JP2023137005A - 電解コンデンサ - Google Patents

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秀明 高橋
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Abstract

【課題】、高温環境下で長期間、静電容量を発現し続ける電解コンデンサを提供する。【解決手段】電解コンデンサは、コンデンサ素子とケースと封口体を備える。コンデンサ素子は、陽極箔と陰極箔と電解液と固体電解質層とを有する。ケースは、コンデンサ素子を収容する。封口体は、ケースを封口する。この封口体は、ブチルゴムとエチレンプロピレンゴムを樹脂加硫で架橋したブレンドゴムを含む。ブチルゴム(A)とエチレンプロピレンゴム(B)は、重量比A:B=10:90~70:30の範囲内で封口体に含まれる。【選択図】なし

Description

本発明は、誘電体酸化皮膜の誘電分極作用により静電容量を得て電荷の蓄電及び放電を行う電解コンデンサに関する。
タンタル或いはアルミニウム等の弁作用金属を利用する電解コンデンサは、陽極側対向電極としての弁作用金属を焼結体或いはエッチング箔等の形状にして誘電体を拡面化することにより、小型で大きな容量を得られる。この種の電解コンデンサは、陽極の誘電体酸化皮膜を対向電極と密着させるべく、電解液で空隙を埋めている。
電解液は、誘電体酸化皮膜に直接接触して真の陰極として作用するとともに、誘電体酸化皮膜の修復作用を有する。しかしながら、電解液が時間経過とともに電解コンデンサの外部へ抜けてしまう蒸発揮散が起こる。そのため、電解コンデンサはドライアップに向けて経時的に静電容量が低下し、ついには寿命を迎える。
コンデンサ素子は有底の外装ケースに収容され、外装ケースの開口を封口体で封止することで、コンデンサ素子に含浸した電解液を密閉し、電解液の蒸発揮散を抑制し、長寿命化を図っている。但し、電解液はケース内に完全に閉じ込められるわけではなく、封口体を透過して、電解コンデンサの外部に徐々に揮散していく。
封口体の材料として各種のエラストマーが知られている。代表的には、エラストマーとして、ブチルゴムやエチレンプロピレンゴムが知られている。ブチルゴムとエチレンプロピレンゴムとを比べると、ブチルゴムは、電解液の透過性が低い。そこで、電解コンデンサの長寿命化を図る観点では、ブチルゴムをエラストマーとして封口体に用いることが有利と言える。
しかしながら、ブチルゴムは耐洗浄性が悪く、電解コンデンサのアルミ電極部を腐食させ易いことが報告されている。そこで、ブチルゴムが持つ電解液の透過性の低さを生かしつつ、ブチルゴムの耐洗浄性の悪さを抑制するために、ゴムをブチルゴムとエチレンプロピレンゴムとをブレンドすることが提案されている(例えば特許文献1参照。)。
また、電解コンデンサがドライアップ以前に電解液の微妙な組成変化のために特性低下することが報告されている。そこで、過酸化物で加硫されたエチレンプロピレンゴムと樹脂加硫されたブチルゴムとがブレンドされたIIR-ERTブレンドゴムを用いるという考えも提供されている(例えば特許文献2参照。)。
特開昭64-55819号公報 特開2000-173877号公報
このように、特許文献1では、ブチルゴムの耐洗浄性の悪さから、ブチルゴムとエチレンプロピレンゴムのブレンドが提案されている。特許文献2では、電解液の微妙な組成変化を阻止するために、過酸化物で加硫されたエチレンプロピレンゴムと樹脂加硫されたブチルゴムのブレンドが提案されている。
近年、電解コンデンサには、耐洗浄性や電解液の微妙な組成変化の阻止とは別に、車載用途等のように例えば170℃といった高温環境下における良好な性能も要求されている。具体的には、電解コンデンサには、高温環境下においても一定以上の静電容量を長期間維持する長寿命が要求されている。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、高温環境下で長期間、静電容量を発現し続ける電解コンデンサを提供することにある。
発明者らは、鋭意研究の結果、加硫済みのブチルゴムと加硫済みのエチレンプロピレンゴムをブレンドするのではなく、未加硫のブチルゴムと未加硫のエチレンプロピレンゴムとを樹脂加硫により架橋すると、170℃といった高温環境下に電解コンデンサが晒されたとしても、静電容量を長期間発現し続けるとの知見を得た。
この知見に立脚し、上記課題を解決すべく、本実施形態の電解コンデンサは、陽極箔と陰極箔と電解液と固体電解質層とを有するコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子を収容するケースと、前記ケースを封口する封口体と、を備え、前記封口体は、ブチルゴムとエチレンプロピレンゴムが樹脂加硫で架橋されている。
但し、高温環境下でひび割れが生じ難い期間を更に引き延ばして、電解コンデンサを更に長寿命化するために、前記ブチルゴム(A)と前記エチレンプロピレンゴム(B)は、重量比A:B=10:90~70:30の範囲内で前記封口体に含める。ブチルゴムとエチレンプロピレンゴムの混合比をこの範囲とすることで、封口体のひび割れ抑制効果及び電解液の透過抑制効果が、より長期間持続する。
前記電解液は、グリセリン、ジグリセリン又はこれらの両方を当該電解液の溶媒中75wt%以上含むようにしてもよい。溶媒中75wt%を占めるようにグリセリン、ジグリセリン又はこれらの両方を電解液に添加することで、封口体のひび割れ抑制効果及び電解液の透過抑制効果が、より長期間持続する。
前記電解液は、更にエチレングリコールを含むようにしてもよい。グリセリン、ジグリセリン又はこれらの両方に加えて、電解液の溶媒としてエチレングリコールを用いた場合、電解液の溶媒としてγ-ブチロラクトンやスルホランを用いた場合と比べて、より低濃度のグリセリン、ジグリセリン又はこれらの両方で同程度の電解液蒸散抑制効果を発揮でき、電解液蒸散抑制効果をより強くしたり、グリセリン、ジグリセリン又はこれらの両方の濃度を下げたりすることができる。
尚、前記コンデンサ素子に、固体電解質層を備えるようにすることで、グリセリン、ジグリセリン又はこれらの両方は粘度が高く比抵抗が高いが、電解コンデンサの抵抗成分を下げることができる。
前記固体電解質層には、沸点が150℃以上且つ水酸基を有する液体状化合物が含まれるようにしてもよい。
前記液体状化合物は、エチレングリコールであるようにしてもよい。
本発明によれば、高温環境下に長時間晒されても、封口体のひび割れと電解液の蒸散とが抑制され、電解コンデンサは、静電容量を発現し続ける。
以下、本発明の実施形態に係る電解コンデンサについて説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものでない。
電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜の誘電分極作用により静電容量を発現させ、電荷の蓄電及び放電を行う受動素子である。この電解コンデンサはコンデンサ素子とケースと封口体を有する。ケースは、コンデンサ素子を収容する外装である。封口体は、ケースの開口にカシメ加工により取り付けられ、ケースの開口を封止する。コンデンサ素子は、陽極箔、陰極箔、セパレータ及び電解質を備える。陽極箔と陰極箔はセパレータを介して巻回又は積層される。陽極箔の表面には誘電体酸化皮膜が形成されている。電解質として、電解コンデンサは電解液及び固体電解質層を有する。固体電解質層は、陽極箔と陰極箔との間に介在し、誘電体酸化皮膜と密着する。電解液はコンデンサ素子の空隙部に充填される。
この電解コンデンサにおいて、封口体は、エラストマーを主とする弾性体、又は当該弾性体に対して合成樹脂板や金属板を積層した積層体である。エラストマーとして、この封口体は、ブチルゴムとも呼ばれるイソブチレンイソプレンゴム、及びエチレンプロピレンゴムを含んでいる。例えばブチルゴムとしてレギュラーブチルが好ましい。ブチルゴムとエチレンプロピレンゴムは、樹脂加硫により架橋されている。未加硫のブチルゴムと未加硫のエチレンプロピレンゴムを混合し、ブチルゴムとエチレンプロピレンゴムとの混合体に樹脂加硫剤を添加して加熱及び加圧により、これら混合体を加硫する。両ゴムと樹脂加硫剤を同時に添加及び混合するようにしてもよい。
ブチルゴムとエチレンプロピレンゴムとを樹脂加硫により架橋したブレンドゴムをエラストマーとして含むことで、封口体は、170℃といった高温環境下に長時間晒されたとしても、ひび割れせず、また電解液の透過性を低く保つ。そのため、この封口体を有する電解コンデンサでは、170℃といった高温環境下に長時間晒されたとしても電解液が残存し、電解コンデンサの長寿命化が達成される。尚、樹脂加硫剤としてはアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂類が挙げられる。
ここで、例えば、過酸化物を用いたパーオキサイド加硫により、ブチルゴムとエチレンプロピレンゴムを架橋しても、高温環境下では封口体がひび割れしてしまい、電解液が多く蒸散するため、電解コンデンサの長寿命化にとって好ましくない。また、加硫方法が樹脂加硫、硫黄加硫、パーオキサイド加硫、キノイド加硫等の何れの方法であっても、加硫済みのブチルゴムと加硫済みのエチレンプロピレンゴムを混合し、両ゴムを架橋しなかった場合は、高温環境下で封口体にひび割れが生じ、また封口体の電解液の透過性が高くなり、電解コンデンサの長寿命化にとって好ましくない。
架橋促進剤が更に用いられていてもよい。架橋促進剤には、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、過酸化鉛、ジベンゾチアジル、ジスルフィド、1,2-ポリブタジエン、トリアリルシアヌレートメタクリル酸及びアクリル酸の金属塩及びエステルステアリン酸N,N’-メタフェニルレンジマレインシド等が挙げられる。
但し、電解コンデンサのよりいっそうの長寿命化のために、ブチルゴム(A)とエチレンプロピレンゴム(B)は、重量比A:B=10:90~70:30の範囲内で混合する。この範囲であれば、高温環境下で電解コンデンサが性能を維持できる期間を更に引き延ばすことができる。即ち、更に長期間、高温環境下に電解コンデンサを晒しても、封口体のひび割れ頻度は少なくなり、電解液の低透過性も維持され、電解コンデンサ中に電解液が残存する。
ブチルゴムがエラストマー全量に対して10wt%未満になり、換言すればエチレンプロピレンゴムがエラストマー全量に対して90wt%超になると、封口体のひび割れは阻止できるものの、電解コンデンサから外部へ抜け出る電解液の量が多くなる。ブチルゴムがエラストマー全量に対して90wt%超になり、換言すればエチレンプロピレンゴムがエラストマー全量に対して10wt%未満になると、高温環境下に更に長期間晒し続けることで封口体がひび割れし易くなる。
ブチルゴム(A)とエチレンプロピレンゴム(B)が重量比A:B=10:90~70:30の範囲内であれば、ブチルゴムの混合比を大きくすることがより好ましい。この範囲内でブチルゴムの混合比が大きいと、電解液の低透過性が更に良好に維持され、より多くの電解液が電解コンデンサ中に残存する。そのため、電解コンデンサの静電容量がより高く維持される。
ここで、このブレンドゴムは、封口体のひび割れ抑制効果によって、外部から電解コンデンサ内部への酸素侵入を阻む。さらに、電解液の透過抑制効果によって電解コンデンサ中に残存する電解液は、導電性高分子と酸素との接触を防ぐ。従って、電解コンデンサが電解液と共に固体電解質層を有する所謂ハイブリッドタイプの場合、導電性高分子の酸化劣化も抑制される。即ち、導電性高分子の酸化劣化を原因とする静電容量の経時的な悪化や誘電正接(tanδ)の経時的な悪化も低減させることができ、このハイブリッドタイプの電解コンデンサでは特に長寿命化を達成できる。
尚、弾性体には、ブチルゴムとエチレンプロピレンゴムのブレンドゴムの他、カーボン及び無機充填剤が含まれるようにしてもよい。カーボン及び無機充填剤が添加されると、ブチルゴムが開裂し難くなり、ブチルゴムの軟化が抑えられる。無機充填剤としては、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、チタニア、アルミナ及びこれらの混合が挙げられ、扁平形状を有するタルクやマイカ等が好ましい。扁平形状を有する無機充填剤は、架橋が促進され、架橋密度を調整するために好適である。
更に、電解液の溶媒にグリセリン、ジグリセリン又はこれらの両方が含まれると、170℃といった高温環境下に電解コンデンサが長時間晒されたとしても、封口体から外部へ電解液が更に蒸散し難く、また封口体のひび割れ頻度が更に減少する。そのため、電解コンデンサ内に電解液が更に長期間残り、高い静電容量を長期間維持でき、長寿命な電解コンデンサが達成される。もっとも、二量体を超えるポリグリセリンであると、グリセリンと比べて封口体にひび割れが生じ易くなる。
グリセリン、ジグリセリン又はこれらの両方は、電解液の溶媒全量中75wt%以上を占めることが好ましい。75wt%以上であると、ブチルゴムとグリセリン、ジグリセリン又はこれらの両方とが相俟って電解液の蒸散を抑制し、高い静電容量をより長期間維持できる。
電解液の溶媒としてグリセリン、ジグリセリン又はこれらの両方以外を追加する場合には、エチレングリコールが好ましい。例えばγ-ブチロラクトンやスルホラン等のようなエチレングリコール以外を溶媒として追加した場合と比べて、封口体からの電解液の蒸散量を少なくすることができる。その他、追加の溶媒としては、一価アルコール類、及び多価アルコール類、オキシアルコール化合物類、水などのプロトン性の極性溶媒、又はスルホン系、アミド系、ラクトン類、環状アミド系、ニトリル系、スルホキシド系などの非プロトン性の極性溶媒が挙げられる。
この電解液は、アニオン成分とカチオン成分が溶媒に添加された溶液である。アニオン成分とカチオン成分は、典型的には、有機酸の塩、無機酸の塩、又は有機酸と無機酸との複合化合物の塩であり、アニオン成分とカチオン成分に解離するイオン解離性塩によって溶媒に添加される。アニオン成分となる酸及びカチオン成分となる塩基が別々に溶媒に添加されてもよい。また、電解液は、アニオン成分又はカチオン成分、アニオン成分とカチオン成分の両者が溶媒に含まれていなくてもよい。
電解液のアニオン成分としては、有機酸、無機酸又は有機酸と無機酸の複合化物が挙げられる。有機酸としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、アジピン酸、安息香酸、トルイル酸、エナント酸、マロン酸、1,6-デカンジカルボン酸、1,7-オクタンジカルボン酸、アゼライン酸、レゾルシン酸、フロログルシン酸、没食子酸、ゲンチシン酸、プロトカテク酸、ピロカテク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のカルボン酸や、フェノール類、スルホン酸が挙げられる。また、無機酸としては、ホウ酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、炭酸、ケイ酸等が挙げられる。有機酸と無機酸の複合化合物としては、ボロジサリチル酸、ボロジ蓚酸、ボロジグリコール酸、ボロジマロン酸、ボロジコハク酸、ボロジアジピン酸、ボロジアゼライン酸、ボロジ安息香酸、ボロジマレイン酸、ボロジ乳酸、ボロジリンゴ酸、ボロジ酒石酸、ボロジクエン酸、ボロジフタル酸、ボロジ(2-ヒドロキシ)イソ酪酸、ボロジレゾルシン酸、ボロジメチルサリチル酸、ボロジナフトエ酸、ボロジマンデル酸及びボロジ(3-ヒドロキシ)プロピオン酸等が挙げられる。
これらアニオン成分の中でも、1,6-デカンジカルボン酸、アゼライン酸、アジピン酸、フタル酸及び安息香酸の群から1種以上を選択することが好ましい。これらアニオン成分が含まれていると、例えば電解コンデンサを実装する際のリフロー工程におけるピーク温度260℃といった超高温下において、電解コンデンサのケースの膨れ量を抑制できる。
電解液のカチオン成分としては、アンモニウム塩、四級アンモニウム塩、四級化アミジニウム塩、アミン塩、ナトリウム塩、カリウム塩等から生じるカチオンイオンが挙げられる。四級アンモニウム塩の四級アンモニウムイオンとしては、テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等が挙げられる。四級化アミジニウム塩としては、エチルジメチルイミダゾリニウム、テトラメチルイミダゾリニウム等が挙げられる。アミン塩としては、一級アミン、二級アミン、三級アミンの塩が挙げられる。一級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン等、二級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチルメチルアミン、ジブチルアミン等、三級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、エチルジメチルアミン、エチルジイソプロピルアミン等が挙げられる。
さらに、電解液には他の添加剤を添加することもできる。添加剤としては、リン酸、リン酸エステル等のリン酸化合物、ホウ酸、ホウ酸エステル等のホウ酸化合物、ホウ酸とマンニットやソルビット等の糖アルコールとの錯化合物、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、ポリプロピレングリコール等のポリオキシアルキレンポリオール、コロイダルシリカ、シリコーンオイル等が含まれていても良い。また、添加剤としてはニトロ化合物が含まれてもよい。ニトロ化合物としては、o-ニトロ安息香酸、m-ニトロ安息香酸、p-ニトロ安息香酸、o-ニトロフェノール、m-ニトロフェノール、p-ニトロフェノール、p-ニトロベンセン、p-ニトロベンジルアルコール、m-ニトロアセトフェノン、o-ニトロアニソール等が挙げられる。他の添加剤としては、化成性の向上を目的としてリン酸エステル等のリン酸化合物を添加したり、ガス吸収を目的としてp-ニトロ安息香酸等のニトロ化合物を添加することが好ましい。
尚、電解液は、アニオン成分とカチオン成分に解離するイオン解離性塩及び添加剤を含まず、グリセリン又はグリセリンとエチレングリコールの混合液のみで組成されていてもよい。また、電解液はジグリセリン又はジグリセリンとエチレングリコールの混合液のみで組成されていてもよい。
固体電解質層は、導電性高分子を含み、電解液と共に電解コンデンサの真の陰極として作用すると共に、グリセリン及びジグリセリンの高粘度に起因する比抵抗の高さを減殺し、電解コンデンサの内部抵抗を下げる。しかも、導電性高分子に脱ドープが生じると、固体電解質層の導電性が下がり、グリセリン及びジグリセリンの比抵抗に対するキャンセリング効果が薄れてしまうが、グリセリン及びジグリセリンはイオン拡散性が低いために、脱ドープ反応が抑制される。従って、この電解コンデンサでは、電解液と共に固体電解質層を併用する。
導電性高分子は、分子内のドーパント分子によりドーピングされた自己ドープ型又は外部ドーパント分子によりドーピングされた共役系高分子である。共役系高分子は、π共役二重結合を有するモノマー又はその誘導体を化学酸化重合または電解酸化重合することによって得られる。共役系高分子としては、公知のものを特に限定なく使用することができる。例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリチオフェンビニレンなどが挙げられる。これら共役系高分子は、単独で用いられてもよく、2種類以上を組み合わせても良く、更に2種以上のモノマーの共重合体であってもよい。
上記の共役系高分子のなかでも、チオフェン又はその誘導体が重合されて成る共役系高分子が好ましく、3,4-エチレンジオキシチオフェン(すなわち、2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b][1,4]ジオキシン)、3-アルキルチオフェン、3-アルコキシチオフェン、3-アルキル-4-アルコキシチオフェン、3,4-アルキルチオフェン、3,4-アルコキシチオフェン又はこれらの誘導体が重合された共役系高分子が好ましい。チオフェン誘導体としては、3位と4位に置換基を有するチオフェンから選択された化合物が好ましく、チオフェン環の3位と4位の置換基は、3位と4位の炭素と共に環を形成していても良い。アルキル基やアルコキシ基の炭素数は1~16が適しているが、特に、EDOTと呼称される3,4-エチレンジオキシチオフェンの重合体、即ち、PEDOTと呼称されるポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。また、3,4-エチレンジオキシチオフェンにアルキル基が付加された、アルキル化エチレンジオキシチオフェンでもよく、例えば、メチル化エチレンジオキシチオフェン(すなわち、2-メチル-2,3-ジヒドロ-チエノ〔3,4-b〕〔1,4〕ジオキシン)、エチル化エチレンジオキシチオフェン(すなわち、2-エチル-2,3-ジヒドロ-チエノ〔3,4-b〕〔1,4〕ジオキシン)などが挙げられる。
ドーパントは、公知のものを特に限定なく使用することができる。例えば、ホウ酸、硝酸、リン酸などの無機酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、アスコット酸、酒石酸、スクアリン酸、ロジゾン酸、クロコン酸、サリチル酸、p-トルエンスルホン酸、1,2-ジヒドロキシ-3,5-ベンゼンジスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ボロジサリチル酸、ビスオキサレートボレート酸、スルホニルイミド酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸などの有機酸が挙げられる。また、ポリアニオンとしては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸などが挙げられる。
固体電解質層には、導電性高分子に加えて、沸点が150℃以上の極性溶媒を含めてもよい。この極性溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、又はこれらの2種以上の組み合わせが挙げられる。これら極性溶媒は、導電性高分子の高次構造の変化及びポリマー鎖の結晶構造が再配向されることで、キャリア移動度を向上させ、導電性高分子の電気伝導度が向上する。
これら極性溶媒のなかでも、沸点が150℃以上で水酸基を有する液体状化合物は、導電性高分子の電気伝導度がさらに向上するため好ましい。この液体状化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリンが好ましい。
また、沸点が150℃以上で、水酸基を有する化合物として、ソルビトール、ペンタエリスリトール、マンニトール、キシリトール、ボレミトール、又はこれらの2種以上の組み合わせが挙げられる。これら化合物は、誘電体酸化皮膜の化成性を向上させ、耐電圧を高める。
この固体電解質層は、導電性高分子が溶媒中に分散して成る分散液にコンデンサ素子を浸漬して乾燥させることにより形成される。陽極箔、陰極箔及びセパレータを組立て前に別々に分散液に浸漬させてもよいし、滴下塗布したり、スプレー塗布等してもよい。
その他、陽極箔及び陰極箔は弁作用金属を材料とする長尺の箔体である。弁作用金属は、アルミニウム、タンタル、ニオブ、酸化ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス及びアンチモン等である。純度は、陽極箔に関して99.9%以上が望ましく、陰極箔に関して99%程度以上が望ましい。
陽極箔は、弁作用金属の粉体を焼結した焼結体、又は延伸された箔にエッチング処理を施したエッチング箔として、表面が拡面化される。拡面構造は、トンネル状のピット、海綿状のピット、又は密集した粉体間の空隙により成る。誘電体酸化皮膜は、典型的には、陽極箔の表層に形成される酸化皮膜であり、陽極箔がアルミニウム製であれば拡面構造を化成処理により酸化させた酸化アルミニウムである。陰極箔の表層に必要に応じて化成処理により薄い誘電体酸化皮膜(1~10V程度)を形成してもよい。さらに、陰極箔は、金属窒化物、金属炭化物、金属炭窒化物からなる層を蒸着法により形成したもの、あるいは表面に炭素を含有したものを用いて作出してもよい。
セパレータは、クラフト、マニラ麻、エスパルト、ヘンプ、レーヨン等のセルロースおよびこれらの混合紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、それらの誘導体などのポリエステル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ビニロン系樹脂、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、トリメチルペンテン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等が挙げられ、これらの樹脂を単独で又は混合して用いることができる。
以下、実施例に基づいて電解コンデンサをさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1及び2並びに比較例1及び2の電解コンデンサを作製した。これら電解コンデンサは、次の通り作製された。
陽極箔は、アルミニウム箔であり、エッチング処理により拡面化し、化成処理により誘電体酸化皮膜を形成した。陰極箔もまた、アルミニウム箔であり、エッチング処理により拡面化し、化成処理により酸化皮膜を形成した。同じ陽極箔と陰極箔を全電解コンデンサに用い、各々にリード線を接続し、マニラ系セパレータを介して陽極箔と陰極箔を対向させて巻回した。コンデンサ素子は、同一濃度のリン酸二水素アンモニウム水溶液に10分間浸漬されることで、修復化成が行われた。
次に、導電性高分子として同一製品のポリスチレンスルホン酸がドープされたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT/PSS)の分散液を同一濃度で準備し、コンデンサ素子を浸漬し、コンデンサ素子を引き上げ、150℃で30分間乾燥させた。これにより、コンデンサ素子に固体電解質を形成した。
グリセリンを含有する溶媒に、イオン解離性塩としてアゼライン酸アンモニウムを添加することで、電解液を調製した。アゼライン酸アンモニウムは1kgの電解液に対して0.16molの割合で添加された。固体電解質が形成されたコンデンサ素子を電解液に浸漬し、コンデンサ素子内に150mgの電解液を含浸させた。そして、このコンデンサ素子を同一寸法及び同一形状のアルミニウムケースに収容した。
溶媒に対するグリセリンの含有量は実施例及び比較例によって異なる。実施例1及び比較例1において、電解液の溶媒は、グリセリンとエチレングリコールの混合液であり、グリセリンを溶媒全量に対して75wt%含み、エチレングリコールを溶媒全量に対して25wt%含む。実施例2及び比較例2において、電解液の溶媒は全量がグリセリンである。
アルミニウムケースの開口端部には、エラストマーの弾性体のみから成る封口体を装着し、同一加圧力で加締め加工によって封止した。コンデンサ素子から引き出されるリード線は封口体から引き出しておき、電解コンデンサに通電できるようにした。電解コンデンサのサイズは直径10mm、高さ10mmであり、定格35WV、270μFである。
実施例1及び2並びに比較例1及び2において、エラストマーは、ブチルゴムとエチレンプロピレンゴムのブレンドゴムであることは共通する。ブチルゴムはレギュラーブチルを用いた。但し、実施例1及び2では、未加硫のブチルゴムと未加硫のエチレンプロピレンゴムとを混合し、この混合体に更に樹脂加硫剤を混合し、加熱及び加圧した。樹脂加硫剤は、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂である。これにより、実施例1及び2のエラストマーは、ブチルゴムとエチレンプロピレンゴムを樹脂加硫で架橋したブレンドゴムである。
一方、比較例1及び2では、未加硫のブチルゴムと未加硫のエチレンプロピレンゴムとを混合し、この混合体に更に過酸化物を混合し、加熱及び加圧した。過酸化物加硫剤はジクミルペルオキシドである。これにより、比較例1及び2のエラストマーは、ブチルゴムとエチレンプロピレンゴムを過酸化加硫で架橋したブレンドゴムである。
即ち、実施例1及び2では、未加硫のブチルゴムと未加硫のエチレンプロピレンゴムとを樹脂加硫で架橋したのに対し、比較例1及び2は過酸化物加硫で架橋した点で異なる。ブチルゴム(A)とエチレンプロピレンゴム(B)が重量比A:B=30:70で混合された点では、実施例1と比較例1は共通する。また、ブチルゴム(A)とエチレンプロピレンゴム(B)が重量比A:B=10:90で混合された点では、実施例2と比較例2は共通する。
このように、実施例1及び2並びに比較例1及び2の相違は下表1の通りである。
(表1)
Figure 2023137005000001
実施例1及び2並びに比較例1及び2の電解コンデンサを170℃の高温環境下に晒した。そして、高温環境下に晒す直前、高温環境下に2000時間晒した段階、及び高温環境下に2500時間晒した段階での静電容量(Cap)及び等価直列抵抗(ESR)及び電解液の蒸散量を測定し、また封口体の状態を目視で観察した。
各時間での測定結果及び目視の結果を下表2に示す。
(表2)
Figure 2023137005000002
表2に示すように、実施例1及び実施例2並びに比較例1及び比較例2の電解コンデンサは、封口体にブチルゴムを含み、溶媒全体に対して75wt%以上のグリセリンを含んでいる。この結果、実施例1及び実施例2並びに比較例1及び比較例2の電解コンデンサでは、170℃の高温環境下に2000時間晒されたとしても、封口体にひび割れは生じず、また電解液の抜け量ΔWtも150mg未満であり、即ち電解液は残存していた。そのため、実施例1及び実施例2並びに比較例1及び比較例2の電解コンデンサでは、170℃の高温環境下に2000時間晒されたとしても、静電容量Capが発現し、等価直列抵抗ESRも低く抑えられていた。
しかし、表2に示すように、比較例1及び比較例2の電解コンデンサが170℃の高温環境下に晒されて2500時間が経過すると、封口体にひび割れはないが、電解液全量がコンデンサ内から抜け出た。そのため、比較例1及び比較例2の電解コンデンサでは、170℃の高温環境下に晒されて2500時間が経過した場合、静電容量Capがゼロになり、等価直列抵抗ESRが極端に高くなった。比較例1及び比較例2の電解コンデンサは、ブチルゴムとエチレンプロピレンゴムが過酸化物加硫で架橋されたブレンドゴムを封口体に含むものである。
一方、表2に示すように、実施例1及び実施例2の電解コンデンサは、170℃の高温環境下に晒されて2500時間が経過しても、引き続き、封口体にひび割れは無く、また電解液は残存していた。そのため、実施例1及び実施例2の電解コンデンサでは、170℃の高温環境下に2500時間晒されたとしても、静電容量Capが発現し続け、等価直列抵抗ESRも低く抑えられた。この実施例1及び実施例2の電解コンデンサは、ブチルゴムとエチレンプロピレンゴムが樹脂加硫で架橋されたブレンドゴムを封口体に含むものである。
次に、実施例3乃至7並びに比較例3乃至5の電解コンデンサを新たに作製した。実施例3乃至7並びに比較例3乃至5の電解コンデンサは、ブチルゴムとエチレンプロピレンゴムの混合比が異なり、またグリセリンとエチレングリコールの混合比が異なる。これら相違点を除き、実施例3乃至7並びに比較例3乃至5の電解コンデンサは、実施例1及び2と同一製造方法及び同一製造条件で作製され、同一構成を有する。
実施例1乃至7並びに比較例1乃至3の相違は下表3の通りである。
(表3)
Figure 2023137005000003
実施例3乃至7並びに比較例3乃至5の電解コンデンサについても、実施例1及び2並びに比較例1及び2の電解コンデンサと同じように、170℃の高温環境下に晒した。そして、高温環境下に晒す直前、高温環境下に2000時間晒した段階、及び高温環境下に2500時間晒した段階での静電容量(Cap)及び等価直列抵抗(ESR)及び電解液の蒸散量を測定し、また封口体の状態を目視で観察した。
各時間での測定結果及び目視の結果を下表4に示す。
(表4)
Figure 2023137005000004
表4に示すように、比較例3の電解コンデンサは、封口体がブチルゴムであり、溶媒全体に対して75wt%以上のグリセリンを含んでいる。この結果、比較例3の電解コンデンサでは、170℃の高温環境下に2000時間晒されたとしても、封口体にひび割れは生じず、また電解液の抜け量ΔWtも57mgと極めて良好であった。しかしながら、表4に示すように、比較例3の電解コンデンサが170℃の高温環境下に晒されて2500時間が経過すると、封口体にひび割れが生じ、電解液全量がコンデンサ内から抜け出た。
また、表4に示すように、比較例5の電解コンデンサは、封口体にブチルゴムが含まれず、封口体の弾性体がエチレンプロピレンゴムのみで構成されている。エチレンプロピレンゴムの透過性の高さ故に、この比較例5では、170℃の高温環境下に2000時間晒された時点で、電解液全量がコンデンサ内から抜け出た。
次に、表4に示すように、実施例1乃至7並びに比較例4の電解コンデンサでは、170℃の高温環境下に2000時間晒されたとしても、封口体にひび割れは生じず、また電解液は残存していた。実施例1乃至7並びに比較例4の電解コンデンサは、ブチルゴムとエチレンプロピレンゴムを樹脂加硫により架橋したブレンドゴムを封口体として備えているものである。
更に、実施例1乃至7の電解コンデンサは、170℃の高温環境下に晒されて2500時間が経過した場合であっても、封口体にひび割れは無く、また電解液は残存していた。そのため、実施例1乃至7の電解コンデンサでは、170℃の高温環境下に2500時間晒されたとしても、静電容量Capが発現し続け、等価直列抵抗ESRも低く抑えられていた。
そして、表4の実施例1乃至7が示すように、ブレンドゴムに占めるブチルゴムの割合が増加するに連れて、170℃の高温環境下で2500時間晒した後の電解液の抜け量ΔWtは減少していき、電解コンデンサの静電容量Capの高くなっている。
ところが、表4の比較例4が示すように、ブレンドゴムに占めるブチルゴムの割合が90wt%になると、電解コンデンサが170℃の高温環境下で2500時間晒されることによって突如として、電解液全量が抜け出してしまう。そのため、比較例4の電解コンデンサの静電容量Capは、170℃の高温環境下で2500時間経過後にゼロとなり、比較例4の電解コンデンサの等価直列抵抗ESRが極端に高くなっている。
これらにより、封口体は、ブチルゴムとエチレンプロピレンゴムを樹脂加硫で架橋したブレンドゴムを含み、ブチルゴム(A)とエチレンプロピレンゴム(B)の重量比A:Bが10:90~70:30の範囲内であるとき、高温環境下に2500時間といった更に長期間晒されていても、封口体のひび割れを阻止し、また電解液の蒸散も抑制することが確認された。そのため、静電容量Capの発現が長く続くことが確認された。そして、この範囲内であれば、ブチルゴムの混合比が多くなるほど、電解液の抜け量が少なくなり、良好な静電容量Capが発現し続けた。

Claims (5)

  1. 陽極箔と陰極箔と電解液と固体電解質層とを有するコンデンサ素子と、
    前記コンデンサ素子を収容するケースと、
    前記ケースを封口する封口体と、
    を備え、
    前記封口体は、ブチルゴムとエチレンプロピレンゴムが樹脂加硫で架橋され、
    前記ブチルゴム(A)と前記エチレンプロピレンゴム(B)は、重量比A:B=10:90~70:30の範囲内で前記封口体に含まれること、
    を特徴とする電解コンデンサ。
  2. 前記電解液は、グリセリン、ジグリセリン又はこれらの両方を当該電解液の溶媒中75wt%以上含むこと、
    を特徴とする請求項1記載の電解コンデンサ。
  3. 前記電解液は、更にエチレングリコールを含むこと、
    を特徴とする請求項2記載の電解コンデンサ。
  4. 前記固体電解質層には、沸点が150℃以上且つ水酸基を有する液体状化合物が含まれること、
    を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電解コンデンサ。
  5. 前記液体状化合物は、エチレングリコールであること、
    を特徴とする請求項4記載の電解コンデンサ。
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