JP2023134792A - 内部密性結合組織の質の評価のための非侵襲的プロセス - Google Patents

内部密性結合組織の質の評価のための非侵襲的プロセス Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、患者の1つまたは複数の密性結合組織の質を評価する非侵襲的なプロセスに関する。【解決手段】プロセスは、以下のステップを含む。a)少なくとも1つの以下のステップにより、患者の皮膚の一部の非笛レプリカのマイクロレリーフのプロファイルを分析するステップ。a1.皮膚レプリカの画像上で、線の形状および線の異方性を視覚的に評価するステップ、および/または、a2.皮膚レプリカの画像上で、光学センサを用いてマイクロレリーフの粗さ指数を決定するステップ。b)健康な皮膚を表す「ステージ1」の皮膚レプリカ、および変質した皮膚を表す「ステージ2」の皮膚レプリカを識別すること。ステージ2の皮膚レプリカは、患者の身体の1つまたは複数の密性結合組織の質が低いことを示す。【選択図】なし

Description

本発明は、非侵襲的な診断プロセスを用いて、内部の密性結合組織の質を評価するための方法およびキットに関する。
この非侵襲的なプロセスは、患者からの皮膚のレプリカを評価することにより、皮膚のパラメータを決定することを含む。
驚くべきことに、本発明者らは、皮膚のいくつかのパラメータが内部の、密性結合組織の質の低さと相関していることを示している。
哺乳類の体内の臓器の質および最適な機能は、体の年齢とともに、特に、病気、障害、および/または不適切な生活習慣などの状況下で進行する。その結果、同じ年齢の個体であっても、臓器の質は個体差が大きい。
哺乳類の体内の臓器の質は、臨床検査、画像化技術(超音波スキャン、X線撮影)、体液(血液、リンパ液、尿、分泌物)内の生物学的マーカーの検出および定量化、および生検サンプルからの組織分析などの多くの技術により評価される。
これらの診断プロセスのうち、侵襲的なプロセスと非侵襲的なプロセスとが区別される。明らかな理由により、非侵襲的なプロセスが患者および臨床医に好まれている。しかし、臓器に関して言えば、組織のサンプルを取得して分析することなく、臓器の質および機能に関する情報を得ることは難しい場合がある。
したがって、臓器の質に関連する特定の状態の診断を容易にするために、哺乳類の体内の内部組織の質を評価するための非侵襲的プロセスが現在研究されている。
より具体的には、該当する臓器は、密性結合組織(dense connective tissue)であり、緻密線維組織とも呼ばれ、コラーゲン線維を含み、体内で機械的役割を有する結合組織の一種である。密性結合組織は、特に、骨、腱および靱帯などのロープ状構造、真皮、鞘、および筋膜を含む。
特に、その質が評価されるべき結合組織は、骨である。その質が評価されるべき結合組織の別の例として、真皮が挙げられる。
<骨関連疾患>
骨(bone)組織(骨(osseous)組織)は、コラーゲンを主成分とする骨質、および様々な無機塩からなる内部マトリックスを含む硬組織である。骨組織にはまた、骨芽細胞、骨細胞、破骨細胞などの異なるタイプの骨細胞が含まれる。
骨軟骨異形成症は、骨と軟骨の発達の障害の総称である。一般的な疾患としては、骨髄炎、骨粗しょう症、骨減少症、骨軟化症、骨溶解、骨硬化症、および骨軟骨炎が挙げられる。
<加齢による骨の変化>
骨は生きた組織である。人間は加齢によって骨の構造が変化し、密度が低下して弱くなる。そのため、高齢者は突然の衝撃または落下による骨折の危険にさらされる。結果として、骨の質に関して重要な個人差があるが、骨折発生率は高齢者ほど高くなる。
骨は、以下を含む多くの理由により密度が低下する。
・ホルモン変化-女性では、閉経が骨組織中のミネラルの損失を引き起こす。男性では、性ホルモンの段階的な減少が、後に骨粗しょう症を発症する。
・骨がカルシウムおよび他のミネラルを失う。
・高齢者は活動的でない生活を送る傾向にある。
骨密度の低下に関する病態は、骨減少症(軽度の低下)、および骨粗しょう症(骨密度の強い低下)と呼ばれている。一般的に骨折する骨には、脊椎の椎骨、前腕の骨、股関節が含まれる。しかし、骨折するまでは、通常は無症状である。
西洋諸国では、高齢者は、骨折のリスク、特に死亡率および罹患率に関する懸念の主な原因である股関節骨折を被るリスクを決定するために、診断テストに従うよう促されている。
<個人の骨の質を評価するプロセス>
通常、最初の骨折の後、リスクのある患者を綿密に観察するために、別の骨折の出現のリスクが決定される。
骨の弱さは、以下に簡単に説明されるように、当業者によく知られている異なる技術により診断される。
バイオマーカーは、骨の劣化を検出するのに有用なツールである。例えば、I型コラーゲンからの分解生成物は、骨の重要な構成要素であり、患者の血液および/または尿排出量で測定することができる。これらの分解生成物の増加は骨量の低下を示し、したがって、骨粗しょう症に対するバイオマーカーとして役立つ。
従来のX線撮影では、骨量の減少および骨粗しょう症の前段階の検出も可能である。しかし、X線撮影は、早期の疾患の検出に対しては比較的反応しにくく、X線画像上で明らかになるためには、相当量の骨量の減少(約30%)が必要である。
骨粗しょう症の診断のために、「ゴールドスタンダード」の診断技術が骨塩密度(BMD)の測定である。
BMDを測定する最も一般的な方法は、骨のミネラル含有量を測定するために実行される非侵襲的検査である、二重エネルギーX線吸収測定法(DXAまたはDEXA)である。Tスコアとして知られる測定値は、その人がどのカテゴリ(骨減少症、骨粗しょう症、または正常)に該当するかを決定する。若くて健康な成人女性の参照集団の標準偏差よりも、骨塩密度が標準偏差2.5またはそれよりも低い場合に、骨粗しょう症であると診断される。
骨の弱さを診断するこの手法は、効率的ではあるが欠点がある。第1に、この手法は、X線撮影装置を必要とするため、実装するには重い。第2に、この手法の感度は50歳以下の男性、および閉経前の女性のような特定のタイプの患者に対しては信頼できない。
人々はより長く生きることを期待されているため、骨の弱さ、および関連する骨折、特に股関節骨折は、より一般的になるであろう(股関節骨折の有病率については、Vochtelooら、2012年、およびSullivanら、2016年を参照)。
したがって、骨の弱さを呈する患者の識別に役立つマーカーおよび診断プロセス、好ましくは、非侵襲的かつ実装が容易なプロセスを特定することが重要である。
国際公開第2005/122893号には、角化組織の物理的または化学的構造の変化を検出することにより骨疾患を診断する方法が開示されている。特に、この特許出願では、個人の爪の硬さが骨粗しょう症を示すことが記載されている。
国際公開第2013/076579号には、ラマン分光法により測定される角化細胞、特に爪の物理的または化学的構造の変化を検出することにより、個人の骨折のリスクを評価する方法が開示されている。特に、爪の硫黄結合のレベルは骨折のリスクを示す。
近年、Aureganと同僚(Aureganら、2017年)は、高齢者の対側股関節骨折のリスクに対するバイオマーカーを特定した。彼らは、個人の皮膚の厚さの有意な減少は、対側股関節骨折を被るリスクを高めることを示している。
有利には、臓器の質を評価する非侵襲的なプロセスは、少なくとも1つの密性結合組織での脆弱性を示す患者の識別を迅速化および簡略化し、特に、患者の骨の弱さの検出を可能にする。
<個人の真皮の質を評価するプロセス>
真皮(dermis)または真皮(corium)は、表皮と皮下組織との間の皮膚の層であり、主に高密度で不規則な結合組織で構成され、ストレス(stress)および緊張(strain)から身体を保護する。真皮は、皮膚の機械的なフレームを形成する。真皮は、固定細胞(線維芽細胞)および移動細胞(血液細胞)で構成される。細胞間において、細胞外マトリックス(ECM)は主にコラーゲン線維とエラスチンとで構成されている。
真皮の質、ひいては皮膚の質は、ECMの質、特にその劣化レベルに大きく関係している。
近年、研究により、真皮の細胞外マトリックスにおける皮膚の老化とエラスチン/コラーゲン比との関連性が立証された(Czekallaら、2017年)。この比率は、個人の真皮、すなわちその質と時間の経過に伴う進化に関する重要な個人差に従う組織、の内因性老化を評価するための信頼性のあるマーカーであることが実証されている。
化粧品だけでなく治療の目的で、個人の皮膚真皮の質を評価するために、老化および/または真皮の脆弱性を検出するマーカーを特定することが重要である。好ましくは、マーカーは、非侵襲的で実装が容易なプロセスで決定されるであろう。
本発明は、患者の1つまたは複数の密性結合組織の質を評価する非侵襲的なプロセスに関する。プロセスは、以下のステップを含み、
a)少なくとも1つの以下のステップにより、患者の皮膚の一部の皮膚レプリカのマイクロレリーフのプロファイルを分析するステップ。
a1.皮膚レプリカの画像上で、筋の形状および筋の異方性を視覚的に評価するステップ;および/または、
a2.皮膚レプリカの画像上で、光学センサを用いてマイクロレリーフの粗さ指数を決定するステップ;
b)健康な皮膚を表す「ステージ1」の皮膚レプリカ、および変質した皮膚を表す「ステージ2」の皮膚レプリカを識別するステップ、
ステージ2の皮膚レプリカは、患者の身体の1つまたは複数の密性結合組織の質が低いことを示す。
より詳細には、本発明は、骨組織の質および/または真皮の質を評価する非侵襲的なプロセスに関する。
特に、本発明は、患者の対側股関節骨折の発生のリスクを決定する非侵襲的なプロセスに関する。
本発明はまた、以下を含む診断キットに関する。
シリコーンポリマーおよび成形装置を含む患者の皮膚レプリカを取得する手段、および、
先に定義されたように、一方はステージ1を示し、他方はステージ2を示す、参照皮膚レプリカの少なくとも2つの参照画像。
ステージ1を示す、患者P19の皮膚レプリカの、a)0°画像、およびb)90°画像を含む、参照皮膚レプリカの画像 ステージ2を示す、患者P4の皮膚レプリカの、a)0°画像および、b)90°画像を含む皮膚レプリカの画像 「ステージ1」として識別された皮膚レプリカの変質していない筋の写真 「ステージ2」として識別された皮膚レプリカの明確に変質した筋の写真 光学センサによる定量的測定における、皮膚レプリカの測定ラインを、縦方向に沿った実線、および横(縦方向から90°の)方向に沿った点線で示す図 光学センサによる定量的測定における、マイクロレリーフの粗さ指数の測定例であって、縦方向(上のグラフ)、および横方向(下のグラフ)の患者P16のレプリカ画像における測定結果を示すグラフ 骨の質の決定における定量的プロセスの応用において、SILTの値が中程度の「ステージ1」とSILTの値が非常に大きい「ステージ2」との2グループに分類された患者それぞれから採取した対応する骨サンプルの骨降伏応力について評価した結果を示すグラフ 骨の質の決定における定量的プロセスの応用において、SILTの値が中程度の「ステージ1」とSILTの値が非常に大きい「ステージ2」との2グループに分類された患者それぞれから採取した対応する骨サンプルのヤング率について評価した結果を示すグラフ 高視覚(grate visual)群と低視覚(low visual)群とに対するエラスチン/コラーゲン比の平均値を示すグラフ 中程度SILT群と極度SILT群とに対するエラスチン/コラーゲン比の平均値を示すグラフ
SILT値が中程度の皮膚レプリカを呈する患者は、骨降伏応力の平均が略14MPa(図5A)、および骨ヤング率が約900MPa(図5B)である。
SILT値が非常に大きい皮膚レプリカを呈する患者は、骨降伏応力の平均が約6MPa(図5A)、および骨ヤング率が約400MPa(図5B)である。
図6Aにおいて、患者は、「ステージ1」(「高視覚」)として識別された皮膚レプリカを示す群と、「ステージ2」(「低視覚」)として識別された皮膚レプリカを示す群と、の2つのグループに分類された。対応するエラスチン/コラーゲン比は、それぞれの患者に対して評価された。
「高視覚」を有する皮膚レプリカを示す患者は、エラスチン/コラーゲン比の平均が0.021±0.016である。
「低視覚」を有する皮膚レプリカを示す患者は、エラスチン/コラーゲン比の平均が0.041±0.028である。
図6Bにおいて、患者は、SILT値が中程度(「中程度SILT」)の群と、SILT値が非常に大きい(「極度SILT」)の群と、の2つのグループに分類された。対応するエラスチン/コラーゲン比は、それぞれの患者に対して評価された。
中程度SILT値を有する皮膚レプリカを示す患者は、エラスチン/コラーゲン比の平均が0.022±0.015である。
極度SILT値を有する皮膚レプリカを示す患者は、エラスチン/コラーゲン比の平均が0.065±0.039である。
本発明は、患者の1つまたは複数の密性結合組織の質を評価する非侵襲的なプロセスに関する。プロセスは、以下のステップを含み、
a)少なくとも1つの以下のステップにより、患者の皮膚の一部の皮膚レプリカのマイクロレリーフのプロファイルを分析するステップ、
a1.皮膚レプリカの画像上で、(i)筋の形状(連続/不連続)および(ii)筋の異方性(多方向を向いているかどうか)を視覚的に評価するステップ;および/または、
a2.皮膚レプリカの画像上で、光学センサを用いてマイクロレリーフの粗さ指数を決定するステップ;
b)健康な皮膚を表す「ステージ1」の皮膚レプリカ、および変質した皮膚を表す「ステージ2」の皮膚レプリカを識別するステップ、
ステージ2の皮膚レプリカは、患者の身体の1つまたは複数の密性結合組織の質が低いことを示す。
「患者」という用語は、当業者、すなわち、臨床医、内科医、皮膚科医、または任意の保健介護士により決定された、任意の理由で、少なくとも1つの内部密性結合組織の質を評価されるべき個人を指す。
特に、患者は、骨減少症または骨粗鬆症などの骨疾患に罹患した個人であってもよい。患者はまた、以前に股関節骨折などの骨折を被ったことのある個人であってもよい。
患者はまた、皮膚炎、乾癬、異常な剥離、斑点、および/または異常な皮膚の老化などの皮膚疾患に罹患している、または罹患しやすい個人であってもよい。
本出願では、「患者」および「個人」の両方の用語が区別なく使用される。
密性結合組織は、個人の加齢に伴いより質が低下する傾向にあり、本発明の特定の実施の形態では、患者は高齢者である。
本発明の意味では、高齢者は70歳以上の年齢の個人である。
本発明によると、特許請求の範囲のプロセスは、患者の皮膚に傷が生じないため非侵襲的であると定義される。さらに、粘膜または任意の内部体腔への接触がない。
本発明のプロセスは、非侵襲的な方法で取得された患者の皮膚レプリカに対してインビトロ(in vitro)で実施される。
本発明の意味では、「皮膚の一部」は、通常太陽光にさらされていない皮膚表面の領域、例えば前腕の前部、を指す。この皮膚の一部の大きさは、1cmと15cmとの間に含まれる。
皮膚表面のマイクロレリーフを分析するために、重合した皮膚領域のマイクロレリーフを再現するポリマーで形成されたネガティブレプリカを使用することが、化粧品業界で開発された。この方法は、当業者には周知であり、(Sampson、1961年)および(Hashimoto、1974年)に特に記載されている。
本発明の特定の実施の形態において、皮膚レプリカは、患者の皮膚表面の一部にシリコーンポリマーを塗布することによって取得される。
本発明の好ましい実施の形態において、シリコーンレプリカは、肘から5cm離れて隣接する領域上で、前腕の前部から取得される。
シリコーン成形品の作成には、任意の成形装置および任意の便利なシリコーンポリマーを使用することができる。レプリカを形成するのに便利なシリコーンポリマーは、皮膚温度で迅速に重合し、すべてのしわを埋めるのに十分な液体であり、凝固プロセスにおいて変形を回避する必要がある。
本発明の好ましい実施の形態において、使用されるシリコーンポリマーは、市販のポリマーSILFLO(登録商標)である。
<密性結合組織>
本発明の意味では、密性結合組織は、体内の機械的役割を有する内部の線維性組織であり、コラーゲンを主成分とする線維を含む。密性結合組織は、特に、骨、腱および靱帯などのロープ状構造、筋膜、鞘、真皮、および皮下組織、すなわち皮膚の下層を含む。
本発明の特定の実施の形態において、密性結合組織は、骨組織である。
様々な理由により、骨の質が低下し、個人に対して骨折のリスクが高くなる。特に、骨組織は、個人の加齢に伴いより質が低下する傾向にある。人類の場合、骨は70歳以上の個人ではより脆弱になる。骨が脆弱になる他の理由には、骨減少症および骨粗しょう症などの病理学的疾患が含まれる。
一実施の形態によると、本発明のプロセスは、組織の乾燥重量の少なくとも50%のコラーゲン線維の含有量を有すると定義される、コラーゲン線維を主成分とする1つまたは複数の密性結合組織の質を推定するよう適合される。
たとえば、真皮は、組織の総乾燥重量に対して、乾燥重量ベースで70%のコラーゲン線維を含む。
本発明の特定の実施の形態において、密性結合組織は皮膚の真皮である。
真皮の形態の変化は、解剖学的位置、性別、および個人の年齢によって異なる。子供の皮膚は比較的薄く、皮膚が薄くなり始める40代または50代までは次第に厚くなっていく。この菲薄化は真皮の変化であり、弾性線維、上皮付属器、および基質の喪失を伴う。
皮膚の老化は、内因性および外因性要因の両方に影響を受け、そのため重要な個人差がある。個人の真皮の質の測定は、皮膚疾患の診断、または顔のための美容/衛生習慣の適応などの様々な用途にとって重要なツールである。
<密性結合組織の質の評価>
本発明のプロセスは、非侵襲的な方法により、患者の1つまたは複数の密性結合組織の質を評価するよう指定されている。
本発明の意味では、プロセスは1つの密性結合組織の質の評価に対して、または、患者に存在する2つ、3つ、4つ以上の密性結合組織に対して使用され得ることが理解される。
本発明の意味では、組織の「質」は、体内でのその機能、例えば、機械的な力に抵抗すること、および/または身体の重量を支えること、および/または異なる組織を連結すること、および/または自発的な特定の動きを実行すること、を果たす能力を指す。
本発明の意味では、組織の「質が低い」とは、質の参照レベルと比較して、例えば、若く健康な成人の同じ組織の質と比較して、その共通機能に対する能力低下に相当する。
特に、「質が低い組織」は老化した組織に特有の特徴を示し、この老化は内因的または外因的要因の結果であり、その組織の属する個人の実際の年齢には体系的にリンクしない。
組織の「質が低いこと」は、組織に影響を受ける障害(disorder)または病気(disease)を呈する個人において観察されることがある。または、加齢が体内の組織の質を低下させる傾向があるため高齢者において観察される。
当業者は、それぞれの密性結合組織に対して、その組織の質を特徴づけるための、最善のおよび/またはより利用可能な技術を知っている。
たとえば、骨組織の質を評価するためにプロセスが実装される場合、骨の質を評価することのできる一般的なバイオマーカーは以下の通りである。
-圧縮海綿骨降伏応力の測定値、以後、骨降伏応力またはBYSと称する。
-圧縮ヤング率、以後、ヤング率と称する。
降伏応力は、材料が塑性変形し始める応力として定義される材料特性である。降伏点は非線形変形が開始される点である。降伏点に達する前に、材料は弾力的に変形し、加えられた応力が除去されたときに元の形状に戻る。降伏点は、永久的な変形を伴わずに加えることのできる力の上限を示すため、機械的要素に対する性能の限界を決定する。降伏点を通過すると、変形の一部は永久的で非可逆的なものになる。
本発明の意味では、「骨降伏応力」は、加えられたときに、骨が非可逆的な方法で変形する、すなわち、加えられた応力の下でクラックが発生する応力レベルである。骨降伏応力は、圧力の単位(パスカルまたはメガパスカル)で表される。
当業者は、患者からの骨のサンプルで測定された骨降伏応力などのいくつかのバイオマーカーの機能で、骨の質が低いか良いかを決定する。
高い骨降伏応力は骨の質が良いことを示し、低い骨降伏応力は骨の質が低いことを示すということが一般的に認められている。
弾性係数としても知られるヤング率は、固体材料の剛性の尺度である。ヤング率は、材料の応力とひずみの比率(比例変形)である。ヤング率は、圧力の単位(パスカルまたはN/mmまたはkg・m-1・s-2)で表される。
ヤング率Eは、以下の等式(1)に従って、物理的応力-ひずみ曲線の弾性部分の引張応力σ(ε)を工学的引張りひずみεで除算することにより計算することができる。
Figure 2023134792000001
ここで、
Eはヤング率である。
Fは張力下で骨に加えられる力である。
Aは実際の断面積であり、加えられた力に対して垂直な断面の面積と等しい。
ΔLは骨の長さの変化量である(材料が延びる場合ΔLは正の値であり、材料が縮む場合ΔLは負の値である)。
は骨の元の長さである。
本発明の意味では、「ヤング率」は、等式(1)に従って計算された、患者で採取された骨のサンプルに対する応力とひずみの比率である。
人の皮質骨のおおよそのヤング率は7から30GPaの間に含まれ、その中央値は約14GPa(ギガパスカル)である。
高いヤング率は海綿骨の質が良いことを示し、低いヤング率は海綿骨の質が低いことを示すということが一般的に認められている。
本発明の意味によると、骨の質が低いことは、一般集団の骨折のリスクと比較して、患者の骨折のリスクが増加することに相当する。
別の例として、プロセスが真皮の質を評価するために実装される場合、真皮の質の共通のバイオマーカーは、その真皮中のエラスチン/コラーゲン(E/C)含有量である。確かに、コラーゲン線維は老化の過程で薄くなる一方で、非晶質エラスチン線維は蓄積する。したがって、エラスチン/コラーゲン比は、個人の加齢により増加する傾向にある、および/または、日光曝露などの、老化現象を誘発する外因性要因の影響下で変化する。
これまでのところ、このE/C比率は侵襲的生検の垂直組織切片から決定された。近年、非侵襲的水平スキャンおよび垂直二光子顕微鏡法により、真皮中のコラーゲンおよびエラスチンの含有量を評価することができるようになった。放出された自家蛍光(AF)と、第2高調波発生(SHG)信号とは、皮膚の内因的および外因的老化を決定するための客観的なパラメータである、「真皮のSHG-to-AF老化指数(SAAID)」に変換することができる。
<患者の皮膚レプリカの分析>
本発明によるプロセスは、患者の皮膚表面の一部の皮膚レプリカのマイクロレリーフのプロファイルを分析する第1ステップを含む。
本発明の意味では、マイクロレリーフのプロファイルは、皮膚レプリカの「トポグラフィ」、すなわち、皮膚レプリカに存在する筋の深さおよび異方性を含むがこれらに限定されず、この非線形表面に特有の特性のグループを指す。それぞれのプロファイルは、それを一意にする特有の特性の合計を含む。
このプロファイル分析は、皮膚レプリカの画像を用いて実行される。
これらの画像は、好ましくは次の条件で撮影される。
-低角度グレージング照明(low-angled,grazing illumination)。
-少なくとも1つの光ファイバー、好ましくは2つ以上の光ファイバーにより供給された照明。
低角度照明により、皮膚レプリカのマイクロレリーフをハイライトすることができ、したがって、マイクロレリーフが肉眼で視認可能な画像を取得することができる。
<ステップa1 皮膚レプリカの視覚的特徴づけ>
本発明の第1の実施の形態によると、皮膚レプリカのマイクロレリーフのプロファイルを分析するステップは、皮膚レプリカの画像上で、筋の形状および筋の異方性を視覚的に評価することからなる。
筋の形状は、大きさおよび筋の連続性により定義される。
異方性は、等方性と対照的に、方向に依存する性質である。筋の異方性は、様々な方向に沿った線の分布を指す。すなわち、筋がすべて同じ方向を向いているか、または、複数の方向に向いているか。
本発明の特定の実施の形態によると、このステップ(a1)は、異なる角度により撮影された皮膚レプリカの少なくとも2つの画像を分析することを含む。
本発明の特定の実施の形態において、皮膚レプリカの2つ画像はこの分析に使用される。
より具体的には、これらの2つの画像は次の角度により撮影される。約0°(1枚目の画像)および約90°(1枚目の画像との角度)。
これらの画像の例は、図1に示されている。患者P19およびP4からのそれぞれの皮膚レプリカに対して、0°および90°の2つの画像がグレージング照明で撮影されている。
これらの画像を使用して、当業者は、これらの間で皮膚レプリカの2つのカテゴリを識別することができる。
1.ステージ1の皮膚レプリカ、および、
2.ステージ2の皮膚レプリカ。
皮膚レプリカを少なくとも2つのグループに分類するために、いくつかの視覚的に評価できるパラメータを使用することができることが理解される。
本発明の特定の態様において、2つのステージが次のように定義される。
ステージ1の皮膚レプリカは、複数の方向を向く連続的な筋を含む、および、
ステージ2の皮膚レプリカは、主に同一の方向を向く短い不連続な筋を含む。
図1は、両方のステージに対する、肉眼で視認可能なプロファイルのこれらの特性を示す図である。
本発明の有利な実施の形態において、当業者は、両方のステージを示す参照画像を使用して、分類される皮膚レプリカと比較する。
<ステップa2 皮膚レプリカの粗さ指数の定量化>
本発明の第2の実施の形態によると、皮膚レプリカのマイクロレリーフのプロファイルを分析するステップは、光学センサを使用して、皮膚レプリカのマイクロレリーフのプロファイルの粗さ指数を決定することからなる。
光学センサは、光線を電気信号に変換する。光学センサの目的は、光の物理量を測定することであり、信号の定量化のために、統合された測定装置によりそれを読取可能な形式に変換する。
本発明の意味では、光学センサは、皮膚レプリカの起伏面の少なくとも1つの画像からマイクロレリーフのプロファイルの粗さ指数を定量化することのできる装置である。
本発明の意味では、粗さ指数(Ra)はレプリカの表面における筋の平均筋プロファイルに対する距離として定義される。測定技術の一例が、図4Aおよび図4Bの実施例3に示されている。
粗さ指数は、次の等式により計算することができる。
Figure 2023134792000002
ここで、Nは測定方向に沿って収集された点に相当し、それぞれの点(i)に対して、Ziはレプリカの表面と平均筋プロファイルとの間の垂直方向の距離に相当する。
粗さ指数は、メートル法(μm)で表される。
本発明の特定の実施の形態において、粗さ指数は、レプリカ画像の2つの異なる方向で光学センサを用いて測定される。
本発明の特定の実施の形態において、ステップ(a2)は、光学センサを用いて、縦(0°)および横(90°)のレプリカ画像の2つの方向で測定された粗さ指数の定量化を含む。
それぞれの粗さ指数は、0°および90°のそれぞれの方向に対して測定された粗さ指数を、それぞれ、Ra_0およびRa_90と呼ばれる。
<生体組織の皮膚指数(SILT)>
生体組織の皮膚指数(SILT)は、皮膚表面の一部の皮膚レプリカで測定された異なるパラメータを統合した値として定義される。
特に、SILTは、それぞれの方向0°および90°で測定された両方の粗さ指数の値の合計に相当する、レプリカの一般的な粗さ指数として定義されてもよい。
本発明によるプロセスは、いくつかの実施の形態により実装することができ、SILTは、皮膚レプリカで測定された3つ、4つ、または5つの粗さ指数の合計などの別の値に相当し得ることが理解される。SILTはまた、皮膚レプリカのマイクロレリーフの他の定量化可能なパラメータに依存し得る。
SILTは、その計算方法と一致する参照値と比較される。一般的に、参照値は、複数の患者から取得したいくつかのサンプルで決定された、いくつかの値の平均値または中央値である。
本発明の特定の実施の形態によると、SILT値は、少なくとも1つの参照「カットオフ」値と比較される。そのような「閾値」または「カットオフ」参照値は、その一般的な知識を用いて当業者により容易に決定することができる。
特に、SILTは、SILT値の「中央値」および「極値」を定義する2つの参照値と比較されてもよい。これらのカットオフ参照値は、任意の値であり、いくつかの皮膚レプリカで測定されたSILTの中央値および極値の間の「境界」を表す。
この実施の形態では、本発明のプロセスによりテストされる皮膚レプリカは、このレプリカに対して測定されたSILT値が45μmと120μmとの間に含まれる場合に、「中程度SILT値」を有すると分類される。下限値45μmおよび上限値120μmは、この範囲に含まれる。
この実施の形態では、本発明のプロセスによりテストされる皮膚レプリカは、このレプリカに対して測定されたSILT値が45μmよりも厳密に低い、または120μmよりも厳密に高い場合に、「極度SILT値」を有すると分類される。
実施例に示されるように、34人の股関節骨折患者のコホートは、対応する皮膚レプリカのSILTの値を決定するために評価される。
実施例3で示した結果に基づいて、以下のように結論付けられる。
ステージ1の皮膚レプリカは、45μmと120μmとの間に含まれる中程度SILT値を有すると定義され、下限値45μmおよび上限値120μmはこの範囲に含まれる、および、
ステージ2の皮膚レプリカは、45μmよりも厳密に低い、または120μmよりも厳密に高い極度SILT値を有すると定義される。
<ステップ(b) 「ステージ1」または「ステージ2」の皮膚レプリカの識別>
本発明のプロセスによると、それぞれの皮膚レプリカは「ステージ1」または「ステージ2」であると識別される。
本発明の第1の実施の形態において、皮膚レプリカの筋のパラメータを視覚的に評価することを含むステップ(a1)が実行されて、ステージ1およびステージ2のレプリカを識別する。
本発明の特定の実施の形態において、患者の密性結合組織の質を評価するプロセスは、ステップ(a1)および(b)の両方からなる。
本発明の第2の実施の形態において、レプリカのマイクロレリーフの粗さ指数を光学センサを用いて決定することを含むステップ(a2)が実行されて、ステージ1およびステージ2のレプリカを識別する。
本発明の特定の実施の形態において、患者の密性結合組織の質を評価するプロセスは、ステップ(a2)および(b)の両方からなる。
これらの実施の形態では、ステップa1およびa2は、互いに独立して実施される。
本発明の第3の実施の形態において、ステップ(a1)および(a2)の両方が連続して実行されてステージ1およびステージ2のレプリカを識別する。この場合、結果が異なると、ステップ(a2)の結果が最も信頼性が高いとみなされ、したがって、2つのステージの間の判別は、ステップ(a2)によって得られた結果に基づく。
本発明の別の特定の実施の形態において、患者の密性結合組織の質を評価するプロセスは、3つのステップ(a1)、(a2)、および(b)からなる。
「ステージ1」の皮膚レプリカは、健康な皮膚を代表するが、「ステージ2」の皮膚レプリカは、変質した皮膚を代表する。
本発明の意味では、変質した皮膚は、主に同じ方向に向いた、短くて不連続な筋を有し、老化の兆候を示す。「皮膚の老化」現象は、個人の実際の年齢に直接依存するものではない。しかし、皮膚の一部が受けた紫外線の割合、保護クリーム使用の可否、皮膚の本来の質、栄養の質、個人のライフスタイルなどの外部要因にも依存することが理解されている。
実施例のセクションに示すように、本発明者らは、皮膚レプリカのステージと(i)骨の質および(ii)真皮の質との間の相関関係、より一般的には、皮膚レプリカのステージと個人の内部密性結合組織の質との間の相関関係を特定した。
特に、ステージ2の皮膚レプリカは、患者の体の1つまたは複数の密性結合組織の質が低いことを示すという結果が示されている。
<本発明による非侵襲的プロセスの使用>
本発明によるプロセスは、様々なタイプの患者に対するいくつかの用途に使用することができる。
特に、質を評価される密性結合組織が骨である場合、患者の対側股関節骨折のリスクを決定するためにプロセスを使用してもよい。
本発明の意味では、対側股関節骨折は、以前に他の脚の(第1の)股関節骨折を経験したことのある患者に発生したもう一方の(第2の)股関節骨折を指す。第1の股関節骨折の後の対側股関節の絶対リスクは、13.8%であることが示されている(Vochtelooら、2012年)。このリスクは、主に高齢者に関係し、年齢は対側股関節骨折のリスクファクターである。
本発明によるプロセスの実施は、第1の股関節骨折を経験した患者の中で、対側骨折を被るリスクが最も高い患者を決定するのに役立つであろう。皮膚レプリカのステージを決定することにより、緻密な追跡調査を必要とする患者と、この追跡調査を必要としない患者とを識別することができる。
より一般的には、本発明による非侵襲的プロセスは、将来の骨折の発生リスクを評価するのに有用である。この情報は、患者が自分のライフスタイルを適応させることができる点だけでなく、内科医および/または臨床医が最も効率的な治療方針を決定することができる点においても有用である。
密性結合組織の質の決定は、それぞれの患者に対する個別の予防的アプローチおよび/または治療的アプローチの選択において、内科医および/または臨床医を支援するであろう。
本発明の別の実施の形態において、プロセスは、患者の1つまたは複数の密性結合組織の質を経時的に追跡するために使用される。
特に高齢者においては、患者のライフスタイル、および特に患者の身体活動のレベルを適応させるために、密性結合組織の質、特に患者の骨の質を経時的に追跡することは有用であり得る。
真皮の質が推定される場合、プロセスは、個人の皮膚疾患の発生リスクを決定するのに使用されてもよいし、個人の衛生習慣を適応させるのに有用であり得る。
<本発明のプロセスを実施するために有用なキット>
本発明はまた、以下を含む診断キットに関する。
-シリコーンポリマーと成形装置とを含む患者の皮膚レプリカを取得するための手段、および、
-一方はステージ1を示し、他方はステージ2を示す、上述のように定義された、参照皮膚レプリカの少なくとも2つの参照画像。
患者の皮膚レプリカを取得するために、上述のように、当業者は、少なくとも次の手段、成形装置および便利なシリコーンポリマー、を使用するであろう。
本発明の好ましい実施の形態において、使用されたシリコーンポリマーは、市販のポリマーSILFLO(登録商標)である。
この診断キットでは、図1に示すようなステージ1およびステージ2を示す参照画像が含まれており、当業者にとって両方のステージを識別するのに役立つ。
好ましくは、図2および図3に示すようなステージ1およびステージ2を示すいくつかの参照画像は、キットに含まれている。
本発明はまた、カメラおよび光ファイバーとともに本発明によるプロセスを実行するための診断キットの使用に関する。
カメラは、画像を撮影するために使用される。任意のカメラを使用することができる。特に、スマートフォンに搭載されたカメラは本発明によるプロセスを容易にかつ便利な方法で実施するのに便利である。
筋を強調するために、少なくとも1つの光ファイバーを使用して、グレージング光で皮膚レプリカを照らすことができる。
好ましくは、画像を撮影するために、2つ以上の光ファイバーを使用して皮膚レプリカを照らすことができる。
この実施の形態によると、骨組織および真皮のような密性結合組織の質の評価は、最小限の装置で、非侵襲的な方法で、1日以内に実現されるであろう。
(実施例)
以下の実施例は、例示のためだけのものであり、上述の本発明を限定するものではない。
<実施例1 前腕の皮膚の皮膚レプリカの調整>
50歳以上の年齢で、いかなる他の病歴もない、非病的な大腿骨頸部骨折を患った34人の患者が臨床研究に含まれている。平均年齢は、79.4歳であった。平均身長は、164cmで、平均体重は63.5kgであった。以後、彼らをP1からP34と呼ぶ。
臨床研究の目的は、もしあれば、皮膚表面のマイクロレリーフと股関節骨の質との間の関係を特定することであり、したがって、股関節の対側骨折の発生リスクを評価することである。
シリコーンレプリカは、肘から5cm離れ橈側手根屈筋腱に隣接する領域上で、前腕の前部から取得された。シリコーン成形には、特定の装置が使用された。シリコーンポリマーはSILFLO(登録商標)であり、モナコのMonaderm社から入手した。
レプリカの画像は、皮膚レプリカの定性分析のために取得された。
皮膚レプリカのマイクロレリーフを強調するために、少なくとも1つの光ファイバー、好ましくは、2つの光ファイバーにより、グレージング(低角度)照明でレプリカの画像を撮影することが不可欠である。
2つの補完的な画像が撮影される。
縦方向(腕橈骨筋に沿ったレプリカの方向)で取得された1つの画像、以後、「0°画像」と呼ぶ。
縦軸から90°の角度で取得されたもう1つの画像、以後、「90°画像」と呼ぶ。
さらに、レプリカの表面を、STIL社(フランス)の光学センサ(ペン)を使用して定量化した。この光学ペンは、国際公開第02/095475号および国際公開第03/001268号の特許出願に記載されている。ペンはレプリカの表面と対物レンズとの間の距離を、10mmのラインに沿って測定する。垂直解像度は50nmであり、垂直測定範囲は、1.4mmである。
<実施例2 可視化による皮膚レプリカの定性的分類および骨質の決定への応用>
0°画像および90°画像の両方を使用して、皮膚レプリカを次のように指定された2つのグループに視覚的に分類することができる。
複数の方向に向いた連続した筋を含む皮膚マイクロレリーフは、「ステージ1」として分類される。
主に同一の方向に向いた短く不連続な筋を含む皮膚マイクロレリーフは、「ステージ2」として分類される。
患者P4およびP19について、ステージ1およびステージ2の両方の例を図1に示す。この図に示すように、ステージ1および2のマイクロレリーフが明確な異方性および筋の形状を示すため、ステージ1とステージ2との違いは肉眼でも明らかである。
ステージ1は健康な皮膚を示し、ステージ2は変質した皮膚を示す。この後者のステージは、皮膚およびその成分の自然な老化に相関している。
研究に含まれる34人の患者からの皮膚レプリカの画像は、ステージ1とステージ2との間に分類されている。視覚化のために、すべての0°画像が図2および図3に示されている。
19のレプリカが「ステージ1」に識別された(図2)。
15のレプリカが「ステージ2」に識別された(図3)。
これら2つのコホートから、レプリカP8およびP14は空間的に異質であり、さらなる定性分析のために除外される。
<レプリカのこの定性分類の骨質の決定への応用>
皮膚レプリカの分類と並行して、それぞれの患者の大腿骨頭の質を調査した。
実際には、骨折の後、外植した大腿骨頭を有効なプロトコルでテストするために保存した(Berotら、2012年)。
この大腿骨頭のミネラル密度を計算し(CTan、Bruker MicroCT社、コンティフ、ベルギー)、採取した(prelevated)サンプル骨のサンプルを用いて、INSTRON Electroplus 10.000(Instron World社、ノーウッド、米国)という装置を使用して監視された圧縮の機械的テストにより、骨組織の抵抗力の限界(骨降伏応力)を測定した。
次に、皮膚表面のマイクロレリーフのステージの関数で以前に決定された両方のグループに対して、骨降伏応力の平均を計算した。
ステージ1の患者では、平均骨降伏応力は、13.6±4.7MPaである。
ステージ2の患者では、平均骨降伏応力は、8.9±4.6MPaである。
Mann-Withneyの統計的検定によると、これら2つのステージの間の骨降伏応力における差は、有意である(p値=0.02)。
<実施例3 皮膚レプリカの定量的分類のための手法、および骨質の決定への応用>
両方のステージの間の相違を定量化し、したがってより詳細にレプリカを分類するために、光学センサーの使用に基づく定量化手法が開発された。それぞれのレプリカ画像のマイクロレリーフの測定は、縦方向(0°)および横方向(90°)で、10mmの距離で実行された(図4A参照)。
この手法により取得されたマイクロレリーフのサンプルは、両方の方向で測定された粗さ指数により特徴づけられ、図4Bに示される。皮膚レプリカ番号16は上述のように評価された。
それぞれの粗さ指数において、xはレプリカの表面の筋に沿った距離である。それぞれのxの値に対して、zは、レプリカ表面の点と平均筋プロファイルとの間の垂直方向における距離に対応する。
この画像から、縦方向(Nb_0)および横方向(Nb_90)におけるピークの数を決定することができる。これらの数は、それぞれの方向における筋の形状についての情報を提供する。
これらのプロファイルに基づいて、粗さ指数は、次の等式により計算することができる。
Figure 2023134792000003
ここで、Nは測定方向に沿って収集された点に相当し、それぞれの点(i)に対して、Ziはレプリカ表面と平均筋プロファイルとの垂直方向の距離に相当する。
この計算は、0°および90°のそれぞれの方向に対して計算され、結果はそれぞれ、Ra_0およびRa_90と示される。これら2つの項の和を、レプリカの一般的な粗さを示すSILTとして定義する。
Figure 2023134792000004
下の表1は、それぞれの患者P1からP34に対して計算されたSILTの値を提供する。
Figure 2023134792000005
表1は、視覚で定義されたステージと比較されたそれぞれの患者に対する計算されたSILT値、および骨降伏応力の値を示す。
SILT値を使用して、レプリカを以下のように指定された2つのグループに分離した。
中程度SILT値に相当するグループ「ステージ1」。45μmおよび120μmの間に含まれる、または45μmまたは120μmに等しい(120≧SILT≧45μm)。
極度SILT値に相当するグループ「ステージ2」。45μmよりも厳密に低い、または120μmよりも厳密に高い。
32人の完全に評価された患者のうち、6人の患者(P7、P13、P15、P20、P22、P31)のレプリカが視覚的に「ステージ2」である、すなわち変質した皮膚を有する、と分類された。しかし、これらのレプリカのSILTを計算し、上述のように定義された参照値と比較した後、これらの患者はグループ「ステージ1」に再分類された。
興味深いことに、正しくない視覚的分類(ステージ1ではなくステージ2)は、皮膚レプリカのマイクロレリーフの粗さ指数を決定した後に「ステージ1」であると最終的に分類された患者の肯定的な再認定につながる。
圧縮骨降伏応力の値は、このパラメータが通常骨質の優れたバイオマーカーの1つであるとみなされているため、比較のために与えられる。しかし、この測定値自体は、骨の質に関する決定的な意見を与えるものとはみなされていない。
実施例2で示したように、それぞれのグループに対して、骨降伏応力の平均値が計算され、図5Aに示す。
中程度SILT(ステージ1)を有する患者の場合、骨降伏応力の平均値は、13.35±4.3MPaである。
極度SILT(ステージ2)を有する患者の場合、骨降伏応力の平均値は6.18±3.8MPaである。
図5Aに示すように、Mann-Withneyの統計的検定によると、骨降伏応力の関連する相違は、両方のグループの間に示されている(p=4.1 10-3)。
図5Bは、骨の硬さの別の指標であるヤング率のそれぞれのグループの平均を示す。
それぞれのグループに対する結果を次の上2に示す。
Figure 2023134792000006
表2は、患者のそれぞれのグループのヤング率の平均値を示す。
<実施例4 真皮の質の決定における本発明のプロセスの応用>
股関節手術の介入中に、実施例1に示すように34人の患者から5×5mmの真皮のサンプルを採取した(prelevated)。
臨床研究の目的は、もしあれば、実施例2および3に示されたように取得した前腕表面のマイクロレリーフと真皮の質との間の関係を特定することである。
これらの34人の患者は、次の分類方法の1つに基づいて、2つのグループに分類された。
実施例2に示す皮膚レプリカの視覚的分類、および、
実施例3に示すSILT値の測定。
並行して、34人の真皮のサンプルを評価して、(Czekallaら、2017年)に示される二光子共焦点顕微鏡法によりエラスチン/コラーゲン比を評価した。
簡潔に言うと、すべての患者の真皮サンプルは、850nmの励起波長を使用した二光子共焦点イメージング(A1RMP+(登録商標)、ニコン社)により観察された。コラーゲンからの第2高調波発生光とエラスチンからの自家蛍光光は、それぞれ、400~490nmおよび500~550nmの特定のバンドパスフィルタにより2つのチャネルに収集された。25x、1.1-NAの水浸対物レンズ(CFI Apo LWD 25XW、ニコン社)が使用された。画像視野は、512×512μm、解像度は0.5μmである。真皮の厚みをスキャンするために、2秒間のスキャンおよび画像あたり深さ1μmの平均2回のスキャンで、二次元画像のスタックをそれぞれの領域に記録した。
それぞれのサンプルに対して、エラスチンおよびコラーゲンについて得られた画像を、ImageJ 1.47v(アメリカ国立衛生研究所(NIH)、米国)で処理した。コラーゲン(Npix_col)およびエラスチン(Npix_ela)に対して画素数を取得し、エラスチン/コラーゲン比を次の等式に従い計算した。
Figure 2023134792000007
下の表3に結果を示す。
Figure 2023134792000008
表3は、皮膚レプリカのSILT値および視覚によるステージと真皮のそれぞれのサンプルに対するE/C比を示す。
この患者の分類に基づいて、それぞれのグループに対してエラスチン/コラーゲン比の平均値を計算し、図6Aおよび図6Bに示す。
図6A、それぞれの患者の皮膚レプリカの視覚分類後に定義されたグループ1および2の患者の平均値を示す。
-「高視覚」とも呼ばれるグループ「ステージ1」は18人の患者を含む。このグループの平均エラスチン/コラーゲン比の値は0.021±0.016である。
-「低視覚」とも呼ばれるグループ「ステージ2」は14人の患者を含む。このグループの平均エラスチン/コラーゲン比の値は0.041±0.028である。
Mann-Withneyの統計的検定によると、これら2つのグループの間のエラスチン/コラーゲン比の相違は有意である(P=0.033)。
図6Bはそれぞれの患者の皮膚レプリカのSILT値にしたがって定義された、グループ1および2の患者の平均値を示す。
-「中程度SILT」とも呼ばれるグループ「ステージ1」は25人の患者を含む。このグループの平均エラスチン/コラーゲン比の値は0.022±0.015である。
-「極度SILT」とも呼ばれるグループ「ステージ2」は9人の患者を含む。このグループの平均エラスチン/コラーゲン比の値は0.065±0.039である。
Mann-Withneyの統計的検定によると、これら2つのグループの間のエラスチン/コラーゲン比の相違は非常に有意である(P値=0.00098)。
「極度SILT」を有すると分類された9人の患者のうち、4人の患者は、低質の皮膚の特徴である高いE/C比(患者P10、P14、P18、P21)を示している。そのうち5人が「中程度」E/C比を示し、0.037と0.058との間に含まれている。そして、そのうち1人が低いE/C比(P25)を有する。
注目すべきことに、SILT値に基づいて「ステージ1」と分類され、したがって本発明のプロセスにより真皮の質が高いことを示すと識別された25人の患者のうち、唯一の患者P11を除くほとんどすべてのケースでE/C比が0.040の値を下回っている。
E/C比の期待値と一致しない2つのまれなケース(P11およびP25)は真皮の質を評価することのできる別の手法でテストすべきである。
骨質の評価に関して、SILT値に基づく分類は、皮膚レプリカの画像に基づく患者の視覚分類よりも、より際立った結果をもたらしている。しかし、視覚分類は、必要であれば患者のベッドサイドで、最小限の装置を用いて短時間で実行できるという利点を示す。
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Claims (14)

  1. 患者の1つまたは複数の密性結合組織の質を評価する非侵襲的なプロセスであって、
    a)少なくとも1つの以下のステップにより、前記患者の皮膚の一部の皮膚レプリカのマイクロレリーフのプロファイルを分析するステップと、
    a1.前記皮膚レプリカの画像上で、筋の形状および筋の異方性を視覚的に評価するステップ、および/または、
    a2.前記皮膚レプリカの画像上で、光学センサーを用いてマイクロレリーフの粗さ指数を決定するステップ、
    b)健康な皮膚を示す「ステージ1」の皮膚レプリカ、および変質した皮膚を示す「ステージ2」の皮膚レプリカを識別するステップと、
    を含み、
    ステージ2の皮膚レプリカは、前記患者の身体の前記1つまたは複数の密性結合組織の質が低いことを示す、
    プロセス。
  2. ステップ(a1)は、異なる角度、好ましくは0°および90°により撮影された皮膚レプリカの少なくとも2つの画像を分析することを含む、
    請求項1に記載のプロセス。
  3. ステップ(a1)が実行される場合、
    ステージ1の皮膚レプリカは、複数の方向を向く連続的な筋を含むと定義される、および、
    ステージ2の皮膚レプリカは、主に同一の方向を向く不連続な筋を含むと定義される、
    請求項1または2に記載のプロセス。
  4. ステップ(a2)は、
    縦(0°)および横(90°)のレプリカ画像の2つの方向で測定された粗さ指数の定量化、
    を含む、
    請求項1に記載のプロセス。
  5. それぞれの方向に対して測定された両方の粗さ指数の値が加算されて、生体組織の皮膚指数(SILT)の値が取得される、
    請求項4に記載のプロセス。
  6. ステージ1の皮膚レプリカは、45μmと120μmとの間に含まれる中程度SILT値を有すると定義される、および
    ステージ2の皮膚レプリカは、45μmよりも厳密に低い、または120μmよりも厳密に高い極度SILT値を有すると定義される、
    請求項5に記載のプロセス。
  7. 前記密性結合組織は骨組織である、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のプロセス。
  8. 前記非侵襲的プロセスは、患者の対側股関節骨折の発生リスクを決定するために使用される、
    請求項7に記載のプロセス。
  9. 前記密性結合組織は真皮である、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のプロセス。
  10. 前記患者は高齢者である、
    請求項1から9のいずれか1項に記載のプロセス。
  11. 前記皮膚レプリカは、前記患者の皮膚の一部にシリコーンポリマーを塗布することによって取得される、
    請求項1から10のいずれか1項に記載のプロセス。
  12. 前記非侵襲的プロセスは、患者の1つまたは複数の密性結合組織の質を経時的に追跡するために使用される、
    請求項1から11のいずれか1項に記載のプロセス。
  13. シリコーンポリマーと成形装置とを含む、患者の皮膚レプリカを取得するための手段と、
    一方はステージ1を示し、他方はステージ2を示す、請求項1、3、または6のいずれか1項に記載されたプロセスにより定義された、参照皮膚レプリカの少なくとも2つの参照画像と、
    を含む、
    診断キット。
  14. カメラおよび光ファイバーとともに、請求項1から12のいずれか1項に記載のプロセスを実行するための、請求項13に記載の前記診断キットの使用方法。
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