JP2023118600A - アクチュエータおよび磁極位置推定方法 - Google Patents

アクチュエータおよび磁極位置推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アクチュエータにおいて、シャフトを移動させることなく、直動モータにおける可動子の磁極位置を把握することが可能な技術を提供する。【解決手段】アクチュエータは、固定子に対して可動子が相対的に移動することでシャフトをその軸方向に移動させる直動モータと、シャフトの軸方向の移動を制動するブレーキ装置と、シャフトの軸方向において可動子に対して作用する力の方向を検出する力センサと、を備える。そして、アクチュエータにおいて、推定手段が、ブレーキ装置によってシャフトの軸方向の移動を停止させた状態で直動モータに通電したときに力センサによって検出される力の方向に基づいて、可動子の磁極位置を推定する。【選択図】図5

Description

本発明は、ピックアンドプレイスを行うアクチュエータに関する。
従来、シャフトによってワークをピックアップするとともに、ピックアップしたワークを所定の位置に該シャフトによってプレイスする、といった一連の動作(ピックアンドプレイス)を行うアクチュエータが知られている。このようなピックアンドプレイスを行うアクチュエータにおいては、中空のシャフトの先端部をワークに押し付けた状態で該シャフトの内部を負圧にすることで、該シャフトの先端部にワークを吸い付けて、ワークをピックアップする。
また、特許文献1には、リニアアクチュエータにおいて、リニアモータの可動子の磁極位置を推定するための技術が開示されている。特許文献1に開示された技術では、連続する第1パルス通電と第2パルス通電とのそれぞれにおいて可動子が移動した方向に基づいて可動子が位置する区間を推定する。
特許第6191086号公報
シャフトをその軸方向に移動させることでワークのピックアンドプレイスを行うアクチュエータにおいては、シャフトの軸方向の位置を制御するために、シャフトを移動させる直動モータにおける可動子の位置を把握する必要がある。しかしながら、直動モータにおいては可動子の絶対位置が検出できない場合もある。そのため、アクチュエータへの通電開始時(直動モータへの通電開始時)においては、直動モータにおける可動子の磁極位置を把握するために、一旦励磁させることによって移動磁界を発生させて可動子を移動させる場合がある。
しかしながら、可動子の磁極位置が不明な状態で直動モータに通電した場合、シャフトが上方または下方のどちらに向かって移動するのかも不明な状態で移動磁界を発生させることになる。そのため、可動子の磁極位置を把握するために励磁させた結果、シャフトの移動に伴って、ピックアップのために準備されていたワークにシャフトが接触してしまう等の問題が生じる虞がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、アクチュエータにおいて、シャフトを移動させることなく、直動モータにおける可動子の磁極位置を把握することが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様に係るアクチュエータは、
シャフトの先端部にワークを吸い付けて該ワークをピックアップするアクチュエータであって、
固定子および可動子を有する直動モータであり、前記可動子に前記シャフトが接続されており、前記固定子に対して前記可動子が相対的に移動することで前記シャフトをその軸方向に移動させる直動モータと、
前記シャフトの軸方向の移動を制動するブレーキ装置と、
前記シャフトの軸方向において前記可動子に対して作用する力の方向を検出する力センサと、
前記ブレーキ装置によって前記シャフトの軸方向の移動を停止させた状態で前記直動モータに通電したときに前記力センサによって検出される力の方向に基づいて、前記可動子の磁極位置を推定する推定手段と、
を備える。
本発明の第二の態様に係る位置推定方法は、
シャフトの先端部にワークを吸い付けて該ワークをピックアップするアクチュエータであって、
固定子および可動子を有する直動モータであり、前記可動子に前記シャフトが接続されており、前記固定子に対して前記可動子が相対的に移動することで、前記シャフトをその軸方向に移動させる直動モータと、
前記シャフトの軸方向の移動を制動するブレーキ装置と、
前記シャフトの軸方向において前記可動子に対して作用する力の方向を検出する力センサと、
を備えるアクチュエータにおいて、可動子の磁極位置を推定する位置推定方法であって、
前記ブレーキ装置によって前記シャフトの軸方向の移動を停止させた状態で前記直動モータに通電したときに前記力センサによって検出される力の方向に基づいて、前記可動子の磁極位置を推定する。
本発明によれば、アクチュエータにおいて、シャフトを移動させることなく、直動モータにおける可動子の磁極位置を把握することができる。
実施形態に係るアクチュエータの外観図である。 実施形態に係るアクチュエータの内部構造を示した概略構成図である。 実施形態に係るシャフトハウジングとシャフトの先端部との概略構成を示した断面図である。 実施形態に係る直動モータにおける可動子の磁極位置の推定方法について説明するためのイメージ図である。 実施形態に係る直動モータにおける可動子の磁極位置を推定するための処理のフローを示すフローチャートである。
本発明に係るアクチュエータは、シャフトの先端部にワークを吸い付けて該ワークをピックアップする。また、アクチュエータは、直動モータ、ブレーキ装置、力センサ、および推定手段を備えている。
直動モータは、シャフトをその軸方向に移動させるモータである。直動モータは固定子および可動子を有する。可動子にはシャフトが接続されている。そして、固定子に対して可動子が相対的に移動することで、可動子と共にシャフトが移動する。ブレーキ装置は、シャフトの軸方向の移動を制動する装置である。アクチュエータにおいては、ブレーキ装置によって、シャフトの軸方向の移動を停止させることができる。
力センサは、シャフトの軸方向において可動子に対して作用する力の方向を検出する。つまり、アクチュエータにおいては、可動子に対して、上方向の力が作用しているのか、
または、下方向の力が作用しているのかが力センサによって検出される。なお、力センサの構成としては、ひずみゲージを含んだ構成を例示することができる。
コントローラは、直動モータへの通電開始時に、ブレーキ装置によってシャフトの軸方向の移動を停止させた状態で直動モータにおける可動子の磁極位置を推定する。具体的には、コントローラは、ブレーキ装置によってシャフトの軸方向の移動を停止させた状態で直動モータに通電する。このとき、直動モータへの通電は、直動モータにおいて生じる移動磁界によって可動子が所定の目標位置に引き付けられるように行われる。ただし、ブレーキ装置によってシャフトの軸方向の移動が停止されているために、直動モータにおいて移動磁界が生じても、シャフトと接続されている可動子は実際には移動しない。
しかしながら、可動子に対してはシャフトの軸方向における力が作用する。つまり、可動子が所定の目標位置よりも上方に位置した状態で直動モータへの通電が行われれば、可動子に対しては移動磁界により下方向の力が作用する。一方で、可動子が所定の目標位置よりも下方に位置した状態で直動モータへの通電によって励磁されれば、可動子に対しては移動磁界により上方向の力が作用する。
そこで、本発明では、推定手段が、力センサによって検出される力の方向に基づいて可動子の磁極位置を推定する。つまり、推定手段は、可動子に対して下方向の力が作用していれば、直動モータへの通電における所定の目標位置よりも上方に可動子が位置していると推定する。また、推定手段は、可動子に対して上方向の力が作用していれば、直動モータへの通電における所定の目標位置よりも下方に可動子が位置していると推定する。
したがって、本発明によれば、アクチュエータにおいて、シャフトを移動させることなく、直動モータにおける可動子の磁極位置を把握することができる。
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、および、その相対配置等は、特に記載がない限りは本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施形態>
図1は、本実施形態に係るアクチュエータ1の外観図である。アクチュエータ1は外形が略直方体のハウジング2を有しており、ハウジング2には、蓋200が取り付けられている。図2は、本実施形態に係るアクチュエータ1の内部構造を示した概略構成図である。ハウジング2の内部に、シャフト10の一部を収容している。このシャフト10の先端部10A側は、中空となるよう形成されている。シャフト10及びハウジング2の材料には、例えば金属(例えばアルミニウム)を用いることができるが、樹脂等を用いることもできる。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置について説明する。ハウジング2の最も大きな面の長辺方向であってシャフト10の中心軸100の方向をZ軸方向とし、ハウジング2の最も大きな面の短辺方向をX軸方向とし、ハウジング2の最も大きな面と直交する方向をY軸方向とする。Z軸方向は鉛直方向でもある。なお、以下では、図2におけるZ軸方向の上側をアクチュエータ1の上側とし、図2におけるZ軸方向の下側をアクチュエータ1の下側とする。また、図2におけるX軸方向の右側をアクチュエータ1の右側とし、図2におけるX軸方向の左側をアクチュエータ1の左側とする。また、図2におけるY軸方向の手前側をアクチュエータ1の手前側とし、図2におけるY軸方向の奥側をアクチュエータ1の奥側とする。ハウジング2は、Z軸方向の寸法がX軸方向の寸法よりも長く、X軸方向の寸法がY軸方向の寸法よりも長い。ハウジング2は、Y軸方向と直交する一つの面(図2における手前側の面)に相当する箇所が開口しており、この開口を蓋200によって閉塞している。蓋200は、例えばネジによってハウジング2に固定される。
ハウジング2内には、回転モータ20と、直動モータ30と、エア制御機構60と、ブレーキ装置90と、が収容されている。回転モータ20は、シャフト10をその中心軸100回りに回転させるモータである。直動モータ30は、シャフト10をその中心軸100に沿った方向(すなわち、Z軸方向)にハウジング2に対して相対的に直動させるモータである。また、ハウジング2のZ軸方向の下端面202には、シャフト10が挿通されたシャフトハウジング50が取り付けられている。ハウジング2には、下端面202からハウジング2の内部に向かって凹むように凹部202Bが形成されており、この凹部202Bにシャフトハウジング50の一部が挿入される。この凹部202BのZ軸方向の上端部には、Z軸方向に貫通孔2Aが形成されており、この貫通孔2A及びシャフトハウジング50をシャフト10が挿通される。シャフト10のZ軸方向の下側の先端部10Aは、シャフトハウジング50から外部へ突出している。シャフト10は、ハウジング2のX軸方向の中心且つY軸方向の中心に設けられている。つまり、ハウジング2における、X軸方向の中心およびY軸方向の中心を通ってZ軸方向に延びる中心軸と、シャフト10の中心軸100とが重なるように、シャフト10が設けられている。シャフト10は、直動モータ30によってZ軸方向に直動すると共に、回転モータ20によって中心軸100の回りを回転する。
シャフト10の先端部10Aと逆側の端部(Z軸方向の上側の端部)である基端部10B側は、ハウジング2内に収容されており、回転モータ20の出力軸21に接続されている。この回転モータ20は、シャフト10を回転可能に支持している。回転モータ20の出力軸21の中心軸は、シャフト10の中心軸100と一致する。回転モータ20は、出力軸21の他に、固定子22と、固定子22の内部で回転する回転子23と、出力軸21の回転角度を検出するロータリエンコーダ24とを有する。回転子23が固定子22に対して回転することにより、出力軸21及びシャフト10も固定子22に対して連動して回転する。
直動モータ30は、ハウジング2に固定された固定子31と、固定子31に対して相対的にZ軸方向に移動する可動子32とを有する。直動モータ30は、例えばリニアモータである。固定子31には複数のコイル31Aが設けられ、可動子32には複数の永久磁石32Aが設けられている。コイル31Aは、Z軸方向に所定ピッチで配置され、且つ、U,V,W相の3つのコイル31Aを一組として複数設けられている。本実施形態では、これらU,V,W相のコイル31Aに三相電機子電流を流すことによって励磁させて移動磁界を発生させることで、固定子31に対して可動子32を直動的に移動させる。直動モータ30には固定子31に対する可動子32の相対位置を検出するリニアエンコーダ38が設けられている。リニアエンコーダ38は、インクリメンタル方式のエンコーダである。なお、上記構成に代えて、固定子31に永久磁石を設け、可動子32に複数のコイルを設けることもできる。
直動モータ30の可動子32と回転モータ20の固定子22とは、直動テーブル33を介して連結されている。直動テーブル33は、直動モータ30の可動子32の移動に伴って移動可能である。これにより、回転モータ20および直動テーブル33を介して、シャフト10が直動モータ30の可動子32と接続されている、そして、直動モータ30の可動子32の移動に伴ってシャフト10がZ軸方向に移動する。直動テーブル33の移動は、直動案内装置34によってZ軸方向に案内されている。直動案内装置34は、ハウジング2に固定されたレール34Aと、レール34Aに組み付けられたスライダブロック34Bとを有する。レール34Aは、Z軸方向に延びており、スライダブロック34Bは、レール34Aに沿ってZ軸方向に移動可能に構成されている。
直動テーブル33は、スライダブロック34Bに固定されており、スライダブロック3
4Bと共にZ軸方向に移動可能である。直動テーブル33は、直動モータ30の可動子32と2つの連結アーム35を介して連結されている。2つの連結アーム35は、可動子32のZ軸方向の両端部と、直動テーブル33のZ軸方向の両端部とを連結している。また、直動テーブル33は、両端部よりも中央側において、2つの連結アーム36を介して回転モータ20の固定子22と連結されている。直動テーブル33と回転モータ20の固定子22とが、該2つの連結アーム36を介して回転モータ20の固定子22と連結されているために、直動テーブル33の移動に伴って回転モータ20の固定子22およびシャフト10も移動する。また、連結アーム36は、断面が四角である。各連結アーム36におけるZ軸方向の上側を向く面には、ひずみゲージ37が固定されている。なお、本実施形態の2つのひずみゲージ37は、連結アーム36のZ軸方向の上側を向く面に夫々設けられているが、これに代えて、連結アーム36のZ軸方向の下側を向く面に夫々設けられていてもよい。また、2つの連結アーム36のうちのいずれか一方にのみひずみゲージ37が設けられていてもよい。
ブレーキ装置90は、シャフト10のZ軸方向の移動を制動するための装置である。ブレーキ装置90は、ブレーキONとなると、回転モータ20の固定子22に押圧される。これにより、回転モータ20の固定子22のZ軸方向の移動が制動されるため、シャフト10のZ軸方向の移動も制動される。さらに、回転モータ20の固定子22、連結アーム36、直動テーブル33、連結アーム35を介してシャフト10と接続された、直動モータ30の可動子32のZ軸方向の移動も制動される。したがって、ブレーキ装置90によって回転モータ20の固定子22およびシャフト10のZ軸方向の移動を停止させることで、直動モータ30の可動子32のZ軸方向の移動も停止させることができる。また、ブレーキ装置90は、ブレーキOFFとなると、回転モータ20の固定子22から離間される。これにより、回転モータ20の固定子22のZ軸方向の移動が可能となる。それに伴い、シャフト10および直動モータ30の可動子32のZ軸方向の移動も可能となる。
エア制御機構60は、シャフト10の先端部10Aに正圧や負圧を発生させるための機構である。すなわち、エア制御機構60は、ワークWのピックアップ時において、シャフト10内の空気を吸引することで、該シャフト10の先端部10Aに負圧を発生させる。これによってワークWがシャフト10の先端部10Aに吸い付けられる。また、シャフト10内に空気を送り込むことで、該シャフト10の先端部10Aに正圧を発生させる。これによりシャフト10の先端部10AからワークWを容易に脱離させる。
エア制御機構60は、正圧の空気が流通する正圧通路61A(一点鎖線参照。)と、負圧の空気が流通する負圧通路61B(二点鎖線参照。)と、正圧の空気及び負圧の空気で共用される共用通路61C(破線参照。)と、を有する。正圧通路61Aの一端は、ハウジング2のZ軸方向の上端面201に設けられた正圧用コネクタ62Aに接続され、正圧通路61Aの他端は正圧用の電磁弁(以下、正圧電磁弁63Aという。)に接続されている。正圧電磁弁63Aは、後述するコントローラ7によって開閉される。なお、正圧通路61Aの一端側の部分はチューブ610によって構成され、他端側の部分はブロック600に開けられた穴により構成されている。正圧用コネクタ62Aは、ハウジング2のZ軸方向の上端面201を貫通しており、正圧用コネクタ62Aにはエアを吐出するポンプ等に繋がるチューブが外部から接続される。
負圧通路61Bの一端は、ハウジング2のZ軸方向の上端面201に設けられた負圧用コネクタ62Bに接続され、負圧通路61Bの他端は負圧用の電磁弁(以下、負圧電磁弁63Bという。)に接続されている。負圧電磁弁63Bは、後述するコントローラ7によって開閉される。なお、負圧通路61Bの一端側の部分はチューブ620によって構成され、他端側の部分はブロック600に開けられた穴により構成されている。負圧用コネクタ62Bは、ハウジング2のZ軸方向の上端面201を貫通しており、負圧用コネクタ6
2Bにはエアを吸引するポンプ等に繋がるチューブが外部から接続される。
共用通路61Cはブロック600に開けられた穴により構成されている。共用通路61Cの一端は、2つに分岐して正圧電磁弁63A及び負圧電磁弁63Bに接続されており、共用通路61Cの他端は、ハウジング2に形成されている貫通孔であるエア流通路202Aに接続されている。エア流通路202Aは、シャフトハウジング50に通じている。負圧電磁弁63Bを開き且つ正圧電磁弁63Aを閉じることにより、負圧通路61Bと共用通路61Cとが連通されるため、共用通路61C内に負圧が発生する。そうすると、エア流通路202Aを介してシャフトハウジング50内から空気が吸引される。一方、正圧電磁弁63Aを開き且つ負圧電磁弁63Bを閉じることにより、正圧通路61Aと共用通路61Cとが連通されるため、共用通路61C内に正圧が発生する。そうすると、エア流通路202Aを介してシャフトハウジング50内に空気が供給される。共用通路61Cには、共用通路61C内の空気の圧力を検出する圧力センサ64及び共用通路61C内の空気の流量を検出する流量センサ65が設けられている。
ハウジング2のZ軸方向の上端面201には、電力を供給する電線や信号線を含んだコネクタ41が接続されている。また、ハウジング2には、コントローラ7が設けられている。コネクタ41からハウジング2内に引き込まれる電線や信号線は、コントローラ7に接続されている。コントローラ7には、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)が備わり、これらはバスにより相互に接続される。EPROMに格納された各種テーブルをCPUがRAMの作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて、回転モータ20、直動モータ30、ブレーキ装置90、正圧電磁弁63A、負圧電磁弁63B等が制御される。これにより、所定の目的に合致した機能をCPUが実現する。また、圧力センサ64、流量センサ65、ひずみゲージ37、ロータリエンコーダ24、リニアエンコーダ38の出力信号がコントローラ7に入力される。
図3は、シャフトハウジング50とシャフト10の先端部10Aとの概略構成を示した断面図である。シャフトハウジング50は、ハウジング本体51と、2つのリング52と、フィルタ53と、フィルタ止め54とを有する。ハウジング本体51には、シャフト10が挿通される貫通孔51Aが形成されている。貫通孔51Aは、Z軸方向にハウジング本体51を貫通しており、該貫通孔51AのZ軸方向の上端は、ハウジング2に形成された貫通孔2Aに通じている。貫通孔51Aの直径はシャフト10の外径よりも大きい。そのため、貫通孔51Aの内面とシャフト10の外面とには隙間が設けられている。貫通孔51Aの両端部には、孔の直径が拡大された拡径部51Bが設けられている。2つの拡径部51Bには、夫々リング52が嵌め込まれている。リング52は筒状に形成されており、リング52の内径はシャフト10の外径よりも若干大きい。そのため、リング52の内面とシャフト10の外面との間にも隙間が形成される。したがって、シャフト10がリング52の内部をZ軸方向に移動可能であり、且つ、シャフト10がリング52の内部を中心軸100回りに回転可能である。ただし、拡径部51Bを除く貫通孔51Aの内面とシャフト10の外面との間に形成される隙間よりも、リング52の内面とシャフト10の外面との間に形成される隙間の方が小さい。なお、Z軸方向上側のリング52を第一リング52Aといい、Z軸方向下側のリング52を第二リング52Bとする。第一リング52Aと第二リング52Bとを区別しない場合には、単にリング52という。リング52の材料には、例えば金属または樹脂を用いることができる。
ハウジング本体51のZ軸方向の中央部には、X軸方向の左右両方向に張り出した張出部511が形成されている。張出部511には、ハウジング2の下端面202と平行な面であって、シャフトハウジング50をハウジング2の下端面202へ取り付けるときに、該下端面202と接する面である取付面511Aが形成されている。取付面511Aは、
中心軸100と直交する面である。また、ハウジング2にシャフトハウジング50を取り付けたときに、シャフトハウジング50の一部であって取付面511AよりもZ軸方向の上側の部分512は、ハウジング2に形成された凹部202Bに嵌るように形成されている。
上記のとおり、貫通孔51Aの内面とシャフト10の外面とには隙間が設けられている。その結果、ハウジング本体51の内部には、貫通孔51Aの内面と、シャフト10の外面と、第一リング52Aの下端面と、第二リング52Bの上端面とによって囲まれた空間である内部空間500が形成されている。また、シャフトハウジング50には、ハウジング2の下端面202に形成されるエア流通路202Aの開口部と、内部空間500とを連通して空気の通路となる制御通路501が形成されている。制御通路501は、X軸方向に延びる第一通路501A、Z軸方向に延びる第二通路501B、第一通路501A及び第二通路501Bが接続される空間であってフィルタ53が配置される空間であるフィルタ部501Cを有する。第一通路501Aの一端は内部空間500に接続され、他端はフィルタ部501Cに接続されている。第二通路501Bの一端は、取付面511Aに開口しており、エア流通路202Aの開口部に接続されるように位置が合わされている。
また、第二通路501Bの他端はフィルタ部501Cに接続される。フィルタ部501Cには、円筒状に形成されたフィルタ53が設けられている。フィルタ部501Cは、第一通路501Aと中心軸が一致するようにX軸方向に延びた円柱形状の空間となるように形成されている。フィルタ部501Cの内径とフィルタ53の外径とは略等しい。フィルタ53は、X軸方向にフィルタ部501Cへ挿入される。フィルタ部501Cにフィルタ53が挿入された後に、フィルタ止め54によってフィルタ53の挿入口となったフィルタ部501Cの端部が閉塞される。第二通路501Bの他端は、フィルタ53の外周面側からフィルタ部501Cに接続されている。また、第一通路501Aの他端はフィルタ53の中心側と通じている。そのため、第一通路501Aと第二通路501Bとの間を流通する空気は、フィルタ53を通過する。したがって、例えば、先端部10Aに負圧を発生させたときに、内部空間500に空気と一緒に異物を吸い込んだとしても、この異物はフィルタ53によって捕集される。第二通路501Bの一端には、シール剤を保持するように溝501Dが形成されている。
張出部511のX軸方向の両端部付近には、該シャフトハウジング50をハウジング2にボルトを用いて固定するときに、該ボルトを挿通させるボルト孔51Gが2つ形成されている。ボルト孔51Gは、Z軸方向に張出部511を貫通して取付面511Aに開口している。
シャフト10の先端部10A側には、シャフト10が中空となるように中空部11が形成されている。中空部11の一端は、先端部10Aで開口している。また、中空部11の他端には、内部空間500と中空部11とをX軸方向に連通する連通孔12が形成されている。直動モータ30によってシャフト10がZ軸方向に移動したときのストロークの全範囲において、内部空間500と中空部11とが連通するように連通孔12が形成されている。したがって、シャフト10の先端部10Aと、エア制御機構60とは、中空部11、連通孔12、内部空間500、制御通路501、エア流通路202Aを介して連通している。なお、連通孔12は、X軸方向に加えてY軸方向にも形成されていてもよい。
このような構成によれば、直動モータ30を駆動してシャフト10をZ軸方向に移動させたときに、シャフト10がZ軸方向のどの位置にあっても、連通孔12は常に内部空間500と中空部11とを連通する。また、回転モータ20を駆動してシャフト10を中心軸100回りに回転させたときに、シャフト10の回転角度が中心軸100回りのどの角度であっても、連通孔12は常に内部空間500と中空部11とを連通する。したがって
、シャフト10がどのような状態であっても、中空部11と内部空間500との連通状態が維持されるため、中空部11は常にエア制御機構60に通じていることになる。そのため、シャフト10の位置にかかわらず、エア制御機構60において正圧電磁弁63Aを閉じ、負圧電磁弁63Bを開くと、エア流通路202A、制御通路501、内部空間500、および連通孔12を介して、中空部11内の空気が吸引されることになる。その結果、中空部11に負圧を発生させることができる。すなわち、シャフト10の先端部10Aに負圧を発生させることができるので、シャフト10の先端部10AにワークWを吸い付けることができる。なお、上述したように、リング52の内面とシャフト10の外面との間にも隙間が形成されている。しかしながら、この隙間は、内部空間500を形成する隙間(すなわち、貫通孔51Aの内面とシャフト10の外面との間に形成される隙間)よりも小さい。そのため、エア制御機構60において正圧電磁弁63Aを閉じ、負圧電磁弁63Bを開くことで、内部空間500内から空気が吸引されても、リング52の内面とシャフト10の外面との間の隙間を流通する空気の流量を抑制することができる。これにより、ワークWをピックアップできるような負圧をシャフト10の先端部10Aに発生させることができる。一方、シャフト10の位置にかかわらず、エア制御機構60において正圧電磁弁63Aを開き、負圧電磁弁63Bを閉じると、中空部11に正圧を発生させることができる。すなわち、シャフト10の先端部10Aに正圧を発生させることができるので、シャフト10の先端部10AからワークWを速やかに脱離させることができる。
(磁極位置の推定)
上述したように、アクチュエータ1においては、直動モータ30における可動子32の固定子31に対する移動に伴って、シャフト10がZ軸方向に移動する。そのため、シャフト10をZ軸方向に移動させることでワークのピックアンドプレイスを行うためには、直動モータ30における可動子32の磁極位置を把握する必要がある。ただし、従来のように、直動モータ30への通電開始時において、可動子32の磁極位置を推定するために可動子32を移動させてしまうと、可動子32の移動に伴ってシャフト10が下方に移動した場合、ピックアップのために準備されていたワークにシャフト10が接触してしまう虞がある。
また、複数のアクチュエータ1をY軸方向に積層するように設置する場合もある。この場合、複数のアクチュエータ1それぞれにおいて直動モータ30における可動子32の磁極位置が不明の状態で励磁されると、各アクチュエータ1において可動子32が異なる方向に移動することも考えられる。その結果、隣り合う二台のアクチュエータ1において、一方のシャフト10が上方に移動し、他方のシャフト10が下方に移動する場合もある。このような場合、シャフト10の先端部の大きさ、形状、および回転位置によっては、隣り合う二台のアクチュエータ1におけるシャフト10の先端部同士が干渉してしまう虞もある。
そこで、本実施形態においては、シャフト10を移動させずに、直動モータ30における可動子32の磁極位置を推定する。以下、本実施形態に係る直動モータ30における可動子32の磁極位置の推定方法について図4に基づいて説明する。図4は、本実施形態に係る直動モータ30における可動子32の磁極位置の推定方法について説明するためのイメージ図である。
図4(a)、(b)、(c)は、ブレーキ装置90によって可動子32のZ軸方向の移動を停止させた状態で直動モータ30に通電して励磁させた際の可動子32の状態の一例を表している。図4においては、固定子31における0radから2πradが直動モータ30における可動子32のZ軸方向の移動範囲を示している。つまり、直動モータ30においては、0radから2πradまでの間の磁極位置の範囲のいずれかの位置に可動子32が存在している。なお、図4においては、可動子32のZ軸方向の移動範囲におけ
る上方端部の位置を0radとし、可動子32のZ軸方向の移動範囲における下方端部の位置を2πradとする。また、図4においては、便宜上、可動子32の一部分の位置のみを示している。
また、図4において、白抜き矢印は、ブレーキ装置90によって可動子32のZ軸方向の移動を停止させた状態で直動モータ30に通電して励磁させた際に、可動子32に対して作用する力の方向を示している。ここで、可動子32のZ軸方向の移動を停止させた状態で直動モータ30に通電して励磁させると、連結アーム36にひずみが発生する。そして、このときの連結アーム36のひずみの方向が、可動子32に対して作用する力の方向と相関を有する。そのため、可動子32に対して作用する力の方向は、連結アーム36に設けられたひずみゲージ37の検出値に基づいて判定することができる。
本実施形態においては、コントローラ7が、ブレーキ装置90によってシャフト10および直動モータ30の可動子32のZ軸方向の移動を停止させた状態で、直動モータ30に通電する。このとき、コントローラ7は、先ず、πradの位置を可動子32の第1目標位置として直動モータ30に通電する。つまり、直動モータ30において生じる移動磁界によって可動子32がπradの位置に引き付けられるように直動モータ30に通電が行われる。ただし、直動モータ30においてこのような通電が行われても、ブレーキ装置90によってZ軸方向の移動が停止されている可動子32は実際には移動しない。したがって、シャフト10も移動はしない。なお、ブレーキ装置90によって可動子32のZ軸方向の移動が制動されている状態であっても、直動モータ30への通電直後において移動磁界によって可動子32が極僅かに(例えば、数μm程度)Z軸方向に動く場合もあり得る。ただし、その際の可動子32の移動距離が極僅かであれば、可動子32の移動が停止した状態と同義であると言える。
しかしながら、可動子32には励磁によって発生したZ軸方向の力、すなわち、可動子32をπradの位置に引き付けようとする力が作用する。そのため、例えば、図4(a)に示すように、可動子32が0radからπradまでの区間に位置していれば、可動子32には下方向の力が作用する。一方で、可動子32がπradから2πradまでの区間に位置していれば、可動子32には上方向の力が作用する。そこで、コントローラ7は、ひずみゲージ37の検出値に基づき、Z軸方向において可動子32に作用する力の方向を判定する。さらに、コントローラ7は、可動子32に作用する力の方向に基づいて、可動子32が存在している磁極位置の区間(以下、「存在区間」と称する場合もある。)を推定する。具体的には、コントローラ7は、0からπradまでの区間と、πradから2πradまでの区間と、のどちらに可動子32が位置しているかを推定する。なお、以下においては、このような、0からπradまでの区間と、πradから2πradまでの区間と、のどちらに可動子32が位置しているかを推定するために行われる処理を第1推定処理と称する場合もある。
次に、コントローラ7は、第1推定処理によって推定された存在区間における中央の位置を第2目標位置として直動モータ30に通電する。つまり、直動モータ30において生じる移動磁界によって可動子32が存在区間の中央の位置に引き付けられるように直動モータ30に通電が行われる。これにより、可動子32には、可動子32を存在区間の中央の位置に引き付けようとする力が作用する。そのため、可動子32が存在区間における中央よりも上方の区間に位置していれば、可動子32には下方向の力が作用する。一方で、可動子32が存在区間における中央よりも下方の区間に位置していれば、可動子32には上方向の力が作用する。
例えば、図4(b)の場合、第1推定処理において、0radからπradまでの区間が存在区間として推定されているため、π/2radの位置が第2目標位置となる。その
ため、可動子32をπ/2radの位置に引き付けようとする力が作用する。したがって、図4(b)に示すように、可動子32が0radからπ/2radまでの区間に位置していれば、可動子32には下方向の力が作用する。一方で、可動子32がπ/2radからπradまでの区間に位置していれば、可動子32には上方向の力が作用する。そこで、コントローラ7は、第1推定処理と同様に、ひずみゲージ37の検出値に基づき、Z軸方向において可動子32に作用する力の方向を判定する。さらに、コントローラ7は、可動子32に作用する力の方向に基づいて存在区間を推定する。具体的には、コントローラ7は、第1推定処理において推定された存在区間における、中央よりも上方の区間(例えば、図4(b)における0radからπ/2radまでの区間)と、中央よりも下方の区間(例えば、図4(b)におけるπ/2radからπradまでの区間)と、のどちらに可動子32が位置しているかを推定する。なお、以下においては、このような、前回の推定処理によって推定された存在区間における、中央よりも上方の区間と、中央よりも下方の区間と、のどちらに可動子32が位置しているかを推定するために行われる処理を第2推定処理と称する場合もある。
次に、コントローラ7は二回目の第2推定処理を実行する。このとき、コントローラ7は、一回目の第2推定処理によって推定された存在区間における中央の位置を第2目標位置として直動モータ30に通電する。これにより、可動子32には、一回目の第2推定処理によって推定された存在区間の中央の位置に可動子32を引き付けようとする力が作用する。例えば、図4(c)の場合、一回目の第2推定処理において、0radからπ/2radまでの区間が存在区間として推定されているため、π/4radの位置が二回目の第2推定処理における第2目標位置となる。そのため、可動子32をπ/4radの位置に引き付けようとする力が作用する。したがって、図4(c)に示すように、可動子32がπ/4radからπ/2radまでの区間に位置していれば、可動子32には上方向の力が作用する。一方で、可動子32が0radからπ/4radまでの区間に位置していれば、可動子32には下方向の力が作用する。そこで、コントローラ7は、第1推定処理および一回目の第2推定処理と同様に、ひずみゲージ37の検出値に基づき、Z軸方向において可動子32に作用する力の方向を判定する。さらに、コントローラ7は、可動子32に作用する力の方向に基づいて存在区間を推定する。具体的には、コントローラ7は、一回目の第2推定処理において推定された存在区間における、中央よりも上方の区間(例えば、図4(c)における0radからπ/4radまでの区間)と、中央よりも下方の区間(例えば、図4(c)におけるπ/4radからπ/2radまでの区間)と、のどちらに可動子32が位置しているかを推定する。
そして、コントローラ7は、上記のような第2推定処理を、第2目標位置を更新しつつ所定回数繰り返し実行する。このとき、第2推定処理が実行されるごとに存在区間が絞り込まれる。そのため、第2推定処理が所定回数繰り返し実行されることで、可動子32の磁極位置を高精度で推定することができる。なお、本実施形態においては、コントローラ7が、本発明に係る「推定手段」に相当する。
(推定処理のフロー)
次に、本実施形態に係る直動モータ30における可動子32の磁極位置を推定するための処理のフローについて図5に基づいて説明する。図5は、本実施形態に係る直動モータ30における可動子32の磁極位置を推定するための処理のフローを示すフローチャートである。本フローは、コントローラ7によって実行される。
本フローでは、先ず、S101においてブレーキ装置90がONにされる。これにより、可動子32のZ軸方向の移動が停止された状態となる。次に、S102において、πradの位置を可動子32の第1目標位置として直動モータ30に通電される。次に、S103において、ひずみゲージ37の検出値に基づき、Z軸方向において可動子32に作用
する力の方向が判定される。次に、S104において、可動子32に作用する力の方向に基づいて存在区間が推定される。つまり、0からπradまでの区間と、πradから2πradまでの区間と、のどちらに可動子32が位置しているかが推定される。本フローにおけるS102からS104までの一連の処理が第1推定処理に相当する。
次に、S105において、S104で推定された存在区間における中央の位置を第2目標位置として直動モータ30に通電される。次に、S106において、ひずみゲージ37の検出値に基づき、Z軸方向において可動子32に作用する力の方向が判定される。次に、S107において、可動子32に作用する力の方向に基づいて存在区間が推定される。つまり、第1推定処理において推定された存在区間における、中央よりも上方の区間と、中央よりも下方の区間と、のどちらに可動子32が位置しているかが推定される。本フローにおけるS105からS107までの一連の処理が第2推定処理に相当する。
次に、S108において、第2推定処理が所定回数されたか否かが判別される。ここで、所定回数は、要求される可動子32の磁極位置の推定精度に応じて予め設定されていた回数である。S108において否定判定された場合、つまり、第2推定処理の実行回数が所定回数に達していない場合は、第2推定処理が再度実行される。具体的には、S105からS107までの一連の処理が再度実行される。この場合、S105では、前回の第2推定処理で推定された存在区間における中央の位置を今回の第2推定処理における第2目標位置として直動モータ30に通電される。また、S107においては、前回の第2推定処理において推定された存在区間における、中央よりも上方の区間と、中央よりも下方の区間と、のどちらに可動子32が位置しているかが推定される。
一方、S108で肯定判定された場合、次にS109の処理が実行される。S109においては、第2推定処理が所定回数繰り返し実行されることで最終的に推定された存在区間が可動子32の磁極位置に決定される。
図5に示す推定処理のフローによって可動子32の磁極位置(推定位置)が決定されると、コントローラ7によって、最終的な可動子32の位置合わせのための処理が実行される。この位置合わせのための処理においては、ブレーキ装置90がOFFにされると共に、推定処理によって決定された磁極位置を目標位置として直動モータ30に通電される。これにより、可動子32の実際の位置が、推定処理によって決定された磁極位置から多少ずれていたとしても、可動子32の実際の位置を、推定処理によって決定された磁極位置に合わせることができる。ただし、図5に示す推定処理のフローにおいて、第2推定処理を十分な回数繰り返し実行することで、可動子32の実際の位置と、推定処理によって決定される磁極位置とのずれを十分に小さくすることもできる。この場合、推定処理の実行後に位置合わせのための処理を実行することが不要となる。
以上説明したように、本実施形態に係る直動モータ30における可動子32の磁極位置の推定方法によれば、アクチュエータ1において、シャフト10を移動させずに、可動子32の磁極位置を推定することができる。そのため、従来のように可動子32の磁極位置を把握するためシャフト10が移動してしまうことによって生じる種々の問題を回避することができる。
なお、上記の実施形態では、第1推定処理における第1目標位置をπradの位置としたが、第1目標位置をπradの位置に限られるものではない。つまり、第1推定処理における第1目標位置は、0radから2πradの間における任意のnradの位置に設定することができる。
また、上記の実施形態では、第1推定処理および第2推定処理において、Z軸方向にお
いて可動子32に作用する力の方向を判定するためにひずみゲージ37の検出値を用いた。ただし、Z軸方向において可動子32に作用する力の方向を、ロードセル等の他のセンサを用いて検出してもよい。
また、上記の実施形態においては、ひずみゲージ37の検出値を、Z軸方向において可動子32に作用する力の方向の検出以外に用いることもできる。つまり、シャフト10によるワークのピックアップ時において、シャフト10の先端部10Aがワークに接触したことをひずみゲージ37を用いて検出してもよい。また、シャフト10によるワークのプレイス時においてワークが接地したことをひずみゲージ37の検出値を用いて検出してもよい。ワークのピックアップ時においてシャフト10の先端部10Aがワークに接触した時、および、ワークのプレイス時においてワークが接地した時は、シャフト10が受ける力によって連結アーム36にひずみが生じる。このときのひずみがひずみゲージ37によって検出される。したがって、ワークのピックアップ時においてシャフト10の先端部10Aがワークに接触したこと、および、ワークのプレイス時においてワークが接地したことを、ひずみゲージ37の検出値に基づいて検出することができる。
1・・・アクチュエータ、2・・・ハウジング、10・・・シャフト、10A・・・先端部、11・・・中空部、20・・・回転モータ、22・・・固定子、23・・・回転子、30・・・直動モータ、31・・・固定子、32・・・可動子、36・・・連結アーム、37・・・ひずみゲージ、50・・・シャフトハウジング、60・・・エア制御機構、90・・・ブレーキ装置、500・・・内部空間、501・・・制御通路

Claims (5)

  1. シャフトの先端部にワークを吸い付けて該ワークをピックアップするアクチュエータであって、
    固定子および可動子を有する直動モータであり、前記可動子に前記シャフトが接続されており、前記固定子に対して前記可動子が相対的に移動することで前記シャフトをその軸方向に移動させる直動モータと、
    前記シャフトの軸方向の移動を制動するブレーキ装置と、
    前記シャフトの軸方向において前記可動子に対して作用する力の方向を検出する力センサと、
    前記ブレーキ装置によって前記シャフトの軸方向の移動を停止させた状態で前記直動モータに通電したときに前記力センサによって検出される力の方向に基づいて、前記可動子の磁極位置を推定する推定手段と、
    を備えるアクチュエータ。
  2. 前記推定手段は、
    前記ブレーキ装置によって前記シャフトの軸方向の移動を停止させた状態で第1推定処理と第2推定処理を実行することで前記可動子の磁極位置を推定するものであって、
    前記第1推定処理は、0から2πradまでの間の磁極位置の範囲におけるnradの位置を前記可動子の第1目標位置として前記直動モータに通電したときに前記力センサによって検出される力の方向に基づいて、n-πradからnradまでの区間と、nradからn+πradまでの区間と、のどちらに前記可動子が位置しているかを推定する処理であり、
    前記第2推定処理は、前記第1推定処理の実行後に、前記可動子が位置していると推定された区間における中央の位置を前記可動子の第2目標位置として前記直動モータに通電したときに前記力センサによって検出される力の方向に基づいて、前記推定された区間における中央よりも上方の区間と、前記推定された区間における中央よりも下方の区間と、のどちらに前記可動子が位置しているかを推定する処理である、
    請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記推定手段は、前記第2目標位置を更新しつつ前記第2推定処理を所定回数繰り返し実行することで前記可動子の磁極位置を推定する、
    請求項2に記載のアクチュエータ。
  4. 前記力センサはひずみゲージを含んで構成され、
    前記ひずみゲージは、前記直動モータの前記可動子と前記シャフトとを接続する接続部材に設けられ、前記接続部材のひずみを検出する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
  5. シャフトの先端部にワークを吸い付けて該ワークをピックアップするアクチュエータであって、
    固定子および可動子を有する直動モータであり、前記可動子に前記シャフトが接続されており、前記固定子に対して前記可動子が相対的に移動することで、前記シャフトをその軸方向に移動させる直動モータと、
    前記シャフトの軸方向の移動を制動するブレーキ装置と、
    前記シャフトの軸方向において前記可動子に対して作用する力の方向を検出する力センサと、
    を備えるアクチュエータにおいて、可動子の磁極位置を推定する位置推定方法であって、
    前記ブレーキ装置によって前記シャフトの軸方向の移動を停止させた状態で前記直動モ
    ータに通電したときに前記力センサによって検出される力の方向に基づいて、前記可動子の磁極位置を推定する、位置推定方法。
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