JP2023121504A - 牛の評価装置及び牛の評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多様な飼育現場に適用することが可能な牛の評価装置及び牛の評価方法を提供すること。【解決手段】牛の評価装置100は、立位にある牛を略真後ろから撮像した二次元の撮像画像50を取得し、撮像画像50から牛の輪郭線60を抽出し、輪郭線60の上部の左右両側に存在する2つの山部61a、61bのうちの一方の山部61aの輪郭線60上の略中央の点である頂点62aから他方の山部61b側に伸びる第1曲線部63a上の点403aと第1曲線部63aとは反対側に伸びる第2曲線部64a上の点404aとを決定し、点403aと点404aとを結ぶ線分410aの中点405aを通り線分410aに垂直な直線424aが山部61aと交差する点406aを特定し、点403aと点406aを結ぶ線分412aと、点404aと点406aを結ぶ線分414aと、がなす角度ω1を算出し、算出した角度ω1から牛の肉付きを評価する。【選択図】図6

Description

本発明は、牛の評価装置及び牛の評価方法に関する。
牛の飼養管理におけるエネルギーバランスを評価するために、牛の体脂肪の付着状態(肉付き状態)を評価することが行われている。体脂肪の付着状態を示す指標の1つとしてボディコンディションスコアがある。通常、ボディコンディションスコアの判定は獣医師や酪農の専門家によって行われるが、人が判定をするために判定基準があいまいとなり、判定にばらつきが生じてしまう。一方、動物の三次元画像に基づいて身体の状態を示すスコアを評価する方法(例えば特許文献1)や、動物を撮像した二次元画像に基づいて身体の状態を示すスコアを評価する方法(例えば特許文献2)が知られている。
特表2012-510278号公報 欧州特許第2027770号明細書
特許文献1に記載の評価方法は、動物の三次元画像を用いて身体の状態を示すスコアを算出するため、大掛かりな設備が設置された特定の場所での撮像が必要であり、多様な飼育現場に適用することは難しい。特許文献2に記載の評価方法では、動物の二次元画像を用いるが、動物を上方から撮像した二次元画像を用いるため、動物を上方から撮像できる設備が設置された特定の場所での撮像が必要であり、特許文献1と同様に、多様な飼育現場に適用することは難しい。
本発明は上記の課題に鑑みなされたものであり、多様な飼育現場に適用することが可能な牛の評価装置及び牛の評価方法を提供することを目的とする。
本発明の牛の評価装置は、立位にある牛を略真後ろ又は略正面から撮像した二次元の撮像画像を取得する画像取得部と、前記撮像画像から、前記牛の輪郭線を抽出する抽出部と、前記輪郭線の上部の左右両側に存在する2つの山部のうちの一方の山部の前記輪郭線上の略中央の点から他方の山部側に伸びる第1曲線部上の第1の点と前記第1曲線部とは反対側に伸びる第2曲線部上の第2の点とを決定する決定部と、前記第1の点と前記第2の点とを結ぶ第1線分の長さ、前記第1線分の略中点を通り前記第1線分に略垂直な直線が前記一方の山部と交差する第3の点と前記第1線分の略中点とを結ぶ第2線分の長さ、前記第2線分の長さに対する前記第1線分の長さの比、及び前記第1の点と前記第3の点を結ぶ第3線分と前記第2の点と前記第3の点を結ぶ第4線分とがなす角度、の少なくとも1つを算出する算出部と、前記算出部が算出した値から、前記牛の肉付きを評価する評価部と、を備える。
本発明によれば、多様な飼育現場に適用することが可能な牛の評価装置及び牛の評価方法を得ることができる。
図1は、第1の実施形態に係る牛の評価装置の構成を示すブロック図である。 図2は、第1の実施形態における制御部の機能構成を示すブロック図である。 図3は、画像取得部が取得する画像の一例を示す図である。 図4は、抽出部が実行する処理を説明するための図である。 図5は、決定部が実行する処理を説明するための図である。 図6(a)及び図6(b)は、第1の実施形態における算出部が実行する処理を説明するための図である。 図7(a)から図7(c)は、肉付きの異なる牛の撮像画像である。 図8(a)から図8(c)は、牛の肉付きと、算出部が算出する角度ω1と、の関係を示す図である。 図9は、ボディコンディションスコアと、算出部が算出した角度ω1、角度ω2、及び角度ω1と角度ω2の平均値と、の相関を調査した実験結果である。 図10は、実施形態に係る牛の評価装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 図11は、第1の実施形態における牛の肉付きの評価方法の一例を示すフローチャートである。 図12(a)から図12(c)は、決定部による他の決定方法を示す図である。 図13(a)及び図13(b)は、第2の実施形態における算出部が実行する処理を説明するための図である。 図14(a)から図14(c)は、牛の肉付きと、算出部が算出する長さX1a、X2aと、の関係を示す図である。 図15は、ボディコンディションスコアと、算出部が算出した長さX1a、長さX1b、及び長さX1aと長さX1bの平均値と、の相関を調査した実験結果である。 図16は、ボディコンディションスコアと、算出部が算出した長さX2a、長さX2b、及び長さX2aと長さX2bの平均値と、の相関を調査した実験結果である。 図17は、ボディコンディションスコアと、算出部が算出した長さX2aに対する長さX1の長さ比(X1a/X2a)、長さX2bに対する長さX1bの長さ比(X1b/X2b)、及び長さ比(X1a/X2a)と長さ比(X1b/X2b)の平均値と、の相関を調査した実験結果である。 図18(a)は、立位にある牛を略真後ろから撮像した撮像画像、図18(b)は、図18(a)の牛を略正面から撮像した撮像画像である。 図19(a)及び図19(b)は、図18(a)及び図18(b)の撮像画像から牛の輪郭線を抽出した抽出画像である。
《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態に係る牛の評価装置100について、図1~図12に基づいて説明する。図1には、第1の実施形態に係る牛の評価装置100の構成がブロック図にて示されている。図2には、制御部22の機能構成がブロック図にて示されている。本第1の実施形態では、評価装置100は、作業者が携帯して利用する携帯型情報機器であるとする。携帯型情報機器として、例えばスマートフォン、タブレット型パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートグラス等が挙げられる。評価装置100は、例えば、電話機能やメール機能、インターネット等に接続するための通信機能、及びプログラムを実行するためのデータ処理機能等を有する。
評価装置100は、図1に示すように、表示部12と、操作部14と、通信部16と、撮像部18と、記憶部20と、制御部22と、を備える。
表示部12は、画像や、各種情報、及びタッチ操作ボタン等の操作入力用画像等を表示する表示デバイスである。
操作部14は、タッチパネルやスイッチ等のデバイスである。タッチパネルは、作業者が触れたことに応じて情報入力を受け付け、受け付けた情報を制御部22に送信する。タッチパネルは、例えば表示部12に組み込まれている。したがって、タッチパネルは、作業者が表示部12の表面をタッチすることに応じて、種々の情報入力を受け付ける。スイッチは、作業者から評価装置100に対する操作を受け付ける操作部材であり、受け付けた情報を制御部22に送信する。
通信部16は、他の機器と近距離無線通信(例えばNFC(Near Field Communication))を行ったり、ネットワークに接続された他の機器と無線通信(例えば携帯電話回線や無線LAN(Local Area Network)等を用いた通信)を行ったりする通信インターフェースである。
撮像部18は、静止画や動画等の画像を撮像するデバイスである。撮像部18は、評価装置100を携帯する作業者が操作部14を操作することに応じて撮像する。作業者は、牛の肉付きを評価する場合に、撮像部18によって立位にある牛を略真後ろから撮像する。略真後ろから撮像するとは、牛の左右の腰角周りの輪郭が写る範囲で撮像することである。したがって、作業者は、例えば、牛の後方数m(例えば1m~2m)の位置から、牛の左右の腰角周りの輪郭が写るように撮像する。
記憶部20は、牛の撮像画像や牛の輪郭線を抽出した抽出画像、牛の肉付きを評価した評価結果等、各種情報を記憶する。
制御部22は、牛の評価装置100の各部を制御する処理部である。図2に示すように、制御部22は、画像取得部30、抽出部32、決定部38、算出部34、及び評価部36を有する。
図3には、画像取得部30が取得する画像の一例が示されている。図3に示すように、画像取得部30は、例えば、立位にある牛を略真後ろから撮像した撮像画像50を取得する。取得する牛の撮像画像50は、撮像部18が撮像した画像であってもよいし、他の機器が撮像した画像を通信部16により受信した画像であってもよい。また、取得する牛の撮像画像50は、記憶部20に記憶されていたものの中から作業者が操作部14を用いて選択したものであってもよい。画像取得部30は、取得した牛の撮像画像50を表示部12に表示してもよい。これにより、作業者は、これから肉付きを評価する牛を表示部12上で視覚的に認識することができる。
図4は、抽出部32が実行する処理を説明するための図である。図4に示すように、抽出部32は、画像取得部30が取得した牛の撮像画像50から、牛の輪郭をなぞった輪郭線60を抽出する。輪郭線60の抽出は、一般的に知られた画像処理技術を用いることができる。抽出部32は、抽出した牛の輪郭線60のみを表した抽出画像51を表示部12に表示してもよい。これにより、作業者は、これから肉付きを評価する牛の輪郭を表示部12上で視覚的に認識することができる。抽出画像51の外形は撮像画像50の外形と同じであり、画像の枠に対する牛の位置は抽出画像51と撮像画像50とで同じである。
輪郭線60の上部の左右両側には山部61a、61bが存在する。山部61a、61bは、牛の腰角に対応する部分である。山部61aは、山部61aの輪郭線60上の略中央の点を頂点62aとし、頂点62aから輪郭線60の上部中央側(牛の背骨側)に伸びる第1曲線部63aと、頂点62aから輪郭線60の側部下側(牛の腹側)に伸びる第2曲線部64aと、を有する。同様に、山部61bは、山部61bの輪郭線60上の略中央の点を頂点62bとし、頂点62bから輪郭線60の上部中央側(牛の背骨側)に伸びる第1曲線部63bと、頂点62bから輪郭線60の側部下側(牛の腹側)に伸びる第2曲線部64bと、を有する。なお、第1曲線部63a、63bは、山部61a、61bの輪郭線60上の略中央の点(頂点62a、62b)から他方の山部側(牛の背骨側)に伸びる曲線部であるといえる。また、第2曲線部64a、64bは、山部61a、61bの輪郭線60上の略中央の点(頂点62a、62b)から、第1曲線部63a、63bとは反対側に伸びる曲線部であるといえる。
山部61aの頂点62aと山部61bの頂点62bは、以下の方法により特定することができる。例えば、抽出画像51内で上から左下に向かって傾いた傾斜直線55を抽出画像51の左上端点52から輪郭線60に向かって近づけて行き、傾斜直線55が輪郭線60に最初に接した点を左側に存在する山部61aの頂点62aと特定することができる。同様に、抽出画像51内で上から右下に向かって傾いた傾斜直線56を抽出画像51の右上端点54から輪郭線60に向かって近づけて行き、傾斜直線56が輪郭線60に最初に接した点を右側に存在する山部61bの頂点62bと特定することができる。傾斜直線55、56は、抽出画像51内の水平線から例えば30°~60°傾いた直線とすることが好ましく、40°~50°傾いた直線とすることがより好ましく、45°傾いた直線とすることが更に好ましい。
山部61aの頂点62aと山部61bの頂点62bは、上記の方法によって特定される場合に限られず、その他の方法によって特定されてもよい。例えば、抽出画像51内で上から左下に向かって第1の所定角度で傾いた傾斜直線55aを左上端点52から輪郭線60に向かって近づけて最初に接する第1の点を特定し、第2の所定角度で傾いた傾斜直線55bを左上端点52から輪郭線60に向かって近づけて最初に接する第2の点を特定し、輪郭線60上において第1の点と第2の点の略中央に位置する点を山部61aの頂点62aと特定してもよい。同様に、抽出画像51内で上から右下に向かって第3の所定角度で傾いた傾斜直線56aを右上端点54から輪郭線60に向かって近づけて最初に接する第3の点を特定し、第4の所定角度で傾いた傾斜直線56bを右上端点54から輪郭線60に向かって近づけて最初に接する第4の点を特定し、輪郭線60上において第3の点と第4の点の略中央に位置する点を山部61bの頂点62bと特定してもよい。第1の所定角度および第3の所定角度は抽出画像51内の水平線から15°~30°とすることが好ましく、第2の所定角度および第4の所定角度は抽出画像51内の水平線から60°~75°とすることが好ましい。
また、例えば、抽出画像51をX-Y座標系に変換し、抽出画像51の各画素のX、Y座標から2つの山部61a、61bの頂点62a、62bを特定してもよい。例えば、輪郭線60のなかで抽出画像51の左上端点52からの距離が最も短い点を山部61aの頂点62aとし、輪郭線60のなかで抽出画像51の右上端点54からの距離が最も短い点を山部61bの頂点62bとすることができる。
また、上記いずれかの方法によって山部61aまたは山部61bのいずれか一方の頂点を特定し、特定した頂点を通る抽出画像51内の水平線が他方の山部の輪郭線60に交わる点を他方の山部の頂点と特定してもよい。なお、上記の方法以外の方法によって山部61aの頂点62aおよび山部61bの頂点62bを特定してもよい。なお、山部61a、61bの範囲については、様々な方法で特定することができる。例えば、山部61aの範囲は、山部61aの頂点62aを中心とした所定半径の円に含まれる輪郭線60の範囲とすることができる。所定半径は、例えば、山部61aの頂点62aと輪郭線60のうち最も上側に位置する最上点91との間の距離に所定の値(例えば0.5など)を掛けた値とすることができるが、その他の方法で得られる値であってもよい。また、山部61aの範囲は、山部61aの頂点62aから両側に所定長さの範囲としてもよい。所定長さは、例えば、上記所定半径の長さとしてもよいし、輪郭線60全体の長さに所定の値を掛けた長さとしてもよい。山部61bについても同様である。また、山部61a、61bの範囲については、機械学習等により特定することとしてもよい。
図5は、決定部38が実行する処理を説明するための図である。図5は、輪郭線60の上部を拡大した図であり、図の明瞭化のために模式的に図示している(以下の同様な図においても同じ)。図5に示すように、決定部38は、輪郭線60の上部の左右両側に存在する山部61a、61bのうちの一方の山部61aの第1曲線部63a上の点403aと第2曲線部64a上の点404aを決定する。本第1の実施形態では、決定部38は、抽出画像51(撮像画像50)内で左右方向(水平方向)に伸びる水平線420を山部61aの上方から山部61aに向かって近づけて最初に山部61aに接する点を第1曲線部63a上の点403aと決定する。また、決定部38は、抽出画像51(撮像画像50)内で上下方向(垂直方向)に伸びる垂直線422aを山部61aの左側方から山部61aに向かって近づけて最初に山部61aに接する点を第2曲線部64a上の点404aと決定する。このように、本第1の実施形態では、決定部38は、第1曲線部63aのうち最も上側に張り出した点を点403aと決定し、第2曲線部64aのうち最も横側に張り出した点を点404aと決定する。
決定部38は、山部61aの第1曲線部63a上の点403aと第2曲線部64a上の点404aの決定の代わりに又は決定に加えて、山部61bの第1曲線部63b上の点403bと第2曲線部64b上の点404bを決定してもよい。決定部38は、水平線420を山部61bの上方から山部61bに向かって近づけて最初に山部61bに接する点を第1曲線部63b上の点403bと決定し、抽出画像51内で上下方向(垂直方向)に伸びる垂直線422bを山部61bの右側方から山部61bに向かって近づけて最初に山部61bに接する点を第2曲線部64b上の点404bと決定することができる。
図6(a)及び図6(b)は、第1の実施形態における算出部34が実行する処理を説明するための図である。図6(a)に示すように、算出部34は、点403aと点404aを結ぶ線分410aの中点405aを通り線分410aに垂直な直線424aが山部61aに交差する点406aを特定する。そして、算出部34は、点403aと点406aを結ぶ線分412aと、点404aと点406aを結ぶ線分414aと、がなす角度ω1を算出する。算出部34が算出する角度ω1は、山部61aの傾斜の度合いを示す指標値の1つである。
評価部36は、算出部34が算出した角度ω1から、撮像画像50に写された牛の肉付きを評価する。肉付きとして、例えばボディコンディションスコアを評価する。
また、図6(b)に示すように、決定部38が山部61bの第1曲線部63b上の点403bと第2曲線部64b上の点404bを決定した場合では、算出部34は、点403bと点404bを結ぶ線分410bの中点405bを通り線分410bに垂直な直線424bが山部61bに交差する点406bを特定する。そして、算出部34は、点403bと点406bを結ぶ線分412bと、点404bと点406bを結ぶ線分414bと、がなす角度ω2を算出する。算出部34が算出する角度ω2は、山部61bの傾斜の度合いを示す指標値の1つである。この場合、評価部36は、算出部34が算出した角度ω2から、撮像画像50に写された牛の肉付きを評価する。
また、決定部38が山部61aの第1曲線部63a上の点403aと第2曲線部64a上の点404aに加えて、山部61bの第1曲線部63b上の点403bと第2曲線部64b上の点404bを決定した場合では、算出部34は、角度ω1と角度ω2の両方を算出して角度ω1と角度ω2の平均値を算出してもよい。この場合、評価部36は、算出部34が算出した角度ω1と角度ω2の平均値から、撮像画像50に写された牛の肉付きを評価してもよい。
ここで、算出部34が算出する角度ω1、ω2と、ボディコンディションスコアと、の関係について説明する。なお、ボディコンディションスコアは、体脂肪の付着状態を示す指標であり、例えば1.00~5.00の点数を付ける場合があり、値が大きいほど肉付きが良いことを意味する。
図7(a)から図7(c)は、肉付きの異なる牛の撮像画像50である。図7(a)は、肉付きが悪い牛の撮像画像50、図7(b)は、図7(a)の牛よりも肉付きが良い牛の撮像画像50、図7(c)は、肉付きが更に良い牛の撮像画像50である。図7(a)の牛は、専門家によるボディコンディションスコアの評価は2.25であった。図7(b)の牛は3.00であり、図7(c)の牛は4.00であった。図7(a)から図7(c)に示すように、肉付きが異なる(すなわちボディコンディションスコアが異なる)ことで、腰角周りの肉付きが変化し、立位にある牛を略真後ろから見たときの腰角の形状が異なることが確認できる。
図8(a)から図8(c)は、牛の肉付きと、算出部34が算出する角度ω1と、の関係を示す図である。図8(a)、図8(b)、図8(c)の順に肉付きの良い牛の輪郭線60を示している。図8(a)から図8(c)のように、肉付きが良いほど、腰角に対応する部分である山部61aが丸みを帯びた形状となる。このため、角度ω1は、肉付きが良いほど小さな値となることが分かった。なお、図示は省略するが、牛の肉付きと、算出部34が算出する角度ω2と、の関係についても同じである。これらのことから、角度ω1、角度ω2、又は角度ω1と角度ω2の平均値を求め、これらを用いて牛の肉付きを評価できると考えられる。
[実験]
獣医師等の専門家が評価したボディコンディションスコアと、算出部34が算出した角度ω1、角度ω2、及び角度ω1と角度ω2の平均値と、の相関を調査する実験を行った。実験は、乳牛(ホルスタイン種)に対して行った。
図9には、ボディコンディションスコアと、算出部34が算出した角度ω1、角度ω2、及び角度ω1と角度ω2の平均値と、の相関を調査した実験結果が示されている。図9の横軸(x軸)は専門家が評価したボディコンディションスコアであり、縦軸は角度である。図9中の複数の黒丸は角度ω1を用いたときの乳牛1頭1頭の結果を示していて、点線の直線はそのときの近似直線(回帰直線)を示している。複数の黒四角は角度ω2を用いたときの乳牛1頭1頭の結果を示していて、一点鎖線の直線はそのときの近似直線(回帰直線)を示している。複数の黒三角は角度ω1と角度ω2の平均値を用いたときの乳牛1頭1頭の結果を示していて、破線の直線はそのときの近似直線(回帰直線)を示している。図9に示すように、角度ω1、角度ω2、及び角度ω1と角度ω2の平均値のいずれを用いた場合であっても、角度が小さくなるほどボディコンディションスコアは大きくなっている。角度ω1を用いた点線の近似直線はy=-7.4724x+162.85と求まり、決定係数Rは0.6478であった。角度ω2を用いた一点鎖線の近似直線はy=-10.594x+171.76と求まり、決定係数Rは0.7048であった。角度ω1と角度ω2の平均値を用いた破線の近似直線はy=-9.0331x+167.31と求まり、決定係数Rは0.7397であった。このことから、ボディコンディションスコアと、算出部34が算出する角度ω1、角度ω2、及び角度ω1と角度ω2の平均値と、には強い相関関係があることが確認された。
このように、ボディコンディションスコアと、算出部34が算出する角度ω1、角度ω2、及び角度ω1と角度ω2の平均値と、には強い相関関係があることから、評価部36が角度ω1、角度ω2、又は角度ω1と角度ω2の平均値から牛の肉付きを評価することで、牛の肉付きを精度良く評価できることが分かる。評価部36は、例えば、記憶部20に記憶された、角度とボディコンディションスコアとが関連付けられたスコア情報を用いてボディコンディションスコアを評価する。
表1には、記憶部20に記憶されたスコア情報の一例が示されている。表1に示すように、スコア情報においては、角度とボディコンディションスコアとが関連付けられている。例えば、角度がa°未満の場合のボディコンディションスコアは5.00、a°以上b°未満の場合のボディコンディションスコアは4.50等のように、角度とボディコンディションスコアとが関連付けられている。なお、表1では、ボディコンディションスコアが0.5刻みの場合を例に示したが、その他の場合でもよい。例えば、0.25刻みの場合でもよいし、2.00~4.00の間は0.25刻みで、それ以外は0.50刻みの場合でもよい。表1のようなスコア情報として、角度ω1、角度ω2、及び角度ω1と角度ω2の平均値とで別々のスコア情報を作成してもよいし、角度ω1、角度ω2、又は角度ω1と角度ω2の平均値のいずれかスコア情報を作成して共用してもよい。スコア情報を共用する場合、角度ω1と角度ω2の平均値で作成したスコア情報を共用することで、角度ω1と角度ω2からボディコンディションスコアを評価する場合でも精度良く評価できる。
Figure 2023121504000002
なお、記憶部20に記憶されるスコア情報は、角度とボディコンディションスコアとが関連付けられた情報であれば、表1に示したスコア情報以外であってもよい。例えば、図9に示す近似直線のような一次関数(y=ax+b)がスコア情報として記憶部20に記憶されていてもよい。この場合、yに角度を代入することで得られたxの値に対して四捨五入や、切り上げ、切り捨て等の端数処理を行ってボディコンディションスコアを評価してもよい。
図10は、第1の実施形態に係る牛の評価装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。図10に示すように、牛の評価装置100は、記憶装置70、メモリ71、プロセッサ72、通信インターフェース73、入力装置74、表示装置75、及び撮像装置76を有する。これらの各部はバス77により相互に接続される。
記憶装置70は、フラッシュメモリ等の不揮発性の半導体メモリであって、牛の評価プログラム78を記憶する。
メモリ71は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等のようなデータを一時的に記憶するハードウェアである。図1における記憶部20は、記憶装置70とメモリ71によって実現される。
プロセッサ72は、牛の評価装置100の各部を制御するCPU(Central Processing Unit)等のハードウェアである。プロセッサ72は、メモリ71と協働して牛の評価プログラム78を実行する。このように、メモリ71とプロセッサ72とが協働して牛の評価プログラム78を実行することにより、図2における制御部22の各機能が実現される。
通信インターフェース73は、牛の評価装置100を他の機器と近距離無線通信又はネットワークを介した無線通信をさせるためのハードウェアである。通信インターフェース73により図1における通信部16が実現される。
入力装置74は、作業者が牛の評価装置100を操作するためのタッチパネルやスイッチ等の入力デバイスである。入力装置74により図1における操作部14が実現される。
表示装置75は、図1における表示部12を実現するためのハードウェアであり、牛の撮像画像50や抽出画像51、牛の肉付きの評価結果等を表示するための液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。
撮像装置76は、図1における撮像部18を実現するためのハードウェアであり、レンズや撮像素子等を備える。
次に、第1の実施形態における牛の肉付きの評価方法の一例について、図11のフローチャートに沿って説明する。図11の処理は、評価装置100の制御部22によって実行される。なお、記憶部20には、一例として表1のようなスコア情報が格納されているとする。
図11の処理では、まず、ステップS10において、制御部22の画像取得部30は、牛の評価プログラム78が起動されるまで待機する。この場合、作業者の操作(例えば操作部14への入力操作又はマイク(不図示)への音声入力等)に応じて制御部22が牛の評価プログラム78を起動した段階で、ステップS12に移行する。
ステップS12に移行すると、画像取得部30は、肉付きの評価を行う牛が撮像された撮像画像50を取得する(図3参照)。牛の撮像画像50は、立位にある牛が略真後ろから撮像された画像である。画像取得部30は、例えば、作業者が撮像部18を用いて撮像した牛の撮像画像を取得する。なお、画像取得部30は、通信部16を介して他の機器から受信した牛の撮像画像、又は記憶部20に記憶された複数の牛の撮像画像の中から作業者が操作部14を操作することで選択した牛の撮像画像を取得してもよい。なお、画像取得部30は、牛の評価プログラム78が起動した後に、作業者が撮像部18によって牛を撮像できるよう、カメラ機能を立ち上げてもよい。作業者が撮像部18によって牛を撮像した場合、撮像した牛の画像と、この撮像画像を選択するか否かを問う選択ボタンと、を表示部12に表示し、作業者が選択しないことを選んだ場合、カメラ機能を再度立ち上げるようにしてもよい。
制御部22の抽出部32は、ステップS14において、ステップS12で取得した牛の撮像画像50から牛の輪郭をなぞった輪郭線60を抽出する(図4参照)。これにより、牛の輪郭線60が示された抽出画像51が生成される。輪郭線60を抽出するにあたり、抽出部32は、輪郭線60を良好な精度で抽出するために、撮像画像50内の牛以外の背景を除去する処理を行ってもよい。
次いで、ステップS16では、制御部22の決定部38は、本第1の実施形態では、山部61aの第1曲線部63a上の点403aと第2曲線部64a上の点404aを決定する。決定部38は、水平線420を山部61aの上方から山部61aに向かって近づけて最初に山部61aに接する点を第1曲線部63a上の点403aと決定し、垂直線422aを山部61aの左側方から山部61aに向かって近づけて最初に山部61aに接する点を第2曲線部64a上の点404aと決定する(図5参照)。
次いで、ステップS18では、制御部22の算出部34は、まず、点403aと点404aを結ぶ線分410aの中点405aを通り線分410aに垂直な直線424aが山部61aに交差する点406aを特定する。そして、算出部34は、点403aと点406aを結ぶ線分412aと、点404aと点406aを結ぶ線分414aと、がなす角度ω1を算出する(図6(a)参照)。
次いで、ステップS20では、制御部22の評価部36は、ステップS18で算出した角度ω1と、記憶部20に記憶された表1のようなスコア情報とから、撮像画像50に写された牛の肉付き(ボディコンディションスコア)を評価する。
次いで、ステップS22では、評価部36は、ステップS20で評価したボディコンディションスコアを表示部12に表示すると共に、記憶部20に記憶する。例えば、評価部36は、牛の撮像画像50と共にボディコンディションスコアを表示部12に表示してもよい。また、評価部36は、作業者が操作部14を操作して入力した牛の個体識別番号等の個体識別情報と、評価したボディコンディションスコアと、を関連付けて記憶部20に記憶してもよい。なお、評価部36は、作業者が操作部14を操作することで入力した個体識別情報を取得する場合に限られず、牛の体に取り付けられた識別票の画像を撮像部18が撮像した撮像画像から個体識別情報を取得する場合や、RFID(Radio Frequency Identification)技術を用いて、牛の体に取り付けられたRFタグから通信部16が個体識別情報を受信することで取得する場合等でもよい。また、カメラや通信装置を牛舎内外の通路に設置し、通路を通過する牛をセンサで検出できるようにしておき、通路を通過する牛をカメラが撮像した撮像画像を通信部16が取得し、その撮像画像に写された識別票の画像から個体識別情報を取得してもよいし、通路を通過する牛に取り付けられたRFタグから通信装置が個体識別情報を受信し、通信部16が通信装置から個体識別情報を受け取ることで取得してもよい。また、評価部36は、ボディコンディションスコアを評価した牛の個体識別番号と、当該牛を撮像した撮像画像50と、撮像日と、当該牛のボディコンディションスコアと、を関連付けた1つの情報として記憶部20に記憶してもよい。
以上説明したように、本第1の実施形態によれば、画像取得部30は、立位にある牛を略真後ろから撮像した二次元の撮像画像50を取得する(図3参照)。抽出部32は、撮像画像50から、牛の輪郭線60を抽出する(図4参照)。決定部38は、輪郭線60の上部の左右両側に存在する2つの山部61a、61bのうちの山部61aの第1曲線部63a上の点403a(第1の点)と、第2曲線部64a上の点404a(第2の点)と、を決定する(図5参照)。算出部34は、点403aと点404aとを結ぶ線分410a(第1線分)の中点405aを通り線分410aに垂直な直線424aが山部61aに交差する点406a(第3の点)を特定する。そして、算出部34は、点403aと点406aを結ぶ線分412a(第3線分)と、点404aと点406aを結ぶ線分414a(第4線分)と、がなす角度ω1を算出する(図6(a)参照)。評価部36は、算出部34が算出した角度ω1から、撮像画像50に写された牛の肉付きを評価する。このように、本第1の実施形態では、立位にある牛を略後ろから撮像した二次元の撮像画像50を用いて牛の肉付きを評価するため、牛を三次元に撮像するための特別な設備や牛を上方から撮像するための特別な設備を必要とせず、多様な飼育現場に適用することができる。また、2次元画像である撮像画像50に牛が大きく写された場合でも、小さく写された場合でも、角度ω1は変化しないことから、角度ω1を用いて牛の肉付きを評価することで、正規化等の処理を行わなくても牛の肉付きを良好に評価することができる。更に、人が牛の肉付きを評価する場合は、判定基準があいまいとなって判定にばらつきが起こるが、本第1の実施形態では、制御部22が牛の肉付きの判定を行うため、判定のばらつきを抑えることができる。更に、立位にある牛を略真後ろから撮像した二次元の撮像画像50を用いて牛の肉付きを評価することから、スマートフォン等の携帯性に優れて汎用性の高い評価装置100を用いることができる。
また、本第1の実施形態では、決定部38は、図5のように、山部61aの第1曲線部63aのうち最も上側に張り出している点を、第1曲線部63a上の点403aと決定する。また、山部61aの第2曲線部64aのうち最も外側に張り出している点を、第2曲線部64a上の点404aと決定する。このような点403a、404aを用いて算出した角度ω1は、図9のように、ボディコンディションスコアとの相関性が高い。このため、角度ω1を用いて牛の肉付きを評価することで、牛の肉付きを精度良く評価することができる。
また、本第1の実施形態では、決定部38は、図5のように、水平線420を山部61aの上方から山部61aに向かって近づけて最初に接する点を第1曲線部63a上の点403aと決定する。また、決定部38は、垂直線422aを山部61aの側方から山部61aに向かって近づけて最初に接する点を、第2曲線部64a上の点404aと決定する。これにより、第1曲線部63aのうち最も上側に張り出している点を点403aとすること、及び、第2曲線部64aのうち最も外側に張り出している点を点404aとすることを簡易な処理により行うことができる。
また、決定部38は、上述したように、輪郭線60の上部の左右両側に存在する2つの山部61a、61bのうちの山部61bの第1曲線部63b上の点403b(第1の点)と、第2曲線部64b上の点404b(第2の点)と、を決定してもよい(図5参照)。算出部34は、点403bと点404bとを結ぶ線分410b(第1線分)の中点405bを通り線分410bに垂直な直線424bが山部61bに交差する点406b(第3の点)を特定し、点403bと点406bを結ぶ線分412b(第3線分)と、点404bと点406bを結ぶ線分414b(第4線分)と、がなす角度ω2を算出してもよい(図6(b)参照)。そして、評価部36は、算出部34が算出した角度ω2から、撮像画像50に写された牛の肉付きを評価してもよい。この場合でも、角度ω1から牛の肉付きを評価する場合と同じ効果が得られる。
また、決定部38は、上述したように、輪郭線60の上部の左右両側に存在する2つの山部61a、61bの両方について、第1曲線部63a、63b上の点403a、403b(第1の点)と、第2曲線部64a、64b上の点404a、404b(第2の点)と、を決定してもよい(図5参照)。算出部34は、山部61aにおいて線分412aと線分414aとがなす角度ω1と、山部61bにおいて線分412bと線分414bとがなす角度ω2と、の平均値を算出してもよい。評価部36は、算出部34が算出した角度ω1と角度ω2の平均値から、撮像画像50に写された牛の肉付きを評価してもよい。角度ω1と角度ω2の平均値は、図9で説明したように、ボディコンディションスコアとの相関を示す決定係数Rが高い。このため、牛の肉付きを精度良く評価することができる。また、角度ω1と角度ω2の平均値を用いることで、牛を略真後ろから撮像するときの撮影角度の影響を受け難くなる。
なお、上記第1の実施形態において、評価部36は、角度ω1、角度ω2、及び角度ω1と角度ω2の平均値の少なくとも2つからボディコンディションスコアを求め、求めたボディコンディションスコアの平均値を評価してもよい。
なお、牛の肉付きを評価するにあたり、角度ω1を用いるか、角度ω2を用いるか、角度ω1と角度ω2の平均値を用いるかは、ユーザーが適宜選択することができる。
[決定部38による他の決定方法]
図12(a)から図12(c)は、決定部38による他の決定方法を示す図である。図12(a)に示すように、山部61aの第2曲線部64aの一部が垂直線422aに対し平行となっていて、垂直線422aが第2曲線部64aに最初に接する箇所が点ではなく範囲426である場合がある。この場合、決定部38は、範囲426の中央の点を点404aと決定する。点403a、403b、404bについても同様である。
図12(b)に示すように、山部61aの第1曲線部63aが頂点62aから最上点91に向かって凹みを形成せずに上がり続ける場合がある。この場合、決定部38は、第1曲線部63aのうちの最も牛の背骨側に位置する点である輪郭線60の頂点62a側の変曲点を点403aと決定する。点403bについても同様である。
図12(c)に示すように、山部61aの第2曲線部64aが頂点62aから下側に向かって凹みを形成せずに下がり続ける場合がある。この場合、決定部38は、第2曲線部64aのうちの最も腹側に位置する点である腰角と腹部の境目の点を点404aと決定する。点404bについても同様である。
図12(a)から図12(c)の場合でも、決定部38は、第1曲線部63aのうち最も上側に張り出している点を点403aと決定し、第2曲線部64aのうち最も横側に張り出している点を点404aと決定している。したがって、上記第1の実施形態と同様に、牛の肉付きを精度良く評価することができる。
《第2の実施形態》
第2の実施形態に係る牛の評価装置の機能構成およびハードウェア構成は、第1の実施形態の図1および図10と同じである。第2の実施形態における制御部22の機能構成は第1の実施形態の図2と同じであるが、算出部34が実行する処理が第1の実施形態と異なっている。以下においては、算出部34が実行する処理を中心に説明する。
図13(a)及び図13(b)は、第2の実施形態における算出部34が実行する処理を説明するための図である。図13(a)に示すように、決定部38が山部61aの第1曲線部63a上の点403aと第2曲線部64a上の点404aを決定した場合、算出部34は、点403aと点404aとを結ぶ線分410aの長さX1a、中点405aと点406aとを結ぶ線分416aの長さX2a、又は長さX2aに対する長さX1aの長さ比(X1a/X2a)を算出する。算出部34が算出する長さX1a、長さX2a、及び長さ比(X1a/X2a)は、山部61aの傾斜の度合いを示す指標値の1つである。
評価部36は、算出部34が算出した長さX1a、長さX2a、又は長さ比(X1a/X2a)から、撮像画像50に写された牛の肉付きを評価する。
また、図13(b)に示すように、決定部38が山部61bの第1曲線部63b上の点403bと第2曲線部64b上の点404bを決定した場合では、算出部34は、点403bと点404bとを結ぶ線分410bの長さX1b、中点405bと点406bとを結ぶ線分416bの長さX2b、又は長さX2bに対する長さX1bの長さ比(X1b/X2b)を算出する。算出部34が算出する長さX1b、長さX2b、及び長さ比(X1b/X2b)は、山部61bの傾斜の度合いを示す指標値の1つである。
評価部36は、算出部34が算出した長さX1b、長さX2b、又は長さ比(X1b/X2b)から、撮像画像50に写された牛の肉付きを評価する。
また、決定部38が山部61aの第1曲線部63a上の点403aと第2曲線部64a上の点404a、及び、山部61bの第1曲線部63b上の点403bと第2曲線部64b上の点404b、の全てを決定した場合では、算出部34は、長さX1aと長さX1bの平均値、長さX2aと長さX2bの平均値、又は長さ比(X1a/X2a)と長さ比(X1b/X2b)の平均値を算出してもよい。この場合、評価部36は、算出部34が算出した長さX1aと長さX1bの平均値、長さX2aと長さX2bの平均値、又は長さ比(X1a/X2a)と長さ比(X1b/X2b)の平均値から、撮像画像50に写された牛の肉付きを評価してもよい。
図14(a)から図14(c)は、牛の肉付きと、算出部34が算出する長さX1a、X2aと、の関係を示す図である。図14(a)、図14(b)、図14(c)の順に肉付きの良い牛の輪郭線60を示している。図14(a)から図14(c)のように、点403aと点404aを結ぶ線分410aの長さX1a、及び、中点405aと点406aを結ぶ線分416aの長さX2aは、肉付きが良いほど大きな値となることが分かった。また、長さX2aに対する長さX1aの長さ比(X1a/X2a)は、肉付きが良いほど小さな値となることが分かった。これらのことから、長さX1a、長さX2a、又は長さ比(X1a/X2a)を求めることで、牛の肉付きを評価できると考えられる。なお、図示は省略するが、牛の肉付きと、算出部34が算出する長さX1b、長さX2b、長さ比(X1b/X2b)と、の関係についても同じである。
[実験]
獣医師等の専門家が評価したボディコンディションスコアと、算出部34が算出した値と、の相関を調査する実験を行った。実験は、乳牛(ホルスタイン種)に対して行った。
図15には、ボディコンディションスコアと、算出部34が算出した長さX1a、長さX1b、及び長さX1aと長さX1bの平均値と、の相関を調査した実験結果が示されている。図15の横軸(x軸)は専門家が評価したボディコンディションスコアであり、縦軸は長さである。図15中の複数の黒丸は長さX1aを用いたときの乳牛1頭1頭の結果を示していて、点線の直線はそのときの近似直線(回帰直線)を示している。複数の黒四角は長さX1bを用いたときの乳牛1頭1頭の結果を示していて、一点鎖線の直線はそのときの近似直線(回帰直線)を示している。複数の黒三角は長さX1aと長さX1bの平均値を用いたときの乳牛1頭1頭の結果を示していて、破線の直線はそのときの近似直線(回帰直線)を示している。図15に示すように、長さX1a、長さX1b、及び長さX1aと長さX1bの平均値のいずれを用いた場合であっても、長さが長くなるほどボディコンディションスコアは大きくなっている。長さX1aを用いた点線の近似直線はy=5.8314x+3.8135と求まり、決定係数Rは0.6037であった。長さX1bを用いた一点鎖線の近似直線はy=5.9771x+2.7028と求まり、決定係数Rは0.6084であった。長さX1aと長さX1bの平均値を用いた破線の近似直線はy=5.9042x+3.2582と求まり、決定係数Rは0.6537であった。このことから、ボディコンディションスコアと、算出部34が算出する長さX1a、長さX1b、及び長さX1aと長さX1bの平均値と、には強い相関関係があることが確認された。
このように、ボディコンディションスコアと、算出部34が算出する長さX1a、長さX1b、及び長さX1aと長さX1bの平均値と、には強い相関関係があることから、評価部36は長さX1a、長さX1b、又は長さX1aと長さX1bの平均値を用いて牛の肉付きを評価する。例えば、表1と同じような、長さX1a、長さX1b、又は長さX1aと長さX1bの平均値と、ボディコンディションスコアと、が関連付けられたスコア情報を用いて、牛の肉付きを評価する。これにより、牛の肉付きを精度良く評価することができる。
図16には、ボディコンディションスコアと、算出部34が算出した長さX2a、長さX2b、及び長さX2aと長さX2bの平均値と、の相関を調査した実験結果が示されている。図16の横軸(x軸)は専門家が評価したボディコンディションスコアであり、縦軸は長さである。図16中の複数の黒丸は長さX2aを用いたときの乳牛1頭1頭の結果を示していて、点線の直線はそのときの近似直線(回帰直線)を示している。複数の黒四角は長さX2bを用いたときの乳牛1頭1頭の結果を示していて、一点鎖線の直線はそのときの近似直線(回帰直線)を示している。複数の黒三角は長さX2aと長さX2bの平均値を用いたときの乳牛1頭1頭の結果を示していて、破線の直線はそのときの近似直線(回帰直線)を示している。図16に示すように、長さX2a、長さX2b、及び長さX2aと長さX2bの平均値のいずれを用いた場合であっても、長さが長くなるほどボディコンディションスコアは大きくなっている。長さX2aを用いた点線の近似直線はy=2.0388x-2.2042と求まり、決定係数Rは0.7707であった。長さX2bを用いた一点鎖線の近似直線はy=2.5939x-3.9392と求まり、決定係数Rは0.7297であった。長さX2aと長さX2bの平均値を用いた破線の近似直線はy=2.3164x-3.0717と求まり、決定係数Rは0.8098であった。このことから、ボディコンディションスコアと、算出部34が算出する長さX2a、長さX2b、及び長さX2aと長さX2bの平均値と、には強い相関関係があることが確認された。
このように、ボディコンディションスコアと、算出部34が算出する長さX2a、長さX2b、及び長さX2aと長さX2bの平均値と、には強い相関関係があることから、評価部36は長さX2a、長さX2b、又は長さX2aと長さX2bの平均値を用いて牛の肉付きを評価する。例えば、表1と同じような、長さX2a、長さX2b、又は長さX2aと長さX2bの平均値と、ボディコンディションスコアと、が関連付けられたスコア情報を用いて、牛の肉付きを評価する。これにより、牛の肉付きを精度良く評価することができる。
図17には、ボディコンディションスコアと、算出部34が算出した長さX2aに対する長さX1aの長さ比(X1a/X2a)、長さX2bに対する長さX1bの長さ比(X1b/X2b)、及び長さ比(X1a/X2a)と長さ比(X1b/X2b)の平均値と、の相関を調査した実験結果が示されている。図17の横軸(x軸)は専門家が評価したボディコンディションスコアであり、縦軸は長さ比である。図17中の複数の黒丸は長さ比(X1a/X2a)を用いたときの乳牛1頭1頭の結果を示していて、点線の直線はそのときの近似直線(回帰直線)を示している。複数の黒四角は長さ比(X1b/X2b)を用いたときの乳牛1頭1頭の結果を示していて、一点鎖線の直線はそのときの近似直線(回帰直線)を示している。複数の黒三角は長さ比の平均値(((X1a/X2a)+(X1b/X2b))/2)を用いたときの乳牛1頭1頭の結果を示していて、破線の直線はそのときの近似直線(回帰直線)を示している。図17に示すように、長さ比(X1a/X2a)、長さ比(X1b/X2b)、及び長さ比(X1a/X2a)と長さ比(X1b/X2b)の平均値のいずれを用いた場合であっても、長さ比が小さくなるほどボディコンディションスコアは大きくなっている。長さ比(X1a/X2a)を用いた点線の近似直線はy=-1.0967x+9.0164と求まり、決定係数Rは0.5676であった。長さ比(X1b/X2b)を用いた一点鎖線の近似直線はy=-1.5338x+10.441と求まり、決定係数Rは0.5985であった。長さ比(X1a/X2a)と長さ比(X1b/X2b)の平均値を用いた破線の近似直線はy=-1.3152x+9.7286と求まり、決定係数Rは0.6353であった。このことから、ボディコンディションスコアと、算出部34が算出する長さ比(X1a/X2a)、長さ比(X1b/X2b)、及び長さ比(X1a/X2a)と長さ比(X1b/X2b)の平均値と、には強い相関関係があることが確認された。
このように、ボディコンディションスコアと、算出部34が算出する長さ比(X1a/X2a)、長さ比(X1b/X2b)、及び長さ比(X1a/X2a)と長さ比(X1b/X2b)の平均値と、には強い相関関係があることから、評価部36は長さ比(X1a/X2a)、長さ比(X1b/X2b)、又は長さ比(X1a/X2a)と長さ比(X1b/X2b)の平均値を用いて牛の肉付きを評価する。例えば、表1と同じような、長さ比(X1a/X2a)、長さ比(X1b/X2b)、又は長さ比(X1a/X2a)と長さ比(X1b/X2b)の平均値と、ボディコンディションスコアと、が関連付けられたスコア情報を用いて、牛の肉付きを評価する。これにより、牛の肉付きを精度良く評価することができる。
以上説明したように、本第2の実施形態によれば、算出部34は、点403aと点404aとを結ぶ線分410aの長さX1a、中点405aと点406aとを結ぶ線分416a(第2線分)の長さX2a、又は長さX2aに対する長さX1aの長さ比(X1a/X2a)を算出する(図13(a)参照)。評価部36は、算出部34が算出した長さX1a、長さX2a、又は長さ比(X1a/X2a)から、撮像画像50に写された牛の肉付きを評価する。この場合でも、上記第1の実施形態と同じく、立位にある牛を略後ろから撮像した二次元の撮像画像50を用いて牛の肉付きを評価するため、多様な飼育現場に適用することができる。また、長さ比(X1a/X2a)を用いて牛の肉付きを評価する場合は、上記第1の実施形態と同じく、正規化等の処理を行わなくても牛の肉付きを良好に評価することができる。更に、制御部22が牛の肉付きの判定を行うため、判定のばらつきを抑えることができる。更に、立位にある牛を略真後ろから撮像した二次元の撮像画像50を用いて牛の肉付きを評価することから、スマートフォン等の携帯性に優れて汎用性の高い評価装置を用いることができる。
また、決定部38が山部61bの第1曲線部63b上の点403b(第1の点)と、第2曲線部64b上の点404b(第2の点)とを決定した場合では、算出部34は、点403bと点404bとを結ぶ線分410b(第1線分)の長さX1b、中点405bと点406bとを結ぶ線分416b(第2線分)の長さX2b、又は長さX2bに対する長さX1bの長さ比(X1b/X2b)を算出する(図13(b)参照)。評価部36は、算出部34が算出した長さX1b、長さX2b、又は長さ比(X1b/X2b)から、撮像画像50に写された牛の肉付きを評価する。この場合でも、長さX1a、長さX2a、又は長さ比(X1a/X2a)から牛の肉付きを評価する場合と同じ効果が得られる。
また、決定部38が山部61a、61bの両方について第1曲線部63a、63b上の点403a、403b(第1の点)と、第2曲線部64a、64b上の点404a、404b(第2の点)と、を決定した場合、算出部34は、長さX1aと長さX1bの平均値、長さX2aと長さX2bの平均値、又は長さ比(X1a/X2a)と長さ比(X1b/X2b)の平均値を算出してもよい。評価部36は、算出部34が算出した長さX1aと長さX1bの平均値、長さX2aと長さX2bの平均値、又は長さ比(X1a/X2a)と長さ比(X1b/X2b)の平均値から、撮像画像50に写された牛の肉付きを評価してもよい。長さX1aと長さX1bの平均値、長さX2aと長さX2bの平均値、及び長さ比(X1a/X2a)と長さ比(X1b/X2b)の平均値は、図15から図17で説明したように、ボディコンディションスコアとの相関を示す決定係数Rが高い。このため、牛の肉付きを精度良く評価することができる。また、長さX1aと長さX1bの平均値、長さX2aと長さX2bの平均値、及び長さ比(X1a/X2a)と長さ比(X1b/X2b)の平均値を用いることで、牛を略真後ろから撮像するときの撮影角度の影響を受け難くなる。
なお、長さX1a、長さX1b、長さX2a、長さX2b、長さX1aと長さX1bの平均値、及び長さX2aと長さX2bの平均値を用いて牛の肉付きを評価する場合、牛を略真後ろから撮影するときに、長さの基準となる基準物を一緒に撮影したり、同一距離及び同一倍率で撮影したりすることが好ましい。
なお、牛の肉付きを評価するにあたり、長さX1a、長さX1b、長さX2a、長さX2b、長さ比(X1a/X2a)、長さ比(X1b/X2b)、長さX1aと長さX1bの平均値、長さX2aと長さX2bの平均値、又は長さ比(X1a/X2a)と長さ比(X1b/X2b)の平均値、のどれを用いるかは、ユーザーが適宜選択することができる。
なお、上記第1の実施形態及び第2の実施形態において、算出部34は、山部61aに関して、角度ω1、長さX1a、長さX2a、及び長さ比(X1a/X2a)の2つ以上を算出してもよい。そして、評価部36は、角度ω1、長さX1a、長さX2a、及び長さ比(X1a/X2a)の2つ以上の値それぞれから得られたボディコンディションスコアの最大値、最小値、又は平均値によって牛の肉付きを評価してもよい。同様に、算出部34は、山部61bに関して、角度ω2、長さX1b、長さX2b、及び長さ比(X1b/X2b)の2つ以上を算出してもよい。そして、評価部36は、角度ω2、長さX1b、長さX2b、及び長さ比(X1b/X2b)の2つ以上の値それぞれから得られたボディコンディションスコアの最大値、最小値、又は平均値によって牛の肉付きを評価してもよい。また、評価部36は、角度ω1と角度ω2の平均値、長さX1aと長さX1bの平均値、長さX2aと長さX2bの平均値、及び長さ比(X1a/X2a)と長さ比(X1b/X2b)の平均値の2つ以上の値それぞれから得られたボディコンディションスコアの最大値、最小値、又は平均値によって牛の肉付きを評価してもよい。
なお、上記第1の実施形態及び第2の実施形態において、線分410a、410bの中点405a、405bを用いる場合を例に示したが、線分410a、410bの中点から線分410a、410bの長さの1/50以下の範囲に位置する略中点を用いる場合でもよい。直線424a、424b及び線分416a、416bは、線分410a、410bの垂線である場合を例に示したが、線分410a、410bの垂線から±5°の範囲内で傾いた略垂線の場合でもよい。
なお、上記第1の実施形態及び第2の実施形態において、決定部38は、抽出画像51をX-Y座標系に変換し、抽出画像51の各画素のX、Y座標から第1曲線部63a、63bのうち最も上側に張り出した点を点403a、403bと決定し、第2曲線部64a、64bのうち最も側方に張り出した点を点404a、404bと決定してもよい。
[水平線420及び垂直線422a、422bの許容角度]
上記第1の実施形態及び第2の実施形態では、抽出画像51内の水平線420を用いて第1曲線部63a、63b上の点403a、403bを決定する場合を示した。抽出画像51内の垂直線422a、422bを用いて第2曲線部64a、64b上の点404a、404bを決定する場合を示した。ここでは、水平線420の代わりに少し傾斜をした略水平線を用いた場合、及び、垂直線422a、422bの代わりに少し傾斜をした略垂直線を用いた場合、傾斜角度はどの程度まで許容されるかを調査した。
[実験]
抽出画像51内の水平線からの傾斜角度を-20°、-10°、0°、10°、20°とした略水平線を用いて第1曲線部63a、63b上の点403a、403bを決定した。略水平線が左下から右上に伸びている場合の傾斜角度を正とし、右下から左上に伸びている場合の傾斜角度を負とした。また、抽出画像51内の水平線からの傾斜角度が80°、90°、100°とした略垂直線を用いて第2曲線部64a、64b上の点404a、404bを決定した。傾斜角度が80°の場合は、略垂直線が左下から右上に伸び、傾斜角度が100°の場合は、略垂直線が右下から左上に伸びている。
決定した点を用いて、上記第1の実施形態のように、角度ω1と角度ω2の平均値とボディコンディションスコアとの間の決定係数Rを求めた。また、決定した点を用いて、上記第2の実施形態のように、長さX1aと長さX1bの平均値とボディコンディションスコアとの間の決定係数R、長さX2aと長さX2bの平均値とボディコンディションスコアとの間の決定係数R、長さX2aに対する長さX1aの長さ比(X1a/X2a)と長さX2bに対する長さX1bの長さ比(X1b/X2b)の平均値とボディコンディションスコアとの間の決定係数Rを求めた。実験結果を表2に示す。
Figure 2023121504000003
表2に示すように、角度ω1と角度ω2の平均値を用いた場合では、傾斜角度が-10°~20°の略水平線を用いかつ傾斜角度が80°~90°の略垂直線を用いた場合に大きな決定係数Rが得られた。長さX1aと長さX1bの平均値を用いた場合では、傾斜角度が-20°~20°の略水平線を用いかつ傾斜角度が90°の略垂直線を用いた場合に大きな決定係数Rが得られた。長さX2aと長さX2bの平均値を用いた場合では、傾斜角度が-10°~20°の略水平線を用いかつ傾斜角度が80°~90°の略垂直線を用いた場合に大きな決定係数Rが得られた。長さ比の平均値を用いた場合では、傾斜角度が-10°~20°の略水平線を用いかつ傾斜角度が90°の略垂直線を用いた場合に大きな決定係数Rが得られた。これらの結果から、抽出画像51内の水平方向(左右方向)からの傾斜角度が-10°~20°の略水平線を用いて第1曲線部63a、63b上の点403a、403bを決定する。抽出画像51内の水平方向(左右方向)からの傾斜角度が80°~90°の略垂直線を用いて第2曲線部64a、64b上の点404a、404bを決定する。これにより、牛の肉付きを精度良く評価することができる。牛の肉付きを精度良く評価する点から、略水平線の傾きは-5°~10°の場合がより好ましく、-5°~5°の場合が更に好ましい、略垂直線の傾きは85°~90°の場合がより好ましい。
なお、上記第1の実施形態及び第2の実施形態では、画像取得部30は、立位にある牛を略真後ろから撮像した撮像画像を取得する場合を例に示したが、立位にある牛を略正面から撮像した撮像画像を取得する場合でもよい。図18(a)は、立位にある牛を略真後ろから撮像した撮像画像50、図18(b)は、図18(a)の牛を略正面から撮像した撮像画像50aである。図18(a)に示すように、立位にある牛を略真後ろから撮像した場合に限られず、図18(b)に示すように、立位にある牛を略正面から撮像した場合であっても、牛の左右の腰角周りの輪郭が写るように牛を撮像することができる。
図19(a)及び図19(b)は、図18(a)及び図18(b)の撮像画像50、50aから牛の輪郭線60を抽出した抽出画像51である。図19(a)に示すように、立位にある牛を略真後ろから撮像した場合であっても、図19(b)に示すように、立位にある牛を略正面から撮像した場合であっても、輪郭線60の上部の左右両側に腰角に対応する山部61a、61bを存在させることができる。よって、立位にある牛を略正面から撮像した撮像画像50aを用いても、略真後ろから撮像した撮像画像50を用いる場合と同じ方法によって、牛の肉付きを評価することができる。また、立位にある牛を略正面から撮像した二次元の撮像画像50aを用いる場合でも、略真後ろから撮像した撮像画像50を用いる場合と同様に、牛を上方から撮像するための特別な設備を必要とせず、多様な飼育現場に適用することができるとともに、携帯性に優れて汎用性の高いスマートフォン等の携帯型情報機器を評価装置とすることができる。
なお、上記第1の実施形態及び第2の実施形態では、牛の肉付きを評価する評価装置が、作業者が携帯して利用される、撮像部18を備える携帯型情報機器である場合を例に示したが、その他の場合でもよい。例えば、ネットワークに接続された他の機器と通信可能なサーバ等の据置型情報機器の場合でもよい。この場合、作業者は例えばスマートフォン等の携帯型情報機器を用いて撮像した牛の撮像画像を、ネットワークを介してサーバ等の据置型情報機器に送信する。据置型情報機器では、評価装置100と同様の処理を行って牛の肉付きを評価する。そして、据置型情報機器は、牛の肉付きの評価結果を、ネットワークを介して作業者が携帯する携帯型情報機器に送信する。これにより、スマートフォンに掛かる負荷を低減できる。また、牛舎内に固定又は移動可能にカメラを設置し、スマートフォン等の携帯型情報機器及びサーバ等の据置型情報機器は、牛舎内に設置されたカメラが撮像した立位にある牛の略真後ろ又は略正面の撮像画像を取得してもよい。
なお、上記第1の実施形態及び第2の実施形態では、牛の肉付きとしてボディコンディションスコアを評価する場合を例に示したが、牛の肉付きを評価するその他の指標を評価する場合でもよい。また、各実験は、乳牛に対して行ったが、同様の骨格を有する肉牛も同様の結果になると考えられる。したがって、上記各実施形態は乳牛だけでなく肉牛にも適用できる。
以上、本願発明の実施形態について詳述したが、本願発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本願発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
12 表示部
14 操作部
16 通信部
18 撮像部
20 記憶部
22 制御部
30 画像取得部
32 抽出部
34 算出部
36 評価部
38 決定部
50、50a 撮像画像
51 抽出画像
52 左上端点
54 右上端点
55、55a、55b、56、56a、56b 傾斜直線
60 輪郭線
61a、61b 山部
62a、62b 頂点
63a、63b 第1曲線部
64a、64b 第2曲線部
91 最上点
100 評価装置
403a、403b 点
404a、404b 点
405a、405b 中点
406a、406b 点
410a、410b 線分
412a、412b 線分
414a、414b 線分
416a、416b 線分
420 水平線
422a、422b 垂直線
424a、424b 直線
426 範囲
図8(a)から図8(c)は、牛の肉付きと、算出部34が算出する角度ω1と、の関係を示す図である。図8(a)は、痩せている牛の輪郭線60を示し、図8(b)は、図8(a)の牛よりも太っている(肉付きの良い)牛の輪郭線60を示し、図8(c)は、図8(b)の牛よりも太っている(肉付きの良い)牛の輪郭線60を示している。図8(a)から図8(c)のように、肉付きが良いほど、腰角に対応する部分である山部61aが丸みを帯びた形状となる。このため、角度ω1は、肉付きが良いほど小さな値となることが分かった。なお、図示は省略するが、牛の肉付きと、算出部34が算出する角度ω2と、の関係についても同じである。これらのことから、角度ω1、角度ω2、又は角度ω1と角度ω2の平均値を求め、これらを用いて牛の肉付きを評価できると考えられる。
図14(a)から図14(c)は、牛の肉付きと、算出部34が算出する長さX1a、X2aと、の関係を示す図である。図14(a)は、痩せている牛の輪郭線60を示し、図14(b)は、図14(a)の牛よりも太っている(肉付きの良い)牛の輪郭線60を示し、図14(c)は、図14(b)の牛よりも太っている(肉付きの良い)牛の輪郭線60を示している。図14(a)から図14(c)のように、点403aと点404aを結ぶ線分410aの長さX1a、及び、中点405aと点406aを結ぶ線分416aの長さX2aは、肉付きが良いほど大きな値となることが分かった。また、長さX2aに対する長さX1aの長さ比(X1a/X2a)は、肉付きが良いほど小さな値となることが分かった。これらのことから、長さX1a、長さX2a、又は長さ比(X1a/X2a)を求めることで、牛の肉付きを評価できると考えられる。なお、図示は省略するが、牛の肉付きと、算出部34が算出する長さX1b、長さX2b、長さ比(X1b/X2b)と、の関係についても同じである。

Claims (8)

  1. 立位にある牛を略真後ろ又は略正面から撮像した二次元の撮像画像を取得する画像取得部と、
    前記撮像画像から、前記牛の輪郭線を抽出する抽出部と、
    前記輪郭線の上部の左右両側に存在する2つの山部のうちの一方の山部の前記輪郭線上の略中央の点から他方の山部側に伸びる第1曲線部上の第1の点と前記第1曲線部とは反対側に伸びる第2曲線部上の第2の点とを決定する決定部と、
    前記第1の点と前記第2の点とを結ぶ第1線分の長さ、前記第1線分の略中点を通り前記第1線分に略垂直な直線が前記一方の山部と交差する第3の点と前記第1線分の略中点とを結ぶ第2線分の長さ、前記第2線分の長さに対する前記第1線分の長さの比、及び前記第1の点と前記第3の点を結ぶ第3線分と前記第2の点と前記第3の点を結ぶ第4線分とがなす角度、の少なくとも1つを算出する算出部と、
    前記算出部が算出した値から、前記牛の肉付きを評価する評価部と、を備える牛の評価装置。
  2. 前記決定部は、前記第1曲線部のうち最も上側に張り出した点を前記第1の点と決定し、前記第2曲線部のうち最も横側に張り出した点を前記第2の点と決定する、請求項1に記載の牛の評価装置。
  3. 前記決定部は、前記撮像画像内で略左右方向に伸びる第1直線を前記一方の山部の上方から前記一方の山部に向かって近づけて最初に接する点を前記第1の点と決定し、前記撮像画像内で略上下方向に伸びる第2直線を前記一方の山部の側方から前記一方の山部に向かって近づけて最初に接する点を前記第2の点と決定する、請求項1または2に記載の牛の評価装置。
  4. 前記決定部は、前記2つの山部のうちの他方の山部についての、前記第1曲線部上の前記第1の点と前記第2曲線部上の前記第2の点とを決定し、
    前記算出部は、他方の山部についての、前記第1線分の長さ、前記第2線分の長さ、前記第2線分の長さに対する前記第1線分の長さの比、及び前記第3線分と前記第4線分とがなす角度、の少なくとも1つを算出するとともに、前記2つの山部それぞれの前記第1線分の長さの平均値、前記2つの山部それぞれの前記第2線分の長さの平均値、前記2つの山部それぞれの前記第2線分の長さに対する前記第1線分の長さの比の平均値、及び前記2つの山部それぞれの前記第3線分と前記第4線分とがなす角度の平均値、の少なくとも1つを算出する、請求項1から3のいずれか一項に記載の牛の評価装置。
  5. 前記2つの山部は前記牛の腰角に対応する部分である、請求項1から4のいずれか一項に記載の牛の評価装置。
  6. 前記評価部は、前記牛の肉付きの評価としてボディコンディションスコアを評価する、請求項1から5のいずれか一項に記載の牛の評価装置。
  7. 前記牛を撮像する撮像部を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の牛の評価装置。
  8. 立位にある牛を略真後ろ又は略正面から撮像した二次元の撮像画像から前記牛の輪郭線を抽出し、
    抽出した前記輪郭線の上部の左右両側に存在する2つの山部のうちの一方の山部の前記輪郭線上の略中央の点から他方の山部側に伸びる第1曲線部上の第1の点と前記第1曲線部とは反対側に伸びる第2曲線部上の第2の点とを決定し、
    決定した前記第1の点と前記第2の点とを結ぶ第1線分の長さ、前記第1線分の略中点を通り前記第1線分に略垂直な直線が前記一方の山部と交差する第3の点と前記第1線分の略中点とを結ぶ第2線分の長さ、前記第2線分の長さに対する前記第1線分の長さの比、及び前記第1の点と前記第3の点を結ぶ第3線分と前記第2の点と前記第3の点を結ぶ第4線分とがなす角度、の少なくとも1つを算出し、
    算出した値から、前記牛の肉付きを評価する、
    処理をコンピュータが実行することを特徴とする牛の評価方法。
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