JP2023137274A - 炭素繊維プリプレグの製造方法、炭素繊維プリプレグ、炭素繊維複合材料成形体および医療用機器 - Google Patents

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【課題】抗菌コーティング技術とは異なり、炭素繊維基材に熱硬化樹脂と抗菌剤を練りこむことにより、切削加工端面や損傷個所からも抗菌性を発揮するCFRPを得ることができ、X線カセッテなどの製品に良好な抗菌・抗ウイルス性を付与する炭素繊維中間基材と、その生産性に優れる製造方法を供給する。【解決手段】連続した炭素繊維から構成される強化繊維群に、体積平均粒径2.0μm以下、0.1μm以上の粒子である抗菌剤(A)が、0.1~10.0質量%の含有量にて分散された熱硬化性樹脂(B)を、有機溶剤(C)で希釈し、樹脂粘度を300mPa・s以下に調整した上で、含侵させ一体化し、加熱乾燥させて得られる、炭素繊維プリプレグの製造方法。【選択図】なし

Description

繊維強化プラスチックの製造には、強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸したシート状の中間基材(プリプレグ)が汎用される。プリプレグを積層、加熱して熱硬化性樹脂を硬化する方法で成形体が得られ、医療用途や一般産業用途など、様々な分野へ適用されている。強化繊維に炭素繊維を用いたプリプレグは、X線透過性と剛性と強度に優れることから、医療用途に汎用される。近年、炭素繊維強化複合材料の医療用途への適用が拡大するにつれて、部材のさらなる抗菌・抗ウイルス化の要求が高まり、プリプレグに用いられるエポキシ樹脂の抗菌・抗ウイルス化が望まれている。具体的には、エポキシ樹脂に抗菌・抗ウイルス材料を添加することで、軽量かつ高剛性な抗菌・抗ウイルス繊維強化複合材料を設計することが可能となる。
一般に、繊維強化プラスチックの抗菌・抗ウイルス性を高めるためには、表面コーティングなどで抗菌・抗ウイルス層を形成する手法が知られている。しかしながら、炭素繊維複合材料(CFRP)表面に抗菌・抗ウイルス層を設ける場合には、CFRP切削加工端面などで抗菌・抗ウイルス性が低下し、成形加工したCFRPの抗菌・抗ウイルス性は十分に発揮されない。そこで、加工端面も含めたCFRP成形加工体全面への抗菌・抗ウイルス性を高める技術の構築が望まれている。
特許文献1には、医療用機器の外表面の層に、シリカゲルなどの多孔質の水性ポリマーと抗菌剤を含有させることにより、長期間抗菌性が維持されるという技術が開示されている。
特許文献2には、植物性資源を主原料とし、かつ難燃性、抗菌性を付与したプリプレグ及び成形体の技術が開示されている。
国際公開第2017/013911号公報 特開2011-219723号公報
特許文献1に記載の抗菌組成物は、部材切削加工端面や損傷個所から抗菌性を発揮することはなく、後加工で制作される複雑形状部などの細部への抗菌性付与は十分とはいえなかった。
特許文献2に記載のリグニンは、加熱成形で樹脂と反応するなどして失活することがあり、プリプレグへと多量に添加する必要があり経済性が低く汎用性がなかった。
本発明は、かかる従来技術の欠点を改良し、炭素繊維中間基材内に抗菌剤を練りこむことにより、切削加工端面や損傷個所からも抗菌性を発揮するCFRPを得ることができ、X線カセッテなどの製品に良好な抗菌・抗ウイルス性を効率よく付与することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記構成からなる炭素繊維プリプレグの製造方法を見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明の抗菌性を有する炭素繊維プリプレグの製造方法は、連続した炭素繊維から構成される強化繊維群に対し、体積平均粒径2.0μm以下、0.1μm以上の粒子である抗菌剤(A)が0.1~10.0質量%の含有量にて分散された熱硬化性樹脂(B)を、有機溶剤(C)で希釈し、樹脂粘度を300mPa・s以下に調整した上で、含侵させ一体化し、加熱乾燥させるものである。
本発明によれば、抗菌コーティング技術とは異なり、プリプレグ内に抗菌剤を練りこむことにより、CFRP切削加工端面や損傷個所からも抗菌性を発揮するCFRPを得ることができ、X線カセッテなどの製品に良好な抗菌・抗ウイルス性を付与する炭素繊維プリプレグと、その生産性に優れる製造方法を供給できる。
本発明において、抗菌剤(A)としては、銀イオン、アルミニウムイオン、酸化セリウム、ホウ酸亜鉛、リン酸亜鉛カルシウム、リン酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも一つを、アルミナ、シリカ、ゼオライト、変性ナイロン、ホウ酸、カーボンからなる群から選択される少なくとも一つの担体に担持されたものが挙げられる。特に好ましい組み合わせは、銀イオンをゼオライトに担持させたもの(銀担持ゼオライト)である。
熱硬化性樹脂(B)としては、エポキシ、フェノール、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、熱硬化ポリイミド、シアネートエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱硬化性樹脂が挙げられる。
抗菌剤(A)の体積平均粒径は、上記のとおり、2.0μm以下、0.1μm以上であるが、0.2~2.0μmがより好ましく、0.3~1.0μmがさらに好ましい。体積平均粒径が2.0μmを超える場合、熱硬化性樹脂(B)の溶液中にて混合される粒子の沈降が促進され、抗菌剤と樹脂の分離を生じるおそれがある。また、体積平均粒径が0.2μmより小さいと、表層への抗菌剤の露出が少なくなり、目的の抗菌性が発現しないことがある。
抗菌剤の熱硬化性樹脂(B)に対する添加量は0.1~10.0質量%がより好ましく、0.3~1.0質量%がさらに好ましい。添加量が10.0質量%を超える場合、抗菌剤が凝集して表面に露出し、プリプレグの外観不良を生じるおそれがある。また、添加量が0.1質量%より少ないと、抗菌剤の濃度が少なくなり、目的の抗菌性が発現しないことがある。
さらに、本発明では、上記のとおり抗菌剤(A)が所定量分散された熱硬化性樹脂(B)を有機溶剤(C)にて希釈して、熱硬化樹脂組成物の粘度を低下させた上で強化繊維群に含浸させる。有機溶剤(C)には、メチルアルコール、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、スチレン、ヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むものが含まれることが好ましい。熱硬化樹脂組成物の粘度は、含侵と分散性の両立を考慮し、樹脂含侵工程温度(通常、20~60℃なので、代表値として30℃での粘度とする。)において、300mPa・sに調整する。当該粘度の下限としては、20mPa・s以上とすることが好ましい。粘度が300mPa・s以上の場合、繊維への含侵が妨げられ、未含侵を生じるおそれがある。また、樹脂粘度が20mPa・sより小さいと、繊維への樹脂の付着量が少なくなり、目的のプリプレグの繊維体積含有率を得ることが出来ないことがある。当該粘度は、20~100mPa・sに調整することがより好ましく、30~80mPa・sがより好ましい。樹脂粘度の測定方法は、実施例に後述するとおりであり、装置は、同等の結果が得られるものであれば、実施例に記載のものに限られない。
さらに、熱硬化樹脂組成物内の抗菌剤を均一に分散させて沈降を抑制するためには、抗菌剤の体積平均粒径と密度と、熱硬化樹脂組成物の密度、粘度が、抗菌剤の自然沈降状態におけるレイノルズ数が1×10-7乗以下0.0以上となるよう抑えることが好ましい。また、抗菌剤を熱硬化性樹脂の溶液に混合される際のストークスの式で算出される終端速度が1.0μm/s以下0.0μm/s以上であることが好ましい。終端速度が1.0μm/sを超える場合、粒子の沈降が促進され、抗菌剤と樹脂の分離を生じるおそれがある。また、終端速度が0.0μm/sより小さいと、抗菌剤が浮上して抗菌剤と樹脂の分離を生じるおそれがある。熱硬化性樹脂(B)にはエポキシ樹脂が好ましく、その希釈に用いる有機溶剤(C)にはMEKとメチルアルコールの併用が好ましく、熱硬化樹脂組成物の比重は、抗菌剤(A)の比重の1/3以上であることがさらに好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、粘弾性を調整し、プリプレグのタックやドレープ特性を改良する目的や、樹脂組成物の機械特性や靭性を高めるなどの目的で、熱可塑性樹脂を含めることができる。かかる熱可塑性樹脂としては、ポリビニルホルマールやポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール、フェノキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルピロリドン、ポリエーテルスルホンなどが挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の調製には、例えばニーダー、プラネタリーミキサー、3本ロールおよび2軸押出機といった機械を用いて混練しても良いし、均一な混練が可能であれば、ビーカーとスパチュラなどを用い、手で混ぜても良い。
本発明のプリプレグは、前記の方法にて調製した熱硬化性樹脂組成物を、強化繊維基材に含浸させて得ることができる。
本発明に用いられる強化繊維は炭素繊維に限定されるものではなく、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維などが使用できる。これらの繊維を2種以上混合して用いても構わない。軽量かつ高剛性な繊維強化複合材料が得られる観点から、炭素繊維を用いることが好ましい。なかでも、放射線透過性に優れている炭素繊維を用いることが好ましい。炭素繊維には市販品を用いることもできる。連続繊維である炭素繊維の市販品としては、例えば東レ(株)製のトレカ糸「T300」、「T300B」、「T400HB」、「T700SC」、「T800SC」、「T800HB」、「T830HB」、「T1000GB」、「T100GC」、「M35JB」、「M40JB」、「M46JB」、「M50JB」、「M55J」、「M55JB」、「M60JB」、「M30SC」、「Z600」の各シリーズ、トレカクロス「CO6142」「CO6151B」、「CO6343」、「CO6343B」、「CO6347B」、「CO6644B」、「CK6244C」、「CK6273C」、「CK6261C」、「UT70」シリーズ、「UM46」シリーズ、「BT70」シリーズ等が挙げられる。
さらに好ましくは、剛性と価格のバランスに優れるPAN系炭素繊維がよい。また、繊維強化材が、高い剛性を確保するため、強化繊維の引張弾性率が200~850GPaの範囲内であるものが使用できる。強化繊維の引張弾性率が200GPaより小さい場合は、軽量性を保持したまま、必要な剛性を確保することができない場合があり、850GPaより大きい場合は、強化繊維の圧縮強度が弱く折れやすいため、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸し、繊維強化樹脂を成形することが難しいことがある。強化繊維の引張弾性率が、前記範囲内であると、プリプレグの積層体の更なる剛性向上、強化繊維の製造性向上の点で好ましい。
強化繊維としては、連続、不連続いずれの強化繊維を使用でき、両者を組み合わせてもよいが、連続した強化繊維を用いることが好ましい。本発明に係る繊維強化材料の成形体は、複数層の積層構造を有し、その少なくとも1層は連続した強化繊維を含む繊維強化層、すなわち、本発明に係る炭素繊維プリプレグに代表される繊維強化層であることが好ましい。連続した強化繊維を含む繊維強化層を有することにより、より効率よく強度、弾性率を設計できるためである。連続した強化繊維の形態としては、織物の強化繊維や一方向に引き揃えられた強化繊維を含むものが挙げられる。これらの強化繊維は、平織、朱子織、綾織、すだれ織り、ノンクリンプファブリック、一方向に引き揃えられた連続した強化繊維からなるUDプリプレグなどの形態で用いることができる。
本発明に使用する強化繊維は、繊維目付が70~800g/mであることが好ましく、150~700g/mであることがより好ましい。繊維目付を800g/m以下とすることにより、賦型性に優れたプリプレグが得られる。また、繊維目付を70g/m以上とすることにより、強化繊維織物の目隙や、強化繊維織物の長手方向に繊維が動くことによる目曲がりを抑制することができる。また、70g/m以上の織物目付を有する強化繊維織物は、成形時の積層枚数が低減できることから、成形コストの低減効果、成形工程における作業の効率化にも寄与することが出来る。
本発明に係る成形体について、上記のとおり、本発明の炭素繊維プリプレグを用いて積層構造を構成したものが好ましいが、その積層構成としては、サンドイッチ積層用にコア材を用いても良く、コア材としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、さらには上記熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いた繊維強化樹脂、発泡性樹脂などを使用することができる。例えば、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などがある。熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、変性フェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、HIPS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂などのスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂などのアクリル樹脂、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、さらにはエチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1-ブテン共重合体、エチレン/(メタ)アクリルグリシル共重合体、エチレン/一酸化炭素/ジエン共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸グリシジル、エチレン/酢酸ビニル/(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体、ポリエーテルエステルエラストマー、ポリエーテルエーテルエラストマー、ポリエーテルエステルアミドエラストマー、ポリエステルアミドエラストマー、ポリエステルエステルエラストマーなどの各種エラストマー類などがある。また、繊維強化樹脂としては、ビニロン繊維強化樹脂、テトロン繊維強化樹脂などがある。また、発泡樹脂としては、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂などがある。具体的には、軽量性及びX線透過性を確保するために、繊維強化材より見かけ密度が小さい樹脂を用いることが好ましい。
コア材の見かけ密度は、0.02g/cm以上1.5g/cm以下の範囲内にあることが好ましく、0.03g/cm以上1.1g/cm以下の範囲にあるものがより好ましい。芯材の見かけ密度が上記の範囲のものであると、剛性を保持したまま、軽量性およびX線透過性を確保することができる。成形体における積層構造である積層体の見かけ密度は、0.1g/cm以上1.5g/cm以下の範囲内が好ましい。この見かけ密度の範囲内であれば、高い剛性を保持したまま、軽量性、高X線透過性を維持することができる。
ここで、プリプレグのマトリックス樹脂は顔料で着色してもよく、その顔料は着色を目的に使用される物質であれば、特に限定されるものではないが、例えば、フタロシアニン、アゾ、ジスアゾ、キナクリドン、アントラキノン、フラバントロ ン、ペリノン、ペリレン、ジオキサジン、縮合アゾ及びアゾメチン系の各種有機系色素、 並びに、酸化チタン、硫酸鉛、クロムエロー、ジンクエロー、クロムバーミリオン、弁殻 、コバルト紫、紺青、群青、カーボンブラック、クロムグリーン、酸化クロム及びコバル トグリーン等の無機顔料から選ばれ得る。これらの顔料は、1種のみを単独で使用してもよく、複数組み合わせて使用してもよい。
ここで、プリプレグの繊維体積含有率は、30%以上75%以下の範囲であることが好ましい。30%未満であると、プリプレグを構成する強化繊維が蛇行しやすく、成形後の構造体に反りや変形が生じる恐れがある。75%より大きい場合は、強化繊維中にマトリックス樹脂を均一に含浸することが困難になり、成形後の構造体の強度不足や外観品位が劣る懸念がある。より好ましくは、40%以上60%以下、さらに好ましくは、45%以上55%以下である。
プリプレグ積層成形法において、熱および圧力を付与する方法としては、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法、内圧成形法などを適宜使用することができる。成形形状としては、平板形状に加え箱型筐体やL字アングルや中空筒型などに良好に用いることができる。
本発明の炭素繊維複合材料成形体(CFRP成形体)は、本発明の炭素繊維プリプレグが少なくとも表層に積層された積層体が加熱成形されて硬化したものである。表層に積層することにより、積層体の表面において抗菌性が有効に発現することとなる。
本発明に係る医療用機器は、上記CFRP成形体を用いたものであって、アルミ当量が特定範囲であることが好ましい。アルミ当量とは、ある物質のX線の透過性が何ミリの厚さのアルミニウムの透過性に相当するかを示す指標で、値が小さいほどX線を透過しやすいことを示している。具体的には、上記CFRP成形体におけるX線照射電圧60kVにおけるアルミ当量(mmAL)の成形体全体厚み(mm)に対する比が、0.01以上0.20mmAL/mmの範囲内であることが好ましい。0.20mmAL/mmより大きいと、患者のX線被ばく量が多くなる。また、0.01mm未満の場合、積層体の見かけ密度が小さすぎる恐れがあり、積層体の強度、剛性が十分でないおそれがある。より好ましくは、0.01以上0.10mmAL/mm以下である。
本発明の熱硬化樹脂組成物の樹脂硬化物と、強化繊維を含む繊維強化複合材料は、医療用途、スポーツ用途、一般産業用途に好ましく用いられる。より具体的には、医療用途では、X線カセッテ筐体、X線シンチレーター筐体、マンモグラフィー、ディテクターカバー、X線CT装置診断、その他医療用X線装置などに好ましく用いられる。また、スポーツ用途では、ゴルフシャフト、釣り竿、テニスやバドミントンのラケットなどに好ましく用いられる。さらに一般産業用途では、自動車、自転車、船舶および鉄道車両などの構造材・内装材に好ましく用いられる。
以上に記した物性・特性における数値範囲の上限及び下限は、特に断りのない限りは、任意に組み合わせることができる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
<エポキシ樹脂組成物の粘度測定>
有機溶剤で希釈して得られたエポキシ樹脂組成物の粘度を、JIS Z8803(2011)における「円すい-平板形回転粘度計による粘度測定方法」に従い、標準コーンローター(1°34’×R24)を装着したE型粘度計(東機産業(株)製、TVE-30H)を使用して、回転速度10回転/分で測定した。なお、エポキシ樹脂組成物を調製後、30℃に設定した装置に投入し、1分後の粘度を測定した。
(実施例1)
混練装置で、エポキシ樹脂E-04A(日興リカ株式会社製)に銀担持ゼオライトとして体積平均粒径1.5μmの抗菌剤HD10N(シナネンゼオミック社製)をエポキシ樹脂との質量対比で0.5%投入し均一に攪拌して、メタノールとMEKで薄め、30℃環境下で粘度36mPa・sかつ比重0.965でレイノルズ数が1.42×10-9乗となるように調製し、熱硬化性樹脂組成物を作成した。作成した熱硬化性樹脂組成物をトレカクロスCO6347Bに含浸させて80~120℃加熱乾燥させて抗菌プリプレグを作成した。抗菌プリプレグを積層したもの(水準1)、抗菌プリプレグを市販の同じ織物を使用したプリプレグF6347B-05K(東レ株式会社製)と表1のとおり複合積層をしたもの(水準2、3)について、株式会社衛生微生物研究所にてJISZ2801(2010)に基づいて抗菌試験をした結果、表1に示すように、いずれの抗菌プリプレグ積層面の抗菌活性値も2以上であり、抗菌性が発揮されることを確認した。
Figure 2023137274000001
本発明は、抗菌性を付与した炭素繊維中間基材及び成形体の製造方法を提供する。医療用途、スポーツ用途、一般産業用途に好ましく用いられる。より具体的には、医療用途では、X線カセッテ筐体、X線シンチレーター筐体、マンモグラフィー、ディテクターカバー、X線CT装置診断、その他医療用X線装置などに好ましく用いられる。また、スポーツ用途では、ゴルフシャフト、釣り竿、テニスやバドミントンのラケットなどに好ましく用いられる。さらに一般産業用途では、自動車、自転車、船舶および鉄道車両などの構造材・内装材に好ましく用いられる。

Claims (6)

  1. 連続した炭素繊維から構成される強化繊維群に、
    体積平均粒径2.0μm以下、0.1μm以上の粒子である抗菌剤(A)が、0.1~10.0質量%の含有量にて分散された熱硬化性樹脂(B)を、有機溶剤(C)で希釈し、樹脂粘度を300mPa・s以下に調整した上で、含侵させ一体化し、加熱乾燥させて得られる、炭素繊維プリプレグの製造方法。
  2. 抗菌剤(A)は、銀イオン、アルミニウムイオン、セリウムイオン、ホウ酸亜鉛、リン酸亜鉛カルシウム、リン酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも一つが、アルミナ、シリカ、ゼオライト、変性ナイロン、ホウ酸からなる群から選択される少なくとも一つに担持されてなる、請求項1に記載の炭素繊維プリプレグの製造方法。
  3. 熱硬化性樹脂(B)が、エポキシ、フェノール、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、熱硬化ポリイミド、シアネートエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    有機溶剤(C)が、メチルアルコール、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、スチレン、ヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1または2に記載の炭素繊維プリプレグの製造方法。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の製造方法によって得られる、炭素繊維プリプレグ。
  5. 請求項4に記載の炭素繊維プリプレグが少なくとも表層に積層された積層体が硬化されてなる、炭素繊維複合材料成形体。
  6. 請求項5に記載の炭素繊維複合材料成形体を用いた医療用機器であって、
    炭素繊維複合材料成形体におけるアルミ当量(mmAL)の該成形体全体厚み(mm)に対する比が0.01mmAL/mm以上20mmAL/mm以下の範囲である、医療用機器。
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