JP2023132346A - 積層体、チューブ容器本体およびチューブ容器 - Google Patents

積層体、チューブ容器本体およびチューブ容器 Download PDF

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Yoshie Katsumata
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Abstract

【課題】高いリサイクル性と高いシール強度とを有するチューブ容器本体等の包装容器を作製することのできる積層体を提供する。【解決手段】ポリエチレンを主成分として含有する第1の樹脂層と、エチレン-ビニルアルコール共重合体を主成分として含有するバリア性基材と、ポリエチレンを主成分として含有する第2の樹脂層と、を少なくとも備え、バリア性基材における第1の樹脂層側の面上および/または第2の樹脂層側の面上に意匠層をさらに備える、積層体。【選択図】図1

Description

本開示は、積層体、チューブ容器本体およびチューブ容器に関する。
歯磨ペーストおよび洗顔クリーム等のペースト状の半流動体物を充填しておき、搾り出して使用するための包装容器として、チューブ容器が知られている。チューブ容器は、通常、チューブ容器本体とキャップとを備える。チューブ容器本体は、一般的に、一端が閉塞し、かつ他端が開口した胴部と、その胴部の開口他端に連接する、注出口を有する頭部とを備える。胴部の一端の閉塞前に胴部内に内容物を充填して、次いで胴部の一端を閉塞することで、内容物を収容したチューブ容器が製造される。
従来のチューブ容器本体を構成する胴部は、例えば、ヒートシール層としてポリエチレンフィルムと、印刷基材として印刷層が形成されたポリエチレンテレフタレートフィルムと、バリア性基材として蒸着膜が形成されたポリエチレンテレフタレートフィルムやアルミニウム箔等とを備える包装材料を用いて製造されている(特許文献1参照)。しかしながら、例えばポリエチレンフィルムとアルミニウム箔とを備える包装容器からそれぞれのフィルム等に分離することは、一般的に困難である。したがって、このような包装容器は、使用後のリサイクルに適しておらず、積極的にはリサイクルされていないという現状がある。そこで、延伸処理が施されたポリエチレンフィルム(延伸ポリエチレンフィルム)を基材として備え、ポリエチレンフィルムをヒートシール層として備える包装材料が検討されている(特許文献2参照)。
特開2010-214768号公報 特開2005-053223号公報
延伸ポリエチレンフィルムを基材として備え、ポリエチレンフィルムをヒートシール層として備える包装材料の場合は、ヒートシール時における基材の熱劣化を抑制する必要がある。基材の熱劣化を抑制するために、例えば低温でヒートシール可能なポリエチレンフィルムをヒートシール層として用いると、チューブ容器等の包装容器として充分なシール強度が得られない場合がある。
本開示の解決課題は、高いリサイクル性と高いシール強度とを有するチューブ容器本体等の包装容器を作製することのできる積層体を提供することである。
本開示の積層体は、ポリエチレンを主成分として含有する第1の樹脂層と、エチレン-ビニルアルコール共重合体を主成分として含有するバリア性基材と、ポリエチレンを主成分として含有する第2の樹脂層と、を少なくとも備え、バリア性基材における第1の樹脂層側の面上および/または第2の樹脂層側の面上に意匠層をさらに備える。
本開示によれば、高いリサイクル性と高いシール強度とを有するチューブ容器本体等の包装容器を作製することのできる積層体を提供することができる。
図1は、本開示の積層体の一実施形態を示す断面概略図である。 図2は、本開示の積層体の一実施形態を示す断面概略図である。 図3は、本開示の積層体の一実施形態を示す断面概略図である。 図4は、本開示の積層体の一実施形態を示す断面概略図である。 図5は、本開示の積層体を備えるチューブ容器本体と、キャップとを備えるチューブ容器の一実施形態を示す斜視図である。 図6は、図5のA-A断面図である。
以下、本開示の実施形態について、詳細に説明する。本開示は多くの異なる形態で実施でき、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されない。図面は、説明をより明確にするため、実施形態に比べ、各層の幅、厚さおよび形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定しない。本明細書と各図において、既出の図に関してすでに説明したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
以下、本開示の積層体の実施形態について、適宜図面を用いながら説明する。なお、以下の説明において、記載した成分(例えばポリエチレン、エチレン-ビニルアルコール共重合体、添加剤、白色顔料)は、それぞれ1種単独で用いてもよく、2種以上用いてもよい。
本開示において「主成分」とは、層中の含有割合が50質量%超の成分をいう。
[積層体]
本開示の積層体は、ポリエチレンを主成分として含有する第1の樹脂層と、エチレン-ビニルアルコール共重合体を主成分として含有するバリア性基材と、ポリエチレンを主成分として含有する第2の樹脂層とを、例えば積層体の厚さ方向にこの順に、少なくとも備える。積層体は、バリア性基材における第1の樹脂層側の面上および/または第2の樹脂層側の面上に意匠層をさらに備える。
本開示の積層体の一実施形態を図1~図4に示す。
図1の積層体1は、第1の樹脂層2と、意匠層4aと、バリア性基材4と、第2の樹脂層6とをこの順に備える。図2の積層体1は、第1の樹脂層2と、バリア性基材4と、意匠層4aと、第2の樹脂層6とをこの順に備える。
図3の積層体1は、第1の樹脂層2と、第1の接着層8Aと、意匠層4aと、バリア性基材4と、第2の接着層8Bと、第2の樹脂層6とをこの順に備える。図4の積層体1は、第1の樹脂層2と、第1の接着層8Aと、バリア性基材4と、意匠層4aと、第2の接着層8Bと、第2の樹脂層6とをこの順に備える。
図3および図4において、上記層構成の例における接着層は、押出樹脂層でもよく、接着剤層でもよい。接着層が押出樹脂層である場合は、押出樹脂層とバリア性基材との間に、アンカーコート層を設けてもよい。
第1の樹脂層は、多層構造(例えば3層の樹脂層)を有していてもよい。第2の樹脂層は、多層構造(例えば3層の樹脂層)を有していてもよい。バリア性基材は、多層構造(例えば3層の樹脂層)を有していてもよい。
本開示の積層体が備える第1の樹脂層および第2の樹脂層は、それぞれ、同種の材料であるポリエチレンにより構成される。したがって、本開示の積層体は、高いリサイクル性を有する。この積層体を備えるチューブ容器本体も、同様に高いリサイクル性を有する。
本開示の積層体全体におけるポリエチレンの含有割合は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは92質量%以上である。これにより、本開示の積層体および該積層体を備えるチューブ容器(特にラミネートチューブ容器)本体のリサイクル性を向上できる。
一実施形態において、本開示の積層体は、ポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミニウム箔および蒸着フィルムをいずれも備えない。これにより、本開示の積層体および該積層体を備えるチューブ容器(特にラミネートチューブ容器)本体のリサイクル性を向上できる。
本明細書において「積層体」とは、上述した層構成を備える、製造ラインで製造された原反そのものを指すこともあり、また、該原反を切断して得られる積層体個片それぞれを指すこともあり、上記層構成を備えていれば特に限定されない。積層体個片は、例えば、チューブ容器本体の胴部を形成するために用いられる。
<第1の樹脂層および第2の樹脂層>
第1の樹脂層は、ポリエチレンを主成分として含有する。第2の樹脂層は、ポリエチレンを主成分として含有する。第1の樹脂層に含まれるポリエチレンと、第2の樹脂層に含まれるポリエチレンとは、同一でもよく、異なってもよい。
第1の樹脂層は、ヒートシール性を有する。第2の樹脂層は、ヒートシール性を有する。したがって、第1の樹脂層および第2の樹脂層は、それぞれ加熱によって溶融し、相互に融着し得る。
本開示の積層体を、チューブ容器本体の胴部を形成するために用いる場合、第1の樹脂層は胴部外面側のシーラント層であり、第2の樹脂層は胴部内面側のシーラント層である。すなわち、上記胴部は、胴部の内側から外側に向かって、ヒートシール性を有する第2の樹脂層と、バリア性基材と、ヒートシール性を有する第1の樹脂層とを例えばこの順に備える。一実施形態において、第1の樹脂層が積層体の一方の表層であり、第2の樹脂層が積層体の他方の表層である。
ポリエチレンとしては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレンが挙げられる。これらの中でも、ヒートシール性という観点から、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
本開示において、ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、製膜性および加工性という観点から、0.1g/10分以上50g/10分以下でもよく、0.3g/10分以上30g/10分以下でもよく、0.5g/10分以上10g/10分以下でもよい。ポリエチレンのMFRは、JIS K7210に準拠し、温度190℃、荷重2.16kgの条件で、A法により測定する。
本開示において、高密度ポリエチレンとしては、密度が0.945g/cm3超のポリエチレンを使用することができ、中密度ポリエチレンとしては、密度が0.926g/cm3超0.945g/cm3以下のポリエチレンを使用することができ、低密度ポリエチレンとしては、密度が0.900g/cm3超0.926g/cm3以下のポリエチレンを使用することができ、直鎖状低密度ポリエチレンとしては、密度が0.900g/cm3超0.926g/cm3以下のポリエチレンを使用することができ、超低密度ポリエチレンとしては、密度が0.900g/cm3以下のポリエチレンを使用することができる。ポリエチレンの密度は、JIS K7112(例えばD法(密度勾配管法、23℃))に準拠して測定する。
低密度ポリエチレンは、通常、高圧重合法によりエチレンを重合して得られるポリエチレン(高圧法低密度ポリエチレン)である。直鎖状低密度ポリエチレンは、通常、低圧重合法(例:チーグラー・ナッタ触媒またはメタロセン触媒を用いた重合法)によりエチレンおよび少量のα-オレフィンを重合して得られるポリエチレンである。
密度または分岐が異なるポリエチレンは、重合方法を適宜選択することによって得られる。例えば、重合触媒として、チーグラー・ナッタ触媒などのマルチサイト触媒、またはメタロセン触媒などのシングルサイト触媒を用いて、気相重合、スラリー重合、溶液重合および高圧イオン重合のいずれかの方法により、1段または2段以上の多段で重合を行うことが好ましい。
本開示において、ポリエチレンには、エチレンと他のモノマーとの共重合体(以下「エチレン共重合体」ともいう)が包含される。本開示において、ポリエチレンにおけるエチレン由来の構成単位の含有割合は、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上または95モル%以上である。上記含有割合は、例えば核磁気共鳴法(NMR)により測定できる。
エチレン共重合体としては、例えば、エチレンと炭素数3以上20以下のα-オレフィンとの共重合体が挙げられる。炭素数3以上20以下のα-オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン、3-メチル-1-ブテン、4-メチル-1-ペンテンおよび6-メチル-1-ヘプテンが挙げられる。ポリエチレンは、エチレンと、酢酸ビニルまたは(メタ)アクリル酸エステルなどとの共重合体であってもよい。
ポリエチレンとしては、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレン(以下「バイオマスポリエチレン」ともいう)を使用してもよい。このようなバイオマスポリエチレンはカーボニュートラルな材料であるため、本開示の積層体作製における環境負荷を低減できる。
ポリエチレンとしては、メカニカルリサイクルまたはケミカルリサイクルによりリサイクルされたポリエチレンを使用してもよい。これにより、積層体または包装材料による環境負荷を低減できる。メカニカルリサイクルとは、一般的に、回収されたポリエチレンフィルムなどを粉砕し、アルカリ洗浄してフィルム表面の汚れ、異物を除去した後、高温・減圧下で一定時間乾燥してフィルム内部に留まっている汚染物質を拡散させ除染を行い、フィルムの汚れを取り除き、再びポリエチレンに戻す方法である。ケミカルリサイクルとは、一般的に、回収されたポリエチレンフィルムなどをモノマーレベルまで分解し、当該モノマーを再度重合してポリエチレンを得る方法である。
第1の樹脂層におけるポリエチレンの含有割合は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。第2の樹脂層におけるポリエチレンの含有割合は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。このような構成により、例えば、本開示の積層体を備える包装容器のリサイクル性を向上できる。
第1の樹脂層は、添加剤を含有してもよい。第2の樹脂層は、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、架橋剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑(スリップ)剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料および改質用樹脂が挙げられる。
第2の樹脂層は、白色顔料などの顔料を含有してもよい。このような構成により、例えば、白インキなどのインキを用いずに積層体に隠蔽力(例えば白色の隠蔽感)を付与できる。インキを用いると溶剤を揮発除去する必要があることから積層体製造時に環境に負荷がかかる傾向にあるが、上記構成により、積層体製造時における環境負荷を低減できる。
白色顔料としては、例えば、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、クレイ、タルクおよび硫酸バリウムが挙げられる。
第2の樹脂層は、例えば、JIS K7375に準拠して測定される全光線透過率が、10%以上40%以下であるポリエチレンフィルムでもよい。これにより、例えば、積層体に隠蔽力を付与できる。
第1の樹脂層は、多層構造を有してもよい。第2の樹脂層は、多層構造を有してもよい。多層構造としては、例えば、中密度ポリエチレンを含有する層、中密度ポリエチレンを含有する層、および中密度ポリエチレンを含有する層を備える構造が挙げられる。
第1の樹脂層は、ポリエチレンを主成分として含有するフィルムでもよい。第2の樹脂層は、ポリエチレンを主成分として含有するフィルムでもよい。該フィルムは、延伸フィルムでもよく、未延伸フィルムでもよい。該フィルムとしては、ヒートシール性という観点から、未延伸フィルムが好ましい。第2の樹脂層は、ポリエチレンおよび白色顔料を含有するフィルムでもよい。
第1の樹脂層の表面には、表面処理が施されていてもよい。第2の樹脂層の表面には、表面処理が施されていてもよい。これにより、これらの樹脂層と、該樹脂層に隣接する層との密着性を向上できる。表面処理の方法としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスおよび/または窒素ガスなどを用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理などの物理的処理、ならびに化学薬品を用いた酸化処理などの化学的処理が挙げられる。
第1の樹脂層の表面に、従来公知のアンカーコート剤を用いて、アンカーコート層を形成してもよい。第2の樹脂層の表面に、従来公知のアンカーコート剤を用いて、アンカーコート層を形成してもよい。
第1の樹脂層の厚さは、好ましくは30μm以上250μm以下、より好ましくは50μm以上200μm以下である。第2の樹脂層の厚さは、好ましくは30μm以上250μm以下、より好ましくは50μm以上200μm以下である。上記厚さが30μm以上であると、そのヒートシール性をより向上できる。上記厚さが250μm以下であると、積層体の加工性を向上できる。
第1の樹脂層および第2の樹脂層は、例えば、ポリエチレンを含有する樹脂組成物を、Tダイ法またはインフレーション法などを利用してフィルム化することにより作製できる。第1の樹脂層および第2の樹脂層は、それぞれ、例えば、後述する接着層を介して積層できる。
<バリア性基材>
バリア性基材は、エチレン-ビニルアルコール共重合体(以下「EVOH」ともいう)を主成分として含有する。これにより、蒸着フィルムやアルミニウム箔などの異種材料を用いずに、積層体における酸素バリア性および水蒸気バリア性などのバリア性を向上できる。また、EVOHを主成分として含有するバリア性基材は、耐熱性に優れることから、上記積層体を用いて包装容器を作製する際に、高温でヒートシールを行うことができ、よって高いシール強度を得ることができる。また、EVOHを主成分として含有するバリア性基材は、例えば印刷時やラミネート加工時における熱劣化や熱収縮を抑制できる。また、上記バリア性基材は、伸び性に優れることから、シール強度をさらに向上できる。
本開示の積層体は、バリア性基材を2以上備えてもよい。
本開示の積層体は、一実施形態において、EVOHを主成分として含有するバリア性基材と、該バリア性基材の少なくとも一方の面上に設けられた印刷層と、を有するガスバリア性印刷基材を備える。
EVOHは、例えば、エチレンとビニルエステル系モノマーとを共重合させた後にケン化させることにより得られる。エチレンとビニルエステル系モノマーとの共重合は、公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合などにより行うことができる。
ビニルエステル系モノマーとしては、一般的に酢酸ビニルが用いられるが、他のビニルエステル系モノマーを用いてもよい。他のビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニルおよびバーサチック酸ビニル等の脂肪族ビニルエステル;安息香酸ビニル等の芳香族ビニルエステルが挙げられる。
EVOHにおいてエチレンに由来する構成単位の含有割合(エチレン含有割合)は、好ましくは20モル%以上60モル%以下、より好ましくは25モル%以上50モル%以下である。エチレン含有割合が下限値以上であると、例えば、積層体の加工性を向上できる。エチレン含有割合が上限値以下であると、例えば、積層体の酸素バリア性および/または水蒸気バリア性を向上できる。エチレン含有割合は、NMR法により測定する。
EVOHの融点(Tm)は、耐熱性の観点から、好ましくは140℃以上200℃以下、より好ましくは145℃以上195℃以下、さらに好ましくは150℃以上190℃以下である。EVOHのTmは、JIS K7121に準拠して、示差走査熱量測定(DSC)により得られる。
EVOHにおけるビニルエステル成分の平均ケン化度は、ガスバリア性の観点から、90モル%以上でもよく、95モル%以上でもよく、99モル%以上でもよい。平均ケン化度は、JIS K6726(ただしEVOHは水/メタノール溶媒に均一に溶解した溶液を使用)に準拠して測定する。
EVOHのメルトフローレート(MFR)は、製膜性および加工性という観点から、0.1g/10分以上50g/10分以下でもよく、0.3g/10分以上30g/10分以下でもよく、0.5g/10分以上10g/10分以下でもよい。EVOHのMFRは、ASTM D1238に準拠し、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定するが、測定温度はEVOHの融点に応じて210℃でもよい。
EVOHは、公知の方法により、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化、オキシアルキレン化などの変性がされていてもよい。
バリア性基材におけるEVOHの含有割合は、好ましくは50質量%超、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上、90質量%以上または95質量%以上である。
バリア性基材は、EVOH以外の樹脂を含有してもよい。このような樹脂としては、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ナイロン6、ナイロン6,6およびポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)などのポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、(メタ)アクリル樹脂、ならびにセルロール樹脂が挙げられる。
バリア性基材は、上記添加剤を含有してもよい。
バリア性基材は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。バリア性基材が多層構造を有する場合、その少なくとも一層がEVOHを含有し、ただしバリア性基材全体における主成分はEVOHである。
バリア性基材は、ガスバリア性樹脂フィルムでもよい。該フィルムは、延伸フィルムでもよく、未延伸フィルムでもよい。該フィルムとしては、積層体の強度という観点から、延伸フィルムが好ましい。延伸フィルムは、一軸延伸フィルムでもよく、二軸延伸フィルムでもよい。バリア性基材としては、二軸延伸EVOHフィルムが特に好ましい。二軸延伸の面積倍率については、ガスバリア性および機械強度の観点から、3倍以上でもよく、6倍以上でもよく、9倍以上でもよく、25倍以下でもよい。
バリア性基材の表面には、上記表面処理が施されていてもよい。これにより、バリア性基材と、該基材に隣接する層との密着性を向上できる。バリア性基材表面に、従来公知のアンカーコート剤を用いて、アンカーコート層を形成してもよい。
バリア性基材の厚さは、好ましくは5μm以上30μm以下、より好ましくは10μm以上20μm以下である。上記厚さが5μm以上であると、積層体のガスバリア性をより向上できる。上記厚さが30μm以下であると、積層体のリサイクル性を向上できる。
バリア性基材は、例えば、EVOHを含有する樹脂組成物を、Tダイ法またはインフレーション法などを利用してフィルム化することにより作製できる。バリア性基材は、例えば、後述する接着層を介して積層できる。
<意匠層>
本開示の積層体は、印刷層などの意匠層を備える。本開示の積層体は、バリア性基材の一方の面上または両方の面上に意匠層を備えてもよい。意匠層は、バリア性基材における第1の樹脂層側の面上に設けられていてもよく、バリア性基材における第2の樹脂層側の面上に設けられていてもよい。意匠層は、通常、バリア性基材に接している。
意匠層は、画像を有する。画像としては、例えば、文字、図形、模様、記号およびこれらの組合せが挙げられる。画像は、商品名、包装容器中の内容物の名称、製造者および原材料名等の文字情報を含んでもよい。画像は、単色無地(いわゆるベタ画像)でもよい。
意匠層は、例えば、着色剤および樹脂成分を含有する。
意匠層は、例えば、それぞれ着色剤を含有する、熱可塑性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物およびエネルギー線硬化性樹脂組成物などの樹脂組成物を用いて形成される。意匠層は、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の硬化物またはエネルギー線硬化性樹脂の硬化物などの樹脂成分と、着色剤とを含有する。
熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂および着色剤を含有する。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン、ポリスチレン、(メタ)アクリル樹脂、ビニル樹脂、アセタール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、セルロース樹脂、石油樹脂およびフッ素樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂組成物は、上記添加剤を含有してもよい。
熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂および着色剤、必要に応じて硬化剤を含有し、加熱により硬化する組成物である。熱硬化性樹脂組成物は、例えばいわゆる熱硬化型インキである。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、熱硬化性ポリウレタンおよびシリコーン樹脂;ならびにポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレートおよびトリアジン系(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル系熱硬化性樹脂が挙げられる。硬化剤としては、例えば、エポキシ系硬化剤およびイソシアネート系硬化剤が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物は、上記添加剤を含有してもよい。
エネルギー線硬化性樹脂組成物は、エネルギー線硬化性官能基を有する化合物(以下「エネルギー線硬化性化合物」ともいう)および着色剤を含有し、エネルギー線照射により硬化する組成物である。エネルギー線硬化性樹脂組成物は、例えばいわゆる紫外線硬化型インキであり、好ましくは(メタ)アクリル系紫外線硬化型インキである。
エネルギー線としては、例えば、紫外線、赤外線、X線およびγ線等の電磁波;ならびに電子線、プロトン線および中性子線等の荷電粒子線が挙げられる。これらの中でも、硬化速度、照射源の入手のし易さおよび価格という観点から、紫外線が好ましい。紫外線照射源としては、例えば、水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドおよびLEDが挙げられる。紫外線の照射量は、例えば、5mJ/cm2以上5,000mJ/cm2以下である。
エネルギー線硬化性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基およびアリル基等のエチレン性不飽和基;ならびにエポキシ基およびオキセタニル基が挙げられる。
エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、エチレン性不飽和基を有する化合物が挙げられ、エチレン性不飽和基を2つ以上有する化合物が好ましく、多官能性(メタ)アクリレート化合物が好ましい。多官能性(メタ)アクリレート化合物としては、モノマーおよびオリゴマーのいずれも用いることができる。
多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジ(メタ)アクリレートおよび1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどの2官能(メタ)アクリレートモノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートおよびイソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレートなどの3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。多官能性(メタ)アクリレートモノマーのエネルギー線硬化性官能基数は、好ましくは2以上6以下、より好ましくは2以上3以下である。
多官能性(メタ)アクリレートモノマーは、分子骨格の一部が変性されていてもよく、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトンおよびイソシアヌル酸等による変性がなされたモノマーを使用することができる。
多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートおよびポリエーテル(メタ)アクリレートが挙げられる。
エネルギー線硬化性化合物が紫外線硬化性化合物である場合、エネルギー線硬化性組成物(紫外線硬化性樹脂組成物)は、光重合開始剤および光重合促進剤から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、α-ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエートおよびα-アシルオキシムエステルが挙げられる。
光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができる成分であり、例えば、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステルおよびp-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルが挙げられる。
エネルギー線硬化性樹脂組成物は、上記添加剤を含有してもよい。
着色剤としては、例えば、無機顔料および有機顔料等の顔料;酸性染料、直接染料、分散染料、油溶性染料、含金属油溶性染料および昇華性染料等の染料が挙げられる。顔料としては、具体的には、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、酸化鉄、鉄黄、群青、メタリック顔料、パール顔料および蛍光顔料が挙げられる。意匠層は、高い金属光沢感を有する高輝度層であってもよい。
意匠層における樹脂成分の含有割合は、10質量%以上99質量%以下でもよく、30質量%以上97質量%以下でもよく、50質量%以上95質量%以下でもよい。意匠層における着色剤の含有割合は、1質量%以上90質量%以下でもよく、3質量%以上70質量%以下でもよく、5質量%以上50質量%以下でもよい。
意匠層用組成物は、塗布性等を向上させるという観点から、有機溶剤または水を含むことができる。有機溶剤としては、例えば、トルエンおよびキシレン等の炭化水素類;アセトンおよびメチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、セロソルブアセテートおよびブチルセロソルブアセテート等のエステル類;プロパノール等のアルコール類が挙げられる。
例えば、意匠層用組成物をバリア性基材に塗布および乾燥し、続いて、熱硬化性樹脂組成物の場合は硬化に必要な温度で加熱し、エネルギー線硬化性樹脂組成物の場合はエネルギー線を照射することにより、意匠層を形成できる。意匠層用組成物が有機溶剤または水を含まない場合は、乾燥は不要である。
意匠層の形成方法としては、例えば、活版印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷および熱転写印刷が挙げられる。意匠層を活版印刷またはフレキソ印刷により形成する場合、エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましく、紫外線硬化性樹脂組成物を用いることがより好ましい。意匠層は、例えば、昇華性染料を含有してもよい。この実施形態の意匠層は、例えば、熱転写シートを用いた昇華転写印刷により形成できる。
意匠層の厚さは、好ましくは0.01μm以上30μm以下、より好ましくは0.5μm以上10μm以下、さらに好ましくは1μm以上5μm以下である。
<接着層>
本開示の積層体は、第1の樹脂層とバリア性基材との間に、第1の接着層を備えてもよい。本開示の積層体は、バリア性基材と第2の樹脂層の間に、第2の接着層を備えてもよい。接着層としては、例えば、ポリエチレンを主成分として含有する押出樹脂層、および接着剤により構成される接着剤層が挙げられる。
本開示の積層体は、第1の樹脂層とバリア性基材との間、およびバリア性基材と第2の樹脂層の間の少なくともいずれか一つに、ポリエチレンを主成分として含有する押出樹脂層を備えてもよい。押出樹脂層は、上記両者の接着層として機能する。
本開示の積層体が、上記接着層として、ポリエチレンを主成分として含有する押出樹脂層を備えることにより、従来の非ポリエチレン系接着剤(例えば2液硬化型ポリウレタン接着剤)を用いた場合と比較して、積層体におけるポリエチレンの含有割合をより高くすることができる。これにより、積層体のリサイクル性をより向上できる。
押出樹脂層は、ポリエチレンを主成分として含有する。ポリエチレンの詳細は、上述したとおりである。押出樹脂層におけるポリエチレンと、第1の樹脂層および第2の樹脂層に含まれるポリエチレンとは、同一でもよく、異なってもよい。
本開示の積層体において、押出樹脂層を構成するポリエチレンとしては、接着性という観点から、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレンから選択される少なくとも1種が好ましく、低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンがより好ましい。ポリエチレンとしては、バイオマスポリエチレン、またはメカニカルリサイクルもしくはケミカルリサイクルされたポリエチレンを使用してもよい。
押出樹脂層を構成するポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、製膜性および加工性という観点から、好ましくは0.1g/10分以上50g/10分以下、より好ましくは0.2g/10分以上30g/10分以下、さらに好ましくは3.0g/10分以上20g/10分以下である。ポリエチレンのMFRは、JIS K7210に準拠し、温度190℃、荷重2.16kgの条件で、A法により測定する。
押出樹脂層を構成するポリエチレンの融点(Tm)は、耐熱性および接着性のバランスという観点から、好ましくは100℃以上140℃以下、より好ましくは100℃以上130℃以下、さらに好ましくは100℃以上120℃以下である。ポリエチレンのTmは、JIS K7121に準拠して、示差走査熱量測定(DSC)により得られる。
押出樹脂層におけるポリエチレンの含有割合は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。このような構成により、例えば、接着性およびリサイクル性を向上できる。
本開示の積層体において、上記接着層としての押出樹脂層の厚さは、好ましくは5μm以上40μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下である。これにより、例えば、接着性およびリサイクル性を向上できる。
押出樹脂層は、例えば、ポリエチレンまたはポリエチレン組成物を溶融させ、例えばバリア性基材上に押し出すことにより形成できる。このときの溶融温度は、例えば280℃以上340℃以下、好ましくは290℃以上335℃以下である。
本開示では、バリア性基材と第1の樹脂層または第2の樹脂層としてのフィルムとを貼り合わせる方法として、例えば、ポリエチレンを主成分として含有する溶融樹脂を用いた溶融押出ラミネート法、特にサンドラミネート法を用いることができる。これにより、積層体のポリエチレン含有割合を高くすることができる。また、例えばドライラミネーションによりこれらを積層する場合に比べて、乾燥工程およびエージング工程にかかる時間を低減でき、したがって積層体の生産効率を向上できる。
本開示の積層体は、第1の樹脂層とバリア性基材との間、およびバリア性基材と第2の樹脂層の間の少なくともいずれか一つに、接着剤により構成される接着剤層を備えてもよい。これにより、例えば、上記両者の密着強度を向上できる。
接着剤は、1液硬化型の接着剤、2液硬化型の接着剤および非硬化型の接着剤のいずれでもよい。接着剤は、溶剤型の接着剤でもよく、無溶剤型の接着剤でもよい。無溶剤型の接着剤とは、接着剤を対象物に塗布した後に、加熱して塗膜中の有機溶剤を揮発させる工程を経ずに他の対象物と貼り合せる方法、いわゆるノンソルベントラミネート法に用いられる接着剤をいう。2液硬化型の接着剤の場合は、該接着剤を構成する主剤および硬化剤のいずれも、有機溶剤を実質的に含まない。主剤または硬化剤の構成成分や、その原料の製造時に反応媒体として使用された有機溶剤が除去しきれずに、主剤または硬化剤中に微量の有機溶剤が残留してしまっている場合は、有機溶剤を実質的に含まないと解される。これに対して溶剤型の接着剤とは、接着剤を対象物に塗布した後に、加熱して塗膜中の有機溶剤を揮発させた後に他の対象物と貼り合せる方法、いわゆるドライラミネート法に用いられる接着剤をいう。2液硬化型の接着剤の場合は、該接着剤を構成する主剤および硬化剤のいずれか一方または両方が有機溶剤を含む。有機溶剤については、後述する。
無溶剤型の接着剤、すなわちノンソルベントラミネート接着剤としては、例えば、ポリエーテル系接着剤、ポリエステル系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤およびウレタン系接着剤が挙げられる。これらの中でも、ウレタン系接着剤が好ましく、2液硬化型のウレタン系接着剤がより好ましい。
無溶剤型の接着剤は、一実施形態において、主剤と硬化剤とを有する2液硬化型接着剤である。主剤に含まれる重合体成分の重量平均分子量(Mw)は、塗工適性という観点から、好ましくは800以上10,000以下、より好ましくは1,200以上4,000以下である。主剤に含まれる重合体成分の多分散度(Mw/Mn)は、好ましくは2.8以下、より好ましくは1.2以上2.7以下、さらに好ましくは1.5以上2.6以下、特に好ましくは2.0以上2.5以下である。ここでMnは、主剤に含まれる重合体成分の数平均分子量である。各平均分子量は、JIS K7252-1(2008)に準拠したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定され、ポリスチレン換算の値である。
溶剤型の接着剤としては、例えば、ゴム系接着剤、ビニル系接着剤、オレフィン系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤、フェノール系接着剤およびウレタン系接着剤が挙げられる。これらの中でも、ウレタン系接着剤が好ましく、2液硬化型のウレタン系接着剤がより好ましい。
一実施形態において、無溶剤型の接着剤を用いて接着剤層を形成することにより、例えば、積層体における残留溶剤量、具体的には残留有機溶剤量をより低減できる。本開示の積層体は、ポリエチレンを主成分として含有する樹脂層を備える。したがって、溶剤型の接着剤を用いて本開示の積層体を作製する場合、ポリエステル系積層体に比べて、積層体の熱劣化や熱収縮を防ぐため、その乾燥時の温度を低くすることが望ましい。この場合、接着剤中の溶剤が充分に揮発除去されずに、積層体中に残留し、残留溶剤による臭気が残ることがある。無溶剤型の接着剤を用いることにより、残留溶剤量をより低減できる。
上記有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、n-ヘキサンおよびメチルシクロヘキサン等の炭化水素溶剤;酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチルおよび酢酸イソブチル等のエステル溶剤;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコールおよびイソブチルアルコール等のアルコール溶剤;ならびにアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン溶剤が挙げられる。
一実施形態において、無溶剤型の接着剤を用いることにより、溶剤型の接着剤を用いた場合に比べて、例えば、接着層を薄くできる。これにより、積層体全体におけるポリエチレンの含有割合をさらに向上できる。このような積層体は、モノマテリアル化された包装容器の作製に好適である。
以下、2液硬化型のウレタン系接着剤について説明する。このウレタン系接着剤としては、例えば、ポリエステルポリオール等のポリオール化合物を含む主剤と、イソシアネート化合物を含む硬化剤とを有する接着剤が好ましい。
ポリオール化合物としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールおよび(メタ)アクリルポリオールが挙げられる。これらの中でも、ポリエステルポリオールが好ましい。ポリエステルポリオールは、1分子中に水酸基を2個以上有する。ポリエステルポリオールは、主骨格として、例えば、ポリエステル構造またはポリエステルポリウレタン構造を有する。ポリエステルポリオールは、例えば、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分との脱水縮合反応や、エステル交換または開環反応により得られる。
多価アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよびシクロヘキサンジメタノール等のジオール;グリセリン、トリエチロールプロパン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールおよびソルビトール等の3官能以上のポリオールが挙げられる。
多価カルボン酸成分としては、例えば、脂肪族多価カルボン酸、脂環族多価カルボン酸および芳香族多価カルボン酸、ならびにこれらのエステル誘導体および酸無水物が挙げられる。脂肪族多価カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸およびダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。脂環族多価カルボン酸としては、例えば、1,3-シクロペンタンジカルボン酸および1,4-シクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。芳香族多価カルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸および1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸が挙げられる。
ポリエステルポリオールは、必要に応じてポリイソシアネートにて予め鎖長させることもできる。ポリイソシアネートとしては、例えば、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、α、α、α’α’-テトラメチル-m-キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートおよびジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート;ならびにジイソシアネートのビュレット体、ヌレート体またはトリメチロールプロパンアダクト体が挙げられる。
ポリエステルポリオール等のポリオール化合物の重量平均分子量(Mw)は、塗工適性という観点から、好ましくは800以上10,000以下、より好ましくは1,200以上4,000以下である。ポリエステルポリオール等のポリオール化合物の多分散度(Mw/Mn)は、好ましくは2.8以下、より好ましくは1.2以上2.7以下、さらに好ましくは1.5以上2.6以下、特に好ましくは2.0以上2.5以下である。ここでMnは、ポリオール化合物の数平均分子量である。各平均分子量は、JIS K7252-1(2008)に準拠したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定され、ポリスチレン換算の値である。
イソシアネート化合物は、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する。
イソシアネート化合物としては、例えば、芳香族イソシアネートおよび脂肪族イソシアネートが挙げられる。イソシアネート化合物は、公知のイソシアネートブロック化剤を用いて公知慣用の適宜の方法より付加反応させて得られたブロック化イソシアネート化合物でもよい。
イソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートおよびα、α、α’α’-テトラメチル-m-キシリレンジイソシアネート等のジイソシアネート;これらのジイソシアネートの3量体;ならびにこれらのジイソシアネート化合物と、低分子活性水素化合物もしくはそのアルキレンオキシド付加物、または高分子活性水素化合物とを反応させて得られる、アダクト体、ビュレット体およびアロファネート体が挙げられる。
低分子活性水素化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサメチレングリコール、1,8-オクタメチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、メタキシリレンアルコール、1,3-ビスヒドロキシエチルベンゼン、1,4-ビスヒドロキシエチルベンゼン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンおよびメタキシリレンジアミンが挙げられ、高分子活性水素化合物としては、例えば、ポリエステル、ポリエーテルポリオールおよびポリアミドが挙げられる。
接着剤のコーティング方法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法およびトランスファーロールコート法が挙げられる。
本開示の積層体において、上記接着剤により構成される接着剤層の厚さは、好ましくは0.1μm以上10μm以下、より好ましくは0.2μm以上8μm以下、さらに好ましくは0.5μm以上6μm以下である。接着剤層の厚さは、2μm以下でもよく、0.5μm以上2μm以下でもよい。
本開示の積層体は、例えば、バリア性基材と第1の樹脂層または第2の樹脂層としてのフィルムとを、上記接着剤を用いたラミネート法により貼り合わせて製造でき、例えば、溶剤型の接着剤を用いたドライラミネート法により貼り合わせて製造してもよく、無溶剤型の接着剤を用いたノンソルベントラミネート法により貼り合わせて製造してもよい。
<アンカーコート層>
本開示の積層体は、接着層として押出樹脂層を備える場合に、例えば意匠層と押出樹脂層との間、バリア性基材と押出樹脂層との間などの任意の層間に、アンカーコート層をさらに備えてもよい。これにより、例えば、積層体における層間密着性を向上できる。アンカーコート層は、例えば、アンカーコート剤により形成される。この実施形態では、押出樹脂層は、アンカーコート層に接している。
アンカーコート剤としては、例えば、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリエチレンイミン系またはエポキシ樹脂系のアンカーコート剤が挙げられる。アンカーコート剤は、一実施形態において、2液硬化型樹脂であり、例えば、主剤のポリオールと硬化剤のポリイソシアネートとからなる。
ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールおよび(メタ)アクリルポリオールが挙げられる。ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートおよびポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ならびにヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。
アンカーコート層は、一実施形態において、ポリオールとポリイソシアネートとの反応によって得られるポリウレタンからなる。ポリウレタンとしては、具体的には、ポリエーテルポリウレタン、ポリエステルポリウレタンおよびポリ(メタ)アクリルポリウレタンが挙げられる。
アンカーコート層は、例えば、バリア性基材の意匠層形成面にアンカーコート剤を塗布することにより形成できる。アンカーコート剤は、例えば、ロールコート法、グラビアロールコート法およびキスコート法等のコート法、または印刷法によって塗布できる。
アンカーコート層の厚さは、好ましくは0.05μm以上3.0μm以下、より好ましくは0.1μm以上2.0μm以下、さらに好ましくは0.2μm以上1.0μm以下である。
[チューブ容器本体]
本開示のチューブ容器本体は、上記積層体を備える。
以下、本開示のチューブ容器本体について図面を参照しながら説明する。図5は、チューブ容器20の構成を簡略的に示す図であり、図6は、図5のA-A断面図である。図5に示すように、チューブ容器本体21は、頭部22と胴部23とを備え、該胴部23が本開示の積層体により構成される。
<頭部>
頭部22は、胴部23の一端に連接した肩部24と、肩部24に連接した抽出口部25とを備える。一実施形態において、注出口部25は、キャップ26を螺合するための螺条27を備える。
一実施形態において、頭部は、ポリエチレンを含有する樹脂組成物により構成される。これにより、チューブ容器本体のリサイクル性を向上できる。ポリエチレンとしては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレンが挙げられる。これらの中でも、保型性および成型性という観点から、高密度ポリエチレンが好ましい。ポリエチレンとしては、バイオマスポリエチレン、またはメカニカルリサイクルもしくはケミカルリサイクルされたポリエチレンを使用してもよい。
上記樹脂組成物は、上記添加剤を含有してもよい。
頭部は、従来公知の方法により製造できる。例えば、圧縮成形法(コンプレッション成形法)や射出成形法(インジェクション成形法)により頭部を製造すると共に、胴部と接合させることができる。
圧縮成形法(コンプレッション成形法)を用いてチューブ容器本体を製造する場合、上部に凸部を有する雄型に胴部を装着した後、雄型と雌型とを対向させ、溶融した樹脂組成物を雌雄内に供給し、圧縮成形して頭部を成形すると共に、頭部を胴部の一方の開口に接合させることにより、頭部と胴部とを備えるチューブ容器本体を製造できる。
射出成形法(インジェクション成形法)を用いてチューブ容器本体を製造する場合、上部に凸部を有する雄型に胴部を装着した後、雄型と雌型とを対向させ、ゲートから溶融した樹脂組成物を供給し、射出成形して頭部を成形すると共に、頭部を胴部の一方の開口に接合させることにより、頭部と胴部とを備えるチューブ容器本体を製造できる。
<胴部>
本開示のチューブ容器本体21において、胴部23は、頭部22の肩部24に連接されている。胴部23は、例えば、本開示の積層体の一方の端部の第1の樹脂層側表面と、他方の端部の第2の樹脂層側表面とが接するように重ね合わせて筒状に丸め、重ね合わされた部分をヒートシールすることにより形成された溶着部28を備える。胴部23は、例えば、筒状に丸めた積層体の開口部をヒートシールすることにより形成された底シール部29を備える。
ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シールおよび火炎シールなどの従来公知の方法が挙げられる。
一実施形態において、本開示の積層体の一方の端部の第1の樹脂層側表面と、他方の端部の第2の樹脂層側表面とが接するように重ね合わせて筒状に丸め、重ね合わされた部分をヒートシールすることにより、筒状の胴部を製造する。ヒートシール性という観点から、重ね合わせた一方の端部が第1の樹脂層であり、他方の端部が第2の樹脂層であることが好ましい。この場合、第1の樹脂層と第2の樹脂層とが溶融して接合され、溶着部が形成される。
なお、上記では溶着部は、重ね合わせにより形成されるが、積層体の両端部の同一表面を突き合わせて、第2の樹脂層同士をヒートシールして接合してもよい。またこの場合は、胴部の外面側に、当該接合部を覆うようにして接合用テープが貼付されていてもよい。接合用テープは、上記胴部の内面および外面の両方に設けられていてもよい。
[チューブ容器]
以下、本開示のチューブ容器について図面を参照しながら説明する。図5に示すように、本開示のチューブ容器20は、チューブ容器本体21と、頭部22に装着されるキャップ26とを備える。
<チューブ容器本体>
チューブ容器本体については上述したため、ここでは記載を省略する。
<キャップ>
キャップは、頭部の抽出口部に着脱可能に装着され、抽出口部を閉鎖する役割を担う。
一実施形態において、キャップは、熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物により構成される。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエステル、セルロース樹脂ならびにビニル樹脂が挙げられる。リサイクル性という観点から、ポリエチレンが特に好ましい。ポリエチレンとしては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレンが挙げられる。これらの中でも、保型性および開封性という観点から、高密度ポリエチレンが好ましい。ポリエチレンとしては、バイオマスポリエチレン、またはメカニカルリサイクルもしくはケミカルリサイクルされたポリエチレンを使用してもよい。
上記樹脂組成物は、上記添加剤を含有してもよい。
キャップは、図5に示すように、抽出口部25が有する螺条27に螺合するように、キャップ内面に凹溝を有するスクリュータイプのものであってもよく、また、抽出口部25に打栓することにより嵌合される打栓タイプであってもよい。
本開示は、例えば以下の[1]~[11]に関する。
[1]ポリエチレンを主成分として含有する第1の樹脂層と、エチレン-ビニルアルコール共重合体を主成分として含有するバリア性基材と、ポリエチレンを主成分として含有する第2の樹脂層と、を少なくとも備え、前記バリア性基材における前記第1の樹脂層側の面上および/または前記第2の樹脂層側の面上に意匠層をさらに備える、積層体。
[2]前記第1の樹脂層および前記第2の樹脂層が、それぞれ独立に、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンから選択される少なくとも1種を含有する、前記[1]に記載の積層体。
[3]前記第2の樹脂層が、10%以上40%以下の全光線透過率(JIS K7375に準拠して測定)を有するポリエチレンフィルムである、前記[1]または[2]に記載の積層体。
[4]前記第1の樹脂層と前記バリア性基材との間に第1の接着層を備え、前記バリア性基材と前記第2の樹脂層との間に第2の接着層を備える、前記[1]~[3]のいずれかに記載の積層体。
[5]前記第1の樹脂層の厚さが、30μm以上250μm以下であり、前記バリア性基材の厚さが、5μm以上30μm以下であり、前記第2の樹脂層の厚さが、30μm以上250μm以下である、前記[1]~[4]のいずれかに記載の積層体。
[6]前記積層体全体におけるポリエチレンの含有割合が、90質量%以上である、前記[1]~[5]のいずれかに記載の積層体。
[7]チューブ容器本体の胴部を形成するための積層体であって、前記第1の樹脂層が胴部外面側のシーラント層であり、前記第2の樹脂層が胴部内面側のシーラント層である、前記[1]~[6]のいずれかに記載の積層体。
[8]頭部と胴部とを備えるチューブ容器本体であって、前記頭部が、前記胴部の一端に連接した肩部と、前記肩部に連接した抽出口部とを備え、前記胴部が、前記[1]~[7]のいずれかに記載の積層体により構成される、チューブ容器本体。
[9]前記頭部が、ポリエチレンを含有する樹脂組成物により構成される、前記[8]に記載のチューブ容器本体。
[10]前記[8]または[9]に記載のチューブ容器本体と、キャップとを備えるチューブ容器。
[11]前記キャップが、ポリエチレンを含有する樹脂組成物により構成される、前記[10]に記載のチューブ容器。
以下、実施例により本開示の積層体をより具体的に説明するが、本開示の積層体は以下の実施例に限定されるものではない。
[ポリエチレンフィルム]
以下のポリエチレンフィルムを用いた。
・厚さ130μmの帯電防止剤含有ポリエチレンフィルム1(ポリエチレン(密度:0.931g/cm3、MFR:2.1g/10分)および帯電防止剤の混合物を製膜)
・厚さ100μmのポリエチレンフィルム2(ポリエチレン(密度:0.931g/cm3、MFR:2.1g/10分)を製膜)
・厚さ180μmのポリエチレンフィルム3(ポリエチレン(密度:0.931g/cm3、MFR:2.1g/10分)および白色顔料の混合物を製膜、乳白タイプ、全光線透過率:約20%)
・厚さ130μmの帯電防止剤含有ポリエチレンフィルム4(ポリエチレン(密度:0.920g/cm3、MFR:1.9g/10分)および帯電防止剤の混合物を製膜)
・厚さ130μmのポリエチレンフィルム5(ポリエチレン(密度:0.920g/cm3、MFR:1.9g/10分)および白色顔料の混合物を製膜、乳白タイプ、全光線透過率:約20%)
[実施例1]
バリア性基材として、厚さ15μmの二軸延伸EVOHフィルム(クラレ製、エバールEF-XL)を用いた。バリア性基材上に、ウレタン系グラビアインキ(東洋インキ製、NEW-LPスーパー)をグラビア印刷により塗布、乾燥して、厚さ1μmの印刷層を形成した。このようにして、印刷基材を得た。
タンデムドライラミネート機を用いて、印刷基材上に、各層を積層した。具体的には、印刷基材における印刷層の形成面に、ウレタン系2液硬化型接着剤(ロックペイント製、溶剤型接着剤、主剤:RU-80、硬化剤:H-5)を塗布、乾燥し、厚さ3μmの接着剤層を形成すると共に、この接着剤層上に、厚さ180μmのポリエチレンフィルム3(乳白タイプ)を積層した。次に、印刷基材における印刷層の形成面とは反対側の面に、上記ウレタン系2液硬化型接着剤(主剤:RU-80、硬化剤:H-5)を塗布、乾燥し、厚さ3μmの接着剤層を形成すると共に、この接着剤層上に、厚さ130μmの帯電防止剤含有ポリエチレンフィルム1を積層した。以上のようにして、積層体を得た。
積層体は、(最外層)帯電防止剤含有ポリエチレンフィルム1(130μm)、接着剤層(3μm)、二軸延伸EVOHフィルム(エバールEF-XL、15μm)、印刷層(1μm)、接着剤層(3μm)およびポリエチレンフィルム3(乳白タイプ、180μm)(最内層)を順に備える。
[実施例2]
厚さ180μmのポリエチレンフィルム3(乳白タイプ)にかえて厚さ100μmのポリエチレンフィルム2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、積層体を得た。
積層体は、(最外層)帯電防止剤含有ポリエチレンフィルム1(130μm)、接着剤層(3μm)、二軸延伸EVOHフィルム(エバールEF-XL、15μm)、印刷層(1μm)、接着剤層(3μm)およびポリエチレンフィルム2(100μm)(最内層)を順に備える。
[実施例3]
シングルノンソルベントラミネート機を用いて、接着剤としてウレタン系2液硬化型接着剤(ロックペイント製、無溶剤型接着剤、主剤:RN-920、硬化剤:HN-920)を塗布し、厚さ1.5μmの接着剤層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、積層体を得た。
上記無溶剤型接着剤における主剤に含まれる重合体成分の重量平均分子量(Mw)は2,000から2,500の範囲にあり、主剤に含まれる重合体成分の多分散度(Mw/Mn)は2.0から2.5の範囲にあった。
積層体は、(最外層)帯電防止剤含有ポリエチレンフィルム1(130μm)、接着剤層(1.5μm)、二軸延伸EVOHフィルム(エバールEF-XL、15μm)、印刷層(1μm)、接着剤層(1.5μm)およびポリエチレンフィルム3(乳白タイプ、180μm)(最内層)を順に備える。
[実施例4]
タンデム押出ラミネート機を用いて、印刷基材上に、各層を積層した。具体的には、印刷基材における印刷層の形成面とは反対側の面に、アンカーコート剤(東洋モートン製、EL510/CAT-RT80、希釈溶剤:酢酸エチル)を乾燥後の厚さが1μmとなるように塗布、乾燥し、該塗布面に、335℃で溶融させた高圧法低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製、ノバテックLD LC602A、密度:0.919g/cm3、融点:107℃、MFR:8.2g/10分、LDPE)を押し出して厚さ20μmの押出樹脂層を形成すると共に、この押出樹脂層上に、厚さ130μmの帯電防止剤含有ポリエチレンフィルム1を積層した。次に、印刷基材における印刷層の形成面に、上記アンカーコート剤を乾燥後の厚さが1μmとなるように塗布、乾燥し、該塗布面に、335℃で溶融させた上記高圧法低密度ポリエチレン(LC602A)を押し出して厚さ20μmの押出樹脂層を形成すると共に、この押出樹脂層上に、厚さ180μmのポリエチレンフィルム3(乳白タイプ)を積層した。以上のようにして、積層体を得た。
積層体は、(最外層)帯電防止剤含有ポリエチレンフィルム1(130μm)、押出樹脂層(20μm)、アンカーコート層(1μm)、二軸延伸EVOHフィルム(エバールEF-XL、15μm)、印刷層(1μm)、アンカーコート層(1μm)、押出樹脂層(20μm)およびポリエチレンフィルム3(乳白タイプ、180μm)(最内層)を順に備える。
[比較例1]
バリア性基材として、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に蒸着膜が形成された蒸着フィルム(大日本印刷製、IB-PET-WUB)を用いた。バリア性基材の蒸着膜上に、ウレタン系グラビアインキ(東洋インキ製、NEW-LPスーパー)をグラビア印刷により塗布、乾燥して、厚さ1μmの印刷層を形成した。このようにして、印刷基材を得た。
タンデムドライラミネート機を用いて、印刷基材上に、各層を積層した。具体的には、印刷基材における印刷層の形成面に、ウレタン系2液硬化型接着剤(ロックペイント製、溶剤型接着剤、主剤:RU-004、硬化剤:H-1)を塗布、乾燥し、厚さ3μmの接着剤層を形成すると共に、この接着剤層上に、厚さ130μmのポリエチレンフィルム5(乳白タイプ)を積層した。次に、印刷基材における印刷層の形成面とは反対側の面に、上記ウレタン系2液硬化型接着剤(主剤:RU-004、硬化剤:H-1)を塗布、乾燥し、厚さ3μmの接着剤層を形成すると共に、この接着剤層上に、厚さ130μmの帯電防止剤含有ポリエチレンフィルム4を積層した。以上のようにして、積層体を得た。
積層体は、(最外層)帯電防止剤含有ポリエチレンフィルム4(130μm)、接着剤層(3μm)、蒸着フィルム(IB-PET-WUB、12μm)、印刷層(1μm)、接着剤層(3μm)およびポリエチレンフィルム5(乳白タイプ、130μm)(最内層)を順に備える。
[チューブ容器の作製]
実施例および比較例で得られた積層体を、ボビンカッターを用いて幅157.3mmの積層体個片に加工し、幅方向の両端を、重ね幅が約1.2mmとなるようにして重ね合わせた後に、重ね合わせた両端同士を120℃、1.0秒、0.1MPaの条件でヒートシールすることにより、筒貼りした円筒状の原反を得た。得られた原反を長さ方向184.2mmとなるように切断して、チューブ容器の胴部となる筒状胴部を作製した。筒状胴部をチューブ容器成形用のマンドレルに装着し、筒状胴部の一方の端部に、円錐台形状の肩部とそれに連続する筒上の抽出口部とからなる頭部を、高密度ポリエチレン(旭化成製 サンテック J345、密度0.956g/cm3)を用いて圧縮成形法により成形し、図5に示すようなチューブ容器本体を作製した。得られたチューブ容器本体の頭部の注出口部は、外径30.4mm、高さ9.5mmであり、注出口部の側面には螺条を設けた。また、肩部の外径は50mmである。次いで、上記高密度ポリエチレンをキャップ成形用の金型内に射出すると共に成形してキャップを作製した。以上のようにして、チューブ容器を得た。
[物性評価]
<チューブ容器の物性評価(シール強度)>
(サイドシーム強度)
上記チューブ容器の胴部を、そのサイドシーム(筒貼箇所)に対して垂直方向に15mm幅で帯状にカットして、試験片を得た。JIS K6854-2に準拠して、この試験片を引張試験機(オリエンテック社製、STA-1150)にて試験速度300mm/minで引っ張り、試験片が破断する際の強度(サイドシーム強度)を測定した。
(肩部接着強度)
上記チューブ容器の胴部と肩部との接着箇所であって筒貼箇所およびその180°反対箇所の2箇所を、裾部方向に15mm幅で帯状にカットして、試験片を得た。この試験片を引張試験機(オリエンテック社製、STA-1150)にて試験速度300mm/minで引っ張り、胴部が肩部から剥離する際の剥離強度を測定した。
<ループ評価>
東洋精機株式会社製の商品名「LOOP STIFFNESS TESTER」を測定装置として用いた。実施例および比較例で得られた積層体を、それぞれ、幅15mm、長さ100mm(製膜時の流れ方向:MD、製膜時の流れ方向に垂直する方向:TD)のサイズに裁断して、測定サンプルとした。次に、測定サンプルの最内層が内側となるようにして、測定サンプルの両端部をクリップに挟んで固定し長さ方向の中央部分において、ループ長さが70mmの円形ループを形成した。得られた円形ループをクリップの反対側から押込み速度3.3mm/secで押込み、荷重レンジが5000mNとなるのに要する荷重をループスティフネス値とした。
<耐圧試験>
上記チューブ容器にラックススーパーリッチトリートメント(ユニリーバ・ジャパン製)180gを充填して、60kgfかつ1分間の荷重をかけ、チューブ容器からの内容物の漏れの有無を確認した。
<モノマテリアル>
実施例および比較例で得られた積層体の各層を構成する材料の比重と各層の厚さとから、ポリエチレンの含有割合(モノマテリアル率)を算出した。また、実施例および比較例で得られた積層体について、CEFLEXのガイドラインに準拠して、モノマテリアルの判断を行った。CEFLEXのガイドラインに適合している場合を「〇」、適合していない場合を「×」と評価した。
Figure 2023132346000002
1 :積層体
2 :第1の樹脂層
4 :基材
4a:意匠層
6 :第2の樹脂層
8A:第1の接着層
8B:第2の接着層
20:チューブ容器
21:チューブ容器本体
22:頭部
23:胴部
24:肩部
25:抽出口部
26:キャップ
27:螺条
28:溶着部
29:底シール部

Claims (11)

  1. ポリエチレンを主成分として含有する第1の樹脂層と、
    エチレン-ビニルアルコール共重合体を主成分として含有するバリア性基材と、
    ポリエチレンを主成分として含有する第2の樹脂層と、
    を少なくとも備え、
    前記バリア性基材における前記第1の樹脂層側の面上および/または前記第2の樹脂層側の面上に意匠層をさらに備える、積層体。
  2. 前記第1の樹脂層および前記第2の樹脂層が、それぞれ独立に、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンから選択される少なくとも1種を含有する、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記第2の樹脂層が、10%以上40%以下の全光線透過率(JIS K7375に準拠して測定)を有するポリエチレンフィルムである、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記第1の樹脂層と前記バリア性基材との間に第1の接着層を備え、
    前記バリア性基材と前記第2の樹脂層との間に第2の接着層を備える、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記第1の樹脂層の厚さが、30μm以上250μm以下であり、
    前記バリア性基材の厚さが、5μm以上30μm以下であり、
    前記第2の樹脂層の厚さが、30μm以上250μm以下である、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 前記積層体全体におけるポリエチレンの含有割合が、90質量%以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載の積層体。
  7. チューブ容器本体の胴部を形成するための積層体であって、前記第1の樹脂層が胴部外面側のシーラント層であり、前記第2の樹脂層が胴部内面側のシーラント層である、請求項1~6のいずれか一項に記載の積層体。
  8. 頭部と胴部とを備えるチューブ容器本体であって、
    前記頭部が、前記胴部の一端に連接した肩部と、前記肩部に連接した抽出口部とを備え、前記胴部が、請求項1~7のいずれか一項に記載の積層体により構成される、
    チューブ容器本体。
  9. 前記頭部が、ポリエチレンを含有する樹脂組成物により構成される、請求項8に記載のチューブ容器本体。
  10. 請求項8または9に記載のチューブ容器本体と、
    キャップと
    を備えるチューブ容器。
  11. 前記キャップが、ポリエチレンを含有する樹脂組成物により構成される、請求項10に記載のチューブ容器。
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