JP2023130710A - 発光装置及び複合粒子の製造方法 - Google Patents

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Teppei Kunimune
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Abstract

【課題】光反射率の高い無機材料を用いた発光装置及び複合粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】発光装置は、支持体を構成する第1リード2と、支持体の上面に配置される光源である発光素子10と、光源が配置されている部分を除く支持体の上面を覆う第1被覆部材51と、第1被覆部材51及び光源を覆う第2被覆部材52と、を備え、第1被覆部材51は、複合粒子80が第1樹脂中に含有されており、複合粒子80は、無機材料からなる充填材81と、光反射材82と、充填材81と光反射材82とを結合する結合材83と、を含んでおり、第1被覆部材51は、複合粒子の濃度が高い高濃度層51aと、複合粒子の濃度が高濃度層51aよりも低い低濃度層51bと、に分かれており、高濃度層51aは支持体の上面側に配置されており、低濃度層51bは第2被覆部材52側に配置されており、低濃度層51bは、複合粒子80が実質的に含有されていない。
【選択図】図1

Description

本開示は、発光装置及び複合粒子の製造方法に関する。
発光装置は、発光素子からの光を効率良く外部に放出させるため、発光素子が配置されているパッケージに光反射率の高い材料が用いられる。発光装置は、凹部を有するパッケージと、凹部の上面に配置されるLEDやLD等の発光素子と、凹部内に配置される蛍光体を含む樹脂組成物と、を備える。このような発光装置は、照明、液晶表示装置のバックライト、車載ライト、プロジェクター用光源等として用いられている。
光反射率の高い無機材料、例えば酸化チタンは、その性能を向上又は改善するために、他の物質又は大きさの異なる同質の物質と複合化させた複合粒子として使用される場合がある。例えば特許文献1には、金属酸化物からなる母粒子粉末と、母粒子粉末よりも粒径の小さい子粒子粉末と、熱可塑性樹脂粉末又は熱硬化性樹脂粉末等とを含む混合物に機械的エネルギーを加えて複合粒子粉末の前駆体を得て、この複合粒子前駆体を焼成して、得られた粉末状の複合粒子が開示されている。
特開2006-127951号公報
本開示の一態様は、光反射率の高い無機材料を用いた発光装置及び複合粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本開示は、以下の態様を包含する。
本発明の第1の態様は、支持体と、前記支持体の上面に配置される光源と、前記光源が配置されている部分を除く前記支持体の上面を覆う第1被覆部材と、前記第1被覆部材及び前記光源を覆う第2被覆部材と、を備え、前記第1被覆部材は、複合粒子が第1樹脂中に含有されており、前記複合粒子は、無機材料からなる充填材と、前記充填材よりも光反射率の高い無機材料からなる光反射材と、前記充填材と前記光反射材とを結合する無機バインダー由来の結合材と、を含んでおり、前記第1被覆部材は、前記複合粒子の濃度が高い高濃度層と、前記複合粒子の濃度が前記高濃度層よりも低い低濃度層と、に分かれており、前記高濃度層は前記支持体の上面側に配置されており、前記低濃度層は前記第2被覆部材側に配置されており、前記低濃度層は、前記複合粒子が実質的に含有されていない、発光装置である。
本発明の第2の態様は、無機材料からなる充填材と、前記充填材よりも光反射率の高い無機材料からなる光反射材と、無機バインダーと、を混合して混合スラリーを得ることと、得られた前記混合スラリーを加熱して前記充填材と前記光反射材と無機バインダー由来の結合材とを含む集合体を得ることと、前記集合体に液体を加えて沈殿物を得ることと、前記沈殿物を乾燥して、前記充填材と前記光反射材を前記無機バインダー由来の結合材で結合してなる複合粒子を得ることと、を含む複合粒子の製造方法である。
本発明の一態様によれば、光反射率の高い無機材料を用いた発光装置及び複合粒子の製造方法を提供することができる。
発光装置の第1例を示す概略断面図である。 第1例の発光装置の一部の概略拡大断面図である。 発光装置の第2例を示す概略平面図である。 発光装置の第2例を示す概略断面図である。 第2例の発光装置の一部の概略拡大断面図である。 複合粒子の製造方法の第1例を示すフローチャートである。 複合粒子の製造方法の第2例を示すフローチャートである。 複合粒子の製造方法の第3例を示すフローチャートである。 複合粒子のSEM写真である。
以下、本開示に係る発光装置及び複合粒子の製造方法を一実施形態に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は、以下の発光装置及び複合粒子の製造方法に限定されない。
発光装置
発光装置は、支持体と、支持体の上面に配置される光源と、光源が配置されている部分を除く支持体の上面を覆う第1被覆部材と、第1被覆部材及び光源を覆う第2被覆部材と、を備える。第1被覆部材は、複合粒子が第1樹脂中に含有されている。複合粒子は、無機材料からなる充填材と、充填材よりも光反射率の高い無機材料からなる光反射材と、充填材と光反射材とを結合する無機バインダー由来の結合材と、を含んでいる。第1被覆部材は、複合粒子の濃度が高い高濃度層と、複合粒子の濃度が高濃度層よりも低い低濃度層と、に分かれており、高濃度層は支持体の上面側に配置されており、低濃度層は第2被覆部材側に配置されており、低濃度層は、複合粒子が実質的に含有されていない。発光装置を構成する支持体の上面に複合粒子を含む第1被覆部材を配置し、かつ、複合粒子を高濃度に配置することで、発光素子から出射された光の内、支持体の下面側に透過する光の量を大幅に減らし、支持体の上面方向への反射光を増加することで、光反射率の高い発光装置を提供することができる。また、複合粒子を用いることにより、第1樹脂中に複合粒子を混ぜた際の粘度を大幅に低減することができ、製造しやすくすることができる。低粘度化することで、第1樹脂中への複合粒子の配合量を増やすことができ、結果として、高濃度層を厚くできたり、高濃度層と低濃度層とに分離し易くできたり、混合し易くできたりすることができる。さらに、複合粒子による所定の厚みの高濃度層を形成すること、無機部材による耐熱・耐光性に富む材料を使用することで、強度の高い、信頼性に優れた発光装置を提供することができる。
後述する製造方法によって製造した複合粒子を用いた発光装置の第1例を図面に基づいて説明する。図1は、発光装置の第1例を示す概略断面図である。
発光装置100は、底面と側面とで画定される凹部を有する支持体である成形体40と、支持体の上面である凹部の底面を構成する第1リード2に配置される光源となる発光素子10と、光源が配置されている部分を除く支持体の上面を覆う第1被覆部材51と、第1被覆部材51及び光源である発光素子10を覆う第2被覆部材52と、を備える。成形体40は、第1リード2及び第2リード3と、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を含む樹脂部42と、が一体的に成形されてなるものである。成形体40は、凹部の底面を構成する第1リード2及び第2リード3が配置され、凹部の側面を構成する樹脂部42が配置されている。樹脂部42によって構成された凹部の側面は、発光装置のリフレクタとしても機能する。成形体40の凹部の底面を構成する第1リード2の上面に発光素子10が接合部材によってダイボンディングされる。発光素子10は、一対の正負の電極を有しており、その一対の正負の電極は、第1リード2及び第2リード3とそれぞれワイヤ6を介して電気的に接続されている。発光素子10は、第2被覆部材52により被覆されている。第2被覆部材52は、発光素子10から発せられる光を波長変換する蛍光体70と第2樹脂86とを含むことが好ましい。蛍光体70は、光源からの光の波長を変換する波長変換部材である。蛍光体70は、それぞれ異なる波長範囲に発光ピーク波長を有する第1蛍光体71と第2蛍光体72を含んでいてもよい。
図2は、図1に示す発光装置の概略断面の一部P1の部分拡大図である。
第1被覆部材51は、複合粒子80が第1樹脂85中に含有されている。複合粒子80は、無機材料からなる充填材81と、充填材81よりも光反射率の高い無機材料からなる光反射材82と、充填材81と光反射材82とを結合する無機バインダー由来の結合材83と、を含んでいる。第1被覆部材51は、複合粒子80の濃度が高い高濃度層51aと、複合粒子80の濃度が高濃度層51aよりも低い低濃度層51bと、に分かれており、高濃度層51aは支持体である成形体40を構成する第1リード2及び第2リード3の上面側に配置されている。低濃度層51bは第2被覆部材52側に配置されている。低濃度層51bは、複合粒子80が実質的に含有されていない。低濃度層51bの複合粒子の濃度に比べて高濃度層51aの複合粒子の濃度は少なくとも質量%で3倍以上の差があり、好ましくは4倍以上の差、さらに好ましくは5倍以上の差がある。
第1被覆部材51は、平面視において、光源である発光素子10が配置されている部分を除く、支持体を構成する第1リード2、第2リード3の上面、及び樹脂部42の内側面の一部を覆っている。発光素子10の側面の支持体側の一部は、高濃度層51aで覆われている。第1リード2の上面、第2リード3の上面、樹脂部42の内側面の一部、及び発光素子10の支持体側の一部の側面が、反射率の高い複合粒子80を多く含む高濃度層51aで覆われているため、発光素子10から発せられた光の反射率を高くすることができ、発光効率を高くすることができる。発光素子10の側面の第2被覆部材52側は、複合粒子80が実質的に含有されていない低濃度層51bで覆われている。発光素子10の側面の全てが複合粒子80を多く含む高濃度層51aで覆われておらず、第2被覆部材52側の発光素子10の側面の一部が、複合粒子80を実質的に含有していない低濃度層51bで覆われている。第2被覆部材52側の発光素子10の側面の一部が、低濃度層51bで覆われていることによって、発光素子10の側面からの光の取り出し効率を向上することができる。
図3は、発光装置の第2例を示す概略平面図である。図4は、図3のIV―IV線における概略断面図を示す。説明のために、図3と図4は、縮尺が異なっている。
発光装置200は、支持体である基体20と、基体20の上面に配置された光源となる発光素子10と、基体20上で発光素子10の周囲を取り囲む枠体90と、枠体90の内部で、発光素子10が配置されている部分を除く基体20の上面を覆う第1被覆部材51と、枠体90の内部で第1被覆部材51及び発光素子10を覆う第2被覆部材52と、を備える。第2被覆部材52は、発光素子10から発せられる光を波長変換する蛍光体70と第2樹脂86とを含むことが好ましい。第2被覆部材52の中央領域の高さは、枠体90の頂部より高くなるように形成されていてもよい。枠体90は、光源である発光素子10からの光の反射率を高めるために白色系の樹脂で形成することが好ましい。発光素子10は、素子基体11と、半導体からなる発光層12と、を備えることが好ましい。発光素子10は、支持体である基体20の上面に素子基体11を配置する。発光素子10はフェイスアップ実装され、隣合う発光素子10どうし、又は、発光素子10が有する電極と第1配線22及び第2配線23と、をワイヤ等の導電部材により電気的に接続している。
枠体90には、保護素子8が埋設されていもよい。保護素子8は、逆電圧が印加された際に発光素子10が破損される事態を回避する。保護素子8は、ツェナーダイオード等を好適に使用することができる。
発光装置200は、平面視において矩形の基体20上に円形の枠体90が設けられ、枠体90内に複数の発光素子10が、略均等な間隔で配置されている。複数の発光素子10の配置間隔は、略均等でなくてもよい。枠体90の形状は、平面視において円形状でもよく、正方形状でもよく、六角形状や八角形状の多角形状でもよく、長方形状でもよく、楕円形状でもよい。
基体20は、絶縁性の基体平面21上に導電部材が形成されていてもよい。この導電部材と発光素子10とを電気的に接続することで配線を行う。基体20の基体平面21上には、第1配線22及び第2配線23が形成されていてもよい。第1配線22及び第2配線23は、導電部材と接続される。第1配線22、第2配線23及び複数の発光素子10の電気的な接続方法は、複数個の発光素子10ごとに1組以上の組に分けて直列接続されてもよく、並列接続されてもよく、並列接続と直接接続とを組み合わせて電気的に接続されてもよい。
基体20を構成する材料は、放熱性に優れた絶縁性の基板であることが好ましい。基板は、例えばアルミナセラミックス基板、窒化アルミセラミックス基板等のセラミックス基板、ガラスエポキシ基板、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)、ポリフタルアミド(PPA)樹脂等を含む樹脂基板が挙げられる。
枠体90を構成する材料は、樹脂、セラミックス、表面が絶縁コートされた金属体等が挙げれられる。枠体90を構成する樹脂は、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)、ポリフタルアミド(PPA)樹脂等が挙げられる。
発光素子10は、基体20への実装面側とは反対側の電極形成面側を主光取り出し面とし、例えばワイヤを用いて第1配線22及び第2配線23と電気的に接続するフェイスアップ実装が好ましい。これにより発光素子10からの光を効率良く上方に取り出すことができる。つまり、発光素子10は、サファイア等の絶縁性の素子基体11と、半導体からなる発光層12と、から主に構成される。フェイスアップ実装の場合は、素子基体11が下面側に配置され、半導体からなる発光層12が上面側に配置される。発光素子10全体の厚み1に対して、素子基体11の厚みは0.8倍以上であるため、発光層12は、高濃度層51aに含有されている複合粒子80により覆われない。また、発光層12の側面は低濃度層51bが配置されているため、発光層12から出射された光が効率良く横方向や上方向に出射される。むしろ、発光層12よりも素子基体11側に高濃度層51aが配置されているため、発光層12から斜め下方に出射された光を複合粒子80で反射させ、上方に取り出すことができるため、上方への光取り出し効率を向上させることができる。ただし、フェイスアップ実装に限定されず、発光素子10の電極形成面を基体に面するように位置させて、バンプや半田ボールで実装するとともに、電極形成面の反対側を主光取り出し面とするフェイスダウン実装(所謂フリップチップ実装)としてもよい。
発光装置は、平板状の支持体である基体上に複数の発光素子が配置されたCOB(Chip on Board)型の発光装置でもよい。
図5は、図4に示す発光装置200の概略断面の一部P2の部分拡大図である。
第1被覆部材51は、平面視において、光源である発光素子10が配置されている部分を除く、基体20の上面を覆っている。第1被覆部材51は、複合粒子80の濃度が高い高濃度層51aと、複合粒子80の濃度が高濃度層51aよりも低い低濃度層51bと、に分かれている。発光素子10の側面の基体20側の一部は、高濃度層51aで覆われている。発光素子10の側面の基体20側の一部が、反射率の高い複合粒子80を多く含む高濃度層51aで覆われているため、発光素子10から発せられた光の反射率を高くすることができ、発光効率を高くすることができる。発光素子10の側面の第2被覆部材側52の一部は、複合粒子80が実質的に含有されていない低濃度層51bで覆われている。発光素子10の側面の全てが複合粒子80を多く含む高濃度層51aで覆われておらず、発光素子10の側面の第2被覆部材側の一部が複合粒子80が実質的に含有されていない低濃度層51bで覆われていることによって、発光素子10の側面からの光の取り出し効率を向上することができる。
光源
光源には発光素子10を用いることができる。発光素子10は、所望の色調の光を得るために、発光ピーク波長が、420nm以上500nm以下の範囲内にあることが好ましく、420m以上480nm以下の範囲内にあることが好ましい。発光素子の発光スペクトルにおける発光ピークの半値全幅は、例えば、30nm以下とすることが好ましい。半値全幅は、発光スペクトルにおいて、最大の発光強度を示す発光ピーク波長における発光強度に対して50%となる波長幅をいう。
発光素子10は半導体発光素子を用いることが好ましい。半導体発光素子は、発光ダイオード、半導体レーザを用いることができる。光源として半導体発光素子を用いることによって、高効率で入力に対する出力のリニアリティが高く、機械的衝撃にも強い安定した発光装置を得ることができる。光源は、素子基体11と発光層12とを有する半導体発光素子であることが好ましい。発光層12は、半導体を含むことが好ましく、発光層12を構成する半導体としては、例えば窒化物系半導体(InAlGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)が挙げられる。
第1被覆部材
第1被覆部材51は、複合粒子80と第1樹脂85とを含有する。第1樹脂85は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられるが、シリコーン樹脂を好適に使用することができる。
第1被覆部材51は、複合粒子80の濃度の高い高濃度層51aと、複合粒子80の濃度が高濃度層よりも低い低濃度層51bと、に分かれている。第1被覆部材51は、複合粒子80が支持体を構成する基体20側に沈降して、複合粒子80の濃度が高い高濃度層51aと、高濃度層51aよりも複合粒子80の濃度が低い低濃度層51bと、に分かれてもよい。高濃度層51aは、複合粒子80が沈降して、高濃度に配置された層であってもよい。低濃度層51bは、複合粒子80が支持体を構成する基体20側に沈降することによって上方に形成された複合粒子80を実質的に含まない層である。第1被覆部材51の低濃度層51bは、複合粒子80が実質的に含有されてない。第1被覆部材51の低濃度層51bに複合粒子80が実質的に含有されてないとは、低濃度層51bに複合粒子80が確認できないことをいう。言い換えれば、低濃度層51bは、複合粒子80の存在が確認できない部分をいう。
第1被覆部材51は、420nm以上480nm以下の波長範囲内の光に対する反射率が51%以上であることが好ましい。第1被覆部材51の420nm以上480nm以下の波長範囲内の光に対する反射率が51%以上であれば、光源として発光素子10を用いた場合に、発光素子10から発せられる光を反射し、発光効率を高くすることができる。特定の波長範囲内の光に対する反射率は、分光光度計(例えば株式会社村上色彩技術研究所製)を用いて、特定の発光ピーク波長を有する光の反射率を測定することができる。
第1被覆部材51の厚みに対して、高濃度層51aの厚みは0.1倍以上0.8倍以下の範囲内であることが好ましく、0.2倍以上0.7倍以下の範囲内でもよく、0.3倍以上0.6倍以下の範囲内でもよい。第1被覆部材51の厚みに対して、高濃度層51aの厚みが0.1倍以上0.8倍以下であると、反射率の高い複合粒子80を多く含む高濃度層51aで支持体を構成する基板20の上面を覆い、発光素子10から発せられた光を反射率の高い複合粒子80で反射させて、発光効率を高くすることができる。第1被覆部材51の厚みに対して、高濃度層51aの厚みを差し引いた残部が低濃度層51bの厚みとなり、発光素子10の側面の第2被覆部材52側の一部が、複合粒子10を実質的に含有しない低濃度層51bで覆われていることによって、発光素子10の側面からの光の取り出し効率を向上することができる。第1被覆部材51の厚みは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscop)で第1被覆部材51の断面を観察し、観察可能な断面の3箇所の厚みの平均値とする場合がある。また、高濃度層51aの厚みは、SEMで第1被覆部材51の断面を観察し、3箇所の高濃度層51aの厚みの平均値とする場合がある。
光源が、半導体からなる発光層を有する半導体発光素子であるときに、支持体を構成する基体から発光層までの高さよりも、第1被覆部材の高濃度層の厚みが小さいことが好ましい。支持体から半導体発光素子の発光層までの高さよりも、第1被覆部材の高濃度層の厚みが小さいと、半導体発光素子の発光層の側面が、第1被覆部材の高濃度層で覆われることなく、低濃度層で覆われることによって、半導体発光素子の発光層からの光の取り出し効率を向上することができる。
図5に示す発光装置200の概略断面の一部P2の部分拡大図を参照にして説明する。発光素子はフェイスアップ実装されている。支持体である基体20の上面(基体平面21)から発光層12までの高さT1、すなわち素子基体11の厚みT1よりも、第1被覆部材51の高濃度層51aの厚みTaが小さいことが好ましい。
第1被覆部材51の高濃度層51aが、複合粒子80が支持体側に沈降して形成された層である場合、複合粒子80が沈降して形成された高濃度層51aと複合粒子80を実質的に含有しない低濃度層51bとの境界は、支持体を構成する基体20に対して水平な平面又は断面視において支持体を構成する基体20と水平な直線とならない場合がある。第1被覆部材51の高濃度層51aが、複合粒子80が支持体を構成する基体20側に沈降して形成された層である場合、複合粒子80が沈降して形成された高濃度層51aと複合粒子80を実質的に含有しない低濃度層51bの間に界面が存在しなくてもよい。高濃度層51aと低濃度層51bとが連続していてもよい。
第1被覆部材の低濃度層は、複合粒子が実質的に含有されていない構成とすることもできる。第1被覆部材の低濃度層に複合粒子が実質的に含有されてないとは、低濃度層に複合粒子が1質量%以下であることをいう。好ましくは、低濃度層は、複合粒子の存在が確認できない部分をいう。第1被覆部材の低濃度層には、光反射材が含有されていてもよい。後述するように、複合粒子に含まれる光反射材は、充填材よりも粒径が小さく、質量が軽い。第1被覆部材の高濃度層が複合粒子が支持体側に沈降して高濃度に配置された層である場合、複合粒子から剥がれた光反射材が、低濃度層に残存する場合がある。
第2被覆部材
第2被覆部材52は、波長変換部材が第2樹脂86に含まれていることが好ましい。波長変換部材は、蛍光体70が挙げられる。蛍光体70は、光源からの光を波長変換して、光源から発せられる光の発光ピーク波長とは異なる範囲に発光ピーク波長を有する光を発する。蛍光体70は、光源からの光を波長変換して、それぞれ異なる波長範囲に発光ピーク波長を有する2種以上の蛍光体71、72を含んでいてもよい。第2樹脂86は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。第2樹脂は、シリコーン樹脂を好適に使用することができる。第2樹脂86は、第1樹脂85と同一の樹脂でもよく、第1樹脂85とは異なる樹脂でもよい。
複合粒子
複合粒子80は、無機材料からなる充填材81と、充填材81よりも光反射率の高い無機材料からなる光反射材82と、充填材81と光反射材82とを結合する無機バインダー由来の結合材83と、を含む。複合粒子80に含まれる充填材81、光反射材82及び結合材83は、いずれも無機材料からなるため、樹脂等の有機物質と比較して劣化を抑制することができる。また、複合粒子80は、充填材81の周囲に光反射材82が結合材83によって結合されている。複合粒子80は、充填材81又は光反射材82よりも、粒径が大きくなり、比重が大きくなる。このため、複合粒子80は、例えば第1樹脂85と混合した場合に、自重により自然に沈降しやすく、又は遠心力により強制的に沈降しやすく、沈降した側に複合粒子80の濃度の高い層を形成しやすい。また、充填材81の平均粒径が、光反射材82の平均粒径よりも大きい場合、充填材81の表面の少なくとも一部に結合材83を介して光反射材82が配置され、光反射材82の高い光反射率を維持しながら、単位体積当たりの比表面積が光反射材82の比表面積よりも小さい複合粒子80を得ることができ、例えば第1樹脂85に添加した場合に樹脂組成物の粘度の上昇を抑制することができる。複合粒子80を強制的に沈降させた場合、自然沈降させた場合に比べて、高濃度層51aの厚みを薄くすると共に、複合粒子80の密度を高くすることができる。これにより、発光素子10の発光層12と高濃度層51aとの距離を所定の距離に保てることとなり、光取り出し効率を高めることができる。また、高濃度層51aにおける複合粒子80の密度を高くすることができるため、発光素子10から支持体を構成する基体20への光透過を低減することができ、高濃度層51aにおける反射効率を高めることができる。さらに、高濃度層51aの高さを一定の範囲とし、高濃度層51aの上面を平坦にすることもできる。これにより配向バラツキを低減することができる。
複合粒子80は、充填材81の表面の少なくとも一部に、結合材83を介して光反射材が82配置される。複合粒子80は、充填材81の表面における光反射材82及び結合材83の被覆率が5%以上95%以下の範囲内であることが好ましい。複合粒子80において、充填材81の表面における光反射材82及び結合材83の被覆率は、より好ましくは10%以上90%以下の範囲内であり、さらに好ましくは15%以上85%以下の範囲内であり、特に好ましくは20%以上80%以下の範囲内である。複合粒子80が、充填材81の表面の少なくとも一部に結合材83を介して光反射材82が配置され、充填材81の表面における光反射材82及び結合材83の被覆率が5%以上95%以下の範囲内であれば、光反射材82の高い光反射率を維持しながら、光反射材82の性能を改善することができる。例えば、複合粒子80は、単位体積当たりの比表面積が、光反射材82の比表面積よりも小さくなり、例えば第1樹脂85に添加した場合に樹脂組成物の粘度の上昇を抑制することができる。また、複合粒子80を例えば第1樹脂85に添加した場合に、複合粒子80を含む樹脂組成物を硬化させてなる硬化物の強度を向上させることができる。本明細書において、被覆率は、充填材81の総表面積に対する光反射材82及び結合材83が配置された面積の割合として算出することができる。具体的には、複合粒子80の被覆率は、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で複合粒子80を観察し、任意に20個の粒子を選択して、複合粒子80の表面積に対する、複合粒子80の表面において観察できる光反射材82及び結合材83が配置された面積の総和の比率を被覆率として算出することができる。
充填材
無機材料からなる充填材81は、透光性の金属酸化物であることが好ましい。充填材81は、例えば二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ガラス、炭酸カルシウム、粘土鉱物等が挙げられる。粘土鉱物は、タルク、カオリン、パイロフィライト等が挙げられる。無機材料からなる充填材81は、二酸化ケイ素であることが好ましい。本明細書において、透光性とは、入射した光に対して拡散性を示すことも包含され、「透明」であることに限定されない。具体的には、「透光性」とは、420nm以上800nm以下の波長範囲内に発光ピーク波長を有する光の透過率が、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。透過率は、反射率と相互に関係し、屈折率が2.0以下であれば、反射率が40%未満となり、420nm以上800nm以下の波長範囲内に発光ピーク波長を有する光の透過率が60%以上となる。充填材81の透過率は、充填材81の構成材料から成る厚み1mm程度の板材を用いて、透過率測定装置により測定することができる。
充填材81のレーザー回折粒度分布測定法で測定した平均粒径Dfは、0.5μm以上30μm以下の範囲内であることが好ましい。充填材81の平均粒径Dfは、より好ましくは0.7μm以上25μm以下の範囲内であり、さらに好ましくは0.8μm以上20μm以下の範囲内であり、特に好ましくは1μm以上15μm以下の範囲内であり、3μm以上12μm以下の範囲内でもよい。充填材81の平均粒径Dfが0.5μm以上30μm以下の範囲内であれば、充填材81と光反射材82と無機バインダー由来の結合材83からなる複合粒子80を第1樹脂85に添加した樹脂組成物を硬化させてなる硬化物の強度を向上することができる。充填材81の平均粒径Dfは、カタログに記載された数値でもよい。
充填材81の屈折率Rfは、1.0以上2.0以下の範囲内であることが好ましく、1.1以上2.0以下の範囲内であることがより好ましく、1.2以上2.0以下の範囲内であることがさらに好ましい。充填材81の屈折率Rfが1.0以上2.0以下の範囲内であれば、充填材81の表面に結合材83を介して配置した光反射材82の反射率を維持することができる。
光反射材
光反射材82は、無機材料からなる充填材81よりも光反射率の高い、金属酸化物であることが好ましい。光反射材82は、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル等が挙げられる。光反射材82は、二酸化チタンであることが好ましい。二酸化チタンは、アナターゼ型の二酸化チタン又はルチル型の二酸化チタンが挙げられる。光反射材は、ルチル型の二酸化チタンであることがより好ましい。例えば充填材81が、屈折率が1.47程度の二酸化ケイ素である場合には、二酸化ケイ素よりも光反射率が高く、屈折率が高い二酸化チタンであることが好ましい。
光反射材82の屈折率Rrは、充填材81の屈折率よりも高い。光反射材82の屈折率Rrは、好ましくは2.0を超えて3.5以下の範囲内であり、より好ましくは2.0を超えて3.0以下の範囲内である。光反射材82の屈折率Rrが2.0を超えて3.5以下の範囲内であれば、充填材81の表面に結合材によって結合された光反射材82の高い光反射率を維持しながら、複合粒子80を第1樹脂85に添加した樹脂組成物の粘度上昇を抑制し、樹脂組成物からなる硬化物の強度を向上させることができる複合粒子80を得ることができる。
充填材81の屈折率Rfに対する光反射材82の屈折率Rrの比Rr/Rf(以下、「屈折率比Rr/Rf」とも称する。)は、1.5以上であることが好ましく、より好ましくは1.6以上、さらに好ましくは1.7以上であり、3.5以下である。充填材81の屈折率Rfに対する光反射材82の屈折率Rrの屈折率比Rr/Rfが1.5以上であれば、充填材81の表面に結合材によって結合された光反射材82の高い光反射率を維持しながら、光反射材82の性能を改善した複合粒子80を得ることができる。
光反射材82のレーザー回折粒度分布測定法で測定した平均粒径Drは、0.5μm未満であることが好ましい。光反射材82の平均粒径Drは、より好ましくは0.005μm以上0.5μm未満の範囲内であり、さらに好ましくは0.01μm以上0.45μm以下の範囲内であり、特に好ましくは0.015μm以上0.40μm以下の範囲内である。光反射材82の平均粒径Drが0.5μm未満であれば、充填材81の表面の少なくとも一部に結合材83を介して光反射材82が配置された場合に、光反射材82の高い光反射率を維持しながら、単位体積当たりの比表面積が光反射材82の比表面積よりも小さい複合粒子80を得ることができ、複合粒子80を例えば第1樹脂85に添加した場合に樹脂組成物の粘度の上昇を抑制することができる。光反射材82の平均粒径Drは、カタログに記載された数値でもよい。
充填材81の平均粒径Dfに対する光反射材82の平均粒径Drの粒径比Dr/Dfが0.25以下であることが好ましい。充填材81と光反射材82の粒径比Dr/Dfはより好ましくは0.2以下、さらに好ましくは0.1以下、特に好ましくは0.08以下であり、0.0001以上であり、0.0002以上でもよく、0.001以上でもよい。充填材81の平均粒径Dfに対する光反射材82の平均粒径Drの粒径比Dr/Dfが0.25以下であれば、充填材81の表面の少なくとも一部に結合材83を介して光反射材82が配置された場合に、光反射材82の高い光反射率を維持しながら、単位体積当たりの比表面積が光反射材82の比表面積よりも小さい複合粒子80を得ることができ、複合粒子80を例えば第1樹脂85に添加した場合に樹脂組成物の粘度の上昇を抑制することができる。
無機バインダー由来の結合材
充填材81と光反射材82とを結合する結合材83に用いられる無機バインダーは、セラミックス前駆体を含む。セラミックス前駆体は、ポリシラノール、ポリシラザン、ポリシロキサン及びケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも一種のシリカ前駆体であることが好ましい。ポリシラノールは、シロキサン(Si-O-Si)結合を含む化合物であり、熱処理によって、Siに結合している水酸基及びアルコキシ基が外れて、二酸化ケイ素となり、充填材81及び光反射材82を結合する結合材83となる。また、ポリシラザンは、SiH-NHの結合を含む化合物であり、大気中又は水蒸気含有雰囲気で熱処理することによって、水分や酸素と反応し、二酸化ケイ素となり、充填材81及び光反射材82を結合する結合材83となる。ケイ酸塩は、オルトケイ酸塩、メタケイ酸塩及びピロケイ酸塩が挙げられる。ポリシラザンは、Si又はNにすべて水素が結合したパーヒドロポリシラザンであることが好ましい。結合材83がセラミックス前駆体を含んでいると、後述する熱処理する工程によって、無機バインダーを由来とするセラミックスからなる結合材83が充填材81と光反射材82を結合した複合粒子80が得られる。結合材83は、充填材81と光反射材82との間に存在し、光反射材82が存在しない部位には、結合材83が存在していなくてもよい。すなわち、充填材81の表面の全面に光反射材82と結合材83が存在していなくてもよく、充填材81の表面に光反射材82と結合材83が断続的に存在していてもよい。
無機バインダー由来の結合材83とは、上述のポリシラノールのように結合材となる前は液状であるが、熱処理によって組成の一部の官能基等が外れることによって、別の化学組成の固体、例えば二酸化ケイ素となったものを言う。
結合材83は、無機バインダーであるセラミックス前駆体の他に溶媒を含んでいてもよく、溶媒としては、アセトン、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、プロピレングルコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等が挙げられる。
複合粒子の製造方法
複合粒子80の製造方法は、無機材料からなる充填材81と、充填材よりも光反射率の高い無機材料からなる光反射材82と、無機バインダーと、を混合して混合スラリーを得ることと、得られた混合スラリーを加熱して、充填材81と光反射材82と無機バインダー由来の結合材83とを含む集合体を得ることと、集合体に液体を加えて沈殿物を得ることと、沈殿物を乾燥して、充填材81と光反射材82を無機バインダー由来の結合材83で結合してなる複合粒子80を得ることと、を含む。複合粒子80の製造方法は、液体を加える前に、集合体を解砕して、解砕された集合体を得ること、を含んでいてもよい。
図6は、複合粒子の製造方法の第1例を示すフローチャートである。図6を参照にして複合粒子の製造方法の工程を説明する。複合粒子の製造方法は、無機材料からなる充填材と、充填材よりも光反射率の高い無機材料からなる光反射材と、無機バインダーと、を混合して、混合スラリーを得る工程S101と、得られた混合スラリーを加熱して充填材と光反射材と無機バインダー由来の結合材とを含む集合体を得る工程S102と、集合体に液体を加えて沈殿物を得る工程S104と、沈殿物を乾燥して、充填材と光反射材を無機バインダー由来の結合材で結合してなる複合粒子を得る工程S105と、を含む。無機バインダーは溶媒が含有されていてもよい。
図7は、複合粒子の製造方法の第2例を示すフローチャートである。複合粒子の製造方法は、集合体を得る工程S102において、無機バインダーに含まれる溶媒、又は有機物、水を揮発させるために100℃以下の温度で第1加熱する工程S102aと、無機バインダー由来の結合材とするために100℃を超える温度で第2加熱して集合体を得る工程S102bを含んでいてもよい。
図8は、複合粒子の製造方法の第3例を示すフローチャートである。複合粒子の製造方法は、沈殿物を得る工程S104における液体を加える前に、集合体を解砕して、解砕された集合体を得る工程S103を含んでいてもよい。
混合スラリーを得ること
充填材、光反射材、無機バインダーは、前述の複合粒子と同様のものを用いることができる。混合スラリー中の充填材と光反射材と無機バインダーの質量比率は、混合スラリー中の充填材の含有量が5質量%以上50質量%以下であり、光反射材と無機バインダーの合計の含有量が50質量%以上95質量%以下の範囲内であることが好ましい。混合スラリー中の充填材と光反射材と無機バインダーの質量比率は、充填材の含有量が10質量%以上であり、光反射材と無機バインダーの合計の含有量が90質量%以下であることがより好ましい。混合スラリー中の充填材の含有量が50質量%を超えると、充填材の表面に結合材を介して配置される光反射材の量が少なくなり、高い光反射率を維持することができない。混合スラリー中の充填材の含有量が5質量%未満であると、充填材の量が少なくなり、複合粒子とならない光反射材の量が多くなる。
光反射材と無機バインダーの質量比率は、光反射材と無機バインダーの合計100質量%に対して、光反射材の含有量が10質量%以上90質量%以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは20質量%以上80質量%以下の範囲内であり、さらに好ましくは25質量%以上85質量%以下の範囲内であり、特に好ましくは30質量%以上70質量%以下の範囲内である。光反射材の含有量が10質量%以上90質量%以下の範囲内であれば、充填材の表面に適度に配置された光反射材を無機バインダー由来の結合材で結合し、高い光反射率を維持した複合粒子を得ることができる。
無機バインダーに含まれるセラミックス前駆体の量は、好ましくは0.5質量%以上20質量%以下の範囲内であり、より好ましくは1質量%以上15質量%以下の範囲内である。無機バインダーに含まれるセラミックス前駆体の量が、0.5質量%以上20質量%以下の範囲内であれば、充填材と光反射材と無機バインダーとを混合しやすく、無機バインダーと充填材と光反射材とを含む混合スラリーを形成し、その後加熱することで、充填材の表面に配置された光反射材をセラミックス前駆体由来のセラミックスからなる結合材で結合することができる。セラミックス前駆体の量は、無機バインダーに含まれる固形分量とすることができ、カタログ値を参照にしてもよい。本明細書において、セラミックスは、1000℃以下の温度下において、あらゆる無機非金属材料をいう。
集合体を得ること
充填材と、光反射材と、無機バインダーと、を含む混合スラリーを加熱して、充填材と光反射材と無機バインダー由来の結合材とを含む集合体を得る。混合スラリーの加熱は、無機バインダー中に含まれる溶媒、又は有機物、水を揮発させるために100℃以下の温度で第1加熱することと、無機バインダーに含まれるセラミックス前駆体をセラミックスとし、無機バインダー由来の結合材とするために100℃を超える温度で第2加熱して集合体を得ることと、を含むことが好ましい。
第1加熱は、混合スラリー中の無機バインダーに含まれる溶媒などを揮発させるために行う。第1加熱の温度は、100℃以下であることが好ましく、50℃以上であることが好ましく、90℃以下でもよく、80℃以下でもよい。第1加熱を行う時間は、特に制限されない。例えば5分間以上であればよく、10分間以上でもよく、60分間以内であればよく、30分間以内でもよい。無機バインダーに含まれる溶媒としては、例えばアセトン、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、プロピレングルコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等が挙げられる。第1加熱における雰囲気は、特に制限されず、酸素を含む大気雰囲気でもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気でもよい。第1加熱する工程における圧力は、大気圧(101.3kPa)雰囲気でもよく、90kPa以上大気圧未満の減圧下でもよく、200kPa以下の大気圧を超える雰囲気でもよい。
第2加熱は、無機バインダーに含まれるセラミックス前駆体をセラミックスとし、無機バインダー由来の結合材とするために行う。第2加熱の温度は、100℃を超えることが好ましく、150℃以上でもよく、200℃以上でもよく、500℃以下であることが好ましく、450℃以下でもよく、400℃以下でもよい。第2加熱を行う時間は、5分間以上5時間以内であればよく、10分間以上4時間以内でもよく、30分間以上3時間以内でもよい。第2加熱における雰囲気は、特に制限されず、酸素を含む大気雰囲気でもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気でもよい。第2加熱する工程における圧力は、大気圧(101.3kPa)雰囲気であってもよく、90kPa以上大気圧未満の減圧下でもよく、200kPa以下の大気圧を超える雰囲気でもよい。
解砕した集合体を得ること
複合粒子の製造方法は、集合体に液体を加える前に、集合体を解砕して、解砕した集合体を得ることを含むことが好ましい。本明細書において「解砕」とは、塊状となっている集合体をほぐして細かくすることをいい、解砕物の平均粒径が1000μm以下になっていればよく、解砕物の平均粒径が500μm以下でもよい。解砕物の平均粒径は、おおよその目安となる大きさであり、目視で1000μm以下となっていればよく、解砕物の平均粒径を測定する方法としては、例えばレーザー回折散乱式粒度分布測定法等が挙げられる。解砕物を得る方法としては、例えばガラス板等の板状体を用いて手作業により集合体を圧潰して解砕物を得てもよく、乳鉢と乳棒を用いて集合体を解砕して解砕物を得てもよく、例えばピストンと乳鉢スターラー(例えばピストン・乳鉢スターラーMMPS-T1、アズワン株式会社製)等の装置を用いて集合体を細かく粉状に解砕して解砕物を得てもよい。
沈殿物を得ること
集合体に液体を加えて沈殿物を得る。集合体は液体を加えることによって洗浄されてもよい。集合体に加える液体としては、例えば脱イオン水を用いることができる。集合体に加える液体としては、脱イオン水の他に揮発性の高い液体、例えばアセトン、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、プロピレングルコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等を用いてもよい。集合体に加える液体は、1種でもよく、2種以上でもよい。例えばイソプロピルアルコール等の揮発性の高い液体を集合体に加え、その後、脱イオン水を加え、沈殿物を得てもよい。集合体に液体を加えると、結合材によって充填材と光反射材が結合された複合粒子は、沈殿し、複合粒子を含む沈殿物が得られる。複合粒子となっていない充填材又は光反射材は、上澄み中に含まれるため、上澄みを除去し、複合粒子を含む沈殿物が得られる。
複合粒子を得ること
得られた沈殿物は、脱水、乾燥し、充填材の表面に配置された光反射材が無機バインダー由来の結合材で結合された複合粒子を得ることができる。脱水は、例えばろ紙等を使用して行うことができる。乾燥は、20℃程度の室温で行ってもよく、50℃以上に加熱して行ってもよい。沈殿物の乾燥は、非加熱で真空引きを行ってもよい。沈殿物を加熱する場合には、400℃以下であることが好ましく、350℃以下でもよく、80℃以上でもよく、100℃以上でもよい。沈殿物を加熱する雰囲気は酸素を含む大気雰囲気でもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気でもよい。乾燥を行う雰囲気の圧力は、大気圧(101.3kPa)でもよく、大気圧未満の減圧又は真空でもよい。
発光装置の製造方法
第1例の発光装置の製造方法は、成形体の準備工程と、発光素子の配置工程と、第1被覆部材の配置工程と、第2被覆部材の配置工程と、を含むことが好ましい。成形体として、複数の凹部を有する集合成形体を用いる場合には、第2被覆部材の配置工程後に、各単位領域ごとに分離する個片化工程を含んでいてもよい。各単位領域は、少なくとも1つの凹部を有する領域をいう。詳細は、例えば特開2010-062272号公報の開示を参照することもできる。
成形体の準備工程において、複数のリードを熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を用いて一体成形し、側面と底面とで画定される凹部を有する成形体を準備する。成形体は、複数の凹部を含む集合成形体からなる成形体でもよい。
発光素子の配置工程において、成形体の凹部の底面に発光素子が配置され、発光素子の正負の電極が第1リード及び第2リードにワイヤにより接続される。
第1被覆部材の配置工程において、複合粒子と第1樹脂とを含む第1被覆部材用組成物が、発光素子が配置されている部分を除く、支持体上に配置される。第1例の発光装置において、支持体は、第1リード、第2リード及び樹脂部を備え、凹部を有する成形体で構成されている。第1被覆部材用組成物は、ディスペンサを用いてポッティングにより凹部に配置されてもよい。第1被覆部材用組成物の複合粒子が沈降し、高濃度層が形成される。複合粒子の沈降によって複合粒子を実質的に含まない部分である低濃度層が形成される。複合粒子は、自重によって自然に沈降させてもよく、支持体側が外側になるような回転軸で遠心力をかけて強制的に沈降させてもよい。複合粒子は、充填材と光反射材と無機バインダー由来の結合材を含むため、第1樹脂よりも比重が大きく、粒径も0.5μm以上と大きいため、沈降させやすく、支持体の上面側に配置させやすい。第1被覆部材用組成物中の複合粒子を支持体側に配置させた後、加熱して第1樹脂を硬化させ、高濃度層と低濃度層を有する第1被覆部材を形成することができる。高濃度層と低濃度層は連続していることが好ましい。
第1被覆部材用組成物は、複合粒子と第1樹脂の配合比率が、第1樹脂の100質量部に対して、複合粒子が50質量部以上300質量部以下の範囲内であることが好ましく、100質量部以上250質量部以下の範囲内でもよい。
第2被覆部材の配置工程において、波長変換部材と第2樹脂とを含む第2被覆部材用組成物が、第1被覆部材及び発光素子の上に配置される。第2被覆部材用組成物は、ディスペンサを用いてポッティングにより配置されてもよい。第2被覆部材用組成物に含まれる波長変換部材は、自然に沈降又は遠心力により強制的に沈降させて、第1被覆部材側に配置されてもよい。第2被覆部材用組成物を第1被覆部材及び発光素子上に配置させた後、加熱して第2樹脂を硬化させ、第2被覆部材を形成することができる。
複数の凹部を含む集合成形体からなる成形体を用いた場合は、第2被覆部材形成後に、個片化工程において、複数の凹部を有する集合成形体の各単位領域ごとに分離され、個々の発光装置が製造される。以上のようにして、第1例の発光装置を製造することができる。
第2例の発光装置の製造方法は、基体の準備工程と、発光素子の配置工程と、枠体の形成工程と、第1被覆部材の配置工程と、第2被覆部材の配置工程とを含むことが好ましい。詳細は、例えば特開2014-138185号公報、特開2018-22859号公報の開示を参照することもできる。
基体の準備工程において、絶縁性の基体の上面に配線パターンである第1配線及び第2配線等の導電部材が形成された基体を準備する。本明細書において、準備工程は、基体を購入などにより入手することを含む。
発光素子の配置工程において、基体上に発光素子を配置する。発光素子は、半田や導電性ペースト等の接合部材用いて基体上に形成された導電部材と電気的に接続されていてもよく、ワイヤを用いて電気的に接続されていてもよい。
枠体の形成工程において、樹脂、セラミックス、表面が絶縁コートされた金属体等を用いて枠体を形成する。枠体の形成には、第3樹脂を含む枠体用組成物を用いることで、金型を用いることなく、所望の形状の枠体を形成することができる。第3樹脂は、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)、ポリフタルアミド(PPA)樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。枠体用組成物に含まれる樹脂は、液状であることが好ましく、光の反射率を高めるために白色系の樹脂とするのに、顔料、フィラー等が含まれていてもよい。枠体用組成物は、ディスペンサを用いて、発光素子を囲むように、基体の上面に配置し、加熱処理して第3樹脂を硬化させることで、枠体を形成することができる。
第1被覆部材の配置工程において、第1被覆部材用組成物を枠体内に配置すること以外は、第1例の発光装置の製造方法における第1被覆部材の配置工程と同様にして、高濃度層と低濃度層を有する第1被覆部材を形成することができる。
第2被覆部材の配置工程において、第2被覆部材用組成物を枠体内の第1被覆部材及び発光素子上に配置すること以外は、第1例の発光装置の製造方法における第2被覆部材の配置工程と同様にして、第2被覆部材を形成することができる。第2被覆部材用組成物の粘度を調整することで、第2被覆部材の中央領域の高さが枠体の頂部よりも高くなるように、中央部が盛り上がった凸形状に形成することができる。以上のようにして、第2例の発光装置を製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
充填材として二酸化ケイ素粒子(FB―5SDC、デンカ株式会社製発光ピーク波長が450nmの光の透過率:92%、平均粒径Df(μm)、屈折率Rf及び質量(g)は表1に記載の数値である)、光反射材として二酸化チタン粒子(CR-50-2、石原産業株式会社製、平均粒径Dr(μm)、屈折率Rr及び質量(g)は表1に記載の数値である)、無機バインダーとしてポリシラノール(Maxsil10、ラサ工業株式会社製、固形分量:11.2質量%、質量(g)は表1に記載の数値である)を容器に計量し、自転・公転ミキサーにて600rpmにて3分間、混合及び撹拌し、次いで1800rpmにて2分間脱泡のサイクルを1サイクル行って撹拌し、混合スラリーを得た。粒径比Dr/Df及び屈折率比Rr/Rfは、表1に記載した。表1に、混合開始時の充填材と光反射材と無機バインダーとの合計100質量%に対する充填材、光反射材、無機バインダーの各質量割合(質量%)を記載した。また、光反射材の質量(g)に対する充填材の質量(g)の質量比率を記載した。
得られた混合スラリーを持手付アルミカップ(5-075-05No2)に3gずつ4皿に入れて、ホットプレートで80℃で30分間、第1加熱した。次いでホットプレートで300℃で30分間、第2加熱して、集合体を得た。
得られた集合体をピストン・乳鉢スターラー(MMPS‐T1、アズワン株式会社製)を用いて1200rpmで30分間解砕し、解砕された集合体を得た。
解砕された集合体を容器に入れてエタノールを適量加え、自転・公転ミキサーにて400rpmにて0.5分間、混合及び撹拌し、次いで1000rpmにて0.5分間遠心沈降のサイクルを1サイクル行って遠心沈降し、上澄みをスポイトで除去することを3回繰り返して行い、沈殿物を得た。3回目は遠心沈降前にナイロンメッシュ(N―No.330T)を通して凝集体を除去した。得られた沈殿物を真空オーブンにて非加熱で30分真空引きし、複合粒子を得た。
第1被覆部材用組成物
第1樹脂としてシリコーン樹脂(OE-7660、東レダウ株式会社製、2液型、1液(A剤)と2液(B剤)を1:20で混合した。質量(g)は表1に記載の数値である)と、得られた複合粒子(質量(g)は表1に記載の数値である。)を容器に計量し、自転・公転ミキサーにて600rpmにて3分間、混合及び撹拌し、次いで1800rpmにて2分間脱泡のサイクルを1サイクル行って撹拌し、第1被覆部材用組成物を得た。表1に第1被覆部材用組成物中の第1樹脂の100質量部に対する複合粒子の配合比率(質量部)を記載した。また、第1被覆部材用組成物中の第1樹脂の質量部に対する複合粒子の配合比率(%)を記載した。表1に記載した。
比較例1
複合粒子を製造せずに、実施例1と同様の第1樹脂(表1に記載の質量(g))に、実施例1と同様の充填材(二酸化ケイ素粒子、質量(g)は表1に記載の数値である)と、実施例1と同様の光反射材(二酸化チタン粒子、質量(g)は表1に記載の数値である)を容器に計量し、実施例1と同様にして、第1被覆部材用組成物を得た。表1に第1被覆部材用組成物中の充填材と光反射材と第1樹脂の合計100質量部に対する充填材と光反射材と第1樹脂の配合比率(質量部)を記載した。また、第1被覆部材用組成物中の第1樹脂の質量部に対する充填材と光反射材の合計の配合比率(%)を記載した。
実施例2
充填材として二酸化ケイ素粒子(ハイプレシカFQ N2N、宇部エクシモ株式会社製、光ピーク波長が450nmの光の透過率:92%、、平均粒径Df(μm)、屈折率Rf及び質量(g)は表1に記載の数値である)、光反射材として二酸化チタン粒子(CR-50-2、石原産業株式会社製、平均粒径Dr(μm)、屈折率Rr及び質量(g)は表1に記載の数値である)、無機バインダーとしてポリシラノール(Maxsil10、ラサ工業株式会社製、固形分量:11.2質量%、質量(g)は表1に記載の数値である)を容器に計量し、自転・公転ミキサーにて400rpmにて1分間、混合及び撹拌のサイクルを1サイクル行って撹拌し、混合スラリーを得た。粒径比Dr/Df、及び、屈折率比Rr/Rfは表1に記載した。
表1に、混合開始時の充填材と光反射材と無機バインダーとの合計100質量%に対する充填材、光反射材、無機バインダーの各質量割合(質量%)を記載した。また、光反射材の質量(g)に対する充填材の質量(g)の質量比率を記載した。
得られた混合スラリーを持手付アルミカップ(5-075-05No2)に3gずつ3皿に入れて、ホットプレートで80℃で30分間、第1加熱した。次いで、ホットプレートで300℃で30分間、第2加熱して集合体を得た。
得られた集合体をピストン・乳鉢スターラー(MMPS-T1、アズワン株式会社製)を用いて1200rpmで20分間解砕し、解砕された集合体を得た。
得られた解砕された集合体を容器に入れてエタノールを適量加え、自転・公転ミキサーにて400rpmにて0.5分間撹拌し、次いで1000rpmにて0.5分間遠心沈降のサイクルを1サイクル行って遠心沈降し、上澄みをスポイトで除去することを3回繰り返して行い、沈殿物を得た。得られた沈殿物を真空オーブンにて非加熱で30分真空引きし、複合粒子を得た。複合粒子は、充填材である二酸化ケイ素の粒子の周囲に、光反射材である二酸化チタンの粒子が、無機バインダー由来の結合材である二酸化ケイ素によって結合していた。
第1被覆部材用組成物
第1樹脂としてシリコーン樹脂(OE-7660、東レダウ株式会社製、2液型、1液(A剤)と2液(B剤)を1:20で混合した。質量(g)は表1に記載の数値である)と、得られた複合粒子(質量(g)は表1に記載の数値である)を容器に計量し、自転・公転ミキサーにて600rpmにて3分間撹拌し、次いで1800rpmにて2分間脱泡のサイクルを1サイクル行って撹拌し、第1被覆部材用組成物を得た。表1に第1被覆部材用組成物中の第1樹脂の100質量部に対する複合粒子の配合比率(質量部)を記載した。また、第1被覆部材用組成物中の第1樹脂の質量部に対する複合粒子の配合比率(%)を記載した。
比較例2
複合粒子を製造せずに、実施例2と同様の第1樹脂(質量(g)は表1に記載の数値である)に、実施例2と同様の充填材(二酸化ケイ素粒子、質量(g)は表1に記載の数値である)と、実施例2と同様の光反射材(二酸化チタン粒子、質量(g)は表1に記載の数値である)を容器に計量し、実施例2と同様にして、第1被覆部材用組成物を得た。
以下の各測定を行った。表1に結果を示す。表1中、「-」の記号は、該当する項目又は数値が無いことを表す。
レーザー回折粒度分布測定法で測定した平均粒径
充填材及び光反射材は、レーザー回折粒度分布測定法を用いたレーザー回折散乱式粒度分布測定装置(MASTER SUZER(マスターサイザー)2000、MALVERN(マルバーン)社製)を用いて、体積基準の累積頻度50%の平均粒径を測定した。
粘度
実施例及び比較例の各第1被覆部材用組成物の粘度を、E型粘度計(TV-33、東機産業株式会社製)を用いて、25℃で、1rpmで回転し、90秒後の粘度を測定した。
反射率
実施例及び比較例の各第1被覆部材用組成物を、スライドガラス上に45μmの厚みとなるように印刷し、80℃で2時間加熱し、その後、150℃で2時間加熱して、第1樹脂を硬化させ、第1被覆部材のサンプルを作製した。実施例の各サンプルは、複合粒子の濃度が高い高濃度層と低濃度層を有していた。実施例の各サンプルは低濃度層側から発光ピーク波長が450nmの光の反射率を、分光光度計(CMS-35SP、村上色彩技術研究所製)を用いて測定した。比較例の各サンプルは、一方の側から発光ピーク波長が450nmの光の反射率を、前述の分光光度計を用いて測定した。
SEM写真
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、実施例1の第1被覆部材に用いた複合粒子のSEM写真を得た。図9は、複合粒子のSEM写真である。
Figure 2023130710000002
実施例1及び2に係る第1被覆部材用組成物は、充填材及び光反射材が結合材で結合された複合粒子を含むため、同一の量の充填材及び光反射材が含まれている比較例1及び2に係る第1被覆部材用組成物よりも粘度が低くなった。
また、実施例1及び2に係る第1被覆部材は、同一の量の充填材及び光反射材が含まれている比較例1及び2に係る第1被覆部材よりも反射率が高くなった。
実施例1及び2に係る第1被覆部材は、複合粒子を含むため、複合粒子が沈降し、支持体側が複合粒子を高濃度に含む高濃度層が形成されるため、反射率が高くなったと推測された。
複合粒子を含む第1被覆部材は、複合粒子が沈降して形成された高濃度層と、実質的に複合粒子を含まない低濃度層とを有するため、高濃度層で発光素子から出射された光を効率良く反射し、低濃度層で発光素子の側面からの光の取り出し効率を向上することができる。第1被覆部材を備える発光装置は、光反射率の高い無機材料の性能をより改善することができる。
図9は、実施例1の第1被覆部材に含まれる複合粒子のSEM写真である。複合粒子80は、充填材81と、充填材81の周囲に充填材81の平均粒径よりも粒径比で0.25以下の小さい光反射材82が、結合材83を介して結合していた。
本発明の一態様の発光装置は、車載用や一般照明、液晶表示装置のバックライト、プロジェクター用光源に用いることができる。
2:第1リード、3:第2リード、6:ワイヤ、8:保護素子、10:発光素子、11:素子基体、12:発光層、20:基体、21:基体平面、22:第1配線、23:第2配線、40:成形体、42:樹脂部、51:第1被覆部材、51a:高濃度層、51b:低濃度層、52:第2被覆部材、70:蛍光体、71:第1蛍光体、72:第2蛍光体、80:複合粒子、81:充填材、82:光反射材、83:結合材、85:第1樹脂、86:第2樹脂、90:枠体、100、200:発光装置。

Claims (18)

  1. 支持体と、
    前記支持体の上面に配置される光源と、
    前記光源が配置されている部分を除く前記支持体の上面を覆う第1被覆部材と、
    前記第1被覆部材及び前記光源を覆う第2被覆部材と、を備え、
    前記第1被覆部材は、複合粒子が第1樹脂中に含有されており、
    前記複合粒子は、無機材料からなる充填材と、前記充填材よりも光反射率の高い無機材料からなる光反射材と、前記充填材と前記光反射材とを結合する無機バインダー由来の結合材と、を含んでおり、
    前記第1被覆部材は、前記複合粒子の濃度が高い高濃度層と、前記複合粒子の濃度が前記高濃度層よりも低い低濃度層と、に分かれており、前記高濃度層は前記支持体の上面側に配置されており、前記低濃度層は前記第2被覆部材側に配置されており、
    前記低濃度層は、前記複合粒子が実質的に含有されていない、発光装置。
  2. 前記第1被覆部材の厚み1に対して、前記高濃度層の厚みは0.1倍以上0.8倍以下の範囲内である、請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記光源は、発光層を有する半導体発光素子であり、
    前記支持体から前記発光層までの高さよりも、前記高濃度層の厚みが小さい、請求項1又は2に記載の発光装置。
  4. 前記低濃度層は、前記光反射材が含有されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 前記高濃度層と前記低濃度層とが連続している請求項1から4のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 前記第1被覆部材は、420nm以上480nm以下の波長範囲内の光に対する反射率が51%以上である、請求項1から5のいずれか1項に記載の発光装置。
  7. 前記第2被覆部材は、波長変換部材が含有される第2樹脂を含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の発光装置。
  8. 前記複合粒子が、前記充填材の表面の少なくとも一部に、前記結合材を介して前記光反射材が配置され、前記充填材の表面における前記光反射材及び前記結合材の被覆率が5%以上95%以下の範囲内である、請求項1から7のいずれか1項に記載の発光装置。
  9. 前記無機バインダーが、ポリシラノール、ポリシラザン、ポリシロキサン及びケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも一種のシリカ前駆体を含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の発光装置。
  10. 前記結合材が二酸化ケイ素である、請求項1から9のいずれか1項に記載の発光装置。
  11. 前記充填材のレーザー回折粒度分布測定法で測定した平均粒径Dfに対する前記光反射材のレーザー回折粒度分布測定法で測定した平均粒径Drの粒径比Dr/Dfが0.25以下である、請求項1から10のいずれか1項に記載の発光装置。
  12. 前記充填材の平均粒径Dfが0.5μm以上30μm以下の範囲内である、請求項1から11のいずれか1項に記載の発光装置。
  13. 前記光反射材の平均粒径Drが0.5μm未満である、請求項1から12のいずれか1項に記載の発光装置。
  14. 前記光反射材の屈折率Rrは、前記充填材の屈折率Rfに対して1.5以上である、請求項1から13のいずれか1項に記載の発光装置。
  15. 前記充填材が二酸化ケイ素である、請求項1から14のいずれか1項に記載の発光装置。
  16. 前記光反射材が二酸化チタンである、請求項1から15のいずれか1項に記載の発光装置。
  17. 無機材料からなる充填材と、前記充填材よりも光反射率の高い無機材料からなる光反射材と、無機バインダーと、を混合して混合スラリーを得ることと、
    得られた前記混合スラリーを加熱して、前記充填材と前記光反射材と無機バインダー由来の結合材とを含む集合体を得ることと、
    前記集合体に液体を加えて沈殿物を得ることと、
    前記沈殿物を乾燥して、前記充填材と前記光反射材を前記無機バインダー由来の結合材で結合してなる複合粒子を得ることと、を含む複合粒子の製造方法。
  18. 前記液体を加える前に、前記集合体を解砕して、解砕された集合体を得ることを含む、請求項17に記載の複合粒子の製造方法。
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