JP2023144738A - 膣内挿入デバイス、医療器具及び治療方法 - Google Patents

膣内挿入デバイス、医療器具及び治療方法 Download PDF

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Abstract

【課題】子宮口の周囲に遠位端部を突き当てる操作を、膣口を通じて視認し易い、膣内挿入デバイス、医療器具、及び、治療方法、を提供する。【解決手段】本開示に係る膣内挿入デバイスは、膣内に挿入可能であり、外部に光を照射可能な、光照射部材と、前記膣内において、前記光照射部材より遠位側で子宮口の周囲に突き当て可能な、突き当て部材と、を備え、前記光照射部材は、近位端側から遠位端側へと貫通する貫通路を区画しており、前記突き当て部材は、前記貫通路に挿通されており、前記貫通路に沿って前記光照射部材に対して相対的に移動可能なシャフト部と、前記シャフト部の遠位端に連なる遠位突き当て部と、を備え、前記遠位突き当て部の最大径は、前記シャフト部の最大径より大きい。【選択図】図1

Description

本開示は、膣内挿入デバイス、医療器具及び治療方法に関する。
光を照射して光感受性物質を活性化させることで、目的とする細胞を死滅させる光治療が知られている。特許文献1には、血管内でのこの種の光治療に用いられる誘導カテーテルが開示されている。
特許第4774449号公報
光治療では、光をできるだけ正常組織に照射しないことが望ましい。そのため、膣内から異常組織などの対象部位に対して光を照射する際に、膣内挿入デバイスを膣内の適切な位置に配置することが望ましい。膣内挿入デバイスを膣内の適切な位置に配置するため、膣内挿入デバイスは、その遠位端部を子宮口の周囲に突き当てて位置決めされる場合がある。しかしながら、膣内挿入デバイスを膣内に挿入した状態では、膣内挿入デバイスの遠位端部の位置と、子宮口の位置とを、膣口を通じて視認することは困難な場合がある。
本開示は、子宮口の周囲に遠位端部を突き当てる操作を、膣口を通じて視認し易い、膣内挿入デバイス、医療器具、及び、治療方法、を提供することを目的とする。
本開示の第1の態様としての膣内挿入デバイスは、膣内に挿入可能であり、外部に光を照射可能な、光照射部材と、前記膣内において、前記光照射部材より遠位側で子宮口の周囲に突き当て可能な、突き当て部材と、を備え、前記光照射部材は、近位端側から遠位端側へと貫通する貫通路を区画しており、前記突き当て部材は、前記貫通路に挿通されており、前記貫通路に沿って前記光照射部材に対して相対的に移動可能なシャフト部と、前記シャフト部の遠位端に連なる遠位突き当て部と、を備え、前記遠位突き当て部の最大径は、前記シャフト部の最大径より大きい。
本開示の1つの実施形態として、前記遠位突き当て部の前記最大径は、前記貫通路の遠位開口の最大径より大きい。
本開示の1つの実施形態として、前記遠位突き当て部は、前記シャフト部と略同軸上に配置されている円盤板部であり、前記円盤板部の遠位側の面は、遠位側に突出する湾曲凸面により構成されている。
本開示の1つの実施形態として、前記突き当て部材の前記シャフト部は、発光体を挿入可能な挿入路を区画しており、前記光照射部材は、前記シャフト部の前記挿入路に挿入される前記発光体の光を透過可能な光透過窓を備える。
本開示の1つの実施形態として、前記光照射部材は、前記膣内で拡張可能なバルーンを備え、前記光透過窓は、前記バルーンに設けられている。
本開示の1つの実施形態として、前記光照射部材は、前記光照射部材を前記突き当て部材に対して最も遠位側に移動させた状態を表示する表示部を備える。
本開示の1つの実施形態として、前記突き当て部材の前記遠位突き当て部は、遠位側に光を伝搬可能に構成されている。
本開示の1つの実施形態として、前記突き当て部材の前記遠位突き当て部は、光透過、散乱及び反射の少なくとも1つを利用することで、遠位側に光を伝搬可能に構成されている。
本開示の第2の態様としての医療器具は、上記膣内挿入デバイスと、前記膣内挿入デバイスの前記光照射部材及び前記突き当て部材それぞれを、前記貫通路の中心軸線に沿う軸方向に、独立して移動可能に保持する保持デバイスと、を備える。
本開示の1つの実施形態として、前記保持デバイスは、前記突き当て部材の前記軸方向での相対的な移動を規制する移動規制部を備える。
本開示の1つの実施形態として、前記保持デバイス、及び、前記膣内挿入デバイスの前記光照射部材、の少なくとも一方は、前記保持デバイスに対する前記膣内挿入デバイスの前記光照射部材の前記軸方向での相対的な移動に伴う前記光照射部の前記軸方向での移動量を表示する軸方向移動量表示部を備える。
本開示の1つの実施形態として、前記保持デバイス、及び、前記膣内挿入デバイスの前記突き当て部材、の少なくとも一方は、前記軸方向での他方との相対的な位置関係を表示する軸方向位置表示部を備える。
本開示の1つの実施形態として、前記膣内挿入デバイスの前記光照射部材は、前記貫通路の前記中心軸線の周りの周方向の一部の位置で、外部に光を照射可能であり、前記保持デバイスは、前記光照射部材を、前記周方向に回動可能に保持している。
本開示の第3の態様としての治療方法は、膣内挿入デバイスを用いた治療方法であって、前記膣内挿入デバイスは、膣内に挿入可能であり、外部に光を照射可能な、光照射部材と、前記膣内において、前記光照射部材より遠位側で子宮口の周囲に突き当て可能な、突き当て部材と、を備え、前記光照射部材は、近位端側から遠位端側へと貫通する貫通路を区画しており、前記突き当て部材は、前記貫通路に挿通されており、前記貫通路に沿って前記光照射部材に対して相対的に移動可能であり、前記突き当て部材を前記照射部材より遠位側に突出させて、前記突き当て部材を前記膣内に挿入し、前記突き当て部材の遠位端部を前記子宮口の周囲に突き当てる突き当て工程と、前記突き当て部材の前記遠位端部を前記子宮口の周囲に突き当てている状態で、前記光照射部材を、前記突き当て部材の前記遠位端部に向かって相対的に移動することにより、前記光照射部材を、前記膣内に挿入する、光照射部材挿入工程と、を含む。
本開示の1つの実施形態として、前記光照射部材挿入工程では、前記光照射部材を、前記突き当て部材に対して相対的に最も遠位側となる位置まで移動させる。
本開示の1つの実施形態として、前記光照射部材は、前記光照射部材を前記突き当て部材に対して最も遠位側に移動させた状態を表示する表示部を備え、前記光照射部材挿入工程では、前記表示部を用いて、前記光照射部材を前記突き当て部材に対して最も遠位側に移動させる。
本開示の1つの実施形態として、前記膣内挿入デバイスの前記光照射部材は、前記貫通路の中心軸線の周りの周方向の一部の位置に、外部に光を照射可能な光照射部を備え、前記光照射部材を前記周方向に回動し、前記光照射部の前記周方向の位置を、前記膣内の光照射の対象部位に位置合わせする、位置合わせ工程を含む。
本開示の1つの実施形態として、前記突き当て部材は、発光体を挿入可能な挿入路を区画しており、前記挿入路に前記発光体を挿入し、前記光照射部を通じて、前記発光体により前記対象部位を光照射する、光照射工程を含む。
本開示によれば、子宮口の周囲に遠位端部を突き当てる操作を、膣口を通じて視認し易い、膣内挿入デバイス、医療器具、及び、治療方法、を提供することができる。
本開示の一実施形態としての膣内挿入デバイスを示す図である。 図1に示す膣内挿入デバイスにおいて、光照射部材及び突き当て部材を軸方向に相対的に移動させた状態を示す図である。 図1に示す膣内挿入デバイスを用いた、一例としての治療方法における、突き当て工程を示す図である。 図1に示す膣内挿入デバイスを用いた、一例としての治療方法における、光照射部材挿入工程を示す図である。 図1に示す膣内挿入デバイスを用いた、一例としての治療方法における、バルーン拡張工程を示す図である。 図1に示す膣内挿入デバイスを用いた、一例としての治療方法における、光照射工程を示す図である。 図1に示す遠位突き当て部の一変形例を示す図である。 図1に示す遠位突き当て部の一変形例を示す図である。 図1に示す遠位突き当て部の一変形例を示す図である。 図1に示す膣内挿入デバイスを含む本開示の一実施形態としての医療器具を用いて、膣内挿入デバイスの光照射部材を軸方向に移動させて2回に分けて光照射を行う治療方法の一例を示す図であり、1回目の光照射時の状態を示す図である。 図5Aの状態から、光照射部材のみが近位側に移動した状態を示す図である。 図5Bの状態から、発光体のみが近位側に移動した、2回目の光照射時の状態を示す図である。 図5Aに示す医療器具の保持デバイスを上側から見た図である。 図5B及び図5Cに示す医療器具の保持デバイスを上側から見た図である。 図1に示す膣内挿入デバイスを含む本開示の一実施形態としての医療器具を用いて、膣内挿入デバイスの光照射部材を軸方向に移動させて2回に分けて光照射を行う治療方法の別の一例を示す図であり、1回目の光照射時の状態を示す図である。 図7Aの状態から、光照射部材、突き当て部材及び発光体が共に近位側に移動した状態を示す図である。 図7Bの状態から、突き当て部材のみが遠位側に移動し、突き当て部材の遠位端部が再び子宮口の周囲に突き当たった、2回目の光照射時の状態を示す図である。
以下、本開示に係る膣内挿入デバイス、医療器具及び治療方法の実施形態について図面を参照して例示説明する。各図において同一の構成には同一の符号を付している。
図1、図2は、本開示に係る膣内挿入デバイスの一実施形態としての膣内挿入デバイス1を示す図である。図1、図2に示すように、膣内挿入デバイス1は、光照射部材2と、突き当て部材3と、を備える。図1、図2では、膣内挿入デバイス1の光照射部材2及び突き当て部材3の相互間の位置関係が異なる。この詳細は後述する。
膣内挿入デバイス1は、例えば、光線力学療法(Photodynamic Therapy:PDT)による治療、光免疫療法(photoimmunotherapy:PIT)による光治療、のために使用可能である。より具体的に、膣内挿入デバイス1は、膣内に挿入され、膣内からがん組織などの異常組織に対して光照射を行う際に使用される。詳細は後述するが、本実施形態の膣内挿入デバイス1には、発光体200としての光ファイバ200aを挿入可能である(図3D参照)。本実施形態の膣内挿入デバイス1では、挿入された光ファイバ200aにより、異常組織に光照射を行い、光治療を実行する。
光照射部材2は、膣内に挿入可能であり、外部に光を照射可能である。また、光照射部材2は、近位端側から遠位端側へと貫通する貫通路2aを区画している。以下、説明の便宜上、光照射部材2の貫通路2aの中心軸線Oに沿う方向を「膣内挿入デバイス1の軸方向A」又は単に「軸方向A」と記載する。また、光照射部材2の貫通路2aの中心軸線O周りの方向を「膣内挿入デバイス1の周方向B」又は単に「周方向B」と記載する。更に、光照射部材2の貫通路2aの中心軸線O周りの円の半径方向を「膣内挿入デバイス1の径方向C」又は単に「径方向C」と記載する。
突き当て部材3は、膣内において、光照射部材2より遠位側で子宮口の周囲に突き当て可能である。より具体的に、突き当て部材3は、シャフト部4と、遠位突き当て部5と、を備える。シャフト部4は、貫通路2aに挿通されており、貫通路2aに沿って光照射部材2に対して相対的に移動可能である。つまり、シャフト部4は、光照射部材2に対して軸方向Aに相対的に移動可能である。遠位突き当て部5は、シャフト部4の遠位端に連なっている。
詳細は後述するが、本実施形態の突き当て部材3のシャフト部4は、光ファイバ200aなどの発光体200を挿入可能な挿入路4aを区画している。そして、本実施形態の光照射部材2は、突き当て部材3のシャフト部4の挿入路4aに挿入される発光体200の光を透過可能な光照射部12としての光透過窓12aを備える。
また。詳細は後述するが、本実施形態の光照射部材2は、遠位端部に膣内に挿入される挿入部11を備える。本実施形態の挿入部11は、膣内で拡張可能なバルーン13を備える。そして、本実施形態の光照射部12としての光透過窓12aは、このバルーン13に設けられている。本実施形態の光照射部12としての光透過窓12aは、バルーン13の周方向Bの一部の位置のみに設けられている。
ここで、遠位突き当て部5の最大径R2は、シャフト部4の最大径R1より大きい。
シャフト部4の最大径R1とは、シャフト部4の軸方向Aと直交する任意の断面それぞれにおける最大直線長さを比較した場合の最大値を意味する。本実施形態のシャフト部4は、軸方向Aの位置によらず一定の外径を有する円筒状である。そのため、本実施形態のシャフト部4の最大径R1は、シャフト部4の軸方向Aの任意の位置での外径と同じである。
また、遠位突き当て部5の最大径R2とは、遠位突き当て部5の軸方向Aと直交する任意の断面それぞれにおける最大直線長さを比較した場合の最大値を意味する。本実施形態の遠位突き当て部5の、軸方向Aの任意の位置での断面の外形は、略円形状である。したがって、本実施形態の遠位突き当て部5の軸方向Aと直交する任意の断面それぞれにおける最大直線長さは、各断面での外径を意味する。また、本実施形態の遠位突き当て部5の軸方向Aと直交する断面の外径は、近位端で最大となる。したがって、本実施形態の遠位突き当て部5の最大径R2は、遠位突き当て部5の近位端の位置での、軸方向Aと直交する断面における、外径を意味する。
詳細は後述するが、膣内挿入デバイス1において、遠位突き当て部5の最大径R2を、シャフト部4の最大径R1より大きい構成とすることで、子宮口300の周囲に、膣内挿入デバイス1の遠位端部としての遠位突き当て部5を突き当てる操作を、膣口500を通じて視認し易くなる(図3A参照)。
次に、図3A~図3Dを参照して、膣内挿入デバイス1を用いた治療方法の一例を説明する。
まず、図3A~図3Dに示す工程を含む治療方法の一例の全体の概要について説明する。この治療方法では、はじめに、薬剤としての光感受性物質を患者に投与し、がん組織などの光照射の対象部位Xに光感受性物質を集積させる。その後、患者に対して、必要に応じて局所麻酔又は全身麻酔をかける。その後、膣鏡70(図3A等参照)を用いて、膣口から膣400内の対象部位Xの位置を確認する。その後、膣内挿入デバイス1の突き当て部材3を光照射部材2に先行して、膣400内に挿入する(図3A参照)。突き当て部材3の遠位端部を構成する遠位突き当て部5は、子宮口300の周囲に突き当たる位置まで、膣400内に挿入される(図3A参照)。
その後、遠位突き当て部5を子宮口300の周囲に突き当てた状態のまま、光照射部材2を軸方向Aの遠位側に移動させて、膣400内に挿入する(図3B参照)。換言すれば、遠位突き当て部5を子宮口300の周囲に突き当てた状態のまま、光照射部材2を、突き当て部材3の遠位端部としての遠位突き当て部5に向かって、突き当て部材3に対して相対的に移動させる。このようにして、光照射部材2を、膣400内に挿入する。本実施形態の光照射部材2のうち膣400内に挿入される挿入部11は、上述したようにバルーン13を備える。挿入部11が膣400内に挿入される際、バルーン13は収縮状態である。光照射部材2は、その遠位端が突き当て部材3の遠位突き当て部5に突き当たる位置まで、膣400内に挿入される(図3B参照)。本実施形態の光照射部材2の遠位端とは、挿入部11の遠位端である。
その後、エコーなどの画像診断装置を用いて膣内挿入デバイス1の膣400内での位置を確認しながら、膣内挿入デバイス1を周方向Bに回動させてもよい。このようにすることで、光照射部材2の挿入部11の光照射部12の周方向Bの位置を、膣400内の光照射の対象部位Xに位置合わせすることができる。
その後、膣鏡70が膣400内から抜去される。その後、光照射部材2の挿入部11のバルーン13を拡張し、収縮状態から拡張状態にする(図3C参照)。但し、膣鏡70は、挿入部11のバルーン13を拡張した後に膣400内から抜去されてもよい。その後、膣内挿入デバイス1の近位端側から、突き当て部材3のシャフト部4の挿入路4a内に発光体200としての光ファイバ200aが挿入される(図3D参照)。光ファイバ200aの発光部200a1は、軸方向Aにおいてバルーン13が設けられている位置まで、挿入される。その後、光ファイバ200aにより、シャフト部4の周壁、及び、バルーン13に設けられている光照射部12としての光透過窓12a、を通じて、対象部位Xが光照射される(図3D参照)。
例えば、対象部位Xの範囲が広い場合、膣内挿入デバイス1の光照射部材2を軸方向Aに移動又は周方向Bに回動させて、複数箇所に光照射してもよい。例えば、膣内挿入デバイス1の光照射部材2を軸方向Aに移動させることにより、対象部位Xを軸方向Aで複数回に分けて光照射してもよい。また、膣内挿入デバイス1の光照射部材2を周方向Bに回動させることにより、対象部位Xを周方向Bで複数回に分けて光照射してもよい。更に、膣内挿入デバイス1の光照射部材2の軸方向Aの移動と、の光照射部材2の周方向Bでの回動と、を組み合わせてもよい。対象部位Xの光照射を完了後、膣内挿入デバイス1の光照射部材2及び突き当て部材3を膣400外に抜去する。なお、対象部位Xを含む膣400内への負荷および操作性や作業の手間の観点から、バルーン13は、挿入および抜去の際は収縮状態に、光照射の際は拡張状態に、膣400内での光照射部材12の移動の際は収縮状態もしくは拡張状態から若干収縮させた状態とすることが望ましい。
図3Aは、上記一連の工程のうち、突き当て工程を示す図である。突き当て工程では、突き当て部材3を光照射部材2より遠位側に突出させて、突き当て部材3を膣400内に挿入し、突き当て部材3の遠位端部としての遠位突き当て部5を子宮口300の周囲に突き当てる。上述したように、膣内挿入デバイス1では、突き当て部材3のシャフト部4が、光照射部材2の貫通路2a内を、軸方向Aに移動可能である。そのため、図3Aに示すように、突き当て部材3の遠位突き当て部5を、光照射部材2の貫通路2aの遠位開口2a1よりも遠位側に突出させることができる。これにより、突き当て部材3を、光照射部材2より先行させて、膣400内に挿入することができる。
上述したように、遠位突き当て部5の最大径R2は、シャフト部4の最大径R1より大きい。このような構成とすることで、遠位突き当て部5の最大径がシャフト部4の最大径以下の構成と比較して、図3Aに示す突き当て工程において、子宮口300の周囲に突き当てる膣内挿入デバイス1の遠位端面を構成する遠位突き当て部5の遠位端面を広く確保できる。そのため、遠位突き当て部5の遠位端面を、子宮口300の周囲に安定的に突き当てることができる。また、遠位突き当て部5の遠位端面が突き当たる際の子宮口300の周囲の組織への負担を軽減できる。更に、遠位突き当て部5の遠位端面を広く確保できれば、子宮口の周囲を押し付けながら、膣内の形状を整えることができる。このようにすることで、後述する光照射部材挿入工程において、光照射部材2を膣内に挿入し易くなる。
その一方で、遠位突き当て部5の近位側に連なるシャフト部4を細くすることができる。そのため、図3Aに示す突き当て工程において、膣壁Wとシャフト部4との間の空間を通じて、遠位突き当て部5の位置を視認し易くなる。つまり、子宮口300の周囲に、膣内挿入デバイス1の遠位端部としての遠位突き当て部5を突き当てる操作を、膣口500を通じて視認し易くなる。
図3Bは、上記一連の工程のうち、光照射部材挿入工程を示す図である。光照射部材挿入工程では、突き当て部材3の遠位端部としての遠位突き当て部5を子宮口300の周囲に突き当てている状態で、光照射部材2を、突き当て部材3に対して相対的に遠位側に移動することにより、光照射部材2を、膣400内に挿入する。遠位突き当て部5を子宮口300の周囲の適切な位置に突き当てている状態で、光照射部材2を膣400内に挿入できるため、光照射部材2を膣内に挿入し易い。
図3Bに示す光照射部材挿入工程では、光照射部材2を、突き当て部材3に対して相対的に最も遠位側となる位置(図3Bに示す位置)まで移動させることが好ましい。このようにすることで、光照射部材2の挿入部11の光照射部12を、子宮口300の近傍に確実に位置させることができる。この際、医療従事者は、後述する表示部41を利用することが好ましい。医療従事者は、後述する表示部41を利用することで、光照射部12が子宮口300の近傍に位置する否かを容易に確認できる。表示部41の詳細は後述する。
図3Cは、上記一連の工程のうち、バルーン拡張工程を示す図である。上述したように、本実施形態の光照射部材2の挿入部11は、膣400内で拡張可能なバルーン13を備える。また、本実施形態のバルーン13は、光照射部12としての光透過窓12aを備える。そのため、図3Cに示すバルーン拡張工程では、膣400内でバルーン13を拡張させ、子宮口300の周囲、膣壁Wなどにバルーン13を密着させる。
また、上述したように、本実施形態の膣内挿入デバイス1の光照射部材2は、周方向Bの一部の位置のみに、外部に光を照射可能な光照射部12としての光透過窓12aを備える。そのため、バルーン13を拡張する前に、光照射部材2を周方向Bに回動し、光照射部12としての光透過窓12aの周方向Bの位置を、膣400内の光照射の対象部位Xに位置合わせする、位置合わせ工程を実行することが好ましい。
図3Dは、上記一連の工程のうち、光照射工程を示す図である。上述したように、本実施形態の突き当て部材3のシャフト部4は、光ファイバ200aなどの発光体200を挿入可能な挿入路4aを区画している。光照射工程では、挿入路4aに発光体200を挿入し、光照射部12としての光透過窓12aを通じて、発光体200により対象部位Xを光照射する。このようにすることで、がん組織などの対象部位Xに集積している光感受性物質に光化学反応を引き起こし、がん細胞等を変性又は壊死させることができる。図3Dに示すように、光照射部12としての光透過窓12aがバルーン13に設けられていることにより、バルーン13を拡張させ、光照射部12としての光透過窓12aを、対象部位Xに密着させることができる。そのため、光照射部12としての光透過窓12aを通じて、光ファイバ200aにより、対象部位Xを集中的に光照射することができる。
光照射の対象部位Xの位置を、上述したように、膣鏡70(図3A参照)を用いて、膣内挿入デバイス1による治療前に予め、目視により特定されいてよい。また、光照射の対象部位Xの位置は、例えば内視鏡、エコー装置、CT、MRIなどの方法により、膣内挿入デバイス1による治療前に予め、又は、膣内挿入デバイス1による治療前から治療中も継続して、特定されてもよい。また、対象部位Xの位置によっては、膣内挿入デバイス1による治療中も膣鏡70を膣400内に配置したままとしてよい。かかる場合に、対象部位Xの位置は、膣内挿入デバイス1による治療前から治療中も継続して、膣鏡70を用いて特定されてもよい。
また、本実施形態の光照射部材2の挿入部11の光照射部12は、挿入部11の内部に挿入される発光体200の光を透過可能な光透過窓12aであるが、この構成に限られない。光照射部12は、挿入部11の内部に挿入される発光体200の光を通過可能な開口であってもよい。更に、光照射部12は、例えば、発光体自体を含んでもよい。つまり、膣内挿入デバイス1は、挿入部11の周方向Bの一部で、径方向Cの外側に向かって光照射可能な、光照射部12としての発光部を備えてもよい。逆に言えば、膣内挿入デバイス1は、発光体自体を備えなくてもよい。本実施形態のように、膣内挿入デバイス1が発光体200を備えない場合、膣内挿入デバイス1は、光照射部材2の挿入部11内に別途挿入される発光体200と共に使用される。本実施形態では、発光体200としての光ファイバ200aが、光照射部材2の挿入部11内、かつ、突き当て部材3のシャフト部4内の挿入路4aに、挿入される。
更に、本実施形態の光照射部材2の挿入部11は、バルーン13を備えるが、この構成に限られない。光照射部材2の挿入部11は、バルーン13を備えなくてもよい。バルーン13を備えない挿入部11は、例えば、内部に発光体200を挿入可能な中空部を区画し、側壁の一部に光照射部12が設けられている管体であってもよい。このように、挿入部11は、拡張及び収縮が可能な構成でなくてもよい。但し、挿入部11がバルーン13を備え、光照射部12がバルーン13に形成されていることで、光照射部12を膣400内の対象部位X(図3A~図3D参照)に密着させ易い。これにより、対象部位Xへの光照射効率を高めることができる。
以下、本実施形態の膣内挿入デバイス1の更なる詳細について説明する。
<光照射部材2>
本実施形態の膣内挿入デバイス1の光照射部材2は、挿入部11と、この挿入部11の近位側に連なり、挿入部11が膣400(図3A~図3D参照)内に挿入されている状態で、生体外に延在する操作部14と、を備える。
より具体的に、本実施形態の光照射部材2は、バルーン13と、管状部材15と、ハブ19と、を備える。管状部材15は、光照射部材2の近位端から遠位端まで延在している。バルーン13は、管状部材15の遠位端部に取り付けられている。ハブ19は、管状部材15に取り付けられており、流体供給具を接続可能なポート部19aを備える。本実施形態の挿入部11は、バルーン13と、管状部材15の遠位端部と、により構成されている。また、本実施形態の操作部14は、ハブ19と、管状部材15のうち、バルーン13より近位側に位置する部分と、により構成されている。ここで、本実施形態の光照射部材2の中心軸線Oは、管状部材15の中心軸線である。つまり、本実施形態の膣内挿入デバイス1の軸方向Aは、管状部材15の中心軸線に平行な方向と同じである。また、本実施形態の膣内挿入デバイス1の周方向Bは、管状部材15の中心軸線周りの方向と同じである。更に、本実施形態の膣内挿入デバイス1の径方向Cは、管状部材15の中心軸線周りの円の半径方向と同じである。
より具体的に、管状部材15は、内部に、突き当て部材3のシャフト部4が挿通される貫通路2aを区画している。また、管状部材15は、バルーン13内に空気等の流体を供給可能なインフレーションルーメン15bと、を区画している。本実施形態の管状部材15は、内管16と、外管17と、を備える。内管16及び外管17は、同心円状に配置されている。内管16は、外管17より遠位側に突出している。内管16は、外管17より近位側に突出している。更に、本実施形態の内管16は、外管17の近位側に連なるハブ19よりも近位側に突出している。貫通路2aは、内管16内に区画されている。また、インフレーションルーメン15bは、外管17の内面と、内管16の外面と、の間に区画されている。
本実施形態のバルーン13は、管状部材15に取り付けられている膜体により形成されている。具体的に、バルーン13を形成する膜体は、管状部材15の遠位端部の径方向C外側で、管状部材15の遠位端部の周方向B全域を覆う無端状の膜体である。この膜体の遠位端部は、周方向Bの全域に亘って、内管16の遠位端部に接着等により接合されている。また、この膜体の近位端部は、周方向Bの全域に亘って、外管17の遠位端部に接着等により接合されている。そして、膜体の遠位端部と近位端部との間は、管状部材15の内管16に接合されておらず、内管16との間に、流体を収容可能な環状空間13aを区画している。内管16と外管17との間に区画されるインフレーションルーメン15bの遠位開口は、この環状空間13aに連通している。環状空間13aにインフレーションルーメン15bを通じて流体が供給されることで、バルーン13を形成する膜体は、径方向Cの外側に拡張する。逆に、環状空間13aからインフレーションルーメン15bを通じて流体が排出されることで、バルーン13を形成する膜体は、径方向Cの内側に収縮する。
上述したように、管状部材15の貫通路2aには、突き当て部材3のシャフト部4が挿通されている。突き当て部材3のシャフト部4の挿入路4aに挿入される光ファイバ200aは、軸方向Aのバルーン13内の位置まで挿入される。本実施形態の貫通路2aを区画する内管16は、例えば、光を透過可能な透明な樹脂材料により形成されてよい。また、内管16に、例えば、光を通過可能な開口が形成されていてもよい。
管状部材15の内管16及び外管17の形成材料は特に限定されないが、例えば、樹脂材料であってよい。内管16及び外管17の形成材料としての樹脂材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン;エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA);ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリスチレン;ポリアミド;ポリイミド;ポリアミドイミド;ポリカーボネート;ポリ-(4-メチルペンテン-1);アイオノマー;アクリル樹脂;ポリメチルメタクリレート;アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂);アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂);ブタジエン-スチレン共重合体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル;ポリエーテル;ポリエーテルケトン(PEK);ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリエーテルイミド;ポリアセタール(POM);ポリフェニレンオキシド;変性ポリフェニレンオキシド;ポリサルフォン;ポリエーテルサルフォン;ポリフェニレンサルファイド;ポリアリレート;芳香族ポリエステル(液晶ポリマー);ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂;などの各種樹脂材料が挙げられる。また、これらのうちの1種以上を含むブレンド体であってもよい。また、また外管17は、ステンレス、鉄、ニッケルチタン合金、アルミニウム等の金属であってもよい。外管17を金属製とすることで、樹脂製とする構成と比較して、小径化や剛性の向上による操作性の向上が期待できる。
本実施形態の管状部材15は、同心円状に配置されている内管16及び外管17を備える二重管構造であるが、この構成に限られない。管状部材15は、例えば、内部に並列して直線状に延在する貫通路2a及びインフレーションルーメン15bを区画していてもよい。
図1、図2に示すように、本実施形態のバルーン13は、光照射部12としての光透過窓12aを備える。より具体的に、本実施形態のバルーン13は、周方向Bの一部のみに光透過窓12aを備える。換言すれば、本実施形態のバルーン13のうち、光透過窓12aが形成されている周方向Bの一部以外は、光を透過せず反射する光反射部24である。そのため、バルーン13内かつ内管16内で発光する光ファイバ200aの光は、内管16を透過し、バルーン13の周方向Bの一部のみに形成されている光透過窓12aを通じて、バルーン13の径方向Cの外側に向かって照射される。逆に、内管16を透過してバルーン13の光反射部24に到達した、光ファイバ200aの光は、ほとんど透過することなく反射し、光反射部24の位置ではバルーン13の径方向Cの外側に向かって照射されない。このように、本実施形態の光照射部材2の挿入部11は、周方向Bの一部のみで径方向Cの外側に向かって光を照射可能な方向性を有する光照射部12を備える。
バルーン13を構成する膜体は、例えば、光透過性材料により形成されている光透過層18aと、この光透過層18aに積層される、光反射材料により形成される光反射層18bと、を備える。光透過性材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ナイロンなどの樹脂材料が挙げられる。光反射材料としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛等の各種金属材料が挙げられる。光反射材料により形成される光反射層18bは、例えば、上述した光透過層18aの表面に塗布によって形成されてよい。塗布方法は特に限定されず、例えば、ディッピング法、スプレーコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法などが用いられてよい。本実施形態のバルーン13の光照射部12としての光透過窓12aは、上述した光透過層18aに光反射層18bが積層されていない部位により構成されている。また、本実施形態のバルーン13の光反射部24は、上述した光透過層18aに光反射層18bが積層されている部位により構成されている。但し、バルーン13の光透過窓12a及び光反射部24の構成は、特に限定されず、上述の光透過層18a及び光反射層18bによる構成に限られない。
更に、図1に示すように、本実施形態のバルーン13は、略円筒状の筒壁部13bと、この筒壁部13bの遠位側に連なる遠位壁部13cと、筒壁部13bの近位側に連なる近位壁部13dと、を備える。そして、本実施形態の光照射部12としての光透過窓12aは、バルーン13の周方向Bの一部のみで、筒壁部13bから遠位壁部13cに亘って形成されている。但し、バルーン13の光照射部12の形成領域は、この領域に限られない。光照射部12は、例えば、筒壁部13bの周方向Bの一部の領域のみに形成されていてもよい。すなわち、バルーン13の遠位壁部13c及び近位壁部13dには、光照射部12としての光透過窓12aが形成されていなくてもよい。更に、光照射部12は、周方向Bの全域に亘って配置されていてもよい。但し、光照射を異常組織などに限って選択的に実行するために、光照射部12は、周方向Bの一部の位置のみに配置されていることが好ましい。
図1、図2に示すように、本実施形態の管状部材15の外管17の近位端部には、ハブ19が取り付けられている。ハブ19は、上述したように、流体供給具を接続可能なポート部19aを備える。ポート部19aに接続される流体供給具により、インフレーションルーメン15bを通じて、バルーン13の環状空間13aに流体を供給することができる。また、本実施形態のハブ19は、内管16が挿通される貫通孔19bを区画している。
<突き当て部材3>
上述したように、突き当て部材3は、シャフト部4と、遠位突き当て部5と、を備える。
本実施形態のシャフト部4は、光照射部材2の内管16内に区画されている貫通路2a内に延在しており、貫通路2aを軸方向Aに移動可能である。
本実施形態のシャフト部4は、軸方向Aの位置によらず、軸方向Aと直交する断面の内径及び外径が一定の管体である。そして、本実施形態のシャフト部4は、内部に、光ファイバ200aなどの発光体200を挿入可能な挿入路4aとしてのファイバルーメンを区画している。
本実施形態の挿入路4aとしてのファイバルーメンは、閉塞部材23により遠位端が閉塞されているが、この構成に限られず、遠位突き当て部5により遠位端が閉塞されていてもよい。
本実施形態の挿入路4aを区画するシャフト部4の側壁は、例えば、光を透過可能な透明な樹脂材料により形成されてよい。また、シャフト部4の側壁に、例えば、光を通過可能な開口が形成されていてもよい。
シャフト部4の形成材料は特に限定されないが、例えば、樹脂材料であってよい。シャフト部4の形成材料としての樹脂材料としては、例えば、上述した内管16及び外管17の形成材料として例示列挙した材料が挙げられる。
また、本実施形態のシャフト部4は、表示部41を備える。表示部41は、光照射部材2を突き当て部材3に対して最も遠位側に移動させた状態を表示する。つまり、本実施形態の表示部41は、光照射部材2の挿入部11の遠位端を構成する内管16の遠位端が、突き当て部材3の遠位突き当て部5に突き当たっている状態を、表示する。本実施形態の表示部41は、光照射部材2の挿入部11の遠位端を構成する内管16の遠位端が、突き当て部材3の遠位突き当て部5に突き当たっている状態において、光照射部材2の近位側に露出するように、突き当て部材3のシャフト部4に設けられている。つまり、医療従事者は、この表示部41が光照射部材2の近位側に露出していることを確認することで、光照射部材2の挿入部11の遠位端を構成する内管16の遠位端が、突き当て部材3の遠位突き当て部5に突き当たっている状態を、認識することができる。
表示部41は、例えば、シャフト部4の外面に位置し、塗料等により周囲と異なる色で形成される色マーカーであってよい。また、表示部41は、例えば、シャフト部4において径方向Cの外側に突出する突起、径方向Cの内側に窪む環状溝など、立体マーカーであってもよい。このように、表示部41は、光照射部材2を突き当て部材3に対して最も遠位側に移動させた状態を外部から識別できるものであればよく、その構成及び位置は特に限定されない。
本実施形態の遠位突き当て部5は、上述したように、シャフト部4の遠位端に連なっており、膣内挿入デバイス1の遠位端部を構成している。
上述したように、遠位突き当て部5の最大径R2は、シャフト部4の最大径R1より大きい。更に、本実施形態では、遠位突き当て部5の最大径R2は、貫通路2aの遠位開口2a1の最大径R3より大きい。
貫通路2aの遠位開口2a1の最大径R3とは、遠位開口2a1の位置での、軸方向Aと直交する断面における、貫通路2aの最大直線長さを意味する。本実施形態の貫通路2aは、軸方向Aの位置によらず一定の内径を有する円筒状である。そのため、本実施形態の貫通路2aの遠位開口2a1の最大径R3は、貫通路2aの軸方向Aの任意の位置での内径と同じである。
膣内挿入デバイス1において、遠位突き当て部5の最大径R2を、貫通路2aの遠位開口2a1の最大径R3より大きい構成とすることで、遠位突き当て部5が、遠位開口2a1通じて貫通路2a内に入り込まない。そのため、突き当て部材3を軸方向Aで近位側に移動させることで、光照射部材2を追従して近位側に移動させることができる。そのため、詳細は後述するが、軸方向Aで複数回に分けて対象部位Xに対して光照射を実行する場合の操作効率を高めることができる(図7A~図7C参照)。
また、図1、図2に示すように、本実施形態の遠位突き当て部5は、シャフト部4と略同軸上に配置されている円盤板部である。そして、遠位突き当て部5としての円盤板部の遠位側の面は、遠位側に突出する湾曲凸面5aにより構成されている。このようにすることで、湾曲凸面5aの頂部が子宮口300内に押し込まれるように位置決めされ易く、遠位突き当て部5が径方向Cに位置ずれし難くなる(図3A参照)。また湾曲凸面5aの中央に更に突出する第2の突出部があってもよい。これにより、湾曲凸面5aが子宮口300の周囲に当接しつつ、第2の突出部が子宮口300に入り込むことで、遠位突き当て部5が子宮口300の周囲に当接しつつ径方向Cに位置ずれし難くなり、より確実かつ安定して突き当てすることができる。
遠位突き当て部5の形成材料は特に限定されないが、例えば、樹脂材料であってよい。遠位突き当て部5の形成材料としての樹脂材料としては、例えば、上述した内管16及び外管17の形成材料として例示列挙した材料が挙げられる。
但し、遠位突き当て部5は、子宮口300側となる遠位側に光を伝搬可能に構成されていることが好ましい。図4Aは、遠位突き当て部5が、子宮口300側となる遠位側に光を透過(伝搬の一態様)可能に構成されている例を示す図である。図4Aに示す遠位突き当て部5は、例えば、光透過性材料により形成されてよい。このような遠位突き当て部5とすることで、シャフト部4の挿入路4aに挿入されている光ファイバ200aなどの発光体200から出射される光を、遠位突き当て部5を透過させ、遠位突き当て部5より遠位側に照射することができる。
図4B、図4Cは、子宮口300側となる遠位側に光を伝搬可能に構成されている遠位突き当て部5の別の例を示す図である。図4Bは、遠位突き当て部5が、光を透過可能であると共に、光を散乱させることができる構成を示している。このような遠位突き当て部5は、例えば、光透過性材料に、金属粉などの光散乱材料を混合させることで、形成されてよい。また、図4Cは、遠位突き当て部5が、光を所定方向に反射させることで配光可能な配光部材42を備える。図4Cに示す遠位突き当て部5は、配光部材42により、子宮口300側となる遠位側に光を伝搬可能に構成されている。このような配光部材42を備えることで、遠位突き当て部5は、シャフト部4の挿入路4aに挿入されている光ファイバ200aなどの発光体200から出射される光を、子宮口300側となる遠位側に伝搬できる。これにより、発光体200から出射される光を、例えば子宮口300の周囲の対象部位X(図3A~図3D参照)など、所定の領域に集中させることができる。
次に、図5A~図5Cを参照して、膣内挿入デバイス1の光照射部材2を軸方向Aに移動させながら、膣400内の対象部位Xを複数回に分けて光照射する治療方法の一例を説明する。図5A~図5Cは、医療器具100を用いて、膣内挿入デバイス1の光照射部材2を軸方向Aに移動させて2回に分けて光照射を行う治療方法の一例を示す図である。
ここでは、膣内挿入デバイス1に加えて保持デバイス50を備える医療器具100を用いて行う治療方法について例示説明するが、膣内挿入デバイス1のみにより、同様の治療方法を実施してもよい。
まず、図5A~図5Cに示す医療器具100の保持デバイス50の概要について説明する。保持デバイス50は、膣内挿入デバイス1の光照射部材2及び突き当て部材3それぞれを、軸方向Aに独立して移動可能に保持している。より具体的に、図5A~図5Cに示す保持デバイス50は、光照射部材2の管状部材15の内管16を、軸方向Aに移動可能に保持している。また、図5A~図5Cに示す保持デバイス50は、光照射部材2を、周方向Bに回動可能に保持している。更に、図5A~図5Cに示す保持デバイス50は、突き当て部材3のシャフト部4を、軸方向Aに移動可能に保持している。
より具体的に、保持デバイス50は、周方向位置表示部31と、歯車列32と、操作レバー33と、ハウジング34と、を備える。
周方向位置表示部31は、膣内挿入デバイス1の光照射部材2の周方向Bでの回動に伴って動作し、光照射部12の周方向Bの位置を表示する。図5A~図5Cに示す周方向位置表示部31は、光照射部材2の周方向Bの回動に伴って回動する回動マーカーである。周方向位置表示部31としての回動マーカーは、光照射部材2の周方向Bの回転角と等しい角度だけ回動可能に構成される。
歯車列32は、第1歯車32a及び第2歯車32bを含む。歯車列32は、光照射部材2の周方向Bの回動トルクを、周方向位置表示部31としての回動マーカーに伝達する。
歯車列32の第1歯車32aは、光照射部材2の管状部材15の周方向Bの回動に追従して、周方向Bに回動する。管状部材15は、第1歯車32aに対して軸方向Aに移動可能に、第1歯車32aの中央開口に挿通されている。また、管状部材15は、径方向Cの外側に突出し、第1歯車32aに周方向Bのトルクを伝達する1つ以上のリブ状突起21を備える。但し、第1歯車32aは、管状部材15の軸方向Aの移動を許容し、管状部材15の周方向Bのトルクが伝達される構成であれば、特に限定されない。
歯車列32の第2歯車32bは、第1歯車32aと係合し、第1歯車32aの回動に追従して回動する。第2歯車32bの回動軸線に直交する平面である第2回動平面は、第1歯車32aの回動軸線に直交する平面である第1回動平面と、直交している。具体的に、第1歯車32aの第1回動平面は、軸方向Aに直交する平面であるのに対して、第2歯車32bの第2回動平面は、軸方向Aに平行な平面である。
周方向位置表示部31としての回動マーカーは、第2歯車32bと同心円状に連結されている。つまり、第2歯車32bが中心軸線周りに所定角度だけ回動すると、周方向位置表示部31としての回動マーカーも中心軸線周りに同じ所定角度だけ回動する。
このように、歯車列32は、光照射部材2の周方向Bの回動を、周方向位置表示部31に伝達することができる。そして、周方向位置表示部31としての回動マーカーは、光照射部材2が周方向Bに所定角度だけ回動した場合に、中心軸線周りに同じ所定角度だけ回動するように構成されている。
このような周方向位置表示部31及び歯車列32を備えることで、膣400内での光照射部材2の光照射部12の周方向Bの位置を、生体外から識別することができる。
操作レバー33は、光照射部材2と共に軸方向Aに移動可能に、光照射部材2と係合している。5A~図5Cに示すように、操作レバー33は、ハウジング34の外部に露出する把持部33aと、ハウジング34の内部に位置し、光照射部材2と係合する係合部33bと、を備える。把持部33a及び係合部33bは、ハウジング34のスロット34aを通じて連なっている。係合部33bは、光照射部材2の内管16の外面上に位置する2つの環状凸部20a、20bの間に位置する。操作レバー33は、軸方向Aに沿って延在するハウジング34のスロット34a内で、ハウジング34に対して移動可能である。操作レバー33がハウジング34のスロット34a内を軸方向Aの遠位側に移動すると、係合部33bが一方の環状凸部20aを押圧し、光照射部材2もハウジング34に対して軸方向Aの遠位側に移動する。逆に、操作レバー33がハウジング34のスロット34a内を軸方向Aの近位側に移動すると、係合部33bが他方の環状凸部20bを押圧し、光照射部材2もハウジング34に対して軸方向Aの近位側に移動する。つまり、操作レバー33は、光照射部材2と軸方向Aに追従して移動可能である。また、操作レバー33は、光照射部材2の周方向Bの回動と干渉しない。つまり、光照射部材2は、操作レバー33に対して周方向Bに、独立して回動可能である。
図6A、図6Bは、保持デバイス50の上面図である。図6A、図6Bに示すように、操作レバー33の把持部33aは、マーカー部33a1を備える。このマーカー部33a1は、光照射部材2の挿入部11(図5A等参照)の光照射部12(図5A等参照)の軸方向Aの位置、及び、光照射部12の軸方向Aの範囲、を表示している。この詳細は後述する。
ハウジング34には、上述した周方向位置表示部31、歯車列32及び操作レバー33が取り付けられている。つまり、周方向位置表示部31としての回動マーカー及び歯車列32は、ハウジング34に対して回動可能に保持されている。また、操作レバー33は、ハウジング34のスロット34aに挿通されている状態で、ハウジング34に対して軸方向Aに移動可能に保持されている。
ここで、ハウジング34は、光照射部材2の軸方向Aの相対的な移動に伴う光照射部12の軸方向Aでの移動量を表示する目盛り部34bを備える。上述したように、操作レバー33は、光照射部材2と共に軸方向Aに移動可能である。つまり、操作レバー33が軸方向Aに移動することで、光照射部材2の挿入部11の光照射部12も、軸方向Aに移動する。そのため、目盛り部34bにより、操作レバー33の把持部33aの軸方向Aの移動量を確認することで、光照射部材2の光照射部12の軸方向Aの移動量を識別できる。つまり、ハウジング34の目盛り部34bは、保持デバイス50に対する光照射部材2の軸方向Aでの相対的な移動に伴う光照射部12の軸方向Aでの移動量を表示する軸方向移動量表示部40を構成している。
また、上述したように、操作レバー33の把持部33aは、マーカー部33a1を備える。マーカー部33a1は、軸方向Aに長尺な線状マーカーである。マーカー部33a1の軸方向Aの長さは、光照射部12の軸方向Aの範囲を示している。このようにすることで、マーカー部33a1と、軸方向移動量表示部40としての目盛り部34bと、を用いることで、光照射部12の軸方向Aの位置、及び、その位置で光照射部12により光が照射される軸方向Aの範囲、を共に識別できる。そのため、光照射部材2を軸方向Aに移動させながら、膣400(図5A等参照)内の対象部位X(図5A等参照)を複数回に分けて光照射する場合に、マーカー部33a1と、軸方向移動量表示部40としての目盛り部34bと、を用いることで、各回の光照射位置、及び、各回の光照射領域を、適切に調整できる。
軸方向移動量表示部40としての目盛り部34bは、保持デバイス50に備えられているが、この構成に限られない。光照射部材2が、軸方向移動量表示部40を備えてもよく、光照射部材2及び保持デバイス50の両方が、軸方向移動量表示部40を備えてもよい。
また、ハウジング34は、患者の処置台に取り付けられる取り付け部34cを備える。取り付け部34cは、軸方向Aに延在する軸部34c1を備える。処置台は、例えば、ハウジング34の取り付け部34cの軸部34c1を支持してよい。但し、ハウジング34の取り付け部34cの構成は、特に限定されない。
次に、図5A~図5Cを参照して、光照射部材2を軸方向Aに移動させながら、膣400内の対象部位Xを複数回に分けて光照射する治療方法の一例を説明する。
図5Aは、1回目の光照射時の状態を示す図である。つまり、図5Aに示す状態は、図3Dに示す状態と同様の状態を示しているため、ここでは説明を省略する。
図5Bは、図5Aの状態から、光照射部材2のみを近位側に移動させた状態を示す図である。また、図5Cは、図5Bの状態から、発光体200のみを近位側に移動させた状態を示す図である。そして、図5Cに示す状態は、2回目の光照射時の状態である。
つまり、図5A~図5Cに示す例では、1回目の光照射時の状態(図5A参照)から、光照射部材2を軸方向Aの近位側に移動させて、2回目の光照射時の状態(図5C参照)にする際に、突き当て部材3の軸方向Aの位置は移動させない。すなわち、突き当て部材3の遠位突き当て部5は、子宮口300の周囲に突き当てられた状態が維持される。この状態で、光照射部材2及び発光体200のみを、軸方向Aの近位側に移動させる。
このように、突き当て部材3を軸方向Aに移動させずに、1回目の光照射時の状態から、2回目の光照射時の状態へと、状態変化させることで、膣400内の形状を維持したまま、光照射部材2を近位側に移動させることができる。そのため、上記の状態変化の際に、光照射部材2自体の移動量と、対象部位Xに対する光照射部材2の移動量と、のずれを抑制することができる。
ここで、図5A~図5Cに示す例では、保持デバイス50の操作レバー33を用いることで、光照射部材2を軸方向Aの近位側に移動させることができる。この際に、図6A、図6Bに示すように、マーカー部33a1と、軸方向移動量表示部40としての目盛り部34bと、を用いることで、光照射部12の軸方向Aの位置、及び、その位置で光照射部12により光が照射される軸方向Aの範囲、を共に識別できる。そのため、マーカー部33a1と、軸方向移動量表示部40としての目盛り部34bと、を確認しながら、光照射部材2を軸方向Aに移動させることで、1回目の光照射位置及び光照射範囲と、2回目の光照射位置及び光照射範囲と、を適切に調整できる。
また、図6A、図6Bに示すように、保持デバイス50は、膣内挿入デバイス1の光照射部材2の軸方向Aの移動とは独立して動作可能であり、光照射部12の軸方向Aの位置の履歴を表示可能な軸方向位置表示部57を備えてもよい。図6A、図6Bに示す軸方向位置表示部57は、直動マーカーである。図6A、図6Bに示す保持デバイス50は、操作レバー33のマーカー部33a1、及び、軸方向移動量表示部40としての目盛り部34bに加えて、軸方向位置表示部57を備えている。図6A、図6Bに示す軸方向位置表示部57は、軸方向Aに延在するハウジング34のスロット34d内を、軸方向Aに移動可能である。
ここで、図6Aは、1回目の光照射時の状態(図5A参照)のマーカー部33a1及び軸方向位置表示部57の位置関係を示している。つまり、図6Aに示すマーカー部33a1及び軸方向位置表示部57は共に、1回目の光照射時の光照射部12の軸方向Aの位置及び軸方向Aの領域を表示している。図6Aでは、操作レバー33のマーカー部33a1の遠位端が、スロット34aの遠位端の位置にある。また、軸方向位置表示部57の遠位端が、スロット34dの遠位端の位置にある。本例では、この状態が、光照射部材2の挿入部11の遠位端を、子宮口300の周囲に突き当たる遠位突き当て部5に突き当てた状態(図5A参照)になるように、調整されている。
これに対して、図6Bは、2回目の光照射時の状態(図5C参照)のマーカー部33a1及び軸方向位置表示部57の位置関係を示している。図6Aに示す1回目の光照射を終えた後、光照射部材2の挿入部11を軸方向Aに移動して、光照射部12の軸方向Aの位置を、2回目の光照射を行う位置に移動させる。この移動の際に、操作レバー33のマーカー部33a1は、光照射部材2の軸方向Aの移動に連動して動作し、2回目の光照射を行う、光照射部12の軸方向Aの位置を示す位置に移動する。これに対して、軸方向位置表示部57は、光照射部材2の軸方向Aでの移動に連動しない。すなわち、図6Bに示すように、軸方向位置表示部57は、図6Aの位置から移動しない。このようにすることで、操作レバー33のマーカー部33a1により、2回目の照射位置を示すと共に、軸方向位置表示部57により、1回目の軸方向Aでの照射位置を、過去の照射履歴として表示することができる。これにより、1回目の光照射位置及び光照射領域と、2回目の光照射位置及び光照射領域と、を適切に制御し易くなる。
また、図5A~図5Cに示す例では、発光体200としての光ファイバ200aのうち、突き当て部材3の近位端より近位側に露出する部分を操作することにより、光ファイバ200aを軸方向Aの近位側に移動させることができる。
更に、図5A~図5Cに示す例では、保持デバイス50は、突き当て部材3の軸方向Aでの移動を規制する移動規制部を備えてよい。移動規制部を備えることで、図5A~図5Cに示す状態変化において、突き当て部材3が意図せずに軸方向Aに移動することを抑制できる。移動規制部の構成は特に限定されないが、移動規制部の一例については後述する(図7A~図7C参照)。
また更に、1回目の光照射時の状態(図5A参照)から2回目の光照射時の状態(図5C参照)へと状態変化する際に、必要に応じて、光照射部材2を周方向Bに回動させて、光照射部材2の光照射部12の周方向Bの位置を調整してもよい。
次に、図7A~図7Cを参照して、図5A~図5Cに示す治療方法の変形例について説明する。
図7Aは、1回目の光照射時の状態を示す図である。つまり、図7Aに示す状態は、図3D及び図5Aに示す状態と同様の状態を示しているため、ここでは説明を省略する。
図7Bは、図7Aの状態から、光照射部材2、突き当て部材3及び発光体200としての光ファイバ200aを共に近位側に移動させた状態を示す図である。また、図7Cは、図7Bの状態から、突き当て部材3のみを遠位側に移動させ、遠位突き当て部5を再び子宮口300の周囲に突き当てた状態を示す図である。そして、図7Cに示す状態は、2回目の光照射時の状態である。
つまり、図7A~図7Cに示す例では、1回目の光照射時の状態(図7A参照)から、光照射部材2を軸方向Aの近位側に移動させて、2回目の光照射時の状態(図7C参照)にする際に、突き当て部材3を軸方向Aに往復移動させる。すなわち、突き当て部材3の遠位突き当て部5は、子宮口300の周囲に突き当てられた状態から近位側に移動させられた後、再び遠位側に移動させられ、子宮口300の周囲に突き当たる状態に戻される。
このように、1回目の光照射時の状態(図7A参照)から2回目の光照射時の状態(図7C参照)へと状態変化する際に、突き当て部材3を軸方向Aの近位側に移動させる動作を実行することで、光照射部材2及び発光体200を一緒に、軸方向Aの近位側に移動させることができる。つまり、突き当て部材3を軸方向Aの近位側に移動させると、遠位突き当て部5が光照射部材2及び発光体200を軸方向Aの近位側に押圧する。これにより、光照射部材2及び発光体200は、突き当て部材3に追従して軸方向Aの近位側に移動する。すなわち、突き当て部材3を軸方向Aの近位側に移動させる動作を行うことで、光照射部材2及び発光体200を一緒に軸方向Aの近位側に移動させることができる。そのため、図5A~図5C示す治療方法と比較して、光照射部材2及び発光体200を2回目の光照射位置へと、簡単に移動させることができる。その結果、軸方向Aで複数回に分けて対象部位Xに対して光照射を実行する場合の操作効率を高めることができる。更に、光照射部材2が、内部に発光体200が挿入されるバルーン13を備える場合には、図5A~図5C示す治療方法と比較して、バルーン13内での発光体200の位置も維持することができる。
但し、突き当て部材3を軸方向Aの近位側に移動させ、遠位突き当て部5が子宮口300の周囲から離間することで、膣400内の形状が変化する。そのため、2回目の光照射時の状態(図7C参照)では、突き当て部材3の遠位突き当て部5を再び子宮口300の周囲に突き当て、膣400内の形状を整える。これにより、2回目の光照射の際にも、膣400内の形状を整えられた状態に復元するため、光照射部材2の光照射部12は、対象部位Xに密着し易くなる。
最後に、図7A~図7Cに示す医療器具100のうち、図5A~図5Cに示す構成と相違する点について説明する。図7A~図7Cに示す医療器具100では、突き当て部材3が、軸方向Aでの保持デバイス50との相対的な位置関係を表示する軸方向位置表示部58を備える。軸方向位置表示部58は、突き当て部材3のシャフト部4と共に軸方向Aに移動するマーカーであってよい。このような軸方向位置表示部58を設けることで、1回目の光照射時の状態(図7A参照)から、2回目の光照射時の状態(図7C参照)へと状態変化させるために、突き当て部材3を軸方向Aの近位側に引き戻した際の移動量を識別することができる。したがって、突き当て部材3を再び遠位側に移動させ、遠位突き当て部5を子宮口300の周囲に突き当てる際(図7Bの状態から図7Cの状態に状態変化させる際)には、軸方向位置表示部58を確認することで、1回目の光照射時と同じ位置になるように、突き当て部材3を遠位側に押し込めばよい。
図7A~図7Cに示す医療器具100では、突き当て部材3が軸方向位置表示部58を備えるが、この構成に限られず、保持デバイス50が軸方向位置表示部58を備えてもよく、保持デバイス50及び突き当て部材3が共に軸方向位置表示部58を備えてもよい。
また、図7A~図7Cに示す医療器具100では、保持デバイス50が、突き当て部材3の軸方向Aでの相対的な移動を規制する移動規制部59を備える。移動規制部59を備えることで、例えば、1回目の光照射時、及び、2回目の光照射時それぞれにおいて、突き当て部材3が意図せずに軸方向Aに移動することを抑制できる。そして、突き当て部材3を軸方向Aに移動させる際に、移動規制部59による規制を解除すればよい。
移動規制部59の構成は特に限定されない。図7A~図7Cに示す一例としての移動規制部59は、雄ねじ部材61aと、ハウジング34の受け部61bと、を備える。雄ねじ部材61aは、ハウジング34に形成されている貫通孔60の内面に形成されている雌ねじ部60aに螺合される。ハウジング34の受け部61bは、雄ねじ部材61aとの間で突き当て部材3のシャフト部4を挟み込む。より具体的に、図7A~図7Cに示すハウジング34は、近位側に突出し、径方向Cで対向する2つの突出部62a、62bを備える。上述の貫通孔60は、このハウジング34の一方の突出部62aを径方向Cに貫通している。雄ねじ部材61aは、ハウジング34の一方の突出部62aの貫通孔60に、径方向Cの外側から内側に向かって挿入され、雌ねじ部60aに螺合される。そして、雄ねじ部材61aの先端と、受け部61bとしての他方の突出部62bと、の間で、突き当て部材3のシャフト部4を挟み込む。これにより、突き当て部材3の軸方向Aでの移動を規制できる。
本開示に係る膣内挿入デバイス、医療器具及び治療方法は、上述した実施形態及び変形例に示す具体的な構成及び工程に限られず、特許請求の範囲の記載を逸脱しない限り、種々の変形・変更・組み合わせが可能である。上述の実施形態では、膣内挿入デバイス1の光照射部材2及び突き当て部材3は、軸方向Aに独立して移動可能であるが、光照射部材2及び突き当て部材3を固定及び固定解除できるロック部を設けてもよい。このようなロック部を設けることで、必要に応じて光照射部材2及び突き当て部材3を軸方向Aに共に移動させることができる。
また、上述した実施形態では、突き当て部材3のシャフト部4及び光ファイバ200aは、軸方向Aに独立して移動可能であるが、シャフト部4及び光ファイバ200aを固定及び固定解除できるロック部を設けてもよい。このようなロック部を設けることで、必要に応じてシャフト部4及び光ファイバ200aを軸方向Aに共に移動させることができる。
本開示は、膣内挿入デバイス、医療器具及び治療方法に関する。
1:膣内挿入デバイス
2:光照射部材
2a:貫通路
2a1:遠位開口
3:突き当て部材
4:シャフト部
4a:挿入路
5:遠位突き当て部
5a:湾曲凸面
11:挿入部
12:光照射部
12a:光照射窓
13:バルーン
13a:環状空間
13b:筒壁部
13c:遠位壁部
13d:近位壁部
14:操作部
15:管状部材
16:内管
17:外管
18a:光透過層
18b:光反射層
19:ハブ
19a:ポート部
19b:貫通孔
20a、20b:環状凸部
21:リブ状突起
23:閉塞部材
24:光反射部
31:周方向位置表示部
32:歯車列
32a:第1歯車
32b:第2歯車
33:操作レバー
33a:把持部
33a1:マーカー部
33b:係合部
34:ハウジング
34a:スロット
34b:目盛り部(軸方向移動量表示部の一例)
34c:取り付け部
34c1:軸部
34d:スロット
40:軸方向移動量表示部
41:表示部
42:配光部材
50:保持デバイス
57:軸方向位置表示部
58:軸方向位置表示部
59:移動規制部
60:貫通孔
60a:雌ねじ部
61a:雄ねじ部材
61b:受け部
62a、62b:突出部
70:膣鏡
100:医療器具
200:発光体
200a:光ファイバ
200a1:発光部
300:子宮口
400:膣
500:膣口
A:膣内挿入デバイスの軸方向(貫通路の中心軸線に沿う軸方向)
B:膣内挿入デバイスの周方向(貫通路の中心軸線周りの周方向)
C:膣内挿入デバイスの周方向(貫通路の中心軸線周りの円の半径方向)
O:貫通路の中心軸線
R1:シャフト部の最大径
R2:遠位突き当て部の最大径
R3:貫通路の遠位開口の最大径
W:膣壁
X:対象部位

Claims (18)

  1. 膣内に挿入可能であり、外部に光を照射可能な、光照射部材と、
    前記膣内において、前記光照射部材より遠位側で子宮口の周囲に突き当て可能な、突き当て部材と、を備え、
    前記光照射部材は、近位端側から遠位端側へと貫通する貫通路を区画しており、
    前記突き当て部材は、
    前記貫通路に挿通されており、前記貫通路に沿って前記光照射部材に対して相対的に移動可能なシャフト部と、
    前記シャフト部の遠位端に連なる遠位突き当て部と、を備え、
    前記遠位突き当て部の最大径は、前記シャフト部の最大径より大きい、膣内挿入デバイス。
  2. 前記遠位突き当て部の前記最大径は、前記貫通路の遠位開口の最大径より大きい、請求項1に記載の膣内挿入デバイス。
  3. 前記遠位突き当て部は、前記シャフト部と略同軸上に配置されている円盤板部であり、
    前記円盤板部の遠位側の面は、遠位側に突出する湾曲凸面により構成されている、請求項1又は2に記載の膣内挿入デバイス。
  4. 前記突き当て部材の前記シャフト部は、発光体を挿入可能な挿入路を区画しており、
    前記光照射部材は、前記シャフト部の前記挿入路に挿入される前記発光体の光を透過可能な光透過窓を備える、請求項1から3のいずれか1つに記載の膣内挿入デバイス。
  5. 前記光照射部材は、前記膣内で拡張可能なバルーンを備え、
    前記光透過窓は、前記バルーンに設けられている、請求項4に記載の膣内挿入デバイス。
  6. 前記光照射部材は、前記光照射部材を前記突き当て部材に対して最も遠位側に移動させた状態を表示する表示部を備える、請求項1から5のいずれか1つに記載の膣内挿入デバイス。
  7. 前記突き当て部材の前記遠位突き当て部は、遠位側に光を伝搬可能に構成されている、請求項1から6のいずれか1つに記載の膣内挿入デバイス。
  8. 前記突き当て部材の前記遠位突き当て部は、光透過、散乱及び反射の少なくとも1つを利用することで、遠位側に光を伝搬可能に構成されている、請求項7に記載の膣内挿入デバイス。
  9. 請求項1から8に記載の膣内挿入デバイスと、
    前記膣内挿入デバイスの前記光照射部材及び前記突き当て部材それぞれを、前記貫通路の中心軸線に沿う軸方向に、独立して移動可能に保持する保持デバイスと、を備える、医療器具。
  10. 前記保持デバイスは、前記突き当て部材の前記軸方向での相対的な移動を規制する移動規制部を備える、請求項9に記載の医療器具。
  11. 前記保持デバイス、及び、前記膣内挿入デバイスの前記光照射部材、の少なくとも一方は、前記保持デバイスに対する前記膣内挿入デバイスの前記光照射部材の前記軸方向での相対的な移動に伴う前記光照射部の前記軸方向での移動量を表示する軸方向移動量表示部を備える、請求項9又は10に記載の医療器具。
  12. 前記保持デバイス、及び、前記膣内挿入デバイスの前記突き当て部材、の少なくとも一方は、前記軸方向での他方との相対的な位置関係を表示する軸方向位置表示部を備える、請求項9から11のいずれか1つに記載の医療器具。
  13. 前記膣内挿入デバイスの前記光照射部材は、前記貫通路の前記中心軸線の周りの周方向の一部の位置で、外部に光を照射可能であり、
    前記保持デバイスは、前記光照射部材を、前記周方向に回動可能に保持している、請求項9から12のいずれか1つに記載の医療器具。
  14. 膣内挿入デバイスを用いた治療方法であって、
    前記膣内挿入デバイスは、
    膣内に挿入可能であり、外部に光を照射可能な、光照射部材と、
    前記膣内において、前記光照射部材より遠位側で子宮口の周囲に突き当て可能な、突き当て部材と、を備え、
    前記光照射部材は、近位端側から遠位端側へと貫通する貫通路を区画しており、
    前記突き当て部材は、前記貫通路に挿通されており、前記貫通路に沿って前記光照射部材に対して相対的に移動可能であり、
    前記突き当て部材を前記照射部材より遠位側に突出させて、前記突き当て部材を前記膣内に挿入し、前記突き当て部材の遠位端部を前記子宮口の周囲に突き当てる突き当て工程と、
    前記突き当て部材の前記遠位端部を前記子宮口の周囲に突き当てている状態で、前記光照射部材を、前記突き当て部材の前記遠位端部に向かって相対的に移動することにより、前記光照射部材を、前記膣内に挿入する、光照射部材挿入工程と、を含む、治療方法。
  15. 前記光照射部材挿入工程では、前記光照射部材を、前記突き当て部材に対して相対的に最も遠位側となる位置まで移動させる、請求項14に記載の治療方法。
  16. 前記光照射部材は、前記光照射部材を前記突き当て部材に対して最も遠位側に移動させた状態を表示する表示部を備え、
    前記光照射部材挿入工程では、前記表示部を用いて、前記光照射部材を前記突き当て部材に対して最も遠位側に移動させる、請求項15に記載の治療方法。
  17. 前記膣内挿入デバイスの前記光照射部材は、前記貫通路の中心軸線の周りの周方向の一部の位置に、外部に光を照射可能な光照射部を備え、
    前記光照射部材を前記周方向に回動し、前記光照射部の前記周方向の位置を、前記膣内の光照射の対象部位に位置合わせする、位置合わせ工程を含む、請求項14又は16に記載の治療方法。
  18. 前記突き当て部材は、発光体を挿入可能な挿入路を区画しており、
    前記挿入路に前記発光体を挿入し、前記光照射部を通じて、前記発光体により前記対象部位を光照射する、光照射工程を含む、請求項17に記載の治療方法。
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