JP2023128772A - 重合体組成物、接着剤及び積層体 - Google Patents

重合体組成物、接着剤及び積層体 Download PDF

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【課題】ポリオレフィン基材との密着性に優れた重合体組成物、接着剤及び積層体を提供する。【解決手段】重合体Aと重合体Bとを含む重合体組成物であって、前記重合体Aは、式(1)で表される単量体に由来する構成単位(a1)を有する重合体であり前記重合体Bは、前記重合体A以外のオレフィン系重合体である、重合体組成物。[化1]TIFF2023128772000008.tif23170ただし、式(1)中のjは1~10の整数である。【選択図】なし

Description

本発明は、重合体組成物、接着剤及び積層体に関する。
プロピレン重合体やプロピレン-α-オレフィン共重合体等のポリオレフィンは安価であり、しかも、機械的物性、耐熱性、耐薬品性、耐水性等に優れていることから、広い分野で使用されている。しかしながら、前記ポリオレフィンは、分子中に極性基を持たないため極性が低く、基材への塗装や接着が困難な場合が多く、改善が望まれていた。
前記の課題に関して、ポリオレフィンの成形体の表面を薬剤等で化学的に処理すること、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理等の手法で成形体表面を酸化処理する等の種々の手法が試みられてきている。しかしながら、前記の表面処理方法では、特殊な装置が必要であるばかりでなく、塗装性や接着性の改良効果が必ずしも十分ではなかった。
また、比較的簡便な方法でポリオレフィン、例えばプロピレン系重合体に良好な塗装性や接着性を付与するための工夫として、いわゆる塩素化ポリプロピレンや酸変性プロピレン-α-オレフィン共重合体、酸変性塩素化ポリプロピレン等の変性ポリオレフィンを、ポリオレフィンの成形体表面に表面処理剤、接着剤或いは塗料等として塗布する方法が知られている。変性ポリオレフィンは通常、有機溶媒の溶液、又は水への分散体等の形態で塗布されるが、安全衛生及び環境汚染の面から通常、水分散体が好ましく用いられる。
特許文献1には、樹脂粒子が水に分散してなるエマルジョンを含む熱シール接着剤組成物であって、前記樹脂粒子は、オレフィン系単量体(a-1)から誘導される構成単位を有するオレフィン系重合体(A)と、アクリル系単量体(b)から誘導される構成単位を有するアクリル系重合体(B)とを同一粒子内に含有することを特徴とする熱シール接着剤組成物が記載されている。
特許文献2には、オレフィン系重合体(A)と、カルボキシ基及びヒドロキシル基を除く反応性官能基を含有するラジカル重合性単量体(b1)由来の構成単位を含む重合体(B)とが、水性媒体に分散している水性樹脂分散体が記載されている。
特許文献3には、共役ジエン99~10質量%、1分子中に共役ジエンと共重合可能な二重結合及び特定のアルケニル基を有する化合物1~90質量%、及びビニル芳香族化合物0~50質量%からなる単量体成分を用い、有機アルカリ金属又は有機アルカリ土類金属を成分とする開始剤を用いて重合した、質量平均分子量1万~100万であるゴム状重合体を、共役ジエン部分の二重結合の60~100モル%、前記特定のアルケニル基の0~90モル%を水添した水添ジエン系ゴム(I)の存在下に、ラジカル重合可能な単量体成分(II)をラジカル重合によりグラフト共重合させるゴム強化樹脂の製造方法が記載されている。
特開2001-179909号公報 特開2018-104620号公報 特開平6-313016号公報
特許文献1には、上述した熱シール剤組成物をポリプロピレン基材に使用してもよいことは記載されているが、具体的な例として非極性なポリプロピレン基材への密着性の効果まで言及されておらず、ポリプロピレン基材への密着性については不明であって課題が残る。
特許文献2には、オレフィン系重合体とアクリル系重合体の分散体を使用することでポリプロピレン基材への密着性が良好となることについての記載はあるが、低温下でヒートシールを行った場合の具体的な効果が記載されておらず、ヒートシール性に課題が残る。
特許文献3には、共役ジエンを含むラジカル重合体単量の重合体をゴム強化樹脂重合体として使用することが記載されているが、ポリプロピレン基材への密着性については言及されておらず、ポリプロピレン基材への密着性については不明であって課題が残る。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ポリオレフィン基材との密着性に優れた重合体組成物、接着剤及び積層体を提供することを課題とする。
本発明は以下の態様を含む。
[1] 重合体(A)と重合体(B)とを含む重合体組成物であって、
前記重合体(A)は、式(1)で表される単量体に由来する構成単位(a1)を有する重合体であり、
前記重合体(B)は、前記重合体(A)以外のオレフィン系重合体である、
重合体組成物。
Figure 2023128772000001
ただし、式(1)中のjは1~10の整数である。
[2] 水性分散体である、[1]に記載の重合体組成物。
[3] 前記水性分散体の動的光散乱法で測定した平均粒子径が300nm以下である、[2]に記載の重合体組成物。
[4] 前記式(1)においてjが1又は2である、[1]~[3]のいずれかに記載の重合体組成物。
[5] 前記重合体(A)が前記構成単位(a1)を前記重合体(A)の全質量の10~95質量%含む、[1]~[4]のいずれかに記載の重合体組成物。
[6] 前記重合体(B)がプロピレンに由来する構成単位(b1)を前記重合体(B)の全質量の50~100質量%含む、[1]~[5]のいずれかに記載の重合体組成物。
[7] 重合体(A)と重合体(B)とを含むポリオレフィン基材用の接着剤であって、
前記重合体(A)は、式(1)で表される単量体に由来する構成単位(a1)を有する重合体であり、
前記重合体(B)は、前記重合体(A)以外のオレフィン系重合体である、
ポリオレフィン基材用の接着剤。
Figure 2023128772000002
ただし、式(1)中のjは1~10の整数である。
[8] 前記式(1)においてjが1又は2である、[7]に記載のポリオレフィン基材用の接着剤。
[9] 前記ポリオレフィン基材がポリプロピレン基材である、[7]又は[8]に記載のポリオレフィン基材用の接着剤。
[10] ポリオレフィン基材層と、接着剤層と、金属箔、無機蒸着膜及び熱可塑性重合体からなる群から選択される少なくとも1種をからなる層と、がこの順序で積層された積層体であって、
前記接着材層が、[7]又は[8]に記載のポリオレフィン基材用の接着剤の乾燥物である、
積層体。
本発明によれば、ポリオレフィン基材との密着性に優れた重合体組成物、接着剤及び積層体を提供することができる。
図1は本発明の積層体の厚み方向の断面図である。
以下では本発明の実施形態を説明するが、本発明は後述する実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能である。
[用語の定義]
以下の用語の定義は、本明細書及び特許請求の範囲にわたって適用される。
「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルの総称である。
「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの総称である。
「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基の総称である。
[重合体組成物C]
本発明の重合体組成物(以下「重合体組成物C」とも記す。)は、重合体Aと、重合体Bと、を含む。
<重合体A>
重合体Aは、下記式(1)で表される単量体(以下「単量体a1」又は「化合物a1」とも記す。)に由来する構成単位a1を有する重合体である。
Figure 2023128772000003
式(1)中のjは、繰返し単位数を表す。
式(1)中のjは、1~10の整数であり、重合体Aを合成する際の単量体a1の重合特性の点から、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
重合体Aが有する構成単位a1は1種に限定されず、2種以上であってもよい。
単量体a1としては、例えば、ミルセン(j=1)及びβ-ファルネセン(j=2)が挙げられる。
単量体a1としては、ミルセン又はβ-ファルネセンが好ましく、ミルセンがより好ましい。
重合体Aを合成する際に使用する単量体a1は1種に限定されず、2種以上であってもよい。
重合体Aは、構成単位a1を重合体Aの全質量の10~95質量%含むことが好ましく、16~90質量%含むことがより好ましく、18~85質量%含むことがさらに好ましい。換言すれば、重合体Aにおいて、構成単位a1の質量割合は、重合体Aの全質量100質量%に対して10~95質量%が好ましく、16~90質量%がより好ましく、18~85質量%がさらに好ましい。
重合体Aにおいて構成単位a1の質量割合が重合体Aの全質量の10質量%以上であると、ポリオレフィン基材に対する接着性がより優れたものとなる。
重合体Aにおいて構成単位a1の質量割合が重合体Aの全質量の95質量%以下であると、重合体組成物(C)の貯蔵安定性がより優れたものとなる。
重合体Aは、重合体Aの合成において単量体a1との重合性に優れることから、単量体a1以外のビニル系単量体(以下「ビニル系単量体a2」とも記す。)に由来する構成単位(以下「構成単位a2」とも記す。)を有してもよい。
構成単位a2は1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
ビニル系単量体a2としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリル系単量体;スチレンやα-メチルスチレン等の芳香族系単量体;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド系単量体;(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の単量体が挙げられる。
中でも耐候性、耐溶媒性の点で(メタ)アクリル系単量体、芳香族系単量体が好ましい。
前記(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸-n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸-t-ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等又は炭素原子数6~12のアリール基又はアラルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸-2-アミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸-2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸-3-メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸とポリエチレンオキサイドの付加物等、フッ素原子を含有する炭素原子数1~20のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、例えば(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2-トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸-2-パ-フルオロエチルエチルが挙げられる。
前記芳香族系単量体としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレンが挙げられる。
これらの中でも、ポリプロピレン基材への密着性の点から、ビニル系単量体a2としては、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸-t-ブチル、アクリル酸ブチル、スチレン、及びメタクリル酸シクロヘキシルからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
重合体Aの合成時において用いるビニル系単量体a2は1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
重合体Aは、重合体Bと結合を形成してポリオレフィン基材への密着性が向上する点から、ビニル系単量体a2として、エポキシ基及びヒドロキシ基のうちの1種以上の官能基を有するビニル系単量体由来の構成単位を有することが好ましい。
エポキシ基を含有するビニル系単量体としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、及びメタリル酸グリシジルエーテルが挙げられる。
ヒドロキシ基を有するビニル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、及び(メタ)アクリル酸-4-ヒドロキシブチルが挙げられる。
エポキシ基及びヒドロキシ基のうちの1種以上の官能基を有するビニル系単量体由来の構成単位の質量割合は、重合体Aの合計質量に対して1~30質量%が好ましい。
重合体Aの製造方法としては、例えば、エマルション重合、懸濁重合、溶液重合、及び乳化重合を挙げることができる。これらの中でも単量体の重合性及び操作が簡便な点から、エマルション重合が好ましい。
<重合体B>
重合体Bは、上述した重合体A以外のオレフィン系重合体である。
重合体A以外のオレフィン系重合体は、単量体(a1)以外のオレフィンを主な単量体とする重合体であって、オレフィンの単独重合体及び共重合体等の、重合体A以外のオレフィン系重合体を意味する。なお、「主な単量体」とは、全構成単位のうち50質量%以上の割合である構成単位が由来する単量体をいう。
重合体Bとしては、反応性基を有しないオレフィン系重合体(以下「重合体B1」とも記す。)、及び反応性基を有する変性オレフィン系重合体(以下「重合体B2」とも記す。)等が挙げられる。
ポリオレフィン基材への密着性が向上する点から、重合体Bは、以下の(1)及び(2)を満たすプロピレン系重合体が好ましい。
(1)プロピレン由来の構成単位(以下「構成単位b1」とも記す。)を前記プロピレン系重合体の全構成単位に対して50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上有する。
構成単位b1の割合が前記プロピレン系重合体の全構成単位に対して50~100質量%であると、本発明の重合体組成物のポリオレフィン基材への密着性が向上する。
(2)融点[Tm]が125℃以下であり、好ましくは100℃以下であり、より好ましくは90℃以下である。また、融点[Tm]は、好ましくは60℃以上である。
重合体Bの融点[Tm]は、示差走査熱量計(DSC 220C;セイコーインスツル社製)を使用して測定して得られる値である。具体的には、重合体Bの融点[Tm]の測定は、以下のようにして行う。
重合体Bの試料5±1mgをアルミニウム製のパンに入れアルミニウム製の蓋をし、空のアルミニウム製のパンをリファレンスとして検出器にのせる。200℃まで100℃/分の速度で昇温する。同温度で5分間保持した後、10℃/分の速度で冷却し、-10℃まで0.5秒間隔で熱量を検出する。同温度で1分保持した後10℃/分の速度で200℃まで昇温させ、0.5秒間隔で熱量を検出する。各試料とも冷却過程において発熱ピークが1つ、最後の昇温過程において吸熱ピークが1つ観測されるので、最後の昇温過程におけるピークのピークトップの温度を重合体Bの融点[Tm]とする。
(重合体B1)
重合体B1としては、公知の各種オレフィン系単独重合体及びオレフィン系共重合体(以下、これらを総称して「ポリオレフィン」とも記す。)を用いることができる。なお、単に共重合体という場合はランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。さらに、ポリオレフィンとしては、ポリオレフィンを塩素化した塩素化ポリオレフィンも使用してもよい。塩素化ポリオレフィンの溶剤への溶解性が向上し、加工が易くなる点から、塩素化ポリオレフィンの塩素化度は、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。また、ポリプロピレン基材への密着性が良好になる点から塩素化度は、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
重合体B1としては、例えば、エチレン又はプロピレンの単独重合体、エチレン及びプロピレンの共重合体、エチレン及びプロピレンのうちの1種以上とオレフィン系単量体(エチレン及びプロピレンを除く)との共重合体、オレフィン系単量体(エチレン及びプロピレンを除く)の単独重合体又は共重合体、オレフィン系単量体とビニル系単量体(オレフィン系単量体を除く)との共重合体、オレフィン系単量体と芳香族ビニル系単量体との共重合体及びその水素添加体、並びに共役ジエンブロック共重合体及びその水素添加物が挙げられる。
前記オレフィン系単量体(エチレン及びプロピレンを除く)としては、例えば、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン及び1-オクテン等のα-オレフィン系単量体、並びにシクロペンテン、シクロヘキセン及びノルボルネン等の環状オレフィン系単量体が挙げられる。前記オレフィン系単量体としては、前記オレフィン系単量体(エチレン及びプロピレンを除く)、エチレン及びプロピレンが挙げられる。
前記ビニル系単量体(オレフィン系単量体を除く)としては、例えば、酢酸ビニル及び(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。前記アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルが挙げられる。
前記芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン及びp-アルキルスチレンが挙げられる。
重合体B1の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-ブテン共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、プロピレン-ヘキセン共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化エチレン-プロピレン共重合体、塩素化プロピレン-ブテン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体の水素添加物(SEBS)、及びスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体の水素添加物(SEPS)が挙げられる。
ポリオレフィン基材への密着性が向上する点から、重合体B1としては、プロピレン単独重合体、又はプロピレンとプロピレン以外のα-オレフィン系単量体との共重合体が好ましい。これらは塩素化されていてもよい。重合体B1の具体例としては、プロピレン単独重合体、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、塩素化ポリプロピレン、塩素化エチレン-プロピレン共重合体、及び塩素化プロピレン-ブテン共重合体が挙げられる。
重合体B1としては、プロピレン単独重合体、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体、塩素化ポリプロピレン、塩素化エチレン-プロピレン共重合体、及び塩素化プロピレン-ブテン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、環境負荷を低減できる点から、塩素を含まないプロピレン単独重合体、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体及びエチレン-プロピレン-ブテン共重合体からなる群から選択されス少なくとも1種がより好ましい。
重合体B1は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合体B1の質量平均分子量Mwは、5,000~500,000が好ましい。重合体B1の質量平均分子量Mwの下限値は5,000が好ましく、10,000がより好ましく、20,000がさらに好ましく、30,000が特に好ましい。重合体B1の質量平均分子量Mwの上限値は500,000が好ましく、300,000がより好ましい。重合体B1の質量平均分子量Mwが前記下限値以上であれば、Mwが高いほどべたつき度合いが小さくなり、基材への密着性が増す傾向がある。また、重合体B1の質量平均分子量Mwが前記上限値以下であれば、Mwが低いほど粘度が低くなり、水性分散体の調製が容易になる傾向がある。
重合体B1の質量平均分子量Mwは、GPC(Gel Permeation Chromatography)で測定し、各々のポリオレフィンの検量線で換算して測定することにより求められる値である。具体的には、重合体B1の質量平均分子量Mwの測定は、以下のようにして行う。
重合体B1の試料5mgを10mLのバイアル瓶に採取し、安定剤としてジブチルヒドロキシトルエンの250ppmを含有するテトラヒドロフランを5g添加し、50℃で完全に溶解させる。室温に冷却後、孔径0.45μmのフィルターでろ過し、ポリマー濃度0.1質量%の試料溶液を調製する。次に、カラムとしてTSKgel GMHXL-L(30cm×2本)にガードカラムTSKguardcolumnHXL-Hを連結させて装着した東ソー社製GPC HLC-8020を使用してGPC測定を行う。測定条件としては、試料溶液のインジェクション量:50μL、カラム温度:40℃、溶媒:オルトジクロロベンゼン、溶離液の流量1.0mL/minで測定する。分子量は、標準試料として市販の単分散のポリスチレン標準試料を測定し、標準試料の保持時間と分子量から検量線を作成して重合体B1の質量平均分子量Mwを算出する。
また、重合体B1の融点Tmは125℃以下が好ましい。
重合体B1の融点Tmの上限値は125℃が好ましく、100℃がより好ましく、90℃がさらに好ましい。
また、重合体B1の融点Tmの下限値は、特に限定されないが、50℃が好ましい。
重合体B1の融点Tmが前記上限値以下であれば、乾燥、焼付けに高い温度を必要としないため好ましい。また、重合体B1の融点Tmが前記下限値以上であれば、重合体組成物にベタツキがなく塗料として好適に用いることができる。
重合体B1の融点Tmの測定は、上述した重合体Bの融点の測定方法と同様である。
前記重合体B1の製造方法は、特に限定されないが、例えば、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、配位重合が挙げられ、それぞれリビング重合であってもよい。
また前記配位重合の場合は、例えばチーグラー・ナッタ触媒により重合する方法、シングルサイト触媒により重合する方法が挙げられる。シングルサイト触媒が配位子のデザインにより分子量分布や立体規則性分布をシャープにすることができる点から、シングルサイト触媒による製造方法が好ましい。またシングルサイト触媒としては、例えばメタロセン触媒、ブルックハート型触媒を用いることができる。メタロセン触媒ではC1対称型、C2対称型、C2V対称型、CS対称型等、重合するポリオレフィンの立体規則性に応じて適切な触媒を選択すればよい。
また、重合は溶液重合、スラリー重合、バルク重合、気相重合等いずれの重合形態でもよい。溶液重合やスラリー重合の場合、溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族系炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エステル類、ケトン類、エーテル類等が挙げられる。中でも、単量体の重合性の点から、芳香族系炭化水素、脂肪族系炭化水素、及び脂環式炭化水素が好ましく、トルエン、キシレン、ヘプタン、及びシクロヘキサンがより好ましい。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なおオレフィン系重合体B1は直鎖状であっても分岐状であってもよい。
(重合体B2)
重合体B2としては、重合の際に、オレフィンと反応性基を有するラジカル重合性不飽和化合物とを共重合した共重合体B21、反応性基を有するラジカル重合性不飽和化合物をオレフィン系重合体にグラフト重合したグラフト重合体B22等が挙げられる。
共重合体B21は、オレフィンと、反応性基を有するラジカル重合性不飽和化合物とを共重合して得られ、反応性基を有するラジカル重合性不飽和化合物が主鎖に挿入された共重合体である。共重合体B21としては、例えば、エチレン、プロピレン又は1-ブテン等のα-オレフィンと、アクリル酸又は無水マレイン酸等のα、β-不飽和カルボン酸若しくはそれらの無水物とを共重合した共重合体B21aが挙げられる。共重合体B21aの具体例としては、エチレン-アクリル酸共重合体及びエチレン-アクリル酸エステル-無水マレイン酸共重合体が挙げられる。共重合体B21aは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。共重合体B21の製造方法は重合体B1で記載した方法を同様に用いることができる。
グラフト重合体B22は、オレフィン系重合体に、反応性基を有するラジカル重合性不飽和化合物をグラフト重合することにより得られる。前記反応性基としては、例えば、カルボキシ基、アミノ基、エポキシ基、イソシアナト基、スルホニル基、及びヒドロキシ基が挙げられる。中でも好ましい反応性基は、カルボキシ基及びその無水物基であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンに(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸若しくはその無水物、イタコン酸若しくはその無水物、又はクロトン酸をグラフトした重合体が挙げられる。グラフト重合体B22は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
グラフト重合体B22に用いられるオレフィン系重合体としては、重合体B1を使用することができる。グラフト重合体B22の具体例としては、無水マレイン酸変性ポリプロピレン及びその塩素化物、無水マレイン酸変性エチレン-プロピレン共重合体及びその塩素化物、無水マレイン酸変性プロピレン-ブテン共重合体、アクリル酸変性ポリプロピレン及びその塩素化物、アクリル酸変性エチレン-プロピレン共重合体及びその塩素化物、アクリル酸変性プロピレン-ブテン共重合体等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
グラフト重合に用いるラジカル重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤から適宜選択して使用することができ、例えば有機過酸化物、アゾニトリル等を挙げることができる。前記有機過酸化物としては、ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等のパーオキシケタール類、クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド類、ジ(t-ブチル)パーオキシド等のジアルキルパーオキシド類、ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート等のパーオキシエステル類等を挙げることができる。前記アゾニトリルとしてはアゾビスブチロニトリル、アゾビスイソプロピルニトリル等が挙げられる。中でも単量体の重合性の点から、ベンゾイルパーオキシド及びt-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートが好ましい。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合開始剤と、グラフト共重合体の全構成単位の使用割合は、単量体の重合性の点から、ラジカル重合開始剤:グラフト共重合体の全構成単位=1:100~2:1(モル比)の範囲が好ましく、1:20~1:1の範囲がより好ましい。重合速度を制御できる点から、反応温度は、50℃以上が好ましく、80~200℃がより好ましい。重合工程の効率の点から、反応時間は、2~20時間が好ましい。
グラフト重合体B22の製造方法としては、例えば、溶液中で加熱撹拌して反応する方法、無溶媒で溶融加熱撹拌して反応する方法、押し出し機で加熱混練して反応する方法が挙げられる。溶液中で製造する場合の溶媒としては、前記重合体B1の製造方法で例示した溶媒を同様に用いることができる。
重合体B2中の反応性基の含有量は、重合体B2の1g当たり0.01~1mmol、即ち0.01~1mmol/gの範囲が好ましい。重合体B2中の反応性基の含有量の下限値は0.01mmol/gが好ましく、0.05mmol/gがより好ましく、0.1mmol/gがさらに好ましい。また、重合体B2中の反応性基の含有量の上限値は1mmol/gが好ましく、0.5mmol/gがより好ましく、0.3mmol/gがさらに好ましい。重合体B2中の反応性基の含有量が前記下限値以上であると、含有量が高いほど、重合体B2の親水性が増すため分散粒子径が小さくなる傾向にある。重合体B2中の反応性基の含有量が前記上限値以下であると、含有量が低いほど、ポリプロピレン系基材に対する密着性が増す傾向にある。
重合体B2の反応性基がカルボキシ基若しくはその無水物基、又はスルホニル基のような酸性基である場合には、前記酸性基を塩基性化合物で中和することにより、重合体組成物Cの貯蔵安定性が良好な傾向となる。前記塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基、アンモニア、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、2-メチル-2-アミノ-プロパノール、トリエタノールアミン、モルフォリン、ピリジン等が挙げられる。塩基性化合物による中和率は水への分散性の点から、1~100モル%が好ましく、50モル%以上がより好ましい。中和率が高いほど、重合体組成物Cの水への分散性が良好となる。
本発明の重合体組成物Cは、重合体Bを含む水性分散体Dとして用いてもよい。水性分散体Dの製造方法としては、例えば、重合体B、水、及び水以外の溶媒の混合物として重合体組成物Cを調整した後、前記混合物から前記溶媒を除去することにより水性分散体Dとする方法、重合体Bが溶融する温度以上で重合体Bを溶融させた後に水を添加して水性分散体Dとする方法、が挙げられる。
また、本発明の重合体組成物Cの製造方法は、界面活性剤を含有させて分散させる方法、重合体Bに水溶性の高分子をグラフト結合させたグラフト共重合体を用いて分散させる方法であってもよい。耐水性に優れる点から、後者の方法が好ましい。
重合体Bを含む水性分散体Dとしては、例えば、スーパークロンシリーズ(日本製紙社製)、アウローレンシリーズ(日本製紙社製)、ハードレンシリーズ(東洋紡社製)、アプトロックシリーズ(三菱ケミカル社製)が挙げられる。
本発明の重合体組成物Cは、前述した重合体Aと、前述した重合体Bとを含む。重合体組成物Cは重合体Aと、重合体Bとが溶媒に溶解した重合体組成物でもよい。また、水、及び水以外の溶媒のうちの1種以上の溶媒に分散させた重合体組成物でもよい。
重合体組成物Cの製造方法としては、例えば、前者では溶解後の貯蔵安定性の点から、重合体Bの重合で記載した溶媒を少なくとも1種以上を含む溶媒に重合体Aと、重合体Bを溶解することが好ましい。また、重合体組成物Cの製造方法としては、例えば、後者では分散後の貯蔵安定性の点から、重合体Bの重合で記載した溶媒を含まない溶媒に重合体Aと、重合体Bを分散することが好ましい。貯蔵安定性及び配合安定性の点から、重合体組成物Cは、水、及び水以外の溶媒のうちの1種以上の溶媒に分散させることがより好ましい。
<水性分散体D>
本発明の水性分散体Dは、前述した重合体Aと、前述した重合体Bとを含む重合体組成物Cである。水性分散体Dは、重合体Aと、重合体Bとを、水、及び水以外の溶媒のうちの1種以上の溶媒に分散させた重合体組成物であることが好ましい。また、水性分散体Dの安定性の点から、重合体A及び重合体Bが同一粒子内に含まれている水性分散体であることが好ましい。
本発明において分散体とは、分散体中の重合体の分散粒子が極めて小さく単分子で分散している状態、実質的には溶解と言えるような状態まで含むことを意味する。従って、分散体の平均粒子径の下限値は、0nmでもよい。本発明で用いられる前記水性分散体Dの平均粒子径は、300nm以下が好ましく、200nm以下がさらに好ましい。また前記水性分散体Dの分散体の平均粒子径は、0nm以上が好ましい。前記範囲内であれば、分散安定性を向上させ、凝集が起きにくくなる。なお、本発明において水性分散体Dの平均粒子径は、水性分散体Dをレーザー回折散乱式粒子径分布測定装置(LA-960S;堀場製作所社製)を用いて測定される平均粒子径である。
本発明では、水性分散体Dに含まれる重合体Aと、重合体Bの質量比がA/B=10/90~70/30であることが好ましく、A/B=20/80~70/30であることがより好ましい。重合体Aと、重合体Bの質量比がA/B=10/90以上であればオレフィン基材への密着性が良好となる。重合体Aと、重合体Bの質量比がA/B=70/30以下であれば、本発明の重合体組成物Cの貯蔵安定性が向上する傾向となる。
水性分散体Dの貯蔵安定性を向上させる目的で界面活性剤を含有していても良い。前記界面活性剤としては、例えば、各種のアニオン性、カチオン性、又はノニオン性の界面活性剤、高分子界面活性剤が挙げられ、界面活性剤成分中にエチレン性不飽和結合を持つ、いわゆる反応性界面活性剤も使用することができる。これらの中でも、得られる水性分散体Dの貯蔵安定性が向上する点から、アニオン性の界面活性剤を用いることが好ましい。アニオン性界面活性剤としては、例えば、ADEKA社製アデカリアソープSR、花王社製ネオペレックスG-15を用いることができる。
また前記界面活性剤の含有量は、重合体A100質量部に対して、3質量部以下が好ましく、2質量部以下がより好ましい。前記範囲内であれば、水性分散体Dの貯蔵安定性が向上し、耐水性を損なうことなく顔料を配合して塗料とした際の塗料の安定性を維持することができる。
水性分散体Dの固形分の含有量は、前記水性分散体Dの総質量に対して5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。また70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。前記範囲内であれば、固形分の含有量が少ないほど粘度が低く、配合した際の水性分散体Dの貯蔵安定性が優れる傾向となる。また前記範囲内であれば、固形分の含有量が多いほど、乾燥にあまり多量のエネルギーを必要としないため、乾燥性に優れる傾向にある。
水性分散体Dの水以外の溶媒の比率は、水性分散体Dの総質量に対して、50質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。前記範囲内であれば、溶媒が少ないほど水性分散体Dの貯蔵安定性に優れる傾向にある。水性分散体Dの貯蔵安定性が良好となる点から、前記溶媒としては水に1質量%以上溶解する溶媒が好ましく、水に5質量%以上溶解する溶媒がより好ましい。水以外の前記溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフラン、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-ブトキシエタノール、2-メトキシプロパノール、2-エトキシプロパノールが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<重合体組成物Cの製造方法>
本発明の重合体組成物Cの製造方法としては、例えば、一括重合及び滴下重合のうちの1種以上の重合を用いることができる。重合安定性及びオレフィン基材に対する密着性の観点から一括重合が好ましい。本発明において、一括重合とは、オレフィン系重合体Bの水性分散体と、オレフィン系重合体Bの0.5~2倍のラジカル重合性単量体を混合した後に、開始剤によりラジカル重合を行う重合を意味する。滴下重合とは、オレフィン系重合体Bにラジカル重合下でラジカル重合性単量を滴下する重合を意味する。
開始剤は一般的にラジカル重合に使用されるものが使用可能であり、その具体例としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2-フェニルアゾ-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル等の油溶性アゾ化合物類、2,2’-アゾビス{2-メチル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’-アゾビス{2-メチル-N-[2-(1-ヒドロキシエチル)]プロピオンアミド}、2,2’-アゾビス{2-メチル-N-[2-(1-ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}2,2’-アゾビス[2-(5-メチル-2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]及びその塩類、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]及びその塩類、2,2’-アゾビス{2-[1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリン-2-イル]プロパン}及びその塩類、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピンアミジン)及びその塩類、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]等の水溶性アゾ化合物、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物類等が挙げられる。前記開始剤は1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
重合体組成物Cの製造方法において好ましいラジカル重合方法としては、例えば、水溶性開始剤により重合を行わせる方法、有機過酸化物と硫酸第一鉄やイソアスコルビン酸等の還元剤を用いたレドックス反応により重合を行わせる方法が挙げられる。
さらに本発明では、分子量調整剤として、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、α-メチルスチレンダイマー等の公知の連鎖移動剤を用いて単量体を重合することができる。
乳化重合完結後、冷却し、製品の重合体組成物Cを取り出す際には、異物やカレット混入防止のため濾過操作を行うことが好ましい。濾過方法については公知の方法を使用することができ、例えばナイロンメッシュ、バグフィルター、濾紙、金属メッシュ等を用いることができる。
本発明の重合体組成物Cは、プライマー、塗料、接着剤、インキバインダー、ポリオレフィンと異種材料の相溶化剤等に用いることができ、特に塗料、インク、接着剤に有用に用いることができる。用途としては自動車内装用・外装用等の自動車用塗料、携帯電話・パソコン等の家電用塗料、建築材料用塗料、ヒートシール剤等に用いることができる。本発明の重合体組成物Cは、ポリオレフィン基材用の接着剤に好適に用いることができる。
[ポリオレフィン基材用の接着剤E]
本発明のポリオレフィン基材用の接着剤(以下「接着剤E」とも記す。)は、重合体Aと、重合体Bと、を含む。
重合体Aは、式(1)で表される単量体に由来する構成単位a1を有する重合体である。
重合体Bは、重合体A以外のオレフィン系重合体である。重合体A及び重合体Bを含むことで、接着剤Eのポリプロピレン基材への密着性が良好となる。
Figure 2023128772000004
式(1)中のjは繰り返し単位数を表し、1~10の整数を表す。
式(1)で表される単量体としては、上述した重合体組成物Cの重合体Aに記載した単量体を使用することができ、好ましい単量体も同じ理由により同様の単量体を使用することができる。
また、式(1)中のjの値の好ましい数値範囲は、重合体組成物Cの重合体Aに記載した数値範囲と同じ理由により同じ数値範囲が好ましい。
重合体Bとしては、上述した重合体組成物Cの重合体Bに記載した重合体を使用することができ、好ましい重合体も同じ理由により同様の重合体を使用することができる。
重合体A及び重合体Bの製造方法としては、重合体組成物Cの重合体A及び重合体Bの各製造方法に記載した製造方法を使用することができ、好ましい製造方法も同じ理由により同様の製造方法を使用することができる。
即ち、本発明のポリオレフィン基材用の接着剤Eは、上述した重合体組成物Cと同じ成分を使用して同じ製造方法で製造することができ、ポリオレフィン基材に対して好適に使用することができる。
接着剤Eは、重合体A及び重合体Bを含む水性分散体の他に、無機充填剤、重合体ビーズ、造膜助剤、基材濡れ剤、基材湿潤剤、アクリル重合体、ウレタン重合体、ポリエステル重合体、着色剤、消泡剤、増粘剤等の各種添加剤が必要に応じて含まれてもよい。
また、本発明の接着剤Eは、乾燥速度を上げたり、仕上がり感の良好な表面を得る目的で、有機溶媒を造膜助剤として配合することができる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール類及びそのエーテル類等が挙げられる。
[積層体]
本発明の積層体は、図1に示すように、ポリオレフィン基材層1と、上述した接着剤Eの乾燥物である接着剤層2と、金属箔、無機蒸着膜層及び熱可塑性重合体のうちの1種以上の層3とが、この順序で積層された積層体100であることが好ましい。
ポリオレフィン基材層1としては、ポリプロピレン系重合体、酸変性ポリプロピレン、ポリプロピレン-αオレフィン共重合体、ポリエチレン系重合体、延伸ポリプロピレン(OPP)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、アルミニウム蒸着ポリプロピレン、共押出フィルムポリプロピレン等のポリプロピレン系基材等が挙げられる。中でも包装材料として内容物を良好に保護できる点から、ポリプロピレン系重合体、プロピレン-エチレン共重合重合体、プロピレン-ブテン共重合重合体が好ましく、ポリプロピレン系重合体がより好ましい。また、中でも透明性と強度に優れる点から、延伸ポリプロピレン(OPP)が好ましい。
接着剤層2は接着剤Eの乾燥物から形成されていればよく、重合体組成物Cの使用量は、接着面の面積に対して、0.01~20g/mが好ましく、0.1~10g/mがより好ましく、0.3~5g/mがさらに好ましい。前記使用量が、0.01g/m以上であれば十分な接着性が得られ、20g/m以下であれば、短時間で乾燥できる。
接着剤層2は、金属箔、無機蒸着膜層、及び熱可塑性重合体のうちの1種以上の層3に接着剤Eを塗布後に、セーフベンドライヤー等を用いて乾燥させてもよい。乾燥温度は、60~150℃が好ましい。60℃以上であれば、接着剤組成物Eの乾燥が短時間で行える。また、150℃以下であれば、接着剤Eの透明性が優れる。
接着剤Eの塗布方法としては、公知の塗布方法を使用することができる。塗布方法としては、例えばグラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、はけ塗り法が挙げられる。前記塗布方法により基材表面に接着剤Eを均一にコーティングし、乾燥処理又は乾燥のための加熱処理に供することにより、前記接着剤Eを熱可塑性重合体等の層3に密着させることができる。
前記金属箔及び無機蒸着膜層としては、例えば、遮光性、ガスバリア性を有するバリア層として、アルミニウム箔等の軟質金属箔;アルミニウム蒸着膜、シリカ蒸着膜、アルミナ蒸着膜、シリカアルミナ2元蒸着膜等の無機蒸着層が挙げられる。安価でバリア性が高く、遮光性が付与できる点から、アルミニウム箔、又はアルミ蒸着膜が好ましい。
本発明の積層体を構成するアルミニウム箔は、前記接着剤層2と接する面に、接着性向上のために熱水変成処理を施すこともできる。アルミニウム箔の表面を熱水変成処理する際に使用される処理水としては、水道水、脱イオン水、蒸留水、脱イオン化された蒸留水等が挙げられる。これらの中では、接着性が良好となる点から、脱イオン化された蒸留水が好ましい。アルミニウム箔の表面への熱水変成処理は、処理温度によって様々な水和酸化物の皮膜が表面に被覆されて熱水変成処理層が形成される。前記熱水変成処理の条件としては、例えば、常圧下、80~100℃程度の条件で行われるベーマイト処理(熱水変成処理)が好ましい。
熱可塑性重合体層としては、ポリエチレン系重合体、ポリプロピレン系重合体、環状ポリオレフィン系重合体、フッ素系重合体、ポリスチレン系重合体、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS重合体)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS重合体)、ポリ塩化ビニル系重合体、フッ素系重合体、ポリ(メタ)アクリル系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレ-ト等のポリエステル系重合体、各種のナイロン等のポリアミド系重合体、ポリイミド系重合体、ポリアミドイミド系重合体、ポリアリールフタレ-ト系重合体、シリコ-ン系重合体、ポリスルホン系重合体、ポリフェニレンスルフィド系重合体、ポリエ-テルスルホン系重合体、ポリウレタン系重合体、アセタ-ル系重合体、セルロ-ス系重合体、ポリビニルアルコール重合体等の各種の重合体のフィルム又はシ-トを使用することができる。本発明においては、これらの中でも、ポリプロピレン系重合体、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体のフィルム又はシ-トを使用することが好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよくいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記フィルム又はシ-トの製膜に際して、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良する目的で、前記フィルム又はシ-トに、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、その目的に応じて、任意に添加することができる。
前記添加剤としては、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料等の着色剤、改質用重合体等を任意に使用することができる。
本発明の積層体を形成する方法としては、金属箔、無機蒸着膜層及び熱可塑性重合体のうちの1種以上の層3へ前記接着剤層2を積層させ、ポリプロピレン基材層1を前記接着剤層2からヒートシールにより接着させる方法を挙げることができる。前記ヒートシールの温度条件はポリプロピレン基材層1の外観の点から140℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、100℃以下がさらに好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を表す。また、測定及び評価は以下に示す測定方法又は評価方法で行った。
[測定方法及び評価方法]
(1)重合体Bの質量平均分子量[Mw]及び分子量分布[Mw/Mn]の測定方法
重合体Bの試料5mgを10mLのバイアル瓶に採取し、安定剤としてジブチルヒドロキシトルエンの250ppmを含有するテトラヒドロフランを5g添加し、50℃で完全に溶解させた。室温に冷却後、孔径0.45μmのフィルターでろ過し、ポリマー濃度0.1質量%の試料溶液を調製した。次に、カラムとしてTSKgel GMHXL-L(30cm×2本)にガードカラムTSKguardcolumnHXL-Hを連結させて装着した東ソー社製GPC HLC-8020を使用してGPC測定を行った。測定条件としては、試料溶液のインジェクション量:50μL、カラム温度:40℃、溶媒:テトラヒドロフラン、溶離液の流量1.0mL/minで測定した。分子量は、標準試料として市販の単分散のポリスチレン標準試料を測定し、標準試料の保持時間と分子量から検量線を作成してオレフィン系単量体由来の構成単位を有するオレフィン系重合体Bの質量平均分子量[Mw]及び分子量分布[Mw/Mn]を算出した。
(2)重合体Aの融点[Tm]の測定方法
示差走査熱量計(DSC 220C;セイコーインスツル社製)を使用して測定した。
重合体Aの試料5±1mgをアルミニウム製のパンに入れアルミニウム製の蓋をし、空のアルミニウム製のパンをリファレンスとして検出器にのせた。200℃まで100℃/分の速度で昇温した。同温度で5分間保持した後、10℃/分の速度で冷却し、-10℃まで0.5秒間隔で熱量を検出した。同温度で1分保持した後10℃/分の速度で200℃まで昇温させ、0.5秒間隔で熱量を検出した。
各試料とも冷却過程において発熱ピークが1つ、最後の昇温過程において吸熱ピークが1つ観測された。最後の昇温過程におけるピークのピークトップ時の温度を重合体Aの融点[Tm]とした。
(3)水性分散体の平均粒子径の測定方法
水性分散体をレーザー回折散乱式粒子径分布測定装置(LA-960S;堀場製作所社製)を用いて、水性分散体の平均粒子径を測定した。
(4)積層体の密着性の評価方法
ポリオレフィン基材層1と、接着剤層2と、金属箔、無機蒸着膜及び熱可塑性重合体からなる群から選択される少なくとも1種からなる層3とがこの順で積層された積層体100(図1)を製造した。
製造した積層体100から幅15mmの試験片を採取し、引張り試験機を用いて90°剥離により試験片の端部からポリオレフィン基材層1と層3の界面を剥離して接着剤層2の剥離強度を測定した。測定条件は、気温23℃、湿度65%RHの雰囲気中、引張速度50mm/分とした。
接着剤層2のポリオレフィン基材層1及び層3に対する密着性は、以下の評価基準に従って行った。
(評価基準)
A(密着性が優れている):剥離強度が2.00N/15mm以上
B(密着性が良好である):剥離強度が1.00N/15mm以上2.00N/15mm未満
C(密着性が劣る):剥離強度が1.00N/15mm未満
[実施例1]
<重合体組成物の製造>
(原料)
・重合体B:アプトロック(登録商標)BW-5683(三菱ケミカル社製;ポリプロピレン;質量平均分子量[Mw]210000;分子量分布[Mw/Mn]2.2;融点[Tm]70℃;固形分30.0質量%の水分散液)
・単量体a1:ミルセン
・単量体a2:アクリル酸ヒドロキシブチル
メタクリル酸イソブチル
アクリル酸エチルヘキシル
・界面活性剤:ネオペレックスG-15(花王社製;固形分16質量%の水分散液)
・ラジカル開始剤:パーブチル(登録商標)H-69(日本油脂社製;tert-ブチルヒドロペルオキシド)
・還元剤:硫酸第一鉄
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(EDTA)
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート
(製造方法)
撹拌機、還流冷却管及び温度制御装置を備えたフラスコに、重合体BとしてアプトロックBW-5683を222.2部、脱イオン水を161部と、ネオペレックスG-15を3.3部仕込み、60℃に昇温した。
次いで、別の容器に、単量体a1としてミルセン19部と、単量体a2としてアクリル酸ヒドロキシブチル10部、メタクリル酸イソブチル52部及びアクリル酸エチルヘキシル19部と、脱イオン水を40部と、ネオペレックスG-156.7部とを入れ、ホモミキサーで乳化させ、単量体a1及び単量体a2を含むプレエマルション液を得た。
得られたプレエマルション液を、上述した重合体B入りのフラスコに仕込み、流量毎分200mL条件で窒素バブリングを行いながら、60℃に昇温し、1時間保持した。ラジカル開始剤としてパーブチルH-69の0.1部と、還元剤として硫酸第一鉄0.002部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(EDTA)0.006部及びナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部と、脱イオン水10部とを添加し、窒素フローに切り替え、重合を開始した。
1時間後、前記フラスコ内の反応液を70℃に昇温して6時間保持し、前記フラスコに、パーブチルH-69の0.6部と、脱イオン水10.0部とを添加した。
添加後、前記フラスコ内の反応液を70℃で1時間熟成し、重合体A及び重合体Bを含む水性分散体である重合体組成物Cを得た。
<水性分散体の平均粒子径の測定>
製造した重合体組成物C(水性分散体D)について、上述した水性分散体の平均粒子径の測定方法に従って、水性分散体Dの平均粒子径を測定した。結果を表1に示す。
<積層体の製造>
(材料)
・2軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)(パイレン(登録商標)フィルム-OT P2108;東洋紡社製)
・シロキサン系基材湿潤剤(TEGO(登録商標) Wet KL 245;エボニック社製)
・上記の通り製造した水性分散体D
(製造方法)
水性分散体Dを100部及び濡れ剤としてシロキサン系基材湿潤剤を7部混合して接着剤Eを調製した。
OPPフィルムの未処理面に、調製した接着剤Eをバーコーターで塗装後、100℃で3分間の乾燥を行うことで、前記OPPフィルムの未処理面に接着剤Eの乾燥物からなる接着剤層を形成して試験片を得た。この試験片の接着剤層の厚みは10μm、単位面積あたりの質量は10g/mであった。
得られた試験片の接着剤層の表面に別のOPPフィルムの未処理面を合わせて、ヒートシーラーを用いて、100℃で10秒間、1kg荷重でヒートシールを行うことで、積層体を製造した。
製造した積層体は、OPPフィルムからなるポリオレフィン基材層1、接着剤Eの乾燥物からなる接着剤層2、及びOPPフィルムからなる層3がこの順に積層された積層体100(図1)であった。
<積層体の密着性の評価>
上述した「積層体の密着性の評価方法」に従って接着剤層2のポリオレフィン基材層1及び層3に対する密着性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例2~7、比較例1~3]
重合体Aの合成に用いる単量体a2を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして水性分散体である重合体組成物C(水性分散体D)を製造した。
実施例1と同様にして、水性分散体Dの平均粒子径を測定し、積層体の密着性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2023128772000005
表1中の略号は以下の通りである。
EHA:アクリル酸エチルヘキシル
IBMA:メタクリル酸イソブチル
4HBA:アクリル酸4-ヒドロキシブチル
ST:スチレン
GMA:メタクリル酸グリシジル
ND:成膜不良のためデータ無し
実施例1~7は重合体Aと、重合体Bとを含む重合体組成物Cを使用したため、積層体100の接着剤層2のポリオレフィン基材層1及び層3に対する密着性が良好であった。
比較例1は、構成単位a1を有しない重合体を使用したため、積層体100の接着剤層2のポリオレフィン基材層1及び層3に対する密着性が劣っていた。
比較例2及び比較例3は、重合体A又は重合体Bのみ使用したため、積層体100の接着剤層2のポリオレフィン基材層1及び層3に対する密着性が劣っていた。
本発明の重合体組成物はポリオレフィン系基材との密着性が良好であり、塗料として、又は接着剤として、ポリオレフィン系基材用に好適に用いることができる。
1…ポリオレフィン基材層;2…接着剤層;3…層;100…積層体

Claims (10)

  1. 重合体(A)と重合体(B)とを含む重合体組成物であって、
    前記重合体(A)は、式(1)で表される単量体に由来する構成単位(a1)を有する重合体であり、
    前記重合体(B)は、前記重合体(A)以外のオレフィン系重合体である、
    重合体組成物。
    Figure 2023128772000006
    ただし、式(1)中のjは1~10の整数である。
  2. 水性分散体である、請求項1に記載の重合体組成物。
  3. 前記水性分散体の動的光散乱法で測定した平均粒子径が300nm以下である、請求項2に記載の重合体組成物。
  4. 前記式(1)においてjが1又は2である、請求項1~3のいずれか1項に記載の重合体組成物。
  5. 前記重合体(A)が前記構成単位(a1)を前記重合体(A)の全質量の10~95質量%含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の重合体組成物。
  6. 前記重合体(B)がプロピレンに由来する構成単位(b1)を前記重合体(B)の全質量の50~100質量%含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の重合体組成物。
  7. 重合体(A)と重合体(B)とを含むポリオレフィン基材用の接着剤であって、
    前記重合体(A)は、式(1)で表される単量体に由来する構成単位(a1)を有する重合体であり、
    前記重合体(B)は、前記重合体(A)以外のオレフィン系重合体である、
    ポリオレフィン基材用の接着剤。
    Figure 2023128772000007
    ただし、式(1)中のjは1~10の整数である。
  8. 前記式(1)においてjが1又は2である、請求項7に記載のポリオレフィン基材用の接着剤。
  9. 前記ポリオレフィン基材がポリプロピレン基材である、請求項7又は8に記載のポリオレフィン基材用の接着剤。
  10. ポリオレフィン基材層と、接着剤層と、金属箔、無機蒸着膜及び熱可塑性重合体からなる群から選択される少なくとも1種からなる層と、がこの順序で積層された積層体であって、
    前記接着剤層が、請求項7又は8に記載のポリオレフィン基材用の接着剤の乾燥物である、
    積層体。
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