JP2023135972A - 分析装置 - Google Patents

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晃尚 宮川
Akihisa Miyagawa
清治 中谷
Seiji Nakatani
重紀 長友
Shigenori Nagatomo
健悟 押山
Kengo Oshiyama
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【課題】平衡定数が小さい反応系において少量の試料で平衡定数を半定量できる測定装置を提供する。【解決手段】第1の分子と第2の分子が結合してなる試料の解離定数を測定するための測定装置であって、第1の分子で修飾された表面を有する粒子と、第2の分子で修飾され、第1の分子と第2の分子が結合することによって粒子が保持される試料保持面11を有する基板10と、粒子に音響放射力を付与する超音波トランスデューサー20と、超音波トランスデューサー20に印加する電気信号の電圧値を調整する電圧調整器30と、粒子が音響放射力を受けることによって第1の分子と第2の分子が解離することによって基板10の試料保持面11から離脱した時の粒子に付与した音響放射力又は超音波トランスデューサーに印加した電気信号の電圧値を出力する出力部50と、を備える、分析装置100。【選択図】図1

Description

本発明は、分析装置に関する。
創薬分野においてより効率的な作用を示す化学合成品を創出するには作用を定量化できる解析方法が必要とされており、結合親和性が、相互作用の定量評価パラメータのひとつとして広く用いられている。
例えば、生体分子(タンパク質やDNAなど)と、リガンドや結合パートナー(ドラッグや阻害剤など)との相互作用の強さを示す解離定数(K)の分析方法として、表面プラズモンが光によって励起される現象を利用して、試料中の物質を定量分析する表面プラズモン共鳴測定装置が用いられている。表面プラズモン共鳴では、センサ上に固定されたリガンドにアナライトがフロースルー式に添加される。アナライトを含む試料液の通液によりリガンドに対する結合が試験され、アナライトを含まないバッファが通液されることで解離が試験される。つまり、センサ上の質量変化が共鳴条件の変化として検出されるため、解析対象の標識が不要とされている。
特許文献1には、金属薄膜の一方の面に誘電体試料を接触させるとともに、この金属薄膜の他方の面に全反射の条件で偏光光を入射して表面プラズモン共鳴を誘起させ、その反射光を検出することで、前記誘電体試料の状態を測定する表面プラズモン測定手段と、前記誘電体試料に物理的又は化学的な刺激を加える刺激手段とを備え、この刺激手段により刺激された前記誘電体試料の状態変化を前記表面プラズモン測定手段により測定するように構成したことを特徴とする表面プラズモン共鳴を利用した測定装置が記載されている。
特許文献2には、固体支持体表面に固定されたリガンドと溶液中のリガンドに対する結合パートナーとの間の可逆的分子相互作用についての反応速度論的パラメータを決定する方法であって、該方法は:a)連続的に、該固定されたリガンドの中間体の再生又は更新を介することなく、該固体支持体表面に対して、種々の既知濃度の該結合パートナーを含む複数の流体体積を流して、該固定されたリガンドへの結合パートナーの結合を可能にする工程、b)該固体支持体表面に対して結合パートナーを含まない1つの流体体積を流して、該リガンドからの結合パートナーの解離を可能にする工程、c)工程a)及びb)の間、時間及び結合パートナーの溶液濃度に対して、該固体支持体表面に結合した該結合パートナーの瞬間的な量をモニタリングし、そして結合データを収集する工程、ならびにd)該結合パートナーと該固定されたリガンドとの間の相互作用についての所定の反応速度論的モデルを、収集された結合データに対して、好ましくは全体的にフィットさせることによって反応速度論的パラメータを決定する工程であって、このモデルは固体支持体表面における物質移動制限を可能にする、工程を包含する方法が記載されている。
特開平6-167443号 特表2006-527365号公報
表面プラズモンを励起するために用いられる方法として、プリズムを用いた全反射減衰法を利用した方法がある。全反射減衰法を使った表面プラズモンを励起する光学配置の一つとして、kretschmann配置と呼ばれる方法が挙げられる。この方法はプリズム底面に厚さ約50nmの金属薄膜(金や銀など)を蒸着してその表面で生じる表面プラズモンを励起する方法である。特許文献1に記載された測定装置もkretschmann配置を用いている。
特許文献1に記載された測定装置や漏洩モードセンサー等の全反射減衰を利用した測定装置は、多数の試料について測定する場合、測定に長時間を要するという課題がある。特に、例えば抗原抗体反応や化学反応等に伴う試料性状の変化を検出するために、1つの試料について時間間隔をおいて何回か測定を行なう場合には、その1つの試料に関する測定が終了しなければ新しい試料の測定に入れず、試料全体の測定に非常に長い時間を必要とする。
また、特許文献2に記載された方法は、夾雑物による非特異的結合の影響が大きく現れるため、試料液が十分に精製されていない場合、正確な測定が困難である。また、光学技術を利用しているため、マルチプレックスのセンシングを適用することができず、試料液に不明材料が含まれ得る夾雑物では測定が困難である。
また、従来の平衡定数の測定方法は平衡定数が大きい反応系に適しているため、平衡定数が小さい反応系に適用する場合、多量の試料を必要とする。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、平衡定数が小さい反応系において少量の試料で平衡定数を半定量できる測定装置を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
[1] 第1の分子と第2の分子が結合してなる試料の解離定数を測定するための測定装置であって、
前記第1の分子で修飾された表面を有する粒子と、
前記第2の分子で修飾され、前記第1の分子と前記第2の分子が結合することによって前記粒子が保持される試料保持面を有する基板と、
前記粒子に音響放射力を付与する超音波トランスデューサーと、
前記超音波トランスデューサーに印加する電気信号の電圧値を調整する電圧調整器と、
前記粒子が音響放射力を受けることによって前記第1の分子と前記第2の分子が解離することによって前記基板の前記試料保持面から離脱した時の前記粒子に付与した音響放射力又は前記超音波トランスデューサーに印加した電気信号の電圧値を出力する出力部と、を備える、分析装置。
[2] さらに、前記基板の前記試料保持面に保持されている前記粒子の個数を計測する粒子個数計測部を備え、
前記出力部は、前記基板の前記試料保持面に保持させた粒子のうちの50個%以上の粒子が音響放射力を受けることによって前記基板の前記試料保持面から離脱した時の前記粒子に付与した音響放射力又は前記超音波トランスデューサーに印加した電気信号の電圧値を出力する、[1]に記載の分析装置。
[3] さらに、前記粒子に付与した音響放射力又は前記超音波トランスデューサーに印加した電気信号の電圧値に基づいて、前記粒子の結合エネルギーを算出する算出部を備える、[1]又は[2]に記載の分析装置。
[4] さらに、前記粒子に付与した音響放射力又は前記超音波トランスデューサーに印加した電気信号の電圧値と、前記粒子の結合エネルギーとに基づいて、前記第1の分子と前記第2の分子の結合力を算出する算出部を備える、[1]又は[2]に記載の分析装置。
[5] さらに、前記粒子に付与した音響放射力又は前記超音波トランスデューサーに印加した電気信号の電圧値と、前記粒子の結合エネルギーとに基づいて、前記第1の分子と前記第2の分子の解離定数を算出する算出部を備える、[1]又は[2]に記載の分析装置。
[6] さらに、前記解離定数に基づいて、前記第1の分子及び/又は前記第2の分子の種類を同定する同定部を備える、[6]に記載の分析装置。
[7] 前記第1の分子及び前記第2の分子の少なくとも一方は2種以上の分子である、[6]に記載の分析装置。
[8] 前記粒子がポリスチレン粒子であり、前記第1の分子及び前記第2の分子がそれぞれ独立にDNA、タンパク質及び低分子化合物からなる群から選択されるいずれか1種である、[6]又は[7]に記載の分析装置。
本発明によれば、平衡定数が小さい反応系において少量の試料で平衡定数を半定量できる測定装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る分析装置の模式図である。 図1に示す分析装置において基板から測定対象物の粒子が離脱する状態を示す概念図である。 本発明の別の一実施形態に係る分析装置において基板から測定対象物の粒子が離脱する状態を示す概念図である。 実験例1で作製した分析用基板No.1を用いて測定した超音波トランスデューサーに印加した電気信号の電圧値と粒子の浮揚率との関係を示すグラフである。 実験例1で作製した分析用基板No.1~3を用いて測定した超音波トランスデューサーに印加した電気信号の電圧と粒子の浮揚率との関係を示すグラフである。 第1の分子及び第2の分子のいずれにもDNA(3塩基~7塩基)を用いたNDA修飾ポリスチレンマイクロ粒子のDNAの塩基対が解離して離脱したときの超音波トランスデューサーの印加電圧値と、浮揚率の関係を表すグラフである。 第1の分子及び第2の分子のいずれにもDNA(3塩基~7塩基)を用いたNDA修飾ポリスチレンマイクロ粒子のDNAの塩基対が解離して離脱したときの超音波トランスデューサーの印加電圧値と、解離定数の理論値の関係を表すグラフである。 第1の分子及び第2の分子として3塩基のDNAのペア及び7塩基のDNAのペアを含む夾雑系で実施した場合の超音波トランスデューサーの印加電圧値と、ガラス基板から離脱したDNA修飾ポリスチレンマイクロ粒子の浮揚率の関係を表すグラフである。 図8をガウス関数でフィッティングしたときのグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る分析装置について、図面を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴を分かりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は実際とは異なっていることがある。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る分析装置の模式図である。
図1において、分析装置100は、基板10と、基板10を保持する基板ホルダー15と、超音波トランスデューサー20と、電圧調整器30と、電源40と、出力部50と、粒子個数計測部60と、算出部(不図示)とを備える。
基板10は、分析対象である粒子が、音響放射力を受けることによって離脱可能に保持される試料保持面11を有する。本実施形態の分析装置100において、試料保持面11は、基板10の下面とされている。基板10としては、例えば、ガラス基板を用いることができる。
基板ホルダー15は、溝部16を有する。基板10は、試料保持面11が溝部16と対向するように基板ホルダー15に支持されている。溝部16には、媒質17が充填されている。媒質17は、超音波を伝播する液体であれば、特に制限はない。媒質17としては、例えば、水、アルコールを用いることができる。
超音波トランスデューサー20は、電気信号を超音波に変換して、粒子に音響放射力を付与する音響放射力発信部として作用する。超音波トランスデューサー20としては、放射される超音波の周波数が、溝部16の媒質17内にて定在波が生成する周波数とされていることが好ましい。超音波の周波数は、500kHz以上2000kHzの範囲内にあることが好ましい。
電圧調整器30は、電源40から供給された電気エネルギーを、超音波トランスデューサー20に付与する電気信号に変換し、電気信号の電圧値を調整する。電圧調整器30としては、超音波トランスデューサー20に付与する入力信号の波形と電圧を有する電気信号を生成する関数発生部と、電気信号の電圧を増幅する電力増幅部とを有する装置を用いることができる。電圧調整器30から超音波トランスデューサー20に付与する電気信号の電圧値もしくはその電気信号を付与することによって生じる音響放射力は、出力部50に送られる。
粒子個数計測部60は、基板10の試料保持面11に、分子複合体を介して保持されている粒子の個数を計測する。粒子個数計測部60は、顕微鏡61と、顕微鏡61に接続する計測器62とを含む。顕微鏡61は、基板10の試料保持面11に保持されている粒子に焦点が合わされていて、試料保持面11に保持された粒子を検出できるようにされている。計測器62は、顕微鏡61で検出された粒子の個数を計測する。音響放射力を付与する前の試料保持面11に保持された粒子の個数から、音響放射力を付与する後の試料保持面11に保持された粒子の個数を減ずることによって、基板10の試料保持面11から離脱した粒子の個数を算出することができる。計測器62で計測された粒子の個数に関するデータは、出力部50に送られる。
出力部50は、超音波トランスデューサー20から粒子に付与された音響放射力又は超音波トランスデューサー20に印加した電気信号の電圧値が入力される。また、計測器62で計測された基板10の試料保持面11に保持された粒子の個数、試料保持面11から離脱した粒子の個数などの粒子の個数に関するデータが入力される。出力部50は、例えば、基板10の試料保持面11に保持された粒子の個数又は試料保持面11から離脱した粒子の個数と、粒子が試料保持面11から離脱した時の粒子に付与した音響放射力又は超音波トランスデューサー20に印加した電圧値を集計して出力する。出力部50からの音響放射力又は電圧値の出力は、例えば、基板10の試料保持面11に保持させた粒子のうちの50個%以上の粒子が基板10の試料保持面11から離脱した時の音響放射力又は電圧値個数としてもよい。具体的には、出力部50は、基板10の試料保持面11に保持させた粒子のうちの50個%の粒子が基板10の試料保持面11から離脱したときの超音波トランスデューサー20に印加した電気信号の電圧値(V50)を出力してもよい。
算出部は、出力部50から出力された粒子に付与した音響放射力又は超音波トランスデューサー20に印加した電気信号の電圧値に基づいて粒子を試料保持面を保持している結合した2分子の解離定数を算出する。
次に、結合した2分子の解離定数の算出方法について説明する。
図2は、図1に示す分析装置において基板から測定対象物の粒子が離脱する状態を示す概念図である。
図2において、超音波トランスデューサー20にて生成した超音波は、基板ホルダー15を介して媒質17に伝播する。媒質17内において、超音波は節2を有する定在波1を形成する。
粒子5がマイクロ粒子6からなる場合について解離定数の算出方法を説明する。マイクロ粒子6は、表面に第1の分子6aを有する。基板10の試料保持面11は、マイクロ粒子6の第1の分子6aと相互作用する第2の分子11aを有する。マイクロ粒子6は、第1の分子6aと試料保持面11の第2の分子11aとが結合することによって、基板10の試料保持面11に保持されている。なお、第1の分子6aと第2の分子11aの相互作用により形成された複合体は第1の分子6aと第2の分子11aに可逆的に解離することができる。第1の分子6aと第2の分子11aの間の結合としては、水素結合、イオン結合等が挙げられる。
マイクロ粒子6としては、例えば、無機物粒子、有機物粒子を用いることができる。無機物粒子の例としては、シリカ粒子を挙げることができる。有機物粒子の例としては、ポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート粒子を挙げることができる。マイクロ粒子6は、平均粒子径が1μm以上100μm以下の範囲内にあることが好ましく、平均粒子径が5μm以上50μm以下の範囲内にあることがより好ましい。平均粒子径は、顕微鏡とマイクロスケーラーを用いて計測した粒子5の粒径の平均値である。
マイクロ粒子6の第1の分子6a及び試料保持面11の第2の分子11aは、例えば、DNA、タンパク質、及び低分子化合物を挙げることができる。第1の分子6a及び第2の分子11aは、それぞれ独立にDNA、タンパク質及び低分子化合物からなる群から選択されるいずれか1種であることが好ましい。
超音波定在波を垂直に発生させた場合の粒子5(マイクロ粒子6)に働く音響放射力Fac及び沈降力Fsedは、それぞれ、下記の式(1)及び式(2)で表すことができる。
Figure 2023135972000002
式(1)及び式(2)において、λは超音波の波長であり、rは粒子5の半径であり、αは装置依存パラメータであり、分析装置100で使用されている各種の機器及び機器のジオメトリなどによって変化する値であり、Vは超音波トランスデューサー20に印加される電気信号の電圧であり、zは定在波1の節2からの粒子5の距離であり、gは重力加速度であり、ρ及びγはそれぞれ媒質17の密度及び圧縮率であり、ダッシュ(´)は該当特性を特定するものである。
超音波の波長λ、粒子5(マイクロ粒子6)の半径r、並びに媒質17の密度ρ、ρ´及び圧縮率γ、γ´が既知である場合、式(1)から、粒子5(マイクロ粒子6)に働く音響放射力Facは超音波トランスデューサー20に印加される電気信号の電圧Vの関数となる。また、式(2)から、粒子5(マイクロ粒子6)に働く沈降力Fsedは定数となる。
粒子5がマイクロ粒子6のみである場合、粒子5に働く音響放射力Facと沈降力Fsedの合成力Ftotalが、マイクロ粒子6の第1の分子6aと試料保持面11の第2の分子11aとの結合力Fbindよりも大きくなる(Ftotal=Fac+Fsed>Fbind)と、第1の分子6aと第2の分子11aとの結合が切れて、粒子5が基板10の試料保持面11から離脱する。すなわち、超音波トランスデューサー20に印加される電気信号の電圧値Vを徐々に大きくして、平均超音波エネルギーを増加させることによって、ある電圧値で粒子5が基板10の試料保持面11から離脱するようになる。従って、例えば、予め半径が既知の粒子5、並びに密度及び圧縮率が既知の媒質17を用いて、音響放射力と、その粒子が基板10の試料保持面11から離脱したときの超音波トランスデューサー20に印加した電気信号の電圧値との関係を示す検量線を作成しておくことによって、第1の分子6aと第2の分子11aが解離する時の結合力を求めることができる。
第1の分子6aと第2の分子11aとが分離(解離)する時、Fbindは下記の式(3)により表すことができる。
Figure 2023135972000003
式(3)において、xは第1の分子6aと第2の分子11aの結合が切れて粒子5が基板10の試料保持面11から離脱するまでの移動距離であり、Eは第1の分子6aと第2の分子11aの結合エネルギーである。
第1の分子6aと第2の分子11aの結合が切れて複合体が第1の分子6aと第2の分子11aに分離(解離)する時の解離定数Kは、以下の式(4)により表すことができる。
Figure 2023135972000004
式(4)において、ΔEは第1の分子6aと第2の分子11aの分離(解離)前後の結合エネルギー変化であり、Rは気体定数であり、Tは媒質17の温度である。
式(3)と式(4)とから、解離定数Kは、粒子5の第1の分子6aと試料保持面11の第2の分子11aの結合力Fbindの関数であることがわかる。
また、第1の分子6aと第2の分子11aとが分離(解離)する時、Fbind=Fac+Fsedとなるため、超音波トランスデューサー20に印加される電気信号の電圧値Vは、結合力Fbindを用いて以下の式で表すことができる。
Figure 2023135972000005
式(5)ないし式(7)中の記号の意味は既に記載したとおりである。
以上より、解離定数Kは、超音波トランスデューサー20に印加される電気信号の電圧値の関数であることがわかる。
粒子5に働く音響放射力Facと沈降力Fsedの合成力Ftotalが、マイクロ粒子6の第1の分子6aと試料保持面11の第2の分子11aとの結合力Fbindよりも大きくなる(Ftotal=Fac+Fsed>Fbind)と、第1の分子6aと第2の分子11aとの結合が切れて、粒子5が基板10の試料保持面11から離脱する。すなわち、超音波トランスデューサー20に印加される電気信号の電圧値Vを徐々に大きくして、平均超音波エネルギーを増加させることによって、ある電圧値で粒子5が基板10の試料保持面11から離脱するようになる。よって、例えば、予め解離定数が既知の第1の分子と第2の分子の組合せを用いて、解離定数Kと、その粒子が基板10の試料保持面11から離脱したときの超音波トランスデューサー20に印加した電気信号の電圧値Vとの関係を示す検量線を作成しておくことによって、分析対象の第1の分子6aと第2の分子11aの解離定数を求めることができる。
なお、図1に示した本実施形態の分析装置100では、基板10の試料保持面11が基板10の下面とされていて、粒子5をぶら下げた形で保持するようにされている。また、超音波トランスデューサー20は、基板ホルダーを介して、粒子と対向する位置に配置されている。試料保持面11及び超音波トランスデューサー20の配置はこれに限定されるものではない。例えば、試料保持面11は基板10の上面とされていてもよい。また、超音波トランスデューサー20は基板10を介して粒子と対向する位置に配置されていてもよい。
図3は、本発明の別の一実施形態に係る分析装置において基板から測定対象物の粒子が離脱する状態を示す概念図である。図3に示す分析装置では、超音波トランスデューサー20の上に基板10が配置され、試料保持面11が基板の上面とされている。すなわち、超音波トランスデューサー20は基板10を介して粒子5と対向する位置に配置されている。
図3に示す分析装置101では、粒子5は、粒子5に働く音響放射力Facと沈降力Fsedの合成力Ftotalが第1の分子6aと第2の分子11aの結合力Fbindよりも大きくなることによって基板10の試料保持面11から離脱して、上方にある超音波の定在波の節2に移動する。すなわち、結合力が大きな第1の分子6aと第2の分子11aの結合によって保持されている粒子5を試料保持面11から離脱させるのに必要な超音波トランスデューサー20に印加する電気信号の電圧値Vと比較して、結合力が小さい第1の分子6aと第2の分子11aの結合によって保持されている粒子5を試料保持面11から離脱させるのに必要な超音波トランスデューサー20に印加する電気信号の電圧値Vは低くなる(V<V)。
なお、第1の分子6aと第2の分子11aが分離(解離)する時のFbind=Ftotal=Fac+Fsedであるが、上述したとおり、粒子5の半径r及び媒質17の密度ρ、ρ´が既知である場合、Fsedは定数となる。このとき、FtotalFacに依存し、Fbindは、第1の分子6aと第2の分子11aが分離(解離)する時の粒子5に働く音響放射力Facに依存する。
また、粒子5(マイクロ粒子6)の半径r及び媒質17の密度ρ、ρ´が既知であるという条件の下、本実施形態の分析装置100及び101は、粒子5に付与した音響放射力Fac又は超音波トランスデューサー20に印加した電気信号の電圧値Vから、粒子5の結合エネルギー(第1の分子6aと第2の分子11aの結合エネルギー)Eを測定するように構成されていてもよい。この場合、算出部(不図示)において粒子5の結合力Fbindを算出する。
また、粒子5(マイクロ粒子6)の半径r及び媒質17の密度ρ、ρ´が既知であるという条件の下、本実施形態の分析装置100及び101は、粒子5に付与した音響放射力Fac又は超音波トランスデューサー20に印加した電気信号の電圧値Vから、第1の分子6aと第2の分子11aの解離定数Kを測定するように構成されていてもよい。この場合、算出部(不図示)において第1の分子6aと第2の分子11aの解離定数Kを算出する。
この場合において、本実施形態の分析装置100及び101は、測定された解離定数に基づいて、第1の分子6a及び/又は第2の分子11aの種類を同定する同定部(不図示)を備えていてもよい。前記同定部は、例えば、入力された解離定数Kに適合する第1の分子6aと第2の分子11aの組合せを出力するように構成されている。
さらに、本実施形態の分析装置100及び101は、第1の分子6a及び第2の分子11aの少なくとも一方が2種以上の分子である夾雑系であってもよい。この場合、第1の分子6aと第2の分子11aのそれぞれの組合せの解離定数を計測するように構成されてもよい。
以下では実施例によって本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は後述する実施例に限定されるものではない。
[実験例1]
<超音波トランスデューサーに印加した電気信号の電圧値と粒子の浮揚率との関係>
(1)基板の作製
ガラス基板への第1の分子(イブプロフェン(IB))による修飾は、ガラス基板をエポキシ基含有シランで修飾し、次いで、エポキシ基の開環反応を利用して、エポキシ基含有シランとイブプロフェンのアミノ基とを結合させることによって行った。
まず、ガラス基板をシランカップリング剤(3-グリシジルプロピルトリエトキシシラン)で1時間の表面処理することによって、ガラス基板をエポキシ基含有シランで修飾した。エポキシ基はpHが9付近で水素基と反応するため、エポキシ基含有シランで修飾したガラス基板の表面に、ホウ酸緩衝液30mL(pH9.18)とイブプロフェンとを加えて、4時間反応させ、第1の分子(イブプロフェン)で表面を修飾したガラス基板を作製した。
(2)ポリスチレンマイクロ粒子の作製
ポリスチレンマイクロ粒子への第2の分子(ウシ血清アルブミン(BSA))による修飾は、EDC/NHS反応によって行った。
まず、2-モルホリノエタンスルホン酸(MES)バッファー(10mM、pH=5.5)に、1-エチル-3-(-3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)とN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)とを投入し、混合した。こうして、EDC濃度が30mg/mLで、NHS濃度が36mg/mLのEDC/NHS溶液を調製した。次いで、このEDC/NHS溶液100μLとカルボキシル基修飾ポリスチレンマイクロ粒子100μL(1.4×10個、ポリスチレンマイクロ粒子の平均粒子径:15μm)とを混合して、カルボキシル基修飾ポリスチレンマイクロ粒子表面上のカルボキシル基を活性化させ、BSAの塩基性残基由来のアミノ基を結合できるようにした。活性化させたカルボキシル基修飾ポリスチレンマイクロ粒子を水で1回洗浄し、未反応のEDC/NHS溶液を取り除いてカルボキシル基修飾ポリスチレンマイクロ粒子の水性分散液を得た。次いで、カルボキシル基修飾ポリスチレンマイクロ粒子の水性分散液にBSAの2nmolを投入して、4時間反応させて、第2の分子(BSA)で表面を修飾したポリスチレンマイクロ粒子を作製した。
(3)分析用基板の作製
第1の分子(IB)で表面を修飾したガラス基板の表面に、第2の分子(BSA)で修飾したポリスチレンマイクロ粒子分散液10μL(1.4×10個)を滴下した。その後、4時間静置して、第2の分子で表面を修飾したポリスチレンマイクロ粒子を自然沈降させた。こうして、第2の分子で表面を修飾したポリスチレンマイクロ粒子の第2の分子(BSA)と第1の分子で表面を修飾したガラス基板の第1の分子(IB)とを相互作用させることによって、ガラス基板にIBとBSAの結合を介したポリスチレンマイクロ粒子を保持させた。得られたガラス基板を分析用基板No.1とした。
また、第1の分子をマンナン(Man)、第2の分子をコンカナバリンA(CoA)とした分析用基板No.2を、第1の分子をグリコーゲン(Gly)、第2の分子をコンカナバリン(CoA)とした分析用基板No.3を、それぞれ作製した。分析用基板No.2及びNo.3の作製方法は、分析用基板No.1と同様の工程である。第2の分子をコンカナバリンとしたポリスチレン粒子10μL(1.4×10個)を、第1の分子をマンナンとして作成したガラス基板、グリコーゲンとして作製したガラス基板にそれぞれ投入して、4時間反応させて、分析用基板No.2及び3を作製した。
(4)ポリスチレンマイクロ粒子の離脱試験
ポリスチレンマイクロ粒子の離脱試験は、図1に示す分析装置を用いて実施した。
分析用基板を、第2の分子で表面を修飾したポリスチレンマイクロ粒子を保持させた面(試料保持面)が下を向くように基板ホルダーの上に配置した。基板ホルダーの溝部をホウ酸緩衝液で満たした後、分析装置の電圧調整器にて生成させた1MHzの正弦波電圧を超音波トランスデューサーに印加して、音響放射力を発生させ、ポリスチレンマイクロ粒子に音響放射力を付与した。音響放射力の付与中、顕微鏡を用いてガラス基板に保持されているポリスチレンマイクロ粒子を観察し、ガラス基板に保持されているポリスチレンマイクロ粒子の個数を計測した。超音波トランスデューサーに印加する正弦波電圧の電圧値は、電圧調整器を用いて1分間の間隔で1Vずつ上昇させた。
分析用基板No.1の試験結果を、図4に示す。図4は、超音波トランスデューサーに印加した電気信号の電圧値(横軸)と、ガラス基板から離脱したポリスチレンマイクロ粒子の割合(浮揚率;縦軸)との関係を示すグラフである。
図4のグラフの縦軸の浮揚率は、以下の式(i)により算出した値である。
浮揚率(%)=(1-N/N)×100 (i)
式(i)において、Nは、超音波トランスデューサーに電圧を印加したときに、第1の分子と第2の分子が解離せずにガラス基板に保持されているポリスチレンマイクロ粒子の個数を表す。Nは、超音波トランスデューサーに電圧を印加したときに、第1の分子と第2の分子が解離せずにガラス基板に保持されているポリスチレンマイクロ粒子の個数を表す。浮揚率は、第1の分子と第2の分子の結合が解離しガラス基板から離脱したポリスチレンマイクロ粒子の割合を表す。すなわち、浮揚率が大きいことは、ガラス基板から離脱したポリスチレンマイクロ粒子の割合が大きいことを意味する。
図4のグラフから、超音波トランスデューサーへの印加電圧値の上昇に伴って、浮揚率が大きくなること、すなわち、ガラス基板から離脱したポリスチレンマイクロ粒子が増加することがわかる。これは、超音波トランスデューサーへの印加電圧値を大きくすることによって、音響放射力Facが増大し、第1の分子と第2の分子の分子間の結合エネルギーを超えるとポリスチレンマイクロ粒子が超音波の定在波の節に向かって浮揚するためである。結合エネルギー分布や粒度分布に広がりを持つため、超音波トランスデューサーへの印加電圧に対する粒子の浮揚率の関係はガウス関数で表される。
図5は、分析用基板No.1~3の超音波トランスデューサーに印加した電気信号の電圧値(横軸)と、ガラス基板から離脱したポリスチレンマイクロ粒子の割合(DP;縦軸)との関係を示すグラフである。
図5のグラフから、第1の分子と第2の分子の種類によって分子間の結合エネルギーが大きくなるに伴って、浮揚率が超音波トランスデューサーへの印加電圧が高電圧で大きくなることがわかる。
[実験例2]
(1)ガラス基板の作製
DNA修飾ガラス基板の作製は、実験例1に対して、ガラス基板上にアミノ基修飾DNA(3塩基~7塩基)を加える点が異なっており、それ以外は同様である。エポキシ基含有シランとアミノ基修飾DNA(3塩基~7塩基)のアミノ基とを結合させることによって行った。
(2)ポリスチレンマイクロ粒子の作製
DNA修飾ポリスチレンマイクロ粒子の作製は、実験例1に対して、カルボキシル基修飾シリカマイクロ粒子の水性分散液にアミノ基修飾DNA(3塩基~7塩基)を投入する点が異なっており、それ以外は同様である。カルボキシル基修飾ポリスチレンマイクロ粒子表面上のカルボキシル基を活性化させ、アミノ基修飾DNA(3塩基~7塩基)を結合させることによって行った。
(3)分析用基板の作製
DNA修飾シリカマイクロ粒子付きガラス基板の作製は、実験例1に対して、ガラス基板の表面に滴下する分散液が、DNA修飾ポリスチレンマイクロ粒子分散液である点が異なっており、それ以外は同様である。DNA修飾ポリスチレンマイクロ粒子のDNAとDNA修飾ガラス基板のDNAとを相互作用させることによって、ガラス基板にDNA修飾ポリスチレンマイクロ粒子を保持させた。修飾したDNAの塩基数が異なるガラス基板を分析基板として作製し、それぞれ、3塩基を分析用基板No.4、4塩基を分析用基板No.5、5塩基を分析用基板No.6、6塩基を分析用基板No.7、7塩基を分析用基板No.8とした。
(4)ポリスチレンマイクロ粒子の離脱試験
ポリスチレンマイクロ粒子の離脱試験は、実験例1と同様である。
図6は、第1の分子及び第2の分子のそれぞれにDNA(3塩基~7塩基)を用いたDNA修飾ポリスチレンマイクロ粒子が、2本鎖DNAが解離して1本鎖DNAに分解したことにより、基板から離脱した時の超音波トランスデューサーの印加電圧値(横軸)と、浮揚率(DP;縦軸)の関係を表すグラフである。DNAの塩基数が増加することで結合が解離してポリスチレン粒子が離脱するときの超音波トランスデューサーへの印加電圧が大きくなることがわかる。
図7は、1の分子及び第2の分子のそれぞれにDNA(3塩基~7塩基)を用いたDNA修飾ポリスチレンマイクロ粒子が、2本鎖DNAが解離して1本鎖DNAに分解したことにより、基板から離脱したポリスチレンマイクロ粒子の個数が50個%になった時の超音波トランスデューサーの印加電圧値(V50;横軸)と解離定数の理論値(logK;縦軸)の関係を表すグラフである。解離定数の理論値は、3塩基~7塩基の各DNAのギプス自由エネルギーを数式(4)の関係から算出したものである。各塩基配列のギプス自由エネルギーの値は、例えば、Intefrated DNA Technology社が公開する計算アルゴリズムから入手することができる(https://sg.idtdna.com/pages)。図7のグラフから、超音波トランスデューサーの印加電圧値に対する解離定数の対数値は、線形の相関を示すことがわかる。この相関関係のグラフを検量線として用いることができる。
[実施例1]
実験例1で作製した分析用基板No.1~No.3について、ポリスチレンマイクロ粒子の浮揚率が50個%となったときの超音波トランスデューサーの電気信号の印加電圧(V50)、上述した数式(1)で示されるFac、及び図7の検量線から算出された解離定数Kを示す。
Figure 2023135972000006
[実施例2]
実験例2で作製した分析用基板No.4~No.8について、ポリスチレンマイクロ粒子の浮揚率が50個%となったときの超音波トランスデューサーの電気信号の印加電圧(V50)、上述した数式(1)で示されるFac、自由結合エネルギーの文献値ΔG及び図7の検量線から算出された解離定数Kを示す。
Figure 2023135972000007
[実験例3]
3塩基のDNA修飾ポリスチレンマイクロ粒子と7塩基のDNA修飾ポリスチレンマイクロ粒子とをガラス基板の保持させた夾雑系の分析用基板を作製し、実験例2と同様の計測を実施した。
図8は、超音波トランスデューサーの印加電圧値(横軸)と、ガラス基板から離脱したDNA修飾ポリスチレンマイクロ粒子の割合(縦軸)との関係を表したグラフである。図8のグラフから、結合エネルギーが小さい3塩基のDNA修飾ポリスチレンマイクロ粒子がまず離脱し、その後印加電圧が大きくなると結合エネルギーが小さい7塩基のDNA修飾ポリスチレンマイクロ粒子が離脱することがわかる。
図9に、図8のグラフをガウス関数でフィッティングしたグラフを示す。図9のグラフから、3塩基のDNA修飾ポリスチレン粒子が離脱するときのトランスデューサー印加電圧と、7塩基のDNA修飾ポリスチレン粒子が離脱するときのトランスデューサー印加電圧を切り分けることができる。つまり、本装置は第1の分子及び第2の分子がそれぞれ複数種類含まれる試料においても分子複合体が解離する現象を電圧値の差で判別することができ、夾雑系の生体分子の結合力や解離定数を計測することができる。
本発明の分析装置は、従来の表面プラズモン共鳴を用いた手法とは異なった音響放射力を利用して、分子複合体の解離定数を、短時間な測定時間で計測すること、及び夾雑物の中の複数の結合の判別をすることができるため、創薬分野においてより効率的な作用を示す化学合成品を創出することに貢献する。
1 定在波
2 節
5 粒子
6 マイクロ粒子
6a 第1の分子
10 基板
11 試料保持面
11a 第2の分子
15 基板ホルダー
16 溝部
17 媒質
20 超音波トランスデューサー
30 電圧調整器
40 電源
50 出力部
60 粒子個数計測部
61 顕微鏡
62 計測器
100、101 分析装置

Claims (8)

  1. 第1の分子と第2の分子が結合してなる試料の解離定数を測定するための測定装置であって、
    前記第1の分子で修飾された表面を有する粒子と、
    前記第2の分子で修飾され、前記第1の分子と前記第2の分子が結合することによって前記粒子が保持される試料保持面を有する基板と、
    前記粒子に音響放射力を付与する超音波トランスデューサーと、
    前記超音波トランスデューサーに印加する電気信号の電圧値を調整する電圧調整器と、
    前記粒子が音響放射力を受けることによって前記第1の分子と前記第2の分子が解離することによって前記基板の前記試料保持面から離脱した時の前記粒子に付与した音響放射力又は前記超音波トランスデューサーに印加した電気信号の電圧値を出力する出力部と、を備える、分析装置。
  2. さらに、前記基板の前記試料保持面に保持されている前記粒子の個数を計測する粒子個数計測部を備え、
    前記出力部は、前記基板の前記試料保持面に保持させた粒子のうちの50個%以上の粒子が音響放射力を受けることによって前記基板の前記試料保持面から離脱した時の前記粒子に付与した音響放射力又は前記超音波トランスデューサーに印加した電気信号の電圧値を出力する、請求項1に記載の分析装置。
  3. さらに、前記粒子に付与した音響放射力又は前記超音波トランスデューサーに印加した電気信号の電圧値に基づいて、前記粒子の結合エネルギーを算出する算出部を備える、請求項1又は2に記載の分析装置。
  4. さらに、前記粒子に付与した音響放射力又は前記超音波トランスデューサーに印加した電気信号の電圧値と、前記粒子の結合エネルギーとに基づいて、前記第1の分子と前記第2の分子の結合力を算出する算出部を備える、請求項1又は2に記載の分析装置。
  5. さらに、前記粒子に付与した音響放射力又は前記超音波トランスデューサーに印加した電気信号の電圧値と、前記粒子の結合エネルギーとに基づいて、前記第1の分子と前記第2の分子の解離定数を算出する算出部を備える、請求項1又は2に記載の分析装置。
  6. さらに、前記解離定数に基づいて、前記第1の分子及び/又は前記第2の分子の種類を同定する同定部を備える、請求項5に記載の分析装置。
  7. 前記第1の分子及び前記第2の分子の少なくとも一方は2種以上の分子である、請求項6に記載の分析装置。
  8. 前記粒子がポリスチレン粒子であり、前記第1の分子及び前記第2の分子がそれぞれ独立にDNA、タンパク質及び低分子化合物からなる群から選択されるいずれか1種である、請求項6又は7に記載の分析装置。
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