JP2023141049A - 圧力式流量制御装置および気化供給装置 - Google Patents

圧力式流量制御装置および気化供給装置 Download PDF

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敦志 日高
Atsushi Hidaka
信一 池田
Nobukazu Ikeda
功二 西野
Koji Nishino
貴紀 中谷
Takanori Nakatani
和之 森崎
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Abstract

Figure 2023141049000001
【課題】 広い制御範囲で適切に流量制御を行うことができる流量制御装置を提供する。
【解決手段】 圧力式流量制御装置20は、コントロール弁22と、コントロール弁の下流側に設けられた圧力センサ24と、圧力センサの下流側の主流路PSに設けられた第1絞り部27Sと、圧力センサと第1絞り部との間で主流路から分岐し第1絞り部の下流側で主流路と合流する分岐流路PLに設けられた開閉弁28と、分岐流路に設けられた第2絞り部27Lと、制御機構32と、開閉弁28を流れる流体を検知する流体検知機構30とを備え、開閉弁28の開閉状態及び圧力センサ24の出力に基づいてコントロール弁22を制御することによって流量制御を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧力式流量制御装置およびこれを備える気化供給装置に関する。
半導体製造設備又は化学プラント等において、原料ガスやエッチングガスを所望の流量でプロセスチャンバに供給することが求められている。ガス流量の制御装置としては、マスフローコントローラ(熱式質量流量制御器)や圧力式流量制御装置が知られている。
圧力式流量制御装置は、コントロール弁と絞り部(例えばオリフィスプレートや臨界ノズル)とを組み合せた比較的簡単な構成によって各種流体の質量流量を高精度に制御することができるので広く利用されている。圧力式流量制御装置は、一次側の供給圧力が大きく変動しても安定した流量制御が行えるという優れた流量制御特性を有している。
圧力式流量制御装置には、絞り部の上流側の流体圧力(以下、上流圧力P1と呼ぶことがある)を制御することによって流量を調整するものがある。上流圧力P1は、絞り部の上流側の流路に配置されたコントロール弁の開度を調整することによって制御される。
コントロール弁としては、例えば、ピエゾアクチュエータによってダイヤフラム弁体を開閉するように構成されたピエゾ素子駆動式バルブが用いられている。ピエゾ素子駆動式バルブは高い応答性を有しており、これを上流圧力P1に基づいてフィードバック制御することによって、絞り部下流側のガス流量を適切に制御することができる。
特許第543007号公報 特許第5508875号公報 特許第5945499号公報 特許第5461786号公報
特許文献1には、コントロール弁の下流側において、大流量用のオリフィスが設けられた流路と小流量用のオリフィスが設けられた流路とが並列に接続された圧力式流量制御装置が開示されている。この圧力式流量制御装置は、大流量用流路に設けられた切り替え弁の開閉を切り替えることによって、制御流量レンジを変更することができ、幅広い流量レンジで正確に流量制御を行うことができる。
また、特許文献2には、上記の様に2つのオリフィスを用いて流量制御範囲を拡大させるように構成された圧力式流量制御装置において、切り替え弁にリミットスイッチを設ける構成が開示されている。リミットスイッチを用いることによって、実際の開閉状態をより確実に検知することができるので、流量制御をより正確に実行し得る。
ただし、リミットスイッチは、アクチュエータの移動部材の位置を検出するように設けられている。このため、アクチュエータが移動して開状態となっているにも関わらず、ダイヤフラム弁体が弁座に張り付いてしまっている場合などには、実際には閉状態であることが検出できず、流量制御に支障をきたす場合もあった。
さらに、リミットスイッチによって切り替え弁が閉状態であることを検出できたとしても、上述した様にアクチュエータの状態を確認しているにすぎず、実際の弁体の状態までも監視しているわけではないため、切り替え弁が閉状態のときに生じるガスのリークは検出することができない。このため、リミットスイッチを設けただけでは、特に小流量範囲での流量制御のときに正確性が低下し得るという問題があった。
また、特許文献3には、光センサを用いて流体制御弁の弁開閉状態を検出することが開示されている。しかし、このように光センサを用いる場合も、リミットスイッチを用いる場合と同様に、アクチュエータの動作を確認しているにすぎず、弁体そのものの状態を確認できるわけではないため、上記と同じ問題が生じ得た。
さらに、特許文献4には、気化器に導入された液体材料を加熱し、生成されたガスを流量制御して供給する気化供給装置が開示されている。このような気化供給装置では、比較的高温(例えば150℃以上)のガスの流量制御を行うことが求められる。
高温のガスの流量制御を行う場合、ガスの再液化を防止するために、切り替え弁を含む流路も加熱されていることが多い。そして、特に高温環境下においては、リミットスイッチや光センサが切り替え弁の実際の流れの状態を詳細に検知できないときがあり、このことが原因で流量制御の正確性が低下する場合があった。特に、種々のガスを何度も切り替えて供給する昨今の半導体製造プロセス(例えばALDプロセス)においては、装置の使用期間が長くなるにつれ、弁体や弁座の使用による摩耗が大きくなり、閉状態でのガスリークが、これまでよりも発生しやすい状況となっている。
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、大流量域と小流量域とを切り替えて制御することによって広い流量制御範囲を実現しながらも、切り替え弁の開閉状態をより正確に検出することができ、また、高温環境下であっても、安定して流量制御されたガスの供給を行うことができる圧力式流量制御装置および気化供給装置を提供することをその主たる目的とする。
本発明の実施態様に係る圧力式流量制御装置は、コントロール弁と、前記コントロール弁の下流側に設けられた圧力センサと、前記圧力センサの下流側の主流路に設けられた第1絞り部と、前記圧力センサと前記第1絞り部との間で前記主流路から分岐し前記第1絞り部の下流側で前記主流路と合流する分岐流路に設けられた開閉弁と、前記分岐流路に設けられた第2絞り部と、前記コントロール弁、前記圧力センサ、および、前記開閉弁に接続された制御機構とを備え、前記開閉弁の開閉状態及び前記圧力センサの出力に基づいて前記コントロール弁の制御を行うことによって流量制御するように構成されており、前記開閉弁を流れる流体を検知する流体検知機構を備えている。
ある実施形態において、前記流体検知機構は、前記開閉弁の下流側に設けられた流量センサを含む。
ある実施形態において、前記流体検知機構は、前記第2絞り部の上流側圧力と下流側圧力の差圧を検知する差圧センサを含む。
ある実施形態において、前記流体検知機構は、前記開閉弁の下流側に設けられた温度センサを含む。
ある実施形態において、前記温度センサは、熱電対を含む。
ある実施形態において、前記流体検知機構は、前記開閉弁の下流側に設けられた振動センサを含む。
本発明の実施形態に係る気化供給装置は、気化器と、前記気化器の下流側に接続された上記の圧力式流量制御装置とを備える。
ある実施形態において、上記の気化供給装置は、前記気化器と前記流量制御装置との間の流体圧力を測定する供給圧力センサをさらに備える。
本発明の実施形態による圧力式流量制御装置および気化供給装置によれば、広い制御流量範囲にわたって、半導体製造装置などで用いられるガスを適切に流量制御して供給することができる。
本発明の実施形態による圧力式流量制御装置および気化供給装置を含むガス供給システムを示す模式図である。 制御流量レンジの変更を伴いながら流量制御を行うときの動作を説明するための図であり、開閉弁の動作、上流圧力および流量を示す。 本発明の別の実施形態による圧力式流量制御装置および気化供給装置を含むガス供給システムを示す模式図である。 本発明のさらに別の実施形態による圧力式流量制御装置および気化供給装置を含むガス供給システムを示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態にかかる圧力式流量制御装置20(以下、流量制御装置20と称することがある)および気化供給装置50が組み込まれたガス供給システム100を示す。ガス供給システム100は、液体材料源2と、液体材料源2に接続された気化供給装置50と、遮断弁4を介して気化供給装置50に接続されたプロセスチャンバ6とを備えている。気化供給装置50は、気化器10と、気化器10の下流側に設けられた流量制御装置20とを備えている。
ガス供給システム100は、液体材料源2からの液体材料Lを気化器10において気化し、得られた材料ガスGを流量制御装置20で流量制御してプロセスチャンバ6に供給するように構成されている。なお、図1において、液体の供給路を太い実線で示し、ガスの供給路を太い破線で示している。
プロセスチャンバ6には、真空ポンプ8が接続されており、チャンバ内およびチャンバに接続された流路を減圧することができる。図1には、1系統のガス供給ラインのみが示されているが、種々のガスを供給するために、複数のガス供給ラインがプロセスチャンバ6に接続されていてもよいことは言うまでもない。
使用される液体材料Lとしては、例えば、HCDS(SiCl)、あるいは、TEOS(オルトケイ酸テトラエチル)、TMGa(トリメチルガリウム)、TMAl(トリメチルアルミニウム)などの有機金属材料があげられる。これらの材料は室温では液体であり、例えば、150℃~200℃程度に加熱することによって気化させることができる。生成された材料ガスGは、プロセスチャンバ6において、例えば、シリコン窒化膜(SiN膜)やシリコン酸化膜(SiO膜)などの絶縁膜を形成するために用いられる。
材料ガスGは、再液化しないように、比較的高温に保ったままプロセスチャンバ6に供給する必要がある。本実施形態の気化供給装置50は、供給された液体材料Lを気化できるとともに流量制御できるように構成されているので、気化供給装置50をプロセスチャンバ6の近傍に配置することによって、高温に維持すべき領域を小さくまとめることが可能である。図示しないが、気化供給装置50には複数のヒータが設けられており、気化器10や流量制御装置20を所望の温度に独立して加熱することができる。
気化器10は、液体材料源2から圧送されてきた液体材料Lを、図示しないヒータによって加熱し、材料ガスGを生成するように構成されている。気化器10は、予加熱部と気化部とこれらの間の流路に設けられた液体補充弁とを備えていてよい。予加熱部において液体材料Lを気化しない程度の高温にまで予め加熱しておくことによって、気化部での気化を容易にすることができる。これにより、気化潜熱による液温の低下を抑制し、材料ガスGの供給圧力P0を高い値に維持して安定的にガスを供給しやすくなる。
また、本実施形態の気化供給装置50において、気化器10で生成された材料ガスGの供給圧力P0は、供給圧力センサ12によって測定されている。供給圧力P0を測定することによって、気化室内の液体材料Lの量が十分であるか否かを判断することができる。供給圧力P0が閾値よりも低下しているときには、液体補充弁を開いて液体材料を補充することができ、気化部において安定的にガスの生成を行うことができる。
また、気化器10は、気化部に所定量を超える液体材料Lが供給されたことを検知することができる液体検知部(図示せず)を備えていてもよい。液体検知部を設けることによって、気化部への液体材料Lの過供給を防止することができる。液体検知部は、例えば、気化室に配置された温度計(白金測温抵抗体、熱電対、サーミスタなど)、液面計、ロードセルなどによって構成される。
以下、気化器10で生成された材料ガスGの流量制御を行うための流量制御装置20の詳細構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態の流量制御装置20は、圧力式の流量制御装置であり、コントロール弁22と、コントロール弁22の下流側に設けられた圧力センサ24と、圧力センサ24の下流側の主流路PSに設けられた第1絞り部(小流量絞り部)27Sと、圧力センサ24と第1絞り部27Sとの間で主流路PSから分岐し第1絞り部27Sの下流側で主流路PSと合流する分岐流路PLに設けられた開閉弁28と、分岐流路PLに設けられた第2絞り部(大流量絞り部)27Lと、コントロール弁22、圧力センサ24、および、開閉弁28に接続された制御機構(制御回路)32とを備えている。
流量制御装置20は、開閉弁28の開閉状態及び圧力センサ24の出力に基づいてコントロール弁22の開度を制御することによって、絞り部27S、27Lの下流側に流れるガスの流量を制御するように構成されている。なお、流量制御装置20は、コントロール弁22の下流側のガスの温度を測定するための図示しない温度センサを備えていても良く、温度センサの出力も付加的に参照してコントロール弁22の開度を制御することによって、より正確にガス流量を制御し得る。
コントロール弁22としては、例えば、ピエゾ素子駆動型バルブが用いられる。ピエゾ素子駆動型バルブは、ピエゾ素子への印加電圧の制御によってダイヤフラム弁体の移動量を調節することができ、その開度を任意に調節することができる。また、圧力センサ24としては、例えば、歪ゲージが設けられた感圧ダイヤフラムを有するシリコン単結晶製の圧力センサや、キャパシタンスマノメータが用いられる。また、温度センサとしては、例えば、熱電対やサーミスタ、白金測温抵抗体が用いられる。
絞り部27S、27L、は、本実施形態では、オリフィスプレートを用いて構成されている。第1絞り部27Sのオリフィス径は、例えば、40μm~1500μmに設定され、第2絞り部27Lのオリフィス径は、例えば、180μm~2200μmに設定される。ただし、絞り部27S、27Lとしては、臨界ノズルまたは音速ノズルなどを用いることもできる。
また、開閉弁28は、本実施形態では、AOV(air operated valve)を用いて構成されている。開閉弁28には、圧縮空気の供給を制御する電磁弁29が接続されており、電磁弁29を制御することによって開閉弁28の開閉を迅速に行うことができる。ただし、これに限られず、開閉弁28は、電磁弁、または、電動弁などのオンオフ弁で構成されていてもよい。
流量制御装置20は、圧力センサ24の出力等に基づいてコントロール弁22の開度を調整することによって、第1絞り部27Sまたは第2絞り部27Lの下流側に流れるガスの流量を制御するように構成されている。流量制御装置20は、開閉弁28を閉じたときには、主流路PSのみを通ってガスが流れるので小流量でのガス供給を行うことができる。また、開閉弁28を開いたときには、分岐流路PLをも通ってガスが流れるので、より大流量でのガス供給を行うことができる。
より具体的には、流量制御装置20は、臨界膨張条件P1/P2≧約2(ここで、P1は上流圧力、P2は下流圧力、約2は窒素ガスの場合)を満たすとき、流量Qは下流圧力P2によらず上流圧力P1によって決まるという原理を利用して流量制御を行う。
臨界膨張条件を満たすとき、流量Qは、Q=K1・P1(K1は絞り部の開口面積と流体の種類と流体温度に依存する定数)から算出される。また、図示しない下流圧力センサを備える場合、臨界膨張条件を満足しない場合であっても、流量Qを、Q=K2・P2(P1-P2)(ここでK2は絞り部の開口面積と流体の種類と流体温度に依存する定数、m、nは実際の流量を元に導出される指数)から算出することができる。
流量制御装置20は、開閉弁28が開いている時には、大流量用の流量演算式(具体的には上記のK1またはK2として、第1絞り部の開口面積と第2絞り部の開口面積との合計に対応する定数を用いた式)を用いて演算流量を求める。また、開閉弁28が閉じている時には、小流量用の演算式(具体的には上記のK1またはK2として、第1絞り部の開口面積に対応する定数を用いた式)を用いて演算流量を求めるように構成されている。このため、いずれの場合においても、上流圧力P1を制御することによって、流量制御を行うことができる。
流量制御を行うために、設定流量Qsが制御機構32に入力され、制御機構32は、開閉弁28の開閉状況や、圧力センサ24の出力などに基づいて、上記の式に従って演算流量Qcを求め、この演算流量Qcが入力された設定流量Qsに近づくようにコントロール弁22をフィードバック制御する。演算流量Qcは、流量出力値として外部のモニタに表示されてもよい。
また、本実施形態の流量制御装置20は、開閉弁28または第2絞り部27Lを流れる流体を検知するための流体検知機構30を備えている。本実施形態において、流体検知機構30は、開閉弁28と第2絞り部27Lとの間に設けられた流量センサ30aによって構成されている。流量センサ30aとしては、例えば、流路2点間での流体温度差に基づいて流量を測定する熱式質量流量計や、超音波の伝播状態から流量を測定する超音波流量計を用いることができる。
このように流量センサ30aを設けることによって、制御レンジ切り替え弁として機能する開閉弁28が閉じたときにも実際にはガスが流れている場合に、そのリーク流量を検出することができる。したがって、開閉弁28を閉じて小流量範囲で流量制御を行っている場合に、上流圧力P1に基づいて求められる演算流量(第1絞り部27Sを介して流れるガスの流量に対応)に、流量センサ30aによって測定されたリーク流量を加算することによって、実際の流量をより正確に求めることができる。このリーク流量は、装置の使用期間が長期になるほど増加することも考えられるが、リーク流量を測定することができれば、その都度、流量を補正することができるので、より長期間にわたって信頼性の高い流量制御装置を提供することが可能になる。
また、開閉弁28を開いて大流量の制御を行うときにも、第2絞り部27Lを介して流れ出るガスの流量を検出することができるので、開閉弁28に開信号が出されてアクチュエータは正常に動作しているにも関わらず、弁体が弁座に付着したままガスが所望量流れていないまたは全く流れていないような状況であっても、そのような動作不良を容易に検知することができる。
流量制御装置20は、基本的には、上流圧力P1の大きさに基づいて流量を算出するように構成されているため、従来の構成では、開閉弁28の動作不良によって想定されるガスの流れが形成されていないときにも、上流圧力P1の大きさに対応する流量でガスが流れているものと誤判断してしまうおそれがある。これに対して、開閉弁28を流れる流体を検知する流体検知機構30を設けていれば、上記の誤判断を防止し、実際のガスの流れを認識することができる。
図2は、制御流量レンジの変更を伴いながら流量制御を行うときの動作を説明する図である。まず、コントロール弁22および開閉弁28が閉じられ、流量が0の状態から、時刻t1においてコントロール弁22が開かれて、所望の小流量レンジでの流量制御が行われる。開閉弁28が閉じられているので、主流路PSのみを介してのガス供給が想定され、流量制御は、圧力センサ24によって測定された上流圧力P1に基づいてコントロール弁22をフィードバック制御することによって、一定の上流圧力P1ひいては一定の流量Qに維持することができる。
次に、時刻t2において、大流量レンジでの流量制御に切り替えるものとする。このとき、開閉弁28は瞬時に開かれ、分岐流路PLをも介してのガス供給が開始される。また、このときには、より低い上流圧力P1であっても、より大流量でガスを流すことができる。もちろん、図示する態様とは異なり、上流圧力P1をより高い値または同値に維持するように制御されてもよく、この場合にはさらに大流量でガスを流し続けることができる。
なお、気化器10からのガスの流量制御を行う場合、生成ガスの圧力(供給圧力P0)は、上流圧力P1よりも常に高いことが求められる。本実施形態の流量制御装置20を用いれば、従来よりも大流量のガスを所望流量で流すことが可能であるが、一方で、供給圧力P0の低下はより著しいものとなる。このため、気化器10は、ガス生成能力が十分に高く構成されていることが好ましく、また、供給圧力センサ12によって供給圧力P0の監視をして、これを上流圧力P1よりも高い値に維持できるように気化供給装置50が構成されていることが好適である。
次に、時刻t3において、再び小流量レンジでの流量制御に切り替えるものとする。このとき、開閉弁28は瞬時に閉じられ、主流路PSのみを介してのガス供給が開始される。上流圧力P1は、コントロール弁22のフィードバック制御により、所望流量が実現できる任意に圧力に維持される。
以上のようにして、大流量レンジと小流量レンジとで制御範囲を切り替えてガスの供給を行うときにも、流体検知機構30が設けられているので、それぞれの場合で、開閉弁の不具合などに起因する実際流量と演算流量とのずれを検知することができる。したがって、より正確に安定して流量制御を長期間にわたって行うことができる。
なお、分岐流路PLに設けられる開閉弁28と第2絞り部27Lとは、絞り部内蔵弁(ここではオリフィス内蔵弁)の態様で設けられても良い。絞り部内蔵弁において、第2絞り部27Lは、開閉弁28の近傍に配置されており、より詳細には、開閉弁28の弁機構と第2絞り部27Lとが互いに近接して一体的に設けられている。ここで、「一体的に設けられる」とは、流路ブロックの共通の取り付け位置(典型的には凹所)において、開閉弁28の弁機構と第2絞り部27Lとがまとめて近接して配置されている構成を広く意味するものとし、これらが互いに対して固定されていることまでを意味するものではない。また、開閉弁28の弁機構と第2絞り部27Lとの間に他の任意部材が存在することを排除しない。
上記のように、開閉弁28と第2絞り部27Lとを絞り部内蔵弁として設けることによって、弁機構(弁座および弁体)と絞り部との間の流路容積を極小化することができる。これにより、開から閉に移行したとき、第2絞り部27Lを介して流れ出る残留ガスの量を少なくすることができる。また、閉から開に移行したときに生じ得る、上流圧力P1の一時的な低下を抑制することができる。このため、小流量レンジと大流量レンジとの流量制御の切り替えの際に生じ得る流量出力の揺らぎ(ハンチング、アンダーシュート、オーバーシュート)を抑制することができる。分岐流路に絞り部内蔵弁を設ける流量制御装置は、本出願人による特願2022-35107に開示されており、参考のために、特願2022-35107の開示内容の全てを本明細書に援用する。
上記のように絞り部内蔵弁を用いる場合、開閉弁28と第2絞り部27Lとはいずれが上流側に配置されてもよい。また、図1に示した態様とは異なり、他の態様において、流体検知機構30は、開閉弁28の下流側に設けられる限り、第2絞り部27Lの下流側の流路に設けられていても良い。
図3は、他の実施形態の流量制御装置20bを備えるガス供給システム100bを示す。本実施形態では、図1に示した態様とは異なり、流体検知機構30が、第2絞り部27Lの上流側圧力と下流側圧力との差圧Pdを検知する差圧センサ30bによって構成されている。以下、図1と同様の構成要素には同様の参照符号を付すとともに詳細な説明を省略する。
第2絞り部27Lを流れるガスの流量が大きくなるほど、上流側と下流側との差圧は大きくなるものと考えられる。また、通常のガスの流れにおいては、絞り部27LのCv値(Coefficient of flow)がわかっていれば、一次側圧力と二次側圧力との差圧から流量を求めることもできる。このため、差圧センサ30bを用いれば、分岐流路PLにおけるガスの流れの発生およびガスの流量を検出することができる。
図4は、さらに他の実施形態の流量制御装置20cを備えるガス供給システム100cを示す。本実施形態では、図1に示した態様とは異なり、流体検知機構30が、開閉弁28および第2絞り部27Lの下流側に設けられた温度センサ30cによって構成されている。なお、温度センサ30cは、開閉弁28と第2絞り部27Lとの間に設けられていても良い。以下、図1と同様の構成要素には同様の参照符号を付すとともに詳細な説明を省略する。
本実施形態において、温度センサ30cとしては、熱電対が用いられている。ただし、熱電対に限らず、サーミスタや白金抵抗体を用いることもできる。
温度センサ30cの出力を参考にして、分岐流路PLにおけるガスの流れを検知することができる。気化器10からの高温のガスが流れている環境では、実際にガスが流れている場合には、分岐流路PLのガス温度も高くなるのに対して、ガスが流れていない、あるいは、ごく少量のガスしか流れていない状況では、温度がより低下することが考えられる。このため、ガスの温度の測定によっても、分岐流路PLにおけるガスの流れを検知し得る。
また、特に、温度センサ30cとして、熱電対を用いる場合には、その出力のブレ(揺らぎ)の大きさによって、ガスの流れの状態を推定することができる。本発明者の実験によって、熱電対の出力は、ガスの流量が大きいほど、安定せずにブレやすいことが確認されている。このため、例えば、出力のブレ(時間的に変動する出力の最大出力と最小出力との差)が閾値を超えたときには、有意なガスの流れが生じていると判断することもできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、種々の改変が可能である。流体検知機構30は、例えば、開閉弁28の下流側に設けられた振動センサによって構成されていてもよい。ガスの流れの大きさによって振動が生じることがあり、振動センサの出力に基づいて、分岐流路PLに実際にガスの流れが生じているか否か、また、その流量を判断し得る。
また、上記にはコントロール弁22の下流側に並列接続された2流路を設ける態様を説明したが、これに限られず、3流路以上を並列接続してもよい。この場合にも、主流路以外の流路(複数の分岐流路)のそれぞれ、あるいはこれらの共通路に流体検知機構を設けることによって、複数のレンジ切り替えを可能とするとともに、開閉弁28で生じるリーク流れや動作不良による閉弁状態を検知して、より安定して正確に流量制御を行うことが可能になる。
また、上記には、コントロール弁22として、通常のピエゾ素子駆動型バルブを用いる態様を説明したが、気化器10からの高温ガスの流量制御を行う場合、高温対策用にピエゾアクチュエータの下方(ダイヤフラム弁体との間)に棒状の放熱スペーサ(エクステンション)が配置されたピエゾ素子駆動型バルブを用いてもよい。放熱スペーサは、例えばインバー材によって形成されており、これをピエゾアクチュエータと連動して動かすことによって、高温のガスが流れたときにも、ピエゾ素子が耐熱温度以上になることを防ぎながら、流量制御を適切に行うことができる。
また、より大流量での流量制御を行うために、コントロール弁22として、複数のアクチュエータを備えるダイヤフラムバルブを用いてもよい。このようなバルブは、例えば、本出願人による特開2021-32391号公報に開示されている。この種のバルブは、ダイヤフラム弁体を開閉動作させるための操作部材と、操作部材を比較的大きく移動させるための主アクチュエータと、操作部材を比較的小さく移動させるための副アクチュエータとを備えている。主アクチュエータとしては、操作部材を上下動させる空気駆動式のアクチュエータ(または駆動流体によって動作するアクチュエータ)が用いられ、副アクチュエータとしては、ピエゾアクチュエータ(または電気的な駆動により伸長可能なアクチュエータ)が用いられる。
このように構成されたバルブでは、主アクチュエータによって、操作部材およびダイヤフラム弁体を大きく移動させることができるとともに、その内側に配された副アクチュエータによって操作部材の変位を微調整することができる。したがって、主アクチュエータの操作圧力と、副アクチュエータの印加電圧との双方を組み合わせて制御することによって、小流量から大流量までの広い範囲にわたって、精度よく流量制御を行うことが可能になる。主アクチュエータの使用によって大流量のガスを流すことが可能になるとともに、副アクチュエータの使用によって応答性の高い微調整が可能であるので、コントロール弁22として用いたときに、上流圧力P1を広い範囲で所望の値に応答性よく制御することができる。
本発明の実施形態による圧力式流量制御装置および気化供給装置は、半導体製造設備等のガス供給システムに組み込まれて幅広い制御レンジで流量制御を行うために適切に利用される。
2 液体材料源
4 遮断弁
6 プロセスチャンバ
8 真空ポンプ
10 気化器
12 供給圧力センサ
20 圧力式流量制御装置
22 コントロール弁
24 圧力センサ
27L 第2絞り部
27S 第1絞り部
28 開閉弁
29 電磁弁
30 流体検知機構
30a 流量センサ
30b 差圧センサ
30c 温度センサ
100 ガス供給システム
P0 供給圧力
P1 上流圧力
PS 主流路
PL 分岐流路

Claims (8)

  1. コントロール弁と、
    前記コントロール弁の下流側に設けられた圧力センサと、
    前記圧力センサの下流側の主流路に設けられた第1絞り部と、
    前記圧力センサと前記第1絞り部との間で前記主流路から分岐し前記第1絞り部の下流側で前記主流路と合流する分岐流路に設けられた開閉弁と、
    前記分岐流路に設けられた第2絞り部と、
    前記コントロール弁、前記圧力センサ、および、前記開閉弁に接続された制御機構と
    を備え、
    前記開閉弁の開閉状態及び前記圧力センサの出力に基づいて前記コントロール弁の制御を行うことによって流量制御するように構成された圧力式流量制御装置であって、
    前記開閉弁を流れる流体を検知する流体検知機構を有する圧力式流量制御装置。
  2. 前記流体検知機構は、前記開閉弁の下流側に設けられた流量センサを含む、請求項1に記載の圧力式流量制御装置。
  3. 前記流体検知機構は、前記第2絞り部の上流側圧力と下流側圧力の差圧を検知する差圧センサを含む、請求項1に記載の圧力式流量制御装置。
  4. 前記流体検知機構は、前記開閉弁の下流側に設けられた温度センサを含む、請求項1に記載の圧力式流量制御装置。
  5. 前記温度センサは、熱電対を含む、請求項4に記載の圧力式流量制御装置。
  6. 前記流体検知機構は、前記開閉弁の下流側に設けられた振動センサを含む、請求項1に記載の圧力式流量制御装置。
  7. 気化器と、
    前記気化器の下流側に接続された請求項1から6のいずれかに記載の圧力式流量制御装置と
    を備える気化供給装置。
  8. 前記気化器と前記圧力式流量制御装置との間の流体圧力を測定する供給圧力センサをさらに備える、請求項7に記載の気化供給装置。


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