JP2023135422A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内外気切替ダンパを有し内気及び外気を混合して送風する車両用空調装置に関し、ラム圧の変化が生じたとき、所望の内外気比率をに維持する。【解決手段】外気導入口82及び内気導入口84を同時に開放する車両用空調装置10の内外気導入モードにおいて、車両の車速、前記車両におけるサイドウィンドウ及びサンルーフの開度、前方車両と車両との車間距離、気象情報に基づいて、前記外気導入口82から導入される外気のラム圧を制御部18において推定する。推定されたラム圧に基づいて、駆動部24を駆動することで内外気切替ダンパ78の開度を調整し、外気の外気量を調整することで内外気比率を維持する。【選択図】図3
Description
本発明は、内外気切替ダンパを有し内気及び外気を混合して送風する車両用空調装置に関する。
近年、車両用空調装置に対する消費電力の低減や車室内における乗員の快適性への要請により、空調ケース内に対する車両の外部からの外気導入と車室内からの内気導入とを同時に行い、車室内環境に応じて内気と外気とを最適な内外気比率で混合させて車室内へ送風することが行われている。
特許文献1の車両用空調装置は、外気取入開口及び内気取入開口を有したブロアケースと、前記ブロアケースの下部に設けられるブロアファンとを備え、前記ブロアケースの内部には、外気取入開口を開閉可能な第1ドアと、内気取入開口を開閉可能な第2ドアが設けられる。
車両の走行中において、外気取入開口に配置されたセンサによって外気圧であるラム圧を検出し、前記ラム圧に基づいて制御部から第1ドアを駆動するモータへ制御信号を出力して第1ドアを回動させる。これにより、車両の車速によって変化するラム圧に応じて、外気取入開口からブロアケース内に取り込まれる外気量を制御し、所望の内外気比率となるように調整する。
特許文献1の車両用空調装置では、2つの第1及び第2ドアによって外気と内気との内外気比率を調整する構成であり、しかも、ラム圧を検出するためのセンサを備えているため、構成が複雑となって車両用空調装置を小型化することが難しく製造コストが増加する。また、車両の車速によるラム圧の変化をセンサで検出し、該ラム圧の変化に応じて第1及び第2ドアを駆動させることで内外気比率を調整しているため、前記車速以外の要素によってラム圧の変化が生じたとき、所望の内外気比率に維持することが難しい。
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
本発明の態様は、車両に搭載され、該車両の車室内へ温度調整された空気を送風する車両用空調装置であって、
外気が導入される外気導入口及び前記車室内の内気が導入される内気導入口と、
前記外気導入口を通じてハウジング内に導入される前記外気と、前記内気導入口を通じて前記ハウジング内に導入される前記内気との混合割合を調整する内外気切替ダンパと、
を備え、
前記車両の走行中において、前記内外気切替ダンパによって前記外気導入口と前記内気導入口とを同時に開放し、前記内気及び前記外気を前記混合割合で混合して前記車室内へ送風すると共に、
前記車両の車速情報と、前記車両における窓及びサンルーフの開度情報、前記車両の前方を走る前方車両と前記車両との車間距離情報、及び気象情報のうち少なくとも1つとに基づいて、前記外気導入口から前記ハウジング内に導入される前記外気のラム圧を推定し、
前記ラム圧に応じて前記内外気切替ダンパの開度を調整する。
外気が導入される外気導入口及び前記車室内の内気が導入される内気導入口と、
前記外気導入口を通じてハウジング内に導入される前記外気と、前記内気導入口を通じて前記ハウジング内に導入される前記内気との混合割合を調整する内外気切替ダンパと、
を備え、
前記車両の走行中において、前記内外気切替ダンパによって前記外気導入口と前記内気導入口とを同時に開放し、前記内気及び前記外気を前記混合割合で混合して前記車室内へ送風すると共に、
前記車両の車速情報と、前記車両における窓及びサンルーフの開度情報、前記車両の前方を走る前方車両と前記車両との車間距離情報、及び気象情報のうち少なくとも1つとに基づいて、前記外気導入口から前記ハウジング内に導入される前記外気のラム圧を推定し、
前記ラム圧に応じて前記内外気切替ダンパの開度を調整する。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、車両の走行中において外気及び内気を同時に導入するとき、制御部において車両の車速によって変化する外気のラム圧を推定すると共に、車速以外となる窓及びサンルーフの開度情報、前方車両との車間距離情報、気象情報の少なくとも1つに基づいて、車速以外によって変化する外気のラム圧を推定し、推定したラム圧に応じて内外気切替ダンパの開度を調整することで、所望の内外気比率となるように外気の外気量(ラム圧)を補正することができる。
これにより、車両の走行中においてラム圧が変化するときでも、目標とした所望の内外気比率を維持でき、内外気比率で送風を行うことで車両用空調装置を運転する際のエネルギー消費を抑制できる。ラム圧を検出するセンサを不要とすることで、構成を簡素化して小型化できると共に製造コストを削減できる。
以下、本発明について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係る車両用空調装置10は、車両12において車室内14の前方に搭載され、前記車室内14へ温度調整された空気を送風可能である。
先ず、車両用空調装置10の搭載される車両12について説明する。
図1に示す車両12は、一例として、セダンタイプの乗用車であり、乗員が車室内14の温度(内気温度)を設定する目標温度設定部16と、車室内14に配置される制御部18と、前記制御部18へ検出信号を出力する検出部20と、車両12の走行中における各種情報を収集する情報収集部22と、前記制御部18からの制御信号に基づいて駆動する駆動部24と、車室内14に配置される車両用空調装置10とを備える。
図1及び図2に示すように目標温度設定部16は、乗員が操作可能な車室内14の前方に配置され、前記目標温度設定部16の操作部を乗員が操作することで、車室内14の温度を調整可能である。目標温度設定部16において目標温度が設定され、目標温度情報16aが制御部18へと出力されることで、目標温度に応じて車両用空調装置10の送風モードが切り替えられる。
制御部18は、車両12の車室内14に搭載され、目標温度設定部16、検出部20、情報収集部22及び駆動部24に対してそれぞれ電気的に接続される。制御部18は、エレクトロニックコントロールユニット(ECU)であり、目標温度設定部16で設定された目標温度情報16aが入力されると共に、検出部20によって検出された検出情報が入力される。制御部18は、目標温度情報16a及び検出情報に基づいた制御信号を駆動部24へと出力し前記駆動部24を駆動制御する。
図2に示されるように、検出部20は、内気温センサ26と、車室内湿度センサ28と、外気温センサ30と、冷却水温度センサ32と、ガラス温度センサ34と、日射センサ36と、車速センサ38と、窓開度センサ40と、サンルーフ開度センサ42と、シャッタ開度センサ44と、車間距離検出部46とを備える。
内気温センサ26及び車室内湿度センサ28は、車両12において車室内14にそれぞれ配置される。内気温センサ26は、車室内14の内気温度を検出可能である。内気温センサ26で検出された内気温度は、内気温度情報26aとして制御部18に出力される。車室内湿度センサ28は、車室内14の車室内湿度を検出可能である。車室内湿度センサ28で検出された車室内湿度は、湿度情報28aとして制御部18に出力される。内気温度情報26a及び湿度情報28aに基づいて車室内の温度調整が行われる。
外気温センサ30は、車両12の外部に配置され、前記車両12の外部の外気温を検出可能であり、前記外気温センサ30で検出された外気温は、外気温情報30aとして制御部18へ出力される。外気温情報30aに基づいて車室内の温度調整が行われる。
冷却水温度センサ32は、車両12に搭載されたエンジンを循環する冷却水の温度を検出可能である。冷却水温度センサ32で検出された冷却水温度が、冷却水温度情報32aとして制御部18へ出力される。
ガラス温度センサ34は、車室内14においてフロントウィンドウ12aの近傍に配置され、フロントウィンドウ12aのガラス表面温度を検出可能である。ガラス温度センサ34で検出されたガラス表面温度は、ガラス温度センサ34からガラス温度情報34aとして制御部18へと出力される。
日射センサ36は、車室内14においてフロントウィンドウ12a近傍に配置され、前記フロントウィンドウ12aを透過して照射される日光の照射量を検出可能である。日射センサ36で検出された照射量は、日射センサ36から照射量情報36aとして制御部18へと出力される。ガラス温度情報34a及び照射量情報36aに基づいて車室内の温度調整が行われる。
車速センサ38は、車両12の車軸の回転数を検出することで車両12の車速を検出可能である。車速センサ38で検出された車速は、前記車速センサ38から車速情報38aとして制御部18へ出力される。
窓開度センサ40は、車両12におけるサイドウィンドウ12bの開度を検出可能であり、前記サイドウィンドウ12bの窓開度を検出し、前記窓開度が窓開度情報40aとして窓開度センサ40から制御部18へと出力する。
サンルーフ開度センサ42は、車両12のルーフ12cに開閉可能に設けられるサンルーフ12dのサンルーフ開度を検出可能であり、前記サンルーフ開度センサ42によって検出されたサンルーフ開度が、サンルーフ開度センサ42からサンルーフ開度情報42aとして制御部18へ出力される。
シャッタ開度センサ44は、車両12におけるエンジンルーム12e前方に配置される複数のシャッタ48の開閉状態を検出する。図1に示すように複数のシャッタ48は、エンジンルーム12eにおいてラジエータ(図示せず)の前方に配置され、走行中に前方から供給される走行風(外気)のエンジンルーム12e内への供給状態を切替可能である。各シャッタ48は、シャフト50と、該シャフト50に支持される羽根52とからなり、複数のシャッタ48が上下方向に並んで配置される。シャフト50及び羽根52は、後述する駆動部24のシャッタ開閉モータ58によって回転可能である。
シャッタ開閉モータ58によってシャッタ48のシャフト50が回転すると、各羽根52が水平に配置され走行風がエンジンルーム12e内に供給される開状態(図1参照)と、前記各羽根52が直立して該羽根52によってエンジンルーム12eの前方が塞がれた閉状態とが切り替えられる。シャッタ48の開閉状態がシャッタ開度センサ44で検出され、シャッタ開度情報44aとして制御部18へ出力される。
車間距離検出部46は、車両12の走行中において前方を走行する前方車両との間の車間距離を検出可能である。車間距離検出部46は、例えば、車両12の前方に配置されるレーダーや車載カメラである。レーダーや車載カメラによって検出されたデータが、車間距離情報46aとして制御部18へ出力され、前記制御部18において前記車間距離情報46aから車間距離が算出される。
情報収集部22は、車両12の進行方向における気象情報54aを収集する気象情報収集部54と、前記進行方向における道路情報56aを収集する道路情報収集部56とを備える。
気象情報収集部54は、例えば、車両12のGPSによる位置情報に基づいて、進行方向の天候や風向きに関する気象情報54aを収集し、道路情報収集部56は、前記位置情報に基づいて、前記進行方向の道路状況に関する道路情報56aを収集する。気象情報54a及び道路情報56aを制御部18へそれぞれ出力する。気象情報54aは、例えば、一定以上の風速である場合の風向きや風速等の情報である。気象情報54a及び道路情報56aは、図示しない情報端末で収集して制御部18へ出力してもよい。
駆動部24は、シャッタ48を開閉動作させるシャッタ開閉モータ58と、車両用空調装置10の送風機74を駆動させるファン駆動モータ60と、前記車両用空調装置10の内外気切替ダンパ78を駆動するダンパ駆動モータ62とを備える。
シャッタ開閉モータ58、ファン駆動モータ60及びダンパ駆動モータ62は、制御部18からの制御信号に基づいてそれぞれ回転駆動する。制御部18からの制御信号によってシャッタ開閉モータ58が駆動することで、シャッタ48が開閉動作する。制御部18からの制御信号によってファン駆動モータ60が駆動することで、送風機74における送風ファン98の回転が制御される。制御部18からの制御信号によってダンパ駆動モータ62が駆動することで、内外気切替ダンパ78の回動量(開度)及び回動方向が制御される。
次に、上述した車両12に搭載される車両用空調装置10について図3を参照しながら説明する。
車両用空調装置10は、外気及び内気を取り込んで空調ユニット(図示せず)へ供給する内外気切替ユニット70を備える。内外気切替ユニット70は、ハウジング72と、該ハウジング72の下部に設けられる送風機74と、前記ハウジング72の内部に収容されるフィルタ76と、前記フィルタ76の上流に配置される内外気切替ダンパ78とを有する。
ハウジング72の上部は、外気が導入される外気導入口82と、該外気導入口82の下部に配置される内気導入口84とを有し、前記外気導入口82は、図示しないダクトを介してエンジンルーム12e内と連通して外気を導入可能である。内気導入口84は、図示しないダクトを通じて車室内14と連通し、前記車室内14の空気、すなわち、内気を導入可能である。ハウジング72の内部において、通路86は、外気導入口82及び内気導入口84の下流に配置される。
内外気切替ダンパ78は、外気導入口82及び内気導入口84の下流側に配置される。内外気切替ダンパ78は、回転シャフト94と、該回転シャフト94から離間する方向に延在するプレート部96とを有した片持ち式のダンパである。
内外気切替ダンパ78の回転シャフト94は、ハウジング72の壁部に回転可能に支持される。回転シャフト94は、ハウジング72の外部に設けられたダンパ駆動モータ62に連結される。制御部18からの制御信号によってダンパ駆動モータ62が駆動すると、回転シャフト94及びプレート部96が回動する。
内外気切替ダンパ78が時計回りに回動した内気導入モードでは、プレート部96によって外気導入口82と通路86との連通が遮断される。内外気切替ダンパ78が反時計回りに回動することで外気導入モードとなり、外気導入口82と通路86とが連通する。
内気及び外気を同時に導入する内外気導入モードでは、内外気切替ダンパ78によって通路86を流通する外気の流量(外気量)が調整される。
送風機74は、ファン駆動モータ60によって回転する送風ファン98を有する。送風ファン98は、ハウジング72の下部に収容される。制御部18からの制御信号によってファン駆動モータ60が駆動することで、送風ファン98がハウジング72内で回転する。これにより、外気導入口82及び内気導入口84の少なくともいずれか一方を通じてハウジング72内に空気(内気、外気)が取り込まれ、前記空気が通路86からフィルタ76を通過した後、ハウジング72の下部に開口した供給孔100を通じて図示しない空調ユニットへ前記空気が供給される。
次に、車両用空調装置10が内外気導入モードで運転される場合について説明する。
先ず、乗員が目標温度設定部16の操作部を操作することで、車室内14の目標温度が設定され、該目標温度に基づいた目標温度情報16aが制御部18に出力される。これにより、内外気切替ユニット70による内外気導入モードが選択される。
内外気導入モードは、例えば、車室内14の湿度を低下させてフロントウィンドウ12a等の曇りを除去するとき、前記車室内14へ新鮮な外気を積極的に取り込む場合に選択される。
図3に示すように内外気導入モードが選択されると、ダンパ駆動モータ62を駆動させて内外気切替ダンパ78を全開位置と全閉位置との間となる中間位置にする。
ファン駆動モータ60が駆動して送風ファン98が回転することで、内気導入口84を通じて車室内14の内気がハウジング72の通路86に導入されると共に、外気導入口82を通じて外気がハウジング72の通路86に導入される。外気及び内気は、それぞれフィルタ76を通過することで所定の混合割合(以下、内外気比率という)で混合され、ハウジング72の下部から供給孔100を通じて空調ユニットに供給される。
内外気導入モードでは、内外気切替ダンパ78を回動させ外気導入口82から通路86へ流れる外気の外気量を調整することで、前記外気と内気とを所望の内外気比率に調整して車室内14へと送風している。
例えば、外気温が低い冬季には、比較的低温である外気の外気量を減少させ、既に温められている車室内14の内気を増加させることで、車室内14の温度調整に必要とされるエネルギー量を抑制可能である。外気温が高い夏季には、比較的高温である外気の外気量を減少させ、既に冷やされている車室内14の内気を増加させることで、車室内14の温度調整に必要とされるエネルギー量を抑制可能である。このように、車室内14の温度調整に必要とされるエネルギー量を抑制することで、消費電力を低減可能である。
上述した内外気導入モードにおいて、車両12が走行しているとき、外気導入口82から導入される外気の圧力(以下、ラム圧という)が変化する。一般的に、車両12の車速が速くなるのに伴ってラム圧も高くなる。そのため、ラム圧の変化によって外気導入口82から導入される外気の外気量が変化し、内外気比率が所望の値から変化する。
次に、車両12の走行中に内外気導入モードで送風を行うとき、所望の内外気比率を維持するためにラム圧の変化に応じて内外気切替ダンパ78の開度(位置)の補正を行う場合について図4を参照しながら説明する。
先ず、ステップS1において、ラム圧が変動する第1ラム圧変動要素である車両12の車速を検出する。車速センサ38によって検出された車速が車速情報38aとして制御部18へ出力される。制御部18において車速が70km/h以上であるか否かが判定される。一般的に、第1ラム圧変動要素である車速が速くなるのに伴って、外気導入口82から導入される外気のラム圧が高くなり、前記外気の外気量が増加する。
ステップS1において、車速が70km/h未満の場合、外気導入口82からハウジング72内に導入される外気のラム圧が比較的低く、それに伴って、ハウジング72内に導入される外気量の変化が小さい。従って、車速が70km/h未満の場合、ラム圧の変化による内外気比率への影響が少ないため、第1ラム圧変動要素に応じた内外気切替ダンパ78の開度の補正は行わない。すなわち、内外気切替ダンパ78の開度は、制御部18によって予め設定された開度となる(ステップS2)。なお、第1ラム圧変動要素に応じた内外気切替ダンパ78の開度補正を適用する基準速度は、70km/hに限らず、任意に設定可能である。
一方、ステップS1において、車両12の車速が70km/h以上であった場合、ステップS3において該車速に応じた内外気切替ダンパ78の開度の補正制御を行う(ステップS3)。車速が70km/h未満の場合と比較し、車速が70km/h以上である場合には外気のラム圧が高くなり、それに伴って、外気導入口82から導入される外気の外気量が所望の外気量より増加し、内外気比率が所定の値から変化する。
ステップS3において、第1ラム圧変動要素に応じた内外気切替ダンパ78の開度の補正制御を行うと判断された後、ステップS4では、前記第1ラム圧変動要素以外で内外気比率を変動させる第2ラム圧変動要素の有無が判定される。
第2ラム圧変動要素としては、例えば、内気温センサ26によって検出された内気温度と、外気温センサ30によって検出された外気温度と、車室内湿度センサ28によって検出された車室内湿度と、窓開度センサ40によって検出されたサイドウィンドウ12bの窓開度と、サンルーフ開度センサ42によって検出されたサンルーフ12dのサンルーフ開度と、車間距離検出部46によって検出された前方車両との車間距離と、気象情報収集部54によって収集された気象情報54aと、道路情報収集部56によって収集された道路情報56aである。
サイドウィンドウ12b及びサンルーフ12dの開度がわずかであるときは、車室内14の空気(内気)が、サイドウィンドウ12b及びサンルーフ12dの開口部位から車両12の外部へと吸い出されることで、内気の圧力が低下して相対的に外気のラム圧が高くなる。サイドウィンドウ12b及びサンルーフ12dの開度が全開であるとき、車室内14の圧力がさほど高まることがないため前記ラム圧はほぼ変化しない。
車両12の前方に前方車両が走行しており、前記車両12と前記前方車両との車間距離が短くなると、進行方向に存在する前方車両が障害物となるため、前記車両12の前方から導入される外気のラム圧が低くなる。
気象情報54aの一部である風向きが、車両12に対して前方から吹き付ける向かい風である場合、外気のラム圧は高くなる。気象情報54aの一部である風向きが、車両12に対して後方から吹き付ける追い風である場合、外気のラム圧は低くなる。
ステップS4において、上述した第2ラム圧変動要素は、それぞれ制御部18に入力された内気温度情報26a、湿度情報28a、外気温情報30a、窓開度情報40a、サンルーフ開度情報42a、車間距離情報46a、気象情報54a、道路情報56aに基づいて総合的に判断される。
第2ラム圧変動要素がないと判定されたとき、ステップS5において、第1ラム圧変動要素のみを考慮して内外気切替ダンパ78の開度を補正するための第1位置補正値が算出される。第1位置補正値は、車両12の車速に基づいて変化するラム圧が推定され、推定されたラム圧に応じて制御部18で算出される。車両12の車速に基づいたラム圧の値は、図示しないメモリ等に予め保存されている。
そして、ステップS6において、ステップS5で算出された第1位置補正値に基づいて、内外気切替ダンパ78の開度(位置)を補正する。制御部18から第1位置補正値に基づいた制御信号がダンパ駆動モータ62へ出力される。制御信号によってダンパ駆動モータ62が駆動することで、内外気切替ダンパ78が反時計回りに所定角度回動し、それに伴って、前記内外気切替ダンパ78によって外気導入口82と通路86との間の流路が狭くなる。これにより、外気導入口82から通路86へと流れる外気の外気量(ラム圧)が減少する。
その結果、車速が70km/h以上であり、外気導入口82から導入される外気のラム圧が高くなったとき、内外気切替ダンパ78の開度を補正して外気量を減少させ所望の外気量とすることで、内外気比率が予め設定されていた目標値に維持される。内外気切替ダンパ78の開度(回動量)は車速に応じて制御され、前記車速が速くラム圧が高くなるのに伴って前記回動量が多くなり、外気導入口82を通じて導入される外気の外気量が絞られる。
ステップS4で第2ラム圧変動要素があると判定された後、ステップS7において、第1ラム圧変動要素及び第2ラム圧変動要素を考慮して内外気切替ダンパ78の開度(位置)を補正するための第2位置補正値を算出する。
例えば、第2ラム圧変動要素のうち、設定された目標の内外気比率を変化させる可能性の大きな要素に基づいてラム圧がそれぞれ推定され、推定された前記ラム圧に応じて第2位置補正値が制御部18で算出される。第2ラム圧変動要素に基づいた各ラム圧は、図示しないメモリ等に予め保存されている。
そして、ステップS6において、ステップS7で算出された第2位置補正値に基づいて、内外気切替ダンパ78の開度(位置)を補正する。制御部18から第2位置補正値に基づいた制御信号がダンパ駆動モータ62へ出力される。制御信号によってダンパ駆動モータ62が駆動することで、内外気切替ダンパ78が反時計回りに所定角度回動し、それに伴って、前記内外気切替ダンパ78によって外気導入口82から通路86へと流れる外気の外気量(ラム圧)が絞られて減少する。
その結果、車速が70km/h以上であり、且つ、該車速以外にラム圧が変化する第2ラム圧変動要素がある場合、内外気切替ダンパ78の開度を補正して外気量を減少させることで、内外気比率が予め設定されていた目標値に維持される。
また、検出部20からの検出信号に基づいて制御部18でラム圧が所定値より低いと推定されたとき、前記制御部18で算出された第2位置補正値に基づいた制御信号をダンパ駆動モータ62へ出力し、内外気切替ダンパ78を時計回りに回動させる。これにより、外気導入口82からハウジング72内により多くの外気を導入し、所望の内外気比率を維持することが可能である。ラム圧が所定値より低い場合とは、例えば、車両12の車速が低い場合、気象情報収集部54から収集された風向きが、車両12の後方から吹き付ける追い風の場合等が考えられる。
以上のように、本発明の実施形態では、車両12の走行中において外気及び内気を同時に導入する内外気導入モードで送風するとき、制御部18において車両12の車速に基づいた変化するラム圧を推定すると共に、窓及びサンルーフの開度、前方車両との車間距離、気象情報54a及び道路情報56aに基づいて変化するラム圧を推定し、推定されたラム圧から内外気切替ダンパ78の開度を補正するための第2位置補正値を算出する。第2位置補正値に基づいて内外気切替ダンパ78を駆動させ開度を調整することで、内外気比率が予め設定された目標値となるように外気のラム圧(外気量)を調整することができる。
その結果、車両12の走行中においてラム圧の変化が生じるときでも、目標とした内外気比率を維持することができ、最適な内外気比率で車両用空調装置10の冷房運転及び暖房運転を行うことでエネルギー消費を抑制することが可能となる。従来の車両用空調装置におけるラム圧を検出するセンサを不要とすることで、車両用空調装置10の構成を簡素化して小型化できると共に、製造コストの削減が可能となる。
また、内外気切替ダンパ78の開度(位置)を補正する代わりに、シャッタ開度センサ44によって検出したシャッタ48の開度をシャッタ開度情報44aとして制御部18に出力し、前記制御部18からの制御信号によってシャッタ開閉モータ58を駆動制御することで、ラム圧に応じたシャッタ48の開閉制御を行ってもよい。
すなわち、シャッタ開閉モータ58を駆動制御し、シャッタ48の開閉状態を切り替えることで、シャッタ48を通じて車両12の前方からエンジンルーム12e内に導入される外気の外気量を制御する。
これにより、車両12の車速が速く、該車両12の前方からエンジンルーム12e内へ導入される外気のラム圧が高いとき、シャッタ48を閉状態とすることで前記ラム圧を低下させ、外気導入口82から導入される外気の外気量を減少させる。これにより、シャッタ48を駆動制御することで、所望の内外気比率を維持することが可能となる。
車両12の車速が低く、エンジンルーム12e内に導入される外気のラム圧が低いとき、シャッタ開閉モータ58を駆動制御してシャッタ48を開けて前方を開放することで、車両12の前方からエンジンルーム12e内に外気を取り込んで、外気導入口82からハウジング72内へと導入することができる。
さらに、内外気切替ダンパ78の開度の補正制御と、シャッタ48の開閉制御とを同時に行ってもよい。ラム圧の変化に応じて内外気切替ダンパ78及びシャッタ48を同時に駆動制御することで、ハウジング72内に導入される外気の外気量(ラム圧)を高精度に制御し、内外気比率を目標値で精度よく維持することが可能である。
なお、本発明は、上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を取り得る。
10…車両用空調装置 12…車両
18…制御部 20…検出部
22…情報収集部 24…駆動部
54…気象情報収集部 56…道路情報収集部
62…ダンパ駆動モータ 70…内外気切替ユニット
78…内外気切替ダンパ 82…外気導入口
84…内気導入口
18…制御部 20…検出部
22…情報収集部 24…駆動部
54…気象情報収集部 56…道路情報収集部
62…ダンパ駆動モータ 70…内外気切替ユニット
78…内外気切替ダンパ 82…外気導入口
84…内気導入口
Claims (1)
- 車両に搭載され、該車両の車室内へ温度調整された空気を送風する車両用空調装置であって、
外気が導入される外気導入口及び前記車室内の内気が導入される内気導入口と、
前記外気導入口を通じてハウジング内に導入される前記外気と、前記内気導入口を通じて前記ハウジング内に導入される前記内気との混合割合を調整する内外気切替ダンパと、
を備え、
前記車両の走行中において、前記内外気切替ダンパによって前記外気導入口と前記内気導入口とを同時に開放し、前記内気及び前記外気を前記混合割合で混合して前記車室内へ送風すると共に、
前記車両の車速情報と、前記車両における窓及びサンルーフの開度情報、前記車両の前方を走る前方車両と前記車両との車間距離情報、及び気象情報のうち少なくとも1つとに基づいて、前記外気導入口から前記ハウジング内に導入される前記外気のラム圧を推定し、
前記ラム圧に応じて前記内外気切替ダンパの開度を調整する、車両用空調装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022040622A JP2023135422A (ja) | 2022-03-15 | 2022-03-15 | 車両用空調装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022040622A JP2023135422A (ja) | 2022-03-15 | 2022-03-15 | 車両用空調装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023135422A true JP2023135422A (ja) | 2023-09-28 |
Family
ID=88144351
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022040622A Pending JP2023135422A (ja) | 2022-03-15 | 2022-03-15 | 車両用空調装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023135422A (ja) |
-
2022
- 2022-03-15 JP JP2022040622A patent/JP2023135422A/ja active Pending
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