JP2023135780A - シューズ - Google Patents

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JP2023135780A
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勉 中村
Tsutomu Nakamura
啓介 串田
Keisuke Kushida
遥 梶原
Haruka Kajihara
まりあ 成瀬
Maria Naruse
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

【課題】着脱容易なシューズを提供する。【解決手段】シューズ1のアッパー20は、着用者の足の甲を覆うアッパー本体21と、該アッパー本体21の下部に固定されて前足部領域Fから後足部領域Hに亘って延びる着用者の足裏を支持する足裏支持部22とを有している。足裏支持部22は、着用者の足のMP関節に対応する位置の近傍において足幅方向に延びる境界B1より前側の部分がソール10に固定される固定部分22aに構成され、境界B1より後側の部分はソール10に固定されない非固定部分22bに構成されている。足裏支持部22は、非固定部分22bがソール10の上面に当接した第1状態と、非固定部分がソール10の上面から離間して前後方向の後側に向かう程上方に位置する第2状態とに切換可能に構成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、シューズに関するものである。
従来、シューズの着脱を容易にするために、着脱時に足を挿入するための開口部を広くすることができるシューズが提案されている。
特許文献1には、アッパーを前後に2分割すると共に、ソールがアッパーの分割位置で逆V字状に折れ曲がるように構成されたシューズが開示されている。上記シューズは、未着用時には、ソールが逆V字状に折れ曲がることにより、2分割されたアッパーの開口部が広く開いた状態となるように構成されている。また、上記シューズは、着用時には、着用者の体重が作用することにより、逆V字状に折れ曲がったソールが路面に押し付けられて平行な状態となり、ソールが路面に平行な状態となることにより、2分割されたアッパーの開口部が自動的に閉じた状態に戻るように構成されている。
特開2006-334359号公報
しかしながら、上記シューズでは、未着用時にソールが前後方向の中程の位置で逆V字状に折れ曲がるように構成されている。そのため、シューズを着用する際に、逆V字状に折れ曲がったソールに体重を作用させても、ソールのつま先部分と踵部分とが路面と摺接し、摩擦によってソールがスムーズに路面に平行な状態とならないという問題があった。また、上記シューズでは、未着用時にソールのつま先部分と踵部分とだけで接地するため、未着用時の姿勢が不安定でぐらつき易いものになるという問題もあった。つまり、従来のシューズでは、未着用時に開口部を広げることはできても姿勢が不安定でぐらつき易く、着脱にこつを要するため、着脱が容易でなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、着脱容易なシューズを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の形態は、路面に接地する接地面を有するソールと、該ソールの上部に固定されて着用者の足を覆うアッパーとを備えたシューズであって、上記アッパーは、上記着用者の足の甲を覆うアッパー本体と、該アッパー本体の下部に固定されて前足部領域から後足部領域に亘って延びる上記着用者の足裏を支持する足裏支持部とを有し、上記足裏支持部は、上記着用者の足のMP関節に対応する位置の近傍において足幅方向に延びる境界より前側の部分が上記ソールに固定される固定部分に構成される一方、上記境界より後側の部分が上記ソールに固定されない非固定部分に構成され、上記足裏支持部は、上記非固定部分が上記ソールの上面に当接した第1状態と、上記非固定部分が上記ソールの上面から離間して前後方向の後側に向かう程上方に位置する第2状態とに切換可能に構成されていることを特徴とするものである。
第1の形態のシューズでは、アッパーの足裏支持部の下面全体をソールに固定するのではなく、着用者の足のMP関節に対応する位置の近傍にある境界より前側の部分はソールに固定された固定部分とし、境界より後側の部分はソールに固定されない非固定部分としている。また、上記シューズでは、足裏支持部を、非固定部分がソールの上面に当接した第1状態と、非固定部分がソールの上面から上方に離間して前下がり姿勢となる第2状態とに切り換えられるようにしている。このような構成により、上記シューズでは、足裏支持部を第1状態から第2状態に切り換えるだけで非固定部分が前下がりに傾斜した足を挿入し易い着脱に適した着脱用形態になる。また、シューズを履く際には、足裏支持部に足を乗せ、非固定部分に体重を乗せるだけで非固定部分がソールの上面に当接するまで下がって第1状態となり、歩行又は走行可能な着用形態となる。つまり、上記シューズでは、非固定部分が前下がり姿勢となる足裏支持部が第2状態の際に、従来のシューズのようにソールが逆V字状に折り曲がらないため、足裏支持部を第2状態(着脱用状態)から第1状態(着用状態)に切り換える際に、ソールが路面と摺接して摩擦が生じて切換が阻害されることがなく、足裏支持部の非固定部分を上げ下げする(境界を回動軸として回動させる)だけで、シューズの形態を着脱に適した着脱用形態と歩行又は走行可能な着用形態とに容易に変更することができる。また、上記シューズでは、着脱用形態(足裏支持部が第2状態)の際には、足裏支持部の非固定部分がソールの上面から離間して前下がり姿勢となるだけで、非固定部分に対応するソールの境界より後側の部分は、着用形態の際と同様に折れ曲がることなく接地している。そのため、上記シューズによれば、着脱用形態にしてシューズを着用する際に、従来のシューズのように姿勢が不安定でぐらつきやすいものとならず、ソールの境界より後側の部分が折れ曲がることなく接地した安定した姿勢となる。従って、第1の形態によれば、着脱容易なシューズを提供することができる。
また、第1の形態のシューズでは、シューズを着脱する際に着用者の足がMP関節で屈曲することに着目し、足裏支持部が屈曲又は湾曲する位置(境界の位置)を、足が曲がる位置(MP関節)に対応させている。そのため、第1の形態のシューズによれば、着用者が足のMP関節を曲げるという着用者にとって容易な動作により、足裏支持部を第1状態から第2状態に切り換えることができるため、シューズを脱ぐ動作を従来よりも円滑で容易なものとすることができる。逆に、シューズを履く際には、着用者が足を挿入し、足裏支持部に体重をかけつつMP関節を曲げた状態から伸ばすだけで、足裏支持部を第2状態から第1状態に切り換えることができるため、シューズを履く動作も従来よりも円滑で容易なものとすることができる。従って、第1の形態によれば、着用者の着脱動作を従来よりも円滑で容易なものとすることができる。
第2の形態は、第1の形態において、上記アッパー本体は、上記着用者の足の後側において上記着用者の踵骨の最も後側に突出した部分よりも上方を覆う部分を有しないものであることを特徴とするものである。
第2の形態のシューズでは、アッパー本体が、着用者の足の後側において着用者の踵骨の最も後側に突出した部分よりも上方を覆う部分を有しないように構成されている。アッパー本体をこのように構成することにより、足裏支持部が第2状態の際に、足を挿入する開口部が広く形成される。よって、より着脱容易なシューズを提供することができる。
第3の態様は、第2の態様において、上記アッパーは、上記ソールの上部に固定されて少なくとも上記着用者の後足部の内甲側、後側及び外甲側を一体的に覆うカバー部材を有し、上記カバー部材の後端部の高さは、上記着用者の踵骨の最も後側に突出した部分よりも高く、上記カバー部材は、上記足裏支持部が上記第1状態の際に、上記足裏支持部の少なくとも後端部が内側に嵌まり込み、該後端部を保持することにより、上記足裏支持部を上記第1状態に保持するように構成されていることを特徴とするものである。
第3の態様のシューズでは、アッパーがアッパー本体と足裏支持部の他に着用者の少なくとも後足部を覆うカバー部材を有している。カバー部材は、着用者の踵骨の最も後側に突出した部分よりも上方を覆えるように、後端部の高さが着用者の踵骨の最も後側に突出した部分よりも高くなるように形成されている。また、カバー部材は、足裏支持部の少なくとも後端部が内側に嵌まり込み、該後端部を保持することにより、足裏支持部を第1状態に保持するように構成されている。このようなカバー部材を設けることにより、着用者の踵部を包み込みつつ、足裏支持部を第1状態に保持する機構を容易に構成することができる。
第4の態様は、第1~第3のいずれか1つの態様において、上記ソールは、上記足裏支持部が上記第1状態の際に、前端が上記路面よりも上方の第1高さに位置し、上記足裏支持部が上記第2状態の際に、上記前端が上記第1高さより低い第2高さに位置するように変形可能に構成されていることを特徴とするものである。
第4の態様のシューズでは、足裏支持部が第1状態と第2状態とに切り換えられるのに伴い、ソールが弾性変形してソールの前端(つま先部分)の高さが変化するように構成されている。具体的には、着脱するために足裏支持部が第2状態(着脱用状態)にあるときには、比較的低い第2高さにあるソールの前端が、着用者がシューズを履いて足裏支持部が第1状態(着用状態)に切り換わると、第2高さより高い第1高さに引き上げられるようにソールが変形する。このような構成により、上記シューズでは、着用時に、適当なトースプリング(前端の路面からの立ち上がり距離)が得られ、着用者が歩行時又は走行時に足のつま先部分で路面を蹴り出し易くなり、歩行又は走行を容易に行うことができる。従って、第4の態様によれば、着脱容易で且つ歩き心地又は走り心地のよいシューズを提供することができる。
第5の態様は、第4の態様において、上記足裏支持部及び上記ソールは、上記足裏支持部が上記第2状態の際に、上記固定部分が前後方向の前側に向かう程高さが低くなる前下がり形状となるように変形するように構成されていることを特徴とするものである。
第5の態様のシューズでは、足裏支持部が第2状態の際に、固定部分が後方の非固定部分と同様に前下がり形状となるように、足裏支持部及びソールが変形するように構成されている。足裏支持部及びソールをこのように構成することにより、適当なトースプリングが得られるつま先上がりの構成としても、着脱時には足裏支持部全体が前下がり形状となることで着用者が足を挿入し易くなる。
第6の態様は、第4又は第5の態様において、上記ソールの下面には、上記境界に対応する位置に、内甲側端から外甲側端まで延びる溝が形成されていることを特徴とするものである。
第6の態様のシューズでは、ソールの下面の足裏支持部の固定部分と非固定部分との境界に対応する位置に、足幅方向に延びる溝が形成されている。この溝により、足裏支持部の状態の切換に伴うソールの変形(前端の高さを変更する変形)が促進される。
以上説明したように、本発明によると、着脱容易なシューズを提供することができる。
図1は、実施形態1のシューズを足の骨格構造と共に示す内甲側から視た側面図である。 図2は、実施形態1のシューズを足の骨格構造と共に示す平面図である。 図3は、図1のシューズの着脱用形態を示す内甲側から視た側面図である。 図4は、着用形態のシューズを概略的に示す側面図である。 図5は、着用形態のシューズを概略的に示す側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態は、本質的に好ましい例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
図1~図3は、本発明の実施形態1に係るシューズ1を示している。このシューズ1は、例えばランニング、各種球技、バトミントン等の各種競技におけるスポーツ用シューズ、日常使用のスニーカー、リハビリ用シューズなどに適用される。以下では、図1~図3に示す右足用シューズについて説明し、右足用シューズと左右対称に構成される左足用シューズについては説明を省略する。
また、以下の説明では、上方(上側)及び下方(下側)とは、シューズ1の上下方向の位置関係(シューズ1を平坦面の上に載置したときの載置面に直交する高さ方向の位置関係)を表すものとする。前方(前側)及び後方(後側)とは、シューズ1の足長方向の位置関係を表すものとする。内甲側及び外甲側とは、シューズ1の足幅方向の位置関係を表すものとする。
さらに、図1及び図2では、シューズ着用者の足の前足部(基節骨、中節骨及び末節骨を含む部分)に対応するシューズ1の前足部領域を符号Fにより示し、シューズ着用者の足の中足部(立方骨、舟状骨、楔状骨及び中足骨を含む部分)に対応するシューズ1の中足部領域を符号Mにより示し、シューズ着用者の足の後足部(踵骨HB及び距骨を含む部分)に対応するシューズ1の後足部領域を符号Hにより示すものとする。
-シューズの構成-
シューズ1は、ソール10と、その上方に配置されるアッパー(甲被部)20とを備えている。
〈ソール〉
図1~図3に示すように、ソール10は、アウトソール11と、ミッドソール12と、プレート13とを備えている。ソール10は、シューズ1の最も下側に設けられ、路面Gに接地する接地面10gを有している。
アウトソール11は、ソール10の前端から後端に亘る(前足部領域Fから後足部領域H(踵部)に亘る)範囲に設けられている。アウトソール11は、ミッドソール12よりも硬度の高い硬質の弾性材によって構成されている。具体的には、アウトソール11の材料としては、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性樹脂、ポリウレタン(PU)等の熱硬化性樹脂、又はブタジエンラバーやクロロプレンラバー等のラバー素材が適している。本実施形態1では、アウトソール11は、複数の部分に分割されている。アウトソール11を構成する複数の部分の下面が、歩行時又は走行時に路面Gに接する接地面10gとなる。
ミッドソール12は、ソール10の前端から後端に亘る(前足部領域Fから後足部領域H(踵部)に亘る)範囲に設けられている。ミッドソール12は、アウトソール11よりも硬度が低い軟質の弾性材によって形成されている。具体的には、ミッドソール12の材料としては、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性合成樹脂やその発泡体、ポリウレタン(PU)等の熱硬化性樹脂やその発泡体、ブタジエンラバーやクロロプレンラバー等のラバー素材やその発泡体等が適している。ミッドソール12は、接着剤等によってアウトソール11に固着されることにより、アウトソール11の上側に積層されている。
ミッドソール12は、上下に分離されている。具体的には、ミッドソール12は、上部ミッドソール12aと、上部ミッドソール12aの下側に設けられる下部ミッドソール12bとを有している。
上部ミッドソール12aは、ソール10の前後方向の前端から後端に亘り(前足部領域Fから後足部領域H(踵部)に亘り)、また、ソール10の足幅方向の内甲端から外甲端に亘る全範囲に設けられている。上部ミッドソール12aの上面は、シューズ着用者の足の足裏面に沿うように湾曲形状に形成され、後述する足裏支持部22を介してシューズ着用者の足の足裏面を支持する。上部ミッドソール12aの上部に、アッパー20が固定されている。また、上部ミッドソール12aの下面の前半部分には、接着剤等によってアウトソール11が固着され、後半部分には接着剤等によってプレート13が固着されている。つまり、上部ミッドソール12aは、前半部分はアウトソール11の上側に積層され、後半部分はプレート13の上側に積層されている。
下部ミッドソール12bは、中足部領域Mの後端部から後足部領域Hの後端までの範囲に設けられている。下部ミッドソール12bの上面は、接着剤等によって後述するプレート13の下面に固着されている。また、下部ミッドソール12bの下面には、接着剤等によりアウトソール11が固着されている。つまり、下部ミッドソール12bは、アウトソール11の上側に積層されている。
プレート13は、上部ミッドソール12aと下部ミッドソール12bとの間において、ソール10の中足部領域Mから後足部領域Hに亘るように設けられている。また、プレート13は、足幅方向においてミッドソール12の内甲側端部から外甲側端部に亘る範囲に設けられている。プレート13は、凹凸が前後方向に繰り返された波形形状に形成されている。プレート13は、ミッドソール12よりも硬度の高い弾性材によって薄板状に形成されている。具体的には、プレート13の材料としては、例えば、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリアミドエラストマー(PAE)、ポリアミド等の熱可塑性合成樹脂や、これらの樹脂にグラスファイバー、カーボンファイバー等の繊維材料を添加したものが適している。プレート13の上面は、接着剤等により、上部ミッドソール12aの下面に固着されている。一方、プレート13の下面は、接着剤等により、下部ミッドソール12bの上面に固着されている。
本実施形態1では、このようなアウトソール11とミッドソール12とプレート13とにより、路面に接地する接地面10gを有するソール10が構成されている。ソール10は、弾性変形可能に構成されている。ソール10は、前足部領域Fにおいて足幅方向に延びる後述する足裏支持部22の固定部分22aと非固定部分22bとの境界B1に対応する位置で湾曲するように形成されている。
ソール10は、後述する足裏支持部22が第1状態(図1及び図4に示す状態)の際には、前端10aが路面Gよりも上方の第1高さh1に位置し、足裏支持部22が第2状態(図3及び図5に示す状態)の際には、前端10aが第1高さh1より低い第2高さh2に位置するように変形可能に構成されている。本実施形態1では、ソール10の下面に溝15が形成されることにより、ソール10の上記変形が可能になっている。
溝15は、ソール10の下面において内甲側端から外甲側端まで延びている。溝15は、断面がV字形状に形成されている。溝15は、上部ミッドソール12aに断面V字形状の溝を形成すると共に、上部ミッドソール12aの溝でアウトソール11及び下部ミッドソール12bを前後に分断することによって形成されている。なお、溝15は、後述する足裏支持部22の固定部分22aと非固定部分22bとの境界B1に対応する位置(図2に示す平面視において重なる位置)に形成されている。
ソール10は、後述する足裏支持部22が第1状態(図1及び図4に示す状態)から第2状態(図3及び図5に示す状態)に切り換わると、溝15が閉じた状態(溝15の両側壁が当接した状態)となり、前端10aが路面Gに近い第2高さh2に位置することとなる。一方、足裏支持部22が第2状態から第1状態に切り換わると、溝15が開いた状態(溝15の両側壁が離間した状態)となり、前端10aが引き上げられて第1高さh1に位置することとなる。
〈アッパー〉
アッパー20は、アッパー本体21と、足裏支持部22と、カバー部材23とを備えている。アッパー20は、ソール10の上部に固定され、着用者の足を覆う。
アッパー本体21は、アッパー20の前後方向の前端(つま先部分)から後足部領域H(踵部)の前端部までの範囲において内甲側から外甲側に亘る範囲に設けられ、着用者の足の前足部及び中足部の甲を一体的に覆う。アッパー本体21の素材は特に限定されないが、伸縮性を有する生地で構成することができる。具体的には、アッパー本体21は、例えば、編み物、織物、不織布、合成皮革、人工皮革、天然皮革等で構成することができる。また、図1~図3では、足幅方向の中央に切り込みを有し、内甲側部分と外甲側部分とが舌片部の上方で靴紐によって綴じられたアッパー本体21を示しているが、本発明に係るアッパー本体21は、足の甲を覆えるものであればいかなる形状であってもよい。
アッパー本体21は、着用者の足の後側において着用者の踵骨HBの最も後側に突出した部分hpよりも上方を覆う部分を有しないように構成されている。具体的には、本実施形態1では、アッパー本体21は、足裏支持部22よりも前後方向の長さが短く形成され、着用者の足の後側を覆う部分を有していない。このような構成により、詳細については後述するが、足裏支持部22を第2状態に切り換えた際に、足を挿入する開口部20aが広くなり、着用者が足を挿入し易くなる。
足裏支持部22は、インソール24とプレート25とを有している。プレート25は、インソール24の下面に固定されている。
インソール24は、アッパー20の前後方向の前端から後端に亘り(前足部領域Fから後足部領域H(踵部)に亘り)、また、アッパー20の足幅方向の内甲端から外甲端に亘る全範囲に設けられている。インソール24は、上面がシューズ着用者の足の足裏面に沿うように弾性変形可能に形成され、シューズ着用者の足の足裏面を支持する足裏支持部22となる。インソール24の素材は特に限定されないが、本実施形態1では、インソール24は、ミッドソール12よりも硬度の低い柔らかい弾性材で形成されている。具体的には、インソール24は、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性合成樹脂やその発泡体、ポリウレタン(PU)等の熱硬化性樹脂やその発泡体、ブタジエンラバーやクロロプレンラバー等のラバー素材やその発泡体等で構成することができる。
インソール24は、後足部の外縁部が着用者の踵を後側から覆うように上方に立ち上がる後壁部24aに構成されている。インソール24は、縫製によりアッパー本体21の下部に固定されている。なお、インソール24のアッパー本体21との固定方法は縫製に限られず、接着等であってもよい。
プレート25は、アッパー20の前足部領域Fから後足部領域Hに亘るように設けられている。また、プレート25は、足幅方向においてインソール24よりは幅狭に形成されている。プレート25は、ソール10のプレート13と同様に、ミッドソール12よりも硬度の高い弾性材によって薄板状に形成されている。具体的には、プレート25の材料としては、例えば、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリアミドエラストマー(PAE)、ポリアミド等の熱可塑性合成樹脂や、これらの樹脂にグラスファイバー、カーボンファイバー等の繊維材料を添加したものが適している。本実施形態1では、プレート25は、インソール24の下面に形成された溝内に挿入され、接着剤等により上面がインソール24の下面(溝底面)に固着されている。
本実施形態1では、このようなインソール24とプレート25とにより、着用者の足裏を支持する足裏支持部22が構成されている。足裏支持部22は、弾性変形可能に構成されている。足裏支持部22は、前足部領域Fにおいて足幅方向に延びる境界B1で湾曲又は屈曲するU字形状又はV字形状に形成されている。
足裏支持部22は、ソール10に固定される固定部分22aと、ソール10に固定されない非固定部分22bとを有している。具体的には、足裏支持部22において、境界B1より前側の部分が、接着剤等によってソール10(上部ミッドソール12aの上面)に固定される固定部分22aとなり、境界B1より後側の部分が、ソール10(上部ミッドソール12aの上面)に固定されない非固定部分22bとなっている。固定部分22aは、下面全体が上部ミッドソール12aの上面に固定されている。一方、非固定部分22bは、下面全体が上部ミッドソール12aの上面に固定されず、上部ミッドソール12aの上面(ソール10の上面)から上方に離間可能に構成されている。
本実施形態1では、固定部分22aと非固定部分22bとの境界B1を、着用者の足のMP関節MP1~MP5に対応する位置の近傍に設けている。なお、「着用者の足のMP関節MP1~MP5に対応する位置の近傍」とは、図2の平面図に示すように、着用者の足の前後方向において、着用者の足の後端を0%の位置、着用者の足の前端を100%の位置としたときに、着用者の足の前後方向の65%以上85%以下となる位置の範囲A1内を言う。
以上のように、足裏支持部22は、弾性変形可能に構成され、境界B1より前側の部分がソール10に固定された固定部分22aとされ、境界B1より後側の部分がソール10に固定されない非固定部分22bとされている。このような構成により、足裏支持部22は、非固定部分22bがソール10の上面(上部ミッドソール12aの上面)に当接した第1状態と、非固定部分22bがソール10の上面から離間して前後方向の後側に向かう程上方に位置する第2状態とに切換可能に構成される。そして、足裏支持部22は、図1及び図4に示す第1状態では、固定部分22aが前後方向の前側に向かう程高さが高くなる前上がり形状となり、図3及び図5に示す第2状態では、固定部分22aが前後方向の前側に向かう程高さが低くなる前下がり形状となるように構成されている。
カバー部材23は、内甲側部分23a及び外甲側部分23bと、着用者の足の後側でカバー部材23の内甲側部分23aと外甲側部分23bとを繋ぐ後端部23cとを有し、少なくとも着用者の足の後足部の内甲側、後側及び外甲側を一体的に覆うように構成されている。本実施形態1では、カバー部材23の内甲側部分23a及び外甲側部分23bは、前足部領域Fから後足部領域Hに亘るように形成されている。より具体的には、内甲側部分23a及び外甲側部分23bは、固定部分22aと非固定部分22bとの境界B1から後方に延びている。カバー部材23は、ソール10の上部に固定されている。具体的には、内甲側部分23aと外甲側部分23bと後端部23cの下端部が、上部ミッドソール12aの上部の外周縁部に固定されている。
カバー部材23の内甲側部分23a及び外甲側部分23bは、前足部領域Fでは高さが低く、中足部領域Mから後足部領域Hに亘り、後端部23cに向かって徐々に高さが高くなるように構成されている。カバー部材23の後端部23cは、高さが着用者の踵骨HBの最も後側に突出した部分hpの高さよりも高くなるように構成されている。
カバー部材23は、足裏支持部22が第1状態の際に、足裏支持部22の少なくとも後端部(インソール24の後壁部24a)が内側に嵌まり込む大きさに構成されている。また、本実施形態1では、足裏支持部22が第1状態の際に、足裏支持部22の後端部を構成するインソール24の後壁部24aが、カバー部材23の後端部23cの下端部の内面に当接することにより、後壁部24aがカバー部材23に保持され、足裏支持部22の境界B1を回動軸とする回動が規制されて足裏支持部22が第1状態に保持されるように構成されている。さらに、本実施形態1では、第2状態の足裏支持部22が第2状態に保持されるように、カバー部材23の上端部が下端部よりも分厚く形成されている。本実施形態1では、カバー部材23の上端部が下端部よりも内側に出っ張っているため、第2状態の足裏支持部22がカバー部材23の内側に落ち込まずにカバー部材23の上に乗ることにより、足裏支持部22が第2状態に保持される。
-シューズの形態変化-
以上のような構成により、シューズ1は、図1及び図4に示す着用形態と図3及び図5に示す着脱用形態とに変形可能に構成されている。
[着用形態]
シューズ1は、足裏支持部22を第1状態に切り換えることにより、図1及び図4に示す歩行又は走行が可能な着用形態となる。
着用形態では、足裏支持部22は、第1状態にあり、非固定部分22bの下面がソール10の上面(上部ミッドソール12aの上面)に当接している。このとき、固定部分22aは、前後方向の前側に向かう程高さが高くなる前上がり形状となり、非固定部分22bは、水平又は前後方向の後側に向かう程高さが高くなる後ろ上がり形状となる。具体的には、非固定部分22bの水平面に対する傾斜角度(図4に示す足裏支持部22の境界B1と着用者の踵骨HBの最も下方に突出した部分に対応する部分C1を含む面と、足裏支持部22の境界B1を含む水平面とのなす角)が0~20度となる。足裏支持部22が第1状態にあるとき、前上がり形状の足裏支持部22の張力(主にプレート25の張力)により、ソール10の前端10aが引き上げられ、ソール10の前端10aの路面Gからの第1高さh1(トースプリング)は、2~4cmとなる。このとき、固定部分22aの水平面に対する傾斜角度(図5示す足裏支持部22の境界B1とソール10の前端10aを含む面と、足裏支持部22の境界B1を含む水平面とのなす角)が15~20度となる。このように、着用形態では、適当なトースプリング(第1高さh1)が得られるため、着用者が歩行時又は走行時に足のつま先部分で路面を蹴り出し易くなり、歩行又は走行が容易になる。
[着脱用形態]
シューズ1は、足裏支持部22を第2状態に切り換えることにより、図3及び図5に示す着用者が足を出し入れし易く着脱に適した着脱用形態となる。
着脱用形態では、足裏支持部22は、第2状態にあり、非固定部分22bの下面がソール10の上面(上部ミッドソール12aの上面)から離間して前後方向の後側に向かう程上方に位置する後ろ上がり形状となる。また、足裏支持部22が第2状態にあるとき、固定部分22aは、前後方向の前側に向かう程高さが低くなる前下がり形状となる。つまり、足裏支持部22が第2状態にあるとき、足裏支持部22は、前後方向の前側から後側に向かう程、高さが高くなり、全体的に前下がり形状(後ろ上がり形状)となる。また、着脱用形態では、アッパー20のアッパー本体21の上端とカバー部材23の上端とによって囲まれる開口部20aの開口面積が第1状態に比べて大きくなる。このように、着脱用形態では、足裏支持部22が全体的に前下がり形状(後ろ上がり形状)となり、開口部20aが着用形態(足裏支持部22が第1状態の際)に比べて広くなることにより、着用者が足をシューズ1に出し入れし易くなる。
以上のように、シューズ1は、足裏支持部22を第1状態に切り換えると図1及び図4に示す着用形態となり、足裏支持部22を第2状態に切り換えると図3及び図5に示す着脱用形態となる。そして、着脱用形態では足裏支持部22が前下がり形状となることによりシューズ1の着脱が容易になる。一方、着用形態では、足裏支持部22の張力(本実施形態1では主にプレート25の張力)によってソール10の前端10aが引き上げられて適当なトースプリング(第1高さh1)が得られることにより、着用者が歩行時又は走行時に足のつま先部分で路面を蹴り出し易くなり、歩行又は走行を容易に行うことができる。
また、従来のシューズと異なり、シューズ1は、着用形態から着脱用形態に又は着脱用形態から着用形態に変形する際に、ソール10の踵部分の位置は変動せず、ソール10のつま先部分は、上下方向の位置が変動するだけで前後方向の位置は変動しない。つまり、本実施形態1のシューズ1は、ソール10のつま先部分と踵部分を路面Gと摺接させることなく、着用形態から着脱用形態に又は着脱用形態から着用形態に変形させることができる。
-シューズの着脱動作-
[装着動作]
シューズ1を履く際には、まず、シューズ1を着脱用形態にする。シューズ1が図1及び図4に示す着用形態である(足裏支持部22が第1状態にある)場合、例えば、アッパー本体21を引き上げることにより、アッパー本体21とアッパー本体21の下部に固定された足裏支持部22の非固定部分22bを、境界B1を回動軸として回動させて引き上げ、シューズ1を図3及び図5に示す着脱用形態にする(足裏支持部22を第2状態にする)。これにより、シューズ1の開口部20aが広くなり、足裏支持部22の非固定部分22bが前下がり姿勢となる。また、足裏支持部22の非固定部分22bの回動に伴い、固定部分22aの前端及びソール10の前端10aが引き下げられ、固定部分22aも前下がり姿勢となる。
なお、本実施形態1では、カバー部材23の上端部が下端部よりも内側に出っ張っており、第2状態の足裏支持部22がカバー部材23の内側に落ち込まずにカバー部材23の上に乗ることにより、シューズ1が着脱用形態(足裏支持部22が第2状態)に保持される。また、本実施形態1では、カバー部材23は、シューズ1が着脱用形態(足裏支持部22が第2状態)に保持される際、非固定部分22bの水平面に対する傾斜角度(図4に示す足裏支持部22の境界B1と着用者の踵骨HBの最も下方に突出した部分に対応する部分C1を含む面と、足裏支持部22の境界B1を含む水平面とのなす角)が20~50度、好ましくは30~40度、より好ましくは33~37度となる高さに構成されている。
シューズ1を着脱用形態にした後、広がった開口部20aから足をシューズ1内部に挿入する。着用者の足が足裏支持部22に乗ると、非固定部分22bに体重が作用し、非固定部分22bが境界B1を回動軸として回動し(低下し)、ソール10の上面に当接するまで下がって第1状態となる。これにより、シューズ1は、足裏支持部22がソール10から浮いておらず、足裏支持部22がしっかりと着用者の足裏を支持することにより、歩行又は走行可能な着用形態になる。
着用形態では、足裏支持部22の後端部を構成するインソール24の後壁部24aが、カバー部材23の後端部23cの下端部の内面に当接することにより、後壁部24aがカバー部材23に保持される。これにより、足裏支持部22の境界B1を回動軸とする回動が規制されて足裏支持部22が第1状態に保持される。
[脱着動作]
シューズ1を脱ぐ際には、まず、シューズ1を図1及び図4に示す着用形態から図3及び図5に示す着脱用形態にする。例えば、着用者が、シューズ1の踵部分を他方の足で路面Gから浮き上がらないように押さえながら、MP関節MP1~MP5を曲げて踵を浮き上がらせる。着用者のこの動作により、アッパー本体21が着用者の足の甲で持ち上げられ、アッパー本体21の下部に固定された足裏支持部22の非固定部分22bも持ち上がり、シューズ1が図3及び図5に示す着脱用形態になる(足裏支持部22が第2状態となる)。
シューズ1を着脱用形態にすると、シューズ1の開口部20aが広くなり、足裏支持部22の非固定部分22bが前下がり姿勢となる。また、足裏支持部22の非固定部分22bの回動に伴い、固定部分22aの前端及びソール10の前端10aが引き下げられ、固定部分22aも前下がり姿勢となる。よって、着用者は、足を足裏支持部22に沿って容易に引き出すことができる。
-実施形態1の効果-
以上のように、本実施形態1のシューズ1では、アッパー20の足裏支持部22の下面全体をソール10に固定するのではなく、着用者の足のMP関節MP1~MP5に対応する位置の近傍にある境界B1より前側の部分はソール10に固定された固定部分22aとし、境界B1より後側の部分はソール10に固定されない非固定部分22bとしている。また、上記シューズ1では、足裏支持部22を、非固定部分22bがソール10の上面に当接した第1状態と、非固定部分22bがソール10の上面から上方に離間して前下がり姿勢となる第2状態とに切り換えられるようにしている。このような構成により、上記シューズ1では、足裏支持部22を第1状態から第2状態に切り換えるだけで非固定部分22bが前下がりに傾斜した足を挿入し易い着脱に適した着脱用形態になる。また、シューズ1を履く際には、足裏支持部22に足を乗せ、非固定部分22bに体重を乗せるだけで非固定部分22bがソール10の上面に当接するまで下がって第1状態となり、歩行又は走行可能な着用形態になる。つまり、上記シューズ1では、非固定部分22bが前下がり姿勢となる足裏支持部22が第2状態の際に、従来のシューズのようにソール10が逆V字状に折り曲がらないため、足裏支持部22を第2状態(着脱用状態)から第1状態(着用状態)に切り換える際に、ソール10が路面Gと摺接して摩擦が生じて切換が阻害されることがなく、足裏支持部22の非固定部分22bを上げ下げする(境界B1を回動軸として回動させる)だけで、シューズ1の形態を着脱に適した着脱用形態と歩行又は走行可能な着用形態とに容易に変更することができる。また、本実施形態1のシューズ1では、着脱用形態(足裏支持部22が第2状態)の際には、足裏支持部22の非固定部分22bがソール10の上面から離間して前下がり姿勢となるだけで、非固定部分22bに対応するソール10の境界B1より後側の部分は、着用形態の際と同様に折れ曲がることなく接地している。そのため、本実施形態1のシューズ1によれば、着脱用形態にしてシューズ1を着用する際に、従来のシューズのように姿勢が不安定でぐらつきやすいものとならず、ソール10の境界B1より後側の部分が折れ曲がることなく接地した安定した姿勢となる。従って、本実施形態1によれば、着脱容易なシューズ1を提供することができる。
また、本実施形態1のシューズ1では、シューズ1を着脱する際に着用者の足がMP関節MP1~MP5で屈曲することに着目し、足裏支持部22が屈曲又は湾曲する位置(境界B1の位置)を、足が曲がる位置(MP関節MP1~MP5)に対応させている。そのため、上記シューズ1によれば、着用者が足のMP関節MP1~MP5を曲げるという着用者にとって容易な動作により、足裏支持部22を第1状態から第2状態に切り換えることができるため、シューズ1を脱ぐ動作を従来よりも円滑で容易なものとすることができる。逆に、シューズ1を履く際には、着用者が足を挿入し、足裏支持部22に体重をかけつつMP関節MP1~MP5を曲げた状態から伸ばすだけで、足裏支持部22を第2状態から第1状態に切り換えることができるため、シューズ1を履く動作も従来よりも円滑で容易なものとすることができる。従って、本実施形態1のシューズ1によれば、着用者の着脱動作を従来よりも円滑で容易なものとすることができる。
また、本実施形態1のシューズ1では、アッパー本体21が、着用者の足の後側において着用者の踵骨HBの最も後側に突出した部分hpよりも上方を覆う部分を有しないように構成されている。アッパー本体21をこのように構成することにより、足裏支持部22が第2状態の際に、足を挿入する開口部20aが広く形成される。よって、より着脱容易なシューズ1を提供することができる。
また、本実施形態1のシューズ1では、アッパー20がアッパー本体21と足裏支持部22の他に着用者の少なくとも後足部を覆うカバー部材23を有している。カバー部材23は、着用者の踵骨HBの最も後側に突出した部分hpよりも上方を覆えるように、後端部23cの高さが着用者の踵骨HBの最も後側に突出した部分hpよりも高くなるように形成されている。また、カバー部材23は、足裏支持部22の少なくとも後端部(インソール24の後壁部24a)が内側に嵌まり込み、該後端部を保持することにより、足裏支持部22を第1状態に保持するように構成されている。このようなカバー部材23を設けることにより、着用者の踵部を包み込みつつ、足裏支持部22を第1状態に保持する機構を容易に構成することができる。
本実施形態1のシューズ1では、足裏支持部22が第1状態と第2状態とに切り換えられるのに伴い、ソール10が弾性変形してソール10の前端10a(つま先部分)の高さが変化するように構成されている。具体的には、着脱するために足裏支持部22が第2状態(着脱用状態)にあるときには、比較的低い第2高さh2にあるソール10の前端10aが、着用者がシューズ1を履いて足裏支持部22が第1状態(着用状態)に切り換わると、第2高さh2より高い第1高さh1に引き上げられるようにソール10が変形する。このような構成により、上記シューズ1では、着用時に、適当なトースプリング(前端の路面からの立ち上がり距離)が得られ、着用者が歩行時又は走行時に足のつま先部分で路面Gを蹴り出し易くなり、歩行又は走行を容易に行うことができる。従って、本実施形態1によれば、着脱容易で且つ歩き心地又は走り心地のよいシューズ1を提供することができる。
本実施形態1のシューズ1では、足裏支持部22が第2状態の際に、固定部分22aが後方の非固定部分22bと同様に前下がり形状となるように、足裏支持部22及びソール10が変形するように構成されている。足裏支持部22及びソール10をこのように構成することにより、適当なトースプリングが得られるつま先上がりの構成としても、着脱時には足裏支持部22全体が前下がり形状となることで着用者が足を挿入し易くなる。
本実施形態1のシューズ1では、ソール10の下面の足裏支持部22の固定部分22aと非固定部分22bとの境界B1に対応する位置に、足幅方向に延びる溝15が形成されている。この溝15により、足裏支持部22の状態の切換に伴うソール10の変形(前端の高さを変更する変形)が促進される。
《その他の実施形態》
上記実施形態1では、インソール24とプレート25とで足裏支持部22を構成していたが、足裏支持部22は、プレート25を備えず、インソール24のみで構成されていてもよい。
上記実施形態1では、シューズ1が着用形態(足裏支持部22が第2状態)の際に、適当なトースプリングが得られるように、足裏支持部22の張力(主に剛性の高いプレート25の張力)により、ソール10の前端10aが、足裏支持部22の状態の切換(第2状態から第1状態への切換)に伴って引き上げられるように構成していた。しかしながら、足裏支持部22の状態の切換に伴ってソール10の前端10aを引き上げる構成は、実施形態1の構成に限られない。例えば、アッパー本体21を伸縮し難い素材で構成し、また、シューズ1が着脱用形態(足裏支持部22が第2状態)にあるときに、アッパー本体21に皺が寄らない形状に形成することにより、ソール10の前端10aが、アッパー本体21の張力により、シューズ1の形態変化(足裏支持部22の状態切換)に伴って引き上げられるように構成してもよい。
上記実施形態1では、ソール10の下面の足裏支持部22の固定部分22aと非固定部分22bとの境界B1に対応する位置に、足幅方向に延びる溝15を形成し、溝15によって足裏支持部22の状態の切換に伴うソール10の変形(前端の高さを変更する変形)が促進されるように構成していた。しかしながら、ソール10の変形を促進する構成は、溝15に限られない。例えば、溝15の代わりに、ソール10の境界B1に対応する部分を、他の部分よりも柔らかく変形し易い材料で形成したり、他の部分よりも厚みを薄くして変形し易くしたりすることにより、ソール10の変形が促進されるように構成してもよい。
上記実施形態1では、足裏支持部22が第1状態の際に、足裏支持部22の後端部を構成するインソール24の後壁部24aが、カバー部材23の後端部23cの下端部の内面に当接することにより、後壁部24aがカバー部材23に保持され、足裏支持部22の境界B1を回動軸とする回動が規制されて足裏支持部22が第1状態(シューズ1が着用形態)に保持されるように構成されていた。しかしながら、足裏支持部22を第1状態(シューズ1を着用形態)に保持する構成は、実施形態1の構成に限られない。例えば、足裏支持部22の下面とソール10の上面とに磁石や面ファスナーを取り付けることによって足裏支持部22を第1状態(シューズ1を着用形態)に保持することとしてもよい。また、足裏支持部22の下面とソール10の上面の一方に嵌合溝、他方に嵌合溝に嵌まる係合部を形成することによって足裏支持部22を第1状態(シューズ1を着用形態)に保持することとしてもよい。
上記実施形態1では、第2状態の足裏支持部22がカバー部材23の内側に落ち込まずにカバー部材23の上に乗るように、カバー部材23の上端部を下端部よりも分厚く形成することにより、足裏支持部22が第2状態(シューズ1が着脱用形態)に保持される。しかしながら、足裏支持部22を第2状態(シューズ1を着脱用形態)に保持する構成は、実施形態1の構成に限られない。
以上説明したように、本発明は、シューズについて有用である。
1 シューズ
10 ソール
10a 前端
10g 接地面
15 溝
20 アッパー
20a 開口部
21 アッパー本体
22 足裏支持部
22a 固定部分
22b 非固定部分
23 カバー部材
23c 後端部
24a 後壁部(足裏支持部の後端部)
B1 境界
HB 踵骨
MP1 第1中足趾節関節(MP関節)
MP2 第2中足趾節関節(MP関節)
MP3 第3中足趾節関節(MP関節)
MP4 第4中足趾節関節(MP関節)
MP5 第5中足趾節関節(MP関節)
F 前足部領域
M 中足部領域
H 後足部領域
h1 第1高さ
h2 第2高さ

Claims (6)

  1. 路面に接地する接地面を有するソールと、該ソールの上部に固定されて着用者の足を覆うアッパーとを備えたシューズであって、
    上記アッパーは、上記着用者の足の甲を覆うアッパー本体と、該アッパー本体の下部に固定されて前足部領域から後足部領域に亘って延びる上記着用者の足裏を支持する足裏支持部とを有し、
    上記足裏支持部は、上記着用者の足のMP関節に対応する位置の近傍において足幅方向に延びる境界より前側の部分が上記ソールに固定される固定部分に構成される一方、上記境界より後側の部分が上記ソールに固定されない非固定部分に構成され、
    上記足裏支持部は、
    上記非固定部分が上記ソールの上面に当接した第1状態と、
    上記非固定部分が上記ソールの上面から離間して前後方向の後側に向かう程上方に位置する第2状態とに切換可能に構成されている
    ことを特徴とするシューズ。
  2. 請求項1に記載のシューズにおいて、
    上記アッパー本体は、上記着用者の足の後側において上記着用者の踵骨の最も後側に突出した部分よりも上方を覆う部分を有しないものである
    ことを特徴とするシューズ。
  3. 請求項2に記載のシューズにおいて、
    上記アッパーは、上記ソールの上部に固定されて少なくとも上記着用者の後足部の内甲側、後側及び外甲側を一体的に覆うカバー部材を有し、
    上記カバー部材の後端部の高さは、上記着用者の踵骨の最も後側に突出した部分よりも高く、
    上記カバー部材は、上記足裏支持部が上記第1状態の際に、上記足裏支持部の少なくとも後端部が内側に嵌まり込み、該後端部を保持することにより、上記足裏支持部を上記第1状態に保持するように構成されている
    ことを特徴とするシューズ。
  4. 請求項1~3のいずれか1つに記載のシューズにおいて、
    上記ソールは、上記足裏支持部が上記第1状態の際に、前端が上記路面よりも上方の第1高さに位置し、上記足裏支持部が上記第2状態の際に、上記前端が上記第1高さより低い第2高さに位置するように変形可能に構成されている
    ことを特徴とするシューズ。
  5. 請求項4に記載のシューズにおいて、
    上記足裏支持部及び上記ソールは、上記足裏支持部が上記第2状態の際に、上記固定部分が前後方向の前側に向かう程高さが低くなる前下がり形状となるように変形するように構成されている
    ことを特徴とするシューズ。
  6. 請求項4又は5に記載のシューズにおいて、
    上記ソールの下面には、上記境界に対応する位置に、内甲側端から外甲側端まで延びる溝が形成されている
    ことを特徴とするシューズ。
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