JP2023120802A - 消火設備 - Google Patents

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亮 ▲高▼田
Akira Takada
俊光 田中
Toshimitsu Tanaka
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Abstract

Figure 2023120802000001
【課題】 大型化を抑制できる消火設備を提供する。
【解決手段】 消火設備は、電力により駆動して冷熱エネルギーを生成するように構成された冷熱生成装置と、空気からガス状の窒素を分離するように構成された分離装置と、分離装置からのガス状の窒素に冷熱生成装置が生成した冷熱エネルギーを伝達して液化させるように構成された凝縮器と、凝縮器において液化した液化窒素を貯蔵するように構成された貯蔵装置と、貯蔵装置から抜き出された窒素を送るための供給ラインと、供給ライン上に設けられる膨張タービンであって、液化窒素が気化した窒素ガスにより駆動される膨張タービンと、供給ライン上に設けられ、窒素ガスを消火剤として供給するための消火剤供給装置と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本開示は、消火設備に関する。
従来の窒素ガス消火設備は、窒素ガスを貯蔵する複数のガスボンベを備え、火災発生時においてガスボンベから供給される窒素ガスを放出することで、火災を酸欠消火していた。この窒素ガス消火設備は、複数のガスボンベを貯蔵するための占有空間を必要とする。
特許文献1には、ガスタービンエンジンの動力で駆動される空気液化手段により生成した液体空気を貯蔵する液体空気タンクと、液体空気タンクから抜き出された液体空気を液体酸素と液体窒素とに分離する分離装置と、分離装置で分離された液体窒素を火災に放射するためのフレキシブルホースと、を備える消火装置が開示されている。
特開2001-095934号公報
特許文献1に記載の消火装置は、液体空気を貯蔵し、貯蔵した液体空気を液体酸素と液体窒素に分離する構成のため、液体空気を貯蔵するための大型の液体空気タンクが必要となるため、消火装置の大型化を招く虞がある。また、特許文献1に記載の消火装置は、液体空気を生成する際に化石燃料を燃焼させるため、火災発生時において消火装置自体が危険物(燃焼物)になる虞がある。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、大型化を抑制できる消火設備を提供することを目的とする。
本発明の少なくとも一実施形態に係る消火設備は、
電力により駆動して冷熱エネルギーを生成するように構成された冷熱生成装置と、
空気からガス状の窒素を分離するように構成された分離装置と、
前記分離装置からの前記ガス状の窒素に前記冷熱生成装置が生成した前記冷熱エネルギーを伝達して液化させるように構成された凝縮器と、
前記凝縮器において液化した液化窒素を貯蔵するように構成された貯蔵装置と、
前記貯蔵装置から抜き出された前記窒素を送るための供給ラインと、
前記供給ライン上に設けられる膨張タービンであって、前記液化窒素が気化した窒素ガスにより駆動される膨張タービンと、
前記供給ライン上に設けられ、前記窒素ガスを消火剤として供給するための消火剤供給装置と、を備える。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、大型化を抑制できる消火設備が提供される。
一実施形態に係る消火設備の概略図である。 一実施形態に係る消火設備の概略図である。 一実施形態に係る消火設備の概略図である。 一実施形態に係る消火設備の概略図である。 一実施形態に係る消火設備の概略図である。 一実施形態に係る消火設備の概略図である。 一実施形態に係る消火設備の概略図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(消火設備)
図1~図7の各々は、一実施形態に係る消火設備1の概略図である。幾つかの実施形態に係る消火設備1は、図1~図7に示されるように、冷熱生成装置2と、分離装置3と、凝縮器4と、貯蔵装置5と、供給ライン6と、膨張タービン7と、消火剤供給装置8と、を少なくとも備える。
(冷熱生成装置)
冷熱生成装置2は、電力により駆動して冷熱エネルギーを生成するように構成されたものである。図示される実施形態では、冷熱生成装置2は、凝縮器4に熱媒体を送るための循環ライン21と、循環ライン21上に設けられた少なくとも1つの電動コンプレッサ22と、循環ライン21上に設けられた少なくとも1つの冷熱側膨張タービン23と、を含む。電動コンプレッサ22の各々は、電力により駆動して熱媒体を圧縮するように構成されている。冷熱側膨張タービン23の各々は、電動コンプレッサ22の各々よりも循環ライン21上の下流側に設けられる。冷熱側膨張タービン23の各々は、冷熱側膨張タービン23に導かれた熱媒体を作動流体として駆動し、熱媒体を膨張させるように構成されている。
電動コンプレッサ22を駆動させることで、電動コンプレッサ22よりも循環ライン21の上流側から電動コンプレッサ22に熱媒体が導かれて、該熱媒体が圧縮される。電動コンプレッサ22により圧縮された熱媒体は、冷熱側膨張タービン23において膨張させられ、温度が低下する。凝縮器4には、循環ライン21を介して、冷熱生成装置2にて生成された冷熱エネルギーを有する熱媒体が導かれる。
(分離装置)
分離装置3は、空気からガス状の窒素を分離するように構成されている。図示される実施形態では、分離装置3は、中空糸状の膜を束ねた膜モジュール31を有する。分離装置3は、膜分離法を用いて、すなわち、膜モジュール31に対する空気中の各ガス成分の透過速度の差を利用して、空気からガス状の窒素を取り出すように構成される。
具体的には、ガス状の酸素やガス状の二酸化炭素、水分等は、ガス状の窒素に比べて中空糸状の膜に対する透過速度が速い。膜モジュール31に空気を送り込むと、透過速度が速いガス状の酸素等が中空糸状の膜を通り抜け、分離装置3の外部に排出される。そして、膜モジュール31に残されたガス状の窒素が膜モジュール31から取り出される。
図示される実施形態では、図1~図7に示されるように、消火設備1は、導入ライン11と、電動の空気側圧縮機12と、冷却器14と、第1の流量調整弁15と、をさらに備えていてもよい。以下の説明では、単に上流側と呼ぶ場合、方向の説明にかかる部位や領域における流体の主たる流れの方向に沿った上流側を指すものとする。同様に、以下の説明では、単に下流側と呼ぶ場合、方向の説明にかかる部位や領域における流体の主たる流れの方向に沿った下流側を指すものとする。
導入ライン11は、空気からガス状の窒素を取り出し、取り出したガス状の窒素を液化させた液化窒素を貯蔵装置5に導くための供給系統からなる。分離装置3および凝縮器4の各々は、導入ライン11上に設けられる。凝縮器4は、導入ライン11上において、分離装置3よりも下流側に設けられる。凝縮器4には、分離装置3において空気から分離されたガス状の窒素が導かれる。
(空気側圧縮機)
空気側圧縮機12は、導入ライン11上の分離装置3よりも上流側に設けられる。空気側圧縮機12は、分離装置3に導入される空気を圧縮するように構成される。図示される実施形態では、空気側圧縮機12は、電動機13と、電動機13の回転軸の一方側に接続された第1の空気側圧縮機12Aと、電動機13の回転軸の他方側に接続された第2の空気側圧縮機12Bと、を含む。第2の空気側圧縮機12Bは、導入ライン11上の第1の空気側圧縮機12Aよりも上流側に設けられる。
第1の空気側圧縮機12Aおよび第2の空気側圧縮機12Bの夫々は、電動機13が電力を変換して出力する回転動力により回転駆動され、分離装置3に導入される空気を圧縮する。分離装置3に導入される空気を圧縮することで、分離装置3におけるガス成分の透過速度の差を大きくできるため、分離装置3において空気からガス状の窒素を精度良く取り出すことが可能となる。
(冷却器)
冷却器14は、空気側圧縮機12により圧縮された圧縮空気、又は、分離装置3において分離されたガス状の窒素、の何れか一方を、水を冷熱源として冷却するように構成される。冷却器14では、空気側圧縮機12における圧縮による高温になった圧縮空気やガス状の窒素を冷却できる。また、冷却器14における冷熱源を供給量の調整が容易な水とすることで、圧縮空気やガス状の窒素を所定温度以下に安定的に下げることができる。
図1~図6に示される実施形態では、冷却器14は、導入ライン11上の分離装置3よりも下流側、且つ凝縮器4よりも上流側に設けられる。冷却器14は、導入ライン11を流れるガス状の窒素と、冷媒供給ラインを流れる水(冷媒)との間で熱交換可能に構成されていてもよい。冷却器14における熱交換により、ガス状の窒素が冷却される。
図7に示される実施形態では、冷却器14は、導入ライン11上の空気側圧縮機12よりも下流側、且つ分離装置3よりも上流側に設けられる。冷却器14は、導入ライン11を流れる圧縮空気と、冷媒供給ラインを流れる水(冷媒)との間で熱交換可能に構成されていてもよい。冷却器14における熱交換により、圧縮空気が冷却される。
(凝縮器)
凝縮器4は、分離装置3からのガス状の窒素に冷熱生成装置2が生成した冷熱エネルギーを伝達して液化させるように構成される。凝縮器4は、循環ライン21からの冷熱エネルギーを有する熱媒体と、導入ライン11を流れるガス状の窒素との間で熱交換可能に構成されていてもよい。凝縮器4における熱交換により、導入ライン11を流れるガス状の窒素が、熱媒体により冷却され、凝縮(液化)する。凝縮器4においてガス状の窒素が液化した液化窒素は、貯蔵装置5に導かれる。
第1の流量調整弁15は、導入ライン11上の凝縮器4よりも下流側、且つ貯蔵装置5よりも上流側に設けられる。第1の流量調整弁15は、導入ライン11上の第1の流量調整弁15よりも下流側に導かれる液化窒素の流量を調整可能に構成される。
(貯蔵装置、供給ライン)
貯蔵装置5は、凝縮器4において液化した液化窒素を貯蔵するように構成される。供給ライン6は、貯蔵装置5から抜き出された窒素を送るための窒素の供給系統からなる。供給ライン6の一端(上流端)は、貯蔵装置5に接続されている。
(膨張タービン)
膨張タービン7は、供給ライン6上に設けられ、液化窒素が気化した窒素ガスにより駆動されるように構成される。膨張タービン7は、窒素ガスを膨張させて該窒素ガスからタービンの回転動力を回収するように構成される。消火設備1は、膨張タービン7に接続される発電機71をさらに備えていてもよい。発電機71は、膨張タービン7が回収した回転動力により回転駆動されて電力を生成するように構成される。
(消火剤供給装置)
消火剤供給装置8は、供給ライン6上に設けられ、液化窒素が気化した窒素ガスを消火剤として消火対象に供給するように構成される。消火剤供給装置8は、消火対象に消火剤(窒素ガス)を噴射するための少なくとも1つの消火剤噴射口81を含んでいてもよい。
消火設備1は、供給ライン6上に設けられた少なくとも1つの第2の流量調整弁64をさらに備えていてもよい。第2の流量調整弁64は、供給ライン6上に第2の流量調整弁64よりも下流側に導かれる液化窒素の流量を調整可能に構成される。
幾つかの実施形態に係る消火設備1は、図1~図7に示されるように、上述した冷熱生成装置2と、上述した分離装置3と、上述した凝縮器4と、上述した貯蔵装置5と、上述した供給ライン6と、上述した膨張タービン7と、上述した消火剤供給装置8と、を少なくとも備える。
上記の構成によれば、分離装置3において空気から分離されたガス状の窒素を、凝縮器4において冷熱生成装置2が生成した冷熱エネルギーにより液化させ、ガス状の窒素を液化させた液化窒素を貯蔵装置5に貯蔵できる。消火設備1は、ガス状の窒素を液化させた液化窒素を貯蔵装置5に貯蔵する構成であるため、ガス状の酸素を液化させた液化酸素を貯蔵する構成に比べて、凝縮器4や貯蔵装置5の大型化を抑制でき、ひいては消火設備1の大型化を抑制できる。消火設備1は、貯蔵装置5に貯蔵されていた液化窒素が気化した窒素ガスにより、膨張タービン7を駆動させて、膨張タービン7の出力を回収できる。また、消火設備1を備える構造物に火災が発生したときに、消火剤供給装置8により、貯蔵装置5に貯蔵されていた液化窒素が気化した窒素ガスを消火剤として消火対象に供給できる。
幾つかの実施形態では、図1、図2に示されるように、上述した貯蔵装置5(5A)は、外部入熱により液化窒素が気化した窒素ガスを貯蔵可能に構成される。上述した供給ライン6は、貯蔵装置5の内部で気化した窒素ガスを送るための供給配管6Aを含む。貯蔵装置5Aに貯蔵された液化窒素を長期間に亘り放置することで、貯蔵装置5Aの外部からの入熱により、貯蔵装置5A内において液化窒素が気化して窒素ガスとなる。供給配管6Aは、貯蔵装置5Aに一端(上流端)が接続され、供給配管6Aに貯蔵装置5Aから窒素ガスが取り出される。
上記の構成によれば、貯蔵装置5Aに貯蔵された液化窒素を、外部入熱により気化させて高圧の窒素ガスにすることで、供給配管6A(供給ライン6)上に昇圧機器(昇圧ポンプ67(図3参照)や圧縮機等)や気化器68(図3参照)を設ける必要がない。また、上記の構成によれば、供給配管6A上に昇圧機器や気化器68が無いので、非常時等において、膨張タービン7や消火剤供給装置8に迅速に窒素ガスを供給可能である。
幾つかの実施形態では、図3~図7に示されるように、上述した貯蔵装置5(5B、5C)は、液化窒素を液状態のまま貯蔵可能に構成される。上述した消火設備1は、供給ライン6上に設けられ、液化窒素を気化させるように構成された少なくとも1つの気化器68をさらに備える。
気化器68の各々は、供給ライン6を流れる液化窒素と、空気等の熱媒との間で熱交換可能に構成されていてもよい。気化器68における熱交換により、供給ライン6を流れる液化窒素が、熱媒により加熱され、蒸発(気化)する。気化器68において液化窒素が気化した窒素ガスが膨張タービン7や消火剤供給装置8に導かれる。
上述した消火設備1は、図3~図6に示されるように、供給ライン6上に設けられた液化窒素を昇圧するための昇圧ポンプ67をさらに備えていてもよい。昇圧ポンプ67は、供給ライン6上を流れる液化窒素を昇圧するように構成される。
上記の構成によれば、貯蔵装置5Aに窒素ガスを貯蔵する場合に比べて貯蔵装置5B、5Cの大型化を抑制できる。また、貯蔵装置5Aに窒素ガスを貯蔵する場合は、貯蔵装置5A内から窒素ガスが無くなるまで、貯蔵装置5Aへの液化窒素の供給が困難である。これに対して、貯蔵装置5B、5Cに液化窒素を液状態のまま貯蔵する場合には、貯蔵装置5B、5Cへの液化窒素の供給時期に制限がないため、消火設備1において蓄電された電力等により生成された液化窒素を貯蔵装置5B、5Cに供給すること等が可能である。
幾つかの実施形態では、図3~図7に示されるように、上述した貯蔵装置5(5C)は、所定圧以上に圧縮された液化窒素を液状態のまま貯蔵可能に構成される。例えば、空気側圧縮機12を大型なものにし、空気側圧縮機12の吐出圧力を増大させることで、貯蔵装置5(5C)に貯蔵された液化窒素の圧力を所定圧以上にすることができる。
上記の構成によれば、貯蔵装置5に所定圧以上に圧縮された液化窒素を貯蔵した場合には、供給ライン6上に昇圧機器(昇圧ポンプ67や圧縮機)等を設けなくても、膨張タービン7や消火剤供給装置8に窒素ガスを供給できる。また、上記の構成によれば、供給ライン6上に昇圧機器が無いので、非常時等において、膨張タービン7や消火剤供給装置8に迅速に窒素ガスを供給可能である。
幾つかの実施形態では、図2、図4に示されるように、上述した供給ライン6は、貯蔵装置5と膨張タービン7とを繋ぐ第1供給ライン61と、膨張タービン7と消火剤供給装置8とを繋ぐ第2供給ライン62Aと、を含む。すなわち、消火剤供給装置8は、供給ライン6の膨張タービン7よりも下流側に設けられている。
上記の構成によれば、消火剤供給装置8に導かれる窒素ガスは、膨張タービン7においてエンタルピーが回収され、低温になっている。このため、消火剤供給装置8から消火対象に供給される窒素ガスは、燃焼物(火災熱源)への空気の供給を遮断する、又は酸素濃度を希釈する酸欠消火だけでなく、燃焼物(火災熱源)から熱を奪い、着火温度以下に下げる冷却消火を行うことができる。
幾つかの実施形態では、図1、図3、図5~図7に示されるように、上述した供給ライン6は、貯蔵装置5と膨張タービン7とを繋ぐ第1供給ライン61と、第1供給ライン61から分岐して消火剤供給装置8に接続される第2供給ライン62と、を含む。
上述した少なくとも1つの第2の流量調整弁64は、第1供給ライン61上の第2供給ライン62の上流端の接続位置63と膨張タービン7の間に設けられる第3の流量調整弁65と、第2供給ライン62に設けられる第4の流量調整弁66を含んでいてもよい。
上記の構成によれば、窒素ガスの供給先を膨張タービン7と消火剤供給装置8に択一的に切り替える運用が可能となる。これにより、非常時の消火や非常時の発電等の非常時の状態に対して、柔軟に対応可能であるため、非常時において膨張タービン7や消火剤供給装置8に所望量の窒素ガスを供給できる。
幾つかの実施形態では、図5、図6に示されるように、上述した少なくとも1つの気化器68は、第1供給ライン61上の第2供給ライン62の上流端の接続位置63と膨張タービン7の間に設けられる第1気化器68Aと、第2供給ライン62に設けられる第2気化器68Bと、を含む。
上記の構成によれば、第1気化器68Aにおいて液化窒素を気化させた窒素ガスを膨張タービン7に供給でき、第2気化器68Bにおいて液化窒素を気化させた窒素ガスを消火剤供給装置8に供給できる。窒素ガスの供給先ごとに気化器を設けることで、各気化器において窒素ガスの供給先ごとに必要量の液化窒素を気化させることができるため、余剰な窒素ガスの生成を抑制できる。
幾つかの実施形態では、図6に示されるように、上述した消火設備1は、冷熱用熱媒体を循環させるように構成された冷熱回収サイクル9をさらに備える。上述した冷熱回収サイクル9は、冷熱用ポンプ91と、冷熱用蒸発器92と、冷熱用膨張タービン93と、を含む。
冷熱用膨張タービン93は、冷熱回収サイクル9上に設けられ、ガス状態の冷熱用熱媒体を膨張させるように構成される。冷熱用膨張タービン93は、冷熱用熱媒体を膨張させて該冷熱用熱媒体からタービンの回転動力を回収するように構成される。消火設備1は、冷熱用膨張タービン93に接続される発電機94をさらに備えていてもよい。発電機94は、冷熱用膨張タービン93が回収した回転動力により回転駆動されて電力を生成するように構成される。
冷熱用ポンプ91は、冷熱回収サイクル9上の第1気化器68Aよりも下流側に設けられ、冷熱用熱媒体を昇圧するように構成される。冷熱用蒸発器92は、冷熱回収サイクル9上の冷熱用ポンプ91よりも下流側、且つ冷熱用膨張タービン93よりも上流側に設けられ、冷熱用熱媒体を蒸発させるように構成される。冷熱用蒸発器92は、冷熱回収サイクル9を流れる冷熱用熱媒体と、熱媒との間で熱交換可能に構成されていてもよい。冷熱用蒸発器92における熱交換により、冷熱回収サイクル9を流れる冷熱用熱媒体が、熱媒により加熱され、蒸発(気化)する。
上述した第1気化器68Aは、冷熱回収サイクル9上の冷熱用膨張タービン93よりも下流側、且つ冷熱用ポンプ91よりも上流側を流れる冷熱用熱媒体から第1供給ライン61上を流れる液化窒素に熱エネルギーを伝達するように構成されている。第1気化器68Aは、第1供給ライン61を流れる液化窒素と、冷熱回収サイクル9を流れる冷熱用熱媒体との間で熱交換可能に構成されていてもよい。第1気化器68Aにおける熱交換により、第1供給ライン61を流れる液化窒素が、冷熱回収サイクル9を流れる冷熱用熱媒体により加熱され、蒸発(気化)する。また、第1気化器68Aにおける熱交換により、冷熱回収サイクル9を流れる冷熱用熱媒体が、第1供給ライン61を流れる液化窒素により冷却され、凝縮(液化)する。
上記の構成によれば、膨張タービン7は、消火剤供給装置8に比べて、高速起動が求められない場合がある。消火設備1に冷熱回収サイクル9を設けることで、膨張タービン7の起動速度は遅くなるが、冷熱回収サイクル9の冷熱用膨張タービン93の動力を回収できるため、消火設備1において回収できる動力を増加させることができる。
(空冷式の熱交換器)
幾つかの実施形態では、図3~図7に示されるように、上述した少なくとも1つの気化器68は、供給ライン6を流れる液化窒素と大気中の空気との間で熱交換を行うように構成された、空冷式の熱交換器を含む。図5に示される実施形態では、第1気化器68Aおよび第2気化器68Bの夫々が、上記空冷式の熱交換器からなる。図6に示される実施形態では、第2気化器68Bが、上記空冷式の熱交換器からなる。
上記の構成によれば、仮に気化器68が水等を熱媒とした場合には、気化器68を急速起動させると、気化器68において水等の熱媒が凍結し、気化器68を閉塞される虞がある。これに対して、気化器68として空冷式の熱交換器を採用した場合には、気化器68の急速起動に伴う凍結リスクが低減されるため、気化器68の急速起動が可能となる。
幾つかの実施形態では、上述した冷熱生成装置2における前記熱媒体は、空気、窒素、又はネオンの何れかからなる。上記の構成によれば、冷熱生成装置2における熱媒体として、不活性の窒素やネオン、窒素の含有割合が大きい空気を用いることで、火災に対する冷熱生成装置2の安全性を高めることができる。
幾つかの実施形態では、図1に示されるように、上述した消火設備1は、太陽光発電を実行可能に構成された太陽光発電装置100をさらに備える。太陽光発電装置100は、太陽光で発電するための太陽電池パネルを含んでいてもよい。上述した冷熱生成装置2は、太陽光発電装置100が発生させた電力により駆動するように構成されている。
図1~図7に示されるように、冷熱生成装置2は、少なくとも1つの電動コンプレッサ22又は少なくとも1つの冷熱側膨張タービン23に発生させた回転動力を伝達するように構成された少なくとも1つの電動機24A、24Bを含む。図示される実施形態では、少なくとも1つの電動機24A、24Bは、第1の電動機24Aと、第1の電動機24Aとは異なる第2の電動機24Bを含む。冷熱生成装置2は、少なくとも1つの電動機24A、24Bに太陽光発電装置100が発生させた電力を供給することで駆動する。
上記の構成によれば、消火設備1は、冷熱生成装置2が、太陽光発電装置100が発生させた電力により駆動し、冷熱エネルギーを生成することで、貯蔵装置)に液化窒素を蓄えることができる。すなわち、太陽光発電装置100が発生させた電力により、貯蔵装置5に液化窒素を蓄えることができ、窒素ガスの使用要望に応じて貯蔵装置5から液化窒素を供給できる。
(冷熱生成装置)
幾つかの実施形態では、図1~図7に示されるように、冷熱生成装置2の循環ライン21は、熱媒体を循環させるように構成される。上述した少なくとも1つの電動コンプレッサ22は、第1の電動機24Aに接続された第1電動コンプレッサ22Aと、第2の電動機24Bに接続された第1電動コンプレッサ22Aであって、循環ライン21の第1電動コンプレッサ22Aよりも上流側に設けられた第2の電動コンプレッサ22Bと、を含む。冷熱側膨張タービン23は、第1の電動機24Aに接続されている。
図1~図7に示される実施形態では、冷熱生成装置2は、循環ライン21の第1電動コンプレッサ22Aよりも下流側、且つ冷熱側膨張タービン23よりも上流側に設けられた第1冷却器25と、循環ライン21の第2の電動コンプレッサ22Bよりも下流側、且つ第1電動コンプレッサ22Aよりも上流側に設けられた第2冷却器27と、を含む。第1冷却器25および第2冷却器27の夫々は、循環ライン21を流れる熱媒体と、水等の冷媒との間で熱交換を行うように構成されていてもよい。
図1~図7に示される実施形態では、冷熱生成装置2は、循環ライン21上に設けられた熱交換器26をさらに含んでいてもよい。熱交換器26は、循環ライン21の第1冷却器25よりも下流側、且つ冷熱側膨張タービン23よりも上流側を流れる熱媒体と、循環ライン21の凝縮器4よりも下流側且つ第2の電動コンプレッサ22Bよりも上流側を流れる熱媒体との間で熱交換を行うように構成されている。
なお、上述した第1の流量調整弁15及び第2の流量調整弁64の夫々は、全閉と全開に開度調整可能な開閉弁でもよいし、全閉と全開とこれらの間の少なくとも1つの中間開度に開度調整可能な開度調整弁でもよい。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
上述した幾つかの実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握されるものである。
1)本開示の少なくとも一実施形態に係る消火設備(1)は、
電力により駆動して冷熱エネルギーを生成するように構成された冷熱生成装置(2)と、
空気からガス状の窒素を分離するように構成された分離装置(3)と、
前記分離装置(3)からの前記ガス状の窒素に前記冷熱生成装置(2)が生成した前記冷熱エネルギーを伝達して液化させるように構成された凝縮器(4)と、
前記凝縮器(4)において液化した液化窒素を貯蔵するように構成された貯蔵装置(5)と、
前記貯蔵装置(5)から抜き出された前記窒素を送るための供給ライン(6)と、
前記供給ライン(6)上に設けられる膨張タービン(7)であって、前記液化窒素が気化した窒素ガスにより駆動される膨張タービン(7)と、
前記供給ライン(6)上に設けられ、前記窒素ガスを消火剤として供給するための消火剤供給装置(8)と、を備える。
上記1)の構成によれば、消火設備(1)は、ガス状の窒素を液化させた液化窒素を貯蔵装置(5)に貯蔵する構成であるため、ガス状の酸素を液化させた液化酸素を貯蔵する構成に比べて、凝縮器(4)や貯蔵装置(5)の大型化を抑制でき、ひいては消火設備(1)の大型化を抑制できる。消火設備(1)は、貯蔵装置(5)に貯蔵されていた液化窒素が気化した窒素ガスにより、膨張タービン(7)を駆動させて、膨張タービン(7)の出力を回収できる。また、消火設備(1)を備える構造物に火災が発生したときに、消火剤供給装置(8)により、貯蔵装置(5)に貯蔵されていた液化窒素が気化した窒素ガスを消火剤として消火対象に供給できる。
2)幾つかの実施形態では、上記1)に記載の消火設備(1)であって、
前記貯蔵装置(5)は、外部入熱により前記液化窒素が気化した前記窒素ガスを貯蔵可能に構成され、
前記供給ライン(6)は、前記貯蔵装置(5)の内部で気化した前記窒素ガスを送るための供給配管(6A)を含む。
上記2)の構成によれば、貯蔵装置(5)に貯蔵された液化窒素を、外部入熱により気化させて高圧の窒素ガスにすることで、供給配管(6A)上に昇圧機器(昇圧ポンプ67や圧縮機等)や気化器(68)を設ける必要がない。また、上記2)の構成によれば、供給配管(6A)上に昇圧機器や気化器(68)が無いので、非常時等において、膨張タービン(7)や消火剤供給装置(8)に迅速に窒素ガスを供給可能である。
3)幾つかの実施形態では、上記2)に記載の消火設備(1)であって、
前記供給ライン(6)は、
前記貯蔵装置(5)と前記膨張タービン(7)とを繋ぐ第1供給ライン(61)と、
前記第1供給ライン(61)から分岐して前記消火剤供給装置(8)に接続される第2供給ライン(62)と、を含む。
上記3)の構成によれば、窒素ガスの供給先を膨張タービン(7)と消火剤供給装置(8)に択一的に切り替える運用が可能となる。これにより、非常時の消火や非常時の発電等の非常時の状態に対して、柔軟に対応可能であるため、非常時において膨張タービン(7)や消火剤供給装置(8)に所望量の窒素ガスを供給できる。
4)幾つかの実施形態では、上記2)に記載の消火設備(1)であって、
前記消火剤供給装置(8)は、前記供給ライン(6)の前記膨張タービン(7)よりも下流側に設けられた。
上記4)の構成によれば、消火剤供給装置(8)に導かれる窒素ガスは、膨張タービン(7)においてエンタルピーが回収され、低温になっている。このため、消火剤供給装置(8)から消火対象に供給される窒素ガスは、燃焼物(火災熱源)への空気の供給を遮断する、又は酸素濃度を希釈する酸欠消火だけでなく、燃焼物(火災熱源)から熱を奪い、着火温度以下に下げる冷却消火を行うことができる。
5)幾つかの実施形態では、上記1)に記載の消火設備(1)であって、
前記貯蔵装置(5)は、前記液化窒素を液状態のまま貯蔵可能に構成され、
前記消火設備(1)は、前記供給ライン(6)上に設けられ、前記液化窒素を気化させるように構成された少なくとも1つの気化器(68)をさらに備える。
上記5)の構成によれば、貯蔵装置(5)に窒素ガスを貯蔵する場合に比べて貯蔵装置(5)の大型化を抑制できる。また、貯蔵装置(5)に窒素ガスを貯蔵する場合は、貯蔵装置(5)内から窒素ガスが無くなるまで、貯蔵装置(5)への液化窒素の供給が困難である。これに対して、貯蔵装置(5)に液化窒素を液状態のまま貯蔵する場合には、貯蔵装置(5)への液化窒素の供給時期に制限がないため、消火設備(1)において蓄電された電力等により生成された液化窒素を貯蔵装置(5)に供給すること等が可能である。
6)幾つかの実施形態では、上記5)に記載の消火設備(1)であって、
前記供給ライン(6)は、
前記貯蔵装置(5)と前記膨張タービン(7)とを繋ぐ第1供給ライン(61)と、
前記第1供給ライン(61)から分岐して前記消火剤供給装置(8)に接続される第2供給ライン(62)と、を含む。
上記6)の構成によれば、窒素ガスの供給先を膨張タービン(7)と消火剤供給装置(8)に択一的に切り替える運用が可能となる。これにより、非常時の消火や非常時の発電等の非常時の状態に対して、柔軟に対応可能であるため、非常時において膨張タービン(7)や消火剤供給装置(8)に所望量の窒素ガスを供給できる。
7)幾つかの実施形態では、上記5)に記載の消火設備(1)であって、
前記消火剤供給装置(8)は、前記供給ライン(6)の前記膨張タービン(7)よりも下流側に設けられた。
上記7)の構成によれば、消火剤供給装置(8)に導かれる窒素ガスは、膨張タービン(7)においてエンタルピーが回収され、低温になっている。このため、消火剤供給装置(8)から消火対象に供給される窒素ガスは、燃焼物(火災熱源)への空気の供給を遮断する、又は酸素濃度を希釈する酸欠消火だけでなく、燃焼物(火災熱源)から熱を奪い、着火温度以下に下げる冷却消火を行うことができる。
8)幾つかの実施形態では、上記6)に記載の消火設備(1)であって、
前記少なくとも1つの気化器(68)は、
前記第1供給ライン(61)上の前記第2供給ライン(62)の上流端の接続位置と前記膨張タービン(7)の間に設けられる第1気化器(68A)と、
前記第2供給ライン(62)に設けられる第2気化器(68B)と、を含む。
上記8)の構成によれば、第1気化器(68A)において液化窒素を気化させた窒素ガスを膨張タービン(7)に供給でき、第2気化器(68B)において液化窒素を気化させた窒素ガスを消火剤供給装置(8)に供給できる。窒素ガスの供給先ごとに気化器を設けることで、各気化器において窒素ガスの供給先ごとに必要量の液化窒素を気化させることができるため、余剰な窒素ガスの生成を抑制できる。
9)幾つかの実施形態では、上記8)に記載の消火設備(1)であって、
冷熱用熱媒体を循環させるように構成された冷熱回収サイクル(9)をさらに備え、
前記冷熱回収サイクル(9)は、
前記冷熱回収サイクル(9)上に設けられたガス状態の前記冷熱用熱媒体を膨張させるための冷熱用膨張タービン(93)、
前記冷熱回収サイクル(9)上の前記第1気化器(68A)よりも下流側に設けられた前記冷熱用熱媒体を昇圧するための冷熱用ポンプ(91)、
前記冷熱回収サイクル(9)上の前記冷熱用ポンプ(91)よりも下流側、且つ前記冷熱用膨張タービン(93)よりも上流側に設けられた前記冷熱用熱媒体を蒸発させるための冷熱用蒸発器(92)と、を含み、
前記第1気化器(68A)は、前記冷熱回収サイクル(9)上の冷熱用膨張タービン(93)よりも下流側、且つ冷熱用ポンプ(91)よりも上流側を流れる前記冷熱用熱媒体から前記第1供給ライン(61)上を流れる前記液化窒素に熱エネルギーを伝達するように構成された。
上記9)の構成によれば、膨張タービン(7)は、消火剤供給装置(8)に比べて、高速起動が求められない場合がある。消火設備(1)に冷熱回収サイクル(9)を設けることで、膨張タービン(7)の起動速度は遅くなるが、冷熱回収サイクル(9)の冷熱用膨張タービン(93)の動力を回収できるため、消火設備(1)において回収できる動力を増加させることができる。
10)幾つかの実施形態では、上記5)から上記9)までの何れかに記載の消火設備(1)であって、
前記少なくとも1つの気化器(68)は、前記供給ライン(6)を流れる前記液化窒素と大気中の空気との間で熱交換を行うように構成された熱交換器を含む。
上記10)の構成によれば、仮に気化器(68)が水等を熱媒とした場合には、気化器(68)を急速起動させると、気化器(68)において水等の熱媒が凍結し、気化器(68)を閉塞される虞がある。これに対して、気化器(68)として空冷式の熱交換器を採用した場合には、気化器(68)の急速起動に伴う凍結リスクが低減されるため、気化器(68)の急速起動が可能となる。
11)幾つかの実施形態では、上記5)から上記10)までの何れかに記載の消火設備(1)であって、
前記貯蔵装置(5)は、所定圧以上に圧縮された前記液化窒素を液状態のまま貯蔵可能に構成された。
上記11)の構成によれば、貯蔵装置(5)に所定圧以上に圧縮された液化窒素を貯蔵した場合には、供給ライン(6)上に昇圧機器(昇圧ポンプ67や圧縮機等)を設けなくても、膨張タービン(7)や消火剤供給装置(8)に窒素ガスを供給できる。また、上記11)の構成によれば、供給ライン(6)上に昇圧機器が無いので、非常時等において、膨張タービン(7)や消火剤供給装置(8)に迅速に窒素ガスを供給可能である。
12)幾つかの実施形態では、上記1)から上記11)までの何れかに記載の消火設備(1)であって、
前記冷熱生成装置(2)は、
前記凝縮器に熱媒体を送るための循環ライン(21)と、
前記循環ライン(21)上に設けられ、前記熱媒体を圧縮するように構成された少なくとも1つの電動コンプレッサ(22)と、
前記循環ライン(21)上に設けられ、前記熱媒体を膨張させるように構成された少なくとも1つの電動タービン(23)と、を含む。
上記12)の構成によれば、電動コンプレッサ(22)を駆動させることで、電動コンプレッサ(22)よりも循環ライン(21)の上流側から電動コンプレッサ(22)に熱媒体が導かれて、該熱媒体が圧縮される。電動コンプレッサ(22)により圧縮された熱媒体は、冷熱側膨張タービン(23)において膨張させられ、温度が低下する。よって、上記12)の構成によれば、循環ライン(21)を介して、凝縮器(4)に冷熱生成装置(2)にて生成された冷熱エネルギーを有する熱媒体を導くことができる。
13)幾つかの実施形態では、上記12)に記載の消火設備(1)であって、
前記冷熱生成装置(2)における前記熱媒体は、空気、窒素、又はネオンの何れかからなる。
上記13)の構成によれば、冷熱生成装置(2)における熱媒体として、不活性の窒素やネオン、窒素の含有割合が大きい空気を用いることで、火災に対する冷熱生成装置(2)の安全性を高めることができる。
14)幾つかの実施形態では、上記1)から上記13)までの何れかに記載の消火設備(1)であって、
太陽光発電を実行可能に構成された太陽光発電装置(100)をさらに備え、
前記冷熱生成装置(2)は、前記太陽光発電装置(100)が発生させた電力により駆動するように構成された。
上記14)の構成によれば、消火設備(1)は、冷熱生成装置(2)が、太陽光発電装置(100)が発生させた電力により駆動し、冷熱エネルギーを生成することで、貯蔵装置(5)に液化窒素を蓄えることができる。すなわち、太陽光発電装置(100)が発生させた電力により、貯蔵装置(5)に液化窒素を蓄えることができ、窒素ガスの使用要望に応じて貯蔵装置(5)から液化窒素を供給できる。
15)幾つかの実施形態では、上記1)から上記14)までの何れかに記載の消火設備(1)であって、
前記分離装置(3)に導入される前記空気を圧縮するように構成された電動の空気側圧縮機(12)と、
前記空気側圧縮機(12)により圧縮された圧縮空気、又は、前記分離装置(3)において分離された前記ガス状の窒素、の何れか一方を、水を冷熱源として冷却するように構成された冷却器(14)と、をさらに備える。
上記15)の構成によれば、空気側圧縮機(12)において、分離装置(3)に導入される空気を圧縮することで、分離装置(3)におけるガス成分の透過速度の差を大きくできるため、分離装置(3)において空気からガス状の窒素を精度良く取り出すことが可能となる。冷却器(14)では、空気側圧縮機(12)における圧縮による高温になった圧縮空気やガス状の窒素を冷却できる。冷却器(14)における冷熱源を供給量の調整が容易な水とすることで、圧縮空気やガス状の窒素を所定温度以下に安定的に下げることができる。
1 消火設備
2 冷熱生成装置
3 分離装置
4 凝縮器
5,5A~5C 貯蔵装置
6 供給ライン
7 膨張タービン
8 消火剤供給装置
9 冷熱回収サイクル
11 導入ライン
12 空気側圧縮機
13,24A,24B 電動機
14 冷却器
15 第1の流量調整弁
21 循環ライン
22 電動コンプレッサ
23 冷熱側膨張タービン
25 第1冷却器
26 熱交換器
27 第2冷却器
31 膜モジュール
61 第1供給ライン
62,62A 第2供給ライン
63 接続位置
64 第2の流量調整弁
65 第3の流量調整弁
66 第4の流量調整弁
67 昇圧ポンプ
68 気化器
71,94 発電機
81 消火剤噴射口
91 冷熱用ポンプ
92 冷熱用蒸発器
93 冷熱用膨張タービン
100 太陽光発電装置

Claims (15)

  1. 電力により駆動して冷熱エネルギーを生成するように構成された冷熱生成装置と、
    空気からガス状の窒素を分離するように構成された分離装置と、
    前記分離装置からの前記ガス状の窒素に前記冷熱生成装置が生成した前記冷熱エネルギーを伝達して液化させるように構成された凝縮器と、
    前記凝縮器において液化した液化窒素を貯蔵するように構成された貯蔵装置と、
    前記貯蔵装置から抜き出された前記窒素を送るための供給ラインと、
    前記供給ライン上に設けられる膨張タービンであって、前記液化窒素が気化した窒素ガスにより駆動される膨張タービンと、
    前記供給ライン上に設けられ、前記窒素ガスを消火剤として供給するための消火剤供給装置と、を備える、
    消火設備。
  2. 前記貯蔵装置は、外部入熱により前記液化窒素が気化した前記窒素ガスを貯蔵可能に構成され、
    前記供給ラインは、前記貯蔵装置の内部で気化した前記窒素ガスを送るための供給配管を含む、
    請求項1に記載の消火設備。
  3. 前記供給ラインは、
    前記貯蔵装置と前記膨張タービンとを繋ぐ第1供給ラインと、
    前記第1供給ラインから分岐して前記消火剤供給装置に接続される第2供給ラインと、を含む、
    請求項2に記載の消火設備。
  4. 前記消火剤供給装置は、前記供給ラインの前記膨張タービンよりも下流側に設けられた、
    請求項2に記載の消火設備。
  5. 前記貯蔵装置は、前記液化窒素を液状態のまま貯蔵可能に構成され、
    前記消火設備は、前記供給ライン上に設けられ、前記液化窒素を気化させるように構成された少なくとも1つの気化器をさらに備える、
    請求項1に記載の消火設備。
  6. 前記供給ラインは、
    前記貯蔵装置と前記膨張タービンとを繋ぐ第1供給ラインと、
    前記第1供給ラインから分岐して前記消火剤供給装置に接続される第2供給ラインと、を含む、
    請求項5に記載の消火設備。
  7. 前記消火剤供給装置は、前記供給ラインの前記膨張タービンよりも下流側に設けられた、
    請求項5に記載の消火設備。
  8. 前記少なくとも1つの気化器は、
    前記第1供給ライン上の前記第2供給ラインの上流端の接続位置と前記膨張タービンの間に設けられる第1気化器と、
    前記第2供給ラインに設けられる第2気化器と、を含む、
    請求項6に記載の消火設備。
  9. 冷熱用熱媒体を循環させるように構成された冷熱回収サイクルをさらに備え、
    前記冷熱回収サイクルは、
    前記冷熱回収サイクル上に設けられたガス状態の前記冷熱用熱媒体を膨張させるための冷熱用膨張タービン、
    前記冷熱回収サイクル上の前記第1気化器よりも下流側に設けられた前記冷熱用熱媒体を昇圧するための冷熱用ポンプ、
    前記冷熱回収サイクル上の前記冷熱用ポンプよりも下流側、且つ前記冷熱用膨張タービンよりも上流側に設けられた前記冷熱用熱媒体を蒸発させるための冷熱用蒸発器と、を含み、
    前記第1気化器は、前記冷熱回収サイクル上の冷熱用膨張タービンよりも下流側、且つ冷熱用ポンプよりも上流側を流れる前記冷熱用熱媒体から前記第1供給ライン上を流れる前記液化窒素に熱エネルギーを伝達するように構成された、
    請求項8に記載の消火設備。
  10. 前記少なくとも1つの気化器は、前記供給ラインを流れる前記液化窒素と大気中の空気との間で熱交換を行うように構成された熱交換器を含む、
    請求項5乃至9の何れか1項に記載の消火設備。
  11. 前記貯蔵装置は、所定圧以上に圧縮された前記液化窒素を液状態のまま貯蔵可能に構成された、
    請求項5乃至10の何れか1項に記載の消火設備。
  12. 前記冷熱生成装置は、
    前記凝縮器に熱媒体を送るための循環ラインと、
    前記循環ライン上に設けられ、前記熱媒体を圧縮するように構成された少なくとも1つの電動コンプレッサと、
    前記循環ライン上に設けられ、前記熱媒体を膨張させるように構成された少なくとも1つの電動タービンと、を含む、
    請求項1乃至11の何れか1項に記載の消火設備。
  13. 前記冷熱生成装置における前記熱媒体は、空気、窒素、又はネオンの何れかからなる、
    請求項12に記載の消火設備。
  14. 太陽光発電を実行可能に構成された太陽光発電装置をさらに備え、
    前記冷熱生成装置は、前記太陽光発電装置が発生させた電力により駆動するように構成された、
    請求項1乃至13の何れか1項に記載の消火設備。
  15. 前記分離装置に導入される前記空気を圧縮するように構成された電動の空気側圧縮機と、
    前記空気側圧縮機により圧縮された圧縮空気、又は、前記分離装置において分離された前記ガス状の窒素、の何れか一方を、水を冷熱源として冷却するように構成された冷却器と、をさらに備える、
    請求項1乃至14の何れか1項に記載の消火設備。
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