JP2023136733A - ハニカムフィルタ - Google Patents

ハニカムフィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP2023136733A
JP2023136733A JP2022042586A JP2022042586A JP2023136733A JP 2023136733 A JP2023136733 A JP 2023136733A JP 2022042586 A JP2022042586 A JP 2022042586A JP 2022042586 A JP2022042586 A JP 2022042586A JP 2023136733 A JP2023136733 A JP 2023136733A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust gas
cell
gas introduction
cross
honeycomb filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022042586A
Other languages
English (en)
Inventor
重晃 後藤
Shigeaki Goto
祐樹 松尾
Yuki Matsuo
一毅 古本
Kazuki Furumoto
真啓 坂本
Masahiro Sakamoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP2022042586A priority Critical patent/JP2023136733A/ja
Publication of JP2023136733A publication Critical patent/JP2023136733A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

【課題】排ガス処理の初期及びパティキュレート堆積時においても圧力損失が低いハニカムフィルタの提供。【解決手段】排ガスの流路となる複数のセルを区画形成する多孔質隔壁13を備え、入口側端部が開口され出口側端部が目封止された排ガス導入セルと、出口側端部が開口され入口側端部が目封止された排ガス排出セル11を備えてなり、排ガス導入セル及び排ガス排出セルの流路断面形状は入口側から出口側まで同じであるハニカムフィルタであって、排ガス排出セルの周囲に排ガス導入セルが隣接し、排ガス導入セルは、第1排ガス導入セル12と、流路断面積が第1排ガス導入セルより大きい第2排ガス導入セル14からなり、排ガス排出セルの流路断面積は、第2排ガス導入セルの流路断面積と同じであるかそれよりも大きく、一部の第1排ガス導入セルと第2排ガス導入セルを隔てる隔壁にはスリット部19が形成されていることを特徴とする、ハニカムフィルタ。【選択図】図2C

Description

本発明は、ハニカムフィルタに関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中には、スス等のパティキュレート(以下、PMともいう)が含まれており、近年、このPMが環境又は人体に害を及ぼすことが問題となっている。また、排ガス中には、CO、HC又はNOx等の有害なガス成分も含まれていることから、この有害なガス成分が環境又は人体に及ぼす影響についても懸念されている。
そこで、内燃機関と連結されることにより排ガス中のPMを捕集したり、排ガスに含まれるCO、HC又はNOx等の排ガス中の有害なガス成分を浄化したりする排ガス浄化装置として、コージェライトや炭化ケイ素等の多孔質セラミックからなるハニカム構造のフィルタ(ハニカムフィルタ)が種々提案されている。
ハニカムフィルタに捕集されたPMは、ある程度の量が堆積すると、ハニカムフィルタに流入する排ガスの温度を上昇させたり、電気ヒーターで加熱したりすることにより燃焼される。このようにPMを燃焼することは、「ハニカムフィルタの再生」とも呼ばれる。
また、これらのハニカムフィルタでは、内燃機関の燃費を改善し、圧力損失の上昇に起因する運転時のトラブル等をなくすために、初期の圧力損失が低いハニカムフィルタや、所定量のPMが堆積した際に圧力損失の上昇割合が低いハニカムフィルタが種々提案されている。
このようなハニカムフィルタを開示した発明として、特許文献1が挙げられる。
図8は、特許文献1に係るハニカムフィルタを模式的に示す排ガス入口側の端面図である。
特許文献1には、図8に示すように、排ガス入口側の端部が開口され且つ排ガス出口側の端部が目封止された排ガス導入セル(12、14)と、排ガス出口側の端部が開口され且つ排ガス入口側の端部が目封止された排ガス排出セル11とを備えるハニカム焼成体(ハニカムフィルタ)510が開示されている。
排ガス排出セルは、セルの長手方向に垂直な断面の断面形状が正方形の第1排ガス導入セル12と、セルの長手方向に垂直な断面の断面形状が八角形の第2排ガス導入セル14とからなる。
また、排ガス排出セルの長手方向に垂直な断面形状は八角形であり、第2排ガス導入セル14の長手方向に垂直な断面形状と同じ形状である。
ハニカム焼成体510では、排ガス排出セル11の周囲全体に、第1排ガス導入セル12及び第2排ガス導入セル14とが交互に配置されている。
国際公開第2013/187444号
特許文献1は、このように排ガス排出セル及び排ガス導入セルとを配置することにより、排ガスの流れを均一かつスムーズにし、初期において圧力損失が低く、PMが堆積しても圧力損失が上昇しにくくなることを教示している。
しかし、内燃機関の燃費をさらに向上させるため、初期圧力損失をさらに低減させたいという要望があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされた発明であり、本発明の目的は、排ガス処理の初期において圧力損失がさらに低く、PM堆積時においても圧力損失が低いハニカムフィルタを提供することである。
本発明のハニカムフィルタは、排ガスの流路となる複数のセルを区画形成する多孔質のセル隔壁を備え、排ガス入口側の端部が開口され、かつ、排ガス出口側の端部が目封止された排ガス導入セルと、排ガス出口側の端部が開口され、かつ、排ガス入口側の端部が目封止された排ガス排出セルとを備えてなり、上記排ガス導入セル及び上記排ガス排出セルの長手方向に垂直方向の断面形状は、目封止部分を除き上記排ガス入口側の端部から上記排ガス出口側の端部にかけて、それぞれのセルにおいて同じであるハニカムフィルタであって、上記排ガス排出セルの周囲全体に、多孔質のセル隔壁を隔てて上記排ガス導入セルが隣接してなり、上記排ガス導入セルは、第1排ガス導入セルとセルの長手方向に対して垂直方向の断面の断面積が上記第1排ガス導入セルより大きい第2排ガス導入セルの2種類からなり、かつ、上記排ガス排出セルのセルの長手方向に対して垂直方向の断面の断面積は、上記第2排ガス導入セルのセルの長手方向に対して垂直方向の断面の断面積と同じであるかそれよりも大きく形成されており、一部の上記第1排ガス導入セルと上記第2排ガス導入セルを隔てるセル隔壁には上記第1排ガス導入セルと、上記第2排ガス導入セルとを連通するスリット部が形成されていることを特徴とする。
本発明のハニカムフィルタでは、一部の上記第1排ガス導入セルと上記第2排ガス導入セルを隔てるセル隔壁には上記第1排ガス導入セルと、上記第2排ガス導入セルとを連通するスリット部が形成されている。
ハニカムフィルタにスリット部が形成されていると、ハニカムフィルタの濾過面積は低下するものの、端面の開口面積を大きくすることができる。
ハニカムフィルタの端面の開口面積が大きくなれば、排ガスがハニカムフィルタに流入、流出する際の圧力損失を低減することができる。
また、ハニカムフィルタにおいて、PMを捕集する際、初期においては排ガス導入セル(第1排ガス導入セル及び第2排ガス導入セル)と排ガス排出セルとを隔てるセル隔壁が主要的に機能し、第1排ガス導入セルと第2排ガス導入セルとを隔てるセル隔壁が補助的に機能する。そのため、第1排ガス導入セルと第2排ガス導入セルとを隔てるセル隔壁にスリット部が形成されている場合、ハニカムフィルタの濾過面積は低下するものの、PM堆積による圧力損失の上昇を抑えられる。
以上より、一部の第1排ガス導入セルと第2排ガス導入セルを隔てるセル隔壁に、第1排ガス導入セルと、上記第2排ガス導入セルとを連通するスリット部が形成されている場合、初期の圧力損失を効果的に低減することができる。
また、本発明のハニカムフィルタを長期間使用すると、PMが堆積し、スリット部を埋めることがある。この場合、圧力損失が急激に上昇する。この圧力損失の急激な上昇は、PMを燃焼させる合図となる。
つまり、本発明のハニカムフィルタを用いると、ハニカムフィルタの再生時期(PMの燃焼時期)を容易に把握することができる。
本発明のハニカムフィルタでは、セルの長手方向に垂直な断面に関し、上記排ガス排出セル及び上記排ガス導入セルは、いずれも多角形からなり、上記第1排ガス導入セルの断面形状を構成する辺のうち、上記排ガス排出セルと対面している辺の長さが、上記第2排ガス導入セルの断面形状を構成する辺のうち、上記排ガス排出セルと対面している辺の長さよりも長くてもよい。
また、本発明のハニカムフィルタでは、上記排ガス導入セルは、上記第1排ガス導入セルと上記第2排ガス導入セルのみからなっていてもよい。
また、本発明のハニカムフィルタでは、セルの長手方向に垂直な断面に関し、上記排ガス排出セルは、八角形であり、上記第1排ガス導入セルは正方形であり、上記第2排ガス導入セルは、八角形であることが望ましい。
さらに、本発明のハニカムフィルタは、セルの長手方向に垂直な断面に関し、上記排ガス排出セルの断面形状は八角形であり、上記第1排ガス導入セルの断面形状は正方形であり、上記第2排ガス導入セルの断面形状は八角形であり、上記第2排ガス導入セルと上記排ガス排出セルの断面形状は互いに合同であるとともに、上記排ガス排出セルの周囲にはセル隔壁を隔てて上記第1排ガス導入セルと上記第2排ガス導入セルとがそれぞれ4つずつ交互に配置されて上記排ガス排出セルを包囲してなり、また、上記排ガス排出セルを包囲している4つの上記第2排ガス導入セルの断面形状である各八角形の幾何学的な重心を結ぶ仮想的な線分のうち、上記排ガス排出セルの断面形状からなる図形領域を通過する2本の線分の交点は、上記排ガス排出セルの断面形状である八角形の幾何学的な重心と一致してなり、かつ、4つの上記第2排ガス導入セルの断面形状である各八角形の幾何学的な重心を結ぶ仮想的な線分のうち、上記排ガス排出セルの断面形状からなる図形領域を通過しない4本は、正方形を構成し、その各辺の中点は上記排ガス排出セルを包囲している4つの上記第1排ガス導入セルの断面形状である各正方形の幾何学的な重心と一致するように、上記排ガス排出セル、上記第1排ガス導入セル及び上記第2排ガス導入セルがそれぞれ配置されてなるとともに、上記排ガス排出セルの断面形状を構成する辺において、上記セル隔壁を隔てて上記第1排ガス導入セルと対面する辺と、上記第1排ガス導入セルの断面形状を構成する辺において、上記セル隔壁を隔てて上記排ガス排出セルと対面する辺とは平行であり、上記排ガス排出セルの断面形状を構成する辺において、上記セル隔壁を隔てて上記第2排ガス導入セルと対面する辺と、上記第2排ガス導入セルの断面形状を構成する辺において、上記セル隔壁を隔てて上記排ガス排出セルと対面する辺とは平行であり、また、上記第1排ガス導入セルの断面形状を構成する辺において、上記セル隔壁を隔てて上記第2排ガス導入セルと対面する辺と、上記第2排ガス導入セルの断面形状を構成する辺において、上記セル隔壁を隔てて上記第1排ガス導入セルと対面する辺とは平行であり、かつ上記平行な辺の間の距離は、いずれの組み合わせにおいても互いに等しいことがより望ましい。
ハニカムフィルタがこのような構成であると、上記本発明の効果を好適に発揮することができる。
本発明のハニカムフィルタでは、セルの長手方向に垂直な断面に関し、上記第2排ガス導入セルの断面形状を構成する辺のうち、排ガス排出セルと対面している辺の長さは、上記第1排ガス導入セルの断面形状を構成する辺のうち、上記排ガス排出セルと対面している辺の長さの0.8倍以下であることが望ましい。
このような比であると、排ガスが、排ガス排出セルと第1排ガス導入セルとを隔てる隔壁をより通過し易くなり、PM堆積前の初期の圧力損失を効果的に抑制することができる。
上記比が、0.8を超えると、両辺の長さに大きな差がなくなるため、排ガス処理の初期の圧力損失を低く抑えるのが難しくなる。
本発明のハニカムフィルタでは、上記スリット部の幅は、上記第1排ガス導入セルの断面形状を構成する辺のうち上記第2排ガス導入セルと対面している辺の長さの20~70%であることが望ましい。
スリット部の幅が上記範囲内であると、ハニカムフィルタの端面の開口面積が好適に大きくなるので、好適に圧力損失を低減することができる。
本発明のハニカムフィルタでは、上記スリット部は各上記第2排ガス導入セルの断面形状を構成する辺のうち2つの辺に形成されていることが望ましい。
スリット部がこのように形成されていると、ハニカムフィルタの端面の開口面積が好適に大きくなる。また、第1排ガス導入セル及び第2排ガス導入セルの間を排ガスが移動しやすくなる。そのため、好適に圧力損失を低減することができる。
本発明のハニカムフィルタでは、セルの長手方向に垂直な断面に関し、上記第2排ガス導入セルの断面積は、上記排ガス排出セルの断面積と同じであり、上記第1排ガス導入セルの断面積は、上記第2排ガス導入セルの断面積の20~50%であることが望ましい。
上記構成のハニカムフィルタでは、排ガス排出セルの容積が小さくなりすぎないため、排ガス導入セルから排ガス排出セルへのガス通過抵抗及び排ガス排出セルを通過する際の抵抗を小さくすることができ、圧力損失を効果的に抑制することができる。
第1排ガス導入セルの断面積が第2排ガス導入セルの断面積の20%未満であると、第1排ガス導入セルの断面積が小さくなりすぎ、ろ過面積が小さくなるため圧力損失が高くなり易い。一方、第1排ガス導入セルの断面積が第2排ガス導入セルの断面積の50%を超えると、排ガス排出セルの容積が小さくなりすぎるため、圧力損失を低くすることが難しくなる。
本発明のハニカムフィルタでは、上記ハニカムフィルタのセル同士を隔てるセル隔壁の厚さは、同じ厚さであることが望ましい。
セル壁の厚さにバラつきがあると、応力等の圧力が生じた際に、セル壁が薄い部分において破損が生じやすくなる。
しかし、セル同士を隔てるセル隔壁の厚さが、同じ厚さであると、圧力が生じた場合であっても、均一に分散されるので、ハニカムフィルタが破損しにくくなる。
本発明のハニカムフィルタでは、上記排ガス排出セル、上記第1排ガス導入セル及び上記第2排ガス導入セルを有し、外周に外周壁を有する複数のハニカム焼成体が接着材層を介して接着されることにより形成されていることが望ましい。
ハニカムフィルタがこのような構成であると、1つのハニカム焼成体に応力が生じた場合でも、その応力が接着材層により緩和され、他のハニカム焼成体に伝わりにくくなる。つまり、ハニカムフィルタに生じた応力を緩和させることができる。その結果、ハニカムフィルタが損傷することを防ぐことができる。
本発明のハニカムフィルタは、ハニカム焼成体から構成されてなり、上記ハニカム焼成体は、炭化ケイ素、又は、ケイ素含有炭化ケイ素からなることが望ましい。
炭化ケイ素及びケイ素含有炭化ケイ素は、耐熱性に優れた材料である。このため、上記構成のハニカムフィルタは、耐熱性に優れたハニカムフィルタとなる。
本発明のハニカムフィルタでは、上記セル隔壁の厚さは、0.10~0.46mmであることが望ましい。
このような厚さのセル隔壁は、充分な機械的強度を有するとともに、圧力損失の増加を効果的に抑制することができる。
本発明のハニカムフィルタでは、上記セル隔壁の気孔率は、30~65%であることが望ましい。
気孔率をこのように設定することにより、セル隔壁は、排ガス中のPMを良好に捕集することができ、かつ、セル隔壁に起因する圧力損失の上昇を抑制することができる。
セル隔壁の気孔率が30%未満である場合、セル隔壁の気孔の割合が小さすぎるため、排ガスがセル隔壁を通過しにくくなり、排ガスがセル隔壁を通過する際の圧力損失が大きくなる。
セル隔壁の気孔率が65%を超える場合、セル隔壁の機械的特性が低くなり、再生時等において、クラックが発生し易くなる。
本発明のハニカムフィルタでは、上記セル隔壁に含まれる気孔の平均気孔径は、5~25μmであることが望ましい。
平均気孔径が上記範囲であると、圧力損失の増加を抑制しながら、高い捕集効率でPMを捕集することができる。
セル隔壁に含まれる気孔の平均気孔径が5μm未満であると、気孔が小さすぎるため、排ガスがセル隔壁を通過する際の圧力損失が大きくなる。
セル隔壁に含まれる気孔の平均気孔径が25μmを超えると、気孔径が大きくなりすぎるので、PMの捕集効率が低下してしまう。
本発明のハニカムフィルタでは、外周には、外周コート層が形成されていることが望ましい。
外周コート層は、内部のセルの機械的に保護する役割を果たす。そのため、圧縮強度等の機械的特性に優れたハニカムフィルタとなる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るハニカムフィルタの一例を模式的に示す斜視図である。 図2Aは、本発明の第1実施形態に係るハニカムフィルタを構成するハニカム焼成体の一例を模式的に示す斜視図である。 図2Bは、図2Aに示すハニカム焼成体のA-A線断面図である。 図2Cは、図2Aに示すハニカム焼成体の排ガス入口側の端面図である。 図3は、本発明の第2実施形態に係るハニカムフィルタの一例を模式的に示すハニカムフィルタの排ガス入口側端面の一部拡大図である。 図4は、本発明の第3実施形態に係るハニカムフィルタの一例を模式的に示すハニカムフィルタの排ガス入口側端面の一部拡大図である。 図5は、本発明の第4実施形態に係るハニカムフィルタの一例を模式的に示すハニカムフィルタの排ガス入口側端面の一部拡大図である。 図6は、圧力損失測定方法を模式的に示す断面図である。 図7は、実施例1及び比較例1において測定したPM捕集量と圧力損失の関係を示すグラフである。 図8は、特許文献1に係るハニカムフィルタを模式的に示す排ガス入口側の端面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明のハニカムフィルタの一例である第1実施形態について、図面を用いて詳述する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るハニカムフィルタの一例を模式的に示す斜視図である。
図2Aは、本発明の第1実施形態に係るハニカムフィルタを構成するハニカム焼成体の一例を模式的に示す斜視図である。
図2Bは、図2Aに示すハニカム焼成体の排ガス入口側の端面図である。
図2Cは、図2Aに示すハニカム焼成体のA-A線断面図である。
図1に示すハニカムフィルタ20では、複数個のハニカム焼成体10が接着材層15を介して結束されてセラミックブロック18を構成し、このセラミックブロック18の外周には、排ガスの漏れを防止するための外周コート層16が形成されている。なお、外周コート層16は、必要に応じて形成されていればよい。
ハニカムフィルタ20では、複数個のハニカム焼成体10が接着材層15を介して結束されている。そのため、1つのハニカム焼成体10に応力が生じた場合でも、その応力が接着材層15により緩和され、他のハニカム焼成体10に伝わりにくくなる。つまり、ハニカムフィルタ20に生じた応力を緩和させることができる。その結果、ハニカムフィルタ20が損傷することを防ぐことができる。
接着材層15は、無機バインダと無機粒子とを含む接着材ペーストを塗布、乾燥させたものである。接着材層15は、さらに無機繊維及び/又はウィスカを含んでいてもよい。
接着材層15の厚さは、0.5~2.0mmが望ましい。
外周コート層16は、内部のセルの機械的に保護する役割を果たす。そのため、ハニカムフィルタ20は、圧縮強度等の機械的特性に優れる。
なお、外周コート層16の材料は、接着材層15の材料と同じであることが望ましい。外周コート層16の厚さは、0.1~3.0mmが望ましい。
なお、ハニカム焼成体10は、四角柱形状であるが、図2Aに示すように、端面における角部が曲線形状となるように面取りが施されており、これにより角部に熱応力が集中し、クラック等の損傷が発生するのを防止している。上記角部は、直線形状となるように面取りされていてもよい。
図2Aに示すハニカム焼成体10は、排ガスの流路となる複数のセルを区画形成する多孔質のセル隔壁13を備え、排ガス入口側の端部10aが開口され、かつ、排ガス出口側の端部10bが目封止された排ガス導入セル(符号12及び14で示すセル)と、排ガス出口側の端部10bが開口され、かつ、排ガス入口側の端部10aが目封止された排ガス排出セル11とを備えてなる。
なお、本発明のハニカムフィルタでは、排ガス導入セル及び排ガス排出セルを目封じする、目封止材は、ハニカム焼成体と同じ材料であることが望ましい。
ハニカムフィルタ20では、排ガス導入セル(符号12及び14で示すセル)及び排ガス排出セル11の長手方向に垂直方向の断面形状は、目封止部分を除き排ガス入口側の端部10aから排ガス出口側の端部10bにかけて、それぞれのセルにおいて同じである。
ここで、ハニカム焼成体10に排ガスが流入してPMが捕集される場合について説明する。
図2Bに示すように、第1排ガス導入セル12及び第2排ガス導入セル14(図2Bにおいては図示していない)に流入した排ガスG(図2B中、排ガスをGで示し、排ガスの流れを矢印で示す)は、排ガス排出セル11と第1排ガス導入セル12又は第2排ガス導入セル14とを隔てるセル隔壁13を通過した後、排ガス排出セル11から流出するようになっている。排ガスGがセル隔壁13を通過する際に、排ガス中のPM等が捕集されるため、セル隔壁13は、フィルタとして機能する。
図2Cに示すように、ハニカム焼成体10では、断面が八角形状の排ガス排出セル11の周囲全体に、断面が正方形の第1排ガス導入セル12と断面が八角形状の第2排ガス導入セル14とが隣接している。
第1排ガス導入セル12と第2排ガス導入セル14とは、排ガス排出セル11の周囲に交互に配置されており、第2排ガス導入セル14の断面積が第1排ガス導入セル12の断面積より大きく、排ガス排出セル11の断面積は、第2排ガス導入セル14の断面積と同じである。
また、このハニカム焼成体10の外周には、外周壁17が形成されている。第2排ガス導入セル14と排ガス排出セル11の断面形状は、いずれも八角形であり、互いに合同である。
すなわち、ハニカム焼成体10では、セルの長手方向に垂直な断面に関し、排ガス排出セル11の断面形状は八角形であり、第1排ガス導入セル12の断面形状は正方形であり、第2排ガス導入セル14の断面形状は八角形であり、第2排ガス導入セル14と排ガス排出セル11の断面形状は互いに合同である。
そして、排ガス排出セル11の周囲にはセル隔壁13を隔てて第1排ガス導入セル12と第2排ガス導入セル14とがそれぞれ4つずつ交互に配置されて排ガス排出セル11を包囲してなる。
また、排ガス排出セル11を包囲している4つの第2排ガス導入セル14の断面形状である各八角形の幾何学的な重心を結ぶ仮想的な線分のうち、排ガス排出セル11の断面形状からなる図形領域を通過する2本の線分の交点は、排ガス排出セル11の断面形状である八角形の幾何学的な重心と一致してなり、かつ、4つの第2排ガス導入セル14の断面形状である各八角形の幾何学的な重心を結ぶ仮想的な線分のうち、排ガス排出セル11の断面形状からなる図形領域を通過しない4本は、正方形を構成し、その各辺の中点は排ガス排出セル11を包囲している4つの第1排ガス導入セル12の断面形状である各正方形の幾何学的な重心と一致する。
また、ハニカム焼成体10では、角部以外の外周壁17の厚さが均一になるように、セルの長手方向に垂直な断面における外周壁17に隣接するセルの外周壁に接する辺は、外周壁17の外壁をなす辺と平行かつ直線的に形成されている。
従って、外周壁17に隣接する第2排ガス導入セル14Aの断面は、一部がカットされているため、八角形から六角形に変化している。第1排ガス導入セル12Aの形状断面は、一部カットされた形状でもよいが、第1排ガス導入セル12の断面形状と合同であることが望ましい。
ハニカム焼成体10の角部に存在する第2排ガス導入セル14Bは、八角形から、曲線からなる面取り部40を有する略五角形に変化している。図2Bに示す第2排ガス導入セル14Bの面取り部40は、面取り部分が曲線を有するように面取りされているが、面取り部分が直線となるように面取りされていてもよい。
排ガス排出セル11と第2排ガス導入セル14とは、同じ八角形の形状を有しているが、この八角形は、重心に対して点対称であり、4つの長辺と、4つの短辺とが交互に配置されており、長辺と短辺とのなす角度が135°である。
ハニカム焼成体10では、第1排ガス導入セル12の断面形状を構成する辺のうち、排ガス排出セル11と対面している辺の長さLが、第2排ガス導入セル14の断面形状を構成する辺のうち、排ガス排出セル11と対面している辺の長さLよりも長い。
ハニカム焼成体10では、一部の第1排ガス導入セル12と第2排ガス導入セル14を隔てるセル隔壁13bには第1排ガス導入セル12と、第2排ガス導入セル14とを連通するスリット部19が形成されている。
ハニカム焼成体10にスリット部19が形成されていると、ハニカム焼成体10の濾過面積は低下するものの、端面の開口面積を大きくすることができる。
ハニカム焼成体10の端面開口面積が大きくなれば圧力損失を低減することができる。
また、ハニカム焼成体10において、PMを捕集する際、初期においては、第1排ガス導入セル12及び第2排ガス導入セル14と排ガス排出セル11とを隔てるセル隔壁13aが主要的に機能し、第1排ガス導入セル12と第2排ガス導入セル14とを隔てるセル隔壁13bが補助的に機能する。そのため、第1排ガス導入セル12と第2排ガス導入セル14とを隔てるセル隔壁13bにスリット部19が形成されている場合、ハニカムフィルタの濾過面積は低下するものの、PM堆積による圧力損失の上昇を抑えられる。
以上より、第1排ガス導入セル12と第2排ガス導入セル14を隔てるセル隔壁13bに、第1排ガス導入セル12と、第2排ガス導入セル14とを連通するスリット部19が形成されている場合、初期の圧力損失を効果的に低減することができる。
また、ハニカム焼成体10を長期間使用すると、PMが堆積し、スリット部19を埋めることがある。この場合、圧力損失が急激に上昇する。この圧力損失の急激な上昇は、PMを燃焼させる合図となる。
つまり、ハニカム焼成体10を用いると、ハニカム焼成体10の再生時期(PMの燃焼時期)を容易に把握することができる。
また、図2Cに示すように、ハニカム焼成体10では、スリット部19は各第2排ガス導入セル14の断面形状を構成する辺のうち2つの辺に形成されている。さらに、スリット部19は第1排ガス導入セル12の断面形状を構成する辺のうち1つの辺に形成されている。
スリット部19がこのように形成されていると、ハニカム焼成体10の端面の開口面積が好適に大きくなる。また、第1排ガス導入セル12及び第2排ガス導入セル14の間を排ガスが移動しやすくなる。そのため、好適に圧力損失を低減することができる。
なお、後述するようにハニカム焼成体は、原料組成物を押出成形した後に焼成される。ハニカム焼成体において、スリット部が形成される位置は、押出成形しる際に各セルが途切れずに形成できれば特に限定されないが、全体としてスリット部が均等に分散するように設計することが望ましい。
本明細書において、「長さ」、「厚さ」、「断面積」等の測定は、電子顕微鏡写真を用いて行うことが望ましい。電子顕微鏡写真の撮影は、例えば、電子顕微鏡(FE-SEM:日立ハイテクノロジーズ社製 高分解能電界放出形走査電子顕微鏡 S-4800)にて行うことができる。
また、電子顕微鏡写真の拡大倍率は、セルを構成するセル隔壁の表面(内壁)の粒子や気孔の凹凸が、セルの断面形状の特定や、辺の長さ、隔壁厚さ及びセルの断面積の計測に支障にならない程度の倍率であり、かつセルの断面形状の特定や、辺の長さ、セル隔壁の厚さ及びセルの断面積の計測が可能となる倍率を採用することが必要であり、拡大倍率30倍の電子顕微鏡写真を用いて計測することが最適である。
すなわち、上述したセルの長さやセル隔壁の厚さの定義に基づき、電子顕微鏡写真のスケールを利用してセルの各辺の長さを測定して、その値を求め、断面積については、得られたセルの長さ等の値に基づき、算術的に求める。また、断面積について算術的に計測することが煩雑な場合は、電子顕微鏡写真のスケールから単位面積に相当する正方形(スケール長さを1辺とする正方形)を切り取り、この重量を測定、一方でセルの断面形状に沿ってセル断面を切り取り(多角形の場合に頂点部分が曲線となっている場合にはその曲線に沿って切り取り)、その切り取った部分の重量を測定する。重量比率からセルの断面の断面積を計算することができる。
また、このような人手による計測の他に、電子顕微鏡写真を画像データとして取り込むか、電子顕微鏡から直接取り込んだ画像データを用い、写真のスケールを入力して、電子的な計測に置き換えて測定することも可能である。もちろん、人手による計測方法も電子化した計測方法も電子顕微鏡画像のスケールに基づいた計測であって、同一原理に基づいており、両者の計測結果に齟齬が発生しないことは言うまでもない。
電子的な計測としては、画像解析式粒度分布ソフトウェア(株式会社マウンテック(Mountech)製)MAC-View (Version3.5)なる計測ソフトウェアを用いることができる。このソフウェアでは電子顕微鏡写真をスキャナーで取り込むか、電子顕微鏡から直接取り込んだ画像データを用い、当該写真のスケールを入力し、セルの内壁に沿って範囲を指定することで断面積を計測できる。また、画像中の任意の点間距離も電子顕微鏡写真のスケールを基に計測できる。
電子顕微鏡によりセル断面を撮影する際には、セルの長手方向に垂直にフィルタを切断し、その切断面が入るように、1cm×1cm×1cmのサンプルを準備し、サンプルを超音波洗浄するか、もしくは樹脂で包埋して、電子顕微鏡写真を撮影する。樹脂による包埋を行っても、セルの辺の長さ及びセル隔壁の厚さの計測には影響を与えない。
ハニカム焼成体10では、スリット部19の幅(図2C中、Lで示す長さ)は、第1排ガス導入セル12の断面形状を構成する辺のうち第2排ガス導入セル14と対面している辺の長さ(図2C中、Lで示す長さ)の20~70%であることが望ましく、25~65%であることがより望ましい。
スリット部19の幅が上記範囲内であると、ハニカム焼成体10の端面の開口面積が好適に大きくなるので、好適に圧力損失を低減することができる。
上記割合が20%未満であると、スリット部が狭すぎ、PMによりスリット部が閉塞されやすく、圧損低減の効果を十分に得られないことがある。
上記割合が70%を超えると、ハニカム焼成体の強度が低下しやすくなる。
ハニカム焼成体10では、スリット部19の幅(図2C中、符号Lで示す距離)は、0.1~0.7mmであることが望ましく、0.15~0.65mmであることがより望ましい。
なお、図2Cに示すハニカム焼成体10では、スリット部19は、第1排ガス導入セル12の断面形状の輪郭を形成する辺の中心部分に形成されているが、本発明のハニカムフィルタでは、スリット部は当該辺の一方の端部に寄って形成されていてもよい。また、スリット部は、当該辺の端部に形成されていてもよい。
ハニカム焼成体10では、セルの長手方向に垂直な断面に関し、第2排ガス導入セル14の断面形状を構成する辺のうち、排ガス排出セル11と対面している辺の長さLは、第1排ガス導入セル12の断面形状を構成する辺のうち、排ガス排出セル11と対面している辺の長さLの0.8倍以下であることが望ましく、0.1~0.7倍であることがより望ましい。
このような比であると、排ガスが、排ガス排出セル11と第1排ガス導入セル12とを隔てる第2セル隔壁をより通過し易くなり、PM堆積前の初期の圧力損失を効果的に抑制することができる。
上記比が、0.8を超えると、両辺の長さに大きな差がなくなるため、排ガス処理の初期の圧力損失を低く抑えるのが難しくなる。
ハニカム焼成体10では、セルの長手方向に垂直な断面に関し、第1排ガス導入セル12の断面積は、第2排ガス導入セル14の断面積の20~50%であることが望ましく、25~45%であることがより望ましい。
このような割合であると、排ガス排出セルの容積が小さくなりすぎないため、排ガス導入セルから排ガス排出セルへのガス通過抵抗及び排ガス排出セルを通過する際の抵抗を小さくすることができ、圧力損失を効果的に抑制することができる。
第1排ガス導入セルの断面積が第2排ガス導入セルの断面積の20%未満であると、第1排ガス導入セルの断面積が小さくなりすぎ、ろ過面積が小さくなるため圧力損失が高くなり易い。一方、第1排ガス導入セルの断面積が第2排ガス導入セルの断面積の50%を超えると、排ガス排出セルの容積が小さくなりすぎるため、圧力損失を低くすることが難しくなる。
ハニカム焼成体10では、ハニカム焼成体10のセル同士を隔てるセル隔壁13の厚さは、同じ厚さであることが望ましい。
セル壁の厚さにバラつきがあると、応力等の圧力が生じた際に、セル壁が薄い部分において破損が生じやすくなる。
しかし、セル同士を隔てるセル隔壁13の厚さが、同じ厚さであると、圧力が生じた場合であっても、均一に分散されるので、ハニカムフィルタが破損しにくくなる。
ハニカム焼成体10では、セル隔壁13の厚さは、0.10~0.46mmであることが望ましい。
このような厚さのセル隔壁13は、充分な機械的強度を有するとともに、圧力損失の増加を効果的に抑制することができる。
ハニカム焼成体10では、セル隔壁13の気孔率は、30~65%であることが望ましい。
気孔率をこのように設定することにより、セル隔壁13は、排ガス中のPMを良好に捕集することができ、かつ、セル隔壁13に起因する圧力損失の上昇を抑制することができる。
セル隔壁の気孔率が30%未満である場合、セル隔壁の気孔の割合が小さすぎるため、排ガスがセル隔壁を通過しにくくなり、排ガスがセル隔壁を通過する際の圧力損失が大きくなる。
セル隔壁の気孔率が65%を超える場合、セル隔壁の機械的特性が低くなり、再生時等において、クラックが発生し易くなる。
ハニカム焼成体10では、セル隔壁13に含まれる気孔の平均気孔径は、5~25μmであることが望ましい。
平均気孔径が上記範囲であると、圧力損失の増加を抑制しながら、高い捕集効率でPMを捕集することができる。
セル隔壁に含まれる気孔の平均気孔径が5μm未満であると、気孔が小さすぎるため、排ガスがセル隔壁を通過する際の圧力損失が大きくなる。
セル隔壁に含まれる気孔の平均気孔径が25μmを超えると、気孔径が大きくなりすぎるので、PMの捕集効率が低下してしまう。
なお、本明細書において、「セル隔壁の気孔径」及び「セル隔壁の気孔率」は水銀圧入法にて接触角を130°、表面張力を485mN/mの条件で測定した値を意味する。
ハニカム焼成体10の材料は、多孔質材から構成されていれば特に限定されないが、ハニカム焼成体10の構成材料としては、例えば、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト、チタン酸アルミニウム等の酸化物セラミック、ケイ素含有炭化ケイ素等が挙げられる。これらのなかでは、炭化ケイ素、又は、ケイ素含有炭化ケイ素が好ましい。炭化ケイ素及びケイ素含有炭化ケイ素は、耐熱性に優れた材料である。このため、炭化ケイ素、又は、ケイ素含有炭化ケイ素からなるハニカム焼成体10は耐熱性に優れる。
なお、ケイ素含有炭化ケイ素は、炭化ケイ素に金属ケイ素が配合されたものであり、炭化ケイ素を60wt%以上含むケイ素含有炭化ケイ素が好ましい。
ハニカム焼成体10の断面におけるセルの単位面積あたりの数は、31~93個/cm(200~600個/inch)であることが望ましい。
次に、本発明の第一実施形態に係るハニカムフィルタの製造方法について説明する。
なお、以下においては、セラミック粉末として、炭化ケイ素を用いる場合について説明する。
(1)セラミック粉末とバインダとを含む湿潤混合物を押出成形することによってハニカム成形体を作製する成形工程を行う。
具体的には、まず、セラミック粉末として平均粒子径の異なる炭化ケイ素粉末と、有機バインダと、液状の可塑剤と、潤滑剤と、水とを混合することにより、ハニカム成形体製造用の湿潤混合物を調製する。
上記湿潤混合物には、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等が挙げられる。これらの中では、アルミナバルーンが望ましい。
続いて、上記湿潤混合物を押出成形機に投入し、押出成形することにより所定の形状のハニカム成形体を作製する。
この際、図2Cに示すセル構造(セルの形状およびセルの配置)を有する断面形状が作製されるような金型を用いてハニカム成形体を作製する。
(2)ハニカム成形体を所定の長さに切断し、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させた後、所定のセルに封止材となる封止材ペーストを充填して上記セルを目封止する目封止工程を行う。
ここで、封止材ペーストとしては、上記湿潤混合物を用いることができる。
(3)ハニカム成形体を脱脂炉中、300~650℃に加熱し、ハニカム成形体中の有機物を除去する脱脂工程を行った後、脱脂されたハニカム成形体を焼成炉に搬送し、2000~2200℃に加熱する焼成工程を行うことにより、図2A~図2Cに示したようなハニカム焼成体を作製する。
なお、セルの端部に充填された封止材ペーストは、加熱により焼成され、目封止材となる。
また、切断工程、乾燥工程、目封止工程、脱脂工程および焼成工程の条件は、従来からハニカム焼成体を作製する際に用いられている条件を適用することができる。
(4)支持台上で複数個のハニカム焼成体を接着材ペーストを介して順次積み上げて結束する結束工程を行い、ハニカム焼成体が複数個積み上げられてなるハニカム集合体を作製する。
接着材ペーストとしては、例えば、無機バインダと有機バインダと無機粒子とからなるものを使用する。また、上記接着材ペーストは、さらに無機繊維及び/又はウィスカを含んでいてもよい。
上記接着材ペーストに含まれる無機粒子としては、例えば、炭化物粒子、窒化物粒子等が挙げられる。具体的には、炭化ケイ素粒子、窒化ケイ素粒子、窒化ホウ素粒子等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機粒子の中では、熱伝導性に優れる炭化ケイ素粒子が望ましい。
上記接着材ペーストに含まれる無機繊維及び/又はウィスカとしては、例えば、シリカ-アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等からなる無機繊維及び/又はウィスカ等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機繊維の中では、アルミナファイバが望ましい。また、無機繊維は、生体溶解性ファイバであってもよい。
さらに、上記接着材ペーストには、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等を添加してもよい。バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等が挙げられる。
(5)次に、ハニカム集合体を加熱することにより接着材ペーストを加熱固化して接着材層とし、四角柱状のセラミックブロックを作製する。
接着材ペーストの加熱固化の条件は、従来からハニカムフィルタを作製する際に用いられている条件を適用することができる。
(6)セラミックブロックに切削加工を施す切削加工工程を行う。
具体的には、ダイヤモンドカッターを用いてセラミックブロックの外周を切削することにより、外周が略円柱状に加工されたセラミックブロックを作製する。
(7)略円柱状のセラミックブロックの外周面に、外周コート材ペーストを塗布し、乾燥固化して外周コート層を形成する外周コート層形成工程を行う。
ここで、外周コート材ペーストとしては、上記接着材ペーストを使用することができる。なお、外周コート材ペーストとして、上記接着材ペーストと異なる組成のペーストを使用してもよい。
なお、外周コート層は必ずしも設ける必要はなく、必要に応じて設ければよい。
外周コート層を設けることによって、セラミックブロックの外周の形状を整えて、円柱状のハニカムフィルタとすることができる。
以上の工程によって、ハニカム焼成体を含む本発明の第1実施形態に係るハニカムフィルタを作製することができる。
上記工程では、切削工程を行うことにより所定形状のハニカムフィルタを作製していたが、ハニカム焼成体を作製する工程において、外周全体に外周壁を有する複数形状のハニカム焼成体を作製し、それら複数形状のハニカム焼成体を接着材層を介して組み合わせることにより円柱等の所定形状となるようにしてもよい。この場合には、切削工程を省略することができる。
本願の第1実施形態に係るハニカムフィルタでは、ハニカムフィルタの長手方向に垂直な断面において、第1排ガス導入セルの断面形状が正方形であり、第2排ガス導入セルの断面形状及び排ガス排出セルの断面形状が八角形であった。
しかし、本発明のハニカムフィルタでは、第1排ガス導入セルの断面形状、第2排ガス導入セルの断面形状及び排ガス排出セルの断面形状は特に限定されず、例えば、以下の本発明の第2実施形態~本発明の第4実施形態に示す経常であってもよい。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態に係るハニカムフィルタについて説明する。
図3は、本発明の第2実施形態に係るハニカムフィルタの一例を模式的に示すハニカムフィルタの排ガス入口側端面の一部拡大図である。
図3に示すハニカムフィルタ120は、断面が正方形の排ガス排出セル111の周囲全体に、多孔質のセル隔壁113を隔てて断面が正方形の第1排ガス導入セル112と断面が正方形の第2排ガス導入セル114とが隣接している。第1排ガス導入セル112と第2排ガス導入セル114とは、排ガス排出セル111の周囲に交互に配置されており、第2排ガス導入セル114の断面積が第1排ガス導入セル112の断面積より大きく、排ガス排出セル111の断面積は、第2排ガス導入セル114の断面積と同じである。
また、隣り合う3種類のセル、すなわち排ガス排出セル111と第1排ガス導入セル112と第2排ガス導入セル114との断面形状に関し、正方形の排ガス排出セル111の辺において、セル隔壁113を隔てて第1排ガス導入セル112と対面する辺と、正方形の第1排ガス導入セル112の辺において、セル隔壁113を隔てて排ガス排出セル111と対面する辺とは平行である。
また、第1排ガス導入セル112の辺において、セル隔壁113を隔てて第2排ガス導入セル114と対面する辺と、第2排ガス導入セル114の辺において、セル隔壁113を隔てて第1排ガス導入セル112と対面する辺とは平行である。また、互いに平行な辺の間の距離は、いずれの組み合わせにおいてもそれぞれ等しい。
また、図3の縦方向又は横方向において、排ガス排出セル111の重心と第1排ガス導入セル112の重心は直線状に並んでいる。
また、図3の斜め方向(図14の横方向に対し、45°の方向又は135°の方向)において、排ガス排出セル111の重心と第2排ガス導入セル114の重心は直線状に並んでいる。
さらに、一部の第1排ガス導入セル112と第2排ガス導入セル114を隔てるセル隔壁113には第1排ガス導入セル112と、第2排ガス導入セル114とを連通するスリット部119が形成されている。
ハニカムフィルタ120では、スリット部119が形成されているので、PM捕集能の低下を抑えつつ、圧力損失を効果的に低減することができる。
(第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態に係るハニカムフィルタについて説明する。
図4は、本発明の第3実施形態に係るハニカムフィルタの一例を模式的に示すハニカムフィルタの排ガス入口側端面の一部拡大図である。
図4に占めすハニカムフィルタ220は、ハニカムフィルタ220の断面において、排ガス排出セル211、及び、第2排ガス導入セル214の輪郭が各セルにおいて外側に凸になるように湾曲しており、第1排ガス導入セル212の輪郭が各セルにおいて内側に凸になるように湾曲している以外は、上記図3に示すハニカムフィルタ120と同じ構成である。
ハニカムフィルタ220では、一部の第1排ガス導入セル212と第2排ガス導入セル214を隔てるセル隔壁213には第1排ガス導入セル212と、第2排ガス導入セル214とを連通するスリット部219が形成されている。
ハニカムフィルタ220では、スリット部219が形成されているので、PM捕集能の低下を抑えつつ、圧力損失を効果的に低減することができる。
(第4実施形態)
次に本発明の第4実施形態に係るハニカムフィルタについて説明する。
図5は、本発明の第4実施形態に係るハニカムフィルタの一例を模式的に示すハニカムフィルタの排ガス入口側端面の一部拡大図である。
図5に示すハニカムフィルタ320は、断面が円形の排ガス排出セル311の周囲全体に、多孔質のセル隔壁313を隔てて断面が円形の第1排ガス導入セル312と断面が円形の第2排ガス導入セル314とが隣接している。第1排ガス導入セル312と第2排ガス導入セル314とは、排ガス排出セル311の周囲に交互に配置されており、第2排ガス導入セル314の断面積が第1排ガス導入セル312の断面積より大きく、排ガス排出セル311の断面積は、第2排ガス導入セル314の断面積と同じである。
また、図5の縦方向又は横方向において、排ガス排出セル311の重心と第1排ガス導入セル312の重心は直線状に並んでいる。
また、図5の斜め方向(図5の横方向に対し、45°の方向又は135°の方向)において、排ガス排出セル311の重心と第2排ガス導入セル314の重心は直線状に並んでいる。
さらに、一部の第1排ガス導入セル312と第2排ガス導入セル314を隔てるセル隔壁313には第1排ガス導入セル312と、第2排ガス導入セル314とを連通するスリット部319が形成されている。
ハニカムフィルタ320では、スリット部319が形成されているので、PM捕集能の低下を抑えつつ、圧力損失を効果的に低減することができる。
(その他の実施形態)
本発明の第1実施形態に係るハニカムフィルタでは、複数のハニカム焼成体が集合して形成された、いわゆる集合型のハニカムフィルタであったが、本発明のハニカムフィルタは、1つのハニカム焼成体からなる、いわゆる一体型ハニカムフィルタであってもよい。
本発明の第1実施形態に係るハニカムフィルタでは、ハニカム焼成体の外周壁が、角部以外で一定の厚さであり、ハニカム焼成体の最外周にある排ガス導入セルの断面の形状が一部カットされていた。
しかし、本発明のハニカムフィルタでは、ハニカム焼成体の最外周にある排ガス導入セルの断面形状はカットされておらず、外周壁の厚さが一定の厚さでなくてもよい。
(実施例1)
平均粒子径22μmを有する炭化ケイ素の粗粉末54.2重量%と、平均粒子径0.5μmの炭化ケイ素の微粉末23.1重量%とを混合し、得られた混合物に対して、有機バインダ(メチルセルロース)4.6重量%、潤滑剤(日油社製 ユニルーブ)0.8重量%、グリセリン1.3重量%、オレイン酸2.8重量%、及び、水13.2重量%を加えて混練して湿潤混合物を得た後、押出成形する成形工程を行った。
本工程では、図2A~図2Cに示したハニカム焼成体10と同様の形状であって、セルの目封止をしていない生のハニカム成形体を作製した。
次いで、マイクロ波乾燥機を用いて上記生のハニカム成形体を乾燥させることにより、ハニカム成形体の乾燥体を作製した。その後、ハニカム成形体の乾燥体の所定のセルに封止材ペーストを充填してセルの目封止を行った。
具体的には、排ガス入口側の端部及び排ガス出口側の端部が図2Cに示す位置で目封止されるようにセルの目封止を行った。
なお、上記湿潤混合物を封止材ペーストとして使用した。セルの目封止を行った後、封止材ペーストを充填したハニカム成形体の乾燥体を再び乾燥機を用いて乾燥させた。
続いて、セルの目封止を行ったハニカム成形体の乾燥体を400℃で脱脂する脱脂処理を行い、さらに、常圧のアルゴン雰囲気下2200℃、3時間の条件で焼成処理を行った。
これにより、実施例1に係るハニカム焼成体を作製した。
実施例1において、第1排ガス導入セルの長手方向に垂直な断面の形状は、長さが1.00mmの辺4つからなる正方形であった。
実施例1において、第2排ガス導入セルの長手方向に垂直な断面の形状は、長さが1.10mmの長辺と、長さが0.30mmの短辺とが4つづつ交互に配置されてなる八角形であった。なお、長辺と短辺とのなす角の角度は135°であった。
実施例1において、排ガス排出セルの長手方向に垂直な断面の形状は、長さが1.10mmの長辺と、長さが0.30mmの短辺とが4つづつ交互に配置されてなる八角形であった。なお、長辺と短辺とのなす角の角度は135°であった。
実施例1に係るハニカム焼成体において、セル隔壁の厚さは、0.17mmであった。
実施例1において、スリット部の幅は、0.50mmであった。
また、ハニカム焼成体は、気孔率が38%、平均気孔径が13μm、大きさが36.4mm×36.4mm×177.8mm、セルの数(セル密度)が300個/inchであった。
出来上がったハニカム焼成体を、SiC粒子、シリカゾル、アルミナファイバの混合物からなる接着剤ペーストを用いて複数個結束させ、外周を加工し、外周に接着剤ペーストと同じ材料からなるコート層を設けて、φ266.7mm×177.8mmの円筒状のハニカムフィルタを作製した。
(比較例1)
スリット部を形成しない以外は実施例1と同様に比較例1に係るハニカムフィルタを製造した。
(圧力損失測定)
実施例1及び比較例1で製造したハニカムフィルタについて、図6に示したような圧力損失測定装置を用いて、ガス流量に対する圧力損失の関係を測定した。
図6は、圧力損失測定方法を模式的に示す断面図である。
この圧力損失測定装置410は、送風機411のガス管412に、ハニカムフィルタ20を金属ケーシング413内に固定して配置し、ハニカムフィルタ20の前後の圧力を検出可能になるように圧力計414が取り付けられている。
ハニカムフィルタ20は、その排ガス入口側の端部が送風機411のガス管412に近い側に配置される。すなわち、排ガス入口側の端部が開口されたセルに排ガスが流入するように配置される。
送風機411から送られるガスの流量0から2000m/hrまで変化させながら運転して、ガスをハニカムフィルタ20に流通させてハニカムフィルタ前後の圧力損失を測定した。
図7は、実施例1及び比較例1において測定したPM堆積前のガス流量と圧力損失の関係を示すグラフである。
図7に示すように、実施例1に係るハニカムフィルタでは、比較例1に係るハニカムフィルタに比べてPM堆積前の圧力損失が低かった。
10、510 ハニカム焼成体
10a 排ガス入口側の端部
10b 排ガス出口側の端部
11、111、211、311 排ガス排出セル
12、12A、112、212、312 第1排ガス導入セル
13、13a、13b、113、213、313 セル隔壁
14、14A、14B、114、214、314 第2排ガス導入セル
15 接着材層
16 外周コート層
17 外周壁
18 セラミックブロック
19、119、219、319 スリット部
20、120、220、320 ハニカムフィルタ
410 圧力損失測定装置
411 送風機
412 排ガス管
413 金属ケーシング
414 圧力計

Claims (16)

  1. 排ガスの流路となる複数のセルを区画形成する多孔質のセル隔壁を備え、排ガス入口側の端部が開口され、かつ、排ガス出口側の端部が目封止された排ガス導入セルと、
    排ガス出口側の端部が開口され、かつ、排ガス入口側の端部が目封止された排ガス排出セルとを備えてなり、前記排ガス導入セル及び前記排ガス排出セルの長手方向に垂直方向の断面形状は、目封止部分を除き前記排ガス入口側の端部から前記排ガス出口側の端部にかけて、それぞれのセルにおいて同じであるハニカムフィルタであって、
    前記排ガス排出セルの周囲全体に、多孔質のセル隔壁を隔てて前記排ガス導入セルが隣接してなり、前記排ガス導入セルは、第1排ガス導入セルとセルの長手方向に対して垂直方向の断面の断面積が前記第1排ガス導入セルより大きい第2排ガス導入セルの2種類からなり、かつ、
    前記排ガス排出セルのセルの長手方向に対して垂直方向の断面の断面積は、前記第2排ガス導入セルのセルの長手方向に対して垂直方向の断面の断面積と同じであるかそれよりも大きく形成されており、
    一部の前記第1排ガス導入セルと前記第2排ガス導入セルを隔てるセル隔壁には前記第1排ガス導入セルと、前記第2排ガス導入セルとを連通するスリット部が形成されていることを特徴とするハニカムフィルタ。
  2. セルの長手方向に垂直な断面に関し、前記排ガス排出セル及び前記排ガス導入セルは、いずれも多角形からなり、前記第1排ガス導入セルの断面形状を構成する辺のうち、前記排ガス排出セルと対面している辺の長さが、前記第2排ガス導入セルの断面形状を構成する辺のうち、前記排ガス排出セルと対面している辺の長さよりも長い請求項1に記載のハニカムフィルタ。
  3. 前記排ガス導入セルは、前記第1排ガス導入セルと前記第2排ガス導入セルのみからなる請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。
  4. セルの長手方向に垂直な断面に関し、
    前記排ガス排出セルは、八角形であり、前記第1排ガス導入セルは正方形であり、前記第2排ガス導入セルは、八角形である請求項1~3のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
  5. セルの長手方向に垂直な断面に関し、
    前記排ガス排出セルの断面形状は八角形であり、前記第1排ガス導入セルの断面形状は正方形であり、前記第2排ガス導入セルの断面形状は八角形であり、
    前記第2排ガス導入セルと前記排ガス排出セルの断面形状は互いに合同であるとともに、
    前記排ガス排出セルの周囲にはセル隔壁を隔てて前記第1排ガス導入セルと前記第2排ガス導入セルとがそれぞれ4つずつ交互に配置されて前記排ガス排出セルを包囲してなり、
    また、前記排ガス排出セルを包囲している4つの前記第2排ガス導入セルの断面形状である各八角形の幾何学的な重心を結ぶ仮想的な線分のうち、前記排ガス排出セルの断面形状からなる図形領域を通過する2本の線分の交点は、前記排ガス排出セルの断面形状である八角形の幾何学的な重心と一致してなり、
    かつ、4つの前記第2排ガス導入セルの断面形状である各八角形の幾何学的な重心を結ぶ仮想的な線分のうち、前記排ガス排出セルの断面形状からなる図形領域を通過しない4本は、正方形を構成し、その各辺の中点は前記排ガス排出セルを包囲している4つの前記第1排ガス導入セルの断面形状である各正方形の幾何学的な重心と一致するように、
    前記排ガス排出セル、前記第1排ガス導入セル及び前記第2排ガス導入セルがそれぞれ配置されてなるとともに、
    前記排ガス排出セルの断面形状を構成する辺において、前記セル隔壁を隔てて前記第1排ガス導入セルと対面する辺と、前記第1排ガス導入セルの断面形状を構成する辺において、前記セル隔壁を隔てて前記排ガス排出セルと対面する辺とは平行であり、
    前記排ガス排出セルの断面形状を構成する辺において、前記セル隔壁を隔てて前記第2排ガス導入セルと対面する辺と、前記第2排ガス導入セルの断面形状を構成する辺において、前記セル隔壁を隔てて前記排ガス排出セルと対面する辺とは平行であり、また、前記第1排ガス導入セルの断面形状を構成する辺において、前記セル隔壁を隔てて前記第2排ガス導入セルと対面する辺と、前記第2排ガス導入セルの断面形状を構成する辺において、前記セル隔壁を隔てて前記第1排ガス導入セルと対面する辺とは平行であり、かつ前記平行な辺の間の距離は、いずれの組み合わせにおいても互いに等しい請求項1~5のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
  6. セルの長手方向に垂直な断面に関し、
    前記第2排ガス導入セルの断面形状を構成する辺のうち、排ガス排出セルと対面している辺の長さは、前記第1排ガス導入セルの断面形状を構成する辺のうち、前記排ガス排出セルと対面している辺の長さの0.8倍以下である請求項5に記載のハニカムフィルタ。
  7. 前記スリット部の幅は、前記第1排ガス導入セルの断面形状を構成する辺のうち前記第2排ガス導入セルと対面している辺の長さの20~70%である請求項5又は6のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
  8. 前記スリット部は各前記第2排ガス導入セルの断面形状を構成する辺のうち2つの辺に形成されている請求項5~7のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
  9. セルの長手方向に垂直な断面に関し、
    前記第2排ガス導入セルの断面積は、前記排ガス排出セルの断面積と同じであり、
    前記第1排ガス導入セルの断面積は、前記第2排ガス導入セルの断面積の20~50%である請求項1~8のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
  10. 前記ハニカムフィルタのセル同士を隔てるセル隔壁の厚さは、同じ厚さである請求項1~9に記載のハニカムフィルタ。
  11. 前記ハニカムフィルタは、
    前記排ガス排出セル、前記第1排ガス導入セル及び前記第2排ガス導入セルを有し、外周に外周壁を有する複数のハニカム焼成体が接着材層を介して接着されることにより形成されている請求項1~10のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
  12. 前記ハニカムフィルタは、ハニカム焼成体から構成されてなり、当該ハニカム焼成体は、炭化ケイ素、又は、ケイ素含有炭化ケイ素からなる請求項1~11のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
  13. 前記セル隔壁の厚さは、0.10~0.46mmである請求項1~12のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
  14. 前記セル隔壁の気孔率は、30~65%である請求項1~13のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
  15. 前記セル隔壁に含まれる気孔の平均気孔径は、5~25μmである請求項1~14のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
  16. 外周には、外周コート層が形成されている請求項1~15のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
JP2022042586A 2022-03-17 2022-03-17 ハニカムフィルタ Pending JP2023136733A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022042586A JP2023136733A (ja) 2022-03-17 2022-03-17 ハニカムフィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022042586A JP2023136733A (ja) 2022-03-17 2022-03-17 ハニカムフィルタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023136733A true JP2023136733A (ja) 2023-09-29

Family

ID=88145952

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022042586A Pending JP2023136733A (ja) 2022-03-17 2022-03-17 ハニカムフィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023136733A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10286358B2 (en) Honeycomb filter
EP2835169B1 (en) Honeycomb filter
US9861923B2 (en) Honeycomb filter
US9919255B2 (en) Honeycomb filter
JP6239307B2 (ja) ハニカムフィルタ
US9650928B2 (en) Honeycomb filter
WO2016013513A1 (ja) ハニカムフィルタ
US9702283B2 (en) Honeycomb filter
WO2016013516A1 (ja) ハニカムフィルタ
US9975076B2 (en) Honeycomb filter
WO2016013511A1 (ja) ハニカムフィルタ
WO2016039325A1 (ja) ハニカム焼成体及びハニカムフィルタ
JP2023136733A (ja) ハニカムフィルタ
JP2023136732A (ja) ハニカムフィルタ
JP2017000930A (ja) ハニカムフィルタ
JP2023142717A (ja) ハニカムフィルタ
JP2023150221A (ja) ハニカムフィルタ
JP2023150220A (ja) ハニカムフィルタ
JP6170492B2 (ja) ハニカムフィルタ
JP6239502B2 (ja) ハニカムフィルタ
JP2017094225A (ja) ハニカム構造体