JP2023143911A - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、積層フィルム、その製造方法、及び加飾フィルムの製造方法 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、積層フィルム、その製造方法、及び加飾フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 乾燥後に高いタックフリー性を有し、耐擦傷性、耐薬品性及び基材密着性に優れた硬化塗膜を形成可能な活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、硬化物、積層フィルム、その製造方法、及び当該積層フィルムを用いてなる加飾フィルムの製造方法を提供すること。【解決手段】 アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)を必須成分とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、前記アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)の重量平均分子量が10,000~70,000の範囲で、(メタ)アクリロイル基当量が、300~3,000g/eqの範囲であり、重量平均分子量が5,000以下の活性エネルギー線硬化性成分の含有率が前記アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)とその他の硬化性成分の合計質量中40質量%以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いる。【選択図】 なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、積層フィルム、積層フィルムの製造方法及び該積層フィルムを加飾フィルムとする製造方法に関する。
活性エネルギー線硬化性組成物が種々の分野で広く用いられているが、ある種の分野では、この組成物で形成された被膜が、乾燥しただけの未硬化状態であってもべとつかない、即ちタックフリーであることが望まれている。例えば活性エネルギー線硬化性インクを用いて多色印刷を行う場合には、印刷面が乾燥状態でべとつかないものであれば、印刷面を乾燥しただけで次々と重ねて印刷し、最後に活性エネルギー線により一括して硬化させることができる。また、基材上に活性エネルギー線硬化性組成物の被膜を形成し、これにエンボス加工を施したのち硬化させる場合にも、被膜形成後に基材を一時的に巻取って保管できるように、被膜が乾燥状態でべとつかないものであることが望まれている。更にプレススタンパーを用いてホログラムレリーフのパターニングを行う場合のように、微細なエンボス加工を行う場合には、金型を汚染せず、かつ形成されたホログラムレリーフの形状が、硬化が完了するまで良好に保持されるように、被膜が乾燥状態でべとつかず、流動性の無いものであることが望まれている。このような乾燥しただけで未硬化状態でもべとつかない活性エネルギー線硬化性組成物はいくつか提案されている。例えば、融点が40℃以上のイソシアネート化合物と、(メタ)アクリロイル基を有していて且つイソシアネート基と反応し得る(メタ)アクリル化合物との反応生成物であって、軟化点が40℃以上のものを含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物が提案されている。
前記特許文献1で提案された組成物は、乾燥塗膜のタックフリー性についての一定の効果があるものの硬化塗膜の耐擦傷性等の面では、近年の要求を満たすものではなく、さらなる改良が求められている。
特開2001-329031号公報
上記事情を鑑み、本発明が解決しようとする課題は、乾燥後に高いタックフリー性を有し、耐擦傷性、耐薬品性及び基材密着性に優れた硬化塗膜を形成可能な活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、硬化物、積層フィルム、その製造方法、及び当該積層フィルムを用いてなる加飾フィルムの製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定の分子量を有するアクリル(メタ)アクリレート樹脂を必須とし、かつ低分子量の硬化性成分の含有率が少ない樹脂組成物を用いることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)を必須成分とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、前記アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)の重量平均分子量が10,000~70,000の範囲であり、重量平均分子量が5000以下の活性エネルギー線硬化性成分の含有率が前記アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)とその他の硬化性成分の合計質量中40質量%以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、硬化物、積層フィルム、その製造方法、及び当該積層フィルムを用いてなる加飾フィルムの製造方法を提供するものである。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、高いタックフリー性を有し、耐擦傷性、耐薬品性及び基材密着性に優れた硬化塗膜を形成できることから、自動車内装部品、家電筐体等のプラスチック製品の加飾成形などに好適に用いることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、重量平均分子量が10,000~70,000の範囲のアクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)を必須成分とする。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート樹脂」とは、分子中に(メタ)アクリロイル基を有する樹脂のことをいい、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基及びメタクリロイル基の一方または両方のことをいう。また、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの一方または両方のことをいう。
前記アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)としては、例えば、水酸基、カルボキシ基、イソシアネート基、グリシジル基等の反応性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマー(α)を必須の成分として重合させて得られるアクリル樹脂中間体に、前記反応性官能基と反応し得る官能基を有する(メタ)アクリレートモノマー(β)を更に反応させることにより(メタ)アクリロイル基を導入して得られるものが挙げられる。
前記反応性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマー(α)は、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー;(メタ)アクリル酸等のカルボキシ基含有(メタ)アクリレートモノマー;2-アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1-ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等のイソシアネート基含有(メタ)アクリレートモノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル等のグリシジル基含有(メタ)アクリレートモノマー等が挙げられる。これらの反応性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記アクリル樹脂中間体は、前記(メタ)アクリレートモノマー(α)の他、必要に応じてその他の重合性不飽和基含有化合物を共重合させたものであってもよい。前記その他の重合性不飽和基含有化合物は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等のシクロ環含有(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート;3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシリル基含有(メタ)アクリレート;スチレン、α-メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリロイルモルフォリン、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらその他の重合性不飽和基含有化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。これらの中でも前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いることが好ましい。
前記アクリル樹脂中間体が前記(メタ)アクリレートモノマー(α)と、前記その他の重合性不飽和基含有化合物とを共重合させて得られるものである場合、両者の反応割合は、タックフリー性に優れるアクリル(メタ)アクリレート樹脂となることから、両者の合計中、前記(メタ)アクリレートモノマー(α)の割合が5~60質量%の範囲であることが好ましい。
前記アクリル樹脂中間体の製造方法としては、一般的なアクリル樹脂と同様の方法にて製造することができる。例えば、重合開始剤の存在下、60~150℃の温度領域で各種モノマーを重合させることにより製造することができる。重合の方法は、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等が挙げられる。また、重合様式は、例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等が挙げられる。溶液重合法で行う場合には、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒や、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル溶媒を好ましく用いることができる。
前記(メタ)アクリレートモノマー(β)は、前記(メタ)アクリレートモノマー(α)が有する反応性官能基と反応し得るものでれば特に限定されないが、反応性の観点から以下の組み合わせであることが好ましい。即ち、前記(メタ)アクリレートモノマー(α)として前記水酸基含有(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレートモノマー(β)としてイソシアネート基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。前記(メタ)アクリレートモノマー(α)として前記カルボキシ基含有(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレートモノマー(β)として前記グリシジル基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。前記(メタ)アクリレートモノマー(α)として前記イソシアネート基含有(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレートモノマー(β)として前記水酸基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。前記(メタ)アクリレートモノマー(α)として前記グリシジル基含有(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレートモノマー(β)として前記カルボキシ基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
前記アクリル樹脂中間体と前記(メタ)アクリレートモノマー(β)との反応は、例えば、該反応がエステル化反応である場合には、60~150℃の温度範囲で、トリフェニルホスフィン等のエステル化触媒を適宜用いるなどの方法が挙げられる。また、該反応がウレタン化反応である場合には、50~120℃の温度範囲で、前記アクリル樹脂中間体に前記(メタ)アクリレートモノマー(β)を滴下しながら反応させる等の方法が挙げられる。両者の反応割合は、前記アクリル樹脂中間体中の官能基数1モルに対し、前記(メタ)アクリレートモノマー(β)を0.95~1.05モルの範囲で用いることが好ましい。
これらの中でも、乾燥塗膜におけるタックフリー性がより良好である観点から、アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)が、(メタ)アクリレートモノマーからなる単量体混合物の重合体であって、前記単量体混合物100質量部中にグリシジル基含有(メタ)アクリレートモノマー(x1)を5~60質量部で含有する単量体混合物の重合体であることが好ましく、特にグリシジル基含有(メタ)アクリレートモノマー(x1)を必須の原料とするアクリル系重合体(a1)に、水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー(x2)及び/又はカルボキシ基含有(メタ)アクリレートモノマー(x3)を反応させることにより得られるものであって、グリシジル基含有(メタ)アクリレートモノマー(x1)を5~60質量部で用いたものであることがより好ましく、10~40質量部で用いたものであることが最も好ましい。
また、前記アクリル系重合体(a1)が、グリシジル基含有(メタ)アクリレートモノマー(x1)と(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体であることが好ましく、特に前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルが(メタ)アクリル酸メチルエステルであることが最も好ましい。
前記アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)の(メタ)アクリロイル基当量は、300~3,000g/当量の範囲であることが好ましく、特に400~2,000g/当量の範囲であることが好ましい。なお、本発明におけるアクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)の(メタ)アクリロイル基当量は、反応原料から理論値として算出される値である。
また、前記アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、10,000~70,000の範囲であり、20,000~40,000の範囲であることが好ましい。
なお、本発明において、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mn/Mw)は、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定される値である。
測定装置 ; 東ソー株式会社製 HLC-8220
カラム ; 東ソー株式会社製ガードカラムHXL-H
+東ソー株式会社製 TSKgel G5000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G4000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G3000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G2000HXL
検出器 ; RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製 SC-8010
測定条件: カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 ;ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
本発明で用いる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、前述のアクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)を必須成分として用いるものであり、その他の活性エネルギー線硬化性成分を含有していてもよいが、乾燥塗膜のタックフリー性の観点から、重量平均分子量が5000以下の活性エネルギー線硬化性成分の含有率が前記アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)とその他の硬化性成分の合計質量中40質量%以下であることを必須とするものであり、30質量%以下であることが好ましく、その他の活性エネルギー線硬化性の成分を含まないことが最も好ましい。
前記その他の活性エネルギー線硬化性の成分としては、前記アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)以外のその他の(メタ)アクリレート化合物(B)が挙げられる。その他の(メタ)アクリレート化合物(B)は、例えば、デンドリマー型(メタ)アクリレート樹脂(B1)、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B2)、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B3)、モノ(メタ)アクリレート化合物及びその変性体(B4)、脂肪族炭化水素型ポリ(メタ)アクリレート化合物及びその変性体(B5)、脂環式ポリ(メタ)アクリレート化合物及びその変性体(B6)、芳香族ポリ(メタ)アクリレート化合物及びその変性体(B7)等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記デンドリマー型(メタ)アクリレート樹脂(B1)とは、規則性のある多分岐構造を有し、各分岐鎖の末端に(メタ)アクリロイル基を有する樹脂のことをいい、デンドリマー型の他、ハイパーブランチ型或いはスターポリマーなどと呼ばれている。このような化合物は、例えば、下記構造式(1-1)~(1-8)で表されるものなどが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、規則性のある多分岐構造を有し、各分岐鎖の末端に(メタ)アクリロイル基を有する樹脂であればいずれのものも用いることができる。
Figure 2023143911000001
Figure 2023143911000002
(式中Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素原子数1~4の炭化水素基である。)
このようなデンドリマー型(メタ)アクリレート樹脂(B1)として、大阪有機化学株式会社製「ビスコート#1000」[質量平均分子量(Mw)1,500~2,000、一分子あたりの平均(メタ)アクリロイル基数14]、「ビスコート1020」[質量平均分子量(Mw)1,000~3,000]、「SIRIUS501」[質量平均分子量(Mw)15,000~23,000]、MIWON社製「SP-1106」[質量平均分子量(Mw)1,630、一分子あたりの平均(メタ)アクリロイル基数18]、SARTOMER社製「CN2301」、「CN2302」[一分子あたりの平均(メタ)アクリロイル基数16]、「CN2303」[一分子あたりの平均(メタ)アクリロイル基数6]、「CN2304」[一分子あたりの平均(メタ)アクリロイル基数18]、新日鉄住金化学株式会社製「エスドリマーHU-22」、新中村化学株式会社製「A-HBR-5」、第一工業製薬株式会社製「ニューフロンティアR-1150」、日産化学株式会社製「ハイパーテックUR-101」等の市販品を用いても良い。
前記デンドリマー型(メタ)アクリレート樹脂(B1)は、質量平均分子量(Mw)が1,000~30,000の範囲であることが好ましい。また、一分子あたりの平均(メタ)アクリロイル基数が5~30の範囲であるものが好ましい。
前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(B2)は、例えば、各種のポリイソシアネート化合物、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物、及び必要に応じて各種のポリオール化合物を反応させて得られるものが挙げられる。前記ポリイソシアネート化合物は、例えば、ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;ノルボルナンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;下記構造式(2)で表される繰り返し構造を有するポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
Figure 2023143911000003
[式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基の何れかである。Rはそれぞれ独立に炭素原子数1~4のアルキル基、又は構造式(2)で表される構造部位と*印が付されたメチレン基を介して連結する結合点の何れかである。lは0又は1~3の整数であり、mは1以上の整数である。]
前記水酸基含有(メタ)アクリレート化合物は、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート化合物;前記各種の水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種の水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。
前記ポリオール化合物は、例えば、エチレングリコール、プロプレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール化合物;ビフェノール、ビスフェノール等の芳香族ポリオール化合物;前記各種のポリオール化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種のポリオール化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。
前記エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B3)は、例えば、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸又はその無水物を反応させて得られるものが挙げられる。前記エポキシ樹脂は、例えば、ヒドロキノン、カテコール等の2価フェノールのジグリシジルエーテル;3,3’-ビフェニルジオール、4,4’-ビフェニルジオール等のビフェノール化合物のジグリシジルエーテル;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールB型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;1,4-ナフタレンジオール、1,5-ナフタレンジオール、1,6-ナフタレンジオール、2,6-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオール、ビナフトール、ビス(2,7-ジヒドロキシナフチル)メタン等のナフトール化合物のポリグリジシルエーテル;4,4’,4”-メチリジントリスフェノール等のトリグリシジルエーテル;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;前記各種のエポキシ樹脂の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種のエポキシ樹脂の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。
前記モノ(メタ)アクリレート化合物及びその変性体(B4)は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の脂肪族モノ(メタ)アクリレート化合物;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチルモノ(メタ)アクリレート等の脂環型モノ(メタ)アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等の複素環型モノ(メタ)アクリレート化合物;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェニルフェノール(メタ)アクリレート、フェニルフェノールアルキル(メタ)アクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、ベンジルベンジル(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノール(メタ)アクリレート等の芳香族モノ(メタ)アクリレート化合物;下記構造式(3)
Figure 2023143911000004
(式中Rは水素原子又はメチル基である。)
で表される化合物等のモノ(メタ)アクリレート化合物:前記各種のモノ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種のモノ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。
前記脂肪族炭化水素型ポリ(メタ)アクリレート化合物及びその変性体(B5)は、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族ジ(メタ)アクリレート化合物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の脂肪族トリ(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の4官能以上の脂肪族ポリ(メタ)アクリレート化合物;前記各種の脂肪族炭化水素型ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種の脂肪族炭化水素型ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。
脂環式ポリ(メタ)アクリレート化合物及びその変性体(B6)は、例えば、1,4-シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の脂環型ジ(メタ)アクリレート化合物;前記各種の脂環式ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種の脂環式ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。
芳香族ポリ(メタ)アクリレート化合物及びその変性体(B7)は、例えば、ビフェノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、下記構造式(4)
Figure 2023143911000005
[式中Rはそれぞれ独立に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基の何れかである。]
で表されるビカルバゾール化合物、下記構造式(5-1)又は(5-2)
Figure 2023143911000006
[式中Rはそれぞれ独立に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基の何れかである。]
で表されるフルオレン化合物等の芳香族ジ(メタ)アクリレート化合物;前記各種の芳香族ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種の芳香族ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。
これらその他の(メタ)アクリレート化合物(B)を用いる場合には、本発明が奏する効果が十分に発揮されることから、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中における硬化性の成分100質量部中、前記アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)が60質量部以上で含まれることが好ましく、70質量部以上で含まれることが特に好ましい。
本発明で用いる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、例えば、活性エネルギー線の照射により硬化させることができる。活性エネルギー線の種類によっては、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤の具体例としては、例えば、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン等のアルキルフェノン系光重合開始剤;2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤;ベンゾフェノン化合物等の分子内水素引き抜き型光重合開始剤等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。また、光重合開始剤の選択は照射する活性エネルギー線の種類等により適切なものを選択して用いればよい。
前記光重合開始剤の市販品は、例えば、BASF社製「IRGACURE127」、「IRGACURE184」、「IRGACURE250」、「IRGACURE270」、「IRGACURE290」、「IRGACURE369E」、「IRGACURE379EG」、「IRGACURE500」、「IRGACURE651」、「IRGACURE754」、「IRGACURE819」、「IRGACURE907」、「IRGACURE1173」、「IRGACURE2959」、「IRGACURE MBF」、「IRGACURE TPO」、「IRGACURE OXE 01」、「IRGACURE OXE 02」、IGM RESINS社製「OMNIRAD184」、「OMNIRAD250」、「OMNIRAD369」、「OMNIRAD369E」、「OMNIRAD651」、「OMNIRAD907FF」、「OMNIRAD1173」等が挙げられる。
前記重合開始剤の使用量は、硬化性組成物中の有機溶剤を除いた成分100質量部に対して0.05~20質量部の範囲で用いることが好ましく、0.1~10質量部の範囲で用いることがより好ましい。
また、前記重合開始剤と併用して、各種光増感剤を用いることもできる。前記光増感剤としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミン化合物、o-トリルチオ尿素等の尿素化合物、ナトリウムジエチルジチオホスフェート、s-ベンジルイソチウロニウム-p-トルエンスルホネート等の硫黄化合物などが挙げられる。
本発明で用いる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、更にその他の成分を含有していてもよい。前記その他の成分は、例えば、無機微粒子、シランカップリング剤、リン酸エステル化合物、溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、シリコン系添加剤、フッ素系添加剤、帯電防止剤、有機ビーズ、量子ドット(QD)、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、防曇剤、着色剤等が挙げられる。
前記無機微粒子は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化塗膜における硬度や屈折率等を調整する等の目的で添加されるものであり、公知慣用の種々の無機微粒子を用いることができる。一例としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、チタン酸バリウム、三酸化アンチモン等の微粒子が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。
これら無機微粒子の中でも、入手が容易で扱いが簡便なことからシリカ粒子が好ましい。シリカ粒子は、例えば、フュームドシリカや、沈殿法シリカ、ゲルシリカ、ゾルゲルシリカ等と呼ばれる湿式シリカなど各種のシリカ粒子が挙げられ、いずれを用いても良い。
前記無機微粒子は、各種シランカップリング剤にて微粒子表面に官能基を導入したものでも良い。該無機微粒子の表面に官能基を導入することにより、前記アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)等の有機成分との混和性が高まり、保存安定性が向上する。
前記無機微粒子を修飾するシランカップリング剤は、例えば、[(メタ)アクリロイルオキシアルキル]トリアルキルシラン、[(メタ)アクリロイルオキシアルキル]ジアルキルアルコキシシラン、[(メタ)アクリロイルオキシアルキル]アルキルジアルコキシシラン、[(メタ)アクリロイルオキシアルキル]トリアルコキシシラン、当の(メタ)アクリロイルオキシ系シランカップリング剤;トリアルキルビニルシラン、ジアルキルアルコキシビニルシラン、アルキルジアルコキシビニルシラン、トリアルコキシビニルシラン、トリアルキルアリルシラン、ジアルキルアルコキシアリルシラン、アルキルジアルコキシアリルシラン、トリアルコキシアリルシラン等のビニル系シランカップリング剤;スチリルトリアルキル、スチリルジアルキルアルコキシシラン、スチリルアルキルジアルコキシシラン、スチリルトリアルコキシシラン等のスチレン系シランカップリング剤;(グリシジルオキシアルキル)トリアルキルシラン、(グリシジルオキシアルキル)ジアルキルアルコキシシラン、(グリシジルオキシアルキル)アルキルジアルコキシシラン、(グリシジルオキシアルキル)トリアルコキシシラン、[(3,4-エポキシシクロヘキシル)アルキル]トリメトキシシラン、[(3,4-エポキシシクロヘキシル)アルキル]トリアルキルシラン、[(3,4-エポキシシクロヘキシル)アルキル]ジアルキルアルコキシシラン、[(3,4-エポキシシクロヘキシル)アルキル]アルキルジアルコキシシラン、[(3,4-エポキシシクロヘキシル)アルキル]トリアルコキシシラン等のエポキシ系シランカップリング剤;(イソシアネートアルキル)トリアルキルシラン、(イソシアネートアルキル)ジアルキルアルコキシシラン、(イソシアネートアルキル)アルキルジアルコキシシラン、(イソシアネートアルキル)トリアルコキシシラン等のイソシアネート系シランカップリング剤等が挙げられる。これらそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記シランカップリング剤の中でも、前記アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)等の有機成分との混和性に優れる無機微粒子となることから、(メタ)アクリロイルオキシ系シランカップリング剤が好ましく、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の[(メタ)アクリロイルオキシアルキル]トリアルコキシシランが特に好ましい。
前記無機微粒子の平均粒子径は特に限定されず、所望の硬化物性能等に応じて適宜調整してよい。特に、耐擦傷性とクラック防止性の他、耐ブロッキング性や透明性等にも優れる硬化塗膜が得られることから、前記無機微粒子の平均粒子径は80~250nmの範囲であることが好ましく、90~180nmの範囲であることがより好ましく、100~150nmの範囲であることが特に好ましい。
なお、前記無機微粒子の平均粒子径は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の粒子径を以下の条件で測定した値である。
粒子径測定装置:大塚電子株式会社製「ELSZ-2」
粒子径測定サンプル:活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を不揮発分1質量%のメチルイソブチルケトン溶液としたもの。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中、前記無機微粒子の含有量は特に限定されず、所望の硬化物性能等に応じて適宜調整してよい。特に、耐擦傷性とクラック防止性の他、透明性等にも優れる硬化塗膜が得られることから、前記無機微粒子の含有率は、前記アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)100質量部に対して10~100質量部の範囲であることが好ましい。
前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中に添加するシランカップリング剤は例えば、[(メタ)アクリロイルオキシアルキル]トリアルキルシラン、[(メタ)アクリロイルオキシアルキル]ジアルキルアルコキシシラン、[(メタ)アクリロイルオキシアルキル]アルキルジアルコキシシラン、[(メタ)アクリロイルオキシアルキル]トリアルコキシシラン等の(メタ)アクリロイルオキシ系シランカップリング剤;トリアルキルビニルシラン、ジアルキルアルコキシビニルシラン、アルキルジアルコキシビニルシラン、トリアルコキシビニルシラン、トリアルキルアリルシラン、ジアルキルアルコキシアリルシラン、アルキルジアルコキシアリルシラン、トリアルコキシアリルシラン等のビニル系シランカップリング剤;スチリルトリアルキル、スチリルジアルキルアルコキシシラン、スチリルアルキルジアルコキシシラン、スチリルトリアルコキシシラン等のスチレン系シランカップリング剤;(グリシジルオキシアルキル)トリアルキルシラン、(グリシジルオキシアルキル)ジアルキルアルコキシシラン、(グリシジルオキシアルキル)アルキルジアルコキシシラン、(グリシジルオキシアルキル)トリアルコキシシラン、[(3,4-エポキシシクロヘキシル)アルキル]トリメトキシシラン、[(3,4-エポキシシクロヘキシル)アルキル]トリアルキルシラン、[(3,4-エポキシシクロヘキシル)アルキル]ジアルキルアルコキシシラン、[(3,4-エポキシシクロヘキシル)アルキル]アルキルジアルコキシシラン、[(3,4-エポキシシクロヘキシル)アルキル]トリアルコキシシラン等のエポキシ系シランカップリング剤;(イソシアネートアルキル)トリアルキルシラン、(イソシアネートアルキル)ジアルキルアルコキシシラン、(イソシアネートアルキル)アルキルジアルコキシシラン、(イソシアネートアルキル)トリアルコキシシラン等のイソシアネート系シランカップリング剤等が挙げられる。これらそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記リン酸エステル化合物の市販品の例としては、例えば、分子構造中に(メタ)アクリロイル基を有するリン酸エステル化合物である日本化薬株式会社製「カヤマーPM-2」、「カヤマーPM-21」、共栄社化学株式会社製「ライトエステルP-1M」「ライトエステルP-2M」、「ライトアクリレートP-1A(N)」、SOLVAY社製「SIPOMER PAM 100」、「SIPOMER PAM 200」、「SIPOMER PAM 300」、「SIPOMER PAM 4000」、大阪有機化学工業社製「ビスコート#3PA」、「ビスコート#3PMA」、第一工業製薬社製「ニューフロンティア S-23A」;分子構造中にアリルエーテル基を有するリン酸エステル化合物であるSOLVAY社製「SIPOMER PAM 5000」等が挙げられる。
前記溶剤は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の塗工粘度調節等の目的で添加されるものであり、その種類や添加量は、所望の性能に応じて適宜調整される。一般には、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の不揮発分が10~90質量%の範囲となるように用いられる。前記溶剤の具体例としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキソラン等の環状エーテル溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;トルエン、キシレン等の芳香族溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族溶剤;カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記紫外線吸収剤は、例えば、2-[4-{(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ}-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-{(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ}-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン等のトリアジン誘導体、2-(2′-キサンテンカルボキシ-5′-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′-o-ニトロベンジロキシ-5′-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-キサンテンカルボキシ-4-ドデシロキシベンゾフェノン、2-o-ニトロベンジロキシ-4-ドデシロキシベンゾフェノン等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記酸化防止剤は、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、有機硫黄系酸化防止剤、リン酸エステル系酸化防止剤等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記シリコン系添加剤は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロゲンポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、フッ素変性ジメチルポリシロキサン共重合体、アミノ変性ジメチルポリシロキサン共重合体など如きアルキル基やフェニル基を有するポリオルガノシロキサン、ポリエーテル変性アクリル基を有するポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性アクリル基を有するポリジメチルシロキサン等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記フッ素系添加剤は、例えば、DIC株式会社「メガフェース」シリーズ等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記帯電防止剤は、例えば、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド又はビス(フルオロスルホニル)イミドのピリジニウム、イミダゾリウム、ホスホニウム、アンモニウム、又はリチウム塩が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。
前記有機ビーズは、例えば、ポリメタクリル酸メチルビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリスチレンビーズ、ポリアクリルスチレンビーズ、シリコーンビ-ズ、ガラスビーズ、アクリルビーズ、ベンゾグアナミン系樹脂ビーズ、メラミン系樹脂ビーズ、ポリオレフィン系樹脂ビーズ、ポリエステル系樹脂ビーズ、ポリアミド樹脂ビーズ、ポリイミド系樹脂ビーズ、ポリフッ化エチレン樹脂ビーズ、ポリエチレン樹脂ビーズ等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。これら有機ビーズの平均粒径は1~10μmの範囲であることが好ましい。
前記量子ドット(QD)は、II-V族半導体化合物、II-VI族半導体化合物、III-IV族半導体化合物、III-V族半導体化合物、III-VI族半導体化合物、IV-VI族半導体化合物、I-III-VI族半導体化合物、II-IV-VI族半導体化合物、II-IV-V族半導体化合物、I-II-IV-VI族半導体化合物、IV族元素又はこれを含む化合物等が挙げられる。前記II-VI族半導体化合物は、例えば、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe等の二元化合物;ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe等の三元化合物;CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、CdHgZnTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe等の四元化合物等が挙げられる。前記III-IV族半導体化合物は、例えば、B、Al、Ga等が挙げられる。前記III-V族半導体化合物は、例えば、BP、BN、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb等の二元化合物;GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP等の三元化合物;GaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSb等の四元化合物等が挙げられる。前記III-VI族半導体化合物は、例えば、Al、AlSe、AlTe、Ga、GaSe、GaTe、GaTe、In、InSe、InTe、InTe等が挙げられる。前記IV-VI族半導体化合物は、例えば、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe等の二元化合物;SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe等の三元化合物;SnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTe等の四元化合物等が挙げられる。前記I-III-VI族半導体化合物は、例えば、CuInS、CuInSe、CuInTe、CuGaS、CuGaSe、CuGaSe、AgInS、AgInSe、AgInTe、AgGaSe、AgGaS、AgGaTe等が挙げられる。前記IV族元素又はこれを含む化合物は、例えば、C、Si、Ge、SiC、SiGe等が挙げられる。量子ドットは単一の半導体化合物からなっていてもよいし、複数の半導体化合物からなるコアシェル構造を有していてもよい。また、その表面を有機化合物にて修飾したものであってもよい。
これら各種の添加剤は、所望の性能等に応じて任意の量添加することができるが、通常、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の溶剤を除いた成分の合計100質量部中、0.01~40質量部の範囲で用いることが好ましい。
本発明で用いる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は前記各配合成分を混合して製造される。混合方法は特に限定されず、ペイントシェイカー、ディスパー、ロールミル、ビーズミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等を用いてもよい。
本発明の積層フィルムは、基材上に、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる乾燥被膜を有するものである。
本発明の積層フィルムの製造方法としては、例えば、前記基材の少なくとも1面に、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布し、次いで60~150℃、好ましくは80~120℃で乾燥させる方法が挙げられる。
前記基材としては、例えば、金属基材、プラスチック基材、ガラス基材、紙基材、木材基材、繊維質基材等が挙げられる。これらの基材の中でも、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物との密着性に優れることからプラスチック基材が好ましい。
前記プラスチック基材の材質としては、ポリエステル、アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート等)、ポリカーボネート、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ABS樹脂とポリカーボネートとの複合樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリシクロオレフィン(COP)等)、トリアセチルセルロース(TAC)等が挙げられる。
前記プラスチック基材としては、例えば、携帯電話、家電製品、自動車内外装材、OA機器等のプラスチック成形品が挙げられる。また、プラスチックを素材としたフィルム基材も用いることができる。
前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布する方法としては、例えば、グラビアコーター、ロールコーター、コンマコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、キスコーター、シャワーコーター、フローコーター、スピンコーター、ディッピング、スクリーン印刷、スプレー、刷毛塗り、アプリケーター、バーコーター等を用いた塗布方法が挙げられる。
前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて形成する塗膜の膜厚は、使用される用途に応じて適宜調整可能であるが、通常は、0.01~50μmの範囲であることが好ましい。
前記で得られた積層フィルムは、その表面に各種加工、装飾を行い加飾フィルムとすることができる。さらに積層フィルム自体を成形し、所望の形にすることも可能である。前記加飾フィルムは、自動車内装用として好適に用いることができる。
前記積層フィルムは、各種の加工を行った後、活性エネルギー線を照射して前記活性エネルギー線硬化性樹脂を硬化させることが好ましい。
前記活性エネルギー線は、例えば、紫外線や電子線が挙げられる。紫外線により硬化させる場合には、光源としてキセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、LEDランプ等を有する紫外線照射装置が使用され、必要に応じて光量、光源の配置などが調整される。高圧水銀灯を使用する場合には、通常80~160W/cmの範囲である光量を有したランプ1灯に対して搬送速度5~50m/分の範囲で硬化させることが好ましい。一方、電子線により硬化させる場合には、通常10~300kVの範囲である加速電圧を有する電子線加速装置にて、搬送速度5~50m/分の範囲で硬化させることが好ましい。
本発明の加飾フィルムは、前述の硬化性組成物からなる硬化塗膜以外に、その他の層構成を有していてもよい。これら各種の層構成の形成方法は特に限定されず、例えば、樹脂原料を直接塗布して形成しても良いし、予めシート状になっているものを接着剤にて貼り合せても良い。
本発明の積層フィルム、加飾フィルムは、ディスプレイ部材や自動車部材、建材用途の他、各種の電子機器や家電、家具等の表面保護フィルム、メッキ代替、塗装代替等、様々な用途に好適に用いることができる。
以下、実施例と比較例とにより、本発明を具体的に説明する。
なお、本実施例において、重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用い、下記の条件により測定した値である。
測定装置 ; 東ソー株式会社製 HLC-8220
カラム ; 東ソー株式会社製ガードカラムHXL-H
+東ソー株式会社製 TSKgel G5000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G4000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G3000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G2000HXL
検出器 ; RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製 SC-8010
測定条件: カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 ;ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
(製造例1:アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A1)の製造)
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、メチルイソブチルケトン339.4質量部を仕込み、撹拌しながら系内温度が110℃になるまで昇温し、次いで、グリシジルメタアクリレート50.0質量部、メチルメタアクリレート450.0質量部およびt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日本乳化剤株式会社製「パーブチルO」)9.0質量部からなる混合液を3時間かけて滴下ロートより滴下した後、110℃で15時間保持した。90℃まで冷却し、メトキノン0.3質量部およびアクリル酸25.6質量部を仕込んだ後、トリフェニルホスフィン2.7質量部を添加後、さらに100℃まで昇温して8時間保持し、アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A1)のメチルイソブチルケトン溶液を得た。このアクリル(メタ)アクリレート樹脂(A1)の重量平均分子量(Mw)は24,300、原料の仕込み比から算出される(メタ)アクリロイル基当量の理論値は1530g/当量であった。
(製造例2:アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A2)の製造)
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、メチルイソブチルケトン339.4質量部を仕込み、撹拌しながら系内温度が110℃になるまで昇温し、次いで、グリシジルメタアクリレート100.0質量部、メチルメタアクリレート400.0質量部およびt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日本乳化剤株式会社製「パーブチルO」)9.0質量部からなる混合液を3時間かけて滴下ロートより滴下した後、110℃で15時間保持した。90℃まで冷却し、メトキノン0.3質量部およびアクリル酸51.2質量部を仕込んだ後、トリフェニルホスフィン2.9質量部を添加後、さらに100℃まで昇温して8時間保持し、アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A2)のメチルイソブチルケトン溶液を得た。このアクリル(メタ)アクリレート樹脂(A2)の重量平均分子量(Mw)は35,400、原料の仕込み比から算出される(メタ)アクリロイル基当量の理論値は790g/当量であった。
(製造例3:アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A3)の製造)
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、メチルイソブチルケトン417.5質量部を仕込み、撹拌しながら系内温度が110℃になるまで昇温し、次いで、グリシジルメタアクリレート150.0質量部、メチルメタアクリレート350.0質量部およびt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日本乳化剤株式会社製「パーブチルO」)10.0質量部からなる混合液を3時間かけて滴下ロートより滴下した後、110℃で15時間保持した。90℃まで冷却し、メトキノン0.3質量部およびアクリル酸76.8質量部を仕込んだ後、トリフェニルホスフィン2.9質量部を添加後、さらに100℃まで昇温して8時間保持し、アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A3)のメチルイソブチルケトン溶液を得た。このアクリル(メタ)アクリレート樹脂(A3)の重量平均分子量(Mw)は20,900、原料の仕込み比から算出される(メタ)アクリロイル基当量の理論値は550g/当量であった。
(製造例4:アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A4)の製造)
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、メチルイソブチルケトン301.0質量部を仕込み、撹拌しながら系内温度が110℃になるまで昇温し、次いで、グリシジルメタアクリレート200.0質量部、メチルメタアクリレート300.0質量部およびt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日本乳化剤株式会社製「パーブチルO」)10.0質量部からなる混合液を3時間かけて滴下ロートより滴下した後、110℃で15時間保持した。90℃まで冷却し、メトキノン0.3質量部およびアクリル酸102.6質量部を仕込んだ後、トリフェニルホスフィン3.1質量部を添加後、さらに100℃まで昇温して8時間保持し、アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A4)のメチルイソブチルケトン溶液を得た。このアクリル(メタ)アクリレート樹脂(A4)の重量平均分子量(Mw)は27,800、原料の仕込み比から算出される(メタ)アクリロイル基当量の理論値は430g/当量であった。
(製造例5:アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A5)の製造)
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、メチルイソブチルケトン271.9質量部を仕込み、撹拌しながら系内温度が110℃になるまで昇温し、次いで、グリシジルメタアクリレート250.0質量部、メチルメタアクリレート250.0質量部およびt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日本乳化剤株式会社製「パーブチルO」)5.0質量部からなる混合液を3時間かけて滴下ロートより滴下した後、110℃で15時間保持した。90℃まで冷却し、メトキノン0.3質量部およびアクリル酸128.0質量部を仕込んだ後、トリフェニルホスフィン3.2質量部を添加後、さらに100℃まで昇温して8時間保持し、アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A5)のメチルイソブチルケトン溶液を得た。このアクリル(メタ)アクリレート樹脂(A5)の重量平均分子量(Mw)は65,400、原料の仕込み比から算出される(メタ)アクリロイル基当量の理論値は360g/当量であった。
(製造例6:アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A6)の製造)
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、メチルイソブチルケトン412.7質量部を仕込み、撹拌しながら系内温度が110℃になるまで昇温し、次いで、グリシジルメタアクリレート200.0質量部、メチルメタアクリレート300.0質量部およびt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日本乳化剤株式会社製「パーブチルO」)30.0質量部からなる混合液を3時間かけて滴下ロートより滴下した後、110℃で15時間保持した。90℃まで冷却し、メトキノン0.3質量部およびアクリル酸102.6質量部を仕込んだ後、トリフェニルホスフィン3.1質量部を添加後、さらに100℃まで昇温して8時間保持し、アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A6)のメチルイソブチルケトン溶液を得た。このアクリル(メタ)アクリレート樹脂(A6)の重量平均分子量(Mw)は8,600、原料の仕込み比から算出される(メタ)アクリロイル基当量の理論値は440g/当量であった。
(製造例7:アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A7)の製造)
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、メチルイソブチルケトン278.9質量部を仕込み、撹拌しながら系内温度が110℃になるまで昇温し、次いで、グリシジルメタアクリレート400.0質量部、メチルメタアクリレート100.0質量部およびt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日本乳化剤株式会社製「パーブチルO」)20.0質量部からなる混合液を3時間かけて滴下ロートより滴下した後、110℃で15時間保持した。90℃まで冷却し、メトキノン0.4質量部およびアクリル酸198.0質量部を仕込んだ後、トリフェニルホスフィン3.6質量部を添加後、さらに100℃まで昇温して8時間保持し、(メタ)アクリロイル基含有アクリル樹脂(A7)のメチルイソブチルケトン溶液を得た。前記(メタ)アクリロイル基含有アクリル樹脂(A7)の重量平均分子量(Mw)は18,200、原料の仕込み比から算出される(メタ)アクリロイル基当量の理論値は260g/当量であった。
(実施例1~7および比較例1~3:活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の調製)
表1に示す割合で各成分を混合し、メチルエチルケトンを用いて不揮発分を30質量%に調整して活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(1)~(7)及び(1’)~(3’)を得た。
Figure 2023143911000007
表1中の各原料の詳細は以下の通り。
・「アロニックス M-403」:東亞合成株式会社製、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物
・「MEK-ST-40」:日産化学株式会社製、オルガノシリカゾル
・「Omnirad 184」:IGM Resins社製、光重合開始剤
上記の実施例及び比較例で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて、下記の評価を行った。
[タックフリー性の評価方法]
活性エネルギー硬化性樹脂組成物を厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」と略記する。)上にバーコーターで塗布し、80℃で2分間乾燥させた。次いで、別のPETフィルムを重ねあわせて荷重をかけ、室温(25℃)、及び40℃に加温した後のフィルム同士の付着の有無を観察することにより、タックの有無を確認し、下記の基準に従って評価した。
A:室温条件及び40℃条件下でもフィルム同士の付着やブロッキングが認められない。
B:室温条件ではフィルム同士の付着は生じないが、40℃条件下では僅かにブロッキングが認められる。
C:室温条件ではフィルムの付着は生じないが、40℃条件下ではフィルム同士が付着する。
D:室温条件及び40℃条件下でフィルム同士が付着する。
[耐擦傷性の評価方法]
実施例及び比較例で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を厚さ125μmのPETフィルム上にバーコーターで塗布し、80℃で2分間乾燥させた。次いで、窒素雰囲気下、80W高圧水銀ランプで紫外線を300mJ/cm照射し、PETフィルム上に膜厚5μmの硬化塗膜を有する積層体(1)を得た。
次いで、スチールウール(日本スチールウール株式会社製「ボンスター#0000」)0.5gで直径2.4センチメートルの円盤状の圧子を包み、該圧子に500g重の荷重をかけて、前記積層体(1)の硬化塗膜表面を200往復させる磨耗試験を行った。磨耗試験前後の塗膜のヘーズ値を、自動ヘーズコンピューター(スガ試験機株式会社製「HZ-2」)を用いて測定し、それらの差の値(dH)で耐擦傷性を評価した。なお、差の値(dH)が小さいほど、擦傷に対する耐性が高い。
[耐薬品性の評価方法]
前記積層体(1)の硬化塗膜表面上に日焼け止めクリーム(Johnson&Johnson Consumer Inc.社製「ニュートロジーナ ウルトラシアーサンスクリーン」)を0.1g/cmとなるように塗布し、80℃のオーブン内で6時間静置した。オーブンから取り出し常温に戻した後、布で日焼け止めクリームを拭き取り、拭き取り後の塗膜表面の状態を下記の基準に従って評価した。
A:試験前の積層体と比較して変化がない。
B:塗膜に薄い透明な跡が残る。
C:塗布部の一部に白化やクラックが生じる。
D:塗布部の全面に白化やクラックが生じる。
[基材密着性の評価方法]
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を厚さ125μmのアクリルフィルム上にバーコーターで塗布し、80℃で2分間乾燥させた。次いで、窒素雰囲気下、80W高圧水銀ランプで紫外線を50mJ/cm照射し、アクリルフィルム上に膜厚5μmの硬化塗膜を有する積層体(2)を得た。この積層体(2)の硬化塗膜表面にカッターナイフで切れ目を入れて、1mm×1mmの碁盤目を100個作成し、その上からセロハン粘着テープを貼着した後、急速に剥がす操作を行い、剥離せずに残存した碁盤目の数を数え、以下の基準に従って評価した。
A:碁盤目の残存数が80個以上であった。
B:碁盤目の残存数が50個以上80個未満であった。
C:碁盤目の残存数が30個以上50未満であった。
D:碁盤目の残存数が30個未満であった。
実施例1~7で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(1)~(7)及び比較例1~3で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(1’)~(3’)の評価結果を表2に示す。
Figure 2023143911000008
表2中に示した実施例1~7は、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を用いた例であり、乾燥後に高いタックフリー性を有するためアフターキュア用途に適し、また硬化塗膜の密着性、耐薬品性、耐擦傷性にも優れることが確認できた。
実施例1は本発明の中でもアクリロイル基当量が最も大きい活性エネルギー線硬化型組成物(A1)を用いた例であり、特に優れたタックフリー性を示すことが確認できた。また実施例6及び7に示すように、活性エネルギー線硬化型組成物(A1)はその他の活性エネルギー線硬化性成分やナノシリカを併用した場合にも高いタックフリー性を維持することが可能であり、密着性、耐薬品性、耐擦傷性にも優れる硬化塗膜を得られることが確認できた。
一方、比較例1は重量平均分子量(Mw)が8,600の活性エネルギー線硬化型組成物(A6)を用いた例であるが、タックフリー性が不十分であることが確認できた。
また、比較例2はアクリロイル基当量が260g/当量の活性エネルギー線硬化型組成物(A7)を用いた例であるが、タックフリー性及び基材密着性が著しく不十分であることが確認できた。
比較例3は優れたタックフリー性を有する活性エネルギー線硬化型組成物(A1)を用いた例であるが、その他の活性エネルギー線硬化性成分であるアロニックス M-403を合計質量中50質量%併用したためにタックフリー性が著しく悪化したことが確認できた。
なお、本発明において、「アクリル(メタ)アクリレート樹脂」とは、分子中に(メタ)アクリロイル基を有する樹脂のことをいい、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基及びメタクリロイル基の一方または両方のことをいう。また、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの一方または両方のことをいう。

Claims (9)

  1. アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)を必須成分とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、
    前記アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)の重量平均分子量が10,000~70,000の範囲で、(メタ)アクリロイル基当量が、300~3,000g/eqの範囲であり、
    重量平均分子量が5,000以下の活性エネルギー線硬化性成分の含有率が前記アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)とその他の硬化性成分の合計質量中40質量%以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  2. 前記アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)が、(メタ)アクリレートモノマーからなる単量体混合物の重合体であって、前記単量体混合物100質量部中にグリシジル基含有(メタ)アクリレートモノマー(x1)を5~60質量部で含有する単量体混合物の重合体である請求項1記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  3. 前記アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)が、グリシジル基含有(メタ)アクリレートモノマー(x1)を必須の原料とするアクリル系重合体(a1)に、水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー(x2)及び/又はカルボキシ基含有(メタ)アクリレートモノマー(x3)を反応させることにより得られるものである請求項1~2の何れか1項記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  4. 前記アクリル系重合体(a1)が、グリシジル基含有(メタ)アクリレートモノマー(x1)と(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体である請求項3記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  5. 更にシリカを含有する請求項1~4の何れか1項記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  6. 前記シリカの含有率が、前記アクリル(メタ)アクリレート樹脂(A)100質量部に対して10~100質量部の範囲である請求項5記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1~6の何れか1項記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の乾燥被膜を基材の表面に有することを特徴とする積層フィルム。
  8. 請求項1~6の何れか1項記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を基材上に塗布し60~150℃で乾燥させることを特徴とする積層フィルムの製造方法。
  9. 請求項1~6の何れか1項記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を基材上に塗布し60~150℃で乾燥させて得られる積層フィルムを加工したのち、活性エネルギー線を照射して硬化させることを特徴とする加飾フィルムの製造方法。
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