JP2023132566A - アクチュエータの制御方法、触覚出力装置、および電子機器 - Google Patents

アクチュエータの制御方法、触覚出力装置、および電子機器 Download PDF

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Abstract

Figure 2023132566000001
【課題】アクチュエータの制動の際における振動減衰の効果を向上させる制御方法、触覚出力装置及び電子機器を提供する。
【解決手段】触覚出力装置において、信号伝達部が、駆動信号と、駆動信号に後続する制動信号とを触覚効果を生成するアクチュエータに伝達する制御方法であって、駆動信号は、半周期分以上の駆動波形を有する。制動信号は、駆動信号と逆位相であり、第1半周期分の第1制動波形と、第1制動波形に後続する第2半周期分の第2制動波形とを有する。第1制動波形は、アクチュエータの共振周波数の1.1倍以上、1.3倍以下の周波数を有する。第2制動波形は、上記共振周波数の0.98倍以上、1.02倍以下の周波数を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、アクチュエータの制御方法、触覚出力装置、および電子機器に関する。
従来、触覚効果を生成するために振動を出力するアクチュエータが各種機器に搭載されている。アクチュエータが駆動されると、アクチュエータを搭載される機器に発生する振動を通じてユーザに触覚効果が与えられる。
アクチュエータに振動を出力させる最も代表的な方法の一つは、アクチュエータの共振周波数と同じ周波数を有する駆動波形により構成される駆動信号をアクチュエータに伝達する方法である。当該方法により、アクチュエータはアクチュエータの共振周波数近くの周波数で振動を出力する。
例えば、特許文献1には、リニア共振振動機構の共振周波数近くにリニア共振振動機構の振動周波数を維持するためにフィードバック制御を使用する方法が開示されている。
一方、アクチュエータを制動させ振動を減衰させる最も代表的な方法の一つは、アクチュエータへの駆動信号の伝達を停止させる方法である。
特表2012-527353号公報
先述の通り、アクチュエータが制動されると、アクチュエータの振動は減衰する。しかしながら、制動の際に振動の減衰する速度が低いと、ユーザに好ましくない感覚を与える。
例えば、ユーザが携帯型の電子機器のタッチパネル上でアイコンをタッチした際に、タッチが認識されたことをユーザに知らせるために、電子機器に搭載されているアクチュエータを所定の短い時間だけ振動させる手法が知られている。この手法において、タッチが完了した後に、振動の減衰する速度が低いと、電子機器の反応を鈍く感じることがある。
このように、ユーザに適切な触覚効果を与える技術の開発が要望される状況であり、特にアクチュエータの制動の際における振動減衰の効果を向上させることができる技術の提供が望まれている。
本願の代表的な一実施形態は、触覚効果を生成するアクチュエータの制御方法であって、信号伝達部は、駆動信号と、前記駆動信号に後続する制動信号とを前記アクチュエータに伝達し、前記駆動信号は、半周期分以上の駆動波形を有し、前記制動信号は、前記駆動信号と逆位相であり、第1半周期分の第1制動波形と、前記第1制動波形に後続する第2半周期分の第2制動波形とを有し、前記第1制動波形は、前記アクチュエータの共振周波数の1.1倍以上、1.3倍以下の周波数を有し、前記第2制動波形は、前記共振周波数の0.98倍以上、1.02倍以下の周波数を有する、アクチュエータの制御方法である。
また、本願の代表的な他の一実施形態は、触覚効果を生成するアクチュエータと、 駆動信号と、前記駆動信号に後続する制動信号とを前記アクチュエータに伝達する信号伝達部と、を備え、前記駆動信号は、半周期分以上の駆動波形を有し、前記制動信号は、前記駆動信号と逆位相であり、第1半周期分の第1制動波形と、前記第1制動波形に後続する第2半周期分の第2制動波形とを有し、前記第1制動波形は、前記アクチュエータの共振周波数の1.1倍以上、1.3倍以下の周波数を有し、前記第2制動波形は、前記共振周波数の0.98倍以上、1.02倍以下の周波数を有する、触覚出力装置である。
さらに、本願の代表的な他の一実施形態は、前記触覚出力装置を備える電子機器である。
本願の代表的な一実施形態によれば、アクチュエータの制動の際における振動減衰の効果を向上させることができる。
図1は、本実施形態に係る触覚出力装置の構成を示すブロック図である。 図2は、制御装置の構成の一例を示す図である。 図3は、例示的なアクチュエータの分解斜視図である。 図4Aは、本実施形態に係る駆動・制動における各種波形の一例を示すグラフである。 図4Bは、本実施形態に係る駆動・制動における各種波形を説明するための情報である。 図5は、アクチュエータの振動体の変位波形の一例を示す図である。 図6Aは、本検証に係る駆動波形・制動波形を示すグラフである。 図6Bは、本検証に係る駆動波形・制動波形を説明するための情報である。 図7は、触覚出力装置を搭載した電子機器の一例を示す外観図である。
以下に本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。
〈触覚出力装置の構成〉
図1は、本実施形態に係る触覚出力装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、触覚出力装置10は、制御装置101と、アクチュエータ102と、を有する。
制御装置101は、各種処理を行う制御装置であり、アクチュエータ102に駆動信号および制動信号を出力し、アクチュエータ102の駆動・制動を行う。すなわち、制御装置101は、駆動信号および制動信号をアクチュエータ102に伝達する信号伝達部として機能する。
アクチュエータ102は、振動を生成する機能を有し、アクチュエータ102の搭載された機器に振動を発生させることで、機器のユーザに対して触覚フィードバックを与える。すなわち、アクチュエータ102は、触覚効果を生成する。なお、アクチュエータ102の具体的な構成例については後述するが、構成はそれに限定されない。
図2は、制御装置101の構成の一例を示す図である。図2に示すように、制御装置101は、例えば、プロセッサ103およびドライバ104を含む。プロセッサ103は、例えば、MPU(Micro-Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)などである。ドライバ104は、例えば、アクチュエータ102に駆動信号および制動信号を伝送するIC(Integrated Circuit)あるいは電子回路などである。
〈アクチュエータの構成例〉
ここで、先述した実施形態に係る触覚出力装置に備えられるアクチュエータの一構成例について図を用いて説明する。
図3は、例示的なアクチュエータの分解斜視図である。図3に示すアクチュエータACは、横リニア型振動モータとして構成される。なお、図3において、横方向をX方向、縦方向をY方向、上下方向をZ方向として示す。具体的には、横方向一方側をX1、横方向他方側をX2、縦方向一方側をY1、縦方向他方側をY2、上方向をZ1、下方向をZ2とする。
アクチュエータACは、大きく分けると、静止部Sと、振動体4と、弾性部材5A,5Bと、を備える。静止部Sは、ベースプレート1と、基板2と、コイル3と、カバー6と、を有する。
カバー6は、上方に天面部6Aを有して下方が開口した部材である。天面部6Aの横方向に対向する各辺部から下方へ側面部6B,6Cが突出する。
ベースプレート1は、横方向および縦方向に沿って拡がる板状部材である。基板2は、ベースプレート1の上面に固定される。基板2は、フレキシブルプリント基板により構成される。なお、基板2は、リジッド基板により構成されてもよい。基板2は、横方向および縦方向に沿って拡がる。横方向および縦方向は、基板2の実装面2Aに沿う方向である。従って、上下方向は、基板2の厚み方向となる。
基板2の実装面2Aには、コイル3が実装される。コイル3は、上下方向の軸周りに導線が巻き回されて構成される。コイル3は、鉄心等のコアが挿入されていない空芯コイルである。なお、コイルは、コアが挿入されたコアコイルでもよい。コイル3の引き出し線は、基板2の不図示の端子部に導通される。当該端子部に外部より電圧が印加されることで、コイル3に電流が供給される。
振動体4は、コイル3の上方に配置される。振動体4は、おもり41と、第1磁石M1と、第2磁石M2と、を有する。おもり41は、横方向、縦方向、および上下方向をそれぞれ一辺とする直方体状又は略直方体状である。おもり41の縦方向他方側の側面における横方向一方側には、第1固定面41Aが形成される。おもり41の縦方向一方側の側面における横方向他方側には、第2固定面41Bが形成される。すなわち、第1固定面41Aと第2固定面41Bとは、対角線上に配置される。
おもり41には、上下方向に延びて貫通する開口部411,412が横方向に並んで形成される。開口部411内に第1磁石M1が配置され、開口部412内に第2磁石M2が配置される。
一対の弾性部材5A,5Bは、振動体4に固定される。弾性部材5A,5Bは、板バネ部材である。弾性部材5Aは、固定部51と、平板部52,53と、連結部54と、を有する。固定部51は、横方向に延びる。平板部52の一端は、固定部51の横方向一方側端に連接される。平板部52は、一端から縦方向一方側に沿って延びる。平板部52の他端は、連結部54によって平板部53の一端と連結される。連結部54は、横方向一方側に屈曲する。平板部53は、一端から縦方向他方側に沿って延びる。
固定部51は、第1固定面41Aに例えば溶接により固定される。平板部53の他端部は、カバー6の側面部6Bの内壁面に例えば溶接により固定される。
弾性部材5Bは、弾性部材5Aと同様な構成であり、固定部51から平板部53まで延びる方向が弾性部材5Aとは逆となる。弾性部材5Bの固定部51は、第2固定面41Bに固定される。従って、弾性部材5A,5Bは、おもり41に対して対角線上の位置で固定される。弾性部材5Bの平板部53は、カバー6の側面部6Cの内壁面に固定される。
上記構成により、弾性部材5A,5Bは、カバー6に対して振動体4を横方向に沿って振動可能に支持する。すなわち、弾性部材5A,5Bは、振動体4を直線方向に振動可能に支持する。コイル3にプロセッサ103から駆動信号または制動信号が伝達されることでコイル3に電流が流れ、コイル3は第1磁石M1,第2磁石M2との相互作用により電磁力を振動体4に与える。振動体4は、横方向の振動を行う。
〈駆動・制動制御について〉
次に、アクチュエータ102の駆動・制動制御について説明する。ここで、アクチュエータ102は、先述したアクチュエータACすなわちリニア型振動モータであるものとして説明する。
図4A,図4Bに、本実施形態に係る駆動・制動における各種波形の一例を示す。図4Aは、本実施形態に係る駆動・制動における各種波形の一例を示すグラフである。図4Bは、本実施形態に係る駆動波形・制動波形を説明するための情報である。
図4Aのグラフにおいて、実線は、プロセッサからアクチュエータで伝達される駆動信号・制動信号の電圧波形を示し、破線は、アクチュエータの振動体の変位波形を示す。図4Aのグラフにおいて、横軸は、時間軸を示し、左縦軸は、駆動信号・制動信号の波形電圧を示し、右縦軸は、振動体加速度[G]を示す。
図4Aにおいて、時間軸における0[ms]から駆動信号DSによる駆動が開始され、区間TBと区間TCとの境界位置で駆動から制動信号BSによる制動に切替えられ、区間TDの終了位置付近で振動は収束する。
図4Aにおいて、駆動信号DSは、半周期分以上の幅すなわち時間的長さを有しており、第1駆動波形DW11と、第2駆動波形DW12と、を有する。
第2駆動波形DW12は、第1駆動波形DW11に後続する。第1駆動波形DW11は、区間TAに対応しており、第2駆動波形DW12は、区間TBに対応している。第1駆動波形DW11は、アクチュエータの共振周波数f0の1.1~1.3の倍、すなわち共振周波数f0の1.1倍以上、1.3倍以下の周波数f1を有しており、周波数f1の半周期分の幅を有する波形である。当該半周期分は、本願における第3半周期分の一例である。
第2駆動波形DW12は、共振周波数f0の0.98~1.02倍、すなわち共振周波数f0の0.98倍以上、1.02倍以下の周波数f2を有しており、周波数f2の半周期分×N倍の幅を有する波形である。ここでNは自然数である。当該半周期分は、本願における第4半周期分の一例である。なお、アクチュエータの共振周波数とは、アクチュエータを構成する振動体の共振周波数である。
第2駆動波形DW12の位相は、第1駆動波形DW11の位相と同位相である。すなわち、第2駆動波形DW12の前半の半周期分に相当する波形の電圧値は、第1駆動波形DW11と極性が逆であり、第2駆動波形DW12の後半の半周期分に相当する波形の電圧値は、第1駆動波形DW11と極性が同じである。第1駆動波形DW11の振幅A1と、第2駆動波形DW12の振幅A2は、同じである。区間TAの開始位置は時間軸における0[ms]に相当する。なお、本明細書において、周波数あるいは振幅等が「同じ」であるとは、発明を実施する際に生じる事実上やむを得ない誤差を許容するものである。
図4Aにおいて、制動信号BSは、第1制動波形BW11と、第2制動波形BW12と、を有する。第1制動波形BW11は、第2駆動波形DW12に後続する。
第2制動波形BW12は、第1制動波形BW11に後続する。第1制動波形BW11は、区間TBの終了位置における第2駆動波形DW12の電圧値から開始される。第1制動波形BW11は、区間TCに対応しており、第2制動波形BW12は、区間TDに対応している。
第1制動波形BW11は、アクチュエータの共振周波数f0の1.1~1.3倍、すなわち共振周波数f0の1.1倍以上、1.3倍以下の周波数f3を有しており、周波数f3の半周期分の幅を有する波形である。当該半周期分は、本願における第1半周期分の一例である。
第2制動波形BW12は、周波数f4を有しており、共振周波数f0の0.98~1.02倍、すなわち共振周波数f0の0.98倍以上、1.02倍以下の周波数f4の半周期分の幅を有する波形である。当該半周期分は、本願における第2半周期分の一例である。
制動信号BSの位相は、駆動信号DSと逆の位相であり、第1制動波形BW11および第2制動波形BW12の位相は、第1駆動波形DW11および第2駆動波形DW12の位相と逆位相である。すなわち、第1制動波形BW11の半周期分に相当する波形の電圧値は、第2駆動波形DW12と極性が同じであり、第2制動波形BW12の半周期分に相当する波形の電圧値は、第1制動波形BW11と極性が逆である。第2制動波形BW12の後は、電圧値がゼロとされる。
第1制動波形BW11の振幅A3と、第2制動波形BW12の振幅A4とは、同じである。また、第1制動波形BW11の振幅A3および第2制動波形BW12の振幅A4は、第1駆動波形DW11の振幅A1および第2駆動波形DW12の振幅A2と同じである。
ここで、従来におけるアクチュエータの駆動・制動制御の代表的な例について説明する。アクチュエータの駆動・制動制御の代表的な例では、アクチュエータを振動させる際に、信号伝達部は、アクチュエータの共振周波数と同じ周波数の駆動波形から構成される駆動信号をアクチュエータに伝達する。また、アクチュエータの振動を制動すなわち停止させる際には、信号伝達部は、駆動信号の伝達を停止させる。
一方、本実施形態では、先述の通り、駆動信号として、共振周波数f0の1.1~1.3倍の周波数を有する半周期分の第1駆動波形と、第1駆動波形に後続し、共振周波数f0の0.98~1.02倍の周波数を有し、半周期×N倍分の幅を有する第2駆動波形とを、アクチュエータに伝達する。
本発明者による鋭意検討の結果、本実施形態の駆動信号をアクチュエータに伝達することにより、共振周波数f0と同じ周波数を有する駆動波形から構成される駆動信号をアクチュエータに伝達する場合と比較して、振動の立上り時間が短縮されることが判明している。
また、本実施形態では、先述の通り、制動信号として、駆動信号と位相が逆であり、共振周波数f0の1.1~1.3倍の周波数を有し半周期分の幅を有する第1制動波形と、第1制動波形に後続し、共振周波数f0の0.98~1.02倍の周波数を有し半周期分の幅を有する第2制動波形とを、アクチュエータに伝達する。
本発明者による鋭意検討の結果、本実施形態の制動信号をアクチュエータに伝達することにより、駆動信号の伝達を停止させるだけの場合と比較して、振動の立下り時間が大幅に短縮されることが判明している。
制動信号のうち振動の立下り時間の短縮に特に大きく寄与する要素は、第1制動波形BW11の周波数および第2制動波形BW12の周波数の共振周波数に対する比率すなわち倍率である。具体的には、第1制動波形BW11の周波数は、共振周波数f0の1.1~1.3倍、すなわち共振周波数の1.1倍以上、1.3倍以下の周波数の範囲以内に設定されることが重要である。また、第2制動波形BW12の周波数は、共振周波数f0の0.98~1.02倍の周波数の範囲以内に設定されることが重要である。
より好適には、第1制動波形BW11の周波数は、共振周波数f0の1.15~1.25倍、すなわち共振周波数f0の1.15倍以上、1.25倍以下の周波数の範囲以内に設定されることが重要である。また、第2制動波形BW12の周波数は、共振周波数f0と同じである共振周波数f0の1.00倍の周波数に設定されることが重要である。
上記の制動信号BSによれば、駆動信号DSと逆位相であり共振周波数f0の周期より短い周期の第1制動波形BW11が先行してアクチュエータに伝達され、続いて共振周波数f0に近い周波数の第2制動波形BW12が伝達される。すると、アクチュエータを構成する振動体の加速度波形と制動波形との位相のずれ量が変化し、振動体の加速度の変化が大きい期間において、逆向きの加速度を加算する制動波形の加わる期間が長くなるように作用する。当該作用が強力なブレーキとして機能し、その結果、立下り時間すなわち加速度振動がゼロに収束するまでの期間を大幅に短縮することが可能となる。
また、同様に、駆動信号のうち振動の立上がり時間の短縮に特に大きく寄与する要素は、第1駆動波形DW11の周波数および第2駆動波形DW12の周波数の共振周波数に対する比率すなわち倍率である。具体的には、第1駆動波形DW11の周波数は、共振周波数f0の1.1~1.3倍、すなわち共振周波数f0の1.1倍以上、1.3倍以下の周波数の範囲以内に設定されることが重要である。また、第2駆動波形DW12の周波数は、共振周波数f0の0.98~1.02倍、すなわち共振周波数f0の0.98倍以上、1・02倍以下の周波数の範囲以内に設定されることが重要である。
より好適には、第1駆動波形DW11の周波数は、共振周波数f0の1.15~1.25倍、すなわち共振周波数f0の1.15倍以上、1.25倍以下の周波数の範囲以内に設定されることが重要である。また、第2駆動波形DW12の周波数は、共振周波数f0と同じである共振周波数f0の1.00倍の周波数に設定されることが重要である。
上記の駆動信号DSによれば、共振周波数f0の周期より短い周期の第1駆動波形DW11が先行してアクチュエータに伝達され、続いて共振周波数f0に近い周波数の第2駆動波形DW12が伝達される。すると、アクチュエータを構成する振動体の加速度波形と制動波形との位相のずれ量が変化し、振動体の加速度の変化が大きい期間において、正向きの加速度を加算する駆動波形の加わる期間が長くなるように作用する。当該作用が強力なアクセルとして機能し、その結果、立上がり時間すなわち加速度振動がピークに収束するまでの期間を大幅に短縮することが可能となる。
〈検証〉
以下に、本発明者によるアクチュエータにおける振動体の振動の立下り時間の短縮に係る検証結果の一例を説明するが、それに先立ち、振動の立上り時間および振動の立下り時間の定義について図を用いて説明する。
《立上り時間・立下り時間の定義》
図5は、アクチュエータの振動体の変位波形の一例を示す図である。図5において、横軸は時間軸を示し、縦軸は振動体の振動方向における位置、すなわち基準位置からの変位を示す。
図5に示す振動体の変位波形は、アクチュエータに振動体の共振周波数と同じ周波数の駆動信号の伝達を開始し、その後、所定時間経過後に駆動信号の伝達を停止した場合における振動体の変位波形である。振動体の振動の振幅は、駆動信号の伝達の開始とともに徐々に増大し、一定時間経過後にピークに達し、その後はピークを維持する。また、振動体の振動の加速度あるいは振幅は、駆動信号の伝達の停止とともに徐々に減少し、一定時間経過後にゼロとなる。
振動体の振動の立上り時間とは、図5に示す立上り時間Trに相当し、駆動信号の伝達を開始してから振動体の振動の振幅がピークの50%に増大するまでの時間である。立上り時間は、50% of G0-pと記載することがある。また、振動体の振動の立下り時間とは、図5に示す立下り時間Tsに相当し、駆動信号の伝達を停止してから振動体の加速度がピークの50%に減少するまでの時間である。立下り時間は、50% of Gp-0と記載することがある。
《検証の条件と結果》
本発明者による検証の条件と結果の一例について説明する。
図6A,図6Bに、検証の実施条件の詳細を示す。図6Aは、本検証に係る駆動波形・制動波形を示すグラフである。図6Bは、本検証に係る駆動波形・制動波形を説明するための情報である。
図6Aのグラフにおいて、実線は、プロセッサからアクチュエータで伝達される駆動信号・制動信号の電圧波形を示す。図6Aのグラフにおいて、横軸は、時間軸を示し、縦軸は、駆動信号・制動信号の電圧を示す。検証に使用したアクチュエータの共振周波数f0は、180.00[Hz]である。
第1駆動波形DW11は、共振周波数f0の約1.20倍である216.00[Hz]の周波数を有する。第1駆動波形DW11の時間軸方向の幅は、半周期分である。第2駆動波形DW12は、共振周波数f0の1.00倍である180.00[Hz]の周波数を有する。第2駆動波形DW12の時間軸方向の幅は、半周期×2倍分である1周期分である。
第1制動波形BW11は、共振周波数f0の約1.20倍である216.00[Hz]の周波数を有する。第1制動波形BW11の時間軸方向の幅は、半周期分である。第2制動波形BW12は、共振周波数f0の1.00倍である180.00[Hz]の周波数を有する。第2制動波形BW12の時間軸方向の幅は、半周期分である。
第1駆動波形DW11、第2駆動波形DW12、第1制動波形BW11、および第2制動波形BW12は、同じ振幅電圧を有している。第1駆動波形DW11および第2駆動波形DW12の位相は正位相であり、第1制動波形BW11および第2制動波形BW12の位相は逆位相すなわち反転位相である。
検証対象のアクチュエータにおいて、従来の代表的な制動制御である駆動波形の伝達を停止させるだけの場合には、振動の立下り時間は、約20[ms]であった。一方、本検証条件の制動波形を伝達する場合には、振動の立下り時間は、約5[ms]であった。
上記の検証結果は一例に過ぎないが、本発明者による複数の検証結果によれば、次のことが判明している。
本実施形態の駆動信号を用いた場合には、振動体の共振周波数と同じ周波数の駆動信号を伝達するだけの場合と比較して、振動の立上り時間を、約60%~80%分短縮可能である。また、本実施形態の制動信号を用いた場合には、駆動信号の伝達を停止させるだけの場合と比較して、振動の立下り時間を、約50%~70%分短縮可能である。
以上説明した実施形態によれば、本発明者の鋭意検討の結果見つけ出された制動効果の高い制動信号、すなわちアクチュエータの共振周波数に対してそれぞれ特定の倍数範囲に相当する周波数を有する複数の制動波形の組合せによる制動信号をアクチュエータに伝達する。当該制動信号をアクチュエータに伝達することにより、振動体の振動に強力なブレーキを掛けることができ、アクチュエータの制動の際における振動減衰の効果を向上させることができる。
また、同実施形態によれば、本発明者の鋭意検討の結果見つけ出された駆動効果の高い駆動信号、すなわちアクチュエータの共振周波数に対してそれぞれ特定の倍数範囲に相当する周波数を有する複数の駆動波形の組合せによる駆動信号をアクチュエータに伝達する。当該駆動信号をアクチュエータに伝達することにより、振動体の振動に強力なアクセルを掛けることができ、アクチュエータの駆動の際における振動増大の効果を向上させることができる。
〈電子機器について〉
先述した実施形態に係る触覚出力装置10は、各種の電子機器に搭載することが可能である。
図7は、触覚出力装置10を搭載した電子機器の一例を示す外観図である。図7に示す電子機器20は、触覚出力装置10を備える。触覚出力装置10において、アクチュエータ102が駆動・制動されることで、電子機器20に振動が発生する。これにより、電子機器20を使用するユーザに触覚フィードバックを与えることができる。
例えば、電子機器20におけるボタン形状の操作部に指を触れることで、振動する操作部から触覚フィードバックを受けることができ、ユーザはあたかも操作部を押し込んだ感覚のクリック感を得ることができる。また、例えば、電子機器20の表示部21に指を触れることで、振動する表示部から触覚フィードバックを受けることができ、ユーザは、例えばスベスベ感、ザラザラ感などの物理的表面の感覚を得ることができる。
電子機器20としては、具体的には、タブレットコンピュータ、スマートフォン等が想定される。なお、触覚出力装置を例えばノート型PC等に搭載することも可能である。
すなわち、本実施形態の電子機器20は、先に説明した触覚出力装置10を備える。これにより、振動の立下り時間を短縮することで、電子機器のユーザに適切な触覚フィードバックを与えることができる。
〈その他〉
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。これらは全て本発明の範疇に属するものである。さらに文中や図中に含まれる数値等もあくまで一例であり、異なるものを用いても本発明の効果を損なうものではない。
例えば、駆動信号DSおよび制動信号BSは、図5に示すような曲線波形に限らず、三角波形すなわち鋸波形であってもよいし、台形波形あるいは矩形波形であってもよく、あるいはこれらの合成もしくは組合せによる波形であってもよい。
また、例えば、上記の実施形態は、触覚出力装置あるいは電子機器であるが、これらの触覚出力装置あるいは電子機器に搭載されるアクチュエータを、上記実施形態に記載したように制御する方法も、本願における一実施形態の一例である。
すなわち、触覚効果を生成するアクチュエータの制御方法であって、信号伝達部は、駆動信号と、上記駆動信号に後続する制動信号とを上記アクチュエータに伝達し、上記駆動信号は、半周期分以上の駆動波形を有し、上記制動信号は、上記駆動信号と逆位相であり、第1半周期分の第1制動波形と、上記第1制動波形に後続する第2半周期分の第2制動波形とを有し、上記第1制動波形は、上記アクチュエータの共振周波数の1.1~1.3倍の周波数を有し、上記第2制動波形は、上記共振周波数の0.98~1.02倍の周波数を有する、アクチュエータの制御方法も、本願における一実施形態の一例である。
本発明は、各種機器に搭載される触覚出力装置に利用することができる。
10・・・触覚出力装置、101・・・制御装置、102・・・アクチュエータ、103・・・プロセッサ、104・・・ドライバ、AC・・・アクチュエータ、S・・・静止部、1・・・ベースプレート、2・・・基板、3・・・コイル、4・・・振動体、41・・・おもり、M1・・・第1磁石、M2・・・第2磁石、5A,5B・・・弾性部材、6・・・カバー、20・・・電子機器、21・・・表示部

Claims (15)

  1. 触覚効果を生成するアクチュエータの制御方法であって、
    信号伝達部は、
    駆動信号と、前記駆動信号に後続する制動信号とを前記アクチュエータに伝達し、
    前記駆動信号は、半周期分以上の駆動波形を有し、
    前記制動信号は、前記駆動信号と逆位相であり、第1半周期分の第1制動波形と、前記第1制動波形に後続する第2半周期分の第2制動波形とを有し、
    前記第1制動波形は、前記アクチュエータの共振周波数の1.1倍以上、1.3倍以下の周波数を有し、
    前記第2制動波形は、前記共振周波数の0.98倍以上、1.02倍以下の周波数を有する、
    アクチュエータの制御方法。
  2. 請求項1に記載のアクチュエータの制御方法において、
    前記第1制動波形は、前記共振周波数の1.15倍以上、1.25倍以下の周波数を有する、
    アクチュエータの制御方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のアクチュエータの制御方法において、
    前記第2制動波形は、前記共振周波数と同じ周波数を有する、
    アクチュエータの制御方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のアクチュエータの制御方法において、
    前記第1制動波形および第2制動波形の振幅は、互いに同じ振幅である、
    アクチュエータの制御方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のアクチュエータの制御方法において、
    前記駆動信号は、第3半周期分の第1駆動波形と、前記第1駆動波形に後続する第4半周期分の第2駆動波形とを有し、
    前記第1駆動波形は、前記共振周波数の1.1倍以上、1.3倍以下の周波数を有し、
    前記第2駆動波形は、前記共振周波数の0.98倍以上、1.02倍以下の周波数を有する、
    アクチュエータの制御方法。
  6. 請求項5に記載のアクチュエータの制御方法において、
    前記第1駆動波形、前記第2駆動波形、前記第1制動波形、および前記第2制動波形の振幅は、互いに同じ振幅である、
    アクチュエータの制御方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のアクチュエータの制御方法において、
    前記アクチュエータは、振動体と、前記振動体を直線方向に振動可能に支持する弾性部材と、前記振動体に電磁力を与えるコイルと、を有する、
    アクチュエータの制御方法。
  8. 触覚効果を生成するアクチュエータと、
    駆動信号と、前記駆動信号に後続する制動信号とを前記アクチュエータに伝達する信号伝達部と、を備え、
    前記駆動信号は、半周期分以上の駆動波形を有し、
    前記制動信号は、前記駆動信号と逆位相であり、第1半周期分の第1制動波形と、前記第1制動波形に後続する第2半周期分の第2制動波形とを有し、
    前記第1制動波形は、前記アクチュエータの共振周波数の1.1倍以上、1.3倍以下の周波数を有し、
    前記第2制動波形は、前記共振周波数の0.98倍以上、1.02倍以下の周波数を有する、
    触覚出力装置。
  9. 請求項8に記載の触覚出力装置において、
    前記第1制動波形は、前記共振周波数の1.15倍以上、1.25倍以下の周波数を有する、
    触覚出力装置。
  10. 請求項8または請求項9に記載の触覚出力装置において、
    前記第2制動波形は、前記共振周波数と同じ周波数を有する、
    触覚出力装置。
  11. 請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の触覚出力装置において、
    前記第1制動波形および前記第2制動波形の振幅は、互いに同じ振幅である、
    触覚出力装置。
  12. 請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の触覚出力装置において、
    前記駆動信号は、第3半周期分の第1駆動波形と、前記第1駆動波形に後続する第4半周期分の第2駆動波形とを有し、
    前記第1駆動波形は、前記共振周波数の1.1倍以上、1.3倍以下の周波数を有し、
    前記第2駆動波形は、前記共振周波数の0.98倍以上、1.02倍以下の周波数を有する、
    触覚出力装置。
  13. 請求項12に記載の触覚出力装置において、
    前記第1駆動波形、前記第2駆動波形、前記第1制動波形、および前記第2制動波形の振幅は、互いに同じ振幅である、
    触覚出力装置。
  14. 請求項8から請求項13のいずれか1項に記載の触覚出力装置において、
    前記アクチュエータは、振動体と、前記振動体を直線方向に振動可能に支持する弾性部材と、前記振動体に電磁力を与えるコイルと、を有する、
    触覚出力装置。
  15. 請求項8から請求項14のいずれか1項に記載の触覚出力装置を備える電子機器。
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