JP2023144644A - 防虫装置および繊維製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】消耗品を用いることなく、構造等の制限が少なく、より強力に蚊を排撃することが可能な装置を提供する。【解決手段】蚊などの飛翔性昆虫を排撃するための防虫装置であって、矩形波またはのこぎり波を発生する電源11と、線状の電極12が幅方向に間隔をあけて並列し、前記電極が1本毎に前記電源の反対の極に接続された電極群13とを有する防虫装置10。【選択図】図1

Description

本発明は、蚊などの飛翔性昆虫を排撃する装置に関し、より詳しくは、電界の急激な変化を利用して飛翔性昆虫を排撃する装置に関する。
蚊はデング熱、ジカウイルス感染症、マラリアなど、様々な感染症を媒介することで知られている。蚊を駆除または排撃する方法として、古くから蚊取り線香や殺虫剤が用いられるが、屋外で使用する場合には、風向き等の影響により効果が一定しなかったり、持続しなかったりする欠点があった。また、害虫を紫外線によって引き寄せる殺虫灯は、蚊の種類によって、人が出す二酸化炭素に反応する蚊には効果がないため、人の汗に似せた臭いで蚊を引き寄せて捕獲する装置が実用化されている。しかし、かかる装置を使用するには、臭いを発生させるための誘引剤を定期的に補充する手間がかかった。
特許文献1~5に、静電場スクリーンまたはバリアによって、害虫やカビ胞子や菌体などを帯電させて捕捉する又は忌避させるための静電場発生装置が記載されている。また、特許文献6に、強誘電体薄膜に過渡的な電圧を印加してその表面に生成する非補償電荷により害虫を駆除する方法が記載されている。具体的には、強誘電体薄膜の一方の面の全面を覆う基板電極と、他方の面を部分的に覆う表面電極を備えた装置において、基板電極側から電圧を印加する強誘電体表面に多量の電荷を発生させ、生成するヒドロキシラジカル(・OH)等の活性種によってゴキブリ等の害虫を排撃する。
特開2017-063655号公報 特開2016-220629号公報 特開2016-209783号公報 特開2016-154539号公報 特開2010-279270号公報 特開2002-000164号公報
しかし、本明細書で後述する実験結果からは、特許文献1~5に記載された静電場によって蚊を排撃する効果は大きくないと考えられた。また、特許文献6に記載された方法では、強誘電体薄膜の表面を、害虫を排撃しようとする領域の全体に露出させておく必要があり、装置の構造や設置場所等に制限があった。
本発明は、上記を考慮してなされたものであり、消耗品を用いることなく、構造等の制限が少なく、より強力に蚊などの飛翔性昆虫を排撃することが可能な装置を提供することを課題とする。
上記課題に対して、本発明は、並列する電極間に急激に変化する電圧を印加し、近傍の電界を急激に変化させることによって蚊などの飛翔性昆虫を追い払う。
具体的には、本発明の防虫装置は、飛翔性昆虫を排撃するための防虫装置であって、矩形波またはのこぎり波を発生する電源と、線状の電極が間隔をあけて並列し、前記電極が1本毎に前記電源の反対の極に接続された電極群とを有する。
ここで、矩形波またはのこぎり波はいずれも、連続波であってもパルス波であってもよい。また、電源の反対の極とは、直流の場合はプラス極とマイナス極、交流の場合は接地側と非接地側のことをいう。
上記防虫装置において、好ましくは、前記電源が前記電極に印加するピーク電圧によって隣り合う前記電極間に発生する電界強度が43V/mm以上である。
上記防虫装置において、前記電極群が誘電体シートに挟まれていてもよい。ここで、シートにはフィルムを含む。
あるいは、上記防虫装置において、前記電極が誘電体で覆われた縦線と、誘電体からなり、間隔をあけて並列して前記縦線と公差する横線とがメッシュを構成していてもよい。
本発明の繊維製品は、上記いずれかの防虫装置が組み込まれた繊維製品である。
本発明の防虫装置によれば、隣り合う電極間に矩形波またはのこぎり波の電圧を印加することによって、隣り合う電極間の電界が急激に変化する。この電界の変化を飛翔性昆虫が忌避するので、消耗品を用いることなく、飛翔性昆虫を排撃することができる。
第1実施形態の防虫装置の構成を示す図である。A:平面図。B:AのXX断面図。 A~F:電源が発生する電圧波形の例である。 第2実施形態の防虫装置の構成を示す図である。 実験によって得られた印加電圧と蚊の減少率の関係を示す図である。
図1を参照して、第1実施形態の防虫装置10は、線状の電極12が間隔をあけて、その幅方向に平行に並列した電極群13を、2枚の誘電体シート14で挟んだ積層体15、および電源11を有する。
電極12は、電源11が備える2つの極11a、11bの中、1本毎に反対の極(11aまたは11b)に接続されている。言い換えると、電極群13を構成する電極12は、電源11の一方の極11aに接続された電極12aと、電源11の他方の極11bに接続された電極12bとに分けられ、一方の極11aに接続された電極12aと、他方の極11bに接続された電極12bが交互に並んでいる。
電極12の材質は、導体であれば特に限定されず、例えば銅である。また、電極12が線状であるとは、電極が一方向に延びる形状を有することをいい、線状であることには、ある程度の幅を有する帯状であることを含む。
誘電体シート14の材質は、誘電体であれば特に限定されない。シートとは面状であるものをいい、剛性を有する板や、薄く柔軟性を有するフィルムもシートに含まれる。
誘電体シート14としては、例えば、合成樹脂の板やフィルム、ガラス板、化学繊維または天然繊維からなる布地からなるものを用いることができる。電極群13を合成樹脂板やガラス板で挟むことによって、剛直なまたは可撓性を有するパネル状の積層体15が得られる。電極群13を合成樹脂フィルムや布地で挟むことによって、柔軟なフィルムまたは布状の積層体15が得られる。電極群と誘電体シートを積層するにあたって、接着剤等を用いてもよい。
誘電体シート14は、その一方、あるいは他の手段によって電極同士の間隔を維持できる場合はその両方を省略することができる。誘電体シートを備えないメッシュ型の防虫装置を第2実施形態として後述する。
電源11を作動させて隣り合う電極12a、12bの間に電圧を印加すると、当該電極間に電界が発生する。この電界の電気力線は、電極12a、12b間で最も密度が高いが、誘電体シート14の外側にも漏れ、この電界の急激な変化によって飛翔性昆虫を排撃、すなわち追い払うことができる。なお、以下において、隣り合う電極間に電圧を印加することを、単に「電極に電圧を印加する」ということがある。
電源11は、2つの極11a、11bの間に矩形波またはのこぎり波を発生する。電源11が発生する電圧は、直流であっても交流であってもよい。なお、本明細書において直流電圧とは電圧の方向が時間によって変化しないものをいい、直流の矩形波またはのこぎり波では、電圧の大きさは時間によって周期的に変化する。
電源11は、好ましくは交流電圧を発生する。より大きな排撃効果が得られるからである。例えば蚊の脚の先端には尖った爪があり、降り立った場所の表面にこの爪を引っかけることでその場に踏ん張ることができる。蚊の外骨格や翅はキチン質からなり、高速の羽ばたきによってわずかに帯電しているので、蚊は電界の方向に押される。電極に直流電圧を印加した場合は蚊が一方向に押されるが、交流電圧を印加した場合は、電界の向きが反転することによって蚊が揺さぶられ、その場に踏ん張ることが難しくなる。この排撃効果は、蚊と同様に高速で羽ばたきする他の飛翔性昆虫についても作用する。
図2に電源11が発生する電圧波形の例を示す。図2Aは交流の矩形波で連続波である。図2Bは、直流の矩形波である。図2Bの波形は、図2Aの波形をピーク電圧だけオフセットしたものと同じである。図2Bのように電圧が低い部分が0Vであるときは、その波形は矩形波のパルス波とみなせる。電源11が発生する矩形波は交流であっても直流であってもよいが、好ましくは交流である。
図2CおよびDは交流ののこぎり波である。図2Cでは電圧が徐々に上がった後に急降下している。図2Dでは電圧が急上昇した後に徐々に下がっている。図2Dの波形は逆のこぎり波と呼ばれることもあるが、本明細書では、図2CおよびDの場合を含めてのこぎり波という。のこぎり波も、矩形波と同様に、交流であっても直流であってもよく、好ましくは交流である。
また、電源11が発生する矩形波またはのこぎり波はいずれも、その波形が連続して繰り返される連続波であっても、断続して繰り返されるパルス波であってもよい。図2Eは交流の矩形波でパルス波であり、図2Fは直流の矩形波でパルス波である。図2Aと図2Eはいずれも交流の矩形波でパルス波であるが、図2Aではパルス幅とパルス間隔が等しいのに対して、図2Eではパルス幅が狭く、電圧が急激に上昇した後、ごく短い継続時間で、電圧がまた急激に降下している。
電源11が電極12に印加するピーク電圧をVp、隣り合う電極12a、12bの間隔をdとすると、電極間に発生する電界強度は最大でVp/dとなる。後述する実験結果から、この最大電界強度Vp/dは、好ましくは43V/mm以上、より好ましくは143V/mm以上、さらに好ましくは229V/mm以上である。一方、ピーク電圧Vpは好ましくは141V以下、より好ましくは24V以下とする。ピーク電圧が大きすぎると、電極間の短絡を防止する構造などのために、防虫装置の製造コストが大きくなるからである。
電源11が発生する電圧の周波数は、好ましくは0.1Hz以上、より好ましくは1Hz以上である。ある程度の頻度で電界を変化させることで、防虫効果を持続できるからである。一方、電源11が発生する電圧の周波数は、好ましくは200Hz以下、より好ましく60Hz以下である。周波数が低いほど回路製作コストが低くなり、また、国内の主要な交流の周波数が60Hzまたは50Hzであることから、周波数を60Hz以下にすることで回路製作コストをより低くできるからである。
電源11が発生する矩形波、のこぎり波の立ち上がり時間または立ち下がり時間は、好ましくは10ms以下、より好ましくは1ms以下である。電界の変化を急峻にするためである。一方、立ち上がり時間および立ち下がり時間の下限値は特に限定されず、通常は、アンプのスルーレートなど、装置の特性によって定まる。
電源11の容量は、防虫装置の大きさなどに応じて決定できる。本実施形態の防虫装置10では、電極12間に電流が流れることがないので、電源11の容量は小さくてよい。
本実施形態の防虫装置10を使用するときは、飛翔性昆虫を排撃したい場所に積層体15を配置し、電源11を作動させて電極12に電圧を印加する。隣り合う電極12a、12b間に発生する電界の電気力線は、電極12a、12b間で最も密度が高いが、誘電体シート14の外側にも漏れ、この電界の急激な変化によって蚊などの飛翔性昆虫を排撃、すなわち追い払うことができる。
本実施形態の防虫装置の用途の一例として、防虫装置10を蚊取り機能付き空気清浄機に組み込むことができる。蚊取り機能付き空気清浄機は、空気清浄機の吸引力によって、吸引口に近づいた蚊を吸引して捕獲、駆除する。しかし、吸引口周辺の筐体表面に踏ん張ることで吸引されなかった蚊は、空気清浄機の電源が切れると、再び飛び立って逃げることがあった。本実施形態の防虫装置を吸引口周辺の筐体に組み込むことによって、吸引口周辺に踏ん張って留まろうとした蚊を筐体表面から離脱させて、容易に吸引することができる。
用途の他の例として、誘電体シート14として透明な合成樹脂板やガラス板を用いたパネル状の積層体15を建築物の窓に利用することができる。あるいは、誘電体シート14として透明な合成樹脂フィルムを用いたフィルム状の積層体を2枚のガラス板で挟んだ合わせガラスを、建築物の窓に利用することができる。
用途の他の例として、防虫装置10を被服に組み込むことができる。誘電体シート14として布地を用いた布状の積層体15を縫製することによって、あるいは衣服等の表面に縫い付けたり貼付したりすることによって、屋外で着用する作業服やキャンプ等の野外活動時に着用する各種被服に防虫機能を付与することができる。なお、前述のとおり、防虫装置の電源は容量が小さくてよいので、高電圧のパルス電源等の小型の電源を衣服に組み込むことも可能である。
図3を参照して、第2実施形態の防虫装置は20、メッシュ21および電源11を有する。メッシュ21は、線状の電極12が誘電体で覆われた縦線22が間隔をあけて、その幅方向に平行に並列した電極群13と、間隔をあけて並列して前記縦線と公差し、誘電体からなる横線23とによって構成される。電極12および電源11については、第1実施形態と同じである。
縦線22および横線23は各交点で接着することが好ましい。電極12を誘電体でコーティングする理由は、何らかの導体が接触して電極間を短絡するのを防止するためである。
本実施形態の防虫装置20を使用するときは、飛翔性昆虫を排撃したい場所にメッシュ21を配置し、電源11を作動させて電極12に電圧を印加する。防虫装置20は、その通気性をいかして、種々の用途に使用することができる。
本実施形態の防虫装置の用途の一例として、縦線22および横線23の両端を図示しない枠で支持し、縦線および横線に張力をかけた状態にすることで、住宅等の網戸に利用できる。網戸によって蚊の侵入を防止するには、線の間隔を詰めて、目開きの小さなスクリーンを用いる必要がある。その結果、スクリーンを通過する空気の圧力損失が大きくなり、網戸の風通しが悪くなる。本実施形態の防虫装置によれば、目開きを大きくして、蚊の侵入を防止しながら、風通しのよいスクリーンを実現できる。モデル計算によると、線の直径が1mmの場合、目開きを1.5mm×1.5mmから5mm×5mmに拡げることで、1m/sの気流に対する圧力損失を27Paから0.6Paまで低下できる。
用途の他の例として、蚊帳、ベビーカー等の虫よけネット、食品や食器乾燥用の干しカゴが挙げられる。また、用途の他の例として、野外活動時等に着用する虫よけ機能付きメッシュパーカー、帽子に装着して頭部を覆う虫よけネットなどの各種被服が挙げられる。
図1に示した防虫装置を用いて、実験を行った。電極として幅10mm、長さ280mm、厚さ0.3mmの帯状の銅箔を5本用い、これを幅方向に35mmの間隔を空けて平行に並列させて、大きさ300mm×225mm、厚さ2mmのアクリル板2枚で挟み、片側のアクリル板の表面に蚊が好む黒い紙を貼付して積層体を作製した。電源にはファンクションジェネレータとアンプを接続して用い、ファンクションジェネレータで種々の波形および周波数の電圧信号を発生し、アンプで増幅した。電極を1本毎にアンプ出力の反対の極に接続した。
350×350×350mmの大きさの透明な箱の内部に、黒い紙を上にして積層体を置き、約100匹のヒトスジシマカ雌の蚊を閉じ込めた。約5分間待って多くの蚊が積層体上に止まった状態で、電源を作動させ、蚊の動きをビデオで撮影した。
表1に実験条件および結果を示す。
Figure 2023144644000002
表1において、実施例1~9および実施例11では、図2Aに示した交流の矩形の連続波を電極に印加した。実施例10では、図2Eに示した交流の矩形のパルス波を電極に印加した。パルスの立ち上がり時間は約14μsで、パルス幅は約2msであった。実施例12は実施例11の矩形波をピーク電圧(3kV)だけオフセットさせて、図2Bに示した直流の矩形のパルス波としたものである。実施例13は、実施例11の矩形波を実施例12と逆向きに-3kVオだけフセットさせたものである。比較例1では、直流の一定電圧を電極に印加した。比較例2では、交流の正弦波を電極に印加した。なお、表1中の「電圧振幅」はピークトゥピーク電圧、「最大電界強度」は、ピーク電圧Vpを電極間隔の35mmで除した値である。
表1において、蚊の数の中「作動前」と「作動後」は、それぞれ電源作動前および作動後に黒い紙の上に止まっていた蚊を数えたものである。「減少率」は、電源作動前の蚊の数から、作動後の蚊の数への減少率である。この減少率が大きいほど蚊の排撃効果が大きいことを意味している。図4に、ピーク電圧Vpと蚊の減少率の関係を示した。
表1および図4を参照して、印加する電圧の波形について、交流の連続波でピーク電圧が5kVである実施例1~4(矩形波)と比較例2(正弦波)を比較すると、矩形波の方が正弦波より減少率が大きく、また両者の減少率の差は極めて大きかった。このことから、電圧の急峻な変化による電界の急激な変化が蚊を排撃するために有効であることが分かった。
直流と交流の効果の違いについて、直流で一定の電圧(10kV)を印加した比較例1と、ピーク電圧が同じ10kVで交流の矩形波を印加した実施例4、5を比較すると、実施例4、5の方が蚊の減少率が大きかった。比較例1でも、電源作動時に紙上の蚊が多数飛び立ったが、これは、電圧を印加した瞬間の電界の変化によって蚊が飛び立ったものと考えられる。また、電圧を印加した瞬間に蚊を排撃する効果が最も大きいことから、直流で一定の電圧を印加し続けても蚊を排撃する効果は大きくないものと考えられる。
さらに、実施例11~13の結果からも、直流電圧よりも交流電圧を印加する方が大きな効果が得られることが明らかになった。実施例11~13は、いずれも矩形波で、電圧の振幅は6kVである。ピーク電圧は実施例11(交流)が±3kVで、実施例12、13(直流)はそれぞれ+6kV、-6kVである。つまり、直流での実験の方がピーク電圧が大きく、最大電界強度も大きいが、蚊の減少率は交流の実施例11の方が大きかった。このことから、直流より交流の方が蚊の排撃効果が大きいことが確認できた。この理由は、前述のとおり、電界の向きが反転することによって蚊が揺さぶられ、その場に踏ん張ることが難しくなるためと考えられる。
交流電圧での実験において、矩形の連続波である実施例1~9の比較から、ピーク電圧が高く、最大電界強度が高いほど蚊の減少率が大きかった。図4からは、ピーク電圧が約8kV(最大電界強度が約229V/mm)以上で、100%近い蚊の減少率が得られると考えられる。この結果から、ピーク電圧時に発生する電界強度は、好ましくは43V/mm以上、より好ましくは143V/mm以上、さらに好ましくは229V/mm以上とするのがよいことが分かった。
周波数の影響について、他の条件が同じで周波数だけが異なる実施例1~4、実施例5~6、実施例7~9の結果を比較すると、周波数の影響は明確でなかった。
矩形波のパルスの幅の影響について、電圧の継続時間の短いパルスを印加した実施例10では、同じく交流でピーク電圧が5kVの実施例1~4より蚊の減少率が大きかった。しかし、その差はわずかで、この実験結果だけからパルス幅の影響を明確に判断することはできなかった。
なお、上記と同じ装置を用いて、チャバネゴキブリについても同様の実験を行ったが、電源を作動させてもゴキブリの行動に変化は見られず、ゴキブリを排撃する効果は認められなかった。
本発明は、上記の実施形態や実施例に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
本発明の防虫装置は、各種の蚊をはじめ、タマバエ、ハモグリバエ、チョウバエ、ノミバエ、ショウジョウバエなどの飛翔性の小型昆虫の排撃に用いることができる。
10 防虫装置
11 電源
11a、11b 電源の極
12、12a、12b 電極
13 電極群
14 誘電体シート
15 積層体
20 防虫装置
21 メッシュ
22 縦線
23 横線

Claims (5)

  1. 矩形波またはのこぎり波を発生する電源と、
    線状の電極が間隔をあけて並列し、前記電極が1本毎に前記電源の反対の極に接続された電極群と、
    を有する防虫装置。
  2. 前記電源が前記電極に印加するピーク電圧によって隣り合う前記電極間に発生する電界強度が43V/mm以上である、
    請求項1に記載の防虫装置。
  3. 前記電極群が誘電体シートに挟まれている、
    請求項1または2に記載の防虫装置。
  4. 前記電極が誘電体で覆われた縦線と、
    誘電体からなり、間隔をあけて並列して前記縦線と公差する横線とがメッシュを構成している、
    請求項1または2に記載の防虫装置。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の防虫装置が組み込まれた繊維製品。
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