JP2023142813A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】操縦安定性および耐摩耗性を維持しながら耐老化性を従来レベル以上に向上させるようにしたタイヤを提供する。【解決手段】キャップトレッドがキャップトレッド用ゴム組成物、アンダートレッドがアンダートレッド用ゴム組成物からなり、前記キャップトレッド用ゴム組成物が、そのジエン系ゴム100質量部に対し、重量平均分子量が500~5000、室温で固体の熱可塑性樹脂を5~100質量部、および可塑剤成分をWc質量部配合してなり、前記アンダートレッド用ゴム組成物が、そのジエン系ゴム100質量部に対し、可塑剤成分をWu質量部配合してなり、0≦Wc≦Wuおよび0≦Wc+Wu≦9を満たす。【選択図】なし

Description

本発明は、操縦安定性および耐摩耗性を維持しながら耐老化性を向上させるようにしたタイヤに関する。
タイヤに求められる性能として、操縦安定性、グリップ性能および耐摩耗性が挙げられる。これらの性能を優れたものにするため、タイヤのトレッド、とりわけキャップトレッドを構成するゴム組成物には、カーボンブラックなどの充填剤が多く配合されると共に、ゴム硬度を調節するため可塑剤が配合されている。しかし、キャプトレッドに含まれる可塑剤が隣接するアンダートレッドに移行(マイグレート)すると、キャプトレッドが硬くなり、耐チッピング性や耐老化性が低下することが懸念される。
例えば、特許文献1は、空気入りタイヤのキャップトレッド部およびアンダートレッド部に、充填剤と反応する特殊な反応性可塑剤を配合することを開示する。しかし、需要者がタイヤに求める性能は更に高まり、特許文献1に記載された空気入りタイヤにおいても、更なる改良が求められている。とりわけ、操縦安定性および耐摩耗性と耐チッピング性などの耐老化性をより高いレベルで両立させることが求められている。
特開2000-211319号公報
本発明の目的は、操縦安定性および耐摩耗性を維持しながら耐老化性を従来レベル以上に向上させるようにしたタイヤを提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤは、タイヤ径方向外側に配置されたキャップトレッドおよびその径方向内側に配置されたアンダートレッドからなるトレッド部を有するタイヤにおいて、前記キャップトレッドがキャップトレッド用ゴム組成物、前記アンダートレッドがアンダートレッド用ゴム組成物からなり、前記キャップトレッド用ゴム組成物が、そのジエン系ゴム100質量部に対し、重量平均分子量が500~5000、室温で固体の熱可塑性樹脂を5~100質量部、および可塑剤成分をWc質量部配合してなり、前記アンダートレッド用ゴム組成物が、そのジエン系ゴム100質量部に対し、可塑剤成分をWu質量部配合してなり、前記WcおよびWuが下記式(1)、(2)を満たすことを特徴とする。
0≦Wc≦Wu (1)
0≦Wc+Wu≦9 (2)
本発明のタイヤによれば、キャップトレッド用ゴム組成物およびアンダートレッドに任意に配合される可塑剤成分が特定の関係を満たし、かつキャップトレッド用ゴム組成物が特定の熱可塑性樹脂を配合するようにしたので、キャップトレッドからの可塑剤成分の移行(マイグレート)を可及的に削減すると共に、タイヤの操縦安定性および耐摩耗性を維持しながら耐老化性を従来レベル以上に向上させることができる。
前記キャップトレッド用ゴム組成物のガラス転移温度Tg(c)および前記アンダートレッド用ゴム組成物のガラス転移温度Tg(u)は、下記式(3)を満たすことよい。
0℃<Tg(c)-Tg(u)<50℃ (3)
また、前記キャップトレッド用ゴム組成物は、ガラス転移温度-85℃~-45℃のスチレン-ブタジエンゴムを30質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを5質量部以上90質量部未満配合してなるとよい。さらに、前記キャップトレッド用ゴム組成物が、末端を官能基で変性されたスチレン-ブタジエンゴムを含むとよい。
前記熱可塑性樹脂は、変性テルペン、テルペンフェノール、C5成分、C9成分、ロジン、ロジンエステル、から選ばれる少なくとも1つからなる樹脂であり、その軟化点が80℃~180℃であるとよい。
本明細書において、タイヤは、空気入りタイヤ、非空気式タイヤのいずれでもよい。タイヤはトレッド部を有し、トレッド部はキャプトレッドおよびアンダートレッドからなる。キャップトレッドはタイヤ径方向外側に配置されキャップトレッド用ゴム組成物からなる。また、アンダートレッドは、キャップトレッドの径方向内側に配置されアンダートレッド用ゴム組成物からなる。
キャップトレッド用ゴム組成物は、ゴム成分としてジエン系ゴムを含む。ジエン系ゴムは、好ましくはガラス転移温度(以下、「Tg」と記載することがある。)が-85℃~-45℃のスチレン-ブタジエンゴムを含む。Tgが-85℃~-45℃のスチレン-ブタジエンゴムを含有することにより、シリカを配合したときその分散性を向上させウェット性能を優れたものにすることができる。スチレン-ブタジエンゴムのTgは、より好ましくは-80℃~-47℃、さらに好ましくは-75℃~-50℃であるとよい。本明細書において、ジエン系ゴムのTgは、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度とすることができる。また、ジエン系ゴムが油展品であるときは、油展成分(オイル)を含まない状態におけるジエン系ゴムのTgとする。
上述したTgが-85℃~-45℃のスチレン-ブタジエンゴムは、ジエン系ゴム100質量%中、好ましくは30質量%以上、より好ましくは30~100質量%、さらに好ましくは50~95質量%であるとよい。本明細書において、ジエン系ゴムのTgは、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度とすることができる。また、ジエン系ゴムが油展品であるときは、油展成分(オイル)を含まない状態におけるジエン系ゴムのTgとする。
キャップトレッド用ゴム組成物を組成するジエン系ゴムは、好ましくは末端を官能基で変性されたスチレン-ブタジエンゴムを含むとよい。このような官能基として、例えばシリル基、シロキシ基、アルコキシシリル基、アルキルハロシリル基、アルキルアミノシリル基、アルコキシハロシリル基、オキシシリル基、シラノール基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、カルボニル基、アルデヒド基、イミダゾリル基、インドリル基、イミノ基、ニトリル基、ピリジル基、ケチミン基、等を挙げることができる。なかでもポリオルガノシロキサン構造またはアミノシラン構造を有するものが好ましく挙げられる。ポリオルガノシロキサン構造またはアミノシラン構造を有する官能基を有することにより、シリカの分散性を良好にし、ウェット性能および低転がり抵抗性を優れたものにすることができる。
キャップトレッド用ゴム組成物は、Tgが-85℃~-45℃のスチレン-ブタジエンゴム以外の他のジエン系ゴムを含むことができる。他のジエン系ゴムとして、例えばTgが-85℃未満または-45℃超のスチレン-ブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、およびこれらゴムに官能基を付した変性ゴム等を例示することができる。これら他のジエン系ゴムは、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。他のジエン系ゴムの含有量は、ジエン系ゴム100質量%中、好ましくは70質量%以下、より好ましくは0~70質量%、さらに好ましくは5~50質量%であるとよい。
キャップトレッド用ゴム組成物は、そのジエン系ゴム100質量部に対し、熱可塑性樹脂を5~100質量部を配合する。熱可塑性樹脂は、重量平均分子量が500~5000、室温で固体の樹脂である。本明細書において、室温とは23℃をいう。熱可塑性樹脂を配合することにより、引張破断強度を高くし耐摩耗性を向上することができる。また、キャップトレッド用ゴム組成物における可塑剤成分を削減してもゴム硬度を調節し易くなる。熱可塑性樹脂は、重量平均分子量が500~5000、好ましくは800~4000、より好ましくは900~3500である。熱可塑性樹脂の重量平均分子量をこのような範囲内にすることにより、隣接するアンダートレッドへの移行(マイグレート)を抑制することができる。熱可塑性樹脂は、ジエン系ゴム100質量部に対し、好ましくは7~90質量部、より好ましくは10~70質量部配合するとよい。
熱可塑性樹脂は、室温で固体の樹脂であり、かつ重量平均分子量が500~5000であれば特に限定されるものではないが、好適な熱可塑性樹脂として、例えば、テルペン系樹脂、変性テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂などの天然樹脂、C5成分、C9成分からなる石油系樹脂、石炭系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂などの合成樹脂が挙げられる。なかでも変性テルペン、テルペンフェノール、C5成分、C9成分、ロジン、ロジンエステル、から選ばれる少なくとも1つからなる樹脂が好ましい。
テルペン系樹脂として、例えばα-ピネン樹脂、β-ピネン樹脂、リモネン樹脂、水添リモネン樹脂、ジペンテン樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペンスチレン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂等が挙げられる。ロジン系樹脂として、例えばガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、水素添加ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、マレイン化ロジンおよびフマル化ロジン等の変性ロジン、これらのロジンのグリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、メチルエステルおよびトリエチレングリコールエステルなどのエステル誘導体、並びにロジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。
石油系樹脂として、芳香族系炭化水素樹脂あるいは飽和または不飽和脂肪族系炭化水素樹脂が挙げられ、例えばC5系石油樹脂(イソプレン、1,3-ペンタジエン、シクロペンタジエン、メチルブテン、ペンテンなどの留分を重合した脂肪族系石油樹脂)、C9系石油樹脂(α-メチルスチレン、o-ビニルトルエン、m-ビニルトルエン、p-ビニルトルエンなどの留分を重合した芳香族系石油樹脂)、C5C9共重合石油樹脂などが例示される。
熱可塑性樹脂は、その軟化点が好ましくは80℃~180℃、好ましくは85℃~170℃、より好ましくは90℃~160℃であるとよい。熱可塑性樹脂の軟化点を80℃以上にすることにより、ウェット性能が向上し好ましい。また。180℃以下にすることにより、耐摩耗性が向上し好ましい。熱可塑性樹脂の軟化点は、JIS K6220‐1(環球法)に基づき測定することができる。
キャップトレッド用ゴム組成物は、そのジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを好ましくは5質量部以上90質量部未満配合するとよい。シリカを配合することにより、ウェットグリップ性能を向上することができる。シリカは、より好ましくは10~85質量部、さらに好ましくは20~80質量部配合するとよい。シリカとして、例えば湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらを単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。またシリカの表面をシランカップリング剤により表面処理が施された表面処理シリカを使用してもよい。
また、シリカと共にシランカップリング剤を配合することが好ましく、シリカの分散性を良好にすることができる。シランカップリング剤は、通常シリカと共に配合する種類を用いることができる。シランカップリング剤は、シリカ量の好ましくは5~15質量%、より好ましくは8~12質量%を配合するとよい。
キャップトレッド用ゴム組成物は、シリカ以外の他の充填剤を配合することができる。他の充填剤として、例えばカーボンブラック、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸カルシウム等を挙げることができる。なかでもカーボンブラックが好ましく挙げられる。これら他の充填剤は単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
キャップトレッド用ゴム組成物は、そのジエン系ゴム100質量部に対し、任意に可塑剤成分をWc質量部配合する。また、アンダートレッド用ゴム組成物は、そのジエン系ゴム100質量部に対し、任意に可塑剤成分をWu質量部配合する。ここで、キャップトレッド用ゴム組成物およびアンダートレッド用ゴム組成物における、可塑剤成分の配合量Wc(質量部)およびWu(質量部)は、下記式(1)、(2)の関係を満たす。
0≦Wc≦Wu (1)
0≦Wc+Wu≦9 (2)
上記式(1)は、キャップトレッド用ゴム組成物の可塑剤成分の配合量Wc(質量部)が任意成分であり、かつアンダートレッド用ゴム組成物の可塑剤成分の配合量Wu(質量部)以下であることを意味する。WcをWu以下にすることにより、キャップトレッドからアンダートレッドへの可塑剤成分の移行(マイグレート)を抑制し、耐チッピング性を向上させることができる。
上記式(2)は、キャップトレッドおよびアンダートレッドの可塑剤成分の配合量の合計Wc+Wuが0質量部以上9質量部以下であることを意味する。Wc+Wuを9質量部以下にすることにより、タイヤの操縦安定性を優れたものにすることができる。本明細書において、可塑剤成分は、ゴム組成物中に含まれるオイル成分をいう。オイル成分は、ゴム組成物の調製時に配合されるオイルおよびジエン系ゴムに油展成分として含まれるオイルの合計をいう。オイル成分は、天然オイル、合成オイルのいずれでもよい。
また、キャップトレッド用ゴム組成物のガラス転移温度Tg(c)およびアンダートレッド用ゴム組成物のガラス転移温度Tg(u)は、好ましくは下記式(3)の関係を満たすとよい。
0℃<Tg(c)-Tg(u)<50℃ (3)
キャップトレッド用ゴム組成物およびアンダートレッド用ゴム組成物のガラス転移温度の差[Tg(c)-Tg(u)]が、50℃以上であると、高速走行時の操縦安定性が悪化する虞がある。ガラス転移温度の差[Tg(c)-Tg(u)]は、より好ましくは45℃以下、さらに好ましくは42℃以下、特に好ましくは40℃以下であるとよい。また、差[Tg(c)-Tg(u)]は、より好ましくは5℃以上、さらに好ましくは12℃以上、特に好ましくは20℃以上であるとよい。キャップトレッド用ゴム組成物およびアンダートレッド用ゴム組成物のガラス転移温度は、前述の方法で測定することができる。
アンダートレッド用ゴム組成物は、キャップトレッド用ゴム組成物との関係で前記式(1)および(2)を満たし、好ましくは前記式(3)の関係を満たす限り、その組成が特に限定されるものではない。なお、好ましくは、アンダートレッド用ゴム組成物は、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムから選ばれるジエン系ゴム、カーボンブラック、シリカから選ばれる充填剤、各種樹脂成分、可塑剤、加工助剤、加硫系配合剤等を含むことができる。これらの組成比は、特に限定されるものではない。
キャップトレッド用ゴム組成物およびアンダートレッド用ゴム組成物は、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤、加工助剤、液状ポリマー、熱硬化性樹脂などのタイヤに一般的に使用される各種添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲内で配合することができる。またかかる添加剤は一般的な方法で混練してタイヤとし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
上述したキャップトレッド用ゴム組成物およびアンダートレッド用ゴム組成物でトレッド部を構成したタイヤは、操縦安定性および耐摩耗性を維持しながら耐老化性を従来レベル以上に向上させることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表3に示す配合剤を共通配合とし表1~2に示す配合からなるキャップトレッド用ゴム組成物、および表4に示す配合からなるアンダートレッド用ゴム組成物を調製にあたり、硫黄および加硫促進剤を除く成分を、1.7Lの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練りした後、ミキサーから放出して室温冷却した。これを上述した1.7Lの密閉式バンバリーミキサーに投入し、硫黄および加硫促進剤を加えて混合することにより、キャップトレッド用ゴム組成物およびアンダートレッド用ゴム組成物タイヤを調製した。表3に記載した配合剤の配合量は、表1~2に記載したジエン系ゴム100質量部に対する質量部で示した。なお、表1~2に、キャップトレッド用ゴム組成物と組み合わせたアンダートレッド用ゴム組成物の組成(表4に記載した「組成A」~「組成C」のいずれか)、可塑剤成分量Wu(質量部)およびアンダートレッド用ゴム組成物のガラス転移温度Tg(u)を併せて記載し、前記式(2)および(3)の値も記載した。
キャップトレッド用ゴム組成物およびアンダートレッド用ゴム組成物を、表1~2に記載したように組み合わせたキャップトレッドおよびアンダートレッドからなる空気入りタイヤ(タイヤサイズ;195/65R15)加硫成型した。得られた空気入りタイヤを使用して、下記の方法により動的粘弾性を測定し、耐老化性、耐摩耗性、および操縦安定性を評価した。
耐老化性
上記により得られたタイヤを70℃で7日間、熱老化処理を行った後、そのタイヤを標準リムに取付け、排気量2000ccのABSを搭載した試験車両に装着し、フロントタイヤおよびリヤタイヤの空気圧を220kPaにした。試験車両を比較的凸凹の少ない乾燥路面上を走行させ、速度100km/hからの制動停止距離を測定した。得られた結果は、それぞれの逆数を算出し、標準例の値を100とする指数とし、表1~2の「耐老化性」の欄に示した。この指数が大きいほど、耐老化性が優れ、また耐チッピング性にも優れることを意味する。
耐摩耗性
加硫成型して得られたタイヤを標準リムに組み付け、排気量2000ccのABSを搭載した試験車両に装着し、標準空気圧を充填した。20000kmの実車走行試験を行った後、所定位置の溝深さを測定し、摩耗量を算出した。得られた結果は、それぞれの逆数を算出し、標準例の値を100とする指数とし、表1~2の「耐摩耗性」の欄に示した。この指数が大きいほど、耐摩耗性が優れることを意味する。
操縦安定性
加硫成型して得られたタイヤを標準リムに組み付け、標準空気圧を充填し、試験車両に装着し、乾燥した舗装路面からなるテストコースにて、テストドライバーによる官能評価を行った。評価結果は、標準例を100とする指数で示した。この指数値が大きいほど、操縦安定性が優れることを意味する。
Figure 2023142813000001
Figure 2023142813000002
Figure 2023142813000003
表1~3において、使用した原材料の種類は、以下の通りである。
・SBR-1:ポリオルガノシロキサン構造を有する末端変性の溶液重合スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol NS616、ガラス転移温度が-23℃、スチレン含有量が22質量%、ビニル含有量が67モル%、非油展品
・SBR-2:ポリオルガノシロキサン構造を有する末端変性の溶液重合スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol NS612、ガラス転移温度が-61℃、スチレン含有量が15質量%、ビニル含有量が31モル%、非油展品
・NR:天然ゴム、TSR20、ガラス転移温度が-65℃
・BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol BR1220、ガラス転移温度が-105℃
・カーボンブラック:東海カーボン社製シースト7HM
・シリカ:Solvey社製Zeosil 1165MP、窒素吸着比表面積が159m/g
・熱可塑性樹脂-1:芳香族変性テルペン樹脂、ヤスハラケミカル社製YSレジンTO-125、軟化点が125℃、ガラス転移温度が79℃、重量平均分子量が1200、室温で固体
・熱可塑性樹脂-2:インデン樹脂、三井化学社製 FMR0150、軟化点が150℃、ガラス転移温度が89℃、重量平均分子量が1500、室温で固体
・熱可塑性樹脂-3:フェノール樹脂、三井化学社製ネオポリマー170S、軟化点が160℃、ガラス転移温度が109℃、重量平均分子量150、室温で固体
・熱可塑性樹脂-4:C9系樹脂、ルトガース社製ノバレスC10、重量平均分子量が150、室温で液体
・可塑剤-1:プロセスオイル、シェルルブリカンツジャパン社製エキストラクト4号S、ガラス転移温度が-48℃
・可塑剤-2:ひまわりオイル、昭和産業社製オレインリッチ、ガラス転移温度が-87℃
・カップリング剤:シランカップリング剤、Evonik Degussa社製 Si69
・老化防止剤:LANXESS社製VULANOX 4020
・ワックス:NIPPON SEIRO社製 OZOACE-0015A
・亜鉛華:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
・硫黄:鶴見化学工業社製サルファックス5
・加硫促進剤:大内振興化学工業社製ノクセラーTOT-N
Figure 2023142813000004
表4において、使用した原材料の種類は、以下の通りである。
・NR:天然ゴム、TSR20、ガラス転移温度が-65℃
・BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol BR1220、ガラス転移温度が-105℃
・カーボンブラック:東海カーボン社製シースト7HM
・可塑剤-1:プロセスオイル、シェルルブリカンツジャパン社製エキストラクト4号S、ガラス転移温度が-48℃
・硫黄:鶴見化学工業社製サルファックス5
表2から明らかなように実施例1~6のタイヤは、耐老化性、耐摩耗性および操縦安定性に優れることが確認された。
表1から明らかなように、比較例1のタイヤは、キャップトレッド用ゴム組成物の可塑剤成分量Wcがアンダートレッド用ゴム組成物の可塑剤成分量Wuよりも多く、かつこれらの合計Wc+Wuが9質量部を超えるので、耐老化性が劣る。
比較例2のタイヤは、キャップトレッド用ゴム組成物およびアンダートレッド用ゴム組成物の可塑剤成分の合計がWc+Wuが9質量部を超えるので、操縦安定性が劣る。
比較例3のタイヤは、キャップトレッド用ゴム組成物の熱可塑性樹脂が5質量部未満なので、耐老化性および耐摩耗性を改良することができない。
比較例4のタイヤは、室温で液体、かつ重量平均分子量が500未満の熱可塑性樹脂-4を配合したので、耐老化性が劣る。
比較例5のタイヤは、キャップトレッド用ゴム組成物の可塑剤成分量Wcがアンダートレッド用ゴム組成物の可塑剤成分量Wuよりも多いので、耐老化性が劣る。

Claims (5)

  1. タイヤ径方向外側に配置されたキャップトレッドおよびその径方向内側に配置されたアンダートレッドからなるトレッド部を有するタイヤにおいて、前記キャップトレッドがキャップトレッド用ゴム組成物、前記アンダートレッドがアンダートレッド用ゴム組成物からなり、前記キャップトレッド用ゴム組成物が、そのジエン系ゴム100質量部に対し、重量平均分子量が500~5000、室温で固体の熱可塑性樹脂を5~100質量部、および可塑剤成分をWc質量部配合してなり、前記アンダートレッド用ゴム組成物が、そのジエン系ゴム100質量部に対し、可塑剤成分をWu質量部配合してなり、前記WcおよびWuが下記式(1)、(2)を満たすことを特徴とするタイヤ。
    0≦Wc≦Wu (1)
    0≦Wc+Wu≦9 (2)
  2. 前記キャップトレッド用ゴム組成物のガラス転移温度Tg(c)および前記アンダートレッド用ゴム組成物のガラス転移温度Tg(u)が下記式(3)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
    0℃<Tg(c)-Tg(u)<50℃ (3)
  3. 前記キャップトレッド用ゴム組成物が、ガラス転移温度-85℃~-45℃のスチレン-ブタジエンゴムを30質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを5質量部以上90質量部未満配合してなることを特徴とする、請求項1または2に記載のタイヤ。
  4. 前記キャップトレッド用ゴム組成物が、末端を官能基で変性されたスチレン-ブタジエンゴムを含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載のタイヤ。
  5. 前記熱可塑性樹脂が、変性テルペン、テルペンフェノール、C5成分、C9成分、ロジン、ロジンエステル、から選ばれる少なくとも1つからなる樹脂であり、その軟化点が80℃~180℃である、請求項1~4のいずれかに記載のタイヤ。
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