JP2023144186A - 被分散材の材料供給方法及び材料供給装置 - Google Patents

被分散材の材料供給方法及び材料供給装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、短繊維、樹脂粉体、短冊形状の樹脂補強テープ材などの被分散材を、所定の分散領域に多数、均一に分散させるための被分散材の材料供給方法及び材料供給装置について提供することを目的とする。【解決手段】多数の被分散材1を所定の分散領域Bに均一に分散するように供給する材料供給方法及び材料供給装置であって、前記被分散材が通過しない多数の吸気口が形成された担持体21の担持面を覆うように前記被分散材を配置し、前記担持面とは反対側から吸気して前記吸気口に前記被分散材を吸着させ、前記被分散材を吸着させた状態で前記担持体を移動させ、前記被分散材を前記担持面から離脱させて前記分散領域に分散させる方法及び装置。【選択図】図1

Description

本発明は、短繊維、樹脂粉体、短冊形状の樹脂補強テープ材などの被分散材を、所定の分散領域に多数、均一に分散して散布するための、被分散材の材料供給方法及び材料供給装置に関する。
熱可塑性樹脂材料または熱硬化性樹脂材料をマトリックスとした繊維強化複合材料において、炭素繊維やガラス繊維などの強化繊維を短く切断したカットファイバーを樹脂中に分散させたシート基材を用いて複合材料成形品に製造する方法(SMC成形;シートモールディングコンパウンド成形)、カットファイバーに熱可塑性樹脂粉体を分散させながら型内に投入し加熱加圧成型法にて複合材料成形品に製造する方法、そして、強化繊維束中に樹脂を含浸又は半含侵させた樹脂補強シート材をスリット加工して短冊形状(例えば、幅5mm×長さ20mm)の樹脂補強テープ材を作成後、樹脂補強テープ材を分散させて散布し加熱加圧成型法にて複合材料成形品を製造する方法などがある。
いずれの製造方法においても、短繊維、樹脂粉体、短冊形状の樹脂補強テープ材などの被分散材を分散させたい領域に均一に分散させる工程が重要になる。SMC成形用シート基材の製造装置では、例えば、特許文献1に、樹脂粉体の分散装置では、例えば、特許文献2、特許文献3に、そして、繊維の分散装置では、例えば、特許文献4に提案されている。
特許文献1では、カッティング装置にて、ロービングを連続してカットし、キャリアシート上に落下させる方法及び装置が記載されている。幅方向にロービングを等間隔で引き揃えて並べて供給し連続してカッティングを行えば、キャリアシート上の分散させたい領域にカッティングされたロービングが均一に分散し落下することになる。
特許文献2では、粉体貯留槽の下部に配設した散布ローラを回転させ、散布ローラに付着した粉体を散布する装置が記載されている。そして、特許文献3では、散布ローラに付着するブラシローラによって粉体を落下させる装置が記載されている。分散させたい領域の幅方向において、同等長さ以上の散布ローラを用意することで、分散させたい領域の幅方向には粉体を分散させることが可能となる。
特許文献4では、円筒状容器内に複数種の繊維群を空気流れとともに投入し、円筒状容器内の強い空気流れにより各繊維群を混合し均一に分散した後、円筒状容器の繊維吸引口を通して、内側に吸引装置を配した移動捕集ネット上に吸引して繊維を集積する装置が記載されている。
特開2018-126975号公報 特開2004-58018号公報 特開2012-228639号公報 特開平8-134760
特許文献1に述べられている、幅方向にロービングを等間隔で引き揃えて並べて供給し連続してカッティングを行い、キャリアシート上に落下させる方法及び装置では、連続したロービングや繊維束などの場合に適用できるが、あらかじめカッティングされた繊維、粉体、短冊形状の樹脂補強テープ材等を用いて実施することはできない。
特許文献2及び3に述べられている、粉体貯留槽の下部に配設した散布ローラを回転させ、散布ローラに付着した粉体を散布する装置では、散布ローラに付着する樹脂粉体の量が安定しない課題がある。つまり、樹脂粉体の付着は散布ローラの全面に均一に付着する状態にはならず、付着がまばらになる課題がある。このような状態では、材料である粉体を均一に分散させることができない。
特許文献4では、複数種の繊維を均一に混繊させることを目的にしており、円筒状容器内の強い空気の流れの中で各繊維群が混合され均一に分散されるようになっている。そして、この流れ場にある繊維を円筒状容器の繊維吸引口を通して移動捕集ネット上に吸引して繊維を集積する装置になっている。強い流れ場になっていることから各繊維は高速で移動しており、吸引する力によって移動捕集ネット上に繊維を集積させる際、移動捕集ネット上の所定領域面に繊維を均一に分散させて全体的に集積することは難しい。部分的に集積したり、一度集積した繊維がまた強い流れに沿って内周面を移動したりする現象が起きやすい。つまり、移動捕集ネット上の所定領域面において繊維が均一に分散していない課題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、短繊維、樹脂粉体、短冊形状の樹脂補強テープ材などの被分散材を、所定の分散領域に多数、均一に分散させるための被分散材の材料供給方法及び材料供給装置について提供することを目的とする。
本発明に係る被分散材の材料供給方法は、多数の被分散材を所定の分散領域に均一に分散するように供給する材料供給方法であって、前記被分散材が通過しない多数の吸気口が形成された担持体の担持面を覆うように前記被分散材を配置し、前記担持面とは反対側から吸気して前記吸気口に前記被分散材を吸着させ、前記被分散材を吸着させた状態で前記担持体を移動させ、前記被分散材を前記担持面から離脱させて前記分散領域に分散させる。さらに、前記被分散材は、前記担持面との間に隙間を空けて配置される開口調整部材が形成された貯留部内に貯留され、前記担持面に吸着された状態で前記隙間を通過して前記担持面に配置される。さらに、前記貯留部内に貯留された前記被分散材を滞留させないように撹拌する。さらに、前記担持体の移動中に前記担持面に吸着されていない被分散材を回収する。さらに、前記担持面は、所定の範囲内において吸気が行われる。さらに、前記担持面から離脱させた前記被分散材は、前記分散領域に対して相対移動する搬送体の上面に積み重なってシート状となるように分散する。さらに、前記担持面から離脱させた前記被分散材は、前記分散領域に対して相対移動する型体の上面に沿って積み重なるように分散する。さらに、前記担持面から離脱させた前記被分散材は、前記分散領域に対応して配置された拡散部材の上面に分散して、前記拡散部材の動作により前記分散領域よりも広い領域に拡散させる。
本発明に係る被分散材の材料供給装置は、多数の被分散材を所定の分散領域に均一に分散するように供給する材料供給装置であって、前記被分散材が通過しない多数の吸気口が形成された担持体を有するとともに前記被分散材を担持体に担持して移動させる移動部と、前記被分散材を貯留するとともに前記担持体の担持面に前記被分散材を覆うように配置する貯留部と、前記担持体の所定範囲の前記吸気口から空気を吸引して配置された前記被分散材を前記担持面に吸着させる吸引部とを備えている。さらに、前記貯留部は、前記担持面との間に隙間を空けて配置される開口調整部材を備えており、前記吸引部は、前記貯留部内に貯留された前記被分散材を前記担持面に吸着させて前記隙間を通過させ前記担持面に配置する。さらに、前記貯留部は、前記被分散材をばらけた状態にするブロッキング防止部材を備えている。さらに、前記被分散材を前記担持面から離脱させる離脱部を備えている。さらに、前記離脱部は、前記担持面に配置された前記被分散材に接触して離脱させるブラシロールを備えている。さらに、前記離脱部は、前記担持面の表面から排出される気流により前記被分散材を離脱させる空気排出部を備えている。さらに、前記担持体は、前記吸気口が形成された中空円筒状の通気ロールを備えている。さらに、前記吸引部は、前記通気ロールの内部に配置されるとともに前記担持体の所定範囲に対応して吸引口が形成された吸引ロールを備えている。さらに、前記担持面に吸着されない前記被分散材を回収する回収部を備えている。
本発明は、短繊維、樹脂粉体、短冊形状の樹脂補強テープ材などの被分散材を、多数の吸気口が形成された担持体の担持面に覆うように配置し、前記担持面に吸着させた状態で移動させた後、前記担持面から離脱させ所定の分散領域に分散するようにしているので、多数の前記被分散材を前記分散領域に均一に分散して散布することができる。
本発明に係る被分散材の材料供給装置における側面からみた概略図である。 貯留部における担持面と開口調整部材の位置関係における説明図である。 図1に示す材料供給装置の貯留部における説明図である。 本発明に係る別の被分散材の材料供給装置における正面からみた概略図である。 図4に示す材料供給装置における概略断面図である。 図4に示す材料供給装置の移動部における説明図である。 図4に示す材料供給装置の吸引部における説明図である。 図4に示す材料供給装置の空気吸引と空気排出における説明図である。 図4に示す材料供給装置に回収部を配置した側面からみた概略図である。 図1に示す材料供給装置に型体を配置し、被分散材を型体に分散させている側面からみた概略図である。 図1に示す材料供給装置に拡散部材を配置し、被分散材を拡散部材によって型体に分散させている側面からみた概略図である。
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る被分散材1の材料供給装置における側面からみた概略図を示している。この例では、材料供給装置として、移動部2、貯留部3、吸引部4、離脱部5そして回収部6にて構成されている。移動部2は、ある長さ離れて対を成すプーリー22に無端状の担持体21が巻き掛けられた構成となっている。対を成すプーリー22の一方に、図示されない駆動モーターを接続し、駆動モーターを回転させることで、プーリーを介して担持体21に動力が伝わり、担持体21が一方向に移動する。
被分散材1として、短繊維、樹脂粉体、短冊形状の樹脂補強テープ材などがあげられる。被分散材1として用いられる短繊維とは、炭素繊維、ガラス繊維などの強化繊維、またはポリプロピレン繊維、ポリアミド6繊維、ポリアミド66繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維などの熱可塑性樹脂繊維を長さ数mm~数十mmにカットした長さの短い繊維である。短繊維を分散させる場合、長さとしては1mm~10mm程度までが望ましい。繊維が長くなると繊維同士が絡み合い、均一に分散して散布することが難しくなる。なお、繊維が数本~数万本まで集束した状態の繊維束を短くカットしたものも短繊維として取り扱われる。繊維束であればカット長さが長くなっても繊維同士の絡み合いを防止できる。繊維束の場合、カット長さは5mm~50mm程度までが望ましい。
被分散材1として用いられる樹脂粉体とは、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12など)、ポリカーボネート、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂、またはこれらの熱可塑性樹脂を2種類以上混合したポリマーアロイ樹脂などを細かくした粉状のものである。粒径としては数μm~数百μmまでいろいろな粒径を用いることができる。なお、被分散材としてこれらの樹脂粉体を用いる場合、1種類の樹脂粉体を用いてもよいし、数種類を混ぜて用いることもできる。
被分散材1として用いられる短冊形状の樹脂補強テープ材とは、炭素繊維、ガラス繊維などの強化繊維を補強材としてポリアミド6樹脂などの熱可塑性樹脂、またはエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含侵または半含侵させたプリプレグシート材を幅数mm~数十mm、長さ数mm~数十mmに短冊状にカットしたテープ状の材料である。均一に分散させることから、形状は、幅5mm~50mm、長さ5mm~50mm、厚さ20μm~200μmの範囲にあるものが望ましい。
なお、被分散材1として、短繊維、樹脂粉体、短冊形状の樹脂補強テープ材などを1種類用いてもよいし、これらを2種類以上、例えば、短繊維と樹脂粉体、または短冊形状の樹脂補強テープ材と樹脂粉体とした組み合わせを混ぜて用いてもよい。
図1の材料供給装置では、担持体21は無端状のベルトからなっており、被分散材1が通過しない大きさの吸気口が多数設けられている。このような担持体として、吸気口となる貫通した部分が多数設けられているシート材料をつなぎ合わせ無端状にしたもの(例えば、メッシュベルトなど)がある。なお、吸気口は、使用する被分散材1が通り抜けない大きさに設定され、ベルト全面に点在していることが望ましい。
図1の材料供給装置では、対になっているプーリー22の間に吸引部4となる吸引風洞管41が配置されている。吸引風洞管41は図示されない空気吸引装置に接続しており、吸引風洞管41の開口部分から空気が吸引される構造になっている。そして、吸引風洞管41の開口部分は担持体21に接触しており、吸引風洞管41に空気が吸引される際、担持体21の吸引風洞管41の開口部分と接触している面とは反対側面から吸気口を通って空気が吸引され、被分散材1を吸引し吸着する仕組みになっている。ここで、担持体21において被分散材が吸着する面が担持面となる。なお、空気吸引装置の空気を吸い込む量は制御されることが望ましく、担持面に被分散材1が吸着される度合いにより空気の吸い込み量を制御すると良い。
本実施形態では、貯留部3を形成する開口調整部材31と貯留用壁部材32を用いて囲むこととで材料貯留領域Aを担持面上に設定する。そして、材料貯留領域Aにより、被分散材1が担持面を覆うように配置することができる。図2に示すように、担持面と開口調整部材31の間には隙間Cが設定され、そして図3に示すように、貯留用壁部材32は担持面の両内側で、開口調整部材31と接触するようにして設定されている。
図2に示す隙間Cは、被分散材1の大きさ、分散領域Bに分散させたい被分散材1の量などにより設定される。そして、開口調整部材31を担持面と平行に設定し、隙間Cの開口量が一定であるようにすることで、担持面上に被分散材1をより均一に分散させた状態で配置し担持体21を移動させることができ、分散領域Bに分散される被分散材1の量を均一にすることができる。
図3に示す担持面の両内側に設定される貯留用壁部材32の位置は、分散領域Bの範囲によって設定される。なお、担持体21の移動中に、貯留用壁部材32を担持面上で担持体21の移動方向と直交する方向に移動させると、被分散材1の分散される領域を変化させることもできる。
材料貯留領域Aに被分散材1を貯留するが、被分散材1が、例えば、微粘着性がある、繊維が毛羽立っているなどの状態によっては被分散材1同士が引っ付き合うなどして、材料貯留領域Aにて複数の被分散材1がブロック状に固まってしまうことがある。このような状態になると、被分散材1が均一に担持面上に分散し連続して隙間Cを通過することが難しくなる。よって、材料貯留領域Aにおいて、被分散材1がお互いに引っ付き合うなどして固まることを防止するブロッキング防止部材33を設置し、稼働させ、被分散材1を材料貯留領域Aにおいてばらけた状態にすることが望ましい。
ブロッキング防止部材33として、例えば、ロールの外周面に多数の植毛穴を形成しそれぞれの植毛穴に樹脂製又は金属製の毛材を植え込むことによって作られたブラシロールなどを採用することができる。そして、前記ブラシロールを材料貯留領域Aの内部に設置し、図示しないモーターなどの駆動装置と連結させて回転させることで、複数の被分散材1をばらけた状態にし、お互いに引っ付き合うなどして固まることを防止できる。なお、ブロッキング防止部材33は、被分散材1が隙間Cから連続してスムーズに通過するためにも、担持体21と開口調整部材31の近くに設置することが望ましい。
担持面に被分散材1が吸着された状態で担持体21を移動させ、開口調整部材31と担持面との間に形成された隙間Cを通過することで、担持面上に被分散材1をより均一に分散させた状態で配置し担持体21を移動させることができる。隙間Cを狭く設定することで、担持面上に不均一に被分散材1が配置されることを防止できる。このとき、被分散材1が担持面上に吸着されていなければ、狭くなった隙間Cを通過する際、被分散材1同士が干渉して担持面上の被分散材1の配置を不均一にする可能性がある。しかし、担持面に被分散材1が吸着することで、被分散材1同士の干渉による作用があっても吸着された被分散材1は担持面上に固定し、均一な分散状態を維持して隙間Cを通過できる。
図1の材料供給装置では、担持面に被分散材1を配置した状態で担持体21が移動し、プーリー22によって担持体21が転回する。担持体21が転回する際、担持面に空気の吸引作用が働いていなければ、被分散材1は担持面に吸着されていない状態になり担持体21の担持面から離脱しやすい状態になる。そして、担持体21の転回移動とともに、被分散材1は重力の作用を受け担持面から離脱する。
被分散材1を担持面から確実に離脱させるためには離脱部を配置することが望ましい。図1の実施形態における材料供給装置では、離脱部5として回転体のブラシロール51を配置している。回転体のブラシロール51をブラシ毛先が担持面に接触する程度で配置し、前記ブラシ毛先が担持体21の移動方向と同方向になるようブラシロール51を回転させると、被分散材1を担持面から積極的に離脱させることができる。
図1では、材料供給装置の下側に搬送体81を配置し、図示されない駆動系によって、移動させている。搬送体81としては、金属シート、金属ベルト、樹脂シート、樹脂ベルト、離型紙などがある。
搬送体81の上に分散領域Bが設定される。そして、本発明では、分散領域Bは細長形状に設定される。細長形状の長手方向は搬送体81の移動方向と直交する方向に設定される。細長形状の長手方向の長さに合わせ、多数の被分散材1が担持面に吸着されている領域における担持面幅方向の長さが設定される。つまり、前記長さは、対となる貯留用壁部材32の担持面幅方向の間隔長さを調整することで設定できる。ここで、担持面幅方向とは担持体21の移動方向と直交する方向のことである。なお、被分散材1は担持面から離脱し落下する間に拡がりを生じるため、その拡がりを考慮し対となる貯留用壁部材32の間隔長さを調整することが必要になる。
分散領域Bの短手方向の長さは、被分散材1が担持面から離脱し落下する間の拡がり度合いで調整される。被分散材1の担持面からの落下高さが高くなるほど被分散材1の拡がり度合いは大きくなるが、拡がりの外側になるほど被分散材1の散布量が少なくなり均一な分散が損なわれてしまう。よって、分散領域Bの短手方向の長さは被分散材1が均一な分散になっている範囲の中で設定されることが望ましい。
被分散材1は、担持面から離脱し搬送体81に落下する間に、搬送体81の移動方向及び移動方向と直交する方向に拡がろうとするが、被分散材1が担持面から離脱するポイントから搬送体81の間に、拡散を防止する板状の防止壁(図示されない)を設け、被分散材1の拡がりを防止することも可能である。
図1の実施形態では、搬送体81が一方向に移動している上に分散領域Bが設定され、被分散材1が散布されている。担持面上に被分散材1を均一に分散させて配置させた担持体21及び搬送体81をそれぞれ一定の速度で移動させることで、搬送体81の上には、被分散材1が均一に分散した一定幅の連続したシートを製造することができる。なお、担持体21の速度を速くする、または、搬送体81の速度を遅くすることで、搬送体81の上に積み重なる被分散材1の量を多くし単位面積あたりの重量を重くしたシートを製造できる。
被分散材1の分散状態を評価する方法として、被分散材1が散布された領域からサンプルを取り出し、重量を図る方法がある。図1の実施形態では、搬送体81に散布されたシート状の被分散材1に対し、幅方向(この場合は搬送体81の移動方向)と直交する方向に等分割し、そして、長さ方向(この場合は搬送体81の移動方向)にある一定長さ、例えば、幅方向の分割長さと同等長さにして各サンプルを分割して取り出す。そして、取り出したサンプルの重量を測定し、各サンプルの重量が一定の範囲にあれば被分散材1は均一に分散されていると評価できる。なお、幅方向の分割数は、シート幅によって適切な分割数を選定すればよい。例えば、シート幅300mm前後であれば3~6分割程度、シート幅500mm前後であれば5~10分割程度、シート幅1000mm程度であれば10~20分割程度が望ましい。
被分散材1を均一に分散させたシートの使用用途にもよるが、分割された各サンプルの重量が各サンプルの重量から導かれる平均重量に対し、±20パーセント以内であれば均一な分散として望ましい。さらには、±10パーセント以内であればより均一な分散として望ましい。
図1の実施形態では材料供給装置に回収部6が備えられている。回収部6として、担持面に吸着されていない被分散材1を回収する回収手段61が設定されている。図1の実施形態では、担持体21が移動して担持面に被分散材1を吸着させながら貯留部3の開口調整部材31を通過した後、担持面に吸着されない被分散材1を吸い込んで回収する吸い込み型回収手段611が設定されている。なお、担持体21が回収部6を通過する際、担持面に被分散材1を吸着させた状態にして、担持面に吸着されない被分散材1を吸い込んで回収する。
材料貯留領域Aを移動する担持体21は、担持面に吸着された被分散材1の上部に被分散材1が積載された状態にあり、担持体21が開口調整部材31を通過するとき、担持面と開口調整部材31により形成される隙間によって、積載される被分散材1の量が調整される。隙間が狭いほど、積載される被分散材1の量は少なくなる。
担持面と開口調整部材31によって形成される隙間を担持体21が通過することによって、担持面を覆う被分散材1は全面、ほぼ均一な量が積載される。しかし、担持面に吸着された被分散材1の上部に積載された被分散材1を回収し、担持面には吸着された被分散材1のみとすれば、より均一な量の被分散材1を担持面に配置することができる。
図4及び図5は、本発明の別の実施形態おける材料供給装置の正面からみた概略図と、図4のX-X′における概略断面図を示している。この例では、材料供給装置として、移動部2、貯留部3、吸引部4そして離脱部5にて構成されている。そして、移動部2として、担持体21が円筒形状をした構造となっている。
当該実施形態における移動部2について、図6を用いて説明する。当該実施形態では、移動部2を構成する担持体21は中空円筒状をしており、被分散材1が通過しない多数の吸気口が設けられた構造の通気ロールになっている。このような担持体として、例えば、アルミや鉄材料による中空ロールであって、外筒部分には被分散材が通過しない大きさの通し穴が多数、設けられたものがある。また、別の担持体として、多孔質セラミック材料による中空ロールを用いることができる。多孔質セラミック材料とは、セラミックの粉体を緻密化しない融点前後の温度で焼成して気孔を残したり、含有させておいた造孔材を後から何らかの方法で除去したりすることにより、内部に気孔を形成した材料のことである。多数の気孔が連続しつながることで、空気が通り抜ける吸気口が形成される。気孔の大きさは調整でき、本発明では被分散材が通過しない大きさに調整される。
当該実施形態における移動部2は、通気ロールである担持体21と、担持体21を支持する軸部23、担持体21を回転させるためのモーター24、モーター24の回転駆動を伝達するプーリー25、26及び駆動伝達ベルト27、そして担持体21をスムーズに回転させるボールベアリング28などから構成されている。なお、軸部23は、担持体21の両端に隙間ない状態で取り付けられる側板231と、その側板231の中央を貫通するようにして取り付けられる円筒形状の軸芯232から構成される。
そして、担持体21の内部には、吸引部4を構成する吸引ロール42が配置されている。吸引部4について図7に示す。吸引部4は、アルミ、鉄または樹脂などのいずれかの材料を用いた中空円筒の形状で、かつ当該円筒の一部がくり抜かれた構造になっている吸引ロール42と、吸引ロール42を支持する軸部43から構成されている。吸引ロール42において、その円筒の一部がくり抜かれているが、このくり抜かれた部分は中空円筒状の担持体21において空気を吸引したい部分と対応している吸引口である。軸部43は、吸引ロール42の両端に隙間ない状態で取り付けられる側板431と、その側板431の中央を貫通するようにして取り付けられる円筒形状の軸芯432から構成される。
吸引部4の軸芯432の端部は、図示されない空気吸引ホースによって図示されない空気吸引ポンプと接続される。そして、空気吸引ポンプを作動させることにより、吸引ロール42の中空内部は空気が吸引され、そして吸引ロール42の内部は空気吸引領域Dとなる。吸引ロール42の両側に軸芯432はあるが、両側から空気を吸引しても良いし、片側は閉じてもう一方の片側から空気を吸引してもよい。空気吸引領域D内の圧力が大気圧よりも下がることで、吸引口と対応した担持面からは空気吸引の流れが生じる。
移動部2と吸引部4の配置について図6を用いて説明する。移動部2の担持体21は吸引部4の吸引ロール42の外側に配置される。そして、吸引ロール42の外周面が中空円筒状の担持体21の内周面に接するようにして、もしくは微小な隙間が設けられるようにして吸引ロール42と担持体21を配置することで、吸引ロール42の外筒部分のくり抜かれた部分(吸引口)から空気が吸引されると、その部分と対応する担持体21の担持面から空気が吸引されるようになる。
吸引ロール42を支持する両側の軸芯432が、それぞれ支持体71、72によって固定される。そして、担持体21を支持する両側の軸芯232の内周面が軸芯432の外周面とボールベアリング28を介してそれぞれ配置されることにより、担持体21は固定された吸引ロール42の外側を回転することが可能となる。
担持体21の回転はモーター24によって制御される。支持体72に取り付けたモーター24のモーター軸にプーリー25を、担持体21の軸芯231にプーリー26を取り付け、プーリー25と26を駆動伝達ベルト27によって連結する。このような機構にすることで、モーター24の回転速度を制御することで、担持体21の回転速度も制御できる。
当該実施形態における材料供給装置の稼働について、図4及び図5を用いて説明する。通気ロールである担持体21の上部には、開口調整部材31、担持体21の長手方向で対となって配置される貯留用壁部材(図示されない)、そして貯留用止め部材34によって材料貯留領域Aを形成し、被分散材1が投入される。
貯留用壁部材の配置位置は、図1の実施形態と同様、分散領域の長手方向の長さによって調整される。そして、貯留用止め部材34は、開口調整部材31と対面する側に配置され、被分散材1が材料貯留領域Aに留まるようにするために配置される。
材料貯留領域A内には、ブラシロール型のブロッキング防止部材33が配置され回転稼働することで、被分散材1をばらけた状態にして材料貯留領域A内に留まる状態にしている。
通気ロールである担持体21は一定の速度で一方向に回転移動するが、材料貯留領域A内から被分散材1を離脱するポイントまでの範囲は、吸引ロール42の吸引口から空気を吸引することにより、担持体21の担持面に被分散材1を吸着させる。なお、開口調整部材31と担持面との間には隙間が形成されており、前記隙間を通過することで、担持面上に被分散材1がより均一に分散された状態となって吸着し担持体21は回転移動する。
担持体21から被分散材1を離脱させたい位置に、離脱部5が配置される。担持体21から被分散材1を離脱させる方法として、まず、担持面からの空気吸引を止める方法がある。担持面からの空気吸引が作用しなくなると被分散材1は担持面から離脱し易くなり、その位置が通気ロールである担持体21の下部である場合、重力の作用で被分散材1が担持体21から離脱し下方に落下する。なお、担持面からの空気吸引を止める方法は、吸引ロール42において、吸引したくない部分の外筒をくり抜かず残すことで、その部分に対応した担持面は空気吸引の流れが生じなくなる。
また、通気ロールである担持体21の担持面から空気を排出することで被分散材1を担持面から離脱させる方法もある。具体的には、図8の説明図を用いて説明する。通気ロールである担持体21の内部に担持体21と接するようして空気排出部54を設け、図示されない空気ホースを接続して空気排出部54内に空気を送り込み空気排出領域Dとして空気圧を高めた状態にする。こうすることで、担持体21の担持面から空気を排出させることができ、被分散材1を担持体21の担持面から積極的に離脱させることが可能となる。
さらには、図1と同様、被分散材1を担持面から離脱させたい位置に、回転体のブラシロール51をブラシ毛先が担持面に接触する程度で配置させ、前記ブラシ毛先が担持体21から被分散材1を離脱させる方向に回転移動するようブラシロール51を回転させて、被分散材1を担持面から離脱させる方法がある。なお、ブラシロール51の回転はモーター52の回転駆動を軸ロール53を介して伝達させることで行い、回転制御はモーター52の制御にて行う。
被分散材1の担持面からの離脱方法として、前記の担持面からの空気吸引を止める方法、担持面から空気を排出する方法、そしてブラシロールを用いる方法の3つの方法のいずれかを実施してもよいし、組み合わせて実施してもよい。
担持面から離脱した被分散材1は、搬送体81の上に設定された分散領域Bに散布される。図1の実施形態と同様、搬送体81は一方向に移動している。担持面上に被分散材1を均一に分散させて配置させた担持体21及び搬送体81を一定の速度で移動させることで、搬送体81の上には、被分散材1が均一に分散した一定幅の連続したシートを製造することができる。
図9は、図4及び図5に示す材料供給装置に回収部6を備えた装置の側面からみた概略図である。回収部6として、担持面に吸着されていない被分散材1を回収する回収手段61が設定されている。図1の材料供給装置では吸い込み型回収手段611が設定されているが、図9では、担持面上に積載された被分散材1に空気を吹き出して振り落とす吹き出し型回収手段612が設定されている。吹き出し型回収手段612により、担持面上に吸着されない被分散材1を積極的に振り落とし、そして、回収容器62に回収する方法が示されている。
図10は、図1に示す材料供給装置を用いて、金型体82内に均一に被分散材1を散布する方法に関する側面からみた概略図である。前記材料供給装置によって分散領域Bに被分散材1を散布するが、分散領域Bを金型体82の材料を投入する面上に設定し、金型体82を移動させることで、金型体82には被分散材1を均一に分散して積載することが可能となる。積載量は、必要とする重量分を積載する。
図11は、図1に示す材料供給装置を用いて金型体82内に均一に被分散材1を散布する別の方法に関する側面からみた概略図である。担持面から離脱させた被分散材1は、設定された分散領域Bに拡散されて散布されるが、前記分散領域Bが拡散部材9である右拡散部材91及び左拡散部材92の上面に配置され、かつ右拡散部材91及び左拡散部材92が揺動して移動することで、被分散材1を前記分散領域Bよりも広い領域である材料拡散領域Fに散布することができる。
拡散部材として、例えば、分散領域よりも大きな平板状部材を用いることができる。平板状部材の表面にはテフロン(登録商標)コーティングや、シリコンコーティングなどの滑り性を付与する表面処理を施しておくと、被分散材が滑り落ちやすくなる。そして、図11のように平板状部材の片側面に支持棒などを通し図示しないモーターなどの駆動装置と連結させて正、逆の回転を短時間で変動させることで、平板状部材のもう一方の片側面を設定した角度ならびに時間で揺動させることが可能となる。このような動きをさせることで、分散領域に落下した被分散材を分散領域より広い範囲に落下させ散布することができる。
材料拡散領域Fを金型体82の被分散材1を散布したい領域に一致させると、金型体82を移動させることなく、金型体82に被分散材1を散布させることができる。
[実施例1]
<使用材料>
繊維材料:炭素繊維束(東レ株式会社製;T700SC-60E-12000本/束、単糸直径0.007mm)
熱可塑性樹脂材料:PA6製樹脂フィルム(三菱樹脂株式会社製;ダイアミロン 幅180mm、厚さ0.02mm)
<熱可塑性薄層セミプリプレグシートの製造方法>
公知の熱可塑性薄層セミプリプレグシート製造装置(例えば、特許6718101号公報に記載の図5及び図6で説明した装置において、図5に示す装置構成における押出成形装置部分を外し、熱可塑性樹脂フィルムを投入する機構を取り付けた装置)に、公知の開繊装置(例えば、特許5553074号公報に記載の図15A及び図15Bに示す開繊装置)を、前記熱可塑性薄層セミプリプレグシート製造装置の両側にそれぞれ取り付けた装置構成にて実施した。
なお、特許6718101号公報に記載の図5で説明した装置では加熱ロールが2連構成されているが、本実施例では加熱ロールを1連、冷却ロールを2連とした装置構成とした。
搬送用ベルトとして、中興ベルト株式会社製フッ素ベルト(Gタイプベルト) を使用した。加熱ロールの設定温度を270℃、加熱ロール間での加圧力を線圧25kgf/cmに設定した。また、加熱ロールを駆動モーターにより加工速度20m/minになるよう回転駆動させ、冷却ロールはフリーで回転する機構とした。
各開繊装置では、炭素繊維束5本をそれぞれ38mmに開繊し、幅190mm 、目付け約21g/m2の開繊糸シートとし、それぞれの開繊糸シートを、各開繊繊維束の端部が厚さ方向で重ならないように幅方向に少しずらして、特許6718101号公報に記載の図5に示す加熱ロールに両側からそれぞれ連続して導入した。
そして、特許6718101号公報の図5に示す一連の加熱ロールの一方から、PA6樹脂フィルムを開繊糸シート上に添わせて導入し、PA6樹脂フィルムが溶融状態となったときに、一連の加熱ロールによって開繊糸シートで挟みながら加圧して、開繊糸シートにPA6樹脂フィルムを若干含浸させたセミプリプレグ状態にした。
その後、冷却ロールを通過することで、シートを冷却して、搬送用ベルトから剥離後、両端部をスリットして、熱可塑性薄層セミプリプレグシートとして3インチ紙管に連続して巻き取った。
本製造装置を約50分間稼働させ、幅160mm、長さ約1000mの熱可塑性薄層セミプリプレグシートを得た。得られた熱可塑性薄層セミプリプレグシートは、目付け65g/m2(繊維目付け約42g/m2)で、含浸状態における厚さは計算上約0.043mmとなり、繊維体積含有率は約54%であった。製造された熱可塑性薄層セミプリプレグシートの厚さは、最小表示目盛り0.001mmの外側マイクロメータ(株式会社ミツトヨ製)を用いて10カ所を測定し、測定結果の平均値が約0.063mmであった。
<被分散材の製造方法>
本実施例では、被分散材1として短冊形状の樹脂補強テープ材を用いた。短冊形状の樹脂補強テープ材は、公知の擬似等方補強シート材製造装置(例えば、特許6638131号公報に記載の図4に示す製造装置)におけるシート材供給機構、シート材切断機構を用いて、前記熱可塑性薄層セミプリプレグシートを、繊維方向に沿って幅5mm間隔に切断し、続けて繊維方向と直交する方向に長さ20mm間隔に切断して製造した。前記熱可塑性薄層セミプリプレグシートの供給速度は約30m/分に設定して行った。
<材料供給装置>
本実施例では図1に示す材料供給装置の離脱部5及び回収部6がない状態にて使用した。担持体21には幅400mmのSUS製メッシュベルト(関西金網株式会社製)を用いた。メッシュベルトはスパイラル(螺線)とロッド(力骨)の組み合わせでできているため、その隙間が吸気口となって空気が吸引されるようになる。隙間の大きさは、前記スパイラルと前記ロッドの形状、線径、ピッチによって決まる。本実施例では、A3タイプのA3―2.5―1.8―0.8―0.8という規格のメッシュベルトを使用した。このタイプであれば、本実施例で使用した被分散材1は吸気口を通過しなかった。
図1に示すように担持体21の担持面反対側に吸引風洞管41を開口部分が接するようにしてプーリー間に配置した。開口部分は担持体21の幅方向に400mm、走行方向に300mmの大きさであり、担持面側の吸引風速が2.5m/secとなるように空気吸引を行った。そして、担持体21の上部に、樹脂製板材による開口調整部材31と同材による貯留用調整部材32を間隔300mm設けて配置し、材料貯留領域Aを設定した。開口調整部材31が担持体21の走行方向において空気吸引領域Dのほぼ中央になる位置に配置した。また、開口調整部材31と担持面との隙間Cは4mmに設定した。材料貯留領域A内にはポリアミド6製の樹脂ブラシロールによるブロッキング防止部材を配置し、一定速度で回転させて被分散材1がばらけ易い状態になるようにした。
<被分散材の分散状態>
前記材料供給装置の前記材料貯留領域Aに被分散材である短冊形状の樹脂補強テープ材を供給し、担持体であるメッシュベルトを加工速度3m/minで走行させたところ、メッシュベルト上には、前記被分散材が幅約300mmにて連続して配置されながら走行した。担持体であるメッシュベルトがプーリーを転回する際、プーリーとメッシュベルトが接触している部分は空気吸引が行われていないこともあり、被分散材が下方に落下した。材料供給装置の下方には、搬送体である幅約500mmのテフロン(登録商標)シートが約3m/minの速度で移動しており、テフロン(登録商標)ベルトの上部には幅方向に約300mmの分散領域Bを設定して、その領域に被分散材を連続して散布した。幅方向100mm間隔で被分散材の分散量を長さ1m分を取り出し測定したところ、約40g/m、約48g/m、約46g/mであり、その平均は約44.7g/mであった。平均重量からのばらつきは-10.5%~+7.4%の範囲にあり、±20%以内の均一性で分散できていた。
[実施例2]
実施例2では、実施例1と同じ材料および同じ材料供給装置を用いて、担持面上に積載され配置されている被分散材のうち、担持面上に吸着されていない被分散材を回収する回収部材6を設定して実施した。
<使用材料>
実施例1と同様の繊維材料及び熱可塑性樹脂材料を使用した。
<熱可塑性薄層セミプリプレグシートの製造方法>
実施例1と同様の製造方法にて熱可塑性薄層セミプリプレグシートを製造した。
<被分散材の製造方法>
実施例1と同様の製造方法にて、前記熱可塑性薄層セミプリプレグシートから幅5mm、長さ20mmの短冊形状の樹脂補強テープ材を製造し、被分散材1とした。
<材料供給装置>
実施例1で使用した材料供給装置に、回収部6を図1で示すように担持面から空気が吸引される範囲上に配置し使用した。回収部6には図1で示すような吸い込み型回収手段611を使用した。本実施例で使用した吸い込み型回収手段611は、担持体21の走行方向に長さ30mm、担持体21の幅方向に350mmの矩形型吸い込み口を有したノズルと、空気を吸引する吸引ポンプ(図1には図示されない)と、前記ノズルと前記ポンプを接続する接続ホースから構成される。そして、前記吸引ポンプを作動させて前記ノズルの先端で1.5m/secの吸引風速が生じるように設定した。
担持面側の吸引風速、開口調整部材31および貯留用調整部材32の配置位置、隙間C、ブロッキング防止部材の配置位置と回転速度などは、実施例1と同じ条件とした。
<被分散材の分散状態>
前記材料供給装置の材料貯留領域Aに被分散材である短冊形状の樹脂補強テープ材を供給し、担持体であるメッシュベルトを加工速度3m/minで走行させたところ、開口調整部材31を通過したメッシュベルト上には、前記被分散材が幅約300mmにて連続して配置されていた。そして、その状態で吸い込み型回収手段611を通過すると、担持面に吸着されていた被分散材の上に積載されていた被分散材が吸引されて、担持体であるメッシュベルト上には、実施例1よりは少ない量の被分散材1が均一に担持体に吸着していた。
実施例1と同様に、前記被分散材は担持体であるメッシュベルトがプーリーを転回する際、下方に落下した。材料供給装置の下方には、搬送体である幅約500mmのテフロン(登録商標)シートが約3m/minの速度で移動しており、テフロン(登録商標)ベルトの上部には幅方向に約300mmの分散領域Bを設定して、その領域に被分散材を連続して散布した。幅方向100mm間隔で被分散材の分散量を長さ1m分を取り出し測定したところ、約30g/m、約25g/m、約28g/mであり、その平均は約27.7g/mであった。平均重量からのばらつきは-9.7%~+8.3%の範囲にあり、±10%以内の均一性で分散できていた。
比較例では、実施例1と同じ材料および同じ材料供給装置を用いて、担持面からの空気吸引がない場合に被分散材が均一に配置されるかを確認した。
[比較例]
<使用材料>
実施例1と同様の繊維材料及び熱可塑性樹脂材料を使用した。
<熱可塑性薄層セミプリプレグシートの製造方法>
実施例1と同様の製造方法にて熱可塑性薄層セミプリプレグシートを製造した。
<被分散材の製造方法>
実施例1と同様の製造方法にて、前記熱可塑性薄層セミプリプレグシートから幅5mm、長さ20mmの短冊形状の樹脂補強テープ材を製造し、被分散材1とした。
<材料供給装置>
実施例1と同様の材料供給装置を使用し、担持面からの空気吸引が生じない状態に設定した。材料貯留領域Aの設定、開口調整部材31および貯留用調整部材32の配置位置、隙間C、ブロッキング防止部材の配置位置と回転速度などは、実施例1と同じ条件とした。
<被分散材の分散状態>
前記材料供給装置の材料貯留領域Aに被分散材である短冊形状の樹脂補強テープ材を供給し、担持体であるメッシュベルトを加工速度3m/minで走行させたところ、被分散材である樹脂補強テープ材が隙間Cを均一に通過しないことが確認された。担持面上に樹脂補強テープ材が部分的に積載され通過する場所、担持面上に樹脂補強テープ材が無い部分などがある状態で担持体が移動していた。これにより、担持面からの空気吸引が作用しないと、樹脂補強テープ材が担持面上に均一に連続して配置されないことが確認された。
1・・・被分散材、2・・・移動部、21・・・担持体、22・・・プーリー、23・・・軸部、231・・・側板、232・・・軸芯、24・・・モーター、25、26・・・プーリー、27・・・駆動伝達ベルト、28・・・ボールベアリング、3・・・貯留部、31・・・開口調整部材、32・・・貯留用壁部材、33・・・ブロッキング防止部材、34・・・貯留用止め部材、4・・・吸引部、41・・・吸引風洞管、42・・・吸引ロール、43・・・軸部、431・・・側板、432・・・軸芯、5・・・離脱部、51・・・ブラシロール、52・・・モーター、53・・・軸ロール、54・・・空気排出部、6・・・回収部、61・・・回収手段、611・・・吸い込み型回収手段、612・・・吹き出し型回収手段、62・・・回収容器、71、72・・・支持体、81・・・搬送体、82・・・金型体、9・・・拡散部材、91・・・右拡散部材、92・・・左拡散部材、A・・・材料貯留領域、B・・・分散領域、C・・・隙間、D・・・空気吸引領域、E・・・空気排出領域、F・・・材料拡散領域


















Claims (17)

  1. 多数の被分散材を所定の分散領域に均一に分散するように供給する材料供給方法であって、前記被分散材が通過しない多数の吸気口が形成された担持体の担持面を覆うように前記被分散材を配置し、前記担持面とは反対側から吸気して前記吸気口に前記被分散材を吸着させ、前記被分散材を吸着させた状態で前記担持体を移動させ、前記被分散材を前記担持面から離脱させて前記分散領域に分散させる被分散材の材料供給方法。
  2. 前記被分散材は、前記担持面との間に隙間を空けて配置される開口調整部材が形成された貯留部内に貯留され、前記担持面に吸着された状態で前記隙間を通過して前記担持面に配置される請求項1に記載の被分散材の材料供給方法。
  3. 前記貯留部内に貯留された前記被分散材を滞留させないように撹拌する請求項1または2に記載の被分散材の材料供給方法。
  4. 前記担持体の移動中に前記担持面に吸着されていない被分散材を回収する請求項1から3のいずれかに記載の被分散材の材料供給方法。
  5. 前記担持面は、所定の範囲内において吸気が行われる請求項1から4のいずれかに記載の被分散材の材料供給方法。
  6. 前記担持面から離脱させた前記被分散材は、前記分散領域に対して相対移動する搬送体の上面に積み重なってシート状となるように分散する請求項1から5のいずれかに記載の被分散材の材料供給方法。
  7. 前記担持面から離脱させた前記被分散材は、前記分散領域に対して相対移動する型体の上面に沿って積み重なるように分散する請求項1から5のいずれかに記載の被分散材の材料供給方法。
  8. 前記担持面から離脱させた前記被分散材は、前記分散領域に対応して配置された拡散部材の上面に分散して、前記拡散部材の動作により前記分散領域よりも広い領域に拡散させる請求項1から7のいずれかに記載の被分散材の材料供給方法。
  9. 多数の被分散材を所定の分散領域に均一に分散するように供給する材料供給装置であって、前記被分散材が通過しない多数の吸気口が形成された担持体を有するとともに前記被分散材を担持体に担持して移動させる移動部と、前記被分散材を貯留するとともに前記担持体の担持面に前記被分散材を覆うように配置する貯留部と、前記担持体の所定範囲の前記吸気口から空気を吸引して配置された前記被分散材を前記担持面に吸着させる吸引部とを備えている被分散材の材料供給装置。
  10. 前記貯留部は、前記担持面との間に隙間を空けて配置される開口調整部材を備えており、前記吸引部は、前記貯留部内に貯留された前記被分散材を前記担持面に吸着させて前記隙間を通過させ前記担持面に配置する請求項9に記載の被分散材の材料供給装置。
  11. 前記貯留部は、前記被分散材をばらけた状態にするブロッキング防止部材を備えている請求項9または10に記載の被分散材の材料供給装置。
  12. 前記被分散材を前記担持面から離脱させる離脱部を備えている請求項9から11のいずれかに記載の被分散材の材料供給装置。
  13. 前記離脱部は、前記担持面に配置された前記被分散材に接触して離脱させるブラシロールを備えている請求項12に記載の被分散材の材料供給装置。
  14. 前記離脱部は、前記担持面の表面から排出される気流により前記被分散材を離脱させる空気排出部を備えている請求項12または13に記載の被分散材の材料供給装置。
  15. 前記担持体は、前記吸気口が形成された中空円筒状の通気ロールを備えている請求項9から14のいずれかに記載の被分散材の材料供給装置。
  16. 前記吸引部は、前記通気ロールの内部に配置されるとともに前記担持体の所定範囲に対応して吸引口が形成された吸引ロールを備えている請求項15に記載の被分散材の材料供給装置。
  17. 前記担持面に吸着されない前記被分散材を回収する回収部を備えている請求項9から16のいずれかに記載の被分散材の材料供給装置。













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