JP2023141867A - 保護フィルム、表示体の製造方法、及び保護フィルムの製造方法 - Google Patents

保護フィルム、表示体の製造方法、及び保護フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被着体表面への追従性が高く、外観よく貼付することが容易であり、貼付時の伸びのおそれが低減された保護フィルムを提供する。【解決手段】剥離ライナー10と、粘着剤層20と、基材フィルム30と、がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成され、基材フィルム30は、ポリウレタン又はポリ塩化ビニルを含み、剥離ライナー10に、剥離ライナー10を少なくとも3つの部分10a,10b,10cに分離させる2つ以上のスリットS1,S2が設けられた、保護フィルム1a。【選択図】図1

Description

本発明は、保護フィルム、表示体の製造方法、及び保護フィルムの製造方法に関する。
近年、スマートフォン、タブレット等の携帯情報端末機器が急速に普及している。これらの携帯情報端末機器は、多くがタッチパネル方式の液晶ディスプレイの表示画面を採用している。このため、表示画面が端末における本体前面のほぼ全面を占める構造を有している。ところが、このような液晶ディスプレイは、衝撃に脆弱であって、落下又は外部衝撃により壊れたり損傷したりする場合が多い。そのため、携帯情報端末機器のディスプレイパネルを保護するための保護フィルムが広く用いられている。
特許文献1は、強化ガラスフィルムの下にPET層を有し、強化ガラスフィルムとPET層とを接着する接着層と、PET層を携帯情報端末機器の表面に貼り付ける貼着層とを有する保護フィルムを開示する。
特開2013-242567号公報
近年、表示画面の端面部分が曲面状である曲面ディスプレイを採用したスマートフォン等が登場している。しかし、特許文献1における強化ガラスフィルムのような柔軟性に乏しいフィルムを用いた場合には、保護フィルムの表示画面への追従性に乏しい。
しかし、画面への追従性を高めるため、柔軟性の高い基材フィルムを備えた場合では、気泡の混入が生じやすく、外観よく貼付することが難しい場合がある。
また、保護フィルムは、デバイスのカメラ位置やボタン位置を覆わないよう、デバイスのデザインに対応する形状に加工されている場合がある。
しかし、柔軟性の高い基材フィルムを備えた場合では、貼付作業(スキージングや、位置合わせのための貼り直し作業等)の過程において、保護フィルムが伸びて変形しやすい。保護フィルムが伸びることにより、貼付後の保護フィルムの形状とデバイスのデザインの形状とにズレが生じてしまう。
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたものであり、被着体表面への追従性が高く、外観よく貼付することが容易であり、貼付時に意図しない伸びが生じるおそれが低減された保護フィルムの提供を目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
(1) 剥離ライナーと、粘着剤層と、基材フィルムと、がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成され、
前記基材フィルムは、ポリウレタン又はポリ塩化ビニルを含み、
前記剥離ライナーに、該剥離ライナーを少なくとも3つの部分に分離させる2つ以上のスリットが設けられた、保護フィルム。
(2) 前記基材フィルムの、前記粘着剤層側とは反対側の面上に、表面コート層が更に設けられ、前記剥離ライナーと、前記粘着剤層と、前記基材フィルムと、前記表面コート層と、がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成される、前記(1)に記載の保護フィルム。
(3) 前記基材フィルムの、前記粘着剤層側とは反対側の面上に、表層フィルムが更に設けられ、
前記表層フィルムは、前記剥離ライナーが剥離除去された前記保護フィルムを被着体に貼付後に、前記保護フィルムから剥離可能である、前記(1)又は(2)に記載の保護フィルム。
(4) 前記表層フィルムが、ポリエチレンテレフタレートを含む、前記(3)に記載の保護フィルム。
(5) 前記表層フィルムが、2軸延伸フィルムである、前記(3)又は(4)に記載の保護フィルム。
(6) 前記表層フィルムの23℃における引張弾性率が、2000~7000MPaである、前記(3)~(5)のいずれか一つに記載の保護フィルム。
(7) 前記剥離ライナーを除く総厚が110~600μmである、前記(1)~(6)のいずれか一つに記載の保護フィルム。
(8) 前記剥離ライナーが剥離除去されて、デバイスの表示画面に貼付される、前記(1)~(7)のいずれか一つに記載の保護フィルム。
(9) 前記保護フィルムが、前記デバイスのデザインに対応する形状に切断されている、前記(8)に記載の保護フィルム。
(10) 前記(1)~(9)のいずれか一つに記載の保護フィルムから前記剥離ライナーを剥離除去し、デバイスの表示画面上に、前記剥離ライナーが剥離除去された前記保護フィルムを貼付する貼付工程を含む、表示体の製造方法。
(11) 前記粘着剤層に積層されていない前記剥離ライナーに、前記スリットを形成するスリット形成工程を含む、前記(1)~(9)のいずれか一つに記載の保護フィルムの製造方法。
(12) 前記スリット形成工程は、前記剥離ライナーと、前記粘着剤層とを積層させた後、前記剥離ライナーと前記粘着剤層とを剥離させ、前記粘着剤層に積層されていない前記剥離ライナーに前記スリットを形成する、前記(11)に記載の保護フィルムの製造方法。
本発明によれば、被着体表面への追従性が高く、外観よく貼付することが容易であり、貼付時の意図しない伸びが生じるおそれが低減された保護フィルム、該保護フィルムを用いる表示体の製造方法、及び該保護フィルムの製造方法を提供できる。
本発明の一実施形態の保護フィルムの一例を示す断面図である。 本発明の一実施形態の保護フィルムの一例を示す下面図である。 本発明の一実施形態の保護フィルムの一例を示す断面図である。 本発明の一実施形態の保護フィルムの一例を示す断面図である。 本発明の一実施形態の表示体の製造方法を説明する模式図である。 本発明の一実施形態の表示体の製造方法を説明する模式図である。 本発明の一実施形態の表示体の製造方法を説明する模式図である。 本発明の一実施形態の表示体の製造方法を説明する模式図である。
以下、本発明の保護フィルム、表示体の製造方法、及び保護フィルムの製造方法の実施形態を説明する。
本発明の実施形態の保護フィルムは、被着体に貼付されることで、被着体の表面を保護することができる。実施形態の保護フィルムは、最終的には剥離ライナーが剥離除去されて、被着体に貼付される。本明細書では、剥離ライナーが除去された形態の保護フィルムのことも含め、保護フィルムと称する場合がある。
≪保護フィルム≫
[第一実施形態]
本実施形態の保護フィルムは、剥離ライナーと、粘着剤層と、基材フィルムと、がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成され、前記基材フィルムは、ポリウレタン又はポリ塩化ビニルを含み、前記剥離ライナーに、該剥離ライナーを少なくとも3つの部分に分離させる2つ以上のスリットが設けられたものである。
図1は、本実施形態の保護フィルムの一例を示す断面図である。図2は、本実施形態の保護フィルムを示す下面図である。図1に示すように、実施形態の保護フィルム1aは、剥離ライナー10と、粘着剤層20と、基材フィルム30と、がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成される。
以下、保護フィルム1aを構成する各層について、詳細に説明する。
(剥離ライナー)
本実施形態において、剥離ライナー10は、粘着剤層20の表面に直接に接して積層されており、粘着剤層20から剥離可能である。剥離ライナー10の粘着剤層20と接する表面には、シリコーン等の剥離剤が塗布されていてもよい。剥離ライナー10を剥がすのに要する剥離力は特に限定されないが、作業者が手で軽く剥がせる程度の剥離力であることが好ましい。保護フィルム1aは、剥離ライナー10が剥がされて粘着剤層20が露出した状態で被着体に貼り付けられる。
剥離ライナー10の構成材料は特に限定されない。剥離ライナー10は、構成材料として樹脂を含むことが好ましい。樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル;ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン等が挙げられる。
剥離ライナー10は、ポリエチレンテレフタレートを含むことが好ましい。剥離ライナー10の質量100%に対するポリエチレンテレフタレートの含有量の割合は、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。剥離ライナー10は、含有される樹脂としてポリエチレンテレフタレートのみを含有するポリエチレンテレフタレートフィルムであることがさらに好ましい。
構成材料として樹脂を含む剥離ライナーは、スリットS1,S2を容易に形成可能である。構成材料としてポリエチレンテレフタレートを含む剥離ライナーは、スリットS1,S2をより一層容易に形成可能である。
剥離ライナー10には、剥離ライナー10を3つの部分10a,10b,10cに分離させる2つのスリットS1及びスリットS2が設けられている。スリットS1及びスリットS2の切れ込み深さは剥離ライナーの厚さと同一であるので、スリットS1及びスリットS2剥離ライナーを完全に裁断し、3つの部分10a,10b,10cは、それぞれが完全に分離可能である。
少なくとも2つのスリットの位置や形状は特に制限されるものではない。図2に示すように、スリットS1,S2は、剥離ライナーをその表面に対して垂直な方向からみたときの外接矩形R(ただし、該矩形の面積が最小になるよう外接される。)の長辺又は短辺を基準とした中央部に設けられていることが好ましく、長辺を基準とした中央部に設けられていることがより好ましい。長辺又は短辺の中央部とは、長辺又は短辺の1辺の長さを100とし、この辺を2等分する辺の一方の端からの位置を50とする場合に、辺の一方の端からの位置が30~70の範囲内の位置を例示できる。
また、スリットは、スリット同士が互いに接しないよう設けられていることが好ましく、外接矩形の短辺と平行になるよう設けられていることがより好ましい。
図2に示すような位置にスリットS1,S2を形成することで、該剥離ライナーを3つの部分に分離させ、スリットS1及びスリットS2に囲まれた部分10cのみを、残りの部分10b,10cに先んじて剥離することができる。
このとき、部分10cのみを剥離すると、部分10cの領域のみで粘着剤層20が露出するため、粘着剤層20の一部を被着体に貼付して行う位置合わせが容易である。
また仮に、位置合わせの際に貼り直しの必要が生じた場合でも、部分10cという限られた領域でのみ被着体に貼付することができるため、粘着剤層20の全面を貼付後に剥離する場合よりも、部分10cの領域の粘着剤層20を貼付後に剥離する場合のほうが、より小さな剥離力で剥離可能である。そのため、このような貼り直し作業により、基材フィルム30の伸びが生じてしまうおそれも低減される。
かかる観点から、スリットS1及びスリットS1に囲まれた部分10cの、外接矩形Rの長辺と平行な方向における幅の最大値は、外接矩形Rの長辺の1辺の長さを100とした場合に、1.5~15を例示できる。
具体的な数値として、スリットS1及びスリットS1に囲まれた部分10cの、外接矩形Rの長辺と平行な方向における幅の最大値としては、3~30mmを例示できる。
剥離ライナーのスリットS1及びスリットS1に囲まれた部分10cの面積は、剥離ライナー10の、少なくとも3つの部分に分離された残りの各部分の面積よりも小さいことが好ましい。
剥離ライナー10の厚さは、例えば、30μm以上150μm以下が好ましいが、これに限定されない。
保護フィルムの貼付方法の一例については、後述の表示体の製造方法においても説明される。
(粘着剤層)
粘着剤層20は、粘着剤としての機能を有するものであり、その表面を被着体に感圧接着させることで、保護フィルムを被着体に貼付可能とする層である。本実施形態において、粘着剤層20は、剥離ライナー10及び基材フィルム30の表面に直接に接して積層されている。
粘着剤層20の形成材料は特に限定されず、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤等を含む粘着剤組成物によって形成されてよい。また、それらの粘着剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと架橋性官能基含有モノマーの共重合体が、架橋剤によって架橋されたものが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。
架橋性官能基含有モノマーとしては、アクリル酸、2-ヒドロキシエチルアクリレート等が挙げられる。
架橋剤としては、イソシアネート架橋剤、エポキシ架橋剤、金属キレート架橋剤等が挙げられる。
ゴム系粘着剤としては、スチレンーイソプレンースチレン、ポリメチルメタクリレートーポリブチルアクリレートーポリメチルメタクリレート等のブロック共重合体が挙げられる。
シリコーン系粘着剤としては、ビニル基を有するポリジメチルシロキサンとヒドロシリル基を有するポリジメチルシロキサンが付加反応したもの等が挙げられる。
ウレタン系粘着剤としては、ポリウレタンポリオールがイソシアネート架橋剤によって架橋されたものが挙げられる。
粘着剤組成物は、粘着剤の他に、必要に応じて、溶媒、可塑剤、粘着付与材、安定剤等を含有してよい。
粘着剤層20の厚さは、例えば10μm以上100μm以下であってよいが、これに限定されない。
(基材フィルム)
本実施形態において、基材フィルム30は、粘着剤層20の表面に直接に接して積層されている。基材フィルム30は、ポリウレタン又はポリ塩化ビニルを含む。基材フィルム30の質量100%に対するポリウレタン又はポリ塩化ビニルの含有量の割合は、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。基材フィルム30は、含有される樹脂としてポリウレタン又はポリ塩化ビニルを含有するポリウレタンフィルム又はポリ塩化ビニルフィルムであることがさらに好ましい。
構成材料としてポリウレタン又はポリ塩化ビニルを含む基材フィルムは、被着体の表面への追従性が良好であり、曲面を含む被着体の表面へも好適に貼付できる。
ポリウレタンとしては、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタン等が挙げられる。
ポリエステル系ポリウレタンは、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの反応から得られる。ポリエーテル系ポリウレタンは、ポリエーテルポリオールとポリイソシアネートとの反応から得られる。ポリカーボネート系ポリウレタンは、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートとの反応から得られる。
ポリ塩化ビニルとしては、塩化ビニル由来の繰り返し単位を有する重合体である。ポリ塩化ビニルとしては、塩化ビニルの単独重合体であってもよいし、塩化ビニルと、当該塩化ビニルと共重合可能な単量体との共重合体であってもよい。共重合体としては、エチレン-塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル-塩化ビニル共重合体、塩化ビニル-ハロゲン化オレフィン共重合体等の塩化ビニルを主体とする共重合体等が挙げられる。
基材フィルム30の23℃における引張弾性率は、被着体の表面への追従性がより良好に発揮されるとの観点から、一例として、10~1500MPaであってよく、10~1000MPaであってよい。
基材フィルム30の引張弾性率は、基材フィルム30から作製した、幅が15mmで、長さが100mmを超える試験片について、チャック間距離を100mm、引張速度を200mm/minとして引っ張る引張試験を行い、弾性変形領域における、23℃での試験片の引張弾性率を測定することで得られる。
基材フィルム30の厚さは、例えば、100μm以上300μm以下であってよく、130μm以上200μm以下を例示できる。基材フィルム30の厚さを上記上限値以下とすることによって柔軟性を高めることができ、厚さを上記下限値以上とすることによって耐傷性を向上可能である。
上記に説明した剥離ライナー、粘着剤層、及び基材フィルムの各層は、それぞれ単層からなっていてもよく、複層からなっていてもよい。複層の場合、各層は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
剥離ライナー、粘着剤層、及び基材フィルムの各厚さは、無作為に選出した10箇所の厚さを測定して得られた平均値として求めることができる。複層の場合の厚さは、複層の厚さの総和とする。
本実施形態の保護フィルムの好ましい構成材料の組み合わせとしては、一例として、剥離ライナーがポリエチレンテレフタレートを含み、粘着剤層がアクリル系粘着剤によって形成され、基材フィルムがポリウレタンを含むものが挙げられる。
実施形態の保護フィルムは、前記剥離ライナーが剥離除去され、デバイスの表示画面(display screen)に貼付されて使用される用途に好適である。
前記デバイスとしては、スマートフォン、携帯電話、スマートウォッチ、ノートパソコン、タブレット等の携帯情報端末機器が挙げられる。表示画面としては、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)等の種々のディスプレイモジュールの表面を例示できる。これらの表示画面は、タッチパネル方式で操作可能であることが好ましい。
表示画面は、その一部又は全部が曲面を含む形状を有する曲面ディスプレイであってよく、表示画面の端面部分が曲面を含む形状を有する曲面ディスプレイであってよい。
実施形態の保護フィルムの剥離ライナーを除いた部分(例えば、粘着剤層、基材フィルム、及び後述の表面コート層)は、透明であることが好ましい。透明とは、保護フィルムがデバイスの表示画面に貼付され、デバイスが使用されるとき、使用者がデバイスの表示画面の内容を視認可能な状態であればよい。
実施形態の保護フィルムは、前記デバイスのデザインに対応する形状に切断されていることが好ましい。デバイスのデザインとは、画面の形状、サイズ等の他、カメラレンズ、マイク、スピーカー、操作ボタンなどのパーツが、表示画面又はその周囲に形成されたデザインを例示できる。保護フィルムは、カメラレンズ、マイク、スピーカー、操作ボタン等のパーツを覆わずに表示画面へと貼付可能な形状に切断されていてよい。
実施形態の保護フィルムによれば、貼付時に意図しない伸びが生じるおそれが低減さるので、保護フィルムが伸びて、貼付後の保護フィルムの形状とデバイスのデザインの形状とにズレが生じてしまうことが防止される。
[第二実施形態]
本実施形態の保護フィルムは、基材フィルムの、粘着剤層側とは反対側の面上に、表面コート層が更に設けられ、剥離ライナーと、粘着剤層と、基材フィルムと、表面コート層と、がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成され、前記基材フィルムは、ポリウレタン又はポリ塩化ビニルを含み、前記剥離ライナーに、該剥離ライナーを少なくとも3つの部分に分離させる2つ以上のスリットが設けられたものである。
図3は、本実施形態の保護フィルム1bの断面図である。保護フィルム1bは、剥離ライナー10と、粘着剤層20と、基材フィルム30と、表面コート層40と、がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成されている。
図3に示すように、本実施形態の保護フィルム1bは、第一実施形態の保護フィルム1aが、さらに上記の表面コート層40を備えたものである。
上記第一実施形態の保護フィルムと同様の構成を有する部分について、詳細な説明を省略する。
(表面コート層)
本実施形態において、表面コート層40は、基材フィルム30の表面に直接に接して積層されている。表面コート層40の形成材料は特に限定されないが、防汚性や自己修復(self-repair)の性質を有する点で、フッ素樹脂又はウレタン樹脂を含むことが好ましい。フッ素樹脂又はウレタン樹脂は架橋体であってよい。表面コート層40の質量100%に対するフッ素樹脂又はウレタン樹脂の含有量の割合は、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
フッ素樹としては、フルオロオレフィンとヒドロキシアルキルビニルエーテルの共重合体がイソシアネート架橋剤によって架橋されているもの等が挙げられる。
ウレタン樹脂としては、ポリエステル系ポリウレタンがイソシアネート架橋剤によって架橋されたもの等が挙げられる。
表面コート層40の厚さは特に限定されないが、例えば0.5~50μmである。
上記に説明した表面コート層は、単層からなっていてもよく、複層からなっていてもよい。複層の場合、各層は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
表面コート層の厚さは、無作為に選出した10箇所の厚さを測定して得られた平均値として求めることができる。複層の場合の厚さは、複層の厚さの総和とする。
本実施形態の保護フィルムの好ましい構成材料の組み合わせとしては、一例として、剥離ライナーがポリエチレンテレフタレートを含み、粘着剤層がアクリル系粘着剤によって形成され、基材フィルムがポリウレタンを含み、表面コート層がフッ素樹脂を含むものが挙げられる。
本実施形態の保護フィルムによれば、最外層に表面コート層40を備えているため、軟質の基材フィルムを保護することができる。また防汚性、自己修復性を良好に発揮可能であり、例えば、タッチパネル方式の表示画面上に貼付されて使用される用途に、好適に用いることができる。
[第三実施形態]
保護フィルムは、基材フィルムの粘着剤層側とは反対側の面上に、表層フィルム(cap sheetとも呼ばれる場合がある。)が更に設けられていることが好ましい。表層フィルムは、表面コート層の基材フィルム側とは反対側の面上に設けられることが好ましい。
本実施形態の保護フィルムは、剥離ライナーと、粘着剤層と、基材フィルムと、表面コート層と、表層フィルムと、がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成され、前記基材フィルムは、ポリウレタン又はポリ塩化ビニルを含み、前記剥離ライナーに、該剥離ライナーを少なくとも3つの部分に分離させる2つ以上のスリットが設けられたものであり、前記表層フィルムは、前記剥離ライナーが剥離除去された前記保護フィルムを被着体に貼付後に、前記保護フィルムから剥離可能である。
図4は、本実施形態の保護フィルム1cの断面図である。保護フィルム1cは、剥離ライナー10と、粘着剤層20と、基材フィルム30と、表面コート層40と、表層フィルム50と、がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成されている。
図4に示すように、本実施形態の保護フィルム1cは、第二実施形態の保護フィルム1bが、さらに上記の表層フィルム50を備えたものである。
上記第一実施形態及び第二実施形態の保護フィルムと同様の構成を有する部分について、詳細な説明を省略する。
(表層フィルム)
本実施形態において、表層フィルム50は、表面コート層40の表面に直接に接して積層されている。表層フィルム50は、表面コート層40から剥離可能に積層される。表層フィルム50は、表面コート層の濡れ性によって積層されてよい。また、剥離可能な粘着剤層を介して積層されてもよい。
表層フィルムは、構成材料としてポリエチレンテレフタレート又はポリプロピレンを含むことが好ましく、ポリエチレンテレフタレートを含むことがより好ましい。表層フィルム50は、2軸延伸フィルムであることが好ましく、2軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリプロピレンフィルムであることがより好ましい。
2軸延伸されることにより表層フィルムの引張弾性率が向上され、ポリウレタン又はポリ塩化ビニルを含む基材フィルムよりも変形し難い性質を、表層フィルムに容易に付与できる。
構成材料としてポリエチレンテレフタレート又はポリプロピレンフィルムを含む表層フィルム50、好ましくは2軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリプロピレンフィルムである表層フィルム50は、基材フィルムが柔軟性の高いポリウレタン又はポリ塩化ビニルを含む実施形態の保護フィルムであっても、保護フィルムの貼付作業(スキージングや、位置合わせのための貼り直し作業等)の過程で、保護フィルムが伸びてしまうおそれを、より一層効果的に防止できる。
表層フィルム50の23℃における引張弾性率は、保護フィルムの伸びがより効果的に抑制されるとの観点から、一例として、2000~7000MPaであってよく、3000~6000MPaであってよい。
表層フィルム50の引張弾性率は、表層フィルム50から作製した、幅が15mmで、長さが100mmを超える試験片について、チャック間距離を100mm、引張速度を200mm/minとして引っ張る引張試験を行い、弾性変形領域における、23℃での試験片の引張弾性率を測定することで得られる。
一例として、表層フィルム50の23℃における引張弾性率が、基材フィルム30の23℃における引張弾性率よりも大きいことが好ましい。
表層フィルム50の厚さは、例えば、10μm以上150μm以下が好ましく、20μ以上80μm以下がより好ましいが、これに限定されない。
表層フィルム50の厚さが上記下限値以上であると、保護フィルムの伸びの抑制の作用がより効果的に発揮される。表層フィルム50の厚さが上記上限値以下であると、追従性がより良好である。
剥離ライナー10及び表層フィルム50は、それぞれポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましいように、同様の構成を例示できる。ただし、被着体に貼付される表層フィルム50のほうが、剥離ライナー10よりも追従性が向上されていることが好ましいことから、表層フィルム50の厚さのほうが剥離ライナー10の厚さよりも薄いことが好ましい。
表層フィルムは、単層からなっていてもよく、複層からなっていてもよい。複層の場合、各層は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
表層フィルムの厚さは、無作為に選出した10箇所の厚さを測定して得られた平均値として求めることができる。複層の場合の厚さは、複層の厚さの総和とする。
本実施形態の保護フィルムの好ましい構成材料の組み合わせとしては、一例として、剥離ライナーがポリエチレンテレフタレートを含み、粘着剤層がアクリル系粘着剤によって形成され、基材フィルムがポリウレタン又はポリ塩化ビニルを含み、表面コート層がフッ素樹脂を含み、表層フィルムがポリエチレンテレフタレートを含むものが挙げられる。
実施形態の保護フィルムの剥離ライナーを除く総厚は、例えば、110~600μmであってよく、160~430μmであってよい。
保護フィルムの剥離ライナーを除く総厚が上記下限値以上であると、耐衝撃性がより効果的に発揮される。保護フィルムの総厚が上記上限値以下であると、被着体への追従性がより効果的に発揮される。
<表示体>
実施形態の表示体は、デバイスの表示画面上に、上記実施形態に記載の保護フィルムの、粘着剤層と、基材フィルムと、を備えるものである。実施形態の表示体は、更に表面コート層及び/又は表層フィルムを備えることができる。
保護フィルムの各構成については、上記の保護フィルムの各実施形態で説明したものと同一の構成が挙げられる。
デバイスおよびその表示画面としては、上記の保護フィルムの実施形態で説明したものと同一の構成が挙げられる。
実施形態の表示体は、デバイスの表示画面上に、上記実施形態に例示した保護フィルムを貼付することで製造可能である。製造された実施形態の表示体は、デバイスの表示画面の端部の湾曲面への追従性が高く、外観よく、意図しない伸びが低減された状態で保護フィルムが貼付された高品質なものである。以下、表示体の製造方法について説明する。
<表示体の製造方法>
実施形態の表示体の製造方法は、上記実施形態の保護フィルムから剥離ライナーを剥離除去し、デバイスの表示画面上に、前記剥離ライナーが剥離除去された前記保護フィルムを貼付する貼付工程を含む。
貼付工程は、前記2つ以上のスリットに囲まれた剥離ライナーの一部を剥離し、露出した粘着剤層の一部をデバイスの表示画面上に貼付することを含んでよい。
また、実施形態の保護フィルムが表層フィルムを備える場合、保護フィルムが表層フィルムを備えた状態で前記貼付工程を行い、前記貼付工程の後に、被着体に貼付された保護フィルムから表層フィルムを剥離する剥離工程を、更に含むことができる。
以下、図5A~Dを参照して、上記に例示した第三実施形態の保護フィルムを用いる場合を例に、実施形態の表示体の製造方法を説明する。
一例として、まず、剥離ライナー10の、スリットS1及びスリットS2に囲まれた部分10cを剥離除去する。そして、部分10cの領域のみで露出した粘着剤層20の一部分をデバイスの表示画面Dの表面に貼付する(図5A)。表示画面Dは、端面に曲面を有する。
次いで、部分10cの積層されていた箇所を起点として、剥離ライナー10の部分10a及び部分10bを剥離しつつ、表層フィルム50の上からスキージSを使用して、部分10a及び部分10bの領域で露出した粘着剤層20の各部分を、デバイスの表示画面Dの表面に貼付する(図5B~C)。
保護フィルム1bを被着体に貼付した後、表面コート層40上に積層された表層フィルム50を剥離し除去する(図5D)。このようにして、表示画面上に、上記実施形態に記載の保護フィルムの、粘着剤層と、基材フィルムと、表面コート層とを備える実施形態の表示体100cを製造可能である。
なお、剥離後の保護フィルム1cは、上記に例示した第一実施形態の保護フィルム1bと同一の構成となる。そのため、第二実施形態の保護フィルム1bを用いる場合には、表層フィルム50の剥離を行わないことで、同様に表示体を製造可能である。
なお、表示体の製造方法で例示していない他の実施形態の保護フィルムを用いる場合も、上記と同様に貼付工程を行い、表示画面上に、保護フィルムの、少なくとも粘着剤層と、基材フィルムとを備える表示体を製造可能である。
以上に説明した実施形態の保護フィルム、及びそれを用いた表示体の製造方法によれば、基材フィルムが、ポリウレタン又はポリ塩化ビニルを含むことにより、表示画面(被着体)への追従性が良好である。表示画面の端部が湾曲している場合であっても、良好に貼付可能である。
ただし、画面への追従性の良好な柔軟性の高い基材フィルムを備えた場合では、保護フィルムを外観よく貼付することが難しい。また保護フィルムが伸びて変形しやすい傾向にある。
しかし、実施形態の保護フィルムでは、剥離ライナーに前記スリットが設けられていることにより、スリットに囲まれた粘着剤層の一部のみを表示画面(被着体)に貼付して行う位置合わせが容易である。また、スリットに囲まれた粘着剤層部分を起点とした貼付(例えば、図5B~Cにおけるスキージングによる貼付)を容易に行うことができ、気泡の混入が抑制され、外観よく貼付可能である。
また、剥離ライナーに前記スリットが設けられていることにより、スリットに囲まれた粘着剤層の一部のみを表示画面(被着体)に貼付可能であるので、位置合わせ後の貼り直しの際などに、基材フィルムの伸びが生じてしまうおそれも低減される。
更に、実施形態の保護フィルムが表層フィルムを備える場合では、貼付工程では保護フィルムが表層フィルムを備え、貼付工程の後に表層フィルムを剥離する剥離工程を更に含むことができる。
貼付工程では、保護フィルムが表層フィルムを備えることにより、貼付工程におけるスキージング等の貼付作業により基材フィルムの伸びが生じてしまうおそれを、より一層低減でき、カメラレンズ、マイク、スピーカー等の位置に対応する切り欠きの位置がずれて保護フィルムが貼付されてしまうことが防止される。剥離工程では、被着体への保護フィルムの貼付後に、表層フィルムを剥離可能であるので、良好な表示画面(被着体)への追従性が効果的に発揮される。
≪保護フィルムの製造方法≫
実施形態の保護フィルムの製造方法は、前記粘着剤層に積層されていない前記剥離ライナーに、前記スリットを形成するスリット形成工程を含む。
前記スリット形成工程は、保護フィルムを構成する各層が積層された後、積層されたスリットの形成されていない剥離ライナーと前記粘着剤層とを剥離させて、前記粘着剤層に積層されていない前記剥離ライナーに前記スリットを形成することが好ましい。スリットが形成された剥離ライナーは、元の剥離ライナーが貼付されていた位置へと貼り合わせればよい。
実施形態の保護フィルムの製造方法によれば、上記実施形態の保護フィルムを製造可能である。
保護フィルムの製造方法について、以下、第三実施形態の保護フィルム1cの製造方法を例に説明する。
保護フィルム1cの製造方法は、粘着剤層20に積層されていない剥離ライナー10に、スリットS1,S2を形成するスリット形成工程を含む。
例えば、まず、基材フィルム30上に表面コート層40を形成する。表面コート層40は、例えば、フッ素樹脂及び架橋剤又はウレタン樹脂及び架橋剤を含む組成物を、基材フィルム30の表面に塗布し、塗膜を硬化させることで形成できる。
前記組成物は更に溶媒を含んでもよい。溶媒の具体例としては、酢酸エチルおよび酢酸ブチル等のエステル系溶媒、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、トルエンおよびキシレン等の芳香族系溶媒等が挙げられる。溶媒は、1種単独で用いても2種類以上併用してもよい。
前記組成物の塗工方法は特に限定されず、例えばロールコーター、ナイフコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、スロットダイコーター、リップコーター、グラビアコーターなどの公知の塗工装置を用いて塗工することができる。
塗工後、乾燥処理によって組成物から溶媒が除去され、塗膜が形成される。この際の乾燥条件としては特に限定されず、溶媒除去の観点から、60~150℃であることが好ましい。また、乾燥時間は乾燥が完了する時間まで適宜設定すればよく、例えば30秒から3分程度であってもよい。
塗膜の形成後、その上に表層フィルム50が配置される。塗膜の硬化が完全に終了する前に、塗膜およびその上の表層フィルム50が配置された状態で、さらに例えば1週間程度静置することで、塗膜の硬化が完了する。又は、塗膜が硬化した後に、剥離可能な粘着剤層(不図示)を介して、表層フィルム50を配置してもよい。
また、粘着剤を剥離ライナーに塗工して粘着剤層20を形成し、その剥離ライナーを、粘着剤層20を介して基材フィルム30の露出面に貼り合わせることによって、粘着剤層20および剥離ライナーを設けることができる。あるいは、粘着剤を基材フィルム30の露出面に塗工・乾燥して粘着剤層20を形成した後、そこに剥離ライナーを貼り合わせてもよい。
ここで用いられる剥離ライナーは、スリットS1,S2の形成されていない剥離ライナーであってよい。
次いで、粘着剤層20に積層されていない剥離ライナー10に、スリットS1,S2を形成するスリット形成工程を行う。
スリットの形成方法としては、例えば、シェアカット、レザーカット、スコアカット、等の方法を例示できる。
前記スリット形成工程は、前記剥離ライナーと、前記粘着剤層とを積層させた後、前記剥離ライナーを前記粘着剤層から剥離させ、前記粘着剤層に積層されていない状態の前記剥離ライナーに前記スリットを形成することができる。
スリットの形成される対象の剥離ライナーは、上記の粘着剤層20に積層されたものを用いてもよく、異なるものを用いてもよい。
例えば、上記で粘着剤層20に積層された剥離ライナー(剥離ライナー10Aと表記する。)にスリット形成を行う場合は、剥離ライナー10Aと粘着剤層20とを一旦剥離させ、剥離された剥離ライナー10Aに前記スリットを形成して剥離ライナー10とし、再び粘着剤層20と貼り合わせる。
例えば、上記で粘着剤層20に積層された剥離ライナー10Aと異なる剥離ライナーを用いる場合は、前記剥離ライナー10Aと粘着剤層20とを剥離させ、剥離された前記剥離ライナー10Aとは別の剥離ライナー(剥離ライナー10Bと表記する。)に前記スリットを形成して剥離ライナー10とし、これを剥離ライナー10Aと貼り替えて、粘着剤層20と積層させる。
剥離ライナーを剥離しない状態で剥離ライナーを切断しようとすると、粘着剤層やその他の保護フィルムの部分に、スリット形成に使用される切断刃により切れ込みが形成されるおそれがある。一方、実施形態の保護フィルムの製造方法では、このように、粘着剤層に積層されていない状態の前記剥離ライナーにスリット形成を行うことで、スリット形成に使用される切断刃により切れ込みが形成されることを防止できる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。符号を有する部材については、図3~4を参照してよい。
<保護フィルムの製造>
[実施例1]
フルオロオレフィンとヒドロキシアルキルビニルエーテルの共重合体(固形分20.3質量%の酢酸エチル溶液、水酸基価:67.0mgKOH/g樹脂)、およびイソシアネート系架橋剤(固形分75質量%、NCO13.0質量%)を、架橋剤中のNCO/フッ素樹脂中のOHが1/1になるように混合した溶液を、基材フィルム30(ポリウレタンにより形成された厚さ150μmのポリウレタンフィルム、引張弾性率50MPa)に塗工した後、100℃で5分乾燥して、基材フィルム30上に、厚さ7μmの表面コート層40を形成した。
アクリル系溶剤型粘着剤[主剤:アクリル酸エステル共重合体溶液(固形分40質量%、モノマー比 ブチルアクリレート95質量部 アクリル酸5質量部)100質量部、及び架橋剤:イソシアネート系架橋剤溶液(固形分75質量%)0.5質量部の混合物]を調整し、ナイフコーターによって剥離ライナー10(厚さ75μmのPETフィルム)に塗工し、剥離ライナー10上に、厚さ35μmの粘着剤層20を形成した。
こうして形成された基材フィルム30と表面コート層40とが積層された積層体の基材の露出面と、剥離ライナー10と粘着剤層20とが積層された積層体の粘着剤層20の露出面と、を重ねあわせて圧着させた。
粘着剤層20から剥離ライナー10を剥離した後、シェア刃を使用したシェアカットにより、剥離ライナー10の中央部に、剥離ライナー10の送り方向と平行に2本のスリットS1,S2を10mm間隔で形成させた後、剥離ライナー10を粘着剤層20へと再び貼付し、実施例1の保護フィルムを得た。
[実施例2]
上記実施例1において、表面コート層40の形成に用いた溶液を基材フィルム30に塗工後、その塗膜上に表層フィルム50(厚さ25μmの2軸延伸PETフィルム、引張弾性率4000MPa)を積層させたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2の保護フィルムを得た。
[比較例1]
上記実施例1において、剥離ライナー10にスリットS1,S2を形成しなかったこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1の保護フィルムを得た。
[比較例2]
上記実施例1において、基材フィルム30のポリウレタンフィルムに代えて、厚さ150μmのPETフィルムを用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例2の保護フィルムを得た。
<表示画面の表面への保護フィルムの貼付>
液晶ディスプレイの端が曲面を含む表示画面を有する市販のスマートフォンを用意し、上記の実施例1~2および比較例1~2で製造した保護フィルムを、用意したスマートフォンの表示画面の外周に沿った形状に切り出した後、表示画面の表面に貼付する作業を行った。
[実施例1の保護フィルムの貼付]
実施例1の保護フィルムの剥離ライナーのスリットS1,S2に囲まれた部分10cを剥がし、粘着剤層20の一部を露出させた。露出した部分の粘着剤層20を表示画面Dの表面へ貼付した。剥離ライナーの一部分10bを剥がしつつ、スキージを用いて、表示画面Dの表面へ貼付した。残りのもう一方の剥離ライナーの一部分10aも、同様に表示画面Dの表面へ貼付した。
[実施例2の保護フィルムの貼付]
上記実施例1の保護フィルムの貼付と同様にして、実施例2の保護フィルムを表示画面Dの表面へ貼付した。その後、保護フィルムの表層フィルムを剥離した。
[比較例1の保護フィルムの貼付]
比較例1の保護フィルムから剥離ライナー10の全面を剥離した後、保護フィルムの粘着剤層の端と表示画面の端とを合わせ、比較例1の保護フィルムを表示画面Dの表面へ貼付した。
[比較例2の保護フィルムの貼付]
上記実施例1の保護フィルムの貼付と同様にして、比較例2の保護フィルムを表示画面Dの表面へ貼付した。
貼付後の各保護フィルムの外観ついて、以下の基準により評価した。
A…表示画面Dの表面と粘着剤層との間への“気泡の混入”、及び表示画面Dの表面の曲面に保護フィルムが追従しない“浮き”の発生が確認されない。
F…上記“気泡の混入”又は“浮き”の発生が確認された。
また、貼付後の各保護フィルムの形状と表示画面Dの形状とのズレ(保護フィルムの伸び)の程度を確認し、ズレの程度が少ない順(伸びの抑制が良好な順)にA、B、Cで評価した。
結果を表1に示す。
Figure 2023141867000002
比較例2では、基材にPETフィルムを用いているため保護フィルムの伸びは抑制されていたものの、表示画面の曲面への保護フィルムの追従が不十分であり、保護フィルムの浮きが確認された。
比較例1では、基材にポリウレタンフィルムを用いているため保護フィルムの表示画面の曲面への追従は良好であった。しかし、剥離ライナーにスリットを有さず、剥離ライナーの全面を剥離させたために、気泡を混入させずに貼付を行うことが困難であった。また、剥離ライナーの全面を剥離させたために保護フィルムを引っ張りながらの位置合わせや貼付を行わなくてはならず、ポリウレタンフィルムを用いているために保護フィルムの伸びの程度が大きかった。
対して、剥離ライナーにスリットを有する実施例1では、気泡を混入させずに貼付を行うことが容易であった。基材にポリウレタンフィルムを用いているため、表示画面の曲面への保護フィルムの追従が良好であった。また剥離ライナーのスリットに囲まれた一部分のみを先に貼付したことで、位置合わせが容易であり、保護フィルムを過度に伸びさせずに、貼付することが可能であった。
実施例2では、保護フィルムが更に表層フィルムを備えることで、位置合わせに伴う保護フィルムの引張や、スキージがけに伴う保護フィルムの引張に対してより一層変形し難く、保護フィルムの伸びが更に抑制されていた。
各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は各実施形態によって限定されることはなく、請求項(クレーム)の範囲によってのみ限定される。
1a,1b,1c…保護フィルム
10…剥離ライナー
10a,10b,10c…剥離ライナーの一部分
20…粘着剤層
30…基材フィルム
40…表面コート層
50…表層フィルム
100c…表示体
S1…スリット
S2…スリット
D…表示画面
R…外接矩形
S…スキージ

Claims (12)

  1. 剥離ライナーと、粘着剤層と、基材フィルムと、がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成され、
    前記基材フィルムは、ポリウレタン又はポリ塩化ビニルを含み、
    前記剥離ライナーに、該剥離ライナーを少なくとも3つの部分に分離させる2つ以上のスリットが設けられた、保護フィルム。
  2. 前記基材フィルムの、前記粘着剤層側とは反対側の面上に、表面コート層が更に設けられ、前記剥離ライナーと、前記粘着剤層と、前記基材フィルムと、前記表面コート層と、がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成される、請求項1に記載の保護フィルム。
  3. 前記基材フィルムの、前記粘着剤層側とは反対側の面上に、表層フィルムが更に設けられ、
    前記表層フィルムは、前記剥離ライナーが剥離除去された前記保護フィルムを被着体に貼付後に、前記保護フィルムから剥離可能である、請求項1又は2に記載の保護フィルム。
  4. 前記表層フィルムが、ポリエチレンテレフタレートを含む、請求項3に記載の保護フィルム。
  5. 前記表層フィルムが、2軸延伸フィルムである、請求項3又は4に記載の保護フィルム。
  6. 前記表層フィルムの23℃における引張弾性率が、2000~7000MPaである、請求項3~5のいずれか一項に記載の保護フィルム。
  7. 前記剥離ライナーを除く総厚が110~600μmである、請求項1~6のいずれか一項に記載の保護フィルム。
  8. 前記剥離ライナーが剥離除去されて、デバイスの表示画面に貼付される、請求項1~7のいずれか一項に記載の保護フィルム。
  9. 前記保護フィルムが、前記デバイスのデザインに対応する形状に切断されている、請求項8に記載の保護フィルム。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載の保護フィルムから前記剥離ライナーを剥離除去し、デバイスの表示画面上に、前記剥離ライナーが剥離除去された前記保護フィルムを貼付する貼付工程を含む、表示体の製造方法。
  11. 前記粘着剤層に積層されていない前記剥離ライナーに、前記スリットを形成するスリット形成工程を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の保護フィルムの製造方法。
  12. 前記スリット形成工程は、前記剥離ライナーと、前記粘着剤層とを積層させた後、前記剥離ライナーと前記粘着剤層とを剥離させ、前記粘着剤層に積層されていない前記剥離ライナーに前記スリットを形成する、請求項11に記載の保護フィルムの製造方法。
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