JP2023133927A - 印刷制御装置、及び、印刷制御方法 - Google Patents

印刷制御装置、及び、印刷制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】定速印刷領域の濃さに対する速度変化印刷領域の相対的な濃さを変えることが可能な技術を提供する。【解決手段】印刷部は、ドットパターンデータに従って、主走査方向に沿って記録ヘッドが定速で移動している時に定速印刷を行い、主走査における端部で前記記録ヘッドの速度が変化している時に速度変化印刷を行う。ここで、前記ドットパターンデータを生成するための記録データの内、前記定速印刷が行われる部分を第一部分データとし、前記速度変化印刷が行われる部分を第二部分データとする。印刷制御装置は、前記記録データに適用することにより前記ドットパターンデータを生成するマスクとして、前記第一部分データに第一マスクを割り当て、前記第二部分データに第二マスクを割り当て、前記第一部分データに前記第一マスクを適用し、前記第二部分データに前記第二マスクを適用することにより、前記ドットパターンデータを生成する。【選択図】図4

Description

本発明は、主走査時に印刷を行う印刷部を制御する印刷制御装置、及び、印刷制御方法に関する。
シリアルプリンターは、記録ヘッドを搭載したキャリッジを往方向及び復方向へ移動させる主走査を行いながら記録ヘッドから記録媒体にインク滴を吐出する印刷を行い、印刷が行われていない間に記録媒体を送り方向へ送る。往方向及び復方向は、送り方向と交差する方向である。シリアルプリンターは、記録媒体に着弾するインク滴に由来するドットのパターンを表すドットパターンデータに従って、キャリッジが往方向又は復方向へ移動している時に印刷を行う。ここで、キャリッジは、主走査毎に、停止している状態から往方向又は復方向へ目標速度になるまで加速し、目標速度到達後しばらく一定の目標速度で移動し、その後、目標停止位置に停止するように減速する。印刷のスループットを向上させるため、キャリッジが一定速度で移動している時に行われる定速印刷に加えて、キャリッジの加速中に加速印刷を行い、キャリッジの減速中に減速印刷を行うことが行われている。
参考として、特許文献1には、ステップモータの駆動に用いられる加減速パターンが示されている。
特開平5-212999号公報
記録媒体に形成される印刷画像において、定速印刷が行われた部分と、加速印刷又は減速印刷が行われた部分と、の間で色むらが生じることがある。そこで、この色むらの対策が求められている。
本発明の印刷制御装置は、
記録媒体にインク滴を吐出する記録ヘッドと、
主走査方向に沿って前記記録ヘッドを移動させる主走査、及び、前記主走査方向と交差する副走査方向に沿って前記記録ヘッドと前記記録媒体とを相対的に移動させる副走査を行う駆動部と、を備え、
前記記録媒体に着弾する前記インク滴に由来するドットのパターンを表すドットパターンデータに従って、前記主走査方向に沿って前記記録ヘッドが定速で移動している時に定速印刷を行い、前記主走査における端部で前記記録ヘッドの速度が変化している時に速度変化印刷を行う印刷部を制御する印刷制御装置であって、
前記ドットパターンデータを生成するための記録データの内、前記定速印刷が行われる部分を第一部分データとし、前記速度変化印刷が行われる部分を第二部分データとして、
前記記録データに適用することにより前記ドットパターンデータを生成するマスクとして、前記第一部分データに第一マスクを割り当て、前記第二部分データに第二マスクを割り当てる割当部と、
前記第一部分データに前記第一マスクを適用し、前記第二部分データに前記第二マスクを適用することにより、前記ドットパターンデータを生成する生成部と、を備える、態様を有する。
また、本発明の印刷制御方法は、
記録媒体にインク滴を吐出する記録ヘッドと、
主走査方向に沿って前記記録ヘッドを移動させる主走査、及び、前記主走査方向と交差する副走査方向に沿って前記記録ヘッドと前記記録媒体とを相対的に移動させる副走査を行う駆動部と、を備え、
前記記録媒体に着弾する前記インク滴に由来するドットのパターンを表すドットパターンデータに従って、前記主走査方向に沿って前記記録ヘッドが定速で移動している時に定速印刷を行い、前記主走査における端部で前記記録ヘッドの速度が変化している時に速度変化印刷を行う印刷部を制御する印刷制御方法であって、
前記ドットパターンデータを生成するための記録データの内、前記定速印刷が行われる部分を第一部分データとし、前記速度変化印刷が行われる部分を第二部分データとして、
前記記録データに適用することにより前記ドットパターンデータを生成するマスクとして、前記第一部分データに第一マスクを割り当て、前記第二部分データに第二マスクを割り当てる割当工程と、
前記第一部分データに前記第一マスクを適用し、前記第二部分データに前記第二マスクを適用することにより、前記ドットパターンデータを生成する生成工程と、を含む、態様を有する。
印刷装置とホスト装置を含む印刷システムの例を模式的に示す図。 記録ヘッドのノズル面と記録媒体上のドットパターンの例を模式的に示す図。 印刷部の動作の例を模式的に説明するための平面図。 キャリッジ速度の変化と印刷画像の各部との関係の例を模式的に示す図。 定速印刷領域と速度変化印刷領域との間の色むらをマスクの選択により抑制する例を模式的に示す図。 或るマスクから別のマスクを生成する例を模式的に示す図。 マスク割り当て処理の例を模式的に示すフローチャート。 1回の主走査における印刷制御処理の例を模式的に示すフローチャート。 印刷の端部が変化する場合に記録データから第一部分データと第二部分データとを分ける例を模式的に示す図。 印刷制御装置がホスト装置にある印刷システムの例を模式的に示す図。
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
(1)本発明に含まれる技術の概要:
まず、図1~10に示される例を参照して本発明に含まれる技術の概要を説明する。尚、本願の図は模式的に例を示す図であり、これらの図に示される各方向の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。むろん、本技術の各要素は、符号で示される具体例に限定されない。「本発明に含まれる技術の概要」において、括弧内は直前の語の補足説明を意味する。
[態様1]
本技術の一態様に係る印刷制御装置1は、図1,10に例示するように、記録ヘッド30、及び、駆動部50を備える印刷部U0を制御する印刷制御装置1であって、割当部U1と生成部U2を備える。前記記録ヘッド30は、記録媒体ME0にインク滴37を吐出する。前記駆動部50は、主走査方向D1に沿って前記記録ヘッド30を移動させる主走査、及び、前記主走査方向D1と交差する副走査方向D2に沿って前記記録ヘッド30と前記記録媒体ME0とを相対的に移動させる副走査を行う。前記印刷部U0は、前記記録媒体ME0に着弾する前記インク滴37に由来するドットDT0のパターンを表すドットパターンデータ(例えばラスターデータRA0)に従って、前記主走査方向D1に沿って前記記録ヘッド30が定速で移動している時に定速印刷201を行い、前記主走査における端部(例えば始端部T1と終端部T2)で前記記録ヘッド30の速度が変化している時に速度変化印刷202を行う。ここで、前記ドットパターンデータ(RA0)を生成するための記録データRE0の内、前記定速印刷201が行われる部分を第一部分データRE1とし、前記速度変化印刷202が行われる部分を第二部分データRE2とする。前記割当部U1は、前記記録データRE0に適用することにより前記ドットパターンデータ(RA0)を生成するマスクMA0として、前記第一部分データRE1に第一マスクMA1を割り当て、前記第二部分データRE2に第二マスクMA2を割り当てる。前記生成部U2は、前記第一部分データRE1に前記第一マスクMA1を適用し、前記第二部分データRE2に前記第二マスクMA2を適用することにより、前記ドットパターンデータ(RA0)を生成する。
上記態様では、記録データRE0の内、定速印刷201が行われる第一部分データRE1と速度変化印刷202が行われる第二部分データRE2とでマスクMA0を使い分けることが可能である。これにより、記録媒体ME0に形成される印刷画像IM0の内、定速印刷201が行われる定速印刷領域AR1に対するインクの使用量と、速度変化印刷202が行われる速度変化印刷領域AR2に対するインクの使用量と、を変えることができる。従って、上記態様は、定速印刷領域の濃さに対する速度変化印刷領域の相対的な濃さを変えることが可能な印刷制御装置を提供することができる。
ここで、印刷制御装置は、印刷装置の中に設けられてもよいし、印刷装置に接続されるホスト装置に設けられてもよい。
記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させることは、記録ヘッドと記録媒体との相対的な位置関係を変化させることを意味する。記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させることには、記録媒体を移動させないで記録ヘッドを移動させること、記録ヘッドを移動させないで記録媒体を移動させること、及び、記録ヘッドと記録媒体の両方を移動させることが含まれる。
記録データは、画素毎にドットの形成状態を表すハーフトーンデータでもよいし、画素毎にインクの使用量を表す多階調データでもよい。前述のハーフトーンデータは、ドットの形成有無を表す2値データでもよいし、4値データ等、前述の多階調データよりも階調数が少ない多値データでもよい。
マスクは、適用対象のデータのうち使用する領域と使用しない領域とを表す情報を意味する。第一マスクが実現させる第一部分データの使用率と、第二マスクが実現させる第二部分データの使用率とは、異なることに限定されず、結果として同じでもよい。
本願における「第一」、「第二」、…は、類似点を有する複数の構成要素に含まれる各構成要素を識別するための用語であり、順番を意味しない。
尚、上述した付言は、以下の態様においても適用される。
[態様2]
図4に例示するように、前記速度変化印刷202は、前記主走査における前記端部(T1,T2)の一方である始端部T1で前記記録ヘッド30が加速している時に行われる加速印刷203と、前記主走査における前記端部(T1,T2)の他方である終端部T2で前記記録ヘッド30が減速している時に行われる減速印刷204と、の少なくとも一方でもよい。本態様は、定速印刷領域AR1の濃さに対する加速印刷領域AR3と減速印刷領域AR4の少なくとも一方の相対的な濃さを変えることが可能な印刷制御装置を提供することができる。
[態様3]
図2に例示するように、前記記録データRE0は、画素PX1の単位で前記ドットDT0の形成状態を表していてもよい。前記マスクMA0は、図6に例示するように、前記画素PX1の単位で前記記録データRE0を使用するか否かを表していてもよい。
上記態様は、定速印刷領域の濃さに対する速度変化印刷領域の相対的な濃さを変える好適な例を提供することができる。
尚、態様3には含まれないが、前記記録データは、画素の単位でインクの使用量を表す多階調データでもよい。前記マスクは、前記画素の単位でドットの形成状態を決定するための閾値を有するディザマスクでもよい。ここで、ドットが形成される画素が記録データのうち使用する領域に対応し、ドットが形成されない画素が記録データのうち使用されない領域に対応する。
[態様4]
図1,10に例示するように、本印刷制御装置1は、前記第一マスクMA1及び前記第二マスクMA2となり得る複数の候補マスクMApを記憶した記憶部23,104をさらに備えていてもよい。図7に例示するように、前記割当部U1は、前記複数の候補マスクMApの中から、前記第一マスクMA1と前記第二マスクMA2の少なくとも一方の選択を受け付けてもよい。
上記態様は、定速印刷領域の濃さに対する速度変化印刷領域の相対的な濃さを変える好適な例を提供することができる。
[態様5]
図9に例示するように、前記生成部U2は、前記記録データRE0に基づいて、前記ドットパターンデータ(RA0)のうち前記定速印刷201に使用される部分に対応する前記第一部分データRE1の範囲(例えばX3~X4)、及び、前記ドットパターンデータ(RA0)のうち前記速度変化印刷202に使用される前記第二部分データRE2の範囲(例えばX2~X3、及び、X4~X5)を決定してもよい。当該生成部U2は、決定した前記第一部分データRE1に前記第一マスクMA1を適用し、決定した前記第二部分データRE2に前記第二マスクMA2を適用することにより、前記ドットパターンデータ(RA0)を生成してもよい。
上記態様は、速度変化印刷領域が動的に変化する場合に定速印刷領域の濃さに対する速度変化印刷領域の相対的な濃さを変える好適な例を提供することができる。
[態様6]
図6に例示するように、前記第一マスクMA1と前記第二マスクMA2の内、一方のマスクが他方のマスクに基づいて生成されてもよい。本態様は、定速印刷領域の濃さに対する速度変化印刷領域の相対的な濃さを変える好適な例を提供することができる。
[態様7]
ところで、図7,8に例示するように、本技術の一態様に係る印刷制御方法は、前記印刷部U0を制御する印刷制御方法であって、以下の工程を含む。
(A1)前記記録データRE0に適用することにより前記ドットパターンデータ(RA0)を生成するマスクMA0として、前記第一部分データRE1に第一マスクMA1を割り当て、前記第二部分データRE2に第二マスクMA2を割り当てる割当工程ST1。
(A2)前記第一部分データRE1に前記第一マスクMA1を適用し、前記第二部分データRE2に前記第二マスクMA2を適用することにより、前記ドットパターンデータ(RA0)を生成する生成工程ST2。
上記態様は、定速印刷領域の濃さに対する速度変化印刷領域の相対的な濃さを変えることが可能な印刷制御方法を提供することができる。
さらに、本技術は、上述した印刷制御装置を含むシステム、該システムの制御方法、上述した印刷制御装置の制御プログラム、前述のシステムの制御プログラム、前述のいずれかの制御プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な媒体、等に適用可能である。また、上述した印刷制御装置は、分散した複数の部分で構成されてもよい。
(2)印刷制御装置を含む印刷システムの具体例:
図1は、印刷制御装置1を含む印刷システムSY1を模式的に例示している。図1に示す印刷システムSY1は印刷装置2とホスト装置HO1を含み、印刷装置2が印刷制御装置1を含んでいる。印刷制御装置1は、割当部U1と生成部U2を内在している。尚、印刷システムSY1は図1に示されていない追加要素を含んでいてもよく、印刷装置2は図1に示されていない追加要素を含んでいてもよい。図2は、記録ヘッド30のノズル面30aと記録媒体ME0上のドットパターンを模式的に例示している。図3は、印刷部U0の動作を模式的に例示する平面図である。図4は、記録ヘッド30を搭載しているキャリッジ52の速度の変化と印刷画像IM0の各部との関係を模式的に例示している。
図1に示す印刷装置2は、インクジェットプリンターの一種であるシリアルプリンターであり、コントローラー10、半導体メモリーであるRAM21、通信I/F22、記憶部23、操作パネル24、記録ヘッド30、駆動部50、等を備える。ここで、RAMはRandom Access Memoryの略称であり、I/Fはインターフェイスの略称である。印刷装置2は、ラスターデータRA0に従って定速印刷201及び速度変化印刷202を行う印刷部U0を内在している。ラスターデータRA0は、記録ヘッド30から記録媒体ME0に着弾するインク滴37に由来するドットDT0のパターンを表すドットパターンデータの例である。定速印刷201は、主走査方向D1に沿って記録ヘッド30が定速で移動している時に行われる。速度変化印刷202は、主走査における始端部T1及び終端部T2で記録ヘッド30の速度が変化している時に行われる。
コントローラー10、RAM21、通信I/F22、記憶部23、及び、操作パネル24は、バスに接続され、互いに情報を入出力可能とされている。
コントローラー10は、プロセッサーであるCPU11、色変換部12、ハーフトーン処理部13、ラスタライズ処理部14、駆動信号送信部15、等を備える。ここで、CPUは、Central Processing Unitの略称である。コントローラー10は、ホスト装置HO1、不図示のメモリーカード、等のいずれかから取得した元画像データDA1に基づいて、駆動部50による主走査及び副走査、並びに、記録ヘッド30によるインク滴37の吐出を制御する。元画像データDA1は、インク量データDA2に変換することが可能な画像データであればよく、例えば、各画素にR、G、及び、Bの28階調や216階調の整数値を有するRGBデータを適用することができる。ここで、Rは赤を意味し、Gは緑を意味し、Bは青を意味する。
コントローラー10は、SoC等により構成することができる。ここで、SoCは、System on a Chipの略称である。
CPU11は、印刷制御装置1における情報処理や制御を中心的に行う装置である。
色変換部12は、例えば、R、G、及び、Bの階調値とC、M、Y、及び、Kの各階調値との対応関係が規定された色変換ルックアップテーブルを参照し、RGBデータを各画素にC、M、Y、及び、Kの28階調や216階調の整数値を有するインク量データDA2に変換する。ここで、Cはシアンを意味し、Mはマゼンタを意味し、Yはイエローを意味し、Kはブラックを意味する。インク量データDA2は、画素PX1の単位でインク36の使用量を表している。また、RGBデータの解像度が出力解像度とは異なる場合、色変換部12は、RGBデータの解像度を出力解像度に変換し、変換されたRGBデータをインク量データDA2に変換する。色変換部12は、最終的に出力解像度のインク量データDA2をRGBデータから生成することができればよいため、先にRGBデータの解像度のインク量データをRGBデータから生成してから、インク量データの解像度を出力解像度に変換することによりインク量データDA2を生成してもよい。
ハーフトーン処理部13は、インク量データDA2を構成する各画素PX1の階調値に対して例えばディザ法や誤差拡散法や濃度パターン法といった所定のハーフトーン処理を行うことにより前記階調値の階調数を減らし、ハーフトーンデータDA3を生成する。ハーフトーンデータDA3は、画素PX1の単位でドットDT0の形成状態を表している。ハーフトーンデータDA3は、ドットの形成有無を表す2値データでもよいし、小中大の各ドットといった異なるサイズのドットに対応可能な3階調以上の多値データでもよい。2値データは、例えば、ドット形成に1、及び、ドット無しに0を対応させるデータとすることができる。各画素について2ビットで表現可能な4値データとしては、例えば、大ドット形成に3、中ドット形成に2、小ドット形成に1、及び、ドット無しに0を対応させるデータとすることができる。
ラスタライズ処理部14は、記録データRE0としてのハーフトーンデータDA3にマスクMA0を適用することにより、ラスターデータRA0を生成する。ラスターデータRA0は、ハーフトーンデータDA3のうちマスクMA0を適用した後に残される画素値の集まりである。ラスターデータRA0は、1回の主走査で形成されるドットDT0の状態を画素PX1の単位で表している。
駆動信号送信部15は、記録ヘッド30の駆動回路31に対して、記録ヘッド30の駆動素子32に印加する電圧信号に対応した駆動信号SG1をラスターデータRA0から生成して出力する。例えば、ラスターデータRA0が「ドット形成」であれば、駆動信号送信部15はドット形成用のインク滴を吐出させる駆動信号SG1を出力する。また、ラスターデータRA0が4値データである場合、駆動信号送信部15は、ラスターデータRA0が「大ドット形成」であれば大ドット用のインク滴を吐出させる駆動信号SG1を出力し、ラスターデータRA0が「中ドット形成」であれば中ドット用のインク滴を吐出させる駆動信号SG1を出力し、ラスターデータRA0が「小ドット形成」であれば小ドット用のインク滴を吐出させる駆動信号SG1を出力する。
上記各部11~15は、ASICで構成されてもよく、RAM21から処理対象のデータを直接読み込んだりRAM21に処理後のデータを直接書き込んだりしてもよい。ここで、ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。
コントローラー10に制御される駆動部50は、キャリッジ駆動部51とローラー駆動部55を備える。駆動部50は、キャリッジ駆動部51の駆動によりキャリッジ52を主走査方向D1に沿って往復動作させ、ローラー駆動部55の駆動により記録媒体ME0を搬送経路59に沿って送り方向D3へ送る。従って、駆動部50は、主走査時に記録ヘッド30を主走査方向D1に沿って移動させ、副走査時に記録ヘッド30と記録媒体ME0とを送り方向D3において相対的に移動させる。送り方向D3は、主走査方向D1と交差する方向であり、例えば、主走査方向D1に直交する方向である。図1において、送り方向D3は右方向であり、左側を上流側と呼び、右側を下流側と呼ぶことにする。キャリッジ駆動部51は、図3に示すように、主走査方向D1に沿った往方向D11、及び、往方向D11とは反対の復方向D12へキャリッジ52を移動させる主走査をコントローラー10の制御に従って行う。尚、主走査方向D1は、往方向D11と復方向D12を総称している。ローラー駆動部55は、搬送ローラー対56と排紙ローラー対57を含んでいる。ローラー駆動部55は、コントローラー10の制御に従って、搬送ローラー対56の駆動搬送ローラーと排紙ローラー対57の駆動排紙ローラーを回転させることにより記録媒体ME0を送り方向D3へ送る副走査を行う。記録媒体ME0は、印刷画像を保持する素材のことであり、紙、樹脂、金属、等で形成される。記録媒体ME0の材質は、特に限定されず、樹脂、金属、紙、等、様々な材質が考えられる。記録媒体ME0の形状も、特に限定されず、長方形、ロール状、等、様々な形状が考えられ、立体形状でもよい。
キャリッジ52には、記録ヘッド30が搭載されている。キャリッジ52には、インク滴37として吐出されるインク36が記録ヘッド30に供給されるインクカートリッジ35が搭載されてもよい。むろん、キャリッジ52外に設置されたインクカートリッジ35からチューブを介して記録ヘッド30にインク36が供給されてもよい。記録ヘッド30が設けられているキャリッジ52は、図示しない無端ベルトに固定され、ガイド53に沿って、往方向D11及び復方向D12へ移動可能である。ガイド53は、長手方向を主走査方向D1に向けた長尺な部材である。キャリッジ駆動部51は、サーボモーターで構成され、コントローラー10からの指令に従ってキャリッジ52を往方向D11及び復方向D12へ移動させる。
記録ヘッド30から上流側にある搬送ローラー対56は、副走査時、ニップしている記録媒体ME0を駆動搬送ローラーの回転により記録ヘッド30の方へ送る。記録ヘッド30から下流側にある排紙ローラー対57は、副走査時、ニップしている記録媒体ME0を駆動排紙ローラーの回転により不図示の排紙トレイの方へ搬送する。ローラー駆動部55は、サーボモーターで構成され、コントローラー10からの指令に従って搬送ローラー対56と排紙ローラー対57を動作させ、記録媒体ME0を送り方向D3へ送る。
プラテン58は、搬送経路59の下側にあり、搬送経路59にある記録媒体ME0に接することにより記録媒体ME0を支持する。コントローラー10に制御される記録ヘッド30は、プラテン58に支持されている記録媒体ME0に向けてインク滴37を吐出することにより記録媒体ME0にインク36を付着させる。
記録ヘッド30は、インク滴37を吐出する複数のノズル34をノズル面30aに有し、プラテン58上の記録媒体ME0にインク滴37を吐出することにより印刷を行う。ここで、ノズルはインク滴が噴射する小孔を意味し、ノズル列は複数のノズルの並びを意味する。ノズル面30aは、インク滴37の吐出面である。記録ヘッド30は、駆動回路31、駆動素子32、等を備える。駆動回路31は、駆動信号送信部15から入力される駆動信号SG1に従って駆動素子32に電圧信号を印加する。駆動素子32には、ノズル34に連通する圧力室内のインク36に圧力を加える圧電素子、熱により圧力室内に気泡を発生させてノズル34からインク滴37を吐出させる駆動素子、等を用いることができる。記録ヘッド30の圧力室には、インクカートリッジ35からインク36が供給される。インクカートリッジ35とノズル列33の組合せは、インク36の色別に設けられる。圧力室内のインク36は、駆動素子32によってノズル34から記録媒体ME0に向かってインク滴37として吐出される。これにより、記録媒体ME0にインク滴37のドットDT0が形成される。記録ヘッド30が主走査方向D1へ移動する間にラスターデータRA0に従ったドットDT0が形成され、記録媒体ME0が送り方向D3へ副走査1回分、送られることが繰り返されることにより、記録媒体ME0に印刷画像IM0が形成される。
RAM21は、大容量で揮発性の半導体メモリーであり、ホスト装置HO1や不図示のメモリー等から受け入れた元画像データDA1等を格納する。通信I/F22は、ホスト装置HO1に有線又は無線で接続され、ホスト装置HO1に対して情報を入出力する。ホスト装置HO1には、パーソナルコンピューターやタブレット端末といったコンピューター、スマートフォンといった携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、等が含まれる。記憶部23は、ファームウェア、図4に示す第一マスクMA1及び第二マスクMA2となる得る複数の候補マスクMAp、等を記憶している。記憶部23には、フラッシュメモリーといった不揮発性半導体メモリー、ハードディスクといった磁気記憶装置、等を用いることができる。操作パネル24は、出力部25、入力部26、等を備えている。出力部25は、例えば、各種の指示に応じた情報や印刷装置2の状態を示す情報を表示する液晶パネルといった表示部で構成される。出力部25は、これらの情報を音声出力してもよい。入力部26は、例えば、カーソルキーや決定キーといった操作キーといった操作入力部で構成される。入力部26は、表示画面への操作を受け付けるタッチパネル等でもよい。
図2に示す記録ヘッド30は、ノズル並び方向D4へ所定のノズルピッチの間隔で並んでいる複数のノズル34を含むノズル列33を複数、ノズル面30aに有している。各ノズル列33は、インク滴37を記録媒体ME0に向けて吐出する。図3に示すノズル並び方向D4は主走査方向D1に直交しているが、ノズル並び方向D4は主走査方向D1に直交せず斜めに交差していてもよい。言い換えると、ノズル並び方向D4は、図3に示すように送り方向D3と一致していてもよいし、送り方向D3から90°未満の範囲でずれていてもよい。各ノズル列33に含まれる複数のノズル34は、一列に並べられてもよいし、千鳥状すなわち二列に並べられてもよい。
図2に示す複数のノズル列33は、Cのインク滴37を吐出するためのノズル列33C、Mのインク滴37を吐出するためのノズル列33M、Yのインク滴37を吐出するためのノズル列33Y、及び、Kのインク滴37を吐出するためのノズル列33Kを含んでいる。ノズル面30aにおいて、ノズル列33C、ノズル列33M、ノズル列33Y、及び、ノズル列33Kは、主走査方向D1へ並べられている。
印刷装置2は、図2に示すように、記録媒体ME0上の記録単位A0に対して、最初の主走査P1において、ラスターデータRA0に従って各ノズル34からインク滴37を記録媒体ME0に向けて吐出することによりドットDT0のパターンを形成する。図2には、全ての画素PX1にドットDT0を形成することを表している記録データRE0にマスクMA0を適用することにより生成されるラスターデータRA0に従って記録単位A0に形成されるドットDT0のパターンが示されている。主走査P1の終了直後には、記録単位A0においてドットDT0が形成されない画素PX10が存在する。これらの画素PX10には、主走査P1の後に行われる1以上の主走査P2においてドットDT0が形成される。
図3に示す印刷部U0は、例として、1回の主走査で記録媒体ME0上の記録単位A0にインク滴37を着弾させ、主走査間で記録媒体ME0を記録単位A0の1/2ずつ送り方向D3へ送る。上述したように、記録ヘッド30を搭載したキャリッジ52を主走査方向D1に沿って移動させるのはキャリッジ駆動部51であり、記録媒体ME0を送り方向D3へ送るのはローラー駆動部55である。副走査方向D2において各記録単位A0の1/2ずつとなる記録領域B0,B1,B2,B3,B4…には、2回の主走査でドットDT0のパターンによる印刷画像IM0が形成される。そこで、記録データRE0に適用するマスクMA0の記録率を50%にすれば、設計上、2回の主走査で記録領域B0,B1,B2,B3,B4…に印刷画像IM0が形成される。ただし、マスクMA0の記録率は、50%に限定されず、様々な要因を考慮して50%からずれた記録率に設定されることがある。
図3に示す記録ヘッド30は、まず、往方向D11へ移動しながら記録単位A1にインク滴37を吐出する。ここで、記録媒体ME0上の記録単位A1を下流側の記録領域B0と上流側の記録領域B1に等分する。記録領域B0,B1には、マスクMA0に応じた記録率でドットDT0のパターンが形成される。次に、記録ヘッド30は、復方向D12へ移動しながら記録単位A2にインク滴37を吐出する。記録単位A2は記録単位A1の1/2だけ副走査方向D2へずれており、マスクMA0に応じた記録率で記録領域B1,B2にドットDT0のパターンが形成される。図3に示す例では、記録単位A2にドットDT0のパターンが形成された時点で記録領域B1における印刷画像IM0が形成される。さらに、記録ヘッド30は、往方向D11へ移動しながら記録単位A3にインク滴37を吐出する。記録単位A3は記録単位A2の1/2だけ副走査方向D2へずれており、マスクMA0に応じた記録率で記録領域B2,B3にドットDT0のパターンが形成される。図3に示す例では、記録単位A3にドットDT0のパターンが形成された時点で記録領域B2における印刷画像IM0が形成される。さらに、記録ヘッド30は、復方向D12へ移動しながら記録単位A4にインク滴37を吐出する。記録単位A4は記録単位A1の1/2だけ副走査方向D2へずれており、マスクMA0に応じた記録率で記録領域B3,B4にドットDT0のパターンが形成される。図3に示す例では、記録単位A4にドットDT0のパターンが形成された時点で記録領域B3における印刷画像IM0が形成される。
以上説明したように、印刷部U0は、往方向D11への主走査、及び、復方向D12への主走査を繰り返しながら、1回の主走査で記録単位A0にインク滴37を着弾させ、記録領域の単位で印刷画像IM0を完成させる。
尚、副走査方向D2は、送り方向D3とは反対の方向であり、副走査時に記録媒体ME0を基準として記録ヘッド30が相対的に移動する方向である。副走査方向D2は、主走査方向D1と交差する方向であり、例えば、主走査方向D1に直交する方向である。
記録ヘッド30を搭載しているキャリッジ52の速度は、図4に示すように、主走査毎に、定速度V1に達するまで増加し、減速が開始されると減少する。図4に示すキャリッジ速度Vは、起動位置X1から定速開始位置X3まで増加し、定速開始位置X3から定速終了位置X4まで一定である定速度V1であり、定速終了位置X4から停止位置X6まで減少している。キャリッジ52が低速で加速又は減速している間はキャリッジ速度Vが安定しないので、記録ヘッド30から吐出されたインク滴37の着弾位置に乱れが起き易くなっている。そこで、加速印刷203及び減速印刷204は、印刷の品質が確保されるキャリッジ速度Vとしてキャリッジ速度Vが最低速度V2以上である場合に行われる。ここで、加速印刷203は、主走査における端部の一方である始端部T1で記録ヘッド30が加速している時に行われる。減速印刷204は、主走査における端部の他方である終端部T2で記録ヘッド30が減速している時に行われる。加速印刷203と減速印刷204との間の定速印刷201は、主走査方向D1に沿って記録ヘッド30が定速で移動している時に行われる。
図4に示す例では、起動位置X1を起点としてキャリッジ速度Vが最低速度V2に到達する印刷開始位置X2から加速印刷203が行われ、定速終了位置X4を起点としてキャリッジ速度Vが最低速度V2に到達する印刷終了位置X5で減速印刷204が終了する。定速開始位置X3から定速終了位置X4までは、定速印刷201が行われる。印刷開始位置X2から定速開始位置X3までは、主走査における始端部T1であり、加速印刷203が行われる。定速終了位置X4から印刷終了位置X5までは、主走査における終端部T2であり、減速印刷204が行われる。加速印刷203と減速印刷204は、主走査における端部で記録ヘッド30の速度が変化している時に行われる速度変化印刷202に含まれる。
尚、加速印刷203は、V=V1となる前に開始すればよいので、V2<V<V1の時から開始してもよい。また、減速印刷204は、V=V1となる前に終了すればよいので、V2<V<V1の時に終了してもよい。
印刷部U0は、ラスターデータRA0に従って、主走査方向D1に沿って記録ヘッド30が定速で移動している時に定速印刷201を行い、主走査における始端部T1及び終端部T2で記録ヘッド30の速度が変化している時に速度変化印刷202を行う。
以下の説明において、記録媒体ME0上で1回の主走査でドットDT0のパターンが形成される記録単位A0には、加速印刷領域AR3、定速印刷領域AR1、及び、減速印刷領域AR4が含まれるものとする。ここで、加速印刷領域AR3は、1回の主走査で記録単位A0に加速印刷203が行われる領域であり、ラスターデータRA0に従ったドットDT0のパターンが加速印刷203により形成される領域である。定速印刷領域AR1は、1回の主走査で記録単位A0に定速印刷201が行われる領域であり、ラスターデータRA0に従ったドットDT0のパターンが定速印刷201により形成される領域である。減速印刷領域AR4は、1回の主走査で記録単位A0に減速印刷204が行われる領域であり、ラスターデータRA0に従ったドットDT0のパターンが減速印刷204により形成される領域である。ここで、速度変化印刷領域AR2は、加速印刷領域AR3と減速印刷領域AR4を総称し、1回の主走査で記録単位A0に速度変化印刷202が行われる領域であり、ラスターデータRA0に従ったドットDT0のパターンが速度変化印刷202により形成される領域である。
加速印刷203と減速印刷204の少なくとも一方が行われることにより、記録媒体ME0に形成される印刷画像IM0の品質が或るレベルで確保される状態で印刷のスループットが向上する。ただ、速度変化印刷202と定速印刷201とで主走査方向D1に沿った記録ヘッド30の移動速度が異なることにより、速度変化印刷領域AR2と定速印刷領域AR1との間で色むらが生じることがある。
速度変化印刷202と定速印刷201との違いが印刷画質に影響する例として、以下のことが挙げられる。
A.記録ヘッド30へのインク36の供給が定速印刷201の時と比べて速度変化印刷202の時に変動することによりノズル34から吐出されるインク滴37のサイズに違いが生じること。
B.ノズル34から吐出されるインク滴37の本体と、該本体から分離されるサテライト滴と、の着弾位置のずれが定速印刷201の時と速度変化印刷202の時とで異なること。
以上のようなことが要因となって、速度変化印刷領域AR2と定速印刷領域AR1との間で色むらが発生してしまう。ここで、色むらが生じる一つ一つの原因に対して対策を打つことはできるものの、実際は、記録ヘッド30の移動速度、記録媒体ME0の種類、インク36の種類、駆動部50の構成、等の複合的な因子が印刷画質に影響することにより色むらが生じる。従って、実際の印刷画質に対して補正を行うような対策をすることができれば、前述の複合的な因子にも対応することができる。
本具体例は、記録ヘッド30における加減速区間(X2~X3及びX4~X5)と定速区間(X3~X4)とで記録データRE0に適用するマスクMA0を変えることができるという、特徴を有する。ここで、ラスターデータRA0を生成するための記録データRE0の内、定速印刷201が行われる部分を第一部分データRE1とし、速度変化印刷202が行われる部分を第二部分データRE2とする。また、ラスターデータRA0の内、定速印刷201が行われる部分を第一部分ドットパターンデータRA1とし、速度変化印刷202が行われる部分を第二部分ドットパターンデータRA2とする。図4には、第一部分データRE1に第一マスクMA1が適用されることにより第一部分ドットパターンデータRA1が生成され、第二部分データRE2に第二マスクMA2が適用されることにより第二部分ドットパターンデータRA2が生成されることが示されている。
以上のようにして、本具体例は、速度変化印刷202と定速印刷領域AR1との間の色むらを抑制することにしている。
図5は、定速印刷領域AR1と速度変化印刷領域AR2との間の色むらをマスクの選択により抑制する様子を模式的に例示している。図6は、或るマスクAから別のマスクB,Cを生成する様子をマスクA,B,Cの構造とともに模式的に例示している。図6に示すマスクA,B,Cの画素PX2の数は例に過ぎず、マスクA,B,Cの画素PX2の数は図6に示す数に限定されない。
図2に示すように、記録データRE0は、画素PX1の単位でドットDT0の形成状態を表している。マスクMA0は、画素PX1の単位で記録データRE0を使用するか否かを表している。図6に示すマスクA,B,Cの各画素PX2は、記録データRE0の画素PX1に合わせられる。マスクA,B,Cに含まれる複数の画素PX2の内、O印が付された画素は記録データRE0の画素値を残す画素を意味し、X印が付された画素はドットDT0を形成しない画素を意味する。マスクA,B,Cの記録率は、マスクA,B,Cに含まれる全画素PX2のうち記録データRE0の画素値を残す画素の百分率を意味する。例えば、記録率50%のマスクAは、記録データRE0の全画素PX1の内、50%の画素の画素値を残し、50%の画素をドットDT0が形成されない値、例えば、0に変える。記録率52%のマスクBは、記録データRE0の全画素PX1の内、52%の画素の画素値を残し、48%の画素をドットDT0が形成されない値、例えば、0に変える。図1に示す記憶部23は、マスクMA0としてマスクA,B,Cを少なくとも記憶している。
図5の上段は、定速印刷領域AR1と速度変化印刷領域AR2の両方に同じマスクAが割り当てられている例を示している。コントローラー10は、第一部分データRE1にマスクMを適用することにより第一部分ドットパターンデータRA1を生成し、第二部分データRE2に第二マスクMA2を適用することにより第二部分ドットパターンデータRA2を生成する。印刷部U0は、第一部分ドットパターンデータRA1に従って定速印刷領域AR1にドットDT0のパターンを形成し、第二部分ドットパターンデータRA2に従って速度変化印刷領域AR2にドットDT0のパターンを形成する。図5の上段に示す印刷画像IM0は、速度変化印刷領域AR2が定速印刷領域AR1よりも薄く見える。この場合、図5の下段に示すように、マスクAよりも記録率が高いマスクBを速度変化印刷領域AR2にだけ割り当てることができる。その結果、速度変化印刷領域AR2が濃くなり、定速印刷領域AR1と速度変化印刷領域AR2との間の色むらが少なくなる。
また、図示していないが、マスクAよりも記録率が低いマスクCを定速印刷領域AR1にだけ割り当てても、定速印刷領域AR1が薄くなり、定速印刷領域AR1と速度変化印刷領域AR2との間の色むらが少なくなる。
ここで、マスクAをベースマスクとすると、マスクAから記録率を変えたマスクB,Cは、マスクAに基づいて生成されてもよい。図6に示す例において、記録率52%のマスクBは、記録率50%のマスクAに含まれるX印の複数の画素のうち記録率52%となる分の画素をO印の画素に変えることにより生成することができる。X印からO印に変更される画素の数は、マスクAの画素数の52-50=2%に相当する数である。図6に示す例では、記録率50%のマスクAの画素数は100であり、そのうちX印の画素の数は50であるので、50個のX印の画素のうち2個の画素PX21をO印の画素に変更することにより記録率52%のマスクBを生成することができる。また、図6に示す例において、記録率48%のマスクCは、記録率50%のマスクAに含まれるO印の複数の画素のうち記録率48%となる分の画素をX印の画素に変えることにより生成することができる。O印からX印に変更される画素の数は、マスクAの画素数の50-48=2%に相当する数である。図6に示す例では、記録率50%のマスクAの画素数は100であり、そのうちO印の画素の数は50であるので、50個のO印の画素のうち2個の画素PX22をX印の画素に変更することにより記録率48%のマスクCを生成することができる。
むろん、マスクBをベースマスクとしてマスクA,CをマスクBに基づいて生成することが可能であり、マスクCをベースマスクとしてマスクA,BをマスクCに基づいて生成することが可能である。
マスクA,B,Cは、いずれも、図4に示す第一マスクMA1に割り当てることができ、図4に示す第二マスクMA2に割り当てることができる。従って、第一マスクMA1が第二マスクMA2に基づいて生成されてもよいし、第二マスクMA2が第一マスクMA1に基づいて生成されてもよい。
(3)印刷制御装置で行われる処理の具体例:
図7は、マスク割り当て処理を模式的に例示している。マスク割り当て処理は、例えば、図1に示すコントローラー10で行われる。この場合、マスク割り当て処理を開始させる操作を入力部26がユーザーから受け付けると、マスク割り当て処理が開始する。また、マスク割り当て処理は、図1に示すホスト装置HO1で行われてもよい。この場合、マスク割り当て処理を開始させる操作をホスト装置HO1がユーザーから受け付けると、マスク割り当て処理が開始する。図7に示すステップS102~S104のマスク割り当て処理は、記録データRE0の各部にマスクMA0を割り当てる割当部U1及び割当工程ST1に対応している。以下、「ステップ」の記載を省略し、括弧内にステップの符号を示すことがある。また、記録データRE0のうち第一部分データRE1に記録率50%のマスクAが第一マスクMA1として割り当てられ、コントローラー10がマスク割り当て処理を行う場合について、以下の説明を行う。
マスク割り当て処理が開始すると、コントローラー10は、複数の候補マスクMApの選択項目を有する第二マスク選択欄300を出力部25に表示させ、第二マスクMA2の選択を受け付ける(S102)。第二マスク選択欄300は、記録データRE0のうち第二部分データRE2に割り当てる第二マスクMA2を選択するための表示領域であり、図7に示す例では候補マスクMApとしてマスクA,B,Cを有している。ユーザーは、第二マスク選択欄300に含まれる候補マスクMApの選択項目の中からいずれか一つを選択する操作を入力部26に行うことが可能である。入力部26は、第二マスク選択欄300に含まれる候補マスクMApの選択項目の中からいずれか一つを第二マスクMA2としてユーザーから受け付ける。
第二マスクMA2の選択後、コントローラー10は、第二マスクMA2の選択結果を記憶部23に記憶させ(S104)、マスク割り当て処理を終了させる。例えば、第二マスクMA2としてマスクBが選択された場合、第一部分データRE1にマスクAが割り当てられ、第二部分データRE2にマスクBが割り当てられる。また、第二マスクMA2としてマスクAが選択された場合、第一部分データRE1にマスクAが割り当てられ、第二部分データRE2にもマスクAが割り当てられる。
以上のようにして、コントローラー10は、記録データRE0に適用することによりラスターデータRA0を生成するマスクMA0として、第一部分データRE1に第一マスクMA1を割り当て、第二部分データRE2に第二マスクMA2を割り当てる。
尚、コントローラー10は、第一マスクMA1を選択するための第一マスク選択欄を出力部25に表示させてもよい。第一マスク選択欄は、記録データRE0のうち第一部分データRE1に割り当てる第一マスクMA1を選択するための表示領域であり、候補マスクMApとしてマスクA,B,Cを有していてもよい。入力部26は、第一マスク選択欄に含まれる候補マスクMApの選択項目の中からいずれか一つを第一マスクMA1としてユーザーから受け付けてもよい。第一マスクMA1の選択後、コントローラー10は、第一マスクMA1の選択結果を記憶部23に記憶させてもよい。
また、コントローラー10は、第一マスクMA1の選択を受け付ける場合、第二マスクMA2の選択を受け付けなくてもよい。
図8は、1回の主走査における印刷制御処理を模式的に例示している。印刷制御処理は、例えば、図1に示すコントローラー10で行われる。この場合、ハーフトーン処理部13が記録データRE0としてのハーフトーンデータDA3を生成すると、印刷制御処理が開始する。また、印刷制御処理は、図1に示すホスト装置HO1で行われてもよい。この場合、ホスト装置HO1が記録データRE0としてのハーフトーンデータDA3を生成すると、印刷制御処理が開始する。ここで、S204,S212,S220は、割当部U1及び割当工程ST1に対応している。S208,S216,S224は、記録データRE0の各部にマスクMA0を適用することによりラスターデータRA0を生成する生成部U2及び生成工程ST2に対応している。以下、コントローラー10が印刷制御処理を行う場合について、説明を行う。
印刷制御処理が開始すると、コントローラー10は、記録データRE0に対するマスクMA0の適用位置を初期化する(S202)。マスクMA0の初期位置は、1回の主走査における記録データRE0の開始位置であり、図4に示すキャリッジ位置Xが印刷開始位置X2となるタイミングにおける記録データRE0の位置である。次に、コントローラー10は、記録データRE0に適用するマスクMA0として第二マスクMA2をセットする(S204)。印刷開始位置X2から定速開始位置X3は加速印刷203が行われるので、コントローラー10は、S204において第二部分データRE2に第二マスクMA2を割り当てる処理を行うことになる。
その後、コントローラー10は、記録データRE0のうちマスクMA0を適用する部分が加速印刷領域AR3に対応する部分であるか否かを判断する(S206)。マスクMA0の適用部分が加速印刷領域AR3に対応する部分である場合、コントローラー10は、処理をS208に進める。S208において、コントローラー10は、記録データRE0において加速印刷領域AR3に対応する第二部分データRE2のうちマスクMA0の適用部分の各画素PX1に第二マスクMA2の各画素PX2を適用することにより、第二部分ドットパターンデータRA2を生成する。次に、コントローラー10は、記録データRE0に対するマスクMA0の適用位置をマスクMA0の幅分、更新し(S210)、処理をS206に戻す。マスクMA0の幅は、主走査方向D1におけるマスクMA0の画素数を意味する。S206~S210の処理は、マスクMA0の適用部分が加速印刷領域AR3に対応する部分である場合に繰り返される。
コントローラー10は、S206においてマスクMA0の適用部分が加速印刷領域AR3に対応する部分でないと判断した場合、処理をS212に進める。この場合、キャリッジ位置Xが定速開始位置X3に到達することになる。そこで、S212において、コントローラー10は、記録データRE0に適用するマスクMA0として第一マスクMA1をセットする。定速開始位置X3から定速終了位置X4は定速印刷201が行われるので、コントローラー10は、S212において第一部分データRE1に第一マスクMA1を割り当てる処理を行うことになる。
その後、コントローラー10は、記録データRE0のうちマスクMA0を適用する部分が定速印刷領域AR1に対応する部分であるか否かを判断する(S214)。マスクMA0の適用部分が定速印刷領域AR1に対応する部分である場合、コントローラー10は、処理をS216に進める。S216において、コントローラー10は、記録データRE0において定速印刷領域AR1に対応する第一部分データRE1のうちマスクMA0の適用部分の各画素PX1に第一マスクMA1の各画素PX2を適用することにより、第一部分ドットパターンデータRA1を生成する。次に、コントローラー10は、記録データRE0に対するマスクMA0の適用位置をマスクMA0の幅分、更新し(S218)、処理をS214に戻す。S214~S218の処理は、マスクMA0の適用部分が定速印刷領域AR1に対応する部分である場合に繰り返される。
コントローラー10は、S214においてマスクMA0の適用部分が定速印刷領域AR1に対応する部分でないと判断した場合、処理をS220に進める。この場合、キャリッジ位置Xが定速終了位置X4に到達することになる。そこで、S220において、コントローラー10は、記録データRE0に適用するマスクMA0として第二マスクMA2をセットする。定速終了位置X4から印刷終了位置X5は減速印刷204が行われるので、コントローラー10は、S220において第二部分データRE2に第二マスクMA2を割り当てる処理を行うことになる。
その後、コントローラー10は、記録データRE0のうちマスクMA0を適用する部分が減速印刷領域AR4に対応する部分であるか否かを判断する(S222)。マスクMA0の適用部分が減速印刷領域AR4に対応する部分である場合、コントローラー10は、処理をS224に進める。S224において、コントローラー10は、記録データRE0において減速印刷領域AR4に対応する第二部分データRE2のうちマスクMA0の適用部分の各画素PX1に第二マスクMA2の各画素PX2を適用することにより、第二部分ドットパターンデータRA2を生成する。次に、コントローラー10は、記録データRE0に対するマスクMA0の適用位置をマスクMA0の幅分、更新し(S226)、処理をS222に戻す。S222~S226の処理は、マスクMA0の適用部分が減速印刷領域AR4に対応する部分である場合に繰り返される。
コントローラー10は、S222においてマスクMA0の適用部分が減速印刷領域AR4に対応する部分でないと判断した場合、1回の主走査における印刷制御処理を終了させる。この場合、キャリッジ位置Xが印刷終了位置X5に到達することになる。生成されるラスターデータRA0は、S208において生成される第二部分ドットパターンデータRA2、S216において生成される第一部分ドットパターンデータRA1、及び、S224において生成される第二部分ドットパターンデータRA2で構成される。ラスターデータRA0が生成されると、コントローラー10は、駆動信号送信部15においてラスターデータRA0から駆動信号SG1を生成して記録ヘッド30に出力する。記録ヘッド30は、駆動信号SG1に従ってノズル列33から記録媒体ME0上の記録単位A0にインク滴37を吐出する。これにより、ラスターデータRA0で表されるドットDT0のパターンが記録媒体ME0上の記録単位A0に形成され、印刷画像IM0が形成される。
以上のようにして、コントローラー10は、第一部分データRE1に第一マスクMA1を適用し、第二部分データRE2に第二マスクMA2を適用することにより、ラスターデータRA0を生成する。
本具体例では、記録データRE0の内、定速印刷201が行われる第一部分データRE1と速度変化印刷202が行われる第二部分データRE2とでマスクMA0を使い分けることが可能である。これにより、記録媒体ME0に形成される印刷画像IM0の内、定速印刷201が行われる定速印刷領域AR1に対するインクの使用量と、速度変化印刷202が行われる速度変化印刷領域AR2に対するインクの使用量と、を変えることができる。従って、本具体例は、定速印刷領域AR1の濃さに対する速度変化印刷領域AR2の相対的な濃さを変えることができる。
例えば、記録データRE0の全体に一つのマスクが適用されることにより速度変化印刷領域AR2が定速印刷領域AR1よりも薄い印刷画像IM0が記録媒体ME0に形成されるとする。この場合、速度変化印刷領域AR2用の第二マスクMA2が定速印刷領域AR1用の第一マスクMA1よりも記録率が高くなるように選択されると、定速印刷領域AR1と速度変化印刷領域AR2との間の色むらが抑制される。また、定速印刷領域AR1用の第一マスクMA1が速度変化印刷領域AR2用の第二マスクMA2よりも記録率が低くなるように選択されても、定速印刷領域AR1と速度変化印刷領域AR2との間の色むらが抑制される。
逆に、記録データRE0の全体に一つのマスクが適用されることにより速度変化印刷領域AR2が定速印刷領域AR1よりも濃い印刷画像IM0が記録媒体ME0に形成されるとする。この場合、速度変化印刷領域AR2用の第二マスクMA2が定速印刷領域AR1用の第一マスクMA1よりも記録率が低くなるように選択されると、定速印刷領域AR1と速度変化印刷領域AR2との間の色むらが抑制される。また、定速印刷領域AR1用の第一マスクMA1が速度変化印刷領域AR2用の第二マスクMA2よりも記録率が高くなるように選択されても、定速印刷領域AR1と速度変化印刷領域AR2との間の色むらが抑制される。
むろん、記録データRE0の全体に一つのマスクが適用されても定速印刷領域AR1と速度変化印刷領域AR2とで同じ濃さの印刷画像IM0が記録媒体ME0に形成される場合、第一マスクMA1と第二マスクMA2に同じマスクが選択されてもよい。
(4)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、インクの色の組合せは、C、M、Y、及び、Kに限定されず、ホワイト、オレンジ、グリーン、無色、Cよりも低濃度のライトシアン、Mよりも低濃度のライトマゼンタ、Yよりも高濃度のダークイエロー、Kよりも低濃度のライトブラック、等を含んでいてもよい。むろん、印刷制御装置1がC、M、Y、及び、Kの一部のインクを使用しない場合にも、本技術を適用可能である。
上述した実施形態では副走査時に副走査方向D2において記録ヘッド30が移動せず記録媒体ME0が移動したが、これに限定されない。副走査時、副走査方向D2において記録媒体ME0が移動せずに記録ヘッド30が移動してもよいし、副走査方向D2において記録媒体ME0と記録ヘッド30の両方が移動してもよい。
記録媒体ME0への印刷は、記録データRE0にマスクMA0が適用されたドットパターンデータに従った印刷であればよく、図3に示す印刷に限定されない。例えば、記録媒体ME0への印刷は、インターレース方式の印刷でもよい。
第二部分データRE2の内、加速印刷203に使用される部分に加速部分用マスクが適用され、減速印刷204に使用される部分に減速部分用マスクが適用されてもよい。加速部分用マスクと減速部分用マスクは、第二マスクMA2に含まれ、互いに異なるマスクでもよい。この場合、加速部分用マスクと減速部分用マスクは、図7に示すマスク割り当て処理において選択されてもよい。
印刷装置2は、ホスト装置HO1やメモリーカード等のいずれかから、元画像データDA1の代わりにインク量データDA2を取得してもよい。この場合、コントローラー10は、取得されたインク量データDA2を記録データRE0に変換すればよい。また、印刷装置2は、ホスト装置HO1やメモリーカード等のいずれかから、記録データRE0を直接取得してもよい。
印刷部U0は、減速印刷204を行わずに加速印刷203を速度変化印刷202として行ってもよいし、加速印刷203を行わずに減速印刷204を速度変化印刷202として行ってもよい。
上述した実施形態では記録データRE0としてのハーフトーンデータDA3に第一マスクMA1及び第二マスクMA2が適用されたが、これに限定されない。例えば、記録データRE0は、インク量データDA2でもよい。この場合、記録データRE0に適用されるマスクMA0は、画素の単位でドットの形成状態を決定するための閾値を有するディザマスクでもよい。生成部U2は、インク量データDA2の内、定速印刷201が行われる第一部分データに第一マスクMA1としての第一ディザマスクを適用し、速度変化印刷202が行われる第二部分データに第二マスクMA2としての第二ディザマスクを適用することにより、ラスターデータRA0を生成してもよい。
図9に例示するように、印刷部U0は、印刷開始位置X2を記録データRE0に基づいて変更可能でもよく、印刷終了位置X5を記録データRE0に基づいて変更可能でもよい。図9は、始端部T1及び終端部T2が変化する場合に記録データRE0から第一部分データRE1と第二部分データRE2とを分ける様子を模式的に例示している。
印刷部U0の生成部U2は、図9に示すように、各主走査において、印刷開始位置X2を記録データRE0においてドットDT0が形成される最初の部分に合わせ、印刷終了位置X5を記録データRE0においてドットDT0が形成される最後の部分に合わせる。そのうえで、生成部U2は、印刷開始位置X2から定速開始位置X3までに対応する加速部分データRE3の範囲を記録データRE0に基づいて決定し、定速終了位置X4から印刷終了位置X5までに対応する減速部分データRE4の範囲を記録データRE0に基づいて決定する。ここで、第二部分データRE2は、加速部分データRE3と減速部分データRE4を総称している。例えば、記録データRE0において、印刷開始位置X2から定速開始位置X3までの画素数は一定数に設定され、定速終了位置X4から印刷終了位置X5までの画素数は一定数に設定される。
図9に示す例では、記録ヘッド30が往方向D11へ移動する主走査において、記録単位A3用の記録データRE0は記録単位A1用の記録データRE0よりも印刷開始位置X2が遅く、印刷終了位置X5が早い。また、記録ヘッド30が復方向D12へ移動する主走査において、記録単位A4用の記録データRE0は記録単位A2用の記録データRE0よりも印刷開始位置X2が遅く、印刷終了位置X5が遅い。生成部U2は、各記録単位A0の印刷開始位置X2に合わせて、ラスターデータRA0のうち加速印刷203に使用される第二部分ドットパターンデータRA2に対応する第二部分データRE2の範囲(X2~X3)を決定する。また、生成部U2は、各記録単位A0の印刷終了位置X5に合わせて、ラスターデータRA0のうち減速印刷204に使用される第二部分ドットパターンデータRA2に対応する第二部分データRE2の範囲(X4~X5)を決定する。さらに、生成部U2は、各記録単位A0の定速開始位置X3及び定速終了位置X4に合わせて、ラスターデータRA0のうち定速印刷201に使用される第一部分ドットパターンデータRA1に対応する第一部分データRE1の範囲(X3~X4)を決定する。
第一部分データRE1の範囲(X3~X4)、並びに、第二部分データRE2の範囲(X2~X3、及び、X4~X5)が決まると、図8に示す印刷制御処理に従ってラスターデータRA0を生成することができる。すなわち、S204,S212,S220において、第一部分データRE1に第一マスクMA1が割り当てられ、第二部分データRE2に第二マスクMA2を割り当てられる。S208,S216,S224において、決定された第一部分データRE1に第一マスクMA1が適用され、決定された第二部分データRE2に第二マスクMA2が適用されることにより、ラスターデータRA0が生成される。
以上説明したように、図9に示す例は、速度変化印刷領域AR2が動的に変化する場合に定速印刷領域AR1の濃さに対する速度変化印刷領域AR2の相対的な濃さを変えることができる。
図10に例示するように、印刷制御装置1は、ホスト装置HO1に含まれていてもよい。図10は、印刷制御装置1がホスト装置HO1にある印刷システムSY1を模式的に例示している。
ホスト装置HO1は、プロセッサーであるCPU101、半導体メモリーであるROM102、半導体メモリーであるRAM103、記憶部104、入力装置105、表示装置106、I/F107、等を備えている。これらの要素は、電気的に接続されていることにより相互に情報を入出力可能である。
記憶部104は、不図示のOS、印刷制御プログラムPR0、第一マスクMA1及び第二マスクMA2となる得る複数の候補マスクMAp、等を記憶している。従って、記憶部104は、図1に示す記憶部23に対応している。ここで、OSは、オペレーティングシステムの略称である。印刷制御プログラムPR0は、印刷装置2を制御するためのプログラムであり、プリンタードライバーと呼ばれることがある。記憶部104は、印刷制御プログラムPR0を記録したコンピューター読み取り可能な媒体である。印刷制御プログラムPR0は、コンピューター読み取り可能な外部の記録媒体に記録されてもよい。印刷制御プログラムPR0は、ホスト装置HO1を割当部U1及び生成部U2として機能させる。言い換えると、印刷制御プログラムPR0は、割当部U1に対応する割当機能、及び、生成部U2に対応する生成機能をコンピューターに実現させる。CPU101は、記憶部104からRAM103に読み出した印刷制御プログラムPR0を実行することにより、印刷装置2を制御する処理を行う。
また、印刷制御プログラムPR0は、ホスト装置HO1を、図1に示す色変換部12に対応する色変換部112、図1に示すハーフトーン処理部13に対応するハーフトーン処理部113、及び、図1に示すラスタライズ処理部14に対応するラスタライズ処理部114として機能させる。ラスタライズ処理部114は、記録データRE0に適用することによりラスターデータRA0を生成するマスクMA0として、第一部分データRE1に第一マスクMA1を割り当て、第二部分データRE2に第二マスクMA2を割り当てる。そのうえで、ラスタライズ処理部114は、第一部分データRE1に第一マスクMA1を適用し、第二部分データRE2に第二マスクMA2を適用することにより、ラスターデータRA0を生成する。
入力装置105には、ポインティングデバイス、キーボードを含むハードキー、表示パネルの表面に貼り付けられたタッチパネル、等を用いることができる。表示装置106には、液晶表示パネル等を用いることができる。I/F107は、印刷装置2の通信I/F22に接続され、通信I/F22と所定の通信規格に従って通信を行う。例えば、ホスト装置HO1は、I/F107を介してラスターデータRA0を印刷装置2に送信する。ラスターデータRA0を受信した印刷装置2は、駆動信号送信部15においてラスターデータRA0から駆動信号SG1を生成して記録ヘッド30に出力する。記録ヘッド30は、駆動信号SG1に従ってノズル列33から記録媒体ME0上の記録単位A0にインク滴37を吐出する。これにより、ラスターデータRA0で表されるドットDT0のパターンが記録媒体ME0上の記録単位A0に形成され、印刷画像IM0が形成される。
以上より、図10に示す例も、定速印刷領域AR1の濃さに対する速度変化印刷領域AR2の相対的な濃さを変えることができる。
むろん、印刷制御装置1は、ホスト装置HO1と印刷装置2の両方に跨がって設けられてもよい。例えば、割当部U1がホスト装置HO1に設けられ、生成部U2が印刷装置2に設けられてもよい。
(5)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、定速印刷領域の濃さに対する速度変化印刷領域の相対的な濃さを変えることが可能な技術等を提供することができる。むろん、独立請求項に係る構成要件のみからなる技術でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術及び上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
1…印刷制御装置、2…印刷装置、10…コントローラー、22…通信I/F、23…記憶部、24…操作パネル、25…出力部、26…入力部、30…記録ヘッド、30a…ノズル面、33…ノズル列、34…ノズル、36…インク、37…インク滴、50…駆動部、51…キャリッジ駆動部、52…キャリッジ、55…ローラー駆動部、104…記憶部、201…定速印刷、202…速度変化印刷、203…加速印刷、204…減速印刷、A0,A1,A2,A3,A4…記録単位、AR1…定速印刷領域、AR2…速度変化印刷領域、AR3…加速印刷領域、AR4…減速印刷領域、B0,B1,B2,B3,B4…記録領域、D1…主走査方向、D2…副走査方向、D3…送り方向、D4…ノズル並び方向、D11…往方向、D12…復方向、DT0…ドット、HO1…ホスト装置、IM0…印刷画像、MA0…マスク、MA1…第一マスク、MA2…第二マスク、MAp…候補マスク、ME0…記録媒体、P1,P2…主走査、PX1,PX2…画素、RA0…ラスターデータ(ドットパターンデータの例)、RA1…第一部分ドットパターンデータ、RA2…第二部分ドットパターンデータ、RE0…記録データ、RE1…第一部分データ、RE2…第二部分データ、RE3…加速部分データ、RE4…減速部分データ、ST1…割当工程、ST2…生成工程、SY1…印刷システム、T1…始端部、T2…終端部、U0…印刷部、U1…割当部、U2…生成部、V1…定速度、V2…最低速度、X1…起動位置、X2…印刷開始位置、X3…定速開始位置、X4…定速終了位置、X5…印刷終了位置、X6…停止位置。

Claims (7)

  1. 記録媒体にインク滴を吐出する記録ヘッドと、
    主走査方向に沿って前記記録ヘッドを移動させる主走査、及び、前記主走査方向と交差する副走査方向に沿って前記記録ヘッドと前記記録媒体とを相対的に移動させる副走査を行う駆動部と、を備え、
    前記記録媒体に着弾する前記インク滴に由来するドットのパターンを表すドットパターンデータに従って、前記主走査方向に沿って前記記録ヘッドが定速で移動している時に定速印刷を行い、前記主走査における端部で前記記録ヘッドの速度が変化している時に速度変化印刷を行う印刷部を制御する印刷制御装置であって、
    前記ドットパターンデータを生成するための記録データの内、前記定速印刷が行われる部分を第一部分データとし、前記速度変化印刷が行われる部分を第二部分データとして、
    前記記録データに適用することにより前記ドットパターンデータを生成するマスクとして、前記第一部分データに第一マスクを割り当て、前記第二部分データに第二マスクを割り当てる割当部と、
    前記第一部分データに前記第一マスクを適用し、前記第二部分データに前記第二マスクを適用することにより、前記ドットパターンデータを生成する生成部と、を備える、印刷制御装置。
  2. 前記速度変化印刷は、前記主走査における前記端部の一方である始端部で前記記録ヘッドが加速している時に行われる加速印刷と、前記主走査における前記端部の他方である終端部で前記記録ヘッドが減速している時に行われる減速印刷と、の少なくとも一方である、請求項1に記載の印刷制御装置。
  3. 前記記録データは、画素の単位で前記ドットの形成状態を表し、
    前記マスクは、前記画素の単位で前記記録データを使用するか否かを表している、請求項1又は請求項2に記載の印刷制御装置。
  4. 前記第一マスク及び前記第二マスクとなり得る複数の候補マスクを記憶した記憶部をさらに備え、
    前記割当部は、前記複数の候補マスクの中から、前記第一マスクと前記第二マスクの少なくとも一方の選択を受け付ける、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の印刷制御装置。
  5. 前記生成部は、
    前記記録データに基づいて、前記ドットパターンデータのうち前記定速印刷に使用される部分に対応する前記第一部分データの範囲、及び、前記ドットパターンデータのうち前記速度変化印刷に使用される前記第二部分データの範囲を決定し、
    決定した前記第一部分データに前記第一マスクを適用し、決定した前記第二部分データに前記第二マスクを適用することにより、前記ドットパターンデータを生成する、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の印刷制御装置。
  6. 前記第一マスクと前記第二マスクの内、一方のマスクが他方のマスクに基づいて生成された、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の印刷制御装置。
  7. 記録媒体にインク滴を吐出する記録ヘッドと、
    主走査方向に沿って前記記録ヘッドを移動させる主走査、及び、前記主走査方向と交差する副走査方向に沿って前記記録ヘッドと前記記録媒体とを相対的に移動させる副走査を行う駆動部と、を備え、
    前記記録媒体に着弾する前記インク滴に由来するドットのパターンを表すドットパターンデータに従って、前記主走査方向に沿って前記記録ヘッドが定速で移動している時に定速印刷を行い、前記主走査における端部で前記記録ヘッドの速度が変化している時に速度変化印刷を行う印刷部を制御する印刷制御方法であって、
    前記ドットパターンデータを生成するための記録データの内、前記定速印刷が行われる部分を第一部分データとし、前記速度変化印刷が行われる部分を第二部分データとして、
    前記記録データに適用することにより前記ドットパターンデータを生成するマスクとして、前記第一部分データに第一マスクを割り当て、前記第二部分データに第二マスクを割り当てる割当工程と、
    前記第一部分データに前記第一マスクを適用し、前記第二部分データに前記第二マスクを適用することにより、前記ドットパターンデータを生成する生成工程と、を含む、印刷制御方法。
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