JP2023135868A - 液体付与装置、電極製造装置、積層セパレータ製造装置、電気化学素子製造装置、液体付与方法、電極製造方法、積層セパレータ製造方法、および電気化学素子製造方法 - Google Patents

液体付与装置、電極製造装置、積層セパレータ製造装置、電気化学素子製造装置、液体付与方法、電極製造方法、積層セパレータ製造方法、および電気化学素子製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ウェブWに付与されるインクの品質が低下することが低減する。【解決手段】電極製造装置100は、ウェブWにインクを付与するインク吐出部30と、ウェブWに付与されたインクを加熱するヒータ50と、インク吐出部30とヒータ50の間で、インク吐出部30からヒータ50への気体の流入、およびヒータ50からインク吐出部30への気体の流入を抑制する硬化部4を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、液体付与装置、電極製造装置、積層セパレータ製造装置、電気化学素子製造装置、液体付与方法、電極製造方法、積層セパレータ製造方法、および電気化学素子製造方法に関する。
特許文献1には、記録媒体5を搬送させるための搬送手段3と、前記搬送手段により搬送されてくる記録媒体上に活性光線硬化型インクを吐出する記録ヘッド6と、前記記録ヘッド6により前記記録媒体5上に吐出された活性光線硬化型インクに活性光線を照射する活性光線照射装置8と、前記活性光線照射装置直前に気体を吹き付ける装置7と、を備える記録装置が記載されている。
特開2012‐157985号公報
本発明は、基材に液体組成物が付与されることで形成された液体付与物の品質低下を低減することを課題とする。
本発明の請求項1に係る液体付与装置は、基材に液体組成物を付与する付与部と、基材に付与された液体組成物を加熱する加熱部と、付与部と加熱部の間に配置され、付与部から加熱部への気体の流入、および加熱部から付与部への気体の流入を抑制するバッファ部と、を備える。
本発明の請求項1によれば、基材に液体組成物が付与されることで形成された液体付与物の品質低下を低減することができる。
本発明の実施形態に係る電極製造装置の全体構成図である。 本実施形態に係る電極素子の断面図である。 本実施形態の変形例に係る電極製造装置の説明図である。 本実施形態の第2の変形例に係る電極製造装置の説明図である。 本実施形態の第3の変形例に係る電極製造装置の説明図である。 本実施形態の第4の変形例に係る電極製造装置の説明図である。 本実施形態の第5の変形例に係る電極製造装置の説明図である。 本実施形態の第6の変形例に係る電極製造装置の説明図である。
図1は、本発明の実施形態に係る電極製造装置の全体構成図である。電極製造装置100は、基材の一例である電極素子の表面に液体組成物を付与して機能層を形成することにより、一次電池、二次電池、又はキャパシタ等の電気化学素子に含まれる電極を製造する装置であり、液体付与装置の一例であり、電気化学素子製造装置に含まれる電極製造装置の一例でもある。なお、電極素子および薄膜、機能層の詳細については後述する。
電極製造装置100は、巻出部1、塗布部3、硬化部4、乾燥部5、巻取部6、制御部7を備える。
電極素子の一例であるウェブWは、搬送方向20に沿って連続しており、電極製造装置100は、巻出部1と巻取部6の間の搬送経路に沿ってウェブWを搬送する。またウェブWの搬送方向20に沿う長さは、少なくとも巻出部1と巻取部6の間の搬送経路より長い。電極製造装置100は、搬送方向20に沿って連続するウェブWに対し、連続または断続して機能層を形成できるようになっている。
電極製造装置100は、ウェブWを搬送方向20に沿って搬送しながら、塗布部3により液体組成物の一例であるインクをウェブW上に塗布する。電極製造装置100は、ウェブW上に塗布されたインクに対し、硬化部4により紫外線を照射して硬化させ、乾燥部5により温風を吹き送って乾燥させることで、ウェブW上に機能層を形成する。
巻出部1は、ウェブWが巻かれた状態で回転可能な巻出ロール11と、巻出ロール11から搬送方向20で巻出されたウェブWを塗布部3へ搬送するガイドローラ110と、ウェブWを搬出する出口開口部102が形成された筐体と、を備える。
塗布部3は、巻出部1から送り出されるウェブWを搬入する入口開口部301、および硬化部4へウェブWを搬出する出口開口部302が形成された筐体と、ウェブWの搬送方向20に沿って配置され、インクを被塗布材2上に塗布するインク吐出部30a、30b、30c及び30dと、空気を吸引して筐体内部を負圧にする吸気部300と、を備える。インク吐出部30a、30b、30c及び30dは、基材にインクを付与する付与部の一例である。
なお、インク吐出部30a、30b、30c及び30dは同じ構成であるため、特に区別しない場合は、インク吐出部30と総称表記する。また本実施形態では、インク吐出部30a、30b、30c及び30dは同じ種類のインクを吐出する。
インク吐出部30は、複数のノズルが配列された複数のノズル列を有する。塗布部3は、ノズルから吐出されるインクの吐出方向がウェブWに向くようにインク吐出部30を設けている。インク吐出部30a、30b、30c及び30dのそれぞれは、駆動波形に基づき、インクを吐出可能である。
硬化部4は、バッファ部の一例であり、塗布部3から送り出されるウェブWを搬入する入口開口部401、および乾燥部5へウェブWを搬出する出口開口部402が形成された筐体と、硬化手段の一例である光源40a及び40bと、空気又は不活性ガスを送気して筐体内部を正圧にする送気部400と、を有する。なお、光源40a及び40bを区別しないときは光源40と総称する。光源40は、ウェブW上に塗布されたインクに紫外線を照射して、インク層を樹脂層に硬化させる硬化機能を有する。
なお、本実施形態において正圧とは本実施形態に係る電極製造装置が用いられる環境下における大気圧よりも大きい気圧を表し、負圧とは本実施形態に係る電極製造装置が用いられる環境下における大気圧よりも小きい気圧を表す。
大気中に含まれる酸素により、インク層を樹脂層に硬化させることが阻害される場合は、送気部400が大気よりも酸素濃度の低い気体、例えば不活性ガスを送気することにより、インク層を樹脂層に硬化させることが阻害されない。
光源40としては、例えば、低、中、高圧水銀ランプのような水銀ランプ、タングステンランプ、アーク灯、エキシマランプ、エキシマレーザ、半導体レーザ、高出力UV-LED、YAGレーザ、レーザと非線形光学結晶とを組み合わせたレーザシステム、高周波誘起紫外線発生装置、EBキュア等の電子線照射装置、X線照射装置等を使用することができる。なかでも、システムを簡便化できる上から、高周波誘起紫外線発生装置、高・低圧水銀ランプや半導体レーザ等を使用することが好ましい。また、光源40に集光用ミラーや走引光学系を設けてもよい。
乾燥部5は、硬化部4から送り出されるウェブWを搬入する入口開口部501、および巻取部6へウェブWを搬出する出口開口部502が形成された筐体と、加熱部の一例であるヒータ50a、50b及び50cと、空気を吸引して筐体内部を負圧にする吸気部500と、を有する。
なお、ヒータ50a、50b及び50cを区別しないときはヒータ50と総称する。ヒータ50は、ウェブW上に形成されたインクを加熱してインク中の残溶媒を乾燥させ、インクの硬化を促進したり乾燥させたりする硬化又は乾燥手段或いは加熱又は加熱機構としての機能を有する。
ヒータ50としては、例えば、赤外ランプ、発熱体を内蔵したローラ(熱ローラ)、温風又は熱風を吹き出すブロワ、水蒸気などを用いたボイラー型熱風を導入した炉などを使用することができる。
巻取部6は、乾燥部5から送り出されるウェブWを搬入する入口開口部601が形成された筐体と、乾燥部5から送り出されるウェブWを搬送する複数のガイドローラ110と、ガイドローラ110から送り出されるウェブWを巻き取る巻取ロール61を備える。
本実施形態では、巻出ロール11、複数のガイドローラ110、および巻取ロール61により、搬送部が構成される。
制御部7は、電極製造装置100の全体を制御する制御装置であって、本実施形態では、特に、負圧部の一例である吸気部300、正圧部の一例である送気部400、および負圧部の一例である吸気部500を制御する。なお、制御部7が配置される位置に特段の制限はなく、適宜決定できる。
以上の構成において、インク吐出部30から付与されたインクのミストがヒータ50に付着することに起因して、インクの乾燥性能が悪化したり、付着したインクがウェブWに落下したりして、ウェブWに付与されたインクの品質が低下するおそれがあった。
また、ヒータ50の熱によりインク吐出部30が加熱されることに起因して、インクが乾燥して不吐出になったり、温度分布のバラツキによりインク量がばらついたりして、ウェブWに付与されるインクの品質が低下するおそれがあった。
そこで、本実施形態では、インク吐出部30とヒータ50の間に、硬化部4をバッファ部として設けることにより、インク吐出部30とヒータ50の間の距離を長くして、インク吐出部30からヒータ50への気体の流入、およびヒータ50からインク吐出部30への気体の流入を抑制する。
さらに、インク吐出部30は出口開口部302が形成された塗布部3の筐体内に設けられ、ヒータ50は入口開口部501が形成された筐体の一例である乾燥部5内に設けられ、搬送部は、出口開口部302および入口開口部501を介して、インク吐出部30からヒータ50へウェブWを搬送する。
これにより、インク吐出部30とヒータ50は、出口開口部302と入口開口部501を介してのみ連通するため、インク吐出部30とヒータ50の間で気体が移動するのがより抑制される。
また、硬化部4を正圧にする送気部400を備えることにより、硬化部4からインク吐出部30およびヒータ50へ向かう気体の流れを生じさせて、インク吐出部30とヒータ50の間で、気体が移動するのが抑制される。
さらに、塗布部3の筐体内、特にインク吐出部30の周囲を負圧にする吸気部300と、乾燥部5の筐体内、特にヒータ50の周囲を負圧にする吸気部500を備えることにより、硬化部4からインク吐出部30およびヒータ50へ向かう気体の流れを生じさせて、インク吐出部30とヒータ50の間で、気体が移動するのが抑制される。この場合、硬化部4は、大気開放されているか正圧であることが好ましい。
図2は、本実施形態に係る電極の断面図である。
電極素子は、電気化学素子において充放電機能や絶縁機能を有する素子である。このとき電極素子は1つの機能層からなるものであってもよく、複数の機能層を有するものであってもよい。機能層としては、例えば集電体などにより形成される導電層や、活物質などにより形成される容量発現層、無機粒子膜や樹脂膜、固体電解質などにより形成される絶縁層などが挙げられる。
図2(a)は、実施例1に係る製造方法により製造された電極の断面図であり、ウェブWとして搬送される電極素子としての電極基体W10の表面に、機能層としての活物質層L20が形成された電極を示す。活物質層L20は、電極合材層の一例である。
電極基体W10の一方の面W10aにおいて、電極基体W10は、露出部W10mを除いて、活物質層L20により被覆される。露出部W10mは、一方の面W10aの法線方向から視た平面視で活物質層L20の外周部L20pの外側に沿って配置されており、環状に配置されていてもよい。電極基体W10及び活物質層L20の形状は一例であり、図2(a)の形状には限定されない。
電極基体W10の厚さは例えば5μmから20μm程度であり、活物質層L20の厚さは例えば数10μmから100μm程度である。
電極基体W10は導電性を有する基体であれば、特に制限はなく、一般に蓄電デバイスである2次電池、キャパシター、なかでもリチウムイオン2次電池に好適に用いることができる、アルミ箔、銅箔、ステンレス箔、チタニウム箔および、それらをエッチングして微細な穴を開けたエッチド箔や、リチウムイオンキャパシターに用いられる穴あき電極基体などが用いられる。
また、燃料電池のような発電デバイスで用いられるカーボンペーパー繊維状の電極を不織または織状で平面にしたものや上記穴あき電極基体のうち微細な穴を有するものも使用できる。
更に、太陽光デバイスの場合、上記電極に加えてガラスやプラスチックスなどの平面基体上に、インジウム・チタン系の酸化物や亜鉛酸化物のような、透明な半導体薄膜を形成したものや、導電性電極膜を薄く蒸着したものを用いることができる。
活物質としては、電気化学素子に適用することが可能な正極活物質又は負極活物質を用いることができる。
正極活物質としては、アルカリ金属イオンを可逆的に吸蔵及び放出することが可能であれば、特に制限はないが、アルカリ金属含有遷移金属化合物を用いることができる。
アルカリ金属含有遷移金属化合物としては、例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄及びバナジウムからなる群より選択される一種以上の元素とリチウムとを含む複合酸化物等のリチウム含有遷移金属化合物が挙げられる。
リチウム含有遷移金属化合物としては、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム等が挙げられる。
アルカリ金属含有遷移金属化合物としては、結晶構造中にXO4四面体(X=P、S、As、Mo、W、Si等)を有するポリアニオン系化合物も用いることができる。 これらの中でも、サイクル特性の点で、リン酸鉄リチウム、リン酸バナジウムリチウム等のリチウム含有遷移金属リン酸化合物が好ましく、リチウム拡散係数、電気化学素子の入出力特性の点で、リン酸バナジウムリチウムが特に好ましい。
なお、ポリアニオン系化合物は、電子伝導性の点で、炭素材料等の導電助剤により表面が被覆されて複合化されていることが好ましい。
負極活物質としては、アルカリ金属イオンを可逆的に吸蔵及び放出することが可能であれば、特に制限はないが、黒鉛型結晶構造を有するグラファイトを含む炭素材料を用いることができる。
炭素材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)等が挙げられる。
炭素材料以外の負極活物質としては、例えば、チタン酸リチウム、酸化チタン等が挙げられる。
また、電気化学素子のエネルギー密度の点から、負極活物質として、シリコン、スズ、シリコン合金、スズ合金、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化スズ等の高容量材料を用いることが好ましい。
分散媒としては、活物質を分散させることが可能であれば、特に制限はないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、N-メチル-2-ピロリドン、シクロヘキサノン、酢酸エステル、メシチレン、2-n-ブトキシメタノール、2-ジメチルエタノール、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、乳酸エステル、テトラメチルウレア、アニソール、ジブチルエーテル、1,2-ジエトキシエタン等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
図2(b)は、実施例2に係る製造方法により製造された電極の断面図であり、ウェブWとして搬送される電極素子としての、電極基体W10と活物質層W20との積層体における活物質層W20の表面に、インクを吐出することにより機能層としての絶縁層L30が形成された電極を示す。活物質層W20は、電極合材層の一例である。
電極基体W10の一方の面W10aにおいて、活物質層W20は絶縁層L30により露出すること無く全体を被覆され、電極基体W10は、露出部W10nを除いて、絶縁層L30により被覆される。露出部W10nは、一方の面W10aの法線方向から視た平面視で絶縁層L30の外周部L30pの外側に沿って、配置されており、環状に配置されていてもよい。電極基体W10、活物質層W20および絶縁層L30の形状は一例であり、図2(b)の形状には限定されない。
また、電極基体W10と活物質層W20を含む電極素子としてのウェブWは、活物質層W20の密度を上げるためにプレス加工された後に搬送される場合がある。
電極基体W10の厚さは例えば5μmから20μm程度であり、活物質層W20の厚さは例えば数10μmから100μm程度であり、絶縁層L30の厚さは例えば0.5μmから20μm程度、好ましくは1~7μm程度である。
電極基体W10は導電性を有する基体であれば、特に制限はなく、一般に蓄電デバイスである2次電池、キャパシター、なかでもリチウムイオン2次電池に好適に用いることができる、アルミ箔、銅箔、ステンレス箔、チタニウム箔および、それらをエッチングして微細な穴を開けたエッチド箔や、リチウムイオンキャパシターに用いられる穴あき電極基体などが用いられる。
また、燃料電池のような発電デバイスで用いられるカーボンペーパー繊維状の電極を不織または織状で平面にしたものや上記穴あき電極基体のうち微細な穴を有するものも使用できる。
更に、太陽光デバイスの場合、上記電極に加えてガラスやプラスチックスなどの平面基体上に、インジウム・チタン系の酸化物や亜鉛酸化物のような、透明な半導体薄膜を形成したものや、導電性電極膜を薄く蒸着したものを用いることができる。
また、活物質層W20は、活物質を含む。活物質としては、電気化学素子に適用することが可能な正極活物質又は負極活物質を用いることができる。
正極活物質としては、アルカリ金属イオンを可逆的に吸蔵及び放出することが可能であれば、特に制限はないが、アルカリ金属含有遷移金属化合物を用いることができる。
アルカリ金属含有遷移金属化合物としては、例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄及びバナジウムからなる群より選択される一種以上の元素とリチウムとを含む複合酸化物等のリチウム含有遷移金属化合物が挙げられる。
リチウム含有遷移金属化合物としては、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム等が挙げられる。
アルカリ金属含有遷移金属化合物としては、結晶構造中にXO4四面体(X=P、S、As、Mo、W、Si等)を有するポリアニオン系化合物も用いることができる。 これらの中でも、サイクル特性の点で、リン酸鉄リチウム、リン酸バナジウムリチウム等のリチウム含有遷移金属リン酸化合物が好ましく、リチウム拡散係数、電気化学素子の入出力特性の点で、リン酸バナジウムリチウムが特に好ましい。
なお、ポリアニオン系化合物は、電子伝導性の点で、炭素材料等の導電助剤により表面が被覆されて複合化されていることが好ましい。
負極活物質としては、アルカリ金属イオンを可逆的に吸蔵及び放出することが可能であれば、特に制限はないが、黒鉛型結晶構造を有するグラファイトを含む炭素材料を用いることができる。
炭素材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)等が挙げられる。
炭素材料以外の負極活物質としては、例えば、チタン酸リチウム、酸化チタン等が挙げられる。
また、電気化学素子のエネルギー密度の点から、負極活物質として、シリコン、スズ、シリコン合金、スズ合金、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化スズ等の高容量材料を用いることが好ましい。
分散媒としては、活物質を分散させることが可能であれば、特に制限はないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、N-メチル-2-ピロリドン、シクロヘキサノン、酢酸エステル、メシチレン、2-n-ブトキシメタノール、2-ジメチルエタノール、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、乳酸エステル、テトラメチルウレア、アニソール、ジブチルエーテル、1,2-ジエトキシエタン等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
また、絶縁層L30を形成するためのインクの成分は絶縁層として無機層を形成する場合は無機粒子と分散媒と、を含み、絶縁層として樹脂層を形成する場合は重合性化合物と溶媒とを含む。
<無機層形成用液体組成物>
無機粒子としては、絶縁性無機粒子であることが好ましく、例えば、金属酸化物、金属窒化物、その他の金属化合物を材料とする粒子が挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、Al2O3、TiO2、BaTiO3、ZrO2等が挙げられる。
金属窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等が挙げられる。その他の金属化合物としては、例えば、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウム等の難溶性のイオン結晶、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイト等の鉱物資源由来物質又はそれらの人造物等が挙げられる。
上記以外の絶縁性無機粒子を構成する材料としては、ガラスセラミックが挙げられる。ガラスセラミックとしては、例えば、ZnO-MgO-Al2O3-SiO2系の結晶化ガラスを用いた結晶化ガラスセラミック、BaO-Al2O3-SiO2系セラミック、Al2O3-CaO-SiO2-MgO-B2O3系セラミック等を用いた非ガラス系セラミックが挙げられる。
絶縁性無機粒子は、イオン伝導性を有する元素を含むことが好ましい。イオン伝導性を有する元素としては、例えば、ケイ素元素、アルミニウム元素、ジルコニウム元素等が挙げられる。これらのイオン伝導性を有する元素は、単独で使用してもよく、また二種以上を併用してもよい。
絶縁性無機粒子は、Al2O3(アルミナ)粒子であることが好ましい。 絶縁性無機粒子としては、アルミナの中でも、融点が高く、熱的に安定なα-アルミナを用いるのが好ましい。
分散媒は、水又は非水系分散媒を意味する。非水系分散媒としては、例えば、スチレン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトン、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール(IPA)、n-ブタノール、イソブタノール、ter-ブタノール、n-ペンタノール、n-ヘキサノール、ジアセトンアルコール、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチルピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)等が挙げられる。
なお、分散媒は単独で使用することもできるが、複数の分散媒を組み合わせて使用することもできる。
<樹脂層形成用液体組成物>
重合性化合物は、重合することにより樹脂を形成し、液体組成物中において重合した場合に多孔質樹脂を形成する。
重合性化合物により形成される樹脂は、活性エネルギー線の付与等(例えば、光の照射や熱を加えること等)で形成される網目状の構造体を有する樹脂であることが好ましく、例えば、アクリレート樹脂、メタアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ビニルエーテル樹脂、及びエン-チオール反応により形成される樹脂が好ましい。
また、反応性の高いラジカル重合を利用して構造体を形成することが容易な点から、(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物により形成される樹脂であるアクリレート樹脂、メタアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂や、ビニル基を有する重合性化合物により形成される樹脂であるビニルエステル樹脂が生産性の観点からより好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、重合性化合の組み合わせとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、柔軟性付与のため、ウレタンアクリレート樹脂を主成分として他の樹脂を混合することが好ましい。なお、本願ではアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する重合性化合物を、(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物と称する。
なお、活性エネルギー線としては、液体組成物中の重合性化合物の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されないが、例えば、紫外線、電子線、α線、β線、γ線、X線等が挙げられる。これらの中でも紫外線であることが好ましい。なお、特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。
溶媒(以降の記載において「ポロジェン」とも称する)は、重合性化合物と相溶する液体である。また、溶媒は、液体組成物中において重合性化合物が重合していく過程で重合物(樹脂)と相溶しなくなる(相分離を生じる)液体である。液体組成物中に溶媒が含まれることで、重合性化合物は、液体組成物中において重合した場合に多孔質樹脂を形成する。
また、光または熱によってラジカル又は酸を発生する化合物(後述する重合開始剤)を溶解可能であることが好ましい。溶媒は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。なお、本実施形態において、溶媒は重合性を有さない。
ポロジェンの1種単独としての沸点または2種以上を併用した場合の沸点は、常圧において、50℃以上250℃以下であることが好ましく、70℃以上200℃以下であることがより好ましい。
沸点が50℃以上であることにより、室温付近におけるポロジェンの気化が抑制されて液体組成物の取扱が容易になり、液体組成物中におけるポロジェンの含有量の制御が容易になる。
また、沸点が250℃以下であることにより、重合後のポロジェンを乾燥させる工程における時間が短縮されて、多孔質樹脂の生産性が向上する。
また、多孔質樹脂の内部に残存するポロジェンの量を抑制することができるので、多孔質樹脂を物質間の分離を行う物質分離層や反応場としての反応層などの機能層として利用する場合に品質が向上する。
また、ポロジェンの1種単独としての沸点または2種以上を併用した場合の沸点は、常圧において、120℃以上であることが好ましい。
ポロジェンとしては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエチレングリコール類、γブチロラクトン、炭酸プロピレン等のエステル類、NNジメチルアセトアミド等のアミド類等を挙げることができる。また、テトラデカン酸メチル、デカン酸メチル、ミリスチン酸メチル、テトラデカン等の比較的分子量の大きな液体も挙げることができる。
また、アセトン、2-エチルヘキサノール、1-ブロモナフタレン等の液体も挙げることができる。
なお、本実施形態では、上記の例示された液体であれば常にポロジェンに該当するわけではない。
本実施形態におけるポロジェンとは、上記の通り、重合性化合物と相溶する液体であって、且つ液体組成物中において重合性化合物が重合していく過程で重合物(樹脂)と相溶しなくなる(相分離を生じる)液体である。
言い換えると、ある液体がポロジェンに該当するか否かは、重合性化合物および重合物(重合性化合物が重合することにより形成される樹脂)との関係で決まる。
また、本実施形態の液体組成物は、重合性化合物との間で上記の特定の関係を有するポロジェンを少なくとも1種類含有していればいいため、液体組成物作製時の材料選択の幅が広がり、液体組成物の設計が容易になる。
液体組成物作製時の材料選択の幅が広がることで、多孔質構造の形成以外の観点で液体組成物に求められる特性がある場合に、対応の幅が広がる。
例えば、液体組成物をインクジェット方式で吐出する場合、多孔質形成以外の観点として、吐出安定性等を有する液体組成物であることが求められるが、材料選択の幅が広いため、液体組成物の設計が容易になる。
なお、本実施形態の液体組成物は、上記の通り、重合性化合物との間で上記の特定の関係を有するポロジェンを少なくとも1種類含有していればいいため、重合性化合物との間で上記の特定の関係を有さない液体(ポロジェンではない液体)を追加的に含有していてもよい。
図1で説明したように、ウェブWに付与されるインクの品質が低下すると、図2に示した電極においては、形成された電極合材層にムラが生じ、電気化学素子としたときの充放電特性に影響を与えることや、更に電極合材層上に機能層としての絶縁層を形成しようとした場合、電極合材層の厚みの違いにより、絶縁層で電極合材層が被覆されないような意図しない露出領域が生じ、品質に影響を与える点で懸念があった。
また、集電体上に電極合材層が積層された構成の電極素子に機能層としての絶縁層を形成する場合、電極合材層が被覆されないような意図しない露出領域が生じ、品質に影響を与える点で懸念があった。
本実施形態では、図1で説明した構成を備えることにより、放電特性および品質に優れた電極及び電気化学素子を製造することができる。
図3は、本実施形態の変形例に係る電極製造装置の説明図である。
図3に示す変形例は、図1に示した実施形態とは、吸気部300および吸気部500を備えない点で相違するが、インク吐出部30からヒータ50への気体の流入、およびヒータ50からインク吐出部30への気体の流入を抑制できる。
すなわち、インク吐出部30とヒータ50の間に、硬化部4をバッファ部として設けることにより、インク吐出部30とヒータ50の間の距離を長くして、インク吐出部30からヒータ50への気体の流入、およびヒータ50からインク吐出部30への気体の流入を抑制する。
さらに、インク吐出部30は出口開口部302が形成された塗布部3の筐体内に設けられ、ヒータ50は入口開口部501が形成された乾燥部5の筐体内に設けられ、搬送部は、出口開口部302および入口開口部501を介して、インク吐出部30からヒータ50へウェブWを搬送する。
これにより、インク吐出部30とヒータ50は、出口開口部302と入口開口部501を介してのみ連通するため、インク吐出部30とヒータ50の間で気体が移動するのがより抑制される。
また、硬化部4を正圧にする送気部400を備えることにより、硬化部4からインク吐出部30およびヒータ50へ向かう気体の流れを生じさせて、インク吐出部30とヒータ50の間で、気体が移動するのが抑制される。
図4は、本実施形態の第2の変形例に係る電極製造装置の説明図である。
図4に示す第2の変形例は、図1に示した実施形態とは、送気部400を備えない点、および硬化部4が筐体内部を大気開放する開口部405を備える点で相違するが、インク吐出部30からヒータ50への気体の流入、およびヒータ50からインク吐出部30への気体の流入を抑制できる。
すなわち、インク吐出部30とヒータ50の間に、硬化部4をバッファ部として設けることにより、インク吐出部30とヒータ50の間の距離を長くして、インク吐出部30からヒータ50への気体の流入、およびヒータ50からインク吐出部30への気体の流入を抑制する。
さらに、インク吐出部30は出口開口部302が形成された塗布部3の筐体内に設けられ、ヒータ50は入口開口部501が形成された乾燥部5の筐体内に設けられ、搬送部は、出口開口部302および入口開口部501を介して、インク吐出部30からヒータ50へウェブWを搬送する。
これにより、インク吐出部30とヒータ50は、出口開口部302と入口開口部501を介してのみ連通するため、インク吐出部30とヒータ50の間で気体が移動するのがより抑制される。
さらに、インク吐出部30の周囲を負圧にする吸気部300と、ヒータ50の周囲を負圧にする吸気部500を備え、開口部405により硬化部4の筐体内部を大気開放することにより、硬化部4からインク吐出部30およびヒータ50へ向かう気体の流れを生じさせて、インク吐出部30とヒータ50の間で、気体が移動するのが抑制される。
図5は、本実施形態の第3の変形例に係る電極製造装置の説明図である。
図5に示す第3の変形例は、図1に示した実施形態とは、送気部400、吸気部300および吸気部500を備えない点で相違するが、インク吐出部30からヒータ50への気体の流入、およびヒータ50からインク吐出部30への気体の流入を抑制できる。
すなわち、インク吐出部30とヒータ50の間に、硬化部4をバッファ部として設けることにより、インク吐出部30とヒータ50の間の距離を長くして、インク吐出部30からヒータ50への気体の流入、およびヒータ50からインク吐出部30への気体の流入を抑制する。
さらに、インク吐出部30は出口開口部302が形成された塗布部3の筐体内に設けられ、ヒータ50は入口開口部501が形成された乾燥部5の筐体内に設けられ、搬送部は、出口開口部302および入口開口部501を介して、インク吐出部30からヒータ50へウェブWを搬送する。
これにより、インク吐出部30とヒータ50は、出口開口部302と入口開口部501を介してのみ連通するため、インク吐出部30とヒータ50の間で気体が移動するのがより抑制される。
図6は、本実施形態の第4の変形例に係る電極製造装置の説明図である。
図6に示す第4の変形例は、図1に示した実施形態とは、塗布部3と乾燥部5の間のバッファ部として、硬化部4に代えて、バッファ空間8を設けている点で相違するが、インク吐出部30からヒータ50への気体の流入、およびヒータ50からインク吐出部30への気体の流入を抑制できる。ここで、塗布部3と乾燥部5は、バッファ空間8が大気圧になるような距離を隔てて配置される。
すなわち、インク吐出部30とヒータ50の間に、バッファ空間8を設けることにより、インク吐出部30とヒータ50の間の距離を長くして、インク吐出部30からヒータ50への気体の流入、およびヒータ50からインク吐出部30への気体の流入を抑制する。
さらに、インク吐出部30は出口開口部302が形成された塗布部3の筐体内に設けられ、ヒータ50は入口開口部501が形成された乾燥部5の筐体内に設けられ、搬送部は、出口開口部302および入口開口部501を介して、インク吐出部30からヒータ50へウェブWを搬送する。
これにより、インク吐出部30とヒータ50は、出口開口部302と入口開口部501を介してのみ連通するため、インク吐出部30とヒータ50の間で気体が移動するのがより抑制される。
さらに、インク吐出部30の周囲を負圧にする吸気部300と、ヒータ50の周囲を負圧にする吸気部500を備え、大気開放されたバッファ空間8からインク吐出部30およびヒータ50へ向かう気体の流れを生じさせて、インク吐出部30とヒータ50の間で、気体が移動するのが抑制される。
図7は、本実施形態の第5の変形例に係る電極製造装置の説明図である。
図7に示す第5の変形例は、図6に示した第4の変形例とは、吸気部300および吸気部500を備えず、バッファ空間8にエアカーテン80を発生させる送気部800を備える点で相違するが、インク吐出部30からヒータ50への気体の流入、およびヒータ50からインク吐出部30への気体の流入を抑制できる。送気部800は、ウェブWを搬送する方向におけるバッファ空間8の中間位置で、ウェブWを搬送する方向と直交する向きに搬送されるウェブWを横切ってエアカーテン80を発生させる
すなわち、インク吐出部30とヒータ50の間に、バッファ空間8を設けることにより、インク吐出部30とヒータ50の間の距離を長くして、インク吐出部30からヒータ50への気体の流入、およびヒータ50からインク吐出部30への気体の流入を抑制する。
さらに、インク吐出部30は出口開口部302が形成された塗布部3の筐体内に設けられ、ヒータ50は入口開口部501が形成された乾燥部5の筐体内に設けられ、搬送部は、出口開口部302および入口開口部501を介して、インク吐出部30からヒータ50へウェブWを搬送する。
これにより、インク吐出部30とヒータ50は、出口開口部302と入口開口部501を介してのみ連通するため、インク吐出部30とヒータ50の間で気体が移動するのがより抑制される。
さらに、エアカーテン80により、インク吐出部30とヒータ50の間で、気体が移動するのが抑制される。
図8は、本実施形態の第6の変形例に係る電極製造装置の説明図である。
図8に示す第6の変形例は、図7に示した第5の変形例とは、送気部800を備えない点で相違するが、インク吐出部30からヒータ50への気体の流入、およびヒータ50からインク吐出部30への気体の流入を抑制できる。
すなわち、インク吐出部30とヒータ50の間に、バッファ空間8を設けることにより、インク吐出部30とヒータ50の間の距離を長くして、インク吐出部30からヒータ50への気体の流入、およびヒータ50からインク吐出部30への気体の流入を抑制する。
さらに、インク吐出部30は出口開口部302が形成された塗布部3の筐体内に設けられ、ヒータ50は入口開口部501が形成された乾燥部5の筐体内に設けられ、搬送部は、出口開口部302および入口開口部501を介して、インク吐出部30からヒータ50へウェブWを搬送する。
これにより、インク吐出部30とヒータ50は、出口開口部302と入口開口部501を介してのみ連通するため、インク吐出部30とヒータ50の間で気体が移動するのがより抑制される。
●まとめ●
以上説明したように、本実施形態に係る電極製造装置100は、ウェブWにインクを付与するインク吐出部30と、ウェブWに付与されたインクを加熱するヒータ50と、インク吐出部30とヒータ50の間で、インク吐出部30からヒータ50への気体の流入、およびヒータ50からインク吐出部30への気体の流入を抑制する硬化部4を備える。
ここで、電極製造装置100は、液体付与装置の一例であり、ウェブWは基材の一例である。インクは液体組成物の一例であり、インク吐出部30は付与部の一例であり、ウェブWに付与されたインクは、液体付与物の一例である。ヒータ50は、加熱部の一例であり、硬化部4は、バッファ部の一例である。バッファ部は、インク吐出部30とヒータ50の間のバッファ空間8であってもよい。
これにより、インク吐出部30から付与されたインクのミストがヒータ50に付着することに起因して、インクの乾燥性能が悪化したり、付着したインクがウェブWに落下したりして、ウェブWに付与されたインクの品質が低下することが低減する。
あるいは、ヒータ50の熱によりインク吐出部30が加熱されることに起因して、インクが乾燥して不吐出になったり、温度分布のバラツキによりインク量がばらついたりして、ウェブWに付与されるインクの品質が低下することが低減する。
ここで、液体付与装置の他の例として、インク吐出部30により基材の他の例であるセパレータ上に機能層が形成された積層セパレータを製造する積層セパレータ製造装置であってもよい。機能層は、液体付与物の一例である。
また、本実施形態に係る電気化学素子製造装置は、上記電極製造装置または積層セパレータ製造装置と、製造された電極または積層セパレータを電気化学素子とするための電気化学素子形成部を備える。
電極製造装置1は、インク吐出部30からヒータ50へウェブWを搬送する搬送部を備える。ここで、搬送部は、巻出ロール11、ガイドローラ110、および巻取ロール61により構成される。
この場合、インク吐出部30とヒータ50の間のウェブWの搬送経路に沿って、気体が移動するのが抑制され、搬送されるウェブWに付与されるインクの品質が低下することが低減する。
インク吐出部30は出口開口部302が形成された筐体の一例である塗布部3内に設けられ、ヒータ50は入口開口部501が形成された筐体の一例である乾燥部5内に設けられ、搬送部は、出口開口部302および入口開口部501を介して、インク吐出部30からヒータ50へウェブWを搬送する。
これにより、インク吐出部30とヒータ50は、出口開口部302と入口開口部501を介してのみ連通するため、インク吐出部30とヒータ50の間で気体が移動するのがより抑制され、ウェブWに付与されるインクの品質が低下することがより低減する。
硬化部4は、入口開口部401および出口開口部402が形成された筐体を備え、搬送部は、第2の入口開口部401および第2の出口開口部402を介して、インク吐出部30からヒータ50へウェブWを搬送する。
これにより、インク吐出部30とヒータ50の間に、硬化部4の筐体が配置されるため、インク吐出部30とヒータ50の間で気体が移動するのがより抑制され、ウェブWに付与されるインクの品質が低下することがより低減する。
硬化部4は、ウェブWに付与されたインクを硬化させる硬化手段の一例である光源40を備える。これにより、ウェブWに付与されたインクに光を照射して硬化させることができる。
硬化部4を正圧にする正圧部の一例である送気部400を備える。これにより、硬化部4からインク吐出部30およびヒータ50へ向かう気体の流れを生じさせて、インク吐出部30とヒータ50の間で、気体が移動するのが抑制される。
送気部400は、大気よりも酸素濃度の低い気体を送気することにより、インクが光硬化することが酸素により阻害されることを低減する。
バッファ空間8にエアカーテンを発生させる送気部800を備える。これにより、インク吐出部30とヒータ50の間で、気体が移動するのが抑制される。
インク吐出部30の周囲およびヒータ50の周囲の少なくとも一方を負圧にする負圧部の一例である吸気部300または吸気部500を備える。これにより、硬化部4からインク吐出部30およびヒータ50へ向かう気体の流れを生じさせて、インク吐出部30とヒータ50の間で、気体が移動するのが抑制される。この場合、硬化部4の圧力は、インク吐出部30の周囲およびヒータ50の周囲の圧力より高いことが好ましい。
また、本実施形態では、インク吐出部30とヒータ50の間で、インク吐出部30からヒータ50への気体の流入、およびヒータ50からインク吐出部30への気体の流入を抑制することにより、ヒータ50へ流入される気体の流入量は、インク吐出部30から流出される気体の流出量よりも小さくなる。これにより、インク吐出部30から付与されたインクのミストが、ヒータ50に到達する量を低減することができる。
同様に、インク吐出部30へ流入される気体の流入量は、ヒータ50から流出される気体の流出量よりも小さくなる。これにより、ヒータ50により加熱された気体が、インク吐出部30に到達する量を低減することができる。
ウェブWは電極素子であり、インク吐出部30は、電極素子にインクを付与して機能層を形成する。この場合、電極素子に付与されるインクの品質低下に起因して、機能層が適切に形成されずに、電極が機能を果たさなくなることが防止される。機能層は、液体付与物の一例である。
電極素子は電極基体W10を含み、機能層は電極合材層の一例である活物質層L20を含んでもよく、電極素子は、電極基体W10と、電極基体W10上に設けられた電極合材層の一例である活物質層W20と、を含み、機能層は絶縁層L30であってもよい。
本実施形態に係る液体付与方法は、ウェブWにインクを付与するインク吐出部30と、ウェブWに付与されたインクを加熱するヒータ50の間で、インク吐出部30からヒータ50への気体の流入、およびヒータ50からインク吐出部30への気体の流入を抑制する。
本実施形態に係る電極製造方法は、上記液体付与方法において、ウェブWは電極素子であり、インク吐出部30は、電極素子にインクを付与して機能層を形成する。
本実施形態に係る積層セパレータ製造方法は、上記液体付与方法において、ウェブWはセパレータであり、インク吐出部30は、セパレータにインクを付与して機能層を形成する。
本実施形態に係る電気化学素子製造方法は、上記電極製造方法または積層セパレータ製造方法と、製造された電極または積層セパレータを電気化学素子とするための電気化学素子形成方法を含む。
100 電極製造装置(液体付与装置の一例)
110 ガイドローラ(搬送部の一例)
1 巻出部
11 巻出ロール(搬送部の一例)
W ウェブ(基材、電極素子の一例)
20 搬送方向
3 塗布部(付与部の筐体の一例)
30、30a、30b、30c、30d インク吐出部(付与部の一例)
301 入口開口部
302 出口開口部
4 硬化部(バッファ部、バッファ部の筐体の一例)
40a、40b 光源(硬化手段の一例)
401 入口開口部
402 出口開口部
405 開口部
5 乾燥部(加熱部の筐体の一例)
50a、50b、50c ヒータ(加熱部の一例)
501 入口開口部
502 出口開口部
6 巻取部
61 巻取ロール(搬送部の一例)
7 制御部
8 バッファ空間(バッファ部の一例)
300 吸気部(負圧部の一例)
400 送気部(正圧部の一例)
500 吸気部(負圧部の一例)
800 送気部(エアカーテン部の一例)
80 エアカーテン
W10 電極基体
W20 活物質層(電極合材層の一例)
L20 活物質層(電極合材層の一例)
L30 絶縁層

Claims (20)

  1. 基材に液体組成物を付与する付与部と、
    前記基材に付与された前記液体組成物を加熱する加熱部と、
    前記付与部と前記加熱部の間で、前記付与部から前記加熱部への気体の流入、および前記加熱部から前記付与部への気体の流入を抑制するバッファ部と、を備えた液体付与装置。
  2. 前記付与部から前記加熱部へ前記基材を搬送する搬送部を備えた請求項1記載の液体付与装置。
  3. 前記付与部は付与部の出口開口部が形成された筐体内に設けられ、
    前記加熱部は加熱部の入口開口部が形成された筐体内に設けられ、
    前記搬送部は、前記出口開口部および前記入口開口部を介して、前記付与部から前記加熱部へ前記基材を搬送する請求項2記載の液体付与装置。
  4. 前記バッファ部は、バッファ部の入口開口部およびバッファ部の出口開口部が形成された筐体を備え、
    前記搬送部は、前記バッファ部の入口開口部および前記バッファ部の出口開口部を介して、前記付与部から前記加熱部へ前記基材を搬送する請求項3記載の液体付与装置。
  5. 前記バッファ部は、前記基材に付与された前記液体組成物を硬化する硬化手段を備えた請求項1~4の何れか記載の液体付与装置。
  6. 前記バッファ部を正圧にする正圧部を備えた請求項1~4の何れか記載の液体付与装置。
  7. 前記正圧部は、大気よりも酸素濃度の低い気体を送気する請求項6記載の液体付与装置。
  8. 前記バッファ部にエアカーテンを発生させるエアカーテン部を備えた請求項1~7の何れか記載の液体付与装置
  9. 前記付与部の周囲および前記加熱部の周囲の少なくとも一方を負圧にする負圧部を備えた請求項1~8の何れか記載の液体付与装置。
  10. 前記加熱部へ流入される気体の流入量は、前記付与部から流出される気体の流出量よりも小さい請求項1~9の何れか記載の液体付与装置。
  11. 前記付与部へ流入される気体の流入量は、前記加熱部から流出される気体の流出量よりも小さい請求項1~9の何れか記載の液体付与装置。
  12. 請求項1~11の何れか記載の液体付与装置において、
    前記基材は電極素子であり、
    前記付与部は、前記電極素子に前記液体組成物を付与して機能層を形成する
    電極製造装置。
  13. 前記電極素子は電極基体を含み、
    前記機能層は電極合材層を含む
    請求項12記載の電極製造装置。
  14. 前記電極素子は、電極基体と、電極基体上に設けられた電極合材層と、を含み、
    前記機能層は絶縁層である
    請求項12記載の電極製造装置。
  15. 請求項1~11の何れか記載の液体付与装置において、
    前記基材はセパレータであり、
    前記付与部は、前記セパレータに前記液体組成物を付与して機能層を形成する
    積層セパレータ製造装置。
  16. 請求項12~14の何れか記載の電極製造装置、または請求項15記載の積層セパレータ製造装置を有する電気化学素子製造装置。
  17. 基材に液体組成物を付与する付与部と、前記基材に付与された前記液体組成物を加熱する加熱部の間で、前記付与部から前記加熱部への気体の流入、および前記加熱部から前記付与部への気体の流入を抑制する液体付与方法。
  18. 請求項17記載の液体付与方法において、
    前記基材は電極素子であり、
    前記付与部は、前記電極素子に前記液体組成物を付与して機能層を形成する
    電極製造方法。
  19. 請求項17記載の液体付与方法において、
    前記基材はセパレータであり、
    前記付与部は、前記セパレータに前記液体組成物を付与して機能層を形成する
    積層セパレータ製造方法。
  20. 請求項18記載の電極製造方法、または請求項19記載の積層セパレータ製造方法を含む電気化学素子製造方法。
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