JP2023124919A - 消火設備 - Google Patents

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俊光 田中
Toshimitsu Tanaka
亮 ▲高▼田
Akira Takada
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Abstract

【課題】経済性を向上できる消火設備を提供する。【解決手段】消火設備は、消火剤を作動媒体として循環させるように構成されたORCサイクルであって、ORCサイクル上に設けられ、ガス状の消火剤であるガス状消火剤を液化させる凝縮器と、ORCサイクル上の凝縮器の下流側に設けられ、凝縮器においてガス状消火剤が液化した液状消火剤を昇圧させる昇圧ポンプと、ORCサイクル上の昇圧ポンプの下流側に設けられた液状消火剤を気化させる気化器と、ORCサイクル上の気化器の下流側、且つ凝縮器の上流側に設けられた液状消火剤が気化したガス状消火剤により駆動される膨張タービンと、を含むORCサイクルと、液状消火剤又はガス状消火剤の少なくとも一方を、ORCサイクルから抜き出して少なくとも1つの防火対象物に送るための少なくとも1つの消火剤供給ラインと、を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、消火設備に関する。
従来の窒素ガス消火設備は、窒素ガスを貯蔵する複数のガスボンベを備え、火災発生時においてガスボンベから供給される窒素ガスを放出することで、火災を酸欠消火していた。この窒素ガス消火設備は、複数のガスボンベを貯蔵するための占有空間を必要とする。
国際公開第2021/157029号
近年、液体状態で貯蔵可能、且つ火災を冷却消火可能な消火剤が市場に出回るようになったが、該消火剤は、窒素ガスに比べて導入コストが高いという課題があり、普及が進んでいない。すなわち、消火設備は、その経済性が課題となる。
なお、特許文献1には、冷凍サイクルにおいて、消火性冷媒と可燃性冷媒を含む混合冷媒を循環させること、可燃性冷媒を除く冷媒を火災発生時に噴射させることが開示されている。特許文献1に記載の混合冷媒を循環させる冷凍サイクルは、単一媒体を循環させるORCサイクル(オーガニックランキンサイクル)とは、その構成が著しく異なる。また、引用文献1に記載の発明では、本開示の課題である経済性の向上には寄与するものではない。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、経済性を向上できる消火設備を提供することを目的とする。
本発明の少なくとも一実施形態に係る消火設備は、
消火剤を作動媒体として循環させるように構成されたORCサイクルであって、
前記ORCサイクル上に設けられ、ガス状の前記消火剤であるガス状消火剤に第1熱媒体からの冷熱エネルギーを伝達して液化させるように構成された凝縮器と、
前記ORCサイクル上の凝縮器の下流側に設けられ、前記凝縮器において前記ガス状消火剤が液化した液状消火剤を昇圧するための昇圧ポンプと、
前記ORCサイクル上の前記昇圧ポンプの下流側に設けられ、前記液状消火剤に第2熱媒体からの熱エネルギーを伝達して気化させるように構成された気化器と、
前記ORCサイクル上の前記気化器の下流側、且つ前記凝縮器の上流側に設けられる膨張タービンであって、前記液状消火剤が気化したガス状消火剤により駆動される膨張タービンと、
を含むORCサイクルと、
前記液状消火剤又は前記ガス状消火剤の少なくとも一方を、前記ORCサイクルから抜き出して少なくとも1つの防火対象物に送るための少なくとも1つの消火剤供給ラインと、を備える。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、経済性を向上できる消火設備が提供される。
一実施形態に係る消火設備を備える構造物の概略図である。 一実施形態に係る消火設備の概略図である。 一実施形態に係る消火設備の概略図である。 一実施形態に係る消火設備の概略図である。 一実施形態に係る消火設備の概略図である。 一実施形態に係る消火設備の概略図である。 一実施形態に係る消火設備の概略図である。 一実施形態に係る消火設備の概略図である。 一実施形態に係る消火設備の概略図である。 一実施形態に係る消火設備の概略図である。 一実施形態に係る消火設備の概略図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(消火設備を備える構造物)
図1は、一実施形態に係る消火設備を備える構造物の概略図である。図2~図11の各々は、一実施形態に係る消火設備の概略図である。幾つかの実施形態に係る消火設備1は、構造物11に搭載される。図示される実施形態では、構造物11は、データセンタからなる。構造物11は、構造物11の空調を調整するための空調機12、サーバを収容するための内部空間130を有するサーバラック13、サーバラック13やサーバ用のUPS等を収容するための内部空間140を有するサーバ室14、発電機や変電設備等の電力供給設備15を収容するための内部空間160を有する電力設備室16等を有する。電気設備に起因する火災が生じる虞があるため、空調機12、サーバラック13、サーバ室14および電力設備室16の少なくとも1つを後述する防火対象物10としてもよい。すなわち、構造物11は、少なくとも1つ防火対象物10を備える。
(消火設備)
幾つかの実施形態に係る消火設備1は、図1~図11に示されるように、消火剤を作動媒体として循環させるように構成されたORCサイクル2と、消火剤をORCサイクル2から抜き出して少なくとも1つの防火対象物10に送るための少なくとも1つの消火剤供給ライン3と、を備える。以下、概ね液状の消火剤を液状消火剤とし、概ねガス状の消火剤をガス状消火剤とする。
(消火剤)
消火剤は、例えば、HFC227eaやNovec(登録商標)1230等のような、ハロゲン化物であることが好ましい。また、消火剤は、所定温度で測定したときの電気伝導性が所定値以下である難燃性の高いものが好ましい。
(ORCサイクル)
ORCサイクル2は、消火剤を作動媒体として循環させるように構成された循環系統からなる。ORCサイクル2は、図2~図11に示されるように、ORCサイクル2上にそれぞれ設けられる凝縮器21、昇圧ポンプ22、気化器23および膨張タービン24を含む。ORCサイクル2は、消火剤を作動媒体とするオーガニックランキンサイクルを構成する。以下の説明では、単に上流側と呼ぶ場合、方向の説明にかかる部位や領域における流体の主たる流れの方向に沿った上流側を指すものとする。同様に、以下の説明では、単に下流側と呼ぶ場合、方向の説明にかかる部位や領域における流体の主たる流れの方向に沿った下流側を指すものとする。
(凝縮器)
凝縮器21は、ORCサイクル2上の膨張タービン24よりも下流側、且つ昇圧ポンプ22よりも上流側に設けられる。膨張タービン24において膨張した消火剤は、ガス状態で凝縮器21に流入する。凝縮器21は、ORCサイクル2を流れるガス状消火剤に第1熱媒体供給ライン4を流れる第1熱媒体(例えば冷却水等)からの冷熱エネルギーを伝達して液化させるように構成される。
図示される実施形態では、凝縮器21は、ORCサイクル2上に設けられるガス状消火剤が流れる第1消火剤側流路と、第1熱媒体供給ライン4上に設けられて、第1消火剤側流路を流れるガス状消火剤よりも温度が低い第1熱媒体が流れる第1熱媒体側流路と、を有し、第1消火剤側流路と第1熱媒体側流路との間で熱交換可能に構成される。凝縮器21における熱交換により、第1消火剤側流路を流れるガス状消火剤が、第1熱媒体側流路を流れる第1熱媒体により冷却され、凝縮(液化)する。
(第1熱媒体タンク、第1熱媒体供給ライン)
消火設備1は、図2~図11に示されるように、液状態の第1熱媒体を貯留するように構成された第1熱媒体タンク41と、第1熱媒体供給ライン4と、をさらに備えていてもよい。第1熱媒体供給ライン4は、第1熱媒体タンク41から第1熱媒体の供給先(例えば凝縮器21等)に第1熱媒体を送るための、第1熱媒体の供給系統からなる。第1熱媒体タンク41に貯留される液状態の第1熱媒体は、凝縮器21に導かれるガス状消火剤よりも温度が低い。或る実施形態では、第1熱媒体タンク41には、第1熱媒体として約5℃の冷却水が貯留される。なお、第1熱媒体タンク41からの第1熱媒体は、液状態で凝縮器21に流入する。
第1熱媒体供給ライン4の一端(上流端)が第1熱媒体タンク41に接続され、第1熱媒体供給ライン4の他端(下流端)が第1熱媒体の供給先(例えば凝縮器21等)に接続される。第1熱媒体供給ライン4は、第1熱媒体供給ライン4上の凝縮器21よりも上流側に設けられ、液状の第1熱媒体を送るための第1熱媒体用ポンプ42を含む。第1熱媒体用ポンプ42により、第1熱媒体タンク41に貯留された液状の第1熱媒体が第1熱媒体供給ライン4に抜き出され、第1熱媒体供給ライン4の下流側に第1熱媒体が送られる。
(昇圧ポンプ)
昇圧ポンプ22は、ORCサイクル2上の凝縮器21よりも下流側に設けられる。凝縮器21において液化された消火剤は、液状態で昇圧ポンプ22に流入する。昇圧ポンプ22は、液状消火剤を昇圧するように構成される。昇圧ポンプ22を駆動させることで、消火剤が作動媒体としてORCサイクル2上を循環する。
(消火剤貯留タンク)
ORCサイクル2は、図2~図11に示されるように、ORCサイクル2上の凝縮器21よりも下流側、且つ昇圧ポンプ22よりも上流側に設けられた消火剤貯留タンク25をさらに含んでいてもよい。消火剤貯留タンク25は、凝縮器21においてガス状消火剤が液化した液状消火剤を貯留するように構成される。昇圧ポンプ22を駆動させることで、消火剤貯留タンク25に貯留された液状消火剤が、ORCサイクル2上の消火剤貯留タンク25よりも下流側に送られる。
(気化器)
気化器23は、ORCサイクル2上の昇圧ポンプ22よりも下流側、且つ膨張タービン24よりも上流側に設けられる。昇圧ポンプ22により昇圧された消火剤は、液状態で気化器23に流入する。気化器23は、ORCサイクル2を流れる液状消火剤に第2熱媒体供給ライン5を流れる第2熱媒体(例えば、サーバ排熱を回収した冷媒油や冷媒水等)からの熱エネルギーを伝達して気化させるように構成される。
図示される実施形態では、気化器23は、ORCサイクル2上に設けられる液状消火剤が流れる第2消火剤側流路と、第2熱媒体供給ライン5上に設けられて、第2消火剤側流路を流れる液状消火剤よりも温度が高い第2熱媒体が流れる第2熱媒体側流路と、を有し、第2消火剤側流路と第2熱媒体側流路との間で熱交換可能に構成される。気化器23における熱交換により、第2消火剤側流路を流れる液状消火剤が、第2熱媒体側流路を流れる第2熱媒体により加熱され、蒸発(気化)する。
(第2熱媒体タンク、第2熱媒体供給ライン)
消火設備1は、図2~図11に示されるように、液状態の第2熱媒体を貯留するように構成された第2熱媒体タンク51と、第2熱媒体供給ライン5と、をさらに備えていてもよい。第2熱媒体供給ライン5は、第2熱媒体タンク51から第2熱媒体の供給先(例えば気化器23等)に第2熱媒体を送るための、第2熱媒体の供給系統からなる。第2熱媒体タンク51に貯留される液状態の第2熱媒体は、気化器23に導かれる液状消火剤よりも温度が高い。或る実施形態では、第2熱媒体タンク51には、第2熱媒体としてサーバ排熱を回収した約60℃の排熱回収冷媒(冷媒油や冷媒水等)が貯留される。なお、第2熱媒体タンク51からの第2熱媒体は、液状態で気化器23に流入する。
第2熱媒体供給ライン5の一端(上流端)が第2熱媒体タンク51に接続され、第2熱媒体供給ライン5の他端(下流端)が第2熱媒体の供給先(例えば気化器23等)に接続される。第2熱媒体供給ライン5は、第2熱媒体供給ライン5上の気化器23よりも上流側に設けられ、液状の第2熱媒体を送るための第2熱媒体用ポンプ52を含む。第2熱媒体用ポンプ52により、第2熱媒体タンク51に貯留された液状の第2熱媒体が第2熱媒体供給ライン5に抜き出され、第2熱媒体供給ライン5の下流側に第2熱媒体が送られる。
膨張タービン24は、ORCサイクル2上の気化器23よりも下流側、且つ凝縮器21よりも上流側に設けられて、ガス状消火剤を膨張させるように構成される。気化器23において気化された消火剤は、ガス状態で膨張タービン24に流入する。膨張タービン24は、ガス状消火剤を膨張させて該ガス状消火剤からタービンの回転動力を回収するように構成される。図2~図11に示されるように、ORCサイクル2は、膨張タービン24に接続される発電機26をさらに含んでいてもよい。発電機26は、膨張タービン24が回収した回転動力により回転駆動されて電力を生成するように構成される。
ORCサイクル2は、凝縮器21において第1熱媒体から回収した冷熱エネルギーにより、膨張タービン24が動力を出力できる。また、ORCサイクル2が発電機26を含む場合には、膨張タービン24が出力する動力を電力に変換できる。
(消火剤供給ライン)
少なくとも1つの消火剤供給ライン3は、ORCサイクル2から少なくとも1つの防火対象物10に消火剤を送るための、消火剤の供給系統からなる。消火剤供給ライン3の各々は、その一端(上流端)31A、31BがORCサイクル2に接続され、その他端(下流端)32A、32Bが防火対象物10に接続されている。消火剤供給ライン3の各々の他端32A、32Bには、消火剤を噴射するための少なくとも1つの消火剤噴射口33A、33Bが形成されていてもよい。なお、消火剤供給ライン3の各々の他端32A、32Bには、複数の防火対象物10の各々に対して消火剤を噴射するための複数の消火剤噴射口33A、33Bが形成されていてもよい。
(バイパスライン、バイパス弁)
ORCサイクル2は、図2~図11に示されるように、膨張タービン24を迂回するバイパスライン27と、バイパスライン27上に設けられたバイパス弁28と、をさらに含んでいてもよい。バイパスライン27は、ORCサイクル2上の気化器23よりも下流側、且つ膨張タービン24よりも上流側に一端(上流端)が接続され、且つORCサイクル2上の膨張タービン24よりも下流側、且つ凝縮器21よりも上流側に他端(下流端)が接続されている。
バイパス弁28は、バイパスライン27におけるガス状消火剤の流路を開閉可能な不図示の弁体を有し、バイパスライン27上のバイパス弁28よりも下流側に導かれるガス状消火剤の流量を調整可能に構成される。バイパス弁28を開くことで、ORCサイクル2を流れるガス状消火剤は、膨張タービン24を迂回してバイパスライン27を通る。なお、バイパス弁28は、全閉と全開に開度調整可能な開閉弁でもよいし、全閉と全開とこれらの間の少なくとも1つの中間開度に開度調整可能な開度調整弁でもよい。
幾つかの実施形態に係る消火設備1は、図2~図11に示されるように、上述したORCサイクル2と、上述した少なくとも1つの消火剤供給ライン3と、を備える。この場合には、防火対象物10に火災が発生したときに、消火剤供給ライン3を介してORCサイクル2から該防火対象物10に液状又はガス状の消火剤を送ることで、防火対象物10における火災を消火できる。火災が発生していない定常時には、消火剤を作動媒体としてORCサイクル2内を循環させ、膨張タービン24を駆動させることで、膨張タービン24の出力を回収できる。このように消火剤をORCサイクル2の作動媒体として活用することで、消火剤を単に防火対象物10を備える構造物11内に保管する場合に比べて、消火設備1の経済性の向上が図れる。
また、消火剤を単に防火対象物10を備える構造物11内に保管する場合には、該構造物11に消火剤を保管するための占有空間が必要となる。これに対して、上記の構成によれば、消火剤をORCサイクル2の作動媒体として活用することで、上記占有空間が不要となる。
(液状消火剤供給ライン)
幾つかの実施形態では、図2~図7、図10、図11に示されるように、上述した少なくとも1つの消火剤供給ライン3は、ORCサイクル2から少なくとも1つの防火対象物10(10A)に液状消火剤を送るための液状消火剤供給ライン3Aを含む。液状消火剤供給ライン3Aは、ORCサイクル2上における凝縮器21よりも下流側、且つ気化器23よりも上流側にその一端(上流端)31Aが接続されている。
消火設備1は、図2、図4~図7、図10に示されるように、液状消火剤供給ライン3A上に設けられた第1の流量調整弁34Aをさらに備えていてもよい。第1の流量調整弁34Aは、液状消火剤供給ライン3Aにおける液状消火剤の流路を開閉可能な不図示の弁体を有し、液状消火剤供給ライン3Aの他端32Aに接続された防火対象物10A(10)に導かれる液状消火剤の流量を調整可能に構成される。なお、第1の流量調整弁34Aは、全閉と全開に開度調整可能な開閉弁でもよいし、全閉と全開とこれらの間の少なくとも1つの中間開度に開度調整可能な開度調整弁でもよい。
防火対象物10Aに設けられた火災報知器7(7A)が、該防火対象物10Aにおける火災の発生を検知した場合に、第1の流量調整弁34Aは、全閉状態からその開度を大きくするように構成される。ORCサイクル2を流れる液状消火剤の一部は、液状消火剤供給ライン3Aの一端31Aを通じて、ORCサイクル2から液状消火剤供給ライン3Aに送られる。液状消火剤供給ライン3Aに送られた液状消火剤は、第1の流量調整弁34Aを通過し、他端32Aに形成された消火剤噴射口33Aから該防火対象物10Aに噴射される。
上記の構成によれば、液状消火剤を、液状消火剤供給ライン3Aを通じて、ORCサイクル2から防火対象物10A(10)に送ることができる。防火対象物10Aに送られる液状消火剤は、液化温度以下の低温であるため、防火対象物10Aにおける燃焼物(火災熱源)から熱を奪い、着火温度以下に下げることができる。すなわち、防火対象物10Aに送られる液状消火剤により、防火対象物10Aにおける火災を冷却消火できる。
(液状消火剤供給ラインの接続位置)
幾つかの実施形態では、図2、図4~図7、図10、図11に示されるように、上述した液状消火剤供給ライン3Aの一端31Aは、ORCサイクル2上における昇圧ポンプ22よりも下流側、且つ気化器23よりも上流側に接続されている。この場合には、液状消火剤供給ライン3Aを通じて防火対象物10へ液状消火剤を送るときに、昇圧ポンプ22による消火剤の昇圧作用を利用できる。
なお、他の実施形態では、上述した液状消火剤供給ライン3Aの一端31Aは、ORCサイクル2上における凝縮器21よりも下流側、且つ昇圧ポンプ22よりも上流側に接続されていてもよい。上述した液状消火剤供給ライン3Aの一端31Aは、図3に示されるように、ORCサイクル2が消火剤貯留タンク25を含む場合には、消火剤貯留タンク25に貯留された液状消火剤を利用できるように、ORCサイクル2上における消火剤貯留タンク25よりも下流側に接続されることが好ましい。図3に示されるように、液状消火剤供給ライン3Aの一端31Aは、消火剤貯留タンク25に接続されていてもよい。
(補助ポンプ)
上述した液状消火剤供給ライン3Aは、消火剤供給ライン3A上に設けられ、液状消火剤供給ライン3Aを流れる液状消火剤を昇圧するための補助ポンプ35を含んでいてもよい。補助ポンプ35は、液状消火剤を昇圧するように構成される。補助ポンプ35を駆動させることで、液状消火剤が液状消火剤供給ライン3Aの下流側に送られる。
上記の構成によれば、昇圧ポンプ22のみでは、液状消火剤供給ライン3Aを通じて防火対象物10へ液状消火剤を送るための十分な昇圧を得られない場合には、補助ポンプ35を設けることで、上記防火対象物10へ液状消火剤を送るための十分な昇圧を確保できる。例えば、液状消火剤供給ライン3Aの一端31Aを、ORCサイクル2上における凝縮器21よりも下流側、且つ昇圧ポンプ22よりも上流側に接続する場合には、液状消火剤供給ライン3Aに補助ポンプ35を設けることが好ましい。また、上記の構成によれば、補助ポンプ35を設けることで、昇圧ポンプ22のみで十分な昇圧を確保しなくてもよいので、昇圧ポンプ22の大型化や高コスト化を抑制できる。
(ガス状消火剤供給ライン)
幾つかの実施形態では、図8~図11に示されるように、上述した少なくとも1つの消火剤供給ライン3は、ORCサイクル2から少なくとも1つの防火対象物10(10B)にガス状消火剤を送るためのガス状消火剤供給ライン3Bを含む。ガス状消火剤供給ライン3Bは、ORCサイクル2上における気化器23よりも下流側、且つ凝縮器21よりも上流側に一端(上流端)31Bが接続されている。
消火設備1は、図8~図11に示されるように、ガス状消火剤供給ライン3B上に設けられた第2の流量調整弁34Bをさらに備えていてもよい。第2の流量調整弁34Bは、ガス状消火剤供給ライン3Bにおけるガス状消火剤の流路を開閉可能な不図示の弁体を有し、ガス状消火剤供給ライン3Bの他端32Bに接続された防火対象物10B(10)に導かれるガス状消火剤の流量を調整可能に構成される。なお、第2の流量調整弁34Bは、全閉と全開に開度調整可能な開閉弁でもよいし、全閉と全開とこれらの間の少なくとも1つの中間開度に開度調整可能な開度調整弁でもよい。
防火対象物10Bに設けられた火災報知器7(7B)が、該防火対象物10Bにおける火災の発生を検知した場合に、第2の流量調整弁34Bは、全閉状態からその開度を大きくするように構成される。ORCサイクル2を流れるガス状消火剤の一部は、ガス状消火剤供給ライン3Bの一端31Bを通じて、ORCサイクル2からガス状消火剤供給ライン3Bに送られる。ガス状消火剤供給ライン3Bに送られたガス状消火剤は、第2の流量調整弁34Bを通過し、他端32Bに形成された消火剤噴射口33Bから該防火対象物10Bに噴射される。
上記の構成によれば、ガス状消火剤を、ガス状消火剤供給ライン3Bを通じて、ORCサイクル2から防火対象物10B(10)に送ることができる。防火対象物10Bに送られるガス状消火剤は、防火対象物10Bにおける燃焼物(火災熱源)への空気の供給を遮断すること、又は防火対象物10B内の酸素濃度を希釈することができる。すなわち、防火対象物10Bに送られるガス状消火剤により、防火対象物10Bにおける火災を酸欠消火できる。
(ガス状消火剤供給ラインの接続位置)
幾つかの実施形態では、図8~図11に示されるように、上述したガス状消火剤供給ライン3Bの一端31Bは、上述したバイパスライン27に接続されている。この場合には、バイパスライン27を流れるガス状消火剤は、膨張タービン24において膨張しておらず、昇圧ポンプ22による昇圧作用が残っている。このため、バイパスライン27およびガス状消火剤供給ライン3Bを通じて防火対象物10へガス状消火剤を送るときに、昇圧ポンプ22による消火剤の昇圧作用を利用できる。
幾つかの実施形態では、図8~図11に示されるように、上述したバイパス弁28は、三方弁28Aからなり、該三方弁28Aの流体入出口の一つにガス状消火剤供給ライン3Bの一端31Bが接続されている。三方弁28Aにより、ガス状消火剤の送出先を、バイパスライン27における三方弁28Aよりも下流側、又は、ガス状消火剤供給ライン3B、に切り替えることができる。この場合には、三方弁28Aが上述した第2の流量調整弁34Bとして機能するため、ガス状消火剤供給ライン3Bに第2の流量調整弁34Bを別途設ける必要がないため、消火設備1の構造の複雑化を抑制できる。
なお、他の実施形態では、上述したガス状消火剤供給ライン3Bの一端31Bは、ORCサイクル2における気化器23と凝縮器21とを繋ぐ循環ラインに接続されていてもよい。上述した膨張タービン24は、循環ライン上に設けられている。循環ラインには、バイパスライン27の一端および他端が接続されている。上述したガス状消火剤供給ライン3Bの一端31Bは、循環ラインにおける膨張タービン24の下流側よりも上流側に接続されることが好ましい。
(補助圧縮機)
幾つかの実施形態では、図11に示されるように、上述したガス状消火剤供給ライン3Bは、ガス状消火剤供給ライン3B上に設けられ、ガス状消火剤供給ライン3Bを流れるガス状消火剤を昇圧するための補助圧縮機36を含んでいてもよい。補助圧縮機36は、ガス状消火剤を昇圧するように構成される。図示される実施形態では、ガス状消火剤供給ライン3Bは、補助圧縮機36に接続される電動機37をさらに含んでいてもよい。補助圧縮機36は、電動機37が電力を変換して出力する回転動力により回転駆動され、補助圧縮機36に導かれたガス状消火剤を昇圧するように構成される。補助圧縮機36を駆動させることで、ガス状消火剤がガス状消火剤供給ライン3Bの下流側に送られる。
上記の構成によれば、昇圧ポンプ22のみでは、ガス状消火剤供給ライン3Bを通じて防火対象物10へガス状消火剤を送るための十分な昇圧を得られない場合には、補助圧縮機36を設けることで、上記防火対象物10へガス状消火剤を送るための十分な昇圧を確保できる。また、上記の構成によれば、昇圧ポンプ22のみで十分な昇圧を確保しなくてもよいので、昇圧ポンプ22の大型化や高コスト化を抑制できる。
(分岐ライン、消火用凝縮器)
幾つかの実施形態では、図9に示されるように、上述した少なくとも1つの消火剤供給ライン3は、ガス状消火剤供給ライン3Bに一端(上流端)381が接続された分岐ライン38をさらに含む。分岐ライン38の他端(下流端)382は、防火対象物10に接続されている。分岐ライン38の他端382には、消火剤を噴射するための少なくとも1つの消火剤噴射口383が形成されていてもよい。
分岐ライン38は、分岐ライン38上に設けられたガス状消火剤を液化させるための消火用凝縮器39を含む。消火用凝縮器39は、分岐ライン38を流れるガス状消火剤に冷媒供給ライン4Cを流れる冷媒(例えば冷却水等)からの冷熱エネルギーを伝達して液化させるように構成される。
消火用凝縮器39は、分岐ライン38を流れるガス状消火剤と、冷媒供給ライン4Cを流れる冷媒との間で熱交換可能に構成されていてもよい。消火用凝縮器39における熱交換により、分岐ライン38を流れるガス状消火剤が、冷媒供給ライン4Cを流れる冷媒により冷却され、凝縮(液化)する。消火設備1は、図9に示されるように、冷媒供給ライン4Cと、冷媒供給ライン4Cに送るための液状態の冷媒を貯留するように構成された冷媒タンク41Cと、をさらに備えていてもよい。
図9に示されるように、ガス状消火剤供給ライン3Bの他端32Bは、少なくとも1つの防火対象物10のうち、第1防火対象物10Bに接続され、分岐ライン38の他端382は、少なくとも1つの防火対象物10のうち、第1防火対象物10Bとは異なる第2防火対象物10Aに接続されている。
上記の構成によれば、消火設備1は、消火対象である防火対象物10毎に、液状消火剤供給ライン3Aを通じて液状消火剤を送るか、ガス状消火剤供給ライン3Bを通じてガス状消火剤を送るかが選択されている。具体的には、複数の消火対象(防火対象物10)の内、人が常駐している消火対象であり、該消火対象に対してガス状消火剤を用いた消火を行うと人体への影響が懸念される消火対象には、分岐ライン38上に設けられた消火用凝縮器39により液化させた消火剤を送ることで、上記懸念の払拭が図れる。また、人が常駐していない消火対象には、ガス状消火剤供給ライン3Bを通じてガス状消火剤を送るようにすることができる。
幾つかの実施形態では、図11に示されるように、上述した少なくとも1つの消火剤供給ライン3は、上述した液状消火剤供給ライン3Aと、上述したガス状消火剤供給ライン3Bと、を含む。
上記の構成によれば、液状消火剤を、液状消火剤供給ライン3Aを通じて、ORCサイクル2から防火対象物10に送ることができ、これにより防火対象物10における火災を冷却消火できる。また、ガス状消火剤を、ガス状消火剤供給ライン3Bを通じて、ORCサイクル2から防火対象物10に送ることができ、これにより防火対象物10における火災を酸欠消火できる。
幾つかの実施形態では、図11に示されるように、上述したガス状消火剤供給ライン3Bの他端32Bは、少なくとも1つの防火対象物10のうち、第1防火対象物10Bに接続され、上述した液状消火剤供給ライン3Aの他端32Aは、少なくとも1つの防火対象物10のうち、第1防火対象物10Bとは異なる第2防火対象物10Aに接続されている。
第1防火対象物10Bには、ガス状消火剤供給ライン3Bを通じて、ORCサイクル2からガス状消火剤を送ることができる。第2防火対象物10Aには、液状消火剤供給ライン3Aを通じて、ORCサイクル2から液状消火剤を送ることができる。
上記の構成によれば、消火設備1は、消火対象である防火対象物10毎に、液状消火剤供給ライン3Aを通じて液状消火剤を送るか、ガス状消火剤供給ライン3Bを通じてガス状消火剤を送るかが選択されている。具体的には、複数の消火対象(防火対象物10)の内、人が常駐している消火対象であり、該消火対象に対してガス状消火剤を用いた消火を行うと人体への影響が懸念される消火対象には、液状消火剤供給ライン3Aを通じて液状消火剤を送ることで、上記懸念の払拭が図れる。また、人が常駐していない消火対象には、ガス状消火剤供給ライン3Bを通じてガス状消火剤を送るようにすることができる。
また、上記に記載の消火設備1は、ガス状消火剤供給ライン3Bを流れるガス状消火剤を凝縮器(消火用凝縮器39)により液化させた後に、液状消火剤による消火の対象である消化対象(第2防火対象物10A)に送る構造に比べて、消火設備1の構造の複雑化を抑制できるとともに、上記凝縮器に冷媒を送るための電力消費を削減できる。
(燃焼装置)
幾つかの実施形態では、上述した第1熱媒体タンク41に貯留される第1熱媒体は、水よりも液化温度(沸点)が低い液化ガスからなる。この液化ガスとしては、液化天然ガス(LNG)、液体水素などが挙げられる。幾つかの実施形態では、上述した消火設備1は、図3、図4に示されるように、第1熱媒体を燃焼させるように構成される燃焼装置(例えば、ガスタービン)43をさらに備えていてもよい。燃焼装置43は、第1熱媒体供給ライン4の他端(下流端)に接続され、第1熱媒体供給ライン4上において気化した第1熱媒体が送られるように構成される。
水よりも液化温度(沸点)が低い液化ガスを第1熱媒体とすることで、凝縮器21に伝達される第1熱媒体からの冷熱エネルギーを、冷却水に比べて増大させることができる。これにより、ORCサイクル2における熱源と冷熱源の温度差を増大させることができ、膨張タービン24の出力を増大できる。
(第1熱媒体側加熱器)
上述した消火設備1は、図3、図4に示されるように、第1熱媒体供給ライン4上に設けられる第1熱媒体を加熱するための第1熱媒体側加熱器44をさらに備えていてもよい。第1熱媒体側加熱器44は、第1熱媒体供給ライン4上の凝縮器21又は中間サイクル側冷却器61よりも下流側に設けられる。第1熱媒体側加熱器44により、ガス状態の第1熱媒体が適温まで昇温されてから、第1熱媒体の供給先に供給される。第1熱媒体側加熱器44は、熱媒供給ライン5Aを流れる熱媒(例えば、サーバ排熱を回収した冷媒油や冷媒水等)と、第1熱媒体供給ライン4を流れる第1熱媒体とを熱交換させて、第1熱媒体を加熱するように構成されていてもよい。
消火設備1は、図3、図4に示されるように、熱媒供給ライン5Aと、熱媒供給ライン5Aに送るための液状態の熱媒を貯留するように構成された熱媒タンク51Aと、をさらに備えていてもよい。
(中間サイクル)
幾つかの実施形態では、図4に示されるように、上述した消火設備1は、第3熱媒体を循環させるように構成された中間サイクル6をさらに備える。中間サイクル6は、中間サイクル側冷却器61と、中間サイクル側昇圧ポンプ62と、中間サイクル側加熱器63と、を含む。
(中間サイクル側冷却器)
中間サイクル側冷却器61は、中間サイクル6上の中間サイクル側加熱器63よりも下流側、且つ中間サイクル側昇圧ポンプ62よりも上流側に設けられる。中間サイクル側加熱器63において昇温した第3熱媒体は、中間サイクル側冷却器61に流入する。中間サイクル側冷却器61は、凝縮器21の代わりに、第1熱媒体供給ライン4上の第1熱媒体用ポンプ42よりも下流側に設けられる。中間サイクル側冷却器61は、第3熱媒体に第1熱媒体からの冷熱エネルギーを伝達させるように構成される。
中間サイクル側冷却器61は、中間サイクル6を流れる第3熱媒体と、第1熱媒体供給ライン4を流れる第1熱媒体との間で熱交換可能に構成される。中間サイクル側冷却器61における熱交換により、中間サイクル6を流れる第3熱媒体が、第1熱媒体供給ライン4を流れる第1熱媒体により冷却される。
(中間サイクル側昇圧ポンプ)
中間サイクル側昇圧ポンプ62は、中間サイクル6上の中間サイクル側冷却器61よりも下流側に設けられる。中間サイクル側冷却器61において冷却された第3熱媒体は、液状態で中間サイクル側昇圧ポンプ62に流入する。中間サイクル側昇圧ポンプ62は、液状の第3熱媒体を昇圧するように構成される。中間サイクル側昇圧ポンプ62を駆動させることで、第3熱媒体が中間サイクル6上を循環する。
(中間サイクル側貯留タンク)
中間サイクル6は、中間サイクル6上の中間サイクル側冷却器61よりも下流側、且つ中間サイクル側昇圧ポンプ62よりも上流側に設けられた中間サイクル側貯留タンク64をさらに含んでいてもよい。中間サイクル側貯留タンク64は、中間サイクル側冷却器61において冷却された第3熱媒体を貯留するように構成される。中間サイクル側昇圧ポンプ62を駆動させることで、中間サイクル側貯留タンク64に貯留された第3熱媒体が、中間サイクル6上の中間サイクル側貯留タンク64よりも下流側に送られる。
(凝縮器)
凝縮器21は、ORCサイクル2上の膨張タービン24よりも下流側、且つ昇圧ポンプ22よりも上流側に設けられる。また、凝縮器21は、中間サイクル6上の中間サイクル側昇圧ポンプ62よりも下流側、且つ中間サイクル側加熱器63よりも上流側に設けられる。凝縮器21は、ORCサイクル2を流れるガス状消火剤と中間サイクル6を流れる第3熱媒体との間で熱交換を行うように構成される。凝縮器21における熱交換により、ORCサイクル2を流れるガス状消火剤が、中間サイクル6を流れる第3熱媒体により冷却され、凝縮(液化)する。また、中間サイクル6を流れる第3熱媒体が、ORCサイクル2を流れるガス状消火剤により加熱され、昇温する。
(中間サイクル側加熱器)
中間サイクル側加熱器63は、中間サイクル6上の中間サイクル側昇圧ポンプ62及び凝縮器21よりも下流側、中間サイクル側冷却器61よりも上流側に設けられる。中間サイクル側加熱器63は、中間サイクル6を流れる第3熱媒体に第4熱媒体からの熱エネルギーを伝達して昇温させるように構成される。
図4に示される実施形態では、熱媒供給ライン5Aは、第1熱媒体側加熱器44に熱媒を送るための第1の熱媒供給ライン53と、中間サイクル側加熱器63に熱媒(第4熱媒体)を送るための第2の熱媒供給ライン54と、を含む。第1の熱媒供給ライン53と第2の熱媒供給ライン54は、熱媒供給ライン5A上の分岐部55において分岐している。熱媒供給ライン5Aは、熱媒供給ライン5A上の分岐部55よりも上流側に熱媒を送るための熱媒側ポンプ52Bを含んでいてもよい。
上記の構成によれば、中間サイクル6を設けることで、ORCサイクル2を流れる消火剤の温度や圧力の調整が容易になるので、ORCサイクル2の制御性を向上させることができる。
幾つかの実施形態では、上述した昇圧ポンプ22は、その吐出圧力(出口圧力)のその入口圧力に対する比である圧力比を調整可能に構成されている。昇圧ポンプ22の圧力比を調整することで、昇圧ポンプ22から吐出される液状消火剤の圧力を調整でき、消火剤の送出距離を調整できる。この場合には、従来のボンベ内圧により消火対象へ窒素ガスを送出する構成に比べて、消火剤の送出距離を大きくできるため、構造物11における消火設備1のレイアウトの自由度が向上する。
幾つかの実施形態では、例えば図5に示されるように、上述した消火設備1は、少なくとも1つの防火対象物10に設けられた火災報知器7と、少なくとも1つの消火剤供給ライン3上に設けられた流量調整弁34A、34Bと、を備える。消火設備1は、火災報知器7からの火災報知信号を受信したときに、流量調整弁34A、34Bを開くとともに、昇圧ポンプ22の圧力比を増大させるように構成されている。
図示される実施形態では、消火設備1は、消火設備1が備える機器を制御するための制御装置8を備える。制御装置8は、消火設備1が備える機器を制御するための電子制御ユニットである。制御装置8は、図示しないCPU(プロセッサ)や、ROMやRAMといったメモリ、外部記憶装置などの記憶装置、I/Oインターフェース、通信インターフェースなどからなるマイクロコンピュータとして構成される。制御装置8は、例えば上記メモリの主記憶装置にロードされたプログラムの命令に従ってCPUが動作(例えばデータの演算など)することで、消火設備1が備える機器に対する制御を実現してもよい。
制御装置8は、火災報知器7からの火災報知信号を受信可能に構成される。また、制御装置8は、消火設備1が備えるポンプ(昇圧ポンプ22等)に対して、駆動や停止の指示や昇圧ポンプ22に対して昇圧ポンプ22の圧力比の指示が可能に構成される。また、制御装置8は、消火設備1が備える弁(流量調整弁34A、34B等)に対して、開度の指示が可能に構成される。
制御装置8は、火災報知器7からの火災報知信号を受信したときに、火災報知器7が設けられた防火対象物10へ消火剤を送るための消火剤供給ライン3上に設けられた流量調整弁34A、34Bに対して、その開度を全閉状態から開くように指示する。また、制御装置8は、火災報知器7からの火災報知信号を受信したときに、昇圧ポンプ22に対して昇圧ポンプ22の圧力比を、火災報知器7からの火災報知信号を受信する前の定常時に対して設定された設定圧力比よりも増大させるように指示する。
上記の構成によれば、火災が発生していない定常時には、昇圧ポンプ22の圧力比を低く設定することで、ORCサイクル2の消費動力の増大を抑制し、ORCサイクル2の経済的な運転が可能になる。防火対象物10に火災が発生したときに、火災報知器7が発信する火災報知信号を受信し、流量調整弁34A、34B開き、昇圧ポンプ22の圧力比を増大させることで、昇圧ポンプ22の吐出圧力を、防火対象物10に消火剤を送るための適切な圧力まで増大させることができ、防火対象物10に消火剤を過不足なく送ることができる。
(液状消火剤回収ライン)
幾つかの実施形態では、図6に示されるように、上述した少なくとも1つの防火対象物10の各々は、消火剤が導入される内部空間100を有する。上述した消火設備1は、内部空間100に散布された消火剤に第5熱媒体からの冷熱エネルギーを伝達して液化させるように構成された第1の消火設備側凝縮器91と、第1の消火設備側凝縮器91において液化された消火剤を消火剤貯留タンク25に導くための液状消火剤回収ライン92と、をさらに備える。内部空間100に散布された消火剤は、ガス状態となる。
第1の消火設備側凝縮器91は、内部空間100に配置される。第1の消火設備側凝縮器91は、内部空間100に存在するガス状の消火剤と、冷媒供給ライン45を流れる第5熱媒体(冷媒)との間で熱交換可能に構成されていてもよい。図6に示されるように、冷媒供給ライン45の上流端は、第1熱媒体タンク41に接続され、冷媒供給ライン45を流れる第5熱媒体は、第1熱媒体タンク41から送られる第1熱媒体であってもよい。
第1の消火設備側凝縮器91において液化された消火剤は、液状消火剤回収ライン92を介して消火剤を消火剤貯留タンク25に戻される。
上記の構成によれば、防火対象物10の内部空間100に散布された消火剤を液化させた後に消火剤貯留タンク25に戻すことができる。この場合には、内部空間100に散布した消火剤を回収して再利用することで、高額な消火剤の消費量を低減できるため、消火設備1の経済性を向上できる。本実施形態は、サーバラック13等の消火剤が漏洩し難い密閉性が高い防火対象物10に好適に使用可能である。
(ガス状消火剤回収ライン)
幾つかの実施形態では、図7に示されるように、上述した少なくとも1つの防火対象物10の各々は、消火剤が導入される内部空間100を有する。上述した消火設備1は、内部空間100に散布された消火剤を含む気体(空気)を内部空間100から取り出し、液化させた消火剤を消火剤貯留タンク25に戻すためのガス状消火剤回収ライン94をさらに備える。
ガス状消火剤回収ライン94は、ガス状消火剤回収ライン94上に設けられた第2の消火設備側凝縮器95と、ガス状消火剤回収ライン94上の第2の消火設備側凝縮器95よりも下流側に設けられた気液分離器96と、を含む。
図示される実施形態では、ガス状消火剤回収ライン94は、内部空間100から第2の消火設備側凝縮器95にガス状の消火剤を含む気体を導くための第1のガス状消火剤回収ライン94Aと、第2の消火設備側凝縮器95において液化させた消火剤を気液分離器96に導くための第2のガス状消火剤回収ライン94Bと、気液分離器96において気体(空気)が分離された液状消火剤を消火剤貯留タンク25に導くための第3のガス状消火剤回収ライン94Cと、第3のガス状消火剤回収ライン94Cに設けられ、第3のガス状消火剤回収ライン94Cを流れる液状消火剤の流量を調整可能に構成された回収ライン側流量調整弁97と、をさらに含む。
第2の消火設備側凝縮器95は、防火対象物10の外部に配置される。第2の消火設備側凝縮器95は、ガス状消火剤回収ライン94を流れるガス状の消火剤と、冷媒供給ライン4Aを流れる冷媒との間で熱交換可能に構成されていてもよい。第2の消火設備側凝縮器95における熱交換により、気体(空気)に含まれるガス状消火剤が、冷媒供給ライン4Aを流れる冷媒により冷却され、凝縮(液化)する。第2の消火設備側凝縮器95における熱交換では、空気(不凝縮ガス)は凝縮しない。消火設備1は、図7に示されるように、冷媒供給ライン4Aと、冷媒供給ライン4Aに送るための液状態の冷媒を貯留するように構成された冷媒タンク41Aと、をさらに備えていてもよい。
気液分離器96は、液状消火剤と空気とを分離するように構成される。消火剤貯留タンク25に戻される液状消火剤から空気(不凝縮ガス)を取り除くことで、ORCサイクル2における熱交換性能の低下を抑制できる。ORCサイクル2の駆動中において、消火剤貯留タンク25の内圧は、気液分離器96の内圧よりも低圧になるので、回収ライン側流量調整弁97を開くことで、気液分離器96から消火剤貯留タンク25に液状消火剤が吸い込まれる。
上記の構成によれば、防火対象物10の内部空間100に散布された消火剤を液化させ、空気から分離した後に消火剤貯留タンク25に戻すことができる。この場合には、散布した消火剤を含む空気から消火剤を回収することで、高額な消火剤の消費量を低減できるため、消火設備1の経済性を向上できる。また、上記の構成によれば、防火対象物10の内部空間100に消火剤を散布する際に、第1のガス状消火剤回収ライン94Aを介したガス状の消火剤を含む気体の排出を同時に行うことで、内部空間100の内圧が過大になることを防止できる。本実施形態は、サーバラック13等の消火剤が漏洩し難い密閉性が高い防火対象物10に好適に使用可能である。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
上述した幾つかの実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握されるものである。
1)本開示の少なくとも一実施形態に係る消火設備(1)は、
消火剤を作動媒体として循環させるように構成されたORCサイクル(2)であって、
前記ORCサイクル(2)上に設けられ、ガス状の前記消火剤であるガス状消火剤に第1熱媒体からの冷熱エネルギーを伝達して液化させるように構成された凝縮器(21)と、
前記ORCサイクル(2)上の凝縮器(21)の下流側に設けられ、前記凝縮器(21)において前記ガス状消火剤が液化した液状消火剤を昇圧するための昇圧ポンプ(22)と、
前記ORCサイクル(2)上の前記昇圧ポンプ(22)の下流側に設けられ、前記液状消火剤に第2熱媒体からの熱エネルギーを伝達して気化させるように構成された気化器(23)と、
前記ORCサイクル(2)上の前記気化器(23)の下流側、且つ前記凝縮器(21)の上流側に設けられる膨張タービン(24)であって、前記液状消火剤が気化したガス状消火剤により駆動される膨張タービン(24)と、
を含むORCサイクル(2)と、
前記液状消火剤又は前記ガス状消火剤の少なくとも一方を、前記ORCサイクル(2)から抜き出して少なくとも1つの防火対象物(10)に送るための少なくとも1つの消火剤供給ライン(3)と、を備える。
上記1)の構成によれば、防火対象物(10)に火災が発生したときに、消火剤供給ライン(3)を介してORCサイクル(2)から該防火対象物(10)に液状又はガス状の消火剤を送ることで、防火対象物(10)における火災を消火できる。火災が発生していない定常時には、消火剤を作動媒体としてORCサイクル(2)内を循環させ、膨張タービン(24)を駆動させることで、膨張タービン(24)の出力を回収できる。このように消火剤をORCサイクル(2)の作動媒体として活用することで、消火剤を単に防火対象物(10)を備える構造物内に保管する場合に比べて、消火設備(1)の経済性の向上が図れる。
また、消火剤を単に防火対象物(10)を備える構造物内に保管する場合には、該構造物に消火剤を保管するための占有空間が必要となる。これに対して、上記1)の構成によれば、消火剤をORCサイクル(2)の作動媒体として活用することで、上記占有空間が不要となる。
2)幾つかの実施形態では、上記1)に記載の消火設備(1)であって、
前記少なくとも1つの消火剤供給ライン(3)は、
前記ORCサイクル(2)から前記少なくとも1つの防火対象物(10)に前記液状消火剤を送るための液状消火剤供給ライン(3A)であって、前記ORCサイクル(2)上における前記凝縮器(21)よりも下流側、且つ前記気化器(23)よりも上流側に一端(31A)が接続された液状消火剤供給ライン(3A)を含む。
上記2)の構成によれば、液状消火剤を、液状消火剤供給ライン(3A)を通じて、ORCサイクル(2)から防火対象物(10)に送ることができる。防火対象物(10)に送られる液状消火剤は、液化温度以下の低温であるため、防火対象物(10)における燃焼物(火災熱源)から熱を奪い、着火温度以下に下げることができる。すなわち、防火対象物(10)に送られる液状消火剤により、防火対象物(10)における火災を冷却消火できる。
3)幾つかの実施形態では、上記1)に記載の消火設備(1)であって、
前記少なくとも1つの消火剤供給ライン(3)は、
前記ORCサイクル(2)から前記少なくとも1つの防火対象物(10)に前記ガス状消火剤を送るためのガス状消火剤供給ライン(3B)であって、前記ORCサイクル(2)上における前記気化器(23)よりも下流側、且つ前記凝縮器(21)よりも上流側に一端(31B)が接続されたガス状消火剤供給ライン(3B)を含む。
上記3)の構成によれば、ガス状消火剤を、ガス状消火剤供給ライン(3B)を通じて、ORCサイクル(2)から防火対象物(10)に送ることができる。防火対象物(10)に送られるガス状消火剤は、防火対象物(10)における燃焼物(火災熱源)への空気の供給を遮断すること、又は防火対象物(10)内の酸素濃度を希釈することができる。すなわち、防火対象物(10)に送られるガス状消火剤により、防火対象物(10)における火災を酸欠消火できる。
4)幾つかの実施形態では、上記1)に記載の消火設備(1)であって、
前記少なくとも1つの消火剤供給ライン(3)は、
前記ORCサイクル(2)から前記少なくとも1つの防火対象物(10)に前記液状消火剤を送るための液状消火剤供給ライン(3A)であって、前記ORCサイクル(2)上における前記凝縮器(21)よりも下流側、且つ前記気化器(23)よりも上流側に一端(31A)が接続された液状消火剤供給ライン(3A)と、
前記ORCサイクル(2)から前記少なくとも1つの防火対象物に前記ガス状消火剤を送るためのガス状消火剤供給ライン(3B)であって、前記ORCサイクル(2)上における前記気化器(23)よりも下流側、且つ前記凝縮器(21)よりも上流側に一端(31B)が接続されたガス状消火剤供給ライン(3B)と、を含む。
上記4)の構成によれば、液状消火剤を、液状消火剤供給ライン(3A)を通じて、ORCサイクル(2)から防火対象物(10)に送ることができ、これにより防火対象物(10)における火災を冷却消火できる。また、ガス状消火剤を、ガス状消火剤供給ライン(3B)を通じて、ORCサイクル(2)から防火対象物(10)に送ることができ、これにより防火対象物(10)における火災を酸欠消火できる。
5)幾つかの実施形態では、上記4)に記載の消火設備(1)であって、
前記ガス状消火剤供給ライン(3B)の他端(32B)は、前記少なくとも1つの防火対象物(10)のうち、第1防火対象物(10B)に接続され、
前記液状消火剤供給ライン(3A)の他端(32A)は、前記少なくとも1つの防火対象物(10)のうち、前記第1防火対象物(10B)とは異なる第2防火対象物(10A)に接続された。
上記5)の構成によれば、消火設備(1)は、消火対象である防火対象物10毎に、液状消火剤供給ライン(3A)を通じて液状消火剤を送るか、ガス状消火剤供給ライン(3B)を通じてガス状消火剤を送るかが選択されている。具体的には、複数の消火対象(防火対象物10)の内、人が常駐している消火対象であり、該消火対象に対してガス状消火剤を用いた消火を行うと人体への影響が懸念される消火対象には、液状消火剤供給ライン(3A)を通じて液状消火剤を送ることで、上記懸念の払拭が図れる。また、人が常駐していない消火対象には、ガス状消火剤供給ライン(3B)を通じてガス状消火剤を送るようにすることができる。
また、上記5)に記載の消火設備(1)は、ガス状消火剤供給ライン(3B)を流れるガス状消火剤を凝縮器(消火用凝縮器39)により液化させた後に、液状消火剤による消火の対象である消化対象(第2防火対象物10A)に送る構造に比べて、消火設備(1)の構造の複雑化を抑制できるとともに、上記凝縮器に冷媒を送るための電力消費を削減できる。
6)幾つかの実施形態では、上記3)に記載の消火設備(1)であって、
前記少なくとも1つの消火剤供給ライン(3)は、
前記ガス状消火剤供給ライン(3B)に一端(381)が接続された分岐ライン(38)であって、前記分岐ライン(38)上に設けられた前記ガス状消火剤を液化させるための消火用凝縮器(39)を含む分岐ライン(38)をさらに含み、
前記ガス状消火剤供給ライン(3B)の他端(32B)は、前記少なくとも1つの防火対象物(10)のうち、第1防火対象物(10B)に接続され、
前記分岐ライン(38)の他端(382)は、前記少なくとも1つの防火対象物(10)のうち、前記第1防火対象物(10B)とは異なる第2防火対象物(10A)に接続された。
上記6)の構成によれば、消火設備(1)は、消火対象である防火対象物10毎に、液状消火剤供給ライン(3A)を通じて液状消火剤を送るか、ガス状消火剤供給ライン(3B)を通じてガス状消火剤を送るかが選択されている。具体的には、複数の消火対象(防火対象物10)の内、人が常駐している消火対象であり、該消火対象に対してガス状消火剤を用いた消火を行うと人体への影響が懸念される消火対象には、分岐ライン(38)上に設けられた消火用凝縮器(39)により液化させた消火剤を送ることで、上記懸念の払拭が図れる。また、人が常駐していない消火対象には、ガス状消火剤供給ライン(3B)を通じてガス状消火剤を送るようにすることができる。
7)幾つかの実施形態では、上記2)、4)又は5)の何れかに記載の消火設備(1)であって、
前記液状消火剤供給ライン(3A)の前記一端(31A)は、前記ORCサイクル(2)上における前記昇圧ポンプ(22)よりも下流側、且つ前記気化器(23)よりも上流側に接続された。
上記7)の構成によれば、液状消火剤供給ライン(3A)を通じて防火対象物(10)へ液状消火剤を送るときに、昇圧ポンプ(22)による消火剤の昇圧作用を利用できる。
8)幾つかの実施形態では、上記2)、4)、5)又は7)の何れかに記載の消火設備(1)であって、
前記液状消火剤供給ライン(3A)は、前記液状消火剤供給ライン(3A)上に設けられ、前記液状消火剤供給ライン(3A)を流れる前記液状消火剤を昇圧するための補助ポンプ(35)を含む。
上記8)の構成によれば、昇圧ポンプ(22)のみでは、液状消火剤供給ライン(3A)を通じて防火対象物(10)へ液状消火剤を送るための十分な昇圧を得られない場合には、補助ポンプ(35)を設けることで、上記防火対象物(10)へ液状消火剤を送るための十分な昇圧を確保できる。また、上記8)の構成によれば、昇圧ポンプ(22)のみで十分な昇圧を確保しなくてもよいので、昇圧ポンプ(22)の大型化や高コスト化を抑制できる。
9)幾つかの実施形態では、上記3)から6)までの何れかに記載の消火設備(1)であって、
前記ORCサイクル(2)は、
前記膨張タービン(24)を迂回するバイパスライン(27)であって、前記ORCサイクル(2)上の前記気化器(23)よりも下流側、且つ前記膨張タービン(24)よりも上流側に一端が接続され、且つ前記ORCサイクル(2)上の前記膨張タービン(24)よりも下流側、且つ前記凝縮器(21)よりも上流側に他端が接続されたバイパスライン(27)をさらに含み、
前記ガス状消火剤供給ライン(3B)の前記一端(31B)は、前記バイパスライン(27)に接続された。
上記9)の構成によれば、バイパスライン(27)を流れるガス状消火剤は、膨張タービン(24)において膨張しておらず、昇圧ポンプ(22)による昇圧作用が残っている。このため、バイパスライン(27)およびガス状消火剤供給ライン(3B)を通じて防火対象物(10)へガス状消火剤を送るときに、昇圧ポンプ(22)による消火剤の昇圧作用を利用できる。
10)幾つかの実施形態では、上記3)~6)、又は9)の何れかに記載の消火設備(1)であって、
前記ガス状消火剤供給ライン(3B)は、前記ガス状消火剤供給ライン(3B)上に設けられ、前記ガス状消火剤供給ライン(3B)を流れる前記ガス状消火剤を昇圧するための補助圧縮機(36)を含む。
上記10)の構成によれば、昇圧ポンプ(22)のみでは、ガス状消火剤供給ライン(3B)を通じて防火対象物(10)へガス状消火剤を送るための十分な昇圧を得られない場合には、補助圧縮機(36)を設けることで、上記防火対象物(10)へガス状消火剤を送るための十分な昇圧を確保できる。また、上記10)の構成によれば、昇圧ポンプ(22)のみで十分な昇圧を確保しなくてもよいので、昇圧ポンプ(22)の大型化や高コスト化を抑制できる。
11)幾つかの実施形態では、上記1)~10)の何れかに記載の消火設備(1)であって、
第3熱媒体を循環させるように構成された中間サイクル(6)をさらに備え、
前記中間サイクル(6)は、
前記中間サイクル(6)上に設けられ、前記第3熱媒体に前記第1熱媒体からの冷熱エネルギーを伝達させるように構成された中間サイクル側冷却器(61)と、
前記中間サイクル(6)上の前記中間サイクル側冷却器(61)よりも下流側に設けられ、前記第3熱媒体を昇圧するための中間サイクル側昇圧ポンプ(62)と、
前記中間サイクル(6)上の前記中間サイクル側昇圧ポンプ(62)よりも下流側、且つ前記中間サイクル側冷却器(61)よりも上流側に設けられ、前記第3熱媒体に第4熱媒体からの熱エネルギーを伝達して昇温させるように構成された中間サイクル側加熱器(63)と、を含み、
前記凝縮器(21)は、前記中間サイクル(6)上の前記中間サイクル側昇圧ポンプ(62)よりも下流側、且つ前記中間サイクル側加熱器(63)よりも上流側に設けられ、前記ORCサイクル(2)を流れる前記ガス状消火剤と前記中間サイクル(6)を流れる前記第3熱媒体との間で熱交換を行うように構成された。
上記11)の構成によれば、中間サイクル(6)を設けることで、ORCサイクル(2)を流れる消火剤の温度や圧力の調整が容易になるので、ORCサイクル(2)の制御性を向上させることができる。
12)幾つかの実施形態では、上記1)~11)の何れかに記載の消火設備(1)であって、
前記昇圧ポンプ(22)は、圧力比を調整可能に構成された。
上記12)の構成によれば、昇圧ポンプ(22)の圧力比を調整することで、昇圧ポンプ(22)から吐出される液状消火剤の圧力を調整でき、消火剤の送出距離を調整できる。この場合には、従来のボンベ内圧により消火対象へ窒素ガスを送出する構成に比べて、消火剤の送出距離を大きくできるため、構造物(11)における消火設備(1)のレイアウトの自由度が向上する。
13)幾つかの実施形態では、上記12)に記載の消火設備(1)であって、
前記少なくとも1つの防火対象物(10)に設けられた火災報知器(7)と、
前記少なくとも1つの消火剤供給ライン(3)上に設けられた流量調整弁(34A、34B)と、をさらに備え、
前記火災報知器(7)からの火災報知信号を受信したときに、
前記流量調整弁(34A、34B)を開くとともに、前記昇圧ポンプ(22)の前記圧力比を増大させるように構成された。
上記13)の構成によれば、火災が発生していない定常時には、昇圧ポンプ(22)の圧力比を低く設定することで、ORCサイクル(2)の消費動力の増大を抑制し、ORCサイクル(2)の経済的な運転が可能になる。防火対象物(10)に火災が発生したときに、火災報知器(7)が発信する火災報知信号を受信し、流量調整弁(34A、34B)を開き、昇圧ポンプ(22)の圧力比を増大させることで、昇圧ポンプ(22)の吐出圧力を、防火対象物(10)に消火剤を送るための適切な圧力まで増大させることができ、防火対象物(10)に消火剤を過不足なく送ることができる。
14)幾つかの実施形態では、上記1)~13)の何れかに記載の消火設備(1)であって、
前記少なくとも1つの防火対象物(10)の各々は、前記消火剤が導入される内部空間(100)を有し、
前記ORCサイクル(2)は、前記ORCサイクル(2)上の前記凝縮器(21)よりも下流側、且つ前記昇圧ポンプ(22)よりも上流側に設けられ、前記凝縮器(21)において前記ガス状消火剤が液化した前記液状消火剤を貯留するように構成された消火剤貯留タンク(25)をさらに含み、
前記消火設備(1)は、
前記内部空間(100)に散布された前記消火剤に第5熱媒体からの冷熱エネルギーを伝達して液化させるように構成された第1の消火設備側凝縮器(91)と、
前記第1の消火設備側凝縮器(91)において液化された前記消火剤を前記消火剤貯留タンク(25)に導くための液状消火剤回収ライン(92)と、をさらに備える。
上記14)の構成によれば、防火対象物(10)の内部空間(100)に散布された消火剤を液化させた後に消火剤貯留タンク(25)に戻すことができる。この場合には、内部空間(100)に散布した消火剤を回収して再利用することで、高額な消火剤の消費量を低減できるため、消火設備(1)の経済性を向上できる。
15)幾つかの実施形態では、上記1)~13)の何れかに記載の消火設備(1)であって、
前記少なくとも1つの防火対象物(10)の各々は、前記消火剤が導入される内部空間(100)を有し、
前記ORCサイクル(2)は、前記ORCサイクル(2)上の前記凝縮器(21)よりも下流側、且つ前記昇圧ポンプ(22)よりも上流側に設けられ、前記凝縮器(21)において前記ガス状消火剤が液化した前記液状消火剤を貯留するように構成された消火剤貯留タンク(25)をさらに含み、
前記消火設備(1)は、
前記内部空間(100)に散布された前記消火剤を含む気体を前記内部空間(100)から取り出し、液化させた前記消火剤を前記消火剤貯留タンク(25)に戻すためのガス状消火剤回収ライン(94)をさらに備え、
前記ガス状消火剤回収ライン(94)は、
前記ガス状消火剤回収ライン(94)上に設けられた第2の消火設備側凝縮器(95)であって、前記ガス状消火剤回収ライン(94)を流れる前記気体に第6熱媒体からの冷熱エネルギーを伝達して前記消火剤を液化させるように構成された第2の消火設備側凝縮器(95)と、
前記ガス状消火剤回収ライン(94)上の前記第2の消火設備側凝縮器(95)よりも下流側に設けられた気液分離器(96)であって、前記第2の消火設備側凝縮器(95)において液化された前記消火剤を前記気体から分離させるように構成された気液分離器(96)と、を含む。
上記15)の構成によれば、防火対象物(10)の内部空間(100)に散布された消火剤を液化させ、空気から分離した後に消火剤貯留タンク(25)に戻すことができる。この場合には、散布した消火剤を含む空気から消火剤を回収することで、高額な消火剤の消費量を低減できるため、消火設備(1)の経済性を向上できる。
1 消火設備
2 ORCサイクル
3 消火剤供給ライン
3A 液状消火剤供給ライン
3B ガス状消火剤供給ライン
4 第1熱媒体供給ライン
5 第2熱媒体供給ライン
6 中間サイクル
7 火災報知器
10,10A,10B 防火対象物
11 構造物
21 凝縮器
22 昇圧ポンプ
23 気化器
24 膨張タービン
25 消火剤貯留タンク
26 発電機
27 バイパスライン
28 バイパス弁
28A 三方弁
31A,31B 一端(上流端)
32A,32B 他端(下流端)
33A,33B 消火剤噴射口
34A 第1の流量調整弁
34B 第2の流量調整弁
35 補助ポンプ
36 補助圧縮機
37 電動機
38 分岐ライン
39 消火用凝縮器
41 第1熱媒体タンク
42 第1熱媒体用ポンプ
51 第2熱媒体タンク
52 第2熱媒体用ポンプ
61 中間サイクル側冷却器
62 中間サイクル側昇圧ポンプ
63 中間サイクル側加熱器
64 中間サイクル側貯留タンク

Claims (15)

  1. 消火剤を作動媒体として循環させるように構成されたORCサイクルであって、
    前記ORCサイクル上に設けられ、ガス状の前記消火剤であるガス状消火剤に第1熱媒体からの冷熱エネルギーを伝達して液化させるように構成された凝縮器と、
    前記ORCサイクル上の凝縮器の下流側に設けられ、前記凝縮器において前記ガス状消火剤が液化した液状消火剤を昇圧するための昇圧ポンプと、
    前記ORCサイクル上の前記昇圧ポンプの下流側に設けられ、前記液状消火剤に第2熱媒体からの熱エネルギーを伝達して気化させるように構成された気化器と、
    前記ORCサイクル上の前記気化器の下流側、且つ前記凝縮器の上流側に設けられる膨張タービンであって、前記液状消火剤が気化したガス状消火剤により駆動される膨張タービンと、
    を含むORCサイクルと、
    前記液状消火剤又は前記ガス状消火剤の少なくとも一方を、前記ORCサイクルから抜き出して少なくとも1つの防火対象物に送るための少なくとも1つの消火剤供給ラインと、を備える、
    消火設備。
  2. 前記少なくとも1つの消火剤供給ラインは、
    前記ORCサイクルから前記少なくとも1つの防火対象物に前記液状消火剤を送るための液状消火剤供給ラインであって、前記ORCサイクル上における前記凝縮器よりも下流側、且つ前記気化器よりも上流側に一端が接続された液状消火剤供給ラインを含む、
    請求項1に記載の消火設備。
  3. 前記少なくとも1つの消火剤供給ラインは、
    前記ORCサイクルから前記少なくとも1つの防火対象物に前記ガス状消火剤を送るためのガス状消火剤供給ラインであって、前記ORCサイクル上における前記気化器よりも下流側、且つ前記凝縮器よりも上流側に一端が接続されたガス状消火剤供給ラインを含む、
    請求項1に記載の消火設備。
  4. 前記少なくとも1つの消火剤供給ラインは、
    前記ORCサイクルから前記少なくとも1つの防火対象物に前記液状消火剤を送るための液状消火剤供給ラインであって、前記ORCサイクル上における前記凝縮器よりも下流側、且つ前記気化器よりも上流側に一端が接続された液状消火剤供給ラインと、
    前記ORCサイクルから前記少なくとも1つの防火対象物に前記ガス状消火剤を送るためのガス状消火剤供給ラインであって、前記ORCサイクル上における前記気化器よりも下流側、且つ前記凝縮器よりも上流側に一端が接続されたガス状消火剤供給ラインと、を含む、
    請求項1に記載の消火設備。
  5. 前記ガス状消火剤供給ラインの他端は、前記少なくとも1つの防火対象物のうち、第1防火対象物に接続され、
    前記液状消火剤供給ラインの他端は、前記少なくとも1つの防火対象物のうち、前記第1防火対象物とは異なる第2防火対象物に接続された、
    請求項4に記載の消火設備。
  6. 前記少なくとも1つの消火剤供給ラインは、
    前記ガス状消火剤供給ラインに一端が接続された分岐ラインであって、前記分岐ライン上に設けられた前記ガス状消火剤を液化させるための消火用凝縮器を含む分岐ラインをさらに含み、
    前記ガス状消火剤供給ラインの他端は、前記少なくとも1つの防火対象物のうち、第1防火対象物に接続され、
    前記分岐ラインの他端は、前記少なくとも1つの防火対象物のうち、前記第1防火対象物とは異なる第2防火対象物に接続された、
    請求項3に記載の消火設備。
  7. 前記液状消火剤供給ラインの前記一端は、前記ORCサイクル上における前記昇圧ポンプよりも下流側、且つ前記気化器よりも上流側に接続された、
    請求項2、4又は5の何れか1項に記載の消火設備。
  8. 前記液状消火剤供給ラインは、前記液状消火剤供給ライン上に設けられ、前記液状消火剤供給ラインを流れる前記液状消火剤を昇圧するための補助ポンプを含む、
    請求項2、4、5又は7の何れか1項に記載の消火設備。
  9. 前記ORCサイクルは、
    前記膨張タービンを迂回するバイパスラインであって、前記ORCサイクル上の前記気化器よりも下流側、且つ前記膨張タービンよりも上流側に一端が接続され、且つ前記ORCサイクル上の前記膨張タービンよりも下流側、且つ前記凝縮器よりも上流側に他端が接続されたバイパスラインをさらに含み、
    前記ガス状消火剤供給ラインの前記一端は、前記バイパスラインに接続された、
    請求項3~6の何れか1項に記載の消火設備。
  10. 前記ガス状消火剤供給ラインは、前記ガス状消火剤供給ライン上に設けられ、前記ガス状消火剤供給ラインを流れる前記ガス状消火剤を昇圧するための補助圧縮機を含む、
    請求項3~6又は9の何れか1項に記載の消火設備。
  11. 第3熱媒体を循環させるように構成された中間サイクルをさらに備え、
    前記中間サイクルは、
    前記中間サイクル上に設けられ、前記第3熱媒体に前記第1熱媒体からの冷熱エネルギーを伝達させるように構成された中間サイクル側冷却器と、
    前記中間サイクル上の前記中間サイクル側冷却器よりも下流側に設けられ、前記第3熱媒体を昇圧するための中間サイクル側昇圧ポンプと、
    前記中間サイクル上の前記中間サイクル側昇圧ポンプよりも下流側、且つ前記中間サイクル側冷却器よりも上流側に設けられ、前記第3熱媒体に第4熱媒体からの熱エネルギーを伝達して昇温させるように構成された中間サイクル側加熱器と、を含み、
    前記凝縮器は、前記中間サイクル上の前記中間サイクル側昇圧ポンプよりも下流側、且つ前記中間サイクル側加熱器よりも上流側に設けられ、前記ORCサイクルを流れる前記ガス状消火剤と前記中間サイクルを流れる前記第3熱媒体との間で熱交換を行うように構成された、
    請求項1乃至10の何れか1項に記載の消火設備。
  12. 前記昇圧ポンプは、圧力比を調整可能に構成された、
    請求項1乃至11の何れか1項に記載の消火設備。
  13. 前記少なくとも1つの防火対象物に設けられた火災報知器と、
    前記少なくとも1つの消火剤供給ライン上に設けられた流量調整弁と、をさらに備え、
    前記火災報知器からの火災報知信号を受信したときに、
    前記流量調整弁を開くとともに、前記昇圧ポンプの前記圧力比を増大させるように構成された、
    請求項12に記載の消火設備。
  14. 前記少なくとも1つの防火対象物の各々は、前記消火剤が導入される内部空間を有し、
    前記ORCサイクルは、前記ORCサイクル上の前記凝縮器よりも下流側、且つ前記昇圧ポンプよりも上流側に設けられ、前記凝縮器において前記ガス状消火剤が液化した前記液状消火剤を貯留するように構成された消火剤貯留タンクをさらに含み、
    前記消火設備は、
    前記内部空間に散布された前記消火剤に第5熱媒体からの冷熱エネルギーを伝達して液化させるように構成された第1の消火設備側凝縮器と、
    前記第1の消火設備側凝縮器において液化された前記消火剤を前記消火剤貯留タンクに導くための液状消火剤回収ラインと、をさらに備える、
    請求項1乃至13の何れか1項に記載の消火設備。
  15. 前記少なくとも1つの防火対象物の各々は、前記消火剤が導入される内部空間を有し、
    前記ORCサイクルは、前記ORCサイクル上の前記凝縮器よりも下流側、且つ前記昇圧ポンプよりも上流側に設けられ、前記凝縮器において前記ガス状消火剤が液化した前記液状消火剤を貯留するように構成された消火剤貯留タンクをさらに含み、
    前記消火設備は、
    前記内部空間に散布された前記消火剤を含む気体を前記内部空間から取り出し、液化させた前記消火剤を前記消火剤貯留タンクに戻すためのガス状消火剤回収ラインをさらに備え、
    前記ガス状消火剤回収ラインは、
    前記ガス状消火剤回収ライン上に設けられた第2の消火設備側凝縮器であって、前記ガス状消火剤回収ラインを流れる前記気体に第6熱媒体からの冷熱エネルギーを伝達して前記消火剤を液化させるように構成された第2の消火設備側凝縮器と、
    前記ガス状消火剤回収ライン上の前記第2の消火設備側凝縮器よりも下流側に設けられた気液分離器であって、前記第2の消火設備側凝縮器において液化された前記消火剤を前記気体から分離させるように構成された気液分離器と、を含む、
    請求項1乃至13の何れか1項に記載の消火設備。
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