JP2023140003A - 金属基ガス吸着材料及びその利用 - Google Patents

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Toshiichi Sato
忠司 中村
Tadashi Nakamura
造 郡司島
Tsukuru Gunjishima
秀哉 山寺
Hideya Yamadera
高志 勝野
Takashi Katsuno
倫大 溝下
Michihiro Mizoshita
宏文 伊藤
Hirofumi Ito
テツヲ 吉岡
Tetsuo Yoshioka
浩司 内田
Koji Uchida
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Abstract

【課題】高濃度及び/又は迅速なガス放出が可能なガス吸着材料及び当該吸着材料の利用を提供する。【解決手段】金属基ガス吸着材料2として、ガスが通過可能に連通する複数の空隙8を備えるとともに、熱伝導及び/又は電気伝導可能な連続性を有する金属骨格材料4と、前記金属骨格材料の少なくとも一部の表面を被覆して前記複数の空隙の少なくとも一部において露出されるガス吸着層7と、を備える。【選択図】図1

Description

本明細書は、金属基ガス吸着材料及びその利用に関する。
例えば、COなどのガスを吸着するための材料として、ハニカム構造を有する活性炭の三次元構造体が提案されている(特許文献1)。この材料では、COの吸着を促進するための塩基がセル壁に備えられているとともに、通電により材料を加熱するための導電性ドーパント材料も備えられている。この材料によれば、通電により構造体が加熱されることにより、ガス吸着性能が再生される。
また、別の材料として、ガスを流通させる反応流路層と熱媒体が流通される媒体流路層とを備えるガス分離器も提案されている(特許文献2)。この材料の反応流路層は、熱伝導性に優れる金属酸化物等の基材表面に熱酸化膜層とCO吸着剤層とを備えている。媒体流路層は反応流路層に隣接しており、熱媒体が流通する。この材料によれば、媒体流路層を流通する熱媒体により、隣接する反応流路層の基材、熱酸化膜層を介してCO吸着剤層が加熱される。
特開2015-128771号公報 特開2019-089030号公報
しかしながら、特許文献1の材料では、活性炭中のドーパントの導電バスに通電することによる加熱である。このため、ドーパントによる導電バスの形成状態によっては、加熱に時間を要するとともに加熱状態が不均一になるという問題があった。特許文献2の材料では、吸着剤層の加熱に、隣接する媒体流路層を流通するガス熱媒体を用いる。熱媒体の均一な流通は困難な場合もあるほか、間接的な加熱であるため、加熱の不均一及び加熱時間を要するという問題があった。また、この材料では、予め加熱した熱媒体を準備する装置が必要であり、装置全体の小型化も困難になるという問題があった。
本発明者らが検討したところ、材料の加熱の不均一性が、材料に吸着したガスの放出の不均一性、ひいては高濃度及び/又はスピーディなガスの放出を困難にしていることが判明した。また、ドーパントの導電パスへの通電加熱や間接的な熱媒加熱は、ガス放出の高速化の妨げになっており、この結果、高濃度及び/又はスピーディなガスの放出を困難にしていることがわかった。
本明細書は、高濃度及び/又は迅速なガス放出が可能なガス吸着材料及び当該吸着材料の利用を提供する。
本発明者らは、ガス吸着のための構造を、吸着材料の加熱の観点を重視して、吸着材料の基材について検討した。鋭意検討の結果、ガスが通過可能な空隙を備える金属骨格材料に着目した。かかる金属骨格材料は、それ自体が金属材料であるため熱伝導性及び電気伝導性が良好であり、金属骨格材料自身及び吸着材料全体を均一にかつ速やかに加熱できると考えた。本発明者らは、かかる金属骨格材料の空隙を形成する表面に、ガス吸着層を形成して、ガスの吸着及び放出の性能を評価したところ、ガスを高濃度及び/又はスピーディに放出できるという知見を得た。本明細書は、こうした知見に基づき、以下の手段を提供する。
[1]金属基ガス吸着材料であって、
ガスが通過可能に連通する複数の空隙を備えるとともに、熱伝導及び/又は電気伝導可能な連続性を有する金属骨格材料と、
前記金属骨格材料の少なくとも一部の表面を被覆して前記複数の空隙の少なくとも一部において露出されるガス吸着層と、
を備える、材料。
[2]前記金属骨格材料は、ハニカム構造、細線束状体構造及び多孔質セル構造からなる群から選択される、[1]に記載の材料。
[3]前記ガス吸着層は、細孔径分布において、1nm以上1000nm以下において少なくとも一つの細孔径ピークを備える、[1]又は[2]に記載の材料。
[4]前記ガス吸着層は、活性炭、ゼオライト、金属-有機構造体及びメソポーラスメタロキサン材料からなる群から選択される、[1]~[3]のいずれかに記載の材料。
[5]前記金属骨格材料の少なくとも一部が、前記金属基ガス吸着材料の表面に露出されている、[1]~[4]のいずれかに記載の材料。
[6][1]~[5]のいずれかに記載の金属基ガス吸着材料に、1又は2以上のガス成分を含有する被験ガスを接触させる工程と、
前記金属基ガス吸着材料の金属骨格材料を加熱することにより、前記1又は2以上のガス成分を放出する工程と、
を備える、ガス成分の吸着排出方法。
[7]ガス成分の吸排装置であって、
[1]~[5]のいずれかに記載の金属基ガス吸着材料を含むガス吸着放出モジュールと、
前記金属基ガス吸着材料を加熱するための加熱モジュールと、
を備える、装置。
[8]前記加熱モジュールは、前記金属骨格材料に接合されており、前記金属基ガス吸着材料を熱伝導加熱により加熱する手段又は電気伝導により加熱する手段である、[7]に記載の装置。
[9]ガス成分濃縮器である、[7]又は[8]に記載の装置。
[10][1]~[5]のいずれかに記載の金属基ガス吸着材料を含むガス吸着放出モジュールと、
前記金属基ガス吸着材料を加熱するための加熱モジュールと、
ガスセンサモジュールと、
を備える、ガスセンサ。
金属基ガス吸着材料の一例を示す図(a)及び他の一例を示す図(b)である。 金属基ガス吸着剤のさらに他の一例を示す図である。 ガス成分の給排装置の一例を示す図(a)及び他の一例を示す図(b)である。 ガス成分の給排装置のさらに他の一例を示す図(a)及びさらに他の一例を示す図(b)である。を示す図である。
本明細書の開示は、金属基吸着材料及び当該吸着材料を利用したガス給排装置及びガスセンサ等に関する。本明細書に開示される金属基吸着材料(以下、単に、吸着材料ともいう。)は、ガスを通過可能に連通する複数の空隙を有するとともに熱伝導又は電気伝導が可能な連続性を有する金属骨格材料を備え、この金属骨格材料の少なくとも一部の表面を被覆し空隙に露出されるガス吸着層を備えている。吸着材料は、金属骨格材料の熱伝導性及び電気伝導性によって、迅速かつ均一に加熱される。このため、金属骨格材料表面のガス吸着層に吸蔵したガス成分を迅速かつ均一に放出することができ、結果として、短時間及び/又は高濃度でガス成分を放出できる。
吸着材料は、また、こうした金属骨格材料を備えることで、金属骨格材料の加熱時の温度制御を迅速に、精度よく、かつ均一に行うことができる。このため、温度に応じたガスの放出も可能となる。
吸着材料をガス吸着放出モジュールに備えるガス成分給排装置は、吸着したガス成分の高濃度及びスピーディな放出が可能となる。また、かかるガス成分給排装置は、ガス成分濃縮器として有用である。さらに、こうしたガス成分給排装置を備えるガスセンサは、迅速かつ高感度でガス成分を検知することができる。
なお、本明細書において、ガス又は被験ガスとは、本開示の装置、方法を使用する環境においてガスであれば足り、特に限定されない。また、ガス成分は、ガス中から吸着しようとする成分であって、特に限定されるものではない。例えばCO2ガス、H2ガスなどのほか、揮発性のにおい成分や揮発成分などの有機化合物などが挙げられる。
以下、本明細書に開示される吸着材料、ガス成分給排装置、ガスセンサ等につき、適宜図面を参照して説明する。図1は、吸着材料の例の概要を示す図であり、図2は、吸着材料のさらに他の例の概要を示す図である。図3~図4は、ガス成分給排装置の各種態様を示す図である。
(金属基吸着材料)
吸着材料は、ガスが通過可能に連通する複数の空隙を備え、熱伝導及び/又は電気伝導可能に連続する金属骨格材料と、金属骨格材料の少なくとも一部の表面を被覆して複数の空隙の少なくとも一部において露出されるガス吸着層と、を備えている。金属骨格材料が熱伝導又は電気伝導により加熱されると、金属骨格材料は、迅速かつ均一に加熱される。この結果、金属骨格材料表面のガス吸着層も迅速かつ均一に加熱されるため、ガス成分が短時間及び/又は高濃度のガス成分が放出される。
吸着材料は、所定の三次元形態を備えているか、あるいは、所定の三次元形態を有する筐体に充填されていることが好ましい。ガス成分の吸着及び排出を意図するため、それ自体にガスを強制的に流通可能であることが好適な場合がある。特に限定するものではないが、例えば、カラム状、平板状、直方体状、立方体状などの形態を採ることができる。
(金属骨格材料)
金属骨格材料は、金属材料からなる。金属材料は、金属若しくは合金のみからなるか、又はこれらを主要成分として含む材料である。金属としては、特に限定するものではないが、鉄、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、白金、金、銀などが挙げられる。熱伝導性の観点からは、銀、銅、金、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、錫、鉛などが挙げられる。電気伝導性の観点からは、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、亜鉛、ニッケル、白金などが挙げられる。金属としては、特に限定しないで、これらを1種又は2種以上組み合わせて、又は合金として用いることができる。
金属骨格材料は、ガスが通過可能に連通する空隙を備えていると同時に、熱伝導及び/又は電気伝導可能に連続している。こうした骨格構造としては、かかる空隙及び連続性を備えている限り特に限定するものではないが、概して、後段にて例示するような固相が連続した構造である。金属骨格材料は、ガスを流通させようとする方向に沿うガス流路を形成できる空隙を備えていることが好ましい場合がある。また、金属骨格材料は、熱伝導させようとする方向又は電気伝導させようとする方向において連続している骨格材料が好ましい場合がある。
図1には、吸着材料2を、ガスの供給側から見た図を示す。この吸着材料2は、図1(a)に示すように、個々のセル6を一定の方向性で備えるハニカム構造を有する金属骨格材料4を有している。図1(a)においては、セル6の延在方向は、ガスの流通方向と一致しており図面に垂直な方向である。図1(a)の金属骨格材料4は、一つのセル6が一つの直線状の空隙8を形成してガス流路10を形成している。また、図示はしないが、ガスの流通方向に沿って複数のハニカム構造体を積層するなどして、ガスの流通方向に沿って複数のセルの個々の中心軸がずれるがセルの空隙8が連通させることにより、全体としてはガスの流通方向に沿う所定のジグザグ状のガス流路を形成していてもよい。こうしたハニカム構造の金属骨格材料4においては、金属骨格材料4の外周面やセル8の開口端部において、熱伝導及び/又は電気伝導可能である。
また、図1(b)に示すように、吸着材料2は、金属細線16を束ねてなる細線束状体構造を有する金属骨格材料14を備えていてもよい。この構造では、隣接する金属細線16間が空隙18であるが、種々のガス流通方向に沿ってそれぞれガス流路を形成することができる。図1(b)中、図面に直交する金属細線16の長さ方向に沿ったガス流路20を形成することもできるし、図1(b)中、B1、B2及びB3方向矢印に沿う金属細線16の配列方向に沿ったガス流路22~24を形成することもできる。こうした細線束状体構造では、金属細線16の端部や側面において熱伝導及び/又は電気伝導可能である。
また、吸着材料は、発泡剤や消失鋳型などを用いて得られる金属多孔質体(発泡金属などとも称される。)である金属骨格材料を有していてもよい。かかる金属多孔質体は、例えば、ポリウレタンなどの連続気孔の発泡樹脂材料を消失鋳型として用い、発泡体形状に倣った多孔質セル構造を有している。概して、こうした金属骨格材料は、高い気孔率を確保することができる。
例えば、図2に示すように、吸着材料2は、外皮状ないし骨格状の固相部分で構成されるセル36を有しセル36内部を空隙38として有する銅の多孔質体を金属骨格材料34として有することができる。こうした金属骨格材料34は、金属多孔質体の表面の任意の箇所で熱伝導及び/又は電気伝導可能である。こうした金属多孔質体の製造方法は、例えば、特開2015-224369号公報、特開2012-111998号公報、特開平9-87704号公報等に記載されている。
さらに、図示はしないが、金属細線又は繊維が、織成、編成されたシート状体やこうしたシート状体を積層又は巻着したものであってもよい。さらにまた、金属繊維を焼結、交絡、充填したカラム状体、金属繊維の焼結等による不織布状体を充填、積層又は巻装したもの等であってもよい。
さらに、金属粒子が焼結等により一体化されるか緻密に充填されるとともに、金属粒子間空隙が連続する細孔状に形成された多孔質構造を有する金属骨格材料であってもよい。
さらにまた、金属プレートを任意のパターンでエッチング処理などして貫通孔を形成し、当該貫通処理された金属プレートを積層するなどして得られる多孔質性の金属骨格材料であってもよい。
こうした金属骨格材料が有する平均的な気孔のサイズは、特に限定するものではないが、例えば、10μm500μm以下程度であることが好適な場合がある。なお、後述するように、平均気孔径は、水銀圧入法で測定することができる。
<ガス吸着層>
ガス吸着層は、ガスを吸着するものであれば特に限定されない。ガス吸着層は、特に限定しないで、公知のガス吸着材料を用いることができる。公知のガス吸着材料は、典型的には多孔質材料であり、例えば、活性炭、ゼオライト、メソポーラスシリカなどのメソポーラスメタロキサン、有機-金属構造体(Metal Organic Frameworks;MOF)が挙げられる。ガス吸着層の有する細孔径は、特に限定するものではないが、例えば、細孔径分布において、細孔径が1nm以上1000nm以下において少なくとも一つのピークを備える材料で構成されている。また例えば、平均細孔径として、1nm以上1000nm以下を有する材料で構成されている。細孔径分布及び平均細孔径は、100nm以下は、ガス吸着法により、100nm超においては、水銀圧入法により測定する。これらの方法の詳細は、例えば、株式会社島津製作所ホームページ内の「粉博士のやさしい粉講座:実線コース比表面積/細孔分布測定装置」(1647931585535_0.htm)に記載されている方法に基づくことができる。
ガス吸着層は、公知の方法で金属骨格材料表面に形成することができる。例えば、典型的な多孔質材料であれば、金属骨格材料に対して、ガス吸着層の材料を含む分散液などの液相を介する方法を採用することにおり、金属骨格材料の表面に対して均一にかつ広範囲にガス吸着層を形成することができる。こうした方法として、例えば、ディップコート法やゾルゲル法等が挙げられる。また、MOFについては、例えば、『Direct in Situ Conversion of Metals into Metal-Organic Frameworks: A Strategy for the Rapid Growth of MOF Films on Metal Substrates』(Ji他著、 ACS Appl. Mater. Interfaces vol. 8(2016) pp.32414-32420)などの方法により、種々のMOFを銅などの多孔質体表面にその場合成により形成することができる。
こうしたガス吸着層が、金属骨格材料の少なくとも一部の表面を被覆している。例えば、図1(a)に示すように、ガス吸着層7は、空隙8を形成するセル6の内壁を被覆して、空隙8に露出されている、また、図1(b)に示すように、ガス吸着層17は、金属細線16の表面を被覆して空隙18に露出されている。さらに、図2に示すように、MOFであるガス吸着層37は、金属骨格材料34のセル36の表面を被覆して空隙38に露出されている。
ガス吸着層の厚みは特に限定するものではない。金属骨格材料において空隙を過度に充填してガス流通性を阻害しない程度に形成されていればよい。
吸着材料は、それ自体、多孔質性である金属骨格材料の表面にガス吸着層を備えるため、結果として、ガス吸着層の比表面積を増大しており、ガス成分の吸着性能が向上されている。
また、吸着材料は、ガスが通過可能で熱伝導及び/又は電気伝導可能に連続する金属骨格材料をスキャホールドとして構成されているため、どのような加熱手段によっても、効率的にかつ迅速に加熱される。特に、気体のような熱媒を用いなくても、熱伝導及び/又は電気伝導可能な連続性によって、固相を介した熱伝導及び通電によるジュール熱により迅速かつ均一に加熱される。
吸着材料は、ガス成分給排装置において加熱モジュールにより加熱される場合、熱伝導又は電気伝導により加熱される場合がある。この場合、加熱モジュールが備える固相の熱伝導加熱手段や電気伝導加熱手段とよく密着又は接合されるように、吸着材料の両端部、外周面などにおいて、金属骨格材料が露出されていることが好ましい。このような露出状態は、ガス吸着層の形成領域を調節するか、又は、形成したガス吸着層を部分的に取り除くかすることにより、適宜確保することができる。
吸着材料の製造方法は特に限定されない。空隙を有するように構成された金属骨格材料に対してガス吸着層を形成して吸着材料とするほか、金属骨格材料を構成する金属細線などの構成要素に対してガス吸着層を形成した後、構成要素をアセンブリして吸着材料としてもよい。
<ガス成分給排装置>
本明細書に開示されるガス成分給排装置は、ガス成分を吸着し排出する装置であって、吸着材料を含むガス吸着排出モジュールと、吸着材料の金属骨格材料を熱伝導又は電気伝導により加熱するための加熱モジュールと、を備えることができる。かかる加熱モジュールを備えることで、迅速かつ均一に金属骨格材料が加熱される。この結果、金属骨格材料表面を被覆するガス吸着層も所定温度に迅速かつ均一に加熱されるとともに、ガス成分も迅速かつ均一に放出されるため、短時間及び/又は高濃度でガス成分を外部に提供することができる。
ガス成分給排装置40の主要部の例を図3~図4に示す。これらの図に示すように、ガス吸着排出モジュール42は、吸着材料44を収容するとともに、吸着しようとするガス成分を含むガスを、好ましくは強制的に流通可能に形成されたガス気密性である筐体46を備えている。
また、筐体46内には、ガスの流通方向に沿って吸着材料44が延在するように構成されている。吸着材料44の内部には、ガスの流通方向に沿うように多数のガス流路が形成されている。
筐体46は、例えば、ガスが供給されるガス供給部48aと、ガスが排出されるガス排出部48bと、を備えている。ガス供給部48aには、分析又は濃縮対象となるガスを供給する、図示しないガス供給源が接続されている。ガス供給源は、例えば、ガス流路とポンプなどを介して、一定流量で対象ガスをガス吸着排出モジュール42に供給可能となっている。
ガス排出部48bには、ガス成分を吸着したあとの排ガスを放出するための図示しない排ガス流路や、ガス成分を同定などする図示しないガスセンサ及び当該ガスセンサに連通される図示しない成分ガス流路などが備えられている。これらの流路は適宜切り換え可能に構成されている。
図3~図4に示すように、加熱モジュール50は、吸着材料44を構成する金属骨格材料を熱伝導及び/又は電気伝導により加熱可能に形成されている。ガス成分給排装置40は、加熱モジュール50に関連して、吸着材料44の温度センサを備えていてもよい。また、ガス成分給排装置40は、加熱モジュール50による金属骨格材料ないし吸着材料44の温度を制御するヒータコントローラを備えていてもよい。
例えば、加熱対象である金属骨格材料は、熱伝導可能な連続性を有することができる。この場合、加熱モジュール50は、気体などの熱媒を用いないで、金属骨格材料に固相を介した熱伝導加熱手段を用いることで、金属骨格材料を一層迅速かつ均一に加熱できるとともに、コンパクトに金属骨格材料を加熱できる。
図3(a)及び同(b)には、金属骨格材料の熱伝導性を用いた加熱モジュール50を示す。図3(a)に示す加熱モジュール50は、筐体46の内部に、金属骨格材料をその外部から熱伝導により直接接触して加熱するヒータ52を備えている。ヒータ52としては、特に限定するものではなく、適宜公知のヒータを用いることができる、ヒータ52は、例えば、内部にニクロム線などの発熱線、ハロゲンランプ、セラミックスなどの各種発熱体を収容する熱伝導性の筐体やシーズなどを備えているヒータを用いることができる。
例えば、図3(a)に示す加熱モジュール50では、ヒータ52が、吸着材料44の延在方向に沿って、その外周面の一部(具体的には、吸着材料44の上方側表面と下方側表面)に当接されている。また、ヒータ52は、吸着材料44の外周に露出されている金属骨格材料に直接接している。金属骨格材料に対して直接ヒータ52の加熱された表面が当接され密着又は接合されることで、金属骨格材料が有する熱伝導の連続性によって、その全体が迅速かつ均一に加熱される。なお、ヒータ52は、必要に応じて、吸着材料44の他の外周面に備えられていてもよいし、吸着材料44の中央部に配置されていてもよい。
また例えば、図3(b)に示すように、筐体46の外部にヒータ54を備えることもできる。この場合、筐体46は、熱伝導性に優れる金属などで構成されており、ヒータ54に接するとともに、吸着材料44の外周の全体において露出された金属骨格材料に密着又は接合されている。この結果、ヒータ54と筐体46とが、加熱モジュールを構成することができる。筐体46が吸着材料44の外表面において金属骨格材料に当接され密着又は接合されることで、金属骨格材料の全体が迅速かつ均一に加熱される。
なお、ヒータ52と金属骨格材料との密着又は接合、ヒータ54と筐体46及び筐体46と金属骨格材料との密着又は接合に際して、熱伝導性に優れるはんだや銀焼結材などの金属接合材を用いて接合してもよい。こうすることで、ヒータ52、54と金属骨格材料との間で高い熱伝導性を確保できる。また、金属骨格材料には、銅、銀、金、アルミニウムなどの高熱伝導率金属を用いることが好適である。
また、加熱対象である金属骨格材料は、電気伝導可能な連続性を有していてもよい。かかる金属骨格材料を用いる場合、加熱モジュール50は、気体などの熱媒を用いないで、金属骨格材料に通電することにより発生するジュール熱を利用する電気伝導加熱手段を用いることで、迅速かつ均一に、さらにコンパクトに金属骨格材料を加熱することができる。
図4(a)及び同(b)には、金属骨格材料の電気伝導性を用いた加熱モジュール50を示す。例えば、図4(a)に示す加熱モジュール50は、筐体46の内部に、吸着材料44におけるガス流通方向に沿うように延在して、かつガス流通方向を挟んでおおよそ直交して向き合うように、一対の電極56a、56bを備えている。一対の電極56a、56b間は通電可能に構成されている。一対の電極56a、56bが金属骨格材料を介して通電する必要があるため、電極56a、56bは、吸着材料44の表面に露出された金属骨格材料45に直接接している。
電極56a、56bにより金属骨格材料に通電されることによりジュール熱が発生するため、金属骨格材料が有する電気伝導の連続性によって、その全体が迅速かつ均一に加熱される。
また例えば、図5(b)に示すように、この加熱モジュール50は、筐体46の内部に、吸着材料44におけるガス流通方向に沿う両端部の外周をそれぞれ被覆するような一対のリング状電極58a、58bを備えることができる。一対のリング状電極58a、58bが金属骨格材料を介して通電する必要があるため、電極58a、58bは、金属骨格材料におけるガス流通方向に沿う両端部に直接接している。
こうしたガス成分給排装置は、以下のようにして使用してガス成分の吸着排出方法を実施することができる。すなわち、金属基ガス吸着材料に1又は2以上のガス成分を含有する被験ガスを接触させる工程と、金属基ガス吸着材料の金属骨格材料を加熱することにより、1又は2以上のガス成分を放出する工程と、を備えるようにする。
以上のように、一対の電極56a、56b/58a、58bを、金属骨格材料を挟んで通電可能に備えることで、金属骨格材料を発熱させて、迅速かつ均一に金属骨格材料を加熱することができる。なお、一対の電極56a、56b/58a、58bと金属骨格材料との密着に際して、電気伝導性に優れるはんだや銀焼結材などの金属接合材を用いて接合してもよい。また、金属骨格材料を所望の温度となるようにジュール熱を発生させるため、電極58に接する金属骨格材料の断面積を小さくするか又は金属骨格材料を比抵抗の大きな材料とするなど、当業者であれば適宜選択することができる。
なお、ガス吸着排出モジュール42における吸着材料44及び筐体46の形態は例示であり、これに限定するものではなく、当業者であれば、必要に応じてこれらの形態を適宜変更することができる。また、加熱モジュール50におけるヒータ52、54、一対の電極56a、56b/58a、58bの設置箇所及び個数等は、例示であり、当業者であれば、必要に応じてこれらを適宜変更することができる。
以上説明したガス給排装置は、吸着材の比表面積が大きい吸着材料を備えるため吸着材料の単位体積当たり多量の目的のガス成分を吸着することができる。また、迅速かつ均ーに吸着材料を加熱できるため、吸着した目的のガス成分を短時間に放出することが可能となる。このため、ガス給排装置は、濃縮率の高いガス成分濃縮器として用いることができ、ガスセンサの前段に配置することで、センサの検出精度や定量精度を高めることができる。しかも、ガス給排装置は、コンパクト化が可能であるため、場所に制限されることなく、ガス給排、濃縮や可能となる。また、ガス給排装置は、金属骨格材料ひいては吸着材料の加熱時の温度制御が容易であるため、脱離温度の異なるガス成分が吸着材料に吸着された場合には、加熱温度を制御することによりこれらのガス成分を容易に分離できる。
<ガスセンサ>
本明細書に開示されるガスセンサは、ガス吸着排出モジュールと、加熱モジュールと、ガスセンサモジュールと、を備えることができる。このガスセンサによれば、ガス吸着排出モジュールと加熱モジュールとにより、高濃度に濃縮されたガス成分が、ガスセンサモジュールに供給されるため、高い検出精度及び/又は定量精度でガス成分を同定ないし定量することができる。ガスセンサにおけるガス吸着排出モジュール及び加熱モジュールは、ガス給排装置におけるのと同様に各種態様を採ることができる。
ガスセンサモジュールは、特に限定しないで、ガス成分の同定及び/又は定量などが可能な公知のガスセンサを用いることができる。
以下、本明細書の開示をより具体的に説明するために具体例としての実施例を記載する。以下の実施例は、本明細書の開示を説明するためのものであって、その範囲を原知恵するものではない。
本実施例では、(株)長峰製作所製の銅多孔質体(試料サイズ10mm×10mm×0.8mm、平均気孔径0.46mm)に対して、文献『Direct in Situ Conversion of Metals into Metal-Organic Frameworks: A Strategy for the Rapid Growth of MOF Films on Metal Substrates』(Ji他著、 ACS Appl. Mater. Interfaces vol. 8(2016) pp.32414-32420)に記載された化学合成法により、多孔質結晶材料であるMOFをガス吸着層として堆積させた。MOFとしては、Cuを基盤とするHKUST-1とした。得られた多孔質複合材料の光学顕微鏡像を図3に示す。図3に示すように、銅多孔体上にナノ多孔体であるHKUST-1が均ーに形成された複合化されていることがわかった。
さらに、この複合材料を、銀ナノ粒子焼結接合剤を用いて接合したセラミックスヒータにより加熱したところ、ガス吸着層を300℃に加熱できることがわかった。HKUST-1などのMOFは、ゼオライトのようにガス吸着及び排出が可能であることがわかっている。したがって、この複合材料を加熱することにより、ガスの効果的な吸着及び排出が可能であることがわかった。

Claims (10)

  1. 金属基ガス吸着材料であって、
    ガスが通過可能に連通する複数の空隙を備えるとともに、熱伝導及び/又は電気伝導可能な連続性を有する金属骨格材料と、
    前記金属骨格材料の少なくとも一部の表面を被覆して前記複数の空隙の少なくとも一部において露出されるガス吸着層と、
    を備える、材料。
  2. 前記金属骨格材料は、ハニカム構造、細線束状体構造及び多孔質セル構造からなる群から選択される、請求項1に記載の材料。
  3. 前記ガス吸着層は、細孔径分布において、1nm以上1000nm以下において少なくとも一つの細孔径ピークを備える、請求項1又は2に記載の材料。
  4. 前記ガス吸着層は、活性炭、ゼオライト、金属-有機構造体及びメソポーラスメタロキサンからなる群から選択される、請求項1~3のいずれかに記載の材料。
  5. 前記金属骨格材料の少なくとも一部が、前記金属基ガス吸着材料の表面に露出されている、請求項1~4のいずれかに記載の材料。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の金属基ガス吸着材料に、1又は2以上のガス成分を含有する被験ガスを接触させる工程と、
    前記金属基ガス吸着材料の金属骨格材料を加熱することにより、前記1又は2以上のガス成分を放出する工程と、
    を備える、ガス成分の吸着排出方法。
  7. ガス成分の吸排装置であって、
    請求項1~5のいずれかに記載の金属基ガス吸着材料を含むガス吸着放出モジュールと、
    前記金属基ガス吸着材料を加熱するための加熱モジュールと、
    を備える、装置。
  8. 前記加熱モジュールは、前記金属骨格材料に接合されており、前記金属基ガス吸着材料を熱伝導加熱により加熱する手段又は電気伝導により加熱する手段である、請求項7に記載の装置。
  9. ガス成分濃縮器である、請求項7又は8に記載の装置。
  10. 請求項1~5のいずれかに記載の金属基ガス吸着材料を含むガス吸着放出モジュールと、
    前記金属基ガス吸着材料を加熱するための加熱モジュールと、
    ガスセンサモジュールと、
    を備える、ガスセンサ。
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