JP2023120014A - 浴槽の洗浄方法及び洗浄エアゾール製品 - Google Patents

浴槽の洗浄方法及び洗浄エアゾール製品 Download PDF

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Abstract

【課題】浴槽を簡単に洗浄することが可能となる浴槽の洗浄方法及び洗浄エアゾール製品を提供することを目的とする。【解決手段】回転可能に支持されたアクチュエータを有する洗浄エアゾール製品の前記アクチュエータの回転軸を浴槽の底面に略垂直な状態で、前記アクチュエータを回転させながら内容物を噴射させることにより、前記浴槽に泡を付着させることを特徴とする、浴槽の洗浄方法及びこれに用いられる洗浄エアゾール製品である。【選択図】図2

Description

本発明は、浴槽の洗浄方法及び洗浄エアゾール製品に関する。
近年、生活スタイルの多様化に伴い、家事の時間短縮や省力化が求められている。特にお風呂掃除(浴槽の洗浄)の負担は大きいと言われており、時間短縮や省力化の要請が高い。
浴槽の内壁面には、例えば、脂肪酸金属塩、遊離脂肪酸、グリセライド、窒素化合物等の有機物、及び泥等の無機物が汚れとして付着するから、浴槽の洗浄には、液体洗浄剤が用いられることが多い。通常、このような液体洗浄剤をスポンジ等に含浸させて内壁面を擦るか、又は、このような液体洗浄剤を内壁面に噴霧した後に内壁面をスポンジ等で擦ることにより、浴槽の内壁面を洗浄することが行われている。しかしながら、内壁面を擦って洗浄することは、清掃をする者に大きな負担がかかる。
そこで作業負担の軽減のために、近年、トリガー式のスプレーを用いて浴槽の内壁面に洗浄剤を噴霧することにより、スポンジ等による擦り洗いをすることなく内壁面の洗浄を可能とする、いわゆる「擦らず落とす」タイプの洗浄剤も提案されている。
特許文献1には、トリガー式スプレー容器から噴霧した液体洗浄剤により浴槽の内壁面等の被洗浄面を洗浄する方法において、トリガー式スプレー容器を水平方向に動かしながら洗浄剤を噴霧することによって、一吹きで50cm以上の範囲にわたる噴霧を可能とする洗浄方法が記載されている。
特開2017-225970号公報
しかしながら、特許文献1のトリガー式スプレー容器によっても、清掃をする者(以下、用具を用いて清掃をする者を「使用者」という。)は、何度もトリガーをひかないと浴槽の内壁面の全面に液体洗浄剤を噴霧することができない。例えば、規格で規定されている1600mmの幅を有するユニットバスに取り付けられる浴槽を洗浄する場合、4つの内壁面のうち長辺方向に延伸する内壁面は1400mm程の長さを有するから、使用者は、長さ方向に3回以上トリガーを引く動作を、高さを異ならせて、複数回繰り返さなければ、1つの内壁面の全面にすら液体洗浄剤を噴霧することができない。
さらに内壁面に噴霧された液体洗浄剤の視認性が悪いため、重複した領域に液体洗浄剤を噴霧してしまうこともある。
加えてトリガーのひき始めとひき終わりとで噴霧量の変動が大きいため、噴霧量のむらも生じ得る。
そこで本発明は、浴槽の内面、特に浴槽の内壁面を簡単に洗浄することが可能となる浴槽の洗浄方法及び洗浄エアゾール製品を提供することを目的とする。
本出願の発明者らは、鋭意研究を行った結果、以下に記載された本発明の浴槽の洗浄方法により上記課題を解決可能なことを見出した。
すなわち本発明は、回転式のアクチュエータを有する洗浄エアゾール製品の前記アクチュエータの回転軸を浴槽の底面に略垂直な状態で、前記アクチュエータを回転させながら内容物を噴射することにより、前記浴槽に泡を付着させることを特徴とする、浴槽の洗浄方法である。ここで浴槽に泡を付着させることは、浴槽の内壁面の全周に泡を付着させることを含んでもよい。
このような方法によれば、アクチュエータは回転しながら内容物を噴射するから、浴槽(浴槽の内壁面を含む)に泡を付着させることが可能となる。
なお「内壁面の全周に泡を付着させる」とは、概ね内壁面の全周にわたって泡を付着させる場合を含み、ここで泡と泡の間には、内壁面が露出する部分があってもよい。
上記された浴槽の洗浄方法において、前記浴槽の内壁面の全周に泡を付着させることは、内部に噴射剤と前記内容物とを収容する容器と、前記容器の内部に連通するチューブと、前記チューブの延伸方向を回転軸として回転可能に支持され、前記回転軸から離間する方向に延伸する延伸部を有し、前記延伸部の表面に前記チューブに連通する開口孔が形成された前記アクチュエータとを備える洗浄エアゾール製品を用いて、前記チューブの延伸方向が前記浴槽の底面に略垂直な状態で、かつ、前記アクチュエータの回転軸が前記浴槽の底面に略垂直な状態で、前記アクチュエータを回転させることを含んでもよい。
このような方法によれば、洗浄エアゾール製品はチューブを備える。このため使用者は、チューブの延伸方向が真っ直ぐ浴槽の底面を向くようにして内容物を噴射することにより、内壁面の概ね同じ高さに泡を付着させることが可能となる。ただし洗浄エアゾール製品のチューブ長さは、用途に応じて調整可能であり、例えば、本実施形態に例示されるチューブの長さと比較して、短くても長くてもよい。また、洗浄エアゾール製品は、チューブを備えなくてもよい。
上記されたいずれかの浴槽の洗浄方法において、前記浴槽の内壁面の全周に泡を付着させることは、平面視において前記浴槽の底面の中心部上の領域に回転ノズルが位置した状態で、前記アクチュエータを前記浴槽の内壁面に略平行に実質的に移動させることなく、前記アクチュエータを回転させることを含んでもよい。
上記されたいずれかの浴槽の洗浄方法において、前記浴槽の内壁面の全周に泡を付着させることは、平面視において前記浴槽の底面の中心部上の領域に回転ノズルが位置した状態で、前記アクチュエータを前記浴槽の内壁面に略平行に実質的に移動させることなく、かつ、前記アクチュエータを前記浴槽の底面に略垂直な方向に移動させながら、前記アクチュエータを回転させることを含んでもよい。
上記されたいずれかの浴槽の洗浄方法において、前記浴槽の内壁面の全周に泡を付着させることは、前記アクチュエータを前記浴槽の底面から離間する方向に移動させながら、前記アクチュエータを回転させることを含んでもよい。
上記されたいずれかの浴槽の洗浄方法において、前記浴槽の内壁面の全周に泡を付着させることは、前記アクチュエータを前記浴槽の内壁面に略平行に移動させながら、前記アクチュエータを回転させることを含んでもよい。
前記アクチュエータを前記浴槽の内壁面に略平行に移動させながら、前記アクチュエータを回転させることは、前記アクチュエータを前記浴槽の内壁面及び底面に略平行に移動させながら、前記アクチュエータを回転させることを含んでもよい。
このような方法によれば、前記浴槽の内壁面の略全面に泡を付着させることが可能となる。
上記されたいずれかの浴槽の洗浄方法において、前記浴槽の内壁面の全周に泡を付着させることは、前記浴槽の上端に接する平面よりも上方の空間において前記アクチュエータを回転させながら内容物を噴射させることにより、前記浴槽の内壁面の全周に泡を付着させることを含んでもよい。
このような方法によれば、前記浴槽の内壁面の上部に泡を付着させる際に、誤って泡が使用者にかかる可能性を低減することが可能となる。
上記されたいずれかの浴槽の洗浄方法において、前記容器に収容される前記内容物の摂氏25度における粘度は、20mPa・s以下であることが好ましく、10mPa・s以下であることがより好ましく、5mPa・s以下であることが更に好ましい。一方で、内容物の粘度が大きくなると、内容物が下方に落下したり、アクチュエータの回転が妨げられたりすることがある。このため、内容物の粘度は、上記範囲内であることが好ましい。
上記されたいずれかの浴槽の洗浄方法において、摂氏20度における前記容器の内圧は、0.3MPa以上であることが好ましく、0.4MPa以上であることがより好ましく、0.5MPa以上であることが更に好ましい。一方で、容器の内圧が低くなると、アクチュエータの十分な回転が得られないことがある。このため、容器の内圧は、上記範囲内であることが好ましい。
また、容器内の洗浄剤〔x〕と噴射剤〔y〕との液ガス比〔容量比:x/y〕は、〔x/y〕=95/5~50/50とでき、例えば70/30でよく、より好ましくは80/20でよく、さらに好ましくは90/10でよい。容器内の液ガス比が上記範囲内であると、内容物の被洗浄面への付着が良いので好ましい。
上記されたいずれかの浴槽の洗浄方法において、前記開口孔の面積は、0.5mm2以上3.5mm2以下であることが好ましく、0.6mm2以上3.0mm2以下であることがより好ましく、0.6mm2以上1.6mm2以下であることがさらに好ましい。開口孔の面積が0.5mm2より小さいと細かい粒子が舞いやすくなることがあり、3.5mm2より大きいと飛距離が低下し内容物が下方に落下しやすくなることがある。このため、開口孔の面積は上記範囲内であることが好ましい。
上記されたいずれかの浴槽の洗浄方法において、前記浴槽の対向する内壁面間の最大距離は1000mm以上であってよい。
上記されたいずれかの浴槽の洗浄方法は、内壁面に水をかけることにより、内壁面に付着した泡を洗い流すことによって内壁面を擦ることなく洗浄することを含んでよい。
更に本発明は、上記されたいずれかの浴槽の洗浄方法を実行可能に構成される洗浄エアゾール製品を含む。この洗浄エアゾール製品は、回転可能に支持された前記アクチュエータと、前記内容物を収容する容器とを備える。
この洗浄エアゾール製品は、内部に噴射剤と前記内容物とを収容する容器と、前記容器の内部に連通可能に構成されるチューブと、前記チューブの延伸方向を回転軸として回転可能に支持され、前記回転軸から離間する方向に延伸する延伸部を有し、前記回転軸から離間した部分の表面に前記チューブに連通する開口孔が形成された前記アクチュエータとを備えてもよい。ただし洗浄エアゾール製品のチューブ長さは、用途に応じて調整可能であり、例えば、本実施形態に例示されるチューブの長さと比較して、短くても長くてもよい。また、洗浄エアゾール製品は、チューブを備えなくてもよい。
上記されたいずれかの洗浄エアゾール製品において、前記延伸部は、前記回転軸から離間する方向に延伸する中心軸を有するように形成されてよく、例えば円筒状に形成されてよい。また、前記開口孔は、前記延伸部の先端面に形成されてよく、例えば前記円筒状に形成された前記延伸部の先端面に形成されてよい。
前記開口孔は、前記チューブの中心軸線及び少なくとも一つの前記延伸部の前記中心軸を含む第1平面と平行で、かつ、チューブの中心軸線に垂直な方向から回転ノズルを見た側面視において、前記第1平面と垂直で、かつ、前記先端面の中心を通過する第2平面と、前記開口孔の中心と前記先端面の中心とを結ぶ直線とのなす角である噴口角が0度より大きく形成されてよく、噴口角が1度以上45度以下であることがより好ましく、噴口角が10度以上30度以下であることが更に好ましい。
前記開口孔は、前記第1平面と交わらないように設けられてよい。
前記開口孔は、前記第2平面と交わらず、かつ、前記第2平面よりも先端側の位置に設けられてよい。
上記されたいずれかの洗浄エアゾール製品は、対向する内壁面間の最大距離が1000mm以上有する前記浴槽の内壁面の全周に泡を付着させることが可能に構成されてよい。
前記洗浄エアゾール製品において、前記延伸部は、前記回転軸を基準とする回転対称に2以上設けられてよい。
一実施形態に係る洗浄エアゾール製品の外観図である。 一実施形態に係る洗浄エアゾール製品の噴射部の断面図である。 一実施形態に係る浴槽の洗浄方法を説明するための模式的な断面図である。 一実施形態に係る洗浄エアゾール製品を用いて浴槽を洗浄している様子を示す図である。 一実施形態に係る洗浄エアゾール製品の噴口角を示す側面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施形態のみに限定する趣旨ではない。
図1は本実施形態に係る洗浄エアゾール製品10の外観図を示し、図2は洗浄エアゾール製品10の噴射部30の断面図を示している。なお図1に示されるように容器20の延在方向(容器が円筒状に形成される場合は、円筒の中心軸線方向)を第1方向D1と呼び、さらに同図の紙面上方を第1方向D1上方、紙面下方を第1方向D1下方と呼ぶ場合がある。また、噴射部30が備えるチューブ32の延伸方向(チューブ32の中心軸線方向)を第2方向D2と呼び、同図の紙面左方を第2方向D2前方、紙面右方を第2方向D2後方と呼ぶ場合がある。本実施形態において、第1方向D1は第2方向D2と略垂直である。
洗浄エアゾール製品10は、気化した液化ガス(「噴射剤」の一例)または圧縮ガス(「噴射剤」の一例)の圧力によって内容物を泡状にして噴射可能に構成されている。図1に示されるように本実施形態に係る洗浄エアゾール製品10は、内部に噴射剤と内容物とを収容する容器20と、容器20に収容される内容物を噴射するために回転可能に支持された回転ノズル34(「アクチュエータ」の一例)を備える噴射部30とを備える。
容器20は、例えば円筒状に形成される金属製の缶である。容器20には、液体の内容物(以下、「内容液」という場合がある。)と噴射剤が圧力のかかった状態で収容されているため、ボタン36が操作されると、内容物と噴射剤の混合物が、チューブ32を通って回転ノズル34に設けられた開口孔Hから一気に放出され、減圧による噴射剤の急激な膨張によって内容物が泡となって噴射する。容器20に収容される噴射剤及び内容物の組成等については後述する。
噴射部30は、内容物を外部に噴射するときに生じる反力によって回転可能に支持されている回転ノズル34を備えている。
本実施形態に係る洗浄エアゾール製品10の噴射部30には、内部に通路が設けられ、ボタン36が操作されていない不使用時においてこの内部通路と容器20内部とを閉止し、ボタン36が操作されている使用時においてこの内部通路と容器20内部とを開放して両者を連通させるステムを含むバルブ(不図示)と、ステムの上端部と係合することによってステムの内部通路と連通する内部通路が設けられ、使用者の操作によってステムを移動させることによりステムの内部通路と容器20内部とを連通させるためのボタン36と、容器20の上端部と係合してボタン36を包囲するように設けられたキャップ38と、ボタン36の端部と係合することによってボタン36の内部通路と連通する噴口が設けられる噴口部42(図2)と、噴口部42と係合することによって使用時に噴口部42、ボタン36及びステムを介して容器20内部と連通可能に設けられる内部通路が設けられたチューブ32と、チューブ32の基端部に設けられボタン36と係合することによってチューブ32をボタン36と脱着可能に連結させるためのジョイント40と、チューブ32の先端部と係合することによってチューブ32の内部通路と連通する内部通路が設けられ、チューブ32の中心軸線上に回転軸を有し、容器20に収容される内容物を噴射するための開口孔Hが設けられた回転ノズル34を備える。本実施形態において回転ノズル34は、チューブ32の中心軸線上に回転軸を有しチューブ32に対して回転可能に支持されたスピナー34Aと、スピナー34Aの延伸部34A2(図2)に係合することによってスピナー34Aの内部通路と連通し、内容物を外部に噴射するための開口孔Hが設けられたノズル34Bとを備える。但し、スピナー34Aとノズル34Bとを一体成形等により単一の部品として設けてもよい。
ステムは、知られた構成を有し、例えば、中空の円筒状乃至円環状に設けられる。ステムは、不使用時においては内部通路と容器20内部とを閉止して設けられ、使用者によってボタン36のトリガーがひかれると第1方向D1下方に移動することによって、閉塞されていたステム孔を開放し、使用時においては内部通路と容器20内部とを連通可能に構成されている。
ボタン36は、使用者が把持することにより揺動可能に設けられたトリガーを備えている。使用者がトリガーをひくことにより、ステムが移動しステムの内部通路と容器20内部とが連通するように構成されている。このためトリガーがひかれると、ステムの内部通路に連通するチューブ32の内部通路と容器20内部とが連通しチューブ32を介して容器20の内容物が外部に噴射可能に構成されている。ただし、ボタン36は必ずしもトリガーを備えていなくてもよく、例えば、使用者が押下する噴射ボタンを備えた構成を備えてもよい。例えば洗浄エアゾール製品は、使用時にチューブの内部通路と容器20内部とを連通させるためのその他の構成を備えてもよい。
チューブ32は、内容物を回転ノズル34まで運ぶための部材である。本実施形態に係るチューブ32は、第1方向D1と垂直な第2方向D2に延伸する。チューブ32が、容器20の第1方向D1の長さの少なくとも半分以上の長さを有する場合、後述するように、使用時に回転ノズル34から噴射して内容物から形成される泡が、誤って使用者にかかる可能性を低減することが可能となる。ただし、チューブ32は必ずしも必要ではない。たとえば、ボタン36に直接回転ノズル34を係合してもよく、必要によりアダプタ44等の他の部品を介して、ボタン36に回転ノズル34を係合してもよい。
本実施形態に係るチューブ32はさらに、容器20を含む洗浄エアゾール製品の本体部分に対して着脱可能に設けられている。具体的には、チューブ32の第2方向D2後方側の基端部を嵌合させることによりチューブ32に取り付けられたジョイント40に雌ねじを設け一方でボタン36の第2方向D2前方側のチューブ32との係合部に雄ねじを設け、ジョイント40の雌ねじをボタン36の雄ねじと螺合させることによりチューブ32をボタン36に連結可能(係合可能)に構成されている。チューブ32とボタン36が連結されたとき、チューブ32の内部通路は噴口部42の噴口と連通するように設けられているから、チューブは容器20内部に連通可能に構成されている。
容器20を含む洗浄エアゾール製品の本体部分に着脱自在にチューブ32を設けることにより、浴槽の内壁面を洗浄する際にはチューブを本体部分に取り付けて回転ノズル34から泡を内壁面に吹き付け、浴槽の内壁面以外の部分や内壁面の汚れがひどい部分を洗浄する際にはチューブ32を本体部分から取り外して噴口から直接泡を吹き付けることにより、2通りの形態で洗浄を行うことが可能となる。
なお、チューブの着脱方法は本実施形態に限らず、係合部の圧入等既知の方法により、内容物と噴射剤が漏れないようにすればよい。また、ボタン内部の流路を切り替え、チューブ側、噴口側での噴射を切り替えることも可能である。
回転ノズル34は、内容物を外部に噴射するときに生じる反力によって回転しながら内容物を噴射する部材である。本実施形態に係る回転ノズル34は、スピナー34Aとノズル34Bとを備える。
スピナー34Aは、チューブ32の第2方向D2前方端部に取り付けられたアダプタ44を介して、チューブ32の中心軸線上に回転軸を有してチューブ32に対して回転可能に支持されている。
スピナー34Aは、第2方向D2前方に延伸し、チューブ32の内部通路に連通する内部通路が形成された基部34A1と、基部34A1と一体的に成形され基部34A1の内部通路と連通する内部通路が形成され、回転軸(中心軸線)から離間する方向に延伸する円環状の延伸部34A2を有する。本実施形態においては、回転軸(中心軸線)を基準として180度回転対称に2つの延伸部34A2が設けられている。このように回転対称に延伸部34A2を備える構成によって、スピナー34Aを安定して回転させることが可能となる。加えて本実施形態において延伸部34A2は、回転軸(中心軸線)に対して垂直に延伸するのではなく、(チューブ32から中心軸線方向に離間する方向である)第2方向D2前方に傾斜して設けられる。このような構成とすることにより内容物が通過する流路の抵抗を低く抑え内容物を勢いよく噴射させることが可能になるとともに、内容物を第2方向D2前方にも進行するように噴射させることが可能となるから、噴射した内容物が使用者自らにかかってしまうことを抑制することが可能となる。
ノズル34Bは、図1に示されるようにスピナー34Aの延伸部34A2の先端に被せられることにより延伸部34A2の端部開口を閉塞する。ノズル34Bには開口孔Hが形成されているため、容器20からステム、ボタン36、噴口部42、チューブ32及びスピナー34Aの各内部通路を通過した内容物を開口孔Hから外部に噴射することが可能に構成されている。開口孔Hは内容物が噴射するときの反力により回転ノズル34が回転するように設けられている。具体的には、開口孔Hは、回転軸(中心軸線)の方向と平行な方向から見たときに、回転軸(中心軸線)と開口孔Hとを結ぶ直線に対して垂直な成分を有する方向に内容物を噴射させるように開口孔Hが設けられている。さらに具体的には、例えば法線が回転軸(中心軸線)と開口孔Hとを結ぶ直線に対して垂直な成分を有する傾斜面を設け、この傾斜面に開口孔Hを形成することにより、内容物が噴射するときの反力により回転ノズル34を回転させることが可能になる。
以上のような構成を備える洗浄エアゾール製品10を用いることにより、以下に記載されるような浴槽の洗浄方法を実行することが可能である。以下、例えば、浴槽の内壁面又は底面の少なくとも一方を洗浄可能な本実施形態に係る浴槽の洗浄方法について説明する。
図3は、本実施形態に係る浴槽の洗浄方法を説明するための模式的な断面図である。浴槽Bは、例えば、規格で規定されている1600mmの幅を有するユニットバスに取り付け可能に構成されており、平面視(上面視)で矩形状をなす4つの内壁面と、各内壁面に接続する矩形状をなす底面BTとを有する。ここで4つの内壁面を総称して内壁面Wと呼び、各内壁面を内壁面W1等と呼ぶ。同図には、内壁面Wのうち、内壁面W1と、内壁面W1に対向する内壁面W2と、内壁面W1と内壁面W2とを接続する内壁面W3と、これら各内壁面の下端部に接続する底面BTとが示される。内壁面W1と内壁面W2とは平面視において短辺方向に延伸する2つの平坦な内壁面であり、上端部において例えばおよそ140cm、底面BTに接続する下端部において例えばおよそ120cmの間隔をおいてお互いに対向する。内壁面W3は平面視において長辺方向に延伸する2つの内壁面の1つであり、上端部において例えばおよそ140cm、下端部において例えばおよそ120cmの幅を有する。
同図に示されるように底面BTの中心部を領域AR1と呼ぶ。また、同図において領域AR1から内壁面W1(W2)に向かっておよそ25cm以下の底面BT上の領域、すなわち内壁面Wと底面BTを接続するコーナー部からおよそ35cm以上離間した底面BT上の領域を領域AR2と呼び、内壁面Wと底面BTを接続するコーナー部からおよそ1cm以上15cm以下の高さを有する内壁面W1及び内壁面W2上の領域を領域AR3と呼び、内壁面Wと底面BTを接続するコーナー部からおよそ15cmより大きくおよそ30cm以下の高さを有する内壁面W1及び内壁面W2上の領域を領域AR4と呼び、内壁面Wと底面BTを接続するコーナー部からおよそ30cmより大きい高さを有する内壁面W1及び内壁面W2上の領域を領域AR5と呼ぶ。
このような浴槽Bの内壁面Wで囲まれる領域に、洗浄エアゾール製品10の回転ノズル34を回転軸が浴槽Bの底面BTに略垂直な状態で配置して、回転ノズル34を回転させながら内容物を噴射することにより、内壁面Wの全周に泡を付着させることが可能となる。なお図2に示される回転ノズル34のスピナー34Aの延伸部34A2は、やや第2方向D2前方に傾斜するように設けられているが、これに限られるものではなく、図3に示されるように回転ノズルの延伸部は、第2方向D2に対して略垂直に延伸するように設けてもよい。図2に示される態様の回転ノズル34を用いてもよいことから、図3に示される回転ノズルも、回転ノズル34と呼ぶ場合がある。
具体的には使用者は、チューブ32の延伸方向が真っ直ぐ(略垂直に)浴槽Bの底面BTを向くようにして、換言すると、チューブ32の延伸方向である第2方向D2が浴槽Bの底面BTと略垂直な状態となるようにして、洗浄エアゾール製品10の第2方向D2前方端部に相当する回転ノズル34を内壁面Wで囲まれ、底面BTの中心部である領域AR1に近接する空間に差し入れる。回転ノズル34の回転軸は第2方向D2と略平行であるから、このとき回転ノズル34の回転軸は、浴槽Bの底面BTに略垂直な状態となる。
次いで使用者は、ボタン36に設けられたトリガーをひく。するとバルブのステムが移動して、それまで閉塞されていたステム孔が開放される。その結果、高圧の容器20内部と、大気圧下の噴射部30の内部通路(バルブ(ステム)、ボタン36、噴口部42、チューブ32及び回転ノズル34の各内部通路)が連通する。このため容器20内部の噴射剤の圧力によって、内容物は、バルブ(ステム)、ボタン36、噴口部42、チューブ32及び回転ノズル34の各内部通路を通過して外部に噴射する。開口孔Hは内容物が噴射するときの反力により回転ノズル34が回転するように設けられているから、内容物の噴射によって回転ノズル34は回転する。
内容物の噴射によって内容物(内容液)に溶けている噴射剤が大気圧下で気化して泡沫が生成される。このように噴射剤は、内容物を外部に噴射するための加圧剤とともに泡を生成するための発泡剤として機能する。
回転ノズル34は、浴槽Bの底面BTに略垂直な回転軸に従って回転しながら、開口孔Hから内容物を噴射させるため、各内壁面W1乃至内壁面W4の概ね同じ高さの領域には、泡が付着することとなる。このため、使用者は回転ノズル34を浴槽Bの底面BTに向けた状態でボタン36を操作するだけで(本実施形態においてはボタン36のトリガーをひくだけで)、内壁面Wの全周にわたって泡を付着させることが可能となる。
次いで使用者は、トリガーをひいたまま回転ノズル34を底面BTから離間する方向に、すなわち、第2方向D2後方に回転ノズル34を移動させる。このように底面BTに略垂直な回転軸を維持して回転させながら回転ノズル34を浴槽Bの底面BTから離間する方向に移動させることにより、内壁面Wの異なる高さの領域にも泡を付着させることが可能となる。
なお最初に泡を付着させた内壁面Wの高さが十分に低くない場合、使用者は、トリガーをひいたまま、一旦回転ノズル34を底面BTに接近する方向に、すなわち、第2方向D2前方に回転ノズルを移動させて内壁面W1の下端部に泡を付着させたのち、トリガーをひいたまま回転ノズル34を今度は底面BTから離間する方向に、すなわち、第2方向D2後方に回転ノズルを移動させてもよい。このような上下動を一回又は複数回繰り返すことにより、洗浄エアゾール製品10を上下動させるだけで内壁面Wにムラなく泡を付着させることが可能となる。
図4は本実施形態に係る洗浄エアゾール製品10を用いて浴槽Bを洗浄している様子を示している。同図に示されるように、内壁面Wの概ね同じ高さの領域に、内壁面Wの全周にわたって泡を付着させることが可能となる。泡は容易に視認可能であるから、使用者は底面BTから離間する方向に、すなわち、第2方向D2後方に回転ノズルを移動させることに伴って内壁面Wの泡の付着位置が上方に移動することを視認することが可能となる。このため、使用者は、内壁面Wの上端付近まで好適に泡を付着させることが可能となる。このようにボタン36のトリガーを引いた状態で洗浄エアゾール製品10を第2方向D2前方又は後方に移動させることにより、内壁面Wの略全面にまんべんなく泡を付着させることも可能となる。
なお、噴口角は、好ましくは1度以上、より好ましくは4度以上、さらに好ましくは10度以上であってもよい。内容物を第2方向D2の垂直方向に噴射させると、内壁面Wの上端部に泡を付着させる際に誤って泡が使用者自身にかかってしまう可能性があるため、本実施形態に係る洗浄エアゾール製品10は、内容物が第2方向D2に垂直に進行しながらやや第2方向D2前方に進行する、傾斜する方向に進行するように構成されている。このような構成の洗浄エアゾール製品10を用いることによって、浴槽Bの上端に接する平面PL(図3)よりも上方の空間において回転ノズル34を回転させながら内容物を噴射させることにより、浴槽Bの内壁面W上部の全周にわたって泡を付着させることが可能となる。そしてこのような洗浄方法を実行することにより、誤って泡が使用者自身にかかってしまう可能性を低減することが可能となる。
その後内壁面Wに付着した泡に水をかけて洗い流すことにより、浴槽Bの内壁面Wの洗浄を完了することが可能となる。なお回転ノズル34を浴槽Bの底面BTに接近させることにより、底面BTに泡を付着させることが可能となる。なお、噴口角を例えば20度以上とすることにより、底面BTに泡を付着させることが容易となる。内壁面Wに付着していた泡を流して底面BTにも泡を行き渡らすことによって、底面BTを洗浄することも可能である。これに限られるものではなく、例えば、チューブ32を取り外して直接噴口部42から底面BTに向かって内容物を噴射してもよい。このように本実施形態に係る洗浄エアゾール製品10は、回転ノズル34が取り付けられたチューブ32を取り外し可能に構成したから、チューブ32を取り外して第2方向D2に内容物を噴射させる第1態様と、第2方向D2に延伸するチューブ32を取り付けてチューブ32の中心軸線から離間する外径方向に全周にわたって内容物を噴射させる第2態様を共に実行可能に構成されている。従って浴槽の内壁面以外の部分の洗浄にも使用可能である。
ただし第1態様については(第2態様の噴射に影響が無い範囲で)、用途に応じて上記とは異なる様々な噴射パターンを選択してよい。例えば、内容物をミスト状とする構成を採用したり、複数方向への噴射可能な構成としてもよいし、線状にフォームを塗布可能な構成等を搭載することも可能である。
以上のように本実施形態に係る洗浄エアゾール製品10を用いた洗浄方法を実行することにより、使用者は、浴槽の内壁面を簡単に洗浄することが可能となる。何十回もトリガーをひく必要があるトリガー式スプレー容器を用いた洗浄と異なり、最小の場合、たった一回のボタン36操作で内壁面Wの全面に泡を付着させることが可能となるから、力の弱い使用者であっても浴槽洗浄に伴う肉体的及び精神的負担を極めて小さくすることが可能となる。
加えて洗浄エアゾール製品10の高さを変えるだけで、内壁面Wの全面に泡を付着させることが可能となるから、浴槽Bの洗浄に要する時間を大幅に短縮することも可能となる。
さらに、噴霧量のムラや、重複した領域に液体洗浄剤を噴霧してしまうといった問題も抑制することが可能となる。
なお本実施形態は、4つの平坦な内壁面W1乃至内壁面W4を有する浴槽Bを洗浄する場合について説明したがこれに限られるものではない。例えば、上面視(平面視)において円形の内壁面(円柱状又は円錐面状の内壁面)その他の内壁面を有する浴槽に本発明を適用してもよい。例えば、浴槽が円形状の内壁面を有する場合、底面は略円形になる。また、浴槽に限るものではなく、内壁により囲まれた空間であれば、同様に本発明を適用することができる。例えば、洗面台、排水口、便器、キッチンシンク、洗濯槽等が挙げられる。例えば本出願は、回転式のアクチュエータを有する洗浄エアゾール製品の前記アクチュエータの回転軸を被洗浄物の底面に略垂直な状態、又は、被洗浄物の内壁面に略平行な状態で、前記アクチュエータを回転させながら内容物を噴射することにより、前記被洗浄物に泡を付着させることを特徴とする、被洗浄物の洗浄方法を開示する。ここで被洗浄物に泡を付着させることは、被洗浄物の内壁面の全周に泡を付着させることを含んでもよい。
このような態様によれば内容物をアクチュエータの回転軸を含む直線を中心軸とする円錐状に進行させることが可能となるから、そのような円錐の頂角が大きくなるように(例えば60度以上)構成された洗浄エアゾール製品においては、好適に被洗浄物の内壁面の全周に泡を付着させることが可能となり、そのような円錐の頂角が小さくなるように(例えば60度未満)構成された洗浄エアゾール製品においては、好適に底面に円環状の泡を付着させることが可能となる。
[内容物及び噴射剤]
<エアゾール組成物>
つぎに、本実施形態における内容物である洗浄剤、及び噴射剤を含む、エアゾール組成物について説明する。本実施形態の洗浄エアゾール製品は、界面活性剤、溶剤などを含む洗浄剤、及び、液化石油ガス(LPG)等の噴射剤、を含むエアゾール組成物を含む。エアゾール組成物は容器に収容される。
<界面活性剤>
界面活性剤は洗浄剤に洗浄力を付与する成分である。界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、等が挙げられる。本実施形態において用いられる界面活性剤は特に限定されるものではないが、例えば、下記を例示することができる。
アニオン性界面活性剤としては、カルボン酸型、スルホン酸型、硫酸エステル型、リン酸エステル型、アミノ酸型等が挙げられる。具体的には、例えば、脂肪酸塩(石けん)、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、スルホコハク酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホ脂肪酸メチルエステル塩、内部オレフィンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸又はリン酸塩、ラウロイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、N-アシルタウリン塩、アシルメチルタウリン塩、メチルアラニン塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルプロピルベタイン等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド、脂肪酸ジ/モノエタノールアミド、アミドアミンオキサイシド、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルポリグリコシド、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ビス(3-アミノプロピル)ドデシルアミン等が挙げられる。
ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合体は、ポリオキシエチレン単位とポリオキシプロピレン単位とがブロックコポリマーを形成しているものを例示することができ、特にポリオキシエチレン単位が50~90質量%であることが好ましく、ポリオキシエチレン単位とポリオキシプロピレン単位とのつながり方としてはプルロニック(登録商標)型であることが好ましい。また、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合体は、数平均分子量で1,000~30,000であることが好ましい。
また、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合体は、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合体の片末端又は両末端を脂肪酸によりエステル化したものであってもよい。脂肪酸としては、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等を好適に挙げることができる。また更には、ウレタン化することも可能である。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンSec-アルキルエーテル等が挙げられる。
ポリアルキレンアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンSec-アルキルエーテル等が挙げられる。
ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレンステアリン酸ジエステル、ポリオキシエチレンオレイン酸モノエステル等が挙げられる。
これらの中でも、洗浄力と泡の形成の観点で、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。
界面活性剤の含有量は、特に限定されるものではないが、洗浄力と泡立ちの観点から、洗浄剤の全量に対して1から10質量%であることが好ましく、2から8質量%がより好ましく、3から5質量%がさらに好ましい。本実施形態において、界面活性剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<溶剤>
本実施形態における溶剤としては、例えば、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、3-メトキシ-3-メチル-1-ブチルアセテート、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、デカノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エタノールが挙げられ、洗浄力及び洗浄剤の安定性(分離等を防ぐ)の観点で、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、3-メトキシ-3-メチル-1-ブチルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エタノールが好ましく、この中でも、刺激臭が相対的に抑えられ、かつ、洗浄力が高く、細かい粒子が相対的に舞いにくい点で、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
溶剤の含有量は、特に限定されるものではないが、多過ぎると消泡作用が働くおそれがあることから洗浄剤の全量に対して、1~7.5質量%であることが好ましく、2~5質量%がさらに好ましく、3~4質量%が特に好ましい。本実施形態において、溶剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上述のように本実施形態における洗浄剤は、その他必要に応じて、水の他、液体洗浄剤に通常使用される成分、例えば、キレート剤、香料、防錆剤、pH調整剤、除菌剤、殺菌剤、粘度調整剤、防腐剤、抗カビ剤、色素、酸化防止剤、増粘剤、紫外線吸収剤、等を含んでいてもよい。
<キレート剤>
キレート剤は、例えば、金属イオン封鎖効果を目的として用いられる。キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(EDTA・4Na)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、3-ヒドロキシ-2,2'-イミノジコハク酸4ナトリウム等が挙げられる。キレート剤を用いる場合、キレート剤の含有量は、特に限定されるものではないが、洗浄力の観点から、洗浄剤の全量に対して、0.1~5質量%であることが好ましく、0.5~4質量%がさらに好ましく、1~3質量%が特に好ましい。
<香料>
香料を用いる場合、香料の含有量は、特に限定されるものではないが、界面活性剤や溶剤の特異な臭気を緩和する観点から、洗浄剤の全量に対して、0.1~1質量%であることが好ましく、0.2~0.5質量%がさらに好ましい。
<防錆剤>
また、容器である缶の内面の錆を抑制する観点から、洗浄剤は防錆剤を含んでいてもよい。防錆剤としては、例えば、亜硝酸ナトリウム、アンモニア、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、安息香酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせの群から選ばれる少なくとも一つが挙げられる。防錆剤を用いる場合、防錆剤の配合量については、使用する缶の材質に合わせて適切に選べばよく、たとえば、防錆剤の含有量は、特に限定されるものではないが、十分な防錆効果を得る観点から、洗浄剤の全量に対して、0.01~3質量%であることが好ましく、0.05~1.5質量%がさらに好ましく、0.1~1質量%が特に好ましい。
<pH調整剤>
本実施形態における洗浄剤は、洗浄剤のpHを調整するためにpH調整剤を用いることができる。pH調整剤としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸及びその塩、リン酸及びその塩、アンモニア、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム及びこれらの組み合わせの群から選ばれる少なくとも一つが挙げられる。pH調整剤を用いる場合、pH調整剤の含有量は、特に限定されるものではないが、洗浄力や缶の安定性の観点からpHを適切に調整するため、洗浄剤の全量に対して、0.01~15質量%であることが好ましく、0.05~10質量%がさらに好ましく、0.1~5質量%が特に好ましい。
本実施形態における洗浄剤は、除菌剤を含有してもよい。除菌剤としては、塩化ベンザルコニウム等の第4級アンモニウム塩、IPMP、ドデシルアミノエチルアミノエチルグリシン等の両性界面活性剤系の除菌剤などが挙げられ、複数の成分を組み合わせて用いてもよい。
除菌剤を用いる場合、除菌剤の含有量は、特に限定されるものではないが、被洗浄面での十分な除菌効果を得る観点から、洗浄剤の全量に対して、0.01~3質量%であることが好ましく、0.05~1.5質量%がさらに好ましく、0.1~1質量%が特に好ましい。
<噴射剤>
本実施形態におけるエアゾール組成物は、洗浄剤と共に噴射剤を含む。本実施形態の洗浄エアゾール製品は、噴射剤として液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)等の液化ガス、窒素、炭酸ガス、圧縮空気、亜酸化窒素等の圧縮ガス、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)等を含む。エアゾール組成物中の噴射剤の含有量は、使用目的や洗浄剤との組み合わせに応じて適宜変更可能であり特に限定されるものではない。
<液ガス比>
容器内の液ガス比は、例えば、被洗浄面に対する洗浄剤の付着の観点から、洗浄剤〔x〕と噴射剤〔y〕との液ガス比〔容量比:x/y〕は、〔x/y〕=95/5~50/50であることが好ましく、90/10~70/30がより好ましく、90/10~80/20がさらに好ましい。
本出願の発明者らは、本発明に適用可能な内容物(内容液)及び噴射剤を検討するために、以下の各表に示される各試験例において、以下の条件の下、噴射性状評価を行った。
<噴射性状評価>
図3に示される浴槽Bの底面BTの中心部から高さ30cmの位置に回転ノズルを配置して噴射を行った際の泡の付着度合を確認し、下記の評点に従って点数化した。
評点0:回転ノズルが回転しない。
評点1:泡が領域AR1(回転ノズルの真下に相当する底面BTの中心部)にのみ付着した。
評点2:泡が領域AR2(底面BT上の領域)にのみ付着した。
評点3:泡が領域AR3(内壁面Wと底面BTを接続するコーナー部からおよそ1cm以上15cm以下の高さを有する内壁面W1及び内壁面W2上の領域)に到達した。
評点4:泡が領域AR4(内壁面Wと底面BTを接続するコーナー部からおよそ15cmより大きくおよそ30cm以下の高さを有する内壁面W1及び内壁面W2上の領域)に到達した。
評点5:泡が領域AR5(内壁面Wと底面BTを接続するコーナー部からおよそ30cmより大きい高さを有する内壁面W1及び内壁面W2上の領域)に到達した。
<ボタン及びバルブ>
ボタン:噴口径φ1.5mm バルブ:ステム孔φ1.2mm×3個
<粘度測定方法>
B型粘度計(東機産業製「TVB-10」)を用いて、THM1ロータ―またはL/Adpローター、回転速度60rpm、液温25度(摂氏)にて内容物の粘度を測定した。ローターは、低粘度(10mPa・s以下)の場合、L/Adpローターを用い、それ以外の場合をTHM1ロータ―を用いて測定した。なお同社の粘度計は、液体の粘度測定方法に関するJIS Z8803等に則っている。
<試験例1について>
表1に示されるように、試験例1の内容物は、界面活性剤として4.0質量%のPOE(15)セカンダリーアルキル(C12-14)エーテル(株式会社日本触媒が「ソフタノール150」の商品名で提供)、着香剤として0.3質量%の調合香料、キレート剤として2.5質量%のEDTA・4Na(ヌーリオン・ジャパン株式会社が「ディゾルビンNA」の商品名で提供)、溶剤として水(残量)を使用した。
同表に示されるように、試験例1の噴射剤としてLPG(0.49MPa)を使用した。内容物と噴射剤の液ガス比は90/10である。また摂氏20度における容器の内圧は0.55MPaである。
同表に示されるように、回転ノズル34に形成される開口孔H(噴口径)の内径は、1.2mmである(従って開口孔Hの面積は、約1.1mm2である)。また開口孔Hの位置が異なる2種類の回転ノズル34を用いて評価を行った。具体的には、開口孔Hの位置が噴口角度に換算して4度(噴口4度)の回転ノズル34と、開口孔Hの位置が噴口角度に換算して20度(噴口20度)の回転ノズル34である。噴口角度については後述する。
同表に示されるように、試験例1の内容物の粘度は、2.3mPa・sであった。
<試験例1の結果>
試験例1乃至8の結果を表1に示す。
なお、同表及び表2において、各洗浄剤における各成分の含有量を示す数値は、各原料中に含まれる有効成分(表中の「成分名」の欄に記載した成分)の“質量%”を意味し、表中の「原料名」の欄に「A.I」と、原料中の有効成分量を付記した原料については、有効成分量が表中の質量%に相当するよう、原料を配合し、洗浄剤を調製している。
Figure 2023120014000002
同表に示されるように、噴口角が4度の回転ノズル34を用いて開口孔Hから試験例1の内容物を噴射させた場合、内容物は略水平に進行したため、泡が領域AR5に到達した(噴射性状評価「5」)。また、噴口角が20度の回転ノズル34を用いて開口孔Hから試験例1の内容物を噴射させた場合、内容物は略水平よりもやや下方の斜め方向に進行したため、泡が領域AR3に到達した(噴射性状評価「3」)。
以上のとおりであるから、試験例1に示される内容物及び噴射剤を用いることにより、回転ノズル34を浴槽の底面に略垂直な回転軸に従って回転させることにより、対向する内壁面間の最大距離が1000mm以上(例えば、1400mm以上)の浴槽の内壁面の全周に泡を付着させることが可能となることが確認された。
<試験例2及び3について>
表1に示されるように、試験例2及び3の内容物は、界面活性剤、着香剤、キレート剤について試験例1と同一であり、さらに溶剤として水(残量)を使用した点でも試験例1と同一である。但し試験例2及び3の内容物は、粘度調整剤としてポリビニルピロリドン(株式会社日本触媒から商品名「PVP-K90」で提供)を含有している点で試験例1と異なる。試験例2及び3はそれぞれ、2.5及び3.0質量%のポリビニルピロリドンを含有し、その結果、粘度はそれぞれ、23及び38mPa・sであった。
<試験例2及び3の結果>
結果を表1に示す。同表に示されるように、噴口角が4度の回転ノズル34を用いて開口孔Hから試験例2(粘度23mPa・s)の内容物を噴射させた場合、内容物は略水平よりも大きく下方の斜め方向に進行したため、泡が領域AR2に到達した(噴射性状評価「2」)。
試験例3(粘度38mPa・s)の内容物を噴射させた場合、内容物は略水平よりも大きく下方の斜め方向に進行したため、泡が領域AR2に到達した(噴射性状評価「2」)。
<試験例4について>
同表に示されるように、試験例4の内容物は、界面活性剤として試験例1の洗浄剤の替わりに4.0質量%のPOE(12)・POP(3)セカンダリーアルキル(C12-14)エーテル(株式会社日本触媒が「ソフタノールEP12030」の商品名で提供)、さらなる洗浄剤として0.3質量%の脂肪酸カリウム(ミヨシ油脂株式会社が「コスメチックソープ KS-100」の商品名で提供)、溶剤として水のほか3.0質量%のジプロピレングリコールモノブチルエーテル(ダウ・ケミカル日本株式会社が「ダワノールDPnB」の商品名で提供)を使用した点で試験例1と異なる。同表に示されるように、噴射剤等は、試験例1の噴射剤と同一である。
同表に示されるように、試験例4の内容物の粘度は、2.4mPa・sであった。
<試験例4の結果>
結果を表1に示す。同表に示されるように、噴口角が4度の回転ノズル34を用いた場合、泡が領域AR5に到達し(噴射性状評価「5」)、噴口角が20度の回転ノズル34を用いた場合、泡が領域AR4に到達した(噴射性状評価「4」)。
<試験例5乃至8について>
表1に示されるように、試験例5乃至8の内容物は、界面活性剤、着香剤、キレート剤、溶剤について試験例4と同一である。但し試験例5乃至8の内容物は、粘度調整剤としてポリビニルピロリドンを含有している点で試験例4と異なる。試験例5乃至8はそれぞれ、0.5、1.0、1.5及び2.0質量%のポリビニルピロリドンを含有し、その結果、粘度はそれぞれ、3.7、6.0、9.1及び13.2mPa・sであった。
<試験例5乃至8の結果>
結果を表1に示す。同表に示されるように、噴口角が4度の回転ノズル34を用いた場合、泡が領域AR5(試験例5)、領域AR4(試験例6)、領域AR4(試験例7)及び領域AR3(試験例8)に到達した。
以上のとおりであるから試験例1や、試験例4等、洗浄剤の種類を異ならせても、回転ノズル34の回転軸を浴槽の底面に略垂直な状態で、回転ノズル34を回転させながら内容物を噴射することにより、浴槽の内壁面の全周に泡を付着させることが可能となることが確認された。さらに浴槽の内壁面に回転ノズル34を接近させることにより浴槽の底面に泡を付着させることも可能となる。
しかしながら、試験例2及び3並びに試験例5乃至8の結果から示されるように、粘度が高くなるほど噴射された内容物が水平方向に進行する力が弱まるため、対向する内壁面間の最大距離が1000mm以上の浴槽の内壁面の全周に泡を付着させることが次第に難しくなる傾向を有することが明らかとなった。具体的には、容器に収容される内容物の摂氏25度における粘度は、20mPa・sを超えると、対向する内壁面間の最大距離が1000mm以上の浴槽の内壁面の全周に泡を付着させることが次第に難しくなる傾向を有することが明らかとなった。このため、容器に収容される内容物の摂氏25度における粘度は、20mPa・s以下であることが好ましい。
一方で、容器に収容される内容物の摂氏25度における粘度は、試験例8のように10mPa・sを超える場合であっても、浴槽の内壁面の全周に泡を付着させることが可能であることが確認された。
<試験例9乃至12について>
表2に示されるように、試験例9乃至12の内容物は、キレート剤、溶剤について互いに同一であり、界面活性剤について互いに異なる。
<試験例9乃至12の結果>
試験例9乃至20の結果を表2に示す。
Figure 2023120014000003
本出願の発明者らが試験例とは異なる組成の界面活性剤を用いて実験したところ、界面活性剤の組成によっては、噴射された内容物についてはそれぞれ領域AR5及び領域AR4に到達したものの、十分な泡が生成されにくい場合があることが確認された。内容物の界面活性剤の種類によっては、好適に泡を生成できるとは限らず、泡が生成されない場合、洗浄剤の視認性が悪化するため重複した領域に洗浄剤を噴霧してしまうという問題を抑制することが困難となるが、試験例9乃至12の内容物の洗浄剤の場合、泡が生成されることが確認された。したがってこれら試験例においては、浴槽の内壁面の全周等に泡を付着させることが可能となる。
<試験例13乃至16について>
表2に示されるように、試験例13乃至16のうち試験例13、15及び16は、内容物(洗浄剤、着香剤、キレート剤、粘度調整剤及び溶剤)について試験例7と同一であり、使用するLPGの圧力をそれぞれ0.39、0.29、及び0.19MPaとすることにより、摂氏20度における容器内の内圧がそれぞれ、0.45、0.35及び0.25MPaである点で異なる。また試験例14の内容物は、試験例13と比較して試験例14の粘度調整剤の含有量を高めることにより、試験例13の粘度(9.1mPa・s)よりも大きい粘度(13.2mPa・s)を有する点で異なる。
<試験例13乃至16の結果>
結果を表2に示す。同表に示されるように、試験例16において、噴射された内容物を噴射させた場合、泡は領域AR2まで到達した(噴射性状評価「2」)。このため摂氏20度における容器内内圧が低いと、平面視において底面BTの中心部上の領域に回転ノズル34が位置した状態で、対向する内壁面間の最大距離が1000mm以上の浴槽の内壁面に泡を付着させることが困難となることが明らかとなった。しかしながら、浴槽の底面に円環状の泡を付着させることが可能となるから、浴槽の底面を洗浄することが可能となる。さらに、アクチュエータを浴槽の内壁面に略平行に移動させながら、アクチュエータを回転させることにより内壁面の全周に泡を付着させることも可能となる。
一方で摂氏20度における容器内の内圧が0.26MPa以上の場合(試験例13乃至15)、浴槽の内壁面の全周に泡を付着させることが可能となることが明らかとなり、特に摂氏20度において0.45MPa以上であれば好適に浴槽の内壁面の全周に泡を付着させることが可能となることが明らかとなった。一方で洗浄エアゾール製品10の取り扱いをしやすくするためには、容器内の内圧は、摂氏35度において0.80MPa以下、又は、摂氏20度において0.6MPa以下であることが好ましい。
<試験例17乃至20について>
表2に示されるように、試験例17及び18は、内容物(界面活性剤、着香剤、キレート剤、粘度調整剤及び溶剤)及び噴射剤について試験例4と同一であり、容器内の内圧についても、同一である。但し試験例17及び18においては、回転ノズル34に設けられた開口孔Hの内径(噴口径)はそれぞれ、0.85mm(従って開口孔Hの面積は、約0.6mm2である。)、2.0mm(従って開口孔Hの面積は、約3.1mm2である。)である点において、開口孔Hの内径(噴口径)が1.2mmである(従って開口孔Hの面積は、約1.1mm2である。)試験例4と異なる。
また試験例19は、界面活性剤として脂肪酸カリウムを含有していない点、及びキレート剤を含有していない点と、容器内の内圧が0.45MPaである点で試験例4と異なり、試験例20は、界面活性剤としてPOE(12)・POP(3)セカンダリーアルキル(C12-14)エーテルの含有量が少ない点、及び溶剤としてジプロピレングリコールモノブチルエーテルの含有量が少ない点で、試験例19と異なる。
<試験例17乃至20の結果>
結果を表2に示す。同表に示されるように、試験例17及び19、20においてそれぞれ、噴口角が4度の回転ノズル34を用いた場合、泡が領域AR5に到達し(噴射性状評価「5」)、噴口角が20度の回転ノズル34を用いた場合、泡が領域AR4に到達した(噴射性状評価「4」)。一方で試験例18において、噴口角が4度の回転ノズル34を用いた場合、泡が領域AR3に到達した(噴射性状評価「3」)。
以上のとおりであるから試験例17のように、開口孔Hの面積を小さくしても浴槽の内壁面の全周に泡を付着させることが可能であることが確認された。しかしながら、開口孔Hの面積を小さくするにつれて細かい粒子が舞いやすくなることが確認された。一方で試験例18のように、開口孔Hの面積を大きくするにつれて飛散する泡が大粒となって飛距離が低下するため、対向する内壁面間の最大距離が1000mm以上の浴槽の内壁面の全周に泡を付着させることが次第に難しくなる傾向を有することが明らかとなった。具体的には、開口孔Hの面積が3.0mm2を超えると、対向する内壁面間の最大距離が1000mm以上の浴槽の内壁面の全周に泡を付着させることが次第に難しくなる傾向を有することが明らかとなった。
以上を踏まえ、回転ノズル34に形成される開口孔Hの面積は、0.5mm2以上3.0mm2以下であることが好ましく、特に1.1mm2±0.5mm2以下であることがさらに好ましい。
<噴口角について>
本出願の発明者らは、内容物の噴射角度についても鋭意検討した。本出願の発明者らは、内容物を第2方向D2の垂直方向に噴射させると内壁面Wに泡を付着させやすい一方で内壁面Wの上端部に泡を付着させる際に誤って泡が使用者自身にかかってしまう可能性が大きくなる点に着目し、内容物が第2方向D2に垂直に進行しながらやや第2方向D2前方に進行する、傾斜する方向(例えば、第2方向D2前方に対して45度以上90度未満、好ましくは60度以上80度以下鋭角)に進行するように洗浄エアゾール製品の開口孔Hを設けることを着想した。
図5は、回転ノズル34が備える延伸部34A2の中心軸及びチューブ32の中心軸線を通過する第1平面PL1に平行で、かつ、チューブ32の中心軸線に垂直な方向から回転ノズル34を見た図である。ここで第1平面PL1と垂直で、回転ノズル34の先端面の中心34Cを通過する平面を第2平面PL2と呼ぶ。第2平面PL2は、チューブ32の中心軸線と垂直に交わる。
図5(A)は、噴口角α1=10度の開口孔H1を示し、図5(B)は、噴口角α2=20度の開口孔H2を示している。ここで噴口角は、図5において、開口孔H1(H2)の中心と中心34Cを結ぶ直線と第2平面PL2とのなす角をいう。
図5(A)に示される回転ノズル34の場合、噴口角が0度の場合と比較して使用者から見た泡の付着位置の視認性が高まるとともに、内壁面Wの上端部に泡を付着させる際に誤って泡が使用者自身にかかってしまう可能性が減少した。
図5(B)に示される回転ノズル34の場合、噴口角が10度の場合と比較して使用者から見た泡の付着位置の視認性がさらに高まるとともに、内壁面Wの上端部に泡を付着させる際に誤って泡が使用者自身にかかってしまう可能性が減少した。加えて噴口角が10度の場合と比較して浴槽の底面BT付近まで回転ノズル34を接近させなくても内壁面Wの下端に泡を付着させることが可能となるため、使い勝手が向上する。従って同図(B)に示されるように開口孔H2は、第2平面PL2と交わらないように、かつ、第2平面PL2よりも第2方向D2前方に設けられてよい。
例えば、試験例4(容器内圧が0.5MPa以上となる噴射剤と、粘度が5mPa・s以下の、泡を形成可能な内容物)であって、噴口角度が20度の場合に洗浄エアゾール製品10の使い勝手が特に好ましくなることが確認された。特に内容物がPOE(12)・POP(3)セカンダリーアルキル(C12-14)エーテル(ソフタノールEP12030)及びグリコール系溶剤であるジプロピレングリコールモノブチルエーテル(ダワノールDPnB)を共に含むとき高い洗浄力を発揮することが確認された。
さらに本出願の発明者らは、水系の内容物の洗浄エアゾール製品においては、容器である缶の内面が錆びてしまう問題が生じ得る点に着目した。そこで内容物は、防錆剤として、亜硝酸ナトリウム、アンモニア、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、安息香酸ナトリウムの少なくとも何れか一つを含有(添加)してもよい。
また、容器である缶及びバルブには、エポキシフェノール樹脂コート、エポキシユリア樹脂コート、ポリアミドイミド樹脂コート、PETのラミネート、PBTのラミネート又はPPのラミネート加工等のコーティングを施してもよい。
例えば洗浄エアゾール製品は、内容物として安息香酸ナトリウムを含有し内容物のpHを8.5とするとともに、容器及びステムには、エポキシユリア樹脂コートが設けられてよい。
例えば洗浄エアゾール製品は、内容物として亜硝酸ナトリウム、アンモニア、トリエタノールアミン及び安息香酸ナトリウムの全てを含有し内容物のpHを10以上としてもよい。
洗浄エアゾール製品は、内容物として除菌剤を含有してもよい。例えば洗浄エアゾール製品の内容物は、塩化ベンザルコニウム等の第4級アンモニウム塩、IPMP、ドデシルアミノエチルアミノエチルグリシン等の両性界面活性剤系の除菌剤を含有してもよい。
さらに本実施形態においては、溶剤としてグリコール系溶剤であるジプロピレングリコールモノブチルエーテルを用いたがこれに限られるものではない。例えば、溶剤は、ブチルカルビトール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、又は、エタノールを使用してもよい。ただし、ブチルカルビトールは、噴射性能が高いことが確認されたが一方で刺激臭を有する。エタノールは、細かい粒子が舞いやすくなることが確認された。このためジプロピレングリコールモノブチルエーテルは、刺激臭が相対的に抑えられ、かつ、洗浄力が高く、細かい粒子が相対的に舞いにくいことも確認されたため、ブチルカルビトール及びエタノールよりも好ましい。
また本実施形態において洗浄エアゾール製品のバルブは、φ1.2mm×3個と通常よりも大型のステム孔を備えている。通常の大きさのステムを使用した場合、開口ノズル内の内容物の流速又は流量が確保できないため、回転ノズルが十分な速度で回転せずに、泡が飛散しない可能性が高まる。このため、洗浄エアゾール製品のバルブは十分量の流速又は流量が確保できる大きさのステム孔を有するものを選定するのが好ましい。なお、アクチュエータの形状によっては、エアゾール製品を横倒しにして噴射できた方が使いやすい。この場合は、柔軟な素材で形成されたディップチューブの先端に錘をつけて、エアゾール製品の向きに関わらず常にディップチューブの先端が液化ガスの液面よりも下方に位置して液化ガスの液相を吸い上げるようにしてもよい。
また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。たとえば、当業者の通常の創作能力の範囲内で、ある実施形態における一部の構成要素を、他の実施形態に追加することができる。また、ある実施形態における一部の構成要素を、他の実施形態の対応する構成要素と置換することができる。
10 洗浄エアゾール製品
20 容器
30 噴射部
32 チューブ
34 回転ノズル
34A スピナー
34A1 基部
34A2 延伸部
34B ノズル
36 ボタン
38 キャップ
40 ジョイント
42 噴口部
44 アダプタ

Claims (2)

  1. 回転可能に支持されたアクチュエータを有する洗浄エアゾール製品の前記アクチュエータの回転軸を浴槽の底面に略垂直な状態で、前記アクチュエータを回転させながら内容物を噴射させることにより、前記浴槽に泡を付着させることを特徴とする、浴槽の洗浄方法。
  2. 回転可能に支持されたアクチュエータを有する洗浄エアゾール製品の前記アクチュエータの回転軸を浴槽の底面に略垂直な状態で、前記アクチュエータを回転させながら内容物を噴射させることにより、前記浴槽に泡を付着させる浴槽の洗浄方法を実行可能に構成される洗浄エアゾール製品であって、
    回転可能に支持された前記アクチュエータと、
    前記内容物を収容する容器と
    を備える洗浄エアゾール製品。
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