JP2023121995A - 姿勢制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】機体の姿勢を安定させることができる姿勢制御装置を提供する。【解決手段】ロータ制御装置50は、第1割当指令値に基づいて、それぞれのVTOLロータを制御する垂直ロータ制御部72と、第2割当指令値に基づいて、それぞれのクルーズロータを制御する水平ロータ制御部74と、第1割当指令値を、ヨーモーメントの指令値と第2割当指令値との差に設定し、ヨーモーメントの指令値が閾値未満である場合に、第2割当指令値の大きさを0に設定し、ヨーモーメントの指令値が閾値以上である場合に、第2割当指令値の大きさを0よりも大きく設定する割当指令値算出部66とを有する。【選択図】図4

Description

本発明は、姿勢制御装置に関する。
下記特許文献1にはVTOL航空機が開示されている。当該VTOL航空機は、第1の方向に回転する垂直ロータの回転速度と、第2の方向に回転する垂直ロータの回転速度とに差を生じさせることにより、ヨー方向に回転する。
米国特許出願公開第2021/0245873号明細書
上記特許文献1に開示された技術では、要求されるヨーモーメントが過大である場合には、垂直ロータにより十分な大きさのヨーモーメントを発生させることができず、機体の姿勢を安定させることができない課題がある。
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
本発明の態様は、垂直方向にスラストを発生させる複数の垂直ロータと、水平方向にスラストを発生させる複数の水平ロータとを有する航空機の機体の姿勢制御を行う姿勢制御装置であって、当該姿勢制御装置は、前記機体に作用させるヨーモーメントの指令値を算出するヨーモーメント指令値算出部と、前記ヨーモーメントの指令値に応じて第1割当指令値及び第2割当指令値を算出する割当指令値算出部と、前記第1割当指令値に基づいて、それぞれの前記垂直ロータを制御する垂直ロータ制御部と、前記第2割当指令値に基づいて、それぞれの前記水平ロータを制御する水平ロータ制御部と、を備え、前記割当指令値算出部は、前記第1割当指令値を、前記ヨーモーメントの指令値と前記第2割当指令値との差に設定し、前記ヨーモーメントの指令値が閾値未満である場合に、前記第2割当指令値の大きさを0に設定し、前記ヨーモーメントの指令値が閾値以上である場合に、前記第2割当指令値の大きさを0よりも大きく設定する。
本発明により、機体の姿勢を安定させることができる。
図1は、航空機の模式図である。 図2は、電力供給システムの構成を示す図である。 図3は、電力供給システムの構成を示す図である。 図4は、ロータ制御装置の制御ブロック図である。 図5は、ヨーモーメント指令値、ヨーモーメント指令値の移動平均及び第2割当指令値の時間変化の例を示すグラフである。 図6は、ロータ制御装置において行われるロータ制御の処理の流れを示すフローチャートである。
〔第1実施形態〕
[航空機の構成]
図1は、航空機10の模式図である。本実施形態の航空機10は、電動垂直離着陸機(eVTOL機)である。本実施形態の航空機10は、電動モータによりロータが駆動される。本実施形態の航空機10は、ロータにより垂直方向のスラストと水平方向のスラストを発生させる。また、本実施形態の航空機10は、ハイブリッド航空機である。本実施形態の航空機10は、電動モータの電源として、モータジェネレータとバッテリとを有する。
航空機10は、機体12を有する。機体12には、コックピット、キャビン等が設けられる。コックピットには、パイロットが搭乗し、航空機10の操縦をする。キャビンには、搭乗者等が搭乗する。航空機10は、パイロットが搭乗せずに、自動で操縦されてもよい。
航空機10は、前翼14及び後翼16を有する。前翼14は、機体12の重心Gよりも前方に取り付けられる。後翼16は、機体12の重心Gよりも後方に取り付けられる。航空機10が前方に移動するときに、前翼14及び後翼16のそれぞれにおいてリフトが発生する。
航空機10は、8つのVTOLロータ18を有する。8つのVTOLロータ18とは、ロータ18FLa、ロータ18FLb、ロータ18RLa、ロータ18RLb、ロータ18FRa、ロータ18FRb、ロータ18RRa及びロータ18RRbである。VTOLロータ18のそれぞれは、本発明の垂直ロータに相当する。
ロータ18FLa、ロータ18FLb、ロータ18RLa及びロータ18RLbは、ブーム20Lに取り付けられる。ブーム20Lは、前後方向に延びる。ブーム20Lは、前翼14と後翼16とに取り付けられる。ブーム20Lは、重心Gに対して左方に設けられる。すなわち、ロータ18FLa、ロータ18FLb、ロータ18RLa及びロータ18RLbは、重心Gに対して左方に配置される。
ロータ18FRa、ロータ18FRb、ロータ18RRa及びロータ18RRbは、ブーム20Rに取り付けられる。ブーム20Rは、前後方向に延びる。ブーム20Rは、前翼14と後翼16とに取り付けられる。ブーム20Rは、重心Gに対して右方に設けられる。すなわち、ロータ18FRa、ロータ18FRb、ロータ18RRa及びロータ18RRbは、重心Gに対して右方に配置される。
航空機10を上方から見た状態で、ロータ18FLa、ロータ18RLa、ロータ18FRb及びロータ18RRbのそれぞれは左回転する。航空機10を上方から見た状態で、ロータ18FRa、ロータ18RRa、ロータ18FLb及びロータ18RLbのそれぞれは右回転する。
VTOLロータ18のそれぞれの回転シャフト(不図示)は、上下方向に延びる。VTOLロータ18のそれぞれは、ロータの回転数、及び、ブレードのピッチ角度が調整されることにより、スラストが制御される。VTOLロータ18のそれぞれは、垂直離陸時、垂直離陸から巡航への移行時、巡航から垂直着陸への移行時、垂直着陸時、空中停止時等において使用される。また、VTOLロータ18のそれぞれは、姿勢制御時に使用される。VTOLロータ18のそれぞれの回転シャフトは、上下方向に対して数度の角度(カント)が付けられていてもよい。
8つのVTOLロータ18のそれぞれのスラストが制御されることにより、リフトスラストを発生させる。リフトスラストとは、垂直方向のスラストを示す。リフトスラストの大きさは、8つのVTOLロータ18のそれぞれのスラストの合計に応じて決まる。
8つのVTOLロータ18のそれぞれのスラストが制御されることにより、機体12にロールモーメントを作用させる。ロールモーメントの大きさは、重心Gに対して左方に配置された4つのVTOLロータ18のそれぞれのスラストの合計と、重心Gに対して右方に配置された4つのVTOLロータ18のそれぞれのスラストの合計との差に応じて決まる。
重心Gに対して左方に配置された4つVTOLロータ18とは、ロータ18FLa、ロータ18FLb、ロータ18RLa及びロータ18RLbを示す。重心Gに対して右方に配置された4つVTOLロータ18とは、ロータ18FRa、ロータ18FRb、ロータ18RRa及びロータ18RRbを示す。
8つのVTOLロータ18のそれぞれのスラストが制御されることにより、機体12にピッチモーメントを作用させる。ピッチモーメントの大きさは、重心Gに対して前方に配置された4つのVTOLロータ18のそれぞれのスラストの合計と、重心Gに対して後方に配置された4つのVTOLロータ18のそれぞれのスラストの合計との差に応じて決まる。
重心Gに対して前方に配置された4つのVTOLロータ18とは、ロータ18FLa、ロータ18FLb、ロータ18FRa及びロータ18FRbを示す。重心Gに対して後方に配置された4つのVTOLロータ18とは、ロータ18RLa、ロータ18RLb、ロータ18RRa及びロータ18RRbを示す。
8つのVTOLロータ18のそれぞれにおける反トルクが制御されることにより、機体12にヨーモーメントを作用させる。ヨーモーメントの大きさは、左回転する4つのVTOLロータ18のそれぞれの反トルクの合計と、右回転する4つのVTOLロータ18のそれぞれの反トルクの合計との差に応じて決まる。
VTOLロータ18のそれぞれの回転シャフトが、上下方向に対して数度の角度(カント)が付けられている場合、VTOLロータ18により、機体12の側面方向にスラストが発生する。この場合、ヨーモーメントの大きさは、前述の反トルクの合計の差に加えて、機体12の左回転方向に向かって発生するスラストによって生じるモーメントと、機体12の右回転方向に向かって発生するスラストによって生じるモーメントとの差に応じて決まる。
左回転する4つのVTOLロータ18とは、ロータ18FLa、ロータ18RLa、ロータ18FRb及びロータ18RRbを示す。右回転する4つのVTOLロータ18とは、ロータ18FRa、ロータ18RRa、ロータ18FLb及びロータ18RLbを示す。
航空機10は、2つのクルーズロータ22を有する。2つのクルーズロータ22とは、ロータ22L及びロータ22Rである。クルーズロータ22のそれぞれは、本発明の水平ロータに相当する。
ロータ22L及びロータ22Rは、機体12の後部に取り付けられる。ロータ22Lは、機体12の中心線Aに対して左方に配置される。ロータ22Rは、機体12の中心線Aに対して右方に配置される。
クルーズロータ22のそれぞれの回転シャフト(不図示)は、前後方向に延びる。クルーズロータ22のそれぞれは、ロータの回転数、及び、ブレードのピッチ角度が調整されることにより、スラストが制御される。クルーズロータ22のそれぞれは、垂直離陸から巡航への移行時、巡航時、巡航から垂直着陸への移行時等において使用される。また、クルーズロータ22のそれぞれは、姿勢制御時に使用される。クルーズロータ22のそれぞれの回転シャフトは、前後方向に対して数度の角度(カント)が付けられていてもよい。
2つのクルーズロータ22のそれぞれのスラストが制御されることにより、クルーズスラストが発生する。クルーズスラストとは、水平方向のスラストを示す。クルーズスラストの大きさは、2つのクルーズロータ22のそれぞれのスラストの合計に応じて決まる。
2つのクルーズロータ22のそれぞれのスラストが制御されることにより、機体12にヨーモーメントを作用させる。ヨーモーメントの大きさは、ロータ22Lのスラストの大きさと、ロータ22Rのスラストの大きさとの差に応じて決まる。
[電力供給システムの構成]
図2は、電力供給システム24の構成を示す図である。図2は、主に、4つのバッテリ30と、12個の電動モータ32との接続関係を示す。図3は、電力供給システム24の構成を示す図である。
それぞれのVTOLロータ18に対して、1組の駆動ユニット26が設けられる。ロータ18FLaに対して、駆動ユニット26FLaが設けられる。ロータ18FLbに対して、駆動ユニット26FLbが設けられる。ロータ18RLaに対して、駆動ユニット26RLaが設けられる。ロータ18RLbに対して、駆動ユニット26RLbが設けられる。ロータ18FRaに対して、駆動ユニット26FRaが設けられる。ロータ18FRbに対して、駆動ユニット26FRbが設けられる。ロータ18RRaに対して、駆動ユニット26RRaが設けられる。ロータ18RRbに対して、駆動ユニット26RRbが設けられる。
それぞれのクルーズロータ22に対して、2組の駆動ユニット26が設けられる。ロータ22Lに対して、駆動ユニット26La及び駆動ユニット26Lbが設けられる。ロータ22Rに対して、駆動ユニット26Ra及び駆動ユニット26Rbが設けられる。
3組の駆動ユニット26に対して、1つのバッテリ30が接続される。駆動ユニット26FRa、駆動ユニット26RLa及び駆動ユニット26Raに対して、バッテリ30aが接続される。駆動ユニット26FLa、駆動ユニット26RRa及び駆動ユニット26Laに対して、バッテリ30bが接続される。駆動ユニット26FRb、駆動ユニット26RLb及び駆動ユニット26Rbに対して、バッテリ30cが接続される。駆動ユニット26FLb、駆動ユニット26RRb及び駆動ユニット26Lbに対して、バッテリ30dが接続される。
それぞれの駆動ユニット26は、電動モータ32及びインバータ34を有する。電動モータ32は、三相モータである。電動モータ32の出力シャフト(不図示)は、それぞれのVTOLロータ18の回転シャフト、又は、クルーズロータ22の回転シャフトに連結される。インバータ34は、入力された直流の電力を三相交流の電力に変換して電動モータ32に出力する。
図3に示すように、3組の駆動ユニット26と1つのバッテリ30とにより、駆動モジュール36が構成される。駆動ユニット26FRa、駆動ユニット26RLa、駆動ユニット26Ra及びバッテリ30aにより、駆動モジュール36aが構成される。駆動ユニット26FLa、駆動ユニット26RRa、駆動ユニット26La及びバッテリ30bにより駆動モジュール36bが構成される。駆動ユニット26FRb、駆動ユニット26RLb、駆動ユニット26Rb及びバッテリ30cにより駆動モジュール36cが構成される。駆動ユニット26FLb、駆動ユニット26RRb、駆動ユニット26Lb及びバッテリ30dにより、駆動モジュール36dが構成される。
それぞれの駆動モジュール36は、発電モジュール38に接続される。発電モジュール38は、エンジン40、モータジェネレータ42及びパワーコントロールユニット(以下、PCU)44を有する。
エンジン40は、ガスタービンエンジンである。エンジン40は、レシプロエンジンであってもよい。モータジェネレータ42は、三相モータとして機能するとともに、三相発電機としても機能する。モータジェネレータ42の回転シャフト(不図示)は、エンジン40の出力シャフト(不図示)に連結される。
PCU44は、インバータ及びコンバータである。PCU44は、モータジェネレータ42から入力された三相交流の電力を直流の電力に変換して出力する。また、PCU44は、それぞれのバッテリ30から入力された直流の電力を三相交流の電力に変換してモータジェネレータ42に出力する。
図3に示すように、それぞれの駆動モジュール36はスイッチ48を有する。それぞれのスイッチ48は、IGBT等のスイッチング素子及びダイオードを有する。それぞれのスイッチ48は、発電モジュール38から駆動モジュール36への電力の供給を常時許容する。それぞれのスイッチ48は、オンである場合に、駆動モジュール36から発電モジュール38への電力の供給を許容する。
それぞれのスイッチ48がオンである場合には、それぞれのバッテリ30からモータジェネレータ42に電力が供給される。これにより、モータジェネレータ42が動作し、エンジン40を始動する。エンジン40が動作している場合には、モータジェネレータ42により発電された電力が、それぞれのバッテリ30、及び、それぞれの電動モータ32に供給される。これにより、それぞれのバッテリ30が充電される。また、それぞれの電動モータ32が動作する。
なお、図2及び図3には、電力供給システム24の概略が示されている。図2及び図3に示す電力供給システム24は、一部の部材を省略している。省略されている部材は、例えば、電動モータ32以外の電気的負荷、抵抗、コイル、コンデンサ、各種センサ類ヒューズ、リレー、ブレーカ、プリチャージ回路、DC-DCコンバータ等である。
[ロータ制御装置の構成]
図4は、ロータ制御装置50の制御ブロック図である。ロータ制御装置50は、それぞれのVTOLロータ18のスラストの制御、及び、それぞれのクルーズロータ22のスラストの制御を行う。ロータ制御装置50は、本発明の姿勢制御装置に相当する。ロータ制御装置50は、演算部52及び記憶部54を有する。
演算部52は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサである。演算部52は、リフトスラスト指令値算出部56、ロールモーメント指令値算出部58、ピッチモーメント指令値算出部60、ヨーモーメント指令値算出部62、クルーズスラスト指令値算出部64、割当指令値算出部66、VTOLロータスラスト指令値生成部68、クルーズロータスラスト指令値生成部70、VTOLロータ制御部72及びクルーズロータ制御部74を有する。
リフトスラスト指令値算出部56、ロールモーメント指令値算出部58、ピッチモーメント指令値算出部60、ヨーモーメント指令値算出部62、クルーズスラスト指令値算出部64、割当指令値算出部66、VTOLロータスラスト指令値生成部68、クルーズロータスラスト指令値生成部70、VTOLロータ制御部72及びクルーズロータ制御部74は、記憶部54に記憶されているプログラムが演算部52によって実行されることによって実現される。
リフトスラスト指令値算出部56、ロールモーメント指令値算出部58、ピッチモーメント指令値算出部60、ヨーモーメント指令値算出部62、クルーズスラスト指令値算出部64、割当指令値算出部66、VTOLロータスラスト指令値生成部68、クルーズロータスラスト指令値生成部70、VTOLロータ制御部72及びクルーズロータ制御部74の少なくとも一部が、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路によって実現されてもよい。
リフトスラスト指令値算出部56、ロールモーメント指令値算出部58、ピッチモーメント指令値算出部60、ヨーモーメント指令値算出部62、クルーズスラスト指令値算出部64、割当指令値算出部66、VTOLロータスラスト指令値生成部68、クルーズロータスラスト指令値生成部70、VTOLロータ制御部72及びクルーズロータ制御部74の少なくとも一部が、ディスクリートデバイスを含む電子回路によって実現されてもよい。
記憶部54は、コンピュータ可読記憶媒体である、不図示の揮発性メモリ及び不図示の不揮発性メモリにより構成される。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)等である。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等である。データ等が、例えば、揮発性メモリに記憶される。プログラム、テーブル、マップ等が、例えば、不揮発性メモリに記憶される。記憶部54の少なくとも一部が、上述したプロセッサ、集積回路等に備えられていてもよい。
リフトスラスト指令値算出部56は、リフトスラスト指令値を算出する。リフトスラスト指令値は、例えば、パイロットによる操作入力部の操作量に応じて決定される。操作入力部とは、例えば、操縦桿、ペダル、レバー等である。操作入力部の操作量と、リフトスラスト指令値とは一対一で対応しなくてもよい。操作入力部の操作範囲、操作入力部の操作速度、機体12の高度等に応じて、操作入力部の操作量に対して、リフトスラスト指令値を可変にしてもよい。機体12の高度は、例えば、地面距離計(不図示)が検出した地面と機体12との間の距離に基づいて推定される。機体12の高度は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)から受信した信号に基づいて推定される。
パイロットによる操作入力部に対する操作の入力がない場合、操作入力部の操作量に関係なく、リフトスラスト指令値が自動的に決定され、ホバリングをしてもよい。また、航空機10が自動で制御される場合、予め設定された飛行経路に応じて、操作入力部の操作量に関係なく、リフトスラスト指令値が自動的に決定されてもよい。
ロールモーメント指令値算出部58は、ロールモーメント指令値を算出する。ロールモーメント指令値は、パイロットによる操作入力部の操作量に応じて決定される。操作入力部の操作量と、ロールモーメント指令値とは一対一で対応しなくてもよい。操作入力部の操作範囲、操作入力部の操作速度、機体12の角速度等に応じて、操作入力部の操作量に対して、ロールモーメント指令値を可変にしてもよい。機体12の角速度は、例えば、ジャイロセンサ(不図示)により検出される。
パイロットによる操作入力部に対する操作の入力がない場合、操作入力部の操作量に関係なく、ロールモーメント指令値が自動的に決定され、ホバリングをしてもよい。また、航空機10が自動で制御される場合、予め設定された飛行経路に応じて、操作入力部の操作量に関係なく、ロールモーメント指令値が自動的に決定されてもよい。
ピッチモーメント指令値算出部60は、ピッチモーメント指令値を算出する。ピッチモーメント指令値は、例えば、パイロットによる操作入力部の操作量に応じて決定される。操作入力部の操作量と、ピッチモーメント指令値とは一対一で対応しなくてもよい。操作入力部の操作範囲、操作入力部の操作速度、機体12の角速度等に応じて、操作入力部の操作量に対して、ピッチモーメント指令値を可変にしてもよい。
パイロットによる操作入力部に対する操作の入力がない場合、操作入力部の操作量に関係なく、ピッチモーメント指令値が自動的に決定され、ホバリングをしてもよい。また、航空機10が自動で制御される場合、予め設定された飛行経路に応じて、操作入力部の操作量に関係なく、ピッチモーメント指令値が自動的に決定されてもよい。
ヨーモーメント指令値算出部62は、ヨーモーメント指令値を算出する。ヨーモーメント指令値は、例えば、パイロットによる操作入力部の操作量に応じて決定される。操作入力部の操作量と、ヨーモーメント指令値とは一対一で対応しなくてもよい。操作入力部の操作範囲、操作入力部の操作速度、機体12の角速度等に応じて、操作入力部の操作量に対して、ヨーモーメント指令値を可変にしてもよい。
パイロットによる操作入力部に対する操作の入力がない場合、操作入力部の操作量に関係なく、ヨーモーメント指令値が自動的に決定され、ホバリングをしてもよい。また、航空機10が自動で制御される場合、予め設定された飛行経路に応じて、操作入力部の操作量に関係なく、ヨーモーメント指令値が自動的に決定されてもよい。
クルーズスラスト指令値算出部64は、クルーズスラスト指令値を算出する。クルーズスラスト指令値は、例えば、パイロットによる操作入力部の操作量に応じて決定される。操作入力部の操作量と、クルーズスラスト指令値とは一対一で対応しなくてもよい。操作入力部の操作範囲、操作入力部の操作速度、機体12の対気速度等に応じて、操作入力部の操作量に対して、クルーズスラスト指令値を可変にしてもよい。機体12の対気速度は、例えば、対気速度センサ(不図示)により検出される。
パイロットによる操作入力部に対する操作の入力がない場合、クルーズスラスト指令値が自動的に決定され、航空機10は一定の速度で飛行をしてもよい。また、航空機10が自動で制御される場合、予め設定された飛行経路に応じて、操作入力部の操作量に関係なく、クルーズスラスト指令値が自動的に決定されてもよい。
割当指令値算出部66は、第1割当指令値及び第2割当指令値を算出する。第1割当指令値は、ヨーモーメント指令値のうち、8つのVTOLロータ18によりヨーモーメントを発生させる分の指令値を示す。第2割当指令値は、ヨーモーメント指令値のうち、2つのクルーズロータ22によりヨーモーメントを発生させる分の指令値を示す。
図5は、ヨーモーメント指令値、ヨーモーメント指令値の移動平均及び第2割当指令値の時間変化の例を示すグラフである。
割当指令値算出部66は、第1割当指令値を、ヨーモーメント指令値と第2割当指令値との差に設定する。ヨーモーメント指令値の移動平均が閾値未満である場合、割当指令値算出部66は、第2割当指令値の大きさを0に設定する。ヨーモーメント指令値の移動平均が閾値以上である場合、割当指令値算出部66は、第2割当指令値の大きさを0よりも大きく設定する。具体的には、割当指令値算出部66は、第2割当指令値を、ヨーモーメント指令値の移動平均と閾値との差に設定する。
これにより、ヨーモーメント指令値のうち定常的な成分が、第2割当指令値として設定される。ヨーモーメント指令値のうち非定常的な成分が、第1割当指令値として設定される。すなわち、ヨーモーメント指令値のうち、変動が激しい成分がVTOLロータ18に対する指令値として割り当てられ、変動が緩やかな成分がクルーズロータ22に対する指令値として割り当てられる。
閾値は、予め決められた値である。割当指令値算出部66は、閾値を可変に設定してもよい。例えば、8つのVTOLロータ18のうち、一部のVTOLロータ18が失陥した場合には、割当指令値算出部66は、閾値を小さくしてもよい。割当指令値算出部66は、例えば、8つのVTOLロータ18のうち、失陥したVTOLロータ18の数に応じて、閾値を設定してもよい。また、割当指令値算出部66は、機体12の対気速度に応じて、閾値を可変に設定してもよい。例えば、対気速度が所定速度以上である場合、対気速度が大きくなるほど閾値を低くしてもよい。
VTOLロータスラスト指令値生成部68は、それぞれのVTOLロータ18に対するスラスト指令値を生成する。VTOLロータスラスト指令値生成部68は、リフトスラスト指令値、ロールモーメント指令値、ピッチモーメント指令値及び第1割当指令値に基づいて、スラスト指令値を生成する。
クルーズロータスラスト指令値生成部70は、それぞれのクルーズロータ22に対するスラスト指令値を生成する。クルーズロータスラスト指令値生成部70は、クルーズスラスト指令値及び第2割当指令値に基づいて、スラスト指令値を生成する。
VTOLロータ制御部72は、それぞれのVTOLロータ18に対するスラスト指令値に基づいて、それぞれのVTOLロータ18におけるスラストを制御する。VTOLロータ制御部72は、本発明の垂直ロータ制御部に相当する。
クルーズロータ制御部74は、それぞれのクルーズロータ22に対するスラスト指令値に基づいて、それぞれのクルーズロータ22におけるスラストを制御する。クルーズロータ制御部74は、本発明の水平ロータ制御部に相当する。
[ロータ制御]
図6は、ロータ制御装置50において行われるロータ制御の処理の流れを示すフローチャートである。ロータ制御の処理は、航空機10が飛行中に、所定の周期で繰り返し実行される。
ステップS1において、割当指令値算出部66は、第1割当指令値及び第2割当指令値を算出する。その後、ステップS2へ移行する。
ステップS2において、VTOLロータスラスト指令値生成部68は、それぞれのVTOLロータ18に対するスラスト指令値を生成する。VTOLロータスラスト指令値生成部68は、リフトスラスト指令値、ロールモーメント指令値、ピッチモーメント指令値及び第1割当指令値に基づいて、スラスト指令値を生成する。その後、ステップS3に移行する。
ステップS3において、クルーズロータスラスト指令値生成部70は、それぞれのクルーズロータ22に対するスラスト指令値を生成する。クルーズロータスラスト指令値生成部70は、クルーズスラストに基づいて、スラスト指令値を生成する。その後、ステップS4に移行する。
ステップS4において、VTOLロータ制御部72は、それぞれのVTOLロータ18に対するスラスト指令値に基づいて、それぞれのVTOLロータ18におけるスラストを制御する。その後、ステップS5へ移行する。
ステップS5において、クルーズロータ制御部74は、それぞれのクルーズロータ22に対するスラスト指令値に基づいて、それぞれのクルーズロータ22におけるスラストを制御する。その後、ロータ制御を終了する。
[作用効果]
本実施形態の航空機10では、ロータ制御装置50は、8つのVTOLロータ18のスラストに差を生じさせることにより、機体12にロールモーメント、ピッチモーメント及びヨーモーメントを作用させる。これにより、ロータ制御装置50は、機体12の姿勢を安定させる姿勢制御を行う。機体12の姿勢制御が行われる場合であっても、航空機10の急降下を防ぐため、8つのVTOLロータ18によるリフトスラストの確保する必要がある。それぞれのVTOLロータ18において発生させることが可能なスラストの上限に対して、リフトスラストを確保するためにそれぞれのVTOLロータ18において発生されるスラストの割合は大きい。そのため、リフトスラストを確保しつつ、複数のVTOLロータ18のスラストに十分な大きさの差を生じさせることができない場合がある。
そこで、本実施形態のロータ制御装置50は、8つのVTOLロータ18によりヨーモーメントを発生させるとともに、2つのクルーズロータ22によりヨーモーメントを発生させる。これにより、本実施形態のロータ制御装置50は、ヨーモーメント指令値算出部62において算出されたヨーモーメント指令値に対して、8つのVTOLロータ18により発生されるヨーモーメントを小さくできる。そのため、ロールモーメント及びピッチモーメントの制御に対して、それぞれのVTOLロータ18におけるスラストを多く割り当てることができる。その結果、それぞれのVTOLロータ18におけるスラストの差を大きくすることが可能となる。よって、ロール方向及びピッチ方向において、機体12の姿勢を早期に安定させることができる。これにより、本実施形態のロータ制御装置50は、ロール方向、及び、ピッチ方向において機体12の姿勢を早期に安定させつつ、ヨー方向においても機体12の姿勢を早期に安定させることができる。
クルーズスラスト指令値の大きさが比較的大きい場合には、クルーズスラスト指令値に応じたクルーズスラストを発生させつつ、ヨーモーメントを発生させるために、2つのクルーズロータ22のスラストに十分な差を生じさせることが可能である。しかし、クルーズスラスト指令値の大きさが比較的小さい場合には、2つのクルーズロータ22のスラストに十分な差を生じさせようとすると、クルーズスラスト指令値に対してクルーズスラストが過大になる。
クルーズスラスト指令値に対してクルーズスラストが過大になる場合、以下の2つ問題点がある。
第1の問題点は、エネルギ効率の低下である。8つのVTOLロータ18によりヨーモーメントを発生させる場合、それぞれのVTOLロータ18を駆動するそれぞれの電動モータ32の出力パワーは、機体12にヨーモーメントを作用させるとともに、機体12にリフトスラストを作用させるエネルギとして使われる。例えば、ホバリング中は、常に機体12に対してリフトスラストを作用させる必要がある。そのため、VTOLロータ18を駆動するそれぞれの電動モータ32の出力パワーは、機体12にリフトスラストを作用させるエネルギとして有効に消費される。
一方、2つのクルーズロータ22によりヨーモーメントを発生させる場合、それぞれのクルーズロータ22を駆動する電動モータ32の出力パワーは、機体12にヨーモーメントを作用させるとともに、機体12にクルーズスラストを作用させるエネルギとして使われる。例えば、機体12をホバリングさせる場合のように、飛行中であっても、クルーズスラストをほとんど必要としないことがある。それにも関わらず、クルーズロータ22を駆動するそれぞれの電動モータ32の出力パワーは、機体12にクルーズスラストを作用させるエネルギとして無駄に消費される。
第2の問題点は、ピッチ方向において機体12の姿勢を不安定にすることである。機体12に対するそれぞれのクルーズロータ22の取り付け位置が、重心G(図1)よりも上方に位置する場合、又は、下方に位置する場合、それぞれのクルーズロータ22がスラストを発生することに伴い、機体12にピッチモーメントが発生する。クルーズスラストが大きくなるほど、ピッチモーメントの大きさが大きくなり、機体12の姿勢を不安定にする。
そこで、本実施形態のロータ制御装置50では、割当指令値算出部66は、ヨーモーメント指令値の移動平均が閾値未満である場合、第2割当指令値の大きさを0に設定する。割当指令値算出部66は、第1割当指令値をヨーモーメント指令値に設定する。この場合、8つのVTOLロータ18によりヨーモーメントを発生させる。2つのクルーズロータ22は、ヨーモーメントを発生させるためには用いられない。
ヨーモーメント指令値の移動平均が閾値未満である場合、要求されるヨーモーメントは比較的小さい。そのため、8つのVTOLロータ18だけでも、ロールモーメント及びピッチモーメントを発生させつつ、十分な大きさのヨーモーメントを発生させることができる。2つのクルーズロータ22は、ヨーモーメントを発生させるためには用いられない。これにより、本実施形態のロータ制御装置50は、クルーズスラスト指令値算出部64において算出されたクルーズスラスト指令値に対して、それぞれのクルーズロータ22を駆動するそれぞれの電動モータ32の出力パワーが過大になることを抑制できる。その結果、航空機10におけるエネルギ効率の悪化を抑制できる。また、機体12が不安定になることを抑制できる。
本実施形態のロータ制御装置50では、割当指令値算出部66は、ヨーモーメント指令値の移動平均が閾値以上である場合、第2割当指令値の大きさを0より大きく設定する。割当指令値算出部66は、第1割当指令値をヨーモーメント指令値と第2割当指令値との差に設定する。この場合、8つのVTOLロータ18によりヨーモーメントを発生させるとともに、2つのクルーズロータ22によりヨーモーメントを発生させる。
ヨーモーメント指令値の移動平均が閾値以上である場合、要求されるヨーモーメントは比較的大きい。そのため、8つのVTOLロータ18だけでは、ロールモーメント及びピッチモーメントを発生させつつ、十分な大きさのヨーモーメントを発生できない場合がある。そこで、8つのVTOLロータ18によりヨーモーメントを発生させるとともに、2つのクルーズロータ22によりヨーモーメントを発生させる。これにより、本実施形態のロータ制御装置50は、機体12に十分な大きさのヨーモーメントを作用させることができる。
8つのVTOLロータ18により発生されるヨーモーメントの変化の応答速度に対して、2つのクルーズロータ22により発生されるヨーモーメントの変化の応答速度は低い。そのため、2つのクルーズロータ22により発生されるヨーモーメントでは、ヨーモーメント指令値の変動に対して追従できない場合がある。
そこで、本実施形態のロータ制御装置50では、割当指令値算出部66は、ヨーモーメント指令値の移動平均が閾値以上である場合、第2割当指令値をヨーモーメント指令値の移動平均と閾値との差に設定する。割当指令値算出部66は、第1割当指令値をヨーモーメント指令値と第2割当指令値との差に設定する。この場合、ヨーモーメント指令値のうち定常的な成分が、第2割当指令値として設定される。ヨーモーメント指令値のうち非定常的な成分が、第1割当指令値として設定される。すなわち、ヨーモーメント指令値のうち、変動が激しい成分がVTOLロータ18に対する指令値として割り当てられ、変動が緩やかな成分がクルーズロータ22に対する指令値として割り当てられる。
これにより、2つのクルーズロータ22により発生されるヨーモーメントは、第2割当指令値の変動に追従できる。8つのVTOLロータ18により発生されるヨーモーメントが、ヨーモーメント指令値の変動に追従する。その結果、本実施形態のロータ制御装置50は、機体12に作用させるヨーモーメントの大きさを確保しつつ、機体12に作用させるヨーモーメントをヨーモーメント指令値の変動に追従させることができる。
また、本実施形態のロータ制御装置50では、割当指令値算出部66は、8つのVTOLロータ18のうち、一部のVTOLロータ18が失陥した場合には、閾値を小さくする。これにより、早めにクルーズロータ22によりヨーモーメントを発生させる。そのため、一部のVTOLロータ18が失陥した場合であっても、本実施形態のロータ制御装置50は、ロール方向、及び、ピッチ方向において機体12の姿勢を早期に安定させることができる。
また、本実施形態のロータ制御装置50では、割当指令値算出部66は、機体12の対気速度が大きいほど閾値を低くしてもよい。これにより、早めにクルーズロータ22によりヨーモーメントを発生させる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を取り得る。
第1実施形態のロータ制御装置50では、割当指令値算出部66は、ヨーモーメント指令値の移動平均が閾値以上である場合、第2割当指令値をヨーモーメント指令値の移動平均と閾値との差に設定する。
これに対して、割当指令値算出部66は、ヨーモーメント指令値の低周波数成分と閾値とを比較してもよい。ヨーモーメント指令値の低周波数成分が閾値以上である場合、割当指令値算出部66は、第2割当指令値をヨーモーメント指令値の低周波数成分と閾値との差に設定してもよい。
また、割当指令値算出部66は、ヨーモーメント指令値と閾値とを比較してもよい。ヨーモーメント指令値が閾値以上である場合、割当指令値算出部66は、ヨーモーメント指令値と閾値との差に応じて、第2割当指令値を、予め決められた変化量で段階的に変化させてもよい。また、ヨーモーメント指令値が閾値以上である場合、割当指令値算出部66は、第2割当指令値を、ヨーモーメント指令値と閾値との差に設定してもよい。
〔実施形態から得られる発明〕
上記実施形態から把握しうる発明について、以下に記載する。
垂直方向にスラストを発生させる複数の垂直ロータ(18)と、水平方向にスラストを発生させる複数の水平ロータ(22)とを有する航空機(10)の機体(12)の姿勢制御を行う姿勢制御装置(50)であって、当該姿勢制御装置は、前記機体に作用させるヨーモーメントの指令値を算出するヨーモーメント指令値算出部(62)と、前記ヨーモーメントの指令値に応じて第1割当指令値及び第2割当指令値を算出する割当指令値算出部(66)と、前記第1割当指令値に基づいて、それぞれの前記垂直ロータを制御する垂直ロータ制御部(72)と、前記第2割当指令値に基づいて、それぞれの前記水平ロータを制御する水平ロータ制御部(74)と、を備え、前記割当指令値算出部は、前記第1割当指令値を、前記ヨーモーメントの指令値と前記第2割当指令値との差に設定し、前記ヨーモーメントの指令値が閾値未満である場合に、前記第2割当指令値の大きさを0に設定し、前記ヨーモーメントの指令値が閾値以上である場合に、前記第2割当指令値の大きさを0よりも大きく設定する。これにより、ヨー方向においても機体の姿勢を早期に安定させつつ、クルーズスラストがクルーズスラスト指令値に対して過大になることを抑制できる。
上記の姿勢制御装置において、前記割当指令値算出部は、前記ヨーモーメントの指令値が前記閾値未満である場合に、前記第2割当指令値の大きさを0に設定し、前記ヨーモーメントの指令値が前記閾値以上である場合に、前記第2割当指令値を、前記ヨーモーメントの指令値の低周波数成分に応じた値に設定してもよい。これにより、機体に作用させるヨーモーメントの大きさを確保しつつ、機体に作用させるヨーモーメントを指令値の変動に追従させることができる。
上記の姿勢制御装置において、前記割当指令値算出部は、前記閾値を可変にしてもよい。これにより、ロール方向、及び、ピッチ方向において機体の姿勢を早期に安定させることができる。
上記の姿勢制御装置において、前記割当指令値算出部は、失陥した前記垂直ロータの数に応じて前記閾値を可変にしてもよい。これにより、ロール方向、及び、ピッチ方向において機体の姿勢を早期に安定させることができる。
10…航空機 12…機体
18…VTOLロータ(垂直ロータ) 22…クルーズロータ(水平ロータ)
50…ロータ制御装置(姿勢制御装置) 62…ヨーモーメント指令値算出部
66…割当指令値算出部
72…VTOLロータ制御部(垂直ロータ制御部)
74…クルーズロータ制御部(水平ロータ制御部)

Claims (4)

  1. 垂直方向にスラストを発生させる複数の垂直ロータと、水平方向にスラストを発生させる複数の水平ロータとを有する航空機の機体の姿勢制御を行う姿勢制御装置であって、
    前記機体に作用させるヨーモーメントの指令値を算出するヨーモーメント指令値算出部と、
    前記ヨーモーメントの指令値に応じて第1割当指令値及び第2割当指令値を算出する割当指令値算出部と、
    前記第1割当指令値に基づいて、それぞれの前記垂直ロータを制御する垂直ロータ制御部と、
    前記第2割当指令値に基づいて、それぞれの前記水平ロータを制御する水平ロータ制御部と、
    を備え、
    前記割当指令値算出部は、
    前記第1割当指令値を、前記ヨーモーメントの指令値と前記第2割当指令値との差に設定し、
    前記ヨーモーメントの指令値が閾値未満である場合に、前記第2割当指令値の大きさを0に設定し、
    前記ヨーモーメントの指令値が前記閾値以上である場合に、前記第2割当指令値の大きさを0よりも大きく設定する、姿勢制御装置。
  2. 請求項1に記載の姿勢制御装置において、
    前記割当指令値算出部は、
    前記ヨーモーメントの指令値が前記閾値未満である場合に、前記第2割当指令値の大きさを0に設定し、
    前記ヨーモーメントの指令値が前記閾値以上である場合に、前記第2割当指令値を、前記ヨーモーメントの指令値の低周波数成分に応じた値に設定する、姿勢制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の姿勢制御装置において、
    前記割当指令値算出部は、前記閾値を可変にする、姿勢制御装置。
  4. 請求項3に記載の姿勢制御装置において、
    前記割当指令値算出部は、失陥した前記垂直ロータの数に応じて前記閾値を可変にする、姿勢制御装置。
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