JP2023145122A - NOxセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】周辺環境温度の影響を抑制し、被測定ガスに含まれる水分量に基づく補正をより精度よく行って、NOx濃度の検出精度を向上可能なNOxセンサを提供する。【解決手段】センサSは、H2O濃度と相関を有する第1信号Ipを出力する第1セル1pと、NOx濃度及びH2O濃度に応じた第2信号Isを出力する第2セル1sを有するセンサ素子1と、ヒータHと、センサ制御部10を備え、センサ制御部10は、第2信号に基づくNOx濃度基準値を算出するNOx濃度基準値算出部101と、第1信号又は外部情報に基づくH2O濃度情報を検出するH2O濃度情報検出部102と、NOx濃度基準値をオフセット補正するNOx濃度補正部103とを有し、オフセット補正情報は、予め定めた基準環境温度にて取得されるH2O濃度情報と第2信号との関係に基づき、基準環境温度は、センサ素子1の搭載環境における排ガスGの定常温度域に設定される。【選択図】図1

Description

本発明は、被測定ガス中のNOx濃度を検出するためのNOxセンサに関する。
車両用のNOxセンサは、固体電解質体を用いたセンサ素子を備えており、センサ素子の内部へ被測定ガスとなる排ガスを導入し、窒素酸化物(NOx)の分解に起因して固体電解質体を流れる電流を測定することにより、NOx濃度を検出している。一般に、センサ素子は、固体電解質体の表面に電極が形成された複数のセルを有し、例えば、ガス流れの上流側に設けられるポンプセルにて被測定ガス中の酸素(O2)をポンピングし、所定の低酸素濃度に調整した上で、下流側に設けられるセンサセルにて被測定ガスに含まれるNOxを検出する。
一方、NOx濃度の検出において、被測定ガスに含まれる水分(H2O)が誤差要因となることがある。その対策として、特許文献1には、エンジンの運転条件により定まる空気過剰率あるいはA/F値から排ガス中の水分量を推定し、推定された水分量に応じてガス濃度検出信号を補正する方法が提案されている。また、酸素ポンプ作用を利用する形式のガスセンサにおいては、酸素を汲み出す第1セルから得られる信号と排ガス中の酸素濃度及び水分量との相関関係を利用して、NOxを分解する第2セルから得られる信号を、マップを用いて又はアナログ回路上で補正する方法が提案されている。
特許第3372186号公報
特許文献1のガスセンサは、エンジン情報又はセンサ情報から、排ガス中の水分量を推定し又は水分量に相当する値を取得して、水分量に対応する補正量を用いて、NOxガス濃度検出出力を補正している。その前提として、NOxガス濃度検出出力とNOxガス濃度との間に直線関係があることが示され、水分量による補正をしない場合には、感度には影響がないものの、オフセットが変化するとされている。ところが、搭載位置や負荷条件によって異なるセンサ周辺環境や、センサ制御状態によっては、必ずしも水分量に基づくオフセットが一定とならないことが判明した。これは、水分量とオフセットの関係が、周辺環境温度の影響を受けるためと推測され、水分量が増加するほど、オフセット誤差が大きくなるために、NOxガス濃度の補正精度が低下するおそれがあった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、周辺環境温度の影響を抑制し、被測定ガスに含まれる水分量に基づく補正をより精度よく行って、NOx濃度の検出精度を向上可能なNOxセンサを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
被測定ガス(G)に含まれるNOxを検出するセンサ素子(1)と、上記センサ素子を加熱するヒータ(H)と、上記センサ素子及び上記ヒータの動作を制御すると共に、上記センサ素子からの信号に基づいてNOx濃度を算出するセンサ制御部(10)と、を備えるNOxセンサ(S)であって、
上記センサ素子は、
ガス導入部(3)を介して上記被測定ガスが導入され、固体電解質体(11)を室壁とする被測定ガス室(2)と、
上記被測定ガス室において、導入されるガス流れの上流側に配置され、上記被測定ガス中のH2O濃度と相関を有する第1信号(Ip)を出力する第1セル(1p)、及び、上記第1セルよりも下流側に配置され、上記被測定ガス中のNOx濃度及びH2O濃度に応じた第2信号(Is)を出力する第2セル(1s)と、を有しており、
上記センサ制御部は、
上記第2信号に基づくNOx濃度基準値(C1)を算出するNOx濃度基準値算出部(101)と、
上記第1信号又は外部情報に基づいて、H2O濃度又はH2O濃度と相関を有する濃度情報を含むH2O濃度情報(Ci)を検出するH2O濃度情報検出部(102)と、
上記NOx濃度基準値を、上記H2O濃度情報に基づいてオフセット補正する、NOx濃度補正部(103)と、を有し、
上記NOx濃度補正部は、予め定められた基準環境温度(T0)にて取得される上記センサ素子の出力特性に基づいて、上記H2O濃度情報に対応する上記第2信号のオフセット補正情報を記憶しており、上記基準環境温度は、上記センサ素子の搭載環境における上記被測定ガスの定常温度域に設定される、NOxセンサにある。
上記構成のNOxセンサにおいて、センサ制御部は、センサ素子の動作とヒータの動作を制御すると共に、センサ素子からの信号に基づいて、NOx濃度を算出する。第2セルから第2信号が入力されると、NOx濃度基準値算出部において、予め知られる第2信号とNOx濃度との関係に基づいて、NOx濃度基準値が算出される。H2O濃度情報検出部は、第1セルから入力される第1信号又はセンサ素子の外部情報に基づくH2O濃度情報を検出する。NOx濃度補正部は、予め記憶しているオフセット補正情報を参照して、検出されたH2O濃度情報に相当するオフセット値を算出し、NOx濃度基準値を補正する。
ここで、センサ素子の周辺環境は、被測定ガスの排出環境によって変動し、被測定ガスに含まれる水分量も変動する。このとき、水分量が少ない領域もしくは温度が低い領域では、センサ出力への影響も小さい。ところが、例えば、負荷条件等によりセンサ素子の搭載位置における温度が大きく変化する場合、水分量が多い領域もしくは温度が高い領域で、センサ出力が大きく増加し、センサ出力への影響が無視できないものとなる。これは、ヒータによるセンサ素子の温度制御が実施されていても、高温の被測定ガスの影響を受けて、第2信号が出力される第2セルの温度が上昇すると、水分の分解が進みやすくなるためと推測される。
そのような場合でも、NOx濃度補正部において、予め基準環境温度において取得されたオフセット補正情報を用いることにより、H2O濃度情報のみならず、温度特性を考慮した補正が可能になる。オフセット補正情報が取得される基準環境温度は、実際のセンサ素子の搭載環境を反映させた被測定ガスの定常温度域に設定されるので、被測定ガスの温度がより安定した状態におけるH2O濃度情報と第2信号との関係が得られる。この関係に基づくオフセット補正を行うことにより、水分量や周辺環境温度の変化に対する補正ばらつきが緩和され、補正不足又は過補正となることを抑制して、NOx濃度をより精度よく算出することができる。
以上のごとく、上記態様によれば、周辺環境温度の影響を抑制し、被測定ガスに含まれる水分量に基づく補正をより精度よく行って、NOx濃度の検出精度を向上可能なNOxセンサを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、NOxセンサの構成を示す全体概略図。 実施形態1における、NOxセンサの主要部であるセンサ素子の概略構成を示す長手方向断面図とそのI-I線断面図。 実施形態1における、NOxセンサのセンサ制御部の主要部構成を示すブロック図。 実施形態1における、NOxセンサの取り付け状態を示す全体構成図とその一部拡大断面図。 実施形態1における、オフセット補正情報を説明するための図で、定常温度域におけるNOx出力とH2O濃度の関係を示す図。 実施形態1における、センサ素子のNOx出力の温度特性を示す図。 実施形態1における、オフセット補正値算出マップに基づくオフセット補正方法を説明するための図。 実施形態1における、センサ制御部のNOx濃度算出部のNOx濃度算出手順を説明するための図。 実施形態1における、走行試験により得られたエンジン回転数とトルクとの関係を示すエンジンマップ図。 実施形態1における、オフセット補正情報に基づくオフセット補正前後のNOx出力を比較して示す図。 実施形態1における、複数のセンサ素子にて取得されたNOx出力誤差とH2O濃度の関係を示す図。 実施形態2における、NOxセンサの主要部の概略構成図。 実施形態2における、ポンプセル電圧のばらつきとNOx出力誤差の関係を示す図。 実施形態2における、センサ制御部の検出制御部が指示電圧補正部を備える場合の概略構成図。 実施形態2における、センサ制御部の検出制御部が指示電圧補正部を備えない場合の概略構成図。
(実施形態1)
NOxセンサに係る実施形態1について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本形態のNOxセンサSは、センサ素子1と、センサ素子1を加熱するヒータHと、センサ制御部10とを備える。図4の全体図(右図)に示すように、センサ素子1が収容されるセンサ本体1Aは、例えば、車両用エンジン等の内燃機関の排ガス通路EXに設置され、センサ素子1を用いて、被測定ガスである排ガスG中に含まれる窒素酸化物(すなわち、NOx)を検出する。センサ制御部10は、排ガス通路EXの外部に設置されて、センサ素子1による検出動作及びヒータHによる加熱動作を制御すると共に、センサ素子1からの出力に基づいてNOx濃度を算出する。
図1、図2に示すように、センサ素子1は、例えば、固体電解質体11を用いた限界電流式センサとして構成されており、第1セルであるポンプセル1pと、第2セルであるセンサセル1sと、を有している。センサ素子1には、ガス検出部となる一端側(例えば、図4の右図における下端側)の内部に、固体電解質体11を室壁とする被測定ガス室2が形成されており、センサ素子1の外部から、ガス導入部3を介して、被測定ガス室2へ排ガスGが導入される。センサ素子1は、センサセル1sと並設される第3セルとしてのモニタセル1mを備えることもできる。
図4の左図に示すように、排ガスGは、センサ素子1の長手方向をガス流れ方向Xとして、その先端部に設けられるガス導入部3から、被測定ガス室2に導入される。被測定ガス室2において、ポンプセル1pは、ガス流れの上流側に配置され、排ガスG中の酸素濃度を調整しつつ、排ガスG中の酸素濃度に対応する信号であり、H2O濃度と相関を有する第1信号を出力するように構成される。センサセル1sは、ポンプセル1pよりも下流側に配置されて、酸素濃度が調整された排ガスG中のNOx濃度及びH2O濃度に応じた第2信号を出力する。固体電解質体11を挟んで被測定ガス室2と反対側には、基準ガス室4が配置される。センサ素子1の外表面には、ガス検出部の全体を覆って、多孔質保護層5が形成される。
図2に示すように、具体的には、ポンプセル1pは、被測定ガス室2に面する固体電解質体11の表面に、第1セル電極であるポンプ電極21を有し、酸素ポンピングを行って、排ガスG中の酸素濃度を所定の低濃度に調整する。このとき、ポンプ電極21の触媒作用により、排ガスGに含まれる酸素(すなわち、O2)が還元されて、酸化物イオン(すなわち、O2-)となり、固体電解質体11の内部を伝導して、基準ガス室4側へ排出される。その際にポンプセル1pを流れる電流(以下、ポンプセル電流と称する)Ipは、調整前の排ガスG中の酸素濃度(以下、適宜、O2濃度と称する)に対応するものとなり、H2O濃度と相関を有する第1信号として、センサ制御部10へ出力される。
センサセル1sは、被測定ガス室2に面する固体電解質体11の表面に、第2セル電極であるセンサ電極22を有し、O2濃度が調整された排ガスGに含まれるNOxを検出する。このとき、排ガスGにH2Oが含まれる場合には、センサ電極22の触媒作用により、NOxが分解されると共にH2Oが分解されて、NOx及びH2Oに起因する酸化物イオンが、固体電解質体11の内部を伝導して、基準ガス室4側へ排出される。その際にセンサセル1sを流れる電流(以下、センサセル電流と称する)Isは、排ガスG中のNOx濃度及びH2O濃度に応じたものとなり、第2信号としてセンサ制御部10へ出力される。
NOxセンサSは、例えば、NOxを浄化するための選択的触媒還元(以下、SCR:Selective Catalytic Reduction)システムに用いられて、触媒下流側におけるNOx濃度を検出し、触媒上流側への還元剤の供給量制御等に利用される。その場合に、排ガスGにNOxと共に水分(すなわち、H2O)が混在すると、センサ素子1からの出力は、本来のNOxに基づく出力に、H2Oに基づく出力が上乗せされたものとなる。排ガスG中のH2Oは、主にエンジンにおける燃料の燃焼に起因するものであり、排ガスG中のO2と相関を有する。そのため、H2O濃度又はO2濃度を用いて、NOx出力のオフセット量を推定して、NOx濃度の補正を行うことが可能であり、さらに、H2Oに基づく出力の温度特性を考慮することにより、オフセット補正を適切に行うことができる。
図1、図3に示すように、センサ制御部10は、センサ素子1又は外部装置等と通信可能に構成されており、機能的に、NOx濃度算出部100と、検出制御部200と、ヒータ制御部300と、を備える。NOx濃度算出部100は、センサ素子1から出力される第1信号、第2信号や外部情報に基づいて、H2Oに起因するNOx出力の誤差(以下、NOx出力誤差と称する)を補正して、NOx濃度を算出する。検出制御部200は、センサ素子1による検出動作が、適切に実施されるように制御し、また、ヒータ制御部300は、センサ素子1が検出に適した温度となるように、ヒータHによる加熱動作を制御する。検出制御部200及びヒータ制御部300による制御の詳細については、後述する。
NOx濃度算出部100は、NOx濃度基準値算出部101と、H2O濃度情報検出部102と、NOx濃度補正部103と、を有する。NOx濃度基準値算出部101には、第2信号であるセンサセル電流Isが入力され、センサセル電流Isに基づくNOx濃度基準値C1が算出される。H2O濃度情報検出部102には、第1信号であるポンプセル電流Ip又は外部情報が入力され、ポンプセル電流Ip又は外部情報に基づいて、H2O濃度又はH2O濃度と相関を有する濃度情報を含むH2O濃度情報Ciが検出される。NOx濃度補正部103は、NOx濃度基準値算出部101にて算出されたNOx濃度基準値C1を、H2O濃度情報検出部102にて検出されたH2O濃度情報Ciを用いてオフセット補正し、オフセット補正後の値をNOx濃度の算出値として出力する。
具体的には、NOx濃度補正部103は、予め定められた基準環境温度にて取得されるH2O濃度情報Ciと第2信号との関係に基づくオフセット補正情報を記憶している。この基準環境温度は、センサ素子1の搭載環境における排ガスGの定常温度域となるように設定される。定常温度域は、エンジンが定常運転状態にあるときに、センサ素子1の搭載位置に到達する排ガスGが取り得る温度域であり、想定されるエンジンの運転状態や、エンジンと排ガス通路EXにおけるセンサ素子1との距離等によって異なる。
このとき、NOx濃度補正に用いられるオフセット補正情報は、排ガスGの定常温度域となる基準環境温度に対応し、実際のNOxセンサSの搭載環境における周辺環境温度を反映させたものとなる。これにより、検出されたH2O濃度情報Ciに基づくオフセット補正がより適切になされ、NOx検出におけるNOx出力誤差を低減することができる。NOx出力の温度特性とオフセット補正について、次に説明する。
図5に一例としての定常温度域における、NOx出力とH2O濃度情報Ciとの関係を示す。図の横軸に示すように、H2O濃度情報CiとなるH2O濃度とO2濃度とは、相関関係にあり、例えば、ポンプセル電流Ipから知られるO2濃度(例えば、0%~約21%)が低くなるほど、H2O濃度(例えば、0%~約13%)は高くなる。また、図の縦軸に示すように、例えば、センサセル電流Isから知られるNOx出力は、NOx濃度(単位:ppm)に対応する。このとき、NOx出力は、H2O濃度又はO2濃度に対応するオフセットを含み、具体的には、H2O濃度が高くなるほど又はO2濃度が低くなるほど、オフセットが増加し、また、その増加率が大きくなる。そのため、NOxが実質的に含まれない場合でも、H2O濃度又はO2濃度に応じて、NOx出力が変動する。
さらに、NOx出力とH2O濃度情報Ciとの関係は、温度特性を有し、センサ素子1の搭載位置における環境温度に応じて変動する。ここでは、センサ素子1の搭載位置における排ガスGの温度が、エンジン始動後の安定した走行状態となったときに取り得る温度域を、定常温度域として、その範囲のNOx出力特性を比較している。このとき、定常温度域の下限温度T1(例えば、300℃)と上限温度T2(例えば、700℃)とでは、NOx出力特性が大きく変化し、温度が高くなるほど、オフセットが増加している。この温度特性によるオフセットの差は、H2O濃度が低い領域では、比較的小さいものの、H2O濃度が高くなると又はO2濃度が低くなると、大きな差となる。
図6に示すように、排ガスGのガス温度の変化(例えば、0℃~800℃)に対して、NOx出力は徐々に増加し、高温側ほど、オフセットの増加率が大きくなっている。そのため、温度特性が考慮されない一般的な試験によって取得された特性に基づいて、従来のように、H2O濃度に応じた固定値を用いてオフセット補正を行う場合には、NOx出力誤差を十分に低減できないおそれがある。そこで、NOx濃度補正部103では、例えば、図5に示したNOx出力のオフセット特性から、最適となるオフセット補正情報を選定し、NOx濃度補正部103にて、オフセット補正情報に基づく補正を行う。
図5において、NOx濃度補正部103は、NOx濃度基準値C1を補正するためのオフセット補正情報を、排ガスGの定常温度域における基準環境温度T0にて、予め取得されたものとする。定常温度域は、エンジンが定常運転状態にあるときに、センサ素子1の周辺に到達する排ガスGが取り得る温度域であり、センサ素子1の周辺環境温度の範囲を示す。定常温度域は、エンジンの種類や排ガス管におけるガスセンサSの搭載位置その他の条件によって定まり、個々のセンサ素子1又は同等条件で使用される同種の複数のセンサ素子1の状態に対応させて、適切な基準環境温度T0を定めることができる。
好適には、基準環境温度T0は、定常温度域における下限温度T1よりも高温側の温度域に設定されることが望ましい。例えば、排ガスGの温度が、300℃以上700℃以下の範囲を定常温度域とするとき、下限温度T1である300℃よりも高温側の温度となるように、基準環境温度T0が設定される。また、好適には、定常温度域における上限温度T2である700℃よりも低温側の温度域となるように、基準環境温度T0が設定されるのがよい。より好適には、下限温度T1を含む低温域におけるオフセット特性と、上限温度T2を含む高温域におけるオフセット特性に対して、それらの中間的なオフセット特性を示す中間温度となるように、基準環境温度T0が設定されることが望ましい。
具体的には、定常温度域の下限温度T1と上限温度T2の中間温度(例えば、500℃)を含む所定の中間温度域を、基準温度域として、その範囲で基準環境温度T0を設定することができる。基準環境温度T0は、中間温度である500℃であってもよいし、より中間的なオフセット特性を示す温度であってもよく、任意に設定することができる。好適には、500℃を中心とする中間温度域、例えば、400℃以上600℃以下の範囲を、基準温度域とすることができ、オフセット特性に応じて、搭載環境による誤差がより小さくなるように、基準環境温度T0を適宜設定することができる。その場合には、低温域は、例えば、300℃以上400℃未満の範囲となり、高温域は、例えば、600℃以上700℃未満の範囲となる。
また、定常温度域は、300℃以上700℃以下の温度域に限らず、センサ素子1の搭載位置に応じて、適宜設定することができ、300℃よりも低い温度域又は700℃よりも高い温度域を含んでいてもよい。その場合には、設定された定常温度域に応じて、低温域、基準温度域、高温域の範囲も適宜変更される。
図3において、NOx濃度補正部103は、オフセット補正値算出部103Aを有し、基準環境温度T0における出力特性に基づく補正マップ又は補正式を、オフセット補正情報として記憶しておくことができる。オフセット補正値算出部103Aは、H2O濃度情報検出部102にて検出されるH2O濃度情報Ciを用いて。オフセット補正値C2を算出する。NOx濃度補正部103は、このオフセット補正値C2を用いて、NOx濃度基準値C1を補正し、NOx濃度として出力する。
図7に示すように、このようにして取得されたオフセット補正情報を用いることにより、周辺環境温度の影響を最小限に抑制することができる。図7の中図は、NOx出力を、基準温度域(例えば、基準環境温度:500℃)にて取得されたオフセット補正情報に基づく補正マップを用いて補正した結果を示しており、排ガスGの温度が基準温度域のときには、ほとんど出力誤差は生じない。また、低温域又は高温域においても、H2O濃度が高くなると、NOx出力がプラス側又はマイナス側にずれるが、全体としての出力誤差の大きさ(絶対値)は、比較的小さくなる。そのため、H2O濃度が通常の範囲であれば、定常運転状態で、定常温度域の下限温度T1又は上限温度T2に近くなっても、安定したNOx出力が得られる。
これに対して、図7の上図に示すように、NOx出力を、低温域(例えば、下限温度T1:300℃)にて取得されたオフセット補正情報に基づく補正マップを用いた場合には、低温域より高温側において、H2O濃度の増加と共にNOx出力がプラス側に大きくずれる。一方、図7の下図に示すように、高温域(例えば、上限温度T2:700℃)にて取得されたオフセット補正情報に基づく補正マップを用いた場合には、高温域より低温側において、H2O濃度の増加と共にNOx出力がマイナスに大きくずれる。そのために、低温域の補正マップを用いた場合には、補正不足となり、高温域の補正マップを用いた場合には、過補正となる。
このように、適正な基準環境温度T0を設定してオフセット補正情報を取得することにより、NOx濃度補正部103において、より適正な補正を行うことができる。すなわち、オフセット補正値算出部103Aにおいて、オフセット補正情報と、H2O濃度情報検出部102からのH2O濃度情報Ciとに基づいて、温度特性が反映されたオフセット補正値C2が得られるので、これを用いてNOx濃度基準値C1をオフセット補正することにより、NO濃度の検出における周辺環境温度の影響を低減することができる。
ここで、H2O濃度情報検出部102において検出されるH2O濃度情報Ciは、H2O濃度又はH2O濃度と相関を有する濃度情報、例えば、O2濃度の情報等を含むものであればよい。O2濃度の情報は、センサ素子1から入力されるポンプセル電流Ipに基づいて取得することができ、予め知られるポンプセル電流IpとO2濃度との関係に基づいて、O2濃度に変換することができる。なお、O2濃度の情報は、センサ素子1から入力されるポンプセル電流Ipであってもよいし、排ガスG中のO2濃度(%)と一定の関係にある、空燃比(A/F)、空気過剰率(λ=空燃比/理論空燃比)、当量比(φ=1/λ)等であってもよい。
また、H2O濃度情報Ciは、ポンプセル電流Ipのようなセンサ素子1の内部情報に基づくものに限らず、センサ素子1の外部にて取得される外部情報であってもよい。外部情報は、エンジンの運転情報や搭載環境等の情報を含み、これらの外部情報に基づいて、H2O濃度情報検出部102においてH2O濃度を算出してもよいし、これらの外部情報に基づいて推定されたH2O濃度又はO2濃度の推定値を、外部情報として取得してもよい。
2O濃度情報検出部102において、外部情報は、例えば、図示しない車両用エンジン制御ユニット(すなわち、Engine Control Unit;以下、ECUと称する)からの情報として、センサ制御部10へ入力される。センサ制御部10は、通信部やマイクロコンピュータ(以下、マイコンと称する)、センサ素子1やECUと接続される各種端子等を備えるセンサ制御ユニットとして構成されており、センサ素子1からの内部情報又はECUからの外部情報に基づいて、NOx濃度算出部100において、NOx濃度が算出される。
なお、ECUには、図示しないエアフローメータにより検出される吸入空気量や、エンジン回転数センサ、アクセル開度センサ等からの検出信号が入力されており、これら入力情報に基づいて、エンジンEの運転状態を知り、車両全体を制御している。
以下、NOxセンサSの構成例及びセンサ制御部10による制御の詳細について、説明する。
(NOxセンサSの全体構成)
図4において、NOxセンサSのセンサ本体1Aは、筒状のハウジングS1の内側にセンサ素子1が挿通保持され、ハウジングS1の外周ねじ部が、排ガス通路EXの通路壁EX1に固定されている。センサ本体1Aは、センサ素子1の先端側が排ガス通路EXの内部に突出位置して、素子カバーS2内に収容され、センサ素子1の基端側が排ガス通路EXの外部に突出位置して、大気カバーS3内に収容される。センサ制御部10は、センサ本体1Aの基端側に引き出されるリード線S4を介して、センサ素子1と電気的に接続される。
素子カバーS2は、底面を有する二重筒構造となっており、外側カバー及び内側カバーの側面及び底面には、図示しない複数のガス流通孔が設けられる。これにより、排ガス通路EXを流通する排ガスGが、素子カバーS2の内部に取り込まれて、ガス検出部となるセンサ素子1の先端側が、被測定ガスである排ガスGに晒される。また、筒状の大気カバーS3の側面には、図示しない複数のガス流通孔が設けられる。これにより、基準ガスである大気Aが、大気カバーS3の内部に取り込まれ、センサ素子1の基端側に到達可能となっている。
図4中に拡大して示すように、センサ素子1の先端側に到達した排ガスGは、ガス導入部3から被測定ガス室2の内部へ取り込まれて、基端側へ移動する。被測定ガス室2には、ガス流れ方向Xの上流側にポンプセル1pが、下流側にセンサセル1s及びモニタセル1mが配置され、基準ガス室4に取り込まれる大気Aを基準ガスとして、排ガスG中のNOxを検出する。なお、モニタセル1mを流れる電流(以下、モニタセル電流と称する)Imは、第3信号として、センサ制御部10へ出力される。
(センサ素子1の構成)
図2において、センサ素子1は、3セル構造の積層型素子であり、ガス流れ方向Xと直交する方向(すなわち、図2の上下方向)を積層方向として、遮蔽層13、スペーサ層12、固体電解質体11、及び、ヒータ絶縁層61が、この順で配置される。固体電解質体11の一方の表面側には、スペーサ層12と、遮蔽層13とが配置されて、被測定ガス室2となる空間が形成される。また、固体電解質体11のもう一方の表面側には、ヒータHを構成するヒータ絶縁層61との間に、基準ガス室4となる空間が形成される。
被測定ガス室2は、スペーサ層12の先端面(すなわち、図2における左端面)に埋設される拡散抵抗層31を介して、排ガスGが存在する素子カバーS2(例えば、図4参照)内の空間と連通している。拡散抵抗層31は、その外側に配置される多孔質保護層5の一部と共に、被測定ガス室2へのガス導入部3を構成し、所定の拡散抵抗下で排ガスGが導入されるように調整されている。多孔質保護層5は、センサ素子1のガス検出部となる先端側の表面全体を覆って形成されており、被毒物質等からセンサ素子1を保護している。
センサ素子1のガス検出部には、ポンプセル1p、センサセル1s及びモニタセル1mが設けられ、各セルは、それぞれ固体電解質体11を挟んで対向する一対の電極を有する。被測定ガス室2において、固体電解質体11の表面には、ガス流れ方向Xの上流側に、ポンプセル1pのポンプ電極21が配置され、その下流側に、センサセル1sのセンサ電極22及びモニタセル1mのモニタ電極23が配置される。基準ガス室4において、固体電解質体11の表面には、これら電極21、22、23と対向する位置に、共通の電極となる基準電極41が設けられる。
共通の基準電極41が配置される基準ガス室4は、センサ素子1の基端側(例えば、図2における右端側)まで延びており、図示しない端面に開口する基準ガス導入口を介して、大気Aが存在する大気カバーS3(例えば、図4参照)内の空間と連通している。基準ガス室4の底壁となるヒータ絶縁層61の内部には、通電により発熱する発熱体62が埋設されて、ヒータHを構成している。発熱体62は、ポンプセル1p、センサセル1s及びモニタセル1mの電極が形成される部位に対応して配置され、ガス検出部となる素子先端側の全体を加熱可能となっている。
これにより、各セルの一対の電極は、その一方の電極21、22、23が、被測定ガス室2に導入される排ガスGに晒され、もう一方の電極41が、基準ガス室4に導入される大気Aに晒される。このとき、各セルの一対の電極間に電圧を印加することにより、酸化物イオン伝導性を有する固体電解質体11を介して、排ガスGに含まれる酸素を基準ガス室4側へ汲み出し又は基準ガス室4側から汲み入れる酸素ポンピングが可能になる。また、ヒータHを作動させることにより、各セルが活性となる温度以上に加熱して、酸素ポンピングを安定して実施可能になる。
被測定ガス室2において、ポンプセル1pのポンプ電極21は、ガス流れ方向Xの上流側に大面積で形成される。拡散抵抗層31を通過した排ガスGがポンプ電極21と接触すると、その触媒作用により酸素が分解されて、基準電極41側へ排出される。ポンプセル1pにより低酸素濃度に調整された排ガスGは、下流側のセンサ電極22及びモニタ電極23へ到達し、センサ電極22において、NOxに起因する酸素が残存酸素と共に酸素ポンピングにより排出される。また、モニタ電極23において残存酸素が酸素ポンピングにより排出される。
センサ電極22及びモニタ電極23は、ガス流れ方向Xにおいて同等となる位置に並設され、ポンプ電極21よりも小面積の同一形状に形成される。これにより、排ガスGの流れに対して、センサ電極22とモニタ電極23が同等条件となり、センサセル1sとモニタセル1mの出力を比較することにより、NOx出力に含まれる残存酸素の影響を取り除くすることができる。
固体電解質体11は、酸化物イオン伝導性を有するジルコニア系の固体電解質材料によって構成される。ジルコニア系の固体電解質材料としては、例えば、イットリア等の安定化剤を含有する部分安定化ジルコニア又は安定化ジルコニアを用いることができる。また、拡散抵抗層31、多孔質保護層5は、例えば、アルミナ等のセラミックス材料にて構成される。ヒータ絶縁層61、遮蔽層13、スペーサ層12は、アルミナ等の絶縁性セラミックス材料を用いて構成することができる。
ポンプセル1p、センサセル1s及びモニタセル1mの電極は、貴金属又は貴金属合金材料とジルコニア系固体電解質とを含む多孔質サーメット電極とすることができる。センサセル1sのセンサ電極22は、検出しようとするNOxに対して分解活性を有する電極材料を用いて構成される。このような電極としては、例えば、白金及びロジウムを含む電極(以下、適宜、Pt-Rh電極と称する)を用いることができる。
ポンプセル1pのポンプ電極21は、酸素の分解活性を有し、NOx分解活性を有しない電極材料を用いて構成される。このような電極としては、例えば、白金及び金を含む電極(以下、適宜、Pt-Au電極と称する)を用いることができる。モニタセル1mのモニタ電極23も、ポンプ電極21と同様の電極材料を用いて構成される。また、基準電極41は、例えば、白金を含む電極(以下、適宜、Pt電極と称する)として構成することができる。
これにより、ヒータHによってセンサ素子1を所定の温度に加熱し、各セルの電極間に所定の電圧を印加することにより、ポンプセル1pにて所定の低酸素濃度に調整された排ガスG中のNOxを、センサセル1sにて検出することができる。また、センサ電極22に用いられるPt-Rh電極と、モニタ電極23に用いられるPt-Au電極とのガス吸着性の違いを利用して、センサセル1sとモニタセル1mから出力される電流の差分値をNOx出力とすることで、排ガスGに残留する酸素の影響をキャンセルすることができる。
ただし、センサ電極22を構成するPt-Rh電極に含まれるRhが、NOx及びO2に加えてH2Oに対しても分解活性を有することから、センサ電極22に到達する排ガスG中にH2Oが含まれる場合には、これらの分解に起因する出力誤差が生じることになる。この出力誤差は、センサ制御部10のNOx濃度算出部100にて、予め取得したオフセット補正情報を用いて、出力補正を行う。センサ制御部10による各部の制御と出力補正について、次に説明する。
(センサ制御部10の構成)
図1において、センサ制御部10は、センサ素子1の各セルからの出力電流を検出する電流検出部10Aと、電流検出部10Aにて検出されるポンプセル電流Ip、センサセル電流Is及びモニタセル電流Imに基づいて、NOx濃度を算出するNOx濃度算出部100と、を有する。また、センサ制御部10は、センサ素子1によるNOx検出を制御する検出制御部200と、ヒータHによるセンサ素子1の加熱を制御するヒータ制御部300と、を備える。
センサ素子1の各セルは、検出端子P-及び検出端子S-、M-を介して、センサ制御部10と接続され、ヒータHの発熱体62の両端は、一対のヒータ端子H+、H-に接続されている。センサ制御部10は、一対の通信用端子CAN+、CAN-を介して、図示しないECUと接続されており、ECUからの指令を受けて、NOx検出処理を行い、検出結果を出力可能となっている。また、センサ制御部10は、電源端子VB及びグランド端子GNDを介して、図示しない車両用バッテリ及びグランドと、それぞれ接続されており、センサ制御部10の各種回路やセンサ素子1のヒータH等への給電が可能となっている。
NOx濃度算出部100は、記憶部や演算部を備えるマイコン等にて構成されており、電流検出部10Aから入力されるセンサ素子1の内部情報を用いて、予め記憶されたプログラムを実行すると共に所定の演算を行って、NOx濃度を算出する。電流検出部10Aは、検出端子P-を介して、ポンプセル1pのポンプ電極21に接続されると共に、検出端子S-、M-を介して、センサセル1sのセンサ電極22及びモニタセル1mのモニタ電極23に接続されている。電流検出部10Aは、例えば、電流検出用の抵抗を用いた検出回路を含み、抵抗の両端電位差から各セルの出力電流を検出可能に構成される。検出される出力電流は、アナログ/デジタル変換回路においてデジタル信号に変換されて、NOx濃度算出部100の各部へ入力される。
検出制御部200は、ポンプセル1p、モニタセル1m及びセンサセル1sによる検出動作を、それぞれ制御する。検出制御部200は、例えば、各セルの一対の電極間に電圧を印加するための電圧印加回路を備えており、制御指令に基づいて所定の電圧信号を生成し、共通端子COM+を介して、共通の基準電極41側に印加することができる。印加電圧は、例えば、ポンプセル1pの酸素ポンピングにより、被測定ガス室2内のO2濃度が所定の低濃度となるように、各セルを流れる電流が限界電流特性を示す範囲で調整される。
ヒータ制御部300は、センサ素子1に内蔵されるヒータHへの通電を制御する。ヒータ制御部300は、例えば、電源端子VBに接続されるスイッチ回路を備えており、制御指令に基づいてスイッチ回路がオンオフ駆動されることにより、ヒータ端子H+、H-を介して、ヒータHへの給電が制御可能となっている。これにより、ヒータHにより加熱されるセンサ素子1の各セルが、NOx検出に適した温度に維持される。
図3において、NOx濃度算出部100は、NOx濃度基準値算出部101において、電流検出部10Aにて検出されるセンサセル電流Is及びモニタセル電流Imに基づいて、NOx濃度基準値C1(単位:ppm)を算出する。具体的には、図8の上図に示されるように、センサセル電流Isとモニタセル電流Imとの差分値[Is-Im](単位:nA)と、対応するNOx濃度基準値C1との関係を、予めマップ化して記憶しておき、センサセル1s及びモニタセル1mからの出力に基づいて、NOx濃度基準値C1を算出することができる。このとき、NOx濃度基準値C1は、センサセル1sの出力に対応して増加し、H2Oが混在する場合にはその影響を含むものとなっている。
2O濃度情報検出部102は、入力されるポンプセル電流Ip(単位:mA)に基づいて、H2O濃度情報CiとなるO2濃度を検出する。具体的には、図8の中図に示されるように、ポンプセル電流IpとO2濃度との関係を、予めマップ化して記憶しておき、検出されたポンプセル電流Ipの値に基づいて、H2O濃度と相関を有するO2濃度(単位:%)を算出することができる。上述したように、燃焼等に基づく排ガスG中のH2O濃度とO2濃度の関係は知られていることから、算出されたO2濃度を、H2O濃度情報Ciとして用いることができる。このとき、ポンプセル電流Ipが増加するほど、O2濃度は高くなる一方、H2O濃度は低くなる関係にある。
NOx濃度補正部103は、NOx濃度基準値算出部101から入力されるNOx濃度基準値C1を、オフセット補正値算出部103Aにて算出されるオフセット補正値C2を用いて補正する。具体的には、図8の下図に示されるように、H2O濃度情報CiとしてのO2濃度とオフセット補正値C2との関係を、予め定めた基準環境温度T0におけるオフセット補正情報として取得し、オフセット補正マップとして記憶しておくことができる。このマップに基づいて、検出されたO2濃度に対応するオフセット補正値C2を算出し、NOx濃度基準値C1から減算することにより、オフセット補正されたNOx濃度を算出することができる。
オフセット補正情報を取得するための試験は、例えば、モデルガスベンチを用いて行い、モデルガス中のH2O濃度を所定範囲(例えば、0%~約13%)で変化させて評価することができる。具体的には、排ガスを模擬したモデルガスを、ガス供給部から所定の流量で、ガスセンサSが設置されたガス通路へ供給し、所定の基準環境温度T0において、H2O濃度を変化させたときのセンサ素子1のNOx出力に基づいて、オフセット特性を評価した。基準環境温度T0は、実車環境で、定常運転時にセンサ素子1の搭載位置に到達するガス温度範囲から設定し、ガス通路に設けたヒータによって、センサ素子1の搭載位置のガス温度が、基準環境温度T0となるように調整した。
図9は、実車環境での走行試験結果を示すエンジンマップであり、法規で規定された認証走行パターン(WLTCモード、RDEモード)におけるエンジン回転数及びトルクと、センサ素子1の搭載位置における周辺環境温度の関係を示している。この結果から得られるガス温度の範囲(例えば、300℃~700℃)を定常温度域として、その中心値(例えば、500℃)を、基準環境温度T0とした。
図10は、このようにして得られたオフセット特性(補正前)と、この特性線から得られるオフセット補正情報に基づく補正後のNOx出力を示している。オフセット補正情報は、補正マップとしてもよいが、例えば、補正前のNOx出力とO2濃度との関係を一次式(y=Ax+b)で近似した補正式で表すこともでき、O2濃度に応じたオフセット補正値C2を算出して、NOx濃度基準値C1から減算することにより、補正されたNOx濃度を算出することができる。このような補正後のNOx出力は、O2濃度又はH2O濃度の変化によるNO出力誤差が低減され、精度よいNOx検出が可能になる。
なお、オフセット補正情報は、センサ素子1について個別に取得される出力特性に基づく情報であってもよいし、複数のセンサ素子1について取得される複数の出力特性を平均化した情報であってもよい。具体的には、オフセット補正情報は、個々のNOxセンサSについて、例えば、製品生産時に、それぞれの搭載環境や適用される車両情報等を考慮して取得することができる。このように、製品毎に個別に特性を取得することで、適正なオフセット補正情報に基づく補正を行うことができる。
あるいは、複数の同種のNOxセンサSについて、設計時等に共通のオフセット補正情報を取得して、同種のNOxセンサSの全体に適用するようにしてもよい。その場合には、図11に示すように、例えば、周辺環境温度に応じた温度域(例えば、200℃、500℃)において、数10~数100の範囲のNOxセンサSについての、H2O濃度に対するNOx出力誤差の特性データを取得する。それらデータから平均値を算出することで、オフセット補正情報を共通化した場合においても、より平均的な特性に基づくオフセット補正を行うことができる。
このように、本形態によれば、NOxセンサSのセンサ制御部10において、NOx濃度算出部100がNOx濃度補正部103を備え、温度特性を考慮したオフセット補正情報を用いることにより、排ガスG中の水分に起因するNOx出力誤差を適切に補正して、NOx濃度を算出することができる。
(実施形態2)
NOxセンサに係る実施形態2について、図面に基づいて説明する。本形態では、上述したセンサ制御部10による検出制御部200にて実施される検出制御について、具体的な手順の一例を示す。図12に示すように、検出制御部200は、電圧印加回路201と、電圧印加指示部202とを有して、酸素ポンピングのためにポンプセル1pへ印加されるポンプセル電圧Vpを制御している。本形態のNOxセンサSにおいて、センサ素子1の基本構成及びセンサ制御部10の基本制御は、上記実施形態1と同様であり、以下、相違点を中心に説明する。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
図12において、センサ制御部10は、検出制御部200により、ポンプセル1pのポンプ電極21と基準電極41の間に、所定のポンプセル電圧Vpを印加すると共に、図示しないヒータ制御部300(例えば、図1参照)によって、ポンプセル1pが所定の温度となるように、ヒータHへの通電を制御している。検出制御部200は、電圧印加指示部202からの指示電圧V0に基づいて、電圧印加回路201にて、指示電圧V0に対応する電圧信号を生成し、ポンプセル1pの基準電極41側に印加する。センサセル1s及びモニタセル1mにも同等の電圧が印加される。これにより、被測定ガス室2に導入される排ガスGは、ポンプ電極21において酸素の還元分解により生成する酸化物イオンが、基準電極41側へ移動することにより、ポンプセル電流Ipが流れる。排ガスG中のNOxとH2Oは、ポンプ電極21上を移動して下流側へ向かう。
ここで、例えば、電圧印加回路201への指示電圧V0に対して、実際のポンプセル1pへの印加電圧が大きくなると、ポンプ電極21での触媒反応がより活性化されて、排ガスG中のH2Oの一部が分解される。このとき、印加電圧が大きくなるほど、センサセル1sに到達するH2Oが減少すると考えられる。これらの反応により、センサセル電流Isやモニタセル電流Imにもばらつきが生じ、センサセル電流Isとモニタセル電流Imに基づくNOx出力がばらつくおそれがある。また、ポンプセル電流Ipに基づいてH2O濃度情報Ciを検出する場合には、オフセット補正値C2の算出にも影響する。
一方、検出制御部200において、電圧印加回路201から所定の指示電圧V0が出力されるように制御した場合でも、製品自体が所定のばらつきを有するために(例えば、20℃で±20mV程度)、実際の印加電圧が指示電圧V0に対してばらつくことがある。そのため、図13に示すように、複数のNOxセンサSを比較したときに、電圧印加回路201による印加電圧のばらつきが異なると、H2Oの分解に起因するNOx出力誤差のばらつきも異なり、固定値によるオフセット補正を共通化した場合に、補正精度を確保することが難しい。
そこで、図14に示すように、検出制御部200の電圧印加指示部202に、指示電圧補正部203を設けて、指示電圧V0を補正した補正指示電圧V2を、電圧印加指示部202に出力する。具体的には、指示電圧補正部203は、電圧印加指示部202から各セルへ実際に印加される実電圧V1を検出する電圧検出部203aと、実電圧V1と指示電圧V0との差分値を算出して、補正値V1-V0として出力する補正値算出部203bとを備える。電圧印加指示部202からの指示電圧V0は、指示電圧補正部203において、補正値V1-V0が減算されることにより、補正された補正指示電圧V2として、電圧印加回路201へ出力される。
図15は、指示電圧補正部203を備えない構成であり、検出制御部200の電圧印加回路201は、センサ素子1の各セルへの印加電圧を、電圧印加指示部202からの指示電圧V0に応じて生成可能に構成されている。電圧印加指示部202は、例えば、ポンプセル1pにおける酸素ポンピング動作が適切となるように、予め設定された指示電圧V0に対応するパルス信号を出力し、電圧印加回路201において、パルス信号に対応するパルス電圧が出力される。これにより、上述した図1に示されるセンサ制御部10の共通端子COM+を介して、各セルへ所定の電圧が印加される。この構成では、指示電圧V0に対して、電圧印加回路201から出力される実電圧V1がばらつくと、上述したように、電圧が高くなることによるNOx出力誤差が大きくなるおそれがある。
これに対して、指示電圧補正部203を備える場合には、以下の式により表される補正指示電圧V2が印加されることになる、。
補正指示電圧V2=指示電圧V0-補正値[実電圧V1-指示電圧V0]
このようにして補正された補正指示電圧V2が、電圧印加回路201へ出力されることにより、実際の印加電圧が、本来の指示電圧V0となる。そして、ポンプセル1pにおけるH2Oの分解反応が抑制され、センサセル電流Is、モニタセル電流Imのばらつきが抑制されることにより、NOx出力誤差を低減することができる。
なお、ポンプセル1pへの指示電圧V0は、酸素ポンピングにより所望の低酸素濃度に調整可能となり、ポンプセル1pにおけるH2Oの分解反応が抑制可能となるように、任意に設定することができる。好適には、指示電圧V0を、電圧印加回路201の個体間のばらつきなく設定することにより、H2Oの分解反応のばらつきが抑制される効果が高くなり、印加電圧のばらつき等による出力誤差を抑制することができる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。例えば、NOxセンサSは、車両用エンジンからの排ガスGに限らず、各種内燃機関等から排出されるガスを被測定ガスとするNOx検出に適用することができる。また、NOxセンサSのセンサ素子1の各部の構造やセンサ制御部10における各部の制御手順等は、適宜変更することができる。
1 センサ素子
1p ポンプセル(第1セル)
1s センサセル(第2セル)
10 センサ制御部
101 NOx濃度基準値算出部
102 H2O濃度情報検出部
103 NOx濃度補正部
2 被測定ガス室
S NOセンサ
Ip ポンプセル電流(第1信号)
Is センサセル電流(第2信号)

Claims (8)

  1. 被測定ガス(G)に含まれるNOxを検出するセンサ素子(1)と、上記センサ素子を加熱するヒータ(H)と、上記センサ素子及び上記ヒータの動作を制御すると共に、上記センサ素子からの信号に基づいてNOx濃度を算出するセンサ制御部(10)と、を備えるNOxセンサ(S)であって、
    上記センサ素子は、
    ガス導入部(3)を介して上記被測定ガスが導入され、固体電解質体(11)を室壁とする被測定ガス室(2)と、
    上記被測定ガス室において、導入されるガス流れの上流側に配置され、上記被測定ガス中のH2O濃度と相関を有する第1信号(Ip)を出力する第1セル(1p)、及び、上記第1セルよりも下流側に配置され、上記被測定ガス中のNOx濃度及びH2O濃度に応じた第2信号(Is)を出力する第2セル(1s)と、を有しており、
    上記センサ制御部は、
    上記第2信号に基づくNOx濃度基準値(C1)を算出するNOx濃度基準値算出部(101)と、
    上記第1信号又は外部情報に基づいて、H2O濃度又はH2O濃度と相関を有する濃度情報を含むH2O濃度情報(Ci)を検出するH2O濃度情報検出部(102)と、
    上記NOx濃度基準値を、上記H2O濃度情報に基づいてオフセット補正する、NOx濃度補正部(103)と、を有し、
    上記NOx濃度補正部は、予め定められた基準環境温度(T0)にて取得される上記センサ素子の出力特性に基づいて、上記H2O濃度情報に対応する上記第2信号のオフセット補正情報を記憶しており、上記基準環境温度は、上記センサ素子の搭載環境における上記被測定ガスの定常温度域に設定される、NOxセンサ。
  2. 上記センサ素子は、上記被測定ガスが排出される内燃機関の排ガス通路(EX)に搭載されており、上記定常温度域は、上記内燃機関が定常運転状態にあるときに、上記センサ素子の搭載位置に到達する上記被測定ガスが取り得る温度域である、請求項1に記載のNOxセンサ。
  3. 上記基準環境温度は、上記定常温度域の下限温度よりも高温側の温度域に設定される、請求項1又は2に記載のNOxセンサ。
  4. 上記基準環境温度は、上記センサ素子が、上記定常温度域の下限温度を含む低温域にて取得される出力特性と、上記定常温度域の上限温度を含む高温域にて取得される出力特性との中間の出力特性を示す基準温度域に設定される、請求項1~3のいずれか1項に記載のNOxセンサ。
  5. 上記基準環境温度は、300℃以上700℃以下の範囲に設定される、請求項1~4のいずれか1項に記載のNOxセンサ。
  6. 上記オフセット補正情報は、上記センサ素子について個別に取得される出力特性に基づく情報である、請求項1~4のいずれか1項に記載のNOxセンサ。
  7. 上記オフセット補正情報は、複数の上記センサ素子について取得される複数の出力特性を平均化した情報である、請求項1~4のいずれか1項に記載のNOxセンサ。
  8. 上記センサ制御部は、上記第1セル及び上記第2セルへの印加電圧を制御する検出制御部(200)を備えており、
    上記検出制御部は、電圧印加指示部(202)から入力される指示電圧(V0)に応じた電圧を生成する電圧印加回路(201)と、指示電圧補正部(203)とを備え、上記指示電圧補正部は、上記電圧印加回路にて生成される実電圧(V1)を検出する電圧検出部(203a)と、上記指示電圧を、上記指示電圧と上記実電圧との差分値に基づいて補正する補正値算出部(203b)とを備える、請求項1~7のいずれか1項に記載のNOxセンサ。
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