JP2023133249A - 実験室問題解決のためのインテリジェントユーザガイダンス - Google Patents

Abstract

【課題】実験室システム内の実験室問題解決のためのユーザガイダンスを提供するコンピュータ実装方法。
【解決手段】ユーザガイダンスシステム１００によって、実験室システムの実験室環境内のユーザによる活動を監視することと、実験室システム内の実験室問題を検出することと、検出された実験室問題に対する好適な解決策、および好適なソリューションを実行するための典型的な時間をデータベースから取り出すことと、ユーザに実験室問題を通知することと、ユーザによって実行されている実験室問題に対する好適でない問題解決策を検出することと、実験室問題に対する取り出された好適な解決策をユーザに提供するようにユーザに表示することと、ユーザガイダンスシステム１００を用いてユーザによって実験室問題を解決することと、実験室問題の解決の後に、ユーザガイダンスシステム１００の表示を削除することと、を含む。
【選択図】図１

Description

本開示は、一般に、実験室システム内の実験室問題解決のための最小干渉型（intrusive）ガイダンスを実験室ユーザに提供することに関する。

現在の実験室システムは、より完全に自動化されたモデルに向かって進歩するにつれて、ますます複雑になっている。これらの実験室システムがより複雑になるにつれて、実験室作業者は、それぞれが異なるプロトコルおよびマニュアルを有し、高度に専門化されたオペレータスキルセットを必要とする複数の実験室機器およびＩＴ実験室ソリューションにますます直面するため、実験室作業者に負担が生じる可能性がある。

米国特許第９，４０７，７８６号明細書は、モバイル機器上のアプリを介して体外診断器具のトラブルシューティングおよび保守を容易にするように設計された方法およびシステムを開示している。アプリは、器具のステータス情報および画像を受信し、このデータを使用して、ユーザにチュートリアルおよび対話型遠隔技術サポートを提供する。

欧州特許第２２９９２７７号明細書は、サーバにログインする際に、少なくとも第１または第２の実験室装置上でユーザが実行する必要があるワークフローの１つまたは複数のステップについてそのユーザに通知することを開示している。

米国特許第６，８３４，２０７号明細書は、医療システムのための運用ガイダンスシステムを開示しており、これにより、医療イメージングシステムの運用に関する指示を遠隔で行うことが可能である。

本開示の目的は、実験室ユーザが実験室問題を解決するための効率的なサポートを提供すると同時に、実験室の作業の妨害が最小限に保たれるように、できるだけ邪魔にならないようにすることである。

本開示の第１の態様によると、実験室システム内の実験室問題解決のためのユーザガイダンスを提供するコンピュータ実装方法が提示される。本方法は、ユーザガイダンスシステムによって、実験室システムの実験室環境内の実験室ユーザによる活動を監視することと、実験室システム内の実験室問題を検出することと、ユーザガイダンスシステムによって、検出された実験室問題に対する好適な解決策、および好適な解決策を実行するための典型的な時間をデータベースから取り出すことと、実験室問題を実験室ユーザに通知することと、実験室ユーザによって実行される実験室問題に関する好適な解決策ではない問題解決策を検出することと、ユーザガイダンスシステムを実験室ユーザに表示することであって、ユーザガイダンスシステムが、実験室問題に対する取り出された好適な実験室問題解決策を実験室ユーザに提供する、ユーザに表示することと、ユーザガイダンスシステムを用いて実験室ユーザによって実験室問題を解決することと、実験室問題の解決の後に、ユーザガイダンスシステムの表示を削除することと、を含む。

実験室ユーザによる活動は、複数の実験室管理システムとの相互作用、複数の情報技術（ＩＴ）システムとの相互作用、複数の実験室機器との相互作用、および／またはそれらの組合せとすることができる。

実験室問題は、技術的問題、患者のセキュリティの問題、作業者のセキュリティの問題、実験室機器の問題、ソフトウェア保守の問題、および／またはそれらの組合せを含むことができる。

コンピュータ実装方法は、実験室問題に対する検出された、好適な解決策ではない問題解決策が、取り出された問題解決策よりも良好である、すなわち、より最適である場合、検出された好適な解決策ではない問題解決策を将来のガイダンス使用の可能性のために、データベースに記憶することをさらに含むことができる。より良好な／より最適な問題解決策の例は、結果として、より少ない方法ステップ、より少ない実験室システム障害、より少ない試薬廃棄、より少ない試験サンプル廃棄、より迅速な解決策の実行、および／またはそれらの組合せが得られる問題解決策とすることができる。

コンピュータ実装方法は、ユーザガイダンスシステムによる実験室ユーザのこれまでのガイダンスセッションに基づいて、ユーザガイダンスシステムによって実験室ユーザのスキルレベルを判定することをさらに含むことができる。実験室ユーザのスキルレベルが低いと判定された場合、その実験室ユーザに追加の訓練を与えること要求し、ユーザガイダンスシステムによって、追加の訓練に対する実験室ユーザの順守および有効性を監視する。

コンピュータ実装方法は、実験室ユーザの順守および有効性に基づいて、ユーザガイダンスシステムによって提供される追加の訓練のランク付けされたリストを実験室ユーザに提供することをさらに含むことができる。

コンピュータ実装方法は、ユーザガイダンスシステムの表示を削除する前に、ユーザガイダンスシステムによって実験室ユーザに提供されたガイダンスの品質に関する実験室ユーザからのフィードバックを要求することと、実験室ユーザのフィードバックをデータベースにアップロードすることと、をさらに含むことができる。

コンピュータ実装方法は、ユーザガイダンスシステムによって提供される好適な問題解決策のランク付けされたリストを提供することをさらに含むことができる。好適な問題解決策のランク付けは、アップロードされた実験室ユーザのフィードバック、問題解決策を実行するために必要な方法ステップの数、実験室システムの中断の最小回数、ならびに／または無駄になる試薬および／もしくは試験サンプルの最小量に基づくことができる。

コンピュータ実装方法は、ユーザガイダンスシステムを用いて実験室ユーザによって実験室問題を解決することができない場合、実験室システムのフィールドサービス担当者に連絡することをさらに含むことができる。

コンピュータ実装方法は、データベースに記憶された好適な実験室問題解決策を持たない実験室問題を検出することと、検出された新たな実験室問題を解決するために、実験室ユーザによって実行される実験室ユーザ相互作用を追跡することと、将来のガイダンスに使用するために、検出された新たな実験室問題に対する新たな実験室解決策をデータベースに記憶することと、をさらに含むことができる。

コンピュータ実装方法は、実験室システムの初期設置および設定においてサポートするために、ユーザガイダンスシステムをフィールドサービス担当者に提供することをさらに含むことができる。

ユーザガイダンスシステムは、実験室ユーザに対して実験室システムの出力ディスプレイ上に表示することができる。

コンピュータ実装方法は、ユーザガイダンスシステムが、実験室ユーザからの入力なしに実験室問題を解決することを可能にすることをさらに含むことができる。

本開示には、いくつかの利点がある。すなわち、実験室環境における実験室ユーザのためのサポートおよび訓練のためのコストが減少する。ユーザガイダンスシステムは、このようなサービスを提供するために現場に居なければならない実験室システムのフィールドサービス担当者（ＦＳＲ）に依存することなく、「オンザジョブトレーニング」およびサポートを提供することができる。

加えて、いつでもリアルタイムで実験室問題が解決され、サポートされるため、ユーザガイダンスシステムは、ユーザ満足度を高めることができ、結果として実験室ユーザの業務習熟度および実験室システムの知識を向上させることができる。

加えて、実験室の通常の作業ペースを妨害せず、実験室ユーザのニーズを検出したときにのみ見える非侵入型ユーザガイダンスシステムの存在は、実験室環境において非常に魅力的である。

さらに、インテリジェントユーザガイダンスシステムの分析メトリクスエンジンの使用およびフィードバックを通じて、非侵入型システムは、実験室システムとの実験室ユーザの相互作用を捕捉することができ、これは、実験室システムのユーザガイダンスシステムを改善し、および／または実験室システムの問題のある領域を特定するのに役立つ可能性がある。

本開示の特定の実施形態の以下の詳細な説明は、同様の構造が同様の参照番号で示されている以下の図面と併せて読むと最もよく理解することができる。

本開示の一実施形態によるインテリジェントユーザガイダンスシステムのブロック図である。 本開示の一実施形態によるインテリジェントユーザガイダンスシステムの実験室ユーザの使用事例を示す図である。 本開示の一実施形態によるインテリジェントユーザガイダンスシステムのフローチャートである。 本開示の一実施形態によるインテリジェントユーザガイダンスおよび訓練システムのフローチャートである。

実施形態の以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成し、限定としてではなく例示として本開示が実施され得る特定の実施形態が示されている添付の図面を参照する。他の実施形態を利用することができ、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、論理的、機械的、および電気的変更を行うことができることを理解されたい。

以下で使用される場合、「有する（ｈａｖｅ）」、「備える（ｃｏｍｐｒｉｓｅ）」、もしくは「含む（ｉｎｃｌｕｄｅ）」という用語、またはそれらの任意の文法的変形は、包括的に使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入される特徴の他に、この文脈で説明されるエンティティにさらなる特徴が存在しない状況と、１つまたは複数のさらなる特徴が存在する状況との両方を指す場合がある。一例として、「ＡはＢを有する」、「ＡはＢを備える」および「ＡはＢを含む」という表現は、Ｂ以外に、他の要素がＡに存在しない状況（すなわち、Ａが単独で、かつ排他的にＢからなる状況）と、Ｂ以外に、要素Ｃ、要素ＣおよびＤ、さらにはさらなる要素など、１つもしくは複数のさらなる要素がエンティティＡに存在する状況との両方を指す場合がある。

さらに、特徴または要素が１または２以上存在し得ることを示す「少なくとも１つ」、「１つまたは複数」という用語または同様の表現は、典型的には、それぞれの特徴または要素を導入するときに１回のみ使用されることに留意されたい。以下では、ほとんどの場合、それぞれの特徴または要素を指すとき、「少なくとも１つ」または「１つまたは複数」という表現は、それぞれの特徴または要素が１または複数存在し得るという事実にもかかわらず、繰り返されない。

「ａ」または「ａｎ」の使用は、本明細書の実施形態の要素および構成要素を説明するために使用することができる。これは、単に便宜上、および本発明の概念の一般的な意味を与えるために行われる。この記述は、１つまたは少なくとも１つを含むように読まれるべきであり、単数形は、そうでないことを意味することが明らかでない限り、複数形を含む。

本明細書で使用される「実験室機器」または「実験室装置」という用語は、１つもしくは複数の生物学的サンプルおよび／または１つもしくは複数の試薬に対して１つもしくは複数の処理ステップ／ワークフローステップを実行する、および／または実行させるように動作可能な任意の装置または装置構成要素を包含することができる。したがって、「処理ステップ」という表現は、遠心分離、分注、サンプル分析などの物理的に実行される処理ステップを指すことができる。「機器」または「装置」という用語は、分析前の機器／装置、分析後の機器／装置、分析機器／装置、および実験室ミドルウェアを包含することができる。

「データ記憶ユニット」または「データベース」は、メモリ、ハードディスク、またはクラウドストレージなどの、データを記憶および管理するためのコンピューティングユニットとすることができる。これは、自動化システムによって処理される生物学的／医学的試験サンプルに関するデータを含むことができる。データ管理ユニットは、ＬＩＳ（実験室情報システム）および／またはＨＩＳ（病院情報システム）に接続されてもよい。データ管理ユニットは、実験室機器／装置内のユニットとすることができ、または実験室機器／装置と同じ場所に配置され得る。これは、実験室ミドルウェアの一部であってもよい。あるいは、データベースは、遠隔に配置されたユニットであってもよい。例えば、データベースは、通信ネットワークを介して接続されたコンピュータで具現化されてもよい。

最初に図１を参照すると、実験室システムのためのインテリジェントユーザガイダンスシステム１００の簡単なブロック図が示されている。インテリジェントユーザガイダンスシステム１００は、実験室システムへの非干渉型（non-intrusive）ユーザインターフェース１１０と、ユーザ行動観察システム１２０、インテリジェントユーザガイダンス分析システム１３０、分析メトリクスエンジン１３５、およびインテリジェントユーザガイダンスデータベース１４０を備えるコントローラ１０５と、を備えることができる。一実施形態では、インテリジェントユーザガイダンスシステム１００は、実験室システム内に常駐され得る。別の実施形態では、インテリジェントユーザガイダンスシステム１００は、実験室システムから遠隔に配置され得る。非侵入型ユーザインターフェース１１０は、実験室ユーザが、典型的には、例えば、出力表示画面などの実験室システムと相互作用する、実験室システムの一般的なユーザインターフェースの一部とすることができる。

実験室ユーザは、例えば、実験室技術者などの、実験室システム環境において、典型的な実験室活動または業務を行う任意の人物とすることができる。このような典型的な実験室業務は、実験室問題のための実験室システムの監視、実験室システムに対するサービス／保守の実行、ならびに／または試薬および／もしくは他の実験室消耗品の補充とすることができる。

インテリジェントユーザガイダンスデータベース１４０は、既知の実験室問題／課題のセットを、それらの既知の実験室問題／課題に対する最適な解決策／軽減策と共に含むことができる。インテリジェントユーザガイダンスデータベース１４０は、最適な解決策／軽減策に関連付けられた実験室ユーザフィードバックも維持することができる。加えて、インテリジェントユーザガイダンスデータベース１４０は、実験室システムにおける既知の実験室ユーザのリスト、ならびに実験室ユーザが完了した関連付けられた実験室システム訓練も含み、維持することができる。

インテリジェントユーザガイダンスシステム１００は、実験室ユーザが実験室システムで発生する実験室問題を解決しようと試みる際に、非干渉型様式で実験室ユーザ活動を調査／観察することができる。「非干渉型（non-intrusive）」という用語は、実験室ユーザが実験室業務を行う際に実験室ユーザには見えない、かつ実験室ユーザが実験室業務を行う際に実験室ユーザの妨げとならないプログラムまたはインターフェースを指すことができる。

ユーザ活動は、実験室システムを管理する情報技術（ＩＴ）システム、またはＩＴシステム自体、または例えば実験室分析器などの実験室機器との相互作用を含むことができる。

実験室問題は、例えば、患者のセキュリティ、作業者のセキュリティ、実験室機器の問題、ソフトウェアの保守業務などの、実験室システムの性能に影響を与える可能性がある、実験室システムにおいて発生し得る任意の実験室問題／トラブルとすることができる。

特定の実験室問題を解決するための実験室ユーザによる最適な行動方針ではない行動方針を検出すると、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、実験室ユーザが使用しているユーザインターフェースにおけるインテリジェントユーザガイダンスシステムの出現をトリガする。次いで、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、実験室問題を解決／軽減するために、最適なアプローチを実験室ユーザに提供することができる。

図２は、インテリジェントユーザガイダンスシステムの実験室ユーザの使用事例を図示する。使用事例のボックス１では、実験室ユーザは、実験室システム上で業務を行っている。使用事例のボックス２では、実験室システムは、アラーム、警報、および／または警告表示（例えば、実験室ユーザディスプレイ上の警告三角形）を生成することによって、実験室ユーザの注意を必要とする実験室システムに関する実験室問題があることを実験室ユーザに通知する。使用事例のボックス３では、実験室ユーザは、実験室問題を解決しようとし始める。使用事例のボックス４では、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、実験室問題を判断し、ユーザガイダンスデータベースにある最適解を、実験室ユーザが解決しようとしているその実験室問題にマッチングさせる。使用事例のボックス５では、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、実験室ユーザのディスプレイ上に現れ、実験室問題を解決するためのより良好な／より最適なアプローチが存在することを実験室ユーザに通知し、実験室ユーザが実験室問題の解決の支援を望むかどうかを実験室ユーザに尋ねる。使用事例のボックス６では、実験室ユーザが依然として実験室システムの制御を維持している間に、実験室ユーザが実験室問題を解決するためにボックス５において提案された支援を受け入れた場合、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、より最適な実験室問題解決策を通じて実験室ユーザをガイドする。使用事例のボックス７では、実験室問題は解決され、実験室ユーザは、実験室ユーザが実験室システムにおいて次に実験室問題に遭遇したときに、実験室問題をどのように解決するかに関する知識を獲得している。

図３は、インテリジェントユーザガイダンスシステムの方法のフローチャートを示す。図３によると、ステップ３１０において実験室システムが開始されると、ステップ３１５においてインテリジェントユーザガイダンスシステムも開始されるが、ステルスモードのままであり、すなわち、ユーザインターフェース上で実験室ユーザには見えない。

ステップ３２０において、実験室問題が発生し、インテリジェントユーザガイダンスシステムによって検出されると、ステップ３２５において、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、ピング（ｐｉｎｇ）し、実験室問題に対する好適な可能な解決策、ならびにその実験室問題に対する好適な解決時間を、インテリジェントユーザガイダンスデータベースから取り出す。実験室問題は、例えば、試薬が少なくなっている、または試験サンプルに凝血があり、試験結果を示すことができないというエラーなどの、警告および関連付けられたエラーの深刻度を伴う、実験室システムにより生成されるタスクまたはメッセージを含むことができる。次いで、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、実験室ユーザが実験室システムのユーザインターフェースと相互作用していること、および実験室ユーザが実験室問題を解決するための適切な行動を示していないこと、ならびに／または実験室問題の実験室システムのエラーメッセージ／警告を認めていないことを検出することができる。

ステップ３３０では、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、ステルスモードのまま、実験室問題解決のためのタイマを開始する。同時に、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、実験室ユーザの実験室問題解決行動を評価し、実験室ユーザのこれらの行動を好適な実験室問題解決策と比較する。実験室ユーザが好適な解決時間を超えるか、または好適な実験室問題解決策から逸脱した場合、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、ステルスモードを終了し、ステップ３４０において、実験室システムの実験室ユーザインターフェース上で実験室ユーザに見えるようになる。この時点で、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、ステップ３４５において、好適な実験室問題解決策を実験室ユーザに通知し、実験室問題の解決策のガイダンスを希望するかどうかを実験室ユーザに尋ねる。

実験室問題のための２つ以上の実験室問題ソリューション／解決策／軽減策が、インテリジェントユーザガイダンスデータベースにおいて利用可能である可能性がある。この場合、実験室問題解決策は、実験室ユーザに提示される前に、インテリジェントユーザガイダンスシステムの分析メトリクスエンジン１３５によってランク付けされ得る。実験室問題解決策のランク付けは、例えば、実験室問題解決に必要とされる実験室ユーザによるステップの数、最も少ない実験室システム中断、および／または最小量の試薬もしくは試験サンプルの浪費などの、異なる実験室問題解決メトリクスに基づくことができる。

ステップ３５０において、実験室ユーザがインテリジェントユーザガイダンスシステムからの好適な実験室問題解決策への指示／ガイダンスに従うことよって実験室問題が解決されると、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、次いで、ステップ３５５において、分析メトリクスエンジン１３５によって、指示の成功、すなわち、実験室問題の排除または軽減、すなわち、実験室ユーザがインテリジェントユーザガイダンスシステムによって提供された指示／ガイダンスにいかに良好に従ったかを測定することができる。

次いで、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、実験室問題の解決後、ステルスモードに戻る。一実施形態では、インテリジェントユーザガイダンスシステムによって与えられる指示は、実験室ユーザが実験室問題の解決ステップを実行するユーザインターフェースのディスプレイ上の視覚的表示によって与えられ得る。別の実施形態では、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、実験室ユーザによって実験室ユーザインターフェースの制御を任され、その後、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、実験室ユーザのための実験室問題を解決することができる。しかしながら、本実施形態の間のいつでも、実験室ユーザは、インテリジェントユーザガイダンスシステムからユーザインターフェースの制御を取り戻すことができ、その時点で、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、ステルスモードに戻り、すなわち、実験室ユーザからはもはや見えなくなる。

実験室問題の解決時および／またはインテリジェントユーザガイダンスシステムがステルスモードに戻る時に、インテリジェントユーザガイダンスシステムの分析メトリクスエンジン１３５は、ステップ３６０で、インテリジェントユーザガイダンスシステムが受け取る指示／ガイダンスの有効性／容易性に関して、実験室ユーザからのフィードバックを要求することができる。この実験室ユーザのフィードバックは、次いで、ステップ３６５において、インテリジェントユーザガイダンスデータベース１４０にアップロードされ、実験室問題解決策と共に記憶され得る。次いで、この実験室ユーザのフィードバックは、将来、他の実験室ユーザに提示される実験室問題解決策をランク付けまたは点数付けするために使用され得る。

加えて、または代替として、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、実験室ユーザの実験室問題解決活動が、インテリジェントユーザガイダンスデータベース１４０内の実験室問題に現在マッピングされている実験室問題解決策よりも良好／最適である可能性があると判断することができる。例えば、実験室ユーザは、現在マッピングされている解決策よりも速く実験室問題を解決／軽減している可能性がある。この場合、インテリジェントユーザガイダンスシステムの分析メトリクスエンジン１３５は、ステップ３３５において、この実験室問題解決策が現在マッピングされている実験室問題解決策よりも実際に良好／最適であることを検証した後に、実験室問題に対する別の可能な解決策として、実験室ユーザの実験室問題解決策をインテリジェントユーザガイダンスデータベース１４０にアップロードすることができる。次いで、この実験室問題解決策は、将来、他の実験室ユーザに、実験室問題に対する代替の実験室問題解決策／軽減策として提示することができる。

実験室問題解決策が現在マッピングされている実験室問題解決策よりも良好であると考えられ得る異なる方法は、例えば、解決までに必要なステップがより少ないこと、実験室システムが必要とするシャットダウン時間がより短いこと、試薬または他の消耗品の浪費がより少ないこと、試験サンプルの再抽出がより少ないこと、その特定の実験室問題に対して実験室ユーザが相互作用するために追跡する平均的な時間がより短いことなどを含むことができる。

図４は、インテリジェントユーザガイダンスおよび訓練システムの方法のフローチャートを示す。本実施形態では、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、ユーザガイダンスデータベース１４０上に記憶されたリストから実験室システムの実験室ユーザを識別し、実験室ユーザが所有する専門知識のレベルを判定することができ、例えば、ステップ４２５において、実験室ユーザが実験室システムの初めてのユーザであるかどうか、またはステップ４３０において、この特定の実験室問題のための支援を一貫して要求してきた実験室ユーザであるかどうかを判定することなどができる。本実施形態では、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、図３に開示されるものと同じガイダンスを提供するが、実験室問題発生時に、ステップ４２０において、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、実験室ユーザを識別することができる。加えて、または代替として、実験室問題解決の終了時に、ステップ３５０において、その実験室ユーザに追加の訓練を提案することができる。

インテリジェントユーザガイダンスシステムの分析メトリクスエンジン１３５は、本実施形態では、訓練に対する実験室ユーザの順守だけでなく、訓練の有効性／影響も測定することができ、すなわち、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、インテリジェントユーザガイダンスシステムによって提供されたガイダンスが、実験室問題の解決中に実験室ユーザのパフォーマンスにプラスの影響を与えたかどうかを測定することができる。

インテリジェントユーザガイダンスシステムの分析メトリクスエンジン１３５は、実験室問題解決／軽減タスク全体にわたるインテリジェントユーザガイダンスシステムの特定の影響のさらに詳細なメトリクスを取得することもでき、実験室ユーザが、少なくとも、最も重要または最も重大な訓練を行うように、実験室問題解決における訓練の影響に応じた訓練のランク付けされたリストを提供することができる。

一実施形態では、実験室ユーザおよび／またはインテリジェントユーザガイダンスシステムが実験室問題を解決することができないと判定された場合、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、例えば、通信ネットワークを介して、実験室システムのフィールドサービス担当者（ＦＳＲ）に通知し、ＦＳＲが実験室システムを修理しに来るための予定をスケジューリングすることができる。

一実施形態において、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、ＦＳＲによる実験室システムの初期設置の際に使用されてもよい。インテリジェントユーザガイダンスシステムは、初期設定中にＦＳＲをサポートし、リードすることができる。このようにして、インテリジェントユーザガイダンスシステムの使用は、非常に複雑な実験室システム設置の際のＦＳＲの全体的な負担を低減するのに役立つことができる。

加えて、インテリジェントユーザガイダンスシステムの分析メトリクスエンジン１３５は、実験室ユーザと実験室システムとの相互作用を監視および測定することによって、現在インテリジェントユーザガイダンスデータベースにない新たな実験室問題を検出するために使用され得る。例えば、実験室ユーザが、現在インテリジェントユーザガイダンスデータベース内にインテリジェントユーザガイダンスシステムのコンテンツを持たない実験室ワークフローで作業しており、実験室ユーザが実験室システムと相互作用する必要がある実験室エラーまたは警告が、この実験室ワークフローで発生した場合、インテリジェントユーザガイダンスシステムは、追跡モードをアクティブにし、エラーまたは警告問題が解決されるまで、実験室ユーザと実験室システムとの相互作用をログに記録することができる。この追跡は、その実験室問題に対する解決策としてインテリジェントユーザガイダンスデータベースに記憶され、将来発生するこの実験室問題を解決するためのガイダンスに使用され得る。

プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されると、本明細書に包含される実施形態のうちの１つまたは複数において開示された方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品がさらに開示され、提案される。具体的には、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読データキャリアまたはサーバコンピュータに記憶されてもよい。したがって、具体的には、上述した方法ステップのうちの１つ、２つ以上、またはさらにはすべてを、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用することによって、好ましくはコンピュータプログラムを使用することによって実行することができる。

本明細書で使用される場合、コンピュータプログラム製品は、取引可能な製品としてのプログラムを指す。製品は、一般に、紙形式などのあらゆる形式で、または敷地内のまたは遠隔地に位置するコンピュータ可読データキャリア上に存在してもよい。具体的には、コンピュータプログラム製品は、データネットワーク（クラウド環境など）を介して配布されてもよい。さらに、コンピュータプログラム製品だけでなく、実行ハードウェアも、敷地内またはクラウド環境に配置されてもよい。

コンピュータシステムによって実行されると、本明細書に開示された実施形態のうちの１つまたは複数による方法を実験室自動化システムに実行させる命令を含むコンピュータ可読媒体がさらに開示および提案される。

コンピュータシステムによって実行されると、本明細書に開示された実施形態のうちの１つまたは複数による方法を実験室自動化システムに実行させる命令を含む変調データ信号がさらに開示および提案される。

開示された方法のコンピュータ実装態様を参照すると、本明細書に開示された実施形態のうちの１つまたは複数による方法の方法ステップのうちの１つもしくは複数、またはさらには方法ステップのすべてが、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用することによって実行されてもよい。したがって、一般に、データの提供および／または操作を含む方法ステップのいずれも、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用することによって実行され得る。一般に、これらの方法ステップは、典型的には、実際の測定を行うサンプルおよび／または特定の態様を提供することなど、手作業を必要とする方法ステップを除いて、任意の方法ステップを含むことができる。

「好ましくは（ｐｒｅｆｅｒａｂｌｙ）」、「一般的に（ｃｏｍｍｏｎｌｙ）」、および「典型的に（ｔｙｐｉｃａｌｌｙ）」のような用語は、特許請求される実施形態の範囲を限定するために、または特定の特徴が特許請求される実施形態の構造もしくは機能にとって重要であるか、必須であるか、または重要でさえあることを示唆するために、本明細書で利用されているわけではないことに留意されたい。むしろ、これらの用語は、本開示の特定の実施形態において利用されても利用されなくてもよい代替のまたは追加の特徴を強調することが単に意図されている。

本開示を詳細に、かつその特定の実施形態を参照して説明してきたが、添付の特許請求の範囲に定義される本開示の範囲から逸脱することなく、修正および変形が可能であることは明らかであろう。より具体的には、本開示の一部の態様は、本明細書において好ましいまたは特に有利であると特定されているが、本開示は、本開示のこれらの好ましい態様に必ずしも限定されないことが企図される。

Claims (15)

1. 実験室システム内の実験室問題解決のためのユーザガイダンスを提供するコンピュータ実装方法であって、
   ユーザガイダンスシステム（１００）によって、前記実験室システムの実験室環境内の実験室ユーザによる活動を監視することと、
   前記実験室システム内の実験室問題を検出することと、
   前記ユーザガイダンスシステム（１００）によって、検出された前記実験室問題に対する好適な解決策、および好適なソリューションを実行するための典型的な時間をデータベース（１４０）から取り出すことと、
   前記実験室問題を前記実験室ユーザに通知することと、
   前記実験室ユーザによって実行される前記実験室問題に対する好適な解決策ではない問題解決策を検出することと、
   前記ユーザガイダンスシステム（１００）を前記実験室ユーザに表示することであって、前記ユーザガイダンスシステム（１００）が、前記実験室問題に対する取り出された前記好適な解決策を前記実験室ユーザに提供する、前記ユーザガイダンスシステム（１００）を前記実験室ユーザに表示することと、
   前記ユーザガイダンスシステム（１００）を用いて前記実験室ユーザによって前記実験室問題を解決することと、
   前記実験室問題の解決の後に、前記ユーザガイダンスシステム（１００）の表示を削除することと、
   を含む、コンピュータ実装方法。
2. 前記実験室ユーザによる前記活動が、複数の実験室管理システムとの相互作用、複数の情報技術システムとの相互作用、複数の実験室機器との相互作用、および／またはそれらの組合せである、請求項１に記載のコンピュータ実装方法。
3. 前記実験室問題が、技術的問題、患者のセキュリティの問題、作業者のセキュリティの問題、実験室機器の問題、ソフトウェア保守の問題、および／またはそれらの組合せを含む、請求項１に記載のコンピュータ実装方法。
4. 前記実験室問題に対して検出された、前記好適な解決策ではない問題解決策が、取り出された前記好適な問題解決策よりも最適である場合、検出された前記好適な解決策ではない問題解決策を将来のガイダンスの可能性のために、前記データベース（１４０）に記憶すること、をさらに含む、請求項１に記載のコンピュータ実装方法。
5. より最適な問題解決策が、より少ない方法ステップ、より少ない実験室システム障害、より少ない試薬廃棄、より少ないサンプル廃棄、より迅速な解決策の実行、および／またはそれらの組合せを含む、請求項４に記載のコンピュータ実装方法。
6. 前記ユーザガイダンスシステム（１００）との、前記実験室ユーザの以前のガイダンスセッションに基づいて、前記実験室ユーザのスキルレベルを判定することと、
   前記実験室ユーザの前記スキルレベルが低いと判定された場合、その実験室ユーザに追加の訓練を与えることを要求することと、
   前記ユーザガイダンスシステム（１００）によって、前記追加の訓練に対する前記実験室ユーザの順守および有効性を監視することと、
   をさらに含む、請求項１に記載のコンピュータ実装方法。
7. 前記実験室ユーザの前記順守および有効性に基づいて、前記ユーザガイダンスシステム（１００）によって提供される前記追加の訓練のランク付けされたリストを前記実験室ユーザに提供すること、をさらに含む、請求項６に記載のコンピュータ実装方法。
8. 前記ユーザガイダンスシステム（１００）の前記表示を削除する前に、前記ユーザガイダンスシステム（１００）によって提供されたガイダンスの品質に関する前記実験室ユーザからのフィードバックを要求することと、
   ユーザのフィードバックを前記データベース（１４０）にアップロードすることと、
   をさらに含む、請求項１に記載のコンピュータ実装方法。
9. 前記ユーザガイダンスシステム（１００）によって提供される好適な問題解決策のランク付けされたリストを提供すること、をさらに含む、請求項１に記載のコンピュータ実装方法。
10. 前記好適な解決策のランク付けが、実験室ユーザのフィードバック、前記好適な問題解決策を実行するために必要な方法ステップの数、実験室システム中断の最小回数、ならびに／または、無駄になる試薬および／もしくは試験サンプルの最小量に基づく、請求項９に記載のコンピュータ実装方法。
11. 前記ユーザガイダンスシステム（１００）を用いて前記実験室ユーザによって前記実験室問題を解決することができない場合、前記実験室システムのサービス担当者に連絡すること、をさらに含む、請求項１に記載のコンピュータ実装方法。
12. 前記データベース（１４０）に記憶された好適な解決策を持たない実験室問題を検出することと、
    検出された新たな実験室問題を解決するために、前記実験室ユーザによって実行される実験室ユーザ相互作用を追跡することと、
    将来のガイダンスのために、前記検出された新たな実験室問題に対する実験室解決策を前記データベース（１４０）に記憶することと、
    をさらに含む、請求項１に記載のコンピュータ実装方法。
13. 前記実験室システムの初期設置および設定においてサポートするために、前記ユーザガイダンスシステム（１００）を前記実験室システムのフィールドサービス担当者に提供すること、をさらに含む、請求項１に記載のコンピュータ実装方法。
14. 前記ユーザガイダンスシステム（１００）が、前記実験室ユーザに対して前記実験室システムの出力ディスプレイ上に表示される、請求項１に記載のコンピュータ実装方法。
15. 前記ユーザガイダンスシステム（１００）が、前記実験室ユーザからの入力なしに前記実験室問題を解決することを可能にすること、をさらに含む、請求項１に記載のコンピュータ実装方法。