JP2023123219A - 車両用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】シート本体に対してスライドカバーが取り付けされた状態でシートベルトの取り付けが可能な車両用シートを得る。【解決手段】サイドフィニッシャ54に対して、シート前後方向に沿って移動可能なスライドカバー80が設けられている。このスライドカバー80には、サイドフィニッシャ54に対して仮止め位置及び固定位置が設けられており、仮止め位置では、車両用シート10に対してシートベルト48の一端部48Aの取り付けを可能とし、サイドフィニッシャ54に対して仮止めされる。そして、スライドカバー80の固定位置では、サイドフィニッシャ54との間にシートベルト48の一端部48Aが収容された状態で当該スライドカバー80がサイドフィニッシャ54に対して固定される。つまり、スライドカバー80の仮止め状態で、シートベルト48の一端部を車両用シート10に取り付けることができる。【選択図】図2

Description

本発明は、車両用シートに関する。
車両用シートにおいて、例えば、下記特許文献1には、シートリクライニングカバーを含むシート側部の構造に関する技術が開示されている。この先行技術では、スライドレールアッパに対してシートベルトバックルを取り付けるようになっており、シートベルトバックルをスライドレールアッパに取り付けた後、アウターリクラカバーをシート幅方向の外側から取り付けるようになっている。
特開2000-16134号公報
しかしながら、上記先行技術では、前述のように、シートベルトバックルをスライドレールアッパに取り付けた後、アウターリクラカバーを取り付けるため、シート本体とは別にアウターリクラカバー(スライドカバー)を工場に納品する必要があり、部品管理が面倒である。
本発明は上記事実を考慮し、シート本体に対してスライドカバーが取り付けされた状態でシートベルトの取り付けが可能な車両用シートを提供することを目的とする。
請求項1に記載の車両用シートは、シート本体におけるシート幅方向の外側部に設けられたサイドフィニッシャと、前記サイドフィニッシャに対してシート前後方向に沿って移動可能とされ、当該サイドフィニッシャに対して仮止めされた状態で前記シート本体に対してシートベルトの長尺方向の一端部の取り付けを可能とする仮止め位置と、前記仮止め位置からシート前後方向の後方側に位置し当該サイドフィニッシャとの間に前記シートベルトの長尺方向の一端部を収容し当該サイドフィニッシャに対して固定される固定位置と、を備えたスライドカバーと、を有する。
請求項1に記載の車両用シートでは、サイドフィニッシャ及びスライドカバーを備えている。サイドフィニッシャは、シート本体におけるシート幅方向の外側部に設けられており、スライドカバーは、サイドフィニッシャに対してシート前後方向に沿って移動可能とされている。スライドカバーには、サイドフィニッシャに対して仮止め位置及び固定位置が設けられており、固定位置は仮止め位置からシート前後方向の後方側に配置されている。
ここで、スライドカバーの仮止め位置では、サイドフィニッシャに対して仮止めされた状態でシート本体に対してシートベルトの長尺方向の一端部の取り付けを可能としている。一方、スライドカバーの固定位置では、サイドフィニッシャとの間にシートベルトの長尺方向の一端部を収容し当該サイドフィニッシャに対して固定される。
すなわち、本発明では、仮止め位置からスライドカバーをシート前後方向の後方側に移動させることによって、スライドカバーは固定位置に配置されることになる。このため、スライドカバーの仮止め位置において、シート本体に対してシートベルトの長尺方向の一端部を取り付け、スライドカバーを固定位置に配置させると、当該スライドカバーとサイドフィニッシャとの間にシートベルトの長尺方向の一端部が収容されることになる。
このように、本発明では、シート本体に対してシートベルトの長尺方向の一端部を取り付け可能な状態でサイドフィニッシャに対してスライドカバーを仮止め可能とするため、サイドフィニッシャに対してスライドカバーを仮止めさせた状態で、シート本体を工場に納品することが可能となる。このため、部品管理が簡易化される。
そして、サイドフィニッシャに対してスライドカバーを仮止めさせた状態で、シートベルトの長尺方向の一端部をシート本体側に取り付けた後、スライドカバーをシート前後方向の後方側に移動させ、当該スライドカバーをサイドフィニッシャに固定させることができる。
請求項2に記載の車両用シートは、請求項1に記載の車両用シートにおいて、前記サイドフィニッシャに設けられシート前後方向に沿って形成された被係合部と、前記スライドカバーに設けられ前記被係合部に対して係合可能とされた係合部と、をさらに有し、前記仮止め位置において、前記被係合部に対して、前記係合部のシート前後方向に沿った移動が規制されると共にシート幅方向の外側へ向かう移動が規制されている。
請求項2に記載の車両用シートでは、サイドフィニッシャには、シート前後方向に沿って形成された被係合部が設けられており、スライドカバーには、当該被係合部に対して係合可能とされた係合部が設けられている。そして、スライドカバーの仮止め位置では、被係合部に対して、係合部のシート前後方向に沿った移動が規制されると共にシート幅方向の外側へ向かう移動が規制されている。
これにより、サイドフィニッシャに対してスライドカバーを仮止めさせた状態で、シート前後方向に沿った移動が規制されるだけでなく、スライドカバーの落下を抑制することができる。
請求項3に記載の車両用シートは、請求項2に記載の車両用シートにおいて、前記被係合部は、前記サイドフィニッシャの外面側に形成された溝部と、前記溝部を構成する少なくとも一方の側壁の先端から当該溝部の内側へ向かって張り出すリップ部と、を含んで構成されると共に、前記係合部は、前記スライドカバーの内面から起立し前記リップ部を通過して前記溝部内へ挿入可能なリブと、前記リブの先端に形成され前記リップ部に干渉して係合される係合爪と、を含んで構成されている。
請求項3に記載の車両用シートでは、サイドフィニッシャに設けられた被係合部は、溝部及びリップ部を含んで構成されている。溝部は、サイドフィニッシャの外面側においてシート前後方向に沿って形成され、リップ部は、当該溝部を構成する少なくとも一方の側壁の先端から当該溝部の内側へ向かって張り出して形成されている。
一方、スライドカバーに設けられた係合部は、リブ及び係合爪と、を含んで構成されている。リブは、スライドカバーの内面から起立しリップ部を通過して溝部内へ挿入可能とされ、係合爪は、リブの先端に形成され当該リップ部に干渉して係合される。
つまり、スライドカバーに形成されたリブがサイドフィニッシャに形成された溝部内に挿入された状態で、リブの先端に形成された係合爪が当該溝部に形成されたリップ部と干渉し抜け止めされる(係合される)。これにより、スライドカバーは、サイドフィニッシャに対して溝部に沿ってスライド移動可能とされると共にサイドフィニッシャに対してシート幅方向の外側への移動が規制される。
請求項4に記載の車両用シートは、請求項2又は請求項3に記載の車両用シートにおいて、前記被係合部は、前記サイドフィニッシャの外面側に形成された溝部と、前記溝部を構成する一対の側壁の先端からそれぞれ近接する方向へ向かって張り出す一対のリップ部と、を含んで構成されると共に、前記係合部は、前記スライドカバーの内面から起立し前記一対のリップ部間に挿入可能なリブと、前記リブの先端に形成され前記一対のリップ部にそれぞれ干渉して係合される一対の係合爪と、を含んで構成されている。
請求項4に記載の車両用シートでは、サイドフィニッシャに設けられた被係合部は、溝部及び一対のリップ部を含んで構成されている。溝部は、サイドフィニッシャの外面側においてシート前後方向に沿って形成され、一対のリップ部は、当該溝部を構成する一対の側壁の先端からそれぞれ近接する方向へ向かって張り出して形成されている。
一方、スライドカバーに設けられた係合部は、リブ及び一対の係合爪と、を含んで構成されている。リブは、スライドカバーの内面から起立し溝部に形成された一対のリップ部間に挿入可能とされ、一対の係合爪は、リブの先端に形成され当該一対のリップ部にそれぞれ干渉して係合される。
つまり、スライドカバーに形成されたリブがサイドフィニッシャに形成された溝部内に挿入された状態で、リブの先端に形成された一対の係合爪が当該溝部に形成された一対のリップ部と干渉し抜け止めされる(係合される)。これにより、スライドカバーは、サイドフィニッシャに対して溝部に沿ってスライド移動可能とされると共にサイドフィニッシャに対してシート幅方向の外側への移動が規制される。
請求項5に記載の車両用シートは、請求項2又は請求項3に記載の車両用シートにおいて、前記被係合部は、前記サイドフィニッシャの外面側においてシート上下方向の上下に形成され、略平行に配置された一対の溝部と、前記一対の溝部のうち一方の溝部を構成する一方の側壁の先端から他方の側壁の先端へ向かって張り出す第1リップ部と、前記一対の溝部のうち他方の溝部を構成する一方の側壁の先端から他方の側壁の先端へ向かって張り出す第2リップ部と、を含んで構成されると共に、前記係合部は、前記スライドカバーの内面から起立し、前記一対の溝部内へそれぞれ挿入可能な一対のリブと、前記一対のリブのうち一方のリブの先端に形成され前記第1リップ部に干渉して係合される第1係合爪と、前記一対のリブのうち他方のリブの先端に形成され前記第2リップ部に干渉して係合される第2係合爪と、を含んで構成されている。
請求項5に記載の車両用シートでは、サイドフィニッシャに設けられた被係合部は、一対の溝部、第1リップ部及び第2リップ部を含んで構成されている。一対の溝部は、サイドフィニッシャの外面側においてシート前後方向に沿って形成されている。第1リップ部は、一対の溝部のうち一方の溝部を構成する一方の側壁の先端から他方の側壁の先端へ向かって張り出して形成されている。また、第2リップ部は、一対の溝部のうち他方の溝部を構成する一方の側壁の先端から他方の側壁の先端へ向かって張り出して形成されている。
一方、スライドカバーに設けられた係合部は、一対のリブ、第1係合爪及び第2係合爪を含んで構成されている。一対のリブは、スライドカバーの内面から起立し一対の溝部内へそれぞれ挿入可能とされている。第1係合爪は、一対のリブのうち一方のリブの先端に形成されており、第1リップ部に干渉して係合される。また、第2係合爪は、一対のリブのうち他方のリブの先端に形成されており、第2リップ部に干渉して係合される。
つまり、スライドカバーに形成された一対のリブがサイドフィニッシャに形成された一対の溝部内にそれぞれ挿入された状態で、一方のリブの先端に形成された第1係合爪が、一方の溝部に形成された第1リップ部と干渉すると共に他方のリブの先端に形成された第2係合爪が他方の溝部に形成された第2リップ部と干渉し抜け止めされる(係合される)。これにより、スライドカバーは、サイドフィニッシャに対して一対の溝部に沿ってスライド移動可能とされると共にサイドフィニッシャに対してシート幅方向の外側への移動が規制される。
請求項6に記載の車両用シートは、請求項3~請求項5の何れか1項に記載の車両用シートにおいて、前記溝部は、前記溝部におけるシート前後方向の前端部に形成され、前記係合爪が挿入可能な拡幅部と、前記拡幅部内へ延出され、前記仮止め位置において前記リブを挟持する一対の挟持片と、をさらに含んで構成されている。
請求項6に記載の車両用シートでは、溝部は、拡幅部及び一対の挟持片を含んで構成されている。拡幅部は、サイドフィニッシャに形成された溝部におけるシート前後方向の前端部に形成されており、一対の挟持片は、当該拡幅部内へ延出され、スライドカバーの仮止め位置においてリブを挟持する。
つまり、本発明では、サイドフィニッシャに形成された溝部の拡幅部に対してスライドカバーに形成された係合爪を挿入させ、係合爪及び溝部を介して、サイドフィニッシャに対してスライドカバーをシート前後方向に沿って移動可能としている。そして、係合部のリブが一対の挟持片によって挟持されることによって、スライドカバーは、サイドフィニッシャに対して仮止めされる。
請求項7に記載の車両用シートは、請求項3~請求項6の何れか1項に記載の車両用シートにおいて、前記スライドカバーの前記固定位置において、前記溝部は当該スライドカバーによって外方から覆われている。
請求項7に記載の車両用シートでは、スライドカバーの固定位置において、溝部は当該スライドカバーによって外方から覆われるため、サイドフィニッシャに対してスライドカバーが取り付けられた状態で当該溝部は外観上に露出しない。
請求項8に記載の車両用シートは、請求項1~請求項7の何れか1項に記載の車両用シートにおいて、前記スライドカバーは、前記仮止め位置において前記サイドフィニッシャに対してシート幅方向の外側に重なり、前記固定位置において当該スライドカバーの外面と当該サイドフィニッシャの外面が略面一となるように設定されている。
請求項8に記載の車両用シートでは、スライドカバーは、固定位置において当該スライドカバーの外面とサイドフィニッシャの外面が略面一となるように設定されることによって、スライドカバーの外面と当該サイドフィニッシャの外面の位置がずれて配置された場合と比較して、スライドカバーとサイドフィニッシャとが一体化され、外観的に見栄えがよい。
請求項9に記載の車両用シートは、請求項1~請求項8の何れか1項に記載の車両用シートにおいて、前記サイドフィニッシャに設けられ、前記スライドカバーの移動軌跡上に配置されたカバー固定部に形成された被係止部と、前記スライドカバーに設けられ、前記固定位置において前記被係止部に係止される係止部と、をさらに有する。
請求項9に記載の車両用シートでは、サイドフィニッシャには被係止部が設けられており、当該被係止部はスライドカバーの移動軌跡上に配置されたカバー固定部に形成されている。一方、スライドカバーには係止部が設けられており、当該係止部はスライドカバーの固定位置において被係止部に係止される。
請求項10に記載の車両用シートは、請求項9に記載の車両用シートにおいて、前記被係止部は、前記サイドフィニッシャに対して仮止めされる前記スライドカバー側へ向かって延出された延出片と、前記延出片に形成された貫通孔と、を含んで構成され、前記係止部は、前記貫通孔内に挿通可能な縦壁部と、前記縦壁部の先端に形成され当該縦壁部が前記貫通孔内に挿入された状態で前記貫通孔の周辺部に係止可能な係止爪と、を含んで構成されている。
請求項10に記載の車両用シートでは、カバー固定部に形成された被係止部は、延出片及び貫通孔を含んで構成されている。延出片は、サイドフィニッシャに対して仮止めされるスライドカバー側へ向かって延出されており、貫通孔は、当該延出片に形成されている。
一方、スライドカバーに形成された係止部は、縦壁部及び係止爪を含んで構成されている。縦壁部は、被係合部の貫通孔内に挿通可能とされており、係止爪は当該縦壁部の先端に形成され縦壁部が貫通孔内に挿入された状態で貫通孔の周辺部に係止可能とされる。したがって、本発明では、スライドカバーの係止部がカバー固定部の被係止部に係止された状態で、スライドカバーはサイドフィニッシャに対して固定されることになる。
請求項11に記載の車両用シートは、請求項9又は請求項10に記載の車両用シートにおいて、前記サイドフィニッシャに対して前記スライドカバーが仮止めされた状態で、当該スライドカバーと前記カバー固定部との間には、少なくとも前記シートベルトの幅方向の寸法に対応する隙間が設けられるように設定されている。
請求項11に記載の車両用シートでは、サイドフィニッシャに対してスライドカバーが仮止めされた状態で、当該スライドカバーとサイドフィニッシャに設けられたカバー固定部との間には、少なくともシートベルトの幅方向の寸法に対応する隙間が設けられている。このため、本発明では、スライドカバーの仮止め状態で、シートベルトの長尺方向の一端部をシート本体に取り付けることができ、作業性がよい。
以上、説明したように、本発明に係る車両用シートによれば、シート本体に対してスライドカバーが取り付けされた状態でシートベルトの取り付けができる。
本実施の形態に係る車両用シートを示す斜視図である。 本実施の形態に係る車両用シートの一部を構成するサイドフィニッシャに対してスライドカバーが固定された状態を拡大して示す斜視図である。 本実施の形態に係る車両用シートの一部を構成するサイドフィニッシャに対してスライドカバーが固定された状態を拡大して示す側面図である。 (A)は、本実施の形態に係る車両用シートの一部を構成するサイドフィニッシャに対してスライドカバーが係合される構成を拡大して示す側面図であり、(B)は、(A)で示すA-A線に沿って切断したときの断面図である。 (A)は、図4(A)で示すB-B線に沿って切断したときの断面図であり、(B)は、図5(A)で示すC-C線に沿って切断したときの断面図である。 本実施の形態に係る車両用シートの一部を構成するサイドフィニッシャに形成された溝部及びスライドカバーに形成された係合部を拡大して示す斜視図である。 本実施の形態に係る車両用シートの一部を構成するサイドフィニッシャに対してスライドカバーが仮止めされた状態を拡大して示す斜視図である。 本実施の形態に係る車両用シートの一部を構成するサイドフィニッシャに対してスライドカバーが仮止めされた状態を拡大して示す側面図である。 本実施の形態に係る車両用シートの一部を構成するサイドフィニッシャに対してスライドカバーが係止される構成を拡大して示すスライドカバーの内面側から見た斜視図である。 図2で示すD-D線に沿って切断したときの断面図である。 本実施の形態に係る車両用シートの一部を構成するサイドフィニッシャに対してスライドカバーが仮止めされた状態でシートベルトが取り付けられた状態を拡大して示す斜視図である。 本実施の形態に係る車両用シートの一部を構成するサイドフィニッシャに対してスライドカバーが仮止めされた状態でシートベルトが取り付けられた状態を拡大して示す側面図である。 図4(B)に対応する要部を拡大して示す断面図である。 変形例1を示す図13に対応する要部を拡大して示す断面図である。 変形例2を示す図13に対応する要部を拡大して示す断面図である。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る車両用シート10について説明する。なお、以下の図において適宜示される矢印FRは、車両前後方向の前方向(着座者の向く方向)を示しており、矢印UPは車両上下方向の上方向を示し、矢印RHは車両幅方向の右方向を示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、シート前後方向の前後、シート上下方向の上下、車両の進行方向を向いた場合のシート幅方向の左右を示すものとする。
<車両用シートの構成>
まず、本実施形態に係る車両用シートの構成について説明する。
図1に示されるように、本実施の形態に係る車両用シート10は、乗員が着座するためのシートクッション12と、当該シートクッション12の後端部に下端部が接続されて乗員の上体を支持するシートバック14と、を備えており、シートバック14の上端部には、ヘッドレスト16が取り付けられている。
ここで、シートクッション12は、骨格部材とされ平面視で略矩形状を成すシートクッションフレーム(図示省略)を備えている。シートクッションフレームの上面側には、シートクッションパッド18が設けられており、当該シートクッションパッド18の表面はシートクッション表皮20によって被覆されている。
当該シートクッションフレームは、例えば、鋼板、アルミニウム合金等によって形成されており、シートクッションパッド18は、例えば、ウレタンフォーム等の発泡材によって形成されている。また、シートクッション表皮20は、例えば布材、皮革、合成皮革又はPVC等によって形成されており、複数の表皮片が互いに縫製されることにより一体となって形成されている。このシートクッション表皮20によってシートクッションパッド18は被覆されている。
一方、シートバック14は、骨格部材とされ正面視で略矩形状を成すシートバックフレーム(図示省略)を備えている。シートバックフレームの前面側には、シートクッション12と同様に、シートバックパッド22が設けられており、当該シートバックパッド22の表面はシートバック表皮24によって被覆されている。
また、シートバックフレームの下端部は、シートクッションフレームの後端部に対して、リクライニング機構26を介して回動可能に連結されている。リクライニング機構26には、リクライニングレバー28が備わっており、当該リクライニングレバー28を回動させることによって、シートクッション12に対して、シートバック14がリクライニング可能とされる。
また、車両用シート10は、シートクッション12の下部にシートスライド機構30を備えている。このシートスライド機構30によって、車両用シート10は、車両前後方向に移動可能とされている。
さらに、車両用シート10は、シートスライド機構30とシートクッションフレームとの間にシートリフタ機構32(図3参照)を備えている。シートリフタ機構32には、リフタレバー34が備わっており、当該リフタレバー34を回動させることによって、シートクッションフレームが左右一対のスライドレール36に対して上下移動可能とされる。
当該左右一対のスライドレール36は、ロアレール38及びアッパーレール40をそれぞれ備えている。ロアレール38は、その長手方向を前後方向に沿って配置されており、ロアレール38の前端部及び後端部には取付ブラケット(図示省略)が取り付けられ、当該取付ブラケットを介してロアレール38が車体床部(図示省略)に固定されている。
アッパーレール40は、その長手方向を前後方向に沿って配置されており、ロアレール38に対して長手方向に沿ってスライド可能に支持されている。但し、通常は、図示しないスライドロック機構によってロアレール38に対するアッパーレール40のスライドが規制されており、ロック解除レバー42が操作されることにより、当該スライドロック機構によるスライド規制が解除されるようになっている。
車両用シート10の左側(ここでは車両幅方向の外側)に配置されたアッパーレール40の後部の上面に固定されたブラケット44は、スライドレール36の幅寸法に合わせて形成されており、スライドレール36の幅方向(車両幅方向)に沿って切断したときの断面形状が略U字状を成している。図3に示されるように、ブラケット44には、ボルト46が締結されており、当該ボルト46を介して、シートベルト48(の長尺方向)の一端部48Aが取り付けられたプレート50が固定されている。
図1に示されるように、車両用シート10の右側には、シートベルトステー52が配置されており、シートベルトステー52の上端部にはバックル52Aが固定されている。このバックル52Aに、三点式シートベルト装置のシートベルト48に取り付けられた図示しないタングプレートが連結される構成になっており、シートクッション12に着座した乗員は、タングプレートをバックルに連結させることによってシートベルト48で拘束されることになる。
ところで、当該シートクッション12の側部には、シート前後方向に沿って延在された長板状のサイドフィニッシャ54が設けられている。このサイドフィニッシャ54は、例えば、樹脂材料から成り、射出成型によって所定の形状に形成されている。また、当該サイドフィニッシャ54は、シートクッション12の幅方向の両外側に設けられており、シートクッションフレームの両側部を構成しシート前後方向に沿って延在されたシートサイドフレームを外方から覆っている。
ここで、車両用シート10の左側のサイドフィニッシャ54は、リクライニング機構26及びシートリフタ機構32を外方から覆っており、シートクッション12の外観意匠の一部を構成している。サイドフィニッシャ54は、シート上下方向に沿って切断したときの断面形状がシート幅方向の内側を開口とする略U字状を成しており、シート前後方向及びシート上下方向に沿って延在されたフィニッシャ本体56と、フィニッシャ本体56の外縁からシート幅方向の内側へ向かって屈曲されたフランジ部58と、を含んで構成されている。
図2に示されるように、フィニッシャ本体56は、シートクッション12の後部側において、シート前後方向の後方側へ向かうにつれてシート上下方向の寸法が大きくなっておりシート上方側へ向かって延出されている。そして、フィニッシャ本体56の上端側の上フランジ部60では、シートクッション12の後部側において、シート前後方向の後方側かつシート上下方向の下方側へ大きく膨らむ曲率を成して形成されている。
一方、リクライニング機構26の一部を構成するリクライニングレバー28及びシートリフタ機構32(図3参照)の一部を構成するリフタレバー34は、シート幅方向に沿った軸部を中心に回動可能となっている。サイドフィニッシャ54には、リクライニングレバー28の軸部用の孔部(図示省略)及びリフタレバー34用の孔部62が形成されており、リクライニングレバー28及びリフタレバー34は外部に露出可能とされている。
また、フィニッシャ本体56におけるシート前後方向の中央部56Bには、シート幅方向の外側へ向かって突出された突出部66がシート上下方向に沿って形成されており、突出部66は、フィニッシャ本体56の外縁から屈曲されたフランジ部58と一体化されている。
このように、突出部66が形成されることによって、フィニッシャ本体56には、縦壁部66Aが形成されることになる。この縦壁部66Aにリフタレバー34用の孔部62が形成されており、この孔部62を通じて、リフタレバー34が外部に露出している。
また、図3に示されるように、突出部66の後方側におけるフィニッシャ本体56の外面55には、被係合部67が設けられている。被係合部67は、シート上下方向の上下に一対の溝部68を備えている。図4(B)に示されるように、溝部68と溝部68の間には側壁70が設けられており、当該側壁70がそれぞれの溝部68の一部を構成している。
図3、図4(A)、図6に示されるように、溝部68は、シート前後方向に沿って形成されており、溝部68の前端部には、溝部68の他の部位よりも溝幅が大きく形成された拡幅部72が設けられている。また、溝部68の後端部には、開口部68Aが形成されている。
また、図4(A)、図5(B)、図6に示されるように、フィニッシャ本体56の内面59からは一対の溝部68の前端側に矩形状の台座74がそれぞれ突設されている。台座74の後端面からは当該拡幅部72へ向かってシート前後方向の後方側へ延出する一対の挟持片76がそれぞれ設けられており、一対の挟持片76は拡幅部72の略中央まで延在されている。拡幅部72の後方側には、溝部68の側壁70の先端において、当該溝部68の内側へ向かって互いに近接する方向へ向かって張り出すリップ部78がそれぞれ設けられている。
ここで、図1に示されるように、サイドフィニッシャ54には、フィニッシャ本体56のシート幅方向の外側に、当該サイドフィニッシャ54に対してシート前後方向に沿って移動可能なスライドカバー80が設けられている。
このスライドカバー80は、シート上下方向に沿って切断したときの断面形状がシート幅方向の内側を開口とする略U字状を成しており、シート前後方向及びシート上下方向に沿って延在されたスライドカバー本体80Aと、スライドカバー本体80Aの外縁からシート幅方向の内側へ向かって屈曲されたフランジ部80Bと、を含んで構成されている。
図5(A)に示されるように、スライドカバー80の内面81からは、溝部68内にそれぞれ挿入可能なT字状の係合部82が立設されている。係合部82は、スライドカバー80の内面81から起立するリブ84と、リブ84の上端及び下端からそれぞれ張り出す係合爪86と、を含んで構成されている。なお、リブ84は一対のリップ部78間を挿入可能としている。
係合爪86は、拡幅部72内に挿入可能とされている。ここで、前述のように、フィニッシャ本体56には、図4(A)、図6に示されるように、拡幅部72へ向かって延出された一対の挟持片76が設けられている。そして、この一対の挟持片76は、スライドカバー80に設けられた係合部82のリブ84を挟持可能としている。
このように、拡幅部72の前部側には挟持片76が設けられているため、フィニッシャ本体56のシート幅方向の外側にスライドカバー80を配置させるとき、挟持片76が延在されていない拡幅部72の後部側にスライドカバー80の係合爪86を配置させる。これにより、係合爪86は、拡幅部72内に挿入される。
当該係合爪86が拡幅部72内に挿入された状態で、スライドカバー80をシート前方側へスライドさせると、係合部82のリブ84が一対の挟持片76によって挟持される。このとき、側面視で係合部82の係合爪86は挟持片76とラップしている。これにより、スライドカバー80は、フィニッシャ本体56に対して、仮止め位置P(図7参照)によって仮止めされると共に抜け止めされる。
図7、図8に示されるように、フィニッシャ本体56に対してスライドカバー80が仮止めされた状態で、スライドカバー80は、フィニッシャ本体56に形成された突出部66のシート幅方向の外側に重なる。そして、この状態で、図8に示されるように、スライドカバー80と後述するカバー固定部96との間には、少なくともシートベルト48の幅方向の寸法に対応する隙間tが設けられている。
また、スライドカバー80の後端部80Aには、シート幅方向の内側へ向かって突出する係止部88が、スライドカバー80の上下に形成されている。図9に示されるように、係止部88は、互いに対向する一対の縦壁部90と、縦壁部90の先端から互いに離間する方向へ向かって突出する係止爪92と、縦壁部90の外側に当該縦壁部90と対向して配置された当接壁94と、を含んで構成されている。
一方、図7に示されるように、フィニッシャ本体56におけるシート前後方向の後端部56Cの上部には、リクライニングレバー28の軸部用の孔部(図示省略)が形成されており、この孔部を通じて、リクライニングレバー28がフィニッシャ本体56の外側に取り付けられている。
リクライニングレバー28の下方側には、フィニッシャ本体56の外側に、カバー固定部96が設けられている。カバー固定部96は、カバー固定部96の長手方向に沿って切断したときの断面形状がシート幅方向の内側を開口とする略U字状を成しており、シート前後方向及びシート上下方向に沿って延在されたカバー固定部本体96Aと、カバー固定部本体96Aの外縁からシート幅方向の内側へ向かって屈曲されたフランジ部96Bと、を含んで構成されている。
また、カバー固定部96におけるリクライニングレバー28側の端面には、シート前後方向の前方側へ向かって凹む湾曲部98が形成されており、リクライニングレバー28との干渉を回避するように形成されている。
カバー固定部96におけるスライドカバー80側の端面には、シート前後方向の後方側へ向かうにつれてシート上下方向の下方側へ向かって傾斜する傾斜部96Cが形成されている。この傾斜部96Cからは、シート前後方向の前方側へ向かって突出する被係止部100が、カバー固定部96の上下に形成されている。
当該被係止部100は、傾斜部96Cから突出する延出片102と、延出片102の中央に形成された貫通孔104と、を含んで構成されている。この被係止部100に対して、前述したスライドカバー80に形成された係止部88(図9参照)が係止される。
具体的に説明すると、図3に示されるように、スライドカバー80に形成された係合部82が、フィニッシャ本体56に形成された溝部68の後端に到達すると、当該係合部82は溝部68に形成された開口部68Aと対向すると共に、スライドカバー80の係止部88がカバー固定部96の被係止部100と対向する位置に配置される。
当該係合部82が溝部68に形成された開口部68Aと対向することによって、スライドカバー80はシート幅方向の内側への移動が可能となる。このため、スライドカバー80に形成された係合部82が、フィニッシャ本体56に形成された溝部68の後端に到達した状態で、スライドカバー80をシート幅方向の内側へ押圧する。
これにより、図9に示すスライドカバー80に形成された係止部88の縦壁部90は、互いに近接する方向へ向かって弾性変形し、係止爪92がカバー固定部96に形成された被係止部100の貫通孔104内へ挿入される。そして、図10に示されるように、係止爪92が貫通孔104を通過すると、貫通孔104の周辺部(延出片102)が当接壁94に当接する。
つまり、延出片102は、係止部88の係止爪92と当接壁94によって挟持されることになる。これにより、スライドカバー80は、カバー固定部96に対して係止された状態が維持されることになり、スライドカバー80はカバー固定部96を介してフィニッシャ本体56に対して固定位置Q(図2参照)で固定される。
このように、スライドカバー80がサイドフィニッシャ54に固定された状態で、図2に示されるように、スライドカバー80とサイドフィニッシャ54の間にはシートベルト48の一端部48Aが収容されると共に、スライドカバー80の外面83とサイドフィニッシャ54の外面55(なお、ここでは、突出部66の外面)、カバー固定部96の外面97がそれぞれ略面一となるように設定されている。
また、スライドカバー80の固定位置Qでは、サイドフィニッシャ54の上フランジ部60の曲率と、スライドカバー80のフランジ部80B及びカバー固定部96のフランジ部96Bの曲率が略連続するように設定されている。
<車両用シートの作用及び効果>
まず、本実施形態に係る車両用シートの作用及び効果について説明する。
図2、図7に示されるように、本実施形態では、車両用シート10におけるシート幅方向の左側部に設けられるサイドフィニッシャ54に対して、シート前後方向に沿って移動可能なスライドカバー80が設けられている。このスライドカバー80には、サイドフィニッシャ54(フィニッシャ本体56)に対して仮止め位置P及び固定位置Qが設けられており、固定位置Qは仮止め位置Pからシート前後方向の後方側に配置されている。
ここで、スライドカバー80の仮止め位置Pでは、図11に示されるように、サイドフィニッシャ54に対して仮止めされた状態で、車両用シート10に対してシートベルト48の一端部48Aの取り付けを可能としている。一方、図2、図3に示されるように、スライドカバー80の固定位置Qでは、サイドフィニッシャ54との間にシートベルト48の一端部48Aを収容した状態で当該サイドフィニッシャ54に対してスライドカバー80が固定される。
本実施形態では、図7、図8に示されるように、サイドフィニッシャ54に対してスライドカバー80が仮止めされた状態で、当該スライドカバー80とサイドフィニッシャ54に設けられたカバー固定部96との間に、シートベルト48の幅方向の寸法に対応する隙間tが設けられている。このため、スライドカバー80の仮止め状態で、図11に示されるように、シートベルト48の一端部48Aを車両用シート10に取り付けることができ、作業性がよい。
また、本実施形態では、スライドカバー80の仮止め位置Pから当該スライドカバー80をシート前後方向の後方側に移動させることによって、スライドカバー80は固定位置Q(図2参照)に配置されることになる。このため、スライドカバー80の仮止め位置Pにおいて、図11、図12に示されるように、車両用シート10に対してシートベルト48の一端部48Aを取り付け、スライドカバー80を固定位置Qに配置させると、図2、図3に示されるように、当該スライドカバー80とサイドフィニッシャ54との間にシートベルト48の一端部48Aが収容されることになる。
以上のように、本実施形態では、車両用シート10に対してシートベルト48の一端部48Aを取り付け可能な状態でサイドフィニッシャ54に対してスライドカバー80を仮止め可能とするため、サイドフィニッシャ54に対してスライドカバー80を仮止めさせた状態で、車両用シート10を工場に納品することが可能となる。このため、部品管理が簡易化される。
そして、本実施形態では、サイドフィニッシャ54に対してスライドカバー80を仮止めさせた状態で、シートベルト48の一端部48Aを車両用シート10側に取り付けた後、スライドカバー80をシート前後方向の後方側に移動させ、当該スライドカバー80をサイドフィニッシャ54に固定させることができる。
ここで、本実施形態では、サイドフィニッシャ54には、シート前後方向に沿って形成された被係合部67が設けられており、スライドカバー80には、当該被係合部67に対して係合可能とされた係合部82が設けられている。そして、スライドカバー80の仮止め位置Pでは、図4(A)、図6に示されるように、被係合部67及び係合部82を介して、サイドフィニッシャ54に対してスライドカバー80はシート前後方向に沿った移動が規制されると共にシート幅方向の外側へ向かう移動が規制されている。
これにより、本実施形態では、サイドフィニッシャ54に対してスライドカバー80を仮止めさせた状態で、シート前後方向に沿った移動が規制されるだけでなく、スライドカバー80の落下を抑制することができる。
さらに具体的に説明すると、図4(A)、(B)に示されるように、本実施形態では、サイドフィニッシャ54に設けられた被係合部67は、溝部68及び一対のリップ部78を含んで構成されている。溝部68は、フィニッシャ本体56の外面55側においてシート前後方向に沿って形成され、一対のリップ部78は、当該溝部68を構成する一対の側壁70の先端からそれぞれ近接する方向へ向かって張り出して形成されている。
一方、スライドカバー80の内面81(図5(A)参照)に設けられた係合部82は、リブ84及び一対の係合爪86と、を含んで構成されている。リブ84は、スライドカバー80の内面81から起立し溝部68に形成された一対のリップ部78間に挿入可能とされ、一対の係合爪86は、リブ84の先端に形成され当該一対のリップ部78にそれぞれ干渉して係合される。
つまり、本実施形態では、スライドカバー80に形成されたリブ84がサイドフィニッシャ54に形成された溝部68内に挿入された状態で、リブ84の先端に形成された一対の係合爪86が当該溝部68に形成された一対のリップ部78と干渉し抜け止めされる(係合される)。これにより、スライドカバー80は、サイドフィニッシャ54に対して溝部68に沿ってスライド移動可能とされると共にサイドフィニッシャ54に対してシート幅方向の外側への移動が規制される。
さらに、本実施形態では、溝部68は、拡幅部72及び一対の挟持片76を含んで構成されている。拡幅部72は、サイドフィニッシャ54に形成された溝部68におけるシート前後方向の前端部に形成されており、一対の挟持片76は、当該拡幅部72内へ延出され、スライドカバー80の仮止め位置Pにおいて、スライドカバー80に形成された係合部82のリブ84を挟持する。
つまり、本実施形態では、サイドフィニッシャ54に形成された溝部68の拡幅部72に対してスライドカバー80に形成された係合爪86を挿入させ、係合爪86及び溝部68を介してサイドフィニッシャ54に対してスライドカバー80をシート前後方向に沿って移動可能としている。そして、係合部82のリブ84が一対の挟持片76によって挟持されることによって、スライドカバー80は、サイドフィニッシャ54に対して仮止めされる。
また、本実施形態では、図2、図3に示されるように、サイドフィニッシャ54の外面55に溝部68は形成されているが、当該溝部68はスライドカバー80によって外方から覆われるため、サイドフィニッシャ54に対してスライドカバー80が取り付けられた状態で当該溝部68は外観上に露出しない。このため、外観意匠の一部を構成するサイドフィニッシャ54の外面55に溝部68は形成されたことによる外観上の不具合は生じない。
また、本実施形態では、スライドカバー80は、固定位置Qにおいて、サイドフィニッシャ54の上フランジ部60の曲率と、スライドカバー80のフランジ部80B及びカバー固定部96のフランジ部96Bの曲率が略連続するように設定されている。そして、スライドカバー80の外面83とサイドフィニッシャ54の外面55、カバー固定部96の外面97がそれぞれ略面一となるように設定されている。
これにより、本実施形態では、図示はしないが、スライドカバー80の外面83と当該サイドフィニッシャ54の外面55の位置がずれて配置された場合と比較して、スライドカバー80とサイドフィニッシャ54とが一体化され、外観的に見栄えがよい。
さらに、本実施形態では、サイドフィニッシャ54に設けられたカバー固定部96には被係止部100が設けられており、当該被係止部100はスライドカバー80の移動軌跡上に配置されている。一方、スライドカバー80には係止部88が設けられており、当該係止部88はスライドカバー80の固定位置Qにおいて被係止部100に係止される。
本実施形態では、前述したように、図9、図10に示されるカバー固定部96に形成された被係止部100は、延出片102及び貫通孔104を含んで構成されている。延出片102は、サイドフィニッシャ54に対して仮止めされるスライドカバー80側へ向かって延出されており、貫通孔104は、当該延出片102に形成されている。
一方、スライドカバー80に形成された係止部88は、縦壁部90及び係止爪92を含んで構成されている。縦壁部90は、被係合部67の貫通孔104内に挿通可能とされており、係止爪92は当該縦壁部90の先端に形成され縦壁部90が貫通孔104内に挿入された状態で貫通孔104の周辺部に係止可能とされる。
スライドカバー80の係止部88がカバー固定部96の被係止部100に係止された状態で、スライドカバー80はサイドフィニッシャ54に対して固定される。つまり、本実施形態では、スライドカバー80をサイドフィニッシャ54に固定させるにあたって、工具が必要ないため作業性がよい。
<本実施形態の補足説明>
上記実施形態では、図3、図13に示されるように、フィニッシャ本体56の外面55に設けられた被係合部67は、シート上下方向の上下に配置された一対の溝部68と、各溝部68を構成する一対の側壁70の先端から当該溝部68の内側へ向かって互いに近接する方向へ向かって張り出す一対のリップ部78と、を含んで構成されている。
一方、スライドカバー80に設けられた係合部82は、T字状を成し、スライドカバー80の内面81(図5(A)参照)から起立し一対のリップ部78間を挿入可能な一対のリブ84と、各リブ84の上端及び下端からそれぞれ張り出し、当該一対のリップ部78に干渉して抜け止めされる一対の係合爪86と、を含んで構成されている。なお、ここでは、断面形状を分かりやすくするため、係合部82側も実線で示している。
以上のような構成により、本実施形態では、スライドカバー80が、フィニッシャ本体56に対してシート前後方向に沿って移動可能とされ、当該フィニッシャ本体56に対して仮止めされるという効果が得られる。本実施形態では、このような効果を得ることができればよいため、上記実施形態に限るものではない。
(変形例1)
例えば、変形例1として、図14に示されるように、サイドフィニッシャ56の外面55側に設けられた被係合部106は、シート上下方向の上下に配置された一対の溝部108、110と、一方の溝部108を構成する一対の側壁112、114のうち一方の側壁114の先端から他方の側壁112の先端へ向かって張り出すリップ部(第1リップ部)116と、他方の溝部110を構成する一対の側壁118、120のうち一方の側壁118の先端から他方の側壁120の先端へ向かって張り出すリップ部(第2リップ部)122と、を含んで構成されてもよい。
この場合、係合部124は、略L字状を成し、スライドカバー80の内面から起立し一対の溝部108、110内へそれぞれ挿入可能な一対のリブ126、128と、一対のリブ126、128のうち一方のリブ126の先端に形成されリップ部116に干渉して係合される係合爪(第1係合爪)130と、他方のリブ128の先端に形成されリップ部122に干渉して係合される係合爪(第2係合爪)132と、を含んで構成される。
本実施形態では、被係合部106において、各溝部108、110に対して、それぞれ1つのリップ部116、122の形成でよく、また、係合部124の形状も簡易化されるため、その分、加工費用の削減を図ることができる。
(変形例2)
また、変形例2として、図15に示されるように、サイドフィニッシャ56の外面55側に設けられた被係合部134は、シート上下方向の上下に配置された一対の溝部136、138と、一方の溝部136を構成する一対の側壁140、142のうち一方の側壁140の先端から他方の側壁142の先端へ向かって張り出すリップ部(第1リップ部)144と、他方の溝部138を構成する一対の側壁146、148のうち一方の側壁148の先端から他方の側壁146の先端へ向かって張り出すリップ部(第2リップ部)150と、を含んで構成されてもよい。
この場合、係合部152は、略L字状を成し、スライドカバー80の内面から起立し一対の溝部136、138内へそれぞれ挿入可能な一対のリブ154、156と、一対のリブ154、156のうち一方のリブ154の先端に形成されリップ部144に干渉して係合される係合爪(第1係合爪)158と、他方のリブ156の先端に形成されリップ部150に干渉して係合される係合爪(第2係合爪)160と、を含んで構成される。
上記第1変形例では、被係合部106において、一対の溝部108、110のうち互いに近接する側にリップ部116、122をそれぞれ設け、係合部124では一対のリブ126、128に対して、係合爪130と係合爪132とが互いに近接する方向へ向かって屈曲している。
また、上記第2変形例では、被係合部134において、一対の溝部136、138のうち互いに離間する側にリップ部144、150をそれぞれ設け、係合部152では一対のリブ154、156に対して、係合爪158と係合爪160とが互いに離間する方向へ向かって屈曲している。
ここでは、第2変形例は、第1変形例よりもスライドカバー80のシート上下方向に対する係合位置の間隔が広いため、第1変形例よりもスライドカバー80のガタ付きをより抑制することができる。但し、本実施形態において、第1変形例が適用されてもよいのは勿論のことである。
また、上記以外にも、図示はしないが、一対の溝部において、上側の側壁にそれぞれリップ部をそれぞれ設け、係合部では当該リップ部に係合される係合爪をそれぞれ設けてもよい。この場合、一対の係合爪は一対のリブに対して、それぞれシート上下方向の上方側へ向かって屈曲する。
また、一対の溝部において、下側の側壁にそれぞれリップ部をそれぞれ設け、係合部では当該リップ部に係合される係合爪をそれぞれ設けてもよい。この場合、一対の係合爪は一対のリブに対して、それぞれシート上下方向の下方側へ向かって屈曲する。
以上の実施形態では、例えば、図13を参照すると、シート上下方向の上下に配置された一対の溝部68にそれぞれ形成された一対のリップ部78に対して、一対のリブ84にそれぞれ形成された一対の係合爪86がそれぞれ係合される。これにより、フィニッシャ本体56に対して仮止めされた状態、又は、フィニッシャ本体56に対してシート前後方向に沿って移動させる際に、スライドカバー80のガタ付きを抑制することができるが、本実施形態では、必ずしもスライドカバー80の上下2カ所で係合させる必要はない。
なお、本発明は、上記実施形態に限るものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。
10 車両用シート
48 シートベルト
48A 一端部(シートベルトの長尺方向の一端部)
54 サイドフィニッシャ
55 外面(サイドフィニッシャの外面)
56 フィニッシャ本体
67 被係合部
68 溝部
70 側壁
72 拡幅部
76 挟持片
78 リップ部
80 スライドカバー
81 内面(スライドカバーの内面)
82 係合部
83 外面(スライドカバーの外面)
84 リブ
86 係合爪
88 係止部
90 縦壁部
92 係止爪
96 カバー固定部
100 被係止部
102 延出片
104 貫通孔
106 被係合部
108 溝部(一方の溝部)
110 溝部(他方の溝部)
112 側壁(他方の側壁)
114 側壁(一方の側壁)
116 リップ部(第1リップ部)
118 側壁(一方の側壁)
120 側壁(他方の側壁)
122 リップ部(第2リップ部)
124 係合部
126 リブ(一方のリブ)
128 リブ(他方のリブ)
130 係合爪(第1係合爪)
132 係合爪(第2係合爪)
134 被係合部
136 溝部(一方の溝部)
138 溝部(他方の溝部)
140 側壁(一方の側壁)
142 側壁(他方の側壁)
144 リップ部(第1リップ部)
146 側壁(他方の側壁)
148 側壁(一方の側壁)
150 リップ部(第2リップ部)
152 係合部
154 リブ(一方のリブ)
156 リブ(他方のリブ)
158 係合爪(第1係合爪)
160 係合爪(第2係合爪)
P 仮止め位置
Q 固定位置
t 隙間

Claims (11)

  1. シート本体におけるシート幅方向の外側部に設けられたサイドフィニッシャと、
    前記サイドフィニッシャに対してシート前後方向に沿って移動可能とされ、当該サイドフィニッシャに対して仮止めされた状態で前記シート本体に対してシートベルトの長尺方向の一端部の取り付けを可能とする仮止め位置と、前記仮止め位置からシート前後方向の後方側に位置し当該サイドフィニッシャとの間に前記シートベルトの長尺方向の一端部を収容し当該サイドフィニッシャに対して固定される固定位置と、を備えたスライドカバーと、
    を有する車両用シート。
  2. 前記サイドフィニッシャに設けられ、シート前後方向に沿って形成された被係合部と、
    前記スライドカバーに設けられ、前記被係合部に対して係合可能とされた係合部と、
    をさらに有し、
    前記仮止め位置において、前記被係合部に対して、前記係合部のシート前後方向に沿った移動が規制されると共にシート幅方向の外側へ向かう移動が規制されている請求項1に記載の車両用シート。
  3. 前記被係合部は、
    前記サイドフィニッシャの外面側に形成された溝部と、
    前記溝部を構成する少なくとも一方の側壁の先端から当該溝部の内側へ向かって張り出すリップ部と、
    を含んで構成されると共に、
    前記係合部は、
    前記スライドカバーの内面から起立し前記リップ部を通過して前記溝部内へ挿入可能なリブと、
    前記リブの先端に形成され前記リップ部に干渉して係合される係合爪と、
    を含んで構成されている請求項2に記載の車両用シート。
  4. 前記被係合部は、
    前記サイドフィニッシャの外面側に形成された溝部と、
    前記溝部を構成する一対の側壁の先端からそれぞれ近接する方向へ向かって張り出す一対のリップ部と、
    を含んで構成されると共に、
    前記係合部は、
    前記スライドカバーの内面から起立し前記一対のリップ部間に挿入可能なリブと、
    前記リブの先端に形成され前記一対のリップ部にそれぞれ干渉して係合される一対の係合爪と、
    を含んで構成されている請求項2又は請求項3に記載の車両用シート。
  5. 前記被係合部は、
    前記サイドフィニッシャの外面側においてシート上下方向の上下に形成され、略平行に配置された一対の溝部と、
    前記一対の溝部のうち一方の溝部を構成する一方の側壁の先端から他方の側壁の先端へ向かって張り出す第1リップ部と、
    前記一対の溝部のうち他方の溝部を構成する一方の側壁の先端から他方の側壁の先端へ向かって張り出す第2リップ部と、
    を含んで構成されると共に、
    前記係合部は、
    前記スライドカバーの内面から起立し、前記一対の溝部内へそれぞれ挿入可能な一対のリブと、
    前記一対のリブのうち一方のリブの先端に形成され前記第1リップ部に干渉して係合される第1係合爪と、
    前記一対のリブのうち他方のリブの先端に形成され前記第2リップ部に干渉して係合される第2係合爪と、
    を含んで構成されている請求項2又は請求項3に記載の車両用シート。
  6. 前記溝部は、
    前記溝部におけるシート前後方向の前端部に形成され、前記係合部の一部を構成する係合爪が挿入可能な拡幅部と、
    前記拡幅部内へ延出され、前記仮止め位置において前記リブを挟持する一対の挟持片と、
    をさらに含んで構成されている請求項3~請求項5の何れか1項に記載の車両用シート。
  7. 前記スライドカバーの前記固定位置において、前記溝部は当該スライドカバーによって外方から覆われている請求項3~請求項6の何れか1項に記載の車両用シート。
  8. 前記スライドカバーは、前記仮止め位置において前記サイドフィニッシャに対してシート幅方向の外側に重なり、前記固定位置において当該スライドカバーの外面と当該サイドフィニッシャの外面が略面一となるように設定されている請求項1~請求項7の何れか1項に記載の車両用シート。
  9. 前記サイドフィニッシャに設けられ、前記スライドカバーの移動軌跡上に配置されたカバー固定部に形成された被係止部と、
    前記スライドカバーに設けられ、前記固定位置において前記被係止部に係止される係止部と、
    をさらに有する請求項1~請求項8の何れか1項に記載の車両用シート。
  10. 前記被係止部は、
    前記サイドフィニッシャに対して仮止めされる前記スライドカバー側へ向かって延出された延出片と、
    前記延出片に形成された貫通孔と、
    を含んで構成され、
    前記係止部は、
    前記貫通孔内に挿通可能な縦壁部と、
    前記縦壁部の先端に形成され当該縦壁部が前記貫通孔内に挿入された状態で前記貫通孔の周辺部に係止可能な係止爪と、
    を含んで構成されている請求項9に記載の車両用シート。
  11. 前記サイドフィニッシャに対して前記スライドカバーが仮止めされた状態で、当該スライドカバーと前記カバー固定部との間には、少なくとも前記シートベルトの幅方向の寸法に対応する隙間が設けられるように設定されている請求項9又は請求項10に記載の車両用シート。
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