JP2023121446A - 乗用型芝刈り機 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明ではブレードモータで複数のモアブレードを駆動する乗用型芝刈り機において、各モアブレードの回転を同期する制御を簡略にして、刈芝の飛散が少なく収集作業が容易に出来るようにすることを目的とする。【解決手段】モアブレード1Bを装着する複数のモアブレード軸5A,5Bを軸支するモアデッキ1を設け、ブレードモータ7でモアブレード軸5A,5Bを駆動する乗用型芝刈り機において、ブレードモータ7を取り付けた変速ギヤケース5Lに軸支するモアブレード軸5Bを駆動すると共にメカ伝動機構8を介して他のモアブレード軸5Aを軸支する変速ギヤケース5Rに動力伝動することを特徴とする乗用型芝刈り機とする。【選択図】図8
Description
本発明は、動力源として車体に搭載したバッテリーで芝刈取部の電動モータを駆動する乗用型芝刈り機に関する。
特開2020―114号公報に記載の乗用型芝刈り機では、走行車体の前部下方に左右一対のモアブレードを装備するモアデッキを設け、モアデッキ上に載置した左右ブレードモータで各モアブレードを直接駆動するようにしている。
上記従来の乗用型芝刈り機では、左右一対のモアブレードをそれぞれ別のブレードモータで駆動しているので駆動力伝動が確実であるが、回転軌跡がラップする左右のモアブレードの回転速度を完全に同期させないと刈芝が飛散して収集が困難になる。そのために左右モアブレードの回転速度を検出したり左右ブレードモータの回転出力を制御したりして回転を同期するためにそれぞれの回転センサや制御装置が必要であった。
本発明ではブレードモータで複数のモアブレードを駆動する乗用型芝刈り機において、各モアブレードの回転を同期する制御を簡略にして、刈芝の飛散が少なく収集作業が容易に出来るようにすることを目的とする。
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1の発明は、モアブレード1Bを装着する複数のモアブレード軸5A,5Bを軸支するモアデッキ1を設け、ブレードモータ7でモアブレード軸5A,5Bを駆動する乗用型芝刈り機において、ブレードモータ7を取り付けた変速ギヤケース5Lに軸支するモアブレード軸5Bを駆動すると共にメカ伝動機構8を介して他のモアブレード軸5Aを軸支する変速ギヤケース5Rに動力伝動することを特徴とする乗用型芝刈り機とする。
請求項2の発明は、ブレードモータ7と複数の変速ギヤケース5L、5R及びメカ伝動機構8をモアデッキ1のケース平面上に設けたことを特徴とする請求項1に記載の乗用型芝刈り機とする。
請求項3の発明は、複数のモアブレード1Bで刈り取った刈芝をコレクタ11に送るシュータ17をモアデッキ1の左右の片側に設け、左右の他側にブレードモータ7を取り付けた変速ギヤケース5Lを設けたことを特徴とする請求項1に記載の乗用型芝刈り機とする。
請求項1の発明で、モアブレード1Bを装着したモアブレード軸5Bがブレードモータ7を装着した変速ギヤケース5Lで駆動され、さらに変速ギヤケース5Lからメカ伝動機構8を介して他の変速ギヤケース5Rに伝動されてそのモアブレード軸5Aが駆動されるので、1個のブレードモータ7の回転駆動で複数のモアブレード軸5A,5Bを同期回転させることが出来て、回転速度の検出と回転制御が簡単である。
請求項2の発明で、請求項1の効果に加えて、モアブレード1Bを取り付けたモアブレード軸5A,5Bを軸支するモアデッキ1の上面にブレードモータ7と変速ギヤケース5とメカ伝動機構8の動力伝動部が載置されて、これらの動力伝動部が芝の刈幅を覆うモアデッキ1から大きく食み出すことなくして芝の刈取に支障なく、刈取作業がスムースに行える。
請求項3の発明で、請求項1の効果に加えて、モアデッキ1の左右にシュータ17と変速ギヤケース5Lとブレードモータ7を左右バランス良く配置することで、モアデッキ1がバランス良く昇降し、刈跡が安定する。
以下、本発明の実施形態を図面に示す実施例で説明する。
まず、乗用型芝刈り機の構成及び作動について説明する。
本実施形態の乗用型芝刈り機は、図1乃至図3に示す如く、走行車体4の前側下部にリンクによりモアリフトシリンダ6L,6Rで昇降自在に連結したモアデッキ1と、その後側に刈り取られた芝草を吸引して搬送するブロワ12と、その後上側に刈り取られた芝草を収容するコレクタ11を備えている。
図7、8に示す如く、モアデッキ1の上部左右には、芝草を刈り取るモアブレード1Bを軸装した左右ブレード軸5A,5Bを垂直に軸支する左右変速ギヤケース5L,5Rを載置して、左右変速ギヤケース5L,5Rをメカ伝動機構8である伝動軸8Zで連結し、左変速ギヤケース5Lに装着するブレードモータ7で左右ブレード軸5A,5Bを駆動する。従って、ブレードモータ7の駆動力は、左ギヤケース5Lに垂直下方へ軸支する左ブレード軸5Bに伝動し、さらに左ギヤケース5Lから伝動軸8Zを介して右ギヤケース5Rに垂直下方へ軸支する右ブレード軸5Aに伝動して駆動する。
図9は、ブレードモータ7の配置を変更した実施例図で、(A)はブレードモータ7を左変速ギヤケース5Lの右側に設けた実施例、(B)はブレードモータ7を左変速ギヤケース5Lの右側で伝動軸8Zより下にした実施例、(C)はブレードモータ7を左変速ギヤケース5Lの右側で斜め前に設けた実施例、(D)はブレードモータ7を左変速ギヤケース5Lの右側で斜め後に設けた実施例である。図10は、ブレードモータ7の取付具体実施例で、モアデッキ1上に左支持ブラケット41と左変速ギヤケース5Lを取り付け、その側面にブレードモータ7を取り付ける。
なお、メカ伝動機構8は、図11に示す如く、左ブレード軸5Bに装着する左プーリ8P1と右ブレード軸5Aに装着しる右プーリ8P2に掛け回すタイミングベルト8Bで 、右変速ギヤケース5Rを逆転ギヤ伝動とする。
図12は、メカ伝動機構8をタイミングベルト8Bとした実施態様図で、(A)はブレードモータ7を左ギヤケース5Lの右側に設けた実施例、(B)はブレードモータ7を左ギヤケース5Lの左側に設けた実施例、(C)はブレードモータ7を右ギヤケース5Rに設けた実施例、(D)は右ギヤケース5Rを平ギヤの伝動で逆転させる実施例である。
図13は、上記のメカ伝動機構8で、ブレードモータ7の取付部側断面で、モアデッキ1上にモータ支持台40を取り付け、その上にブレードモータ7と左変速ギヤケース5Lを取り付けて、モータ支持台40の内下部で左ブレード軸5Bに左プーリ8P1を装着している。
図7の如く、モアデッキ1上の右側にはコレクタ11に通じるシュータ17を設け、モアデッキ1下部でモアブレード1Bが刈り取った芝草をブロワ12の吸引力でコレクタ11内へ搬送する。
コレクタ11はコレクタリフトシリンダ13L,13Rとコレクタダンプシリンダ14L,14Rで走行車体4に対して上昇して後方へダンプして内部の芝生を排出可能にしている。
コレクタ11の前側には運転席10が走行車体4に設けられている。この運転席10前側のハンドルポストには、操向操作用のステアリングハンドル9や、操作盤が設けられていて、図示を省略するが、ステップには、前進用ペダルと後進用ペダルの走行ペダル、ブレーキペダル等が設けられ、作業者が運転席10に座って操縦操作を行える。
コレクタ11の下側で走行車体4を構成する積載フレーム16を設け、その上にバッテリー15を載せ、さらに上にケーシングに納めたモータ制御ユニット27を搭載している。モータ用の電極をバッテリー15の上面に設け、配線をモータ制御ユニット27で覆い、配線がモータ制御ユニット27の側面から出る。バッテリー15は、追加して、運転席10の左右で前輪2L,2Rの上に分割して設け、カバーで覆った構成にしても良い。また、駆動用のバッテリー15の他に、ライトなどの電源として直流バッテリーを設けると良い。ブレードモータ7へのバッテリー15とモータ制御ユニット27からのコードは、シュータ17の外側面に沿って配線する。
図4は、左右前輪2L,2Rと後輪3L,3Rの動力伝動システムを示し、出力軸を前に向けた前輪駆動モータ20から前デフ機構21と左右減速機構22L,22Rを介して左右前輪2L,2Rに伝動し、出力軸を後に向けた後輪駆動モータ23から後デフ機構24と左右減速機構25L,25Rを介して左右後輪3L,3Rに伝動する。前輪駆動モータ20の回転が前軸回転センサ19Fで検出され、後輪駆動モータ23の回転が後軸回転センサ19Rで検出される。前輪駆動モータ20と後輪駆動モータ23が前後車軸の内側に配置されるので、走行車体4が長くならない。
なお、左右前輪2L,2Rと左右後輪3L,3Rを各別のホイル電動モータにする構成にしても良い。
図5は、各モータと各電動シリンダの制御ブロック図で、バッテリー15の電力がモータ駆動ユニット27で制御されて、前輪駆動モータ20と後輪駆動モータ23、ブレードモータ7、ブロワ12を駆動するブロアモータ12M、モアリフトシリンダ6L,6R、コレクタリフトシリンダ13L,13R、コレクタダンプシリンダ14L,14Rに電力が供給される。また、直流バッテリー29からライトやモータ制御装置30への電力が供給される。
モータ制御装置30には、前軸回転センサ19Fと後軸回転センサ19Rから回転数が入力し、前後進操作部31、ブレード操作部32、ブロア操作部33、モア操作部34、コレクタ昇降操作部35、コレクタダンプ操作部36の操作信号が入力し、2・4駆動自動切換え37から切換信号が入力し、ブレード軸(右)回転センサ38R、ブレード軸(左)回転センサ38L、コレクタリフト高さ位置センサ39のセンサ値が入力し、モータ制御装置30からモータ駆動ユニット27に制御信号が出力される。
2・4駆動自動切換え37は、二輪駆動で走行中に駆動側の回転数と非駆動側の回転数の比率から駆動輪のスリップ状態や非駆動輪のオーバーラン状態を判断して、スリップやオーバーラン時に四輪駆動にする制御である。
モータ制御装置30では次の制御が行われる。
まず、走行車体4の走行速度を減速・制動する場合には、前輪駆動モータ20と後輪駆動モータ23から回生電力がバッテリー15に充電され、四輪駆動から二輪駆動に切り換えると非駆動側のモータを発電モードに切り換えて回生電力がバッテリー15に充電される。
ブレード操作部32を入から切にしてブレードモータ7は回転停止にした時に発電モードに切り換えて制動停止時間を調整して、回生電力がバッテリー15に充電される。また、切刃が外力で回される時も発電モードにして回生電力をバッテリー15に充電する。
コレクタ昇降操作部35でコレクタリフトシリンダ13L,13Rを上昇にするとモータ駆動とし、降下にすると発電モードに切り換えて回生電力がバッテリー15に充電されるようにする。
図6は、バッテリー15の充電タイミングと走行可能表示のフローチャート図である。
バッテリー15はコンセント28で別電源に繋いで充電し、そのバッテリー15を充電するタイミングはバッテリー15の残容量が一定基準以下に低下するときであるが、前輪駆動モータ20と後輪駆動モータ23の走行モータを使用しているときの残容量基準と電動シリンダを使用しているときの残容量基準を別にして、走行モータ駆動とモアデッキ1の駆動>走行モータ駆動とモアデッキ1の停止>走行モータ停止とモアデッキ1の停止の三基準パターンで、軽負荷の時にはなるべく充電しないようにするとエンジン16の燃料消費を抑えることが可能になる。
なお、バッテリー15の残容量表示として、芝生の刈取走行作業、移動走行のみ、モアデッキ1の駆動のみでの続行可能時間を表示すると、エンジン16を停止したままで使用可能な時間を知ることが出来る。また、前輪駆動モータ20と後輪駆動モータ23とブレードモータ7及び各電動シリンダの使用可能な時間をカラー表示や点滅表示することも出来る。
乗用型芝刈り機を長期間使用しない場合は、バッテリー15を充電した状態で保存するが、その際は残容量が50%程度で充電するのがバーテリー保存に良い。このために、充電開始スイッチを設け、この充電開始スイッチを長押しすると長期保存用の充電を開始するようにする。バッテリーの長期保存制御は、充電開始スイッチを押して残容量が50%以下で充電ランプを点灯して開始し終了すると充電ランプを消灯する。
芝刈り作業のシーズン以外で、乗用型芝刈り機を長期間使用しない場合に、バッテリー15を長期保存用に充電するモードを設けている。バッテリー15を充電回路を通して外部電源に接続して充電スイッチを長押しすると、充電率を50%に設定し、充電率が設定率になると充電中ランプを消して自動で充電を終了する。開始時に充電率が50%以上であれば充電を開始しない。
図14は、ブレードモータ7の消費電流を検出して機体の走行速度を変更制御する走行速度の制御フローチャート図である。
ステップS1で、走行ペダルを80~100%踏み込むと前輪駆動モータ20と後輪駆動モータ23が最大車速10km/hとなるように設定する。ブレードモータ7は、定格2500rpmとする。
ステップS2でブレードモータ7の消費電流が70A以上が3秒以上続くと、ステップS3で走行ペダルを50~100%踏み込むと前輪駆動モータ20と後輪駆動モータ23が最大車速5km/hとなるように設定する。
ステップS4でさらにブレードモータ7の消費電流が70A以上が3秒以上続くと、ステップS5で走行ペダルを0~100%踏み込むと前輪駆動モータ20と後輪駆動モータ23が最大車速0km/hとなるように設定、つまり走行停止する。そして、クリーナレバーで刈芝の詰りを除去する。
ステップS6で停止でなければ、ステップS2の前に戻る。
なお、この乗用型芝刈り機は、後進刈り規制としてモーメンタリスイッチを押しながら後進ペダルを踏む。モーメンタリスイッチが押されなかった場合は、車速を0.3m/sに規制する。
1 モアデッキ
1B モアブレード
5L、5R 変速ギヤケース
7 ブレードモータ
8 メカ伝動機構
17 シュータ
1B モアブレード
5L、5R 変速ギヤケース
7 ブレードモータ
8 メカ伝動機構
17 シュータ
Claims (3)
- モアブレード(1B)を装着する複数のモアブレード軸(5A,5B)を軸支するモアデッキ(1)を設け、ブレードモータ(7)でモアブレード軸(5A,5B)を駆動する乗用型芝刈り機において、ブレードモータ(7)を取り付けた変速ギヤケース(5L)に軸支するモアブレード軸(5B)を駆動すると共にメカ伝動機構(8)を介して他のモアブレード軸(5A)を軸支する変速ギヤケース(5R)に動力伝動することを特徴とする乗用型芝刈り機。
- ブレードモータ(7)と複数の変速ギヤケース(5L、5R)及びメカ伝動機構(8)をモアデッキ(1)のケース平面上に設けたことを特徴とする請求項1に記載の乗用型芝刈り機。
- 複数のモアブレード(1B)で刈り取った刈芝をコレクタ(11)に送るシュータ(17)をモアデッキ(1)の左右の片側に設け、左右の他側にブレードモータ(7)を取り付けた変速ギヤケース(5L)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の乗用型芝刈り機。
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Applications Claiming Priority (1)
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