JP2023139986A - 基板処理システム及び基板搬送方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の基板を同時に搬送する基板処理システムにおいて、基板搬送の位置合わせ精度を向上する基板処理システム及び基板搬送方法を提供する。【解決手段】第1搬送室と、第2搬送室と、独立して回転可能な複数の基板載置部を有する中継室と、第1搬送装置と、第2搬送装置と、制御部と、を備え、制御部は、複数の基板を中継室の基板載置部に載置するステップと、第2搬送装置の基板保持部が第2搬送室から中継室に進行する際の進行方向と直交する幅方向において、基板載置部の回転中心と基板載置部に載置された基板の中心とのずれ量が減少するように、基板載置部を回転させるステップと、中継室の基板載置部に載置された基板を搬送するステップと、を実行可能に構成される、基板処理システム。【選択図】図7

Description

本開示は、基板処理システム及び基板搬送方法に関する。
特許文献1には、搬送室から処理室に複数の基板を同時に搬送する搬送装置が開示されている。また、特許文献1には、搬送装置に保持された複数の基板を一度に載置部に受け渡す方法と、搬送装置に保持された複数の基板を個別に載置部に受け渡す方法と、が開示されている。
特開2020-61472号公報
本開示の一態様は、複数の基板を同時に搬送する基板処理システムにおいて、基板搬送の位置合わせ精度を向上する基板処理システム及び基板搬送方法を提供する。
本開示の一態様に係る基板処理システムは、第1搬送室と、第2搬送室と、前記第1搬送室と前記第2搬送室との間に配置され、独立して回転可能な複数の基板載置部を有する中継室と、前記第1搬送室に設けられ、基板を保持する基板保持部を有し、前記第1搬送室と前記中継室との間で基板を搬送する第1搬送装置と、前記第2搬送室に設けられ、複数の基板を保持する基板保持部を有し、前記第2搬送室と前記中継室との間で複数の基板を同時に搬送する第2搬送装置と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記第2搬送装置を制御して、前記第2搬送装置の基板保持部に保持された複数の基板を、前記第2搬送室から前記中継室に搬送し、前記中継室の前記基板載置部に載置するステップと、前記第1搬送装置の基板保持部が前記第1搬送室から前記中継室に進行する際の進行方向と直交する幅方向において、前記基板載置部の回転中心と前記基板載置部に載置された前記基板の中心とのずれ量が減少するように、前記基板載置部を回転させるステップと、前記第1搬送装置を制御して、前記中継室の前記基板載置部に載置された基板を、前記第1搬送装置の基板保持部に受け渡し、前記中継室から前記第1搬送室に搬送するステップと、を実行可能に構成される。
本開示の一態様によれば、複数の基板を同時に搬送する基板処理システムにおいて、基板搬送の位置合わせ精度を向上する基板処理システム及び基板搬送方法を提供する。
一実施形態に係る基板処理システムを概略的に示す平面図である。 基板処理システムの搬送モジュールに設けられる搬送ロボットを例示する斜視図である。 搬送ロボットによる個別補正の動作を概略的に示す断面図である。 搬送ロボットによる個別補正の別の動作を概略的に示す断面図である。 搬送ロボットによるアベレージ補正の動作を概略的に示す断面図である。 基板処理システムの基板搬送方法を説明するフローチャートの一例である。 2枚のウエハの位置関係を示す図の一例である。 2枚のウエハの位置関係を示す図の一例である。
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
図1に示すように、一実施形態に係る基板処理システム1は、複数のプロセスモジュールPMを有するマルチチャンバタイプに構成される。基板処理システム1は、半導体の製造の一過程に用いられ、搬送モジュールTMにより所定のプロセスモジュールPMに基板を搬送して、プロセスモジュールPM内で適宜の基板処理を行う。
基板処理が施される基板としては、シリコン半導体ウエハ、化合物半導体ウエハまたは酸化物半導体ウエハ等があげられる(以下、基板Wともいう)。基板Wは、トレンチ、ビア等の窪みパターンを有するものでもよい。また、プロセスモジュールPMが行う基板処理としては、成膜処理、エッチング処理、アッシング処理、クリーニング処理等があげられる。
基板処理システム1は、真空雰囲気において基板Wの基板処理を行うために、大気雰囲気から真空雰囲気に基板Wを搬入し、また真空雰囲気から大気雰囲気に基板Wを搬出する。具体的には、基板処理システム1は、フロントモジュールFM(例えば、EFEM:Equipment Front End Module)、ロードロックモジュールLLMを備える。また、基板処理システム1は、システム全体の動作を制御する制御装置80を有する。
フロントモジュールFMは、複数のロードポート11と、各ロードポート11に隣接する一連のローダ12と、ローダ12に設けられる図示しない大気搬送装置と、を有する。各ロードポート11には、前工程の処理が施された基板Wを収納したFOUP(Front Opening Unified Pod)または空のFOUPがセットされる。大気搬送装置は、各ロードポート11にセットされたFOUPから基板Wを取り出して、ローダ12内の清浄化空間を介してロードロックモジュールLLMに基板Wを搬入する。また、大気搬送装置は、ロードロックモジュールLLMから基板Wを搬出して、ローダ12内の清浄化空間を介してFOUPに基板Wを収容する。即ち、フロントモジュールFMは、ロードポート11にセットされたFOUPとロードロックモジュールLLMとの間で基板Wを搬送する搬送装置(大気搬送装置)を有する搬送室として機能する。また、フロントモジュールFMは、大気雰囲気で基板Wを搬送する大気搬送室である。
ロードロックモジュールLLMは、フロントモジュールFMと搬送モジュールTMとの間に設けられている。ロードロックモジュールLLMは、大気雰囲気と真空雰囲気とに切り替え可能なロードロック用容器21を有する。ロードロックモジュールLLMとフロントモジュールFMとの間には、ロードロック用容器21を気密に閉塞する弁体(不図示)を備えたゲート22が設けられている。また、ロードロックモジュールLLMと搬送モジュールTMとの間には、ロードロック用容器21を気密に閉塞する弁体(不図示)を備えたゲート23が設けられている。即ち、ロードロックモジュールLLMは、フロントモジュールFMと搬送モジュールTM(第1搬送モジュールTM1)の間に設けられ、フロントモジュールFMと搬送モジュールTMとの間で基板Wを搬送する際に基板Wを仮置きする中継室として機能する。
ロードロック用容器21は、大気雰囲気においてフロントモジュールFMから搬入された基板Wを収容した後に真空雰囲気に減圧することで、搬送モジュールTMに基板Wを搬送可能とする。また、ロードロック用容器21は、真空雰囲気において搬送モジュールTMから搬入された基板Wを収容して大気雰囲気に増圧することで、フロントモジュールFMに基板Wを搬送可能とする。なお、ロードロック用容器21は、フロントモジュールFMから搬送モジュールTMへの搬入用空間と、搬送モジュールTMからフロントモジュールFMへの搬出用空間とを、上下方向(鉛直方向)に分離した構成でもよい。
また、本実施形態に係るロードロックモジュールLLMは、ロードロック用容器21の内部(搬入用空間および搬出用空間の各々)に、2枚の基板Wを別々に載置可能な複数(2つ)のステージ24を備える。2つのステージ24は、ロードロックモジュールLLMの長辺方向に沿って並ぶように設けられる。これにより、各ステージ24は、後述する搬送モジュールTMの搬送ロボット32により2枚の基板Wを一括に保持可能とする。なお、図1中では、2枚の基板Wを一括に搬送する基板処理システム1を例示しているが、基板処理システム1は、3枚以上の基板Wを一括に搬送する構成でもよい。ロードロックモジュールLLMのステージ24は、基板Wの搬送数と同じ数だけ設けられればよい。
搬送モジュールTMおよび複数のプロセスモジュールPMは、真空雰囲気において基板Wの搬送および基板処理を行う。そして、本実施形態に係る基板処理システム1は、搬送モジュールTMおよび複数のプロセスモジュールPMからなる領域を、複数(2つ)備える。それぞれの領域毎に基板Wに対して基板処理を施す(すなわち、複数回の基板処理を行う)ためである。以下、複数回の基板処理について、未処理の基板Wに対して最初に行う処理を1回目基板処理といい、1回目基板処理後の基板Wに対して行う処理を2回目基板処理という。
具体的には、基板処理システム1の複数の領域は、ロードロックモジュールLLMの隣接位置に設けられる手前側処理領域FAと、手前側処理領域FAの隣接位置に設けられる奥側処理領域FBと、を含む。奥側処理領域FBは、手前側処理領域FAを挟んでロードロックモジュールLLMの反対位置に設けられる。
手前側処理領域FAは、複数の搬送モジュールTMの一方である第1搬送モジュールTM1と、この第1搬送モジュールTM1に接続される第1プロセスモジュールPM1および第2プロセスモジュールPM2と、を有する。一方、奥側処理領域FBは、複数の搬送モジュールTMの他方である第2搬送モジュールTM2と、この第2搬送モジュールTM2に接続される第4~第6プロセスモジュールPM4、PM5、PM6と、を有する。また、基板処理システム1は、手前側処理領域FAと奥側処理領域FBとの間に、基板Wを一時的に載置することが可能なパスモジュールPASMを有する。手前側処理領域FAから奥側処理領域FBへの基板Wの搬送、および奥側処理領域FBから手前側処理領域FAへの基板Wの搬送は、パスモジュールPASMを通して行う。なお、図1では、第1搬送モジュールTM1に接続すべき第3プロセスモジュールに代えて、パスモジュールPASMを接続しており、基板処理システム1は、第3プロセスモジュールを備えない構成としている。
各搬送モジュールTM(第1搬送モジュールTM1および第2搬送モジュールTM2)は、真空雰囲気に減圧可能な搬送用容器31と、搬送用容器31内に設置される搬送ロボット32と、を備える。以下では、第1搬送モジュールTM1内に設置される搬送ロボット32を第1搬送ロボット32Aともいい、第2搬送モジュールTM2内に設置される搬送ロボット32を第2搬送ロボット32Bともいう。
搬送用容器31は、平面視で長方形の箱体に形成されている。この搬送用容器31の各辺部に、ロードロックモジュールLLM、パスモジュールPASM、複数のプロセスモジュールPMがそれぞれ設置されている。搬送ロボット32は、搬送用容器31内において、水平方向および鉛直方向に移動自在、かつ水平方向上をθ回転可能に構成される。また、搬送ロボット32は、複数(2枚)の基板Wを一括して保持するために、基板Wに直接接触するエンドエフェクタを二股としている。即ち、第1搬送モジュールTM1は、ロードロックモジュールLLM、パスモジュールPASM、複数のプロセスモジュールPM(PM1,PM2)との間で基板Wを搬送する搬送装置(第1搬送ロボット32A)を有する搬送室として機能する。また、第2搬送モジュールTM2は、パスモジュールPASM、複数のプロセスモジュールPM(PM4~PM6)との間で基板Wを搬送する搬送装置(第2搬送ロボット32B)を有する搬送室として機能する。また、第1搬送モジュールTM1及び第2搬送モジュールTM2は、真空雰囲気で基板Wを搬送する真空搬送室である。
さらに図2に示すように、搬送ロボット32は、ロードロックモジュールLLMやパスモジュールPASM、プロセスモジュールPMに対して2枚の基板Wを入れ替え可能とする(搬入用と搬出用として機能する)ために2つの搬送アームを備える。具体的には、搬送ロボット32は、基台321と、基台321に支持される第1搬送アーム322および第2搬送アーム325と、基台321を昇降させる支軸328と、を有する。
第1搬送アーム322は、基台321に回転可能に支持される基部リンク322aと、基部リンク322aに回転可能に支持される中間リンク322bと、中間リンク322bに回転可能に支持される第1エンドエフェクタ(第1フォーク)323と、を含む。第1エンドエフェクタ323は、中間リンク322bの支持部から二股に分岐しており、この一対の延在端部の各々に基板Wを保持する第1ピック(基板保持部)324を備える。即ち、一対の第1ピック324は、所定の間隔を有して配置され、相対的な位置関係が固定されている。第1ピック324は、基板Wを支持すると共に、後記のリフトピン45(図3(B)参照)を通過させるためにさらに二股に分岐している。
同様に、第2搬送アーム325も、基台321に回転可能に支持される基部リンク325aと、基部リンク325aに回転可能に支持される中間リンク325bと、中間リンク325bに回転可能に支持される第2エンドエフェクタ(第2フォーク)326と、を含む。第2エンドエフェクタ326も、中間リンク325bの支持部から二股に分岐しており、この一対の延在端部の各々に基板Wを保持する第2ピック(基板保持部)327を備える。即ち、一対の第1ピック324は、所定の間隔を有して配置され、相対的な位置関係が固定されている。第2ピック327も、基板Wを支持すると共に、リフトピン45を通過させるためにさらに二股に分岐している。
また、支軸328は、鉛直方向に延在し、その下端部が図示しない昇降機構に接続されている。昇降機構は、制御装置80の制御下に、支軸328を昇降させることで、第1搬送アーム322または第2搬送アーム325に支持された基板Wを昇降させる。
以上のように構成された搬送ロボット32は、第1搬送アーム322および第2搬送アーム325を相互に独立して動作させることが可能である。このため例えば、第2エンドエフェクタ326に2枚の基板Wを保持した状態で、第1搬送アーム322をプロセスモジュールPMに進入させてプロセスモジュールPM内の2枚の基板Wを受け取ることができる。また、プロセスモジュールPM内の2枚の基板Wの受け取り後に、第2搬送アーム325をプロセスモジュールPMに進入させて第2エンドエフェクタ326の2枚の基板Wを受け渡すことができる。
図1に戻り、第1搬送モジュールTM1と第2搬送モジュールTM2との間に設けられるパスモジュールPASMは、各搬送用容器31に連結されるパス用容器41を有する。また、パスモジュールPASMと第1搬送モジュールTM1との間には、パス用容器41を気密に閉塞する弁体(不図示)を備えたゲート42が設けられている。また、パスモジュールPASMと第2搬送モジュールTM2との間には、パス用容器41を気密に閉塞する弁体(不図示)を備えたゲート43が設けられている。なお、基板処理システム1は、ゲート42、43を備えずに2つの搬送用容器31とパス用容器41とを連通させた構成でもよい。また、パス用容器41は、第1搬送モジュールTM1から第2搬送モジュールTM2に基板Wを移動させる空間と、第2搬送モジュールTM2から第1搬送モジュールTM1に基板Wを移動させる空間とを、上下方向(鉛直方向)に分離した構成でもよい。即ち、パスモジュールPASMは、第1搬送モジュールTM1と第2搬送モジュールTM2との間に設けられ、第1搬送モジュールTM1と第2搬送モジュールTM2との間で基板Wを搬送する際に基板Wを仮置きする中継室として機能する。
パスモジュールPASMは、パス用容器41の内部に、2枚の基板Wを別々に載置可能な複数(2つ)のステージ(基板載置部)44を備える。2つのステージ44は、パスモジュールPASMの長辺方向に沿って並ぶように設けられる。これにより、各ステージ44は、搬送ロボット32からの2枚の基板Wの受け取り、および搬送ロボット32への2枚の基板Wの受け渡しを可能にする。なお、ロードロックモジュールLLMと同様に、パスモジュールPASMもステージ44の設置数は限定されず、基板Wの搬送数と同じ数だけステージ44を備えればよい。パスモジュールPASMは、パス用容器41の内部に基板Wの収容状態(収容の有無等)を検出する検出器を備えていてもよい。検出器の情報は、制御装置80による処理に利用することができる。
また、各ステージ44は、回転機構(不図示)を有し、基板Wを載置する載置部の中心を通り、載置部に対して垂直な軸を回転軸として、回転自在に設けられている。即ち、パスモジュールPASMに設けられたステージ44は、独立して回転可能に構成されている。
一方、複数のプロセスモジュールPMは、第1搬送モジュールTM1に2つ接続されると共に、第2搬送モジュールTM2に3つ接続される。すなわち、本実施形態に係る基板処理システム1は、5つのプロセスモジュールPMを備える。
第1プロセスモジュールPM1および第2プロセスモジュールPM2は、ロードロックモジュールLLMとパスモジュールPASMとが並ぶ方向と直交する方向で第1搬送モジュールTM1に接続されている。第4プロセスモジュールPM4および第5プロセスモジュールPM5は、パスモジュールPASMと第2搬送モジュールTM2が並ぶ方向と直交する方向で第2搬送モジュールTM2に接続されている。第6プロセスモジュールPM6は、第2搬送モジュールTM2においてパスモジュールPASMの反対側(パスモジュールPASMと第2搬送モジュールTM2が並ぶ方向)に配置されている。
各プロセスモジュールPMは、基板Wを内部に収容して基板処理を施す処理容器51を有する。処理容器51は、平面視で略長方形状に形成されている。この搬送用容器31と各処理容器51の間には、相互の空間に連通して基板Wを通過させるゲート52がそれぞれ設けられており、各ゲート52の内部には、処理容器51を開閉するバルブ(不図示)が設置されている。
また、各プロセスモジュールPMは、処理容器51の内部に、2枚の基板Wを別々に載置可能な複数(2つ)のステージ54を備える。2つのステージ54は、各プロセスモジュールPMの長辺方向に沿って並ぶように設けられる。これにより、各ステージ54は、搬送ロボット32からの2枚の基板Wの受け取り、および搬送ロボット32への2枚の基板Wの受け渡しを可能にする。なお、プロセスモジュールPMも、ステージ54の設置数は限定されず、基板Wの搬送数と同じ数だけステージ54を備えればよい。また、処理容器51は、ゲート52から各基板Wを搬入および搬出できれば、複数のステージ54同士を共通の内部空間に配置した構成でもよく、複数のステージ54毎に内部空間を隔離した構成でもよい。
各プロセスモジュールPMが実施する基板処理は、上記した成膜処理、エッチング処理、アッシング処理、クリーニング処理等のうちいずれでもよい。ただし、少なくとも手前側処理領域FAを構成する第1および第2プロセスモジュールPM1、PM2は、相互に同じ基板処理を実施する。同様に少なくとも奥側処理領域FBを構成する第4~第6プロセスモジュールPM4、PM5、PM6は、相互に同じ基板処理を実施する。基板処理システム1は、第1および第2プロセスモジュールPM1、PM2と、第4~第6プロセスモジュールPM4、PM5、PM6との全てにおいて同じ基板処理を実施する構成でもよい。
また、基板処理システム1は、各搬送モジュールTM内において各プロセスモジュールPM(ゲート52)に隣接する位置に、搬送ロボット32が搬送する2枚の基板Wの位置をそれぞれ検出する位置検出器33を備える。位置検出器33は、例えば、1つの基板Wの搬送経路に対して2つの遮光センサ(不図示)を有する。搬送ロボット32に保持された2枚の基板Wを搬送用容器31から処理容器51へ搬送する際に、各遮光センサは対向する基板Wのエッジを検出する。これにより、搬送ロボット32の基板Wの位置(搬送ロボット32に対する基板Wの相対位置)を検出することができる。換言すれば、各位置検出器33は、搬送ロボット32の基準保持位置に対して、実際に保持されている各基板Wの位置のずれ量を検出することができる。この位置検出器33は、制御装置80に通信可能に接続され、基板Wの搬送時に検出した基板Wの検出情報を制御装置80に送信する。
なお、位置検出器33は、搬送モジュールTM内において各プロセスモジュールPMの隣接位置に設置されるだけでなく、ロードロックモジュールLLMやパスモジュールPASMの隣接位置に設置されてもよい。これにより、基板処理システム1は、ロードロックモジュールLLMやパスモジュールPASMから搬送ロボット32が2枚の基板Wを搬出する際にも、基板Wの位置を検出することができる。また、位置検出器33は、搬送モジュールTM内に設置される構成に限らず、プロセスモジュールPM内に設けられてもよい。
基板処理システム1の制御装置80は、プロセッサ81、メモリ82、図示しない入出力インタフェースおよび電子回路等を有するコンピュータを適用し得る。プロセッサ81は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、複数のディスクリート半導体からなる回路等のうち1つまたは複数を組み合わせたものである。メモリ82は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ(例えば、コンパクトディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、ハードディスク、フラッシュメモリ等)を適宜組み合わせたものである。
メモリ82は、基板処理システム1を動作させるプログラム、基板処理のプロセス条件等のレシピを記憶している。プロセッサ81は、メモリ82のプログラムを読み出して実行することで、基板処理システム1の各構成を制御する。なお、基板処理システム1は、モジュール毎に制御部(不図示)が設けられ、制御装置80が各制御部に指令してシステム全体を制御する構成でもよく、制御装置80が一元的に各モジュールの動作を制御する構成でもよい。制御装置80は、ネットワークを介して情報通信するホストコンピュータまたは複数のクライアントコンピュータにより構成されてもよい。
制御装置80は、搬送ロボット32による2枚の基板Wの搬送時に、位置検出器33により各基板Wの位置を検出して、搬送ロボット32に対する各基板Wの位置ずれを判定する。そして、2枚の基板Wのうち少なくとも一方に位置ずれが生じている場合、制御装置80は、基板Wの位置ずれに対応した補正処理を行う。具体的には、制御装置80は、パスモジュールPASMのステージ44、プロセスモジュールPMのステージ54、ロードロックモジュールLLMのステージ24への基板Wの載置時に、搬送ロボット32の水平方向の移動を調整することで、2枚の基板Wを各ステージ44、54に適切に載置させる。
次に、基板処理システム1が基板Wの搬送時において、基板Wの位置ずれに対応した補正処理について説明する。なお、以下では、パスモジュールPASMに設けられた2つのステージ44に基板Wを載置する際の動作を説明するが、基板処理システム1は、各プロセスモジュールPMの2つのステージ54に基板Wを載置する際も同様の補正処理を実施できる。あるいは、基板処理システム1は、ロードロックモジュールLLMの2つのステージ24に基板Wを載置する際も同様の補正処理を実施してよい。
図3に示すように、搬送ロボット32の第1エンドエフェクタ323は、2枚の基板Wを保持してパス用容器41内に進入し、2つのステージ44(第1ステージ44A、第2ステージ44B)上に基板Wを移動する。図3では、各基板Wに位置ずれが生じた状態で、第1エンドエフェクタ323の一対の第1ピック324が当該各基板Wを保持している。この場合、制御装置80は、補正処理として各ステージ44に各基板Wを載置する際に、1枚毎に位置を補正する個別補正を行う。例えば、個別補正では、先に第1ステージ44Aに載置予定の基板Wの位置ずれを補正して第1ステージ44Aに基板Wを受け渡し、その後に第2ステージ44Bに載置予定の基板Wの位置ずれを補正して第2ステージ44Bに基板Wを受け渡す。
より詳細には、図3(A)に示すように、制御装置80は、搬送ロボット32を制御して、第1ステージ44Aの中心に基板Wの中心が一致するように、第1エンドエフェクタ323を水平方向に移動させる。この際、制御装置80は、第2ステージ44Bに載置予定の基板Wと第2ステージ44Bとの相対位置を無視して、第1ステージ44Aに載置予定の基板Wの水平方向の位置決めを優先する。これにより、第1ステージ44Aの中心と基板Wの中心とが一致した補正済みの状態となる一方で、第2ステージ44Bの中心に対して第2ステージ44Bの中心が大きく位置ずれすることになる。
第1ステージ44A側で基板Wが補正済みの状態になると、制御装置80は、図3(B)に示すように、第1ステージ44A内に収容された複数のリフトピン45(第1リフトピン45A)を上昇させ、第1ピック324よりも上方に基板Wを浮上させる。すなわち、パスモジュールPASM内では、第1ステージ44Aに基板Wが受け渡された状態となる。なお、各ステージ44におけるリフトピン45の数は、特に限定されず、3以上設けられていればよく、図3~図5では図示の便宜のために2本のリフトピン45を示している。
次に図3(C)に示すように、制御装置80は、第1ステージ44Aにおいて基板Wを浮上させた状態を維持しつつ、搬送ロボット32の第1エンドエフェクタ323を水平方向に移動させて、載置予定の基板Wを第2ステージ44Bに対して位置決めする。これにより、第2ステージ44Bの中心と基板Wの中心とが一致した補正済みの状態となる。この際、第1ステージ44Aにおいて第1リフトピン45Aに保持された基板Wは、水平方向に移動しない。したがって、第1ステージ44Aおよび第2ステージ44Bの両方で基板Wの位置ずれが補正される。
そして図3(D)に示すように、制御装置80は、第2ステージ44B内に収容された複数のリフトピン45(第2リフトピン45B)を上昇させ、第1ピック324よりも上方に基板Wを浮上させる。これにより、パスモジュールPASM内では、第2ステージ44Bに基板Wが受け渡された状態となる。この後、制御装置80は、パスモジュールPASMから搬送ロボット32を後退させ、後退後に各第1リフトピン45Aおよび各第2リフトピン45Bを下降することで、第1ステージ44Aおよび第2ステージ44Bの各々に基板Wを載置する。各基板Wは、各ステージ44に対して精度よく位置が補正された状態で、各ステージ44に支持されるようになる。
なお、個別補正は、図3に例示する方法に限定されず、別の手順でも複数の基板Wの位置を個々に補正することが可能である。例えば、図4に示すように、個別補正では、第1リフトピン45Aおよび第2リフトピン45Bに段差をつけることで、各基板Wの位置ずれを補正することができる。
具体的には、図4(A)に示すように、ステージ44からリフトピン45が大きく突出している方(第1ステージ44A)の基板Wの中心が、ステージ44の中心に一致するように第1エンドエフェクタ323を水平方向に移動する。これにより、第1ステージ44Aの中心と基板Wの中心とが一致した補正済みの状態となる一方で、第2ステージ44Bの中心に対して第2ステージ44Bの中心が大きく位置ずれすることになる。
基板Wが補正済みの状態になると、制御装置80は、図4(B)に示すように、搬送ロボット32を下降することで、第1リフトピン45Aに基板Wを保持させて、第1ピック324から基板Wを離間させる。これにより、パスモジュールPASM内では、第1ステージ44Aに基板Wが受け渡された状態となる。
次に図4(C)に示すように、制御装置80は、第1ステージ44Aにおいて基板Wを浮上させた状態を維持しつつ、搬送ロボット32の第1エンドエフェクタ323を水平方向に移動して、第2ステージ44Bに載置予定の基板Wを位置決めする。これにより、第2ステージ44Bの中心と基板Wの中心とが一致した補正済みの状態となる。この際、第1ステージ44Aにおいて第1リフトピン45Aに保持された基板Wは、水平方向に移動しない。
そして図4(D)に示すように、制御装置80は、搬送ロボット32をさらに下降することで、第2リフトピン45Bに基板Wを保持させて、第1ピック324よりも上方に基板Wを離間させる。すなわち、パスモジュールPASM内では、第2ステージ44Bに基板Wが受け渡された状態となる。したがって、制御装置80は、パスモジュールPASMから搬送ロボット32を水平方向に後退させて、後退後に各第1リフトピン45Aおよび各第2リフトピン45Bを下降することで、第1ステージ44Aおよび第2ステージ44Bの各々に基板Wを載置する。この場合でも、各基板Wは、各ステージ44に対して精度よく位置が補正された状態で各ステージ44に支持されるようになる。
ここで、上記の個別補正は、複数の基板W毎に水平方向の位置を調整するためのスライド移動を行う。そのため、個別補正は、各基板Wを各ステージ44に載置するまでに時間がかかることになる。このことから基板処理システム1は、補正処理において、図5に示すように2枚の基板Wの位置の平均値をとって、各ステージ44に対して各基板Wを一括して(同時に)載置するアベレージ補正を実施可能としている。この場合、各ステージ44に対する基板Wの潜在的な位置ずれは解消していないが、各基板Wを各ステージ44に迅速に載置することができる。
具体的には、制御装置80は、第1ステージ44Aに載置予定の基板Wの位置(例えば、中心位置)と、第2ステージ44Bに載置予定の基板Wの位置(例えば、中心位置)との中間位置を算出する。そして、制御装置80は、図5(A)に示すように、算出した中間位置が、第1ステージ44Aおよび第2ステージ44Bの中間位置に一致するように、第1エンドエフェクタ323を水平方向に移動する。これにより、第1ステージ44Aの中心に対して基板Wの中心が若干ずれると共に、第2ステージ44Bの中心に対して基板Wの中心が同じ量だけずれた状態となる。ただし、各基板Wは、それぞれのステージ44に載置可能な程度に位置ずれしている。
したがって、制御装置80は、図5(B)に示すように、各ステージ44の複数のリフトピン45を各々上昇させる。各リフトピン45は、各基板Wにそれぞれ接触すると、一対の第1ピック324から各基板Wを同時に浮上させる。これにより、パスモジュールPASM内では、第1ステージ44Aに基板Wが受け渡されると共に、第2ステージ44Bに基板Wが受け渡された状態となる。したがって、制御装置80は、パスモジュールPASMから搬送ロボット32を水平方向に後退させて、後退後に各第1リフトピン45Aおよび各第2リフトピン45Bを下降することで、第1ステージ44Aおよび第2ステージ44Bの各々に基板Wを載置する。この結果、各基板Wは、各ステージ44に対して迅速に配置されることになる。
上記のように、個別補正とアベレージ補正とは、メリットとデメリットとがある。個別補正は、各ステージ44に対して各基板Wを精度よく載置できる一方で、載置する際の動作に時間がかかる。アベレージ補正は、各ステージ44に各基板Wを載置する際の時間が短く済む一方で、各ステージ44に対する各基板Wの位置ずれが潜在的に残ることになる。
また、基板処理システム1は、基板Wを手前側処理領域FAの第1および第2プロセスモジュールPM1、PM2のいずれかに搬送して1回目基板処理を施し、その後、同時に2枚の基板Wを奥側処理領域FBの第4~第6プロセスモジュールPM4、PM5、PM6のいずれかに搬送して2回目基板処理を施すシリアル搬送を行う。プロセスモジュールPM(PM1~PM6)で基板処理を施す際、熱処理等によりステージ54に載置した基板Wの位置がずれるおそれがある。また、搬送モジュールTM(TM1、TM2)で基板Wを搬送する際、支持された基板Wの位置がずれるおそれがある。このため、シリアル搬送では、基板Wの位置ずれが累積することにより、ロードロックモジュールLLMに載置された2回目基板処理後の基板Wの位置ずれがさらに大きくなるおそれがある。
また、組み立て誤差等によって、ロードロックモジュールLLMの2つのステージ24の位置関係に対して、プロセスモジュールPMの2つのステージ54の位置関係にずれが生じている場合がある。また、プロセスモジュールPM(PM1~PM6)のステージ54の位置ずれは、プロセスモジュールPMごとに異なる。ステージ54の位置ずれが生じていた場合、ロードロックモジュールLLMのステージ24に載置された基板Wには、熱処理等による基板Wの位置ずれに、ステージ54の位置ずれが加算される。
次に、基板処理システム1の基板搬送方法について、図6を用いて説明する。図6は、基板処理システム1の基板搬送方法を説明するフローチャートの一例である。ここでは、第1プロセスモジュールPM1で1回目基板処理を施し、第4プロセスモジュールPM4で2回目基板処理を施す場合を例に説明する。
ステップS101において、制御装置80は、ロードロックモジュールLLMに基板Wを搬送する。即ち、制御装置80は、ローダ12内の大気搬送装置を制御して、フロントモジュールFMのロードポート11にセットされたFOUPから基板Wを取り出して、ロードロックモジュールLLMの各ステージ24に基板Wを各々載置する。さらに、制御装置80は、ゲート22を閉じ、ロードロック用容器21内を大気雰囲気から真空雰囲気に減圧する。
ステップS102において、制御装置80は、ロードロックモジュールLLMから第1プロセスモジュールPM1に基板Wを搬送する。即ち、制御装置80は、第1搬送モジュールTM1の第1搬送ロボット32Aを制御して、ロードロックモジュールLLMから取り出した2枚の未処理の基板Wを第1搬送モジュールTM1の搬送用容器31内を経由して、第1プロセスモジュールPM1に搬入し、各ステージ54に各基板Wをそれぞれ載置する。ここで、制御装置80は、2枚の基板Wをゲート52を介して第1プロセスモジュールPM1に搬入する際、位置検出器33で基板Wの位置を検出し、アベレージ補正により2枚の基板Wを搬送する。
ステップS103において、制御装置80は、第1プロセスモジュールPM1を制御して基板Wに1回目基板処理を施す。
ステップS104において、制御装置80は、第1プロセスモジュールPM1からパスモジュールPASMに基板Wを搬送する。即ち、制御装置80は、第1搬送モジュールTM1の第1搬送ロボット32Aを制御して、第1プロセスモジュールPM1から取り出した2枚の1回目基板処理後の基板Wを第1搬送モジュールTM1の搬送用容器31内を経由して、パスモジュールPASMに搬入し、各ステージ44に各基板Wをそれぞれ載置する。ここで、制御装置80は、2枚の基板Wをゲート52を介して第1プロセスモジュールPM1から搬出する際、位置検出器33で基板Wの位置を検出し、アベレージ補正により2枚の基板Wを搬送する。なお、2枚の基板Wの位置ずれが小さく、アベレージ補正を行わずに基板Wを搬送してもパスモジュールPASMのステージ44へ基板Wを載置可能な場合、アベレージ補正をせず、そのままパスモジュールPASMへ2枚の基板Wを搬入してもよい。
ステップS105において、制御装置80は、ステージ44の回転機構を制御して、ステージ44に載置された基板Wを回転させる。ここで、ステージ44に載置された基板Wをそのまま第4プロセスモジュールPM4に搬送すると、第1プロセスモジュールPM1で基板Wに処理を施した際のゲート52からみた手前側と奥側との関係が、第4プロセスモジュールPM4で基板Wに処理を施す際のゲート52からみた手前側と奥側との関係と逆向きとなる。このため、ステップS105において、制御装置80は、ステージ44の回転機構を制御して、ステージ44に載置された基板Wを180°回転させる。これにより、第1プロセスモジュールPM1で基板Wに処理を施した際のゲート52からみた手前側と奥側との関係と、第4プロセスモジュールPM4で基板Wに処理を施す際のゲート52からみた手前側と奥側との関係とを、合わせることができる。
ステップS106において、制御装置80は、パスモジュールPASMから第4プロセスモジュールPM4に基板Wを搬送する。即ち、制御装置80は、第2搬送モジュールTM2の第2搬送ロボット32Bを制御して、パスモジュールPASMから取り出した2枚の1回目基板処理後の基板Wを第1搬送モジュールTM1の搬送用容器31内を経由して、第4プロセスモジュールPM4に搬入し、各ステージ44に各基板Wをそれぞれ載置する。ここで、制御装置80は、2枚の基板Wをゲート52を介して第4プロセスモジュールPM4に搬入する際、位置検出器33で基板Wの位置を検出し、個別補正により2枚の基板Wを搬送する。これにより、1回目基板処理時における基板Wの位置ずれを解消することができる。なお、個別補正による搬送に限られるものではなく、アベレージ補正による搬送であってもよい。
ステップS107において、制御装置80は、第4プロセスモジュールPM4を制御して基板Wに2回目基板処理を施す。
ステップS108において、制御装置80は、第4プロセスモジュールPM4からパスモジュールPASMに基板Wを搬送する。即ち、制御装置80は、第2搬送モジュールTM2の第2搬送ロボット32Bを制御して、第4プロセスモジュールPM4から取り出した2枚の2回目基板処理後の基板Wを第2搬送モジュールTM2の搬送用容器31内を経由して、パスモジュールPASMに搬入し、各ステージ44に各基板Wをそれぞれ載置する。ここで、制御装置80は、2枚の基板Wをゲート52を介して第4プロセスモジュールPM4から搬出する際、位置検出器33で基板Wの位置を検出し、アベレージ補正により2枚の基板Wを搬送する。なお、2枚の基板Wの位置ずれが小さく、アベレージ補正を行わずに基板Wを搬送してもパスモジュールPASMのステージ44へ基板Wを載置可能な場合、アベレージ補正をせず、そのままパスモジュールPASMへ2枚の基板Wを搬入してもよい。
ステップS109において、制御装置80は、ステージ44の回転機構を制御して、ステージ44に載置された基板Wを回転させる。
ここで、図7は、2枚の基板Wの位置関係を示す図の一例である。図7(a)は、第2搬送ロボット32Bに2枚の基板Wが支持された状態の一例を示す。なお、基板Wの外周には、ノッチ200が形成されている。図7(a)に示すように、第2搬送ロボット32Bに支持される2枚の基板Wの相対的な位置関係は、第4プロセスモジュールPM4のステージ44の位置ずれ及びステージ44上での基板Wの位置ずれによって、ロードロックモジュールLLMのステージ24の位置関係と比較して、位置ずれが生じている。
図7(b)は、2枚の基板Wをステージ44に載置した状態の一例を示す。図7(b)に示すように、一方のステージ44の回転中心C11とそのステージ44に載置された基板Wの中心C1とは位置がずれている。同様に、他方のステージ44の回転中心C12とそのステージ44に載置された基板Wの中心C2とは位置がずれている。
なお、ステージ44に載置された基板Wの中心C1、C2の位置は、ステップS108において位置検出器33で検出した基板Wの位置及び基板Wをステージ44に受け渡す際の第2搬送ロボット32Bの姿勢に基づいて算出される。
ここで、第2搬送ロボット32Bの基板保持部(第1ピック324、第2ピック327)がゲート42を介して第1搬送モジュールTM1からパスモジュールPASMに進行する際の方向を進行方向とし、進行方向と直交する方向を幅方向とする。換言すれば、進行方向は、ゲート42の開口部の挿通方向である。幅方向は、ゲート42の開口部の幅方向である。
制御装置80は、進行方向と直交する幅方向において、ステージ(基板載置部)44の回転中心C11と基板Wの中心C1とのずれ量が減少するように、ステージ44を回転させる。また、幅方向において、ステージ(基板載置部)44の回転中心C12と基板Wの中心C2とのずれ量が減少するように、ステージ44を回転させる。
より具体的には、ステージ(基板載置部)44の回転中心C11と基板Wの中心C1とを結ぶ直線が、基板保持部の進行方向と平行となるように、ステージ44を回転させる。また、ステージ(基板載置部)44の回転中心C12と基板Wの中心C2とを結ぶ直線が、基板保持部の進行方向と平行となるように、ステージ44を回転させる。
また、基板保持部の進行方向において、一方の基板Wの中心C1と他方の基板Wの中心C2とが同じ側にとなるようにステージ44を回転させる。即ち、ゲート42の側からみて、ステージ44の回転中心C11よりも奥側に基板Wの中心C1が位置し、ステージ44の回転中心C12よりも奥側に基板Wの中心C2が位置する。または、ゲート42の側からみて、ステージ44の回転中心C11よりも手前に基板Wの中心C1が位置し、ステージ44の回転中心C12よりも手前に基板Wの中心C2が位置する。図7(c)は、ステージ44の回転後における2枚の基板Wをステージ44に載置した状態の一例を示す。図7(d)は、後述するステップS110において、第1搬送ロボット32Aに2枚の基板Wが支持された状態の一例を示す。
なお、ステージ44の回転量の算出は、位置検出器33で基板Wの位置を検出した後、ステージ44に基板Wを載置する前に行うことが好ましい。これにより、基板Wをステージ44に載置後、遅滞なくステージ44を回転させることができるので、スループットを向上することができる。
ステップS110において、制御装置80は、パスモジュールPASMからロードロックモジュールLLMに基板Wを搬送する。即ち、制御装置80は、第1搬送モジュールTM1の第1搬送ロボット32Aを制御して、パスモジュールPASMから取り出した2枚の2回目基板処理後の基板Wを第1搬送モジュールTM1の搬送用容器31内を経由して、ロードロックモジュールLLMに搬入し、各ステージ24に各基板Wをそれぞれ載置する。ここで、制御装置80は、2枚の基板Wをゲート23を介してロードロックモジュールLLMに搬入する際、位置検出器33で基板Wの位置を検出し、アベレージ補正により2枚の基板Wを搬送する。
図8は、2枚の基板Wの位置関係を示す図の一例である。図8(a)は、第1搬送ロボット32Aに2枚の基板Wが支持された状態の一例を示す。図8(a)に示すように、2枚の基板Wは、幅方向における位置ずれが補正された状態で第1搬送ロボット32Aに支持されている。図8(b)は、2枚の基板Wをステージ24に載置した状態の一例を示す。
なお、ステージ24に載置された基板Wの中心C1、C2の位置は、ステップS110において位置検出器33で検出した基板Wの位置及び基板Wをステージ24に受け渡す際の第1搬送ロボット32Aの姿勢に基づいて算出される。
ステップS111において、制御装置80は、ロードロックモジュールLLMから基板Wを搬送する。制御装置80は、ロードロック用容器21内を真空雰囲気から大気雰囲気に昇圧する。その後、制御装置80は、ローダ12内の大気搬送装置を制御して、ロードロックモジュールLLMの各ステージ24に載置された基板Wを取り出して、フロントモジュールFMのロードポート11にセットされたFOUPに収容する。図8(c)は、大気搬送装置のピック15をゲート22から挿入した状態の一例を示す。
ここで、図8(b)に示すように、ステージ24に載置された基板Wについて、幅方向における位置ずれはステップS109でステージ44を回転させることにより解消し、進行方向における位置ずれはステップS110でアベレージ補正して搬送することにより低減する。これにより、図8(c)に示すように、ローダ12内の大気搬送装置のピック15が基板Wを受け取り可能な範囲内に基板Wの位置ずれを抑えることができる。また、個別補正を行うことなく基板Wを搬送することができるので、スループットを向上させることができる。
以上のように、基板処理システム1の搬送方法によれば、第4プロセスモジュールPM4からロードロックモジュールLLMに複数の基板Wを同時に搬送する際、搬送時間を抑制しつつ、ロードロックモジュールLLMのステージ24に載置される基板Wの位置合わせ精度を向上させることができる。
なお、ステップS108からステップS110に示す第4プロセスモジュールPM4からパスモジュールPASMを介してロードロックモジュールLLMに複数の基板Wを同時に搬送する際を例に説明したが、これに限られるものではない。プロセスによっては、第1プロセスモジュールPM1における基板Wの向き(ノッチ200の位置)と、第4プロセスモジュールPM4における基板Wの向き(ノッチ200の位置)とが、同じであることを要求しないプロセスがある。このようなプロセスの場合、ステップS104からステップS106に示す第1プロセスモジュールPM1からパスモジュールPASMを介して第4プロセスモジュールPM4に複数の基板Wを同時に搬送する際、ステップS105のパスモジュールPASMのステージ44を回転処理において、幅方向における位置ずれを減少するようにステージ44を回転させてもよい。
また、パスモジュールPASMのステージ44が回転機構(不図示)を有し、各ステージ44が独立して回転可能に構成されているものとして説明したが、これに限られるものではない。ロードロックモジュールLLMのステージ24が回転機構(不図示)を有し、各ステージ24が独立して回転可能に構成されていてもよい。
この場合、ステップS109に示す基板Wの回転処理(図7(b)(c)参照)をパスモジュールPASMでは行わずに、ロードロックモジュールLLMで行ってもよい。即ち、基板Wを第4プロセスモジュールPM4からパスモジュールPASMに搬送(ステップS108参照)した後、基板WをパスモジュールPASMからロードロックモジュールLLMに搬送(ステップS110参照)する。そして、制御装置80は、ロードロックモジュールLLMのステージ24の回転機構を制御して、ステージ24に載置された基板Wを回転させる。この回転処理は、パスモジュールPASMのステージ44で行う回転処理(ステップS109、図7(b)(c)参照)と同様であり、重複する説明を省略する。これにより、幅方向における位置ずれを解消し、大気搬送装置のピック15が基板Wを受け取り可能な範囲内に基板Wの位置ずれを抑えることができる。
そして、基板WをロードロックモジュールLLMから搬送(ステップS111参照)する際、大気搬送装置のピック15の進行方向(ロードロックモジュールLLMへのピック15の差込方向)のみを調整し、大気搬送装置で基板Wを一枚ずつ取り出してもよい。
以上、基板処理システム1について説明したが、本開示は上記実施形態等に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本開示の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
W 基板
1 基板処理システム
PM プロセスモジュール(処理室)
FM フロントモジュール(搬送室、大気搬送室)
TM1 第1搬送モジュール(搬送室、真空搬送室)
TM2 第2搬送モジュール(搬送室、真空搬送室)
LLM ロードロックモジュール(中継室、ロードロック室)
PASM パスモジュール(中継室)
80 制御装置
32A 第1搬送ロボット(搬送装置)
32B 第2搬送ロボット(搬送装置)
33 位置検出器
44 ステージ(基板載置部)

Claims (8)

  1. 第1搬送室と、
    第2搬送室と、
    前記第1搬送室と前記第2搬送室との間に配置され、独立して回転可能な複数の基板載置部を有する中継室と、
    前記第1搬送室に設けられ、基板を保持する基板保持部を有し、前記第1搬送室と前記中継室との間で基板を搬送する第1搬送装置と、
    前記第2搬送室に設けられ、複数の基板を保持する基板保持部を有し、前記第2搬送室と前記中継室との間で複数の基板を同時に搬送する第2搬送装置と、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記第2搬送装置を制御して、前記第2搬送装置の基板保持部に保持された複数の基板を、前記第2搬送室から前記中継室に搬送し、前記中継室の前記基板載置部に載置するステップと、
    前記第1搬送装置の基板保持部が前記第1搬送室から前記中継室に進行する際の進行方向と直交する幅方向において、前記基板載置部の回転中心と前記基板載置部に載置された前記基板の中心とのずれ量が減少するように、前記基板載置部を回転させるステップと、
    前記第1搬送装置を制御して、前記中継室の前記基板載置部に載置された基板を、前記第1搬送装置の基板保持部に受け渡し、前記中継室から前記第1搬送室に搬送するステップと、を実行可能に構成される、
    基板処理システム。
  2. 前記基板載置部を回転させるステップは、
    前記基板載置部の回転中心と前記基板載置部に載置された前記基板の中心とを結ぶ直線が、前記第1搬送装置の基板保持部が前記第1搬送室から前記中継室に進行する際の進行方向と平行になるように、前記基板載置部を回転させる、
    請求項1に記載の基板処理システム。
  3. 前記第2搬送室は、処理室と前記中継室との間に配置される真空搬送室であり、
    前記第1搬送室は、前記中継室とロードロック室との間に配置される真空搬送室であり、
    前記第2搬送装置は、前記第2搬送室を介して、前記処理室から前記中継室に複数の基板を同時に搬送し、
    前記第1搬送装置は、複数の基板を保持する基板保持部を有し、前記第1搬送室を介して、前記中継室から前記ロードロック室に複数の基板を同時に搬送する、
    請求項1または請求項2に基板処理システム。
  4. 前記制御部は、
    前記第1搬送装置を制御して、前記第1搬送装置の基板保持部に保持された複数の基板を、前記第1搬送室から前記ロードロック室に搬送し、前記ロードロック室の基板載置部に載置するステップと、を実行可能に構成される、
    請求項3に基板処理システム。
  5. 前記ロードロック室の基板載置部に載置するステップは、
    複数の基板の位置の平均値に基づいて、前記ロードロック室の基板載置部に対して一括して載置する、
    請求項4に基板処理システム。
  6. 前記第2搬送室は、真空搬送室であり、
    前記第1搬送室は、大気搬送室であり、
    前記中継室は、大気雰囲気と真空雰囲気とに切り替え可能なロードロック室である、
    請求項1または請求項2に基板処理システム。
  7. 第1搬送室と、第2搬送室と、前記第1搬送室と前記第2搬送室との間に配置され、独立して回転可能な複数の基板載置部を有する中継室と、前記第1搬送室に設けられ、基板を保持する基板保持部を有し、前記第1搬送室と前記中継室との間で基板を搬送する第1搬送装置と、前記第2搬送室に設けられ、複数の基板を保持する基板保持部を有し、前記第2搬送室と前記中継室との間で複数の基板を同時に搬送する第2搬送装置と、を備える基板処理システムの基板搬送方法であって、
    前記第2搬送装置を制御して、前記第2搬送装置の基板保持部に保持された複数の基板を、前記第2搬送室から前記中継室に搬送し、前記中継室の前記基板載置部に載置するステップと、
    前記第1搬送装置の基板保持部が前記第1搬送室から前記中継室に進行する際の進行方向と直交する幅方向において、前記基板載置部の回転中心と前記基板載置部に載置された前記基板の中心とのずれ量が減少するように、前記基板載置部を回転させるステップと、
    前記第1搬送装置を制御して、前記中継室の前記基板載置部に載置された基板を、前記第1搬送装置の基板保持部に受け渡し、前記中継室から前記第1搬送室に搬送するステップと、を有する、
    基板搬送方法。
  8. 前記基板載置部を回転させるステップは、
    前記基板載置部の回転中心と前記基板載置部に載置された前記基板の中心とを結ぶ直線が、前記第1搬送装置の基板保持部が前記第1搬送室から前記中継室に進行する際の進行方向と平行になるように、前記基板載置部を回転させる、
    請求項7に記載の基板搬送方法。
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