JP2023137630A - 樹脂複合体 - Google Patents

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Shoichi Hiratsuka
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Abstract

【課題】曲げ剛性と軽量性とに優れた樹脂複合体を提供すること。【解決手段】芯材と、該芯材を覆う表面材とを含み、前記芯材が樹脂発泡体で構成され、前記表面材が、樹脂と繊維とを含むシート状の繊維強化樹脂材で構成された繊維強化樹脂層を含んでいる樹脂複合体であって、長手方向と、該長手方向に直交する短手方向とを有する板状体であり、前記長手方向での前記繊維強化樹脂層の引張弾性率をEw(GPa)とし、前記短手方向での前記繊維強化樹脂層の引張弾性率をEh(GPa)とし、前記長手方向での前記芯材の引張弾性率をEf(MPa)とし、前記芯材の見掛け密度をD(kg/m3)とした場合に、下記式(1)、(2)、及び、(3)の全てを満たす、樹脂複合体。6 ≦ (Ew/Eh) ≦ 20 ・・・(1)70 ≦ Ew ・・・(2)0.5 ≦ (Ef/D) ≦ 1.5 ・・・(3)【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂複合体に関し、より詳しくは、芯材と、該芯材を覆う表面材とを含み、前記芯材が樹脂発泡体で構成され、前記表面材が、樹脂と繊維とを含むシート状の繊維強化樹脂材で構成された繊維強化樹脂層を含んでいる樹脂複合体に関する。
従来、優れた軽量性と強度とを兼ね備えることからFRPなどと称される繊維強化樹脂材が広く用いられている。近年、繊維強化樹脂層を含む表面材を芯材となる樹脂発泡体に積層した樹脂複合体がその用途を拡大させている。この種の樹脂複合体は、樹脂発泡体を芯材として備えていることで優れた軽量性を発揮する。また、前記繊維強化樹脂層は繊維と樹脂とを含む繊維強化樹脂材で構成されているため、表面材に繊維強化樹脂層を含み、強度面でも優れているこの種の樹脂複合体として、下記特許文献1には長手方向での曲げ剛性に優れた樹脂複合体が記載されている。
特開2000-343476号公報
長手方向と短手方向とを有する板状体である樹脂複合体で曲げ剛性の向上を図ろうとすると、繊維強化樹脂層を厚くしたり樹脂発泡体の発泡度を低下させたりしなければならなくなり、十分な軽量性が発揮されなくなるおそれがある。そして、曲げ剛性と軽量性との両立可能な板状の樹脂複合体への要望については十分満たされているとは言い難い。そこで本発明は曲げ剛性と軽量性との両立可能な板状の樹脂複合体を提供することを課題としている。
本発明は、上記課題を解決すべく、
芯材と、該芯材を覆う表面材とを含み、
前記芯材が樹脂発泡体で構成され、
前記表面材が、樹脂と繊維とを含むシート状の繊維強化樹脂材で構成された繊維強化樹脂層を含んでいる樹脂複合体であって、
長手方向と、該長手方向に直交する短手方向とを有する板状体であり、
前記長手方向での前記繊維強化樹脂層の引張弾性率をEw(GPa)とし、
前記短手方向での前記繊維強化樹脂層の引張弾性率をEh(GPa)とし、
前記長手方向での前記芯材の引張弾性率をEf(MPa)とし、
前記芯材の見掛け密度をD(kg/m)とした場合に、
下記式(1)、(2)、及び、(3)の全てを満たす、樹脂複合体を提供する。
6 ≦ (Ew/Eh) ≦ 20 ・・・(1)
70 ≦ Ew ・・・(2)
0.5 ≦ (Ef/D) ≦ 1.5 ・・・(3)
本発明によれば、曲げ剛性と軽量性との両立可能な板状の樹脂複合体が提供され得る。
図1は、一実施形態の樹脂複合体を示した概略斜視図である。 図2は、樹脂複合体の断面図(図1のII-II線矢視断面図)である。 図3Aは、樹脂複合体の表層部の拡大断面図(図2のIII部の拡大図)である。 図3Bは、樹脂複合体での芯材と繊維強化樹脂層との界面の様子を示した拡大断面図(図3Aの破線B部の拡大図)である。 図4は、樹脂複合体の一使用例を示した概略斜視図である。 図5は、樹脂複合体の製造工程(繊維強化樹脂層を製造する際の準備段階)を示した概略図である。 図6は、樹脂複合体の製造工程(繊維強化樹脂層を製造する段階)を示した概略図である。 図7は、樹脂複合体の製造工程(樹脂複合体を製造する際の準備段階)を示した概略図である。 図8は、樹脂複合体の製造工程(樹脂複合体を製造する段階)を示した概略図である。
以下に本発明の実施形態に係る樹脂複合体について説明する。本実施形態の樹脂複合体は、図1に示すように長手方向Xと、該長手方向Xに直交する短手方向Yとを有する板状体である。図1に示す樹脂複合体100は、平面視における形状が長方形である。該長方形は、前記長手方向Xに沿う長辺と前記短手方向に沿う短辺を有する。樹脂複合体100は、前記長手方向Xと前記短手方向Yとに直交する厚さ方向Zを有する。
図1、2にも示されているように本実施形態に係る樹脂複合体100は、板状の芯材1の両面に繊維強化樹脂層2を備えた表面材が積層されている。本実施形態の樹脂複合体100は、表面材が繊維強化樹脂層2のみで構成されている。前記表面材は、フィルム層や塗膜層などが設けられていてもよい。本実施形態では、これらを繊維強化樹脂層2よりも外側に設けて樹脂複合体100の美観を向上させてもよい。前記本実施形態に係る樹脂複合体100は、2つの繊維強化樹脂層2の間に芯材1が挟まれた構造を有している。即ち、樹脂複合体100は、一方の表面100aを構成する第1の繊維強化樹脂層2aと、他方の表面100bを構成する第2の繊維強化樹脂層2bとを備えている。
前記芯材1は、一面側にシート状の繊維強化樹脂材が一又は複数積層されているとともに前記一面側とは反対側となる他面側にも一又は複数の繊維強化樹脂材が積層されている。図3Aに示すように本実施形態においては、前記芯材1の一面側及び他面側には、それぞれ複数枚の繊維強化樹脂材20が積層されている。即ち、本実施形態の繊維強化樹脂層2は、積層構造を有している。
複数の繊維強化樹脂材で構成されている本実施形態での2つの前記繊維強化樹脂層2a,2bは、構造が共通していても異なっていてもよい。本実施形態での2つの前記繊維強化樹脂層2a,2bは、構造が共通している。それぞれの繊維強化樹脂層2a,2bは、第1の表面と、該第1の表面とは反対面となる第2の表面とを備え、それぞれ第1の表面が繊維強化樹脂層2a,2bの内側面なっていて前記芯材1との接着面となっている。繊維強化樹脂層2a,2bの第2の表面は、繊維強化樹脂層2a,2bの外側面なっていて樹脂複合体100の一方の表面100aと他方の表面100bとなっている。
第1の繊維強化樹脂層2aは、例えば、5枚の繊維強化樹脂材20が積層された積層構造を有する。5枚の繊維強化樹脂材20の内の第1の繊維強化樹脂材20(以下、「第1シート21」ともいう)は、一面側が前記芯材1に接している。即ち、該第1シート21は、繊維強化樹脂層2の2つの表面の内、前記芯材1に接着されている接着面を構成している。
前記第1シート21の他面側には5枚の繊維強化樹脂材20の内の第2の繊維強化樹脂材20(以下、「第2シート22」ともいう)が接している。以下、第3の繊維強化樹脂材20(第3シート23)、第4の繊維強化樹脂材20(第4シート24)、第5の繊維強化樹脂材20(第5シート25)の順に積層され、該第5シート25が前記芯材1から最も離れた位置に設けられた繊維強化樹脂材20となっている。即ち、該第1シート21は、繊維強化樹脂層2の2つの表面の内、前記芯材1に接着されている表面とは逆側の表面を構成している。また、前記第5シート25は、樹脂複合体100の一方の表面100aを構成している。
前記第1シート21が芯材1に接着され、芯材1から離れる方向に第2シート22から第5シート25までが順に積層されている点については第2の繊維強化樹脂層2bも同じである。
本実施形態での第1の繊維強化樹脂層2aと第2の繊維強化樹脂層2bとのそれぞれは、前記長手方向Xでの引張弾性率をEw(GPa)とし、前記短手方向Yでの引張弾性率をEh(GPa)とした場合に、下記式(1)、(2)の両方を満たしている。
6 ≦ (Ew/Eh) ≦ 20 ・・・(1)
70 ≦ Ew ・・・(2)
上記の通り、本実施形態の樹脂複合体100では、撓みが生じ易い長手方向Xでの曲げ剛性を短手方向Yでの曲げ剛性よりも強化を図るべく、長手方向Xでの引張弾性率の方が短手方向Yよりも大きい繊維強化樹脂層2が備えられている。そのことにより本実施形態の樹脂複合体100では短手方向Yでの曲げ剛性の強化のために繊維などを過度に用いることが節約でき、重さが必要以上に重くなることが抑制される。
上記のような機能を発揮させる上において、第1の繊維強化樹脂層2aと第2の繊維強化樹脂層2bとのそれぞれの長手方向Xでの引張弾性率(Ew)は、上記の通り70GPa以上となっている。該引張弾性率(Ew)は、90GPa以上であることが好ましい。該引張弾性率(Ew)は、100GPa以上であってもよく、150GPa以上であってもよく、200GPa以上であってもよい。該引張弾性率(Ew)は、例えば、500GPa以下とされる。
本実施形態の樹脂複合体100は、長手方向Xの寸法(長さ)をLw(mm)とし、短手方向Yの寸法(幅)をLh(mm)とした際に、幅(Lh)に対する長さ(Lw)の比率(Lw/Lh)が下記式(a)を満たすことが好ましい。
1.5 ≦ (Lw/Lh) ・・・(a)
前記比率(Lw/Lh)は、2.5以上であってもよく、3.5以上であってもよく、4.5以上であってもよい。前記比率(Lw/Lh)は、例えば、20以下とされる。
樹脂複合体100の長さ(Lw)は、1000mm以上であることが好ましい。前記長さ(Lw)は、1500mm以上であってもよく、2000mm以上であってもよい。前記長さ(Lw)は、例えば、4000mm以下とされる。
樹脂複合体100の幅(Lh)は、200mm以上であることが好ましい。前記幅(Lh)は、250mm以上であってもよく、300mm以上であってもよい。前記幅(Lh)は、400mm以上であってもよい。
樹脂複合体100の厚さ方向での寸法(厚さ)をLt(mm)とした際に、前記長さ(Lw)に対する厚さ(Lt)の比率(Lt/Lw)は、下記式(b)を満たすことが好ましい。
0.1 ≦ (Lt/Lw) ・・・(b)
樹脂複合体100の厚さは、15mm以上であることが好ましい。前記樹脂複合体100の厚さ(Lt)は、20mm以上であってもよく、25mm以上であってもよく、30mm以上であってもよい。樹脂複合体100の厚さは、35mm以上であってもよい。
前記芯材1の長さ(Cw(mm):長手方向Xでの寸法)や幅(Ch(mm):短手方向Yでの寸法)は、樹脂複合体100と共通する。前記芯材1の厚さ(Ct(mm))は、12mm以上であることが好ましい。前記芯材1の厚さ(Ct)は、18mm以上であってもよく、23mm以上であってもよく、28mm以上であってもよい。芯材1の厚さ(Ct)は、33mm以上であってもよい。
本実施形態では、樹脂複合体100の側面にも表面材を設けて前記芯材1の6面全てを表面材で覆うようにしてもよい。その場合、芯材1の長さ(Cw)や幅(Ch)は、表面材(繊維強化樹脂層)の厚さ分だけ樹脂複合体100の長さ(Lw)や幅(Lh)より小さくしてもよい。
繊維強化樹脂層2の厚さは、0.40mm以上であることが好ましい。繊維強化樹脂層2の厚さは、0.50mm以上であってもよく、0.60mm以上であってもよく、0.70mm以上であってもよい。繊維強化樹脂層2の厚さは、例えば、3.00mm以下とされる。繊維強化樹脂層2の厚さは、2.00mm以下であることが好ましい。
樹脂複合体100、芯材1、及び、繊維強化樹脂層2の寸法は、複数箇所(例えば、4、5箇所)での測定値を算術平均した平均値として求めることができる。例えば、樹脂複合体100、芯材1、及び、繊維強化樹脂層2の厚さは、長方形の4辺の中央部を測定した4つの測定値の算術平均値として求めることができる。
本実施形態での芯材1は、前記長手方向Xでの前記芯材1の引張弾性率をEf(MPa)とし、前記芯材1の見掛け密度をD(kg/m)とした場合に、下記式(3)を満たしている。
0.5 ≦ (Ef/D) ≦ 1.5 ・・・(3)
芯材1の見掛け密度(D)は、200kg/m以下であってもよく、150kg/m以下であってもよい。芯材1の見掛け密度(D)は、110kg/m以下であることが好ましい。芯材1の見掛け密度(D)は、100kg/m以下であることがより好ましく、80kg/m以下であることがさらに好ましい。芯材1の見掛け密度(D)は、30kg/m以上であることが好ましい。
芯材1の見掛け密度(D)は、該芯材1の複数箇所(例えば、4、5箇所)より切り出した試料の見掛け密度の算術平均値として求めることができる。各試料は、例えば、JIS K7222-2005「発泡プラスチック及びゴム-見掛け密度の求め方」に記載の方法に基づいて測定することができる。具体的には、元のセル構造を変えないように切断した100cm以上の試験片について、その体積(V(m))と質量(M(kg))とを測定し、体積(V)に対する質量(M)の比率(M/V)を求めることによって見掛け密度を算出することができる。
芯材1を構成する前記樹脂発泡体は、例えば、アクリル系樹脂発泡体、ポリスチレン系樹脂発泡体、ポリエステル系樹脂発泡体、ポリカーボネート系樹脂発泡体などとすることができる。前記樹脂発泡体は、型内発泡成形によって得られる発泡体であって、押出法によって得られる発泡体であってもよい。型内発泡成形によって得られる発泡体は、樹脂発泡ビーズどうしを成形型内で熱融着させてなるビーズ発泡成形体であっても、発泡剤を含む樹脂組成物からなる塊状物を成形型内で発泡させた塊状発泡成形体であってもよい。
芯材1を構成する前記樹脂発泡体は、アクリル系樹脂発泡体であることが好ましい。即ち、前記樹脂発泡体は、アクリル樹脂を含むアクリル樹脂組成物で構成されていることが好ましい。アクリル系樹脂発泡体は、塊状発泡成形体であることが好ましい。
前記アクリル樹脂は、複数の重合性モノマー由来の構成を含んでいることが好ましい。前記重合性モノマーとしては、例えば、アクリル系モノマーとアクリル系モノマーと共重合可能なモノマーとが挙げられる。
前記アクリル系モノマーとしては、無水マレイン酸、メタクリルアミド、(メタ)アクリル酸、メタクリル酸メチル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、アクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイン酸イミドなどが挙げられる。なお、本明細書における“(メタ)アクリル”との用語は、“メタクリル”と“アクリル”との何れであってもよいことを意味すべく用いている。
前記アクリル系モノマーと共重合可能なモノマーとしては、スチレンモノマーが挙げられる。
前記アクリル樹脂の構成単位は、50~70質量%がメタクリル酸メチル由来で、14~27質量%が(メタ)アクリル酸由来で、10~30質量%がスチレン由来であることが好ましい。なお、14~27質量%の割合で含有される(メタ)アクリル酸由来の構成単位の内、全てがメタクリル酸由来であっても、全てがアクリル酸由来であってもよく、メタクリル酸由来の構成単位とアクリル酸由来の構成単位との両方が合計14~27質量%となるように含まれていてもよい。
無水マレイン酸及びメタクリルアミドに由来する構成単位を含有する場合には、構成単位の内の35~60質量%がメタクリル酸メチル由来で、14~35質量%が(メタ)アクリル酸由来で、10~20質量%がスチレン由来で、1.0~10質量%が無水マレイン酸由来で、1.0~10質量%がメタクリルアミド由来であることが好ましい。無水マレイン酸及びメタクリルアミドは、アクリル樹脂に優れた耐熱性を発揮させるのに有効に作用する。この場合も、14~35質量%の割合で含有される(メタ)アクリル酸由来の構成単位の内、全てがメタクリル酸由来であっても、全てがアクリル酸由来であってもよく、メタクリル酸由来の構成単位とアクリル酸由来の構成単位との両方が合計14~35質量%となるように含まれていてもよい。
前記アクリル樹脂組成物は、可塑剤をさらに含有することができる。前記可塑剤としては、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、ポリエステル、リン酸エステル、クエン酸エステル、エポキシ化植物油、セバシル酸エステル、アゼライン酸エステル、マレイン酸エステル、安息香酸エステル、スルホン酸エステル等を用いことができる。
前記フタル酸エステルとしては、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチル等が挙げられる。前記アジピン酸エステルとしては、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジブチル等が挙げられる。前記トリメリット酸エステルとしては、トリメリット酸トリオクチル等が挙げられる。
前記リン酸エステルとしては、リン酸トリクレシル、リン酸トリアミル、リン酸トリブチル等が挙げられる。前記クエン酸エステルとしては、アセチルク
エン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル等が挙げられる。
前記エポキシ化植物油としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等が挙げられる。
前記スルホン酸エステルとしては、アルキルスルホン酸フェニルエステル等が挙げられ、該スルホン酸エステルの市販品としては、LANXESS社のメザモール(Mesamoll)等が挙げられる。
前記可塑剤としては、フタル酸ジオクチル、アジピン酸ジイソブチル、アセチルクエン酸トリブチル、スルホン酸エステル等が好適に用いられる。前記可塑剤は、アクリル系樹脂100質量部に対し、0.1~20質量部となる割合で含有されることが好ましく、0.3~10質量部の割合で含有されることがより好ましく、0.5~5質量部の割合で含有されることが特に好ましい。
前記アクリル樹脂組成物は、着色剤、耐候剤、耐生物薬剤(抗菌剤、防黴剤、防蟻剤、防鼠剤など)、フィラーなどの各種添加剤を更に含んでもよい。
本実施形態での第1シート21から第5シート25までのそれぞれの繊維強化樹脂材20は、繊維で構成された基材シートと該基材シートに含浸された樹脂とを備える。前記第1シート21及び前記第5シート25のそれぞれは基材シートがガラス繊維で構成されており、前記第2シート22から前記第4シート24までのそれぞれは基材シートが炭素繊維で構成されている。
本実施形態の基材シートは、不織布であってもよく、織布であってもよい。基材シートは、繊維を一方向に引き揃えただけのシート(UD材)であってもよい。基材シートを織布とする場合、織布の織りは、平織であってもよく、綾織であってもよく、朱子織であってもよい。基材シートを構成する繊維は、例えば、アルミナ繊維、バサルト繊維、ロックウール、金属繊維、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられる。基材シートを構成する繊維は、例えば、アラミド繊維やポリエーテルエーテルケトン繊維などの樹脂繊維であってもよい。
前記基材シートとともに繊維強化樹脂材20を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよい。繊維強化樹脂材20に優れた強度を発揮させる上で有利となる点で前記樹脂は熱硬化性樹脂であることが好ましい。即ち、本実施形態の繊維強化樹脂層2a,2bは、基材シートと該基材シートに含浸された未硬化な熱硬化性樹脂とを含むプリプレグシートで構成されることが好ましい。前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂が挙げられる。
本実施形態の基材シートは、ガラス繊維製であるか炭素繊維製であるかの何れかであることが好ましい。炭素繊維は、ピッチ系炭素繊維であってもよくPAN系炭素繊維であってもよい。
本実施形態では、繊維強化樹脂層2a,2bの両面を構成する第1シート21と第5シート25と、これらの間に設けられている第2シート22、第3シート23、及び、第4シート24とで基材シートの素材を異ならせている。本実施形態での第1シート21や第5シート25の基材シートは、ガラス繊維製の平織物である。一方で第2シート22、第3シート23、及び、第4シート24は、炭素繊維が一方向に引き揃えられているUD材である。
第1シート21と第5シート25とは、ガラス繊維の方向が長手方向Xと短手方向Yとに平行するように配されている。第2シート22、第3シート23、及び、第4シート24は、炭素繊維の方向が長手方向Xに平行するように配されている。本実施形態の第2シート22、第3シート23、及び、第4シート24は、全てがピッチ系炭素繊維製のUD材を基材シートとして備えたものであってもよく、全てがPAN系炭素繊維製のUD材を基材シートとして備えたものであってもよく、何れか1つがピッチ系炭素繊維製のUD材を基材シートとして備え、別の1つがPAN系炭素繊維製のUD材を基材シートとして備えたものであってもよい。
樹脂複合体100に曲げ応力等が加わった場合には、繊維強化樹脂層2a,2bの外側面や前記芯材1との接着面において応力集中が生じ易い。本実施形態では、これらの面を構成する第1シート21と第5シート25との基材シートがUD材ではなく織布であることで繊維強化樹脂層2a,2bの表面にクラックなどが生じ難くなっている。しかも、綾織や朱子織のように緯糸や経糸を飛ばして織られている織物ではなく、平織物が第1シート21や第5シート25の基材シートとして採用されていることでそのような効果がより顕著に発揮され得る。このような機能を発揮させる上においてが第1シート21や第5シート25の基材シートは、ガラス繊維製でなくてもよく、炭素繊維製であってもよい。
本実施形態の繊維強化樹脂層2a,2bでは、UD材を用いることで曲げ変形が生じ易い長手方向Xでの補強のために多くの繊維が利用されていて曲げ変形が生じ難い短手方向Yでの補強のための繊維が節約されている。そのことにより、本実施形態の樹脂複合体100では軽量化が容易となっている。各繊維強化樹脂材や繊維強化樹脂層2a,2bでの繊維含有量は、通常、50質量%以上とされる。繊維含有量は、55質量%以上であってもよく、60質量%以上であってもよい。繊維含有量は、例えば、80質量%以下とされる。繊維含有量は、75質量%以下であってもよく、70質量%以下であってもよい。
第1の繊維強化樹脂層2aでの繊維含有量(MF1:質量%)と、第2の繊維強化樹脂層2bでの繊維含有量(MF2:質量%)とは、概ね同じであることが好ましく、両者の比(MF1/MF2)は0.8~1.25であることが好ましい。各繊維強化樹脂層2a,2bを構成している複数の繊維強化樹脂材20の内の最も繊維含有量の少ない繊維強化樹脂材20での繊維含有量(PF1:質量%)と最も繊維含有量の多い繊維強化樹脂材20での繊維含有量(PF2:質量%)とは、概ね同じであることが好ましく、両者の比(PF1/PF2)は0.8~1.25であることが好ましい。
第1の繊維強化樹脂層2aでの繊維の目付量(QF1:g/m)と、第2の繊維強化樹脂層2bでの繊維の目付量(QF2:g/m)についても同様に、概ね同じであることが好ましく、両者の比(QF1/QF2)は0.8~1.25であることが好ましい。各繊維強化樹脂層2a,2bを構成している複数の繊維強化樹脂材20の内の最も繊維の目付量の小さな繊維強化樹脂材20での繊維目付量(RF1:g/m)と最も繊維の目付量の多い繊維強化樹脂材20での繊維目付量(RF2:g/m)とは、概ね同じであることが好ましく、両者の比(RF1/RF2)は0.8~1.25であることが好ましい。
本実施形態の樹脂複合体100では、上記のようなことから式(1)や式(2)を満たすように構成されている。
本実施形態の樹脂複合体100は、繊維強化樹脂材20の樹脂が芯材1に含浸されており、そのことによってさらに優れた強度を発揮する。本実施形態の樹脂複合体100は、繊維強化樹脂材20の樹脂が芯材1に含浸していることで、繊維強化樹脂層2と芯材1との間にアンカー効果による優れた接着力が作用するばかりでなく、曲げ応力が加わった際に繊維強化樹脂層2と芯材1との界面において応力集中が生じることを抑制することができる。
本実施形態では繊維強化樹脂材20の樹脂を含浸させるのに代えて、繊維強化樹脂層2と芯材1とを接着剤によって接着し、該接着剤に含まれる樹脂を芯材1に含浸させるようにしても同様の効果を得ることができる。芯材1に含浸させる樹脂は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂などが好ましい。
前記芯材1は、図3Bに示すように前記繊維強化樹脂層2との界面XSを構成している部位に前記繊維強化材20の樹脂が芯材1の表面1aよりも内部に浸透している浸透領域11を備えている。即ち、本実施形態の樹脂複合体100は、前記樹脂が前記繊維強化樹脂層2から滲出して前記芯材1に浸透している。本実施形態の芯材1は、前記浸透領域11の内側に前記樹脂が浸透していない非浸透領域12を備えている。即ち、前記芯材1は、樹脂複合体100の厚さ方向Zにおける両端部に前記浸透領域11を備え、該浸透領域11の中間部に前記非浸透領域12を備えている。尚、図では、前記浸透領域11が樹脂複合体100の短手方向Yに沿って形成されている様子が示されているが前記浸透領域11は樹脂複合体100の長手方向Xにも広がりを有している。
前記浸透領域11は、前記界面XSからの深さDPができるだけ均一になるように形成されていることが好ましく、樹脂複合体100の厚さ方向視における面積が広い方が好ましい。前記芯材1と前記繊維強化樹脂層2とが接する前記界面XSの面積をS(cm)とし、前記浸透領域11の面積をS(cm)とした際に、これらの面積比(S/S)については、下記関係式(X1)を満たすことが好ましい。
80% ≦ (S/S)×100% ・・・(X1)
前記面積比(S/S)は、下記関係式(X2)を満たすことがより好ましく、下記関係式(X3)を満たすことが特に好ましい。
85% ≦ (S/S)×100% ・・・(X2)
90% ≦ (S/S)×100% ・・・(X3)
前記樹脂が浸透している前記浸透領域11は、最大深さ(前記界面と直交する方向における最大深さ)が前記芯材1と前記繊維強化樹脂層2との界面XSから500μm以上であることが好ましい。界面XSから500μm以上前記樹脂が浸透している部分の面積をS(cm)とした場合、当該面積と、前記界面との面積比(S/S)については、下記関係式(X4)を満たすことが好ましい。
5% ≦ (S/S)×100% ・・・(X4)
前記面積比(S/S)は、下記関係式(X5)を満たすことがより好ましく、下記関係式(X6)を満たすことが特に好ましい。
10% ≦ (S/S)×100% ・・・(X5)
20% ≦ (S/S)×100% ・・・(X6)
前記樹脂が浸透している部分の平均深さは、200μm以上であることが好ましく、350μm以上であることがより好ましく、500μm以上であることが特に好ましい。
前記樹脂が浸透している部分の平均深さは、前記界面XSと直交する方向に樹脂複合体100を切断することによって現れる断面において前記界面XSに沿った方向での一定長さ(L)の区間において前記樹脂が浸透している部分の断面積(Sa)を求め、この断面積(Sa)を長さ(L)で除して求めることができる。
前記浸透領域11は、第1繊維強化樹脂層2aと第2繊維強化樹脂層2bとの何れか一方が積層されている箇所において上記のような状態になっていることが好ましく、第1繊維強化樹脂層2aと第2繊維強化樹脂層2bとの両方において上記のような状態になっていることがより好ましい。
本実施形態の樹脂複合体100は、図4に示すように補強のために枠材200に装着されて用いられてもよい。例えば、樹脂複合体100の長手方向Xに平行な側面と短手方向Yに平行な側面との4面を覆い、厚さ方向Zでの寸法が樹脂複合体100よりも僅かに大きな矩形枠状の側壁部201と該側壁部201の上下両端から繊維強化樹脂層2a,2bの外側面に沿うように短く内側に延びる鍔部202とを備えた枠材200を装着すれば樹脂複合体100の変形をより一層抑制することができる。
前記枠材200が金属製である場合、炭素繊維製の基材シートの端面が前記枠材200に直接接触しないように電気絶縁性の介在物を介装させることが好ましい。該介在物は、塗料や粘着テープのようなものであってもよく、接着剤のようなものであってもよい。このことにより前記枠材200にガルバニック腐蝕などが生じることを抑制することができる。
即ち、本実施形態の樹脂複合体100は、板状の樹脂複合体と該樹脂複合体100の外周部を覆う枠材とを備えた板状部材の構成部材として用いることができ、該板状部材では前記枠材が金属製であってもよく、樹脂複合体の繊維強化樹脂層に炭素繊維が含まれている時に前記炭素繊維と前記枠材とが電気的に絶縁されていてもよい。
本実施形態の樹脂複合体100や該樹脂複合体100を含んだ板状部材は、軽量性と強度とに優れることから各種の用途に用いられ得る。本実施形態の樹脂複合体100や板状部材は、例えば、トラックや船舶のボディーや鉄道車両に搭載されるコンテナなどの移動体用途、壁パネル、床パネル、天井パネルなどの建材用途、土留擁壁、水路や堤防の出入口を塞ぐ止水板などといった土木用途、大型装置の筐体などといった各種の用途に利用可能である。
本実施形態の樹脂複合体100の用途は、上記例示に何等限定されない。また、本実施形態の樹脂複合体100は、上記例示の態様に限定されるものではなく、各種変更が加えられ得る。即ち、本発明は、上記例示に何等限定されるものではない。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、繊維強化樹脂層の形成材料として下記表1に示す4種類のプリプレグシートを用意した。
(実施例1)
一方向に引き揃えられた炭素繊維からなる基材シートに、未硬化のエポキシ樹脂が32質量%含侵されている繊維強化樹脂材(厚さ:0.22mm、目付:280g/m、三菱ケミカル社製「ダイヤリードプリプレグ HYEJ28M80QD」、表1の「繊維強化樹脂材1」)を任意の寸法(2450mm×525mm)に切り出し、4枚用意した。その際、繊維が引き揃えられた方向が長手となるように繊維強化樹脂材を切り出した。
平織のガラス繊維からなる基材シートに、未硬化のエポキシ樹脂が33%含侵されている繊維強化樹脂材(厚さ:0.17mm、目付:315g/m、日本理化社製「リカライト EGP87 LA18BR」、表1の「繊維強化樹脂材2」)を任意の寸法(2450mm×525mm)に切り出し、4枚用意した。用意した繊維強化樹脂材を表2に記載の積層構成に従って外周縁部を合わせながら積層し、複数の繊維強化樹脂材で構成された積層体1-1と積層体1-2とを作製した。
次に、厚み4mmのアルミニウム板(寸法:2550mm×625mm、以下「アルミ板1」という)を1枚、厚み3mmのアルミニウム板(寸法:2450mm×525mm、以下「アルミ板2-1、2-2、2-3」という)を3枚用意し、アルミ板1の上面に離型剤(ケムリースジャパン社製「ケムリース2166」)を塗布して一日放置し、アルミ板1の上面に離型処理を施した。なお、アルミ板1上面の外周縁部には、後記する封止材やバックバルブを配置するため、離型処理は施さなかった。
次に、図1に示すように、上面に離型処理を施したアルミ板1(AL1)をベース板として用い、アルミ板2-1(AL2-1)、離型フィルム(SP)(寸法:2500mm×575mm、東レ社製「トレファンYM17S」、厚さ:25μm、離型面:艶消し加工)、積層体1-1,1-2(LB1-1,LB1-2)を図5のように重ね合わせ、二次積層体(LB2)を作製した。はみ出した離型フィルム(SP)は、積層体1-1,1-2(LB1-1,LB1-2)から過度に樹脂が流出することを抑制するために、マスキングテープで二次積層体(LB2)の側面に固定した。図5に示すように、アルミ板2-1(AL2-1)、アルミ板2-2(AL2-2)、アルミ板2-3(AL2-3)を押圧部材として用い、各押圧部材と離型フィルム(SP)で積層体1-1,1-2(LB1-1,LB1-2)を挟みこむように、二次積層体(LB2)を作製した。
しかる後、ブリーザークロス(BC)(AIRTECH社製「AIRWEAVE N4」)を二次積層体(LB2)の上に配置し、二次積層体(LB2)を全面的に覆った。ブリーザークロス(BC)の上にバギングフィルム(BF)(AIRTECH社製「WL7400」)を被せ、バギングフィルム(BF)の外周縁部とこれに対向するベース板(アルミ板1(AL1))との間を封止材(SL)(AIRTECH社製のシーラントテープ「GS43MR」)を用いて接合し、バギングフィルム(BF)によって二次積層体(LB2)を密封して図6に示すような積層構造体(LBX)を作製した。なお、バギングフィルム(BF)はナイロンフィルムで形成され、一部にバックバルブ(BB)(AIRTECH社製「VACVALVE 402A」)を配置したものを用いた。
次に、積層構造体(LBX)をオートクレーブ内に供給し、積層構造体(LBX)のバックバルブ(BB)を真空ラインと接続し、バギングフィルム(BF)で密封された空間部を真空度0.10MPaに減圧した。なお、空間部の減圧はその後も継続して行った。しかる後、積層構造体(LBZ)をその表面温度が130℃となるように加熱し、180分間に亘って保持し、二次積層体(LB2)を厚み方向に0.3MPaの圧力で加圧して、エポキシ樹脂を硬化させた。その後、二次積層体(LB2)を60℃に冷却し、積層体1-1,1-2(LB1-1,LB1-2)で形成された繊維強化樹脂層1-1,1-2をオートクレーブから取り出した。繊維強化樹脂層の厚さは0.78mmであった。
(発泡体の調製)
(メタ)アクリル酸エステル(A)、(メタ)アクリル酸(B)、スチレン(C)、などのモノマーと発泡剤(尿素)とを含むモノマー溶液を塊状重合して得られた重合体を加熱・発泡することで得られた塊状発泡成形体から切り出した板状の樹脂発泡体(樹脂発泡体1)を用意した。
(接着工程)
樹脂発泡体1(FB1)(アクリル系樹脂発泡体、寸法:2450mm×525mm、厚み:39.4mm、積水化成品工業社製「フォーマックS#2000」、見掛け密度:56kg/m)、及び常温硬化型接着剤として、エポキシ樹脂(ナガセエレックス社製「EPOXY RESIN AW136N」)と硬化剤(ナガセエレックス社製「HARDENER HY994」)を用意した。秤量計にてエポキシ樹脂を227g、硬化剤を91g測り取り、それらを均一に混合してエポキシ接着剤(EPX)を調製した後に、繊維強化樹脂層1-1(FRP1-1)の片面にヘラを用いて厚みが均等になるように塗布した。繊維強化樹脂層1-2(FRP1-2)の片面にも同様の手法でエポキシ接着剤(EPX)を塗布した。エポキシ接着剤(EPX)を塗布した繊維強化樹脂層1-1(FRP1-1)、及び1-2(FRP1-2)で樹脂発泡体1(FB1)を挟みこみ、三次積層体(LB3)を作製した。次に、図7に示すように、アルミ板1(AL2-1)と離型フィルム(SP)とを用いて三次積層体(LB3)を挟みこみ、四次積層体(LB4)を作製した。はみ出した離型フィルム(SP)は、四次積層体(LB4)から過度に接着剤が流出することを抑制するために、マスキングテープで四次積層体(LB4)の側面に固定した。
しかる後、図8に示すように、ブリーザークロス(BC)で四次積層体(LB4)を全体的に包み、更に筒状のバギングフィルム(BF)で包んだのちに、バギングフィルム(BF)の端部はシーラントテープ(SL)で接合し、バギングフィルム(BF)によって四次積層体(LB4)を密封して二次積層構造体(LBY)を作製した。なお、バギングフィルム(BF)の一部にバックバルブ(BB)を配置した。
次に、二次積層構造体(LBY)をオートクレーブ内に供給し、二次積層構造体(LBY)のバックバルブ(BB)を真空ラインと接続し、バギングフィルム(BF)で密封された空間部を真空度0.10MPaに減圧した。なお、空間部の減圧はその後も継続して行った。しかる後、二次積層構造体(LBY)をその表面温度が80℃となるように加熱し、60分間に亘って保持しエポキシ接着剤(EPX)を硬化させた。その後、二次積層構造体(LBY)を60℃に冷却し、一体化された四次積層体(LB4)を樹脂複合体としてオートクレーブから取り出した。樹脂複合体の厚さは41.0mm、であった。
(測定方法)
(繊維強化樹脂層の厚み)
デジタルノギス(株式会社ミツトヨ社製、商品名「デジマチックキャリパ」)を使用して、長方形上の4辺の中点付近について測定し、平均値を算出した。
(繊維強化樹脂層の引張弾性率)
引張弾性率はJIS Z2241に準拠し測定した。すなわち引張弾性率は(株)島津製作所製「AG-100KNE型 オートグラフ引張試験機」を用いて測定した。試験片は、UD材の繊維方向を0°方向(樹脂複合体の長手方向)、繊維方向に直交する方向を90°方向(樹脂複合体の短手方向)とした場合、それぞれの方向に対して、ダンベル形JIS13B号で切り出した。それぞれの方向に対して、試験片の数は5個とした。試験片はJIS K 7100:1999の記号「23/50」、2級の標準雰囲気下で16時間かけて状態調節した後、測定に用いた。測定は同じ環境下で行、試験速度は1mm/minとした。得られたグラフより、傾きが最大となる荷重領域を設定し、前記万能試験機データ処理にて長手方向での繊維強化樹脂層の引張弾性率(Ew)と短手方向での繊維強化樹脂層の引張弾性率(Eh)とを求めた。
(樹脂発泡体の厚み)
樹脂発泡体の厚さは、デジタルノギス(株式会社ミツトヨ社製、商品名「デジマチックキャリパ」)を使用して測定した。測定は、長方形上の4辺の中点付近について実施した。測定値を算術平均して樹脂発泡体の厚さを算出した。
(樹脂発泡体の引張弾性率)
樹脂発泡体の長手方向での引張弾性率はJIS K6767:1999に準拠し測定した。すなわち引張弾性率は、(株)島津製作所製「オートグラフ AG-X plus 100kN」万能試験機、(株)島津製作所製「TRAPEZIUM X」万能試験機データ処理を用いて測定した。試験片は、ダンベル形 タイプ1(ISO1798規定)、試験片の厚みは11mmで切り出した。試験片の数は5個とした。試験片はJIS K 7100:1999の記号「23/50」、2級の標準雰囲気下で16時間かけて状態調節した後、測定に用いた。測定は同じ環境下で行い、試験速度は500mm/min、つかみ具間隔は100mmとした。得られたグラフより、傾きが最大となる荷重領域を設定し、前記万能試験機データ処理にて引張弾性率を求めた。
(樹脂発泡体の見掛け密度)
見掛け密度は次式により算出した。

見掛け密度(kg/m)=樹脂発泡体質量(kg)/ 樹脂発泡体寸法(m)/ 樹脂発泡体厚さ(m)
(樹脂複合体の厚さ)
樹脂複合体の厚さは、デジタルノギス(株式会社ミツトヨ社製、商品名「デジマチックキャリパ」)を使用して測定した。測定は、長方形上の4辺の中点付近について実施した。測定値を算術平均して樹脂複合体の厚さを算出した。
(樹脂複合体のたわみ量)
樹脂複合体のたわみ量は、インストロン社製「万能試験機5982型」を用いて測定した。試験片は、一方向繊維強化材の繊維方向(樹脂複合体の長手方向)を0°方向とした場合、0°方向が長手方向となるように、幅82mm×長さ920mm×厚さ41mmを切り出した。試験片の数は5個とした。試験片はJIS K 7100:1999の記号「23/50」、2級の標準雰囲気下で16時間かけて状態調節した後、測定に用いた。測定は同じ環境下で行、試験速度は5mm/minとした。加圧くさびおよび支点の先端部の半径は5Rとし、支点間距離は820mmとした。得られた荷重-変位曲線より、500Nの荷重を負荷した際のパネル中央のたわみ量を測定した。
(樹脂複合体の見掛け密度)
樹脂複合体の見掛け密度は次式にて算出した。

樹脂複合体の見掛け密度(kg/m)=樹脂発泡体質量(kg)/樹脂複合体体積(m
(評価基準)
樹脂複合体のたわみ量が2.5mm以下、かつ樹脂複合体の見掛け密度が180kg/m以下である樹脂複合体を曲げ剛性と軽量性とが良好であると判定した。
(実施例2~6、比較例1、2)
実施例2~6、比較例1、2の樹脂複合体は積層構成、樹脂発泡体を表2に示すように変更したのみで成形方法は実施例1と同様である。これらの樹脂複合体も実施例1と同様に評価した。結果を表2に併せて示す。尚、比較例1では、樹脂発泡体を変えたほかに、接着工程の温度を40℃、保持時間を8時間に変更した。
尚、実施例4での発泡体(樹脂発泡体2)は、実施例1での発泡体(樹脂発泡体1)と発泡倍率が異なるだけで同じアクリル系樹脂組成物で構成されたものである。
比較例1での発泡体(樹脂発泡体3)はポリスチレン樹脂製のビーズ発泡成形体である。
以上のことからも、本発明によれば軽量性と曲げ剛性とに優れた樹脂複合体が提供され得ることがわかる。
1:芯材
2:繊維強化樹脂層
20(21,22,23,24,25):繊維強化樹脂材
100:樹脂複合体
X:長手方向
Y:短手方向
Z:厚さ方向

Claims (5)

  1. 芯材と、該芯材を覆う表面材とを含み、
    前記芯材が樹脂発泡体で構成され、
    前記表面材が、樹脂と繊維とを含むシート状の繊維強化樹脂材で構成された繊維強化樹脂層を含んでいる樹脂複合体であって、
    長手方向と、該長手方向に直交する短手方向とを有する板状体であり、
    前記長手方向での前記繊維強化樹脂層の引張弾性率をEw(GPa)とし、
    前記短手方向での前記繊維強化樹脂層の引張弾性率をEh(GPa)とし、
    前記長手方向での前記芯材の引張弾性率をEf(MPa)とし、
    前記芯材の見掛け密度をD(kg/m)とした場合に、
    下記式(1)、(2)、及び、(3)の全てを満たす、樹脂複合体。

    6 ≦ (Ew/Eh) ≦ 20 ・・・(1)
    70 ≦ Ew ・・・(2)
    0.5 ≦ (Ef/D) ≦ 1.5 ・・・(3)
  2. 前記繊維がガラス繊維又は炭素繊維である請求項1記載の樹脂複合体。
  3. 厚さが0.40mm以上、2.00mm以下の前記繊維強化樹脂層を有する請求項1又は2記載の樹脂複合体。
  4. アクリル樹脂を含むアクリル樹脂組成物で前記樹脂発泡体が構成されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の樹脂複合体。
  5. 前記芯材の見掛け密度が30kg/m以上110kg/m以下である請求項1乃至4の何れか1項に記載の樹脂複合体。
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