JP2023138377A - 容器及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に減容化することができる容器を提供すること。【解決手段】内容物が注出される注出口部と、前記注出口部から径方向の外側に張り出す肩部とを有する剛性の天面部と、筒状の形状を有する可撓性の胴部と、前記胴部と別部材で構成された剛性の底部とを備え、前記天面部、前記胴部、及び前記底部は、樹脂組成物からなり、前記胴部は、加飾が施されている加飾領域と、前記胴部の少なくとも両端に設けられた、加飾が施されていない非加飾領域とを有し、前記加飾領域は、複数の凹部と、前記凹部以外の基部とを含み、前記凹部の深さは、0.5mm~10mmであり、前記加飾領域と前記非加飾領域とは、前記胴部の軸に垂直な断面の外周の長さが同じである容器とする。【選択図】図1

Description

本発明は、内容物を収容する容器及びその製造方法に関する。
従来、ポリエステル系樹脂とポリエチレン系樹脂を含む樹脂組成物を用いて成形されたボトル形状やチューブ形状の容器が知られている。このような容器は、筒状スリーブで胴部を形成し、肩部や口部を構成する別体の成形品と熱溶着して製造することができる(例えば、特許文献1)。
このような樹脂製の容器において、資源の有効活用、又はゴミの減量を図る観点から、廃棄時に減容化できることが求められている。
特開2014-094975号公報
しかしながら、従来の樹脂製の容器は、耐衝撃性等を保持するため、胴部が剛性を有しており、廃棄時に使用者が押し潰して減容化することが難しい。そのため、容器を資源としてリサイクルするために回収する際に、そのままの体積で廃棄される場合が多く、回収効率が悪い。
本発明の一態様は、容易に減容化することができる容器を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成とすることにより、上記課題を解決したものである。本発明の一態様に係る容器は、内容物が注出される注出口部と、前記注出口部から径方向の外側に張り出す肩部とを有する剛性の天面部と、筒状の形状を有する可撓性の胴部と、前記胴部と別部材で構成された剛性の底部とを備え、前記天面部、前記胴部、及び前記底部は、樹脂組成物からなり、前記胴部は、加飾が施されている加飾領域と、前記胴部の少なくとも両端に設けられた、加飾が施されていない非加飾領域とを有し、前記加飾領域は、複数の凹部と、前記凹部以外の基部とを含み、前記凹部の深さは、0.5mm~10mmであり、前記加飾領域と前記非加飾領域とは、前記胴部の軸に垂直な断面の外周の長さが同じである。
本発明の一態様によれば、容易に減容化することができる容器を提供することができる。
第1実施形態による容器の正面図である。 第1実施形態による容器の平面図である。 第1実施形態による容器の底面図である。 図1のI-I断面図である。 図2のII-II断面を示す図である。 第2実施形態による容器の正面図である。 第2実施形態による容器の平面図である。 第2実施形態による容器の底面図である。 図6のIII-III断面図である。 第3実施形態による容器の正面図である。 第3実施形態による容器の平面図である。 第3実施形態による容器の底面図である。 図10のIV-IV断面図である。 第4実施形態による容器の正面図である。 第4実施形態による容器の平面図である。 第4実施形態による容器の底面図である。 図14のV-V断面図である。
<第1実施形態>
以下、好適な実施形態に基づいて、本発明を説明する。図1は、第1実施形態による容器10の正面図であり、図2は、第1実施形態による容器10の平面図であり、図3は、第1実施形態による容器10の底面図であり、図4は、図1のI-I断面図であり、図5は、図2のII-II断面を示す図である。なお、容器10の背面図、右側面図、及び左側面図は、図1に示す正面図と同様であるため図面を省略する。また、図5において、凹部23の形状の記載は省略している。
図1~図5に示すように、本実施形態の容器10は、内容物が注出される注出口部11と、注出口部11から径方向の外側に張り出す肩部12とを有する天面部1と、胴部2と、底部3とを備える。
(天面部)
天面部1は、剛性を有する。天面部1が、剛性を有することにより、胴部2が可撓性を有していても容器10を正立姿勢で保持することができる。また、通常、可撓性を有する胴部が変形すると、容器全体のバランスが崩れ、不安定になるが、本実施形態の容器10では、天面部1が剛性を有することにより、内容物が減少し、可撓性を有する胴部2の張りがなくなり変形しやすい状態となっても、胴部2の初期の形状を維持することができる。よって、容器10は、安定して自立することができ、また、内容物が無くなるまで外観を維持することができる。
天面部1は、胴部2よりも剛性が高い。天面部1は、胴部2よりも剛性が高いことにより、容器10は、安定して自立することができ、さらに、内容物が無くなるまで外観を維持することができる。
天面部1の厚さは、0.5mm~2.5mmであることが好ましく、1mm~1.5mmであることがより好ましい。天面部1の厚さは、底部3の厚さよりも薄いことが好ましい。天面部1の厚さが、底部3の厚さよりも薄いことにより、容器10は、より安定して自立することができる。
天面部1は、樹脂組成物からなる。樹脂組成物を構成する樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、オレフィン系共重合体、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂、エラストマーなどの熱可塑性樹脂を用いることができる。これらの樹脂は、1種のみを単独で用いることもできるし、複数種を混合して用いてもよい。さらに、これらの樹脂を積層した積層体として用いることもできる。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレン樹脂などが挙げられる。
オレフィン系共重合体としては、エチレン-α-オレフィン共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、部分けん化エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体などが挙げられる。
スチレン系樹脂としては、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体、ブタジエン-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体などが挙げられる。
塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、部分けん化塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられる。
酢酸ビニル系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂の部分けん化物、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体の部分けん化物などが挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリヒドロキシ酪酸などが挙げられる。
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン8、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン9Tなどが挙げられる。
フッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレンなどが挙げられる。
天面部1の形成方法は、天面部1のみを射出成形する方法、胴部2の一部に天面部1が重なるように射出成形する方法、胴部2を装着したマンドレル上に溶融樹脂を吐出して型で締め付けて成形する方法を採用することができる。
天面部1は、胴部2の上端(天面部1側の端部)を覆っていることが好ましい。これにより、外部からの衝撃に対し、天面部1と胴部2とが剥離しにくくなる。
天面部1は、胴部2の上端を覆い、且つ、胴部2の上端を挟むように、胴部2の外面及び内面と重ね合わせて、胴部2と接合してもよい。また、天面部1は、天面部1の下端部(注出口部11側と反対側の端部)の内面と、胴部2の外面とを重ね合わせて、胴部2と接合してもよく、天面部1の下端部の外面と、胴部2の内面とを重ね合わせて、胴部2と接合してもよい。
天面部1の胴部2側の端面の形状は、円形であってよい。これにより、天面部1は、胴部2の天面部1側の端面を容易に覆うことができ、外部からの衝撃に対し、天面部1と胴部2とがより剥離しにくくなる。
天面部1は、樹脂成形体の表面や積層体の一つの層として、薄い無機層や金属層を有していてもよい。無機層や金属層は、箔の積層や、スパッタリング、コーティング等により設けることができる。無機層や金属層を設けることにより、ガスバリア性の向上や、メタリック調の外観になる等の効果がある。
(胴部)
胴部2は、可撓性を有する。容器10は、可撓性の胴部2を有するが、内容物が入っていない状態でも、自重で胴部2が屈曲することなく、自立していることが好ましい。胴部2が、可撓性を有することにより、容器10の廃棄時に、胴部2を圧縮することができるため、容器10は減容化することができる。そして、容器10を資源としてリサイクルするために回収する際、効率良く回収することができる。
胴部2の厚さは、150μm~350μmであることが好ましく、200μm~300μmであることがより好ましい。胴部2の厚さが、150μm~350μmであることにより、胴部2をより容易に圧縮することができる。
胴部2の厚さは、天面部1の厚さ及び底部3の厚さのいずれよりも薄いことが好ましい。胴部2の厚さが、天面部1の厚さ及び底部3の厚さのいずれよりも薄いことにより、胴部2をより容易に圧縮することができるため、容器10はより容易に減容化することができる。また、容器10の原料の使用量を減らすことができ、ゴミの減量に貢献することができる。
胴部2は、筒状の形状を有する。具体的には、胴部2の形状は、円筒状であってよい。胴部2の形状は、天面部1及び底部3の形状に応じて任意の形状とすることができ、例えば、角筒状、又は円筒状から角筒状に遷移する形状であってもよい。
胴部2は、図1に示すように、加飾が施されている加飾領域Aと、胴部2の少なくとも軸Cに沿う方向の両端に設けられた、加飾が施されていない非加飾領域Bとを有する。加飾領域Aは、複数の凹部23と、凹部23以外の基部24とを含む。非加飾領域Bには、凹部が形成されていない。なお、凹部23の厚さ、及び基部24の厚さは、上述の胴部2の厚さと同じである。
凹部23は、加飾領域Aの上端から下端まで、胴部2の軸Cに対して斜め方向に延設されていてよい。凹部23は、胴部2の周方向において等間隔に設けられていてよい。凹部23の形状は、正面視で、細長い平行四辺形又は長方形であってよい。凹部23における、胴部2の軸Cに垂直な断面の形状は、胴部2の中心に向かって湾曲していてよい(図4参照)。
凹部23の深さは、0.5mm~10mmである。ここで、凹部23の深さとは、凹部23の底部と基部24との最短距離を意味する。凹部23は、表面に微細な凹凸を付与したマット処理とは、大きく異なる。これにより、容器10の廃棄時に、凹部23を基点として、胴部2を容易に圧縮することができるため、容器10は容易に減容化することができる。そして、容器10を資源としてリサイクルするために回収する際、効率良く回収することができる。また、容器10を手に取ったり、外観を観察した場合に、凹部23が認識でき、触覚や視覚に訴える効果を有する。
凹部23の深さは、0.5mm~8mmであることが好ましく、1mm~8mmであることがより好ましい。凹部23の深さが、0.5mm~8mmであることにより、容器10の廃棄時に、凹部23を基点として、胴部2をより容易に圧縮することができるため、容器10はより容易に減容化することができる。
加飾領域Aと非加飾領域Bとは、胴部2の軸Cに垂直な断面の外周の長さが同じである。これにより、胴部2に凹部23を形成する際の胴部2の歪みを抑制することができる。よって、深さが0.5mm~10mmの凹部23を有する可撓性の胴部を提供することができ、容易に減容化可能な容器を提供することができる。ここで、断面の外周の長さが同じとは、製造工程において、加熱収縮や溶着、接着等に伴うわずかな外周の長さの変化が起きている場合も、本発明の「外周の長さが同じ」に含む。
非加飾領域Bは、胴部2の少なくとも軸Cに沿う方向の両端に設けられている。換言すると、非加飾領域Bは、胴部2の軸Cが上下方向を向いた際の上端と下端に設けられている。これによって、胴部2と天面部1、胴部2と底部3のそれぞれの密着性を向上させ、それぞれの接着強度を向上させることができる。
非加飾領域Bにおける、胴部2の軸Cに垂直な断面の形状は、特に制限されず、例えば、円形、楕円形などの略円形;三角形、四角形、五角形、六角形、八角形などの多角形が挙げられる。これらの中でも、非加飾領域Bにおける、胴部2の軸Cに垂直な断面の形状は、円形又は楕円形であることが好ましい。これにより、容器10の廃棄時に、天面部1と底部3とを近接させたとき、加飾領域Aの複数の凹部23に均一に力がかかりやすく、凹部23を基点として、胴部2をより容易に圧縮することができる。よって、容器10はより容易に減容化することができる。
また、非加飾領域Bにおける、胴部2の軸Cに垂直な断面の形状は、底部3、又は天面部1と胴部2の接合部分における、胴部2の軸Cに垂直な断面の形状と同じである。ここで、同じ形状とは、製造工程において、加熱や溶着、接着等に伴うわずかな形状変化が起きている場合も含む。
胴部2は、樹脂組成物からなる。樹脂組成物を構成する樹脂としては、天面部1と同様の樹脂を用いることができる。
胴部2は単層(例えば、単一のフィルム)であっても、複数層の積層体(例えば、積層フィルム)であってもよい。胴部2は、好ましくは複数層の積層体であり、より好ましくは該積層体の最内層が直鎖状(又は線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)である。これにより、胴部2と天面部1、胴部2と底部3との密着性や溶着性を向上させることができる。
胴部2は、さらに好ましくは積層体の最内層に加えて最外層が直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)である。これにより、天面部1と胴部2との接合部において、天面部1と胴部2との密着性や溶着性をより向上させることができる。
積層体は、共押出成形や押出ラミネート法、ドライラミネート法、コーティング法などで製造することができ、これらを組み合わせて製造してもよい。
胴部2は、押出成形やインフレーション成形、射出成形等で成形した筒状部材であってもよいし、フィルムの一端と他端とを接合した筒状部材であってもよい。フィルムの接合は、接着剤を用いて接合してもよいし、熱溶着や高周波溶着、超音波溶着などを用いて接合してもよい。
胴部2は、樹脂成形体の表面や積層体の一つの層として、薄い無機層や金属層を有していてもよい。無機層や金属層は、箔の積層や、スパッタリング、コーティング等により設けることができる。無機層や金属層を設けることにより、ガスバリア性の向上や、メタリック調の外観になる等の効果がある。胴部2は、凹部23による加飾が施されているため、無機層や金属層を設けることで、反射光の変化に富んだ加飾を施すことができる。
(底部)
底部3は、胴部2と別部材で構成されている。この場合、底部3は、胴部2の下端(天面部1との接合部と反対側の端部)の開口を閉止する。底部3は、底部3の外周をヒートシール等によって胴部2の内周面に接合することにより、胴部2の下端の開口を閉止してよい。
底部3の平面視形状は、特に限定されないが、円形、楕円形、多角形(三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形等)等が挙げられる。底部3の平面視形状が、多角形である場合、角に丸みを帯びていてもよい。
底部3は、剛性を有する。底部3は、剛性を有することにより、内容物が減少し、可撓性を有する胴部2の張りがなくなり変形しやすい状態となっても、胴部2の初期の形状を維持することができる。よって、容器10は、安定して自立することができる。
具体的には、底部3は、変形に耐え得る剛性を有していることが好ましい。また、底部3は、天面部1よりも剛性が高いことが好ましい。底部3の剛性が、天面部1の剛性よりも高いことにより、容器10は、より安定して自立することができる。
底部3は、胴部2と同様に、単層であっても、複数層の積層体であってもよい。
底部3の厚さは、特に制限されないが、1mm~15mmであることが好ましい。これにより、底部3は、自立に十分な剛性と、胴部2との十分な接着強度の両立が容易になる。
底部3の厚さは、天面部1の厚さよりも厚いことが好ましい。底部3の厚さが、天面部1の厚さよりも厚いことにより、容器10は、より安定して自立することができる。また、底部3の重量は、天面部1の重量よりも重いことが好ましい。底部3の重量が、天面部1の重量よりも重いことにより、容器10の重心を低くすることができ、容器10は、より安定して自立することができる。
底部3は、図5に示すように、底板31を含んでいてもよい。底板31の外周部には、底板31の面と垂直の面を有するリブ32が設けられていることが好ましい。これにより、胴部2と底部3との接合強度を保ちやすくなる。胴部2と底部3の接合は、接着剤や、熱溶着、高周波溶着、超音波溶着などを用いることができる。
底部3は、樹脂組成物からなる。樹脂組成物を構成する樹脂としては、天面部1と同様の樹脂を用いることができる。天面部1、胴部2、及び底部3は、同じ種類の樹脂で形成することが好ましい。各部を同じ種類の樹脂で形成することにより、マテリアルリサイクルを行いやすい。
容器10は、天面部1と底部3とを近接させることにより、胴部2が変形可能である。これにより、胴部2を容易に圧縮することができるため、容器10は容易に減容化することができる。そして、容器10を資源としてリサイクルするために回収する際、効率良く回収することができる。
容器10は、注出口部11を封止するキャップを有していてよい。キャップは、天面部1、胴部2、及び底部3を構成する樹脂と同じ種類の樹脂からなることが好ましい。これにより、キャップ付きの容器10は、容易に樹脂材料のマテリアルリサイクルを行うことができる。
(容器の製造方法)
本発明の容器の製造方法は、特に制限されないが、例えば、以下のような方法で製造することができる。
容器10の製造方法の一例は、真空成形で胴部2に凹部23を形成し、その後、胴部2と、天面部1及び底部3を接合させる方法である。具体的には、以下のような製造方法を採用することができる。
真空成形や熱プレス成形で加飾を施したフィルムを得るステップ;フィルムの一端とその対向する他端とを接合して筒状にし、加飾を施した胴部2を得るステップ;得られた胴部2に、射出成形した天面部1と底部3を熱溶着させて容器10を得るステップ;を有する製造方法を採用することができる。
また、加飾領域Aに対応する形状の表面と、減圧するための孔を表面に有するマンドレルに、フィルムを巻き付け、熱溶融によりフィルムの一端とその対向する他端とを接合して、筒状の胴部2を得るステップ;筒状の胴部2を加熱軟化し、マンドレルを用いて真空成形を行い、加飾を施した胴部2を得るステップ;得られた胴部2に射出成形した天面部1と底部3を熱溶着等で接合して容器を得るステップ;を有する製造方法を採用することもできる。
容器10の製造方法の他の例は、胴部2と、天面部1又は底部3とを接合し、真空成形で胴部2に凹部23を形成し、その後、天面部1及び底部3のうち、胴部2と未接合の方を胴部2と接合させる方法である。具体的には、以下のような製造方法を採用することができる。
マンドレルにフィルムを巻き付け、熱溶着によりフィルムの一端とその対向する他端とを接合して、筒状の胴部2を得るステップ;マンドレルに溶融樹脂を吐出して型締めし、注出口部11が樹脂で塞がれた天面部1と筒状の胴部2とが一体になった中間製品aを得るステップ;中間製品aの胴部2の表面に、真空成形や熱プレス成形により凹部23を形成し、加飾された中間製品aを得るステップ;加飾された中間製品aの注出口部11を塞いでいる樹脂を切断や掘削により取り除き、注出口部11を有する加飾された中間製品aを得るステップ;注出口部11を有する加飾された中間製品aに、底部3を熱溶着等で接合して容器10を得るステップ;を有する製造方法を採用することができる。
また、ロールにフィルムを巻き付け、熱溶着によりフィルムの一端とその対向する他端とを接合して、筒状の胴部2を得るステップ;筒状の胴部2に底部3を熱溶着等で接合して、胴部2と底部3とが一体になった中間製品bを得るステップ;中間製品bの胴部2の表面に、真空成形や熱プレス成形により凹部23を形成し、加飾された中間製品bを得るステップ;加飾された中間製品bに射出成形した天面部1を熱溶着等で接合して、容器10をえるステップ;を有する製造方法を採用することもできる。
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態による容器20の正面図であり、図7は、第2実施形態による容器20の平面図であり、図8は、第2実施形態による容器20の底面図であり、図9は、図6のIII-III断面図である。なお、容器20の背面図、右側面図、及び左側面図は、図6に示す正面図と同様であるため図面を省略する。第2実施形態による容器20は、凹部23の形状が異なる点以外は、第1実施形態の容器10と共通するため、第1実施形態の容器10と同一の符号を付して説明を省略する。
図6~図9に示すように、容器20の凹部23は、加飾領域Aの一端(上端)から他端(下端)まで延設され、正面視で、胴部2の中央部において屈曲している。換言すると、容器20の凹部23の形状は、正面視で、V字状であり、当該V字の頂点が胴部2の中央部に位置する。ここで、胴部2の中央部とは、胴部の上端又は下端から1/3~1/2の範囲内の位置を意味する。これにより、容器20は、容器の廃棄時に、凹部23の屈曲部(V字の頂点)、即ち胴部2の中央部を基点として、胴部2を容易に圧縮することができるため、容易に減容化することができる。
<第3実施形態>
図10は、第3実施形態による容器30の正面図であり、図11は、第3実施形態による容器30の平面図であり、図12は、第3実施形態による容器30の底面図であり、図13は、図13のIV-IV断面図である。なお、容器30の背面図、右側面図、及び左側面図は、図10に示す正面図と同様であるため図面を省略する。第3実施形態による容器30は、凹部23の形状が異なる点以外は、第1実施形態の容器10と共通するため、第1実施形態の容器10と同一の符号を付して説明を省略する。
図10~図13に示すように、容器30の凹部23の形状は、正面視で、ひし形の角に丸みを持たせた形状である。凹部23は、胴部2の周方向において等間隔に配置され、胴部2の軸Cに沿う方向において2段設けられている。
凹部23は、中央部に直線状の折れ線L1を有する。別の観点から見ると、図13に示すように、容器30の加飾領域Aにおける胴部2の軸Cに垂直な断面の外周は、直線部(折れ線)L1と円弧部L2とを有する。これにより、容器30は、容器30の廃棄時に、凹部23の直線部L1を基点として、胴部2をより容易に圧縮することができるため、より容易に減容化することができる。
<第4実施形態>
図14は、第4実施形態による容器40の正面図であり、図15は、第4実施形態による容器40の平面図であり、図16は、第4実施形態による容器40の底面図であり、図17は、図14のV-V断面図である。なお、容器40の背面図、右側面図、及び左側面図は、図14に示す正面図と同様であるため図面を省略する。図14~図17に示すように、第4実施形態による容器40は、凹部23の形状が異なる点以外は、第1実施形態の容器10と共通するため、第1実施形態の容器10と同一の符号を付して説明を省略する。
図14に示すように、容器40の凹部23の形状は、第3実施形態の凹部23と同様の形状である。第4実施形態の凹部23の数は、第3実施形態の凹部23の数より多い。第4実施形態の凹部23は、胴部2の周方向において等間隔に配置され、胴部2の軸Cに沿う方向においてジグザグ状に配置されている。
図17に示すように、容器40の加飾領域Aにおける胴部2の軸Cに垂直な断面の外周は、容器30の加飾領域Aと同様に、直線部L1と円弧部L2とを有する。第4実施形態の直線部L1の数は、第3実施形態の直線部L1の数より多く、また、ジグザグ状に配置されている。これにより、容器40は、廃棄時に凹部23の直線部L1を基点として、胴部2をさらに容易に圧縮することができるため、さらに容易に減容化することができる。
本実施形態の容器は、第3実施形態の容器30及び第4実施形態の容器40からなる容器セットであってもよい。これにより、例えば、シャンプーとリンスのように、2種類の内容物を併用する場合、使用者は、凹部23の数の違いによって、内容物を認識することができる。
(本発明の態様)
本発明は、以下の態様を含む。
<態様1>
内容物が注出される注出口部と、前記注出口部から径方向の外側に張り出す肩部とを有する剛性の天面部と、筒状の形状を有する可撓性の胴部と、前記胴部と別部材で構成された剛性の底部とを備え、
前記天面部、前記胴部、及び前記底部は、樹脂組成物からなり、
前記胴部は、加飾が施されている加飾領域と、前記胴部の少なくとも両端に設けられた、加飾が施されていない非加飾領域とを有し、
前記加飾領域は、複数の凹部と、前記凹部以外の基部とを含み、
前記凹部の深さは、0.5mm~10mmであり、
前記加飾領域と前記非加飾領域とは、前記胴部の軸に垂直な断面の外周の長さが同じである容器。
<態様2>
前記胴部の厚さは、150μm~350μmである態様1に記載の容器。
<態様3>
前記加飾領域における前記胴部の軸に垂直な断面の外周は、直線部と円弧部とを有する態様1又は2に記載の容器。
<態様4>
前記凹部は、前記加飾領域の一端から他端まで延設され、正面視で、前記胴部の中央部において屈曲している態様1又は2に記載の容器。
<態様5>
前記非加飾領域における、前記胴部の軸に垂直な断面形状が、円形又は楕円形である態様1から4のいずれか一つに記載の容器。
<態様6>
前記天面部と前記底部とを近接させることにより、前記胴部が変形可能である態様1から5のいずれか一つに記載の容器。
<態様7>
前記注出口部を封止するキャップを有する態様1から6のいずれか一つに記載の容器。
<態様8>
態様1から7のいずれか一つに記載の容器の製造方法であって、
真空成形で前記胴部に前記凹部を形成し、その後、前記胴部と、前記天面部及び前記底部を接合させる容器の製造方法。
<態様9>
態様1から7のいずれか一つに記載の容器の製造方法であって、
前記胴部と、前記天面部又は前記底部とを接合し、真空成形で前記胴部に前記凹部を形成し、その後、前記天面部及び前記底部のうち、前記胴部と未接合の方を前記胴部と接合させる容器の製造方法。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。また、実施形態で説明した複数の特徴は適宜組み合せることも可能である。
本発明により、廃棄時には容易に減容化できる容器を得ることができる。
1 天面部
11 注出口部
12 肩部
2 胴部
23 凹部
24 基部
3 底部
10、20、30、40 容器
A 加飾領域
B 非加飾領域
C 軸
L1 直線部
L2 円弧部

Claims (9)

  1. 内容物が注出される注出口部と、前記注出口部から径方向の外側に張り出す肩部とを有する剛性の天面部と、筒状の形状を有する可撓性の胴部と、前記胴部と別部材で構成された剛性の底部とを備え、
    前記天面部、前記胴部、及び前記底部は、樹脂組成物からなり、
    前記胴部は、加飾が施されている加飾領域と、前記胴部の少なくとも両端に設けられた、加飾が施されていない非加飾領域とを有し、
    前記加飾領域は、複数の凹部と、前記凹部以外の基部とを含み、
    前記凹部の深さは、0.5mm~10mmであり、
    前記加飾領域と前記非加飾領域とは、前記胴部の軸に垂直な断面の外周の長さが同じである容器。
  2. 前記胴部の厚さは、150μm~350μmである請求項1に記載の容器。
  3. 前記加飾領域における前記胴部の軸に垂直な断面の外周は、直線部と円弧部とを有する請求項2に記載の容器。
  4. 前記凹部は、前記加飾領域の一端から他端まで延設され、正面視で、前記胴部の中央部において屈曲している請求項2に記載の容器。
  5. 前記非加飾領域における、前記胴部の軸に垂直な断面形状が、円形又は楕円形である請求項3又は4に記載の容器。
  6. 前記天面部と前記底部とを近接させることにより、前記胴部が変形可能である請求項1又は2に記載の容器。
  7. 前記注出口部を封止するキャップを有する請求項6に記載の容器。
  8. 請求項1から4のいずれか一項に記載の容器の製造方法であって、
    真空成形で前記胴部に前記凹部を形成し、その後、前記胴部と、前記天面部及び前記底部を接合させる容器の製造方法。
  9. 請求項1から4のいずれか一項に記載の容器の製造方法であって、
    前記胴部と、前記天面部又は前記底部とを接合し、真空成形で前記胴部に前記凹部を形成し、その後、前記天面部及び前記底部のうち、前記胴部と未接合の方を前記胴部と接合させる容器の製造方法。
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