JP2023136726A - 視線分析装置、視線分析方法、視線分析プログラム及びトレーニング方法 - Google Patents

視線分析装置、視線分析方法、視線分析プログラム及びトレーニング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】視線の動きの検出精度を向上させる視線分析装置、視線分析方法、視線分析プログラム及びトレーニング方法を提供する。
【解決手段】視線分析方法は、目視対象物における視線分析対象者の左右それぞれの眼の視線方向を示す座標情報を検出した座標情報群を取得しS703、検出した座標情報群から得られる左右それぞれの眼の視線の移動速度の変動に基づき、左右のそれぞれ眼の視線の移動幅を算出しS704、視線分析対象者による目視対象物の注視時間を算出しS705、左右のそれぞれ眼の視線の移動幅と、算出した目視対象物の注視時間とを、視線分析結果として記憶するS708。
【選択図】図6

Description

本発明は、視線分析装置、視線分析方法、視線分析プログラム及びトレーニング方法に関する。
従来から、様々な製品の品質検査の手法の1つとして、検査員による目視検査が知られている。これに対し、近年では、製品の外観に基づき品質を検査する外観検査装置等を用いて、目視検査の一部を自動化することで、品質検査の効率を向上させているが、目視検査は、製品の生産ラインの中で、最も自動化が困難な工程である。
このため、目視検査には依然として多くの人が検査作業に携わっており、検査作業を行う検査員によって、検査の精度のばらつきが存在している。そこで、従来から、検査員による検査の精度のばらつきを低減させるために、検査員の能力を向上させる方法も模索されている。
目視検査の検査員の能力を向上させるための方法としては、例えば、アイカメラを優秀な検査員に装着させ、この検査員の検査時の視線の動きを示す動画を撮像し、この動画を他の検査員に観察させ、他の検査員にも同様の動きをさせる方法等が知られている。
特開平3-257413号公報 特表2015-500732号公報 特開2006-254145号公報
上述した方法では、例えば、ある程度の視線の動きを改善させることができる。ある程度とは、例えば、視線の動きの改善が、目視で確認できる程度である。
しかしながら、上述した手法により、視線の動きが十分な改善しているにも関わらず、検査精度や検査効率には依然としてばらつきが存在する。その理由は、検査員が意識していない微妙な視線の動かし方や両眼の使い方の差によるものと考えられるが、従来の方法では、このような細やかな視線の動きを検出することは困難である。
開示の技術は、上記事情に鑑みてなされたものであり、視線の動きの検出精度を向上させることを目的としている。
開示の技術は、視線分析方法であって、目視対象物における視線分析対象者の左右それぞれの眼の視線方向を示す座標情報を検出した座標情報群を取得し、前記座標情報群から得られる前記左右それぞれの眼の視線の移動速度の変動に基づき、前記視線分析対象者による前記目視対象物の注視時間と、前記左右のそれぞれ眼の視線の移動幅とを取得し、算出された前記目視対象物の注視時間と、前記左右のそれぞれ眼の視線の移動幅と、を視線分析結果として出力する。
開示の技術は、視線分析装置であって、目視対象物における視線分析対象者の左右それぞれの眼の視線方向を示す座標情報を検出した座標情報群を取得する座標情報取得部と、前記座標情報群から得られる前記左右それぞれの眼の視線の移動速度の変動に基づき、前記視線分析対象者による前記目視対象物の注視時間と、前記左右のそれぞれ眼の視線の移動幅とを取得する取得部と、算出された前記目視対象物の注視時間と、前記左右のそれぞれ眼の視線の移動幅と、を視線分析結果として出力する出力部と、を有する。
開示の技術は、視線解析プログラムであって、目視対象物における視線分析対象者の左右それぞれの眼の視線方向を示す座標情報を検出した座標情報群を取得し、前記座標情報群から得られる前記左右それぞれの眼の視線の移動速度の変動に基づき、前記視線分析対象者による前記目視対象物の注視時間と、前記左右のそれぞれ眼の視線の移動幅とを取得し、算出された前記目視対象物の注視時間と、前記左右のそれぞれ眼の視線の移動幅と、を視線分析結果として出力する、処理をコンピュータに実行させる。
開示の技術は、トレーニング方法であって、目視対象物の目視のトレーニング方法であって、前記目視対象物を撮像した画像である分析用画像が表示された表示装置の画面を、視線分析対象者に目視させ、前記目視の後に、取得した前記視線分析対象者の左右それぞれの眼の視線方向を示す座標情報を含む座標情報群から得られる、前記視線分析対象者による前記目視対象物の注視時間と、前記左右のそれぞれ眼の視線の移動幅とを含む視線分析結果データを、前記視線分析対象者に目視させる。
視線の動きの検出精度を向上させることができる。
第一の実施形態の視線分析システムのシステム構成の一例を示す図である。 第一の実施形態の視線分析装置の機能を説明する図である。 ピーク値と視線の移動幅と注視時間とを説明するためるグラフを示している。 輻輳角を説明する図である。 開き角度を説明する図である。 第一の実施形態の視線分析の手順を説明するフローチャートである。 視線分析結果データを出力する手順を説明するフローチャートである。 視線分析結果データの表示例を示す図である。 第二の実施形態の視線分析装置の機能を説明する図である。 視線分析結果データベースの一例を示す図である。 メッセージデータベースの一例を示す図である。 第二の実施形態のトレーニング支援部の処理を説明するフローチャートである。 視線分析装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
(第一の実施形態) 以下に図面を参照して、第一の実施形態について説明する。図1は、第一の実施形態の視線分析システムのシステム構成の一例を示す図である。
本実施形態の視線分析システム100は、視線分析装置200、視点検出装置300、表示装置600を含む。視線分析装置200は、視点検出装置300と、表示装置600と、のそれぞれと接続されている。
視点検出装置300は、制御装置400、表示装置450、撮像装置500、近赤外LED発振器510、520を有する。
本実施形態の視線分析システム100において、視線分析装置200は、視点検出装置300の制御装置400を介して、表示装置450に、目視検査による検査対象物の画像である分析用画像を表示させる。そして、視線分析システム100では、視線の分析の対象となる分析対象者Pに、表示装置450に表示された分析用画像を目視させる。
視点検出装置300は、撮像装置500と、近赤外LED発振器510、520とから、分析対象者Pの視線方向を示す座標情報を一定間隔毎に取得する。ここでいう一定間隔毎とは、分析している期間において、一種類の一定間隔毎であってもよいし、分析している期間で特に注目している期間では短い一定間隔毎とし、それ以外の期間では長い一定間隔毎のような一定間隔毎を複数の一定間隔毎に設定してもよい。
以下に、本実施形態の座標情報について説明する。本実施形態の視点検出装置300は、視線方向を示す座標情報として、分析対象者Pの左右それぞれの目の視点の位置を示す2次元の座標情報と、分析対象者Pの瞳孔の位置(眼の位置)を示す3次元の座標情報と、を検出する。
分析対象者Pの左右それぞれの目の視点の位置を示す2次元の座標情報とは、分析用画像が表示された表示装置450の画面上において、この画面の中心点を基準とした位置を示す。また、分析対象者Pの瞳孔の位置を示す3次元の座標情報は、例えば、表示装置450の中心の位置に対する左右それぞれの目の瞳孔の位置を示す。以下の説明では、分析対象者Pの左右それぞれの目の視点の位置を示す2次元の座標情報を2次元座標情報と呼び、分析対象者Pの瞳孔の位置を示す3次元の座標情報を3次元座標情報と呼ぶ。
本実施形態の制御装置400は、一定間隔毎に取得された複数の2次元座標情報を含む2次元座標情報群と、一定間隔毎に取得された複数の3次元座標情報を含む3次元座標情報群と、を取得して保持する。
本実施形態の視線分析装置200は、視点検出装置300が取得した2次元座標情報群と、3次元座標情報群とを取得し、2次元座標情報群と3次元座標情報群とを用いて、分析対象者Pの視線の動きを分析する。
具体的には、視線分析装置200は、2次元座標情報群に基づき、分析対象者Pの視線の移動速度のピーク値と、移動幅と、分析対象者Pの視点が所定領域内にある時間とを算しても良い。この場合には、算出された分析対象者Pの視線の移動速度や移動幅を、角度の単位([deg])で表現するために、3次元座標情報群が用いられる。
また、視線分析装置200は、2次元座標情報群に基づき、分析対象者Pの左右の眼の分析用画像上での視点間の距離と、分析用画像上における分析対象者Pの左右の眼の視点の軌跡を示す画像を生成する。
つまり、本実施形態では、2次元座標情報群を用いて行われた分析結果を角度の単位を用いて表現するために、3次元座標情報群が用いられる。このため、本実施形態では、2次元座標情報群と、3次元座標情報群とが取得される。
尚、本実施形態では、視線分析装置200による分析を、2次元座標情報群を用いて行うものとしたが、この分析は3次元座標情報群を用いて行うこともできる。以下の説明では、2次元座標情報と3次元座標情報とを区別しない場合には、これらを座標情報と呼び、2次元座標情報群と3次元座標情報群とを区別しない場合には、これらを座標情報群と呼ぶ。
視線分析装置200は、分析対象者Pの視線の移動幅と、分析対象者Pの視点が所定領域内にある時間と、分析対象者Pの左右の眼の視点間の距離と、視線の軌跡を示す画像データとを、この分析対象者Pの視線分析結果データとして保存する。
さらに、視線分析装置200は、分析対象者Pの視線分析結果データを、表示装置600に出力し、分析対象者Pにこの視線分析結果データを目視させる。尚、図1の例では、表示装置600を表示装置450とは別に設けたが、これに限定されない。視線分析装置200は、視線分析結果データを表示装置450に表示させても良い。
このように、本実施形態では、分析対象者Pが視線を動かして検査対象物を目視している最中の、分析対象者Pの視線の移動幅と、分析対象者Pの視点が所定領域内にある時間と、分析対象者Pの左右の眼の視点間の距離とを算出し、視線の軌跡と共に出力することができる。このため、本実施形態によれば、例えば、分析対象者Pが意識していない視線の動かし方のくせや、両眼の動かし方までも、数値として表すことができ、視線の動きの検出精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、上述した視線分析結果データを分析対象者Pに目視させ、自身の視線の動かし方を把握させることで、例えば、既に十分な経験のある熟練した検査員に対しても、さらなる検査能力の向上が期待できる。
ここで、本実施形態における視線の分析について説明する。
人の眼球は、ある注視点から別の注視点へ視線の方向を変えるときに、両眼に同時に生じる間欠的な眼球運動が生じる。この眼球運動をサッカードと呼ぶ。
人の眼球は、サッカードと、視線が留まっている状態とを繰り返しながら、視覚情報を取り入れている。また、人の眼球は、視線が留まっている状態においても眼球の細かな揺れが生じている。つまり、人の眼球の動きには、新たな視点に視線を移動させるためのサッカードによる動きと、視線が留まっている状態等における細かな揺れと、が混在している。
本実施形態では、人の眼球のサッカードによる動きと、視線が留まっている状態等における動きとの違いに着目し、目視検査における眼の動き(視線の動き)を、サッカードによる動きと、サッカード以外の動きとに区別する。
具体的には、本実施形態では、ある一定の周期以下の周期で、座標情報を取得する。そして、本実施形態では、座標情報の集合である座標情報群を用いて視線の移動速度のピーク値を算出し、ピーク値に応じて、分析対象者Pの眼の動きが、サッカードによる動きであるのか、又は、サッカード以外の動きであるのか、2つに区別する。移動速度のピーク値とは、ある期間における移動速度の最大値である。
本実施形態の一定の周期とは、1/60秒である。この周期は、目視検査における視線の分析において、サッカードの検出に必要な座標情報群を取得するために必要十分な周期である。
本実施形態では、ある期間におけるピーク値と、ある期間の直前の期間におけるピーク値との差分が閾値以上となった場合に、ある期間における眼球の運動をサッカードと捉える。また、本実施形態では、ある期間におけるピーク値と、ある期間の直前の期間におけるピーク値との差分が閾値未満である場合には、ある期間における眼球の運動を、サッカード以外の運動と捉える。
言い換えれば、本実施形態では、視線の移動速度のピーク値の変動幅が閾値以上となった場合を、分析対象者Pが次の検査対象物へ視点を移動させる動きと捉え、視線の移動速度のピーク値の変動幅が閾値未満である場合、視線の移動とは捉えず、分析対象者Pが検査対象物を固視している状態と捉える。
本実施形態では、このようにして、分析対象者Pの視線の動きから、検査対象物を固視しているのか、又は、分析対象者Pが次の検査対象物を捉えようとしているのかを区別する。
そして、本実施形態では、分析対象者Pの眼球運動のうち、検査対象物を捉えるためのサッカードが行われてから、次のサッカードが行われるまでの時間を、分析対象者Pが検査対象物を固視し、検査を行っている時間と捉える。以下の説明では、分析対象者Pが検査対象物を固視している時間を、検査対象物を注視している時間として、注視時間と呼ぶ。
さらに、本実施形態では、分析対象者Pの左右の視点の座標情報群を、分析対象者Pの視線の軌跡として描画することで、分析対象者Pに対し、自身の視線の動かし方を把握させることができる。
以下に、本実施形態の視線分析装置200について説明する。図2は、第一の実施形態の視線分析装置の機能を説明する図である。
図2に示す各部は、後述する視線分析装置200のハードウェア構成で示すメモリ装置に記憶されたプログラムが演算処理装置によって読み出されて実行されることで実現される。
本実施形態の視線分析装置200は、記憶部210、表示制御部220、視線分析処理部230、出力部240を有する。
記憶部210は、分析用画像データ211、視線分析結果データ212が格納される。分析用画像データ211は、目視による検査対象物を撮像した画像の画像データである。本実施形態では、目視による検査対象物は、例えば、光学顕微鏡を用いた目視検査によって検査されるものであっても良い。また、目視による検査対象物は、例えば、検査員が手に持って目視検査されるもの等であっても良い。
特に、検査員が手で持ち、様々な角度から目視するような目視検査では、検査員毎に、手の動かし方が異なるため、検査員の視線が、検査対象物上でどのように動いているのかを検出することは困難である。しかし、本実施形態のように、検査対象物の画像を表示装置に表示して、検査員(検査対象者)に目視させることで、検査員毎の手の動き等の影響を受けることなく、検査員の視線の動きを検出することができる。
視線分析結果データ212は、視線分析処理部230による処理の結果である。
表示制御部220は、分析用画像データ211を表示装置450に表示させる。また、表示制御部220は、視線分析結果データ212を表示装置600に表示させる。
視線分析処理部230は、座標情報取得部231、移動幅算出部232、ピーク値算出部233、注視時間算出部234、視点間距離算出部235、画像処理部236、格納制御部237を有する。
座標情報取得部231は、視点検出装置300が取得した2次元座標情報群と3次元座標情報群とを含む座標情報群を取得する。座標情報取得部231は、視点検出装置300の制御装置400と通信を行って、制御装置400から座標情報群を取得しても良いし、制御装置400によって、座標情報群が書き込まれた記録媒体から、これらの座標情報群を読み出すことによって取得しても良い。
移動幅算出部232は、座標情報群に基づき、左右それぞれの視線の移動幅を算出する。視線の移動幅とは、分析対象者Pの瞳孔から、ある座標情報が示す位置から、次に取得された座標情報が示す位置までの角度を示す。言い換えれば、視線の移動幅とは、ある座標情報によって示される分析対象者Pの視線方向から、次に取得された座標情報が示す分析対象者Pの視線方向までの角度を示す。
また、移動幅算出部232は、左右それぞれの視線の移動幅として、X軸方向の角度とY軸方向の角度とを算出しても良い。また、移動幅算出部232は、各座標情報から算出した移動幅の平均値を求めても良い。
ピーク値算出部233は、視線の移動速度のピーク値を算出する。本実施形態のピーク値算出部233は、視線の移動幅と、視線の移動速度のピーク値との関係を示す関数を保持している。本実施形態のピーク値算出部233は、ピーク値と、この関数とに基づき、移動幅を算出する。より具体的には、この関数は本発明者の研究により、ほぼ線形関係があることがわかっているので、線形近似される関数の傾きに基づいて、このピーク値から、簡易的に移動幅が算出できる。
注視時間算出部234は、注視時間を検出し、検出された期間を注視時間とする。
具体的には、注視時間算出部234は、あるピーク値と、あるピーク値の直前に算出されたピーク値との差分が閾値以上となったとき、あるピーク値を取得した時刻を、注視時間の開始時刻とする。次に、注視時間算出部234は、次に、あるピーク値と、あるピーク値の直前に算出されたピーク値との差分が閾値以上となったとき、あるピーク値を取得した時刻を、注視時間の終了時刻とする。そして、注視時間算出部234は、注視時間の開始時刻から終了時刻までの期間を、注視時間とする。
言い換えれば、注視時間算出部234は、サッカードによる眼球の動きが発生してから、次にサッカードによる眼球の動きが発生するまでの時間を注視時間とする。サッカードによる動きが発生してから、次にサッカードによる動きが発生するまでの間は、分析対象者Pは、注視点を変えずに、検査対象物を固視していることを示す。
つまり、本実施形態の注視時間算出部234は、ピーク値算出部233が算出するピーク値に変動幅に応じて、分析対象者Pのサッカードによる眼球の動きを検出するサッカード検出機能を有する。
尚、本実施形態の注視時間算出部234は、算出された複数の注視時間の平均値を求めても良い。
視点間距離算出部235は、座標情報群に基づき、分析対象者Pの左右の目の視点間の距離を算出する。具体的には、視点間距離算出部235は、座標情報群のうち、左目の視点の座標情報と、右目の視点の座標情報とから、それぞれの視点間の距離を算出する。尚、視点間距離算出部235は、それぞれの視点間距離の平均値を算出しても良い。
画像処理部236は、座標情報群に基づき、左目の視点の軌跡と、右目の視点の軌跡とを描画するための画像データを生成する。具体的には、画像処理部236は、記憶部210に格納された分析用画像に、左目の視点の軌跡と、右目の視点の軌跡とを重畳させた画像を示す画像データを生成する。尚、画像処理部236は、左目の視点と右眼の視点とを平均した点から、両目の視点の軌跡を示す画像データを生成しても良い。
格納制御部237は、移動幅算出部232、注視時間算出部234、視点間距離算出部235、画像処理部236のそれぞれの処理結果を、視線分析結果データ212として、記憶部210に格納する。
出力部240は、記憶部210に格納された視線分析結果データ212を、外部の装置へ出力する。具体的には、出力部240は、視線分析結果データ212を表示装置600に表示させる。
次に、図3を参照して、本実施形態の視線の移動速度におけるピーク値と、視線の移動幅と、注視時間について説明する。図3は、ピーク値と視線の移動幅と注視時間とを説明するためるグラフを示している。グラフ31は、時間と、X軸方向の視線の動きとの関係を示すグラフであり、グラフ32は、時間とピーク値との関係を示すグラフである。
図3では、グラフ32に示されるピーク値のうち、例えば、時刻t1、時刻t2、時刻t3、時刻t4、時刻t5のそれぞれのピーク値は、直前に取得されたピーク値との差分が閾値以上となる時刻である。
ピーク値の変動幅が閾値以上であるということは、分析対象者Pの視線が急速で跳躍的に移動していることを示す。したがって、この場合には、視線の移動幅も大きくなる。グラフ31では、時刻t1、時刻t2、時刻t3、時刻t4、時刻t5と対応する移動幅は、他の時刻と対応する移動幅よりも大きく、視線が跳躍的に移動していることがわかる。つまり、時刻t1、時刻t2、時刻t3、時刻t4、時刻t5における、分析対象者Pの眼球の運動はサッカード運動であり、分析対象者Pが新たな検査対象物へ視点を移動させたことがわかる。
これに対し、時刻t1から時刻t2までの期間T1では、グラフ32からわかるように、ピーク値の変動幅は、閾値未満の小さな値である。つまり、期間T1の間は、分析対象者Pの眼球の運動は、固視微動を含むサッカード以外の運動であり、分析対象者Pの視点が一定の範囲内に留まっていることがわかる。つまり、期間T1は、注視時間に相当する。期間T2、期間T3、期間T4においても同様のことがわかる。
さらに、グラフ31から、時刻t1、t3における視線の動きの方向と、時刻t2、t4における視線の方向とは、逆向きであることから、分析対象者Pは、視線を往復させるような動作をしていることがわかる。
本実施形態の移動幅算出部232は、グラフ31における時刻t1、時刻t2、時刻t3、時刻t4、時刻t5の視線の動きの振幅の値を、分析対象者Pの視線の移動幅として取得する。つまり、本実施形態の移動幅算出部232は、サッカードによる分析対象者Pの眼球の回転角度(サッカード振幅)を、分析対象者Pの視線の移動幅として取得する。
また、本実施形態の注視時間算出部234は、グラフ31における期間T1、期間T2、期間T3、期間T4の長さを注視時間として算出する。
次に、図4、図5を参照して、本実施形態の視点間の距離について説明する。図4は、輻輳角を説明する図である。
図4に示すように、右眼と左眼の視線が作る輻輳角αは、近くの物体S1を見るときの方が、遠くの物体S2を見るときよりも大きくなる。
ところで、目視検査では、有効視野を狭めた中心視的な見方により検査対象物を凝視して欠点を見つけるのではなく、有効視野を広げた周辺視的な見方によって、良品の中から違和感(欠点)を感じるようにすることが重要とされている。有効視野とは、ある視覚的課題を行なう際に利用可能あるいは機能する範囲である。
輻輳角は、分析対象者Pが周辺視的な見方をしているか、中心視的な見方をしているかを判断するため指標とすることができる。周辺視的な見方で物体を見ている状態は、遠くの物体を見ている状態に相当し、中心視的な見方で物体を見ている状態は、近くの物体を見ている状態に相当するからである。
この
ことから、輻輳角は、分析対象者Pの物体の見方を把握するためには有用な情報と言える。しかし、検査対象物の表面における分析対象者Pの有効視野の広さの程度を推測しようとした場合には、輻輳角から推測することは困難である。
そこで、本実施形態では、検査対象物の表面における分析対象者Pの有効視野の広さの指標として、座標情報群から得られる左右の視点間の距離を用いる。左右の視点間の距離は、輻輳角が大きいほど小さくなり、輻輳角が小さいほど大きくなる。本実施形態では、分析対象者Pの左右の視点間の距離を、検査対象物の表面における分析対象者Pの有効視野の広さの指標とすることで、有効視野の広さを直感的に推測させることができる。
尚、本実施形態では、左右の視点間の距離から算出される角度を検査対象物の表面における分析対象者Pの有効視野の広さの指標として用いても良い。この角度は、左右の視点間の距離と一意に対応付けられる角度であり、以下の説明では、この角度を両眼の開き角度と呼ぶ。
図5は、開き角度を説明する図である。開き角度は、以下の式によって算出することができる。
開き角度=tan((√((xl-xr)+(yl-yr))/2)/((el+er)/2)))×2 ここで、xlは、図5に示す表示装置450における左眼Glの視点Plを示す2次元座標情報の(xl,yl)であり、xrは、表示装置450における右眼Grの視点Prを示す2次元座標情報の(xr,yr)である。elは、左眼Glの瞳孔から視点Plまでの距離であり、erは、右眼Grの瞳孔から視点Prまでの距離である。el,erのそれぞれは、座標情報に基づき取得される。
本実施形態では、開き角度が大きいほど、視野が表示装置450の画面上に広がっていること、つまり、分析対象者Pが、有効視野の広い周辺視的な見方をしていることを示す。また、本実施形態では、開き角度が小さいほど、視野が表示装置450の画面上の点に集中していること、つまり、分析対象者Pが、有効視野の狭い中心視的な見方をしていることを示す。
本実施形態の視点間距離算出部235は、視点間の距離を用いて開き角度を算出し、この開き角度を、分析対象者Pの有効視野の広さの指標として、視線分析結果データに含めても良い。
次に、図6を参照して、本実施形態の視線分析システム100による視線分析の手順について説明する。図6は、第一の実施形態の視線分析の手順を説明するフローチャートである。
本実施形態の視線分析装置200は、表示制御部220により、分析用画像データを表示装置450に表示させる(ステップS701)。次に、分析対象者Pに表示装置450に表示された分析用画像を目視させ、視点検出装置300による視点の検出を開始する(ステップS702)。具体的には、視点検出装置300は、座標情報の取得を開始する。座標情報には、2次元座標情報と3次元座標情報とが含まれる。
次に、視線分析装置200は、視点検出装置300が取得した座標情報群を取得する(ステップS703)。尚、このとき、視線分析装置200は、座標情報と共に、視点検出装置300が最初に座標情報を取得した時刻を示す情報と、座標情報の検出を終了した時刻を示す情報とを取得しても良い。
この場合、座標情報の検出を開始した時刻が、分析対象者Pの視線の動きの測定を開始した測定開始時刻となり、座標情報の検出を終了した時刻が、分析対象者Pの視線の動きの測定を終了した測定終了時刻となる。また、視線分析装置200は、分析対象者Pによる分析用画像の目視が終了した後に、座標情報群を取得しても良い。
次に、視線分析装置200は、移動幅算出部232と、ピーク値算出部233とにより、座標情報群から、視線の移動幅と、移動速度のピーク値とを算出する(ステップS704)。また、本実施形態の移動幅算出部232は、分析対象者Pの視線の動きの測定期間における視線の移動幅の合計を算出しても良い。視線の動きの測定期間とは、上述した測定開始時刻から測定終了時刻までの期間である。
次に、視線分析装置200は、注視時間算出部234により、注視時間を算出する(ステップS705)。
具体的には、移動幅算出部232は、座標情報群に含まれる、一定間隔毎の3次元座標情報に対応して、時系列に、X軸方向へ視線の移動幅と、Y軸方向への視線の移動幅を算出しても良い。ピーク値算出部233は、時系列に算出された各移動幅と、関数とに基づき、一定間隔毎の視線の移動速度のピーク値と(簡易的な)移動幅を算出しても良い。
そして、注視時間算出部234は、ピーク値が閾値以上となる時刻から、次にピーク値が閾値以上となるまでの期間を特定し、特定した期間の長さを注視時間として算出しても良い。
次に、視点間距離算出部235は、座標情報群に含まれる2次元座標情報群に基づき、左右の視点間の距離を算出する(ステップS706)。ここで、視点間距離算出部235は、2次元座標情報群に含まれる各2次元座標情報を用いて算出された視点間の距離の平均値を算出しても良い。また、視点間距離算出部235は、視点間の距離の平均値を用いて開き角度を算出しても良い。
次に、視線分析装置200は、画像処理部236により、座標情報群に含まれる2次元座標情報群を用いて、左右の眼の視点の軌跡を描画する画像データを生成する(ステップS707)。
続いて、視線分析装置200は、格納制御部237により、視線の移動幅、注視時間、視点間の距離、画像データ等を視線分析結果データとして、記憶部210に格納し(ステップS708)、視線分析の手順を終了する。
このとき、格納制御部237は、例えば、視線の移動速度のピーク値が、直前のピーク値と比較して閾値以上変化した時刻の視線の移動幅のみを、視線分析結果データとして取得しても良い。言い換えれば、格納制御部237は、サッカードによる視線の移動と検出された場合にのみ、視線の移動幅を視線分析結果データとしても良い。
また、本実施形態では、例えば、分析対象者Pに対して、定期的に分析用画像を目視させて、その度に視線分析結果データを取得しても良い。また、その場合、格納制御部237は、分析対象者Pを特定する情報と、視線分析結果データとを対応付けて、記憶部210に格納しても良い。
次に、図7を参照して、視線分析結果データを出力する手順について説明する。図7は、視線分析結果データを出力する手順を説明するフローチャートである。
視線分析システム100において、視線分析装置200は、表示させる視線分析結果データを指定する(ステップS801)。次に、視線分析装置200は、指定された視線分析結果データを読み出す(ステップS802)。
続いて、視線分析装置200は、読み出した視線分析結果データを表示装置600に表示させ、分析対象者Pに目視させる(ステップS803)。
図8は、視線分析結果データの表示例を示す図である。図8に示す画面81は、表示装置600に表示された画面の一例である。
画面81には、分析対象者Pが分析用画像を5回目視した場合の、5回分の視線分析結果データが表示されている。より具体的には、画面81に表示された視線分析結果データは、5週間に亘る目視検査のトレーニングを行う計画で、1週間に1度ずつ分析対象者Pに分析用画像を目視させ、週毎に取得したものである。
具体的には、画面81には、5回分の注視時間、視線の移動幅の合計の一覧82と、左右の眼の視点の軌跡を描画した画像の一覧83とが表示されている。
尚、一覧82に含まれる注視時間は、1回の分析用画像の目視毎に取得された注視時間の平均値であっても良い。また、一覧82に含まれる視線の移動幅の合計は、1回の分析用画像の目視毎に取得された、視線の移動速度がピーク値以上となる時刻の視線の移動幅の合計値であっても良い。また、一覧82に含まれる開き角度は、1回の分析用画像の目視毎に取得された開き角度の平均値であっても良い。尚、一覧82には、開き角度の代わりに、左右の眼の視点間の距離の平均値が表示されても良い。
さらに、本実施形態では、一覧82と共に、分析対象者Pの生産数、見逃し率の一覧を共に表示させても良い。生産性、見逃し率は、例えば、分析用画像の目視を行った週に、分析対象者Pが行った実際の目視検査から得られる情報である。
尚、画面81には、生産数、見逃し率の一覧は表示されなくても良い。画面81には、視線分析結果データである一覧82と一覧83とが表示されていれば良い。
図8の例では、第1週目から5週間のトレーニングを行った結果、見逃し率に変化はないが、生産性が10.2[pcs/時間]から39.3[pcs/時間]と3.9倍上昇している。これは、分析対象者Pの、見逃しをせずに単位時間あたりに検査することができる検査対象物の数が増えたことを意味する。
この結果は、5週間のトレーニングにおいて、以下の4点を行った結果である。
(1)「視線の軌跡」、「注視時間」、「視線の移動幅合計」、「開き角度」を評価値として、優秀な検査員のこれら評価値とそのようになっている理由を教える。
(2)分析対象者Pの現在のこれらの評価値と課題、優秀な検査員との違い、優秀な検査員に近づく方法を指導する。
(3)分析対象者P自身に、(1)と(2)を参考にして改善を試みてもらう。
(4)後述するトレーニングにより、有効視野を広げる訓練を行う。
また、5週間のトレーニングによって、分析対象者Pの「視線の軌跡」、「注視時間」、「視線の移動幅合計」、「開き角度」のそれぞれの値も変化した。
具体的には、第1週の視点の軌跡の画像83-1では、改善前の83-1図では、視線が1つ1つの検査対象物をまたがって移動している。また、画像83-1では、1つの検査対象物を視線が2回弱横切っている。つまり、この時点では、分析対象者Pの有効視野の広さは、検査対象物の大きさよりも狭い領域であることが推測できる。
これに対し、第5週目の視線の軌跡の画像83-2では、視線が直線状に上から下へ移動している。つまり、この時点では、分析対象者Pの有効視野の広さは、検査対象物2つ分を含む領域まで広がっていることが推測できる。
また、第1週の注視時間の値が372[ms]であるのに対し、第5週の注視時間の値は740[ms]であり、2倍程度増加している。これは、分析対象者Pが、有効視野で検査対象物を認知している時間が長くなったことを示している。
また、第1週の視線の移動幅合計の値は432[deg]であるのに対し、第5週の視線の移動幅合計の値は112[deg]であり、約1/4となっている。
これらの結果は、有効視野が広がっていることと対応している。有効視野が広がることで、視線を移動させずに複数の検査対象物を認知することできるようになり、その結果として、複数の検査対象物を認知するための視線の移動幅合計の値が小さくなる。
視線の移動幅合計の値が小さくなると、目視検査において、視線の移動に費やす時間が短くなり、その分検査対象物に視線を留める時間が長くなる。このことは、第1週の注視時間に対して第5週の注視時間が2倍程度の長さになっていることからもわかる。注視時間が長くなれば、分析対象者Pが認識する情報の量や判断に用いることができる時間も増加するため、生産性の向上につながる。
また、視線の移動幅合計と眼球疲労の関係に相関がみられる。本実施形態では、第1週と比較して、第5週の視線の移動幅合計が大幅に減少していることから、眼球疲労も軽
減していることがわかる。この点も、長時間の検査を行う検査員(分析対象者P)の生産性の向上のひとつの理由になっている。
ここで、有効視野の広さの指標を示す開き角度に着目する。
画面81の例では、第1週の開き角度は0.3[deg]であるのに対し、第5週の開き角度は0.8[deg]と大きくなっている。
このことから、分析対象者Pは、分析用画像の目視を繰り返すことで、中心視的な見方から、周辺視的な見方へ変化していることがわかる。言い換えれば、分析対象者Pの有効視野が広がっていることがわかる。
このように、有効視野を広がることで、分析対象者Pの目視検査における視線の動きは、サッカード移動幅合計が大きく、注視時間が短い状態から、サッカード移動幅合計が小さく、注視時間が長い状態へと変化することがわかる。
これらのことを考慮すると、目視検査では、サッカード移動幅合計を小さくし、注視時間が長くすることが好ましい。
図8に示す視線分析結果データから、分析対象者Pの視線の動きは、上述した好ましい動きへと改善していることがわかる。
このように、本実施形態では、分析対象者Pの視線の動きの中から、新たな検査対象物を捉えようとする動きを検出する。そして、その視線の動きにおける視線の移動幅と、動きと動きとの間の注視時間とを数値化する。
本実施形態では、このように、視線の動きの検出精度を向上させることで、分析対象者Pに対し、自身が無意識に行っている視線の動きを含め、自身がどのように視線を動かしているかを把握させることができる。
(第二の実施形態) 以下に図面を参照して、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態では、検査員毎の分析結果画像データを解析した結果に応じたメッセージが通知される点が、第一の実施形態と相違する。よって、以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
以下に、本実施形態の視線分析システムの説明に先立ち、実際の目視検査から得られる検査員に関する情報と、視線分析システムによる分析結果から得られる検査員に関する情報について説明する。
実際の目視検査では、検査員に関する情報として、平均生産数[pcs/時間]、見逃し率[ppm]が得られる。
平均生産数は、単位時間において検査員が検査した製品の数である。尚、単位時間は、1時間でも良いし、1分でも良く、任意の単位であっても良い。見逃し率は、検査員が検査した製品の数に対する、見逃した不良品の数の割合を示す。
本実施形態では、実際の電子部品を用いた目視検査から得られた検査員毎の平均生産数、見逃し率を、検査員毎の視線分析結果データに含め、この視線分析結果データに基づき、検査員に目視検査のトレーニングを行わせる。
図9は、第二の実施形態の視線分析装置の機能を説明する図である。本実施形態の視線分析装置200Aは、記憶部210A、表示制御部220、視線分析処理部230A、出力部240を有する。また、本実施形態の視線分析装置200Aは、視線分析結果データベース250、メッセージデータベース260、トレーニング支援部270を有する。
本実施形態の記憶部210Aは、分析用画像データ211が格納されている。視線分析処理部230Aの格納制御部237Aは、検査員毎の視線分析結果データを取得すると、検査員を特定する識別情報と、視線分析結果データとを対応付けて、視線分析結果データベース250に格納する。このとき、格納制御部237Aは、検査員毎の視線分析結果データに、実際の目視検査で取得された検査員に関する情報を対応付けて格納する。尚、検査員に関する情報は、目視検査が行われる度に算出されて、検査員の識別情報と対応付けられて、視線分析結果データベース250に格納されていても良い。
視線分析結果データベース250は、検査員を特定する識別情報と、視線分析結果データと、実際の目視検査で取得された検査員に関する情報とが対応付けられて格納される。
メッセージデータベース260は、トレーニングを行う検査員に対して通知されるメッセージが格納される。
トレーニング支援部270は、目視検査における視線の最適な動きを示す情報を特定し、検査員が目視検査のトレーニングを行う際に、メッセージデータベース260を参照してトレーニングの際の注意点を示すメッセージを表示装置600へ表示させる。
本実施形態のトレーニング支援部270は、視線分析装置200Aが有する演算処理装置によって、メモリ装置に格納されたトレーニング支援プログラムが読み出されて実行されることで実現される。
本実施形態のトレーニング支援部270は、分析結果取得部271、最適値特定部272、比較部273、メッセージ選択部274を有する。
分析結果取得部271は、視線分析結果データベース250から、トレーニングを行う検査員の視線分析結果データを取得する。
最適値特定部272は、視線分析結果データベース250に格納されている検査員毎の視線分析結果データから、トレーニングを行う検査員のグループの中で、最適な視線の動きを示す値を特定する。
具体的には、最適値特定部272は、視線分析結果データベース250に格納された全ての検査員の視線分析結果データの注視時間のうち、最も長い時間を注視時間の最適値とする。また、最適値特定部272は、視線分析結果データベース250に格納された全ての検査員の視線分析結果データの視線の移動幅の合計のうち、最も小さい値を視線の移動幅の合計の最適値とする。また、最適値特定部272は、視線分析結果データベース250に格納された全ての検査員の視線分析結果データの開き角度のうち、最も大きい値を開き角度の最適値としても良い。
尚、上述した最適値の特定の仕方は、一例であって、これに限定されるものではない。注視時間、視線の移動幅の合計、開き角度のそれぞれの最適値は、例えば、各検査員の平均生産数、見逃し率に基づき特定されても良い。
比較部273は、分析結果取得部271により取得された視線分析結果データと、最適な視線の動きを示す値とを比較する。
メッセージ選択部274は、比較部273による比較した結果に対応するメッセージをメッセージデータベース260から選択する。
以下に、図10及び図11を参照して、本実施形態の視線分析装置200Aの有する各データベースについて説明する。尚、本実施形態では、各データベースが視線分析装置200Aに設けられるものとしたが、これに限定されない。各データベースは、視線分析装置200A以外の外部装置に記憶されていても良い。
図10は、視線分析結果データベースの一例を示す図である。視線分析結果データベース250は、情報の項目として、検査員IDと、注視時間と、視線の移動幅の合計、開き角度、画像データ、見逃し率、平均生産数を有し、項目「検査員ID」と、その他の項目とが対応付けられている。
項目「注視時間」、「視線の移動幅の合計」、「開き角度」、「画像データ」のそれぞれの値は、視線分析処理部230Aの処理によって求められる値である。項目「見逃し率」、「平均生産数のそれぞれの値は、検査員の目視検査で取得された検査員に関する情報である。
図11は、メッセージデータベースの一例を示す図である。図10の例では、メッセージデータベース260は、視線分析結果データベース250における項目「注視時間」、「視点の移動幅」、「開き角度」毎に設けられている。
図11では、項目「注視時間」と対応するメッセージデータベース260の一例を示している。
メッセージデータベース260は、情報の項目として、比較結果と、メッセージとを有し、両者は対応付けられている。
項目「比較結果」の値は、最適値特定部272によって特定された注視時間の最適値と、検査員毎の注視時間とを比較した結果を示す。項目「メッセージ」の値は、比較結果と対応したメッセージを示す。
図11では、例えば、比較結果が「最適値より長い」であった場合、「一点を凝視しないようにする」等というメッセージが選択される。
尚、図11は、メッセージデータベース260の一例であって、これに限定されない。例えば、メッセージデータベース260は、開き角度が小さい場合は、「欠点を探しにいくのではなく、良品の中で違和感をみつけるようにリラックスしてみる」等のメッセージが選択されるようになっていても良い。
また、メッセージデータベース260は、例えば、視線分析結果データに含まれる「注視時間」、「視線の移動幅の合計」、「開き角度」の値を、それぞれの最適値と比較した結果と、メッセージとが対応付けられていても良い。
次に、図12を参照して、本実施形態の視線分析装置200Aのトレーニング支援部270の処理について説明する。
図12は、第二の実施形態のトレーニング支援部の処理を説明するフローチャートである。
本実施形態の視線分析装置200Aにおいて、トレーニング支援部270は、分析結果取得部271により、トレーニングの開始要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS1301)。ステップS1301において、開始要求を受け付けていない場合、分析結果取得部271は、待機する。
ステップS1301において、開始要求を受け付けた場合、分析結果取得部271は、検査員IDの入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS1302)。ステップS1302において、検査員IDの入力を受け付けていない場合、分析結果取得部271は、待機する。
ステップS1302において、検査員IDの入力を受け付けた場合、分析結果取得部271は、検査員IDと対応する視線分析結果データを視線分析結果データベース250から取得する(ステップS1303)。
続いて、トレーニング支援部270は、比較部273により、予め特定された最適値と、取得された視線分析結果データの注視時間、視線の移動幅、開き角度を比較する(ステップS1304)。続いて、トレーニング支援部270は、メッセージデータベース260を参照し、メッセージ選択部274により、比較結果と対応するメッセージを選択し、取得する(ステップS1305)。
続いて、トレーニング支援部270は、出力部240を介して取得したメッセージを表示装置600に表示させ(ステップS1306)、処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、複数の検査員が所属するグループにおいて、検査員のトレーニングを行わせる場合、視線分析結果データをグループ内の最適値と比較する。そして、本実施形態では、比較結果に応じたメッセージを表示装置600に表示させる。
したがって、本実施形態によれば、目視検査の際に、検査員の視線が適切な動きとなるように、具体的に指導を行うことができる。
本実施形態によれば、上述した検査員に対する指導に基づき、検査員が目視検査のトレーニングを一定の期間行うことで、検査員の目視検査における視線の移動幅や注視時間、周辺視を用いること等を検査員に意識させることができる。また、検査員自身に、これらのことを意識させることで、眼の疲労を軽減させ、且つ、効率的な動きとなるように、視線の動きを改善させることができる。
尚、本実施形態では、視線分析装置200Aにより、トレーニングの際の注意点を検査員に対し通知するものとしたが、これに限定されない
。本実施形態では、例えば、視線分析装置200Aの視線分析結果データベース250を閲覧したトレーニングの指導者が、検査員毎の視線分析結果データに合わせて、適宜注意点を口頭で伝えるようにしても良い。
また、本実施形態のトレーニングは、目視検査以外にも適用されて良い。具体的には、例えば、文書の中からの特定のキーワードの目視による検索等にも適用することができる。さらに、本実施形態では、車両等の移動体のフロントパネル上に配置される表示装置の設置位置の評価や、フロントガラスに画像を投影させるヘッドアップディスプレイ等による画像の投影位置の評価等にも適用することができる。
<視線分析装置200のハードウェア構成例> 以下に、図13を参照して、本実施形態の視線分析装置200のハードウェア構成の一例を示す。図13は、視線分析装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
本実施形態の視線分析装置200は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置21、出力装置22、ドライブ装置23、補助記憶装置24、メモリ装置25、演算処理装置26及びインターフェース装置27を含む情報処理装置である。
入力装置21は、各種の情報の入力を行うための装置であり、例えばキーボードやポインティングデバイス等により実現される。出力装置22は、各種の情報の出力を行うためものであり、例えばディスプレイ等により実現される。インターフェース装置27は、LANカード等を含み、ネットワークに接続する為に用いられる。
視線分析処理部230等を実現する視線分析プログラムは、視線分析装置200を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。視線分析プログラムは例えば記憶媒体28の配布やネットワークからのダウンロード等によって提供される。視線分析プログラムを記録した記憶媒体28は、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記憶媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記憶媒体を用いることができる。
また、視線分析プログラムは、視線分析プログラムを記録した記憶媒体28がドライブ装置23にセットされると、記憶媒体28からドライブ装置23を介して補助記憶装置24にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた視線分析プログラムは、インターフェース装置27を介して補助記憶装置24にインストールされる。
補助記憶装置24は、インストールされた視線分析プログラムを格納すると共に、必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置25は、視線分析装置200の起動時に補助記憶装置24から視線分析プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置26はメモリ装置25に格納された視線分析プログラムに従って、上述したような各種処理を実現している。
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
100、100A 視線分析システム 200、200A 視線分析装置 210、210A 記憶部 211 分析用画像データ 212 視線分析結果データ 220 表示制御部 230、230A 視線分析処理部 231 座標情報取得部 232 移動幅算出部 233 ピーク値算出部 234 注視時間算出部 235 視点間距離算出部 236 画像処理部 237 格納制御部 240 出力部 250 視線分析結果データベース 260 メッセージデータベース 270 トレーニング支援部

Claims (12)

  1. 視線分析方法であって、 目視対象物における視線分析対象者の左右それぞれの眼の視線方向を示す座標情報を検出した座標情報群を取得し、 前記座標情報群から得られる前記左右それぞれの眼の視線の移動速度の変動に基づき、前記視線分析対象者による前記目視対象物の注視時間と、前記左右のそれぞれ眼の視線の移動幅とを取得し、 算出された前記目視対象物の注視時間と、前記左右のそれぞれ眼の視線の移動幅と、を視線分析結果として出力する、視線分析方法。
  2. 更に、前記座標情報から得られる前記左右それぞれの眼の視点間の距離を、前記視線分析結果として出力する、請求項1記載の視線分析方法。
  3. 更に、前記座標情報から得られる前記左右それぞれの眼の視点間の距離と対応した角度を、前記視線分析結果として出力する、請求項1記載の視線分析方法。
  4. 前記注視時間は、 前記視線の移動速度のピーク値の変動幅が閾値以上となった時刻から、次にピーク値の変動幅が閾値以上となった時刻までの時間である、請求項2又は3に記載の視線分析方法。
  5. 前記注視時間と共に取得される前記視線の移動幅は、 前記視線の移動速度のピーク値の変動幅が閾値以上となった時刻における視線の移動幅である、請求項4記載の視線分析方法。
  6. 別の視線の移動幅は、 前記注視時間と共に取得される前記視線の前記移動幅と、前記視線の移動速度のピーク値との線形関係から近似される関数の傾きに基づいて、前記視線の移動速度のピーク値ごとに算出される、請求項5記載の視線分析方法。
  7. 前記座標情報は、 前記目視対象物を撮像した画像である分析用画像が表示された表示画面上の前記左右それぞれの眼の視点の位置を示す2次元座標情報と、 前記左右それぞれの眼の位置を示す3次元座標情報と、を含み、 前記座標情報群は、 一定間隔毎に取得された前記2次元座標情報の集合である2次元座標情報群と、前記一定間隔毎に取得された前記3次元座標情報の集合である3次元座標情報群と、を含み、 前記視点間の距離は、前記2次元座標情報群に基づき得られる、請求項2乃至6の何れか一項に記載の視線分析方法。
  8. 前記座標情報は、 前記目視対象物の表面上における前記左右それぞれの眼の視点の位置を示す2次元座標情報と、 前記左右それぞれの眼の位置を示す3次元座標情報と、を含み、 前記座標情報群は、 一定間隔毎に取得された前記2次元座標情報の集合である2次元座標情報群と、前記一定間隔毎に取得された前記3次元座標情報の集合である3次元座標情報群と、を含み、 前記視点間の距離は、前記2次元座標情報群に基づき得られる、請求項2乃至6の何れか一項に記載の視線分析方法。
  9. 更に、前記2次元座標情報から得られる前記左右のそれぞれの眼の視点の軌跡を描画させる画像データを、前記視線分析結果として出力する、請求項7又は8記載の視線分析方法。
  10. 目視対象物における視線分析対象者の左右それぞれの眼の視線方向を示す座標情報を検出した座標情報群を取得する座標情報取得部と、 前記座標情報群から得られる前記左右それぞれの眼の視線の移動速度の変動に基づき、前記視線分析対象者による前記目視対象物の注視時間と、前記左右のそれぞれ眼の視線の移動幅とを取得する取得部と、 算出された前記目視対象物の注視時間と、前記左右のそれぞれ眼の視線の移動幅と、を視線分析結果として出力する出力部と、を有する視線分析装置。
  11. 目視対象物における視線分析対象者の左右それぞれの眼の視線方向を示す座標情報を検出した座標情報群を取得し、 前記座標情報群から得られる前記左右それぞれの眼の視線の移動速度の変動に基づき、前記視線分析対象者による前記目視対象物の注視時間と、前記左右のそれぞれ眼の視線の移動幅とを取得し、 算出された前記目視対象物の注視時間と、前記左右のそれぞれ眼の視線の移動幅と、を視線分析結果として出力する、処理をコンピュータに実行させる視線分析プログラム。
  12. 目視対象物の目視のトレーニング方法であって、 前記目視対象物を撮像した画像である分析用画像が表示された表示装置の画面を、視線分析対象者に目視させ、 前記目視の後に、 取得した前記視線分析対象者の左右それぞれの眼の視線方向を示す座標情報を含む座標情報群から得られる、前記視線分析対象者による前記目視対象物の注視時間と、前記左右のそれぞれ眼の視線の移動幅とを含む視線分析結果データを、前記視線分析対象者に目視させる、トレーニング方法。
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