JP2023125631A - スクロール圧縮機、および、それを備える冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
Description
スクロール圧縮機7を備える冷凍サイクル装置1の概略構成を図1に示す。本実施形態の冷凍サイクル装置1は、空気調和装置であり、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うことによって、建物等の室内の冷房および暖房を行う。図1に示されるように、冷凍サイクル装置1は、スクロール圧縮機7や冷媒回路6を備える。冷媒回路6は、室外ユニット2と室内ユニット3とが、液冷媒連絡管4およびガス冷媒連絡管5を介して接続されることによって構成されている。冷媒回路6には、R32等の単一冷媒、あるいは、R454Cのような混合冷媒が封入されている。冷媒は、冷媒回路6において循環しており、スクロール圧縮機7から吐出され、スクロール圧縮機7に吸入される。
スクロール圧縮機7は、高圧ドーム型の圧縮機である。図2に示すように、スクロール圧縮機7は、主として、ケーシング20と、圧縮機構30と、ハウジング40と、モータ50と、クランクシャフト60と、吸入管70と、吐出管80とを備える。スクロール圧縮機7では、吸入管70からケーシング20内に供給された低温低圧の冷媒が、圧縮機構30で圧縮され、高温高圧の冷媒が吐出管80から吐出される。
ケーシング20は、内部空間が気密に保たれる金属製の構造体であって、主として、圧縮機構30と、ハウジング40と、モータ50と、クランクシャフト60とを収容する。ケーシング20は、円筒部21と、蓋部22と、底部23とを有する。
圧縮機構30は、冷媒ガスを圧縮して吐出口101aから高圧の冷媒ガスを吐出する機構であって、ハウジング40に支持、収容されている。圧縮機構30は、主として、固定スクロール100および可動スクロール160を有する。固定スクロール100は、ケーシング20の円筒部21の内周面に固着されており、固定側ラップ102などを有する。可動スクロール160は、円筒状のボス部161や可動側ラップ162を有する。圧縮機構30では、固定スクロール100の固定側ラップ102と、可動スクロール160の可動側ラップ162とが噛み合うように組み合わされることにより、圧縮室30aが形成される。圧縮室30aの容積は、可動スクロール160の旋回運動によって周期的に変化する。これにより、吸入管70から圧縮室30aに導入された冷媒ガスが圧縮される。圧縮室30aで圧縮された冷媒ガスは、ケーシング20の内部空間の上部の空間である第1空間S10に吐出される。
ハウジング40は、圧縮機構30の下方、かつ、モータ50の上方に配置されている。ハウジング40の外周面は、ケーシング20の内周面に接合されている。ハウジング40の内周部は、後述のクランクシャフト60の軸支する軸受となっている。ハウジング40の外周面40aには、内側に凹む溝40cが形成されている(図3および図4参照)。この溝40cと、溝40cを覆うケーシング20の円筒部21の内周面によって、第2の連通路P2が形成される。第2の連通路P2は、第1の連通路P1の真下に位置しており、冷媒ガスを第1空間S10から第2空間S20へと流す通路になる。
モータ50は、ハウジング40の下方に配置される3相ブラシレスDCモータである。モータ50は、ケーシング20の内部空間の下部の空間である第2空間S20に配置されている。モータ50は、主として、ステータ51と、ロータ52とを有する。
クランクシャフト60は、ロータ52の中心部を鉛直方向に貫通した状態で、ロータ52と一体化されている。クランクシャフト60の上端の偏芯ピン61は、可動スクロール160のボス部161に嵌め込まれている。これにより、クランクシャフト60の回転が可動スクロール160に伝達され、可動スクロール160が旋回する。
吸入管70は、ケーシング20の上面(蓋部22の上面)を鉛直方向に貫通している。吸入管70の下部は、後述する固定スクロール100の吸入部103に接続される。吸入管70および吸入部103の内部空間は、圧縮室30aと連通している。ケーシング20の外部において、吸入管70は、四路切換弁10の第1のポート10aから延びる冷媒配管に接続される。
吐出管80は、モータ50よりも少し高い位置において、ケーシング20の側面を略水平方向に貫通している。吐出管80の端部は、ケーシング20の第2空間S20に位置している。ケーシング20の外部において、吐出管80は、四路切換弁10の第2のポート10bから延びる冷媒配管に接続される。
固定スクロール100は、上述の固定側ラップ102のほかに、図2~図9に示すように、円板状の鏡板部101と、吸入部103と、環状の外周部104とを有している。
鏡板部101は、固定側ラップ102とともに圧縮室30aを形成する部分であり、鏡板部101の下面は、圧縮室30aの上面となる(図6参照)。固定側ラップ102は、鏡板部101の下面から下方に突出するように形成されている。鏡板部101の中央には、吐出口101aが開けられている。
吸入部103は、平面視(回転中心軸50aの方向視)において、鏡板部101および外周部104にまたがるように配置されている。吸入部103は、鏡板部101および外周部104の一部から上に延びる円筒状の部分である。図6に示す吸入部103の内周面103aに、図2に示すように、吸入管70の下端部が差し込まれる。吸入管70を流れてくる低圧の冷媒ガスは、吸入部103の中を通り、圧縮室30aに吸入される。
外周部104は、図6に示すように、鏡板部101の外周端部101bから下方に延びる環状の部分である。外周部104は、ケーシング20に固着される第1の外周面104aと、第2の外周面104bとを有している。第1の外周面104aは、図6や図8に示すように、ケーシング20の円筒部21の内周面に固定される。第2の外周面104bは、第1の外周面104aの径方向内側に位置している。第2の外周面104bは、第1の外周面104aの上に位置し、図6に示すように、縦断面が滑らかな湾曲線を描いている。
固定スクロール100は、更に、ガイド部105を有している。ガイド部105は、第1空間S10から第1の連通路P1に流れる冷媒ガスの向きを変える。具体的には、吐出口101aから吐出空間S11に吐出され、図9において破線の矢印で示すように吐出空間S11から環状空間S12に流れて、第1の連通路P1に向かって環状空間S12を時計回りの方向および反時計周りの方向に流れる冷媒ガスの流れの向きを、第1の連通路P1の近傍において、ガイド部105が変える。ガイド部105は、第1のガイド面105aと第2のガイド面105bとを有する。第1のガイド面105aには、環状空間S12を時計回りに流れる冷媒ガスが当たる。第2のガイド面105bには、環状空間S12を反時計回りに流れる冷媒ガスが当たる。ガイド面105a,105bは、図9において破線の矢印で示すように、周方向に向いている冷媒ガスの流れが第1の連通路P1に向かうように、冷媒ガスの向きを変える。
(4-1)
スクロール圧縮機7では、ガイド部105が第1空間S10から第1の連通路P1に流れる冷媒ガスの向きを変える。具体的には、第1空間S10の環状空間S12を固定スクロール100の第2の外周面104bに沿って流れる冷媒ガスが、第2の外周面104bから径方向外側に突出している凸部に形成されたガイド面105a,105bに当たり、冷媒ガスの向きが第1の連通路P1に向かう方向に変わる。これにより、第1の連通路P1に冷媒ガスが入るときの圧力損失を低減することができている。したがって、スクロール圧縮機7の効率が向上し、冷凍サイクル装置1の省エネルギー化が実現している。
スクロール圧縮機7では、ガイド部105が固定スクロール100の一部として、ガイド部105が固定スクロール100の各部と一体的に形成されている。具体的には、第2の外周面104bから径方向外側に突出している凸部がガイド部105となっている。このため、ガイド部として機能する部品を固定スクロールとは別に設ける必要がなく、固定スクロール100の表面に形成されたガイド部105によって冷媒ガスの向きを変えることができている。
スクロール圧縮機7では、吐出空間S11から環状空間S12に流れる冷媒ガスが時計回り、反時計回りの両方に分かれて流れるような構造になっている。これらの周方向の両方の冷媒ガスの流れを、ここでは、第1のガイド面105aおよび第2のガイド面105bによって、第1の連通路P1へと導くことができている。
スクロール圧縮機7では、周方向に冷媒ガスが流れる環状空間S12に、吸入部103の一部が配置されている。このため、図9を参照すると分かるように、環状空間S12のうち、第1の連通路P1から見て、吸入部103がある側の空間からの冷媒ガスの流れ込み量よりも、吸入部103がない側の空間からの冷媒ガスの流れ込み量のほうが多くなる。この第1の連通路P1への冷媒ガスの流れ込み量の違いに鑑み、スクロール圧縮機7では、ガイド部105の中心を、吸入部103の側に寄せている。これにより、第1の連通路P1に冷媒ガスが入るときの圧力損失を更に低減することができている。
(5-1)変形例1A
上記の実施形態のスクロール圧縮機7では、ガイド部105が、固定スクロール100の各部と一体的に形成されている。
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
6 冷媒回路
7 スクロール圧縮機
20 ケーシング
30 圧縮機構
50 モータ
50a 回転中心軸(モータの回転軸)
100 固定スクロール
101a 吐出口
103 吸入部
104a 第1の外周面
104b 第2の外周面
104c 溝
105 ガイド部
105a 第1のガイド面
105b 第2のガイド面
160 可動スクロール
P1 第1の連通路
S10 第1空間
S11 吐出空間
S12 環状空間
S20 第2空間
V1 第1の仮想直線
V2 第2の仮想直線
Claims (11)
- 可動スクロール(160)および固定スクロール(100)を有し、吐出口(101a)から冷媒ガスを吐出する圧縮機構(30)と、
前記圧縮機構を収容し、内部空間が前記圧縮機構によって第1空間(S10)と第2空間(S20)とに仕切られているケーシング(20)と、
を備え、
前記固定スクロールには、前記第1空間と前記第2空間とを連通する連通路(P1)が形成されており、
前記吐出口から吐出された前記冷媒ガスは、前記第1空間から前記連通路を介して前記第2空間へと流れ、
前記固定スクロールは、前記第1空間から前記連通路に流れる前記冷媒ガスの向きを変えるガイド部(105)を有している、
スクロール圧縮機(7)。 - 前記ガイド部(105)は、前記連通路の近傍において、前記固定スクロールの表面から突出する凸部である、
請求項1に記載のスクロール圧縮機。 - 前記固定スクロール(100)は、前記ケーシングに固定される第1の外周面(104a)と、前記第1の外周面の径方向内側に位置する第2の外周面(104b)を有し、
前記ガイド部(105)は、前記第2の外周面から径方向外側に突出する凸部である、
請求項1に記載のスクロール圧縮機。 - 前記ガイド部(105)は、前記固定スクロールの表面に一体的に形成されている、
請求項3に記載のスクロール圧縮機。 - 前記ガイド部は、前記固定スクロールの表面に装着されている、
請求項3に記載のスクロール圧縮機。 - 前記第1空間(S10)は、前記吐出口に隣接する吐出空間(S11)と、前記第2の外周面と前記ケーシングとの間の環状空間(S12)とを含み、
前記ガイド部(105)は、前記吐出口から前記吐出空間に吐出された後に前記環状空間を周方向に流れる前記冷媒ガスが当たるガイド面(105a,105b)を有し、
前記ガイド面は、周方向に向いている前記冷媒ガスの流れが前記連通路に向かうように、前記冷媒ガスの向きを変える、
請求項3から5のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。 - 前記ガイド部(105)は、前記ガイド面として、前記環状空間を時計回りに流れる前記冷媒ガスが当たる第1のガイド面(105a)と、前記環状空間を反時計回りに流れる前記冷媒ガスが当たる第2のガイド面(105b)とを有する、
請求項6に記載のスクロール圧縮機。 - 前記可動スクロールを駆動するモータ(50)、
をさらに備え、
前記ガイド面(105a,105b)は、前記モータの回転軸(50a)の方向視において、前記吐出口の中心と前記連通路の中心とを結ぶ第1の仮想直線(V1)に対して傾斜しており、且つ、前記第1の仮想直線に直交する第2の仮想直線(V2)に対して傾斜している、
請求項6又は7に記載のスクロール圧縮機。 - 前記第1の外周面(104a)には、内側に凹む溝(104c)が形成されており、
前記連通路(P1)は、前記溝および前記溝を覆う前記ケーシングによって形成されている、
請求項3から8のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。 - 前記可動スクロールを駆動するモータ(50)と、
少なくとも一部が前記環状空間に配置され、前記圧縮機構に吸入させる前記冷媒ガスが流れる吸入部(103)と、
をさらに備え、
前記モータの回転軸(50a)の方向視において、前記ガイド部(105)の中心は、前記吐出口の中心と前記連通路の中心とを結ぶ第1の仮想直線(V1)の両側のうち、前記第1の仮想直線の前記吸入部(103)側に位置している、
請求項6に記載のスクロール圧縮機。 - 請求項1から10のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機(7)と、
前記スクロール圧縮機から吐出され、前記スクロール圧縮機に吸入される冷媒が循環する冷媒回路(6)と、
を備える冷凍サイクル装置(1)。
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