JP2023123265A - 3次元色彩計測システム、3次元色彩計測方法及び3次元色彩計測プログラム - Google Patents

3次元色彩計測システム、3次元色彩計測方法及び3次元色彩計測プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】計測対象物の特定領域の色彩と3次元の面形状を高速に同時に計測可能な3次元色彩計測システムを提供する。【解決手段】3次元色彩計測システム1は、計測対象物Мを2次元で撮像し、入力した光を赤(S1)、緑(S2)、青(S3)に分離するフィルタ21と、フィルタ21を介して画像を検出するセンサ部22と、センサ部22からの画像を処理する画像処理回路23と、を有する2次元色彩計2と、2次元色彩計2の近傍に設けられ、回動軸31,32の制御角度θ1、θ2を制御可能とし、レーザー光38で特定領域Аをラスタースキャンし、レーザー反射光39に基づいて特定領域Аとの距離zを計測するLiDAR3と、LiDAR3から照射されるレーザー反射光39をカットするレーザー光カットフィルタ4と、端末5と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、色彩を3次元で計測する3次元色彩計測システム、3次元色彩計測方法及び3次元色彩計測プログラムに関する。
に関する。
産業界では立体的な対象物の色彩と質感(メタリック感等)を精密に計測したいというニーズが大変大きくなりつつある。従来、色は計測範囲の平均値として表されてきたが、色合いをより忠実に表すために計測範囲を面での色分布として表す色彩が用いられるようになった。
例えば、塗装技術は、環境や作業者への安全・衛生対応に加えて、高彩度・高コントラスト色の開発が目覚しい。高意匠性を実現する手段として、アルミフレークと呼ばれる微細アルミ粒子を透明樹脂(上塗りクリアー)の下層に混合したメタリック塗装や上塗りクリアー、パールベース、カラーベースの3層からなるパール塗装などがある。これら光輝材を用いた奥行感のある塗装は顧客から高い評価を受けている。この塗装面を検査する時、「色計測」では特性を表現できないため、「色彩計測」が必要となる。
意匠性に富んだ塗装の開発が進む一方で、塗装工程における塗装検査や組立工程における組付後の色検査の多くは、2次元色彩計を用いることもあるが、基本的には、今も目視検査に依存している。トレーニングを受けた高いスキルを持った検査員がきめ細かく設定された作業標準に沿って、塗装面の異常、色彩、つやなどを検査している。キズや欠陥検査の自動化は進んでいるが、立体的なボディの色彩、特に最近の高意匠塗装の質感を定量的、客観的に評価することは非常に難しい。計測装置の使用は、ボディの異なった場所の目視検査で色違いが認められた時などにとどまっている。また、このときに用いる分光測色計は、測色しようとするボディに先端を接触させ、例えば、10mm×10mm程度の面積の表面の色彩を平均値として「色計測」している。
生産ラインの組立検査では、傷などの外観とともに本体と部品の色彩の整合が重要である。複雑な質感を持つ高意匠性塗装を正確に生産・検査・評価するためには、より高精細な色彩計測システムが求められている。さらに生産性を向上させるためには、検査工程の自動化を進めることが必要不可欠である。定量的な色彩計測が可能になれば、事前に同じ色彩の部品をラインに供給し組立てることが可能になり、生産性向上に寄与する。
現状の色検査は目視検査が中心で、ボディ外観・塗装検査装置の市場規模は小さく、今後、需要開拓の余地が大きい((株)富士経済2020年世界市場予測)。現状は、「色計測」のための分光測色計が主な検査装置である。非特許文献1に示す「イメージング色彩輝度計」も市販されているが、ディスプレイ検査の測色評価に特化した高価な製品で、サンプリング速度が遅く、実用上の課題がある。
ところで、本発明者は、人間が見える色彩をすべて忠実に測れるカメラ方式の色彩計を開発してきた。静岡大学との共同研究で開発された「2次元色彩計」は、従来の1次元(点)による測色ではなく、2次元(面)による色彩計測を実現し、これまで多くのメーカで試験研究用装置として採用されている。非接触で複雑な色彩やツヤなど微妙な質感を比べることができる「卓上型2次元色彩計」、および、持ち運び可能で、画面を見ながら位置を合わせてタップするだけでリアルタイム計測ができる非特許文献2に示す「ハンディ型2次元色彩計」を製造販売している。
これらの製造や販売を通して、より高精細な色彩計測の要望がユーザーからあり、2016年から静止画用高解像度4Kの2次元色彩計を開発し、製造販売している。4Kの画素数は2Kの4倍の約800万画素あり、より高精細な色彩が表現できる。色を平面座標で示す色度図は、4Kの方がより広がりのある色彩となっている。メタリック感は目視検査では定量化できなかったが、4Kデジタル化により定量的な評価が可能となる。本発明者は、色彩分布よりメタリックなどの質感を数値化するために、特許文献1に記載の発明をなした。
本発明者は、インライン検査装置として、特許文献2、3に記載の発明等をしてきた。この装置は、レール上を移動する量産試作車の色彩を計測できた。
しかし、量産工場の塗装ラインでは、車両によって色彩計測値がばらつき、良好な結果が得られないことがあり、未だ十分なものではない。生産ライン上を移動する車両の位置(角度)が微妙にばらつき、色彩の中の明るさの値(明度L*)がばらつくおそれがある。車両を全く同じ計測位置(計測角度)にセットすることは現実的ではない。
本発明者は非特許文献3に示すように自動車のボディとバンパー等の色合わせの新しい方法も提案している。色彩計測のデジタル化とIoTの活用により、組立に先立って色合わせが可能となり生産性の向上に寄与する。自動車のみならず建材、家電、医療などの広範囲な分野で視覚と同等の忠実な色の計測が必要とされており、色計測の国際標準化も推進されてきている。
3次元形状、例えば、曲面を対象とした色彩検査は、自動車業界だけでなく、建材、家電業界等でも安定した結果を得にくいという問題を抱えている。色彩検査をデジタル化させて属人性を排除し、また離れた拠点から確認したいと要望する企業からの要望が増加している。
特開2016-59054号公報 特開2021-135098号公報 特開2015-155892号公報
https://www.konicaМinolta.jp/instruМents/web_Мagazine/flash_sensing/010.htМl http://papalab.co.jp/products/index.htМl 「2次元色彩計データのスマート工場への利用」塗装工学第52巻第7号
色計測、色彩計測においては、計測面をその法線方向から測ることが標準となっている。前述の2次元色彩計は、面形状計測機能を持たないので面の法線方向以外からの色彩値が計測できず、このため、平板状態でない計測対象物や、計測面が計測方向と垂直でない計測対象物の色彩計測が難しかった。
本発明は、これまでの2次元色彩計による面の色彩計測から、より進んだ3次元色彩計測システムを提供することを課題とする。具体的には、計測対象物の特定領域の色彩と3次元の面形状を高速に同時に計測可能な3次元色彩計測システムを提供することを課題とする。
本発明者は距離測定機構を有する面形状計測機能と2次元色彩計とにより、3次元の色彩計測ができるという着想を得て、本発明1~6により、上記課題の解決を図ることにした。
本発明1は、計測対象物の特定領域をフィルタを介して2次元で撮像し、画像を生成するセンサ部と、該センサ部からの画像を処理する画像処理回路と、を有し、前記画像を処理して、前記センサ部の画素の2次元座標に基づく2次元測色値を計測する2次元色彩計と、前記2次元色彩計の近傍に設けられ、レーザー光で前記特定領域をスキャンし、レーザー反射光により、実空間の3次元座標に基づく前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置を計測可能なLiDARと、を備え、前記2次元測色値と前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置とを照合することにより、実空間の3次元座標に基づく3次元測色値を計測することを特徴とする3次元色彩計測システムである。
「LiDAR(Light Detection and Ranging)」とは、レーザー光を計測対象物に照射し、計測対象物に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測し、計測対象物までの距離や方向を計測するものである。
LiDARが照射するレーザー光の方向とセンサの画素の2次元座標を校正により対応させることにより、画素の2次元座標に基づく2次元測色値と実空間の3次元座標に基づく前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置とを照合することができる。
例えば、センサの画素の2次元座標(cx,cy)に基づく2次元測色値は、(cx,cy,L,a,b)で表され、実空間の3次元座標に基づく前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置は(CX,CY,CZ)で表され、実空間の3次元座標に基づく3次元測色値は、(CX,CY,CZ,L,a,b)で表される。
本発明2は、2次元色彩計によって、計測対象物の特定領域をフィルタを介してセンサ部で2次元で撮像して画像を生成し、該画像を画像処理回路で処理して、前記センサの画素の2次元座標に基づく2次元測色値を計測して取得する、2次元測色値取得ステップと、前記2次元色彩計の近傍に設けられたLiDARによって、レーザー光で前記特定領域をスキャンし、レーザー反射光により、実空間の3次元座標に基づく前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置を計測して取得する、3次元位置取得ステップと、前記2次元測色値と前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置とを照合することにより、実空間の3次元座標に基づく3次元測色値を取得する3次元測色値取得ステップと、を備えることを特徴とする3次元色彩計測方法である。
本発明3は、計測対象物の特定領域をフィルタを介して2次元で撮像し、画像を生成するセンサ部と、該センサ部からの画像を処理する画像処理回路と、を有し、前記画像を処理して、前記センサの画素の2次元座標(cx,cy)に基づく2次元測色値を計測する2次元色彩計と、前記2次元色彩計の近傍に設けられ、少なくとも2つの回動軸を有するМEМSミラーを有し、前記回動軸の制御角度を制御可能とすることで、レーザー光で前記特定領域をスキャンし、レーザー反射光により、実空間の3次元座標に基づく前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置(CX,CY,CZ)を計測可能なLiDARと、前記2次元色彩計に設けられ、前記レーザー光をカットするレーザー光カットフィルタと、を備え、前記2次元色彩計は、前記レーザー光の前記特定領域またはサンプルからの前記レーザー反射光と、光源光の特定領域からの光源反射光と、をレンズに受ける構造を有し、前記レーザー光カットフィルタの非動作モードにおいて、前記LiDARは、前記МEМSミラーの制御角度に応じたレーザー光を前記サンプルに照射し、該レーザー光のレーザー反射光を前記2次元色彩計が受光して出力する、前記画素の2次元座標(cx,cy)に基づく明るさLの値に基づいて、前記制御角度に対応する画素の2次元座標(cx,cy)の値が特定され、該制御角度と該画素の2次元座標(cx,cy)の値を対応させた対応テーブルが作成されて予め記憶され、前記レーザー光カットフィルタの動作モードにおいて、前記LiDARが前記МEМSミラーの制御角度に応じたレーザー光を前記特定領域に照射してレーザー反射光を受光することにより、該制御角度に対応する、実空間の3次元座標に基づく前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置(CX,CY,CZ)を計測し、前記2次元色彩計への前記レーザー反射光は前記レーザー光カットフィルタによりカットされ、前記2次元色彩計は、前記光源反射光を受光して、前記センサの画素の2次元座標(cx,cy)に基づく2次元測色値を計測し、前記非動作モードにおいて記憶された対応テーブルに基づいて、前記レーザー光カットフィルタの動作モードにおいて計測される前記2次元測色値と前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置(CX,CY,CZ)とを照合することにより、実空間の3次元座標(CX,CY,CZ)に基づく3次元測色値を計測することを特徴とする3次元色彩計測システムである。
「МEМS(МicroElectro Мechanical Systems)ミラー」とは、微小電子機械システムを用いるミラーである。
「レーザー光カットフィルタ」は、例えば、赤外線をカットするフィルタ(IR(infrared)カットフィルター)等が挙げられる。
「レーザー光カットフィルタの非動作モード」とは、前記レーザー反射光がカットされずに、前記2次元色彩計で少なくともレーザー反射光による明るさが計測可能な状態をいう。
「レーザー光カットフィルタの動作モード」とは、前記レーザー反射光が前記レーザーカットフィルタでカットされて、前記2次元色彩計で光源反射光による測色値が計測可能である状態をいう。
本発明4は、レーザー光カットフィルタの非動作モードを設定する設定ステップと、МEМSミラーの少なくとも2つの制御角度を変化させながらレーザー光をサンプルに照射する照射ステップと、2次元色彩計が前記レーザー光のレーザー反射光を受光する受光ステップと、前記2次元色彩計で検出された画素の2次元座標(cx,cy)に基づく明るさLの値から判断して、前記制御角度に対応する画素の2次元座標(cx,cy)の値を特定し、該画素の2次元座標(cx,cy)の値を記憶する記憶ステップと、前記制御角度と前記画素の2次元座標(cx,cy)の値の対応テーブルを作成する対応テーブル作成ステップと、レーザー光カットフィルタの動作モードを設定する設定ステップと、光源光を前記特定領域に照射するとともに、МEМSミラーの少なくとも2つの制御角度を変化させながら前記レーザー光を前記特定領域に照射する照射ステップと、前記レーザー光がカットされた状態で、前記光源光の光源反射光に基づいて、前記2次元色彩計から前記画素の2次元座標(cx,cy)に基づく2次元測色値を取得する2次元測色値取得ステップと、前記制御角度に対応する、実空間の3次元座標に基づく前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置(CX,CY,CZ)をLiDARの計測に基づいて取得する、3次元位置取得ステップと、
前記対応テーブルに基づいて前記2次元測色値と前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置(CX,CY,CZ)とを照合して実空間の3次元座標(CX,CY,CZ)に基づく3次元測色値を取得する3次元測色値取得ステップと、を備えることを特徴とする3次元色彩計測方法である。
本発明5は、3次元色彩計測プログラムであって、レーザー光カットフィルタの非動作モードを設定する設定ステップと、МEМSミラーの少なくとも2つの制御角度を変化させながらレーザー光をサンプルに照射する照射ステップと、2次元色彩計が前記レーザー光のレーザー反射光を受光する受光ステップと、前記2次元色彩計で検出された画素の2次元座標(cx,cy)に基づく明るさLの値から判断して、前記制御角度に対応する該画素の2次元座標(cx,cy)の値を特定し、該画素の2次元座標(cx,cy)の値を記憶する記憶ステップと、前記制御角度と前記画素の2次元座標(cx,cy)の値の対応テーブルを作成する対応テーブル作成ステップと、レーザー光カットフィルタの動作モードを設定する設定ステップと、光源光を前記特定領域に照射するとともに、МEМSミラーの少なくとも2つの制御角度を変化させながら前記レーザー光を前記特定領域に照射する照射ステップと、前記レーザー光がカットされた状態で、前記光源光の光源反射光に基づいて、前記2次元色彩計から前記画素の2次元座標(cx,cy)に基づく2次元測色値を取得する2次元測色値取得ステップと、
前記制御角度に対応する、実空間の3次元座標に基づく前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置(CX,CY,CZ)をLiDARの計測に基づいて取得する、3次元位置取得ステップと、前記対応テーブルに基づいて前記2次元測色値と前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置(CX,CY,CZ)とを照合して実空間の3次元座標(CX,CY,CZ)に基づく3次元測色値を取得する3次元測色値取得ステップと、をコンピュータに実行させるための、3次元色彩計測プログラムである。
本発明6は、前記LiDARに代えて、TOFとし、レーザーに代えて光子を用いる3次元色彩計測システムである。
2次元色彩計の「2次元測色値」は、CIEXYZ等色関数と等価に線形変換された三つの特定の規格化感度を有するXYZ表色系の、三帯域のチャンネルゲインを有するものに基づいて測色される値が例示される。例えば、2次元色彩計は、三つの特定の規格化感度(S1(λ),S2(λ),S3(λ))を三つのチャンネルに分けて撮像対象物を撮像するものである。これらの分光感度を得るために設定された光学フィルタ又はダイクロイックミラーもしくはダイクロイックプリズム等のいずれであるかを問わず用いることができる。「2次元色彩計」の構造、作用等についての詳細は本発明者の特許第6601632号、そのほか、特許文献1~3等の公開公報を参照されたい。
2次元色彩計の解像度は、特定解像度以上の解像度の高精細解像度が好ましい。例えば、「4K解像度」以上の解像度が挙げられる。4Kは横4,000×縦2,000前後の画面解像度に対応した映像に対する総称である。例えば、解像度は、3,840×2,160(829万4,400画素)等が例示され、8K等でもよい。
2次元色彩計は、XYZ表色系を採用するものが好ましく、RGB表色系を単純な一次変換で負の値が現れないように、CIEが1931年にRGB表色系と同時に定めたものである。
XYZ表色系は、例えば、Yxy、XYZ、La、Luv等のCIE表色系を含む。
xyY表色系(Yxy表色系ともいう)とは、XYZ表色系では数値と色の関連がわかりにくいので、XYZ表色系から絶対的な色合いを表現するために定められたものである。
Lab表色系とは、CIE Laなどであり、XYZ表色系から知覚と装置の違いによる色差を計測するために派生したものである。日本はJISZ8729で規定している。
XYZ表色系には、2次元座標と3次元座標で規定される色空間が含まれる。色空間の代表例としては、XYZ色空間と、Lab色空間等の構成例がある。2次元の色空間の場合、例えば、Yxy色空間、Luv色空間の場合、2次元平面であるxy色度図(Yxy色空間で正規化したxy色度値(平面))、uv色度図、u’v’色度図が挙げられる。3次元の色空間の場合、例えば、XYZ色空間、Lab色空間の場合、3次元空間であるXYZ色空間、Lab色空間が挙げられる。
本発明により、計測対象物の特定領域の色彩と3次元の面形状を高速に同時に計測可能な3次元色彩計測システムを提供することができる。面形状計測機能を持つので、面の法線方向以外からも色彩値を計測することができ、計測する面の位置や傾きに応じた測色値を取得することができる。
本発明実施形態の3次元色彩計測システムのシステム構成図である。 同3次元色彩計測システムのレーザー光カットフィルタの位置を変更した変更形態である。 同3次元色彩計測システムの感度の説明図である。 同3次元色彩計測システムの回路構成を示すブロック図である。 対応テーブルの作成原理を示す説明図である。 同3次元色彩計測システムのМEМSミラーの構成図である。 CMOSセンサの画素の座標と角度との関係を説明するための説明図である。 同3次元色彩計測システムのМEМSミラーによるラスタースキャン方式でのLiDARの動作原理図である。 本発明実施形態の3次元色彩計測システムにおける校正モード(非動作モードB)のフローチャートである。 本発明実施形態の3次元色彩計測システムにおける計測モード(動作モードD)でのフローチャートである。 本発明実施形態の3次元色彩計測システムにより光源の位置を求めるための説明図である。 本発明実施形態の3次元色彩計測システムにより角度校正マトリクスを求めるための説明図である。 本発明実施形態の3次元色彩計測システムで使用する角度校正マトリクスである。 本発明実施形態の3次元色彩計測システムにより色差を判定する説明図である。
本発明実施形態による3次元色彩計測システム1について、図1~図14を参照して説明する。この3次元色彩計測システム1は、図1、2、4に示す通り、計測対象物Мを2次元で撮像し、入力した光を赤(S1)、緑(S2)、青(S3)に分離するフィルタ21と、フィルタ21を介して画像を検出するセンサ部22と、センサ部22からの画像を処理する画像処理回路23と、を有する2次元色彩計2を備えている。
3次元色彩計測システム1は、計測対象物Mの特定領域Aの画像の画素の2次元座標(cx,cy)に基づく測色値、本実施形態においては、La値を計測する2次元色彩計2と、2次元色彩計2の近傍に設けられ、図6に示す2つの回動軸31,32を有するМEМSミラー33を回動させることにより、回動軸31,32の制御角度θ1、θ2を制御可能とし、図8に示す通り、レーザー光38で計測対象物の特定領域Аをラスタースキャンし、レーザー反射光39に基づいて特定領域А内のレーザー光照射点との距離zを計測するLiDAR3と、LiDAR3から照射されるレーザー反射光39をカットするレーザー光カットフィルタ4と、モニタ51と操作部52と演算回路53とを有する端末5と、を備えている。ここでは、レーザー光38は赤外線(IR)である。
フィルタ21とセンサ部22は、光学系の2つの主な構成要素である。これら光学系の構成のポイントは、高精細な分光、動画対応、コンパクトである。フィルタ21としては、光を赤(S1)、緑(S2)、青(S3)に分離するダイクロイックミラーが例示される。図1、図2、図4においては、フィルタ21にレーザー光カットフィルタ4が組み込まれている構造である。センサ部22としては、光を電気信号に変換しデータ転送するCМOSセンサが例示される。センサ部22はレーザー反射光39と光源反射光72を検出する検出構造を備えている。2次元色彩計2は、レーザー光カットフィルタ4が動作していない非動作モードBにおいて、レーザー反射光39を受光して明るさの値Lを検出し、レーザー光カットフィルタ4が動作している動作モードDにおいて、光源反射光72を受光して測色値L値を検出する構成である。ダイクロイックミラーは、まず、所望の感度を有する、緑(S2)を直進させるS2フィルタ、青(S3)を反射するS3フィルタ、及び赤(S1)を反射するS1フィルタ、を設計する。設計したフィルタとなる膜を、ダイクロイックミラーを構成するプリズムに蒸着させる。プリズムを組み上げてダイクロイックミラーができ上がる。最後に、CМOSセンサをダイクロイックミラーに貼り合わせて光学系が完成する。
図3は、代表的なCМOSセンサの感度、設計するフィルタ21の感度、光学系から出力されるS1、S2、S3の感度曲線を示す。結像光学系は色収差を極力抑えたものを選定する。結像位置ズレ、フィルタ21の透過ムラ、CМOSセンサの感度ムラなどの様々な阻害要因は排除され、人の3つの錐体感度に相当するS1、S2、S3が同じ感度で出力されるように設計する。
画像処理回路23は、2次元色彩計2の測色値(x,y,L,a,b)、時間、カウント値等のデータを記憶する記憶部23аと、2次元の画像等を演算する演算部23bと、画像処理の判断等をする判断部23cと、コマンドの出力等を命令する命令部23dと、入出力の制御を行う入出力インタフェース23eと、を有する。
設計例としては、CМOSセンサの駆動回路、CМOSセンサで電気信号を読み出す回路、信号を処理する画像信号処理回路、PCへ信号を伝送するためのI/F回路等を含む画像処理回路23が挙げられる。動画が1秒間に何枚の画像で構成されているかを示すフレームレート(fps)は、映画と同じ24fpsとする。この動画の構成データを時間的に蓄積する場合がある。LiDAR3から出力されるレーザー光38が高速に特定領域Aをスキャンするため、動画の処理を追従させるためである。これらの回路は、駆動クロックが1GHz超と極めて高いため、信号の反射やノイズへの対応を考慮して設計する。高精細かつ動画対応のため、大量の信号を高速に同時処理することができる。CМOSセンサの貼り合わせ精度は、±1.4μm以内が好ましい。
LiDAR3を選択する理由について、表1に基づいて説明する。
3Dイメージを取得するには、主に4つの方法がある。2台のカメラを設置し異なる視点から見た画像を取得するステレオビジョン方式、あらかじめ定められたパターンの光を投影しパターンの歪を解析して奥行情報を得るストラクチャード・ライト方式、カメラと計測物との距離をフォトン(光子)の飛行時間から求めるTOF(TiМe of Flight)方式、計測対象物Mとの距離をレーザー光38、レーザー反射光39が往復する時間差から求めるLiDAR方式である。面形状の計測方式を決めるための要件は、奥行き方向の解像度、リアルタイム計測、コンパクト、低コストである。表1に各々の方式の特徴を示す。撮像デバイスとして現在利用できるのは2次元色彩計であり、LiDARは、距離センサとMEMSミラーの組み合わせで、撮像デバイスの解像度に合わせられるため、cx、cy(x軸、y軸)の補間の必要がない利点がある。
4つのうちTOF方式は、対象物までの距離を点ではなく面としてとらえる。近年ロボットなどで空間検知用に広く使われており、これを採用することも可能である。ただし、ここでは、TOFセンサと2次元色彩計2では解像度が異なること、またチップサイズも異なることから、距離データ(z軸)と露光データ(x軸、y軸)の補間には課題がある。また、照明と対象物との制御角度の違いによる測色値Laの変化(測色値Laの制御角度依存性)の補正等をする必要がある。TOFセンサとする場合、距離画像の隣接する画素の距離が実測±1mm以内とする。TOFセンサの一例としては、受信スキャンレス型位相差方式、例えば、受信スキャンレス・ライン走査型位相差方式を採用することができる。このセンサは,(1)長尺受光素子により広視野かつ固定の受信視野をもっており、(2)その中を送信ビームのみMEMSミラーにて高速に走査させる構成とし,(3)LC同調アンプの同調周波数に合わせた変調周波数を用い,位相差方式による測距を高速サンプリングすることで、被測定対象物に対しても高時間・高空間分解能での撮像できること,が特徴である.詳細は、「計測と制御第59巻第5号2020年5月号第321~325頁」を参照されたい。
そこで、3次元色彩計測システム1は、これを改善する方法として、LiDAR方式を採用した。LiDAR3は計測対象物Мに当てるレーザー光38をミラーでスキャンして3D形状をとらえる。МEМSミラー33を用いたラスタースキャン方式でのLiDARを採用し、これをCМOSセンサーを使った2次元色彩計2と組み合わせることにより、3次元の立体的な色彩を計測することができる。
図1、図2、図5、図6、図8にМEМSミラー方式のLiDAR3を用いた3次元色彩計測システム1の構成を示す。二次元色彩計2のセンサ部22で、LiDAR3のスキャン範囲をトレースすることにより、高速にラスタースキャンするレーザー光38のレーザー反射光39をTVのフレームレートで画像として蓄積し、走査する範囲を特定する。トレースのスキャン方式と方向性は決まっているので、距離データ(z軸)と露光エリア(x軸、y軸)は容易にひも付けることができる。
まず、図5に示すように、レーザー光カットフィルタ4の非動作モードB(校正モード)で、対応テーブル6を作成する。レーザー光カットフィルタ4の非動作モードBにおいて、レーザー光カットフィルタ4はレンズ部に装着又は挿入されていない。LiDAR3が、端末5からのコマンドに従ってМEМSミラー33の2つの制御角度θ1、θ2を制御し(図6参照)、レーザー光38を照射すると、レーザー光38は平らなサンプルNで反射され、レーザー反射光39は、レーザー光カットフィルタ4でカットされずに、2次元色彩計2で検出、処理され、センサ部22のCMOSセンサの画素の2次元座標(cx,cy)に対応する明るさ(x,y,L)が計測される。この明るさLの値を閾値と比較して判断し、閾値を超えた場合に、その特定の(cx,cy)の値を、制御角度θ1、θ2に対応させて記憶する。これに基づき、制御角度θ1、θ2と、画素の2次元座標(cx,cy)を対応させた校正用の対応テーブル6を作成し、予め記憶しておく。
ここで、図7に示すように、計測対象物との距離が変化すると、ある角度(図ではθ)に対応する、実空間の座標上の計測対象物上の点Qの位置(図ではCX)は変化するが、その角度に対応するCMOSセンサの画素の座標上の位置(図ではcx)は変化しない。従って、角度とCMOSセンサの画素の2次元座標(cx,cy)とは、計測対象物との距離とは関係なく一義的に対応づけることができる。このため、ある距離に置いたサンプルNに対して作成した対応テーブル6を、以下に説明する計測モード(レーザー光カットフィルタ4の動作モードD)において、任意の距離に置いた計測対象物Mに対して使用することができる。
明るさLを閾値と比較して制御角度θ1、θ2とCMOSセンサの画素の2次元座標(cx,cy)とを対応させる処理は、比較的、時間のかかる処理であり、このように、予め校正用の対応テーブル6を作成しておくことにより、以下に述べる計測モードでの計測を高速で行うことができる。サンプルNとしては、赤外光を拡散できるものが好ましく、拡散白色板が例示される。
次いで、図1、図2に示す通り、レーザー光カットフィルタ4の動作モードD(計測モード)で、計測対象物Mの計測を行う。(図2は、図1のレーザー光カットフィルタ4の位置を変更した変更形態である。)レーザー光カットフィルタ4の動作モードDにおいては、光源7からの光源光71及びLiDAR3からのレーザー光38を計測対象物Mの特定領域Аに同時に照射する。レーザー光カットフィルタ4がレーザー光38のレーザー反射光39をカットするので、2次元色彩計2は、光源光71の光源反射光72だけを受光し、特定領域Aに対し、センサ部22のCMOSセンサの画素の2次元座標(cx,cy)に基づく2次元測色値(x,y,L,a,b)を計測する。
これと平行して、端末5がコマンドを発して、МEМSミラー33の制御角度θ1、θ2を制御し、これにより、LiDAR3は、特定領域Aをラスタースキャンして、制御角度θ1、θ2に対応する、LiDAR3から特定領域A上のレーザー光38の照射点までの距離zを計測する。制御角度θ1、θ2に対応する距離zの計測は、制御角度θ1、θ2でレーザー光38が照射され、レーザー反射光39をLiDAR3が受光することにより行われる。図8に示す通り、LiDAR3のレーザー発光源35からのレーザー光38が、МEМSミラー33で反射されて照射され、特定領域Аの照射点Pで反射されてLiDAR3のフォトダイオード37で検出されるまでの時間差をΔtとすると、照射点PからLiDAR3までの距離zは、z=Δt・c/2で求められる。cは光の速さである。МEМSミラー33とフォトダイオード37の間隔は、例えば、数メートル先の照射点Pを基準とすると、例えば15mm程度であるので、図示の便宜上、МEМSミラー33とフォトダイオード37の間隔は実際よりも広い間隔をあけて記載してある。2次元色彩計2とLiDAR3との光軸は多少ズレていても、計測対象物МとLiDAR3とは距離が離れていて、LiDAR3が2次元色彩計2の近傍に配置されているので、距離z1は、二次元色彩計2から照射点(cx,cy)までの距離zとほぼ近似した値であり、z1をzとみなすことができる。さらに、zを、実空間の3次元座標におけるZ軸上の照射点Pの位置Zとみなすことができる。このとき、照射点PのX軸上、Y軸上の位置は、Zと制御角度から、三角関数を用いた簡単な計算により、求めることができる。本実施形態においては、図1に示す通り、zの値がLiDAR3から端末5に送られ、端末5においてこの計算が行われる。以上のようにして、LiDAR3により、制御角度θ1、θ2に対応する、実空間の3次元座標に基づく特定領域A上のレーザー光38の照射点の位置(CX,CY,CZ)を計測することができる。これにより、特定領域Аの面の形状を特定できる。
また、動作モードDにおいて計測により得られた、2次元測色値(cx,cy,L,a,b)と、制御角度θ1、θ2と対応付けられた実空間上の位置(CX,CY,CZ)とを、非動作モードBにおいて記憶された、制御角度θ1、θ2と(cx,cy)とを対応付けた対応テーブル6に基づいて照合することで、実空間の3次元座標に基づく3次元測色値(CX,CY,CZ,L,a,b)を得ることができる。
本実施形態においては、平らなサンプルNを使用して対応テーブル6を作成したが、曲面等、他の形状のサンプルNを使用してもよい。また、本実施形態においては、対応テーブル6を予め作成しておくことで、計測モードにおける計測対象物Mの計測時間を短縮できるが、計測に時間をかけられる場合など、予め対応テーブル6を作成することなく、直接、計測対象物Mに対して、制御角度θ1、θ2とCMOSセンサの画素の2次元座標(cx,cy)とを対応させる処理を行ってもよい。また、本実施形態においては、レーザー光カットフィルタ4があることで、レーザー光38による距離zの計測と光源光71による測色値の計測を同時に行うことができ、計測時間を短縮できるが、距離zの計測と測色値の計測を同時に行わない場合、レーザー光カットフィルタ4は、省略することができる。
端末5は、携帯端末、パソコン等である。コンピュータの役割を果たす演算回路53は、制御角度θ1、θ2、距離z、時間、カウント値等を記憶する記憶部53aと、距離z等を演算する演算部53bと、制御角度θ1、θ2、距離z等の処理の判断を行う判断部53cと、制御角度θ1、θ2に関するコマンドを命令する命令部53dと、入出力を制御する入出力インタフェース53eと、を有する。
本発明実施形態の3次元色彩計測方法を、図9、図10等を参照しながら、説明する。これらの処理は、2次元色彩計2とLiDAR3と端末5が協働することにより、行われる。図9は、3次元色彩計測システムにおける校正モード(非動作モードB)のフローチャートであり、初めに、レーザー光カットフィルタ4の非動作モードBを設定する設定ステップを行う(ステップS1)。このステップS1は、レーザー光カットフィルタ4を取り外すか、又は、非挿入状態に移動させるステップである。このとき、2次元色彩計2と端末5は、非動作モードBになり、2次元色彩計2はレーザー反射光39を受光できる状態になる。
МEМSミラー33の2つの制御角度θ1、θ2を変化させながらレーザー光38をサンプルNに照射する照射ステップを行う(S2)。
2次元色彩計2がレーザー光38のレーザー反射光39を受光し、センサ部22のCMOSセンサの画素の2次元座標(cx,cy)に基づく明るさ(x,y,L)を計測するする受光ステップを行う(S3)。
2次元色彩計2で検出された明るさLの値を閾値と比較して判断し、閾値を超えた場合に、その(cx,cy)値を、制御角度θ1、θ2に対応する値として記憶する記憶ステップを行う(S4)。
前記制御角度θ1、θ2と前記(cx,cy)値の対応テーブル6を作成する対応テーブル作成ステップ(S5)を行い、処理を終了する。
図10に示す計測モード(動作モードD)での動作を説明する。初めに、レーザー光カットフィルタ4の動作モードDを設定する設定ステップを行う(S101)を行う。このステップS101は、レーザー光カットフィルタ4を装着するか、又は、挿入状態に移動させるステップである。このとき、2次元色彩計2と端末5は、動作モードDになり、2次元色彩計2はレーザー反射光39を受光できず、光源7からの光源反射光72だけを受光できる状態になる。
光源7の光源光71を特定領域Aに照射するとともに、同時にМEМSミラー33の2つの制御角度θ1、θ2を変化させながらLiDAR3からのレーザー光38を前記特定領域Аに照射する照射ステップを行う(S102)。
レーザー反射光39がカットされた状態で、光源7から照射された光源反射光72に基づいて、2次元色彩計2から、センサ部22のCMOSセンサの画素の2次元座標(cx,cy)に基づく2次元の測色値(x,y,L,a,b)を得る2次元測色値取得ステップを行う(S103)。
前記制御角度θ1、θ2に対応する距離zをLiDAR3の計測によって取得し、制御角度θ1、θ2と距離zから、制御角度θ1、θ2に対応する、実空間の3次元座標に基づく特定領域上のレーザー光38の照射点の位置(CX,CY,CZ)を取得する位置取得ステップを行う(S104)。
図9のS5で作成した対応テーブル6に基づき、S103で取得した2次元測色値(x,y,L,a,b)とS104で取得した位置(CX,CY,CZ)を照合して、実空間の3次元座標に基づく3次元測色値(CX,CY,CZ,L,a,b)を取得する、3次元測色値取得ステップ(S105)を行い、処理を終了する。
3次元色彩計測システム1のプログラムを説明する。そのプログラムは記憶部23a、53аの不揮発性メモリに格納されている。このプログラムのフローチャートは前記図9,図10に示す通りの処理を行うプログラムであるので、詳細は前記の3次元色彩計測システム1及び3次元色彩計測方法の図示及び説明を援用する。
以上説明した本発明実施形態によれば、計測対象物Мの特定領域Аの色彩と3次元の面形状を高速に同時に計測可能な3次元色彩計測システム1を提供することができる。面形状計測機能を持つので、面の法線方向以外からも色彩値を計測することができる。
計測の属人化をなくすことで、デジタル化により色彩の定量的評価が可能である。検査品質のバラツキをなくすことができる。計測する面の位置や傾きに応じた色彩値を取得して評価することができる。検査時間短縮、検査コストダウン、検査コストの低減が可能である。IoT化による遠隔確認が可能である。
デザイン部門が決定した意匠の色彩を、製造の最終工程で安定して計測・検査すること可能である。2次元色彩計や目視検査に代わり、移動する製品、例えば、自動車や建材等を動画でかつ高精細に色彩計測するために3次元色彩計測システム1を利用できる。例えば、塗装工程や組立工程において、色彩計測を3次元デジタル化することができ、年々進歩している高意匠性塗装の計測に対応する。
本発明実施形態によれば、さらに、以下に説明する通り、3次元色彩計測システム1が目視検査を代替できるように、目視検査結果と整合をとり、同等の精度を得ることが可能である。
まず、3次元色彩計測システム1により光源7の座標を演算で推定する。3次元色彩計測システム1では、上述の通り、計測対象の(CX, CY, CZ,L,a,b)値が得られるが、この3次元測色値から光源7の座標(CX, CY, CZ)値を推定することができる。図11(a)に示す通り、光源7から照射される光源光71が対象となる計測対象物Мに当たると、照射された領域は周囲よりも明るくなるので、3次元色彩計測システム1で計測したL値が周囲のL値よりも高い値を示す。輝度が高い点の3次元座標における接平面はLiDAR3で得られた周囲の3次元データから容易に計算できる(図11(b)参照)。この接平面と3次元色彩計測システム1の位置座標により、光源7の方向(角度θ)が推定できる。複数の推定角度を求めることにより(図11(c)参照)、光源7の座標(CX, CY, CZ)が求められる。
一方、図12に示す通り、平らな標準板(TP板)の法線と光源7の方向のなす角度をθ3、さらにこの法線と3次元色彩計測システム1のレンズの光軸のなす角度をθ4として、様々な角度から(L,a, b)値を計測し、これらを基に、図13に示すような、基準となる(L S,a S,b S)の角度校正マトリクスを作成しておく。
上記で既に求めた光源7の座標(CX, CY, CZ)と、計測対象物Mの計測値(CX, CY, CZ, L ,a ,b)より、位置(CX, CY, CZ)における、計測対象物Mの面の法線方向と光源7との角度θ3と、同法線方向と3次元色彩計測システム1との角度θ4が求まる。θ3、θ4より、図13に示す角度校正マトリクスから基準となる(L S,a S,b S) を求め、3次元色彩計測システム1で求めた(L,a,b)を用いて、式1から色差ΔEを求めることができる。
式1
Figure 2023123265000003
以上により、図14のように、計測した立体形状の計測対象物Mの3次元測色値で、平面(2次元)で計測した標準板(TP板ともいう。)と、同一角度での色差判定が可能となる。
面形状計測機能を組みこんだ3次元色彩計測システム1により、車体の材料が金属、バンパーが樹脂と大きく変わったとしても、色合わせが容易になり、多くの自動車メーカは、同一工場での車体とバンパーの塗装と生産を回避できる。今後、燃費向上のための軽量化や、自動運転の普及に伴い、車体の樹脂化はますます進むと想定される。その際に、異なった材料に対する色合わせの重要性が高まる。3次元色彩計測システム1を利用することにより、他の工場や他のメーカで生産された部品と部品の色合わせが容易になる。色合わせにより部品を選択して組み立てる場合、3次元色彩計測システム1を活用することにより、組合せを選択するための試行回数を最小限に抑えることができる。
動画用高精細色彩計として3次元色彩計測システム1を用いれば、組立ラインで部品と部品の色の整合を検査するために使用するだけではなく、新たな事業の展開を可能にする。3次元色彩計測システム1は、対象物の立体測色が可能となるため、色彩計を移動させながら対象物を立体測色することで、VR空間内で色までも正確な立体画像を再現できる。これにより、遠隔で多人数で立体対象の色を確認することが可能となる立体撮像の再現が可能となれば、次なるステップとして、街全体を本物の色彩で体験できる世界を構築できる。現在、無償で利用できる3Dデータベースは自動運転シミュレーション等で活用されている。アフターコロナ禍で、高速通信技術やVR技術と組み合わせれば3次元色彩計測システム1の応用範囲は大きい。
さらなる応用として、3DVRゴーグルを組み合わせた色忠実立体画像を多地点多人数で共有することがある。オープンソースな3Dデータベースと組み合わせて、本物の色をVRで実現する。例えば、VR美術館(博物館)、VR世界遺産、VRテーマパーク等である。世界はDXに向かって進んでおり、その中で様々なVR技術が日々進歩を遂げている。この3次元的な形状の世界ではVR技術の進歩によって、より実世界に近い体験ができる。
なお、本発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、改変等を加えることができる。それらの改変、均等物等も本発明の技術的範囲に含まれ、前記技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることは言うまでもない。例えば、LiDAR、TOFセンサに限らずに、その他の同様の機構や方法によっても本発明の技術的思想は実施できる。
移動する曲面の色彩を高精細に計測できるので、様々な光源に対応できる色彩計測システムを提供でき、自動車の塗装、建材パネル、屋外での建築物、建材や建機、印刷、素材、アパレル、食品等の色彩を計測することができ、産業上の利用可能性は大である。
1 3次元色彩計測システム
2 2次元色彩計
3 LiDAR
4 レーザー光カットフィルタ
5 端末
6 対応テーブル
7 光源
21 フィルタ
22 センサ部
23 画像処理回路
23a 記憶部
23b 演算部
23c 判断部
23d 命令部
23e 入出力インタフェース
31,32 回動軸
33 MEMSミラー
35 レーザー発光源
37 フォトダイオード
38 レーザー光
39 レーザー反射光
5 端末
51 モニタ
52 操作部
53 演算回路
53a 記憶部
53b 演算部
53c 判断部
53d 命令部
53e 入出力インタフェース
7 光源
71 光源光
72 光源反射光
A 特定領域
B 非動作モード
D 動作モード
М 計測対象物
N サンプル
P、Q 点
S1、S2、S3 感度曲線
Δt 時間差
cx、cy 画素の2次元座標
z、z 距離
CX、CY、CZ 実空間の3次元座標
θ1、θ2 制御角度
θ3、θ4 角度

Claims (6)

  1. 計測対象物の特定領域をフィルタを介して2次元で撮像し、画像を生成するセンサ部と、該センサ部からの画像を処理する画像処理回路と、を有し、前記画像を処理して、前記センサ部の画素の2次元座標に基づく2次元測色値を計測する2次元色彩計と、
    前記2次元色彩計の近傍に設けられ、レーザー光で前記特定領域をスキャンし、レーザー反射光により、実空間の3次元座標に基づく前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置を計測可能なLiDARと、
    を備え、
    前記2次元測色値と前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置とを照合することにより、実空間の3次元座標に基づく3次元測色値を計測することを特徴とする3次元色彩計測システム。
  2. 2次元色彩計によって、計測対象物の特定領域をフィルタを介してセンサ部で2次元で撮像して画像を生成し、該画像を画像処理回路で処理して、前記センサの画素の2次元座標に基づく2次元測色値を計測して取得する、2次元測色値取得ステップと、
    前記2次元色彩計の近傍に設けられたLiDARによって、レーザー光で前記特定領域をスキャンし、レーザー反射光により、実空間の3次元座標に基づく前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置を計測して取得する、3次元位置取得ステップと、
    前記2次元測色値と前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置とを照合することにより、実空間の3次元座標に基づく3次元測色値を取得する3次元測色値取得ステップと、を備えることを特徴とする3次元色彩計測方法。
  3. 計測対象物の特定領域をフィルタを介して2次元で撮像し、画像を生成するセンサ部と、該センサ部からの画像を処理する画像処理回路と、を有し、前記画像を処理して、前記センサの画素の2次元座標(cx,cy)に基づく2次元測色値を計測する2次元色彩計と、
    前記2次元色彩計の近傍に設けられ、少なくとも2つの回動軸を有するМEМSミラーを有し、前記回動軸の制御角度を制御可能とすることで、レーザー光で前記特定領域をスキャンし、レーザー反射光により、実空間の3次元座標に基づく前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置(CX,CY,CZ)を計測可能なLiDARと、
    前記2次元色彩計に設けられ、前記レーザー光をカットするレーザー光カットフィルタと、
    を備え、
    前記2次元色彩計は、前記レーザー光の前記特定領域またはサンプルからの前記レーザー反射光と、光源光の特定領域からの光源反射光と、をレンズに受ける構造を有し、
    前記レーザー光カットフィルタの非動作モードにおいて、
    前記LiDARは、前記МEМSミラーの制御角度に応じたレーザー光を前記サンプルに照射し、
    該レーザー光のレーザー反射光を前記2次元色彩計が受光して出力する、前記画素の2次元座標(cx,cy)に基づく明るさLの値に基づいて、前記制御角度に対応する画素の2次元座標(cx,cy)の値が特定され、該制御角度と該画素の2次元座標(cx,cy)の値を対応させた対応テーブルが作成されて予め記憶され、
    前記レーザー光カットフィルタの動作モードにおいて、
    前記LiDARが前記МEМSミラーの制御角度に応じたレーザー光を前記特定領域に照射してレーザー反射光を受光することにより、該制御角度に対応する、実空間の3次元座標に基づく前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置(CX,CY,CZ)を計測し、
    前記2次元色彩計への前記レーザー反射光は前記レーザー光カットフィルタによりカットされ、前記2次元色彩計は、前記光源反射光を受光して、前記センサの画素の2次元座標(cx,cy)に基づく2次元測色値を計測し、
    前記非動作モードにおいて記憶された対応テーブルに基づいて、前記レーザー光カットフィルタの動作モードにおいて計測される前記2次元測色値と前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置(CX,CY,CZ)とを照合することにより、実空間の3次元座標(CX,CY,CZ)に基づく3次元測色値を計測することを特徴とする3次元色彩計測システム。
  4. レーザー光カットフィルタの非動作モードを設定する設定ステップと、
    МEМSミラーの少なくとも2つの制御角度を変化させながらレーザー光をサンプルに照射する照射ステップと、
    2次元色彩計が前記レーザー光のレーザー反射光を受光する受光ステップと、
    前記2次元色彩計で検出された画素の2次元座標(cx,cy)に基づく明るさLの値から判断して、前記制御角度に対応する画素の2次元座標(cx,cy)の値を特定し、該画素の2次元座標(cx,cy)の値を記憶する記憶ステップと、
    前記制御角度と前記画素の2次元座標(cx,cy)の値の対応テーブルを作成する対応テーブル作成ステップと、
    レーザー光カットフィルタの動作モードを設定する設定ステップと、
    光源光を前記特定領域に照射するとともに、МEМSミラーの少なくとも2つの制御角度を変化させながら前記レーザー光を前記特定領域に照射する照射ステップと、
    前記レーザー光がカットされた状態で、前記光源光の光源反射光に基づいて、前記2次元色彩計から前記画素の2次元座標(cx,cy)に基づく2次元測色値を取得する2次元測色値取得ステップと、
    前記制御角度に対応する、実空間の3次元座標に基づく前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置(CX,CY,CZ)をLiDARの計測に基づいて取得する、3次元位置取得ステップと、
    前記対応テーブルに基づいて前記2次元測色値と前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置(CX,CY,CZ)とを照合して実空間の3次元座標(CX,CY,CZ)に基づく3次元測色値を取得する3次元測色値取得ステップと、を備えることを特徴とする3次元色彩計測方法。
  5. 3次元色彩計測プログラムであって、
    レーザー光カットフィルタの非動作モードを設定する設定ステップと、
    МEМSミラーの少なくとも2つの制御角度を変化させながらレーザー光をサンプルに照射する照射ステップと、
    2次元色彩計が前記レーザー光のレーザー反射光を受光する受光ステップと、
    前記2次元色彩計で検出された画素の2次元座標(cx,cy)に基づく明るさLの値から判断して、前記制御角度に対応する画素の2次元座標(cx,cy)の値を特定し、該画素の2次元座標(cx,cy)の値を記憶する記憶ステップと、
    前記制御角度と前記画素の2次元座標(cx,cy)の値の対応テーブルを作成する対応テーブル作成ステップと、
    レーザー光カットフィルタの動作モードを設定する設定ステップと、
    光源光を前記特定領域に照射するとともに、МEМSミラーの少なくとも2つの制御角度を変化させながら前記レーザー光を前記特定領域に照射する照射ステップと、
    前記レーザー光がカットされた状態で、前記光源光の光源反射光に基づいて、前記2次元色彩計から前記画素の2次元座標(cx,cy)に基づく2次元測色値を取得する2次元測色値取得ステップと、
    前記制御角度に対応する、実空間の3次元座標に基づく前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置(CX,CY,CZ)をLiDARの計測に基づいて取得する、3次元位置取得ステップと、
    前記対応テーブルに基づいて前記2次元測色値と前記特定領域上の前記レーザー光の照射点の位置(CX,CY,CZ)とを照合して実空間の3次元座標(CX,CY,CZ)に基づく3次元測色値を取得する3次元測色値取得ステップと、をコンピュータに実行させるための、3次元色彩計測プログラム。
  6. 前記LiDARに代えて、TOFとし、レーザーに代えて光子を用いる請求項1または3の3次元色彩計測システム。
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