JP2023130472A - 光偏向モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】単純な構造によって光出射面内での出射光を均一化することが可能である光偏向モジュールを提供することを課題の1つとしている。また、単純な構造によって光出射面内における出射光の強度調節が可能な光偏向モジュールを提供することを課題の1つとしている。【解決手段】本発明は、光が導波する導光層と、前記導光層の一方の面上に形成され、かつ前記導光層と反対側の1の面に前記導光層に前記光が入射する光入射面及び前記光が出射する光出射面を有する分布ブラッグ反射鏡層と、を有し、前記光出射面が形成されている領域における前記分布ブラッグ反射鏡層の前記光に対する反射率は、前記光入射面からの距離に応じて変化することを特徴とする光偏向モジュールである。【選択図】図1
Description
本発明は、光偏向モジュールに関する。
近年、半導体レーザ等から出射するレーザ光を偏向させて走査するデバイスに関して、
様々な構造の光偏向モジュールが提案されている。
様々な構造の光偏向モジュールが提案されている。
例えば、特許文献1には、2つのブラッグミラー層に挟持された光導波層を有し、2つのブラッグミラー層のうちの一方のブラッグミラー層の表面を光出射面として、当該光導波層を伝播する光を当該光出射面から出射させる光偏向モジュールが開示されている。
特許文献1の光偏向モジュールには、光導波層を伝搬中の光の減衰による出射光の減少を補完するための発光層が設けられている。
例えば、特許文献1のような光偏向モジュールでは、出射光の減少を防止するために、活性層及び活性層へ電流を供給するための構造を設ける必要があるため、モジュールの構造が複雑になってしまうという問題があった。この構造の複雑さは、例えば、モジュールの生産コスト増加及び歩留まりの低下をもたらし得る。
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、単純な構造によって光出射面内での出射光を均一化することが可能である光偏向モジュールを提供することを課題の1つとしている。また、単純な構造によって光出射面内における出射光の強度調節が可能な光偏向モジュールを提供することを課題の1つとしている。
請求項1に記載の発明は、光が導波する導光層と、前記導光層の一方の面上に形成され、かつ前記導光層と反対側の1の面に前記導光層に前記光が入射する光入射面及び前記光が出射する光出射面を有する分布ブラッグ反射鏡層と、を有し、前記光出射面が形成されている領域における前記分布ブラッグ反射鏡層の前記光に対する反射率は、前記光入射面からの距離に応じて変化することを特徴とする光偏向モジュールである。
以下に本発明の実施例について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
以下、図1を参照して、本願の実施例1に係る光偏向モジュール10の構成を説明する。図1は、実施例1に係る光偏向モジュール10を示す上面図である。
図1に示すように、光偏向モジュール10は、矩形の平面形状を有している。光偏向モジュール10の上面には、光偏向モジュール10内に入射する光の入射面である光入射面IS及び光偏向モジュール10から出射する光の出射面である光出射面ESが設けられている。
図2は、図1の2-2線に沿った断面図である。基板11は、光偏向モジュール10の平面形状と同一の平面形状を有する板状の基板である。具体的には、例えば、基板11は、GaAs基板である。
下部反射層13は、基板11上に基板11の上面に垂直な方向に積層された半導体多層膜によって形成された分布ブラッグ反射鏡(DBR)構造を形成する層である。具体的には、例えば、この下部反射層13は、AlAsの薄膜とGaAsの薄膜とが交互に積層されたAlAs/GaAs半導体多層膜である。
この半導体多層膜の1層当たりの層厚は、光入射面ISから入射させられる入射光ILの波長に基づいて決定される。具体的には、例えば、半導体多層膜の1層当たりの層厚は、入射光ILの層内における波長の1/4の厚さにするのが好ましい。
導光層15は、下部反射層13の上面に設けられ、光入射面ISから入射される光を導波することが可能な層である。具体的には、例えば、導光層15は、GaAsからなる層である。
分布ブラッグ反射鏡層としての上部反射層17は、導光層15上に基板11の上面と垂直な方向に積層された半導体多層膜によって形成された分布ブラッグ反射鏡(DBR)構造を形成する層である。すなわち、上部反射層17が下部反射層13と共に導光層15を挟持している構造となっている。
例えば、この上部反射層17は、AlAsの薄膜とGaAsの薄膜とが交互に積層されたAlAs/GaAs半導体多層膜である。下部反射層13と同様に、上部反射層17の半導体多層膜の1層当たりの層厚は、光入射面ISから入射させられる入射光ILの波長に基づいて決定される。具体的には、半導体多層膜の1層当たりの層厚は、入射光ILの層内における波長の1/4の厚さとするのが好ましい。
上部反射層17は、光偏向モジュール10の長手方向の一方の端部において光偏向モジュールの上方から直方体形状に切り欠かれている切欠き部17Aを有している。切欠き部17Aは、上部反射層17内で終端しており、切欠き部17Aによって露出されており、上方を向いている面が上述の光入射面ISとなっている。
切欠き部17Aが形成されている領域以外の上部反射層17の上面が、上述した光出射面ESとなっている。光出射面ESは、切欠き部17Aから離間する程、基板11の上面に近づいていくような傾斜面を形成している。すなわち、切欠き部17Aから離間する程、上部反射層17の半導体多層膜の層数が少なくなり、上部反射層17の厚みが小さくなっている。
このような傾斜面は、例えば、導光層15上に半導体多層膜を積層した後に、3Dフォトマスク(グレイスケールマスク)を用いたエッチングを行うことで形成することが可能である。
また、基板11の上面に垂直な方向において光出射面ESの下方の領域では、上部反射層17の半導体多層膜の層数が、下部反射層13の半導体多層膜の層数よりも小さくなっている。すなわち、入射光ILに対する反射率が、上部反射層17よりも下部反射層13の方が大きくなっている。一例として、本実施例では、下部反射層13がAlAs/GaAsを一組とした層を40組積層して構成されており、上部反射層17が、最厚部においてAlAs/GaAsを一組とした層を20組積層して構成されている。
以下、下部反射層13、導光層15及び上部反射層17をまとめて光導波路と称する。
図2に示すように、上述した光偏向モジュール10では、光入射面ISから光導波路内に光が入射すると、光導波路内の光は、導光層15の下面及び上面に設けられた下部反射層13及び上部反射層17で反射しながら導光層15内を伝播(導波)する。
上述のように、上部反射層17の光反射率が下部反射層13の光反射率より低くなるように構成されているため、導光層15内を伝播する光のうち、上部反射層17によって反射されずに漏れ出た光が、上部反射層17の上面の光出射面ESから出射する。すなわち、導光層15を伝播する光は、光入射面ISから入射した後、光入射面ISから離れるように伝播するにつれて少しずつ光出射面ESから出射され減衰していく。
ここで、光導波路中における内部の伝搬角θiは、下式(1)で近似的に表される。なお式(1)において、λは入射光の波長、λcは光導波路においてシングルモードで伝播され得る光の最短の波長であるカットオフ波長である。
従って、スネルの法則から、光偏向モジュール10の上部反射層17上面の出射面から出射する光の偏向角θrは、下式(2)で表される。なお式(2)において、nは光導波路の平均的な屈折率である。
上記式からわかるように、本実施例の光偏向モジュール10によれば、光入射面ISに入射させる光の波長を変化させることで、偏向角θrを変化させることができる。
上述のように、本実施例の光偏向モジュール10のように、導光層15を伝播する光が上部反射層17から少しずつ漏れ出て出射するような構成の光偏向モジュールの場合、導光層を伝播する光は少しずつ減衰しつつ伝播していく。そのため、上部反射層17の厚さ、すなわち上部反射層17の半導体多層膜の層数が光出射面ESの下部全体に亘って同一とした場合、光出射面ESから出射する光の強度が光入射面ISから離間する程小さくなってしまう。
本実施例の光偏向モジュール10においては、上述のように、光入射面ISをもたらす切欠き部17Aから離間する程、上部反射層17の半導体多層膜の層数が少なくなり、上部反射層17の厚みが小さくなっている。そのため、光入射面ISから離間すればするほど、上部反射層17の反射率が低くなり、導光層15から漏れ出る光の割合が増加する。この結果、導光層15を伝播する光の減衰に起因する光出射面ESからの出射光の強度の低下を小さくすることが可能である。
図3に、図2に示す断面に沿った領域における光出射面ESからの出射光ELの強度のグラフを示す。このグラフにおいては、横軸を図2の断面に沿った光入射面ISからの距離Lとし、縦軸を出射光ELの強度としている。図3は、光出射面ESに亘って、出射光ELの光強度が一定である場合を示している。
上述のように、本実施例の光偏向モジュール10では、上部反射層17の半導体多層膜の層数を、導光層15を伝播する光の減衰率に応じて、すなわち、光入射面ISからの距離に応じて少なくしている。従って、本実施例の光偏向モジュール10によれば、図3のように、光出射面ESに亘って、出射光ELの強度を一定とすることができる。
なお、図2においては、上部反射層17の上面である光出射面ESの傾きが一定であり、断面において光出射面ESが直線である場合を図示している。しかし、光出射面ESに亘って出射光ELの光強度を一定にする場合、例えば、導光層15を伝播する光の減衰率に応じて、光出射面の傾きが途中で変化してもよい。また、断面において光出射面ESが曲線となっていてもよい。
また、所望の出射光ELの強度分布によって、光入射面ISからの距離に応じて上部反射層17の半導体多層膜の層数を多くしたりする等、任意に変更することも可能である。例えば、所望の出射光ELの強度を、光入射面ISから遠いほど弱くしたい場合には、光入射面ISから離れるほど、上部反射層17の半導体多層膜の層数を多くして上部反射層17の反射率を上げてもよい。
本発明の実施例2の光偏向モジュール20について説明する。実施例2の光偏向モジュール20は、光偏向モジュール20の長手方向において、出射光ELの強度にガウシアン分布をもたせることが意図されているモジュールである。
図4に、図2と同様の断面における光偏向モジュール20の断面図を示す。なお、実施例2の光偏向モジュール20は、上部反射層17の形状が異なる以外、実施例1の光偏向モジュール10と同一の構成を有している。従って、以下の説明においては、上部反射層17以外の説明は省略する。なお、図4においては、実施例1の光偏向モジュール10の光出射面ESの形状を破線で示している。
図4に示すように、光偏向モジュール20では、光出射面ESの形状は、光偏向モジュール10の形状を基準にして、光出射面ESの長手方向における中心線を含みかつ断面に垂直な面CS周辺の領域を中心に基板11に向かって凹んでいる形状としている。すなわち、上部反射層17の厚さ、言い換えれば上部反射層17の反射率が光出射面ESの長手方向における中心の領域において最も小さくなっている。
図5に、図4に示す断面に沿った領域における光出射面ESからの出射光ELの強度のグラフを示す。図3と同様に、このグラフにおいては、横軸を図4の断面に沿った光入射面ISからの距離Lとし、縦軸を出射光ELの強度としている。
上述のように、光偏向モジュール20においては、上部反射層17の厚さを光入射面ISからの距離に応じて小さくし、かつ光出射面ESの形状を、光出射面ESの面CS周辺の領域を中心に凹んでいる形状としている。このようにすることで、図5に示すように、出射光ELの強度分布をガウシアン分布またはそれに近い分布にすることが可能である。
なお、図4に示す断面における光出射面ESの形状は、理想とされるガウシアン分布の形状を上下反転させた形状と実施例1の光出射面ESの傾斜形状を合成することによって求められることとしてもよい。このようにすることで、導光層15における光の減衰を考慮に入れて、図4の断面に沿った方向において対称な出射光ELの分布を得ることが可能である。
上述のように、光偏向モジュール20においては、上部反射層17の反射率が、光入射面ISからの距離に応じかつ光出射面ESから出射する出射光ELの所望の出力強度分布に応じて変化している。
光偏向モジュール20によって実現されるガウシアン分布を有する出射光ELは、伝播してもあまり強度分布が変化しない。そのため、例えば、光偏向モジュール20から出射した後に光検出モジュール等に入射する際にまで、当該入射する光の強度分布が乱れず、当該入射する光によって生成される信号の処理が容易となる。
なお、実施例1と同様に、光偏向モジュール20の光出射面ESの形状も、例えば、導光層15上に半導体多層膜を積層した後に、3Dフォトマスク(グレイスケールマスク)を用いたエッチングを行うことで形成することが可能である。
以下に、本発明の実施例3の光偏向モジュール30について説明する。光偏向モジュール30は、出射光ELの強度に円環状の分布をもたせることが意図されているモジュールである。
図6に、光偏向モジュール30の上面図を示す。なお、実施例3の光偏向モジュール30は、上面形状の縦横のアスペクト比及び上部反射層17の形状が異なる以外、実施例1の光偏向モジュール10と同一の構成となっている。従って、以下の説明においては、上部反射層17以外の説明は省略する。
図6に示すように、光偏向モジュール30の光出射面ESは、中央に凹部形成領域RR(図中破線内)を有している。凹部形成領域RR内には、中心点Pを中心としたドーナツ状(円環状)の凹部RPが形成されている。図6においては、形状が把握しやすいように、凹部が深いところを濃色とし凹部が浅いところを淡色としたグラデーションを施している。
図7に図6の中心点Pを通る7-7線に沿った断面図を、図8に図6の8-8断面に沿った断面図を示す。なお、図7及び図8においては、実施例1の光偏向モジュール10の光出射面ESの形状を破線で示している。
図7及び図8に示すように、光出射面ESの形状は、光偏向モジュール10の形状を基準にして、円環状の凹部RPを設けた形状となっている。
図7に示す断面、すなわち中心点Pを通る断面は、円環状の凹部RPを中心線に沿って切った断面となっている。よって、図7においては、2つの凹部RP1、RP2がこの断面に沿って並んでいるように示されている。また、凹部RP2は、凹部RP1よりも深くなっている。
図8に示す断面は、円環状の凹部RPの端部に近い領域における断面となっている。よって、図8においては、浅い凹部が1つ形成されているように示されている。
図9に、図7に示す断面に沿った領域における光出射面ESからの出射光ELの強度のグラフを示す。図3と同様に、このグラフにおいては、横軸を図7の断面に沿った光入射面ISからの距離Lとし、縦軸を出射光ELの強度としている。
上述のように、光偏向モジュール30においては、上部反射層17の厚さを光入射面ISからの距離に応じて小さくし、かつ光出射面ESに、光出射面ESの中心点Pを中心とした円環状の凹部RPを形成している。すなわち、光偏向モジュール30においては、光出射面ES内において反射率が周囲より低い円環状の領域が形成されている。
このようにすることで、出射光ELの強度分布を円環状の光強度が強い領域及び当該円環状の領域に囲まれた光強度が弱い領域を有する分布にすることが可能である。
なお、図9においては、図7に示す断面形状に応じた2つのピークを有する光強度分布が表されている。また、光入射面ISからより遠い凹部RP2の方が凹部RP1よりも深く形成されている、すなわち凹部RP2が設けられている領域の方が上部反射層17の反射率が低なっている。そのため、導光層15における光の減衰に関わらず、対称な光強度分布が実現されている。
なお、上記円環状の凹部の形状は、理想とされる光強度分布の形状を上下反転させた形状と実施例1の光出射面ESの傾斜形状を合成することによって求められることとしてもよい。このようにすることで、導光層15における光の減衰を考慮に入れて、光出射面ES全体において対称な出射光ELの分布を得ることが可能である。
上述のように、光偏向モジュール30においては、上部反射層17の反射率が、光入射面ISからの距離に応じかつ光出射面ESから出射する出射光ELの所望の出力強度分布に応じて変化している。
光偏向モジュール30によって実現される円環状の分布を有する出射光ELは、レンズの収差による影響をあまり受けない。よって、例えば、光偏向モジュール30から出射された出射光ELをレンズによって集光する場合に、当該集光したビームのスポット径を小さくすることが容易となる。
なお、実施例1及び2と同様に、光偏向モジュール30の光出射面ESの形状も、例えば、導光層15上に半導体多層膜を積層した後に、3Dフォトマスク(グレイスケールマスク)を用いたエッチングを行うことで形成することが可能である。
上記実施例においては、下部反射層13及び上部反射層17をAlAs/GaAsからなる半導体多層膜で形成するとした。しかし、下部反射層13及び上部反射層17を形成する半導体多層膜は、これに限られない。例えば、下部反射層13及び上部反射層17を形成する半導体多層膜は、GaAlAs/GaAsからなる半導体多層膜であってもよい。
また、下部反射層13及び上部反射層17を形成する半導体多層膜は、InGaAsP/InPからなる半導体多層膜であってもよい。なお、半導体多層膜をInGaAsP/InPとする場合は、例えば、基板11の材料をInとし、導光層15の材料をInGaAsPとする。
上述した実施例における種々の構成等は、例示に過ぎず、用途等に応じて、適宜選択することができる。
10、20、30 光偏向モジュール
11 基板
13 下部反射層
15 導光層
17 上部反射層
IS 光入射面
ES 光出射面
11 基板
13 下部反射層
15 導光層
17 上部反射層
IS 光入射面
ES 光出射面
Claims (1)
- 光が導波する導光層と、
前記導光層の一方の面上に形成され、かつ前記導光層に対向する面と反対側の1の面に前記導光層に前記光が入射する光入射面及び前記光が出射する光出射面を有する第1の分布ブラッグ反射鏡層と、
前記導光層の他方の面上に形成された第2の分布ブラッグ反射鏡層と、
を有することを特徴とする光偏向モジュール。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20230712 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20240423 |