置とが合わない場合にネジ400を斜め方向に打ち込むことで、他の部材を用いずにベース10を間柱600に固定することができる。
また、取付部材20は、ベース10と嵌合する部分が少なくとも半球形状であり、ベース10に対して任意方向に回転可能に取り付けられる。
これにより、任意方向に自在にネジ400を打ち込むことができるので、ベース10を間柱600に固定することができる確実性が増す。
また、固定部材は、ネジ400であり、取付構造は、取付部材20に形成された、ネジ400が挿通されるネジ穴21(貫通孔の一例)である。
これにより、ネジ400とネジ穴21とにより、ベース10を間柱600に固定することができるケースを実現することができる。
また、カバー60に回転可能に取り付けられ、主幹ブレーカ40および分岐ブレーカ50の操作部を覆う扉70を備える。
これにより、扉70を備えるケースにおいて、間柱600の間隔とベース10に設けられたネジ穴21の位置とが合わない場合でも、他の部材を用いずにベース10を間柱600に固定することができる。
また、上記のケースと、ケースに収容される主幹ブレーカ40および分岐ブレーカ50とを備える。
これにより、上記のケースと同様の効果を奏する。つまり、間柱600の間隔とベース10に設けられたネジ穴21の位置とが合わない場合でも、他の部材を用いずにベース10を間柱600に固定することができる分電盤1を実現することができる。
(実施の形態の変形例1)
本変形例では取付部の他の構成について、図6~図8を参照しながら説明する。図6は、本変形例に係る取付部材120の外観を示す斜視図である。図7は、本変形例に係る取付部材120の外観を示す図である。図7の(a)は、X軸方向から見た取付部材120を示しており、図7の(b)は、Z軸方向から見た取付部材120を示している。
本変形例では取付部の他の構成について、図6~図8を参照しながら説明する。図6は、本変形例に係る取付部材120の外観を示す斜視図である。図7は、本変形例に係る取付部材120の外観を示す図である。図7の(a)は、X軸方向から見た取付部材120を示しており、図7の(b)は、Z軸方向から見た取付部材120を示している。
図6に示すように、本変形例に係る取付部材120は、ベース110と嵌合する部分である嵌合部121が少なくとも半円柱状であり、X軸方向に貫通するネジ穴123が形成されている。つまり、取付部材120は、Z軸方向から見るとベース110と当接する部分が湾曲している。取付部材120は、少なくとも嵌合部121が半球形状であればよい。ネジ穴123は、取付構造の一例である。
また、図7の(a)および(b)に示すように、取付部材120は、互いに背向する底面120aおよび120bのそれぞれに軸状の一対の突起122aおよび122bを有する。突起122aおよび122bは、同一直線上に配置されており、ベース110(図8を参照)に取り付けられた取付部材120が回転するときの回転軸である。突起122aおよび122bは、例えば、円柱状の突起であるがこれに限定されない。
取付部材120は、例えば、突起122aおよび122bがZ軸と平行となるようにベース110に取り付けられる、つまりZ軸方向を回転軸として回転可能にベース110に取り付けられるが、これに限定されず、Y軸と平行となるようにベース110に取り付けられてもよい。突起122aおよび122bは、一対の第1突起の一例である。
突起122aおよび122bは、Z軸方向から見ると、ネジ穴123と重なる位置に設けられる。例えば、突起122aおよび122bの中心を通る直線とネジ穴123の中心を通る直線とは、交差してもよい。
図8は、本変形例に係るベース110および取付部材120を示す平面図である。図8は、取付部材120をベース110に取り付けた状態を模式的に示す図である。
図8に示すように、ベース110は、突起122aおよび122bを回転軸として回転可能に取付部材120を保持する一対の保持部114を有する。一方の保持部114は、突起122aを保持し、他方の保持部114は、突起122bを保持する。保持部114は、突起122aおよび122bに応じた形状を有しており、図8の例では、C字状である。保持部114は、ベース110と一体形成されている。
一対の保持部114と突起122aおよび122bとが嵌合することで、Z軸方向を回転軸として取付部材120が回転可能(図8に示す矢印方向の回転可能)である。つまり、ベース110および取付部材120によれば、Z軸方向から見たときに、X軸と交差する方向に、つまり斜め方向にネジ400を自在に打ち込むことができる。
以上のように、本変形例に係るケースが備える取付部材120は、ベース110と嵌合する部分が少なくとも半円柱状であり、互いに背向する底面120aおよび120bのそれぞれに軸状の一対の突起122aおよび122b(第1突起の一例)を有し、ベース110は、一対の突起122aおよび122bを回転軸として回転可能に取付部材120を保持する保持部114を有する。
これにより、取付部材120を単純な構造でベース110に嵌合させることができるので、ベース110および取付部材120を安価に構成することができる。
(実施の形態の変形例2)
本変形例では、取付部への回転操作に対して作業者に操作感を与えることができるベースおよび取付部の構成について、図9を参照しながら説明する。図9は、本変形例に係るベース110および取付部材220を示す平面図である。
本変形例では、取付部への回転操作に対して作業者に操作感を与えることができるベースおよび取付部の構成について、図9を参照しながら説明する。図9は、本変形例に係るベース110および取付部材220を示す平面図である。
図9に示すように、本変形例に係る取付部材220は、ベース110と嵌合する部分である嵌合部を含む全周に突起221が形成されている。取付部材220は、例えば、円柱状の側面に周方向に沿って凹凸が繰り返し形成されている。なお、側面に形成される突起221の数は特に限定されず1以上であればよい。突起221は、第2突起の一例である。
ベース110は、取付部材220が回転軸(Z軸)に対して回転した場合に1以上の突起221と当接する突起212を有する。突起212は、ベース110に固定されており、例えば、取付部材220に向かうにつれ先細りとなる形状を有する。突起212は、例えば、Z軸方向から見ると、三角形状であるが、これに限定されない。突起212は、例えば、取付部材220が所定角度回転するたびに突起221と当接する。なお、ベース110に設けられる突起212の数は特に限定されず、2以上であってもよい。突起212は、第3突起の一例である。
突起212と当接した突起221が当該突起212を乗り越えるときに作業者に操作感を与えることができる。操作感は、クリック感とも言い換えることが可能である。突起212および221は、取付部材220への回転操作に対して操作感を付与する付与機構の一例である。なお、付与機構は、作業者の指に触力覚を与えることができればよく、例えば、振動素子を有し、振動により操作感を付与する構成であってもよい。
また、突起212は、作業者により回転操作が行われない場合、取付部材220が回転しないように取付部材220の位置を固定する機能を有する。突起212は、例えば、作業者により回転操作が行われない場合に取付部材220が回転しないような位置、形状および材料により形成される。これにより、ベース110を造営材(例えば、間柱600)に取り付ける際の作業性が向上する。
なお、突起212および221の少なくとも一方は、弾性を有していてもよい。突起212および221の少なくとも一方は、例えば、弾性を有する材料(例えば、ゴムなど)により形成されていてもよいし、弾性を有する形状(例えば、板バネのような形状)を有していてもよい。
以上のように、本変形例に係るケースは、取付部材220への回転操作に対して操作感を付与する付与機構を有する。
これにより、作業者は、操作感により取付部材220を回転させたことを容易に認識することができるので、ベース110を造営材(例えば、間柱600)に取り付ける際の作業性が向上する。
また、付与機構は、取付部材220の側面に形成される1以上の突起221(第2突起の一例)と、ベース110に形成され取付部材220が回転軸に対して回転した場合に1以上の突起221と当接する突起212(第3突起の一例)とにより構成される。
これにより、突起212および221により作業者に操作感を与えることができる。
また、1以上の突起221および突起212の少なくとも一方は弾性を有する。
これにより、取付部材220を回転させる際の抵抗が減少し、より軽い力で回転させることができるようになり、取付部材220の操作性が向上する。
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態等について説明したが、本発明は、上記実施の形態等に限定されるものではない。
以上、実施の形態等について説明したが、本発明は、上記実施の形態等に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態等では、主幹ブレーカおよび分岐ブレーカを露出させる開口がカバーに形成される例について説明したが、当該開口は形成されなくてもよい。
また、上記実施の形態等では、カバーに扉が設けられる例について説明したが、これに限定されず、扉は設けられなくてもよい。例えば、分電盤は、主幹ブレーカおよび分岐ブレーカの少なくとも一方の操作部が露出していてもよい。
また、上記実施の形態等における取付構造は、ネジ穴に限定されない。取付構造は、例えば、固定部材の取り付け位置を示す凹み(例えば、取付部材のX軸プラス側の面に設けられる有底の凹み)であってもよい。つまり、取付構造は、固定部材を取り付けるためのガイドとして機能してもよい。また、取付構造は、用いられる固定部材に応じて構造が適宜変更されてもよい。
その他、実施の形態等に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1 分電盤
10、110 ベース
14、114 保持部
15 貫通孔
20、120、220 取付部材
21、123 ネジ穴(貫通孔)
40 主幹ブレーカ
50 分岐ブレーカ
60 カバー
70 扉
122a、122b 突起(第1突起)
212 突起(第3突起)
221 突起(第2突起)
400 ネジ(固定部材)
600 間柱(造営材)
10、110 ベース
14、114 保持部
15 貫通孔
20、120、220 取付部材
21、123 ネジ穴(貫通孔)
40 主幹ブレーカ
50 分岐ブレーカ
60 カバー
70 扉
122a、122b 突起(第1突起)
212 突起(第3突起)
221 突起(第2突起)
400 ネジ(固定部材)
600 間柱(造営材)
Claims (9)
- 主幹ブレーカおよび分岐ブレーカが取り付けられるベースと、
前記ベースを覆うカバーと、
前記ベースを造営材に固定するための固定部材を取り付けるための取付構造を有し、前記ベースに回転可能に取り付けられる取付部材とを備える
ケース。 - 前記取付部材は、前記ベースと嵌合する部分が少なくとも半球形状であり、前記ベースに対して任意方向に回転可能に取り付けられる
請求項1に記載のケース。 - 前記取付部材は、前記ベースと嵌合する部分が少なくとも半円柱状であり、互いに背向する底面のそれぞれに軸状の一対の第1突起を有し、
前記ベースは、前記一対の第1突起を回転軸として回転可能に前記取付部材を保持する保持部を有する
請求項1に記載のケース。 - さらに、前記取付部材への回転操作に対して操作感を付与する付与機構を有する
請求項3に記載のケース。 - 前記付与機構は、前記取付部材の側面に形成される1以上の第2突起と、前記ベースに形成され前記取付部材が前記回転軸に対して回転した場合に前記1以上の第2突起と当接する第3突起とにより構成される
請求項4に記載のケース。 - 前記1以上の第2突起および前記第3突起の少なくとも一方は弾性を有する
請求項5に記載のケース。 - 前記固定部材は、ネジであり、
前記取付構造は、前記取付部材に形成された、前記ネジが挿通される貫通孔である
請求項1~6のいずれか1項に記載のケース。 - 前記カバーに回転可能に取り付けられ、前記主幹ブレーカおよび前記分岐ブレーカの操作部を覆う扉を備える
請求項1~7のいずれか1項に記載のケース。 - 請求項1~8のいずれか1項に記載のケースと、
前記ケースに収容される主幹ブレーカおよび分岐ブレーカとを備える
分電盤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022052524A JP2023145186A (ja) | 2022-03-28 | 2022-03-28 | ケースおよび分電盤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022052524A JP2023145186A (ja) | 2022-03-28 | 2022-03-28 | ケースおよび分電盤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023145186A true JP2023145186A (ja) | 2023-10-11 |
Family
ID=88253373
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022052524A Pending JP2023145186A (ja) | 2022-03-28 | 2022-03-28 | ケースおよび分電盤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023145186A (ja) |
-
2022
- 2022-03-28 JP JP2022052524A patent/JP2023145186A/ja active Pending
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