JP2022135904A - 牛の評価装置及び牛の評価方法 - Google Patents

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純 西川
Jun Nishikawa
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Abstract

【課題】多様な飼育現場に適用することが可能な牛の評価装置及び牛の評価方法を提供すること。【解決手段】牛の評価装置100は、立位にある牛を略真後ろまたは略正面から撮像した二次元の撮像画像50を取得する画像取得部30と、撮像画像50から、牛の輪郭線60を抽出する抽出部32と、輪郭線60の上部の左右両側に存在する2つの山部61a、61bのうち少なくとも一方の山部61aの傾斜の度合いを示す指標値を算出する算出部34と、算出部34が算出した指標値から、牛の肉付きを評価する評価部36と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、牛の評価装置及び牛の評価方法に関する。
牛の飼養管理におけるエネルギーバランスを評価するために、牛の体脂肪の付着状態(肉付き状態)を評価することが行われている。体脂肪の付着状態を示す指標の1つとしてボディコンディションスコアがある。通常、ボディコンディションスコアの判定は獣医師や酪農の専門家によって行われるが、人が判定をするために判定基準があいまいとなり、判定にばらつきが生じてしまう。一方、動物の三次元画像に基づいて身体の状態を示すスコアを評価する方法(例えば特許文献1)や、動物を撮像した二次元画像に基づいて身体の状態を示すスコアを評価する方法(例えば特許文献2)が知られている。
特表2012-510278号公報 欧州特許第2027770号明細書
特許文献1に記載の評価方法は、動物の三次元画像を用いて身体の状態を示すスコアを算出するため、大掛かりな設備が設置された特定の場所での撮像が必要であり、多様な飼育現場に適用することは難しい。特許文献2に記載の評価方法では、動物の二次元画像を用いるが、動物を上方から撮像した二次元画像を用いるため、動物を上方から撮像できる設備が設置された特定の場所での撮像が必要であり、特許文献1と同様に、多様な飼育現場に適用することは難しい。
本発明は上記の課題に鑑みなされたものであり、多様な飼育現場に適用することが可能な牛の評価装置及び牛の評価方法を提供することを目的とする。
本発明の牛の評価装置は、立位にある牛を略真後ろまたは略正面から撮像した二次元の撮像画像を取得する画像取得部と、前記撮像画像から、前記牛の輪郭線を抽出する抽出部と、前記輪郭線の上部の左右両側に存在する2つの山部のうち少なくとも一方の山部の傾斜の度合いを示す指標値を算出する算出部と、前記算出部が算出した前記指標値から、前記牛の肉付きを評価する評価部と、を備える。
本発明によれば、多様な飼育現場に適用することが可能な牛の評価装置及び牛の評価方法を得ることができる。
図1は、第1の実施形態に係る牛の評価装置の構成を示すブロック図である。 図2は、第1の実施形態における制御部の機能ブロック図である。 図3は、画像取得部が取得する牛の撮像画像の一例である。 図4は、第1の実施形態における制御部が牛の肉付きを評価するときに実行する処理を示す図(その1)である。 図5は、第1の実施形態における制御部が牛の肉付きを評価するときに実行する処理を示す図(その2)である。 図6(a)から図6(c)は、肉付きの異なる牛の撮像画像である。 図7(a)から図7(d)は、第1の実施形態において、山部の傾斜の度合いと、第1接線と第2接線がなす角度と、の関係を示す図である。 図8は、ボディコンディションスコアと角度αminとの相関を調査した実験結果である。 図9は、第1の実施形態における牛の肉付きの評価方法の一例を示すフローチャートである。 図10は、第2の実施形態における制御部が牛の肉付きを評価するときに実行する処理を示す図である。 図11は、第3の実施形態における制御部が牛の肉付きを評価するときに実行する処理を示す図である。 図12(a)及び図12(b)は、第3の実施形態において、山部の傾斜の度合いと、第1線分と第2線分がなす角度と、の関係を示す図である。 図13は、ボディコンディションスコアと複数の角度の標準偏差との関係を示すグラフである。 図14は、ボディコンディションスコアと複数の角度の変動係数との関係を示すグラフである。 図15は、ボディコンディションスコアと、円の半径の変化の大きさに対する角度の変化の大きさの比(傾き)と、の関係を示すグラフである。 図16(a)は、立位にある牛を略真後ろから撮像した撮像画像であり、図16(b)は、図16(a)の牛を略正面から撮像した撮像画像である。 図17(a)および図17(b)は、図16(a)および図16(b)の撮像画像から牛の輪郭線を抽出した抽出画像である。
《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態に係る牛の評価装置100について、図1~図9に基づいて説明する。図1には、第1の実施形態に係る牛の評価装置100の構成がブロック図にて示されている。評価装置100は、例えばユーザにより携帯されて利用される携帯型情報機器である。評価装置100として、例えばスマートフォン、タブレット型パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートグラスなどを採用することができる。本第1の実施形態では、評価装置100はスマートフォンであるとする。評価装置100は、電話機能やメール機能、インターネットなどに接続するための通信機能、及びプログラムを実行するためのデータ処理機能などを有する。
評価装置100は、図1に示すように、表示部12と、操作部14と、通信部16と、撮像部18と、記憶部20と、制御部22と、を備える。
表示部12は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)であり、画像や、各種情報、及びタッチ操作ボタンなどの操作入力用画像などを表示する。
操作部14は、タッチパネルとスイッチを備える。タッチパネルは、ユーザが触れたことに応じて情報入力を受け付け、受け付けた操作情報を制御部22に送信する。タッチパネルは、例えば表示部12に組み込まれている。したがって、タッチパネルは、ユーザが表示部12の表面をタッチすることに応じて、種々の情報入力を受け付ける。スイッチは、ユーザから評価装置100に対する操作を受け付ける操作部材であり、受け付けた操作情報を制御部22に送信する。
通信部16は、他の機器と近距離無線通信(例えばNFC(Near Field Communication))を行ったり、ネットワークに接続された他の機器と無線通信(例えば携帯電話回線や無線LAN(Local Area Network)などを用いた通信)を行ったりする。
撮像部18は、レンズ、撮像素子、画像処理部などを備え、静止画や動画などの画像を撮像する。撮像部18は、評価装置100を携帯する作業者が操作部14を操作することに応じて撮像する。作業者は、牛の肉付きを評価する場合に、撮像部18によって立位にある牛を略真後ろから撮像する。略真後ろから撮像するとは、牛の左右の腰角周りの輪郭が写る範囲で撮像することである。したがって、作業者は、例えば、牛の後方数m(例えば1m~2m)の位置から牛の足元まで入るようにして、牛の左右の腰角周りの輪郭が写るように撮像する。
記憶部20は、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性の半導体メモリであり、各種情報が記憶されている。
制御部22は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを備える。制御部22は、CPUがROMなどに格納されているプログラムを実行することにより、評価装置100全体を制御する。
制御部22は、牛の肉付きを評価する際、ROMなどに格納されたプログラムをCPUが実行することで、図2に示すような、画像取得部30、抽出部32、算出部34、及び評価部36として機能する。
図3には、画像取得部30が取得する牛の撮像画像50の一例が示されている。図3に示すように、画像取得部30は、立位にある牛が略真後ろから撮像された撮像画像50を取得する。取得する牛の撮像画像50は、撮像部18が撮像した画像であってもよいし、他の機器が撮像した画像を通信部16により受信した画像であってもよい。また、取得する牛の撮像画像50は、記憶部20に記憶されていたものであってもよい。画像取得部30は、取得した牛の撮像画像50を表示部12に表示してもよい。これにより、作業者は、これから肉付きを評価する牛を表示部12上で視覚的に認識することができる。
図4及び図5には、第1の実施形態において牛の肉付きを評価するときに、抽出部32及び算出部34が実行する処理の一例が示されている。図5は、輪郭線60の上部を拡大した図である。図5では、明瞭化のために、輪郭線60の上部を模式的に表している(以下の同様な図においても同じ)。抽出部32は、図4に示すように、画像取得部30が取得した牛の撮像画像50から、牛の輪郭をなぞった輪郭線60を抽出する。輪郭線60の抽出は、一般的に知られた画像処理技術を用いることができる。抽出部32は、抽出した牛の輪郭線60のみを表した抽出撮像画像51を表示部12に表示してもよい。これにより、作業者は、これから肉付きを評価する牛の輪郭を表示部12上で視覚的に認識することができる。抽出撮像画像51の外形は撮像画像50の外形と同じであり、画像の枠に対する牛の位置は抽出撮像画像51と撮像画像50とで同じである。
輪郭線60の上部の左右両側には山部61a、61bが存在する。山部61aは、山部61aの輪郭線60上の略中央の点を頂点62aとし、頂点62aから輪郭線60の上部側に伸びる第1曲線部63aと、頂点62aから輪郭線60の側部側に伸びる第2曲線部64aと、を有する。同様に、山部61bは、山部61bの輪郭線60上の略中央の点を頂点62bとし、頂点62bから輪郭線60の上部側に伸びる第1曲線部63bと、頂点62bから輪郭線60の側部側に伸びる第2曲線部64bと、を有する。
山部61aの頂点62aと山部61bの頂点62bの特定は、例えば、以下の方法により行うことができる。例えば、抽出撮像画像51内で上から左下に向かって傾いた第1傾斜直線を抽出撮像画像51の左上端点52から輪郭線60に向かって近づけて行き、第1傾斜直線が輪郭線60に最初に接した点を左側に存在する山部61aの頂点62aと特定してもよい。同様に、抽出撮像画像51内で上から右下に向かって傾いた第2傾斜直線を抽出撮像画像51の右上端点54から輪郭線60に向かって近づけて行き、第2傾斜直線が輪郭線60に最初に接した点を右側に存在する山部61bの頂点62bと特定してもよい。第1傾斜直線及び第2傾斜直線は、抽出撮像画像51内の水平線から例えば30°~60°傾いた直線とすることが好ましく、40°~50°傾いた直線とすることがより好ましく、45°傾いた直線とすることが更に好ましい。また、例えば、山部61aの頂点62aは輪郭線60のなかで抽出撮像画像51の左上端点52からの距離が最も短い点、山部61bの頂点62bは輪郭線60のなかで抽出撮像画像51の右上端点54からの距離が最も短い点としてもよい。なお、上記の方法以外の方法によって山部61aの頂点62a及び山部61bの頂点62bを特定してもよい。
算出部34は、輪郭線60の上部の左右両側に存在する2つの山部61a、61bのうち少なくとも一方の山部61aの傾斜の度合いを示す指標値を算出する。例えば、算出部34は、図5に示すように、第1曲線部63a上の点での第1接線66aと、第2曲線部64a上の点での第2接線68aと、がなす角度α1(第1接線66aと第2接線68aがなす角のうち頂点62aに対向する角の角度)を特定する。また、算出部34は、第1曲線部63a上の異なる位置の点での第1接線66bと、第2曲線部64a上の異なる位置の点での第2接線68bと、がなす角度α2を特定する。更に、算出部34は、第1曲線部63a上の更に異なる位置の点での第1接線66cと、第2曲線部64a上の更に異なる位置の点での第2接線68cと、がなす角度α3を特定する。このように、算出部34は、第1曲線部63a上の点での第1接線と、第2曲線部64a上の点での第2接線と、がなす角度を、点の位置を異ならせつつ複数特定する。
山部61aには複数の接線が生成でき、第1曲線部63a上の点での第1接線と第2曲線部64a上の点での第2接線とがなす角度も様々な大きさをとる。このような様々な大きさの角度のうち最も小さい角度は、山部61aの傾斜の度合いを良好に反映していると言える。したがって、本第1の実施形態では、算出部34は、特定した角度α1、α2、α3、…のうち最も小さい角度αmin(例えば図5ではα3)を、山部61aの傾斜の度合いを示す指標値として算出する。
なお、算出部34が特定する、第1曲線部63a上の点での第1接線と、第2曲線部64a上の点での第2接線と、がなす角度の数には、特に制限はないが、山部61aの傾斜の度合いを良好に反映した角度を得るためには、第1接線及び第2接線を引く点の位置を第1曲線部63aと第2曲線部64a上で種々変化させ、特定する角度の数をなるべく多くすることが好ましい。なお、算出部34は、輪郭線60の第1曲線部63a及び第2曲線部64aそれぞれに対して所定間隔で点を設定して隣接する点に対応する画素を結ぶ直線を第1接線及び第2接線とすることを隣接する点の組み合わせの分だけ実行し、実行した第1接線と第2接線の組み合わせ分だけ、第1接線と第2接線がなす角度を求める処理を行ってもよい。
ここで、算出部34が算出する山部61aの傾斜の度合いを示す指標値と、ボディコンディションスコアとの関係について、説明する。なお、ボディコンディションスコアは、体脂肪の付着状態を示す指標であり、例えば1.00~5.00の点数を付ける場合があり、値が大きいほど肉付きが良いことを意味する。
図6(a)から図6(c)は、肉付きの異なる牛の撮像画像50a~50cである。図6(a)は、肉付きが悪い牛の撮像画像50a、図6(b)は、肉付きが図6(a)よりも良い牛の撮像画像50b、図6(c)は、肉付きが更に良い牛の撮像画像50cである。図6(a)の牛は、専門家によるボディコンディションスコアの評価は2.25であった。図6(b)の牛は3.00であり、図6(c)の牛は4.00であった。図6(a)から図6(c)に示すように、肉付きが異なる(すなわちボディコンディションスコアが異なる)ことで、腰角周りの肉付きが変化し、立位にある牛を略真後ろから見たときの腰角の形状が異なることが確認できる。
図7(a)から図7(d)は、第1の実施形態において、山部61aの傾斜の度合いと、第1接線と第2接線がなす角度と、の関係を示す図である。図7(a)から図7(d)には、肉付きが異なる牛の撮像画像50から得られる輪郭線60の上部が模式的に示されていて、図7(a)、図7(b)、図7(c)、図7(d)の順に牛の肉付きがよく(すなわちボディコンディションスコアが高く)なっている。図7(a)から図7(d)には、第1曲線部63a上の点での第1接線と、第2曲線部64a上の点での第2接線と、がなす角度を、点の位置を異ならせつつ複数特定し、特定した複数の角度のうち最も小さい角度αminとなる第1接線66zと第2接線68zが示されている。
図7(a)から図7(d)に示すように、肉付きが良くなるほど、腰角に対応する部分である山部61a、61bが丸みを帯びた形状となり、山部61a、61bの張り出し具合が小さくなる。このため、角度αminは、肉付きが良くなるほど大きくなる。したがって、山部61a、61bのうち少なくとも一方の山部61aにおいて、第1曲線部63a上の点での第1接線と、第2曲線部64a上の点での第2接線と、がなす角度を、点の位置を異ならせつつ複数特定し、特定した複数の角度のうち最も小さい角度αminから、牛の肉付きを評価できることが考えられる。
そこで、獣医師などの専門家が評価したボディコンディションスコアと、山部61aの第1曲線部63a上の点での第1接線と、第2曲線部64a上の点での第2接線と、がなす角度を、点の位置を異ならせつつ複数特定し、特定した複数の角度のうち最も小さい角度αminの大きさと、の相関を調査する実験を行った。実験は、乳牛(ホルスタイン種)に対して行った。
図8には、ボディコンディションスコアと角度αminとの相関を調査した実験結果が示されている。図8の横軸(X軸)は専門家が評価したボディコンディションスコアであり、縦軸(Y軸)は角度αminである。図8中の複数の黒丸が実験した乳牛1頭1頭を示していて、点線の直線は近似直線を示している。図8に示すように、角度αminが大きくなるほど、ボディコンディションスコアも高くなる。近似直線(点線の直線)は、y=29.828x-15.056と求まり、決定係数Rは0.9119であった。このことから、ボディコンディションスコアと角度αminには強い相関関係があることが確認された。したがって、本実施形態においては、評価部36は、算出部34が山部61aの傾斜の度合いを示す指標値として算出した最も小さい角度αminから、牛の肉付き(ボディコンディションスコア)を評価する。
図2に戻り、評価部36は、記憶部20に記憶された、角度(山部の傾斜の度合いを示す指標値)とボディコンディションスコアとが関連付けられたスコア情報を用い、算出部34が算出した角度αminから、ボディコンディションスコアを評価する。
表1には、記憶部20に記憶されたスコア情報の一例が示されている。表1に示すように、スコア情報においては、角度(山部の傾斜の度合いを示す指標値)とボディコンディションスコアとが関連付けられている。例えば、角度がa°未満の場合のボディコンディションスコアは1.00、a°以上b°未満の場合のボディコンディションスコアは1.50などのように、角度とボディコンディションスコアとが関連付けられている。なお、表1では、ボディコンディションスコアが0.5刻みの場合を例に示したが、その他の場合でもよい。例えば、0.25刻みの場合でもよいし、2.00~4.00の間は0.25刻みで、それ以外は0.50刻みの場合でもよい。
Figure 2022135904000002
なお、記憶部20に記憶されるスコア情報は、角度とボディコンディションスコアとが関連付けられた情報であれば、表1に示したスコア情報以外であってもよい。例えば、図8に示す近似直線のような一次関数(y=ax+b)がスコア情報として記憶部20に記憶されていてもよい。この場合、yに角度を代入することで得られたxの値に対して四捨五入や、切り上げ、切り捨てなどの端数処理を行ってボディコンディションスコアを評価してもよい。
次に、第1の実施形態における牛の肉付きの評価方法の一例について、図9のフローチャートに沿って説明する。図9の処理は、評価装置100の制御部22によって実行される。なお、本処理の前提として、牛の肉付きを評価するためのアプリ(評価アプリ)がインストールされているものとする。また、記憶部20には、一例として表1のようなスコア情報が格納されているとする。
図9の処理では、まず、ステップS10において、制御部22の画像取得部30は、評価アプリが起動されるまで待機する。この場合、作業者の操作(例えば、操作部14への入力、又はマイク(不図示)への音声入力)に応じて制御部22が評価アプリを起動した段階で、ステップS12に移行する。
ステップS12に移行すると、画像取得部30は、肉付きの評価を行う牛が撮像された撮像画像50を取得する。牛の撮像画像50は、上述したように、立位にある牛が略真後ろから撮像された画像である。例えば、画像取得部30は、作業者が撮像部18を用いて撮像した牛の撮像画像、通信部16を介して他の機器から受信した牛の撮像画像、又は記憶部20に記憶された複数の牛の撮像画像の中から作業者が操作部14を操作することで選択した牛の撮像画像を取得する。なお、画像取得部30は、評価アプリが起動した後に、作業者が撮像部18によって牛を撮像できるよう、カメラ機能を立ち上げてもよい。この場合、撮像された牛の撮像画像と、この撮像画像を選択するか否かを問う選択ボタンと、を表示部12に表示し、作業者が選択しないことを選んだ場合、カメラ機能を再度立ち上げるようにしてもよい。
制御部22の抽出部32は、ステップS14において、ステップS12で取得した牛の撮像画像50から牛の輪郭をなぞった輪郭線60を抽出する。輪郭線60を抽出するにあたり、抽出部32は、輪郭線60を良好な精度で抽出するために、撮像画像50内の牛以外の背景を除去する処理を行ってもよい。
次いで、ステップS16では、制御部22の算出部34は、輪郭線60の上部の左右両側に存在する2つの山部61a、61bのうち少なくとも一方の山部61aの第1曲線部63a上の点から引いた第1接線と、第2曲線部64a上の点から引いた第2接線と、がなす角度を、点の位置を異ならせつつ複数特定し、特定した複数の角度のうち最も小さい角度を、山部61aの傾斜の度合いを示す指標値として算出する。
次いで、ステップS18では、制御部22の評価部36は、ステップS16で傾斜の度合いを示す指標値として算出した角度と記憶部20に記憶された表1のようなスコア情報とから、撮像画像50に写された牛の肉付き(ボディコンディションスコア)を評価する。
次いで、ステップS20では、評価部36は、ステップS18で評価したボディコンディションスコアを表示部12に表示すると共に、記憶部20に記憶する。例えば、評価部36は、牛の撮像画像50と共にボディコンディションスコアを表示部12に表示してもよい。また、評価部36は、作業者が操作部14を操作して入力した牛の個体識別番号などの個体識別情報と、評価したボディコンディションスコアと、を関連付けて記憶部20に記憶してもよい。なお、評価部36は、作業者が操作部14を操作することで入力した個体識別情報を取得する場合に限られず、牛の体に取り付けられた識別票の画像を撮像部18が撮像した撮像画像から個体識別情報を取得する場合や、RFID(Radio Frequency Identification)技術を用いて、牛の体に取り付けられたRFタグから通信部16が個体識別情報を受信することで取得する場合などでもよい。また、カメラや通信装置を牛舎内外の通路に設置し、通路を通過する牛をセンサで検出できるようにしておき、通路を通過する牛をカメラが撮像した撮像画像を通信部16が取得し、その撮像画像に写された識別票の画像から個体識別情報を取得してもよいし、通路を通過する牛に取り付けられたRFタグから通信装置が個体識別情報を受信し、通信部16が通信装置から個体識別情報を受け取ることで取得してもよい。また、評価部36は、ボディコンディションスコアを評価した牛の個体識別番号と、当該牛を撮像した撮像画像50と、撮像日と、当該牛のボディコンディションスコアと、を関連付けた1つの情報として記憶部20に記憶してもよい。
以上説明したように、本第1の実施形態によれば、画像取得部30は、立位にある牛を略真後ろから撮像した二次元の撮像画像50を取得する。抽出部32は、撮像画像50から、牛の輪郭線60を抽出する。算出部34は、輪郭線60の上部の左右両側に存在する2つの山部61a、61bのうち少なくとも一方の山部61aの傾斜の度合いを示す指標値として、山部61aの第1曲線部63a上の点から引いた第1接線と、第2曲線部64a上の点から引いた第2接線と、がなす角度を、点の位置を異ならせつつ複数特定し、特定した複数の角度のうち最も小さい角度を算出する。評価部36は、算出部34が傾斜の度合いを示す指標値として算出した角度から、撮像画像50に写された牛の肉付きを評価する。このように、本第1の実施形態では、立位にある牛を略後ろから撮像した二次元の撮像画像50を用いて牛の肉付きを評価するため、牛を三次元に撮像するための特別な設備や牛を上方から撮像するための特別な設備を必要とせず、多様な飼育現場に適用することができる。また、2次元画像上において相似性を有する情報である角度から牛の肉付きを評価するため、評価結果が牛そのものの大きさや撮像画像50に写された牛の大きさの影響を受けにくく、正規化などの処理を行わなくても牛の肉付きを良好に評価することができる。更に、人が牛の肉付きを評価する場合は、判定基準があいまいとなって判定にばらつきが起こるが、本第1の実施形態では、制御部22が牛の肉付きの判定を行うため、判定のばらつきを抑えることができる。更に、立位にある牛を略真後ろから撮像した二次元の撮像画像50を用いて牛の肉付きを評価することから、スマートフォンなどの携帯性に優れて汎用性の高い評価装置100を用いることができる。
《第2の実施形態》
第2の実施形態に係る牛の評価装置の構成は、図1の第1の実施形態に係る牛の評価装置100の構成と同じであるため図示及び説明を省略する。第2の実施形態では、図2の機能ブロック図のうち、算出部34が山部の傾斜の度合いを示す指標値として算出する値が、第1の実施形態と異なっている。
図10には、第2の実施形態において牛の肉付きを評価するときに、抽出部32及び算出部34が実行する処理の一例が示されている。抽出部32の処理は、第1の実施形態と同じであるため説明を省略する。本第2の実施形態では、算出部34は、図10に示すように、山部61aの第1曲線部63a上の点から引いた第1接線と、第2曲線部64a上の点から引いた第2接線と、がなす角度を、点の位置を異ならせつつ複数特定することで複数の角度α1、α2、α3、…を特定する。また、算出部34は、山部61bの第1曲線部63b上の点から引いた第1接線と、第2曲線部64b上の点から引いた第2接線と、がなす角度を、点の位置を異ならせつつ複数特定することで、複数の角度β1、β2、β3、…を特定する。そして、算出部34は、山部61aで特定した複数の角度α1、α2、α3、…から得られる値と、山部61bで特定した複数の角度β1、β2、β3、…から得られる値と、の平均値又は合計値を、山部の傾斜の度合いを示す指標値として算出する。評価部36がボディコンディションスコアを判定する際には、表1のような角度(山部の傾斜の度合いを示す指標値)とボディコンディションスコアとが関連付けられた情報を用いることができるが、角度の欄を、上記の平均値又は合計値に対応した値とする。
例えば、算出部34は、山部61aで特定した複数の角度α1、α2、α3、…のうち最も小さい角度αminと、山部61bで特定した複数の角度β1、β2、β3、…のうち最も小さい角度βminと、の平均値((αmin+βmin)/2)又は合計値(αmin+βmin)を、傾斜の度合いを示す指標値として算出する。
本第2の実施形態によれば、山部61aで特定した複数の角度から得られる値と、山部61bで特定した複数の角度から得られる値と、の平均値又は合計値を、山部61a、61bの傾斜の度合いを示す指標値として用いる。これにより、例えば牛が傾いて撮像された場合などでも、左右の山部61a、61bで特定された角度から得られる値を用いることで、牛が傾いて撮像されたことによる肉付きの判定誤差を低減でき、牛の肉付きを精度良く評価することができる。
上記第1の実施形態及び第2の実施形態のように、算出部34は、山部の第1曲線部上の点から引いた第1接線と、第2曲線部上の点から引いた第2接線と、がなす角度を、点の位置を異ならせつつ複数特定し、特定した複数の角度から得られる値を、山部の傾斜の度合いを示す指標値として算出する。評価部36は、算出部34が算出した指標値から、牛の肉付きを評価する。これにより、多様な飼育現場において、牛の肉付きを良好に評価することができる。
《第3の実施形態》
第3の実施形態に係る牛の評価装置の構成は、図1の第1の実施形態に係る牛の評価装置100の構成と同じであるため図示及び説明を省略する。第3の実施形態では、図2の機能ブロック図のうち、算出部34が山部の傾斜の度合いを示す指標値として算出する値が、第1の実施形態と異なっている。
図11には、第3の実施形態において牛の肉付きを評価するときに、抽出部32及び算出部34が実行する処理の一例が示されている。抽出部32の処理は、第1の実施形態と同じであるため説明を省略する。算出部34は、図11に示すように、山部61aの頂点62aを中心とする円80aが第1曲線部63aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第1線分86aと、円80aが第2曲線部64aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第2線分88aと、がなす角度δ1を特定する。また、算出部34は、山部61aの頂点62aを中心とし、円80aとは半径が異なる円80bが第1曲線部63aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第1線分86bと、円80bが第2曲線部64aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第2線分88bと、がなす角度δ2を特定する。更に、算出部34は、山部61aの頂点62aを中心とし、円80a、80bとは半径が異なる円80cが第1曲線部63aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第1線分86cと、円80cが第2曲線部64aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第2線分88cと、がなす角度δ3を特定する。
このように、算出部34は、山部61aの頂点62aを中心とする円が第1曲線部63aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第1線分と、円が第2曲線部64aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第2線分と、がなす角度を、円の半径を異ならせつつ複数特定する。円の半径は、山部61aの頂点62aと輪郭線60のうち最も上側に位置する最上点91との間の間隔よりも小さい値とし、例えば頂点62aと最上点91との間の間隔の1/2以下の値とする。
図12(a)及び図12(b)は、第3の実施形態において、山部61aの傾斜の度合いと、第1線分と第2線分がなす角度と、の関係を示す図である。図12(a)及び図12(b)には、肉付きが異なる牛の撮像画像50から得られる輪郭線60の上部が模式的に示されていて、図12(b)の牛は図12(a)の牛に比べて肉付きがよい(すなわちボディコンディションスコアが高い)牛である。図12(a)及び図12(b)では、対応する円は、山部61aの頂点62aと最上点91との間の間隔に対する半径の比が同じである。
図12(a)及び図12(b)に示すように、肉付きが良いほど、腰角に対応する部分である山部61a、61bが丸みを帯びた形状となる。このため、対応する円により形成される第1線分と第2線分がなす角度は、肉付きが良いほど大きくなる。すなわち、図12(b)における角度δa、δb、δcは、図12(a)において対応する角度δa、δb、δcよりも大きくなる。したがって、山部61a、61bのうち少なくとも一方の山部61aにおいて、山部61aの頂点62aを中心とする円が第1曲線部63aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第1線分と、円が第2曲線部64aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第2線分と、がなす角度を、円の半径を異ならせつつ複数特定し、特定した複数の角度を用いることで、肉付きを評価できることが考えられる。
そこで、獣医師などの専門家が評価したボディコンディションスコアと、山部61aの頂点62aを中心とする円が第1曲線部63aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第1線分と、円が第2曲線部64aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第2線分と、がなす角度を、円の半径を異ならせつつ複数特定し、特定した複数の角度から得られる値と、の相関を調査する実験を行った。実験は、乳牛(ホルスタイン種)に対して行い、頂点62aを中心とする円として、頂点62aと最上点91との間の間隔Lの1/2倍(L/2)、1/3倍(L/3)、1/4倍(L/4)、1/6倍(L/6)の半径を有する4つの同心円を用いた。
表2には、ボディコンディションスコアと、山部61aの頂点62aを中心とする複数の円から得られる第1線分と第2線分がなす角度と、の相関を調査した実験結果が示されている。図13には、ボディコンディションスコアと、山部61aの頂点62aを中心とする複数の円から得られる第1線分と第2線分がなす複数の角度の標準偏差と、の関係を示すグラフが示されている。図14には、ボディコンディションスコアと、山部61aの頂点62aを中心とする複数の円から得られる第1線分と第2線分がなす複数の角度の変動係数と、の関係を示すグラフが示されている。図13及び図14の横軸(X軸)は専門家が評価したボディコンディションスコアであり、縦軸(Y軸)は標準偏差又は変動係数である。図13及び図14中の複数の黒丸が実験した乳牛1頭1頭を示していて、点線の直線は近似直線を示している。
Figure 2022135904000003
図13に示すように、角度の標準偏差が小さくなるほど、ボディコンディションスコアは高くなる。近似直線(点線の直線)は、y=-5.994x+36.488と求まり、決定係数Rは0.6808であった。このことから、ボディコンディションスコアと角度の標準偏差とには強い相関関係があることが確認された。
図14に示すように、角度の変動係数が小さくなるほど、ボディコンディションスコアは高くなる。近似直線(点線の直線)は、y=-0.0465x+0.2759と求まり、決定係数Rは0.7215であった。このことから、ボディコンディションスコアと角度の変動係数とには強い相関関係があることが確認された。
そこで、本第3の実施形態では、算出部34は、山部61aの頂点62aを中心とする円が第1曲線部63aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第1線分と、円が第2曲線部64aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第2線分と、がなす角度を、円の半径を異ならせつつ複数特定し、特定した複数の角度の標準偏差又は変動係数を、山部61aの傾斜の度合いを示す指標値として算出する。そして、評価部36は、算出部34が山部61aの傾斜の度合いを示す指標値として算出した標準偏差又は変動係数から、牛の肉付き(ボディコンディションスコア)を評価する。
評価部36は、記憶部20に記憶された、標準偏差又は変動係数とボディコンディションスコアとが関連付けられたスコア情報を用いて、算出部34が算出した標準偏差又は変動係数から、ボディコンディションスコアを評価する。記憶部20に記憶されたスコア情報は、例えば表1における角度の欄を標準偏差又は変動係数に変更したものとすることができる。なお、記憶部20に記憶されるスコア情報は、標準偏差又は変動係数とボディコンディションスコアとが関連付けられた情報であれば、その他の場合であってもよい。例えば、図14及び図15に示す近似直線のような一次関数(y=ax+b)がスコア情報として記憶部20に記憶されていてもよい。この場合、yに標準偏差又は変動係数を代入することで得られたxの値に対して四捨五入や、切り上げ、切り捨てなどの端数処理を行ってボディコンディションスコアを評価してもよい。
本第3の実施形態によれば、算出部34は、山部61aの頂点62aを中心とする円が第1曲線部63aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第1線分と、円が第2曲線部64aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第2線分と、がなす角度を、円の半径を異ならせつつ複数特定し、特定した複数の角度の標準偏差又は変動係数を、山部61aの傾斜の度合いを示す指標値として算出する。評価部36は、算出部34が山部61aの傾斜の度合いを示す指標値として算出した複数の角度の標準偏差又は変動係数から、牛の肉付きを評価する。この場合でも、上記第1の実施形態と同様に、立位にある牛を略後ろから撮像した二次元の撮像画像50を用いて牛の肉付きを評価するため、多様な飼育現場に適用することができる。また、2次元画像上において相似性を有する情報である角度から牛の肉付きを評価するため、評価結果が牛そのものの大きさや撮像画像50に写された牛の大きさの影響を受けにくく、正規化などの処理を行わなくても牛の肉付きを良好に評価することができる。更に、制御部22が牛の肉付きの判定を行うため、判定のばらつきを抑えることができる。更に、立位にある牛を略真後ろから撮像した二次元の撮像画像50を用いて牛の肉付きを評価することから、スマートフォンなどの携帯性に優れて汎用性の高い評価装置100を用いることができる。
《第4の実施形態》
第4の実施形態に係る牛の評価装置の構成は、図1の第1の実施形態に係る牛の評価装置100の構成と同じであるため図示及び説明を省略する。第4の実施形態では、図2の機能ブロック図のうち、算出部34が山部の傾斜の度合いを示す指標値として算出する値が、第3の実施形態と異なっている。本第4の実施形態では、算出部34は、山部61aの頂点62aを中心とする円が第1曲線部63aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第1線分と、円が第2曲線部64aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第2線分と、がなす角度を、円の半径を異ならせつつ複数特定し、円の半径の変化の大きさに対する複数の角度の変化の大きさの比(以下、傾きと称す場合がある)を、山部61aの傾斜の度合いを示す指標値として算出する。
図15には、表2の実験結果から求めた、ボディコンディションスコアと傾きとの関係を示すグラフが示されている。図15の横軸(X軸)は専門家が評価したボディコンディションスコアであり、縦軸(Y軸)は傾きである。図15中の複数の黒丸が実験した乳牛1頭1頭を示していて、点線の直線は近似直線を示している。
図15に示すように、傾きが0に近づくほど、ボディコンディションスコアは高くなる。近似直線(点線の直線)は、y=1.2247x-7.3673と求まり、決定係数Rは0.7008であった。このことから、ボディコンディションスコアと傾きとには強い相関関係があることが確認された。
そこで、本第4の実施形態では、評価部36は、算出部34が山部61aの傾斜の度合いを示す指標値として算出した、円の半径の変化の大きさに対する複数の角度の変化の大きさの比(傾き)から、牛の肉付き(ボディコンディションスコア)を評価する。評価部36は、記憶部20に記憶された、傾きとボディコンディションスコアとが関連付けられたスコア情報を用いて、算出部34が算出した傾きから、ボディコンディションスコアを評価する。記憶部20に記憶されたスコア情報は、例えば表1における角度の欄を傾きに変更したものとすることができる。なお、記憶部20に記憶されるスコア情報は、傾きとボディコンディションスコアとが関連付けられた情報であれば、その他の場合であってもよい。例えば、図15に示す近似直線のような一次関数(y=ax+b)がスコア情報として記憶部20に記憶されていてもよい。この場合、yに傾きを代入することで得られたxの値に対して四捨五入や、切り上げ、切り捨てなどの端数処理を行ってボディコンディションスコアを評価してもよい。
本第4の実施形態によれば、算出部34は、山部61aの頂点62aを中心とする円が第1曲線部63aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第1線分と、円が第2曲線部64aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第2線分と、がなす角度を、円の半径を異ならせつつ複数特定し、円の半径の変化の大きさに対する複数の角度の変化の大きさの比を、山部61aの傾斜の度合いを示す指標値として算出する。評価部36は、算出部34が山部61aの傾斜の度合いを示す指標値として算出した円の半径の変化の大きさに対する複数の角度の変化の大きさの比から、牛の肉付きを評価する。この場合でも、上記第5の実施形態と同様に、多様な飼育現場において、牛の肉付きを良好に評価することができる。また、牛の肉付きの評価を、スマートフォンなどの携帯性に優れて汎用性の高い評価装置を用いて行うことができる。
上記第3の実施形態及び第4の実施形態のように、算出部34は、山部61aの頂点62aを中心とする円が第1曲線部63aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第1線分と、円が第2曲線部64aに交わる点と頂点62aとを結ぶ第2線分と、がなす角度を、円の半径を異ならせつつ複数特定し、特定した複数の角度から得られる値を、山部61aの傾斜の度合いを示す指標値として算出する。評価部36は、算出部34が算出した指標値から、牛の肉付きを評価する。これにより、上述したように、多様な飼育現場において、牛の肉付きを良好に評価することができる。
なお、上記実施形態では、画像取得部30は、立位にある牛を略真後ろから撮像した撮像画像を取得する場合を例に示したが、立位にある牛を略正面から撮像した撮像画像を取得する場合でもよい。図16(a)は、立位にある牛を略真後ろから撮像した撮像画像50dであり、図16(b)は、図16(a)の撮像画像50dに写された牛を略正面から撮像した撮像画像50eである。図16(a)に示すように、立位にある牛を略真後ろから撮像した場合に限られず、図16(b)に示すように、立位にある牛を略正面から撮像した場合であっても、牛の左右の腰角周りの輪郭が写るように牛を撮像することができる。
図17(a)および図17(b)は、図16(a)および図16(b)の撮像画像50d、50eから牛の輪郭線60を抽出した抽出撮像画像51a、51bである。図17(a)に示すように、立位にある牛を略真後ろから撮像した場合であっても、図17(b)に示すように、立位にある牛を略正面から撮像した場合であっても、輪郭線60の上部の左右両側に腰角に対応する山部61a、61bを存在させることができる。よって、立位にある牛を略正面から撮像した撮像画像を用いても、略真後ろから撮像した撮像画像を用いる場合と同じ方法によって、牛の肉付きを評価することができる。また、立位にある牛を略正面から撮像した二次元の撮像画像を用いる場合でも、略真後ろから撮像した撮像画像を用いる場合と同様に、牛を上方から撮像するための特別な設備を必要とせず、多様な飼育現場に適用することができるとともに、携帯性に優れて汎用性の高いスマートフォン等の携帯型情報機器を評価装置100とすることができる。
なお、上記各実施形態では、牛の肉付きを評価する評価装置が、作業者が携帯して利用される撮像部18を備える携帯型情報機器である場合を例に示したが、その他の場合でもよい。例えば、ネットワークに接続された他の機器と通信可能なサーバなどの据置型情報機器の場合でもよい。この場合、作業者は例えばスマートフォンなどの携帯型情報機器を用いて撮像した牛の撮像画像を、ネットワークを介してサーバなどの据置型情報機器に送信する。据置型情報機器では、輪郭線60の上部の左右両側に存在する2つの山部61a、61bのうち少なくとも一方の山部の傾斜の度合いを示す指標値を算出し、この指標値から牛の肉付きを評価する。そして、据置型情報機器は、牛の肉付きの評価結果を、ネットワークを介して作業者が携帯する携帯型情報機器に送信する。これにより、スマートフォンに掛かる負荷を低減できる。また、牛舎内に固定または移動可能にカメラを設置し、スマートフォン等の携帯型情報機器およびサーバ等の据置型情報機器は、牛舎内に設置されたカメラが撮像した立位にある牛の略真後ろまたは略正面の撮像画像を取得してもよい。
なお、上記各実施形態では、牛の肉付きとしてボディコンディションスコアを評価する場合を例に示したが、牛の肉付きを評価するその他の指標を評価する場合でもよい。また、図8、図13から図15は、乳牛に対する実験結果であるが、同様の骨格を有する肉牛も同様の結果になると考えられる。したがって、上記各実施形態は乳牛だけでなく肉牛にも適用できる。
以上、本願発明の実施形態について詳述したが、本願発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本願発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
12 表示部
14 操作部
16 通信部
18 撮像部
20 記憶部
22 制御部
30 画像取得部
32 抽出部
34 算出部
36 評価部
50、50a、50b、50c、50d、50e 撮像画像
51、51a、51b 抽出撮像画像
52 左上端点
54 右上端点
60 輪郭線
61a、61b 山部
62a、62b 頂点
63a、63b 第1曲線部
64a、64b 第2曲線部
66a、66b、66c、66z 第1接線
68a、68b、68c、68z 第2接線
80a、80b、80c 円
86a、86b、86c 第1線分
88a、88b、88c 第2線分
91 最上点
100 評価装置
図7(a)から図7(d)は、第1の実施形態において、山部61aの傾斜の度合いと、第1接線と第2接線がなす角度と、の関係を示す図である。図7(a)から図7(d)には、肉付きが異なる牛の撮像画像50から得られる輪郭線60の上部が模式的に示されている。図7(a)は、痩せている牛の輪郭線60を示し、図7(b)は、図7(a)の牛よりも太っている(肉付きの良い)牛の輪郭線60を示し、図7(c)は、図7(b)の牛よりも太っている(肉付きの良い)牛の輪郭線60を示し、図7(d)は、図7(c)の牛よりも太っている(肉付きの良い)牛の輪郭線60を示している。図7(a)から図7(d)には、第1曲線部63a上の点での第1接線と、第2曲線部64a上の点での第2接線と、がなす角度を、点の位置を異ならせつつ複数特定し、特定した複数の角度のうち最も小さい角度αminとなる第1接線66zと第2接線68zが示されている。

Claims (11)

  1. 立位にある牛を略真後ろまたは略正面から撮像した二次元の撮像画像を取得する画像取得部と、
    前記撮像画像から、前記牛の輪郭線を抽出する抽出部と、
    前記輪郭線の上部の左右両側に存在する2つの山部のうち少なくとも一方の山部の傾斜の度合いを示す指標値を算出する算出部と、
    前記算出部が算出した前記指標値から、前記牛の肉付きを評価する評価部と、を備える牛の評価装置。
  2. 前記山部は、前記山部の前記輪郭線上の略中央の点を頂点とし、前記頂点から一方側に伸びる第1曲線部と、前記頂点から他方側に伸びる第2曲線部と、を有し、
    前記算出部は、前記第1曲線部上の点から引いた第1接線と、前記第2曲線部上から引いた第2接線と、がなす角度を、点の位置を異ならせつつ複数特定し、特定した複数の角度から得られる値を、前記傾斜の度合いを示す指標値として算出する、請求項1に記載の牛の評価装置。
  3. 前記算出部は、特定した前記複数の角度のうち最も小さい角度を、前記傾斜の度合いを示す指標値として算出する、請求項2に記載の牛の評価装置。
  4. 前記算出部は、前記2つの山部各々で特定した前記複数の角度から得られる値の平均値又は合計値を、前記傾斜の度合いを示す指標値として算出する、請求項2に記載の牛の評価装置。
  5. 前記山部は、前記山部の前記輪郭線上の略中央の点を頂点とし、前記頂点から一方側に伸びる第1曲線部と、前記頂点から他方側に伸びる第2曲線部と、を有し、
    前記算出部は、前記頂点を中心とする円が前記第1曲線部に交わる第1の点と前記頂点とを結ぶ第1線分と、前記円が前記第2曲線部に交わる第2の点と前記頂点とを結ぶ第2線分と、がなす角度を、円の半径を異ならせつつ複数特定し、特定した複数の角度から得られる値を、前記傾斜の度合いを示す指標値として算出する、請求項1に記載の牛の評価装置。
  6. 前記算出部は、特定した前記複数の角度の標準偏差又は変動係数を、前記傾斜の度合いを示す指標値として算出する、請求項5に記載の牛の評価装置。
  7. 前記算出部は、前記円の半径の変化の大きさに対する前記複数の角度の変化の大きさの比を、前記傾斜の度合いを示す指標値として算出する、請求項5に記載の牛の評価装置。
  8. 前記2つの山部は前記牛の腰角に対応する部分である、請求項1から7のいずれか一項に記載の牛の評価装置。
  9. 前記評価部は、前記牛の肉付きの評価としてボディコンディションスコアを評価する、請求項1から8のいずれか一項に記載の牛の評価装置。
  10. 前記牛を撮像する撮像部を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の牛の評価装置。
  11. 立位にある牛を略真後ろまたは略正面から撮像した二次元の撮像画像から前記牛の輪郭線を抽出し、
    抽出した前記輪郭線の上部の左右両側に存在する2つの山部のうち少なくとも一方の山部の傾斜の度合いを示す指標値を算出し、
    算出した前記指標値に基づいて、前記牛の肉付きを評価する、
    処理をコンピュータが実行することを特徴とする牛の評価方法。
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